一般に、ダンボールケースC(図20参照)は、図17に示すケース用ダンボールD(以下、ダンボールという。)を方形に開いて開函し(図18参照)、その前後面Ma の下縁にそれぞれ接続された内フラップFa および左右側面Mb の下縁にそれぞれ接続された外フラップFb を順次折り込んだ後(図19および図20参照)、その外フラップFb の突き合わせ部を包装テープTで封緘して組み立てるようになっている。そして、これらの作業を人手に代わって自動的に行う製函機が出願人より提供されている(例えば、特許文献1参照)。
まず、この製函機について説明すると、製函機11 は、図15および図16に示すように、複数枚のダンボールDを積み込んで先方に押し出すホッパー装置31 と、ホッパー装置31 に積み込まれた複数枚のダンボールDのうち、最前列のダンボールDを引き出す引出装置41 と、引き出されたダンボールDの内フラップFa および外フラップFb を順次折り込む内フラップ折込装置51 および外フラップ折込装置61 と、内フラップFa および外フラップFb がそれぞれ折り込まれたダンボールDを搬出する搬出装置71 と、内フラップFa および外フラップFb がそれぞれ折り込まれたダンボールDを搬送しつつ外フラップFb の突き合わせ部を包装テープTで封緘するテーピング装置81 から構成されている。
以下、これらの構成について説明すると、ホッパー装置31 は、先方に向かって下り勾配の傾斜面および床面と平行な平行面から形成されて基台21 に昇降自在に固定された底板311 と、この底板311 の裏面に設けられたガイド321 に沿って自重で滑落可能な押さえ板331 と、底板311 の平行面の前端に位置して前後方向(図15の左右方向)に適宜間隔をおいて配置された複数本の下部ピン(図示せず)と、この下部ピンの上方に位置し、基台21 に昇降自在に連結された取付けパイプ341 に前後方向に間隔をおいて設けられた2個の開口ブラシ351 と、取付けパイプ341 に取付け板361 を介して固定された過供給防止ストッパー371 からなり、底板311 上に積み込まれたダンボールDは、押さえ板331 によって押し出され、その平行面に押し出された少数枚のダンボールDを除いて過供給防止ストッパー371 によって保持されるとともに、最前列のダンボールDの上下端縁がそれぞれ下部ピンおよび開口ブラシ351 によって保持されている。
また、ダンボールDの引出装置41 は、左右方向(図15の上下方向)に配設されたガイドロッド411 に沿って摺動自在に嵌合された引出フレーム421 と、この引出フレーム421 に前後方向に間隔をおいて固定され、図示しない真空源に接続された一対の吸着パッド431 と、ガイドロッド411 の前方に位置して固定された開口バー441 と、吸着パッド431 を左右方向に進退させるロッドレスシリンダなどのアクチュエータ451 からなり、アクチュエータ451 を作動させることにより吸着パッド431 をガイドロッド411 に沿って最前列のダンボールDを吸着する位置とその引出位置、すなわち、内外フラップ折込装置51 ,61 による内外フラップFa ,Fb の折込位置間に進退させることができる。
そして、開口バー441 は、平面視傾斜部4411 と直線部4421 とを連結した略く字状に形成され、後述するように、吸着パッド431 がダンボールDを吸着して引き出す際、ダンボールDの後面Ma が傾斜部4411 に沿って当接しつつ引き出されることで側面Mb との折り目に沿って折れ曲がり、方形に開函されるものである。
一方、内フラップ折込装置51 は、ダンボールDの前後面Ma に接続された内フラップFa を折り込むもので、ロータリアクチュエータなどのアクチュエータ511 と、このアクチュエータ511 の出力軸に固定されたレバー521 からな 、アクチュエータ511 を作動させることによりレバー521 を垂下位置と水平位置間に回動させることができる。そして、前方の内フラップ折込装置51 は基台21 に固定され、後方の内フラップ折込装置51 は、前述した引出装置51 を構成する開口バー441 に固定されている。
また、外フラップ折込装置61 は、ダンボールDの側面Mb に接続された外フラップFb を折り込むもので、前後両端を軸支された一対の回転軸611 ,611 と、これらの回転軸611 にそれぞれ連結されたL字状アーム621 ,621 と、このアーム621 の先端に固定されたバー631 と、一方の回転軸611 を回転駆動させるエアシリンダなどのアクチュエータ(図示せず)と、回転軸611 ,611 にそれぞれ固定されて噛み合う一対の歯車641 ,641 からなり、アクチュエータを作動させることにより、アーム621 ,621 を互いに反対方向に回動させるようになっている。
さらに、搬出装置71 は、内外フラップFa ,Fb が折り込まれたダンボールDを前方に押し出すもので、前後方向に配設された一対のガイドロッド711 に沿って摺動自在に嵌合された搬出フレーム721 と、この搬出フレーム721 を前後方向に進退させるエアシリンダなどのアクチュエータ731 からなり、搬出フレーム721 には前述した引出装置41 が固定されている。したがって、アクチュエータ731 を作動させると、引出装置41 が前後方向に進退する結果、開口バー441 がダンボールDの後面Ma を押圧して前方に押し出すようになっている。
