JP2004001993A - 粒状ドライアイスの分配供給装置 - Google Patents

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Yukihisa Ueda
上田 恭久
Naoki Wada
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Abstract

【課題】装置背丈を低くしコストの低減を図り、かつ所要量の粒状ドライアイスを容易・確実に供給できる粒状ドライアイスの分配供給装置の提供。
【解決手段】補給容器1、流通容器Bを所要の高さまで持ち上げ全量の粒状ドライアイスを補給容器1内に投入する投入手段2、要冷蔵品容器Aを順次搬送するため補給容器1に隣設した搬送手段5、補給容器1内の粒状ドライアイスを搬送手段5上の要冷蔵品容器A内に供給量調節可能に供給する供給手段4、要冷蔵品容器A内に投入すべきドライアイス投入量に応じて供給手段4を駆動制御する制御手段7により分配供給装置を構成する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、要冷蔵品を収容した容器内に当該要冷蔵品の種類や量に応じて所要量の粒状ドライアイスを簡易に順次供給できる粒状ドライアイスの分配供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
使用の際に小割りの必要がなく、かつ定量管理が可能なことから、粒状のドライアイス(例えば、岩谷産業株式会社のビーズドライ[登録商標]など)の利用が近年になって普及し始めている。
【0003】
この粒状ドライアイスは、冷凍または冷蔵食品などの要冷蔵品を保冷する際に好適に用いることができ、例えば、要冷蔵品と一緒に発泡スチロール製の断熱容器などの収容体に投入されて使用されている(以下、粒状ドライアイスを充填したい収容体を「要冷蔵品容器」という)。
このような要冷蔵品容器に粒状ドライアイスを入れる際には、例えば大規模スーパー店などで多品種、多量のものを取り扱うような場合、要冷蔵品容器ごとに充填すべき粒状ドライアイスの量が異なることから、要冷蔵品容器ごとに適量を機械的かつ安定的に供給することができる装置の提供が斯界において強く望まれている。
かかる要求に応えるものとして、本出願人は先に種々の要冷蔵品容器に柔軟に対応して所要量の粒状ドライアイスを容易に供給することができる粒状ドライアイスの分配供給装置を提案した(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−040587号(段落番号[0012]、[0013]及び図1)
【0005】
特許文献1の上記分配供給装置(以下、先提案装置と称する)は、図8に示されるが、ホッパーで実現される粒状ドライアイスの分配供給装置41と、このホッパー41に粒状ドライアイスを補給する大型ホッパーで実現される第1補給装置42と、この大型ホッパー42に粒状ドライアイスを補給する貯蔵タンクで実現される第2補給装置43と、ホッパー41の下方に設けられて要冷蔵品容器Aを搬送するベルトコンベアで実現される搬送手段44とを備える構成となっている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の先提案装置は、ホッパー41から排出される粒状ドライアイスの量を任意に調整できるので、充填供給量の異なる要冷蔵品容器ごとに柔軟に対応しつつ比較的正確に適量の粒状ドライアイスを随時充填することができ、所期の目的を達成可能としたものである。
【0007】
しかしながら、この先提案装置では、大型ホッパー42とホッパー41とを搬送手段44の上方に上下に配設することから、装置全体の背丈が高くなるし、設置スペースも広くなるため、コスト高の不利は免れない。
【0008】
そこで本発明は、装置全体の背丈を低くして装置コストの低減を図りながら、しかも所要量の粒状ドライアイスを要冷蔵品容器に対して容易かつ確実に供給することができる粒状ドライアイスの分配供給装置を提供することを課題として成されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
しかして本出願人は、上記課題を解決するためとして、請求項1の発明は、粒状ドライアイスが収納される補給容器1と、流通容器Bを所要の高さまで持ち上げて該流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを前記補給容器1内に投入する投入手段2と、要冷蔵品容器Aを順次搬送するためとして前記補給容器1に隣設された搬送手段5と、前記補給容器1内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器A内に供給量調節可能に供給する供給手段4と、前記要冷蔵品容器A内に投入すべきドライアイス投入量に応じて前記供給手段4を駆動制御する制御手段7とを備える粒状ドライアイスの分配供給装置を提供するものである。
【0010】
上記分配供給装置において、例えば前記要冷蔵品容器Aの数百台から約一千台分の保冷作業に必要な粒状ドライアイスが収容され上蓋が取り除かれている流通容器Bを投入手段2により把持して、持ち上げながら前進移動させて補給容器1の直上方の個所に配置させ、次いで、ひっくり返させて流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを補給容器1内に投入する。この補給容器1の内底部に積載した粒状ドライアイスを、該内定部に沿わせて設けたスクリューコンベアなどから成る供給手段4により適当量ずつ送り出して搬送手段5により搬送されてくる各要冷蔵品容器A内に順次供給する。
【0011】
その際、供給手段4の送入側に繰り出した粒状ドライアイスは、該供給手段4を駆動制御する制御手段7の作動により、投入すべきドライアイス投入量に適応した所要量にて送出側から各要冷蔵品容器A内に順次供給される。なお、補給容器1内の粒状ドライアイスをほぐすためとして、例えば撹拌機などの加振手段9を補給容器1に付設する(図1参照)ことにより、該補給容器1内の粒状ドライアイスは、自重圧などによって固まることによる架橋現象が防止されて、個々にほぐれた状態の粒状ドライアイスを供給手段4の送入側にスムーズに繰り出させることができるものであり、かかる手段は好ましい態様である。
【0012】
このように、本発明の装置によれば、粒状ドライアイス収容体として補給容器1単体による背丈の低い単純かつコンパクトな構造のものを用いて所要量の粒状ドライアイスを確実にかつ容易に分配供給することができる。
【0013】
