JP2004004973A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性および耐オフセット性に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する事。
【解決手段】縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂(2)及び縮重合系樹脂である樹脂(3)を少なくとも着色剤とともに溶融、混練する工程を有することを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】なし

Description

 本発明は、低温定着性および耐オフセット性に優れる静電荷像現像用トナーの製造方法に関するものである。
 レーザープリンター、乾式静電複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真法としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3等に記載されている如く、光導電性絶縁層を一様に帯電させ(帯電工程)、次いでその層を露光せしめ(露光工程)、その露光された部分の電荷を消散させる事により電気的な潜像を形成し、更に該潜像にトナーと呼ばれる着色された電荷をもった微粉末を付着させることによって可視像化させ(現像工程)、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写させた後(転写工程)、加熱、圧力あるいはその他適当な定着法により永久定着させる(定着工程)工程からなる。そして、上記トナー像を転写した後、感光体表面を清掃するために(クリーニング工程)感光体上の残留トナーを拭き取っている。
 これらのうち、定着工程には、熱ローラー定着等の接触加熱定着方式やオーブン定着等の非接触加熱方式などが用いられている。接触方式は熱効率がよいことが特徴で、非接触方式に比べて、定着機に必要な温度を下げることができ、省エネルギー化や複写機の小型化に有効である。しかしながら、この接触式加熱定着法においては、定着時に溶融したトナーの一部が熱ローラーに移り、後続の転写紙等に転写されるオフセット現像という問題が生じやすい。
 この現象を防止するため、従来より、熱ローラーの表面をフッ素系樹脂等の離型性の優れた材料で加工したり、熱ローラーの表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布したりしている。しかし、シリコーンオイル等を用いる方法は、定着装置が大きく複雑になるので、コスト高となったりトラブルの原因となることが考えられ好ましくない。
 従来より、この種のトナーにはスチレンアクリル共重合体に代表されるビニル系樹脂が用いられている。ビニル系の樹脂の場合、耐オフセット性を向上させようとすると樹脂の軟化点や架橋密度を上げざるを得なくなり、低温定着が犠牲となる。逆に低温定着を重視すると耐オフセット性や耐ブロッキング性に支障をきたす。
 また、特許文献4、特許文献5、特許文献6に記載の如く、パラフィンワックス、低分子量ポリオレフィン等をオフセット防止剤として添加する方法が知られているが、添加量が少ないと効果がなく、多すぎると現像剤の劣化が早い等の問題があった。
 一方、トナー用の結着樹脂としては、特に低温定着性に優れたものとしてポリエステル樹脂が用いられている。ポリエステル樹脂は本質的に定着性がよく、特許文献7に記載の如く、非接触定着方式においても充分に定着されるが、オフセット現象が発生し易いためヒートローラー定着方式には使用が困難であった。また、特許文献8、特許文献9、特許文献10には、多価カルボン酸を使用して耐オフセット性を改良したポリエステル樹脂が記載されているが、これらも依然として使用するに充分な耐オフセット性を有していないか、又は有しているものはポリエステル樹脂が本来有している低温定着性を犠牲にしているばかりでなく、樹脂やトナーの粉砕性が極めて悪いという問題があった。
 そこで、定着性に優れたポリエステル樹脂と、スチレンアクリル樹脂を混合して用いる、次のような試みがなされている。
(1) ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂を混合する方法(特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14);
(2) ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂を化学的に結合する方法(特許文献15);
(3) 不飽和ポリエステルにビニル系モノマーを共重合せしめる方法(特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19);
(4) (メタ)アクリロイル基を有するポリエステル樹脂にビニル系モノマーを共重合せしめる方法(特許文献20);
(5) ポリエステル樹脂存在下で、反応性ポリエステルとビニルモノマーを共重合させる方法(特許文献21);及び
(6) ポリエステル樹脂とビニル系樹脂をエステル結合でブロック化させる方法(特許文献22)。
 しかしながら、ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂は、本来相溶性が悪いため、単に機械的に混合を行う場合、混合比率によっては、トナー化を行う際に樹脂及びカーボンブラック等の内添剤の分散が悪くなり、帯電性が不均一となるため、画像評価において地汚れ等の弊害が生じる。また、二種類の樹脂の分子量が異なる場合には、双方の溶融粘度に差異を生じる事があり、この為、分散相の樹脂の分散粒径を細かくする事が困難となり、トナー化を行うとカーボンブラック等内添剤の分散が非常に悪く、画像安定性に大きく欠けるという問題が生じる。更に、反応性ポリエステルにビニルモノマーを重合させる場合、ゲル化を防ぐため組成が制限されるという問題もあった。
 そこで、本発明者らは、低温定着性と耐オフセット性を兼ね備えた現像剤として、同一反応容器中で各々独立している反応経路で重合反応が行われる二つの重合系の原料モノマー混合物を予めブレンドして、該二つの重合反応を並行して行わせることを特徴とする結着樹脂を用いた現像剤組成物を開発した(特許文献23)。
 しかしながら、この方法をポリエステル樹脂とスチレン系樹脂の組み合わせに適用して樹脂を製造した場合、耐オフセット性を維持したまま定着温度を下げることはできるものの、最近の複写機の高速化、小型化、省エネルギー化に鑑みれば、更なる低温定着性、耐オフセット性を得る点で改善の余地があると考えられる。
