JP4252245B2 - ビスフェノール化合物及びそれを用いた記録材料 - Google Patents
ビスフェノール化合物及びそれを用いた記録材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4252245B2 JP4252245B2 JP2002036390A JP2002036390A JP4252245B2 JP 4252245 B2 JP4252245 B2 JP 4252245B2 JP 2002036390 A JP2002036390 A JP 2002036390A JP 2002036390 A JP2002036390 A JP 2002036390A JP 4252245 B2 JP4252245 B2 JP 4252245B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- acid
- hydroxy
- bis
- recording material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なビスフェノール化合物及び該化合物を含有することを特徴とする記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。これらの記録材料は、速やかに発色し、未発色部分(以下「地肌」という)の白度が保持され、かつ、発色した画像の堅牢性の高いもの、特に、長期保存安定性の面から、画像の耐光性、耐可塑剤性等の種々の画像保存性の要因に優れた記録材料が求められている。
【0003】
従来の画像保存性を改善した記録材料の報告例としては、例えば、次のものが知られている。
(1)特開平10−29969号公報には、架橋型ジフェニルスルホンを使用することによりにより、記録材料の耐可塑剤性、耐油性が改善された旨が記載されている。
(2)特開平8−290661号公報、特開平10−264531号公報等には、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンと特定の染料、助剤との組み合わせからなる記録材料が、画像の耐光性に優れる旨が記載されている。
(3)特開平7−172068号公報、特開平6−048048号公報には、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンと特定の染料、増感剤、助剤との組み合わせが画像の耐光性の改善に有効であることが記載されている。
(4)また、特開平7−25141号公報、特開平7−149046号公報、特開平7−314894号公報等には、酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加して耐光性を改善することが記載されている。
しかしながら、これらの記録材料は、耐光性、耐可塑剤性等のすべての画像保存性の要因を改善するものではなかった。
【0004】
一方、耐光性、耐可塑剤性等の画像保存性に優れた記録材料を得る方法としては、顕色剤に酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加する方法や、記録材料層の上にオーバーコート層を形成する方法も考えられるが、製造コストの上昇を招いたり、製造工程が多工程となり、操作が煩雑となる等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、顕色剤として有用な新規ビスフェノール化合物、及び発色感度、画像の耐光性、耐可塑剤性等の種々の画像保存性の要因に優れた記録材料を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は第1に、一般式[I]
【0007】
【化4】
【0008】
〔式中、R1は、水酸基、C1〜C6アルキル基又はC1〜C6アルコキシ基を表し、a及びbは、それぞれ独立して0、1又は2を表し、R4は、水素原子又はC1〜C6アルキル基を表し、A及びBは、それぞれ独立して、下記式
【0009】
【化5】
【0010】
(式中、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子又はC1〜C6アルキル基を表す。)で表される繰り返し単位が2〜10結合してなるアルキレン基を表す。ただし、前記繰り返し単位は、同一でも、相異なっていてもよい。
Zは、C1〜C6アルキレン基又は下記式
【0011】
【化6】
【0012】
(式中、*は結合位置を表す。)で表される2価の有機基のいずれか1種を表す。〕で表されるビスフェノール化合物を提供する。
【0013】
本発明は第2に、発色性染料の少なくとも1種及び前記一般式[I]で表されるビスフェノール化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする記録材料を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の第1は、一般式[I]で表されるビスフェノール化合物である。一般式[I]で表されるビスフェノール化合物は、発色性染料を含有する記録材料の顕色剤として用いることができる。
【0015】
一般式[I]中、R1は、水酸基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のC1〜C6アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等のC1〜C6アルコキシ基を表す。
【0016】
a及びbは、それぞれ独立して0、1又は2を表す。
R4は、水素原子;又はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のC1〜C6アルキル基を表す。
【0017】
Zは、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のC1〜C6アルキレン基;又は下記式で表される2価の有機基のいずれか1種を表す。
【0018】
【化7】
【0019】
(式中、*は結合位置を表す。)
A及びBは、それぞれ独立して、下記式
【0020】
【化8】
【0021】
で表される繰り返し単位が2〜10結合してなるアルキレン基を表す。
ここで、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子;又は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、n−ヘキシル基等のC1〜C6アルキル基を表す。
【0022】
また、前記アルキレン基を構成する繰り返し単位は、それぞれ同一でも、相異なっていてもよい。
A及びBで表されるアルキレン基の具体例を第1表に示す。なお、表中、*は結合位置を表し、略号はそれぞれ下記の意味を表す。
Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:プロピル基、n:ノルマル、i:イソ
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
また、本発明の一般式[I]で表される化合物の具体例を第2表に示す。
なお、第2表中のA、Bは、前記第1表に例示した基のいずれかを表す。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【表10】
【0034】
【表11】
【0035】
【表12】
【0036】
【表13】
【0037】
一般式[I]で表される化合物は、次のようにして製造することができる。
1)一般式[I]で表される化合物のうちbが0の化合物は、一般式[II]
【0038】
【化9】
【0039】
(式中、R1及びaは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物と、一般式[III]
【0040】
【化10】
【0041】
(式中、R4、A、B及びZは前記と同じ意味を表し、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表す。)で表される化合物とを、有機溶媒中、塩基の存在下に反応させることにより得ることができる。
【0042】
この反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン炭化水素類;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられる。これらの有機溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。有機溶媒の使用量は、一般式[II]で表される化合物1重量部に対して、通常1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲である。
【0043】
