JP2004003015A - 耐hic特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐hic特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】API X65グレード以上のラインパイプ用高強度鋼板であって、中央偏析部のHIC及び表面近傍や介在物から発生するHICに対して、優れた耐HIC特性を有するラインパイプ用高強度鋼板を多量の合金元素を添加することなく低コストで提供すること。
【解決手段】質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.01%以下、S:0.002%以下、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.005〜0.04%、Al:0.07%以下を含有し、残部が実質的にFeからなり、原子%でのC量とMo、Tiの合計量の比であるC/(Mo+Ti)が0.5〜3であり、金属組織が実質的にフェライトとベイナイトの2相組織であり、Tiと、Moとを含む析出物が分散析出していることを特徴とする、耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板を用いる。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管等の製造に好適なAPI規格X65グレード以上の強度を有する高強度鋼板に関し、特に耐水素誘起割れ性(耐HIC性)に優れたラインパイプ用高強度鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硫化水素を含む原油や天然ガスの輸送に用いられるラインパイプは、強度、靭性、溶接性の他に、耐水素誘起割れ性(耐HIC性)や耐応力腐食割れ性(耐SCC性)などのいわゆる耐サワー性が必要とされる。鋼材の水素誘起割れ(HIC)は、腐食反応による水素イオンが鋼材表面に吸着し、原子状の水素として鋼内部に侵入、鋼中のMnSなどの非金属介在物や硬い第2相組織のまわりに拡散・集積し、その内圧により割れを生ずるものとされている。
このような水素誘起割れを防ぐために、CaやCeをS量に対して適量添加することにより、針状のMnSの生成を抑制し、応力集中の小さい微細に分散した球状の介在物に形態を変えて割れの発生・伝播を抑制する、耐HIC性の優れたラインパイプ用鋼の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、偏析傾向の高い元素(C、Mn、P等)の低減や、スラブ加熱段階での均熱処理、冷却時の変態途中での加速冷却により、中心偏析部での割れの起点となる島状マルテンサイト、割れの伝播経路となるマルテンサイトやベイナイトなどの硬化組織の生成を抑制した、耐HIC性に優れた鋼が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。また、耐HIC性の優れたX80グレードの高強度鋼板に関して、低SでCa添加により介在物の形態制御を行いつつ、低C、低Mnとして中央偏析を抑制し、それに伴う強度低下をCr、Mn、Niなどの添加と加速冷却により補う方法が知られている(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照。)。
しかし、上記の耐HIC性を改善する方法はいずれも中心偏析部が対象である。API X80グレード等のX65グレードを超える高強度鋼板は加速冷却または直接焼入れによって製造される場合が多いため、冷却速度の速い鋼板表面部が内部に比べ硬化し、表面近傍から水素誘起割れが発生する。また、加速冷却によって得られるこれらの高強度鋼板のミクロ組織は、表面のみならず内部までベイナイトまたはアシキュラーフェライトの比較的割れ感受性の高い組織であり、中心偏析部のHICへの対策を施した場合でも、API X80グレード程度の高強度鋼では硫化物系または酸化物系介在物を起点としたHICをなくすことは困難である。従ってこれらの高強度鋼板の耐HIC性を問題にする場合は、鋼板の表面部のHICまたは、硫化物系や酸化物系介在物を起点としたHICの対策が必要である。
一方、ミクロ組織が割れ感受性の高いブロック状ベイナイトやマルテンサイトを含まない耐HIC性に優れた高強度鋼として、特開平7−216500号公報には、フェライト−ベイナイト2相組織である、API X80グレードの耐HIC性に優れた高強度鋼材が知られている(例えば、特許文献7参照。)。また、特開昭61−227129号公報、特開平7−70697号公報には、ミクロ組織をフェライト単相組織とすることで耐SCC(SSCC)性や耐HIC性を改善し、MoまたはTiの多量添加によって得られる炭化物の析出強化を利用した高強度鋼が知られている(例えば、特許文献8、特許文献9参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭54−110119号公報
