JP2006172714A - 情報記録担体、その再生装置及びその記録装置 - Google Patents

情報記録担体、その再生装置及びその記録装置 Download PDF

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哲也 近藤
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Abstract

【課題】クロスイレースを低減した情報記録担体、その再生装置及びその記録装置を提供する。
【解決手段】情報記録担体1は、グルーブ部Gとランド部Lとが交互に形成された平行溝連続体からなる微細パターン20を有した支持体13と、この微細パターン13上に形成された記録層12と、記録層12上に形成された透光層11とから少なくともなり、グルーブ部G又はランド部LのピッチをP、再生光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする時、微細パターン20がP<λ/NAの関係を有して形成され、透光層11の厚さは、0.07〜0.12mmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報記録担体に対して相対運動をさせて情報を読み出す再生装置及び記録装置に用いられる情報記録担体に関し、特に光学的手段によって記録及び/又は再生を行う情報記録担体、その再生装置及びその記録装置に関するものである。
従来より、情報記録担体を相対運動させて情報を読み出すシステムがあり、システムの再生には光学的手段、磁気的手段、静電容量的手段などが用いられている。このうち光学的手段によって記録及び/又は再生を行うシステムは日常生活に深く浸透している。例えば波長λ=650nmの光を利用した再生専用型情報記録担体としては、画像情報があらかじめ記録されているDVDビデオ、プログラムなどがあらかじめ記録されているDVD−ROM、音楽情報があらかじめ記録されているDVDオーディオ、SACDなどが知られている。
また、色素を利用した追記性記録・再生型情報記録担体としてDVD−Rが、相変化を利用した記録・再生型情報記録担体としてDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWが、光磁気を利用した記録・再生型情報記録担体としてASMO、iD、GIGAMOがある。
一方、情報記録担体の記録密度を上げるために、レーザの波長を短くする研究が長年続けられてきた。近年発明された第2高調波発振素子や窒化ガリウム系化合物半導体発光素子(例えば特許第2778405号公報に記載)は、λ=350〜450nm近傍で発光するために、記録密度を大幅に高める重要な発光素子になり得る。
また、この近傍の波長に対応した対物レンズの設計も進んでおり、特にNA(開口数)をDVDで使用するNA0.6を越えて、0.7以上としたレンズが開発中である。
このようにλを350〜450nmに短縮し、NAを0.7以上とした情報記録担体再生装置の開発が進められており、これらの技術により現在のDVDの記録容量を遙かに超える光ディスクシステムを開発することが期待できる。
このようにDVDを越えた短い波長と、高いNAを用いることによって、飛躍的に高い記録密度を有する情報記録担体を設計することができる。しかしながら、情報記録担体が傾いたときのコマ収差も極めて大きくなるために、光の透過する厚さをDVDよりも格段に薄くした情報記録担体が必要となる。具体的にはDVRランドグルーブと呼ばれるディスクシステムが提案されている。このシステムでは、波長405nm発光素子と、NA0.85の対物レンズを用い、光の透過する厚さが0.1ミリで設計されている。
従来の情報記録担体について図17及び図18を用いて説明する。
図17は、従来の情報記録担体を示す断面図である。
図18は、従来の情報記録媒体を上方から見た拡大平面図である。
図17に示すように、情報記録担体100は、支持体130上に順次形成された記録層120と、透光層110とからなる。支持体130には、微細パターン200が形成されており、その面上に記録層120が直接形成されている。微細パターン200は、ランド部Lとグルーブ部Gとからなる微細パターンを有している。
そして、記録時には図18に示すように、ランド部Lとグルーブ部Gの両方に記録マークMが形成される(いわゆるランドグルーブ記録である)。
微細パターン200の諸寸法に注目してみると、グルーブ部G中心とグルーブ部G中心の最短距離をピッチP(ランド部L中心とランド部L中心の最短距離も同様にピッチP)とすると、再生スポット径Sに対して、P>Sの関係を満たすように形成されている。
また、この再生スポット径Sは、再生に用いるレーザの波長λと対物レンズの開口数NAから、S=λ/NAで計算されるものであり、言い換えれば、ピッチPは、P>λ/NAの関係を満たすように設計されている。
この情報記録担体100は、透光層110側から再生光を入射させ、記録層120に記録されている情報を読み取った後、この記録層120表面で反射させて透光層110側から取り出して再生される。
しかしながら、本発明人は情報記録担体100を実際に試作し、波長350〜450nmの範囲の単一波長で発光する発光素子と高NA対物レンズ(NA0.75〜0.9)によって記録再生実験を行ったところ、クロスイレ−ス現象が顕著であることを見出した。クロスイレース現象とは、例えば、ランド部Lに情報記録を行うと、グルーブ部Gにあらかじめ記録した信号にその情報が重ね記録される現象である。言い換えれば、ランド部Lに記録することによって、グルーブ部Gに記録されていた情報が消去される現象である。なお、この現象は逆の例、即ちグルーブ部Gに情報記録を行い、ランド部Lの既記録情報を観察したときにも見られる。
このようにクロスイレースが生じると、隣接トラックの情報が損傷を受けるため、大容量の情報システムにあっては、損失情報量が非常に大きなものとなるので、ユーザーへの影響が甚大である。
このため、この情報記録担体100を用いて、ランド部L又はグルーブ部Gのいずれか一方のみに記録することが考えられるが、記録容量が減少し、高密度記録のポテンシャルを有する情報記録担体のメリットが薄れてしまう。
そこで、従来の問題を解消すべく、クロスイレースを低減し、高密度記録された情報記録担体、その再生装置及びその記録装置を提供することを目的とする。特に、350〜450nmの波長での記録・再生を前提とした情報記録担体、その再生装置及びその記録装置を提供することを目的とする。
本発明は下記の構成を有する情報記録担体、その再生装置及びその記録装置を提供する。
(1) グル−ブ部とランド部とが交互に形成された微細パタ−ンを有した支持体と、
前記微細パタ−ン上に形成された記録層と、
前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、
レーザ光を対物レンズにより集光させた光ビームによって、前記透光層を介して前記記録層の前記ランド部側の再生を行う情報記録担体であって、
前記微細パターンは、前記ランド部の両側壁が位相変調によって半径方向に蛇行変調されたランド形状を有すると共に、前記ランド形状には、前記位相変調の基本周波数の整数倍または整数分の1の周波数を有する単一周波数波が重畳されていることを特徴とする情報記録担体。
(2) ピックアップを少なくとも有し、情報記録担体を再生する情報記録担体の再生装置であって、
前記情報記録媒体は、グルーブ部とランド部とが交互に形成された微細パターンを有した支持体と、
前記微細パターン上に形成された記録層と、
前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、
前記微細パターンは、前記ランド部の両側壁が位相変調によって半径方向に蛇行変調されたランド形状を有すると共に、前記ランド形状には、前記位相変調の基本周波数の整数倍または整数分の1の周波数を有する単一周波数が重畳された情報記録媒体であり、
前記ピックアップは、
レーザ光を対物レンズによって集光して光ビームを生成するとともに、前記光ビームが前記透光層を通過して、前記記録層の前記ランド部に照射されるように前記情報記録担体に対して配置されており、
前記レーザ光の波長をλ、前記対物レンズの開口数をNA、前記ランド部間のピツチをPとする時、P<λ/NAの関係を有していることを特徴とする情報記録担体の再生装置。
(3) ピックアップを少なくとも有し、情報記録担体に情報を記録する情報記録担体の記録装置であって、 前記情報記録媒体は、グルーブ部とランド部とが交互に形成された微細パターンを有した支持体と、
前記微細パターン上に形成された記録層と、
前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、
前記微細パターンは、前記ランド部の両側壁が位相変調によって半径方向に蛇行変調されたランド形状を有すると共に、前記ランド形状には、前記位相変調の基本周波数の整数倍または整数分の1の周波数を有する単一周波数が重畳された情報記録媒体であり、
前記ピックアップは、
レーザ光を対物レンズによって集光して光ビームを生成するとともに、前記光ビームが前記透光層を通過して、前記記録層の前記ランド部に照射されるように前記情報記録担体に対して配置されており、
前記レーザ光の波長をλ、前記対物レンズの開口数をNA、前記ランド部間のピツチをPとする時、P<λ/NAの関係を有していることを特徴とする情報記録担体の記録装置。
以上のように、本発明によれば、グルーブ部とランド部とが交互に形成された略平行溝連続体からなる微細パターンを有した支持体と、この微細パターン上に形成された記録層と、前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、前記グルーブ部又はランド部のピッチをP、再生光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする時、前記略平行溝連続体がP<λ/NAであり、前記透光層の厚さは、0.07〜0.12mmであるので、クロスイレーズの低減ができると共に高密度記録された情報記録担体が得られる。
また、反射率差または位相差に基づく記録が、変調振幅0.4以上で行われているので、実用的なエラーレートにすることができる。
再生光の波長がλnmで、RIN−125dB/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NAの対物レンズとを少なくとも有して、グルーブ部とランド部とが交互に形成された略平行溝連続体からなる微細パターンを有する情報記録担体の再生を行う再生装置であって、前記λが350〜450nm、前記NAが0.75〜0.9であり、前記再生光を前記ランド部または前記グルーブ部のいずれか一方にのみ照射して行うので、クロスイレースを低減できる。
微細パターンの一部又は全てに、アドレスデータ等の補助情報が振幅変調で形状記録されているので、低いC/N環境であっても復調できる。また、微細パターンの一部またはすべてに、アドレスデータ等の補助情報が周波数変調で形状記録されているので、簡単な回路構成で復調できる。特に周波数切り替え点で波が連続するよう位相が選択された周波数変調とすることによって、再生エンベロープが一定となり、安定した再生が可能となる。更に、微細パターンの一部又は全てに、アドレスデータ等の補助情報が位相変調で形状記録されているので、同期検波により復調することによって低いC/N環境下であっても再生できる。
特に、周波数変調を構成する高周波数部分と低周波数部分の位相差を±π/2.5とすると同期検波により良好な信号復調が可能となる。
また、アドレスデータ等の補助情報は、予め同一ビットの連続が一定値以下に制限されるようベースバンド変調されたデータとすることにより、読取りの安定性を向上させることができる。
本発明の実施形態について図1乃至乃至図16を用いて説明する。
図1は、本発明における第1実施形態の情報記録担体を示す断面図である。
図2は、本発明における第1実施形態の情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
図3は、本発明における第2実施形態の情報記録担体を示す断面図である。