米国特許第2221776号明細書 米国特許第2297691号明細書 米国特許第2357809号明細書 特開昭49−65232号公報 特開昭50−28840号公報 特開昭50−81342号公報 米国特許第3590000号明細書 特開昭50−44836号公報 特開昭57−37353号公報 特開昭57−109875号公報 特開昭49−6931号公報 特開昭54−114245号公報 特開昭57−70523号公報 特開平2−161464号公報 特開昭56−116043号公報 特開昭57−60339号公報 特開昭63−279265号公報 特開平1−156759号公報 特開平2−5073号公報 特開昭59−45453号公報 特開平2−29664号公報 特開平2−881号公報 特開平4−142301号公報
 本発明の目的は、かかる問題点を解決するものであり、特に低温定着性および耐オフセット性に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する事にある。
 本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究した結果、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより得られる樹脂に、高分子量の付加重合系樹脂および低分子量の縮合系樹脂を混合分散させたものを結着樹脂として用いて、静電荷像現像用トナーを製造することにより、特に低温定着性および耐オフセット性に優れたトナーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
 即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂(2)及び縮重合系樹脂である樹脂(3)を少なくとも着色剤とともに溶融、混練する工程を有することを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法、
〔2〕 樹脂(2)の重量平均分子量が10万以上である前記〔1〕記載の製造方法、
〔3〕 樹脂(3)の重量平均分子量が3万以下である前記〔1〕又は〔2〕記載の製造方法、
〔4〕 結着樹脂の断面観察において、平均直径が2μm以下の分散相が存在する前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の製造方法、
〔5〕 樹脂(1)の含有量が、全結着樹脂中1〜50重量%である前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の製造方法、
〔6〕 樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂の原料モノマーが、3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の製造方法、並びに
〔7〕 樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂が、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、及びポリアミドからなる群より選ばれる1種以上である前記〔1〕〜〔6〕いずれか記載の製造方法、に関する。
 本発明によれば、ヒートローラー定着方式において、高速で定着を行う場合でもオフセット防止液を使用しないで、低い温度で定着可能な静電荷像現像用トナーを製造することができる。
 本発明における結着樹脂は、樹脂(1)の付加重合系樹脂部分と樹脂(2)が相溶し、樹脂(1)の縮重合系樹脂部分と樹脂(3)が相溶していることを特徴とするものである。まず、各樹脂について、以下、順に説明する。
 本発明における樹脂(1)は、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより得られるものである。
 本発明において、縮重合系樹脂とは、例えばポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミドからなる群より選ばれる1種以上が用いられる。
 従って、縮重合系樹脂の原料モノマーとしては、縮重合により、これらの樹脂が得られるものであれば、特に限定されることはない。
 ポリエステルの原料モノマーとしては、2価もしくは3価以上のアルコールと、2価もしくは3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキルエステルが用いられる。ここで、特にトナーの耐オフセット性が要望される場合は、結着樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、3価以上の多官能化合物を使用することにより、それが達せられる。従って、本発明では耐オフセット性の点から、原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。この点は後述の樹脂(3)においても同様である。
 2価アルコール成分としては、例えばポリオキシプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0) −ポリオキシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(6) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2 −プロピレングリコール、1,3 −プロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4 −ブテンジオール、1,5 −ペンタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール、1,4 −シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
 これらのうち、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールが用いられる。
 3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6 −ヘキサンテトロール、1,4 −ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4 −ブタントリオール、1,2,5 −ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4 −ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5 −トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
 これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパンが用いられる。
 本発明においては、これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールから単独であるいは複数を併用して用いることができる。
 また、2価のカルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、もしくはn−ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルキルコハク酸、又はこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等が挙げられる。
 これらのうち、好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アルケニルコハク酸が用いられる。
 3価以上のカルボン酸成分としては、例えば1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,4 −ブタントリカルボン酸、1,2,5 −ヘキサントリカルボン酸、1,3 −ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4 −シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ (メチレンカルボキシル) メタン、1,2,7,8 −オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。
 本発明においては、これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸等から、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
 ポリエステル・ポリアミド、ポリアミドの原料モノマーとしては、上記の原料モノマー以外に、アミド成分を形成するための原料モノマーが必要であり、かかる原料モノマーとしては、例えばエチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン、6−アミノカプロン酸、ε−カプロラクタム等のアミノカルボン酸類、プロパノールアミン等のアミノアルコールなどが挙げられる。これらのうち、好ましくはヘキサメチレンジアミン、ε−カプロラクタムが用いられる。
 ポリエステル・ポリアミド、ポリアミドの原料モノマーを用いる場合にも、結着樹脂の分子内において部分架橋するためには、ポリエステルの場合と同様に、3価以上の多官能化合物を使用することができる。その場合、主に3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキルエステルが用いられる。
 本発明における付加重合系樹脂の原料モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4 −ジメチルスチレン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン等のスチレン若しくはスチレン誘導体;例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類;例えば塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、カプロン酸ビニル等のビニルエステル類;例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸及びそのエステル;例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のようなエチレン性モノカルボン酸置換体;マレイン酸ジメチル等のエチレン性ジカルボン酸及びその置換体;例えばビニルメチルケトン等のビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類、例えばビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;例えばN−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類が挙げられる。
 これらのうち、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、プロピレン、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが用いられる。
付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させる際には、必要に応じて架橋剤を用いることができる。かかる付加重合系モノマーの架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3 −ブチレングリコールジメタクリレート、1,6 −ヘキシレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなど、一般の架橋剤を適宜(必要に応じて2種以上組み合わせて)用いることができる。これらのうち好ましくは、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジメタクリレートが用いられる。
 これらの架橋剤の使用量は、付加重合系樹脂の原料モノマーを基準にして0.01〜15重量%、好ましくは0.1 〜10重量%で使用するのが良い。これらの架橋剤の使用量が多いとトナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着又は熱圧力定着時の定着性が劣ることになる。また、使用量が少ないとヒートローラー表面に付着し、次の紙に転写するというオフセット現象を防ぎにくくなる。
また、付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させる際には重合開始剤が用いられ、かかる重合開始剤としては、例えば2,2'−アゾビス(2,4 −ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4 −ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、又はベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4 −ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