【0004】
【特許文献2】
特開昭61−60866号公報
【0005】
【特許文献3】
特開昭61−165207号公報
【0006】
【特許文献4】
特開平5−9575号公報
【0007】
【特許文献5】
特開平5−271766号公報
【0008】
【特許文献6】
特開平7−173536号公報
【0009】
【特許文献7】
特開平7−216500号公報
【0010】
【特許文献8】
特開昭61−227129号公報
【0011】
【特許文献9】
特開平7−70697号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献7に記載の高強度鋼のベイナイト組織は、ブロック状ベイナイトやマルテンサイト程ではないが比較的割れ感受性の高い組織であり、SおよびMn量を厳しく制限して、Ca処理を必須として耐HIC性を向上させる必要があるため、製造コストが高い。また、特許文献7に記載の圧延・冷却方法を用いてフェライト−ベイナイト2相組織を安定的に得ることは難しい。一方、特許文献8、特許文献9に記載のフェライト相は延性に富んだ組織であり、割れ感受性が極めて低いため、ベイナイト組織またはアシキュラーフェライト組織の鋼に比べ耐HIC性が大幅に改善される。しかし、フェライト単相では強度が低いため、特許文献8に記載の鋼はC及びMoを多量に添加した鋼を用いて、炭化物を多量に析出させることによって高強度化し、特許文献9の鋼帯ではTi添加鋼を特定の温度で鋼帯に巻き取り、TiCの析出強化を利用して高強度化している。ところが、特許文献8に記載のMo炭化物が分散したフェライト組織を得るためには、焼入れ焼戻しの後に冷間加工を行い、さらに再度焼戻しを行う必要があり、製造コストが上昇するだけでなく、Mo炭化物の粒径が約0.1ミクロンと大きく、強度上昇効果が低いため、C及びMoの含有量を高め、炭化物の量をふやすことによって所定の強度を得る必要がある。また、特許文献9に記載の高強度鋼で利用しているTiCはMo炭化物に比べ微細であり、析出強化に有効な炭化物であるが、析出時の温度の影響を受けて粗大化しやすいにもかかわらず、析出物粗大化に対する対策がなされていない。そのため析出強化が十分ではなく、多量のTi添加が必要となっている。
【0013】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、API X65グレード以上のラインパイプ用高強度鋼板であって、中央偏析部のHIC及び表面近傍や介在物から発生するHICに対して、優れた耐HIC特性を有するラインパイプ用高強度鋼板を多量の合金元素を添加することなく低コストで提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)、質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.01%以下、S:0.002%以下、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.005〜0.04%、Al:0.07%以下を含有し、残部が実質的にFeからなり、原子%でのC量とMo、Tiの合計量の比であるC/(Mo+Ti)が0.5〜3であり、金属組織が実質的にフェライトとベイナイトの2相組織であり、Tiと、Moとを含む析出物が分散析出していることを特徴とする、耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
(2)、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.05%および/またはV:0.005〜0.1%を含有し、原子%でのC量とMo、Ti、Nb、Vの合計量の比であるC/(Mo+Ti+Nb+V)が0.5〜3であり、金属組織が実質的にフェライトとベイナイトの2相組織であり、Tiと、Moと、Nbおよび/またはVとを含む複合析出物が分散析出していることを特徴とする、(1)に記載の耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
(3)、さらに、質量%で、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Ca:0.0005〜0.005%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