また、上記課題を解決するためとして、請求項2の発明は、粒状ドライアイスが収納される補給容器1と、流通容器Bを所要の高さまで持ち上げて該流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを前記補給容器1内に投入する第1の投入手段2と、前記補給容器1内の粒状ドライアイスの一部量を収容するためとして補給容器1に隣設された小型ホッパー3と、前記補給容器1内の粒状ドライアイスを前記小型ホッパー3内に供給する供給手段4と、要冷蔵品容器Aを順次搬送するためとして前記小型ホッパー3に隣設された搬送手段5と、前記小型ホッパー3内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器A内に供給量調節可能に供給する第2の投入手段6と、前記要冷蔵品容器A内に投入すべきドライアイス投入量に応じて前記第2投入手段6を駆動制御する制御手段7とを備える粒状ドライアイスの分配供給装置を提供するものである。
【0014】
上記分配供給装置において、粒状ドライアイスが収容され上蓋が取り除かれている流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを、第1投入手段2により補給容器1内に投入する。この補給容器1の内底部に積載した粒状ドライアイスを、該内定部に沿わせて設けたスクリューコンベアなどから成る供給手段4により適当量ずつ送り出して小型ホッパー3内に供給する。小型ホッパー3内には順次搬送される要冷蔵品容器Aの例えば数台から数百台分に必要とされる一部量の粒状ドライアイスが常に貯留されるようにしておく。
【0015】
このようにすることにより、小型ホッパー3内の粒状ドライアイスは、自重圧などによって固まることによる架橋現象が防止されて、個々にほぐれた状態の粒状ドライアイスをスクリューコンベアなどから成る第2投入手段6の送入側にスムーズに繰り出させることができる。この小型ホッパー3は前記要冷蔵品容器Aへの充填精度を向上させるためのものであって、ホッパー3内に架橋防止のための撹拌機構を設けることはより好ましいことである。
【0016】
第2投入手段6の送入側に繰り出させた粒状ドライアイスは、該第2投入手段6を駆動制御する制御手段7の作動により、投入すべきドライアイス投入量に適応した所要量にて送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入される。このように、本発明の装置によれば、背丈の低いコンパクトな構造のものを用いて所要量の粒状ドライアイスを確実にかつ容易に分配供給することができる。
【0017】
また、上記課題を解決するためとして、請求項3の発明は、粒状ドライアイスが収納される大型ホッパー8と、流通容器Bを所要の高さまで持ち上げて該流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを前記大型ホッパー8内に投入する第1の投入手段2と、前記大型ホッパー8に収容している粒状ドライアイスをほぐすためとして該ホッパー8の振動可能に設けられた加振手段9と、要冷蔵品容器Aを順次搬送するためとして前記大型ホッパー8に隣設された搬送手段5と、前記大型ホッパー8内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器A内に供給量調節可能に供給する第2の投入手段6と、前記要冷蔵品容器A内に投入すべきドライアイス投入量に応じて前記第2投入手段6を駆動制御する制御手段7とを備える粒状ドライアイスの分配供給装置を提供するものである。
【0018】
上記分配供給装置においては、粒状ドライアイスが収納される流通容器Bを第1投入手段2により把持して、持ち上げながら前進移動させて大型ホッパー8の直上方の個所に配置させ、次いで、ひっくり返させて流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを大型ホッパー8内に投入する。このホッパー8の内底部に積載した粒状ドライアイスを、その排出口部に連結して設けたスクリューコンベアなどから成る第2投入手段6により適当量ずつ送り出して送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入させる。
【0019】
このように繰り出し及び投入が行われる間、大型ホッパー8内では撹拌棒などの加振手段9によって堆積する粒状ドライアイスに適度の振動が加えられているため、個々にほぐれた状態の粒状ドライアイスを第2投入手段6の送入側にスムーズに繰り出させることができる。
【0020】
第2投入手段6では、これを駆動制御する制御手段7の作動により、投入すべきドライアイス投入量に適応した所要量が送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入される。このように、本発明の装置によれば、粒状ドライアイス収容体として大型ホッパー8単体による単純かつコンパクトな構造のものを用いて所要量の粒状ドライアイスを確実にかつ容易に分配供給することができる。
【0021】
また、上記課題を解決するためとして、請求項4の発明は、粒状ドライアイスが収納される補給容器10と、流通容器Bを所要の高さまで持ち上げて該流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを前記補給容器10内に投入する第1の投入手段2と、前記補給容器10に設けられて該容器内の粒状ドライアイスをその排出口に搬送する搬送スクリュー11と、要冷蔵品容器Aを順次搬送するために前記補給容器10に隣設された搬送手段5と、前記補給容器10の排出口部と前記搬送手段5の上方部とに亘らせ設けられて補給容器10内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器A内に供給量調節可能に供給する投入スクリュー12と、前記搬送スクリュー11の過負荷トルクを検出してその駆動モーターを制御する制御手段13と、前記要冷蔵品容器A内に投入すべきドライアイス投入量に応じて前記投入スクリュー12を駆動制御する制御手段7とを備える粒状ドライアイスの分配供給装置を提供するものである。
【0022】
上記分配供給装置においては、粒状ドライアイスが収納される流通容器Bを第1投入手段2により補給容器10の直上方の個所に移動させた後、ひっくり返させて流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを補給容器10内に投入する。この補給容器10の内底部に積載した粒状ドライアイスを、その底部に設けたスクリューコンベアから成る搬送スクリュー11により適当量ずつ送り出してその排出口に搬送し、スクリューコンベアから成る投入スクリュー12を経て、その送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入させる。
【0023】