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウム t−ブトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等の金属アルコキシド類;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデ−7−エン(DBU)等の有機塩基等を使用することできる。これらの塩基は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
塩基の使用量は、一般式[II]で表される化合物1モルに対して、通常1〜3モルの範囲である。反応は、通常−50℃〜用いられる溶媒の沸点の温度範囲で円滑に進行し、数分〜数時間で終了する。
【0044】
2)一般式[I]中、bが1又は2の化合物は、上記方法で得られた化合物を、適当な溶媒中で、過酸化水素、過酢酸、m−クロロ過安息香酸等の酸化剤で酸化することにより得ることができる。
原料となる前記一般式[III]で表される化合物は、例えば、一般式[IV]
【0045】
【化11】
【0046】
(R4、Zは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物に、▲1▼酸ハライド((下記式(i))若しくは酸無水物(下記式(ii))を塩基の存在下で反応させる方法、▲2▼カルボン酸(下記式(iii))と脱水剤の存在下に脱水縮合させる方法又は▲3▼エステル(下記式(iv))と反応させる方法等により得ることができる。
【0047】
【化12】
【0048】
(式中、Xは前記と同じ意味を表し、Yは塩素、臭素等のハロゲン原子を表し、Qは前記A又はBを表し、rはメチル、エチル基等のアルキル基を表す。)
【0049】
本発明の記録材料は、発色性染料の少なくとも1種及び前記一般式[I]で表されるビスフェノール化合物のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする。本発明に用いられる発色性染料としては、顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば特に制限はない。例えば、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料等を挙げることができる。これらの中でも、フルオラン系、フタリド系の発色性染料が好ましく使用される。
【0050】
フルオラン系の発色性染料としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(N,N’−ジベンジルアミノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン等が挙げられる。
【0051】
また、フタリド系の発色性染料としては、3−{4−[4−(4−アニリノ)−アニリノ]アニリノ}−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ(フルオレン−9,3’−フタリド)、3,3−ビス(4’−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド等が挙げられる。
【0052】
これらの発色性染料は1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。例えば、赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料又は黒発色性染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。一般式[I]表される化合物の配合量は、発色性染料1重量部対して、通常1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部の範囲である。
【0053】
本発明の記録材料には、さらに公知の顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じて含有させることができる。
【0054】
顕色剤としては、感熱記録材料用のものと、感圧記録材料用のものが挙げられるが、前者としては、例えば、ビスフェノールA、4,4’−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルチオエーテル等の含硫黄ビスフェノール化合物;
【0055】
4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類;安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−[2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ]サリチル酸等のサリチル酸類;サリチル酸亜鉛、ビス[4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸]亜鉛等のサリチル酸金属塩;
【0056】
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン等のヒドロキシスルホン類;4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類;2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類;トリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のスルホニルウレア類;ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド、テトラシアノキノジメタン類、及び下記式
【0057】
【化13】
【0058】
(式中、nは、0又は1〜6の整数を表す。)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物等を用いることができる。
【0059】
また、感圧記録材料用の顕色剤としては、例えば、酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質;シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸;これら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩;p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤;これらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等が使用できる。
【0060】
画像保存安定剤としては、例えば、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン等のエポキシ基含有ジフェニルスルホン類;1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−[α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ]−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)フォスフェイトの金属塩、その他水不溶性の亜鉛化合物等が挙げられる。
【0061】
増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;ベンズアミド、ステアリン酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド等のアニリド類;シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジベンジル、ビス(t−ブチルフェノール)類;ジフェニルスルホン及びその誘導体;4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等の4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;2,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;
【0062】
1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4’−メチルジフェニルメタン、炭酸ジフェニル等を挙げることができる。これらの中でも、好ましくは、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル等のエーテル類;m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)等の芳香族炭化水素類;ジフェニルスルホン、ジフェニルスルホンの誘導体;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類及び2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類等が挙げられる。