(4)、(1)ないし(3)のいずれかに記載の化学成分を含有する鋼を、加熱温度:1000〜1300℃、圧延終了温度:Ar温度以上の条件で熱間圧延した後、冷却速度:5℃/s以上で300〜600℃まで加速冷却を行い、冷却後直ちに昇温速度:0.5℃/s以上で550〜700℃の温度まで再加熱を行うことを特徴とする、耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
(5)、(1)ないし(3)のいずれかに記載の鋼板を用いて製造されたことを特徴とする、耐HIC特性に優れた高強度鋼管。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明者らは耐HIC特性向上と高強度の両立のために、鋼材のミクロ組織と鋼板の製造方法を鋭意検討した。その結果、高強度と耐HIC特性の両立にはミクロ組織を、フェライト組織とベイナイト組織との強度差の小さい、フェライト+ベイナイト2相組織とすることが最も効果的であり、熱間圧延後の加速冷却とその後の再加熱という製造プロセスを行うことで、Ti、Mo等を含む微細析出物による軟質相であるフェライト相の強化と、硬質相であるベイナイト相の軟化が起こり、強度差の小さいフェライト+ベイナイト2相組織を得ることができるという知見を得た。そして、Cに対するMo、Tiの添加量を適正化することで、炭化物による析出強化を最大限に活用することができるという知見を得た。また、Nbおよび/またはVを複合添加すれば、Tiと、Moと、Nbおよび/またはVとを含む析出物を分散析出させることによってフェライト相の高強度化が達成できること、Cに対するMo、Ti、Nb、Vの添加量を適正化することで、炭化物による析出強化を最大限に活用することができるという知見を得た。
【0016】
本発明は上記のようなTi、Mo等を含む析出物が分散析出したフェライト相と、ベイナイト相との、2相組織を有する耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法に関するものであり、このようにして製造した鋼板は、従来の加速冷却等で得られるベイナイトまたはアシキュラーフェライト組織の鋼板のような表層部での硬度上昇がないので、表層部からのHICが生じない。さらに強度差の小さいフェライト相とベイナイト相の2相組織は割れに対する抵抗が極めて高いため、鋼板中心部や介在物からのHICも抑制することが可能となる。
【0017】
以下、本発明のラインパイプ用高強度鋼板について詳しく説明する。まず、本発明のラインパイプ用高強度鋼板の組織について説明する。
【0018】
本発明の鋼板の金属組織は実質的にフェライト+ベイナイト2相組織とする。フェライト相は延性に富んでおり割れ感受性が低いために、高い耐HIC特性を実現できる。また、ベイナイト相は優れた強度靭性を有している。フェライトとベイナイトの2相組織は、一般的には軟質なフェライト相と硬質なベイナイト相の混合組織であり、このような組織を有する鋼材はフェライト相とベイナイト相との界面に水素が集積しやすいうえに、前記界面が割れの伝播経路となるため、耐HIC特性が劣っている。しかし、本発明ではフェライト相とベイナイト相の強度を調整して両者の強度差を小さくすることで、耐HIC特性と高強度の両立を可能とする。フェライト+ベイナイト2相組織に、マルテンサイトやパーライトなどの異なる金属組織が1種または2種以上混在する場合は、異相界面での水素集積や応力集中によってHICを生じやすくなるため、フェライト相とベイナイト相以外の組織分率は少ない程良い。しかし、フェライト相とベイナイト相以外の組織の体積分率が低い場合は影響が無視できるため、トータルの体積分率で5%以下の他の金属組織を、すなわちマルテンサイト、パーライト等を1種または2種以上含有してもよい。また、ベイナイト分率は特に規定しないが、母材の靭性確保の観点から10%以上、耐HIC特性の観点から80%以下とすることが好ましい。より好ましくは、ベイナイト分率を20〜60%とする。
【0019】
次に、本発明においてフェライト相内に分散析出する析出物について説明する。
【0020】
本発明の鋼板では、フェライト相中にMoとTiとを基本として含有する析出物が分散析出することによりフェライト相が強化され、フェライト−ベイナイト間の強度差が低くなるため、優れた耐HIC特性を得ることができる。この析出物は極めて微細であるので耐HIC特性に対して何ら影響を与えない。Mo及びTiは鋼中で炭化物を形成する元素であり、MoC、TiCの析出により鋼を強化することは従来より行われているが、本発明ではMoとTiを複合添加して、MoとTiとを基本として含有する複合炭化物を鋼中に微細析出させることにより、MoCおよび/またはTiCの析出強化の場合に比べて、より大きな強度向上効果が得られることが特徴である。この従来にない大きな強度向上効果は、MoとTiとを基本として含有する複合炭化物が安定でかつ成長速度が遅いので、粒径が10nm未満の極めて微細な析出物が得られることによるものである。