このように繰り出し及び投入が行われる間、補給容器10内では搬送スクリュー11の作動中に制御手段13による駆動モーターのトルクコントロールなどの出力制御が行われ、該排出口部において粒状ドライアイスが氷塊(粒同士がくっついて塊になること)や架橋等に起因する目詰まりを生じるのを未然に防ぐことが可能であり、従って、個々にほぐれた正常状態の粒状ドライアイスを投入スクリュー12の送入側にスムーズに繰り出させることができる。
【0024】
投入スクリュー12では、これを駆動制御する制御手段7の作動により、投入すべきドライアイス投入量に適応した所要量が送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入される。このように、本発明の装置によれば、粒状ドライアイス収容体として単純かつコンパクトな構造の補給容器10を使用して所要量の粒状ドライアイスを確実にかつ容易に分配供給することができる。
【0025】
また、上記課題を解決するためとして、請求項5の発明は、前記請求項1記載の粒状ドライアイスの分配供給装置に関して、前記補給容器1が、頂部開口56と断熱処理された側周壁部とを持つ有底短円筒形状の容器本体51と、容器本体51内に同心配置で収納されてなり、その内底面及び内周面に複数本の羽根57を近接させるように中心軸周りの回転可能に設けられる撹拌具52と、前記流通容器Bから投入される粒状ドライアイスを受け容れる粒状ドライアイス受け口58を持ち、前記頂部開口56に覆わせて取付けられる頂板53と、容器本体51における側周壁部と底壁部の少なくとも一方の底周縁を含む壁部で前記供給手段4の送入側の上方に位置する個所に開口されてなる粒状ドライアイス取出し孔54と、この粒状ドライアイス取出し孔54を撹拌具52の停動時に塞がせるためとして該取出し孔54に関連して設けられるシャッタ部材55とを備えてなる構成の粒状ドライアイスの分配供給装置を提供するものである。
【0026】
上記分配供給装置においては、撹拌具52が容器本体51内に貯留されている粒状ドライアイスを満遍なく効率的に撹拌することにより、ブリッジ(架橋)現象を未然に防止して粒状ドライアイスの送給を確実かつ円滑に実行でき、結果として供給ムラがない定量分配供給を安定して維持させることが可能である。
また、撹拌具52の停動時に粒状ドライアイス取出し孔54をシャッタ部材55で塞がせることで、粒状ドライアイスの流通経路としての供給手段4における粒状ドライアイス目詰まり防止を万全ならしめることが出来る。
【0027】
また、上記課題を解決するためとして、請求項6の発明は、前記請求項5記載の粒状ドライアイスの分配供給装置に関して、前記補給容器1の容器本体51における底壁部の内底面は、平坦面又は軸中心から底周縁に向けて緩やかな下り勾配となる円錐面に形成され、撹拌具52は、等分周の放射状に延びる2乃至4本の羽根57を備えて、各羽根57の作用面が長手方向では粒状ドライアイスを側周壁方に寄せるように回転方向を基準に下流側に向け中凸状となり、幅手方向では内底面に近接しながら粒状ドライアイスを掬い取らせるように後傾斜状となる湾曲面に形成され、更に撹拌具52には、所定の1本の羽根57の先端に前記シャッタ部材55が取着されてなるとともに、シャッタ部材55を前記粒状ドライアイス取出し孔54に合致して定置させるように停動制御が成される構成としてなる粒状ドライアイスの分配供給装置を提供するものである。
【0028】
上記分配供給装置においては、容器本体51内に貯留されている粒状ドライアイスに対して、各羽根57が内底面及び内周面に近接しながら粒状ドライアイスを掬い取りつつ側周壁方に寄せるようにして回転することから、撹拌作用はきわめて効果的であり、何処にも滞留させずに粒状ドライアイス取出し孔54に向けて全量を確実に誘導させることができ、ブリッジはもとより詰まりも起こさせずに容器本体51内部全体を均一にかき混ぜるようにすることが可能である。
また、撹拌停止時にシャッタ部材55で前記粒状ドライアイス取出し孔54を確実に塞いで粒状ドライアイス供給時、装置停止時に粒状ドライアイス流通経路における目詰まりは未然に防がれる。
【0029】
また、上記課題を解決するためとして、請求項7の発明は、前記請求項6記載の粒状ドライアイスの分配供給装置に関して、撹拌具52の各羽根57が、先端部及び長手方向の中間部の2個所に直立させて取付けられた撹拌棒59を備える構成としてなる粒状ドライアイスの分配供給装置を提供するものである。
【0030】
上記分配供給装置においては、撹拌棒59を取付けたことによって、容器本体51内部の上、中、下各層の別を問わず満遍なく一様に撹拌できる。
【0031】
また、上記課題を解決するためとして、請求項8の発明は、前記請求項1乃至7の何れかに記載の粒状ドライアイスの分配供給装置に関して、粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器A内に供給量調節可能に供給する各手段が、外筐内にスクリューを設けてなるスクリューコンベアであり、スクリューの送出端を送出口の直前の位置で留めて、その送出端面を粒状ドライアイス群に固有の安息角としての約45度の角度がスクリュー軸線を通る垂線軸に対し保持された傾斜面に形成してなる構成の粒状ドライアイスの分配供給装置を提供するものである。
ここで、粒状ドライアイス群に固有の安息角とは、粒状ドライアイスを漏斗の如きもので水平面に静かに落下させた際に生じる円錐体について、その母線と水平面とのなす角度のことである。
【0032】
上記分配供給装置においては、スクリューの回転数を制御対象として粒状ドライアイスの分配供給量をコントロールするに際して、供給停止時におけるスクリューの位相の違いでややもすると投下量が微妙に異なることによって充填誤差が生じていたのを、スクリューの送出端を所定角度の傾斜面に形成した本構成を採用することによりこれを改善できて、精度の高い計量管理の下で分配供給を行わせることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る粒状ドライアイスの分配供給装置の実施形態について、各図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の分配供給装置における第1の実施形態のシステム概略図を示す。図示の分配供給装置は、補給容器1と、第1投入手段2と、供給手段4と、搬送手段5とを要素部材として備え、さらに、制御手段7を供給手段4および搬送手段5に関連させて備える。
【0034】
補給容器1は、流通容器B内に貯留している粒状ドライアイスの全量を収納し得る容積を持つ容器であって、防錆及び低温耐性の材料により好ましくは断熱性材により被覆されていて、頂面が水平に開口する収容体に形成され、図示例では横断平面形状が長方形、縦断側面形状が漏斗形、縦断正面形状が下辺を傾斜線とした梯形をそれぞれ成す傾斜底を有する箱体に形成される。
この補給容器1の前記傾斜底部内側には、スクリューコンベアで実現される供給手段4が添設されていて、全体として固定用ジャッキ付台車などの可動支持台14に頂面が水平に開口するように搭載されて所定位置に固定されている。
