JP2004004973A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂(2)及び縮重合系樹脂である樹脂(3)を少なくとも着色剤とともに溶融、混練する工程を有することを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】なし
Description
(2) ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂を化学的に結合する方法(特許文献15);
(3) 不飽和ポリエステルにビニル系モノマーを共重合せしめる方法(特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19);
(4) (メタ)アクリロイル基を有するポリエステル樹脂にビニル系モノマーを共重合せしめる方法(特許文献20);
(5) ポリエステル樹脂存在下で、反応性ポリエステルとビニルモノマーを共重合させる方法(特許文献21);及び
(6) ポリエステル樹脂とビニル系樹脂をエステル結合でブロック化させる方法(特許文献22)。
しかしながら、この方法をポリエステル樹脂とスチレン系樹脂の組み合わせに適用して樹脂を製造した場合、耐オフセット性を維持したまま定着温度を下げることはできるものの、最近の複写機の高速化、小型化、省エネルギー化に鑑みれば、更なる低温定着性、耐オフセット性を得る点で改善の余地があると考えられる。
〔1〕 縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂(2)及び縮重合系樹脂である樹脂(3)を少なくとも着色剤とともに溶融、混練する工程を有することを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法、
〔2〕 樹脂(2)の重量平均分子量が10万以上である前記〔1〕記載の製造方法、
〔3〕 樹脂(3)の重量平均分子量が3万以下である前記〔1〕又は〔2〕記載の製造方法、
〔4〕 結着樹脂の断面観察において、平均直径が2μm以下の分散相が存在する前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の製造方法、
〔5〕 樹脂(1)の含有量が、全結着樹脂中1〜50重量%である前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の製造方法、
〔6〕 樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂の原料モノマーが、3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の製造方法、並びに
〔7〕 樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂が、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、及びポリアミドからなる群より選ばれる1種以上である前記〔1〕〜〔6〕いずれか記載の製造方法、に関する。
従って、縮重合系樹脂の原料モノマーとしては、縮重合により、これらの樹脂が得られるものであれば、特に限定されることはない。
これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパンが用いられる。
これらのうち、好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アルケニルコハク酸が用いられる。
重合開始剤の使用量は、付加重合系樹脂の原料モノマー100 重量部に対して0.1 〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
このような両反応性化合物としては、前記の縮重合系樹脂のモノマー及び付加重合系樹脂のモノマー中の、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、及びフマル酸ジメチル等の化合物が挙げられる。これらのうち、フマル酸、アクリル酸、及びメタクリル酸が好ましく用いられる。
両反応性化合物の使用量は、全原料モノマー中0.1 〜20重量%、好ましくは0.5 〜10重量%である。
上記の方法で得られる樹脂(1)は、その樹脂自身が通常、縮重合系樹脂部分よりなる連続相と、付加重合系樹脂部分よりなる分散相を有しており、各樹脂部分の存在により、樹脂(2)と樹脂(3)を相溶しやすい構造となっている。
樹脂(2)は付加重合系樹脂であり、付加重合系モノマーを付加重合させて得られるホモポリマー、コポリマーが挙げられる。かかる付加重合系モノマーとしては、前記の樹脂(1)の説明で例示した付加重合系樹脂の原料モノマーと同様のものが用いられる。また、重合開始剤、架橋剤等も同様のものが用いられる。
樹脂(2)は、通常公知の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、分散重合法等により製造することができる。
樹脂(3)は縮重合系樹脂であり、例えば、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、及びポリアミドからなる群より選ばれる1種以上が好適に用いられ、縮重合系モノマーを縮重合させて得られるホモポリマー、コポリマーのいずれでもよい。かかる縮重合系モノマーとしては、前記の樹脂(1)の説明で例示した、アルコール、カルボン酸、アミン化合物等と同様のものが用いられる。
また、前記の樹脂(1)の縮重合系樹脂部分と樹脂(3)が相溶し易いように、樹脂(1)の縮重合系樹脂部分と同一もしくは類似の化学構造を有する縮重合系樹脂が好適に用いられる。
樹脂(3)は、通常公知の塊状重合法等により製造することができる。
本発明の結着樹脂の製造は、樹脂(1)〜樹脂(3)を用いて、2軸押出機等により溶融、混練することにより行われる。
また、正帯電性の荷電制御剤との併用も可能であり、正帯電性の荷電制御剤の使用量を負帯電性の荷電制御剤の使用量の1/2以下とすれば5万枚以上連続してコピーを行っても、濃度の低下もなく、良好な可視画像を得ることができる。
さらに本発明のトナーは必要に応じて、鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト粉等のキャリア粒子と混合されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。
示差走査熱量計(DSC 200型、セイコー電子工業社製)を用いて100℃まで昇温し、その温度で3分間放置した後、降温速度10℃/min.で室温まで冷却したサンプルを、昇温速度10℃/min.で測定した際に、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度を、ガラス転移温度(Tg)とした。
40℃の恒温槽中でカラムを安定させ、溶離液としてクロロホルムを毎分1mlの流速で流し、試料濃度0.05〜0.5重量%に調整した試料のクロロホルム溶液を100μl注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき、リテンションタイムから決定したその分子量分布より算出した。このときの検量線は、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものである。
分析カラム:GMHLX+G3000HXL (東ソー(株)社製)
直径0.2mmの樹脂をミクロトームで150nmの厚さにカットし、得られた薄片を透過型走査電子顕微鏡(JEOL(日本電子(株))製、「JEM−2000」)で観測を行うことにより測定した。
付加重合系樹脂の単量体として、スチレン410g、2−エチルヘキシルアクリレート90g及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル20gを滴下ロートに入れる。ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン780g、フマル酸24g、イソドデセニル無水コハク酸76g、テレフタル酸250g及びジブチル錫オキシド2gを、ガラス製5リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で窒素雰囲気下、135℃の温度で攪拌しつつ、先の滴下ロートより付加重合系樹脂の単量体及び重合開始剤を1時間かけて滴下した。135℃に保持したまま2時間熟成し、220℃に昇温して反応させた。重合度は、ASTM E28−67に準拠した軟化点より追跡を行い、軟化点が105℃に達したときに反応を終了した。
得られた樹脂は、淡黄色の固体であり、ガラス転移温度(Tg)はピーク1本で60℃であった。当該樹脂を樹脂Aとする。
付加重合系樹脂の単量体として、スチレン400g、2−エチルヘキシルアクリレート180g、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンの2量体15g、および重合開始剤としてジクミルパーオキサイド25gを滴下ロートに入れる。ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン800g、アクリル酸9.3g、 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸60g、イソフタル酸250g、及びジブチル錫オキシド2gを、ガラス製5リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた。以下の操作及び重合条件は、樹脂製造例1と同様である。
