JP2004002330A - フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 - Google Patents

フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 Download PDF

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Abstract

【課題】地肌及び画像の保存性に優れ、特に地肌の耐熱性及び画像の耐光性に優れた記録材料を提供する。
【解決手段】式(I)
Figure 2004002330

[式中、Xは単結合又はNHを表し、Yは下記式
Figure 2004002330

(式中、Rは水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基等を表し、pは0〜5の整数を表し、pが2以上のとき、Rは同じであっても相異なっていてもよい。)又は下記式
Figure 2004002330

(式中、Xは前記と同じ意味を表し、ZはC1〜C6アルキレン基等を表す。)を表す。]で表されるフェノール性化合物及びそれらの化合物のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする記録材料により解決できる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なフェノール性化合物及びそれを含有した保存安定性に優れた記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。これらの記録材料は、速やかに発色し、未発色部分(以下「地肌」という)の白度が保持され、かつ、発色した画像の堅牢性の高いもの、特に、長期保存安定性の面から、画像の耐光性に優れた記録材料が求められている。
【0003】
従来、画像の耐光性に優れた顕色剤として、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンが知られているが、未だ不十分であった。一方、この欠点を改善する方法として、特開平8−290661号公報、特開平10−264531号公報等には、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと特定の染料、助剤との組み合わせることで、画像の耐光性が優れる旨が記載されている。また、特開平7−25141号公報、特開平7−149046号公報、特開平7−314894号公報等には、酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加して耐光性を改善することが記載されている。しかしながら、これらの方法では、製造コストの上昇を招いたり、製造工程が多工程となり、操作が煩雑となる等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、地肌及び画像の保存性に優れ、特に地肌の耐熱性及び画像の耐光性に優れた記録材料を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は式(I)
【0006】
【化11】
Figure 2004002330
【0007】
[式中、Xは単結合又はNHを表し、
Yは下記式
【0008】
【化12】
Figure 2004002330
(式中、Rは水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、ウレイド基、C1〜C6アルキルウレイド基、ジC1〜C6アルキルウレイド基、トリC1〜C6アルキルウレイド基、置換されていてもよいフェニルウレイド基を表し、
pは0〜5の整数を表し、pが2以上のとき、Rは同じであっても相異なっていてもよい。)又は下記式
【0009】
【化13】
Figure 2004002330
(式中、Xは前記と同じ意味を表し、
ZはC1〜C6アルキレン基、下記式
【0010】
【化14】
Figure 2004002330
(式中、Rはニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニル基を表し、
qは0〜4の整数を表し、qが2以上のとき、Rは同じであっても相異なっていてもよい。)又は下記式
【0011】
【化15】
Figure 2004002330
を表す。)を表す。]で表されるフェノール性化合物及びそれらの化合物のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする記録材料である。
【0012】
式(I)中、Rとしては、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等のC1〜C6アルコキシカルボニル基;ウレイド基;N−メチルウレイド基、N’−メチルウレイド基、N−エチルウレイド基、N’−エチルウレイド基、N−プロピルウレイド基、N’−プロピルウレイド基、N−イソプロピルウレイド基、N’−イソプロピルウレイド基等のC1〜C6アルキルウレイド基;N’,N’−ジメチルウレイド基、N,N’−ジメチルウレイド基、N’,N’−ジエチルウレイド基、N,N’−ジエチルウレイド基、N−メチル−N’−エチルウレイド基、N−エチル−N’−メチルウレイド基、N’,N’−メチルエチルウレイド基等のジC1〜C6アルキルウレイド基;N,N’,N’−トリメチルウレイド基、N,N’,N’−トリエチルウレイド基、N−メチル−N’,N’−ジエチルウレイド基等のトリC1〜C6アルキルウレイド基;N−フェニルウレイド基、N’−フェニルウレイド基、N’,N’−ジフェニルウレイド基、N,N’−ジフェニルウレイド基、N,N’,N’−トリフェニルウレイド基、N−メチル−N’−フェニルウレイド基、N−メチル−N’,N’−ジフェニルウレイド基、N−フェニル−N’−メチルウレイド基、N−フェニル−N’,N’−ジメチルウレイド基等のフェニルウレイド基が挙げられ、これらのフェニルウレイド基のフェニル基はさらに置換基を有していてもよく、このような置換基としては、水素原子;水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6のアルコキシ基を挙げることができる。
【0013】
ZとしてのC1〜C6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等のC1〜C6アルキレン基を挙げることができる。
【0014】
としては、ニトロ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等のC1〜C6アルコキシカルボニル基を挙げることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する式(I)で表される化合物のうち式(II)
【0016】
【化16】
Figure 2004002330
[式中、R、pは上記と同じ意味を表す。]で表される化合物は、式(III)
【0017】
