JP2004002996A - メッキ樹脂成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂成形体の表面に金属メッキしてメッキ樹脂成形体を製造する方法であり、金属メッキ工程の前処理として、熱可塑性樹脂成形体を、重金属を含まない、濃度が4規定未満の酸又は塩基で接触処理する工程を含むメッキ樹脂成形体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メッキ強度が高いメッキ樹脂成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
自動車を軽量化する目的から、自動車部品としてABS樹脂やポリアミド樹脂等の樹脂成形体が使用されており、この樹脂成形体に高級感や美感を付与するため、銅、ニッケル等のメッキが施されている。
【0003】
従来、ABS樹脂等の成形体にメッキを施す場合、樹脂成形体とメッキ層との密着強度を高めるため、脱脂工程の後に樹脂成形体を粗面化するエッチング工程が必須である。例えば、ABS樹脂成形体やポリプロピレン成形体をメッキする場合、脱脂処理の後に、クロム酸浴(三酸化クロム及び硫酸の混液)を用い、65〜70℃、10〜15分でエッチング処理する必要があり、廃水には有毒な6価のクロム酸イオンが含まれる。このため、6価のクロム酸イオンを3価のイオンに還元した後に中和沈殿させる処理が必須となり、廃水処理時の問題がある。
【0004】
このように現場での作業時の安全性や廃水による環境への影響を考慮すると、クロム浴を使用したエッチング処理をしないことが望ましいが、その場合には、ABS樹脂等から得られる成形体へのメッキ層の密着強度を高めることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、クロム酸等によるエッチング処理を不要とすることができ、樹脂成形体とメッキ層の密着強度が高く、外観も美しいメッキ樹脂成形体とが得られるメッキ樹脂成形体の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題の解決手段として、熱可塑性樹脂成形体の表面に金属メッキしてメッキ樹脂成形体を製造する方法であり、金属メッキ工程の前処理として、熱可塑性樹脂成形体を、重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程を含むメッキ樹脂成形体の製造方法を提供する。
【0007】
特に本発明では、重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程における酸又は塩基として、低濃度(4規定未満)のものを用いることが好ましい。このような接触処理により、メッキ層の密着強度を向上させることができるほか、高濃度の酸又は塩基を用いた場合に比べて、安全性が高く、廃液処理も容易となるという優れた効果が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のメッキ樹脂成形体の製造方法は、金属メッキ工程の前処理として、熱可塑性樹脂成形体を、重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程(以下「酸等による接触処理工程」と称する。)を含むものであれば特に制限されるものではなく、下記処理工程の一部削除及び公知のメッキ工程の追加をすることができる。以下、酸等による接触処理工程を含む一実施形態について説明する。
【0009】
まず、熱可塑性樹脂成形体を脱脂処理する。なお、熱可塑性樹脂成形体は射出成形等の公知の方法により、用途に適した所望形状に成形して得る。
【0010】
脱脂処理は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ又は硫酸、炭酸等の酸を含有する界面活性剤水溶液により行う。本発明では、この脱脂処理後に他の工程に移行することができ、メッキ層の密着強度を高めるための粗面化処理となるクロム酸等の重金属を含む酸によるエッチングエッチング工程は不要である。
【0011】
次に、脱脂処理後の熱可塑性樹脂成形体に対し、酸等による接触処理をする。この工程で用いる重金属を含まない酸又は塩基は、低濃度のものが好ましく、好ましくは4規定未満であり、より好ましくは3.5規定以下であり、更に好ましくは3.0規定以下である。
【0012】
従来、メッキ層の密着強度を高めるためには、高濃度の酸又は塩基を用いたエッチング処理により、樹脂成形体の表面を粗くすることが望ましいとされていたものであるが、本発明の好ましい実施形態では、低濃度の酸又は塩基による接触処理工程を付加することにより、メッキ層の密着強度を高めることができたものである。その結果、作業時の安全性も高められ、廃液処理も容易になるという効果も合わせて得ることができる。
【0013】
この工程の処理は、例えば、熱可塑性樹脂成形体を、重金属を含まない酸又は塩基中に浸漬する方法を適用でき、液温度10〜80℃の重金属を含まない酸又は塩基中に0.5〜20分間浸漬する方法を適用できる。
