JP2004003431A - 動弁装置におけるラッシュアジャスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リフタボディ11の端板12の下側にナット部材13を設け、そのナット部材13のねじ孔14にアジャストスクリュ15をねじ係合し、そのアジャスタスクリュ15を弾性体16によって軸方向に押圧する。ねじ孔14の雌ねじ14aおよびアジャストスクリュ15の外周の雄ねじ15aのねじ山を鋸歯状とする。アジャストスクリュ15とバルブステム2間にスライド部材22を組込み、そのスライド部材22をリフタボディ11に対して非分離に保持すると共に、回り止めし、かつ軸方向に移動自在として、動弁装置への組込み前の段階でスライド部材22が脱落するのを防止し、動弁装置への組込みの容易化を図る。またバルブステム2とリフタボディ11が相対的に回転しても、その回転がアジャストスクリュ15に伝達されないようにしてバルブリフト量の安定化を図る。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関における動弁装置のバルブクリアランスを自動調整するラッシュアジャスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カムの回転によって吸気バルブあるいは排気バルブ(以下、単にバルブという)を開閉させる動弁装置においては、ラッシュアジャスタの組込みによってバルブクリアランスを自動調整している。
【0003】
この種のラッシュアジャスタとして、動弁装置の軸方向長さのコンパクト化を図ることができる部品点数の少ない組立ての容易なねじ式のラッシュアジャスタが既に提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−62519号公報
【0005】
上記公報に記載されたラッシュアジャスタは、図9に示すように、リフタボディ11’の上側に設けられた端板12’の下面にナット部材13’をロウ付け等の手段で固着し、そのナット部材13’のねじ孔14’にねじ係合されたアジャストスクリュ15’を前記ねじ孔14’の閉塞端部内に組込まれた弾性体16’によって軸方向に押圧し、前記ねじ孔14’の雌ねじ14a’とアジャストスクリュ15’の外周に形成された雄ねじ15a’のねじ山を、アジャストスクリュ15’に負荷される押し込み荷重を受ける圧力側フランク17’のフランク角を遊び側フランク18’のフランク角より大きい鋸歯状とし、その鋸歯状ねじ山に、前記弾性体16’の押圧によってアジャストスクリュ15’が回転しつつ軸方向に移動するリード角を設けている。
【0006】
上記の構成から成るラッシュアジャスタは、例えば、同図で示すように、カム1’とバルブ5’に設けられたバルブステム2’間に組み込み、上記バルブステム2’をカム1’側に押圧するバルブスプリング4’の弾力によってバルブステム2’の端面をアジャストスクリュ15’の端面に押し付け、その押し付け力をリフタボディ11’を通してカム1’に伝え、カム1’の回転によってバルブ5’が開閉するようにする。
【0007】
上記のようなラッシュアジャスタの組込みにおいて、バルブステム2’とアジャストスクリュ15’間にバルブクリアランスが生じると、弾性体16’の押圧力によりアジャストスクリュ15’が遊び側フランク18’に沿って回転しつつ軸方向に移動して上記バルブクリアランスを吸収する。
【0008】
また、アジャストスクリュ15’がバルブステム2’によって押し込み力を受けると、雌ねじ14a’と雄ねじ15a’のねじ係合部に形成された軸方向のねじ隙間を詰めるまでアジャストスクリュ15’が後退し、さらに、押し込み力がかかると、互に圧接する圧力側フランク17’により上記押し込み力を受けてアジャストスクリュ15’が回転しつつ後退動するのを防止する。
【0009】