【0035】
第1投入手段2は、例えばリフターと称される装置であって、所定位置の前記補給容器1に接近・離間し得る前進・後退可能に設けられる基台15と、この基台15から垂直に立設する支柱6と、この支柱6に支持され案内されて昇降動する水平アーム17と、この水平アーム17の腕先部に該腕先部を回転心とした約135°〜180°に転回可能に支持され、かつ常時は水平姿勢に保たれる容器保持部材18とにより構成される昇降・転回装置が用いられる。
このリフター2は、例えば前記要冷蔵品容器Aの数十台分の保冷処理作業に必要とされる量の粒状ドライアイスが収納されて頂板が取除かれ開口している流通容器Bを容器保持部材18により保持した後、前進・上昇させて図示のように所要の高さまで持ち上げ、二点鎖線図示の姿勢まで約135°〜180°の転回を行わせて、流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを直下の前記補給容器1内に投入させるように作動するものである。
【0036】
補給容器1の前記傾斜底部内側に添設されてなる前記供給手段4としてのスクリューコンベアは、可変速度形の駆動モーター19が連結されているスクリュー軸端部に臨む送入側が傾斜底部の低い側に、スクリュー20の送出端に臨む送出口21が傾斜底部の高い側にそれぞれ位置するように配設されていて、補給容器1内に堆積する粒状ドライアイスをスクリュー20の回転により押し上げつつ移送し、搬送手段5で搬送されて直下方に位置する要冷蔵品容器Aの器内に適当量の粒状ドライアイスを送出口21から順次投入・供給するようになっている。
【0037】
なお、スクリューコンベア4は、補給容器1内の部分を開放構造としたものでもよいが、図示のように送出側端部から全長の約半部を超える長さの部分を筒形外筐22で覆ってなる一部閉鎖構造としたものとすることもよく、このようにすれば粒状ドライアイスが目詰まりを生じる如きトラブルを防いで円滑かつ安定して移送を続けることができて好ましい。また、図示の装置は、アジテーターなどで実現される加振手段9を補給容器1内に付設しているが、これは、補給容器1内の粒状ドライアイスが自重圧などによって固まることによる架橋現象の発生を防止して、個々にほぐれた状態の粒状ドライアイスを供給手段4の送入側にスムーズに繰り出させるようにできるものであって、このような手段は好ましい実施形態である。
【0038】
次に、搬送手段5は、図1に示すように要冷蔵品容器Aを順次搬送するためとして前記補給容器1に隣合わせて配設させるものであり、例えば、ローラー、ラティスまたは無端ベルトの水平コンベアが用いられ、ドライアイス充填ポイントが前記スクリューコンベア4の送出口21に対し真下位置になるように配設される。さらに、このコンベアの前記充填ポイントの搬送面直下部には、当該要冷蔵品容器Aに投入すべき粒状ドライアイスの必要量(以下、ドライアイス投入量という)を検知するための、例えばロードセルの如き検知手段28が設けられている。なお、この検知手段28としては、要冷蔵品容器Aに識別子(ドライアイス投入量が記録されたバーコードなどの情報)が具備されている場合には、その情報を読取らせるために前記充填ポイントの近傍の位置に設けてなる非接触型検知器等を用いるようにしてもよい。また、ロードセルに替えて光センサーを用いてもよい。
【0039】
次いで、制御手段7は、搬送手段5によって順次搬送される個々の要冷蔵品容器Aに対するドライアイス投入量に応じて供給手段4としてのスクリューコンベアのスクリュー20の作動条件を起動、停止を含め調整するために制御するものであって、検知手段28及び駆動モーター19にそれぞれ電気的に接続されている。さらに、制御手段7は、搬送手段5の作動調整を併せて行わせるためとしてその駆動モーター(図示せず)に電気的に接続するようにしてもよい。
【0040】
上述の構成になる分配供給装置は、所定量の粒状ドライアイスが収容され上蓋が取り除かれている流通容器Bを第1投入手段2により補給容器1の直上方の個所に持って行き、ひっくり返させて流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを補給容器1内に投入する。この補給容器1の内底部に積載した粒状ドライアイスを、供給手段4により適当量ずつ送り出して順次搬送される要冷蔵品容器A内に投入・供給する。
【0041】
この供給運転の間を通じて、加振手段9がほぐしのための運転を続けていることから、補給容器1内の粒状ドライアイスは自重圧などによって固まることによる架橋現象が防止されて、個々にほぐれた状態の粒状ドライアイスを供給手段4の送入側にスムーズに繰り出させることができる。
【0042】
供給手段4の送入側に繰り入れる粒状ドライアイスは、検知手段28からの指令に基づく制御手段7の作動により、該手段4の駆動モーター19に対する発・停、速度調節の制御が適切に成されることから、ドライアイス投入量に適応した所要量が送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入・供給される。従って、搬送されてくる要冷蔵品容器Aごとにドライアイス投入量が異なる場合であっても、制御手段7で調整することで必要量のドライアイスを常時供給できるので、連続的かつ容易に過不足のない適量の粒状ドライアイスを投入・供給することができる。なお、上記検知手段28は光センサー等で代替させることもできる。
【0043】
図2は、本発明の分配供給装置における第2の実施形態のシステム概略図を示す。図示の分配供給装置において、前記第1の実施形態のものに類似し、対応する各要素部材については、同一の参照符号を付して個々の詳細説明は省略するものとする。この分配供給装置は、前記第1の実施形態の装置の構成に対して小型ホッパー3と第2投入手段6とを要素部材として付加して備えるとともに、制御手段7を第2投入手段6および搬送手段5に関連させて備えてなる構成とした点に特徴を有している。
【0044】
前記小型ホッパー3は、補給容器1内の粒状ドライアイスの一部量、即ち順次搬送される要冷蔵品容器Aの例えば数台〜数百台分に充填するに必要とされる量に対応する一部量を収容し得る容積を持つホッパーであって、補給容器1に比して相当に小型構造となっている。この小型ホッパー3は図示するように台車23上に据付けて、スクリューコンベアからなる供給手段4の送出口21に対し上面開口部が直下方に臨む位置に配設して固定させる。
【0045】
一方、搬送手段5は、小型ホッパー3に対して補給容器1とは反対側の隣り合った位置に配設させるものである。次に、第2投入手段6は、例えば前記供給手段4に類似の構造、機能を持つスクリューコンベアから成り、スクリュー25の全長部分を筒形外筐24で覆わせた全閉鎖構造としたものが用いられる。