【0021】
MoとTiとを基本として含有する複合炭化物は、Mo、Ti、Cのみで構成される場合は、MoとTiの合計量とC量とが原子比で1:1の付近で化合しているものであり、高強度化に非常に効果がある。また、本発明では、Nbおよび/またはVを複合添加することにより、析出物がMoと、Tiと、Nbおよび/またはVとを含んだ複合炭化物となり、同様の析出強化が得られることを見出した。溶接熱影響部の靭性を問題とする場合は、Tiの一部をNbおよび/またはVで置換することにより、高強度化の効果を損なわずに溶接熱影響部の靭性を向上させることが可能である。また、この微細炭化物は主にフェライト相中に析出するが、化学成分、製造条件によってはベイナイト相からも析出する場合もある。この場合は更なる高強度化が可能であり、フェライト相とベイナイト相の硬度差がHV70以下なら耐HIC性能に影響はない。
【0022】
これら10nm未満の析出物の個数は、降伏強度が448MPa以上(APIX65グレード以上)の高強度鋼板とするためには、2×10個/μm以上析出させることが好ましい。析出形態としては、ランダムでも列状でも良く、特に規定されない。また、MoとTiとを主体とする複合炭化物以外の析出物を含有する場合は、MoとTiの複合炭化物による高強度化の効果を損なわず耐HIC特性を劣化させない程度とするが、10nm未満の析出物の個数はTiNを除いた全析出物の個数の95%以上であることが好ましい。
【0023】
本発明において鋼板内に分散析出する析出物である、MoとTiとを主体とする複合炭化物は、以下に述べる成分の鋼に本発明の製造方法を用いて鋼板を製造することにより、フェライト相中に分散させて得ることができる。
【0024】
次に、本発明で用いるラインパイプ用高強度鋼板の化学成分について説明する。以下の説明において特に記載がない場合は、%で示す単位は全て質量%である。
【0025】
C:0.02〜0.08%とする。Cは炭化物として析出強化に寄与する元素であるが、0.02%未満では十分な強度が確保できず、0.08%を超えると靭性や耐HIC性を劣化させるため、C含有量を0.02〜0.08%に規定する。
【0026】
Si:0.01〜0.5%とする。Siは脱酸のため添加するが、0.01%未満では脱酸効果が十分でなく、0.5%を超えると靭性や溶接性を劣化させるため、Si含有量を0.01〜0.5%に規定する。
【0027】
Mn:0.5〜1.8%とする。Mnは強度、靭性のため添加するが、0.5%未満ではその効果が十分でなく、1.8%を超えると溶接性と耐HIC性が劣化するため、Mn含有量を0.5〜1.8%に規定する。好ましくは、0.5〜1.5%である。
【0028】
P:0.01%以下とする。Pは溶接性と耐HIC性を劣化させる不可避不純物元素であるため、P含有量の上限を0.01%に規定する。
【0029】
S:0.002%以下とする。Sは一般的には鋼中においてはMnS介在物となり耐HIC特性を劣化させるため少ないほどよい。しかし、0.002%以下であれば問題ないため、S含有量の上限を0.002%に規定する。
【0030】
Mo:0.05〜0.5%とする。Moは本発明において重要な元素であり、0.05%以上含有させることで、熱間圧延後冷却時のパーライト変態を抑制しつつ、Tiとの微細な複合析出物を形成し、強度上昇に大きく寄与する。しかし、0.5%を超えて添加するとマルテンサイトなどの硬化相を形成し耐HIC特性が劣化するため、Mo含有量を0.05〜0.5%に規定する。好ましくは、0.05%以上、0.3%未満である。
【0031】
Ti:0.005〜0.04%とする。TiはMoと同様に本発明において重要な元素である。0.005%以上添加することで、Moと複合析出物を形成し、強度上昇に大きく寄与する。しかし、0.04%を越えて添加すると、溶接熱影響部靭性の劣化を招くため、Ti含有量は0.005〜0.04%に規定する。さらに、Ti含有量が0.02%未満であると、より優れた靭性を示す。このため、Nbおよび/またはVを添加する場合は、Ti含有量を0.005%以上、0.02%未満とすることが好ましい。
【0032】
Al:0.07%以下とする。Alは脱酸剤として添加されるが、0.07%を超えると鋼の清浄度が低下し、耐HIC性を劣化させるため、Al含有量は0.07%以下に規定する。好ましくは、0.01〜0.07%とする。
【0033】