ここで、バルブステム2’からアジャストスクリュ15’に負荷される押し込み荷重が継続的に作用する変動荷重の場合、アジャストスクリュ15’は変動荷重の最小値が零になる位置まで回転しつつ軸方向に後退してバルブクリアランスを一定に保つように作用する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ラッシュアジャスタが図9に示すダイレクト型動弁装置に組込まれた使用においては、カム1’とリフタボディ11’の相対的な位置のずれ等に起因して、リフタボディ11’はカム1’との接触により回転力を受けて回転する場合がある。また、これとは独立して、バルブ5’も運転条件により回転する場合がある。これらの回転は、その回転方向および回転速度が一定でない。これらの回転が生じるとき、カム1’とバルブステム2’間に組込まれた前記ラッシュアジャスタのねじ孔14’とアジャストスクリュ15’のねじ係合部に、リフタボディ11’とバルブ5’の相対回転差により生じる捩りモーメントを受ける。
【0011】
上記捩りモーメントが比較的小さい場合は、例えこれがアジャストスクリュ15’を押し込む方向への回転力であっても、圧力側フランク17’間の摩擦力によりアジャストスクリュ15’が滑り回転を起こすことはない。
【0012】
一方で、アジャストスクリュ15’とねじ孔14’のねじ係合部に掛かる捩りモーメントは、リフタボディ11’とバルブ5’の相対回転速度やバルブステム2’とアジャストスクリュ15’端面間の摩擦力などに左右されるため、エンジンの種類や気筒および回転数などの条件によってその大きさや方向が異なる。
【0013】
仮に、上記捩りモーメントがアジャストスクリュ15’を押し込む方向へ、圧力側フランク17’間の摩擦力に打ち勝つ大きさで入力されるようなことがあれば、アジャストスクリュ15’は後退し、バルブリフト量が変動することになる。さらに後退量がカム1’のランプ高さを超えると、バルブ5’がバルブシート6’に衝撃的に着座して異音を生じるおそれがある。
【0014】
この発明は、上記鋸歯状ねじを用いたラッシュアジャスタにおいて、リフタボディとバルブステムの相対回転速度や各当接部の摩擦係数に因らず、あらゆる条件においても安定したバルブリフト量を維持できるようにすること、および動弁装置に対して容易に組込むことができるようにすることを技術的課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、カムとバルブステム間において軸方向にスライド自在に組込まれ、カムと接触する端板を上部に有するリフタボディと、そのリフタボディの端板下面に設けられたナット部材と、そのナット部材に形成されたねじ孔にねじ係合されたアジャストスクリュと、前記ねじ孔の閉塞端部内に組込まれて前記アジャストスクリュを軸方向に押圧する弾性体とから成り、前記ねじ孔の雌ねじとアジャストスクリュの外周に形成された雄ねじのねじ山を、アジャストスクリュに負荷される軸方向の押込み荷重を受ける圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状とした動弁装置におけるラッシュアジャスタにおいて、前記アジャストスクリュとバルブステム間にスライド部材を組込み、そのスライド部材をナット部材に対して回り止めし、かつ軸方向に移動自在に支持する保持手段を設けた構成を採用している。
【0016】
上記のように、アジャストスクリュとバルブステム間にスライド部材を組込み、そのスライド部材をナット部材に対して回り止めし、かつ軸方向に移動自在とすることにより、バルブステムがリフタボディに対して相対回転しても、その捩りモーメントはアジャストスクリュに伝達されず、軸方向への押し込み力のみが伝達される。この軸方向の押し込み力は、ねじ孔とアジャストスクリュのねじ係合部における圧力側フランクにより受けられるため、アジャストスクリュは回転しつつ後退動するのが防止される。その結果、安定したバルブリフト量を維持することができる。
【0017】
また、スライド部材を保持手段により保持することによって、ラッシュアジャスタを動弁装置に組付ける前段階においてスライド部材がリフタボディから脱落するのを防止することができ、ラッシュアジャスタの組付けの容易化を図ることができる。
【0018】
ここで、スライド部材を回り止めし、かつ非分離とする方法として、ナット部材の外周部にリフタボディの内周に沿う円筒部を設け、その円筒部の下端部に軸方向の溝を形成し、この溝にスライド部材の外周に設けた回り止め片を嵌合してスライド部材を回り止めし、かつ軸方向に移動自在とし、そのスライド部材をリフタボディの内周に取付けた止め輪によって抜け止めする方法が考えられる。
【0019】
しかし、この場合、ナット部材の外径部が厚肉となってラッシュアジャスタの重量が増加するという問題が生じる。