このスクリューコンベア6は、可変速度形の駆動モーター26が連結されているスクリュー軸端部に臨む送入側が小型ホッパー3の排出口に接続され、スクリュー25の送出端に臨む送出口27が前記搬送手段5におけるドライアイス充填ポイントの真上位置になるように、送出方向を斜め前方上向きとして小型ホッパー3に一体的に連結させて設けられ、これらの小型ホッパー3とスクリューコンベア6とは可動支持台23上に搭載されて所定位置に配設・固定される。
【0046】
次いで、制御手段7は、搬送手段5によって順次搬送される個々の要冷蔵品容器Aに対するドライアイス投入量に応じて第2投入手段6としてのスクリューコンベアのスクリュー25の作動条件を起動、停止を含め調整するために制御するものであって、検知手段28及び駆動モーター26にそれぞれ電気的に接続されている。さらに、制御手段7は、搬送手段5の作動調整を併せて行わせるためとしてその駆動モーター(図示せず)に電気的に接続するようにしてもよい。
【0047】
上述の構成になる分配供給装置は、所定量の粒状ドライアイスが収容され上蓋が取り除かれている流通容器Bを第1投入手段2により補給容器1の直上方の個所に持って行き、ひっくり返させて流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを補給容器1内に投入する。この補給容器1の内底部に積載した粒状ドライアイスを、供給手段4により適当量ずつ送り出して小型ホッパー3内に供給する。小型ホッパー3内には順次搬送される要冷蔵品容器Aの例えば数台〜数百台分に必要とされる一部量の粒状ドライアイスが常に貯留される。
【0048】
このようにすることにより、小型ホッパー3内の粒状ドライアイスは、少量であるから自重圧などによって固まることによる架橋現象が防止されて、個々にほぐれた状態の粒状ドライアイスを第2投入手段6の送入側にスムーズに繰り出させることができる。なお、この小型ホッパー3には架橋防止用の撹拌機構を設けることがより好ましいものである。
【0049】
第2投入手段6の送入側に繰り入れた粒状ドライアイスは、検知手段28からの指令に基づく制御手段7の作動により、該手段6の駆動モーター26に対する発・停、速度調節の制御が適切に成されることから、ドライアイス投入量に適応した所要量にて送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入される。従って、搬送されてくる要冷蔵品容器Aごとにドライアイス投入量が異なる場合であっても、制御手段7で調整することで必要量のドライアイスを供給できるので、連続的かつ容易に粒状ドライアイスを投入することができる。
【0050】
図3は、本発明の分配供給装置における第3の実施形態のシステム概略図を示す。図示の分配供給装置において、前記第1及び第2の実施形態のものに類似し、対応する各要素部材については、同一の参照符号を付して個々の詳細説明は省略するものとする。この分配供給装置は、第1投入手段2と、大型ホッパー8と、加振手段9と、搬送手段5と、第2投入手段6とを要素部材として備え、さらに、制御手段7を第2投入手段6および搬送手段5に関連させて備える。
【0051】
大型ホッパー8は、流通容器Bに収納される粒状ドライアイスの全量を受け容れるだけの容積を持つホッパーであって、その下底部の排出口30に接続して設けた第2投入手段6と一体させて可動支持台31に搭載され、頂面の開口部が第1投入手段2の投入位置に対し直下部に配置されるように設けられる。この大型ホッパー8は、防錆及び低温耐性の材料により好ましくは断熱性材により被覆されてなる漏斗形の箱体に形成される。
【0052】
第2投入手段6は、図2に示される第2投入手段6と同等の構造、機能を有するスクリューコンベアであって、可変速度形の駆動モーター32が連結されているスクリュー軸端部に臨む送入側が大型ホッパー8の排出口30に接続され、スクリュー33の送出端に臨む送出口34が後述の搬送手段5におけるドライアイス充填ポイントの真上位置になるように、送出方向を斜め前方上向きとして大型ホッパー8に一体的に連結させて設けられる。
【0053】
上記大型ホッパー8の内部には、アジテーターで実現される加振手段9が配設される。このアジテーター9は、大型ホッパー8に収容している粒状ドライアイスをほぐすためとして該ホッパーに振動可能に設けられたものであって、同様の機能を発揮し得るものであれば、撹拌棒(翼)、バイブレーション装置など各種の構成のものを用いることができる。
【0054】
上記分配供給装置においては、所定量の粒状ドライアイスが収納される流通容器Bを第1投入手段2により大型ホッパー8の直上方の個所に移送させ、ひっくり返させて流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを大型ホッパー8内に投入する。ホッパー8内の粒状ドライアイスは、アジテーター9により加振されるので架橋現象は未然に防がれ、個々にほぐれた状態の粒状ドライアイスを第2投入手段6の送入側にスムーズに繰り出させることができる。大型ホッパー8の内底部に全粒の互いに分離した状態で積載している粒状ドライアイスは、その排出口部に連結して設けたスクリューコンベアから成る第2投入手段6により適当量ずつ送り出されて送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入される。
【0055】
第2投入手段6では、これを駆動制御する制御手段7の作動により、投入すべきドライアイス投入量に適応した所要量が送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入される。このように、本発明の装置によれば、粒状ドライアイス収容体として大型ホッパー8単体による単純かつコンパクトな構造のものを用いて所要量の粒状ドライアイスを確実にかつ容易に分配供給することができる。
【0056】
図4は、本発明の分配供給装置における第4の実施形態のシステム概略図を示す。図示の分配供給装置において、前記第1、第?及び第3の各実施形態のものに類似し、対応する各要素部材については、同一の参照符号を付して個々の詳細説明は省略するものとする。この分配供給装置は、補給容器10と、第1投入手段2と、搬送スクリュー11と、搬送手段5と、投入スクリュー12とを要素部材として備え、さらに、制御手段7を第2投入手段6および搬送手段5に関連させて備えるとともに、制御手段13を搬送スクリュー11に関連させて備える。
【0057】
補給容器10は、流通容器B内に貯留している粒状ドライアイスの全量を収納し得る容積を持つ容器であって、防錆及び低温耐性の材料により好ましくは断熱性材により被覆されていて、頂面が水平に開口する収容体に形成され、図示例では横断平面形状及び縦断正面形状が何れも長方形、縦断側面形状が漏斗形を成す水平底を有する箱体に形成される。