図4は、本発明における第3実施形態の情報記録担体を示す断面図である。
図5は、本発明における第4実施形態の情報記録担体を示す断面図である。
図6は、本発明における第5実施形態の情報記録担体を示す断面図である。
図7は、本発明における情報記録担体に記録された振幅変調アドレスを示す拡大平面図である。
図8は、本発明における情報記録担体に記録された周波数変調アドレスを示す拡大平面図である。
図9は、本発明における情報記録担体に記録された第1の位相変調アドレスを示す拡大平面図である。
図10は、本発明における情報記録担体に記録された第2の位相変調アドレスを示す拡大平面図である。
図11は、ベースバンド変調前とベースバンド変調後における基本データの変化を示す図である。
図12は、ベースバンド変調前とベースバンド変調後におけるデータ列の変化の具体的な例を示す図である。
図13は、本発明における第1の再生装置を示すブロック図である。
図14は、変調振幅とエラーレートとの関係を示す図である。
図15は、本発明における第2の再生装置を示すブロック図である。
図16は、本発明における記録装置を示すブロック図である。
本発明の第1実施形態について図1及び図2を用いて説明する。
本発明の第1実施形態の情報記録担体1は、凹凸状の微細パターン20が形成された支持体13上に順次形成された記録層12と、透光層11と、から少なくともなる。この微細パターン20における凹凸は、略平行溝連続体を形成している。
この情報記録担体1は、波長350〜450nmの範囲の単一波長で発光する発光素子と、NA0.75〜0.9なる対物レンズを有した再生専用のものである。また、この情報記録担体1の形状は、ディスク状、カード状或いはテープ状であっても構わない。また、円形であっても、四角形でも、楕円形でも構わない。更に、穴が開けられていてもよいものである。
ここで、支持体13、記録層12及び透光層11について詳細に説明する。
支持体13は、この上に形成されている記録層12及び透光層11を機械的に保持する機能を有するベースである。この材料としては、合成樹脂、セラミック、金属のいずれかが用いられる。合成樹脂の代表例としては、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどの各種熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂、各種エネルギー線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂の例を含む)を好適に用いることができる。なお、これらは、金属粉またはセラミック粉などを配合した合成樹脂であってもよい。
前記セラミックの代表例としてはソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。また、金属の代表例としてはアルミニウムのような透光性を有しない金属板も用いることもできる。なお、機械的に保持する必要性から支持体13の厚みは0.3〜3mm、望ましくは0.5〜2mmが好適に用いられる。情報記録担体1がディスク状である場合には、従来の光ディスクとの互換性から、支持体13,記録層12,透光層11の合計厚みが1.2mmとなるように設計するのが最も望ましい。
記録層12は、情報を読み出し、あるいは情報を記録ないしは書き換える機能を有した薄膜層である。この記録層12には、ランド部L又はグルーブ部Gのいずれか一方に情報が記録されている。この記録層12は、記録前後における反射率変化あるいは屈折率変化あるいはその両方の変化を起こす材料が用いられる。この記録層12の材料としては、熱記録によりアモルファス−結晶間で反射率変化あるいは屈折率変化あるいはその両方の変化を起こす相変化材料や色素材料がある。
相変化材料としては、Ge−Sb−Te系、Ag−In−Te−Sb系、Cu−Al−Sb−Te系、Ag−Al−Sb−Te系などがある。これらの記録材料に添加元素としてCu,Ba,Co,Cr,Ni,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Li,Mo,Mn,Zn,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,Sn,Ti,V,Ge,Se,S,As,Tl,In,Pd,Pt,Niの群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を合計で0.01原子%以上10原子%未満含有することもできる。なお、各元素の組成は、例えばGe−Sb−Te系としてGe2Sb2Te5、Ge1Sb2Te4、Ge8Sb69Te23、Ge8Sb74Te18、Ge5Sb71Te24、Ge5Sb76Te19、Ge10Sb68Te22、Ge10Sb72Te18、Ge−Sb−Te系にSn、In等の金属を添加した系、Ag−In−Sb−Te系として、Ag4In4Sb66Te26、Ag4In4Sb64Te28、Ag2In6Sb64Te28、Ag3In5Sb64Te28、Ag2In6Sb66Te26、Ag−In−Sb−Te系にCu,Fe,Ge等の金属や半導体を添加した系、Cu−Al−Sb−Te系、Ag−Al−Sb−Te系などがある。
また、色素材料としては、ポルフィリン色素、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フルギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用いることができる。
また、記録層12として、カー回転角の変化により、再生する光磁気材料も用いることができる。具体的には、テルビウム、コバルト、鉄、ガドリニウム、クロム、ネオジム、ジスプロシウム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウム、プロセオジム、マンガン、チタン、パラジウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、錫などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特に、TbFeCo、GdFeCo、DyFeCoなどに代表されるように遷移金属と希土類の合金で構成するのが好適である。更に、コバルトと白金の交互積層膜を用いて記録層12としてもよい。
これら相変化材料や色素材料、光磁気材料の形成方法は、抵抗加熱型や電子ビーム型 の真空蒸着、直流スパッタリングや高周波スパッタリング、反応性スパッタリング、 イオンビームスパッタリング、イオンプレーティング、化学気層堆積法(CVD)等を用いることができる。また、色素材料のうち、特に、溶剤に可溶な材料については、液層被膜形成法、例えばディップコーティング、スピンコーティング、バーコーティング、ナイフコーティング、ロールコーティングなども用いることができる。
透光層11は、収束した再生光を光学的歪みの少ない状態で記録層12に導く機能を有する(再生光は図1中に矢印で図示)。例えば、再生波長λにおいて透過率を70%以上、望ましくは、80%以上有した材料を好適に用いることができる。この透光層11は、光学的な異方性が少ないことが必要であり、再生光の減少を抑制を考慮して、具体的には複屈折が90度(垂直)入射ダブルパスにて±100nm以下、望ましくは±50nm以下、さらに望ましくは±30nmとした材料が用いられる。
このような特性を有する材料としてポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどを用いることができる。
なお、透光層11は、記録層12を機械的、化学的に保護する機能を有するようにしても良い。このような機能を有する材料として、剛性の高い材料を用いることができ、例えば、透明セラミック(例えばソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス)や熱硬化性樹脂、エネルギー線硬化樹脂(例えば紫外線硬化樹脂や可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂)が好適に用いられる。なお、透光層11の厚みは、情報記録担体1が再生光・記録光に対して傾斜した時のコマ収差を抑える観点から0.120mm以下が望ましく、また、記録層12へのスクラッチ傷を防止する観点から0.07mm以上が望ましい。即ち0.070〜0.120mmの範囲である。透光層11が上記のような材料であるとすると、屈折率(z)は、1.45〜1.7となるから、光学要素
を考慮した場合、特に、望ましい厚み範囲は、0.093〜0.107mmの範囲である。
また、厚みの一面中でのバラツキは、最大で±0.003mm、望ましくは±0.002mm以下とする。更に望ましくは±0.001mm以下とする。
次に、本発明の特徴である微細パターン20について図2を用いて説明する。
前述したように、微細パターン20は、微視的に略平行な溝連続体からなり、マクロ的に見ると、ライン状のみならず、同芯円状であっても、螺旋状であってもよいものである。
図2に示すように、微細パターン20における凸部は、ランド部L、凹部は、グルーブ部Gとなり、ランド部Lとグルーブ部Gが交互に平行を保って形成されている。
ここで、グルーブ部Gとは、「これでわかる光ディスク」(特許庁編、社団法人発明協会2000年発行)に記載された表4.4−1の定義に従っている。即ちグルーブ部Gは、ディスクの「基板表面に記録トラックを形成するために、あらかじめ螺旋状または同心円状に設けられた凹状溝」である。またランド部Lも同様に同書の定義に従う。即ち、ランド部Lは、ディスクの「基板表面に記録トラックを形成するために、あらかじめ螺旋状または同心円状に設けられた凸状部」である。ここで、「基板」とは、本発明における支持体13に相当するものである。
そして、グルーブ部Gとグルーブ部Gの最短距離をピッチP(ランド部Lとランド部Lの最短距離も同様にピッチP)とすると、再生スポット径Sに対して、P<Sの関係を満たすようになっている。なおここで、再生スポット径Sは、再生に用いるレーザ光の波長λと対物レンズの開口数NAから、S=λ/NAで計算される。言い換えれば、ピッチPは、P<λ/NAの関係を満たすようになっている。例えば、ピッチPは、250〜600nmに設定される。HDTV画像を2時間前後収録することを考慮した場合には、250〜450nmが望ましい。
グルーブ部Gの深さは、10〜300nmが相応しく、特に、再生光学系のλを考慮して、λ/(8z)〜λ/(18z)が好適である。ここで、zは、透過層11のλにおける屈折率を表す。例えば、λ=405nm、z=1.6(ポリカーボネート樹脂)を想定した場合には、グルーブ部Gの深さは、14〜32nmが好適に用いられる範囲となる。
微視的に見ればグルーブ部Gとグルーブ部G、ランド部Lとランド部L、グルーブ部Gとランド部Lは互いに平行であるが、クロックやアドレス等のアナログまたは、デジタルの補助情報を埋め込むために、これらが微小に蛇行してもよい。
例えば、これら溝がクロックを埋め込むために単一周波数記録され、結果的に支持体13表面上において、正弦波状に蛇行していてもよい。アドレス等の補助情報(副情報)を埋め込むために振幅変調(AM)または周波数変調(FM)または位相変調(PM)されていて、様々なパターンで蛇行していてもよい。言い換えるとクロック用の単一周波数を記録した領域と、アドレスを埋め込むための変調記録領域の少なくとも一方をグルーブ部G、ランド部Lのいずれかに形成しておくことができる。これらアドレス等の補助情報(副情報)を埋め込むための変調方法については後に詳述する。
情報記録担体1がディスク状である場合には、前記した蛇行は、角速度一定(constant angular velocity、CAV)で記録されてもよいし、線速度一定(constant linear velocity、CLV)で記録されてもよい。あるいは半径毎に異なるゾーンを形成し、各ゾーン毎で制御が異なるZCAV(zone constant angular velocity)やZCLV(zone constant linear velocity)を採用してもよい。
