JP2004066621A - 記録材料及び記録シート - Google Patents
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Abstract
【課題】地肌カブリがなく、発色感度が優れ、かつ地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れた記録材料、及び基材シート上に該記録材料から形成されてなる記録材料層を有する記録シートを提供することを課題とする。
【解決手段】発色性染料の少なくとも1種と、式(I)
【化1】
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基又は置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基を表し、pは、0〜4の整数を表し、qは、0〜5の整数を表し、p及びqが2以上の整数のとき、R1及びR2は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。]で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種と、フタル酸誘導体の少なくとも1種を含有することを特徴とする記録材料により解決できる。
【解決手段】発色性染料の少なくとも1種と、式(I)
【化1】
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基又は置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基を表し、pは、0〜4の整数を表し、qは、0〜5の整数を表し、p及びqが2以上の整数のとき、R1及びR2は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。]で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種と、フタル酸誘導体の少なくとも1種を含有することを特徴とする記録材料により解決できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れた記録材料、及び基材シート上に該記録材料から形成されてなる記録材料層を有する記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。これらの記録材料は、速やかに発色し、未発色部分(以下「地肌」という)の白度が保持され、又、発色した画像及び堅牢性の高いものが要望される。
【0003】
このうち、特に発色感度に優れる材料として、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに代表されるジフェニルスルホン誘導体が知られている。しかしながら、発色感度には優れるものの地肌の耐熱性に劣るという欠点を有していおり、発色感度及び地肌の耐熱性の両方に優れる記録材料は未だ見出されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、地肌カブリがなく、発色感度が優れ、かつ地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れた記録材料、及び基材シート上に該記録材料から形成されてなる記録材料層を有する記録シートを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)発色性染料の少なくとも1種と、式(I)
【0006】
【化4】
【0007】
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基又は置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基を表し、pは、0〜4の整数を表し、qは、0〜5の整数を表し、p及びqが2以上の整数のとき、R1及びR2は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。]で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種と、フタル酸誘導体の少なくとも1種を含有することを特徴とする記録材料を提供する(請求項1)。
(2)式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体が、式(II)
【0008】
【化5】
【0009】
[式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C6アルキル基又C2〜C6アルケニル基を表し、R5は、水素原子、水酸基、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基又は置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基を表し、R6は、水素原子、水酸基又はC1〜C6アルコキシ基を表す。ただし、R5が水酸基のとき、R3、R4及びR6は同時に水素原子を表さない。]で表されるジフェニルスルホン誘導体であることを特徴とする請求項1記載の記録材料を提供する(請求項2)。
(3)式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体が、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン又は2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項2記載の記録材料を提供する(請求項3)。
(4)式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体が、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項3記載の記録材を提供する(請求項4)。
(5)該フタル酸誘導体が式(III)
【0010】
【化6】
【0011】
[式中、R7及びR8は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R6は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基又はC2〜C6アルケニル基を表し、bは、0〜4の整数を表し、bが2以上の整数のとき、R6は、同じであっても異なっていてもよい。]で表されることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の記録材料を提供する(請求項5)。
(6)該フタル酸誘導体がテレフタル酸ジメチルであることを特徴とする請求項5記載の記録材料を提供する(請求項6)。
(7)該フタル酸誘導体の含有量が、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体100重量部に対して、10〜1000重量部の範囲である請求項1〜6いずれかに記載の記録材料を提供する(請求項7)。
(8)基材シートと、該基材シート上に請求項1〜7いずれかに記載の記録材料から形成されてなる記録材料層を有する記録シートを提供する(請求項8)。
【0012】
本発明の記録材料から形成される記録材料層は、地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の記録材料は、発色性染料の少なくとも1種と、前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種と、及びフタル酸誘導体の少なくとも1種とを含有してなる。
【0014】
本発明に用いられる発色性染料としては、顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば特に制限はなく、例えば、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等の発色性染料を挙げることができる。これらの中でも、フルオラン系、フタリド系の発色性染料が好ましく使用される。
【0015】
フルオラン系の発色性染料としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(N,N’−ジベンジルアミノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン、3−(4−(4−(4−アニリノ)−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン等が挙げられる。
【0016】
また、フタリド系の発色性染料としては、3,3−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ(フルオレン−9,3’−フタリド)、3,3−ビス(4’−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド等が挙げられる。
【0017】
これらの発色性染料は1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。例えば、赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料又は黒発色性染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0018】