【0014】
重金属を含まない酸は、塩酸、リン酸、硫酸のほか、酢酸、クエン酸、ギ酸等の有機酸から選ばれるもの等を用いることができる。重金属を含まない塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物から選ばれるもの等を用いることができる。
【0015】
酸等による接触処理工程の後、例えば、水洗工程、触媒付与液で処理する工程、水洗工程、活性化液で処理する工程(活性化工程)及び水洗工程を行うことができる。なお、触媒付与液で処理する工程と活性化液で処理する工程は、同時に行うことができる。
【0016】
触媒付与液による処理は、例えば、塩化錫(20〜40gl−1)の35%塩酸溶液(10〜20mgl−1)中、室温で1〜5分程度浸漬する。活性化液による処理は、塩化パラジウム(0.1〜0.3gl−1)の35%塩酸溶液(3〜5ml−1)中、室温で1〜2分浸漬する。
【0017】
その後、必要に応じて1回又は2回以上の無電解メッキ工程を行う。メッキ浴は、ニッケル、銅、コバルト、ニッケル−コバルト合金、金等と、ホルマリン、次亜リン酸塩等の還元剤を含むものを用いることができる。メッキ浴のpHや温度は、使用するメッキ浴の種類に応じて選択する。
【0018】
無電解メッキ後に更にメッキ処理をする場合、酸又はアルカリによる活性化処理の後、銅等による電気メッキ工程を付加することもできる。
【0019】
本発明の製造方法で用いる熱可塑性樹脂成形体は、熱可塑性樹脂、更にはメッキ層の密着強度を高めるため、水溶性物質、界面活性剤、凝固剤、リン系化合物等を含有する熱可塑性樹脂成形体が好ましい。
【0020】
熱可塑性樹脂は用途に応じ、周知のものから適宜選択することができるが、本発明においては、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリフェニレンスルホン樹脂(PPS)、ポリスルホン樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、又はこれらのアロイが好ましい。更にこれらの樹脂及びアロイの中でも、水溶液との反応性が良い、吸湿性のある樹脂及びアロイがより好ましく、飽和吸水率(JIS K6911、K7209)が0.6%以上の樹脂及びアロイが特に好ましい。
【0021】
ポリアミド系樹脂は、ジアミンとジカルボン酸とから形成されるポリアミド樹脂及びそれらの共重合体である。例えば、ナイロン66、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・10)、ポリヘキサメチレンドデカナミド(ナイロン6・12)、ポリドデカメチレンドデカナミド(ナイロン1212)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)及びこれらの混合物や共重合体;ナイロン6/66、6T成分が50モル%以下であるナイロン66/6T(6T:ポリヘキサメチレンテレフタラミド)、6I成分が50モル%以下であるナイロン66/6I(6I:ポリヘキサメチレンイソフタラミド)、ナイロン6T/6I/66、ナイロン6T/6I/610等の共重合体;ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミド(ナイロンM5T)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)イソフタルアミド(ナイロンM5I)、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/M5T等の共重合体が挙げられ、そのほかアモルファスナイロンのような共重合ナイロンでもよく、アモルファスナイロンとしてはテレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合物等を挙げることができる。
【0022】
更に、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物及びこれらの成分からなる共重合体、具体的には、ナイロン6、ポリ−ω−ウンデカナミド(ナイロン11)、ポリ−ω−ドデカナミド(ナイロン12)等の脂肪族ポリアミド樹脂及びこれらの共重合体、ジアミン、ジカルボン酸とからなるポリアミドとの共重合体、具体的にはナイロン6T/6、ナイロン6T/11、ナイロン6T/12、ナイロン6T/6I/12、ナイロン6T/6I/610/12等及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0023】
ポリアミド系樹脂としては、上記の中でもPA(ナイロン)6、PA(ナイロン)66、PA(ナイロン)6/66が好ましい。
【0024】
スチレン系樹脂は、スチレン及びα置換、核置換スチレン等のスチレン誘導体の重合体を挙げることができる。また、これら単量体を主として、これらとアクリロニトリル、アクリル酸並びにメタクリル酸のようなビニル化合物及び/又はブタジエン、イソプレンのような共役ジエン化合物の単量体から構成される共重合体も含まれる。例えばポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリレート共重合体(MS樹脂)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS樹脂)等を挙げることができる。
【0025】
また、ポリスチレン系樹脂として、ポリアミド系樹脂との相溶性をあげるためのカルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体を含んでもよい。カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体は、ゴム質重合体の存在下に、カルボキシル基含有不飽和化合物及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を重合してなる共重合体である。成分を具体的に例示すると、
1)カルボキシル基含有不飽和化合物を共重合したゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルモノマーを必須成分とする単量体あるいは芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を重合して得られたグラフト重合体、
2)ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を共重合して得られたグラフト共重合体、
3)カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されていないゴム強化スチレン系樹脂とカルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須成分とする単量体の共重合体との混合物、
4)上記1),2)とカルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須とする共重合体との混合物、
5)上記1)、2)、3)、4)と芳香族ビニルを必須成分とする共重合体との混合物がある。
【0026】
上記1)〜5)において、芳香族ビニルとしてはスチレンが好ましく、また芳香族ビニルと共重合する単量体としてはアクリロニトリルが好ましい。カルボキシル基含有不飽和化合物は、スチレン系樹脂中、好ましくは0.1〜8質量%であり、より好ましくは0.2〜7質量%である。
【0027】
オレフィン系樹脂は、炭素数2〜8のモノオレフィンを主たる単量体成分とする重合体であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン−1、これらの変性物等から選ばれる1種以上を挙げることができ、これらの中でもポリプロピレン、酸変性ポリプロピレンが好ましい。
【0028】
熱可塑性樹脂は、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法又はこれらを組み合わせた公知の重合法を適用して製造したものを用いることができる。
【0029】
水溶性物質は、溶解度は問わず、水に可溶な物質を意味するもので、デンプン、デキストリン、プルラン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース又はこれらの塩等の多糖類;プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコール;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、アクリル酸−無水マレイン酸コポリマー、無水マレイン酸−ジイソブチレンコポリマー、無水マレイン酸−酢酸ビニルコポリマー、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びこれらの塩等を挙げることができる。
【0030】
これらの中でも、水に可溶であるが溶解度の小さなものが好ましく、具体的には、水への溶解度(25℃)が300g/100g以下のものが好ましく、100g/100g以下のものがより好ましく、10g/100g以下のものが更に好ましい。このようなものとしては、ペンタエリスリトール(7.2g/100g)、ジペンタエリスリトール(0.1g/100g以下)が好ましい。
【0031】
熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂と水溶性物質との含有割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、水溶性物質は0.01〜50質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.01〜15質量部が更に好ましい。
【0032】