なお、アクチュエータ731 の他端は、ガイドロッド711 に沿って摺動自在に嵌合された摺動部材751 に連結され、この摺動部材751 が基台21 に回転自在に軸支されたスクリュー741 に螺合されている。この結果、スクリュー741 を回転させることにより摺動部材751 、すなわち、アクチュエータ731の作動開始位置を調整することができ、ダンボールケースCの長さの大小に対応させることができる。
また、テーピング装置81 は、搬出装置71 によって押し出されたダンボールDを受け取り、その左右側面Mb を挾み込んで前方に搬送するコンベア装置811 と、このコンベア装置811 によってダンボールDを搬送する際、その外フラップFb の突き合わせ部を包装テープTで封緘するテーピングユニット821 から構成されている。コンベア装置811 は、ダンボールDの底面、すなわち、折り込まれた外フラップFb を支持するローラコンベア831 と、前後方向に間隔をおいて回転自在に軸支されたプーリー841 ,841 回りに巻回された一対のベルト851 ,851 からなり、各ベルト851 は、一方のプーリー841 に連結された電動モータなどのアクチュエータ861 によって互いに逆方向に回転するようになっている。この結果、前述の搬出装置71 によって押し出されたダンボールDは、その底面(外フラップFb )がローラコンベア831 に支持されると同時に、ベルト851 ,851 によってその左右両側面Mb が挾持されて前方に搬送されるものである。
なお、コンベア装置811 は、詳細には図示しないが、基台21 の左右方向に回転自在に軸支された逆ネジを有するスクリューに螺合されており、このスクリューを回転させることによって対向する左右一対のベルト851 ,851 を互いに接近させ、あるいは、離隔させることができ、ダンボールケースCの幅の大小に対応させることができる。
一方、テーピングユニット821 は、基台21 に着脱自在に配設されたホルダー871 と、このホルダー871 に回転自在に保持されたロール状の包装テープTと、ホルダー871 の後端上方に導き出された包装テープTのカッター(図示せず)からなり、前述したコンベア装置811 によってダンボールDが搬送されると、その前面Ma の中央下端部に包装テープTの先端が粘着し、コンベア装置811 によるダンボールDの搬送時、その底面中央部、すなわち、外フラップFb の突き合わせ部を包装テープTで封緘し、さらに、ダンボールDの後端が通過する際、その後面Ma の中央下端部まで粘着してカッターにて切断するものである。
なお、内外フラップ折込装置51 ,61 による内外フラップFa ,Fb の折込領域からテーピング装置81 によるテープ貼着領域にかけて、搬送されるダンボールDの跳ね上がりを防止するため、ダンボールDの上端縁(外フラップFb の自由端縁)を支持する長尺のガイドルーフ211 (図16参照)が基台21 に対して昇降自在に取り付けられている。
次に、このように構成した製函機11 の作動について説明すると、まず、引出装置41 を作動させ、ホッパー装置31 に積み込まれたダンボールDのうち、最前列のダンボールDの側面Mb を吸着パッド431 により吸着して引き出す。この際、ダンボールDは、下部ピンおよび開口ブラシ351 によってその上下端が保持されていることから、その抵抗でたわみながら下部ピンを乗り越えると同時に、開口ブラシ351 を押し退ける結果、ダンボールDは、吸着される側の側面Mb と他方の側面Mb との間に空間を形成し、若干開口する。そして、このように開口されたダンボールDは、その後面Ma が開口バー441 に沿って当接しつつ引き出されることで方形に開函する。この後、内フラップ折込装置51 を作動させ、引き出されたダンボールDの前後面Ma に接続された内フラップFa を折り込み、さらに、外フラップ折込装置61 を作動させ、その左右側面Mb に接続された外フラップFb を折り込む。
次いで、吸着パッド43
1 によるダンボールDの吸着を解除した後、搬出装置7
1 を作動させ、内外フラップFa ,Fb が折り込まれたダンボールDを、外フラップ折込装置6
1 のバー63
1 にその底面(外フラップFb )が支持され状態でテーピング装置8
1 に向けて押し出す。このようにしてダンボールDが搬出装置7
1 によってテーピング装置8
1 に押し出されると、そのコンベア装置81
1に受け取られて前方に搬送され、その際、テーピングユニット82
1 によって外フラップFb の突き合わせ部が包装テープTによって封緘され、ダンボールケースCが形成されるものである。
特開平6−64072号公報
ところで、このような製函機11 においては、内外フラップの折込位置におけるダンボールDの中心と、テーピング装置81 におけるダンボールDの中心とは、各別に調整するようになっており、調整位置がずれた場合、ダンボールDがテーピング装置81 に円滑に受け渡されずコンベア装置811 に衝突してダンボールDが潰れるという問題もあった。
