JP2003173542A - 情報記録担体、その再生装置及びその記録装置 - Google Patents

情報記録担体、その再生装置及びその記録装置

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JP2003173542A
JP2003173542A JP2001391126A JP2001391126A JP2003173542A JP 2003173542 A JP2003173542 A JP 2003173542A JP 2001391126 A JP2001391126 A JP 2001391126A JP 2001391126 A JP2001391126 A JP 2001391126A JP 2003173542 A JP2003173542 A JP 2003173542A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロスイレースを低減した情報記録担体、そ
の再生装置及びその記録装置を提供する。 【解決手段】 情報記録担体1は、グルーブ部Gとラン
ド部Lとが交互に形成された平行溝連続体からなる微細
パターン20を有した支持体13と、この微細パターン
13上に形成された記録層12と、記録層12上に形成
された透光層11とから少なくともなり、グルーブ部G
又はランド部LのピッチをP、再生光の波長をλ、対物
レンズの開口数をNAとする時、微細パターン20がP
<λ/NAの関係を有して形成され、透光層11の厚さ
は、0.07〜0.12mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録担体に対
して相対運動をさせて情報を読み出す再生装置及び記録
装置に用いられる情報記録担体に関し、特に光学的手段
によって記録及び/又は再生を行う情報記録担体、その
再生装置及びその記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、情報記録担体を相対運動させ
て情報を読み出すシステムがあり、システムの再生には
光学的手段、磁気的手段、静電容量的手段などが用いら
れている。このうち光学的手段によって記録及び/又は
再生を行うシステムは日常生活に深く浸透している。例
えば波長λ=650nmの光を利用した再生専用型情報
記録担体としては、画像情報があらかじめ記録されてい
るDVDビデオ、プログラムなどがあらかじめ記録され
ているDVD−ROM、音楽情報があらかじめ記録され
ているDVDオーディオ、SACDなどが知られてい
る。
【0003】また、色素を利用した追記性記録・再生型
情報記録担体としてDVD−Rが、相変化を利用した記
録・再生型情報記録担体としてDVD−RAM、DVD
−RW、DVD+RWが、光磁気を利用した記録・再生
型情報記録担体としてASMO、iD、GIGAMOが
ある。一方、情報記録担体の記録密度を上げるために、
レーザの波長を短くする研究が長年続けられてきた。近
年発明された第2高調波発振素子や窒化ガリウム系化合
物半導体発光素子(例えば特許第2778405号公報
に記載)は、λ=350〜450nm近傍で発光するた
めに、記録密度を大幅に高める重要な発光素子になり得
る。
【0004】また、この近傍の波長に対応した対物レン
ズの設計も進んでおり、特にNA(開口数)をDVDで
使用するNA0.6を越えて、0.7以上としたレンズ
が開発中である。このようにλを350〜450nmに
短縮し、NAを0.7以上とした情報記録担体再生装置
の開発が進められており、これらの技術により現在のD
VDの記録容量を遙かに超える光ディスクシステムを開
発することが期待できる。
【0005】このようにDVDを越えた短い波長と、高
いNAを用いることによって、飛躍的に高い記録密度を
有する情報記録担体を設計することができる。しかしな
がら、情報記録担体が傾いたときのコマ収差も極めて大
きくなるために、光の透過する厚さをDVDよりも格段
に薄くした情報記録担体が必要となる。具体的にはDV
Rランドグルーブと呼ばれるディスクシステムが提案さ
れている。このシステムでは、波長405nm発光素子
と、NA0.85の対物レンズを用い、光の透過する厚
さが0.1ミリで設計されている。
【0006】従来の情報記録担体について図17及び図
18を用いて説明する。図17は、従来の情報記録担体
を示す断面図である。図18は、従来の情報記録媒体を
上方から見た拡大平面図である。図17に示すように、
情報記録担体100は、支持体130上に順次形成され
た記録層120と、透光層110とからなる。支持体1
30には、微細パターン200が形成されており、その
面上に記録層120が直接形成されている。微細パター
ン200は、ランド部Lとグルーブ部Gとからなる微細
パターンを有している。そして、記録時には図18に示
すように、ランド部Lとグルーブ部Gの両方に記録マー
クMが形成される(いわゆるランドグルーブ記録であ
る)。微細パターン200の諸寸法に注目してみると、
グルーブ部G中心とグルーブ部G中心の最短距離をピッ
チP(ランド部L中心とランド部L中心の最短距離も同
様にピッチP)とすると、再生スポット径Sに対して、
P>Sの関係を満たすように形成されている。
【0007】また、この再生スポット径Sは、再生に用
いるレーザの波長λと対物レンズの開口数NAから、S
=λ/NAで計算されるものであり、言い換えれば、ピ
ッチPは、P>λ/NAの関係を満たすように設計され
ている。
【0008】この情報記録担体100は、透光層110
側から再生光を入射させ、記録層120に記録されてい
る情報を読み取った後、この記録層120表面で反射さ
せて透光層110側から取り出して再生される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
人は情報記録担体100を実際に試作し、波長350〜
450nmの範囲の単一波長で発光する発光素子と高N
A対物レンズ(NA0.75〜0.9)によって記録再
生実験を行ったところ、クロスイレ−ス現象が顕著であ
ることを見出した。クロスイレース現象とは、例えば、
ランド部Lに情報記録を行うと、グルーブ部Gにあらか
じめ記録した信号にその情報が重ね記録される現象であ
る。言い換えれば、ランド部Lに記録することによっ
て、グルーブ部Gに記録されていた情報が消去される現
象である。なお、この現象は逆の例、即ちグルーブ部G
に情報記録を行い、ランド部Lの既記録情報を観察した
ときにも見られる。
【0010】このようにクロスイレースが生じると、隣
接トラックの情報が損傷を受けるため、大容量の情報シ
ステムにあっては、損失情報量が非常に大きなものとな
るので、ユーザーへの影響が甚大である。このため、こ
の情報記録担体100を用いて、ランド部L又はグルー
ブ部Gのいずれか一方のみに記録することが考えられる
が、記録容量が減少し、高密度記録のポテンシャルを有
する情報記録担体のメリットが薄れてしまう。そこで、
従来の問題を解消すべく、クロスイレースを低減し、高
密度記録された情報記録担体、その再生装置及びその記
録装置を提供することを目的とする。特に、350〜4
50nmの波長での記録・再生を前提とした情報記録担
体、その再生装置及びその記録装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の発
明は、グルーブ部とランド部とが交互に形成された略平
行溝連続体からなる微細パターンを有した支持体と、こ
の微細パターン上に形成された記録層と、前記記録層上
に形成された透光層とから少なくともなり、前記グルー
ブ部又は前記ランド部のピッチをP、再生光の波長を
λ、対物レンズの開口数をNAとする時、前記微細パタ
ーンがP<λ/NAの関係を有して形成され、前記透光
層の厚さは、0.07〜0.12mmであることを特徴
とする情報記録担体を提供する。第2の発明は、前記グ
ルーブ部又は前記ランド部のいずれか一方にのみに反射
率差または位相差の少なくとも1つに基づく記録が行わ
れていることを特徴とする請求項1記載の情報記録担体
を提供する。また、前記反射率差または位相差に基づく
記録がランド部のみに選択的に行われることを特徴とす
る請求項2記載の情報記録担体を提供する。第3の発明
は、前記λが350〜450nmであり、前記NAが
0.75〜0.9であることを特徴とする請求項1又は
2記載の情報記録担体を提供する。第4の発明は、前記
反射率差または前記位相差に基づく記録が、変調振幅
0.4以上で行われたことを特徴とする請求項2記載の
情報記録担体を提供する。第5の発明は、前記記録層
は、相変化材料であることを特徴とする請求項1乃至4
記載のうちいずれか1の情報記録担体を提供する。第6
の発明は、前記相変化材料は、Ge−Sb−Te、Ag
−In−Te−Sb、Cu−Al−Sb−Te、Ag−
Al−Sb−Teのいずれか1つを少なくとも含む合金
材料であることを特徴とする請求項5記載の情報記録担
体を提供する。第7の発明は、前記透光層の前記記録層
と反対側にハードコート層が設けられていることを特徴
とする請求項1乃至6記載のうちいずれか1の情報記録
担体を提供する。第8の発明は、前記微細パターンの一
部又は全てに、補助情報が振幅変調で形状記録されてい
ることを特徴とする請求項1乃至7記載のうちいずれか
1の情報記録担体を提供する。第9の発明は、前記微細
パターンの一部又は全てに、補助情報が周波数変調で形
状記録されていることを特徴とする請求項1乃至7記載
のうちいずれか1の情報記録担体を提供する。第10の
発明は、前記周波数変調は、周波数の切り替え点で波が
連続するよう位相が選択された周波数変調であることを
特徴とする請求項9記載の情報記録担体を提供する。第
11の発明は、前記微細パターンの一部又は全てに、補
助情報が位相変調で形状記録されていることを特徴とす
る請求項1乃至7記載のうちいずれか1の情報記録担体
を提供する。第12の発明は、前記周波数変調を構成す
る高周波数部分と低周波数部分の位相差が±π/2.5
であることを特徴とする請求項9又は10記載の情報記
録担体を提供する。第13の発明は、前記周波数変調を
構成する高周波数部分と低周波数部分の位相差が±π/
4であることを特徴とする請求項9又は10記載の情報
記録担体を提供する。第14の発明は、前記補助情報
は、予め同一ビットの連続が一定値以下に制限されるよ
うベースバンド変調されたデータであることを特徴とす
る8乃至13記載のうちいずれか1の情報記録担体を提
供する。第15の発明は、前記ベースバンド変調は、マ
ンチェスタ符号であることを特徴とする請求項14に記
載の情報記録担体を提供する。第16の発明は、前記補
助情報は、前記微細パターンの一部に分散して記録され
ていることを特徴とする請求項8乃至15記載のうちい
ずれか1の情報記録担体を提供する。第17の発明は、
再生光の波長がλnmで、RIN−125dB/Hz以
下のノイズを有する発光素子と、開口数NAの対物レン
ズとを少なくとも有して、グルーブ部とランド部とが交
互に形成された略平行溝連続体からなる微細パターンを
有する情報記録担体の再生を行う再生装置であって、前
記λが350〜450nm、前記NAが0.75〜0.