【0020】
そのような問題点を解決するため、この発明に係るラッシュアジャスタにおいては、保持手段として、リフタボディの内周に形成された係合溝に外周部が嵌合されて抜け止めされた弾性リングと、その弾性リングによってナット部材の下面に押し付けられたリング状の回り止め部材とを有し、前記回り止め部材の内周から下向きに形成された複数のガイド片のそれぞれにガイド孔を設け、前記スライド部材に形成された回り止め片を前記ガイド孔内に挿入してスライド部材を回り止めし、かつ軸方向に移動自在に支持した構成から成るものを採用している。
【0021】
上記保持手段の採用によって、スライド部材をナット部材に対して、回り止めし、かつ軸方向に移動自在に支持する回り止め部材を金属薄板のプレス成形品とすることができるため、ラッシュアジャスタの重量増加を最小限に抑制することができ、軽量で低コストのラッシュアジャスタを提供することができる。
【0022】
ここで、弾性リングとして、周方向の一部が切り離された皿ばねを採用することができる。上記弾性リングにおいては、取付けが容易であると共に、ばねとしての機能の他、止め輪としての機能を有するため、止め輪によって弾性リングを抜け止めする必要がなくなり、保持手段の部品点数を減らし、コストの低減を図ることができる。
【0023】
また、前記回り止め部材の外周に複数の突片を形成し、各突片の加締めによりナット部材に回り止め部材を連結することによって、回り止め部材を確実に回り止めすることができるため、スライド部材をより確実に回り止めすることができる。
【0024】
さらに、前記ナット部材をリフタボディの端板下面に接触する組付けとし、そのナット部材を前記弾性リングにより端板下面に圧接させて回り止めすることにより、弾性リングの押圧によってナット部材を回り止めすることができるため、ナット部材をロウ付けによってリフタボディの端板下面に固定する場合に比較してラッシュアジャスタのコストの低減を図ることができる。
【0025】
また、リフタボディの係合溝の下方における内周にテーパ面を設けておくと、円筒形治具上に弾性リングを載置し、その上に、ナット部材、アジャストスクリュ、弾性体、回り止め部材およびスライド部材のそれぞれをアセンブルした組立品を載置し、その上方からリフタボディを嵌合して押し込むことにより、テーパ面との接触により弾性リングが縮径し、係合溝が弾性リングと対向すると、復元弾性により弾性リングが係合溝に係合するため、ラッシュアジャスタをきわめて簡単に組立てることができる。
【0026】
この発明に係るラッシュアジャスタにおいて、保持手段として、リフタボディの内周に係合溝を形成し、その係合溝に前記ナット部材をリフタボディの端板下面に圧接する弾性リングを取付け、前記ナット部材の外周対向位置に切欠部を形成し、前記スライド部材には前記切欠部内とスライド自在に嵌合されて前記弾性リングにより切欠部から抜け出るのが防止されるL形の回り止め片を設けた構成から成るものを採用することができる。
【0027】
上記保持手段を採用することにより、前述の保持手段の回り止め部材を不要とすることができるため、ラッシュアジャスタの部品点数を減らし、コストの低減と重量の軽減を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係るラッシュアジャスタAをダイレクト型動弁装置のカム1とバルブステム2間に組込んだ状態を示している。
【0029】
バルブステム2は上端部にスプリングリテナ3を有し、そのスプリングリテナ3に付与されるバルブスプリング4の弾力によってバルブステム2は下端のバルブ5がバルブシート6に密着する方向に付勢されている。
【0030】
図2および図3に示すように、ラッシュアジャスタAは、図9に示すラッシュアジャスタと同様に、リフタボディ11を有している。リフタボディ11は、図1に示すように、シリンダヘッドBに形成されたガイド孔7内においてスライド自在とされる。このリフタボディ11はカム1と接触する端板12を上側に有し、その端板12の下側にナット部材13が設けられている。
【0031】
ナット部材13に形成されたねじ孔14は端板12によって閉塞され、そのねじ孔14にねじ係合されたアジャストスクリュ15はねじ孔14の閉塞端部内に組込まれた弾性体16によって軸方向に押圧されている。
【0032】