本発明の記録材料は、前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種を含有してなる。
前記式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基を表し、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基及びアラルキルオキシ基のベンゼン環及びナフタレン環は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基が挙げられる。
【0019】
式(II)において、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基を表す。
【0020】
R5は、水素原子、水酸基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基;フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基を表し、アリールオキシ基及びアラルキルオキシ基のベンゼン環及びナフタレン環は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基が挙げられる。
【0021】
R6は、水素原子、水酸基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基を表す。式(II)で表されるジフェニルスルホン誘導体のうち、R5が水酸基で、R3、R4及びR6が水素原子である化合物は除かれる。
【0022】
式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体を例示すると、例えば、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−sec−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−t−ブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン等が挙げられ、これらの中でも、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−sec−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−t−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等の式(II)で表されるジフェニルスルホン誘導体であるのが好ましく、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン又は2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれるのがより好ましく、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンであるのが特に好ましい。
【0023】
前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体は、公知の方法に従って製造することができる。
【0024】
本発明の記録材料は、前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体に加えて、さらにフタル酸誘導体の少なくとも1種を含有してなる。
【0025】
式(III)中、R7及びR8は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、ピリジル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基を表し、アリール基及びアラルキル基のベンゼン環、ナフタレン環及びピリジン環はさらに置換基を有していてもよく、このような置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基が挙げられる。
【0026】
R9は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基を表す。
【0027】
フタル酸誘導体としては、例えば、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル等を挙げることができ、これらは1種単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、テレフタル酸ジメチルを使用するのが好ましい。
【0028】
本発明の記録材料において、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の含有量は、発色性染料100重量部に対して、通常10〜500重量部、好ましくは10〜300重量部、更に好ましくは10〜200重量部の範囲である。式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の使用量が、発色性染料100重量部に対して、10重量部未満であると、十分な発色飽和濃度が得られない。500重量部を超える場合には、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体添加の効果が飽和する一方で、製造コストが高くなるため好ましくない。
【0029】
また、フタル酸誘導体の含有量は、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体100重量部に対して、通常10〜1000重量部、好ましくは10〜300重量部、更に好ましくは10〜100重量部の範囲である。
【0030】
本発明の記録材料には、さらに他の顕色材、他の画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じて含有させることができる。
【0031】
他の顕色剤としては、感熱記録材料用のものと、感圧記録材料用のものが挙げられるが、前者としては、例えば、ビスフェノールA、4,4’−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物;
【0032】
4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類;
安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−(2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ)サリチル酸等のサリチル酸類;
サリチル酸亜鉛、ビス[4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸]亜鉛等のサリチル酸金属塩;
【0033】
4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類;
2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類;
2’−ヒドロキシ−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセトアニリド、3’−ヒドロキシ−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセトアニリド、4’−ヒドロキシ−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセトアニリド、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド等のアニリド類;
2−(N−フェニルカルバモイル)アミノベンゼンスルホンアミド、3−(N−フェニルカルバモイル)アミノベンゼンスルホンアミド、4−(N−フェニルカルバモイル)アミノベンゼンスルホンアミド等のアミノベンゼンスルホンアミド類;
トリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類;
4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のスルホニルウレア類;
ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、テトラシアノキノジメタン類;又は下記式(IV)
【0034】
【化7】
【0035】
で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物若しくはそれらの混合物等が挙げられる。
【0036】
感圧記録材料用の顕色剤としては、例えば、酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質;蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸;これら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩;p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤;これらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等を挙げることができる。
【0037】