さらに、テーピング装置81 によってダンボールDを搬送しつつその外フラップFb の突き合わせ部を包装テープTで封緘する際、ダンボールDの底面(外フラップFb )は、その中央部を一定幅のローラコンベア831 で支持されるようになっている。したがって、小幅のダンボールDの封緘作業では問題ないが、ダンボールDの幅が大きくなると、全体の底面積に対してローラコンベア831 で支持される面積が相対的に小さくなり、左右のベルト851 で挾持するだけでは安定して搬送させることができず、前後方向軸線回りに傾斜して左右一方端が浮き上がることがある。この場合、浮き上がった側の外フラップFb が垂れ下がることから、包装テープTでその突き合わせ部を確実に封緘できないという問題もあった。
また、引出装置41 によるダンボールDの引出作業、内外フラップ折込装置51 ,61 による内外フラップFa ,Fb の折込作業、搬出装置71 によるダンボールDの搬出作業、あるいは、テーピング装置81 による包装テープTの貼着作業の各作業時にトラブルを発生した場合、その不具合を生じたダンボールDを取り出す必要がある。この場合、内外フラップ折込装置51 ,61 による内外フラップFa ,Fb の折込領域からテーピング装置81 によるテープ貼着領域にかけて、長尺のガイドルーフ211 が設けられてその上方空間を閉鎖していることから、一度製函作業を中断してガイドルーフ211 を上昇させ、ダンボールDの取出空間を確保した後、取り出さなければならず、製函作業が中断することと相俟って煩雑な取出作業を強いられるものであった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、ケース用ダンボールを高速で、かつ、確実に製函することのできる製函機を提供するものである。
請求項1記載の製函機は、複数枚のケース用ダンボールを積み込んで押し出すマガジンと、マガジンに積み込まれた複数枚のケース用ダンボールのうち、最前列のケース用ダンボールを吸着して引き出す引出装置と、引出装置によって引き出されたケース用ダンボールを開函する開函装置と、引出装置および開函装置によって引き出されて開函されたケース用ダンボールの内外フラップをそれぞれ折り込む内フラップ折込装置および外フラップ折込装置と、内外フラップが折り込まれたケース用ダンボールを開函装置を介して搬出する搬出装置と、搬出装置によって搬出されたケース用ダンボールを受け取って搬送しつつ外フラップの突き合わせ部を包装テープで封緘するテーピング装置から構成され、前記テーピング装置には、該テーピング装置のコンベア装置によって搬送されるケース用ダンボールの一側面に対応する基準ガイドを設けたことを特徴とするものである。
一方、請求項2記載の製函機は、複数枚のケース用ダンボールを積み込んで押し出すマガジンと、マガジンに積み込まれた複数枚のケース用ダンボールのうち、最前列のケース用ダンボールを吸着して引き出す引出装置と、引出装置によって引き出されたケース用ダンボールを開函する開函装置と、引出装置および開函装置によって引き出されて開函されたケース用ダンボールの内外フラップをそれぞれ折り込む内フラップ折込装置および外フラップ折込装置と、内外フラップが折り込まれたケース用ダンボールを開函装置を介して押し出す搬出装置と、搬出装置によって押し出されたケース用ダンボールを受け取って搬送しつつ外フラップの突き合わせ部を包装テープで封緘するテーピング装置から構成され、前記テーピング装置のコンベア装置に、該コンベア装置によって搬送されるケース用ダンボールにおける底面の左右両端縁部を支持するサイドガイドを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3記載の製函機は、複数枚のケース用ダンボールを積み込んで押し出すマガジンと、マガジンに積み込まれた複数枚のケース用ダンボールのうち、最前列のケース用ダンボールを吸着して引き出す引出装置と、引出装置によって引き出されたケース用ダンボールを開函する開函装置と、引出装置および開函装置によって引き出されて開函されたケース用ダンボールの内外フラップをそれぞれ折り込む内フラップ折込装置および外フラップ折込装置と、内外フラップが折り込まれたケース用ダンボールを開函装置を介して搬出する搬出装置と、搬出装置によって搬出されたケース用ダンボールを受け取って搬送しつつ外フラップの突き合わせ部を包装テープで封緘するテーピング装置から構成され、ケース用ダンボールの上端縁を支持するガイドルーフを、前記引出装置および開函装置によるケース用ダンボールの引出開函領域、内フラップ折込装置および外フラップ折込装置による内外フラップの折込領域およびテーピング装置による包装テープの貼着領域を除く搬出装置によるケース用ダンボールの搬出領域の上方のみに位置して配設したことを特徴とするものである。
(作用)
マガジンに積み込まれた複数枚のケース用ダンボールのうち、最前列のケース用ダンボールが引出装置によって引き出される。そして、開函装置が作動し、その後、搬出装置が作動してテーピング装置に向けて押し出される。