これらは、重合体の分子量及び分子量分布を調節する目的で等で、二種類又はそれ以上の重合開始剤を混合して使用することもできる。
 重合開始剤の使用量は、付加重合系樹脂の原料モノマー100 重量部に対して0.1 〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
 本発明においては、縮重合系樹脂と付加重合系樹脂が化学的に結合された樹脂を得るため、両樹脂のモノマーのいずれとも反応しうる化合物(以下「両反応性化合物」という)を用いて重合を行う。
 このような両反応性化合物としては、前記の縮重合系樹脂のモノマー及び付加重合系樹脂のモノマー中の、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、及びフマル酸ジメチル等の化合物が挙げられる。これらのうち、フマル酸、アクリル酸、及びメタクリル酸が好ましく用いられる。
 両反応性化合物の使用量は、全原料モノマー中0.1 〜20重量%、好ましくは0.5 〜10重量%である。
 以上のような原料を用いた樹脂(1)の製造方法は、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うものであるが、ここにおける「並行」とは、二つの重合反応の進行及び完結が時間的に同時である必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び反応時間を適当に選択して順次反応を進行、完結させることができることを意味する。
 例えば、樹脂(1)の代表的な製造工程としては、ポリエステル樹脂の原料モノマー、両反応性化合物等の混合物中に、スチレン、もしくはスチレン/アクリル共重合体の原料モノマー及び重合開始剤からなる混合物を滴下して予め混合し、先ずラジカル重合反応により、スチレンもしくはスチレン/アクリル系樹脂を得る重合反応を完結させ、次に反応温度を上昇させ、縮重合により、ポリエステル樹脂を得る重合反応を重合完結させる方法がある。このように反応容器中で独立した2つの反応を並行して進行させる方法により2種類の樹脂が混合分散した結着樹脂を得ることができる。
 本発明において、樹脂(1)は軟化点が95〜170℃、ガラス転移温度が50〜80℃となるようにするのが好ましい。かかる結着樹脂の軟化点及びガラス転移温度の調整は原料モノマー混合物中の重合開始剤或いは触媒の量の調整或いは反応条件の選択等により容易に行うことができる。
 上記の方法で得られる樹脂(1)は、その樹脂自身が通常、縮重合系樹脂部分よりなる連続相と、付加重合系樹脂部分よりなる分散相を有しており、各樹脂部分の存在により、樹脂(2)と樹脂(3)を相溶しやすい構造となっている。
 次に、樹脂(2)について説明する。
 樹脂(2)は付加重合系樹脂であり、付加重合系モノマーを付加重合させて得られるホモポリマー、コポリマーが挙げられる。かかる付加重合系モノマーとしては、前記の樹脂(1)の説明で例示した付加重合系樹脂の原料モノマーと同様のものが用いられる。また、重合開始剤、架橋剤等も同様のものが用いられる。
 本発明においては、樹脂(2)の重量平均分子量は10万以上が好ましく、30万以上がより好ましい。樹脂(2)の分子量がこの範囲より低い場合、充分な耐オフセット性を確保できなくなる傾向があり、好ましくない。
 また、前記の樹脂(1)の付加重合系樹脂部分と樹脂(2)が相溶し易いように、樹脂(1)の付加重合系樹脂部分と同一もしくは類似の化学構造を有する付加重合系樹脂が好適に用いられる。
 樹脂(2)は、通常公知の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、分散重合法等により製造することができる。
 次に、樹脂(3)について説明する。
 樹脂(3)は縮重合系樹脂であり、例えば、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、及びポリアミドからなる群より選ばれる1種以上が好適に用いられ、縮重合系モノマーを縮重合させて得られるホモポリマー、コポリマーのいずれでもよい。かかる縮重合系モノマーとしては、前記の樹脂(1)の説明で例示した、アルコール、カルボン酸、アミン化合物等と同様のものが用いられる。
 本発明においては、樹脂(3)の重量平均分子量は3万以下が好ましく、2万以下がより好ましい。樹脂(3)の分子量がこの範囲より高い場合、十分な低温定着性が確保できなくなる傾向があり、好ましくない。
 また、前記の樹脂(1)の縮重合系樹脂部分と樹脂(3)が相溶し易いように、樹脂(1)の縮重合系樹脂部分と同一もしくは類似の化学構造を有する縮重合系樹脂が好適に用いられる。
 樹脂(3)は、通常公知の塊状重合法等により製造することができる。
 トナー中の結着樹脂は、樹脂(1)の縮合系樹脂部分と樹脂(3)の縮合系樹脂が相溶して連続相を形成し、樹脂(1)の付加重合系樹脂部分と樹脂(2)の付加重合系樹脂が相溶して分散相を形成している。また、両相が均一に混合して均一相を形成する場合もある。
 このとき、結着樹脂の断面観察において、分散相の平均直径が2μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0μm以下である。分散相がこの範囲より大きくなると、トナーの機械的強度が弱くなり過ぎて印字を続けると結着樹脂が割れて微粉が増えてしまい経時安定性が悪くなる。尚、分散相の直径は、トナーをミクロトームでカットし、得られた薄片を透過型走査電子顕微鏡にて観測することで測定される。
 本発明においては、トナー中の縮合系樹脂成分を連続相とする為、結着樹脂中の縮合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分の比率は30/70〜95/5、特に70/30〜90/10の範囲であることが好ましい。付加重合系樹脂の比率がこの範囲を越えると定着性が不良となる傾向があり、この範囲未満では画像の環境に対する安定性が不良となる傾向がある為、好ましくない。なお、樹脂(2)や樹脂(3)の含有量は、この比率となる量であれば、特に限定されることなく、適宜選択される。
 また、樹脂(1)の含有量が、全結着樹脂中1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50重量%である。この範囲より少ないと樹脂(2)と(3)の相溶性が低下し、分散不良が生じる傾向があり、この範囲より多いと十分な低温定着性、耐オフセット性が発揮できなくなる傾向がある。