C量とMo、Tiの合計量の比である、C/(Mo+Ti):は0.5〜3とする。本発明による高強度化はTi、Moを含む析出物(主に炭化物)によるものである。この複合析出物による析出強化を有効に利用するためには、C量と炭化物形成元素であるMo、Ti量との関係が重要であり、これらの元素を適正なバランスのもとで添加することによって、熱的に安定かつ非常に微細な複合析出物を得ることが出来る。このとき各元素の原子%の含有量で表される、C/(Mo+Ti)の値が0.5未満または3.0を越える場合はいずれかの元素量が過剰であり、硬化組織の形成による耐HIC特性の劣化や靭性の劣化を招くため、C/(Mo+Ti)の値を0.5〜3に規定する。ただし、各元素記号は原子%での各元素の含有量である。なお、質量%の含有量を用いる場合には(C/12.01)/(Mo/95.9+Ti/47.9)の値を0.5〜3に規定する。C/(Mo+Ti)の値を0.7〜2とすると、粒径5nm以下のより微細な析出物が得られるためより好ましい。
【0034】
本発明では鋼板の強度及び溶接部靭性をさらに改善する目的で、以下に示すNb、Vの1種又は2種を含有してもよい。
【0035】
Nb:0.005〜0.05%とする。Nbは組織の微細粒化により靭性を向上させるが、Ti及びMoと共に複合析出物を形成し、フェライト相の強度上昇に寄与する。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.05%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化するため、Nb含有量は0.005〜0.05%に規定する。
【0036】
V:0.005〜0.1%とする。VもNbと同様にTiおよびMoと共に複合析出物を形成し、フェライト相の強度上昇に寄与する。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.1%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化するため、V含有量は0.005〜0.1%に規定する。
【0037】
Nbおよび/またはVを含有する場合には、C量とMo、Ti、Nb、Vの合計量の比である、C/(Mo+Ti+Nb+V):は0.5〜3とする。本発明による高強度化はTi、Moを含む析出物によるが、Nbおよび/またはVを含有する場合はそれらを含んだ複合析出物(主に炭化物)となる。このとき各元素の原子%の含有量で表される、C/(Mo+Ti+Nb+V)の値が0.5未満または3を越える場合はいずれかの元素量が過剰であり、硬化組織の形成による耐HIC特性の劣化や靭性の劣化を招くため、C/(Mo+Ti+Nb+V)の値を0.5〜3に規定する。ただし、各元素記号は原子%での含有量である。より好ましくは、C/(Mo+Ti+Nb+V)の値は0.7〜2であり、粒径5nm以下のさらに微細な析出物が得られる。なお、質量%の含有量を用いる場合には(C/12.01)/(Mo/95.9+Ti/47.9+Nb/92.91+V/50.94)の値を0.5〜3に規定する。
【0038】
本発明では鋼板の強度や耐HIC特性をさらに改善する目的で、以下に示すCu、Ni、Cr、Caの1種または2種以上を含有してもよい。
【0039】
Cu:0.5%以下とする。Cuは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であるが、多く添加すると溶接性が劣化するため、添加する場合は0.5%を上限とする。
【0040】
Ni:0.5%以下とする。Niは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であるが、多く添加すると耐HIC特性が低下するため、添加する場合は0.5%を上限とする。
【0041】
Cr:0.5%以下とする。CrはMnと同様に低Cでも十分な強度を得るために有効な元素であるが、多く添加すると溶接性を劣化するため、添加する場合は0.5%を上限とする。
【0042】
Ca:0.0005〜0.005%とする。Caは硫化物系介在物の形態制御による耐HIC特性向上に有効な元素であるが、0.0005%未満ではその効果が十分でなく、0.005%を超えて添加しても効果が飽和し、むしろ、鋼の清浄度の低下により耐HIC性を劣化させるので、添加する場合はCa含有量を0.0005〜0.005%に規定する。
【0043】
また、溶接性の観点から、強度レベルに応じて下記の(1)式で定義されるCeqの上限を規定することが好ましい。降伏強度が448MPa以上の場合には、Ceqを0.28以下、降伏強度が482MPa以上の場合には、Ceqを0.32以下、降伏強度が551MPa以上の場合には、Ceqを0.36以下にすることで良好な溶接性を確保することが出来る。
【0044】
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5…(1)
但し、(1)式の元素記号は各含有元素の質量%を示す。
【0045】