ねじ孔14の雌ねじ14aとアジャストスクリュ15の外周に形成された雄ねじ15aのねじ山は、アジャストスクリュ15に負荷される押し込み力を受ける圧力側フランク17のフランク角が遊び側フランク18のフランク角より大きい鋸歯状とされ、その鋸歯状ねじ山に前記弾性体16の押圧によってアジャストスクリュ15が回転しつつ軸方向に移動するリード角が設けられている。
【0033】
図2および図3に示すように、リフタボディ11の内周上部には係合溝19と、その下方にテーパ面20とが設けられ、上記係合溝19に弾性リング21が取付けられている。
【0034】
弾性リング21は図4に示すように周方向の一部が切り離された皿ばねから成り、径方向および軸方向に弾性変形可能とされ、軸方向の弾性力によりナット部材13の外周上部に設けられたフランジ13aをリフタボディ11の端板12下面に押し付けて、ナット部材13がリフタボディ11に対して相対的に回転するのを防止している。
【0035】
なお、ナット部材13はロウ付けによる手段により端板12に固着してリフタボディ11に対して回転するのを防止するようにしてもよい。
【0036】
図1に示すように、アジャストスクリュ15とバルブステム2の間にはスライド部材22が組込まれている。このスライド部材22は保持機構30により、ナット部材13に回り止めされ、かつ軸方向に移動可能とされている。
【0037】
図2および図3に示すように、保持機構30は、ナット部材13の下方に設けられたリング状の回り止め部材31を有し、その回り止め部材31の外周対向位置に設けられた一対の突片32をナット部材13のフランジ13a外周に形成された平坦部13bを包み込むように加締めてナット部材13に固定している。また、回り止め部材31の内周対向位置から下向きに一対のガイド片34を設け、そのガイド片34には回り止め部材31の内周部に至るガイド孔35を形成し、一方、スライド部材22の外周対向位置にL形の回り止め片22aを設け、その回り止め片22aを前記ガイド孔35に挿入して、スライド部材22を回り止めし、かつ軸方向に移動自在としている。
【0038】
上記回り止め部材31は金属薄板をプレス成形することによって形成されている。
【0039】
実施の形態では、突片32の加締めにより回り止め部材31をナット部材13に連結一体化して、回り止め部材31を回り止めしているが、突片32を省略し、弾性リング21の押圧により回り止め部材31をナット部材13の下面に押し付けて、回り止め部材31を回り止めしてもよい。
【0040】
上記の構成から成るラッシュアジャスタAにおいては、前述の図9に示すラッシュアジャスタと同様に、バルブステム2とアジャストスクリュ15間にバルブクリアランスが生じると、弾性体16の押圧力によりアジャストスクリュ15が遊び側フランク18に沿って回転しつつ軸方向に移動して上記バルブクリアランスを吸収する。
【0041】
また、アジャストスクリュ15がバルブステム2によって押し込み力を受けると、雌ねじ14aと雄ねじ15aのねじ係合部に形成された軸方向のねじ隙間を詰めるまでアジャストスクリュ15が後退し、さらに押し込み力が付与されると、互に圧接する圧力側フランク17により上記押し込み力を受けてアジャストスクリュ15が回転しつつ後退動するのを防止する。
【0042】
さらに、バルブステム2からアジャストスクリュ15に負荷される押し込み荷重が継続的に作用する変動荷重の場合、アジャストスクリュ15は変動荷重の最小値が零になる位置まで回転しつつ軸方向に後退してバルブクリアランスを一定に保つように作用する。
【0043】
また、アジャストスクリュ15とバルブステム2間にスライド部材22を組込み、そのスライド部材22をナット部材13に対して回り止めし、かつ軸方向にスライド自在とすることにより、バルブステム2がリフタボディ11に対して相対回転しても、その捩りモーメントはアジャストスクリュ15に伝わらず、軸方向への押し込み力のみが伝達されることになる。このとき、その軸方向への押し込み力はねじ孔14とアジャストスクリュ15のねじ係合部における圧力側フランク17により受けられ、アジャストスクリュ15は回転しつつ後退動するのが防止される。その結果、安定したバルブリフト量を維持することができる。
【0044】