図示はしないが、アドレス等の補助情報を埋め込むために、グルーブ部Gまたはランド部Lをある領域にかけて寸断して、固有のピットを形成してもよい。グルーブ部G中にランド部Lと隣接して固有のピット、またはランド部L中にグルーブ部Gと隣接して固有のピットを配置して、アドレス等の補助情報を埋め込むようにしてもよい。また、記録領域以外に、情報記録担体1を認識するためのホログラムや目視可能な微細パターンを形成してもよい。
この情報記録担体1は、透光層11側から再生光を入射させ、記録層12に記録されている情報を読み取った後、この記録層12表面で反射させて透光層11側から取り出して再生される。
なお、情報記録担体1は、記録層12表面自身がある程度の反射率を有しているので、そのままで機能させることができるが、再生光の反射率を向上させる目的、及び書き換え回数向上や、耐候性向上など他の機能を付与する目的で反射層や保護膜を記録層12に近接して備えてもよい。これら反射層や保護膜の材料については、後に詳述する。
ここで、本発明の情報記録担体1のクロスイレースについて従来の情報記録担体100と比較して評価を行った。情報記録担体1、100の構成は、支持体13、130がポリカーボネート樹脂、記録層12、120が相変化材料の一種であるAgInSbTe、透光層11、110がポリカーボネート樹脂である。
評価は、第2トラックに記録、再生後、第1トラックと第3トラックに、第2トラックとは別の周波数で10回ずつ記録を行って、再度第2トラックの出力を測定して行った。
その結果、従来の情報記録担体100では最大で−5dBのクロスイレースが、本発明の情報記録担体1では、−2dBのクロスイレースが観測された。即ち、第1トラックと第3トラックに記録を行わない場合の第2トラックの出力と比較して、従来の情報記録担体100では、5dBの出力減少があるのに対して、本発明の情報記録担体1では、2dBの出力減少しかなかった。
言い換えれば、本発明なる情報記録担体1を用いれば、従来の情報記録担体100に比較して、3dBもクロスイレースが改善されることになる。
以上のように、本発明の第1実施形態によれば、グルーブ部G間又はランド部L間のピッチをP、レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする時、微細パターン20をピッチP<λ/NAとなるように形成し、かつランド部Lまたはグルーブ部Gのいずれか一方に記録を行う構成としたので、クロスイレースを低減することができると共に高密度記録された情報記録担体が得られる。
次に、本発明における第2実施形態の情報記録担体2について図3を用いて説明する。
本発明の第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図3に示すように、本発明における第2実施形態の情報記録担体2は、本発明の第1実施形態の透光層11が透光層11aと接着性透光層11bとからなり、これ以外は同一である。
透光層11aは、前記した透光層11と同様のものである。
接着性透光層11bは、記録層12と透光層11aを強固に接着するための層であり、波長λの光を70%以上、望ましくは80%以上透過し、接着性のある熱硬化樹脂、各種エネルギー線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂を含む)、湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂、溶剤含有熱可塑性樹脂などを用いることができる。この接着性透光層11bの厚みは、接着力が発揮する最低厚みとして0.001mm以上、接着性材料の応力割れの発生防止を考慮して0.04mm以下が望ましく、0.001mm以上、0.03mm以下がより望ましい。更に望ましくは0.001mm以上、0.02mmであるが、情報記録担体2全体の反りをも考慮すると、0.001mm以上、0.01mm以下が最も望ましい。塗布方法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、ブレードコート法、ロールコート法、ナイフコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などを用いることができる。
本発明の第1実施形態と同様に、本発明における第2実施形態の情報記録担体2のクロスイレースについて評価を行ったところ同様な結果が得られた。
このため、本発明の第2実施形態によれば、本発明の第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明における第3実施形態の情報記録担体3について図4を用いて説明する。
本発明の第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図4に示すように、本発明における第3実施形態の情報記録担体3は、本発明の第1実施形態の情報記録担体1の支持体13上に表面に微細パターン21が形成された樹脂層14上に順次形成された記録層12と、透光層11とからなる。
本発明の第3実施形態は、支持体13表面ではなく、樹脂層14に微細パターン21が形成されている点で本発明の第1実施形態と異なる。
この樹脂層14は、熱硬化樹脂、各種エネルギー線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂を含む)、湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂、溶剤含有熱可塑性樹脂などを用いることができる。この樹脂層14には、光が届かないので、透過率の限定はない。樹脂層14の厚さは、情報記録担体3全体の反りを考慮すると0.02mm以下が望ましい。
本発明の第1実施形態と同様に、本発明における第3実施形態の情報記録担体3のクロスイレースについて評価を行ったところ同様な結果が得られた。
このため、本発明の第3実施形態によれば、本発明の第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明における第4実施形態の情報記録担体4について図5を用いて説明する。
本発明の第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、本発明における第4実施形態の情報記録担体4は、支持体13上に順次形成された微細パターン22を有したパターン転写層15と、記録層12と、接着性透光層11bと、透光層11aとからなる。
そして、本発明の第4実施形態は、支持体13表面はフラットであり、支持体13と接するパターン転写層15に微細パターン22が形成されている点で本発明の第2実施形態と異なる。
ここで、パターン転写層15とは、微細パターン22を具備するための極めて厚みの薄い膜である。このパターン転写層15の材料としては、金属やその合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)や樹脂から選ばれ、その厚みは、5nm〜0.020mm程度が選ばれる。樹脂の代表例としては、アルカリ現像可能なノボラック感光樹脂、アルカリ現像可能なポリヒドロキシスチレン感光樹脂などがある。
本発明の第1実施形態と同様に、本発明における第4実施形態の情報記録担体4のクロスイレースについて評価を行ったところ同様な結果が得られた。
このため、本発明の第4実施形態によれば、本発明の第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
以下のように、図1乃至図5に示した情報記録担体1乃至4の各構成要素は、再生特性を劣化させない範囲内で相互に入れ替えまたは組み合わせてもよい。
例えば、情報記録担体1乃至4を2枚用意し、支持体13同士を互いに対向させて貼り合わせてもよい。また、情報記録担体1乃至4の透光層11、11a上に、記録層12と透光層11、11aをセットでもう一層ずつ重ねてもよい。このようにすれば、情報記録担体1乃至4の容量を約2倍に増すことができる。
また、図示しないが、透光層11、11aへの埃付着を軽減させる目的として、透光層11、11aの記録層12とは反対側に、公知の静電気防止層を形成してもよい。
後述する図13に示す第1の再生装置40のピックアップ50を構成する対物レンズ50bが、透光層11、11aへ偶発的に衝突した時の影響軽減を目的として、透光層11、11aの記録層12とは反対側に、ハードコート層、潤滑層などを形成してもよい(図示せず)。前記ハードコート層の具体的な材料としては、波長λの光を70%以上透過する熱硬化樹脂、各種エネルギー線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂を含む)、湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂、溶剤含有熱可塑性樹脂を用いることができる。
前記ハードコート層は、透光層11、11aの耐摩耗性を考慮して、JIS規格K5400の鉛筆ひっかき試験値がある一定以上値であることが望ましい。対物レンズ50bの最も硬い材料はガラスであり、これを考慮するとハードコート層の鉛筆ひっかき試験値は、H以上が特に望ましい。この試験値以下であるとハードコート層が削れることによる塵埃の発生が著しくなり、エラーレートが急激に悪くなるからである。
なお、このハードコート層の厚みは、耐衝撃性を考慮して0.001mm以上が望ましく、また情報記録担体1全体の反りを考慮して0.01mm以下が望ましい。塗布方法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、ブレードコート法、ロールコート法、ナイフコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などを用いることができる。
前記ハードコート層の別の材料として、波長λの光を70%以上透過し、鉛筆ひっかき試験値H以上のカーボン、モリブデン、シリコンなどの単体やその合金(酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、炭化物の例を含む)を用いることもできる(膜厚1〜1000nm)。形成方法としては、抵抗加熱型や電子ビーム型の真空蒸着、直流スパッタリングや高周波スパッタリング、反応性スパッタリング、 イオンビームスパッタリング、イオンプレーティング、化学気層堆積法(CVD)などを用いることができる。
前記潤滑層の具体的な材料としては、炭化水素高分子にシリコンやフッ素を修飾し、表面エネルギーを調整した液体潤滑剤を用いることができる。なお、前記潤滑層の厚みは、0.1nm〜10nm程度が望ましい。塗布方法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、ブレードコート法、ロールコート法、ナイフコーティング法、タンポコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などを用いることができる。
図示しないが、支持体13の記録層12とは反対側にレーベル印刷を施してもよい。たとえば、各種顔料や染料を含んだ各種エネルギー線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂を含む)を好適に用いることができ、視認性を考慮して0.001mm以上が望ましく、また、情報記録担体1、2、3、4全体の反りを考慮して0.05mm以下が望ましい。印刷方法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などを用いることができる。
情報記録担体1乃至4は、再生装置への装着性やハンドリング上の保護性を向上するために、情報記録担体全体をカートリッジに入れた構成としてもよい。
更に、情報記録担体1乃至4がディスク状の場合、その大きさに制限はなく、例えば直径20〜400mmの各種サイズを取ることができ、直径32、41、51、60、65、80、88、120、130、200、300、356mmなどであってもよい。
記録層12としては、記録特性や再生特性を向上させる目的で、複数の薄膜材料で構成してもよく、次の実施形態を用いて、詳しく説明する。
情報記録担体1の記録層12を4層の薄膜材料とした本発明における第5実施形態の情報記録担体5について図6を用いて説明する。