 本発明の結着樹脂の製造は、樹脂(1)〜樹脂(3)を用いて、2軸押出機等により溶融、混練することにより行われる。
 本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤よりなる静電荷像現像用トナーにおいて、以上のような結着樹脂を用いることを特徴とするものである。本発明のトナーは、上記のようにして得られた本発明の結着樹脂、又は混合前の樹脂(1)〜樹脂(3)に着色剤を均一混合した後、公知の方法により溶融混練、冷却、粉砕、分級すること等により製造される。また、このとき必要に応じて荷電制御剤、磁性体等を配合することができる。
用いられる着色剤としては、従来公知のカーボンブラック、鉄黒等の無機顔料や有彩色の染料及び有機顔料が使用できる。通常、結着樹脂 100重量部に対して1〜15重量部程度が使用するのか好ましい。
 また、必要に応じて用いられる荷電制御剤としては正、負いずれの荷電制御剤も用いることができる。正の荷電制御剤としては、特に限定されることなく、例えばニグロシン染料として「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN−01」、「ボントロンN−11」(以上、オリエント化学社製);3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」(オリエント化学社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP−B」(オリエント化学社製)等を挙げることができる。
 また、負の荷電制御剤の具体例としては、特に限定されることなく、例えば含金属アゾ染料である「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS−31」、「ボントロンS−32」、「ボントロンS−34」、「ボントロンS−36」(以上、オリエント化学社製)、「アイゼンスピロンブラックT−77」(保土ヶ谷化学社製)等;銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、例えば「ボントロンE−82」、「ボントロンE−84」、「ボントロンE−85」(以上、オリエント化学社製)等を挙げることができる。好ましくは、アイゼンスピロンブラックT−77を用いることができる。
 また、正帯電性の荷電制御剤との併用も可能であり、正帯電性の荷電制御剤の使用量を負帯電性の荷電制御剤の使用量の1/2以下とすれば5万枚以上連続してコピーを行っても、濃度の低下もなく、良好な可視画像を得ることができる。
 以上の荷電制御剤は結着樹脂に対して0.1 〜8.0 重量%、好ましくは0.2 〜5.0 重量%使用することができる。
 トナーを製造する際、オフセット防止剤としてポリオレフィン等のワックス等の特性改良剤が添加されるが、本発明に係わる樹脂を結着樹脂として用いた場合、特性改良剤を加えなくても良く、また、添加する場合でも添加量は少なくて済む。
 また、本発明のトナーを磁性トナーとして用いるために、磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁性粉としては、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末もしくはマグネタイトヘマタイト、フェライト等の合金や化合物が挙げられる。この磁性粉の含有量は、トナー重量に対して15〜70重量%程度である。
 さらに本発明のトナーは必要に応じて、鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト粉等のキャリア粒子と混合されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。
 更に、トナーを製造する際には、疎水性シリカ等の流動性向上剤などの特性改良剤を添加することもできる。
 本発明のトナーは種々の現像方法に適用されうる。例えば、磁気ブラシ現像方法、カスケード現像方法、導電性磁性トナーを用いる方法、高抵抗磁性トナーを用いる方法、ファーブラシ現像方法、パウダークラウド法、インプレッション現像方法等が挙げられる。
 以下、製造例、実施例、比較例および試験例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。なお、得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」と略す)による分子量、分散相の平均直径の測定は、つぎの条件に従って行った。
ガラス転移温度(Tg)
 示差走査熱量計(DSC 200型、セイコー電子工業社製)を用いて100℃まで昇温し、その温度で3分間放置した後、降温速度10℃/min.で室温まで冷却したサンプルを、昇温速度10℃/min.で測定した際に、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度を、ガラス転移温度(Tg)とした。
GPCによる分子量測定
 40℃の恒温槽中でカラムを安定させ、溶離液としてクロロホルムを毎分1mlの流速で流し、試料濃度0.05〜0.5重量%に調整した試料のクロロホルム溶液を100μl注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき、リテンションタイムから決定したその分子量分布より算出した。このときの検量線は、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものである。
 分析カラム:GMHLX+G3000HXL  (東ソー(株)社製)
分散相の平均直径
 直径0.2mmの樹脂をミクロトームで150nmの厚さにカットし、得られた薄片を透過型走査電子顕微鏡(JEOL(日本電子(株))製、「JEM−2000」)で観測を行うことにより測定した。
樹脂製造例1
 付加重合系樹脂の単量体として、スチレン410g、2−エチルヘキシルアクリレート90g及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル20gを滴下ロートに入れる。ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン780g、フマル酸24g、イソドデセニル無水コハク酸76g、テレフタル酸250g及びジブチル錫オキシド2gを、ガラス製5リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で窒素雰囲気下、135℃の温度で攪拌しつつ、先の滴下ロートより付加重合系樹脂の単量体及び重合開始剤を1時間かけて滴下した。135℃に保持したまま2時間熟成し、220℃に昇温して反応させた。重合度は、ASTM E28−67に準拠した軟化点より追跡を行い、軟化点が105℃に達したときに反応を終了した。