なお、本発明の鋼材については、板厚10mmから30mm程度の範囲でCeqの板厚依存性はなく、30mm程度まで同じCeqで設計することができる。
【0046】
上記以外の残部は実質的にFeからなる。残部が実質的にFeからなるとは、本発明の作用効果を無くさない限り、不可避不純物をはじめ、他の微量元素を含有するものが本発明の範囲に含まれ得ることを意味する。
【0047】
次に、本発明のラインパイプ用高強度鋼板の製造方法について説明する。
【0048】
図1は、本発明の組織制御方法を示す概略図である。Ar温度以上のオーステナイト領域(A)からベイナイト領域(B)まで加速冷却(C)することで、オーステナイト単相10から、未変態オーステナイト11とベイナイト12の混合組織とする。冷却後、直ちにフェライト領域(E)まで再加熱(D)することにより、オーステナイト11はフェライトに変態し、フェライト相中には微細析出物が分散析出する。一方、ベイナイト相は焼戻されて焼戻しベイナイトとなる。この微細析出物によって析出強化したフェライト相13と焼戻されて軟化したベイナイト相14の2相組織とすることで、高強度化と耐HIC特性の両立が可能となる。以下、具体的にこの組織制御方法を詳しく説明する。
【0049】
本発明のラインパイプ用高強度鋼板は上記の成分組成を有する鋼を用い、加熱温度:1000〜1300℃、圧延終了温度:Ar温度以上で熱間圧延を行い、その後5℃/s以上の冷却速度で300〜600℃まで冷却し、冷却後直ちに0.5℃/s以上の昇温速度で550〜700℃の温度まで再加熱を行うことで、MoとTiとを主体とする微細な複合炭化物をフェライト相中に分散析出させ、ベイナイト相を軟化させた複合組織として製造できる。ここで、温度は鋼板の平均温度とする。以下、各製造条件について詳しく説明する。
【0050】
加熱温度:1000〜1300℃とする。加熱温度が1000℃未満では炭化物の固溶が不十分で必要な強度が得られず、1300℃を超えると靭性が劣化するため、1000〜1300℃とする。好ましくは、1050〜1250℃である。
【0051】
圧延終了温度:Ar温度以上とする。Ar温度とは、冷却中におけるフェライト変態開始温度を意味し、以下の(2)式を用いて求めることができる。圧延終了温度がAr温度未満になると、その後のフェライト変態速度が低下するため、再加熱によるフェライト変態時に十分な微細析出物の分散析出が得られず、強度が低下するため、圧延終了温度をAr温度以上とする。
Ar温度(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo・・・(2)
但し、(2)式の元素記号は各含有元素の質量%を示す。
【0052】
圧延終了後、直ちに5℃/s以上の冷却速度で冷却する。圧延終了後に放冷または徐冷を行うと高温域から析出物が析出してしまい、析出物が容易に粗大化しフェライト相が強化できない。よって、析出強化に最適な温度まで急冷(加速冷却)を行い、高温域からの析出を防止することが本発明における重要な製造条件である。冷却速度が5℃/s未満では高温域での析出防止効果が十分ではなく強度が低下するため、圧延終了後の冷却速度を5℃/s以上に規定する。このときの冷却方法については製造プロセスによって任意の冷却設備を用いることが可能である。
【0053】
冷却停止温度:300〜600℃とする。圧延終了後加速冷却でベイナイト変態域である300〜600℃まで急冷することにより、ベイナイト相を生成させ、かつ、再加熱時のフェライト変態の駆動力を大きくする。駆動力が大きくなることで、再加熱過程でのフェライト変態を促進し、短時間の再加熱でフェライト変態を完了させることが可能となる。冷却停止温度が300℃未満では、ベイナイトやマルテンサイト単相組織となるか、フェライト+ベイナイト2相組織となっても島状マルテンサイト(MA)が生成するために耐HIC特性が劣化し、また600℃を超えると再加熱時のフェライト変態が完了せずパーライトが析出し耐HIC特性が劣化するため、加速冷却停止温度を300〜600℃に規定する。確実にMAの生成を抑制するためには、冷却停止温度を400℃以上とすることが好ましい。
【0054】
加速冷却後直ちに0.5℃/s以上の昇温速度で550〜700℃の温度まで再加熱を行う。このプロセスは本発明における重要な製造条件である。フェライト相の強化に寄与する微細析出物は、再加熱時のフェライト変態と同時に析出する。微細析出物によるフェライト相の強化とベイナイト相の軟化を同時に行い、フェライト相とベイナイト相の強度差の小さい組織を得るためには、加速冷却後直ちに550〜700℃の温度域まで再加熱することが必要である。また、再加熱の際には、冷却後の温度より少なくとも50℃以上昇温することが望ましい。再加熱時の昇温速度が0.5℃/s未満では、目的の再加熱温度に達するまでに長時間を要するため製造効率が悪化し、またパーライト変態が生じるため、微細析出物の分散析出が得られず十分な強度を得る事ができない。再加熱温度が550℃未満ではフェライト変態が完了せずその後の冷却時に未変態オーステナイトがパーライトに変態するため耐HIC特性が劣化し、700℃を超えると析出物が粗大化し十分な強度が得られないため、再加熱温度域を550〜700℃に規定する。