本発明の第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、本発明における第5実施形態の情報記録担体5は、本発明における第1実施形態の情報記録担体1の代わりに、微細パターン20を有した支持体13の上に順次形成された反射層121と、第1保護層122と、記録層123と、第2保護層124と、透光層11とからなる。
反射層121の材質としては、光反射性を有するAl,Au,Agなどの金属、及びこれらを主成分とし、1種類以上の金属または半導体からなる添加元素を含む合金及びAl,Au,Agなどの金属に金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合物を混合したものなどがある。Al,Au,Agなどの金属、及びこれらを主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率が高いことから好ましい。この反射層121は、記録層123への記録を行なう時の熱伝導を最適化する役割も有することから、ヒートシンク層と呼んでもよいものである。
前記した合金として、AlあるいはAgに対し、添加元素として、Si、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、Nb、Mn、Pd、Zr、Rh等などの少なくとも1種の元素を合計で5原子%以下、1原子%以上加えたもの、あるいは、Auに対し、添加元素として、Cr,Ag、Cu,Pd、Pt、Niなどの少なくとも1種の元素を合計で20原子%以下1原子%以上加えたものなどがある。とりわけ、耐腐食性が良好でかつ繰り返し性能が向上することから、Alを主成分とし、添加元素を合計で0.5原子%以上3原子%未満としたAl−Cr合金、Al−Ti合金、Al−Ta合金、Al−Zr合金、Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn合金のいずれかにより構成することが好ましい。
前記添加元素としては、金属単体よりも金属あるいは半導体を添加した方が結晶粒が小さくなり再生時のノイズレベルが低下するので好ましい。また、高温高湿下における安定性を改善する上でも添加物を含ませた方がよい。例えば、Al−Ti、Al−Cr、Al−Zr、Al−Si、Ag−Pd−Cu、Ag−Rh−Cu等の合金が上げられる。波長400nm前後の青色半導体レーザを使用するときは、Al系やAg系の合金を用いた方が高い反射率を得ることができる。これら反射層121の厚さとしては、10nm以上300nm以下である。
反射層121を形成する金属或いは合金の熱伝導率の大きさによって、この膜厚は変化する。例えば、Al−Cr合金の場合には、Crの含有量が増加するにつれて熱伝導率が低下するため、反射層121の膜厚を厚くしなければ記録ストラテジに適合しなくなる。Cr含有量が多い場合には、記録層123は、加熱されやすく冷却しにくくなり、いわゆる徐冷構造をとることになる。記録ストラテジで記録マークの形成を制御するためには、先頭パルスを短縮したり、マルチパルスを短縮したり、冷却パルスを延長したりの工夫が必要となる。
反射層121は、厚さが50nm以上となると光学的には変化せず、反射率の値に影響を与えないが、冷却速度への影響が大きくなる。その厚さを300nm以上にするには製造する上で時間を要するため、熱伝導率の高い材質の反射層121を用いることにより膜厚をなるべく抑制する。
反射層121を2層以上に分割すると、情報記録担体5の再生を行った際のノイズレベルを低減することができる。
この反射層121は、例えば以下のようにして形成する。
支持体13を1枚ずつ搬送し、各層を複数の真空槽で成膜する枚葉式スパッタ装置を用い、全体の膜厚が150nmの反射層121を形成する場合には、1つ目の真空槽で第1反射層を成膜速度2nm/sで形成し、2つ目と3つ目の真空槽で第2及び第3反射層を成膜速度6.5nm/sで形成すれば、10秒間という短時間でディスクを次々と成膜することができる。このように、成膜速度を変更することにより結晶粒を細かくすることができるので、情報記録担体5を再生した際のノイズレベルを低減することが可能となる。
第1保護層122及び第2保護層124は、記録時に支持体13、記録層123などが熱によって変形し、記録特性が劣化することを防止するなど、支持体13、記録層123を熱から保護する効果ならびに光学的な干渉効果により、再生時の信号コントラストを改善する効果がある。これらの保護層122、124は、記録再生光波長において透明であって屈折率nが1.9≦n≦2.5の範囲にある。
第1保護層122と第2保護層124とは、同一の材料、組成でなくてもよく、異種の材料から構成されていてもかまわない。第2保護層122の厚さは、分光反射率の極小値を示す波長を決める。
更に、第1保護層122及び第2保護層124は、記録層の結晶化を促進して、消去率を向上する効果もある。これらの保護層122、124の材料としては、ZnS、SiO2 、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機薄膜がある。
特に、Si,Ge,Al,Ti,Zr,Taなどの金属あるいは半導体の酸化物の薄膜,Si,Ge,Alなどの金属あるいは半導体の窒化物の薄膜,Ti,Zr,Hf,Siなどの金属あるいは半導体の炭化物の薄膜, ZnS,In23,TaS4,GeS2等の金属あるいは半導体の硫化物の薄膜、及びこれらの化合物の2種類以上の混合物の膜が、耐熱性が高く、化学的に安定なことから好ましい。
更に、保護層122、124の材料としては、記録層121への拡散がないものが好ましい。これらの酸化物、硫化物、窒化物、炭化物は、必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制御したり、混合して用いることも有効である。酸素、硫黄、窒素、炭素含有量を変えることにより屈折率nを制御する。これらの含有量が増加すると、屈折率は低下する。
特に、ZnSとSiO2の混合膜は、記録、消去の繰り返しによっても、記録感度、C/Nならびに消去率などの劣化が起きにくいことから好ましい。第1保護層122及び第2保護層124の厚さは、それぞれおよそ10〜500nmである。第1保護層122は、C/N、消去率などの記録特性、安定に多数回の書換が可能なことから10〜50nmが好ましい。
第1保護層122の厚さが薄いと反射率が増加し、記録感度が低下する。また、反射層121との間隔が狭くなり急冷構造となってマークを形成するのに大きな記録パワーを必要とする。逆に、第1保護層122の厚さが厚くなると、反射層121との間隔が広くなり、徐冷構造となって書き換え性能が劣化し繰り返しオーバーライト回数が減少する。
第1保護層122の膜厚は、第2保護層124よりも薄く、いわゆる急冷構造をとり、熱的ダメージを軽減するために膜厚は、2〜50nmとするのがよい。好ましくは第1保護層122の成膜速度は、第2保護層124の成膜速度よりも遅くする。こうすると、書き換えによるジッタの増加が抑制され、書き換え回数が延びる。
記録層123の材料は、上述した記録層12と同じ相変化材料を用いることができる。記録層の膜厚は5〜100nm、好ましくは、再生信号を増大させるために、10〜30nmとするのがよい。
第2保護層124は、第1保護層122と同じ材料が用いられる。第2保護層124の厚さは、10〜200nmの範囲にある。使用する光源の波長によって最適膜厚は変動するが、好ましくは、再生信号を増大させるために、40〜150nmとするのがよい。記録レーザ光が青色(波長400nm程度)の場合には、40〜60nmにすると変調振幅を増大させることができる。
以上のように、本発明の第5実施形態によれば、本発明の第1乃至第4実施形態の効果に加え、情報記録担体5の記録特性や再生特性を向上させることができる。なお、これら積層構造は、情報記録担体1のみならず、情報記録担体2乃至4に適用してもよい。また、記録特性、再生特性をより一層向上させるために、更なる補助的な薄膜を各層の層上または層間に形成してもよい。
前記したように、本発明における第1乃至5実施形態によれば、グルーブ部Gまたはランド部Lのいずれか一方に記録したものであるので、クロスイレースを低減することができる。
更に、本発明における情報記録担体5を信号品質という観点から、グルーブ部Gまたはランド部Lのいずれに記録された方が相応しいか検討したところ、ランド部Lに記録した方が、エラーレートが少なく、さらに書き換え特性も優れるということが分かった。
このことは、ランド部Lがグルーブ部Gよりも透光層11に近い側であり、再生光が透光層11側から入射することを考えると、ランド部L領域は、材料に熱が蓄積しやすく、高感度になるばかりか、記録マークの形状が均一な理想的記録が行える性質を持つためと考えられる(一方、グルーブ部Gに記録した場合は、熱が放熱しやすくなるので、理想的な記録が行えないと考えられる)。
次に、本発明なる情報記録担体1に対して、アドレスデータ等のアナログまたはデジタルによる補助情報(副情報)を埋め込むための変調パターンについて詳述する。
補助情報(副情報)は、上述した
ように振幅変調(AM)又は周波数変調(FM)又は位相変調(PM)によって、蛇行したパターンとして形状記録される。言い換えれば、蛇行したパターンとして、直接記録(支持体13または透光層11に溝形状として成形記録)されるので、書き換えのできない永久情報でもある。
情報記録担体1がディスク状である場合には、接線方向に拡がる溝に対して蛇行記録されるために、蛇行方向は、半径方向となる。
本発明で記録しようとする補助情報(副情報)のうちアドレスデータとは、情報記録担体1全面に対して割り当てられた絶対アドレス、部分領域について割り当てられた相対アドレス、トラック番号、セクタ番号、フレーム番号、フィールド番号、時間情報、エラー訂正コードなどから選ばれるデータであり、例えば10進法または16進法によって記述されたものを2進法(BCDコードやグレイコードの例を含む)に変換したデータである。
なお、アドレスデータ以外の補助情報も扱うことができ、例えば、情報記録担体の種別、情報記録担体のサイズ、情報記録担体の想定記録容量、情報記録担体の想定記録線密度、情報記録担体の想定記録線速度、情報記録担体のトラックピッチ、記録ストラテジ情報、再生パワー情報、製造者情報、製造番号、ロット番号、管理番号、著作権関連情報、暗号作成のためのキー、暗号解読のためのキー、暗号化されたデータ、記録許可コード、記録拒否コード、再生許可コード、再生拒否コードなどから少なくとも選ばれた特定コードデータを挙げることができ、これらデータ用のエラー訂正コードを伴っていてもよい。
以下の説明では、簡素化するために補助情報(副情報)がアドレスであるとして説明する。
図7は、振幅変調(AM)により記録されたアドレス250を拡大図示したものであり、このアドレス250が微細パターン20を構成するグルーブ部Gまたはランド部Lのいずれかにおいて一部又は全てに形状記録されている。振幅変調(AM)では、振幅の有無によってデータ「1」またはデータ「0」の記録が行われる。図7の例では、データ「1」を振幅有部分251、データ「0」を振幅無部分252として記録している。
そして、アドレスデータの例として10110を記録する場合においては、図7に示すように、振幅有部分251、振幅無部分252、振幅有部分251、振幅有部分251、振幅無部分252の順で形状記録される。このように振幅の有無によってデータを記録する方法は、単純な信号形式ゆえに低いC/N環境であっても復調できるという利点がある。特に、隣接トラックからのクロストークの影響を最小にでき、トラックピッチPを再生スポット径Sよりも短縮した本発明になる情報記録担体1においては、効果的なアドレス記録方法である。
ここで、振幅有部分251と振幅無部分252の長さは、同じであっても異なっていてもよいが、復調のエラーレートを最良にするためにはそれぞれの長さを同じとすることが望ましい。振幅有部分251を構成する波の数は、任意であるが、読み取りエラーを防ぐために複数であり、アドレス記録の記録密度を低下させないよう、冗長でない数が相応しい。そのような観点から波の数は、2〜10程度が望ましい。また、振幅有部分251の振幅幅は、互いに異なっていてもよいが、復調時のスライスレベルの設定しやすさを考慮すると互いに同じであることが望ましい。