界面活性剤、凝固剤は、熱可塑性樹脂の製造時に乳化重合を適用した場合に用いる界面活性剤(乳化剤)が樹脂中に残存しているものでもよいし、塊状重合等の乳化剤を使用しない製造法を適用した場合には、別途熱可塑性樹脂中に添加したものでもよい。
【0033】
界面活性剤、凝固剤は、樹脂の乳化重合で使用するもののほか、乳化重合で使用するもの以外のものでもよく、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が好ましい。
【0034】
これらの界面活性剤としては、脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−オレフィン硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤;モノもしくはジアルキルアミン又はそのポリオキシエチレン付加物、モノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸モノグリセリド、アミンオキシド等のノニオン界面活性剤;カルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤を挙げることができる。
【0035】
熱可塑性樹脂成形体中の界面活性剤及び/又は凝固剤の含有割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、界面活性剤及び/又は凝固剤は0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましく、0.01〜2質量部が更に好ましい。
【0036】
リン系化合物としては、下記のものから選ばれる1種又は2種以上用いることができる。
【0037】
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(o−又はp−フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、o−フェニルフェニルジクレジルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、テトラフェニル−m−フェニレンジホスフェート、テトラフェニル−p−フェニレンジホスフェート、フェニルレゾルシン・ポリホスフェート、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA・ポリフェニルホスフェート、ジピロカテコールハイポジホスフェート等の縮合系リン酸エステル。
【0038】
ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニルネオペンチルホスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジホスフェート、エチルピロカテコールホスフェート等の正リン酸エステル等の脂肪酸・芳香族リン酸エステル。
【0039】
ポリリン酸メラミン、トリポリリン酸、ピロリン酸、オルソリン酸、ヘキサメタリン酸等のアルカリ金属塩、フィチン酸等のリン酸系化合物又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩等。
【0040】
更に、上記以外のリン系化合物として、公知の樹脂用の難燃剤及び酸化防止剤として使用されているリン系化合物を用いることができる。このように、本発明で用いるリン系化合物には難燃剤、酸化防止剤として汎用されているものも使用することができるが、これらのリン系化合物は、熱可塑性樹脂成形体に対するメッキ層の密着強度を高める成分としては、従来、全く認識されていなかったものである。
【0041】
本発明の製造方法を適用することにより、熱可塑性樹脂成形体と金属メッキ層との密着強度が高いものを得ることができ、JIS H8630による密着強度が、好ましくは最高値が10kPa以上、より好ましくは最高値が50kPa以上、更に好ましくは最高値が100kPa以上、特に好ましくは最高値が150kPa以上のものを得ることができる。
【0042】
本発明の製造方法を適用して得られるメッキ樹脂成形体は、各種用途に適用することができるが、特にバンパー、エンブレム、ホイールキャップ、内装部品、外装部品等の自動車部品用途として適している。
【0043】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0044】
(1)メッキ層の密着性試験
以下の実施例及び比較例で得られたメッキ樹脂成形体を用い、JIS H8630附属書6に記載された密着試験方法により、熱可塑性樹脂成形体と金属メッキ層との密着強度(kPa;最高値)を測定した。
【0045】
(2)熱可塑性樹脂成形体
表1、表2に示す成分からなる各組成物を射出成形(シリンダー温度240℃、金型温度60℃)して得た、100×50×3mmの試験片を用いた。表1に記載した各成分の詳細は下記の通りである。
(A:熱可塑性樹脂)
A−1:ダイセルポリマー社製の商品名「ノバロイA1300」(ポリアミド/ABS樹脂)
