JP2004003549A - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速特性が異なる遊星歯車機構を有する動力伝達装置を複数製造する場合に、その製造コストを抑制できる車両の動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力装置2の動力を、遊星歯車変速装置32,37,38を経由させて車輪4に伝達する車両の動力伝達装置において、動力装置2から車輪4に伝達する動力を車両毎に設定する要求に対応させて、同一の諸元に設定された遊星歯車変速装置38の固定要素40または出力要素46の少なくとも一方を変更することにより、遊星歯車変速装置38の変速特性を異ならせた複数のものが、別々に製造されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、動力装置の動力を遊星歯車変速装置を経由させて車輪に伝達する構成の動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃料の燃焼によりトルクを出力するエンジンと、電力の供給によりトルクを出力する電動機とを搭載し、エンジンおよび電動機のトルクを車輪に伝達することのできるハイブリッド車両が提案されている。このようなハイブリッド車においては、各種の条件に基づいて、エンジンおよび電動機の駆動・停止を制御することにより、燃費の向上および騒音の低減および排気ガスの低減を図ることができるものとされている。
【0003】
上記のように、複数種類の駆動力源を搭載したハイブリッド車両の一例が、プリウス新型車解説書(1997年10月14日発行−トヨタ自動車株式会社・サービス部)に記載されている。この文献に記載されたハイブリッド車においては、駆動力源としてエンジンおよび電動機が設けられているとともに、エンジンおよび電動機の動力を合成して車輪に伝達する動力伝達装置が設けられている。
【0004】
この動力伝達装置は、具体的には遊星歯車機構により構成されている。この遊星歯車機構は、サンギヤおよびリングギヤと、サンギヤおよびリングギヤに噛み合うピニオンギヤを保持するキャリヤとを有している。そして、エンジンの出力軸がキャリヤに連結され、電動機の出力軸がリングギヤに連結されている。また、遊星歯車機構とエンジンとの間には発電機が設けられており、発電機の回転軸が、サンギヤに連結されている。そして、エンジンおよび電動機の動力が、遊星歯車機構で合成されるとともに、構成された動力が車輪に伝達される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、電動機の動力が、変速機能を有する遊星歯車機構を経由して車輪に伝達される構成の車両において、車輪に伝達するべき電動機の出力を車両毎に変更する要求がある場合は、遊星歯車機構の諸元を変更することで、電動機の出力特性を、各車両毎に設定することが考えられる。しかしながら、各車両毎に遊星歯車機構の諸元を変更するためには、多種類の回転要素を用意しなければならず、遊星歯車機構の製造コストが増加する問題があった。
【0006】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、変速特性が異なる遊星歯車機構を有する動力伝達装置を複数製造する場合に、その製造コストを抑制することのできる動力伝達装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力装置の動力を、遊星歯車変速装置を経由させて車輪に伝達する車両の動力伝達装置において、前記動力装置から前記車輪に伝達する動力を車両毎に設定する要求に対応させて、同一の諸元に設定された遊星歯車変速装置の固定要素または出力要素の少なくとも一方を変更することにより、前記遊星歯車変速装置の変速特性を異ならせた複数のものが、別々(個々)に製造されることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1において、同一諸元とは、複数の遊星歯車変速装置において、サンギヤの歯数およびリングギヤの歯数およびリングギヤの歯数が同一であることを意味する。
【0009】