他の画像安定剤としては、例えば、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン等のエポキシ基含有ジフェニルスルホン類;1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−[α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ]−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)フォスフェイトの金属塩、その他水不溶性の亜鉛化合物等を挙げることができる。
【0038】
増感剤としては、例えば、ベンズアミド;ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;ステアリン酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド等のアニリド類;シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、ビス(t−ブチルフェノール)類;ジフェニルスルホン及びその誘導体;4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等の4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;2,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;
【0039】
1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、ジフェニルアミン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4’−メチルジフェニルメタン、炭酸ジフェニル等を挙げることができる。これらの中でも、好ましくは、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル等のエーテル類;m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)等の芳香族炭化水素類;ジフェニルスルホン、ジフェニルスルホンの誘導体;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類である。
【0040】
填料としては、例えば、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメント等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルカリ土類金属の塩、より好ましくは炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩である。
【0041】
分散剤としては、例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を挙げることができる。
【0042】
酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノール等を挙げることができる。
【0043】
減感剤としては、例えば、脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
【0044】
粘着防止剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を挙げることができる。
【0045】
光安定剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
【0046】
2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−トリデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−テトラデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ペンタデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヘキサデシル−5’−メチルフェニル)ヘンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、
【0047】
2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノール、ポリエチレングリコールとメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;
2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−t−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル等のヒンダードアミン系紫外線吸収剤;1,8−ジヒドロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレン等を挙げることができる。
【0048】
蛍光染料としては、例えば、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4−[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]−4’−[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、
【0049】
4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4’−ビス[2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩等が挙げられる。
【0050】
上述した顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、光安定剤、蛍光増白剤等は、それぞれ1種単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。それぞれの使用量は、発色性染料100重量部に対して、通常10〜1500重量部、好ましくは100〜1000重量部の範囲である。
【0051】
本発明の記録材料は、発色性染料、前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体及びフタル酸誘導体の所定量と、所望により他の成分を添加、混合することによって製造することができる。各成分を混合する方法としては、分散剤を用いないで混合する方法、又は分散剤を用いて混合する方法が挙げられる。分散剤を用いないで混合する方法としては、例えば、紛体同士で混合する方法、各成分を溶融させて混合する溶融混合法等が挙げられる。
【0052】
また、分散剤を用いて混合する方法としては、例えば、各成分をポリビニルアルコールやセルロース等の分散剤に添加して分散させることにより分散液をそれぞれ調製した後、それぞれの分散液を混合する方法等が挙げられる。
これらの中でも、より均一に混合できる観点から、各成分を含有する分散液をそれぞれ調製した後、分散液を混合する方法が好ましい。
【0053】
本発明の記録シートは、基材シート上に本発明の記録材料から形成されてなる記録材料層を有する。基材シートとしては、紙基材シート、合成樹脂フィルム又は合成樹脂シート等が挙げられる。紙基材シートとしては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、上質紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、古紙パルプ等の再生紙等が挙げられる。合成樹脂フィルム又は合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリスチレン、三酢酸セルロース、セロハン、ポリカーボネート等のフィルム又はシートが挙げられる。これらの中でも、本発明においては、紙基材シートの使用が好ましい。基材シートの厚みは特に制限はないが、通常1〜500μm程度である。
【0054】
記録材料層は、例えば、記録材料の溶液又は分散液を基材シート上に公知の塗工法により塗工することにより形成することができる。塗工量は、記録材料の溶液又は分散液の濃度にもよるが、通常乾燥後で0.1〜100g/m2、好ましくは1〜20g/m2の範囲である。
【0055】
本発明の記録材料の溶液又は分散液を基材シート上に塗布する方法としては、例えば、ロールコート法、カーテンフローコート法、マイヤバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、エアーナイフコート法、キスコート法、ブレードコート法、スムーズコート法、ロールナイフコート法等が挙げられる。
【0056】
さらに、記録材料層は基材シート上に直接形成されてもよいし、例えば、アンカーコート層等の他の層を介在させて形成することもできるし、記録材料層上にさらに保護層を形成することもできる。かかるアンカーコート層及び保護層は、公知の合成樹脂の1種又は2種以上を含む溶液又は分散液から形成でき、前述の他の顕色剤、他の画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤及び蛍光増白剤等を必要に応じて含有させることができる。