9であり、前記再生光を前記グルーブ部または前記ラン
ド部のいずれか一方にのみ照射して行うことを特徴とす
る再生装置を提供する。また、前記再生光を前記ランド
部に選択的に照射して再生を行うことを特徴とする請求
項17記載の再生装置を提供する。第18の発明は、記
録光の波長がλnmで、RIN−125dB/Hz以下
のノイズを有する発光素子と、開口数NAの対物レンズ
とを少なくとも有して、グルーブ部とランド部とが交互
に形成された略平行溝連続体からなる微細パターンを有
する情報記録担体に記録する記録装置であって、前記λ
が350〜450nm、前記NAが0.75〜0.9で
あり、前記記録光を前記グルーブ部または前記ランド部
のいずれか一方にのみ照射して行うことを特徴とする記
録装置を提供する。また、前記記録光を前記ランド部に
選択的に照射して記録を行うことを特徴とする請求項1
8記載の記録装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1乃
至乃至図16を用いて説明する。図1は、本発明におけ
る第1実施形態の情報記録担体を示す断面図である。図
2は、本発明における第1実施形態の情報記録担体を上
方から見た拡大平面図である。図3は、本発明における
第2実施形態の情報記録担体を示す断面図である。図4
は、本発明における第3実施形態の情報記録担体を示す
断面図である。図5は、本発明における第4実施形態の
情報記録担体を示す断面図である。図6は、本発明にお
ける第5実施形態の情報記録担体を示す断面図である。
図7は、本発明における情報記録担体に記録された振幅
変調アドレスを示す拡大平面図である。図8は、本発明
における情報記録担体に記録された周波数変調アドレス
を示す拡大平面図である。図9は、本発明における情報
記録担体に記録された第1の位相変調アドレスを示す拡
大平面図である。図10は、本発明における情報記録担
体に記録された第2の位相変調アドレスを示す拡大平面
図である。図11は、ベースバンド変調前とベースバン
ド変調後における基本データの変化を示す図である。図
12は、ベースバンド変調前とベースバンド変調後にお
けるデータ列の変化の具体的な例を示す図である。図1
3は、本発明における第1の再生装置を示すブロック図
である。図14は、変調振幅とエラーレートとの関係を
示す図である。図15は、本発明における第2の再生装
置を示すブロック図である。図16は、本発明における
記録装置を示すブロック図である。
【0013】本発明の第1実施形態について図1及び図
2を用いて説明する。本発明の第1実施形態の情報記録
担体1は、凹凸状の微細パターン20が形成された支持
体13上に順次形成された記録層12と、透光層11
と、から少なくともなる。この微細パターン20におけ
る凹凸は、略平行溝連続体を形成している。この情報記
録担体1は、波長350〜450nmの範囲の単一波長
で発光する発光素子と、NA0.75〜0.9なる対物
レンズを有した再生専用のものである。また、この情報
記録担体1の形状は、ディスク状、カード状或いはテー
プ状であっても構わない。また、円形であっても、四角
形でも、楕円形でも構わない。更に、穴が開けられてい
てもよいものである。
【0014】ここで、支持体13、記録層12及び透光
層11について詳細に説明する。支持体13は、この上
に形成されている記録層12及び透光層11を機械的に
保持する機能を有するベースである。この材料として
は、合成樹脂、セラミック、金属のいずれかが用いられ
る。合成樹脂の代表例としては、ポリカーボネートやポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、
脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどの各種
熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂、各種エネルギー線硬化樹脂
(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂の
例を含む)を好適に用いることができる。なお、これら
は、金属粉またはセラミック粉などを配合した合成樹脂
であってもよい。
【0015】前記セラミックの代表例としてはソーダラ
イムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、石英ガラスなどを用いることができる。また、金属
の代表例としてはアルミニウムのような透光性を有しな
い金属板も用いることもできる。なお、機械的に保持す
る必要性から支持体13の厚みは0.3〜3mm、望ま
しくは0.5〜2mmが好適に用いられる。情報記録担
体1がディスク状である場合には、従来の光ディスクと
の互換性から、支持体13,記録層12,透光層11の
合計厚みが1.2mmとなるように設計するのが最も望
ましい。
【0016】記録層12は、情報を読み出し、あるいは
情報を記録ないしは書き換える機能を有した薄膜層であ
る。この記録層12には、ランド部L又はグルーブ部G
のいずれか一方に情報が記録されている。この記録層1
2は、記録前後における反射率変化あるいは屈折率変化
あるいはその両方の変化を起こす材料が用いられる。こ
の記録層12の材料としては、熱記録によりアモルファ
ス−結晶間で反射率変化あるいは屈折率変化あるいはそ
の両方の変化を起こす相変化材料や色素材料がある。
【0017】相変化材料としては、Ge−Sb−Te
系、Ag−In−Te−Sb系、Cu−Al−Sb−T
e系、Ag−Al−Sb−Te系などがある。これらの
記録材料に添加元素としてCu,Ba,Co,Cr,N
i,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Li,Mo,M
n,Zn,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,B
i,Sn,Ti,V,Ge,Se,S,As,Tl,I
n,Pd,Pt,Niの群から選ばれる少なくとも1種
以上の元素を合計で0.01原子%以上10原子%未満
含有することもできる。なお、各元素の組成は、例えば
Ge−Sb−Te系としてGe2Sb2Te5、Ge1Sb
2Te4、Ge8Sb69Te23、Ge8Sb74Te 18、Ge
5Sb71Te24、Ge5Sb76Te19、Ge10Sb68Te
22、Ge10Sb 72Te18、Ge−Sb−Te系にSn、
In等の金属を添加した系、Ag−In−Sb−Te系
として、Ag4In4Sb66Te26、Ag4In4Sb64
28、Ag2In6Sb64Te28、Ag3In5Sb64Te
28、Ag2In6Sb66Te26、Ag−In−Sb−Te
系にCu,Fe,Ge等の金属や半導体を添加した系、
Cu−Al−Sb−Te系、Ag−Al−Sb−Te系
などがある。また、色素材料としては、ポルフィリン色
素、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシア
ニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フルギド色
素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用いること
ができる。
【0018】また、記録層12として、カー回転角の変
化により、再生する光磁気材料も用いることができる。
具体的には、テルビウム、コバルト、鉄、ガドリニウ
ム、クロム、ネオジム、ジスプロシウム、ビスマス、パ
ラジウム、サマリウム、ホルミウム、プロセオジム、マ
ンガン、チタン、パラジウム、エルビウム、イッテルビ
ウム、ルテチウム、錫などの合金(合金とは酸化物、窒
化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いる
ことができ、特に、TbFeCo、GdFeCo、Dy
FeCoなどに代表されるように遷移金属と希土類の合
金で構成するのが好適である。更に、コバルトと白金の
交互積層膜を用いて記録層12としてもよい。
【0019】これら相変化材料や色素材料、光磁気材料
の形成方法は、抵抗加熱型や電子ビーム型 の真空蒸
着、直流スパッタリングや高周波スパッタリング、反応
性スパッタリング、 イオンビームスパッタリング、イ
オンプレーティング、化学気層堆積法(CVD)等を用
いることができる。また、色素材料のうち、特に、溶剤
に可溶な材料については、液層被膜形成法、例えばディ
ップコーティング、スピンコーティング、バーコーティ
ング、ナイフコーティング、ロールコーティングなども
用いることができる。
【0020】透光層11は、収束した再生光を光学的歪
みの少ない状態で記録層12に導く機能を有する(再生
光は図1中に矢印で図示)。例えば、再生波長λにおい
て透過率を70%以上、望ましくは、80%以上有した
材料を好適に用いることができる。この透光層11は、
光学的な異方性が少ないことが必要であり、再生光の減
少を抑制を考慮して、具体的には複屈折が90度(垂
直)入射ダブルパスにて±100nm以下、望ましくは
±50nm以下、さらに望ましくは±30nmとした材
料が用いられる。
【0021】このような特性を有する材料としてポリカ
ーボネートやポリメチルメタクリレート、三酢酸セルロ
ース、二酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、
脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどを用い
ることができる。
【0022】なお、透光層11は、記録層12を機械
的、化学的に保護する機能を有するようにしても良い。
このような機能を有する材料として、剛性の高い材料を
用いることができ、例えば、透明セラミック(例えばソ
ーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪
酸ガラス、石英ガラス)や熱硬化性樹脂、エネルギー線
硬化樹脂(例えば紫外線硬化樹脂や可視光硬化樹脂、電
子線硬化樹脂)が好適に用いられる。なお、透光層11
の厚みは、情報記録担体1が再生光・記録光に対して傾
斜した時のコマ収差を抑える観点から0.120mm以
下が望ましく、また、記録層12へのスクラッチ傷を防
止する観点から0.07mm以上が望ましい。即ち0.
070〜0.120mmの範囲である。透光層11が上
記のような材料であるとすると、屈折率(z)は、1.
45〜1.7となるから、光学要素を考慮した場合、特
に、望ましい厚み範囲は、0.093〜0.107mm
の範囲である。また、厚みの一面中でのバラツキは、最
大で±0.003mm、望ましくは±0.002mm以
下とする。更に望ましくは±0.001mm以下とす
る。
【0023】次に、本発明の特徴である微細パターン2
0について図2を用いて説明する。前述したように、微
細パターン20は、微視的に略平行な溝連続体からな
り、マクロ的に見ると、ライン状のみならず、同芯円状
であっても、螺旋状であってもよいものである。図2に
示すように、微細パターン20における凸部は、ランド
部L、凹部は、グルーブ部Gとなり、ランド部Lとグル
ーブ部Gが交互に平行を保って形成されている。
【0024】ここで、グルーブ部Gとは、「これでわか
る光ディスク」(特許庁編、社団法人発明協会2000
年発行)に記載された表4.4−1の定義に従ってい
る。即ちグルーブ部Gは、ディスクの「基板表面に記録
トラックを形成するために、あらかじめ螺旋状または同
心円状に設けられた凹状溝」である。またランド部Lも
同様に同書の定義に従う。即ち、ランド部Lは、ディス
クの「基板表面に記録トラックを形成するために、あら
かじめ螺旋状または同心円状に設けられた凸状部」であ
る。ここで、「基板」とは、本発明における支持体13
に相当するものである。
【0025】そして、グルーブ部Gとグルーブ部Gの最
短距離をピッチP(ランド部Lとランド部Lの最短距離
も同様にピッチP)とすると、再生スポット径Sに対し
て、P<Sの関係を満たすようになっている。なおここ
で、再生スポット径Sは、再生に用いるレーザ光の波長
λと対物レンズの開口数NAから、S=λ/NAで計算
される。言い換えれば、ピッチPは、P<λ/NAの関
係を満たすようになっている。例えば、ピッチPは、2
50〜600nmに設定される。HDTV画像を2時間
前後収録することを考慮した場合には、250〜450
nmが望ましい。グルーブ部Gの深さは、10〜300
nmが相応しく、特に、再生光学系のλを考慮して、λ
/(8z)〜λ/(18z)が好適である。ここで、z
は、透過層11のλにおける屈折率を表す。例えば、λ
=405nm、z=1.6(ポリカーボネート樹脂)を
想定した場合には、グルーブ部Gの深さは、14〜32
nmが好適に用いられる範囲となる。
【0026】微視的に見ればグルーブ部Gとグルーブ部
G、ランド部Lとランド部L、グルーブ部Gとランド部
Lは互いに平行であるが、クロックやアドレス等のアナ
ログまたは、デジタルの補助情報を埋め込むために、こ
れらが微小に蛇行してもよい。例えば、これら溝がクロ
ックを埋め込むために単一周波数記録され、結果的に支
持体13表面上において、正弦波状に蛇行していてもよ
い。アドレス等の補助情報(副情報)を埋め込むために
振幅変調(AM)または周波数変調(FM)または位相
変調(PM)されていて、様々なパターンで蛇行してい
てもよい。言い換えるとクロック用の単一周波数を記録
した領域と、アドレスを埋め込むための変調記録領域の
少なくとも一方をグルーブ部G、ランド部Lのいずれか
に形成しておくことができる。これらアドレス等の補助
情報(副情報)を埋め込むための変調方法については後
に詳述する。
【0027】情報記録担体1がディスク状である場合に
は、前記した蛇行は、角速度一定(constant angular v
elocity、CAV)で記録されてもよいし、線速度一定
(constant linear velocity、CLV)で記録されても
よい。あるいは半径毎に異なるゾーンを形成し、各ゾー
ン毎で制御が異なるZCAV(zone constant angular
velocity)やZCLV(zone constant linear velocit
y)を採用してもよい。
【0028】図示はしないが、アドレス等の補助情報を
埋め込むために、グルーブ部Gまたはランド部Lをある
領域にかけて寸断して、固有のピットを形成してもよ