請求項1の発明によれば、同一諸元に設定された遊星歯車変速装置を用いて、固定要素または出力要素の少なくとも一方を変更することにより、遊星歯車変速装置の変速特性が異なる動力伝達装置が複数製造される。したがって、複数の遊星歯車変速装置を製造する場合に、個々にその諸元を変更する必要はない。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記動力装置以外の特定の動力装置が設けられており、前記動力装置の動力および特定の動力装置の動力が、前記遊星歯車変速装置で合成されて前記車輪に伝達される構成であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、動力装置および他の動力装置の動力が遊星歯車変速装置で合成され、合成された動力が車輪に伝達される。したがって、動力装置および特定の動力装置の動力を合成する動力合成機構を、別途設ける必要がない。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記遊星歯車変速装置が、サンギヤと、サンギヤに噛合されるピニオンギヤと、ピニオンギヤを保持するキャリヤと、ピニオンギヤに噛合するリングギヤとを有しており、ピニオンギヤが、一体回転し、かつ、歯数の異なる第1のピニオンギヤおよび第2のピニオンギヤとを備えているとともに、前記キャリヤまたは前記リングギヤまたは前記第1のピニオンギヤまたは第2のピニオンギヤのいずれかが、固定要素および出力要素として選択されることを特徴とするものである。請求項3の発明においても、請求項1または2と同じ作用が生じる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
つぎに、この発明を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態であるF・R(フロントエンジン・リヤドライブ;エンジン前置き後輪駆動)形式のハイブリッド車両(以下、車両と略記する)Veの概略構成図である。図1において、車両Veは、第1の駆動力源としてのエンジン1、および第2の駆動力源としての電動機2を有している。そして、エンジン1または電動機2のうちの少なくとも一方の動力が、差動装置3を経由して車輪4に伝達されるように構成されている。
【0014】
前記エンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることができる。このエンジン1のクランクシャフト1Aには、ダンパ機構5を介してインプットシャフト6が連結されている。また、ケーシング7が設けられており、インプットシャフト6はケーシング7の内部に配置されている。
【0015】
また、ケーシング7の内部には、電動機2および発電機8が配置されている。この電動機2および発電機8としては、電気エネルギを機械エネルギに変換する力行機能と、機械エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを兼備したモータ・ジェネレータを用いることができる。発電機8は、ステータ9およびロータ10と有しており、ステータ9はケーシング7に固定されている。ロータ10はステータ9の内側に配置されており、ロータ10には中空シャフト11が連結されている。このロータ10と中空シャフト11とが一体回転可能に連結され、中空フャフト11の内部にインプットシャフト6が配置されている。インプットシャフト6と中空シャフト11とは相対回転可能である。
【0016】
さらに、車両Veの前後方向において、発電機8と電動機2との間には、動力分割機構12が設けられている。この動力分割機構12は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構により構成されている。すなわち、動力分割機構12は、中空シャフト11に形成されたサンギヤ13と、サンギヤ13と同心状に配置されたリングギヤ15と、サンギヤ13およびリングギヤ15に噛合するピニオンギヤ16を保持したキャリヤ17とを有している。なお、リングギヤ15には中間シャフト34が連結されている。
【0017】