A−2:ダイセルポリマー社製の商品名「ノバロイA1500」(ポリアミド/ABS樹脂)
A−3:ダイセルポリマー社製の商品名「ノバロイA1700」(ポリアミド/ABS樹脂)
A−4:ダイセルポリマー社製の商品名「ノバロイA2602」(ポリアミド/ABS樹脂)
A−5:乳化重合方法により重合されたABS樹脂で組成が(1)アクリロニトリル15重量%(2)スチレン40重量%(3)ブタジエンゴム40重量%
A−6:塊状重合方法により重合されたAS樹脂で組成が(1)アクリロニトリル32重量%(2)スチレン68重量%
A−7:懸濁重合方法により重合されたAS樹脂で組成が(1)アクリロニトリル40重量%(2)スチレン60重量%
(B:水溶性物質)
B−1:ジペンタエリスリトール(広栄化学工業社製)
(C:界面活性剤)
C−1:αオレインスルホン酸塩(リポランPB−800:ライオン(株)製)
(D:リン系化合物)
D−1:トリフェニルホスフェート TPP(大八化学工業株式会社製)
D−2:縮合リン酸エステル CR733S(大八化学工業株式会社製)
D−3:縮合リン酸エステル PX200(大八化学工業株式会社製)
D−4:リン系酸化防止剤 アデカスタブPEP36(旭電化工業株式会社製)
実施例1
表1〜表4に示す成分からなる熱可塑性樹脂成形体を用い、以下の工程により、メッキ樹脂成形を得た。メッキ層の密着性を表1〜表4に示す。
【0046】
▲1▼脱脂工程:試験片を、エースクリンA−220(奥野製薬工業(株)製)50g/L水溶液(液温40℃)に20分浸漬した。
【0047】
▲2▼酸による接触処理工程:1.0規定の塩酸100ml(液温40℃)中に5分間浸漬した。
【0048】
▲3▼触媒付与工程:35重量%塩酸150ml/Lと、キャタリストC(奥野製薬工業(株)製)40ml/L水溶液との混合水溶液(液温25℃)中に3分間浸漬した。
【0049】
▲4▼第1活性化工程:試験片を、98質量%硫酸100ml/L水溶液(液温40℃)中に3分間浸漬した。
【0050】
▲5▼第2活性化工程:試験片を、水酸化ナトリウム15g/L水溶液(液温40℃)中に2分間浸漬した。
【0051】
▲6▼ニッケルの無電解メッキ工程:試験片を、化学ニッケルHR−TA(奥野製薬工業(株)製)150ml/Lと、化学ニッケルHR−TB(奥野製薬工業(株)製)150ml/Lの混合水溶液(液温40℃)に5分間浸漬した。
【0052】
▲7▼酸活性化工程:試験片を、トップサン(奥野製薬工業(株)製)100g/L水溶液(液温25℃)に1分間浸漬した。
【0053】
▲8▼銅の電気メッキ工程:試験片を、下記組成のメッキ浴(液温25℃)に浸漬して、120分間電気メッキを行った。
(メッキ浴の組成)
硫酸銅(CuSO4・5H2O)200g/L
硫酸(98%)50g/L
塩素イオン(Cl−)5ml/L、
トップルチナ2000MU(奥野製薬工業(株)製)5ml/L
トップルチナ2000A(奥野製薬工業(株)製)0.5ml/L
実施例2
表1〜表4に示す成分からなる熱可塑性樹脂成形体を用い、以下の工程により、メッキ樹脂成形を得た。メッキ層の密着性を表1〜表4に示す。
【0054】
▲1▼脱脂工程:試験片を、エースクリンA−220(奥野製薬工業(株)製)50g/L水溶液(液温40℃)に20分浸漬した。
【0055】
▲2▼酸による接触処理工程:2.0規定の塩酸100ml水溶液(液温40℃)中に5分間浸漬した。
【0056】
▲3▼触媒付与工程:35重量%塩酸150ml/Lと、キャタリストC(奥野製薬工業(株)製)40ml/L水溶液との混合水溶液(液温25℃)中に3分間浸漬した。以下、実施例1と同様にして、メッキ樹脂成形体を得た。
【0057】
実施例3
表1〜表4に示す成分からなる熱可塑性樹脂成形体を用い、以下の工程により、メッキ樹脂成形を得た。メッキ層の密着性を表1〜表4に示す。
【0058】
▲1▼脱脂工程:試験片を、エースクリンA−220(奥野製薬工業(株)製)50g/L水溶液(液温40℃)に20分浸漬した。
【0059】
▲2▼酸による接触処理工程:5規定の塩酸(液温40℃)中に5分間浸漬した。
【0060】
▲3▼触媒付与工程:35重量%塩酸150ml/Lと、キャタリストC(奥野製薬工業(株)製)40ml/L水溶液との混合水溶液(液温25℃)中に3分間浸漬した。以下、実施例1と同様にして、メッキ樹脂成形体を得た。
【0061】
比較例1
表1〜表4に示す成分からなる熱可塑性樹脂成形体を用い、以下の工程により、メッキ樹脂成形を得た。メッキ層の密着性を表1〜表4に示す。
【0062】
▲1▼脱脂工程:試験片を、エースクリンA−220(奥野製薬工業(株)製)50g/L水溶液(液温40℃)に20分浸漬した。
【0063】
▲2▼エッチング工程:無水クロム酸400g/L、98質量%硫酸200ml/Lの混合水溶液(液温40℃)に5分間浸漬した。
【0064】
▲3▼触媒付与工程:35重量%塩酸150ml/Lと、キャタリストC(奥野製薬工業(株)製)40ml/L水溶液との混合水溶液(液温25℃)中に3分間浸漬した。以下、実施例1と同様にして、メッキ樹脂成形体を得た。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