この補給容器10の前記水平底部内側には、スクリューコンベアで実現される図1、2に図示の前記供給手段4と同等の構造、機能を持つ搬送スクリュー11が添設されていて、全体として固定用ジャッキ付の台車35に頂面が水平に開口するように搭載され所定位置に固定されている。この搬送スクリュー11には、可変速度型の駆動モーター36が備えられている。
【0058】
一方、投入スクリュー12は、スクリューコンベアで実現される図1及び図2にそれぞれ示される第2投入手段6と同等の構造、機能を持つ移送用装置であって、可変速度型の駆動モーター37を備えており、補給容器10の排出口部と搬送手段5の上方部とに亘らせ設けられて、補給容器10内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器A内に投入量調節可能に投入するようになっている。
【0059】
駆動モーター36には、その駆動電流を測定してトルク換算値として検知するための検知手段29が設けられている。なお、この検知手段29としては、この他に各種形式のトルク検知器を替えて用いるようにしてもよい。
【0060】
次いで、制御手段13は、補給容器10において搬送スクリュー11により順次搬送されるドライアイス送出量が過大になった場合、この過大による負荷増大に基づいて駆動モーター36が過負荷トルクとなるのを防ぐためにスクリューコンベアのスクリューの作動条件を起動、停止を含め調整するために制御するものであって、検知手段29及び駆動モーター36にそれぞれ電気的に接続されている。
【0061】
上記分配供給装置においては、粒状ドライアイスが収納される流通容器Bを第1投入手段2により補給容器10の直上方の個所に移動させて流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを補給容器10内に投入する。この内底部に積載した粒状ドライアイスを、その底部に設けた搬送スクリュー11により適当量ずつ送り出してその排出口に搬送し、スクリューコンベアから成る投入スクリュー12を経てその送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入させる。
【0062】
このように繰り出し及び投入が行われる間、補給容器10内では搬送スクリュー11の作動中に制御手段13による駆動モーターのトルクコントロールなどの出力制御が行われ、該排出口部において粒状ドライアイスが過送り出しや架橋現象等に起因する目詰まりを生じるのを未然に防ぐことが可能であり、従って、個々にほぐれた正常状態の粒状ドライアイスを投入スクリュー12の送入側にスムーズに繰り出させることができる。
【0063】
投入スクリュー12では、これを駆動制御する制御手段7の作動により、投入すべきドライアイス投入量に適応した所要量が送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入される。このように、本発明の装置によれば、粒状ドライアイス収容体としてコンパクトな構造の補給容器10を使用して所要量の粒状ドライアイスを容易に分配供給することができる。
【0064】
図5は、本発明の分配供給装置における第5の実施形態のシステム概略図を示す。また、図6、図7は、上記の第5の実施形態における補給容器1及び供給手段4の平面図、右側面図を示す。図示の分配供給装置において、前記第1の各実施形態のものに類似し、対応する各要素部材については、同一の参照符号を付して個々の詳細説明は省略するものとする。この分配供給装置は、補給容器1と、第1投入手段2と、供給手段4と、搬送手段5とを要素部材として備え、さらに、制御手段7を供給手段4および搬送手段5に関連させて備える。
【0065】
補給容器1は、流通容器B内に貯留している粒状ドライアイスの全量を収納し得る容積を持つ容器であって、容器本体51と、撹拌具52と、頂板53とを備える。容器本体51は防錆及び低温耐性の材料を母材として断熱性材により被覆して断熱処理されていて、頂部開口56を持ちかつ底壁部の内底面が平坦面を成す有底短円筒形状(円樽形等)の容器に形成される。円形の頂部開口56には、補給容器1の開口部に対応した方形状の粒状ドライアイス受け口58を持つ頂板53が回動操作可能に嵌合により取付けられている。なお、容器本体51の内底面は平坦面に限らなく、筒軸中心から底周縁に向けて緩やかな均等下り勾配となる円錐面に形成されたものであっても良い。
【0066】
上記容器本体51は、底壁部の底周縁に接する壁部で供給手段4の送入側の上方に位置する個所に、例えば小四方形状を成す粒状ドライアイス取出し孔54が穿孔されている。この粒状ドライアイス取出し孔54は、底壁部に設ける他に側周壁部に設けるようにしても良く、粒状ドライアイスの取出し並びに供給手段4の送入側への繰り出しを確実かつ円滑ならしめるためには、側周壁部と底壁部の少なくとも一方の底周縁を含む壁部で、かつ、供給手段4の送入側の上方に位置する個所に開口させることが必要である。図中、符号62は格子であり、縦桟格子または縦横桟格子を用いて頂部開口56に取付けられていて、流通容器B内でくっついた粒状ドライアイスをほぐし崩す役割と容器本体51内に手を入れるなどの事故防止、安全対策上の点とから設けられてなる部材である。
【0067】
撹拌具52は、2乃至4本の羽根57(本実施形態では4本羽根)を中心のボス部から等分周の放射状に延ばして備えていて、容器本体51内の底部に同心の配置で収納され、その内底面及び内周面に4本の羽根57を対向させ近接させるような状態下でボス部の中心軸周りの回転可能に設けられる。各図中、符号60はブレーキ付きの駆動モーターであり、減速機及び容器本体51の底壁中心部を上下に貫通させて軸支した回転軸61を介してボス部の中心に連結されている。
【0068】
4本の各羽根57は、図6を参照すれば明らかなように、弓状に湾曲した形状を成していて、その作用面が、径方向に延びる長手方向では粒状ドライアイスを回転の際に容器本体51の側周壁方に寄せるように、矢示線で現される回転方向を基準に下流側に向け中凸状となり、上下方向の幅手方向では下縁部が容器本体51の内底面に対向して近接する状態で粒状ドライアイスを掬い取らせる鋤のように後傾斜状となる湾曲面に形成される。なお、本実施形態の撹拌具52における各羽根57には、先端部及び長手方向の中間部の2個所に、直立させて取付けた2本の撹拌棒59が設けられていて、羽根回転時の撹拌作用をより一層高めさせるような構造としている。
【0069】
それらの各羽根57のうちの所定の1本の羽根57については、先端側の下縁部にねじ止め、溶接などの固定手段によりシャッタ部材55が取着されている。このシャッタ部材55は、前記粒状ドライアイス取出し孔54に対応させて設けられたもので、該孔54を羽根57回転時は開放し、停止時は塞ぐように機能させるところから、粒状ドライアイス取出し孔54の小四方形の形状に相似したやや大きい四方形の薄板により形成されて、粒状ドライアイス取出し孔54の真上に覆い被さり得るように位置付けしてシャッタ部材55に取着される。