この場合、引出装置によって引出位置に引き出されたケース用ダンボールの中心位置は、引き出されたケース用ダンボールの一側面を基準ガイドに沿うように調整することにより、ダンボールケースの幅が変化しても簡単にテーピング装置の中心位置と一致させることができ、ダンボールケースの幅の大小に関係なく搬出装置によってケース用ダンボールをテーピング装置に円滑に受け渡すことができる。
なお、搬出装置によってケース用ダンボールがテーピング装置に受け渡されると、その底面の左右端縁部は、テーピング装置に設けたサイドガイドに支持されることになり、テーピング装置のコンベア装置によってケース用ダンボールの左右側面が挾持されることと相俟って確実にその傾斜が抑えられ、外フラップの突き合わせ部を確実に包装テープで封緘することができる。
さらに、ケース用ダンボールの上端を支持するガイドルーフは、搬出装置によるケース用ダンボールの搬出領域上方に配設されるのみで、その他の領域である引出装置および開函装置によるケース用ダンボールの引出開函領域、内フラップ折込装置および外フラップ折込装置による内外フラップの折込領域については、およびテーピング装置による包装テープの貼着領域については、介在させる必要がない。即ち、引出開函領域および内外フラップ折込領域については、吸着パッドと基準ガイドによってダンボールの一側面が支持され、また、包装テープ貼着領域については、サイドガイドおよび一対のベルトによってその底面および両側面が支持されており、ダンボールの跳ね上がりを確実に抑えることができ、それらの上方空間を開放させることができる。このため、万が一製函作業時に不具合が発生しても、そのケース用ダンボールをその位置から簡単に取り出すことができる。
以上のように請求項1記載の発明によれば、引出装置によって引き出されて内外フラップの折込位置に到達したケース用ダンボールの中心位置を、基準ガイドを介してテーピング装置の中心位置に調整することができ、この結果、搬出装置を介してテーピング装置にケース用ダンボールを押し出す際、テーピング装置に衝突することなく確実に搬出することができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、テーピング装置による包装テープの貼着時において、コンベア装置のベルトによってケース用ダンボールの左右両側面を挾持しつつサイドガイドによってその底面の左右両端縁部を支持することから、ダンボールの傾斜を防止して外フラップの突き合わせ部を確実に封緘することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、引出装置によるダンボールの引出時においては、吸着パッドと基準ガイドによってダンボールの一側面を支持し、また、テーピング装置による包装テープの貼着時においては、コンベア装置のベルトとともにサイドガイドによってその左右両側面および底面の左右両端縁部をそれぞれ支持することから、、ダンボールの傾斜を防止することができる。この結果、それらの領域においては、ダンボールの上端縁を支持するルーフガイド不要となって上方空間を開放することができ、万が一トラブル
が発生しても、不具合の発生したダンボールをその開放された上方空間を通して簡単に取り出すことができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1および図2には、本発明の製函機1が示されている。この製函機1は、複数枚のダンボールDを積み込んで先方に押し出すマガジン3と、このマガジン3に積み込まれた複数枚のダンボールDのうち、最前列のダンボールDを引き出す引出装置4と、引出装置4によって引き出されたダンボールDを開函する開函装置5と、引出装置4および開函装置5によって引き出されて開函されたダンボールDの内フラップFa および外フラップFb を順次折り込む内フラップ折込装置6および外フラップ折込装置7と、内フラップFa および外フラップFb がそれぞれ折り込まれたダンボールDを押し出す搬出装置8と、搬出装置8によって押し出されたダンボールDを受け取って搬送しつつ外フラップFb の突き合わせ部を包装テープTで封緘するテーピング装置9から構成されている。
ここで、内フラップ折込装置6およびテーピング装置9については、先に説明した従来の製函機と基本的に相違せず、それらの詳細な説明は相違部分を除いて省略する。
まず、マガジン3は、図3および図4に示すように、先方に向かって下り勾配の傾斜面31aおよび床面と平行な平行面31bから形成された底板31と、この底板31の裏面に設けられた一対のガイドレール(図示せず)に嵌合されたローラ32を介して自重で滑落可能な押さえ板33と、底板31の平行面31bの前端に位置して前後方向(図1の左右方向)に適宜間隔をおいて配置された複数本の下部ピン(図示せず)と、この下部ピンの上方において、フレーム2に固定した角鋼21に対して昇降自在に設けられた取付けステー34と、この取付けステー34にダンボールDの前後端縁に対応して設けられた2個の開口ゲート35と、この開口ゲート35の略中央に位置して取付けステー34に設けられたガイド板36と、このガイド板36に設けられた開口ピン37からなり、前記底板31は、リフター38介して昇降できるようになっている。そして、底板31上に積み込まれたダンボールDは、押さえ板33によって押し出され、その平行面まで押し出されたダンボールDは、最前列のダンボールDの下端縁が下部ピンにより、また、その前後端縁における上端部分が一定長さにわたって開口ゲート35によって支持されており、倒れることなく保持されている。また、最前列のダンボールDの略中央部上端が開口ピン37に当接して上方の外フラップFb の倒れを防止している。