【0057】
これらの中でも、本発明の記録シートは、感熱記録紙や感圧複写紙であるのが好ましい。感熱記録紙は、例えば、発色性染料の微粒子及び記録材料の微粒子をそれぞれポリビニルアルコールやセルロース等の水溶性結合剤の水溶液中に分散させて分散液を調製し、得られた分散液を基材シート上に塗布し、乾燥することにより製造することができる。
【0058】
また、感圧複写紙は、例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散させ発色性染料分散液を調製し、該分散液を第1の紙基材シート上に塗布して発色性染料シートを作成し、一方、顕色剤の分散液を第2の紙基材シートに塗布して顕色剤シートを作成し、得られた両シートを組合せて感圧複写紙を製造することができる。その際、本発明の記録材料を発色性染料分散液若しくは顕色剤の分散液のいずれか又は両方の分散液中に分散させる。
【0059】
感圧複写紙は、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルが下面に塗布担持されてなる上用紙と、顕色剤(酸性物質)が上面に塗布担持されてなる下用紙とからなるユニットからなっていてもよく、あるいは、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されてなるいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。顕色剤としては、前記感圧記録材料用の顕色剤として用いることができるものとして列記したものと同様なものが挙げられる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれだけに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り「部」は、「重量部」を意味する。
【0061】
実施例1(感熱記録紙の作成)
・染料分散液(A液)
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
・顕色剤分散液(B液)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
・助剤分散液(C液)
テレフタル酸ジメチル 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
・填料分散液(D液)
炭酸カルシウム 27.8部
ポリビニルアルコール10%水溶液 26.2部
水 71部
まず、A〜D液の各成分の混合物をそれぞれサンドグラインダーで十分に摩砕して、A〜D液の各成分の分散液を調製し、A液1重量部、B液2重量部、C液1重量部、D液4重量部を混合して塗布液とした。この塗布液をワイヤーロッド(Webster社製、ワイヤバーNo.12)を使用して白色紙に塗布(塗布量=乾燥重量で約5.5g/m2)し、乾燥した後、カレンダー掛け処理をして、感熱記録紙を作成した。
【0062】
比較例1
実施例1で助剤分散液(C液)中、テレフタル酸ジメチルの代わりにシュウ酸ジ(4−メチルベンジル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で感熱記録紙を作成した。
【0063】
試験例1(地肌耐熱性試験)
実施例1及び比較例1で作成した感熱記録紙の一部を切り取り、これをそれぞれ試験紙とした。各試験紙について、定温恒温器(商品名:DK−400型、ヤマト科学(株)製)中、70℃、80℃、90℃及び100℃で24時間保持した。定温恒温器で24時間保持した後の地肌濃度(マクベス値)を測定した。その測定結果を第1表に示した。第1表から明らかなように、実施例1の感熱記録紙は、比較例1の感熱記録紙比べて優れた地肌耐熱性を有することがわかった。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、地肌カブリがなく、発色感度が優れ、かつ地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れた記録材料及び記録シートが提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れた記録材料、及び基材シート上に該記録材料から形成されてなる記録材料層を有する記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。これらの記録材料は、速やかに発色し、未発色部分(以下「地肌」という)の白度が保持され、又、発色した画像及び堅牢性の高いものが要望される。
【0003】
このうち、特に発色感度に優れる材料として、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに代表されるジフェニルスルホン誘導体が知られている。しかしながら、発色感度には優れるものの地肌の耐熱性に劣るという欠点を有していおり、発色感度及び地肌の耐熱性の両方に優れる記録材料は未だ見出されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、地肌カブリがなく、発色感度が優れ、かつ地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れた記録材料、及び基材シート上に該記録材料から形成されてなる記録材料層を有する記録シートを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)発色性染料の少なくとも1種と、式(I)
【0006】
【化4】
【0007】
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基又は置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基を表し、pは、0〜4の整数を表し、qは、0〜5の整数を表し、p及びqが2以上の整数のとき、R1及びR2は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。]で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種と、フタル酸誘導体の少なくとも1種を含有することを特徴とする記録材料を提供する(請求項1)。
(2)式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体が、式(II)
【0008】
【化5】
【0009】
[式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C6アルキル基又C2〜C6アルケニル基を表し、R5は、水素原子、水酸基、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基又は置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基を表し、R6は、水素原子、水酸基又はC1〜C6アルコキシ基を表す。ただし、R5が水酸基のとき、R3、R4及びR6は同時に水素原子を表さない。]で表されるジフェニルスルホン誘導体であることを特徴とする請求項1記載の記録材料を提供する(請求項2)。
(3)式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体が、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン又は2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項2記載の記録材料を提供する(請求項3)。
(4)式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体が、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項3記載の記録材を提供する(請求項4)。
(5)該フタル酸誘導体が式(III)
【0010】
【化6】
【0011】
[式中、R7及びR8は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R6は、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基又はC2〜C6アルケニル基を表し、bは、0〜4の整数を表し、bが2以上の整数のとき、R6は、同じであっても異なっていてもよい。]で表されることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の記録材料を提供する(請求項5)。
(6)該フタル酸誘導体がテレフタル酸ジメチルであることを特徴とする請求項5記載の記録材料を提供する(請求項6)。
(7)該フタル酸誘導体の含有量が、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体100重量部に対して、10〜1000重量部の範囲である請求項1〜6いずれかに記載の記録材料を提供する(請求項7)。
(8)基材シートと、該基材シート上に請求項1〜7いずれかに記載の記録材料から形成されてなる記録材料層を有する記録シートを提供する(請求項8)。
【0012】
本発明の記録材料から形成される記録材料層は、地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の記録材料は、発色性染料の少なくとも1種と、前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種と、及びフタル酸誘導体の少なくとも1種とを含有してなる。