ここで、スライド部材22は回り止め部材31およびその回り止め部材31を抜け止めする弾性リング21によってリフタボディ11に対して非分離とされているため、動弁装置にラッシュアジャスタAを組込む前の段階でスライド部材22がリフタボディ11から脱落するという不都合の発生はなく、動弁装置にラッシュアジャスタAをきわめて簡単に組込むことができる。
【0045】
図5は、ラッシュアジャスタAの組立ての一例を示す。この例では、円筒状の治具50上に弾性リング21と、ナット部材13、アジャストスクリュ15、弾性体16、回り止め部材31およびスライド部材22をアセンブルした組立品を載置し、その上方からリフタボディ11を嵌合して押し込むようにしている。リフタボディ11の押し込み時、弾性リング21はテーパ面20との接触により縮径し、係合溝19が弾性リング21と対向する位置までリフタボディ11が押し込まれると、復元弾性により弾性リング21が拡径して係合溝19に係合し、ラッシュアジャスタAをきわめて簡単に組立てることができる。
【0046】
図6乃至図8は、この発明に係るラッシュアジャスタの他の実施形態を示す。この実施形態で示すラッシュアジャスタAと図2および図3に示すラッシュアジャスタAとは保持機構30のみが相違している。このため、図2および図3に示すラッシュアジャスタAと同一部品には同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
図6乃至図8に示す保持機構30は、ナット部材13の外周上部に形成されたフランジ13aの外周対向位置に切欠部40を設け、その切欠部40にスライド部材22の両端部に形成されたL形の回り止め片22aをスライド自在に嵌合してスライド部材22を回り止めし、かつ軸方向に移動自在に支持し、上記回り止め片22aを弾性リング21によって切欠部40から抜け出るのを防止している。
【0048】
上記のように、スライド部材22に設けた回り止め片22aをナット部材13のフランジ13aに形成された切欠部40に嵌合してスライド部材22を回り止めし、かつ軸方向に移動可能とすることにより、図2および図3に示す回り止め部材31を不要とすることができる。
【0049】
このため、ラッシュアジャスタAの部品点数を減らすことができるので、コストの低減と重量の軽量化とを図ることができる。
【0050】
なお、ナット部材13のフランジ13aに形成する切欠部40は、図8(I)に示すように、180°の間隔をおいて形成してもよく、あるいは、図8(II)に示すように、90°の間隔をおいて形成してもよい。
【0051】
図8(II)に示すように、切欠部40を90°の間隔をおいて形成することにより、スライド部材22の回り止め片22aは対向位置の切欠部40の一方に嵌合すればよいため、スライド部材22の組込みの容易化を図ることができると共に、ナット部材13の軽量化を図ることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係るラッシュアジャスタにおいては、アジャストスクリュとバルブステム間に、リフタボディに対して回り止めされ、かつ軸方向にスライド可能なスライド部材を組込んだことにより、バルブステムがリフタボディに対して相対回転しても、その回転がアジャストスクリュに伝達されるのを防止することができ、安定したバルブリフト量を維持することができる。
【0053】
また、スライド部材を保持手段によりナット部材に対して回り止めし、かつ軸方向に移動自在に保持したことにより、動弁装置に対するラッシュアジャスタの組込み前の段階でスライド部材がリフタボディから脱落するのを防止することができるため、動弁装置にラッシュアジャスタをきわめて容易に組込むことができる。
【0054】
さらに、リフタボディの内周にテーパ面を設けたことにより、治具上に弾性リングを載置し、その弾性リング上にナット部材、アジャストスクリュ、弾性体、回り止め部材およびスライド部材をアセンブルした、組立品を載置し、その上方からリフタボディを嵌合して押し込むことによりラッシュアジャスタを組立てることができ、ラッシュアジャスタをきわめて容易に組立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るラッシュアジャスタを組込んだ動弁装置の縦断正面図
【図2】(I)は図1に示すラッシュアジャスタの縦断正面図、(II)は縦断側面図
【図3】図2の(I)の底面図