【化17】
Figure 2004002330
で表される化合物と式(IV)
【0018】
【化18】
Figure 2004002330
[式中、R、pは上記と同じ意味を表す。]で表される化合物とをジメトキシエタン等の有機溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。
【0019】
本発明で使用する式(I)で表される化合物のうち式(V)
【0020】
【化19】
Figure 2004002330
[式中、R、pは上記と同じ意味を表す。]で表される化合物は、式(III)で表される化合物と式(VI)
【0021】
【化20】
Figure 2004002330
[式中、R、pは上記と同じ意味を表す。]で表される化合物とをトルエン等の有機溶媒中で反応させることにより得ることができる。
【0022】
本発明で使用する式(I)で表される化合物のうち式(VII)
【0023】
【化21】
Figure 2004002330
[式中、Zは上記と同じ意味を表す。]で表される化合物は、式(VIII)
【0024】
【化22】
Figure 2004002330
[式中、Zは上記と同じ意味を表す。]で表される化合物と2倍量の式(III)で表される化合物とをジメトキシエタン等の有機溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。
【0025】
本発明で使用する式(I)で表される化合物のうち式(IX)
【0026】
【化23】
Figure 2004002330
[式中、Zは上記と同じ意味を表す。]で表される化合物は、式(X)
【0027】
【化24】
Figure 2004002330
[式中、Zは上記と同じ意味を表す。]で表される化合物と2倍量の式(III)で表される化合物とをトルエン等の有機溶媒中で反応させることにより得ることができる。
【0028】
このようにして合成することができる化合物を第1表及び第2表に示した。
【0029】
【表101】
Figure 2004002330
【0030】
【表102】
Figure 2004002330
【0031】
【表201】
Figure 2004002330
【0032】
【表202】
Figure 2004002330
【0033】
本発明は、発色性染料を使用する記録材料ならばどの様な用途にも使用でき、例えば、感熱記録材料又は感圧複写材料等に利用することができる。
【0034】
本発明を感熱記録紙に使用する場合には、既知の画像保存安定剤、顕色剤の使用方法と同様に行えばよく、例えば、本発明の化合物の微粒子及び発色性染料の微粒子のそれぞれをポリビニルアルコールやセルロース等の水溶性結合剤の水溶液中に分散された懸濁液を混合して紙等の支持体に塗布して乾燥することにより製造できる。
【0035】
発色性染料に対する式(I)で表される化合物の使用割合は、発色性染料1重量部に対して、式(I)で表される化合物が1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部である。
【0036】
本発明の記録材料の中には、発色性染料並びに、式(I)で表される化合物以外に公知の顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じ1種又は2種以上含有させることができる。
【0037】
これらの薬剤は、発色層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合には、例えば、保護層等任意の層中に含有せしめてもよい。特に、発色層の上部及び/又は下部にオーバーコート層やアンダーコート層を設けた場合、これらの層には酸化防止剤、光安定剤等を含有することができる。さらに、酸化防止剤、光安定剤は必要に応じマイクロカプセルに内包するかたちで、これらの層に含有させることができる。
【0038】
本発明の記録材料に使用される発色性染料としては、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、酸性物質である顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば使用できる。また、これらの発色性染料は単独で使用し、その発色する色の記録材料を製造することは勿論であるが、それらの2種以上を混合使用することができる。例えば、赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料又は黒発色染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0039】
フルオラン系の発色性染料としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アラリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アラリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(N,N′−ジベンジルアミノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン等が挙げられる。
【0040】
また、近赤外吸収染料としては、3−[4−[4−(4−アニリノ)−アニリノ]アニリノ]−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6,6′−トリス(ジメチルアミノ)スピロ(フルオレン−9,3′−フタリド)等が挙げられる。
【0041】
その他、3,3−ビス(4′−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド等も挙げられる。
【0042】
前記の顕色剤としては、ビスフェノールA、4,4′−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物;4,4′−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルチオエーテル等の含硫黄ビスフェノール化合物;
【0043】
4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類;安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−[2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ]サリチル酸等のサリチル酸類;サリチル酸亜鉛、ビス[4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸]亜鉛等のサリチル酸金属塩;
【0044】