【0063】
填料としては、例えば、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメント等が挙げられる。
分散剤としては、例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等が挙げられる。
【0064】
酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノール等が挙げられる。
【0065】
減感剤としては、脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を、粘着防止剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等をそれぞれ例示することができる。
【0066】
光安定剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3'',4'',5'',6''−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
【0067】
2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−トリデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−テトラデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ペンタデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヘキサデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2''−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、
【0068】
2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1''−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノール、ポリエチレングリコールとメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;
【0069】
2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−t−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル等のヒンダードアミン系紫外線吸収剤;1,8−ジヒドロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレン;等を用いることができる。
【0070】
また、蛍光増白剤としては、例えば、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4−[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]−4’−[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、
【0071】
4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩等を用いることができる。
【0072】
上述した顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等は、それぞれ1種単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。それぞれの配合量は、発色性染料1重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0073】
本発明の記録材料は、発色性染料と一般式[I]で表される化合物の所定量を、所望により他の成分を添加、混合することによって製造することができる。各成分を混合する方法としては、分散媒を用いないで混合する方法又は分散媒を用いて混合する方法が挙げられる。
【0074】
分散媒を用いないで混合する方法としては、例えば、粉体同士で混合する方法、各成分を溶融させて混合する溶融混合法等が挙げられる。また、分散媒を用いて混合する方法としては、例えば、各成分をポリビニルアルコールやセルロース等の分散媒に添加して分散させることにより分散液をそれぞれ調製した後、それぞれの分散液を混合する方法等が挙げられる。これらの中でも、より均一に混合できる観点から、各成分を含有する分散液をそれぞれ調製した後、分散液を混合する方法が好ましい。
【0075】
本発明の記録材料は、記録材料として用いるのであればその用途に特に制限はない。例えば、感熱記録材料、感圧複写材料等に利用することができる。本発明の記録材料を感熱記録紙に使用する場合には、既知の画像保存安定剤、顕色剤の使用方法と同様に行えばよい。例えば、本発明のビスフェノール化合物の微粒子及び発色性染料の微粒子のそれぞれをポリビニルアルコールやセルロース等の水溶性結合剤の水溶液中に分散させた懸濁液を調製し、かかる懸濁液を混合したものを紙等の支持体に塗布して乾燥することにより製造することができる。
【0076】
また、感圧複写紙は、例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散させ発色性染料分散液を調製し、該分散液を第1の紙基材シート上に塗布して発色性染料シートを作成し、一方、顕色剤の分散液を第2の紙基材シートに塗布して顕色剤シートを作成し、得られた両シートを組合せて感圧複写紙を製造することができる。その際、本発明の記録材料を発色性染料分散液若しくは顕色剤の分散液のいずれか又は両方の分散液中に分散させる。
【0077】
感圧複写紙は、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルが下面に塗布担持されてなる上用紙と、顕色剤(酸性物質)が上面に塗布担持されてなる下用紙とからなるユニットからなっていてもよく、あるいは、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されてなるいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。顕色剤としては、前記感圧記録材料用の顕色剤として用いることができるものとして列記したものと同様なものが挙げられる。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1 4,4’−ビス[3−(4−ヒドロキシフェニルチオ)プロピオンアミド]ジフェニルスルホンの合成
撹拌機及び温度計を備えた400mlの4口フラスコに、4−メルカプトフェノール4.40g(34.9mmol)、水酸化カリウム2.30g(34.9mmol)及びメタノール100mlを常温で添加した。水酸化カリウムの溶解を確認後、10℃まで冷却し、4,4’−[ビス(3−クロロプロピオンアミド)]ジフェニルスルホン7.50g(17.5mmol)を添加し、常温で24時間撹拌した。反応終了後、メタノールを減圧留去し、塩酸で中和して析出結晶をろ取した。得られた粗結晶を再結晶して、目的物8.7gを得た。収率:81%、
融点:166−171℃
【0079】
実施例2(感熱記録紙の作製)
まず、下記成分を含む分散液(A〜C液)を調製した。各成分は、それぞれサンドグラインダーで十分に摩砕したものを用いた。なお、「部」は「重量部」を意味する。
・染料分散液(A液)
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
・顕色剤分散液(B液)
4,4’−ビス[3−(4−ヒドロキシフェニルチオ)プロピオンアミド]ジフェニルスルホン 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
・填料分散液(C液)
炭酸カルシウム 27.8部
ポリビニルアルコール10%水溶液 26.2部
水 71部
【0080】
これらの分散液を、A液1部、B液2部、C液4部の割合で混合し、感熱記録紙用記録材料の塗布液を調製した。
次いで、記録材料の塗布液をワイヤーロッド(商品名:ワイヤーバー、No.12、ウェブスター社製)を使用して白色紙上に塗布(塗布量=乾燥重量で約5.5g/m2)し、乾燥した後、カレンダー掛け処理して、感熱記録紙を作製した。
【0081】
比較例1
顕色剤分散液(B液)として4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを用いた以外は実施例2と同様にして感熱記録紙を作製した。
【0082】
比較例2