【0014】
本発明に用いられる発色性染料としては、顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば特に制限はなく、例えば、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等の発色性染料を挙げることができる。これらの中でも、フルオラン系、フタリド系の発色性染料が好ましく使用される。
【0015】
フルオラン系の発色性染料としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(N,N’−ジベンジルアミノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン、3−(4−(4−(4−アニリノ)−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン等が挙げられる。
【0016】
また、フタリド系の発色性染料としては、3,3−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ(フルオレン−9,3’−フタリド)、3,3−ビス(4’−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド等が挙げられる。
【0017】
これらの発色性染料は1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。例えば、赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料又は黒発色性染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0018】
本発明の記録材料は、前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種を含有してなる。
前記式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基を表し、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基及びアラルキルオキシ基のベンゼン環及びナフタレン環は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基が挙げられる。
【0019】
式(II)において、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基を表す。
【0020】
R5は、水素原子、水酸基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基;フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基を表し、アリールオキシ基及びアラルキルオキシ基のベンゼン環及びナフタレン環は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基が挙げられる。
【0021】
R6は、水素原子、水酸基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1〜C6アルコキシ基を表す。式(II)で表されるジフェニルスルホン誘導体のうち、R5が水酸基で、R3、R4及びR6が水素原子である化合物は除かれる。
【0022】
式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体を例示すると、例えば、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−sec−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−t−ブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン等が挙げられ、これらの中でも、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−sec−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−t−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等の式(II)で表されるジフェニルスルホン誘導体であるのが好ましく、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン又は2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンから選ばれるのがより好ましく、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンであるのが特に好ましい。
【0023】
前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体は、公知の方法に従って製造することができる。
【0024】
本発明の記録材料は、前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体に加えて、さらにフタル酸誘導体の少なくとも1種を含有してなる。
【0025】
式(III)中、R7及びR8は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、ピリジル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基を表し、アリール基及びアラルキル基のベンゼン環、ナフタレン環及びピリジン環はさらに置換基を有していてもよく、このような置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基が挙げられる。
【0026】
R9は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基等のC2〜C6のアルケニル基を表す。
【0027】
フタル酸誘導体としては、例えば、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル等を挙げることができ、これらは1種単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、テレフタル酸ジメチルを使用するのが好ましい。
【0028】
本発明の記録材料において、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の含有量は、発色性染料100重量部に対して、通常10〜500重量部、好ましくは10〜300重量部、更に好ましくは10〜200重量部の範囲である。式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の使用量が、発色性染料100重量部に対して、10重量部未満であると、十分な発色飽和濃度が得られない。500重量部を超える場合には、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体添加の効果が飽和する一方で、製造コストが高くなるため好ましくない。
【0029】
また、フタル酸誘導体の含有量は、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体100重量部に対して、通常10〜1000重量部、好ましくは10〜300重量部、更に好ましくは10〜100重量部の範囲である。
【0030】
本発明の記録材料には、さらに他の顕色材、他の画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じて含有させることができる。
【0031】
他の顕色剤としては、感熱記録材料用のものと、感圧記録材料用のものが挙げられるが、前者としては、例えば、ビスフェノールA、4,4’−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物;
【0032】
4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類;
安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−(2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ)サリチル酸等のサリチル酸類;
サリチル酸亜鉛、ビス[4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸]亜鉛等のサリチル酸金属塩;
【0033】
4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類;
2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類;