い。グルーブ部G中にランド部Lと隣接して固有のピッ
ト、またはランド部L中にグルーブ部Gと隣接して固有
のピットを配置して、アドレス等の補助情報を埋め込む
ようにしてもよい。また、記録領域以外に、情報記録担
体1を認識するためのホログラムや目視可能な微細パタ
ーンを形成してもよい。
【0029】この情報記録担体1は、透光層11側から
再生光を入射させ、記録層12に記録されている情報を
読み取った後、この記録層12表面で反射させて透光層
11側から取り出して再生される。なお、情報記録担体
1は、記録層12表面自身がある程度の反射率を有して
いるので、そのままで機能させることができるが、再生
光の反射率を向上させる目的、及び書き換え回数向上
や、耐候性向上など他の機能を付与する目的で反射層や
保護膜を記録層12に近接して備えてもよい。これら反
射層や保護膜の材料については、後に詳述する。
【0030】ここで、本発明の情報記録担体1のクロス
イレースについて従来の情報記録担体100と比較して
評価を行った。情報記録担体1、100の構成は、支持
体13、130がポリカーボネート樹脂、記録層12、
120が相変化材料の一種であるAgInSbTe、透
光層11、110がポリカーボネート樹脂である。評価
は、第2トラックに記録、再生後、第1トラックと第3
トラックに、第2トラックとは別の周波数で10回ずつ
記録を行って、再度第2トラックの出力を測定して行っ
た。
【0031】その結果、従来の情報記録担体100では
最大で−5dBのクロスイレースが、本発明の情報記録
担体1では、−2dBのクロスイレースが観測された。
即ち、第1トラックと第3トラックに記録を行わない場
合の第2トラックの出力と比較して、従来の情報記録担
体100では、5dBの出力減少があるのに対して、本
発明の情報記録担体1では、2dBの出力減少しかなか
った。言い換えれば、本発明なる情報記録担体1を用い
れば、従来の情報記録担体100に比較して、3dBも
クロスイレースが改善されることになる。
【0032】以上のように、本発明の第1実施形態によ
れば、グルーブ部G間又はランド部L間のピッチをP、
レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする
時、微細パターン20をピッチP<λ/NAとなるよう
に形成し、かつランド部Lまたはグルーブ部Gのいずれ
か一方に記録を行う構成としたので、クロスイレースを
低減することができると共に高密度記録された情報記録
担体が得られる。
【0033】次に、本発明における第2実施形態の情報
記録担体2について図3を用いて説明する。本発明の第
1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を
省略する。図3に示すように、本発明における第2実施
形態の情報記録担体2は、本発明の第1実施形態の透光
層11が透光層11aと接着性透光層11bとからな
り、これ以外は同一である。
【0034】透光層11aは、前記した透光層11と同
様のものである。接着性透光層11bは、記録層12と
透光層11aを強固に接着するための層であり、波長λ
の光を70%以上、望ましくは80%以上透過し、接着
性のある熱硬化樹脂、各種エネルギー線硬化樹脂(紫外
線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂を含
む)、湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂、溶剤含有熱
可塑性樹脂などを用いることができる。この接着性透光
層11bの厚みは、接着力が発揮する最低厚みとして
0.001mm以上、接着性材料の応力割れの発生防止
を考慮して0.04mm以下が望ましく、0.001m
m以上、0.03mm以下がより望ましい。更に望まし
くは0.001mm以上、0.02mmであるが、情報
記録担体2全体の反りをも考慮すると、0.001mm
以上、0.01mm以下が最も望ましい。塗布方法とし
ては、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、ブレ
ードコート法、ロールコート法、ナイフコーティング
法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などを用いる
ことができる。
【0035】本発明の第1実施形態と同様に、本発明に
おける第2実施形態の情報記録担体2のクロスイレース
について評価を行ったところ同様な結果が得られた。こ
のため、本発明の第2実施形態によれば、本発明の第1
実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0036】次に、本発明における第3実施形態の情報
記録担体3について図4を用いて説明する。本発明の第
1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を
省略する。図4に示すように、本発明における第3実施
形態の情報記録担体3は、本発明の第1実施形態の情報
記録担体1の支持体13上に表面に微細パターン21が
形成された樹脂層14上に順次形成された記録層12
と、透光層11とからなる。本発明の第3実施形態は、
支持体13表面ではなく、樹脂層14に微細パターン2
1が形成されている点で本発明の第1実施形態と異な
る。
【0037】この樹脂層14は、熱硬化樹脂、各種エネ
ルギー線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、
電子線硬化樹脂を含む)、湿気硬化樹脂、複数液混合硬
化樹脂、溶剤含有熱可塑性樹脂などを用いることができ
る。この樹脂層14には、光が届かないので、透過率の
限定はない。樹脂層14の厚さは、情報記録担体3全体
の反りを考慮すると0.02mm以下が望ましい。
【0038】本発明の第1実施形態と同様に、本発明に
おける第3実施形態の情報記録担体3のクロスイレース
について評価を行ったところ同様な結果が得られた。こ
のため、本発明の第3実施形態によれば、本発明の第1
実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0039】次に、本発明における第4実施形態の情報
記録担体4について図5を用いて説明する。本発明の第
1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を
省略する。図5に示すように、本発明における第4実施
形態の情報記録担体4は、支持体13上に順次形成され
た微細パターン22を有したパターン転写層15と、記
録層12と、接着性透光層11bと、透光層11aとか
らなる。そして、本発明の第4実施形態は、支持体13
表面はフラットであり、支持体13と接するパターン転
写層15に微細パターン22が形成されている点で本発
明の第2実施形態と異なる。
【0040】ここで、パターン転写層15とは、微細パ
ターン22を具備するための極めて厚みの薄い膜であ
る。このパターン転写層15の材料としては、金属やそ
の合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フ
ッ化物の例を含む)や樹脂から選ばれ、その厚みは、5
nm〜0.020mm程度が選ばれる。樹脂の代表例と
しては、アルカリ現像可能なノボラック感光樹脂、アル
カリ現像可能なポリヒドロキシスチレン感光樹脂などが
ある。
【0041】本発明の第1実施形態と同様に、本発明に
おける第4実施形態の情報記録担体4のクロスイレース
について評価を行ったところ同様な結果が得られた。こ
のため、本発明の第4実施形態によれば、本発明の第1
実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0042】以下のように、図1乃至図5に示した情報
記録担体1乃至4の各構成要素は、再生特性を劣化させ
ない範囲内で相互に入れ替えまたは組み合わせてもよ
い。例えば、情報記録担体1乃至4を2枚用意し、支持
体13同士を互いに対向させて貼り合わせてもよい。ま
た、情報記録担体1乃至4の透光層11、11a上に、
記録層12と透光層11、11aをセットでもう一層ず
つ重ねてもよい。このようにすれば、情報記録担体1乃
至4の容量を約2倍に増すことができる。
【0043】また、図示しないが、透光層11、11a
への埃付着を軽減させる目的として、透光層11、11
aの記録層12とは反対側に、公知の静電気防止層を形
成してもよい。後述する図13に示す第1の再生装置4
0のピックアップ50を構成する対物レンズ50bが、
透光層11、11aへ偶発的に衝突した時の影響軽減を
目的として、透光層11、11aの記録層12とは反対
側に、ハードコート層、潤滑層などを形成してもよい
(図示せず)。前記ハードコート層の具体的な材料とし
ては、波長λの光を70%以上透過する熱硬化樹脂、各
種エネルギー線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化
樹脂、電子線硬化樹脂を含む)、湿気硬化樹脂、複数液
混合硬化樹脂、溶剤含有熱可塑性樹脂を用いることがで
きる。
【0044】前記ハードコート層は、透光層11、11
aの耐摩耗性を考慮して、JIS規格K5400の鉛筆
ひっかき試験値がある一定以上値であることが望まし
い。対物レンズ50bの最も硬い材料はガラスであり、
これを考慮するとハードコート層の鉛筆ひっかき試験値
は、H以上が特に望ましい。この試験値以下であるとハ
ードコート層が削れることによる塵埃の発生が著しくな
り、エラーレートが急激に悪くなるからである。
【0045】なお、このハードコート層の厚みは、耐衝
撃性を考慮して0.001mm以上が望ましく、また情
報記録担体1全体の反りを考慮して0.01mm以下が
望ましい。塗布方法としては、スピンコート法、スプレ
ー法、ディップ法、ブレードコート法、ロールコート
法、ナイフコーティング法、スクリーン印刷法、オフセ
ット印刷法などを用いることができる。
【0046】前記ハードコート層の別の材料として、波
長λの光を70%以上透過し、鉛筆ひっかき試験値H以
上のカーボン、モリブデン、シリコンなどの単体やその
合金(酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、炭化物の例
を含む)を用いることもできる(膜厚1〜1000n
m)。形成方法としては、抵抗加熱型や電子ビーム型の
真空蒸着、直流スパッタリングや高周波スパッタリン
グ、反応性スパッタリング、 イオンビームスパッタリ
ング、イオンプレーティング、化学気層堆積法(CV
D)などを用いることができる。
【0047】前記潤滑層の具体的な材料としては、炭化
水素高分子にシリコンやフッ素を修飾し、表面エネルギ
ーを調整した液体潤滑剤を用いることができる。なお、
前記潤滑層の厚みは、0.1nm〜10nm程度が望ま
しい。塗布方法としては、スピンコート法、スプレー
法、ディップ法、ブレードコート法、ロールコート法、
ナイフコーティング法、タンポコーティング法、スクリ
ーン印刷法、オフセット印刷法などを用いることができ
る。
【0048】図示しないが、支持体13の記録層12と
は反対側にレーベル印刷を施してもよい。たとえば、各
種顔料や染料を含んだ各種エネルギー線硬化樹脂(紫外
線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂を含む)
を好適に用いることができ、視認性を考慮して0.00
1mm以上が望ましく、また、情報記録担体1、2、
3、4全体の反りを考慮して0.05mm以下が望まし
い。印刷方法としては、スクリーン印刷法、オフセット
印刷法などを用いることができる。
【0049】情報記録担体1乃至4は、再生装置への装
着性やハンドリング上の保護性を向上するために、情報
記録担体全体をカートリッジに入れた構成としてもよ
い。更に、情報記録担体1乃至4がディスク状の場合、
その大きさに制限はなく、例えば直径20〜400mm
の各種サイズを取ることができ、直径32、41、5
1、60、65、80、88、120、130、20
0、300、356mmなどであってもよい。
【0050】記録層12としては、記録特性や再生特性
を向上させる目的で、複数の薄膜材料で構成してもよ
く、次の実施形態を用いて、詳しく説明する。情報記録
担体1の記録層12を4層の薄膜材料とした本発明にお
ける第5実施形態の情報記録担体5について図6を用い
て説明する。本発明の第1実施形態と同一構成には同一
符号を付し、その説明を省略する。図6に示すように、
本発明における第5実施形態の情報記録担体5は、本発
明における第1実施形態の情報記録担体1の代わりに、
微細パターン20を有した支持体13の上に順次形成さ
れた反射層121と、第1保護層122と、記録層12
3と、第2保護層124と、透光層11とからなる。
【0051】反射層121の材質としては、光反射性を
有するAl,Au,Agなどの金属、及びこれらを主成
分とし、1種類以上の金属または半導体からなる添加元
素を含む合金及びAl,Au,Agなどの金属に金属窒
化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合
物を混合したものなどがある。Al,Au,Agなどの
金属、及びこれらを主成分とする合金は、光反射性が高
く、かつ熱伝導率が高いことから好ましい。この反射層
121は、記録層123への記録を行なう時の熱伝導を
最適化する役割も有することから、ヒートシンク層と呼
んでもよいものである。
【0052】前記した合金として、AlあるいはAgに
対し、添加元素として、Si、Mg、Cu、Pd、T
i、Cr、Hf、Ta、Nb、Mn、Pd、Zr、Rh
等などの少なくとも1種の元素を合計で5原子%以下、
1原子%以上加えたもの、あるいは、Auに対し、添加
元素として、Cr,Ag、Cu,Pd、Pt、Niなど
の少なくとも1種の元素を合計で20原子%以下1原子
%以上加えたものなどがある。とりわけ、耐腐食性が良
好でかつ繰り返し性能が向上することから、Alを主成
分とし、添加元素を合計で0.5原子%以上3原子%未
満としたAl−Cr合金、Al−Ti合金、Al−Ta
合金、Al−Zr合金、Al−Ti−Cr合金、Al−
Si−Mn合金のいずれかにより構成することが好まし
い。
【0053】前記添加元素としては、金属単体よりも金