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン等のヒドロキシスルホン類;N−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−エチルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−メトキシベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−クロルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−フェニルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−アリルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−ベンジルベンゼンスルホンアミド等のベンゼンスルホンアミド類;
【0045】
4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類;2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類;トリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類;4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のスルホニルウレア類;ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、テトラシアノキノジメタン類、2,4−ジヒドロキシ−2′−メトキシベンズアニリド、又は式(XI)、
【0046】
【化25】
Figure 2004002330
で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物若しくはそれらの混合物等を挙げることができる。
【0047】
画像安定剤としては、例えば、4−ベンジルオキシ−4′−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4′−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン等のエポキシ基含有ジフェニルスルホン類;1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−[α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ]−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)フォスフェイトの金属塩、その他水不溶性の亜鉛化合物等を挙げることができる。
【0048】
増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド類;ステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等の高級脂肪酸アニリド類;ベンズアミド、ベンジルアミド等のアミド類;アセト酢酸アニリド、4−アセトトルイジド、サリチルアニリド、4−ヒドロキシベンズアニリド、チオアセトアニリド等のアニリド類;シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジベンジル、ビス(t−ブチルフェノール)類;
【0049】
ジフェニルスルホン及びその誘導体;4,4′−ジメトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジエトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等の4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;2,4′−ジメトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジエトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジブトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジイソブトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等の2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;
【0050】
1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4′−ジメチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4′−メチルジフェニルメタン、炭酸ジフェニル等を挙げることができる。
【0051】
填料としては、例えば、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメント等が使用できる。特に本発明の記録材料ではアルカリ土類金属の塩が好ましい。さらに炭酸塩が好ましく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好適である。填料の使用割合は、発色染料1重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。また、上記その他の填料を混合して使用することも可能である。
【0052】
分散剤としては、例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を挙げることができる。
【0053】
酸化防止剤としては、例えば、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノール等を挙げることができる。
【0054】
減感剤としては、例えば、脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
【0055】
粘着防止剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を挙げることができる。
【0056】
光安定剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
【0057】
2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−トリデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−テトラデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ペンタデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ヘキサデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1′−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールとメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;