2’−ヒドロキシ−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセトアニリド、3’−ヒドロキシ−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセトアニリド、4’−ヒドロキシ−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセトアニリド、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド等のアニリド類;
2−(N−フェニルカルバモイル)アミノベンゼンスルホンアミド、3−(N−フェニルカルバモイル)アミノベンゼンスルホンアミド、4−(N−フェニルカルバモイル)アミノベンゼンスルホンアミド等のアミノベンゼンスルホンアミド類;
トリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類;
4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のスルホニルウレア類;
ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、テトラシアノキノジメタン類;又は下記式(IV)
【0034】
【化7】
【0035】
で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物若しくはそれらの混合物等が挙げられる。
【0036】
感圧記録材料用の顕色剤としては、例えば、酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質;蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸;これら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩;p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤;これらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等を挙げることができる。
【0037】
他の画像安定剤としては、例えば、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン等のエポキシ基含有ジフェニルスルホン類;1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−[α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ]−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)フォスフェイトの金属塩、その他水不溶性の亜鉛化合物等を挙げることができる。
【0038】
増感剤としては、例えば、ベンズアミド;ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;ステアリン酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド等のアニリド類;シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、ビス(t−ブチルフェノール)類;ジフェニルスルホン及びその誘導体;4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等の4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;2,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等の2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類;
【0039】
1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、ジフェニルアミン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4’−メチルジフェニルメタン、炭酸ジフェニル等を挙げることができる。これらの中でも、好ましくは、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル等のエーテル類;m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)等の芳香族炭化水素類;ジフェニルスルホン、ジフェニルスルホンの誘導体;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類である。
【0040】
填料としては、例えば、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメント等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルカリ土類金属の塩、より好ましくは炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩である。
【0041】
分散剤としては、例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を挙げることができる。
【0042】
酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノール等を挙げることができる。
【0043】
減感剤としては、例えば、脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
【0044】
粘着防止剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を挙げることができる。
【0045】
光安定剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
【0046】
2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−トリデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−テトラデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ペンタデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヘキサデシル−5’−メチルフェニル)ヘンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、
【0047】
2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(1’’−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]フェノール、ポリエチレングリコールとメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;
2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−t−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル等のヒンダードアミン系紫外線吸収剤;1,8−ジヒドロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレン等を挙げることができる。
【0048】
蛍光染料としては、例えば、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=二ナトリウム塩、4−[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]−4’−[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、
【0049】
4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4’−ビス[2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=四ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩、4,4’−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2’−ジスルホン酸=六ナトリウム塩等が挙げられる。
【0050】
上述した顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、光安定剤、蛍光増白剤等は、それぞれ1種単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。それぞれの使用量は、発色性染料100重量部に対して、通常10〜1500重量部、好ましくは100〜1000重量部の範囲である。
【0051】
本発明の記録材料は、発色性染料、前記式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体及びフタル酸誘導体の所定量と、所望により他の成分を添加、混合することによって製造することができる。各成分を混合する方法としては、分散剤を用いないで混合する方法、又は分散剤を用いて混合する方法が挙げられる。分散剤を用いないで混合する方法としては、例えば、紛体同士で混合する方法、各成分を溶融させて混合する溶融混合法等が挙げられる。