属あるいは半導体を添加した方が結晶粒が小さくなり再
生時のノイズレベルが低下するので好ましい。また、高
温高湿下における安定性を改善する上でも添加物を含ま
せた方がよい。例えば、Al−Ti、Al−Cr、Al
−Zr、Al−Si、Ag−Pd−Cu、Ag−Rh−
Cu等の合金が上げられる。波長400nm前後の青色
半導体レーザを使用するときは、Al系やAg系の合金
を用いた方が高い反射率を得ることができる。これら反
射層121の厚さとしては、10nm以上300nm以
下である。
【0054】反射層121を形成する金属或いは合金の
熱伝導率の大きさによって、この膜厚は変化する。例え
ば、Al−Cr合金の場合には、Crの含有量が増加す
るにつれて熱伝導率が低下するため、反射層121の膜
厚を厚くしなければ記録ストラテジに適合しなくなる。
Cr含有量が多い場合には、記録層123は、加熱され
やすく冷却しにくくなり、いわゆる徐冷構造をとること
になる。記録ストラテジで記録マークの形成を制御する
ためには、先頭パルスを短縮したり、マルチパルスを短
縮したり、冷却パルスを延長したりの工夫が必要とな
る。
【0055】反射層121は、厚さが50nm以上とな
ると光学的には変化せず、反射率の値に影響を与えない
が、冷却速度への影響が大きくなる。その厚さを300
nm以上にするには製造する上で時間を要するため、熱
伝導率の高い材質の反射層121を用いることにより膜
厚をなるべく抑制する。
【0056】反射層121を2層以上に分割すると、情
報記録担体5の再生を行った際のノイズレベルを低減す
ることができる。この反射層121は、例えば以下のよ
うにして形成する。支持体13を1枚ずつ搬送し、各層
を複数の真空槽で成膜する枚葉式スパッタ装置を用い、
全体の膜厚が150nmの反射層121を形成する場合
には、1つ目の真空槽で第1反射層を成膜速度2nm/s
で形成し、2つ目と3つ目の真空槽で第2及び第3反射
層を成膜速度6.5nm/sで形成すれば、10秒間とい
う短時間でディスクを次々と成膜することができる。こ
のように、成膜速度を変更することにより結晶粒を細か
くすることができるので、情報記録担体5を再生した際
のノイズレベルを低減することが可能となる。
【0057】第1保護層122及び第2保護層124
は、記録時に支持体13、記録層123などが熱によっ
て変形し、記録特性が劣化することを防止するなど、支
持体13、記録層123を熱から保護する効果ならびに
光学的な干渉効果により、再生時の信号コントラストを
改善する効果がある。これらの保護層122、124
は、記録再生光波長において透明であって屈折率nが
1.9≦n≦2.5の範囲にある。
【0058】第1保護層122と第2保護層124と
は、同一の材料、組成でなくてもよく、異種の材料から
構成されていてもかまわない。第2保護層122の厚さ
は、分光反射率の極小値を示す波長を決める。更に、第
1保護層122及び第2保護層124は、記録層の結晶
化を促進して、消去率を向上する効果もある。これらの
保護層122、124の材料としては、ZnS、SiO
2 、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機薄膜が
ある。
【0059】特に、Si,Ge,Al,Ti,Zr,T
aなどの金属あるいは半導体の酸化物の薄膜,Si,G
e,Alなどの金属あるいは半導体の窒化物の薄膜,T
i,Zr,Hf,Siなどの金属あるいは半導体の炭化
物の薄膜, ZnS,In2 3,TaS4,GeS2等の
金属あるいは半導体の硫化物の薄膜、及びこれらの化合
物の2種類以上の混合物の膜が、耐熱性が高く、化学的
に安定なことから好ましい。
【0060】更に、保護層122、124の材料として
は、記録層121への拡散がないものが好ましい。これ
らの酸化物、硫化物、窒化物、炭化物は、必ずしも化学
量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために
組成を制御したり、混合して用いることも有効である。
酸素、硫黄、窒素、炭素含有量を変えることにより屈折
率nを制御する。これらの含有量が増加すると、屈折率
は低下する。
【0061】特に、ZnSとSiO2の混合膜は、記
録、消去の繰り返しによっても、記録感度、C/Nなら
びに消去率などの劣化が起きにくいことから好ましい。
第1保護層122及び第2保護層124の厚さは、それ
ぞれおよそ10〜500nmである。第1保護層122
は、C/N、消去率などの記録特性、安定に多数回の書
換が可能なことから10〜50nmが好ましい。
【0062】第1保護層122の厚さが薄いと反射率が
増加し、記録感度が低下する。また、反射層121との
間隔が狭くなり急冷構造となってマークを形成するのに
大きな記録パワーを必要とする。逆に、第1保護層12
2の厚さが厚くなると、反射層121との間隔が広くな
り、徐冷構造となって書き換え性能が劣化し繰り返しオ
ーバーライト回数が減少する。
【0063】第1保護層122の膜厚は、第2保護層1
24よりも薄く、いわゆる急冷構造をとり、熱的ダメー
ジを軽減するために膜厚は、2〜50nmとするのがよ
い。好ましくは第1保護層122の成膜速度は、第2保
護層124の成膜速度よりも遅くする。こうすると、書
き換えによるジッタの増加が抑制され、書き換え回数が
延びる。
【0064】記録層123の材料は、上述した記録層1
2と同じ相変化材料を用いることができる。記録層の膜
厚は5〜100nm、好ましくは、再生信号を増大させ
るために、10〜30nmとするのがよい。第2保護層
124は、第1保護層122と同じ材料が用いられる。
第2保護層124の厚さは、10〜200nmの範囲に
ある。使用する光源の波長によって最適膜厚は変動する
が、好ましくは、再生信号を増大させるために、40〜
150nmとするのがよい。記録レーザ光が青色(波長
400nm程度)の場合には、40〜60nmにすると
変調振幅を増大させることができる。
【0065】以上のように、本発明の第5実施形態によ
れば、本発明の第1乃至第4実施形態の効果に加え、情
報記録担体5の記録特性や再生特性を向上させることが
できる。なお、これら積層構造は、情報記録担体1のみ
ならず、情報記録担体2乃至4に適用してもよい。ま
た、記録特性、再生特性をより一層向上させるために、
更なる補助的な薄膜を各層の層上または層間に形成して
もよい。前記したように、本発明における第1乃至5実
施形態によれば、グルーブ部Gまたはランド部Lのいず
れか一方に記録したものであるので、クロスイレースを
低減することができる。
【0066】更に、本発明における情報記録担体5を信
号品質という観点から、グルーブ部Gまたはランド部L
のいずれに記録された方が相応しいか検討したところ、
ランド部Lに記録した方が、エラーレートが少なく、さ
らに書き換え特性も優れるということが分かった。この
ことは、ランド部Lがグルーブ部Gよりも透光層11に
近い側であり、再生光が透光層11側から入射すること
を考えると、ランド部L領域は、材料に熱が蓄積しやす
く、高感度になるばかりか、記録マークの形状が均一な
理想的記録が行える性質を持つためと考えられる(一
方、グルーブ部Gに記録した場合は、熱が放熱しやすく
なるので、理想的な記録が行えないと考えられる)。
【0067】次に、本発明なる情報記録担体1に対し
て、アドレスデータ等のアナログまたはデジタルによる
補助情報(副情報)を埋め込むための変調パターンにつ
いて詳述する。補助情報(副情報)は、上述したように
振幅変調(AM)又は周波数変調(FM)又は位相変調
(PM)によって、蛇行したパターンとして形状記録さ
れる。言い換えれば、蛇行したパターンとして、直接記
録(支持体13または透光層11に溝形状として成形記
録)されるので、書き換えのできない永久情報でもあ
る。情報記録担体1がディスク状である場合には、接線
方向に拡がる溝に対して蛇行記録されるために、蛇行方
向は、半径方向となる。
【0068】本発明で記録しようとする補助情報(副情
報)のうちアドレスデータとは、情報記録担体1全面に
対して割り当てられた絶対アドレス、部分領域について
割り当てられた相対アドレス、トラック番号、セクタ番
号、フレーム番号、フィールド番号、時間情報、エラー
訂正コードなどから選ばれるデータであり、例えば10
進法または16進法によって記述されたものを2進法
(BCDコードやグレイコードの例を含む)に変換した
データである。
【0069】なお、アドレスデータ以外の補助情報も扱
うことができ、例えば、情報記録担体の種別、情報記録
担体のサイズ、情報記録担体の想定記録容量、情報記録
担体の想定記録線密度、情報記録担体の想定記録線速
度、情報記録担体のトラックピッチ、記録ストラテジ情
報、再生パワー情報、製造者情報、製造番号、ロット番
号、管理番号、著作権関連情報、暗号作成のためのキ
ー、暗号解読のためのキー、暗号化されたデータ、記録
許可コード、記録拒否コード、再生許可コード、再生拒
否コードなどから少なくとも選ばれた特定コードデータ
を挙げることができ、これらデータ用のエラー訂正コー
ドを伴っていてもよい。
【0070】以下の説明では、簡素化するために補助情
報(副情報)がアドレスであるとして説明する。図7
は、振幅変調(AM)により記録されたアドレス250
を拡大図示したものであり、このアドレス250が微細
パターン20を構成するグルーブ部Gまたはランド部L
のいずれかにおいて一部又は全てに形状記録されてい
る。振幅変調(AM)では、振幅の有無によってデータ
「1」またはデータ「0」の記録が行われる。図7の例
では、データ「1」を振幅有部分251、データ「0」
を振幅無部分252として記録している。
【0071】そして、アドレスデータの例として101
10を記録する場合においては、図7に示すように、振
幅有部分251、振幅無部分252、振幅有部分25
1、振幅有部分251、振幅無部分252の順で形状記
録される。このように振幅の有無によってデータを記録
する方法は、単純な信号形式ゆえに低いC/N環境であ
っても復調できるという利点がある。特に、隣接トラッ
クからのクロストークの影響を最小にでき、トラックピ
ッチPを再生スポット径Sよりも短縮した本発明になる
情報記録担体1においては、効果的なアドレス記録方法
である。
【0072】ここで、振幅有部分251と振幅無部分2
52の長さは、同じであっても異なっていてもよいが、
復調のエラーレートを最良にするためにはそれぞれの長
さを同じとすることが望ましい。振幅有部分251を構
成する波の数は、任意であるが、読み取りエラーを防ぐ
ために複数であり、アドレス記録の記録密度を低下させ
ないよう、冗長でない数が相応しい。そのような観点か
ら波の数は、2〜10程度が望ましい。また、振幅有部
分251の振幅幅は、互いに異なっていてもよいが、復
調時のスライスレベルの設定しやすさを考慮すると互い
に同じであることが望ましい。
【0073】また、このアドレス250以外に、クロッ
ク用の単一周波数を記録した領域を別に設ける場合に
は、その単一周波数と振幅有部分251の周波数は、異
なっていても、同じでもよい。ただし同じである方が、
クロックの抽出に用いる物理長さを若干拡大できること
になるので、クロックの安定抽出がしやすくなり有利で
ある。
【0074】また、図8は、周波数変調(FM)により
記録されたアドレス300を拡大図示したものであり、
このアドレス300が微細パターン20を構成するグル
ーブ部Gまたはランド部Lのいずれかにおいて一部又は
全てに形状記録されている。周波数変調(FM)では、
周波数の大小によってデータ「1」またはデータ「0」
の記録が行われる。図8の例では、データ「1」を高周
波数部分301、データ「0」を低周波数部分302と
して記録している。そして、アドレスデータの例として
10110を記録する場合においては、図8に示すよう
に、高周波数部分301、低周波数部分302、高周波
数部分301、高周波数部分301、低周波数部分30
2の順で形状記録される。
【0075】このように周波数の高低によってデータを
記録する方法は、簡単な回路構成で復調できるという利
点がある。特に、図8で示したように、周波数の切り替
え箇所で波が連続するよう位相を選択すると、再生エン
ベロープが略一定となり、安定したアドレス抽出が実現
できる。なおここで高周波数部分301と低周波数部分
302の長さは、同じであっても異なっていてもよい
が、復調のエラーレートを最良にするためにはそれぞれ
の長さを同じとすることが望ましい。
【0076】また、高周波数部分301と低周波数部分
302を構成する波の数は、任意で高周波数部分301
と低周波数部分302の振幅幅は、互いに異なっていて
もよいが、復調のしやすさを考慮すると互いに同じであ
ることが望ましい。また、高周波数部分301と低周波
数部分302の周波数の選択は、任意であるが、2つの
周波数の位相差を±π/12〜±π/0.75となるよ
うに設定することが望ましい。特に、図8に示すように
周波数比(高周波数/低周波数)を1.5倍とすると、
2つの周波数は単一波の位相を−π/2.5と+π/
2.5にずらした関係となる。これら2つの周波数は単
一の周波数(ここでは0.5)の整数倍(ここでは3倍
と2倍)で表現できる。従って、復調回路が簡単にでき
るという利点が生じる。また、復調を同期検波により行
うことができ、エラーレートを著しく減少させることが
できる。
【0077】更に、別の例として周波数比(高周波数/
低周波数)を1.28倍とすると、2つの周波数は単一
波の位相を−π/4と+π/4にずらした関係となる。
従って、この場合も復調を同期検波により行うことがで
き、エラーレートを著しく減少させることができる。
【0078】このアドレス300以外に、クロック用の
単一周波数を記録した領域を別に設ける場合には、その
単一周波数と高周波数部分301と低周波数部分302
の周波数はそれぞれ異なっていてもよい。ただし、高周
波数部分301と低周波数部分302のいずれかとクロ
ック領域の単一周波数は、同じである方が、クロックの
抽出に用いる物理長さを若干拡大できることになるの
で、クロックの安定抽出がしやすくなり有利である。
【0079】また、図9は、位相変調(PM)により記
録された第1の位相変調アドレス400を拡大図示した
ものであり、この第1の位相変調アドレス400が微細
パターン20を構成するグルーブ部Gまたはランド部L
のいずれかにおいて一部又は全てに形状記録されてい