【0055】
再加熱温度において、特に温度保持時間を設定する必要はない。本発明の製造方法を用いれば再加熱後直ちに冷却しても、フェライト変態が十分に進行するため、微細析出による高い強度が得られる。確実にフェライト変態を終了させるために、30分以内の温度保持を行うこともできるが、30分を超えて温度保持を行うと、析出物の粗大化を生じ強度低下を招く場合がある。再加熱後の冷却速度は適宜設定すれば良いが、再加熱後の冷却過程でもフェライト変態が進行するので、空冷が好ましい。フェライト変態を阻害しない程度であれば、空冷よりも早い冷却速度で冷却を行うことも可能である。
【0056】
550〜700℃の温度まで再加熱を行うための設備として、加速冷却を行なうための冷却設備の下流側に加熱装置を設置することができる。加熱装置としては、鋼板の急速加熱が可能であるガス燃焼炉や誘導加熱装置を用いる事が好ましい。誘導加熱装置は均熱炉等に比べて温度制御が容易でありコストも比較的低く、冷却後の鋼板を迅速に加熱できるので特に好ましい。また複数の誘導加熱装置を直列に連続して配置することにより、ライン速度や鋼板の種類・寸法が異なる場合にも、通電する誘導加熱装置の数や供給電力を任意に設定するだけで、昇温速度、再加熱温度を自在に操作することが可能である。なお、再加熱後の冷却速度は任意の速度で構わないので、加熱装置の下流側には特別な設備を設置する必要はない。
【0057】
図2に、上記の製造方法を用いて製造した本発明の鋼板(0.05C−0.15Si−1.25Mn−0.09Mo−0.01Ti)を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した写真を示す。図2によれば、非常に微細な析出物が列状に析出している様子が確認できるが、これは、フェライト変態時のオーステナイト/フェライト界面において析出を生じる変態析出によるものであり、これにより極めて高い析出強化が得られる。また、析出物はMoとTiを含有する炭化物であり、このことはエネルギー分散型X線分光法(EDX)等を用いて分析して確認した。
【0058】
図3に、本発明の製造方法を実施するための製造ラインの一例の概略図を示す。図3に示すように、圧延ライン1には上流から下流側に向かって熱間圧延機3、加速冷却装置4、インライン型誘導加熱装置5、ホットレベラー6が配置されている。インライン型誘導加熱装置5あるいは他の熱処理装置を、圧延設備である熱間圧延機3およびそれに引き続く冷却設備である加速冷却装置4と同一ライン上に設置する事によって、圧延、冷却終了後迅速に再加熱処理が行えるので、圧延して加速冷却した後の鋼板を、直ちに550℃以上に加熱することができる。
【0059】
上記の製造方法により製造された本発明の鋼板は、プレスベンド成形、ロール成形、UOE成形等で鋼管に成形して、原油や天然ガスを輸送する鋼管(電縫鋼管、スパイラル鋼管、UOE鋼管)等に利用することができる。本発明の鋼板を用いて製造された鋼管は、高強度でかつ耐HIC特性に優れているので、硫化水素を含む原油や天然ガスの輸送にも好適である。
【0060】
【実施例】
表1に示す化学成分の鋼(鋼種A〜O)を連続鋳造法によりスラブとし、これを用いて板厚18、26mmの厚鋼板(No.1〜27)を製造した。
【0061】
【表1】
Figure 2004003015
【0062】
加熱したスラブを熱間圧延により圧延した後、直ちに水冷型の加速冷却設備を用いて冷却を行い、誘導加熱炉またはガス燃焼炉を用いて再加熱を行った。冷却設備及び誘導加熱炉はインライン型とした。各鋼板(No.1〜27)の製造条件を表2に示す。
【0063】
以上のようにして製造した鋼板のミクロ組織を、光学顕微鏡、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。析出物の成分はエネルギー分散型X線分光法(EDX)により分析した。また各鋼板の引張特性、耐HIC特性を測定した。測定結果を表2に併せて示す。引張特性は、圧延垂直方向の全厚試験片を引張試験片として引張試験を行い、降伏強度、引張強度を測定した。そして、製造上のばらつきを考慮して、降伏強度480MPa以上、引張強度580MPa以上であるものをAPI X65グレード以上の高強度鋼板として評価した。耐HIC特性はNACE Standard TM−02−84に準じた浸漬時間96時間のHIC試験を行い、割れが認められない場合を耐HIC性良好と判断して○で、割れが発生した場合を×で示した。