【0070】
このように構成してなる撹拌具52は、羽根57が停止している場合には、シャッタ部材55を粒状ドライアイス取出し孔54に蓋材として合致した状態で定置させることが必要であり、そのために羽根57に対して自動停動制御を行わせるようになっている。即ち一例として、回転軸61に対してその回転動態を検出するためのエンコーダを取り付けてこのエンコーダからの指令信号により駆動モーター60を発停制御するなどの制御手段を採用することによって可能であり、停止動作時において、所定の1本の羽根57を所要の位置に停止させることでシャッタ部材55により粒状ドライアイス取出し孔54を簡単、確実に塞がせることが出来る。
【0071】
頂板53は、容器本体51の円形の頂部開口56に嵌合して回動操作可能に取付けられる。この頂板53は詳細を図示しないが好ましくは断熱処理されてなる板材であって、中央部には流通容器Bの開口部に対応した例えば方形状を成す粒状ドライアイス受け口58が開口されていて、粒状ドライアイス受け口58から蓋63が外された状態において流通容器Bから投入される粒状ドライアイスを粒状ドライアイス受け口58から受容れて容器本体51内に落とし込ませることが出来るようになっている。
【0072】
第1投入手段2と、供給手段4と、搬送手段5とについては、前記第1の各実施形態のものと類似する構成であるので、繰り返しての説明を省略するが、供給手段4に関しては、好ましくは断熱処理された外筐22内にスクリュー20を設けてなるスクリューコンベアであって、粒状ドライアイスの分配供給に際して、数kg単位の充填に有効なものとしては、例えば筒直径125mmでスクリューピッチ100mmのスクリューコンベアが挙げられ、一方、数百g単位の充填に有効なものとしては、例えば筒直径100mmでスクリューピッチ80mmのスクリューコンベアが挙げられる。
【0073】
これらのスクリューコンベアからなる供給手段4は図示の如く、可変速度形の駆動モーター19が連結されているスクリュー軸端部に臨む送入側が粒状ドライアイス取出し孔54の直下部においてダクトにより直結され、スクリュー20の送出端に臨む送出口21が搬送手段5の真上部にそれぞれ位置するように斜昇状に配設されていて、補給容器1内に収容される粒状ドライアイスをスクリュー20の回転により押し上げつつ移送し、搬送手段5で搬送されて直下方に位置する要冷蔵品容器Aの器内に適当量の粒状ドライアイスを送出口21から順次投入・供給するよう設けられる。
【0074】
上記の供給手段4において、スクリュー20の送出端部は送出口21の直前の位置に留められて、その送出端面を粒状ドライアイス群に固有の安息角としての約45度の角度がスクリュー軸線を通る垂線軸に対し保持された傾斜面に形成した構造としている。かかる構造としたことによって、スクリュー20の停止位置による充填誤差を出来るだけ少なく抑えることが可能となるものである。
【0075】
上述の構成になる分配供給装置は、所定量の粒状ドライアイスが収容され蓋が取り除かれている流通容器Bを第1投入手段2により補給容器1の直上方の個所に持って行き、ひっくり返させて流通容器B内の全量の粒状ドライアイスを補給容器1内に投入する。この補給容器1の内底部に積載した粒状ドライアイスを撹拌具52によりかき混ぜるように撹拌しながら、同時に供給手段4により適当量ずつ送り出して順次搬送される要冷蔵品容器A内に投入・供給する。
【0076】
この供給運転の間を通じて、撹拌具52の各羽根57が粒状ドライアイスを掬い取りつつ容器本体51の側周壁方に寄せるように機能して有効な撹拌を行い、しかも粒状ドライアイス取出し孔54にほぐしつつ誘導するための運転を続けていることから、補給容器1内の粒状ドライアイスは自重圧などによって固まることによる架橋現象が悉く防止されて、個々にほぐれた正常な状態の粒状ドライアイスを供給手段4の送入側にスムーズに繰り出させることができる。
【0077】
供給手段4の送入側に繰り入れる粒状ドライアイスは、検知手段28からの指令に基づく制御手段7の作動により、該手段4の駆動モーター19に対する発・停、速度調節の制御が適切に成されることから、ドライアイス投入量に適応した所要量が送出側から各要冷蔵品容器A内に順次投入・供給される。この場合、スクリュー20の送出端部は送出口21の直前の位置に留められて、その送出端面を粒状ドライアイス群に固有の安息角としての約45度の角度がスクリュー軸線を通る垂線軸に対し保持された傾斜面に形成しているため、スクリュー20の停止時の位相角の違いによる充填誤差が殆ど無くなり、充填精度を高めることができる。
【0078】
一方、補給容器1へのドライアイス補給時及び供給手段4の供給中断時には、撹拌具52による撹拌の停止と同時にシャッタ部材55で粒状ドライアイス取出し孔54を塞がせるようにしていることにより、供給手段4を含む流通経路におけるドライアイス過剰供給などによる目詰まりが未然に防止されて安定充填が図られる。
【0079】
【発明の効果】
以上述べるように、本発明に係る分配供給装置によれば、供給手段、第2投入手段、また、投入スクリューそれぞれの作動時間や回転数などの作動条件を制御手段で任意に調整することによって所要量の粒状ドライアイスを要冷蔵品容器に投入でき、充填供給量の異なる要冷蔵品容器ごとにスムーズに対応しながら正確に適量の粒状ドライアイスを充填することができる。従って、分配供給作業の高効率化を図ることが可能となる。
【0080】
特に、本発明に係る分配供給装置によれば、装置における各部材がコンパクトな構造で、しかも、段組みがなく前後に隣り合う横配置形態をとっているため、背丈が低く且つ設置スペースを広く占有しなくて装置コストの低減が一層果たされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分配供給装置における第1の実施形態のシステム概略図。
【図2】本発明の分配供給装置における第2の実施形態のシステム概略図。
【図3】本発明の分配供給装置における第3の実施形態のシステム概略図。
【図4】本発明の分配供給装置における第4の実施形態のシステム概略図で、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)におけるI−I線矢視方向の側面図。
【図5】本発明の分配供給装置における第5の実施形態のシステム概略図。
【図6】図5に図示の第5の実施形態における補給容器1及び供給手段4の平面図。
【図7】図5に図示の第5の実施形態における補給容器1及び供給手段4の右側面図。
【図8】先行技術の分配供給装置のシステム概略図。
【符号の説明】
1…補給容器     2…第?投入手段   3…小型ホッパー
4…供給手段     5…搬送手段     6…第2投入手段
7…制御手段     8…大型ホッパー   9…加振手段