る。位相変調(PM)では、位相の違いによってデータ
「1」またはデータ「0」の記録が行われる。図9の例
では、データ「1」をsin0部分401、データ
「0」をsinπ部分402として記録している。そし
てアドレスデータの例として10110を記録する場合
においては、図9に示すように、sin0部分401、
sinπ部分402、sin0部分401、sin0部
分401、sinπ部分402の順で形状記録される。
【0080】このように位相の違いによってデータを記
録する方法は、同期検波により復調することによって低
いC/N環境下でも再生できる利点がある。なお、si
n0部分401とsinπ部分402の長さは、同じで
あっても異なっていてもよいが、復調のエラーレートを
最良にするためにはそれぞれの長さを同じとすることが
望ましい。sin0部分401とsinπ部分402の
振幅幅は、互いに異なっていてよいが、復調のしやすさ
を考慮すると互いに同じであることが望ましい。また、
2つの位相差をπとし、0とπの2値記録としたが、こ
れに限らず、例えば位相差をπ/2ずつとし、−3π/
4、−π/4、+π/4、+3π/4の4値記録とする
ようにしてもよい。
【0081】この第1の位相変調アドレス400以外
に、クロック用の単一周波数を記録した領域を別に設け
る場合には、その単一周波数とsin0部分401また
はsinπ部分402の周波数は異なっていてもよい。
ただしこれらが一致している方が、クロックの抽出に用
いる物理長さを若干拡大できることになるので、クロッ
クの安定抽出がしやすくなり有利である。
【0082】また、この第1の位相変調アドレス400
に対し、クロック用の単一周波数を重畳記録してもよ
い。即ち、位相変調アドレスに対して、整数倍(1を含
む)、または整数分の1の周波数を重畳してもよい。こ
のようにクロック周波数を重畳する場合には、公知のバ
ンドパスフィルタによって周波数分離が可能であるが、
第1の位相変調アドレス400とクロックの周波数の差
が大きい方が望ましい。例えば、第1の位相変調アドレ
ス400の周波数を1とし、クロックの周波数を1/2
とするとこれらの周波数は好適に分離され、アドレス、
クロック共に安定した抽出が可能になる。
【0083】図10は、位相変調(PM)により記録さ
れた第2の位相変調アドレス450を拡大図示したもの
であり、微細パターン20を構成するグルーブ部Gまた
はランド部Lのいずれかにおいて形状が記録されてい
る。この例では波を立ち上がりと立ち下がりの非対称な
形状と捉え、それぞれを別々に制御することで位相の違
いを表現している。即ち、図10の例では、データ
「1」を立ち上がり緩やか、立ち下がり急峻部分451
(以下、下り急峻部分451と呼ぶ)、データ「0」を
立ち上がり急峻、立ち下がり穏やか部分452(以下、
登り急峻部分452と呼ぶ)として記録している。
【0084】そして、アドレスデータの例として101
10を記録する場合においては、図10に示すように、
下り急峻部分451、登り急峻部分452、下り急峻部
分451、下り急峻部分451、登り急峻部分452の
順で形状記録される。このように位相の違いによってデ
ータを記録する方法は、高帯域フィルターに入力し、微
分成分を抽出することで復調でき、低いC/N環境下で
も再生できる利点がある。ここで下り急峻部分451、
登り急峻部分452の長さは、同じであっても異なって
いてもよいが、復調のエラーレートを最良にするために
はそれぞれの長さを同じとすることが望ましい。
【0085】下り急峻部分451、登り急峻部分452
の振幅幅は互いに異なっていてよいが、復調のしやすさ
を考慮すると互いに同じであることが望ましい。また、
この第2の位相変調アドレス450以外に、クロック用
の単一周波数を記録した領域を別に設ける場合には、そ
の単一周波数と下り急峻部分451または登り急峻部分
452の周波数は異なっていてよい。ただし、これらが
一致している方が、クロックの抽出に用いる物理長さを
若干拡大できることになるので、クロックの安定抽出が
しやすくなり有利である。
【0086】これまでの説明では振幅変調(AM)、周
波数変調(FM)、位相変調(PM)の記録方法とし
て、アドレスデータをそのまま直接、溝の蛇行形状とし
て記録する方法を用いて説明してきた。そして、溝蛇行
の基本波は、sin形状を前提としたが、本発明はこれ
に限定されない。例えば溝蛇行の基本波をcos形状と
しても同様な効果が認められることはいうまでもない。
【0087】アドレスデータを異なる方式によって多重
記録したり、時分割記録したりしてもよい。例えば、A
M+FM、AM+PM、FM+PMのように異なる方式
を合成記録してもよい。或いは、ある一定時間をAM、
別の一定時間をFMとした時分割記録、またはある一定
時間をAM、別の一定時間をPMとした時分割記録、ま
たはある一定時間をFM、別の一定時間をPMとした時
分割記録を行ってもよい。前述したように、これらに加
え、クロックを抽出するための単一周波数領域をさらに
異なる一定時間に記録した時分割記録としてもよいもの
である。
【0088】ところで、溝の蛇行幅であるが、蛇行によ
る振幅は、その値をピッチP以下とすることで良好なア
ドレス再生が可能となる。具体的には、蛇行による振幅
をピッチP以下とすることで隣接トラックと物理的に接
触しないアドレスが記録できるので、記録によるクロス
トークが回避できる。このような蛇行振幅をピッチP以
下としてアドレスを記録した溝に対して、相変化記録に
よるランダムデータを書き込み、プッシュプル法による
アドレス再生を試みたところ、アドレス信号の検出が可
能な限界としては、蛇行振幅(peak to peak)が再生ス
ポット径Sの2%以上であり、これを下回って作成され
た溝に対しては、相変化記録によるランダムデータがノ
イズとして顕著に重畳されて、アドレスエラーレートが
急増した。
【0089】一方、蛇行振幅が再生スポット径Sの9%
以上とした場合には、プッシュプル信号に隣接トラック
のクロストークが顕著に重畳され、アドレスエラーレー
トが急増した。従って、蛇行振幅は、ピッチP以下が必
須であり、更には再生スポット径Sの2〜9%の範囲が
最も相応しいといえる。
【0090】本発明は、この直接記録に限定されない。
即ち直接記録では、長いアドレスデータ列を記録する場
合、0が連続するまたは1が連続する可能性があり、デ
ータに直流成分が生じる可能性がある。これを回避する
ためにあらかじめデータをベースバンド変調して記録す
る方法を取ってもよい。即ち、0と1をあらかじめ別の
コードに置き換えて、0と1の連続を一定値以下にす
る。そのような方法として、マンチェスタ符号、PE変
調、MFM変調、M2変調、NRZI変調、NRZ変
調、RZ変調、微分変調などを単独または組み合わせて
用いることができる。
【0091】本発明なる情報記録担体1に特に相応しい
ベースバンド変調の方法として、マンチェスタ符号(バ
イフェイズ変調、二相変調)がある。これは記録しよう
とするデータ1ビットに対して、図11に示すように、
2ビットを当てはめる方法である。即ち記録しようとす
るデータ0に対して00または11を、データ1に対し
て01または10を割り当てる。そしてデータの接続に
際しては、必ず前の符号の反転符号から入るようにす
る。
【0092】図12に示すように、100001という
アドレスデータは、001010101011という符
号列になる。オリジナルのアドレスデータは、0の連続
を4つ含み、また、0の出現確率は、1の2倍となった
非対称なデータである。それに対し変調を行うと、0ま
たは1の連続は、最大2つで済み、また、0と1の出現
確率は等しい対称なデータに変換される。このように同
一ビットの連続が一定値以下に制限されるようなベース
バンド変調は、その読み取りの安定性を向上させる効果
があるので、長いアドレスデータを扱う際に相応しい前
処理となる。
【0093】更に、アドレスデータを高度に分解して、
分散記録する方法もある。例えばダミーデータ「10」
と組み合わせて、「10X」(Xは0か1)というデー
タの組み合わせで記録し、一定間隔毎にこのデータ列を
配置する記録方法である。「10」をデータトリガとし
て、Xのみを抽出すれば、データを復元できる。この方
法は、扱うデータ列を時間をかけて読み込んでもよいフ
ォーマットの場合に有効である。
【0094】分散記録の別の例としては、読み取りの容
易な第1の特定データパターン(例えば「101」)を
一定間隔毎に配置(記録)しておく。そして読み取りの
容易な第2の特定データパターン(例えば「111
1」)を、第1の特定データパターンの間に配置する。
第2の特定データパターンを配置する位置は、第1の特
定データパターンに対して、あらかじめ定めた所定の距
離(時間)進んだ位置とし、第2特定パターンがあれば
データ1、なければデータ0として記録する。
【0095】そして、読み取りにあたっては、あらかじ
め定めた位置に着目して、第2の特定データパターンの
有無を読み取れる。このようにすれば、記録したアドレ
スデータを読み取ることができるようになる。また、第
2の特定データパターンを配置する位置を第1の特定デ
ータパターンに対して、あらかじめ2通りの所定の距離
(時間)進んだ位置として用意しておき、そのどちらの
位置に第2特定パターンがあるかによって、データ1、
データ0を記録してもよい。
【0096】以上の説明では、第1の特定データパター
ンと第2の特定データパターンを用いて、その距離差を
用いた分散記録の方法を説明したが、特定データパター
ンとして極めて読み取り精度の高いパターンを用意でき
る場合には、第1の特定データパターンと第2の特定デ
ータパターンは同じものとしてもよい。一定時間間隔で
記録された特定データパターンに対して、その時間間隔
よりも短い特定パターンを抽出し、さらにその時間間隔
を測定することによって、データ1、データ0を特定し
てもよい。
【0097】以上、溝蛇行によるアドレス情報や、その
他の特定コードデータからなる補助情報(副情報)の記
録について説明してきた。繰り返すが、ここで説明して
きた記録とは、記録層12への記録ではなく、溝(グル
ーブ部Gまたはランド部L)の蛇行によって形状記録さ
れたものである。この補助情報及び先述のクロック情報
(クロック抽出用単一周波数)の溝蛇行による形状記録
は永久情報であり、改変のできない秘匿性の高いもので
ある。このような記録は、支持体13または透光層11
へ成形の手法を用いることによって、形状変化を伴った
記録を行うことができる。ここで成形にあたっては溝蛇
行記録されたスタンパを用いるが、スタンパそのものは
エネルギー線によって、蛇行パターンを形成するいわゆ
るマスタリングの手法によって製作することができる。
【0098】ところで、前述したように、記録層12へ
の記録(例えば相変化記録)もグルーブ部Gまたはラン
ド部Lに行われる。記録層12への記録時には、溝蛇行
による補助情報やクロック情報を参照しながら行う(例
えばアドレスを読みながら記録を行う)から、記録に供
するトラックと、補助情報やクロック情報を形状記録し
たトラックと一致する必要がある。例えば記録に供する
トラックがランド部Lである場合には、補助情報やクロ
ック情報を形状記録したトラックもランド部Lとする必
要がある。これが異なると、記録層12への記録は物理
的に問題なく行うことができるものの、補助情報やクロ
ック情報は隣接した2つのトラックの情報が50%ずつ
混合して取り出されることになり、正しい補助情報やク
ロック情報を抽出することができなくなる。
【0099】例えば、記録に供するトラックがランド部
Lであり、補助情報やクロック情報を形状記録したトラ
ックがグルーブ部Gとなっている場合、ランド部Lに記
録層12への記録を行うこと自身には無理がないが、記
録時にアドレス等の補助情報やクロック情報を取り出そ
うとすると、ランド部Lを挟んで隣接した2つのグルー
ブ部Gの情報を読み取ることになり、異なる2つのグル
ーブ部Gの補助情報やクロック情報が50%ずつ混合し
て取り出されることになる。
【0100】混合された2つの情報は、分離することが
不可能であり、このため意図するトラックへの記録は行
えないことになる。従って、記録に供するトラックと、
補助情報やクロック情報を形状記録したトラックとは一
致する必要がある。前述したように、記録層12への記
録はエラーレートを低減させる意味から、特にランド部
Lに行うのが相応しい。従って記録に供するトラックを
ランド部Lとし、補助情報やクロック情報を溝形状記録
したトラックもランド部Lとするのが最も望ましいとい
える。
【0101】次に、情報記録担体1乃至5を再生する第
1の再生装置40について図13を用いて説明する。こ
こでは、説明を簡素化するために情報記録担体1を用い
ることにするが、その他の情報記録担体(情報記録担体
2、3、4、5)の場合も同様である。図13に示すよ
うに、第1の再生装置40は、情報記録担体1からの反
射光を読み取るピックアップ50と、この情報記録担体
1を回転するモータ51と、ピックアップ50及びモー
タ51の駆動を制御するサーボ52と、ピックアップ5
0で読み取った情報信号を復調する復調器54と、復調
器54で復調した信号を外部に送出するインターフェー
ス(I/F)55と、全体を制御するコントローラ60
とから少なくともなる。ここで、復調器54とは、例え
ば、DVDで使用されている8/16変調(EFMプラ
ス)であれば、16ビットデータを、オリジナルの8ビ
ットデータに戻す操作を行うデジタル変換器である。
【0102】ターンテーブル53と情報記録担体1と
は、中心穴Qを填めあいにして接続されているが、これ
らは固定接続でもよいし、自由に着脱できる半固定接続
でもよい。また、情報記録担体1は、カートリッジに装
着されたものであってもよく、中央に開閉機構がある公
知のカートリッジをそのまま用いることができる。
【0103】モータ51は、ターンテーブル53と接続
されており、ターンテーブル53と情報記録担体1とは
中心穴Qを嵌め合いにして接続されている。モータ51
は、ターンテーブル53を介し、情報記録担体1を保持
し、再生のための相対運動を付与する。信号出力は、図
示しない外部出力端子に接続されていてもよいし、図示
しない表示装置や、オーディオ装置、印字装置に直接接
続されていてもよい。
【0104】ピックアップ50は、λ=350〜450
nmの間の単一波長、望ましくは400〜435nmの
間の単一波長で発光する発光素子50aと、開口数0.