一方、車両Veの前後方向において、動力分割機構12と差動装置3との間に、前記電動機2が配置されている。電動機2は、ステータ35およびロータ36を有している。ステータ35はケーシング7に固定され、ステータ35の内側にロータ36が配置されている。また、ロータ36と一体回転する中空シャフト37が設けられている。この中空シャフト37内には中間シャフト34が配置されており、中間シャフト34と中空シャフト37とは相対回転可能である。
【0018】
さらに、ケーシング7の内部であって、車両Veの前後方向において、電動機2と差動装置3との間には、減速機38が設けられている、この減速機38は、いわゆる、遊星歯車機構を有している。すなわち、減速機38は、中空シャフト37に形成された第1のサンギヤ39と、ケーシング7に固定された第1のリングギヤ40と、第1のサンギヤ39と第1のリングギヤ40との間に配置された複数のピニオンギヤ41とを有している。
【0019】
各ピニオンギヤ41は、第1のピニオンギヤ42および第2のピニオンギヤ43を有しており、第1のピニオンギヤ42の歯数と、第2のピニオンギヤ43の歯数とは異なる。具体的には、第1のピニオンギヤ42の歯数は、第2のピニオンギヤ43の歯数よりも多く設定されている。すなわち、ピニオンギヤ41は、いわゆるステップ・ド・ピニオンである。また、第1のピニオンギヤ42および第2のピニオンギヤ43は、キャリヤ44により一体回転(公転)可能に保持されている。そして、第1のピニオンギヤ42と、第1のサンギヤ39および第1のリングギヤ40とが噛合されている。
【0020】
さらに、ケーシング7の内部から外部に亘ってアウトプットシャフトには32が配置されており、アウトプットシャフト32であって、ケーシング7の内部にはパーキングギヤ45が形成されている。また、アウトプットシャフト32と中間シャフト34とが一体回転可能にスプライン嵌合されている。さらにまた、アウトプットシャフト32には第2のリングギヤ46が形成されており、第2のリングギヤ46と第2のピニオンギヤ43とが噛合されている。なお、アウトプットシャフト32と、差動装置3のドライブピニオンシャフト33とが、プロペラシャフト(図示せず)により動力伝達可能に連結されている。
【0021】
つぎに、車両Veの制御について説明する。まず、車両Veが停止している際にエンジン1を始動する場合は、発電機8を駆動してエンジン1をクランキングすることができる。具体的には、発電機8のトルクがサンギヤ13に伝達されると、車両Veが停止している状態では、リングギヤ15が反力要素となり、キャリヤ17が回転する。このキャリヤ17のトルクは、インプットシャフト6を経由してクランクシャフト1Aに伝達される。このようにして、エンジン1がクランキングされるとともに、エンジン1がガソリンエンジンであれば、燃料噴射制御および点火制御がおこなわれて、エンジン1が自律回転する。
【0022】
そして、エンジン1の運転中において、エンジン1のトルクは、クランクシャフト1A、インプットシャフト6、キャリヤ17、リングギヤ15を介して中間シャフト34に伝達される。中間シャフト34のトルクは、アウトプットシャフト32、差動装置3を経由して車輪4に伝達されて、駆動力が発生する。
【0023】
つぎに、電動機2が駆動された場合において、電動機2とアウトプットシャフト32との間に設けられている回転要素の回転速度および向きを、図2の速度線図に基づいて説明する。図2においては縦軸に回転速度が示されており、横軸を示す線分A1上に、各回転要素が示されている。また、速度零(停止)に相当する線分A1を境界として、上側が正回転下側が逆回転であることを意味している。
【0024】
図2において、S1は第1のサンギヤを意味しており、S2は第2のサンギヤ(後述)を意味しており、Cはキャリヤを意味しており、R1は第1のリングギヤを意味しており、R2は第2のリングギヤを意味しており、P1は第1のピニオンギヤを意味しており、P2は第2のピニオンギヤを意味している。また、線分B1ないし線分D1が示されており、各回転要素から上下方向に向けて延ばされた線分と、各線分B1ないし線分D1との交点から、線分A1までの距離が、その回転要素の回転速度である。なお、図2は模式的なものであり、各回転要素同士の回転速度と、前述の距離との対応関係が必ずしも一致しているわけではない。
【0025】