また、このアドレス250以外に、クロック用の単一周波数を記録した領域を別に設ける場合には、その単一周波数と振幅有部分251の周波数は、異なっていても、同じでもよい。ただし同じである方が、クロックの抽出に用いる物理長さを若干拡大できることになるので、クロックの安定抽出がしやすくなり有利である。
また、図8は、周波数変調(FM)により記録されたアドレス300を拡大図示したものであり、このアドレス300が微細パターン20を構成するグルーブ部Gまたはランド部Lのいずれかにおいて一部又は全てに形状記録されている。周波数変調(FM)では、周波数の大小によってデータ「1」またはデータ「0」の記録が行われる。図8の例では、データ「1」を高周波数部分301、データ「0」を低周波数部分302として記録している。そして、アドレスデータの例として10110を記録する場合においては、図8に示すように、高周波数部分301、低周波数部分302、高周波数部分301、高周波数部分301、低周波数部分302の順で形状記録される。
このように周波数の高低によってデータを記録する方法は、簡単な回路構成で復調できるという利点がある。特に、図8で示したように、周波数の切り替え箇所で波が連続するよう位相を選択すると、再生エンベロープが略一定となり、安定したアドレス抽出が実現できる。なおここで高周波数部分301と低周波数部分302の長さは、同じであっても異なっていてもよいが、復調のエラーレートを最良にするためにはそれぞれの長さを同じとすることが望ましい。
また、高周波数部分301と低周波数部分302を構成する波の数は、任意で高周波数部分301と低周波数部分302の振幅幅は、互いに異なっていてもよいが、復調のしやすさを考慮すると互いに同じであることが望ましい。また、高周波数部分301と低周波数部分302の周波数の選択は、任意であるが、2つの周波数の位相差を±π/12〜±π/0.75となるように設定することが望ましい。特に、図8に示すように周波数比(高周波数/低周波数)を1.5倍とすると、2つの周波数は単一波の位相を−π/2.5と+π/2.5にずらした関係となる。これら2つの周波数は単一の周波数(ここでは0.5)の整数倍(ここでは3倍と2倍)で表現できる。従って、復調回路が簡単にできるという利点が生じる。また、復調を同期検波により行うことができ、エラーレートを著しく減少させることができる。
更に、別の例として周波数比(高周波数/低周波数)を1.28倍とすると、2つの周波数は単一波の位相を−π/4と+π/4にずらした関係となる。従って、この場合も復調を同期検波により行うことができ、エラーレートを著しく減少させることができる。
このアドレス300以外に、クロック用の単一周波数を記録した領域を別に設ける場合には、その単一周波数と高周波数部分301と低周波数部分302の周波数はそれぞれ異なっていてもよい。ただし、高周波数部分301と低周波数部分302のいずれかとクロック領域の単一周波数は、同じである方が、クロックの抽出に用いる物理長さを若干拡大できることになるので、クロックの安定抽出がしやすくなり有利である。
また、図9は、位相変調(PM)により記録された第1の位相変調アドレス400を拡大図示したものであり、この第1の位相変調アドレス400が微細パターン20を構成するグルーブ部Gまたはランド部Lのいずれかにおいて一部又は全てに形状記録されている。位相変調(PM)では、位相の違いによってデータ「1」またはデータ「0」の記録が行われる。図9の例では、データ「1」をsin0部分401、データ「0」をsinπ部分402として記録している。そしてアドレスデータの例として10110を記録する場合においては、図9に示すように、sin0部分401、sinπ部分402、sin0部分401、sin0部分401、sinπ部分402の順で形状記録される。
このように位相の違いによってデータを記録する方法は、同期検波により復調することによって低いC/N環境下でも再生できる利点がある。なお、sin0部分401とsinπ部分402の長さは、同じであっても異なっていてもよいが、復調のエラーレートを最良にするためにはそれぞれの長さを同じとすることが望ましい。sin0部分401とsinπ部分402の振幅幅は、互いに異なっていてよいが、復調のしやすさを考慮すると互いに同じであることが望ましい。
また、2つの位相差をπとし、0とπの2値記録としたが、これに限らず、例えば位相差をπ/2ずつとし、−3π/4、−π/4、+π/4、+3π/4の4値記録とするようにしてもよい。
この第1の位相変調アドレス400以外に、クロック用の単一周波数を記録した領域を別に設ける場合には、その単一周波数とsin0部分401またはsinπ部分402の周波数は異なっていてもよい。ただしこれらが一致している方が、クロックの抽出に用いる物理長さを若干拡大できることになるので、クロックの安定抽出がしやすくなり有利である。
また、この第1の位相変調アドレス400に対し、クロック用の単一周波数を重畳記録してもよい。即ち、位相変調アドレスに対して、整数倍(1を含む)、または整数分の1の周波数を重畳してもよい。このようにクロック周波数を重畳する場合には、公知のバンドパスフィルタによって周波数分離が可能であるが、第1の位相変調アドレス400とクロックの周波数の差が大きい方が望ましい。例えば、第1の位相変調アドレス400の周波数を1とし、クロックの周波数を1/2とするとこれらの周波数は好適に分離され、アドレス、クロック共に安定した抽出が可能になる。
図10は、位相変調(PM)により記録された第2の位相変調アドレス450を拡大図示したものであり、微細パターン20を構成するグルーブ部Gまたはランド部Lのいずれかにおいて形状が記録されている。この例では波を立ち上がりと立ち下がりの非対称な形状と捉え、それぞれを別々に制御することで位相の違いを表現している。即ち、図10の例では、データ「1」を立ち上がり緩やか、立ち下がり急峻部分451(以下、下り急峻部分451と呼ぶ)、データ「0」を立ち上がり急峻、立ち下がり穏やか部分452(以下、登り急峻部分452と呼ぶ)として記録している。
そして、アドレスデータの例として10110を記録する場合においては、図10に示すように、下り急峻部分451、登り急峻部分452、下り急峻部分451、下り急峻部分451、登り急峻部分452の順で形状記録される。このように位相の違いによってデータを記録する方法は、高帯域フィルターに入力し、微分成分を抽出することで復調でき、低いC/N環境下でも再生できる利点がある。ここで下り急峻部分451、登り急峻部分452の長さは、同じであっても異なっていてもよいが、復調のエラーレートを最良にするためにはそれぞれの長さを同じとすることが望ましい。
下り急峻部分451、登り急峻部分452の振幅幅は互いに異なっていてよいが、復調のしやすさを考慮すると互いに同じであることが望ましい。また、この第2の位相変調アドレス450以外に、クロック用の単一周波数を記録した領域を別に設ける場合には、その単一周波数と下り急峻部分451または登り急峻部分452の周波数は異なっていてよい。ただし、これらが一致している方が、クロックの抽出に用いる物理長さを若干拡大できることになるので、クロックの安定抽出がしやすくなり有利である。
これまでの説明では振幅変調(AM)、周波数変調(FM)、位相変調(PM)の記録方法として、アドレスデータをそのまま直接、溝の蛇行形状として記録する方法を用いて説明してきた。そして、溝蛇行の基本波は、sin形状を前提としたが、本発明はこれに限定されない。例えば溝蛇行の基本波をcos形状としても同様な効果が認められることはいうまでもない。
アドレスデータを異なる方式によって多重記録したり、時分割記録したりしてもよい。例えば、AM+FM、AM+PM、FM+PMのように異なる方式を合成記録してもよい。或いは、ある一定時間をAM、別の一定時間をFMとした時分割記録、またはある一定時間をAM、別の一定時間をPMとした時分割記録、またはある一定時間をFM、別の一定時間をPMとした時分割記録を行ってもよい。前述したように、これらに加え、クロックを抽出するための単一周波数領域をさらに異なる一定時間に記録した時分割記録としてもよいものである。
ところで、溝の蛇行幅であるが、蛇行による振幅は、その値をピッチP以下とすることで良好なアドレス再生が可能となる。具体的には、蛇行による振幅をピッチP以下とすることで隣接トラックと物理的に接触しないアドレスが記録できるので、記録によるクロストークが回避できる。このような蛇行振幅をピッチP以下としてアドレスを記録した溝に対して、相変化記録によるランダムデータを書き込み、プッシュプル法によるアドレス再生を試みたところ、アドレス信号の検出が可能な限界としては、蛇行振幅(peak to peak)が再生スポット径Sの2%以上であり、これを下回って作成された溝に対しては、相変化記録によるランダムデータがノイズとして顕著に重畳されて、アドレスエラーレートが急増した。
一方、蛇行振幅が再生スポット径Sの9%以上とした場合には、プッシュプル信号に隣接トラックのクロストークが顕著に重畳され、アドレスエラーレートが急増した。従って、蛇行振幅は、ピッチP以下が必須であり、更には再生スポット径Sの2〜9%の範囲が最も相応しいといえる。
本発明は、この直接記録に限定されない。即ち直接記録では、長いアドレスデータ列を記録する場合、0が連続するまたは1が連続する可能性があり、データに直流成分が生じる可能性がある。
これを回避するためにあらかじめデータをベースバンド変調して記録する方法を取ってもよい。即ち、0と1をあらかじめ別のコードに置き換えて、0と1の連続を一定値以下にする。そのような方法として、マンチェスタ符号、PE変調、MFM変調、M2変調、NRZI変調、NRZ変調、RZ変調、微分変調などを単独または組み合わせて用いることができる。
本発明なる情報記録担体1に特に相応しいベースバンド変調の方法として、マンチェスタ符号(バイフェイズ変調、二相変調)がある。これは記録しようとするデータ1ビットに対して、図11に示すように、2ビットを当てはめる方法である。即ち記録しようとするデータ0に対して00または11を、データ1に対して01または10を割り当てる。そしてデータの接続に際しては、必ず前の符号の反転符号から入るようにする。
図12に示すように、100001というアドレスデータは、001010101011という符号列になる。オリジナルのアドレスデータは、0の連続を4つ含み、また、0の出現確率は、1の2倍となった非対称なデータである。それに対し変調を行うと、0または1の連続は、最大2つで済み、また、0と1の出現確率は等しい対称なデータに変換される。このように同一ビットの連続が一定値以下に制限されるようなベースバンド変調は、その読み取りの安定性を向上させる効果があるので、長いアドレスデータを扱う際に相応しい前処理となる。
更に、アドレスデータを高度に分解して、分散記録する方法もある。例えばダミーデータ「10」と組み合わせて、「10X」(Xは0か1)というデータの組み合わせで記録し、一定間隔毎にこのデータ列を配置する記録方法である。「10」をデータトリガとして、Xのみを抽出すれば、データを復元できる。この方法は、扱うデータ列を時間をかけて読み込んでもよいフォーマットの場合に有効である。
分散記録の別の例としては、読み取りの容易な第1の特定データパターン(例えば「101」)を一定間隔毎に配置(記録)しておく。そして読み取りの容易な第2の特定データパターン(例えば「1111」)を、第1の特定データパターンの間に配置する。第2の特定データパターンを配置する位置は、第1の特定データパターンに対して、あらかじめ定めた所定の距離(時間)進んだ位置とし、第2特定パターンがあればデータ1、なければデータ0として記録する。
そして、読み取りにあたっては、あらかじめ定めた位置に着目して、第2の特定データパターンの有無を読み取れる。このようにすれば、記録したアドレスデータを読み取ることができるようになる。また、第2の特定データパターンを配置する位置を第1の特定データパターンに対して、あらかじめ2通りの所定の距離(時間)進んだ位置として用意しておき、そのどちらの位置に第2特定パターンがあるかによって、データ1、データ0を記録してもよい。