なお、後述する搬出装置8によるダンボールDの搬出領域において、前述した取付けステー34には、搬出されるダンボールDの上端縁、すなわち、上方の内外フラップFa ,Fb の上端縁を支持してダンボールDの跳ね上がりを防止するガイドルーフ22が設けられている。
また、ダンボールDの引出装置4は、図5に示すように、フレーム2に設けられたロッドレスシリンダなどのアクチュエータ41と、このアクチュエータ41の可動部41aに連結された可動フレーム42と、この可動フレーム42に前後方向に間隔をおいて固定され、図示しない真空源に接続された一対の吸着パッド43からなり、アクチュエータ41を作動させることにより吸着パッド43を最前列のダンボールDを吸着する位置と引出位置、すなわち、内外フラップ折込装置6,7による内外フラップFa ,Fb の折込位置間に左右方向(図5の上下方向)に進退させることができる。
ここで、引出装置4によるダンボールDの引出位置は、アクチュエータ41に進退自在に嵌合されたストッパ44を介して調整することができる。具体的には、フレーム2に回転自在に軸支されたスクリュー45に前述したストッパ44が螺合されており、このスクリュー45をハンドル46を介して回転させることにより、ストッパ44をアクチュエータ41に沿って進退させることができる。そして、ストッパ44には、光電スイッチ47が設置されており、可動部41aに設けた検出部47aが光電スイッチ47を遮る位置に達すると、その接点が作動し、可動部41aを停止させることができる。この結果、ダンボールケースCの幅の大小に合わせて引出位置を簡単に調整することができ、吸着パッド43によって引き出されたダンボールDの一側面Mb を後述する基準ガイド97に一致させることができる。
なお、詳細に図示しないが、可動部41aの他方側ストロークエンド、すなわち、吸着パッド43による最前列のダンボールDの吸着位置に対応するアクチュエータ41の先端位置にも光電スイッチが設けられており、可動部41aがストロークエンドに到達したことを検出するようになっている。そして、前述した可動部41aのストロークエンドに対応して、ストッパ44およびアクチュエータ41の先端には、それぞれショックアブソーバ48が設置されており、可動部41aをショックを吸収しつつ緩やかに停止させるようにしている。
一方、この引出装置4を構成するアクチュエータ41のエア回路について図6により説明すると、コンプレッサなどのエア源Cに接続されたエア配管Pは、電磁制御弁VのPポートに接続され、さらに、この電磁制御弁VのA,Bポートに接続されたエア配管P1,P2が、それぞれ流量制御弁Vf および排気弁Ve を配設してアクチュエータ41に接続されている。したがって、後述する制御装置10を介して電磁制御弁VのソレノイドSOLに通電して右位置に、あるいは、電磁制御弁VのソレノイドSOLへの通電を解除して左位置に選択的に切り換えることにより、エア源Cから供給されたエアは、アクチュエータ41の一端側あるいは他端側に導かれ、それぞれ可動部41を前進させ、あるいは、後退させることができる。この際、アクチュエータ41の作動速度は、流量制御弁Vf で調整され、また、供給されたエアは、その他方側エア配管に配設された排気弁Veを介して大気に放出されるようになっている。
さらに、電磁制御弁Vとアクチュエータ41間を接続するエア配管P1,P2のうち、アクチュエータ41によるダンボールDの引き出し側となるエア配管P2には、排気弁Ve の下流側に位置して電磁弁V1 および流量制御弁Vf1を配設した分岐エア配管P3が接続されている。この電磁弁V1 は、電磁制御弁Vの場合と同様に、制御装置10を介してそのソレノイドSOL1を励磁することにより減速位置である右位置に、あるいは、ソレノイドSOL1を消磁することにより遮断位置である左位置に選択的に切り換えることができる。すなわち、吸着パッド43によって最前列のダンボールDを吸着して引き出す際、電磁弁V1 を一定時間減速位置に切換制御することにより、エアの一部を流量制御弁Vf1で調整しつつ大気に放出するようになっている。この結果、引出装置4によるダンボールDの引出開始時、エアの一部が一定時間、例えば、0.2秒大気に開放されることから、アクチュエータ41の作動速度が減速される。この減速された作動速度は、ダンボールDが若干開口するに際してダンボールDの内部に負圧を発生させることがない速度、すなわち、これまでの引出速度に対応している。このため、吸着パッド43の往復速度を引出開始時のわずかな時間を除いて高速で移動させることができる。