この図2においては、線分B1が図1の減速機38に対応する特性である。すなわち、第1のサンギヤS1が所定速度で正回転するとともに、第1のリングギヤ40が停止しているため、ピニオンギヤ41が自転および公転する。その結果、第2のリングギヤR2が第1のサンギヤ39と同方向に回転する。なお、第2のリングギヤ46の回転速度V2は、第1のサンギヤ39の回転速度V1よりも低速である。このようにして、電動機2の動力がアウトプットシャフト32に伝達される。
【0026】
ここで、第1のサンギヤ39とアウトプットシャフト32との間における減速比γ1は、
γ1=(N+Nρ1)/(Nρ1−ρ12)    ・・・(式1)
として求められる。また、
ρ1=ZS1/ZR1
ρ12=ZS1/ZR2
N=ZP1/ZP2
である。ここで、Nは第1のピニオンギヤ42と第2のピニオンギヤ43との歯数比であり、ρ1は第1のサンギヤ39と第1のリングギヤ40との歯数比であり、ρ12は第1のサンギヤ39と第2のリングギヤ46との歯数比であり、ZP1は第1のピニオンギヤ42の歯数、ZP2は第2のピニオンギヤの歯数であり、ZS1は第1のサンギヤ39の歯数、ZR1は第1のリングギヤ40の歯数、ZR2は第2のサンギヤ47の歯数である。
【0027】
例えば、第1のピニオンギヤ42の歯数を32とし、第2のピニオンギヤの歯数を16とし、第1のサンギヤ39の歯数を30とし、第1のリングギヤ40の歯数を94とし、第2のリングギヤ46の歯数を85とした場合は、
γ1=9.25
となる。
【0028】
(第2の実施例)
つぎに、減速機38の他の構成例を、図3に基づいて説明する。この図3においては、キャリヤ44とアウトプットシャフト32とが一体回転するように連結されており、第2のピニオンギヤ43にはいずれのギヤも噛合していない。図3のその他の構成は、図1の構成と同様である。
【0029】
また、図3の減速機38に対応する速度線は、図2の線分B1である。すなわち、第1のサンギヤS1が所定速度で正回転するとともに、第1のリングギヤ40が停止しているため、ピニオンギヤ41が自転および公転する。その結果、キャリヤCが第1のサンギヤ39と同方向に回転する。なお、キャリヤ44の回転速度V3は、第1のサンギヤ39の回転速度V1よりも低速である。このようにして、電動機2の動力がアウトプットシャフト32に伝達される。
【0030】
ここで、第1のサンギヤ39とアウトプットシャフト32との間における減速比γ2は、
γ2=(1+ρ1)/ρ1    ・・・(式2)
として求められる。
【0031】
例えば、第1のサンギヤ39の歯数を30とし、第1のリングギヤ40の歯数を94とした場合は、
γ2=4.13
となる。
【0032】
(第3の実施例)
つぎに、減速機38の他の構成例を、図4に基づいて説明する。この図4においては、第2のピニオンギヤ43と、アウトプットシャフト32に形成された第2のサンギヤ47とが噛合されており、キャリヤ44にはいずれの回転部材も連結されていない。図4のその他の構成は、図1の構成と同様である。
【0033】
また、図4の減速機38に対応する速度線は、図2の線分B1である。すなわち、第1のサンギヤ39が所定速度で正回転するとともに、第1のリングギヤ40が停止しているため、ピニオンギヤ41が自転および公転する。その結果、第2のサンギヤ47が第1のサンギヤ39と同方向に回転する。なお、第2のサンギヤ47の回転速度V4は、第1のサンギヤ39の回転速度V1よりも低速である。このようにして、電動機2の動力がアウトプットシャフト32に伝達される。
【0034】
ここで、第1のサンギヤ39とアウトプットシャフト32との間における減速比γ3は、
γ3=(N+Nρ1)/(Nρ1+ρS12)    ・・・(式3)
として求められる。
また、ρS12は、第1のサンギヤ39と第2のサンギヤ47との歯数比であり、
ρS12=ZS1/ZS2
である。ここで、ZS2は第2のサンギヤ47の歯数である。
【0035】
例えば、第1のサンギヤ39の歯数を30とし、第1のリングギヤ40の歯数を94とし、第2のサンギヤ47の歯数を53とした場合は、
γ3=2.19
となる。
【0036】
(第4の実施例)