75〜0.9の対物レンズ50bと、情報記録担体1か
らの反射光を受光する図示しない光検出器(フォトディ
テクター)を備えている。そして、これらによって再生
光70を形成するものである。前記した発光素子50a
は、窒化ガリウム系化合物半導体レーザであってもよい
し、第2高調波生成素子を有したレーザであってもよ
い。サーボ52は図面の説明上1つとしたが、ピックア
ップ50の駆動制御用サーボ、及びモータ51の駆動制
御用サーボの2つに分けてもよい。
【0105】復調器54には、図示しない公知のイコラ
イザとPRML復号回路が内蔵されていてもよい。例え
ば、イコライザ(波形等化器)として、非線形な入出力
特性を有する複数の変換系が独立した可変重みで結合さ
れて、ニューラルネットワークを構成する、いわゆるニ
ューラルネットイコライザ(特許第2797035号)
や、再生信号の振幅レベルを所定値に制限してからフィ
ルタリング処理する、いわゆるリミットイコライザ(特
開平11−259985号公報)、再生信号と波形等化
目標値との誤差を求めて、それを最小とするように波形
等化器の周波数を適応的に可変する、いわゆる誤差選択
型イコライザ(特開2001−110146号公報記
載)などを特に好適に用いることができる。
【0106】また、公知のPRML復号回路のうち、予
測値制御/等化誤差演算回路を含み、ビタビ・アルゴリ
ズムの復号に用いる予測値を演算するとともに、波形等
化器の等化誤差を最小とするように周波数特性を最適化
する、いわゆるアダプティブビタビデコーダ(特開20
00−228064号公報、及び特開2001−186
027号公報)を特に好適に用いることができる。
【0107】次に、第1の再生装置40の動作について
説明する。ピックアップ50の発光素子50aから再生
光70を出射して、情報記録担体1の微細パターン20
に集光させる。具体的には透光層11の厚みに相当する
0.07〜0.12mmの深度にある微細パターン20
にフォーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部L
のいずれか一方にトラッキングを行う。このトラッキン
グはあらかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述し
たとおり、ランド部Lを選択するのが最もよい。そし
て、微細パターン20からの反射光を図示しない光検出
器で受光して記録信号を読み取る。ここで光検出器は4
分割に分割されており、すべての分割検出器出力の総和
信号(いわゆるIa+Ib+Ic+Id)が、復調器5
4に送られる。ここで、Ia、Ib、Ic、Idは、J
IS規格X6241:1997で定義されたDVDにお
ける4分割された光検出器の出力にそれぞれ対応する。
この記録信号の読み取りは、微細パターン20上のグル
ーブ部Gまたはランド部Lに記録されている記録マーク
Mを再生することによって行われることになる。
【0108】説明を省略したが、フォーカスにはフォー
カスエラー信号を生成し、トラッキングにはトラッキン
グエラー信号を生成する必要がある。フォーカスエラー
信号やトラッキングエラー信号は、4分割光検出器出力
の半径方向の差信号(いわゆる(Ia+Ib)−(Ic
+Id))によって生成され、サーボ52に送られる。
コントローラ60の制御に基づいて、受信したフォーカ
スエラー信号やトラッキングエラー信号より、サーボ5
2内でフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号
を生成してピックアップ50に送る。一方、サーボ52
からは回転サーボ信号も生成して、モータ51に送る。
そして、復調器54では、前記した記録信号を復調し、
必要に応じて誤り訂正を行い、得られたデータストリー
ムをインターフェース(I/F)55に送る。そしてコ
ントローラ60の制御に基づいて信号を外部に送出す
る。
【0109】以上のように、本発明における第1の再生
装置40によれば、情報記録担体1を装着しており、こ
れらはλ=350〜450nmの間の単一波長を有する
発光素子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物
レンズ50bによって生成される再生光70に適合して
設計されたものであるから、情報記録担体1を良好に再
生することができる。
【0110】ここで、第1の再生装置40に用いる発光
素子50aについて述べておくと、発光素子50aは、
窒化ガリウム系化合物半導体レーザであってもよいし、
第2高調波生成素子を有したレーザであってもよい。し
かしながら、これら2つの異なるレーザは、それぞれの
固有のレーザノイズを有し、特に、窒化ガリウム系化合
物半導体レーザの場合は、ノイズレベルが高いという特
徴を持つ。我々の測定では、第2高調波生成素子を有し
たレーザRIN(Relative Intensit
y Noise)が−134dB/Hzであり、これは
DVDで用いられる赤色半導体レーザ(λ=約650n
m)とほぼ同等のノイズを有する。
【0111】一方、窒化ガリウム系化合物半導体レーザ
の場合は、RINが−125dB/Hzであり、これは
第2高調波生成素子を有したレーザRINと比べて、9
dBも大きい。このノイズは、情報記録担体1からの再
生信号にそのまま加算され、再生信号のS/Nを著しく
悪くする。即ち、第1の再生装置40の発光素子50a
に窒化ガリウム系化合物半導体レーザを採用した場合
は、信号特性が劣化するので、DVDで得た設計指針を
比例的にシフトして適応できないことを意味する。従っ
て、このような第1の再生装置40の場合には、情報記
録担体1からの再生信号に、レーザ固有のノイズが加算
されることを考慮して、その劣化分を補った信号特性を
有する情報記録担体を用意する必要がある。
【0112】次に、本発明における第5実施形態の情報
記録担体5について、反射層121、第1保護膜12
2,記録層123、第2保護膜124の材料及び膜厚を
変えながら各種作製し、発光素子50aに窒化ガリウム
系化合物半導体レーザ(RIN:−125dB/Hz)
を採用した第1の再生装置40による再生を行って、変
調振幅と再生信号のエラーレートとの関係について調べ
た。なお、情報記録担体5の記録は、最もエラーレート
が下がる、理想的な記録条件で行った。
【0113】再生変調振幅は、再生信号の出力ともい
え、相変化記録材料の場合には、クリスタル−アモルフ
ァス間の反射率コントラストと相関のある指数である。
具体的には、情報記録担体5に、いわゆる(d、k)符
号と呼ばれる変調信号を記録する。記録装置については
後述する。
【0114】なお、(d、k)変調信号は、固定長符号
であっても可変長符号であっても用いることができ、固
定長符号の(2,10)変調や、固定長符号の(1,
7)変調、固定長符号の(1,9)変調、可変長符号の
(2,7)変調や可変長符号の(1,7)変調を好適に
用いることができる。固定長符号の(2,10)変調の
代表例としては、8/15変調(特開2000−286
709号公報記載)や8/16変調(EFMプラス)、
8/17変調(EFM)が挙げられる。固定長符号の
(1,7)変調の代表例としては、D1,7変調(特願
2001−80205号記載)が挙げられる。固定長符
号の(1,9)変調の代表例としては、D4,6変調
(特願2000−80205号記載)が挙げられる。可
変長符号の(1,7)変調の代表例としては、17PP
変調(特開平11−346154号公報記載)が挙げら
れる。
【0115】変調振幅は、第1の再生装置40に情報記
録担体5を平坦に装着(傾きゼロ)して記録信号を再生
し、ピックアップ50から出力されたDC系の再生信号
をオシロスコープに接続して、符号で使用する最長長さ
の信号から求めた。例えば、DVDで使用する8/16
変調の場合には、最長長さが14Tであるから、規格
(JIS規格X6241:1997)で規定されている
ようにI14LとI14Hを測定して、変調振幅、即ち
(I14H−I14L)/I14Hを計算する。エラー
レートは、復調器54を通して得られた再生信号を測定
して求めた。その結果を図14に示す。
【0116】図14に示すように、変調振幅とエラーレ
ートは、明確な相関関係があり、変調振幅が小さくなる
とエラーレートは、著しく大きくなることが分かる。実
用的なエラーレートをDVD等で定める3×10-4に設
定すると、必要な変調振幅は0.34以上となる。情報
記録担体5は、使用環境の温度変化等により反ることが
ある。従ってDVD同様、0.7度程度の傾きが起こり
うると仮定すると、λ=350〜450nm、NA=
0.75〜0.9、透光層11の厚み0.07〜0.1
2mmが複合的にもたらすコマ収差より、エラーレート
は増大することになる。
【0117】0.7度傾き付加時のエラーレートが3×
10-4となるのは、傾きゼロ時の0.7×10-4に相当
することが実測結果より分かった。即ち、実使用時の傾
きを考慮すると、0.7×10-4のエラーレートが必要
である。このことから実用的な変調振幅は、0.4以上
であることが分かった。
【0118】このように、窒化ガリウム系化合物半導体
レーザを発光素子として用いた場合に再生信号にノイズ
が加算されることを考慮して、情報記録担体5を変調振
幅が0.4以上になるようにした構成にすれば、エラー
レートをDVDの仕様程度にすることができ、実用的と
なる。なお、図14のような、変調振幅とエラーレート
の相関関係は前述したどの変調方式を用いてもほぼ同様
な結果が得られることが実験の結果、分かっている。
【0119】変調方式により最長マーク長は変わりうる
が、これら変調方式ではおよそ6T以上となると信号出
力がほぼ飽和して、一定値を取るからである。従って例
えば情報記録担体1に17PP変調で記録を行い、求め
た変調振幅と、8/16変調で記録を行い、得られる変
調振幅とは、同じ値が得られる。D1,7変調や17P
P変調のような、(1,7)系の変調の場合の変調振幅
の計算方法は、その最長マークが8Tとなるから、変調
振幅は(I8H−I8L)/I8Hによって求められ
る。
【0120】次に、より具体的に、以下実施例1〜5を
用いて説明する。なお、比較のために比較例1〜3のサ
ンプルも作製した。 実施例1 相変化記録型情報記録担体5として、支持体13に厚さ
1.1mmのポリカーボネートを用い、反射層121に
AgPdCu、第1保護層122にZnSSiO2、記
録層123にAgInSbTe、第2保護層124にZ
nSSiO2、透光層11としてポリカーボネート0.