一方、開函装置5は、図7および図8にその詳細を示すように、後述する搬出装置8の搬出フレーム82に回動自在に軸支された整形ガイドバー51と、この整形ガイドバー51と搬出フレーム82間に配設されたエアシリンダなどのアクチュエータ52からなり、アクチュエータ52を作動させることにより整形ガイドバー51を後退位置と、引出装置4を介して引き出されて若干開口したダンボールDの後面Ma を押圧する位置間に回動させることができる。また、この開函装置5は、前述した引出装置4の可動フレーム41aと上下方向に隔たった位置に設けられており、可動フレーム41aと干渉することなく各別に作動させることができる。
また、内フラップ折込装置6は、ロータリアクチュエータなどのアクチュエータ61と、このアクチュエータ61の出力軸に連結されたレバー62からなり、このうち、後方の内フラップ折込装置6は、テーピング装置9の中心位置に対応して前述した開函装置5を構成する整形ガイドバー51に固定されている(図7参照)。
次に、外フラップ折込装置7について図9により説明すると、この外フラップ折込装置7は、フレーム2の左右方向に配設されたチャンネル材71上にそれぞれ間隔をおいて基端が回転自在に軸支され、X字状に交差する左右各一対のアーム72と、これらのアーム72の略中央部に回転自在に軸支されたローラ73を遊嵌する昇降ガイド74と、この昇降ガイド74とフレーム2に掛け渡された支持板75間に配設されたエアシリンダ76からなり、アーム72の先端には、前後方向にわたってバー72aが固定されている。したがって、エアシリンダ76を伸長作動させることにより、昇降ガイド74が上昇し、この昇降ガイド74に遊嵌されているローラ73が互いに離隔する方向に転動する。そして、ローラ73が互いに離隔する方向に昇降ガイド74上を転動すると、このローラ73を軸支しているアーム72は、その先端に固定されたバー72aを互いに接近するようにその基端軸支部回りに回動する結果、バー72aが外フラップFb の自由端近傍を押圧し、その折り目に沿ってダンボールDの下方開口を閉鎖するように折り曲げるものである。
さらに、搬出装置8は、内外フラップFa ,Fb が折り込まれたダンボールDを前方に押し出すもので、前後方向に配設されたガイドロッド81に沿って摺動自在に嵌合された搬出フレーム82と、この搬出フレーム82を前後方向に摺動させるエアシリンダなどのアクチュエータ83からなり、搬出フレーム82には前述した開函装置5が搭載されている(図7および図8参照)。したがって、アクチュエータ83を作動させることにより開函装置5が前後方向に移動する結果、整形ガイドバー51がダンボールDをその後面Ma を押圧して前方に押し出すようになっている。この場合、搬出装置8は、引出装置4を構成する吸着パッド43の作動範囲から上下方向に隔たった位置に設けられており、引出装置4と干渉することなく独立して作動させることができる。
なお、アクチュエータ83の他端は、ガイドロッド81に沿って摺動自在に嵌合された摺動部材84に連結され、また、この摺動部材84は、フレーム2に回転自在に軸支されたスクリュー85に螺合されている。したがって、スクリュー85をハンドル86を介して回転させることにより、摺動部材84、すなわち、アクチュエータ83の作動開始位置を調整することができ、ダンボールケースCの長さの大小に対応させることができる。
また、テーピング装置9を構成するコンベア装置91には、図10および図11に示すように、基準ガイド97が一方のベルト95の表面に対応する位置において後方に向かって延設されている。したがって、基準ガイド97の側面は、常に搬入されたダンボールDの幅方向の距離の1/2の位置にある。このため、引出位置まで引き出された吸着パッド43の吸着面を基準ガイド97に合致するよう調整することにより、引き出されたダンボールDの一側面は一方のベルト95の表面と常に一致する位置にある。この結果、内外フラップFa ,Fb が折り込まれたダンボールDの中心位置と、コンベア装置91の中心とは、常に一致しており、搬出装置8によってダンボールDをコンベア装置91と衝突させることなテーピング装置9に円滑に受け渡すことができる。
さらに、この基準ガイド97は、引出装置4を構成する吸着パッド43から上方向に隔たった位置に設けられており、引出位置に引き出されたダンボールDの一側面Mb を吸着パッド43とともに支持するようになっている。この結果、吸着パッド43を中心としてダンボールDが前後方向軸線回りに傾斜して跳ね上がり、吸着パッド43から離脱するのを確実に防止することができる。このため、ダンボールDの跳ね上がりを防止するための、引出位置の上方を覆うルーフガイドが不要となってその上方空間を開放することができ、万が一、ダンボールDの引出時やその内外フラップFa ,Fb の折込時にトラブルが発生しても、その開放された上方空間を通して容易にダンボールDを取り出すことができる。