実施例1、2と比較例1との対比から、希塩酸による処理工程を設けることにより、メッキ層の密着強度が高められたことが確認された。また、希塩酸(1.0又は2.0規定)の処理工程を設けた実施例1、2と、濃塩酸(5.0規定)を用いた実施例3との対比から明らかなとおり、メッキ層の密着強度には差異が認められなかった。この結果から、希塩酸を用いた処理工程は、作業環境の改善、廃液処理の負担軽減等の点でも優れていることが確認された。
【0070】
更に、熱可塑性樹脂に対して、水溶性物質、界面活性剤、リン系化合物等を添加することにより、成形体とメッキ層との密着強度が向上されることが確認された。
【0071】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、熱可塑性樹脂成形体と金属メッキ層との密着強度が高く、外観も美しいメッキ樹脂成形体を得ることができる。特に本発明は、従来のメッキ法と比べると、クロム酸等の重金属を含む酸処理をせず、かつ緩和な条件の処理により、前記したメッキ樹脂成形体が得られる点で優れている。
Claims (14)
- 熱可塑性樹脂成形体の表面に金属メッキしてメッキ樹脂成形体を製造する方法であり、金属メッキ工程の前処理として、熱可塑性樹脂成形体を、重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程を含むメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂成形体を脱脂処理する工程、重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程、及びメッキ工程とを具備しており、重金属を含む酸によるエッチング工程を含まない請求項1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂成形体を脱脂処理する工程、重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程、触媒付与液で処理する工程、及びメッキ工程とを具備しており、重金属を含む酸によるエッチング工程を含まない請求項1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程における酸又は塩基の濃度が4規定未満である請求項1〜3のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程が、熱可塑性樹脂成形体を、重金属を含まない酸又は塩基中に浸漬する工程である請求項1〜4のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 重金属を含まない酸又は塩基で接触処理する工程が、熱可塑性樹脂成形体を、液温度10〜80℃の重金属を含まない酸又は塩基中に0.5〜20分間浸漬する工程である請求項1〜5のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 重金属を含まない酸が、塩酸、リン酸、硫酸及び有機酸から選ばれるものである請求項1〜6のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 重金属を含まない塩基が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物から選ばれるものである請求項1〜6のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂成形体が水溶性物質を含有するものである請求項1〜8のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂成形体が、更に界面活性剤及び/又は凝固剤を含有するものである請求項1〜9のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 界面活性剤が乳化重合に用いる乳化剤を含むものである請求項10記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂成形体が、更にリン系化合物を含有するものである請求項1〜11のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- メッキ樹脂成形体が、熱可塑性樹脂成形体と金属メッキ層との密着強度(JIS H8630)の最高値が10kPa以上のものである請求項1〜12のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
- メッキ樹脂成形体が自動車部品用途である請求項1〜13のいずれか1記載のメッキ樹脂成形体の製造方法。
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