【0052】
また、分散剤を用いて混合する方法としては、例えば、各成分をポリビニルアルコールやセルロース等の分散剤に添加して分散させることにより分散液をそれぞれ調製した後、それぞれの分散液を混合する方法等が挙げられる。
これらの中でも、より均一に混合できる観点から、各成分を含有する分散液をそれぞれ調製した後、分散液を混合する方法が好ましい。
【0053】
本発明の記録シートは、基材シート上に本発明の記録材料から形成されてなる記録材料層を有する。基材シートとしては、紙基材シート、合成樹脂フィルム又は合成樹脂シート等が挙げられる。紙基材シートとしては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、上質紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、古紙パルプ等の再生紙等が挙げられる。合成樹脂フィルム又は合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリスチレン、三酢酸セルロース、セロハン、ポリカーボネート等のフィルム又はシートが挙げられる。これらの中でも、本発明においては、紙基材シートの使用が好ましい。基材シートの厚みは特に制限はないが、通常1〜500μm程度である。
【0054】
記録材料層は、例えば、記録材料の溶液又は分散液を基材シート上に公知の塗工法により塗工することにより形成することができる。塗工量は、記録材料の溶液又は分散液の濃度にもよるが、通常乾燥後で0.1〜100g/m2、好ましくは1〜20g/m2の範囲である。
【0055】
本発明の記録材料の溶液又は分散液を基材シート上に塗布する方法としては、例えば、ロールコート法、カーテンフローコート法、マイヤバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、エアーナイフコート法、キスコート法、ブレードコート法、スムーズコート法、ロールナイフコート法等が挙げられる。
【0056】
さらに、記録材料層は基材シート上に直接形成されてもよいし、例えば、アンカーコート層等の他の層を介在させて形成することもできるし、記録材料層上にさらに保護層を形成することもできる。かかるアンカーコート層及び保護層は、公知の合成樹脂の1種又は2種以上を含む溶液又は分散液から形成でき、前述の他の顕色剤、他の画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤及び蛍光増白剤等を必要に応じて含有させることができる。
【0057】
これらの中でも、本発明の記録シートは、感熱記録紙や感圧複写紙であるのが好ましい。感熱記録紙は、例えば、発色性染料の微粒子及び記録材料の微粒子をそれぞれポリビニルアルコールやセルロース等の水溶性結合剤の水溶液中に分散させて分散液を調製し、得られた分散液を基材シート上に塗布し、乾燥することにより製造することができる。
【0058】
また、感圧複写紙は、例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散させ発色性染料分散液を調製し、該分散液を第1の紙基材シート上に塗布して発色性染料シートを作成し、一方、顕色剤の分散液を第2の紙基材シートに塗布して顕色剤シートを作成し、得られた両シートを組合せて感圧複写紙を製造することができる。その際、本発明の記録材料を発色性染料分散液若しくは顕色剤の分散液のいずれか又は両方の分散液中に分散させる。
【0059】
感圧複写紙は、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルが下面に塗布担持されてなる上用紙と、顕色剤(酸性物質)が上面に塗布担持されてなる下用紙とからなるユニットからなっていてもよく、あるいは、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されてなるいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。顕色剤としては、前記感圧記録材料用の顕色剤として用いることができるものとして列記したものと同様なものが挙げられる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれだけに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り「部」は、「重量部」を意味する。
【0061】
実施例1(感熱記録紙の作成)
・染料分散液(A液)
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
・顕色剤分散液(B液)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
・助剤分散液(C液)
テレフタル酸ジメチル 16部
ポリビニルアルコール10%水溶液 84部
・填料分散液(D液)
炭酸カルシウム 27.8部
ポリビニルアルコール10%水溶液 26.2部
水 71部
まず、A〜D液の各成分の混合物をそれぞれサンドグラインダーで十分に摩砕して、A〜D液の各成分の分散液を調製し、A液1重量部、B液2重量部、C液1重量部、D液4重量部を混合して塗布液とした。この塗布液をワイヤーロッド(Webster社製、ワイヤバーNo.12)を使用して白色紙に塗布(塗布量=乾燥重量で約5.5g/m2)し、乾燥した後、カレンダー掛け処理をして、感熱記録紙を作成した。
【0062】
比較例1
実施例1で助剤分散液(C液)中、テレフタル酸ジメチルの代わりにシュウ酸ジ(4−メチルベンジル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で感熱記録紙を作成した。
【0063】
試験例1(地肌耐熱性試験)
実施例1及び比較例1で作成した感熱記録紙の一部を切り取り、これをそれぞれ試験紙とした。各試験紙について、定温恒温器(商品名:DK−400型、ヤマト科学(株)製)中、70℃、80℃、90℃及び100℃で24時間保持した。定温恒温器で24時間保持した後の地肌濃度(マクベス値)を測定した。その測定結果を第1表に示した。第1表から明らかなように、実施例1の感熱記録紙は、比較例1の感熱記録紙比べて優れた地肌耐熱性を有することがわかった。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、地肌カブリがなく、発色感度が優れ、かつ地肌の保存性、特に地肌の耐熱性に優れた記録材料及び記録シートが提供される。
Claims (8)
- 発色性染料の少なくとも1種と、式(I)
- 式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体が、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン又は2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項2記載の記録材料。
- 式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体が、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項3記載の記録材料。
- 該フタル酸誘導体がテレフタル酸ジメチルであることを特徴とする請求項5記載の記録材料。
- 該フタル酸誘導体の含有量が、式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体100重量部に対して、10〜1000重量部の範囲である請求項1〜6いずれかに記載の記録材料。
- 基材シートと、該基材シート上に請求項1〜7いずれかに記載の記録材料から形成されてなる記録材料層を有する記録シート。
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JP2002228739A JP2004066621A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 記録材料及び記録シート |
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US20120034176A1 (en) * | 2009-04-08 | 2012-02-09 | Pierre Fabre Dermo-Cosmetique | Sulphurated derivatives of resorcinol, preparation of same and cosmetic uses thereof |
-
2002
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Cited By (2)
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US8859819B2 (en) * | 2009-04-08 | 2014-10-14 | Pierre Fabre Dermo-Cosmetique | Sulphurated derivatives of resorcinol, preparation of same and cosmetic uses thereof |
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