【図4】ラッシュアジャスタを形成するスライド部材、回り止め部材および弾性リングを示す分解斜視図
【図5】ラッシュアジャスタの組立て途中の状態を示す縦断正面図
【図6】この発明に係るラッシュアジャスタの他の例を示す縦断正面図
【図7】図6の底面図
【図8】(I)は図6に示すナット部材の底面図、(II)はナット部材の他の例を示す底面図
【図9】従来のラッシュアジャスタを組込んだ動弁装置の縦断正面図
【符号の説明】
1 カム
2 バルブステム
11 リフタボディ
12 端板
13 ナット部材
14 ねじ孔
14a 雌ねじ
15 アジャストスクリュ
15a 雄ねじ
16 弾性体
17 圧力側フランク
18 遊び側フランク
19 係合溝
20 テーパ面
21 弾性リング
22 スライド部材
30 保持機構
31 回り止め部材
32 突片
34 ガイド片
35 ガイド孔
40 切欠部
Claims (7)
- カムとバルブステム間において軸方向にスライド自在に組込まれ、カムと接触する端板を上部に有するリフタボディと、そのリフタボディの端板下面に設けられたナット部材と、そのナット部材に形成されたねじ孔にねじ係合されたアジャストスクリュと、前記ねじ孔の閉塞端部内に組込まれて前記アジャストスクリュを軸方向に押圧する弾性体とから成り、前記ねじ孔の雌ねじとアジャストスクリュの外周に形成された雄ねじのねじ山を、アジャストスクリュに負荷される軸方向の押込み荷重を受ける圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状とした動弁装置におけるラッシュアジャスタにおいて、前記アジャストスクリュとバルブステム間にスライド部材を組込み、そのスライド部材をナット部材に対して回り止めし、かつ軸方向に移動自在に支持する保持手段を設けたことを特徴とする動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
- 前記保持手段が、リフタボディの内周に形成された係合溝に外周部が嵌合されて抜け止めされた弾性リングと、その弾性リングによってナット部材の下面に押し付けられたリング状の回り止め部材とを有し、前記回り止め部材の内周から下向きに形成された複数のガイド片のそれぞれにガイド孔を設け、前記スライド部材に形成された回り止め片を前記ガイド孔内に挿入してスライド部材を回り止めし、かつ軸方向に移動自在に支持した構成から成る請求項1に記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
- 前記回り止め部材の外周に複数の突片を形成し、各突片の加締めによりナット部材に回り止め部材を連結した請求項2に記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
- 前記ナット部材をリフタボディの端板下面に接触する組付けとし、そのナット部材を前記弾性リングにより端板下面に圧接させて回り止めした請求項2又は3に記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
- 前記保持手段が、リフタボディの内周に係合溝を形成し、その係合溝に前記ナット部材をリフタボディの端板下面に圧接する弾性リングを取付け、前記ナット部材の外周対向位置に切欠部を形成し、前記スライド部材には前記切欠部内とスライド自在に嵌合されて前記弾性リングにより切欠部から抜け出るのが防止されるL形の回り止め片を設けた構成から成る請求項1に記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
- 前記弾性リングが、周方向の一部が切り離された皿ばねから成る請求項2乃至5のいずれかに記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
- 前記リフタボディの係合溝の下方における内周にテーパ面を形成した請求項2乃至6のいずれかに記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
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JP4190274B2 (ja) | 2008-12-03 |
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