 得られた樹脂は、淡黄色の固体であり、ガラス転移温度(Tg)はピーク1本で60℃であった。当該樹脂を樹脂Aとする。
樹脂製造例2
 付加重合系樹脂の単量体として、スチレン400g、2−エチルヘキシルアクリレート180g、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンの2量体15g、および重合開始剤としてジクミルパーオキサイド25gを滴下ロートに入れる。ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン800g、アクリル酸9.3g、 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸60g、イソフタル酸250g、及びジブチル錫オキシド2gを、ガラス製5リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた。以下の操作及び重合条件は、樹脂製造例1と同様である。
 得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価したところ、そのガラス転移温度はピーク1本で58℃であった。当該樹脂を樹脂Bとする。
樹脂製造例3
 温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた5リットルのガラス製4口フラスコにキシレン550gを入れ、窒素置換後135℃に昇温した。
 スチレン800g、n−ブチルアクリレート300g、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れ、1時間かけて滴下を行い、135℃のままで2時間熟成した。その後、200℃まで昇温し、減圧下でキシレンを留去してバットに抜き出し、冷却後粉砕した。
 得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価したところ、そのASTM E28−67に準拠した軟化点は130℃、ガラス転移温度は65℃であった。また、GPCによる樹脂の数平均分子量は80,000であった。当該樹脂を樹脂Cとする。
樹脂製造例4
 温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素吹き込み管を備えた5リットルのガラス製4口フラスコにイオン交換水1400g、ジオクチルスルホサクシナートナトリウム塩50%水溶液7gを加え、80℃まで昇温したところで、イオン交換水50gに過硫酸カリウム7gを溶かして投入し、投入後スチレン760g、n−ブチルアクリレート240gの混合液を滴下ロートに入れ、1時間かけて滴下した。滴下後1.5時間70℃で熟成した後、塩析、洗浄、乾燥して樹脂を得た。
 得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価したところ、その軟化点が145℃、ガラス転移温度が68℃であった。また、GPCによる樹脂の重量平均分子量は250,000であった。当該樹脂を樹脂Dとする。
樹脂製造例5
 ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン714g、ポリオキシエチレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン663g、イソフタル酸518g、イソオクテニルコハク酸70g、 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80g及びジブチル錫オキシド3gを、ガラス製5リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーターの中で、窒素気流下、210℃にて攪拌しつつ反応せしめ、軟化点が100℃に達した時、反応を終了した。
 得られた樹脂は、淡黄色の固体であり、を樹脂製造例1と同様に評価したところ、そのガラス転移温度は61℃であった。また、GPCによる樹脂の重量平均分子量は12000であった。当該樹脂を樹脂Eとする。
実施例1〜3、比較例1〜3
 下記組成の材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)で予備混合後、2軸押し出し機で溶融混練し、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルによって粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、平均粒径10μmの未処理トナーを得た。
                組 成
実施例1
 樹脂A                         20重量部
 樹脂D                         20重量部
 樹脂E                      60重量部
 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製)     6重量部
 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」  2重量部
                (保土ヶ谷化学社製)
 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製)   2重量部
実施例2
 樹脂B                         20重量部
 樹脂D                         20重量部
 樹脂E                      60重量部
 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製)     6重量部
 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」  2重量部
                (保土ヶ谷化学社製)
 低分子量ポリプロピレン「ビスコール550P」       2重量部
                (三洋化成社製)
実施例3
 樹脂A                         20重量部