以上の説明では、第1の特定データパターンと第2の特定データパターンを用いて、その距離差を用いた分散記録の方法を説明したが、特定データパターンとして極めて読み取り精度の高いパターンを用意できる場合には、第1の特定データパターンと第2の特定データパターンは同じものとしてもよい。一定時間間隔で記録された特定データパターンに対して、その時間間隔よりも短い特定パターンを抽出し、さらにその時間間隔を測定することによって、データ1、データ0を特定してもよい。
以上、溝蛇行によるアドレス情報や、その他の特定コードデータからなる補助情報(副情報)の記録について説明してきた。繰り返すが、ここで説明してきた記録とは、記録層12への記録ではなく、溝(グルーブ部Gまたはランド部L)の蛇行によって形状記録されたものである。この補助情報及び先述のクロック情報(クロック抽出用単一周波数)の溝蛇行による形状記録は永久情報であり、改変のできない秘匿性の高いものである。このような記録は、支持体13または透光層11へ成形の手法を用いることによって、形状変化を伴った記録を行うことができる。ここで成形にあたっては溝蛇行記録されたスタンパを用いるが、スタンパそのものはエネルギー線によって、蛇行パターンを形成するいわゆるマスタリングの手法によって製作することができる。
ところで、前述したように、記録層12への記録(例えば相変化記録)もグルーブ部Gまたはランド部Lに行われる。記録層12への記録時には、溝蛇行による補助情報やクロック情報を参照しながら行う(例えばアドレスを読みながら記録を行う)から、記録に供するトラックと、補助情報やクロック情報を形状記録したトラックと一致する必要がある。例えば記録に供するトラックがランド部Lである場合には、補助情報やクロック情報を形状記録したトラックもランド部Lとする必要がある。これが異なると、記録層12への記録は物理的に問題なく行うことができるものの、補助情報やクロック情報は隣接した2つのトラックの情報が50%ずつ混合して取り出されることになり、正しい補助情報やクロック情報を抽出することができなくなる。
例えば、記録に供するトラックがランド部Lであり、補助情報やクロック情報を形状記録したトラックがグルーブ部Gとなっている場合、ランド部Lに記録層12への記録を行うこと自身には無理がないが、記録時にアドレス等の補助情報やクロック情報を取り出そうとすると、ランド部Lを挟んで隣接した2つのグルーブ部Gの情報を読み取ることになり、異なる2つのグルーブ部Gの補助情報やクロック情報が50%ずつ混合して取り出されることになる。
混合された2つの情報は、分離することが不可能であり、このため意図するトラックへの記録は行えないことになる。
従って、記録に供するトラックと、補助情報やクロック情報を形状記録したトラックとは一致する必要がある。
前述したように、記録層12への記録はエラーレートを低減させる意味から、特にランド部Lに行うのが相応しい。従って記録に供するトラックをランド部Lとし、補助情報やクロック情報を溝形状記録したトラックもランド部Lとするのが最も望ましいといえる。
次に、情報記録担体1乃至5を再生する第1の再生装置40について図13を用いて説明する。ここでは、説明を簡素化するために情報記録担体1を用いることにするが、その他の情報記録担体(情報記録担体2、3、4、5)の場合も同様である。
図13に示すように、第1の再生装置40は、情報記録担体1からの反射光を読み取るピックアップ50と、この情報記録担体1を回転するモータ51と、ピックアップ50及びモータ51の駆動を制御するサーボ52と、ピックアップ50で読み取った情報信号を復調する復調器54と、復調器54で復調した信号を外部に送出するインターフェース(I/F)55と、全体を制御するコントローラ60とから少なくともなる。ここで、復調器54とは、例えば、DVDで使用されている8/16変調(EFMプラス)であれば、16ビットデータを、オリジナルの8ビットデータに戻す操作を行うデジタル変換器である。
ターンテーブル53と情報記録担体1とは、中心穴Qを填めあいにして接続されているが、これらは固定接続でもよいし、自由に着脱できる半固定接続でもよい。また、情報記録担体1は、カートリッジに装着されたものであってもよく、中央に開閉機構がある公知のカートリッジをそのまま用いることができる。
モータ51は、ターンテーブル53と接続されており、ターンテーブル53と情報記録担体1とは中心穴Qを嵌め合いにして接続されている。モータ51は、ターンテーブル53を介し、情報記録担体1を保持し、再生のための相対運動を付与する。信号出力は、図示しない外部出力端子に接続されていてもよいし、図示しない表示装置や、オーディオ装置、印字装置に直接接続されていてもよい。
ピックアップ50は、λ=350〜450nmの間の単一波長、望ましくは400〜435nmの間の単一波長で発光する発光素子50aと、開口数0.75〜0.9の対物レンズ50bと、情報記録担体1からの反射光を受光する図示しない光検出器(フォトディテクター)を備えている。そして、これらによって再生光70を形成するものである。
前記した発光素子50aは、窒化ガリウム系化合物半導体レーザであってもよいし、第2高調波生成素子を有したレーザであってもよい。
サーボ52は図面の説明上1つとしたが、ピックアップ50の駆動制御用サーボ、及びモータ51の駆動制御用サーボの2つに分けてもよい。
復調器54には、図示しない公知のイコライザとPRML復号回路が内蔵されていてもよい。例えば、イコライザ(波形等化器)として、非線形な入出力特性を有する複数の変換系が独立した可変重みで結合されて、ニューラルネットワークを構成する、いわゆるニューラルネットイコライザ(特許第2797035号)や、再生信号の振幅レベルを所定値に制限してからフィルタリング処理する、いわゆるリミットイコライザ(特開平11−259985号公報)、再生信号と波形等化目標値との誤差を求めて、それを最小とするように波形等化器の周波数を適応的に可変する、いわゆる誤差選択型イコライザ(特開2001−110146号公報記載)などを特に好適に用いることができる。
また、公知のPRML復号回路のうち、予測値制御/等化誤差演算回路を含み、ビタビ・アルゴリズムの復号に用いる予測値を演算するとともに、波形等化器の等化誤差を最小とするように周波数特性を最適化する、いわゆるアダプティブビタビデコーダ(特開2000−228064号公報、及び特開2001−186027号公報)を特に好適に用いることができる。
次に、第1の再生装置40の動作について説明する。
ピックアップ50の発光素子50aから再生光70を出射して、情報記録担体1の微細パターン20に集光させる。具体的には透光層11の厚みに相当する0.07〜0.12mmの深度にある微細パターン20にフォーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部Lのいずれか一方にトラッキングを行う。このトラッキングはあらかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述したとおり、ランド部Lを選択するのが最もよい。そして、微細パターン20からの反射光を図示しない光検出器で受光して記録信号を読み取る。ここで光検出器は4分割に分割されており、すべての分割検出器出力の総和信号(いわゆるIa+Ib+Ic+Id)が、復調器54に送られる。ここで、Ia、Ib、Ic、Idは、JIS規格X6241:1997で定義されたDVDにおける4分割された光検出器の出力にそれぞれ対応する。この記録信号の読み取りは、微細パターン20上のグルーブ部Gまたはランド部Lに記録されている記録マークMを再生することによって行われることになる。
説明を省略したが、フォーカスにはフォーカスエラー信号を生成し、トラッキングにはトラッキングエラー信号を生成する必要がある。フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号は、4分割光検出器出力の半径方向の差信号(いわゆる(Ia+Ib)−(Ic+Id))によって生成され、サーボ52に送られる。
コントローラ60の制御に基づいて、受信したフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号より、サーボ52内でフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号を生成してピックアップ50に送る。一方、サーボ52からは回転サーボ信号も生成して、モータ51に送る。
そして、復調器54では、前記した記録信号を復調し、必要に応じて誤り訂正を行い、得られたデータストリームをインターフェース(I/F)55に送る。そしてコントローラ60の制御に基づいて信号を外部に送出する。
以上のように、本発明における第1の再生装置40によれば、情報記録担体1を装着しており、これらはλ=350〜450nmの間の単一波長を有する発光素子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物レンズ50bによって生成される再生光70に適合して設計されたものであるから、情報記録担体1を良好に再生することができる。
ここで、第1の再生装置40に用いる発光素子50aについて述べておくと、発光素子50aは、窒化ガリウム系化合物半導体レーザであってもよいし、第2高調波生成素子を有したレーザであってもよい。しかしながら、これら2つの異なるレーザは、それぞれの固有のレーザノイズを有し、特に、窒化ガリウム系化合物半導体レーザの場合は、ノイズレベルが高いという特徴を持つ。我々の測定では、第2高調波生成素子を有したレーザRIN(Relative Intensity Noise)が−134dB/Hzであり、これはDVDで用いられる赤色半導体レーザ(λ=約650nm)とほぼ同等のノイズを有する。
一方、窒化ガリウム系化合物半導体レーザの場合は、RINが−125dB/Hzであり、これは第2高調波生成素子を有したレーザRINと比べて、9dBも大きい。このノイズは、情報記録担体1からの再生信号にそのまま加算され、再生信号のS/Nを著しく悪くする。即ち、第1の再生装置40の発光素子50aに窒化ガリウム系化合物半導体レーザを採用した場合は、信号特性が劣化するので、DVDで得た設計指針を比例的にシフトして適応できないことを意味する。従って、このような第1の再生装置40の場合には、情報記録担体1からの再生信号に、レーザ固有のノイズが加算されることを考慮して、その劣化分を補った信号特性を有する情報記録担体を用意する必要がある。
次に、本発明における第5実施形態の情報記録担体5について、反射層121、第1保護膜122,記録層123、第2保護膜124の材料及び膜厚を変えながら各種作製し、発光素子50aに窒化ガリウム系化合物半導体レーザ(RIN:−125dB/Hz)を採用した第1の再生装置40による再生を行って、変調振幅と再生信号のエラーレートとの関係について調べた。なお、情報記録担体5の記録は、最もエラーレートが下がる、理想的な記録条件で行った。
再生変調振幅は、再生信号の出力ともいえ、相変化記録材料の場合には、クリスタル−アモルファス間の反射率コントラストと相関のある指数である。具体的には、情報記録担体5に、いわゆる(d、k)符号と呼ばれる変調信号を記録する。記録装置については後述する。
なお、(d、k)変調信号は、固定長符号であっても可変長符号であっても用いることができ、固定長符号の(2,10)変調や、固定長符号の(1,7)変調、固定長符号の(1,9)変調、可変長符号の(2,7)変調や可変長符号の(1,7)変調を好適に用いることができる。固定長符号の(2,10)変調の代表例としては、8/15変調(特開2000−286709号公報記載)や8/16変調(EFMプラス)、8/17変調(EFM)が挙げられる。固定長符号の(1,7)変調の代表例としては、D1,7変調(特願2001−80205号記載)が挙げられる。固定長符号の(1,9)変調の代表例としては、D4,6変調(特願2000−80205号記載)が挙げられる。可変長符号の(1,7)変調の代表例としては、17PP変調(特開平11−346154号公報記載)が挙げられる。