つぎに、減速機38の他の構成例を、図5に基づいて説明する。この図5においては、ケーシング7に固定された第2のリングギヤ48と、第2のピニオンギヤ43とが噛合されており、第1のピニオンギヤ42にはリングギヤは噛合されていない。また、キャリヤ44とアウトプットシャフト32とが一体回転するように連結されている。図5のその他の構成は、図1の構成と同様である。
【0037】
また、図5の減速機38に対応する速度線は、図2の線分C1である。すなわち、第1のサンギヤS1が所定速度で正回転するとともに、第2のリングギヤ48が停止しているため、ピニオンギヤ41が自転および公転する。その結果、キャリヤ44が第1のサンギヤ39と同方向に回転する。なお、キャリヤ44の回転速度V5は、第1のサンギヤ39の回転速度V1よりも低速である。このようにして、電動機2の動力がアウトプットシャフト32に伝達される。
【0038】
ここで、第1のサンギヤ39とアウトプットシャフト32との間における減速比γ4は、
γ4=(N+ρ12)/ρ12    ・・・(式4)
として求められる。
すなわち、
γ4=6.67
となる。
【0039】
(第5の実施例)
つぎに、減速機38の他の構成例を、図6に基づいて説明する。この図6においては、第2のリングギヤ48がケーシング7に固定され、その第2のリングギヤ48と第2のピニオンギヤ43とが噛合されている。また、アウトプットシャフト32に形成された第2のサングギヤ47と、第2のピニオンギヤ43とが噛合されている。なお、第1のピニオンギヤ42にはリングギヤは噛合されていない。図6のその他の構成は、図1の構成と同様である。
【0040】
また、図6の減速機38に対応する速度線は、図2の線分C1である。すなわち、第1のサンギヤS1が所定速度で正回転するとともに、第2のリングギヤ48が停止しているため、ピニオンギヤ41が自転および公転する。その結果、キャリヤ44が第1のサンギヤ39と同方向に回転する。なお、第2のサンギヤ47の回転速度V6は、第1のサンギヤ39の回転速度V1よりも低速である。このようにして、電動機2の動力がアウトプットシャフト32に伝達される。
【0041】
ここで、第1のサンギヤ39とアウトプットシャフト32との間における減速比γ5は、
γ5=(N+ρ12)/(ρ12+ρS12)    ・・・(式5)
として求められる。
すなわち、
γ5=2.56
となる。
【0042】
(第6の実施例)
つぎに、減速機38の他の構成例を、図7に基づいて説明する。この図7においては、第2のサンギヤ47がアウトプットシャフト32に形成され、その第2のサンギヤ47と第2のピニオンギヤ43とが噛合されている。また、キャリヤ44がケーシング7に固定されている。なお、第1のピニオンギヤ42にはリングギヤは噛合されていない。図7のその他の構成は、図1の構成と同様である。
【0043】
また、図7の減速機38に対応する速度線は、図2の線分D1である。すなわち、第1のサンギヤS1が所定速度で正回転するとともに、キャリヤ44が停止しているため、ピニオンギヤ41が自転する。その結果、第2のサンギヤ47が第1のサンギヤ39と同方向に回転する。なお、第2のサンギヤ47の回転速度V7は、第1のサンギヤ39の回転速度V1よりも低速である。このようにして、電動機2の動力がアウトプットシャフト32に伝達される。
【0044】
ここで、第1のサンギヤ39とアウトプットシャフト32との間における減速比γ6は、
γ6=N/ρ12    ・・・(式6)
として求められる。
すなわち、
γ6=3.53
となる。
【0045】
(第7の実施例)
つぎに、減速機38の他の構成例を、図8に基づいて説明する。この図8においては、第2のリングギヤ46とアウトプットシャフト32とが一体回転するように連結され、その第2のリングギヤ46と第2のピニオンギヤ43とが噛合されている。また、キャリヤ44がケーシング7に固定されている。なお、第1のピニオンギヤ42にはリングギヤは噛合されていない。図8のその他の構成は、図1の構成と同様である。
【0046】
また、図8の減速機38に対応する速度線は、図2の線分D1である。すなわち、第1のサンギヤS1が所定速度で正回転するとともに、キャリヤ44が停止しているため、ピニオンギヤ41が自転する。その結果、第2のリングギヤ467が第1のサンギヤ39とは逆方向に回転する。なお、第2のリングギヤ46の回転速度V8は、第1のサンギヤ39の回転速度V1よりも低速である。このようにして、電動機2の動力がアウトプットシャフト32に伝達される。