温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた5リットルのガラス製4口フラスコにキシレン550gを入れ、窒素置換後135℃に昇温した。
スチレン800g、n−ブチルアクリレート300g、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れ、1時間かけて滴下を行い、135℃のままで2時間熟成した。その後、200℃まで昇温し、減圧下でキシレンを留去してバットに抜き出し、冷却後粉砕した。
温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素吹き込み管を備えた5リットルのガラス製4口フラスコにイオン交換水1400g、ジオクチルスルホサクシナートナトリウム塩50%水溶液7gを加え、80℃まで昇温したところで、イオン交換水50gに過硫酸カリウム7gを溶かして投入し、投入後スチレン760g、n−ブチルアクリレート240gの混合液を滴下ロートに入れ、1時間かけて滴下した。滴下後1.5時間70℃で熟成した後、塩析、洗浄、乾燥して樹脂を得た。
得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価したところ、その軟化点が145℃、ガラス転移温度が68℃であった。また、GPCによる樹脂の重量平均分子量は250,000であった。当該樹脂を樹脂Dとする。
ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン714g、ポリオキシエチレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン663g、イソフタル酸518g、イソオクテニルコハク酸70g、 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80g及びジブチル錫オキシド3gを、ガラス製5リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーターの中で、窒素気流下、210℃にて攪拌しつつ反応せしめ、軟化点が100℃に達した時、反応を終了した。
得られた樹脂は、淡黄色の固体であり、を樹脂製造例1と同様に評価したところ、そのガラス転移温度は61℃であった。また、GPCによる樹脂の重量平均分子量は12000であった。当該樹脂を樹脂Eとする。
下記組成の材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)で予備混合後、2軸押し出し機で溶融混練し、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルによって粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、平均粒径10μmの未処理トナーを得た。
実施例1
樹脂A 20重量部
樹脂D 20重量部
樹脂E 60重量部
カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部
負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部
(保土ヶ谷化学社製)
低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
樹脂B 20重量部
樹脂D 20重量部
樹脂E 60重量部
カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部
負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部
(保土ヶ谷化学社製)
低分子量ポリプロピレン「ビスコール550P」 2重量部
(三洋化成社製)
樹脂A 20重量部
樹脂C 20重量部
樹脂E 60重量部
カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部
負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部
(保土ヶ谷化学社製)
低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
樹脂D 100重量部
カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部
負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部
(保土ヶ谷化学社製)
低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
樹脂E 100重量部
カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部
負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部
(保土ヶ谷化学社製)
低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
樹脂D 25重量部
樹脂E 75重量部
カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部
負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部
(保土ヶ谷化学社製)
低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
以上のトナー各々66重量部と、シリコーン樹脂被覆されたフェライト粉(平均粒径100μm)2134重量部とを混合して現像剤を調製した。
この現像剤について市販の2成分乾式複写機(シャープ(株)製,SF9800を改造したもの(感光体はアモルファスセレン、定着ローラーの回転速度は450mm/secに設定し、定着装置中のヒートローラー温度を可変にし、オイル塗布装置を除去したもの)を使用し、下記方法により定着性等を評価した。
底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムに500gの荷重を載せ、定着機を通して定着された画像の上を5往復こすり、こする前後でマクベス社の反射濃度計にて光学反射密度を測定し、以下の定義による定着率が70%を越える際の定着ローラーの温度を最低定着温度とした。
前記定着ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で、繰り返し定着を行い、低温側で最初にトナー汚れが消滅した温度を低温オフセット消滅温度とし、さらに温度を上昇させ、トナー汚れが生じた最低の温度を高温オフセット発生温度とした。
これに対して、比較トナー1は、付加重合系樹脂のみを結着樹脂として用いているため、低温定着性が劣り、比較トナー2は、縮重合系樹脂のみを結着樹脂として用いているため、特に耐オフセット性が劣り、比較トナー3は、単に付加重合系樹脂と縮重合系樹脂を混合して用いているため、耐オフセット性が劣っていた。
Claims (7)
- 縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂(2)及び縮重合系樹脂である樹脂(3)を少なくとも着色剤とともに溶融、混練する工程を有することを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 樹脂(2)の重量平均分子量が10万以上である請求項1記載の製造方法。
- 樹脂(3)の重量平均分子量が3万以下である請求項1又は2記載の製造方法。
- 結着樹脂の断面観察において、平均直径が2μm以下の分散相が存在する請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
- 樹脂(1)の含有量が、全結着樹脂中1〜50重量%である請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
- 樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂の原料モノマーが、3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の製造方法。
- 樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂が、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、及びポリアミドからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
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