 樹脂C                         20重量部
 樹脂E                      60重量部
 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製)     6重量部
 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」  2重量部
                (保土ヶ谷化学社製)
 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製)   2重量部
比較例1
 樹脂D                        100重量部
 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製)     6重量部
 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」  2重量部
                (保土ヶ谷化学社製)
 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製)   2重量部
比較例2
 樹脂E                        100重量部
 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製)     6重量部
 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」  2重量部
                (保土ヶ谷化学社製)
 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製)   2重量部
比較例3
 樹脂D                         25重量部
 樹脂E                         75重量部
 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製)     6重量部
 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」  2重量部
                (保土ヶ谷化学社製)
 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製)   2重量部
 以上の実施例1〜3、及び比較例1〜3で得られた未処理トナーをそれぞれ100重量部に対し、疎水性シリカ「AEROSIL R−972」(日本アエロジル社製)0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合付着させ、トナー1〜3および比較トナー1〜3とした。
 以上のトナー各々66重量部と、シリコーン樹脂被覆されたフェライト粉(平均粒径100μm)2134重量部とを混合して現像剤を調製した。
試験例
 この現像剤について市販の2成分乾式複写機(シャープ(株)製,SF9800を改造したもの(感光体はアモルファスセレン、定着ローラーの回転速度は450mm/secに設定し、定着装置中のヒートローラー温度を可変にし、オイル塗布装置を除去したもの)を使用し、下記方法により定着性等を評価した。
(1)最低定着温度
 底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムに500gの荷重を載せ、定着機を通して定着された画像の上を5往復こすり、こする前後でマクベス社の反射濃度計にて光学反射密度を測定し、以下の定義による定着率が70%を越える際の定着ローラーの温度を最低定着温度とした。
定着率(%)=〔(こすった後の像濃度)/(こする前の像濃度)〕×100
 定着ローラーの温度を120〜240℃の間でコントロールし、定着性の評価を行った。
(2)オフセット発生温度
 前記定着ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で、繰り返し定着を行い、低温側で最初にトナー汚れが消滅した温度を低温オフセット消滅温度とし、さらに温度を上昇させ、トナー汚れが生じた最低の温度を高温オフセット発生温度とした。
 以上の結果を表1に示す。
Figure 2004004973
 以上の結果から明らかなように、本発明のトナー1〜3は、トナー中の分散相の平均直径が小さく、いずれも優れた耐オフセット性、優れた低温定着性を有していた。
 これに対して、比較トナー1は、付加重合系樹脂のみを結着樹脂として用いているため、低温定着性が劣り、比較トナー2は、縮重合系樹脂のみを結着樹脂として用いているため、特に耐オフセット性が劣り、比較トナー3は、単に付加重合系樹脂と縮重合系樹脂を混合して用いているため、耐オフセット性が劣っていた。

Claims (7)

  1.  縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂(2)及び縮重合系樹脂である樹脂(3)を少なくとも着色剤とともに溶融、混練する工程を有することを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2.  樹脂(2)の重量平均分子量が10万以上である請求項1記載の製造方法。
  3.  樹脂(3)の重量平均分子量が3万以下である請求項1又は2記載の製造方法。
  4.  結着樹脂の断面観察において、平均直径が2μm以下の分散相が存在する請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5.  樹脂(1)の含有量が、全結着樹脂中1〜50重量%である請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6.  樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂の原料モノマーが、3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の製造方法。
  7.  樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂が、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、及びポリアミドからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
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