【0058】
2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−t−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル等のヒンダードアミン系紫外線吸収剤;1,8−ジヒドロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレン等を挙げることができる。
【0059】
蛍光染料としては、例えば、4,4′−ビス[2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4−[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]−4′−[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、
【0060】
4,4′−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4′−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩等を挙げることができる。
【0061】
本発明の化合物を感圧複写紙に使用するには既知の画像保存安定剤、顕色剤あるいは増感剤を使用する場合と同様にして製造できる。例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散し、紙に塗布して発色剤シートを作成する。また、顕色剤の分散液を紙に塗布して顕色剤シートを作製する。その際、本発明の化合物を画像保存安定剤として使用する場合には発色剤シートあるいは顕色剤シートのいずれの分散液中に分散して使用してもよい。このようにして作成された両シートを組合せて感圧複写紙が作成される。感圧複写紙としては、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルを下面に塗布担持している上用紙と顕色剤(酸性物質)を上面に塗布担持している下用紙とからなるユニットでも、あるいはマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されているいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。
【0062】
その際使用する顕色剤又は本発明化合物と混合して使用する顕色剤としては、従来既知のものが用いられ、例えば酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質;蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩;p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤及びこれらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等を挙げることができる。
【0063】
本発明で使用する支持体は従来公知の紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発砲プラスチックフィルム、不織布、古紙パルプ等の再生紙等を使用することができる。またこれらを組み合わせたものを支持体として使用することもできる。
【0064】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明化合物を更に詳細に説明する。なお、以下に示す部は重量基準である。
【0065】
実施例1
S−(4−ヒドロキシ)フェニルフェニルチオカーバメート(化合物No.1)の合成
攪拌機、温度計を備えた100mlの4口フラスコに4−メルカプトフェノール2.52g(20mmol)、トリエチルアミン0.1gとトルエン50mlを常温で添加した。この溶液中の内温を10℃まで冷却し、フェニルイソシアネート2.38g(20mmol)を添加し、常温で3時間攪拌した。反応終了後、析出した結晶を濾別してS−(4−ヒドロキシ)フェニルフェニルチオカーバメート4.4gを得た。収率は90%、融点は167−171℃であった。
【0066】
実施例2
S,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン−2,4−ジチオカーバメート(化合物No.40)の合成
攪拌機、温度計を備えた100mlの4口フラスコに4−メルカプトフェノール2.52g(20mmol)、トリエチルアミン0.1gとトルエン50mlを常温で添加した。この溶液中の内温を10℃まで冷却し、2,4−トルエンジイソシアネート1.74g(10mmol)を添加し、常温で3時間攪拌した。反応終了後、析出した結晶を濾別してS,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン−2,4−ジチオカーバメート3.2gを得た。収率は75%、融点は177−180℃であった。
【0067】
実施例3
ジチオコハク酸 S,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル(化合物No.50)の合成
攪拌機、温度計を備えた200mlの4口スラスコに4−メルカプトフェノール5.04g(40mmol)、ピリジン3.48g(44mmol)とジメトキシエタン100mlを常温で添加した。この溶液中の内温を10℃まで冷却し、コハク酸クロリド3.1g(20mmol)を添加し、常温で3時間攪拌した。反応終了後、水を加え、析出した結晶を濾別してジチオコハク酸 S,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル5.8gを得た。収率は87%、融点は226−229℃であった。
【0068】
実施例4
ジチオイソフタル酸 S,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル(化合物No.53)の合成
実施例3でコハク酸クロリドの代わりにイソフタル酸クロリドを用いた以外は実施例3と同様に反応を行い、ジチオイソフタル酸 S,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルを得た。融点は218−221℃であった。
【0069】
実施例5
染料分散液(A液)
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液               84部
顕色剤分散液(B液)
S−(4−ヒドロキシ)フェニルフェニルチオカーバメート       16部
ポリビニルアルコール10%水溶液               84部
填料分散液(C液)
炭酸カルシウム                      27.8部
ポリビニルアルコール10%水溶液             26.2部