変調振幅は、第1の再生装置40に情報記録担体5を平坦に装着(傾きゼロ)して記録信号を再生し、ピックアップ50から出力されたDC系の再生信号をオシロスコープに接続して、符号で使用する最長長さの信号から求めた。例えば、DVDで使用する8/16変調の場合には、最長長さが14Tであるから、規格(JIS規格X6241:1997)で規定されているようにI14LとI14Hを測定して、変調振幅、即ち(I14H−I14L)/I14Hを計算する。 エラーレートは、復調器54を通して得られた再生信号を測定して求めた。
その結果を図14に示す。
図14に示すように、変調振幅とエラーレートは、明確な相関関係があり、変調振幅が小さくなるとエラーレートは、著しく大きくなることが分かる。実用的なエラーレートをDVD等で定める3×10-4に設定すると、必要な変調振幅は0.34以上となる。
情報記録担体5は、使用環境の温度変化等により反ることがある。従ってDVD同様、0.7度程度の傾きが起こりうると仮定すると、λ=350〜450nm、NA=0.75〜0.9、透光層11の厚み0.07〜0.12mmが複合的にもたらすコマ収差より、エラーレートは増大することになる。
0.7度傾き付加時のエラーレートが3×10-4となるのは、傾きゼロ時の0.7×10-4に相当することが実測結果より分かった。即ち、実使用時の傾きを考慮すると、0.7×10-4のエラーレートが必要である。このことから実用的な変調振幅は、0.4以上であることが分かった。
このように、窒化ガリウム系化合物半導体レーザを発光素子として用いた場合に再生信号にノイズが加算されることを考慮して、情報記録担体5を変調振幅が0.4以上になるようにした構成にすれば、エラーレートをDVDの仕様程度にすることができ、実用的となる。なお、図14のような、変調振幅とエラーレートの相関関係は前述したどの変調方式を用いてもほぼ同様な結果が得られることが実験の結果、分かっている。
変調方式により最長マーク長は変わりうるが、これら変調方式ではおよそ6T以上となると信号出力がほぼ飽和して、一定値を取るからである。従って例えば情報記録担体1に17PP変調で記録を行い、求めた変調振幅と、8/16変調で記録を行い、得られる変調振幅とは、同じ値が得られる。D1,7変調や17PP変調のような、(1,7)系の変調の場合の変調振幅の計算方法は、その最長マークが8Tとなるから、変調振幅は(I8H−I8L)/I8Hによって求められる。
次に、より具体的に、以下実施例1〜5を用いて説明する。なお、比較のために比較例1〜3のサンプルも作製した。
実施例1
相変化記録型情報記録担体5として、支持体13に厚さ1.1mmのポリカーボネートを用い、反射層121にAgPdCu、第1保護層122にZnSSiO2、記録層123にAgInSbTe、第2保護層124にZnSSiO2、透光層11としてポリカーボネート0.10mmを用いて作製した。この情報記録担体5のランド部Lにはアドレスデータが±π/2.5であり、さらに周波数切り替え点で波が連続するよう位相が選択された周波数変調を行うことにより蛇行形状に記録されている。この情報記録担体5は、λ405nm、NA0.85を想定して設計したものであり、ランド部L間のピッチPは、0.32μmとした。
この情報記録担体5をλ405nm、NA0.85のピックアップを有した記録装置に装着し、ランド部Lに対し、記録信号を17PP変調とし、最短マーク長(=2T)を0.149μmとした変調信号により記録を行った。この情報記録担体5を図13に示したλ405nm、NA0.85のピックアップ50を有した第1の再生装置40に装着し、ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I8H−I8L)/I8H)が0.52の信号が再生できた。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、2×10-5の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。また、アドレスエラーレートも記録部分で1%程度であり、アドレスデータは良好に復元できた。アドレスエラーレートは、記録層12への記録を行った後の再生で、5%以下であると誤り訂正処理により、エラーのほとんどないデータ復元ができるので、相応しいものである。
実施例2
記録信号をD4,6変調とし、最短マーク長(=2T)を0.154μmとした以外は、実施例1と同様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I12H)が0.60の信号が再生できた。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、8×10-6の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。また、アドレスエラーレートも記録部分で1%程度であり、アドレスデータは、良好に復元できた。
実施例3
記録信号をD8−15変調とし、最短マーク長(=3T)を0.185μmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I12H)が0.63の信号が再生できた。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、4×10-6の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。またアドレスエラーレートも記録部分で1%程度であり、アドレスデータは、良好に復元できた。
実施例4
ランド部Lにアドレスデータを図10に示す位相変調を行うことにより蛇行形状を記録した情報記録担体5とし、記録信号を17PP変調とし、最短マーク長(=2T)を0.149μmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I12H)が0.60の信号が再生できた。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、2×10-5の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。また、アドレスエラーレートも記録部分で0.1%程度であり、アドレスデータも良好に復元できた。
実施例5
ランド部Lにアドレスデータをマンチェスタ符号によりベースバンド変調し、±π/2.5であり、さらに周波数切り替え点で波が連続するよう位相が選択された周波数変調を行うことにより蛇行形状を記録した情報記録担体5とし、記録信号をD4,6変調とし、最短マーク長(=2T)を0.154μmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I12H)が0.60の信号が再生できた。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、8×10-6の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。また、アドレスエラーレートも記録部分で0.1%程度であり、アドレスデータも良好に復元できた。
比較例1
実施例1の情報記録担体5を用い、グルーブ部Gに記録を行う以外は、実施例1と同様にして記録及び再生を行った。グルーブ部Gの再生を行ったところ、変調振幅が0.38の信号が再生できた。続いて再生信号のエラーレートを求めたところ、4×10-3のエラーレートが得られ、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽出できた。また、アドレスデータは、全く混乱し、データを抽出することが不可能であった。
比較例2
透光層11の厚さを0.06mmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行っ・BR>ス。再生を行ったところ、変調振幅が0.46の信号が再生できたもののアイパターンは不鮮明であった。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、6×10-3のエラーレートが得られ、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽出できた。アドレスエラーレートも記録部分で10%もあり、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるアドレスデータしか抽出できなかった。また、情報記録担体5に、対物レンズ50bを強制的に接触、摺動させる試験を行ったところ、簡単にスクラッチ傷が入り、情報記録担体として不適当であった。
比較例3
透光層11の厚さを0.13mmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。再生を行ったところ、変調振幅が0.38の信号が再生でき、アイパターンは不鮮明であった。続いて再生信号のエラーレートを求めたところ、9×10-3のエラーレートが得られ、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽出できた。アドレスエラーレートも記録部分で10%もあり、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるアドレスデータしか抽出できなかった。
以上、本発明なる第1の再生装置40と、それに装着する情報記録担体1乃至5について説明してきた。ここで説明してきた第1の再生装置40は、記録層12、123に記録された情報を読み出すための再生装置であり、特に長時間にわたって連続して記録されたコンテンツを再生することができる。例えばビデオレコーディングされたHDTV番組や映画の再生に用いることができる。
次に、本発明なる第2の再生装置41について、図15を用いて説明する。
ここでは、情報記録担体としては、情報記録担体1を用いた場合について説明するが、それ以外でも同様である。
第2の再生装置41は、図13に示す第1の再生装置40において、ピックアップ50とコントローラ60との間にピックアップで読取った補助情報復調器56を備えたものであり、それ以外は同様である。そして、例えば、ビデオレコーディングされたHDTV番組や映画の頭出し再生や、データの記録されたコンピュータデータの頭出し再生のための再生装置である。
前述したとおり、ピックアップ50から復調器54へ送られる信号は、図示しない4分割光検出器のすべての分割検出器出力の総和信号(いわゆるIa+Ib+Ic+Id)である。ここで、Ia、Ib、Ic、Idは、JIS規格X6241:1997で定義されたDVDにおける4分割された光検出器の出力にそれぞれ対応する。一方、ピックアップ50から補助情報復調器56へ送られる信号は、4分割光検出器の半径方向の差信号(いわゆる(Ia+Ib)−(Ic+Id))である。情報記録担体1に溝蛇行として形状記録された補助情報は、蛇行が半径方向になされているために、この差信号をモニターすることで抽出できる。
補助情報復調器56の具体的な構成は、振幅変調復調器、周波数変調復調器、位相変調復調器の少なくとも1つからなるものである。振幅変調復調器の場合には包絡線検波回路など、周波数変調復調器の場合には周波数検波回路や同期検波回路など、位相変調復調器の場合には同期検波回路や遅延検波回路、包絡線検波回路などを好適に用いることができる。ところで、半径方向の差信号には、総和信号が少ないながら洩れ込んでくることがある。これを避けるために、補助信号の周波数帯域に合わせたバンドパスフィルタを補助情報復調器56の前に接続してもよい。
次に、第2の再生装置41の動作について説明する。
ピックアップ50の発光素子50aから再生光70を出射して、情報記録担体1の微細パターン20に集光させる。具体的には透光層11の厚みに相当する0.07〜0.12mmの深度にある微細パターン20にフォーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部Lのいずれか一方にトラッキングを行う。このトラッキングはあらかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述したとおり、ランド部Lを選択するのが最もよい。続いてピックアップ50からの半径方向の差信号((Ia+Ib)−(Ic+Id))を補助情報復調器56に送り、補助情報を読み取る。この時、各種補助情報のうち、アドレス情報に着目し、コントローラ60に入力されているデータを頭出しするためのアドレスと照合する。
