JP2004002539A - ポリウレタン水分散体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶剤を全く使用しないポリウレタン水分散体の製造方法を提供すること。
【解決手段】親水性高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基含有ジオール及び鎖伸長剤をバルク状態で反応させて末端水酸基のポリウレタンを得、このポリウレタンを中和して水に分散させることを特徴とするポリウレタン水分散体の製造方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶剤を使用しない安全性に優れたポリウレタン水分散体の製造方法に関し、更に詳しくは、硬化剤と併用することで優れた接着性を有する水性接着剤の製造が可能なポリウレタン水分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のポリウレタンウレア(尿素)水性分散体は、プレポリマー合成時または水分散時に、例えば、トルエン、キシレン、スワゾ−ル、ソルベッソなどの芳香族系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤などの有機溶剤を使用して製造されている。一般的には揮発性の高い溶剤を選択してポリウレタンを合成し、これを溶剤相から水相へ転相させ、脱溶剤工程によって最終的に溶剤のほとんどは取り除かれて水分散体とされる。
【0003】
しかし、溶剤を完全に除去することは不可能であり、必ず微量の溶剤は残留する。したがって、ポリウレタン水分散体を接着剤などとして被着材などの表面等に塗工した場合、残留溶剤は乾燥時に水と一緒に揮発し、環境を汚染する。
ところで、有機溶剤を使用しないポリウレタン水分散体の製造方法が数多く提案されているが、殆どが溶剤に代わる可塑剤や不飽和単量体などを使用するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポリウレタンウレア水分散体(ディスパージョン)の合成法は、溶剤中で、最初に親水性基を導入した末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーを合成し、該基を中和して水中に分散させ、ポリアミンで鎖伸長するのが一般的である。イソシアネートは水ともポリアミンとも反応するが、その反応性の差をうまく利用して伸長反応を進めている。
【0005】
しかしながら、末端イソシアネートのプレポリマーは粘度が非常に高く、溶剤を使用しないバルク状態(固形分100重量%)では合成も水相への分散も困難なため、有機溶剤を使用して合成または分散可能な粘度まで下げる必要があった。使用した有機溶剤は、一般的には脱溶剤工程で除去されるが、完全な除去は不可能であり、必ず微量残留する。このため、全く有機溶剤等を使用しないポリウレタン水分散体が要望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記要望に応えるべく鋭意検討を重ね、原料グリコール成分の水酸基に着目し、これを水分散時に必要な親水性基の一部として利用することを着想した。そして、無溶剤下に合成した末端水酸基のポリウレタンは粘度が低く、ある程度の高分子量化が可能であり、このポリウレタンを水に分散させることにより、ポリアミンによる鎖伸長工程を省略してポリウレタン水分散体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明によれば、親水性高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基含有ジオール及び鎖伸長剤をバルク状態で反応させて末端水酸基のポリウレタンを得、このポリウレタンを中和して水に分散させることを特徴とするポリウレタン水分散体の製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のポリウレタン水分散体の製造方法では、まず、親水性高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とカルボン酸基及び/又はスルホン酸基含有ジオールと鎖伸長剤から末端水酸基のポリウレタン(以下ではプレポリマーと称することがある。)をバルク状態で(溶剤その他の有機液体を全く使用しないで)合成する。
【0009】
この時のNCO/OH比(当量比)は0.5〜1.0が望ましく、更には0.7〜0.95が望ましい。NCO/OH比が0.5未満ではポリウレタンの分子量が小さく、接着剤としての性能、すなわち初期タックや接着強度が不足する。1.0を超えるとプレポリマーの粘度が高すぎて合成および分散が困難であり、またプレポリマーは末端がイソシアネートとなり本発明の主旨から外れる。