10mmを用いて作製した。この情報記録担体5のラン
ド部Lにはアドレスデータが±π/2.5であり、さら
に周波数切り替え点で波が連続するよう位相が選択され
た周波数変調を行うことにより蛇行形状に記録されてい
る。この情報記録担体5は、λ405nm、NA0.8
5を想定して設計したものであり、ランド部L間のピッ
チPは、0.32μmとした。
【0121】この情報記録担体5をλ405nm、NA
0.85のピックアップを有した記録装置に装着し、ラ
ンド部Lに対し、記録信号を17PP変調とし、最短マ
ーク長(=2T)を0.149μmとした変調信号によ
り記録を行った。この情報記録担体5を図13に示した
λ405nm、NA0.85のピックアップ50を有し
た第1の再生装置40に装着し、ランド部Lの再生を行
ったところ、変調振幅(=(I8H−I8L)/I8
H)が0.52の信号が再生できた。続いて、再生信号
のエラーレートを求めたところ、2×10-5の良好なエ
ラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出で
きた。また、アドレスエラーレートも記録部分で1%程
度であり、アドレスデータは良好に復元できた。アドレ
スエラーレートは、記録層12への記録を行った後の再
生で、5%以下であると誤り訂正処理により、エラーの
ほとんどないデータ復元ができるので、相応しいもので
ある。
【0122】実施例2 記録信号をD4,6変調とし、最短マーク長(=2T)
を0.154μmとした以外は、実施例1と同様にして
記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったとこ
ろ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I12H)
が0.60の信号が再生できた。続いて、再生信号のエ
ラーレートを求めたところ、8×10-6の良好なエラー
レートが得られ、実用上問題のないデータが抽出でき
た。また、アドレスエラーレートも記録部分で1%程度
であり、アドレスデータは、良好に復元できた。
【0123】実施例3 記録信号をD8−15変調とし、最短マーク長(=3
T)を0.185μmとした以外は実施例1と同様にし
て記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったと
ころ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I12
H)が0.63の信号が再生できた。続いて、再生信号
のエラーレートを求めたところ、4×10-6の良好なエ
ラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出で
きた。またアドレスエラーレートも記録部分で1%程度
であり、アドレスデータは、良好に復元できた。
【0124】実施例4 ランド部Lにアドレスデータを図10に示す位相変調を
行うことにより蛇行形状を記録した情報記録担体5と
し、記録信号を17PP変調とし、最短マーク長(=2
T)を0.149μmとした以外は実施例1と同様にし
て記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったと
ころ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I12
H)が0.60の信号が再生できた。続いて、再生信号
のエラーレートを求めたところ、2×10-5の良好なエ
ラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出で
きた。また、アドレスエラーレートも記録部分で0.1
%程度であり、アドレスデータも良好に復元できた。
【0125】実施例5 ランド部Lにアドレスデータをマンチェスタ符号により
ベースバンド変調し、±π/2.5であり、さらに周波
数切り替え点で波が連続するよう位相が選択された周波
数変調を行うことにより蛇行形状を記録した情報記録担
体5とし、記録信号をD4,6変調とし、最短マーク長
(=2T)を0.154μmとした以外は実施例1と同
様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行
ったところ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I
12H)が0.60の信号が再生できた。続いて、再生
信号のエラーレートを求めたところ、8×10-6の良好
なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽
出できた。また、アドレスエラーレートも記録部分で
0.1%程度であり、アドレスデータも良好に復元でき
た。
【0126】比較例1 実施例1の情報記録担体5を用い、グルーブ部Gに記録
を行う以外は、実施例1と同様にして記録及び再生を行
った。グルーブ部Gの再生を行ったところ、変調振幅が
0.38の信号が再生できた。続いて再生信号のエラー
レートを求めたところ、4×10-3のエラーレートが得
られ、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽
出できた。また、アドレスデータは、全く混乱し、デー
タを抽出することが不可能であった。
【0127】比較例2 透光層11の厚さを0.06mmとした以外は実施例1
と同様にして記録及び再生を行った。再生を行ったとこ
ろ、変調振幅が0.46の信号が再生できたもののアイ
パターンは不鮮明であった。続いて、再生信号のエラー
レートを求めたところ、6×10-3のエラーレートが得
られ、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽
出できた。アドレスエラーレートも記録部分で10%も
あり、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるアドレスデ
ータしか抽出できなかった。また、情報記録担体5に、
対物レンズ50bを強制的に接触、摺動させる試験を行
ったところ、簡単にスクラッチ傷が入り、情報記録担体
として不適当であった。
【0128】比較例3 透光層11の厚さを0.13mmとした以外は実施例1
と同様にして記録及び再生を行った。再生を行ったとこ
ろ、変調振幅が0.38の信号が再生でき、アイパター
ンは不鮮明であった。続いて再生信号のエラーレートを
求めたところ、9×10-3のエラーレートが得られ、欠
陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽出でき
た。アドレスエラーレートも記録部分で10%もあり、
欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるアドレスデータし
か抽出できなかった。
【0129】以上、本発明なる第1の再生装置40と、
それに装着する情報記録担体1乃至5について説明して
きた。ここで説明してきた第1の再生装置40は、記録
層12、123に記録された情報を読み出すための再生
装置であり、特に長時間にわたって連続して記録された
コンテンツを再生することができる。例えばビデオレコ
ーディングされたHDTV番組や映画の再生に用いるこ
とができる。
【0130】次に、本発明なる第2の再生装置41につ
いて、図15を用いて説明する。ここでは、情報記録担
体としては、情報記録担体1を用いた場合について説明
するが、それ以外でも同様である。第2の再生装置41
は、図13に示す第1の再生装置40において、ピック
アップ50とコントローラ60との間にピックアップで
読取った補助情報復調器56を備えたものであり、それ
以外は同様である。そして、例えば、ビデオレコーディ
ングされたHDTV番組や映画の頭出し再生や、データ
の記録されたコンピュータデータの頭出し再生のための
再生装置である。
【0131】前述したとおり、ピックアップ50から復
調器54へ送られる信号は、図示しない4分割光検出器
のすべての分割検出器出力の総和信号(いわゆるIa+
Ib+Ic+Id)である。ここで、Ia、Ib、I
c、Idは、JIS規格X6241:1997で定義さ
れたDVDにおける4分割された光検出器の出力にそれ
ぞれ対応する。一方、ピックアップ50から補助情報復
調器56へ送られる信号は、4分割光検出器の半径方向
の差信号(いわゆる(Ia+Ib)−(Ic+Id))
である。情報記録担体1に溝蛇行として形状記録された
補助情報は、蛇行が半径方向になされているために、こ
の差信号をモニターすることで抽出できる。
【0132】補助情報復調器56の具体的な構成は、振
幅変調復調器、周波数変調復調器、位相変調復調器の少
なくとも1つからなるものである。振幅変調復調器の場
合には包絡線検波回路など、周波数変調復調器の場合に
は周波数検波回路や同期検波回路など、位相変調復調器
の場合には同期検波回路や遅延検波回路、包絡線検波回
路などを好適に用いることができる。ところで、半径方
向の差信号には、総和信号が少ないながら洩れ込んでく
ることがある。これを避けるために、補助信号の周波数
帯域に合わせたバンドパスフィルタを補助情報復調器5
6の前に接続してもよい。
【0133】次に、第2の再生装置41の動作について
説明する。ピックアップ50の発光素子50aから再生
光70を出射して、情報記録担体1の微細パターン20
に集光させる。具体的には透光層11の厚みに相当する
0.07〜0.12mmの深度にある微細パターン20
にフォーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部L
のいずれか一方にトラッキングを行う。このトラッキン
グはあらかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述し
たとおり、ランド部Lを選択するのが最もよい。続いて
ピックアップ50からの半径方向の差信号((Ia+I
b)−(Ic+Id))を補助情報復調器56に送り、
補助情報を読み取る。この時、各種補助情報のうち、ア
ドレス情報に着目し、コントローラ60に入力されてい
るデータを頭出しするためのアドレスと照合する。
【0134】ここで一致が見られない場合には、コント
ローラ60はサーボ52に信号を送りサーチの指示を行
う。サーチはピックアップ50の半径方向スキャンを行
いながら、モータ51の回転数を半径移動に伴って、半
径に見合う回転数に設定し直す。スキャンの過程では、
ピックアップ50からの差信号を受けている補助情報復
調器56から出力されるアドレスが、所定のアドレスと
照合され、これらが一致するまでサーチが続けられる。
一致が見られると、半径方向のスキャンは中止され、連
続再生に切り替えられる。総和信号(Ia+Ib+Ic
+Id)が入力された復調器54からの出力は、頭出し
して得られたデータストリームの復調となり、インター
フェース(I/F)55に入力される。そしてコントロ
ーラ60の制御に基づいて信号を外部に送出する。
【0135】以上のように、本発明における第2の再生
装置41によれば、情報記録担体1を装着しており、こ
れらはλ=350〜450nmの間の単一波長を有する
発光素子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物
レンズ50bによって生成される再生光70に適合して
設計されたものであるから、情報記録担体1を良好に再
生することができると同時に、補助情報をも再生して、
データストリームの頭出し再生を行うことができる。
【0136】次に、本発明になる記録装置90について
図16を用いて説明する。ここでは、情報記録担体とし
ては、情報記録担体1を用いた場合について説明する
が、それ以外でも同様である。記録装置90は、図16
に示す第2の再生装置41において復調器54の代わり
に変調信号を情報記録担体1の記録に相応しいように変
形する波形変換器83とオリジナルデータを変調する変
調器82を直列に接続したものであり、それ以外は同様
である。この記録装置90は、例えば、所定のアドレス
に新規にコンピュータデータを記録したり、所定のアド
レスより連続してHDTV番組や映画をビデオレコーデ
ィング記録したりするための記録装置である。
【0137】変調器82は、例えばDVDの8/16変
調(EFMプラス)であれば、オリジナルデータの8ビ
ットを16ビットに変換する変調器である。波形変換器
83は、変調器82から受け取った変調信号を情報記録
担体1の記録に相応しいように変形する。具体的には情
報記録担体1の記録層12の記録特性に合わせた記録パ
ルスに変換する変換器であり、例えば記録層12が相変
化材料である場合には、いわゆるマルチパルスが形成さ
れる。即ち、変調信号をチャネルビットもしくはそれ以
下の単位に分割され、パワーを矩形波状に変化させるも
のである。ここで、マルチパルスを構成するピークパワ
ー、ボトムパワー、イレイスパワー、パルス時間などが
コントローラ60の指示に従って設定される。
【0138】次に、記録装置90の動作について説明す
る。ピックアップ50の発光素子50aから再生光70
を出射して、情報記録担体1の微細パターン20に集光
させる。具体的には透光層11の厚みに相当する0.0
7〜0.12mmの深度にある微細パターン20にフォ
ーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部Lのいず
れか一方にトラッキングを行う。このトラッキングはあ
らかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述したとお
り、ランド部Lを選択するのが最もよい。続いて、ピッ
クアップ50からの半径方向の差信号((Ia+Ib)
−(Ic+Id))を補助情報復調器56に送り、補助
情報を読み取る。
【0139】この時、各種補助情報のうち、アドレス情
報に着目し、コントローラ60に入力されているデータ
を頭出しするためのアドレスと照合する。ここで一致が
見られない場合には、コントローラ60はサーボ52に
信号を送りサーチの指示を行う。サーチは、ピックアッ
プ50の半径方向にスキャンを行いながら、モータ51
の回転数を半径移動に伴って、半径に見合う回転数に設
定し直す。