【0047】
ここで、第1のサンギヤ39とアウトプットシャフト32との間における減速比γ7は、
γ7=−(N/ρ12)    ・・・(式7)として求められる。
すなわち、
γ7=−5.67となる。
【0048】
(第8の実施例)
つぎに、減速機38の他の構成例を、図9に基づいて説明する。この図9においては、第1のリングギヤ40とアウトプットシャフト32とが一体回転するように連結され、その第1のリングギヤ40と第1のピニオンギヤ42とが噛合されている。また、キャリヤ44がケーシング7に固定されている。なお、第2のピニオンギヤ43にはギヤは噛合されていない。図9のその他の構成は、図1の構成と同様である。
【0049】
また、図9の減速機38に対応する速度線は、図2の線分D1である。すなわち、第1のサンギヤS1が所定速度で正回転するとともに、キャリヤ44が停止しているため、ピニオンギヤ41が自転する。その結果、第1のリングギヤ407が第1のサンギヤ39とは逆方向に回転する。なお、第1のリングギヤ40の回転速度V9は、第1のサンギヤ39の回転速度V1よりも低速である。このようにして、電動機2の動力がアウトプットシャフト32に伝達される。
【0050】
ここで、第1のサンギヤ39とアウトプットシャフト32との間における減速比γ8は、
γ8=−(1/ρ12)    ・・・(式8)として求められる。
すなわち、
γ8=−3.13となる。
【0051】
以上のように第1の実施例ないし第8の実施例においては、いずれも、電動機2の動力を車輪4に伝達する場合に、電動機2の回転速度が減速機38により減速される。また、車両の製造過程で減速機38を製造する場合に、車両の仕様グレードに対応させて、第1の実施例ないし第8の実施例のように、減速比が異なる8種類のバリエーションを設定できる。したがって、車両に応じて要求される減速機38の変速特性を得ることができる。
【0052】
また、減速機38を構成する第1のサンギヤ、第2のサンギヤ、第1のピニオンギヤ、第2のピニオンギヤ、第1のリングギヤ、第2のリングギヤの各歯数は、各実施例で全て同一に設定されており、第1のサンギヤ39を常に入力要素として選択し、他のギヤまたはキャリヤのいずれかを固定要素、出力要素として選択することで、減速機38の変速特性を異ならせている。したがって、同じギヤ同士の歯数を異ならせた遊星歯車変速装置を複数種類用意する必要はなく、動力伝達装置の製造コストの上昇を抑制できる。
【0053】
さらにこの実施例においては、エンジン1の動力と電動機2の動力とがアウトプットシャフト32で合成され、合成された動力が車輪4に伝達される。すなわち、減速機38が、変速機能と動力合成機能とを兼備している。したがって、減速機38の他に、動力合成機構を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。したがって、製造コストの上昇を一層抑制できる。
【0054】
ここで、各実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、電動機2がこの発明の動力装置に相当し、エンジン1がこの発明の特定の動力装置に相当し、第1のサンギヤ39が、この発明のサンギヤに相当する。また、図1および図3および図4に示す第1のリングギヤ40、図5および図6に示す第2のリングギヤ48、図7および図8および図9に示すキャリヤ44が、この発明の固定要素に相当する。
【0055】
また、図1および図8に示す第2のリングギヤ46、図3および図5に示すキャリヤ44、図4に示す第2のサンギヤ47、図6および図7に示す第2のサンギヤ47、図9に示す第1のリングギヤ40が、この発明の出力要素に相当し、減速機38およびアウトプットシャフト32が、この発明の遊星歯車変速装置に相当し、インプットシャフト6、中間シャフト34、減速機38、アウトプットシャフト32、ドライブピニオンシャフト33、差動装置3が、この発明の動力伝達装置に相当し、減速機38を構成する各ギヤの歯数が、この発明の遊星歯車変速装置の諸元に相当し、減速機38の減速比(変速比)が、この発明の遊星歯車変速装置の変速特性に相当する。