【0010】
本発明で使用する親水性高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどに代表されるポリアルキレンエーテル鎖を有するポリオールが好ましいものとして挙げられる。より具体的には、低分子ポリオールやグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール類、シュークローズ、グルコース、フラクトースなどのシュガー系アルコール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミンなどの活性水素原子を2個以上有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、アミレンオキサイド、メチルグリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのアリールグリシジルエーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテルなどのモノマーの少なくとも1種を、公知の方法により付加重合することで得られるポリアルキレンエーテル鎖を有するポリオールである。なお、本発明の効果を損じない範囲でポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどの他の高分子ポリオールを併用することもできる。
【0011】
親水性高分子ポリオールの数平均分子量(GPCで測定)は、500〜10000が好ましく、さらに好ましくは1000〜5000である。数平均分子量が500未満では生成するポリウレタンは接着剤としては硬すぎて好ましくない。また、10000を超えると架橋点濃度が低くなり接着剤としての強度が得られない。
【0012】
本発明で使用する鎖伸長剤としては、一般的なグリコール類が好ましい。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどの脂環族グリコール;キシリレングリコールなどの芳香族グリコールなど公知のものが使用できる。
【0013】
本発明で使用するカルボン酸基及び/又はスルホン酸基含有ジオールとしては、炭素数が2〜6のジメチロールアルキル酸及びスルホン酸が好ましい。具体的には、ジメチロールエタン酸、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールヘプタン酸、ジメチロールヘキサン酸など、およびこれらの対応のスルホン酸が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。カルボン酸及び/又はスルホン酸含有ジオールの使用量は、プレポリマーの水中への分散を容易にするために、これらの親水性基の量が、プレポリマー100g当たり5mmol以上となる量であることが好ましい。但し、これらの親水性基は、ポリウレタン水分散体の親水性と疎水性のバランス、換言すれば安定性に寄与しており、多い程よいという訳ではない。好ましくは 100mmol以下である。
【0014】
本発明で使用するジイソシアネート化合物は、従来からポリウレタンの製造に用いられているものがいずれも使用でき、とくに限定されない。例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)ジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4′−ジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;
【0015】
2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオホスフェート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネートジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;MDI、TDI、HDI、XDI、IPDIなどを2価または3価の多価アルコールと反応させたアダクト体;HDIやIPDIなどのビュレット体;TDIなどのウレチジオン体;TDI、HDIやIPDIなどのイソシアヌレート体などが挙げられる。
【0016】