【0064】
【表2】
Figure 2004003015
【0065】
表2において、本発明例であるNo.1〜14はいずれも、化学成分および製造方法が本発明の範囲内であり、降伏強度480MPa以上、引張強度580MPa以上の高強度で、かつ耐HIC性が優れていた。TiとMoと、一部の鋼板についてはさらにNbおよび/またはVとを含む粒径が10nm未満の微細な炭化物の析出物が分散析出していた。また、No.1〜14の鋼板の組織は、実質的にフェライト+ベイナイト2相組織であり、ベイナイト相の分率は、いずれも10〜80%の範囲であった。
【0066】
No.15〜21は、化学成分は本発明の範囲内であるが、製造方法が本発明の範囲外であるため、組織がフェライト+ベイナイト2相組織になっていないことや、微細炭化物が分散析出していないため、強度不足やHIC試験で割れが発生した。No.22〜27は化学成分が本発明の範囲外であるので、粗大な析出物が生成したり、TiとMoとを含む析出物が分散析出していないため、十分な強度が得られないか、HIC試験で割れが生じた。
【0067】
なお、再加熱を誘導加熱炉で行った場合もガス燃焼炉で行った場合も特に結果に差は見られなかった。
【0068】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、API X65グレード以上の高強度を有し、かつ耐HIC性の優れた鋼板を、多量の合金元素を添加することなく低コストで製造することができる。このため優れた特性を有する電縫鋼管、スパイラル鋼管、UOE鋼管等の鋼管を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組織制御方法を示す概略図。
【図2】本発明の鋼板を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した写真。
【図3】本発明の製造方法を実施するための製造ラインの一例を示す概略図。
【符号の説明】
1:圧延ライン、
2:鋼板、
3:熱間圧延機、
4:加速冷却装置、
5:インライン型誘導加熱装置、
6:ホットレベラー、
10:オーステナイト単相、
11:未変態オーステナイト、
12:ベイナイト、
13:微細析出物によって析出強化したフェライト相、
14:焼戻されて軟化したベイナイト相、
A:オーステナイト領域、
B:ベイナイト領域、
C:加速冷却、
D:再加熱、
E:フェライト領域

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.01%以下、S:0.002%以下、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.005〜0.04%、Al:0.07%以下を含有し、残部が実質的にFeからなり、原子%でのC量とMo、Tiの合計量の比であるC/(Mo+Ti)が0.5〜3であり、金属組織が実質的にフェライトとベイナイトの2相組織であり、Tiと、Moとを含む析出物が分散析出していることを特徴とする、耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
  2. さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.05%および/またはV:0.005〜0.1%を含有し、原子%でのC量とMo、Ti、Nb、Vの合計量の比であるC/(Mo+Ti+Nb+V)が0.5〜3であり、金属組織が実質的にフェライトとベイナイトの2相組織であり、Tiと、Moと、Nbおよび/またはVとを含む複合析出物が分散析出していることを特徴とする、請求項1に記載の耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
  3. さらに、質量%で、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Ca:0.0005〜0.005%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化学成分を含有する鋼を、加熱温度:1000〜1300℃、圧延終了温度:Ar温度以上の条件で熱間圧延した後、冷却速度:5℃/s以上で300〜600℃まで加速冷却を行い、冷却後直ちに昇温速度:0.5℃/s以上で550〜700℃の温度まで再加熱を行うことを特徴とする、耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の鋼板を用いて製造されたことを特徴とする、耐HIC特性に優れた高強度鋼管。
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