水                              71部
塗布液は、A〜C液の各組成の混合物をそれぞれサンドグラインダーで充分に魔砕して、A〜C液の各成分の分散液を調製し、A液1重量部、B液2重量部、C液4重量部を混合して調製した。この塗布液をワイヤーロッド(No.12)を使用して白色紙に塗布・乾燥した後、カレンダー掛け処理をして、感熱記録紙を作成した(塗布量は乾燥重量で約5.5g/m)。
【0070】
実施例6
顕色剤としてS−(4−ヒドロキシ)フェニルフェニルチオカーバメートの代わりにS,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン−2,4−ジチオカーバメートを用いた以外は実施例5と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0071】
実施例7
顕色剤としてS−(4−ヒドロキシ)フェニルフェニルチオカーバメートの代わりにジチオコハク酸 S,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルを用いた以外は実施例5と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0072】
実施例8
顕色剤としてS−(4−ヒドロキシ)フェニルフェニルチオカーバメートの代わりにジチオイソフタル酸 S,S−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルを用いた以外は実施例5と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0073】
比較例1
顕色剤としてS−(4−ヒドロキシ)フェニルフェニルチオカーバメートの代わりに2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた以外は実施例5と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0074】
試験例1(地肌耐湿熱性試験)
実施例5〜8及び比較例1で作成した感熱記録紙の一部を切り取り、これをそれぞれ試験紙とした。各試験紙を恒温恒湿槽で24時間保持した後の地肌の光学濃度を、マクベス反射濃度計(商品番号:RD−514、使用フィルター:#106、マクベス社製)で測定した。その測定結果を第3表に示す。
【0075】
試験例2(地肌耐熱性試験)
実施例5〜8及び比較例1で作成した感熱記録紙の一部を切り取り、これをそれぞれ試験紙とした。各試験紙に、恒温槽(タイプDK−400、YAMATO製)中、100℃で24時間後の地肌濃度を測定した。その測定結果を第3表に示す。
【0076】
試験例3(画像耐光性試験)
実施例5〜8及び比較例1で作成した感熱記録紙の一部を切り取り、これをそれぞれ試験紙とした。各試験紙について、感熱紙発色装置(商品名:TH−PMD型、大倉電気(株)製)を使用し、飽和発色させた。次いで、各試験紙に、耐光性試験機(商品名:紫外線ロングライフフェードメーターFAL−5型、スガ試験機(株)製)を使用して、波長380nmの紫外線の照射48時間後の各試験紙の画像濃度を測定した。その測定結果を第4表に示す。
【0077】
試験例4(画像耐可塑剤性試験)
実施例5〜8及び比較例1で作成した感熱記録紙の一部を切り取り、これをそれぞれ試験紙とした。各試験紙について、感熱紙発色装置(商品名:TH−PMD型、大倉電気(株)製)を使用し、飽和発色させた。その発色面に信越ポリマー製塩ビラップ(ポリマラップ300)を密着させた。40℃環境下で16時間後の印字濃度をマクベス濃度計RD−918で測定した。その測定結果を第4表に示す。
画像残存率(%)=(CI/CI)×100
CI:試験前の印字濃度
CI:t日後の印字濃度
【0078】
【表301】
Figure 2004002330
【0079】
【表401】
Figure 2004002330
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、新規なフェノール性化合物及びそれを用いた地肌及び画像の保存性に優れた、特に地肌の耐熱性及び画像の耐光性に優れた記録材料が提供できる。

Claims (2)

  1. 式(I)
    Figure 2004002330
    [式中、Xは単結合又はNHを表し、
    Yは下記式
    Figure 2004002330
    (式中、Rは水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、ウレイド基、C1〜C6アルキルウレイド基、ジC1〜C6アルキルウレイド基、トリC1〜C6アルキルウレイド基、置換されていてもよいフェニルウレイド基を表し、
    pは0〜5の整数を表し、pが2以上のとき、Rは同じであっても相異なっていてもよい。)又は下記式
    Figure 2004002330
    (式中、Xは前記と同じ意味を表し、
    ZはC1〜C6アルキレン基、下記式
    Figure 2004002330
    (式中、Rはニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニル基を表し、
    qは0〜4の整数を表し、qが2以上のとき、Rは同じであっても相異なっていてもよい。)又は下記式
    Figure 2004002330
    を表す。)を表す。]で表されるフェノール性化合物。
  2. 発色性染料を含有する記録材料において、式(I)
    Figure 2004002330
    [式中、Xは単結合又はNHを表し、
    Yは下記式
    Figure 2004002330
    (式中、Rは水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、ウレイド基、C1〜C6アルキルウレイド基、ジC1〜C6アルキルウレイド基、トリC1〜C6アルキルウレイド基、置換されていてもよいフェニルウレイド基を表し、
    pは0〜5の整数を表し、pが2以上のとき、Rは同じであっても相異なっていてもよい。)又は下記式
    Figure 2004002330
    (式中、Xは前記と同じ意味を表し、
    ZはC1〜C6アルキレン基、下記式
    Figure 2004002330
    (式中、Rはニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルコキシカルボニル基を表し、
    qは0〜4の整数を表し、qが2以上のとき、Rは同じであっても相異なっていてもよい。)又は下記式
    Figure 2004002330
    を表す。)を表す。]で表されるフェノール性化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする記録材料。
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