次いで、上記で得られるプレポリマーに中和剤を滴下してカルボン酸基及び/又はスルホン酸基を陰イオンに変えて親水性を高める。この時粘度上昇が起き、次の水分散工程が非常に困難になる場合がある。その場合には、温度を好ましくは60℃〜100℃未満、さらに好ましくは80℃〜100℃未満に保持しながら水を徐々に滴下する。粘度が高過ぎるときには60℃未満では均一な分散が困難である。なお、常圧で、100℃以上では水の沸点を超えるため発泡による混合不良や装置へのプレポリマーの焦げ付きなどが生じるので好ましくない。本発明では、ポリウレタン(プレポリマー)には末端にイソシアネート基がないため、水分散工程は比較的高温でも異常反応の心配がなく、従ってポリウレタンが水に均一に分散するまでゆっくり時間を掛けることができ、ポリウレタンウレアの水分散体製造時のように、末端イソシアネートプレポリマーを速やかに且つ均一に水と混合するといった相反する要求もなく、製造装置への制約も少ない。
【0017】
本発明で使用する中和剤としては、アンモニア、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノールなどの有機アミン類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが挙げられる。これらは、プレポリマー中のカルボン酸基及び/又はスルホン酸基の量に見合った量で使用される。
【0018】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中の部および%はとくに断りのない限り重量基準である。
【0019】
実施例1
加熱装置、かくはん機、温度計、冷却器、滴下装置の付いた反応缶にポリプロピレングリコール(PPG:数平均分子量2000)を226部、ジメチロールプロパン酸(DMPA)を9部、1,4−ブタンジオールを2部、TDIを30部入れ、撹拌しながら約1時間を掛けてゆっくり昇温する。これには、TDIの蒸気が反応缶壁に付着して汚染するのを防ぐ目的がある。この時のNCO/OH当量比は約0.85である。内温が90℃に達したら昇温をやめてその温度に保持し、触媒としてオクチル酸スズを0.04部入れてさらに2時間反応を続け合成工程を終了し、末端OH基のポリウレタンを得た。
次の分散工程では、水酸化リチウム一水和物2.75部を50部の水に溶かした中和剤を均一になるように上記のポリウレタンに徐々に滴下する。このとき水が添加されることで温度が低下するので80℃を下回らないように加熱装置で温度を調整する。中和剤の添加後、水280部を転相が起こるまでは均一にゆっくりと滴下、その後は徐々に速く滴下することにより自己乳化型ポリウレタン水分散体(固形分45%、粘度6400mPa・s)を得た。
【0020】
比較例1
加熱装置、かくはん機、温度計、冷却器、滴下装置の付いた反応缶に数平均分子量2000のPPGを174部、DMPAを9部、TDIを41部、アセトンを8部入れ、撹拌しながら昇温する。この時のNCO/OH当量比は約1.5である。内温が95℃に達したら昇温をやめてその温度に保持し、さらに3時間反応を続け、アセトン17部を加え合成工程を終了し、末端NCO基のウレタンプレポリマーを得た。次の分散工程では、上記の反応缶の温度を50℃以下に下げ、やや高速で撹拌しながら上記のプレポリマー溶液に水酸化リチウム一水和物2.75部を222部の水に溶かした中和剤を速やかに添加する。約5分後均一に混合された乳状物が得られたことを確認し、イソホロンジアミン(IPDA)13部を水111部に溶解した鎖伸長剤水溶液を速やかに添加して鎖伸長させ、自己乳化型ポリウレタン水分散体を得た。この分散体はアセトンを含有するので温度を60℃、約60mmHg(8MPa)の減圧下で1時間脱溶剤を行い、固形分42%、粘度300mPa・s、残留アセトン0.5%のポリウレタン水分散体を得た。
【0021】
比較例2
加熱装置、かくはん機、温度計、冷却器、滴下装置の付いた反応缶に数平均分子量2000のPPGを174部、DMPAを9部、TDIを41部、撹拌しながら昇温する。この時のNCO/OH当量比は約1.5である。内温が95℃に達したら昇温をやめてその温度に保持し、さら3時間反応を続け、プレポリマー工程を終了し、末端NCO基のプレポリマーを得た。プレポリマーの温度を80℃に保持し、やや高速で撹拌しながら水酸化リチウム一水和物2.75部を222部の水に溶かした中和剤を速やかに添加する。水酸化リチウム一水和物、水との反応でウレアが生成するため、約5分後に不均一な乳状物が得られる。さらに、IPDA13部を水111部に溶解した鎖伸長剤水溶液を速やかに添加しても既に水分散体とは呼べない程粗いスラリー状の生成物を得た。
【0022】
比較例3