ところで、この基準ガイド97には、搬出装置8によってダンボールDの後端が通過したことを検出するセンサとしての触覚スイッチ98が設置されている。この触覚スイッチ98は、製函機1で処理できる最小のダンボールDの長さに対応して設置されている。具体的には、最小のダンボールDがテーピング装置9に受け渡された時点でその後面Ma と一致する位置に取り付けられている。したがって、大きなダンボールDにおいては、搬出時間の変化はないが、小さなダンボールDについては、大きなダンボールDに合わせて作動時間をタイマー制御する場合に比較して待ち時間が少なくなり、その分製函時間が減少し、単位時間当たりの製函個数を増加させることができる。そして、この触覚スイッチ98によってダンボールDが搬出されたことを検出すると、引出装置4が次の最前列のダンボールDの吸着作業を開始するようになっている。すなわち、引出装置4は、開函装置5および搬出装置8と干渉することなく上下方向に隔たった位置に設けられ、かつ、独立して作動できることから、直ちに吸着作業を再開することができる。
また、テーピング装置9を構成するコンベア装置91には、搬出装置9によって搬出されたダンボールDを受け取って搬送する際、その底面(外フラップFb )の左右端縁部を支持するサイドガイド99が設けられている。このサイドガイド99は、ダンボールケースCの幅が変化しても、コンベア装置91の幅調整に追従して移動することから、常にダンボールDの底面の左右端縁部を支持することができる。したがって、コンベア装置91によるダンボールDの搬送時において、コンベア装置91のベルト95がダンボールDの左右両側面Mb を挾持することと相俟ってダンボールDの傾斜を防止して外フラップFb の突き合わせ部を確実に封緘することができる。このように、サイドガイド99によってダンボールDの底面の左右端縁部を支持し、また、コンベア装置91のベルト95によってダンボールDの左右両側面Mb をそれぞれ挾持して傾斜を防止することから、テーピング装置9による包装テープTの貼着領域においても、その上方を覆うガイドルーフが不要となり、包装テープTの貼着領域の上方空間を開放することができる。このため、万が一ダンボールDのテープ貼着時にトラブルが発生しても、その開放された上方空間を通してダンボールDを容易に取り出すことができる。
次に、このように構成された製函機1の作動について説明すると、マガジン3に積み込まれた複数枚のダンボールDは、下部ピン、開口ゲート35および開口ピン37を介して倒れることなく保持されている。ここで、引き出し装置4が作動すると、吸着パッド43が最前列のダンボールDを吸着し、引き出す。この場合、ダンボールDは、下部ピンおよび開口ピン37によってその上下端が保持されているとともに、開口ゲート35によってその前後端縁の上端部が保持されていることから、その抵抗でフラップFa ,Fb が折り目に沿って折れ曲がりながら若干開口しつつ引き出される。
一方、引出装置4がダンボールDの引き出しを開始すると同時に、一定時間電磁弁V1 が減速位置に切り換わり、その作動速度を減速し、ダンボールDの開口を無理なく行わせる。そして、引出装置4によってダンボールDが引き出されるのに同期して開函装置5が作動し、若干開口されたダンボールDの後面を押圧し確実に開函させる。開函されたダンボールDが引出位置、即ち、内、外フラップFa ,Fb の折込位置に到達すれば、その一側面Mb が吸着パッド43と合わせて基準ガイド97にも支持されることになり、このような支持状態で内フラップ折込装置6および外フラップ折込装置7が作動し、内フラップFa 、外フラップFb の順に折り込まれる。そして、吸着パッド43によるダンボールDの吸着を解除した後、搬出装置8が作動し、外フラップ折込装置7のバー72aにその底面(外フラップFb )が支持された状態でテーピング装置9に向けて押し出される。
この場合、引出装置4によって引出位置に引き出されたダンボールDの中心位置は、引き出されたダンボールDの一側面を基準ガイド97に沿うように調整することにより、ダンボールケースCの幅が変化してもテーピング装置9の中心位置と一致しており、ダンボールケースCの大小に関係なく搬出装置8によってダンボールDをテーピング装置9に円滑に受け渡すことができる。
一方、搬出装置8によってダンボールDが押し出されてテーピング装置9に受け渡されると、ダンボールDの通過を検出して触覚スイッチ98が切り換わり、引出装置4が次のダンボールDを吸着するように作動する。引出装置4が次のダンボールDの吸着作業を再開すると、搬出装置8が後方に退避して次のダンボールDの開函装置5による開函作業および搬出作業に備えるるとともに、外フラップ折り込み装置7および内フラップ折り込み装置6の順に作動して次の内外フラップFa 、Fb の折り込みに備えるものである。この結果、ダンボールケースCの長さが変化してもその長さに関係なくその後面Ma が通過した時点で次の作業が開始される結果、小さなダンボールDにおいては、待ち時間がなくなってロスタイムを削減させることができ、その分単位時間当たりの製函個数を増加させることが可能となる。
なお、ダンボールDが搬出装置8によってテーピング装置9に受け渡されると、そのコンベア装置91によって前方に搬送される際、テーピングユニット92を介して外フラップFb の突き合わせ部が包装テープTで封緘され、ダンボールケースCが形成されるものである。この際、ダンボールDの底面の左右両端縁部およびその左右両側面Mb は、サイドガイド99で支持されるとともに、ベルト95によって挾持されており、ダンボールDの傾斜が防止されて確実に外フラップFb の突き合わせ部が包装テープTで封緘され、ダンボールケースCが組み立てられるものである。