【0056】
ここで、この実施例に開示され、かつ、特許請求の範囲には記載されていない特徴的な構成を記載すれば以下のとおりである。すなわち、動力装置の動力を、遊星歯車変速装置を経由させて車輪に伝達する車両用動力伝達装置の製造方法において、前記動力装置から前記車輪に伝達する動力を車両毎に設定する要求に対応させて、同一の諸元に設定された遊星歯車変速装置の固定要素または出力要素の少なくとも一方を変更することにより、前記遊星歯車変速装置の変速特性を異ならせた複数のものを別々(個々)に製造することを特徴とする車両用動力伝達装置の製造方法である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、同一諸元に設定された遊星歯車変速装置を用いて、固定要素または出力要素の少なくとも一方を変更することにより、遊星歯車変速装置の変速特性が異なる動力伝達装置を複数製造することができる。したがって、各車両毎に遊星歯車変速装置の諸元を変更する必要はなく、動力伝達装置の製造コストの上昇を抑制できる。
【0058】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、遊星歯車変速装置が、動力装置の回転速度を変速する機能と、動力装置および特定の動力装置の動力を合成する機能とを兼備する。したがって、動力装置および特定の動力装置の動力を合成する動力合成機構を、別途設ける必要がなく、動力伝達装置のコストの上昇を一層抑制できる。また、請求項3の発明においても、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用したハイブリッド車のパワートレーンであり、遊星歯車変速装置の第1の実施例を示すスケルトン図である。
【図2】この発明の各実施例に相当する遊星歯車変速装置の変速特性を示す速度線図である。
【図3】この発明の遊星歯車変速装置の第2の実施例を示すスケルトン図である。
【図4】この発明の遊星歯車変速装置の第3の実施例を示すスケルトン図である。
【図5】この発明の遊星歯車変速装置の第4の実施例を示すスケルトン図である。
【図6】この発明の遊星歯車変速装置の第5の実施例を示すスケルトン図である。
【図7】この発明の遊星歯車変速装置の第6の実施例を示すスケルトン図である。
【図8】この発明の遊星歯車変速装置の第7の実施例を示すスケルトン図である。
【図9】この発明の遊星歯車変速装置の第8の実施例を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…電動機、 3…差動装置、 6…インプットシャフト、32…アウトプットシャフト、 33…ドライブピニオンシャフト、 34…中間シャフト、 38…減速機、 39…第1のサンギヤ、 40…第1のリングギヤ、 44…キャリヤ、46…第2のリングギヤ、 47…第2のサンギヤ、 48…第2のリングギヤ。

Claims (3)

  1. 動力装置の動力を、遊星歯車変速装置を経由させて車輪に伝達する車両の動力伝達装置において、
    前記動力装置から前記車輪に伝達する動力を車両毎に設定する要求に対応させて、同一の諸元に設定された遊星歯車変速装置の固定要素または出力要素の少なくとも一方を変更することにより、前記遊星歯車変速装置の変速特性を異ならせた複数のものが、別々に製造されることを特徴とする車両の動力伝達装置。
  2. 前記動力装置以外の特定の動力装置が設けられており、前記動力装置の動力および特定の動力装置の動力が、前記遊星歯車変速装置で合成されて前記車輪に伝達される構成であることを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
  3. 前記遊星歯車変速装置が、サンギヤと、サンギヤに噛合されるピニオンギヤと、ピニオンギヤを保持するキャリヤと、ピニオンギヤに噛合するリングギヤとを有しており、ピニオンギヤが、一体回転し、かつ、歯数の異なる第1のピニオンギヤおよび第2のピニオンギヤを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の動力伝達装置。
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