加熱装置、かくはん機、温度計、冷却器、滴下装置の付いた反応缶に数平均分子量2000のPPGを226部、DMPAを9部、1,4−ブタンジオールを2部、TDIを30部入れ、撹拌しながら約1時間を掛けてゆっくり昇温する。この時のNCO/OH当量比は約0.85である。内温が90℃に達したら昇温をやめてその温度に保持し、触媒としてオクチル酸スズを0.04部を添加し、さらに2時間反応を続け合成工程を終了し、末端NCO基のプレポリマーを得た。次の分散工程ではプレポリマー温度を50℃に下げ、水酸化リチウム一水和物2.75部を50部の水に溶かした中和剤を徐々に滴下する。この時、プレポリマーは粘度が非常に高く、均一に混合するのが大変難しい。次に水280部を転相が起こるまではゆっくりと滴下、転相後は徐々に速く滴下することによりポリウレタン水分散体(固形分45%、粘度8100mPa・s)を得た。
【0023】
比較例4
加熱装置、かくはん機、温度計、冷却器、滴下装置の付いた反応缶に数平均分子量2000のPPGを226部、DMPAを9部、1,4−ブタンジオールを2部、TDIを14部入れ、撹拌しながら約1時間を掛けてゆっくり昇温する。この時のNCO/OH当量比は約0.4である。内温が90℃に達したら昇温をやめてその温度に保持し、触媒としてオクチル酸スズを0.04部を加えてさらに2時間反応を続け合成工程を終了し、末端OH基のプレポリマーを得た。次の分散工程で、上記プレポリマーに水酸化リチウム一水和物2.75部を50部の水に溶かした中和剤を均一になるように徐々に滴下する。このとき水が添加されることで温度が低下するので80℃を下回らないように加熱装置で温度を調整する。次に水280部を転相が起こるまでは均一にゆっくりと滴下し、転相後は徐々に速く滴下することによりポリウレタン水分散体(固形分43.5%、粘度150mPa・s)を得た。
【0024】
実施例および比較例のポリウレタンウレアおよびポリウレタン水分散体について評価した。
(1)水分散体の分散状態は、得られた各プレポリマーを自己乳化または転相によって水分散体とした時の状態で評価した。
○:均一な安定した水分散体。
△:粒径の粗いものを含む不均一な水分散体。
×:不安定でプレポリマーが分離した水分散体。
(2)水分散体の貯蔵安定性は、水分散体を100mlのガラスびん入れ、40℃の雰囲気に1週間放置した時の分離状態により評価した。
○:上層に分離した水の層が観察されない。
×:上層に分離した水の層が観察される。
【0025】
(3)残留アセトン量はガスクロマトグラフで定量した。
(4)接着性能はポリウレタン水分散体の固形分100部にイソシアネート系架橋剤(大日精化工業社製ノンソルボンドC−24)5部を混合して作製した接着剤を用い、被着体のOPPに塗布し、ドライヤーで乾燥した後、ニップロールでCPPと貼り合わせた。エージング用恒温に入れ、40℃で24時間放置後、剥離強度を測定した。
○:0.98N/15mm以上
×:0.98N/15mm未満
以上の評価結果を表1に示す。
【0026】
Figure 2004002539
【0027】
比較例1の水分散体は、ガスクロマトグラフで分析した結果、アセトンを約0.5%含有していた。
比較例2の水分散体は、末端イソシアネートのプレポリマーを高温で分散したためイソシアネートが水と反応してウレアが生成し、また発泡により不均一な分散状態となった。このものは時間と共に樹脂が沈降し層状に分離した。また、被着材に塗布乾燥後の表面は非常に凸凹して粗く、また初期粘着性が少なく接着剤としての性能が不十分である。
比較例3の水分散体では、分散時の温度が低く均一な分散が難しく、一見して不均一な分散状態であり、時間と共に樹脂の一部が沈降した。
比較例4の水分散体は、プレポリマー合成時のNCO/OH当量比が低いことからプレポリマーの粘度が低く、合成工程も分散工程も極めて容易であった。しかし、接着剤としてはあまりにプレポリマーの分子量が小さいため、通常の使用条件では接着性能が得られない。
【0028】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、溶剤を全く使用しないで、製造時および貯蔵時も安定で、均一な、水性接着剤として有用なポリウレタン水分散体の製造が可能である。

Claims (3)

  1. 親水性高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基含有ジオール及び鎖伸長剤をバルク状態で反応させて末端水酸基のポリウレタンを得、このポリウレタンを中和して水に分散させることを特徴とするポリウレタン水分散体の製造方法。
  2. 末端水酸基のポリウレタンの中和及び水への分散を60℃〜100℃未満で行う請求項1に記載のポリウレタン水分散体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法で得られるポリウレタン水分散体。
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