ところで、これらの製函機1を制御するため、シーケンスコントローラなどの制御装置10が設けられている。この制御装置10は、前述したアクチュエータ41のストロークエンドを検出する光電スイッチ47や、ダンボールDの通過を検出する触覚スイッチ98などのセンサからの検出信号を受けて各アクチュエータの電磁制御弁のソレノイドを励磁し、あるいは、消磁することにより、各アクチュエータを作動制御するものである。そして、この製函機1においては、制御装置10を利用して各アクチュエータの作動速度を作業者の熟練度に関係なく一定に制御できるようになっている。例えば、前述したように、引出装置4と開函装置5とは、同期して作動するようになっており、そのタイミングが作業者によって異なる場合、製品品質が一定しないことになる。このため、制御装置10に予め組み込まれた各アクチュエータの最適作動速度と各アクチュエータの作動速度を比較しつつ調整できるようにしている。
以下、この調整要領について、引出装置4のアクチュエータ41を例に図12ないし図14に基づいて説明する。まず、制御装置10への入力装置として電源スイッチSW、調整スイッチSW1、製函機1の各アクチュエータを自動モードBもしくは単独モードAで作動させるためのモード選択スイッチSW2、アクチュエータ41を単独で作動させる単独作動スイッチSWaおよびアクチュエータ41のストロークエンドを検出するセンサ(光電スイッチ47)が接続され、一方、その出力装置としてアクチュエータ41を切換制御する電磁制御弁VのソレノイドSOLおよび表示ランプLaないしLbが接続されている。これらの入出力装置のうち、電源スイッチSW、調整スイッチSW1、モード選択スイッチSW2、単独作動スイッチSWaおよび表示ランプLaないしLbは、製函機1の制御盤11に設けられている。
いま、電源スイッチSWを投入して制御装置10を駆動させた後、調整スイッチSW1を操作して各アクチュエータの調整モードに切り換える(ステップS1)。次いで、モード選択スイッチSW2を操作して各アクチュエータを単独で作動させる単独モードAに切り換えた後(ステップS2)、調整対象のアクチュエータ41を単独で作動させる単独作動スイッチSWaを操作する(ステップS3)。これにより、選択されたアクチュエータ41の最適速度範囲、即ち、アクチュエータ41が一方のストロークエンドから他方のストロークエンドに移動する際の許容時間の最大値と最小値に対応して予め制御装置10に設定された下限タイマー及び上限タイマーを作動させる(ステップS4、ステップS5)。そして、アクチュエータ41がストロークエンドに到達すれば、そのストロークエンドに到達したことをセンサ47が検出し(ステップS6)、その移動に要した時間を計測する。この計測された移動時間が下限タイマーで設定された時間より小さい場合、即ち、移動速度が速すぎる場合はランプLaが点灯して表示する(ステップS7)。一方、移動時間が下限タイマーで設定された時間より大きく、上限タイマーで設定された時間より小さい場合は、その移動速度が最適速度範囲内にあることになり、ランプLbが点灯して表示する(ステップS8)。また、移動時間が上限タイマーで設定された時間より大きい場合、即ち移動速度が遅すぎる場合は、ランプLcが点灯して表示する(ステップS9)。そして、ランプLaもしくはランプLcが点灯した場合は、アクチュエータ41へのエア配管P1,P2に配設された流量制御弁Vf によって流量を調整した後、再びそのアクチュエータ41を作動させ、その移動時間の計測を行い、同様に最適速度範囲内にあるか否かを確認する。このようにして、アクチュエータ41が最適速度範囲内あることが確認されれば、次の調整対象のアクチュエータを作動させる単独作動スイッチSWbあるいはSWcを選択操作して同様に移動速度を計測し、最適範囲内に収まるように調整すればよい。この場合、説明を容易にするため、調整モードに切り換えるための調整スイッチSW1を設けたが、多数のスイッチが設置されることに伴う誤操作や原価アップを防止するため、他のスイッチに調整モードの機能を与えるのが好ましい。例えば、単独作動スイッチSWa、SWbおよびSWcの同時操作によって調整モードに切り換えるようにしてもよい。
この結果、作業者の熟練度やカンに頼ることなく誰でも各アクチュエータを一定の品質(最適速度範囲)に調整することができる。
なお、本実施例においては、引出装置4による吸着したダンボールDの引出開始時、電磁弁V1 を切換制御させて一定時間減速し、ダンボールDの内部に負圧を発生させることなく確実に若干開口させるようにしているが、最前列のダンボールDの上方に対向してマガジン3の取付け板34に1個もしくは複数個のエアノズル(図示せず)を配設し、引出装置4によるダンボールDの引出開始時、このエアノズルからエアを噴出させるようにしてもよい。この場合、エアノズルから噴出されたエアは、ダンボールD内に導かれ、ダンボールDが高速で引き出されることに伴ってその内部に発生する負圧を解消し、ダンボールDを開口させるように助勢するものである。