ここで一致が見られない場合には、コントローラ60はサーボ52に信号を送りサーチの指示を行う。サーチはピックアップ50の半径方向スキャンを行いながら、モータ51の回転数を半径移動に伴って、半径に見合う回転数に設定し直す。スキャンの過程では、ピックアップ50からの差信号を受けている補助情報復調器56から出力されるアドレスが、所定のアドレスと照合され、これらが一致するまでサーチが続けられる。一致が見られると、半径方向のスキャンは中止され、連続再生に切り替えられる。総和信号(Ia+Ib+Ic+Id)が入力された復調器54からの出力は、頭出しして得られたデータストリームの復調となり、インターフェース(I/F)55に入力される。そしてコントローラ60の制御に基づいて信号を外部に送出する。
以上のように、本発明における第2の再生装置41によれば、情報記録担体1を装着しており、これらはλ=350〜450nmの間の単一波長を有する発光素子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物レンズ50bによって生成される再生光70に適合して設計されたものであるから、情報記録担体1を良好に再生することができると同時に、補助情報をも再生して、データストリームの頭出し再生を行うことができる。
次に、本発明になる記録装置90について図16を用いて説明する。
ここでは、情報記録担体としては、情報記録担体1を用いた場合について説明するが、それ以外でも同様である。
記録装置90は、図16に示す第2の再生装置41において復調器54の代わりに変調信号を情報記録担体1の記録に相応しいように変形する波形変換器83とオリジナルデータを変調する変調器82を直列に接続したものであり、それ以外は同様である。
この記録装置90は、例えば、所定のアドレスに新規にコンピュータデータを記録したり、所定のアドレスより連続してHDTV番組や映画をビデオレコーディング記録したりするための記録装置である。
変調器82は、例えばDVDの8/16変調(EFMプラス)であれば、オリジナルデータの8ビットを16ビットに変換する変調器である。波形変換器83は、変調器82から受け取った変調信号を情報記録担体1の記録に相応しいように変形する。具体的には情報記録担体1の記録層12の記録特性に合わせた記録パルスに変換する変換器であり、例えば記録層12が相変化材料である場合には、いわゆるマルチパルスが形成される。即ち、変調信号をチャネルビットもしくはそれ以下の単位に分割され、パワーを矩形波状に変化させるものである。ここで、マルチパルスを構成するピークパワー、ボトムパワー、イレイスパワー、パルス時間などがコントローラ60の指示に従って設定される。
次に、記録装置90の動作について説明する。
ピックアップ50の発光素子50aから再生光70を出射して、情報記録担体1の微細パターン20に集光させる。具体的には透光層11の厚みに相当する0.07〜0.12mmの深度にある微細パターン20にフォーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部Lのいずれか一方にトラッキングを行う。このトラッキングはあらかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述したとおり、ランド部Lを選択するのが最もよい。続いて、ピックアップ50からの半径方向の差信号((Ia+Ib)−(Ic+Id))を補助情報復調器56に送り、補助情報を読み取る。
この時、各種補助情報のうち、アドレス情報に着目し、コントローラ60に入力されているデータを頭出しするためのアドレスと照合する。ここで一致が見られない場合には、コントローラ60はサーボ52に信号を送りサーチの指示を行う。サーチは、ピックアップ50の半径方向にスキャンを行いながら、モータ51の回転数を半径移動に伴って、半径に見合う回転数に設定し直す。
スキャンの過程では、ピックアップ50からの差信号を受けている補助情報復調器56から出力されるアドレスが、所定のアドレスと照合され、これらが一致するまでサーチが続けられる。一致が見られると、半径方向のスキャンは中止され、記録動作に切り替えられる。即ち、インターフェース(I/F)81から入力されたデータが、コントローラ60の制御に基づいて変調器82によって変調される。続いて、コントローラ60の制御に基づいて変調されたデータが波形変換器83に入力され、記録に相応しい様式に変換されてピックアップ50に出力される。
ピックアップ50では、波形変換器83で設定された記録パワーに変更して、記録光80を生成し、情報記録担体1に照射される。このようにして情報記録担体1の所定のアドレスに記録が行われる。記録中も、記録光80によって半径方向の差信号((Ia+Ib)−(Ic+Id))を読み取ることは可能であり、補助情報復調器56よりアドレスを抽出することができる。従って、ユーザー希望のアドレスまでの限定した領域記録も可能である。
以上のように、本発明における記録装置90によれば、情報記録担体1を装着しており、これらはλ=350〜450nmの間の単一波長を有する発光素子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物レンズ50bによって生成される再生光70及び記録光80に適合して設計されたものであるから、情報記録担体1に良好に記録することができると同時に、補助情報をも再生して、記録のための任意位置出しを行うことができる。
以上、本発明なる情報記録担体1乃至5、第1及び第2の再生装置40、41及び記録装置90について縷々説明してきた。本発明は、本発明の実施形態では、基本的な部分のみについて説明したが、上記記載した内容以外に、本発明を阻害しない範囲での種々変形や追加が可能である。例えば、微細パターン20を単層及び二層とした情報記録担体1以外に、記録層12と透光層11のセットの積層を複数回繰り返して、複層(例えば三層、四層)などに拡張した情報記録担体としてもよい。
本発明は、第1及び第2の再生装置40、41及び記録装置90に関して、請求項に記載した範囲以外に、第1及び第2の再生装置40、41及び記録装置90の各動作についても含むものである。装置の諸動作を、各々ステップに置き換えることにより生成される再生方法、及び記録方法を含むものである。また再生方法の各ステップを実行するコンピュータプログラム、及び記録方法の各ステップを実行するコンピュータプログラムを含むものである。
本発明における第1実施形態の情報記録担体を示す断面図である。 本発明における第1実施形態の情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。 本発明における第2実施形態の情報記録担体を示す断面図である。 本発明における第3実施形態の情報記録担体を示す断面図である。 本発明における第4実施形態の情報記録担体を示す断面図である。 本発明における第5実施形態の情報記録担体を示す断面図である。 本発明における情報記録担体に記録された振幅変調アドレスを示す拡大平面図である。 本発明における情報記録担体に記録された周波数変調アドレスを示す拡大平面図である。 本発明における情報記録担体に記録された第1の位相変調アドレスを示す拡大平面図である。 本発明における情報記録担体に記録された第2の位相変調アドレスを示す拡大平面図である。 ベースバンド変調前とベースバンド変調後における基本データの変化を示す図である。 ベースバンド変調前とベースバンド変調後におけるデータ列の変化の具体的な例を示す図である。 本発明における第1の再生装置を示すブロック図である。 変調振幅とエラーレートとの関係を示す図である。 本発明における第2の再生装置を示すブロック図である。 本発明における記録装置を示すブロック図である。 従来の情報記録担体を示す断面図である。 従来の情報記録媒体を上方から見た拡大平面図である。
符号の説明
1、2、3、4、5…情報記録担体、11、11a…透光層、11b…接着性透光層、12…記録層、13…支持体、14…樹脂層、20、21、22…微細パターン、40、41…再生装置、50…ピックアップ、50a…発光素子、50b…対物レンズ、51…モータ、52…サーボ、53…ターンテーブル、54…復調器、55、81…インターフェース(I/F)、56…補助情報復調器、60…コントローラ、70…再生光、80…記録光、82…変調器、83…波形変換器、90…記録装置、121…反射層、122…第1保護層、123…記録層、124…第2保護層、250…振幅変調によるアドレス、300…周波数変調によるアドレス、400…第1の位相変調アドレス、450…第2の位相変調アドレス、G…グルーブ部、L…ランド部

Claims (3)

  1. グル−ブ部とランド部とが交互に形成された微細パタ−ンを有した支持体と、
    前記微細パタ−ン上に形成された記録層と、
    前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、
    レーザ光を対物レンズにより集光させた光ビームによって、前記透光層を介して前記記録層の前記ランド部側の再生を行う情報記録担体であって、
    前記微細パターンは、前記ランド部の両側壁が位相変調によって半径方向に蛇行変調されたランド形状を有すると共に、前記ランド形状には、前記位相変調の基本周波数の整数倍または整数分の1の周波数を有する単一周波数波が重畳されていることを特徴とする情報記録担体。
  2. ピックアップを少なくとも有し、情報記録担体を再生する情報記録担体の再生装置であって、
    前記情報記録媒体は、グルーブ部とランド部とが交互に形成された微細パターンを有した支持体と、
    前記微細パターン上に形成された記録層と、
    前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、
    前記微細パターンは、前記ランド部の両側壁が位相変調によって半径方向に蛇行変調されたランド形状を有すると共に、前記ランド形状には、前記位相変調の基本周波数の整数倍または整数分の1の周波数を有する単一周波数が重畳された情報記録媒体であり、
    前記ピックアップは、
    レーザ光を対物レンズによって集光して光ビームを生成するとともに、前記光ビームが前記透光層を通過して、前記記録層の前記ランド部に照射されるように前記情報記録担体に対して配置されており、
    前記レーザ光の波長をλ、前記対物レンズの開口数をNA、前記ランド部間のピツチをPとする時、P<λ/NAの関係を有していることを特徴とする情報記録担体の再生装置。
  3. ピックアップを少なくとも有し、情報記録担体に情報を記録する情報記録担体の記録装置であって、
    前記情報記録媒体は、グルーブ部とランド部とが交互に形成された微細パターンを有した支持体と、
    前記微細パターン上に形成された記録層と、
    前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、
    前記微細パターンは、前記ランド部の両側壁が位相変調によって半径方向に蛇行変調されたランド形状を有すると共に、前記ランド形状には、前記位相変調の基本周波数の整数倍または整数分の1の周波数を有する単一周波数が重畳された情報記録媒体であり、
    前記ピックアップは、
    レーザ光を対物レンズによって集光して光ビームを生成するとともに、前記光ビームが前記透光層を通過して、前記記録層の前記ランド部に照射されるように前記情報記録担体に対して配置されており、
    前記レーザ光の波長をλ、前記対物レンズの開口数をNA、前記ランド部間のピツチをPとする時、P<λ/NAの関係を有していることを特徴とする情報記録担体の記録装置。
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