10…補給容器    11…搬送スクリュー 12…投入スクリュー
13…制御手段    51…容器本体    52…撹拌具
53…頂板      54…粒状ドライアイス取出し孔
55…シャッタ部材  56…頂部開口    57…羽根
58…粒状ドライアイス受け口        59…撹拌棒
A…要冷蔵品容器   B …流通容器
整理番号 IWP021101          ページ(1/7)

Claims (8)

  1. 粒状ドライアイスが収納される補給容器(1)と、
    流通容器(B)を所要の高さまで持ち上げて該流通容器(B)内の全量の粒状ドライアイスを前記補給容器(1)内に投入する投入手段(2)と、
    要冷蔵品容器(A)を順次搬送するためとして前記補給容器(1)に隣設された搬送手段(5)と、
    前記補給容器(1)内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器(A)内に供給量調節可能に供給する供給手段(4)と、
    前記要冷蔵品容器(A)内に投入すべきドライアイス投入量に応じて前記供給手段(4)を駆動制御する制御手段(7)とを備えることを特徴とする粒状ドライアイスの分配供給装置。
  2. 粒状ドライアイスが収納される補給容器(1)と、
    流通容器(B)を所要の高さまで持ち上げて該流通容器(B)内の全量の粒状ドライアイスを前記補給容器(1)内に投入する第1の投入手段(2)と、
    前記補給容器(1)内の粒状ドライアイスの一部量を収容するためとして補給容器(1)に隣設された小型ホッパー(3)と、
    前記補給容器(1)内の粒状ドライアイスを前記小型ホッパー(3)内に供給する供給手段(4)と、
    要冷蔵品容器(A)を順次搬送するためとして前記小型ホッパー(3)に隣設された搬送手段(5)と、
    前記小型ホッパー(3)内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器(A)内に供給量調節可能に供給する第2の投入手段(6)と、
    前記要冷蔵品容器(A)内に投入すべきドライアイス投入量に応じて前記第2投入手段(6)を駆動制御する制御手段(7)とを備えることを特徴とする粒状ドライアイスの分配供給装置。
  3. 粒状ドライアイスが収納される大型ホッパー(8)と、流通容器(B)を所要の高さまで持ち上げて該流通容器(B)内の全量の粒状ドライアイスを前記大型ホッパー(8)内に投入する第1の投入手段(2)と、
    前記大型ホッパー(8)に収容している粒状ドライアイスをほぐすためとして該ホッパー(8)に振動可能に設けられた加振手段(9)と、
    要冷蔵品容器(A)を順次搬送するためとして前記大型ホッパー(8)に隣設された搬送手段(5)と、
    前記大型ホッパー(8)内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器(A)内に供給量調節可能に供給する第2の投入手段(6)と、
    前記要冷蔵品容器(A)内に投入すべきドライアイス投入量に応じて前記第2投入手段(6)を駆動制御する制御手段(7)とを備えることを特徴とする粒状ドライアイスの分配供給装置。
  4. 粒状ドライアイスが収納される補給容器(10)と、
    流通容器(B)を所要の高さまで持ち上げて該流通容器(B)内の全量の粒状ドライアイスを前記補給容器(10)内に投入する第1の投入手段(2)と、
    前記補給容器(10)に設けられて該容器内の粒状ドライアイスをその排出口に搬送する搬送スクリュー(11)と、
    要冷蔵品容器(A)を順次搬送するために前記補給容器(10)に隣設された搬送手段(5)と、
    前記補給容器(10)の排出口部と前記搬送手段(5)の上方部とに亘らせ設けられて補給容器(10)内の粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器(A)内に供給量調節可能に供給する投入スクリュー(12)と、
    前記搬送スクリュー(11)の過負荷トルクを検出してその駆動モーターを制御する制御手段(13)と、
    前記要冷蔵品容器(A)内に投入すべきドライアイス投入量に応じて前記投入スクリュー(12)を駆動制御する制御手段(7)とを備えることを特徴とする粒状ドライアイスの分配供給装置。
  5. 前記補給容器(1)が、頂部開口(56)と断熱処理された側周壁部とを持つ有底短円筒形状の容器本体(51)と、
    容器本体(51)内に同心配置で収納されてなり、その内底面及び内周面に複数本の羽根(57)を近接させるように中心軸周りの回転可能に設けられる撹拌具(52)と、
    前記流通容器(B)から投入される粒状ドライアイスを受け容れる粒状ドライアイス受け口(58)を持ち、前記頂部開口(56)に覆わせて取付けられる頂板(53)と、
    容器本体(51)における側周壁部と底壁部の少なくとも一方の底周縁を含む壁部で前記供給手段(4)の送入側の上方に位置する個所に開口されてなる粒状ドライアイス取出し孔(54)と、
    この粒状ドライアイス取出し孔(54)を撹拌具(52)の停動時に塞がせるためとして該取出し孔(54)に関連して設けられるシャッタ部材(55)とを備えてなる請求項1に記載の粒状ドライアイスの分配供給装置。
  6. 容器本体(51)における底壁部の内底面は、平坦面又は軸中心から底周縁に向けて緩やかな下り勾配となる円錐面に形成され、撹拌具(52)は、等分周の放射状に延びる2乃至4本の羽根(57)を備えて、各羽根(57)の作用面が長手方向では粒状ドライアイスを側周壁方に寄せるように回転方向を基準に下流側に向け中凸状となり、幅手方向では内底面に近接しながら粒状ドライアイスを掬い取らせるように後傾斜状となる湾曲面に形成され、更に撹拌具(52)には、所定の1本の羽根(57)の先端に前記シャッタ部材(55)が取着されてなるとともに、シャッタ部材(55)を前記粒状ドライアイス取出し孔(54)に合致して定置させるように停動制御が成される請求項5記載の粒状ドライアイスの分配供給装置。
  7. 撹拌具(52)の各羽根(57)が、先端部及び長手方向の中間部の2個所に直立させて取付けられた撹拌棒(59)を備える請求項6記載の粒状ドライアイスの分配供給装置。
  8. 粒状ドライアイスを前記要冷蔵品容器(A)内に供給量調節可能に供給する各手段が、外筐内にスクリューを設けてなるスクリューコンベアであり、スクリューの送出端を送出口の直前の位置で留めて、その送出端面を粒状ドライアイス群に固有の安息角としての約45度の角度がスクリュー軸線を通る垂線軸に対し保持された傾斜面に形成してなる請求項1乃至7の何れかに記載の粒状ドライアイスの分配供給装置。
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