【0140】スキャンの過程では、ピックアップ50か
らの差信号を受けている補助情報復調器56から出力さ
れるアドレスが、所定のアドレスと照合され、これらが
一致するまでサーチが続けられる。一致が見られると、
半径方向のスキャンは中止され、記録動作に切り替えら
れる。即ち、インターフェース(I/F)81から入力
されたデータが、コントローラ60の制御に基づいて変
調器82によって変調される。続いて、コントローラ6
0の制御に基づいて変調されたデータが波形変換器83
に入力され、記録に相応しい様式に変換されてピックア
ップ50に出力される。
【0141】ピックアップ50では、波形変換器83で
設定された記録パワーに変更して、記録光80を生成
し、情報記録担体1に照射される。このようにして情報
記録担体1の所定のアドレスに記録が行われる。記録中
も、記録光80によって半径方向の差信号((Ia+I
b)−(Ic+Id))を読み取ることは可能であり、
補助情報復調器56よりアドレスを抽出することができ
る。従って、ユーザー希望のアドレスまでの限定した領
域記録も可能である。
【0142】以上のように、本発明における記録装置9
0によれば、情報記録担体1を装着しており、これらは
λ=350〜450nmの間の単一波長を有する発光素
子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物レンズ
50bによって生成される再生光70及び記録光80に
適合して設計されたものであるから、情報記録担体1に
良好に記録することができると同時に、補助情報をも再
生して、記録のための任意位置出しを行うことができ
る。
【0143】以上、本発明なる情報記録担体1乃至5、
第1及び第2の再生装置40、41及び記録装置90に
ついて縷々説明してきた。本発明は、本発明の実施形態
では、基本的な部分のみについて説明したが、上記記載
した内容以外に、本発明を阻害しない範囲での種々変形
や追加が可能である。例えば、微細パターン20を単層
及び二層とした情報記録担体1以外に、記録層12と透
光層11のセットの積層を複数回繰り返して、複層(例
えば三層、四層)などに拡張した情報記録担体としても
よい。
【0144】本発明は、第1及び第2の再生装置40、
41及び記録装置90に関して、請求項に記載した範囲
以外に、第1及び第2の再生装置40、41及び記録装
置90の各動作についても含むものである。装置の諸動
作を、各々ステップに置き換えることにより生成される
再生方法、及び記録方法を含むものである。また再生方
法の各ステップを実行するコンピュータプログラム、及
び記録方法の各ステップを実行するコンピュータプログ
ラムを含むものである。
【0145】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、グルー
ブ部とランド部とが交互に形成された略平行溝連続体か
らなる微細パターンを有した支持体と、この微細パター
ン上に形成された記録層と、前記記録層上に形成された
透光層とから少なくともなり、前記グルーブ部又はラン
ド部のピッチをP、再生光の波長をλ、対物レンズの開
口数をNAとする時、前記略平行溝連続体がP<λ/N
Aであり、前記透光層の厚さは、0.07〜0.12m
mであるので、クロスイレーズの低減ができると共に高
密度記録された情報記録担体が得られる。また、反射率
差または位相差に基づく記録が、変調振幅0.4以上で
行われているので、実用的なエラーレートにすることが
できる。再生光の波長がλnmで、RIN−125dB
/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NAの
対物レンズとを少なくとも有して、グルーブ部とランド
部とが交互に形成された略平行溝連続体からなる微細パ
ターンを有する情報記録担体の再生を行う再生装置であ
って、前記λが350〜450nm、前記NAが0.7
5〜0.9であり、前記再生光を前記ランド部または前
記グルーブ部のいずれか一方にのみ照射して行うので、
クロスイレースを低減できる。微細パターンの一部又は
全てに、アドレスデータ等の補助情報が振幅変調で形状
記録されているので、低いC/N環境であっても復調で
きる。また、微細パターンの一部またはすべてに、アド
レスデータ等の補助情報が周波数変調で形状記録されて
いるので、簡単な回路構成で復調できる。特に周波数切
り替え点で波が連続するよう位相が選択された周波数変
調とすることによって、再生エンベロープが一定とな
り、安定した再生が可能となる。更に、微細パターンの
一部又は全てに、アドレスデータ等の補助情報が位相変
調で形状記録されているので、同期検波により復調する
ことによって低いC/N環境下であっても再生できる。
特に、周波数変調を構成する高周波数部分と低周波数部
分の位相差を±π/2.5とすると同期検波により良好
な信号復調が可能となる。また、アドレスデータ等の補
助情報は、予め同一ビットの連続が一定値以下に制限さ
れるようベースバンド変調されたデータとすることによ
り、読取りの安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施形態の情報記録担体を
示す断面図である。
【図2】本発明における第1実施形態の情報記録担体を
上方から見た拡大平面図である。
【図3】本発明における第2実施形態の情報記録担体を
示す断面図である。
【図4】本発明における第3実施形態の情報記録担体を
示す断面図である。
【図5】本発明における第4実施形態の情報記録担体を
示す断面図である。
【図6】本発明における第5実施形態の情報記録担体を
示す断面図である。
【図7】本発明における情報記録担体に記録された振幅
変調アドレスを示す拡大平面図である。
【図8】本発明における情報記録担体に記録された周波
数変調アドレスを示す拡大平面図である。
【図9】本発明における情報記録担体に記録された第1
の位相変調アドレスを示す拡大平面図である。
【図10】本発明における情報記録担体に記録された第
2の位相変調アドレスを示す拡大平面図である。
【図11】ベースバンド変調前とベースバンド変調後に
おける基本データの変化を示す図である。
【図12】ベースバンド変調前とベースバンド変調後に
おけるデータ列の変化の具体的な例を示す図である。
【図13】本発明における第1の再生装置を示すブロッ
ク図である。
【図14】変調振幅とエラーレートとの関係を示す図で
ある。
【図15】本発明における第2の再生装置を示すブロッ
ク図である。
【図16】本発明における記録装置を示すブロック図で
ある。
【図17】従来の情報記録担体を示す断面図である。
【図18】従来の情報記録媒体を上方から見た拡大平面
図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5…情報記録担体、11、11a…透
光層、11b…接着性透光層、12…記録層、13…支
持体、14…樹脂層、20、21、22…微細パター
ン、40、41…再生装置、50…ピックアップ、50
a…発光素子、50b…対物レンズ、51…モータ、5
2…サーボ、53…ターンテーブル、54…復調器、5
5、81…インターフェース(I/F)、56…補助情
報復調器、60…コントローラ、70…再生光、80…
記録光、82…変調器、83…波形変換器、90…記録
装置、121…反射層、122…第1保護層、123…
記録層、124…第2保護層、250…振幅変調による
アドレス、300…周波数変調によるアドレス、400
…第1の位相変調アドレス、450…第2の位相変調ア
ドレス、G…グルーブ部、L…ランド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 G11B 7/24 535H 5D789 561 561N 561Q 11/105 521 11/105 521F 531 531E 531F 20/14 341 20/14 341A Fターム(参考) 5D029 JA01 JC02 LB04 LB07 LB11 WA02 WB11 WC05 WC06 WD10 WD16 5D044 BC05 BC06 CC01 CC04 CC08 DE37 5D075 EE03 FG04 FG18 5D090 AA01 AA03 AA04 BB03 BB05 BB10 CC01 CC04 CC14 CC16 FF11 GG03 GG10 GG27 KK06 KK09 LL01 5D119 AA11 AA22 BA01 BA02 BA03 BB02 BB04 BB05 JB02 5D789 AA11 AA22 BA01 BA02 BA03 BB02 BB04 BB05 JB02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルーブ部とランド部とが交互に形成され
    た略平行溝連続体からなる微細パターンを有した支持体
    と、 この微細パターン上に形成された記録層と、 前記記録層上に形成された透光層とから少なくともな
    り、 前記グルーブ部又は前記ランド部のピッチをP、再生光
    の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする時、前記
    微細パターンがP<λ/NAの関係を有して形成され、
    前記透光層の厚さは、0.07〜0.12mmであるこ
    とを特徴とする情報記録担体。
  2. 【請求項2】前記グルーブ部又は前記ランド部のいずれ
    か一方にのみに反射率差または位相差の少なくとも1つ
    に基づく記録が行われていることを特徴とする請求項1
    記載の情報記録担体。
  3. 【請求項3】前記λが350〜450nmであり、前記
    NAが0.75〜0.9であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の情報記録担体。
  4. 【請求項4】前記反射率差または前記位相差に基づく記
    録が、変調振幅0.4以上で行われたことを特徴とする
    請求項2記載の情報記録担体。
  5. 【請求項5】前記記録層は、相変化材料であることを特
    徴とする請求項1乃至4記載のうちいずれか1の情報記
    録担体。
  6. 【請求項6】前記相変化材料は、Ge−Sb−Te、A
    g−In−Te−Sb、Cu−Al−Sb−Te、Ag
    −Al−Sb−Teのいずれか1つを少なくとも含む合
    金材料であることを特徴とする請求項5記載の情報記録
    担体。
  7. 【請求項7】前記透光層の前記記録層と反対側にハード
    コート層が設けられていることを特徴とする請求項1乃
    至6記載のうちいずれか1の情報記録担体。
  8. 【請求項8】前記微細パターンの一部又は全てに、補助
    情報が振幅変調で形状記録されていることを特徴とする
    請求項1乃至7記載のうちいずれか1の情報記録担体。
  9. 【請求項9】前記微細パターンの一部又は全てに、補助
    情報が周波数変調で形状記録されていることを特徴とす
    る請求項1乃至7記載のうちいずれか1の情報記録担
    体。
  10. 【請求項10】前記周波数変調は、周波数の切り替え点
    で波が連続するよう位相が選択された周波数変調である
    ことを特徴とする請求項9記載の情報記録担体。
  11. 【請求項11】前記微細パターンの一部又は全てに、補
    助情報が位相変調で形状記録されていることを特徴とす
    る請求項1乃至7記載のうちいずれか1の情報記録担
    体。
  12. 【請求項12】前記周波数変調を構成する高周波数部分
    と低周波数部分の位相差が±π/2.5であることを特
    徴とする請求項9又は10記載の情報記録担体。
  13. 【請求項13】前記周波数変調を構成する高周波数部分
    と低周波数部分の位相差が±π/4であることを特徴と
    する請求項9又は10記載の情報記録担体。
  14. 【請求項14】前記補助情報は、予め同一ビットの連続
    が一定値以下に制限されるようベースバンド変調された
    データであることを特徴とする請求項8乃至13の記載
    のうちいずれか1の情報記録担体。
  15. 【請求項15】前記ベースバンド変調は、マンチェスタ
    符号であることを特徴とする請求項14に記載の情報記
    録担体。
  16. 【請求項16】前記補助情報は、前記微細パターンの一
    部に分散して記録されていることを特徴とする請求項8
    乃至15記載のうちいずれか1の情報記録担体。
  17. 【請求項17】再生光の波長がλで、RIN−125d
    B/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NA
    の対物レンズとを少なくとも有して、グルーブ部とラン
    ド部とが交互に形成された略平行溝連続体からなる微細
    パターンを有する情報記録担体の再生を行う再生装置で
    あって、 前記λが350〜450nm、前記NAが0.75〜
    0.9であり、前記記録光を前記グルーブ部または前記
    ランド部のいずれか一方にのみ照射して行うことを特徴
    とする再生装置。
  18. 【請求項18】記録光の波長がλで、RIN−125d
    B/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NA
    の対物レンズとを少なくとも有して、グルーブ部とラン
    ド部とが交互に形成された略平行溝連続体からなる微細
    パターンを有する情報記録担体に記録する記録装置であ
    って、 前記λが350〜450nm、前記NAが0.75〜
    0.9であり、前記再生光を前記グルーブ部または前記
    ランド部のいずれか一方にのみ照射して行うことを特徴
    とする記録装置。
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JPWO2005124441A1 (ja) * 2004-06-15 2008-04-17 ソニー株式会社 光学フィルム、液晶パネルおよび液晶表示装置

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