顕色剤分散液(B液)として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた以外は実施例2と同様にして感熱記録紙を作製した。
【0083】
試験例1(耐光性試験)
実施例2、比較例1、2で作製した感熱記録紙について、感熱紙発色試験装置(商品名:TH−PMD型、大倉電気(株)製)を使用し、印字電圧22V、パルス幅1.8msの条件で発色させた。次いで、各試験紙に、耐光性試験機(商品名:紫外線ロングライフフェードメーター FAL−5型、スガ試験機(株)製)を使用して、48時間後の各試験紙の画像濃度(マクベス値)を、マクベス反射濃度計(商品名:RD−514、使用フィルター:#106、マクベス社製)で測定した。
測定結果及び残存率(=画像濃度(試験後)/画像濃度(試験前)×100)を第3表にまとめて示す。第3表から明らかなように、実施例2の感熱記録紙は、比較例1及び2の感熱記録紙に比べて優れた耐光性を有することがわかった。
【0084】
試験例2(耐可塑剤性試験)
実施例2、比較例1、2で作製した感熱記録紙について、試験例1と同様にして発色させた。その発色面に、塩化ビニルラップ(商品名:ポリマラップ300、信越化学(株)製)を密着させ、そのまま40℃で16時間保持した後、画像濃度(マクベス値)を測定した。測定結果及び残存率を第3表に示す。第3表から明らかなように、実施例2の感熱記録紙は、比較例1及び2の感熱記録紙に比べて優れた耐可塑剤性を示すことがわかった。
【0085】
【表14】
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、顕色剤として有用な新規ビスフェノール化合物、及び発色感度、画像の耐光性、耐可塑剤性等の種々の画像保存性の要因に優れる記録材料が提供される。
Claims (2)
- 発色性染料の少なくとも1種及び請求項1記載の一般式[I]で表されるビスフェノール化合物の少なくとも1種を含有してなる記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002036390A JP4252245B2 (ja) | 2001-07-26 | 2002-02-14 | ビスフェノール化合物及びそれを用いた記録材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-226700 | 2001-07-26 | ||
JP2001226700 | 2001-07-26 | ||
JP2002036390A JP4252245B2 (ja) | 2001-07-26 | 2002-02-14 | ビスフェノール化合物及びそれを用いた記録材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003104965A JP2003104965A (ja) | 2003-04-09 |
JP4252245B2 true JP4252245B2 (ja) | 2009-04-08 |
Family
ID=26619362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002036390A Expired - Fee Related JP4252245B2 (ja) | 2001-07-26 | 2002-02-14 | ビスフェノール化合物及びそれを用いた記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4252245B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6447973B2 (ja) * | 2015-06-03 | 2019-01-09 | 国立大学法人山形大学 | 重合体、仮固定用組成物、積層体、基材の処理方法および半導体装置 |
-
2002
- 2002-02-14 JP JP2002036390A patent/JP4252245B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003104965A (ja) | 2003-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3904517B2 (ja) | 組成物、記録材料及び記録シート | |
JP3913820B2 (ja) | ジフェニルスルホン架橋型化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP3664840B2 (ja) | 発色性記録材料 | |
JP3664839B2 (ja) | 記録材料 | |
JP5107424B2 (ja) | 顕色性組成物及びそれを含有する記録材料 | |
JP3835749B2 (ja) | フェノール性化合物を用いた記録材料 | |
JP4583688B2 (ja) | フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
KR101342799B1 (ko) | 페놀성 화합물 및 기록 재료 | |
JP4938035B2 (ja) | ジフェニルスルホン架橋型化合物を含有する記録材料用組成物 | |
JP4169986B2 (ja) | フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP5441248B2 (ja) | 顕色性組成物及びそれを含有する記録材料 | |
JP4252245B2 (ja) | ビスフェノール化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP4252221B2 (ja) | ビスフェノール化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JPWO2004039770A1 (ja) | ジフェニルスルホン誘導体を用いた記録材料及び新規ジフェニルスルホン誘導体化合物 | |
JP4217514B2 (ja) | フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP2006327950A (ja) | ジフェニルスルホン誘導体及びそれを用いた記録材料 | |
JP3964668B2 (ja) | フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP4204881B2 (ja) | フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP4149182B2 (ja) | フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP4226366B2 (ja) | フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP4104355B2 (ja) | フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP2004203790A (ja) | (チオ)ウレア性化合物及びそれを用いた記録材料 | |
JP2008280302A (ja) | ジフェニルスルホン架橋型化合物及びそれを用いた記録材料 | |
WO2011039994A1 (ja) | フェノール性化合物及び記録材料 | |
JPH10101949A (ja) | フルオラン化合物、及び発色性記録材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080328 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080331 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080530 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20080530 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080804 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080930 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20081118 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090119 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090121 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140130 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |