JP2004001468A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャリッジ1の往動による押圧によって非キャッピング位置からキャッピング位置に進行しかつキャリッジ1の復動による引張ばね19の弾撥力によってキャッピング位置から非キャッピング位置に退避するスライダ15と、このスライダ15に弾性保持されノズル形成面12aを封止可能なキャップ部材9aを有するキャッピング手段9とを備えた液体噴射装置であって、液体噴射ヘッド12の片側側面部をヘッド幅方向片側に押圧し、この押圧方向にキャッピング手段9を位置規制するキャッピング用のガイド部材52をスライダ15に設け、このガイド部材52には、引張ばね19の弾撥力がキャッピング手段9の位置規制方向にスライダ15を介して付与されている構成とされる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置のメンテナンス機構に関し、詳細には記録ヘッドからインクを吸引排出するためのインク滴吐出回復機能を備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴射装置であるインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成することができるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置には、インクカートリッジからのインクの供給を受ける記録ヘッドと、この記録ヘッドに対して記録用紙を相対的に移動させる紙送り手段とが備えられている。
【0003】
そして、印字信号に応じて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成することで記録が行われる。この場合、キャリッジ上に例えばブラック,イエロー,シアンおよびマゼンタのインクの吐出が可能な記録ヘッドを搭載し、各インクの吐出割合を変えることによるフルカラー印刷を可能としている。
【0004】
このようなインクジェット式記録装置においては、インクを記録ヘッドのノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、次に示すような問題を抱えている。すなわち、ノズル開口からのインク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇やノズル形成面におけるインクの固化,塵埃の付着によってノズル開口に目詰まりが発生し、さらには記録ヘッド内に気泡が混入し、印刷不良を起こすという問題である。
【0005】
このため、インクジェット式記録装置には、前記した記録ヘッドおよび紙送り手段に加え、非印刷時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピング手段と、このキャッピング手段内にインクを吸引排出させる吸引ポンプと、この吸引ポンプによるインクの吸引排出動作後に記録ヘッドのノズル形成面を清掃するワイピング手段とを備えている。
【0006】
そして、前記したノズル開口の目詰まりの解消および記録ヘッド内への気泡の混入状態を解消するために、吸引ポンプによって記録ヘッドからインクを強制的にキャッピング手段内に吸引排出させた後、ワイピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面を払拭(ワイピング)する動作が実行される。
【0007】
このような記録ヘッドの目詰まり解消のため、または記録ヘッド内に気泡が残留している場合になされるインクの強制的な排出処理は、クリーニング操作と呼ばれる。そして、記録装置における長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印字かすれ等の印字品質不良を認識してクリーニングスイッチを操作した場合に実行される。
【0008】
ところで、この種のインクジェット式記録装置においては、記録ヘッドのノズル形成面に対するキャッピング手段の封止位置(キャッピング位置)が各構成部品の成形精度や組立精度によって左右される。したがって、前記した構成部品の成形精度や組立精度が所定の範囲に保てない場合には、記録ヘッドのノズル形成面に対し予め定められた封止位置からずれてキャッピング手段(キャップ部材)が当接することになる。
【0009】
このような問題を解消するために、キャッピング手段をキャッピング位置に移送するスライダの左右両側部にガイド部材を設け、これら両ガイド部材によってキャッピング時にキャップ部材をヘッド幅方向に位置規制してノズル形成面における所定の封止位置にキャップ部材を当接させることが従来から行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来のインクジェット式記録装置においては、スライダの左右両側部にガイド部材を設ける構造であるために、両ガイド間寸法は記録ヘッドの幅方向寸法に、多少のクリアランスを加算した寸法に設定せざるを得ないのが実情であった。
【0011】
この結果、キャッピング時においてキャッピング手段がノズル形成面上の所定の封止位置からヘッド幅方向に若干(前記クリアランス分)ずれるという問題が発生し、キャッピング手段によってノズル形成面を正確に封止することができず、キャッピング精度を高めることができないという課題があった。
【0012】
本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたもので、キャッピング手段によってノズル形成面を所定の位置で封止することができ、もってキャッピング精度を確実に高めることができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明に係る液体噴射装置は、液滴を噴射するノズル開口を有するノズル形成面を備えた液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドを搭載して移動可能に構成されたキャリッジと、前記液体噴射ヘッドの移動経路に配設され、前記キャリッジの往動による押圧によって非キャッピング位置からキャッピング位置に進行し、かつ前記キャリッジの復動によってキャッピング位置から非キャッピング位置に退避するスライダと、該スライダに保持され、前記ノズル形成面を封止可能なキャップ部材を有するキャッピング手段と、を備えた液体噴射装置であって、前記スライダに、前記液体噴射ヘッドの片側側面部を前記スライダの移動方向と交差する方向に付勢して位置規制するキャッピング用のガイド部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記した構成によると、キャッピング時にガイド部材がキャッピング手段の位置規制方向に液体噴射ヘッドの片側側面部を押圧しながら非キャッピング位置からキャッピング位置にスライダと共に移動することが可能になる。したがって、キャッピング時にキャッピング手段をヘッド幅方向にずらせることなく移動させることができるため、キャッピング手段によって液体噴射ヘッドのノズル形成面を所定の位置で封止することができ、キャッピング精度を確実に高めることができる。
【0015】
この場合、前記スライダを付勢する第1のスプリングを備え、前記ガイド部材には、前記第1のスプリングの弾撥力が前記キャッピング手段の位置規制方向に前記スライダを介して付与されている構成とすることが望ましい。これに加え、前記第1のスプリングの弾撥力により前記スライダをキャッピング位置から非キャッピング位置に移動可能に構成されていることが望ましい。
【0016】
この構成によると、第1のスプリングによって、スライダのガイド部材側と反対方向のヘッド幅方向片側にもその付勢力が働き、スライダは後述するように前記スプリングの弾撥力を受けながら、非キャッピング位置からキャッピング位置に移動するように作用する。そして、キャリッジがホームポジションから離れる方向に移動した場合には、前記スプリングの作用により前記スライダをキャッピング位置から非キャッピング位置に移動させることができる。
【0017】
一方、前記した構成に加え、前記キャッピング手段が、鉛直線に対し傾斜する軸線をもつ第2のスプリングからの付勢力をヘッド幅方向片側に受けて前記スライダに弾性保持されている構成とすることが望ましい。この構成を採用することにより、スライダに対するキャッピング手段のヘッド幅方向のがたつき発生が防止される。
【0018】
また、前記ガイド部材を、ヘッド押圧状態において前記スライダの幅方向中心線と前記液体噴射ヘッドの幅方向中心線とが平行となるような位置に配置されていることが望ましい。この構成を採用した場合には、キャッピング手段によって液体噴射ヘッドのノズル形成面を所定の位置で確実に封止することができ、一層効果的なキャッピング精度を得ることができる。
【0019】
また、好ましい実施の形態によると、前記ガイド部材の上方端部内面に、ガイド部材内側からガイド部材外側に向かって上る勾配をもつ鉛直方向ガイド面が形成される。この構成によると、キャッピング時にガイドの鉛直方向ガイド面を液体噴射ヘッドの角部に当接させてキャッピング手段の上方への案内が確実に行われる。
【0020】
さらに、好ましい実施の形態によると、前記ガイド部材の非キャッピング位置側内面に、非キャッピング位置側からキャッピング位置側に向かって前記液体噴射ヘッドを案内する水平方向ガイド面が形成される。この構成によると、ヘッド移動時にガイドの水平方向ガイド面を液体噴射ヘッドの角部に当接させて液体噴射ヘッドのキャッピング位置側への案内が確実に行われる。
【0021】
また、前記スライダが、前記ノズル形成面に対して前記キャッピング手段を平行移動させるスライダであることが望ましい。この構成によると、キャッピング時にキャッピング手段がノズル形成面に対し平行移動しながらキャッピング位置から非キャッピング位置に移動する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置(インクジェットプリンタ)につき、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体構成の概略を示す斜視図である。図1において、符号1で示すキャリッジは、キャリッジモータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動し得るように構成されている。
【0023】
このキャリッジ1の下面部、すなわち記録用紙6に対向する面には液体であるインクを噴射する液体噴射ヘッドとしてのインクジェット記録ヘッド12(以下、記録ヘッドという場合もある)が装着され、またその上面部には記録ヘッド12にインクを供給するブラックインクカートリッジ7およびカラーインクカートリッジ8がそれぞれ着脱可能に装填されている。
【0024】
インクジェット記録装置の非印字領域(ホームポジション)にはキャッピング手段9が配置されている。このキャッピング手段9は前記記録ヘッド12が直上に移動した時に上昇し、前記記録ヘッド12のノズル開口が形成されたノズル形成面を封止し得るように構成されている。キャッピング手段9の下方(側方)には、キャッピング手段9を構成する後述するキャップ部材の内部空間に負圧を与えるためのポンプユニットとしての吸引ポンプ(チューブポンプ)10が配置されている。
【0025】
前記キャッピング手段9は、インクジェット式記録装置の休止期間中において、前記記録ヘッド12のノズル形成面を封止することで、前記記録ヘッド12のノズル開口の乾燥を防止する蓋体としての機能を備えている。また、前記キャッピング手段9は、吐出安定性等を確保するため印刷とは関係のない駆動信号を前記記録ヘッド12に印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとしての機能、および前記チューブポンプ10からの負圧を前記記録ヘッド12に作用させてインクを吸引するクリーニング手段としての機能も兼ね備えている。
【0026】
そして、キャッピング手段9における印字領域側の近傍には、ワイピング手段11が、前記記録ヘッド12の移動経路に直交するようにして水平方向に進退可能となるように配置されている。なお、前記ワイピング手段11の移動動作と前記チューブポンプ10の吸引動作には、記録用紙6を搬送する図示せぬ紙送りモータの駆動力が利用される。
【0027】
次に、本発明が適用されたインクジェット式記録装置の要部につき、図2〜図6を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置の要部を説明するために示す平面図である。図3および図4は、本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置の非キャッピング状態を示す側面図と正面図である。図5および図6は、本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置のキャッピング状態を示す側面図と正面図である。
【0028】
図3〜図6において、符号1で示すキャリッジは、ガイド部材4(図3および図5に図示)に案内され、前記したように往復移動し得るように構成されている。また、キャッピング手段9は、記録ヘッド12のノズル形成面12aを封止し得るキャップ部材9aおよびこのキャップ部材9aを保持するキャップホルダ9bを備えている。
【0029】
前記キャップ部材9aは、前記キャップホルダ9bに例えば二色成形法によって一体に設けられており、全体が例えばエラストマーなどの弾性素材により、上面の開口部がほぼ矩形状に形成されている。一方、キャップホルダ9bにはキャップ部材9aの内部空間に連通して下方に突出するインク排出管9a1(図4および図6に図示)が備えられている。このインク排出管9a1には可撓性チューブ51の一端が接続されており、これが図1に示した吸引ポンプ(チューブポンプ)10の一部を構成している。
【0030】
これにより、クリーニング指令を受けた場合には、キャッピング手段9が記録ヘッド12のノズル形成面12aを封止した状態においてチューブポンプ10が動作する。したがって、チューブポンプ10による負圧がキャップ部材9aの内部空間に印加されることで、記録ヘッド12からインクを強制的に排出させることができる。
【0031】
一方、前記キャップホルダ9bは外観が箱型形状になされ、全体が前記キャップ部材9aを構成する素材(エラストマー)と比べ硬い素材によって形成されている。このキャップホルダ9bは、スライダ昇降機構を構成するスライダ15上に、第2のスプリングである圧縮ばね18を介して弾性保持され、前記記録ヘッド12の移動経路側(上方)に常時付勢されている。そして、前記キャリッジ1の往復動作に伴い、前記スライダ15が水平・昇降動作(記録ヘッド12のノズル形成面12aに対する平行移動)を行うことによってキャッピング位置と非キャッピング位置との間を動作するように構成されている。
【0032】
前記圧縮ばね18は、図4および図6に示すように、鉛直線gに対してチューブポンプ10のチューブ引き出し側、すなわちスライダ15のガイド部材52側に傾斜する軸線kをもって、前記キャップホルダ9bと前記スライダ15との間に弾装されている。このため、前記キャップホルダ9bは、前記したように記録ヘッド12の移動経路側に付勢されると共に、チューブポンプ10のチューブ引き出し側であるスライダ15のガイド部材52側にも付勢されている。
【0033】
これにより、スライダ15に対するキャッピング手段9(キャップホルダ9b)のヘッド幅方向のがたつき発生を防止することができる。本実施例におけるヘッドの幅方向とは、図4中矢印Aで示した方向であり、この方向はスライダの移動方向に直交する方向である。なお、前記スライダ15に対する前記キャップホルダ9bのがたつき発生を防止するために、キャップホルダがスライダのチューブ引き出し側と反対側(チューブ反引き出し側)に付勢されるような構成としてもよい。
【0034】
前記スライダ15は、記録装置内の固定フレーム31に第1のスプリングとしての引張ばね19を介して連結されている。そして、スライダ15は引張ばね19の作用により印字領域方向に接近し、かつ前記記録ヘッド12から離間する方向に、すなわち図5および図6に示す状態から図3および図4に示す状態になるように下方に付勢されている。
【0035】
このため、図3および図4に示すようにキャリッジ1がキャッピング手段9の直上に移動した際、前記キャリッジ1のホームポジション側端部に設けられた係合体1aが、前記スライダ15に直立するように設けられた係合部15Aに当接することで、図5および図6に示すように引張ばね19の弾撥力に抗してスライダ15がキャッピング位置側に移動する。これにより、記録ヘッド12のノズル形成面12aをキャップ部材9a(シール部)で封止することができる。
【0036】
一方、キャリッジ1が印字領域側(ホームポジションから離れる方向)に移動した場合には、係合部15Aに対する係合体1aの当接が解除され、前記スライダ15が引張ばね19の弾撥力によって図3および図4に示す状態になされる。これにより、キャップ部材9aによる記録ヘッド12におけるノズル形成面12aの封止を解除することができる。
【0037】
また、前記スライダ15は、前記引張ばね19によってチューブ引き出し側(スライダ15のガイド部材25側)と反対方向のヘッド幅方向片側にも付勢されている。これにより、キャッピング時に可撓性チューブ51の引き出し側と反対側のヘッド幅方向(図2矢印B方向)に引張ばね19の弾撥力を受けながら、非キャッピング位置からキャッピング位置に移動するように構成されている。
【0038】
前記引張ばね19は、固定フレーム31の印字領域側端部におけるチューブ反引き出し側から、その非印字領域側端部におけるチューブ引き出し側に向かって上る勾配をもつ軸線を有している。そして、一方のばね端部は、前記固定フレーム31に設けられた係止部31aに係止されている。他方のばね端部は、前記係止部31aの位置より高い位置において、前記スライダ15に設けられた係止部15eに係止されている。
【0039】
前記係止部31aは、前記固定フレーム31のホームポジション側端部におけるチューブ反引き出し側(図2における固定フレーム31の下側)であって、前記固定フレーム31の上下方向ほぼ中央部に配置されている。前記係止部15eは、前記スライダ15のホームポジション側端部におけるチューブ引き出し側(図2におけるスライダ15の幅方向ほぼ中央部)であって、前記スライダ15の下方部に配置されている。
【0040】
前記スライダ15のチューブ引き出し側の側面部(図4および図6におけるスライダ15の左側面部)には、水平・鉛直(前後・上下)方向に所定の間隔をもって並列する二つの突起15a,15cが設けられている。そのチューブ反引き出し側の側面部には、同じく水平・鉛直方向に所定の間隔をもって並列する二つの突起15b,15dが設けられている。すなわち、前記スライダ15の印字領域側(両側前方部)には前記突起15a,15bが左右対称な位置に配置されており、そのホームポジション側(両側後方部)には前記突起15c,15dが左右対称な位置に配置されている。
【0041】
前記スライダ15のチューブ引き出し側部には、前記突起15aの上方に位置するキャッピング用のガイド部材52が立設されている。そして、前記スライダ15を介して前記引張ばね19による弾撥力をヘッド幅方向片側(スライダ15のチューブ引き出し側と反対側)に受け、この方向に前記記録ヘッド12の片側側面部をガイド部材52により押圧するとともに、前記キャッピング手段9を位置規制し得るように構成されている。
【0042】
前記ガイド部材52は、ヘッド押圧状態において前記スライダ15の幅方向中心線と前記記録ヘッド12の幅方向中心線とが平行となるような位置に配置されている。これにより、キャッピング手段9(キャップ部材9a)がノズル形成面12aを所定の位置で確実に封止し得るように構成されている。前記ガイド部材52の上方端部内面には、ガイド部材内側からガイド部材外側に向かって上る勾配をもつ鉛直方向ガイド面52aが形成されている。これにより、キャッピング時に鉛直方向ガイド面52aを記録ヘッド12の側方角部に当接させ、キャッピング手段9を上方(キャッピング位置側)に案内するように構成されている。
【0043】
また、前記ガイド部材52の印字領域側内面には、前記鉛直方向ガイド面52aに連接し、かつ印字領域側からホームポジション側に向かって前記記録ヘッド12を案内する水平方向ガイド面52bが形成されている。これにより、ヘッド往動時に水平方向ガイド面52bを記録ヘッド12のホームポジション側角部に当接させ、記録ヘッド12をホームポジション側に案内するように構成されている。
【0044】
前記固定フレーム31には、前記突起15a〜15dを案内するカム孔23,25が設けられている。そして、前記各カム孔23,25内に前記突起15a〜15dを挿入して移動自在に保持するように構成されている。これらカム孔23,25の両端位置にはそれぞれ低所部23a,25aと高所部23b,25bが配置されており、これら高低両部間には傾斜部23c,25cが配置されている。このうち印字領域側の低所部23aおよび高所部23bと傾斜部23cとは、前記カム孔23の内面上方部に配置されている。一方、非印字領域側の低所部25aおよび高所部25bと傾斜部25cとは、前記カム孔25の内面下方部に配置されている。
【0045】
以上の構成により、キャリッジモータ2の駆動によってキャリッジ1が印字領域側から非印字領域(ホームポジション)側に往動すると、キャリッジ1の係合体1aがスライダ15の係合部15Aに係合する。この場合、キャリッジ1のホームポジション側への往動に伴い、記録ヘッド12のホームポジション側角部がガイド部材52の水平方向ガイド面52bに当接し、この水平方向ガイド面52bに沿って記録ヘッド12がホームポジション側に案内される。
【0046】
そして、キャリッジ1がホームポジション側にさらに往動することにより、引張ばね19の弾撥力に抗してスライダ15がキャッピング手段9と共に非キャッピング位置からキャッピング位置まで移動する。この場合、スライダ15がキャッピング位置に移動すると、突起15a〜15dがカム孔23,25の低所部23a,25aから傾斜部23a,25aを経て高所部23b,25bに移動する。これにより、記録ヘッド12のノズル形成面12aがキャップ部材9aによって封止される。
【0047】
また、スライダ15が非キャッピング位置からキャッピング位置に向かって移動すると、ガイド部材52の鉛直方向ガイド面52aが記録ヘッド12の側方角部に当接し、この鉛直方向ガイド面52bに沿ってキャッピング手段9が上方(キャッピング位置側)に案内される。この際、ガイド部材52がスライダ15を介し引張ばね19の弾撥力を受けて、記録ヘッド12の片側側面部をヘッド幅方向片側(スライダ15のチューブ引き出し側と反対側)に押圧し、この押圧方向にキャッピング手段9が位置規制される。
【0048】
したがって、本実施形態においては、キャッピング時にキャッピング手段9をヘッド幅方向にずらせることなく非キャッピング位置からキャッピング位置に移動させることができるため、キャッピング手段9によって記録ヘッド12のノズル形成面12aを所定の位置で封止することができ、キャッピング精度を確実に高めることができる。
【0049】
このようにして、キャップ部材9aによるノズル形成面12aの封止が完了した段階でキャップ部材9a内が大気との連通を遮断して気密状態となり、ノズル開口からのインクの蒸発を抑制し、記録ヘッド12の目詰まりを防止するように作用する。
【0050】
一方、キャリッジモータ2の駆動によってキャリッジ1がホームポジション側から印字領域側に復動すると、キャリッジ1の係合体1aがスライダ15の係合部15Aから離間する。このため、スライダ15が引張ばね19の弾撥力によってキャッピング位置から非キャッピング位置までキャッピング手段9と共に移動する。この場合、スライダ15が非キャッピング位置に移動すると、突起15a〜15dが高所部23b,25bから傾斜部23c,25cを経て低所部23a,25aに移動する。これにより、記録ヘッド12のキャップ部材9aによる封止状態が解除される。
【0051】
なお、本実施形態においては、キャッピング手段9を位置規制するキャッピング用のガイド部材52をスライダ15のチューブ引き出し側部に設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、スライダのチューブ反引き出し側部に設けてもよい。この場合、ガイド部材がキャッピング手段の位置規制方向に付勢されるように、キャッピング手段位置規制(スライダ復帰)用のスプリング等の弾性部材をガイド部材と固定フレームに係止する。
【0052】
また、本実施形態においては、キャッピング手段9が圧縮ばね18からの付勢力をスライダ15のチューブ引き出し側に受け、スライダ15に対するキャッピング手段9のヘッド幅方向のがたつき発生を防止する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、キャッピング手段がスライダのチューブ引き出し側と反対側に付勢力を受けても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0053】
この他、本実施形態においては、スライダ15を記録ヘッド12のノズル形成面12aに対して平行移動させる記録装置に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば回動移動および平行移動の組み合わせによってスライダを移動させる記録装置にも実施形態と同様に適用可能である。
【0054】
上記実施形態では、液体噴射装置として、液体としてのインクを液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドを介してターゲットとしての紙Pに対して噴射するインクジェット記録装置(ファックス、コピア等の印刷装置を含む)を用いて説明した。これを、他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化するようにしてもよい。例えば、他の液体を噴射する液体噴射装置として、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、本発明に係る液体噴射装置によると、キャッピング手段によってノズル形成面を所定の位置で封止し、キャッピング精度を確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体構成の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置の要部を説明するために示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置の非キャッピング状態を示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置の非キャッピング状態を示す正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置のキャッピング状態を示す側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置のキャッピング状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
1a 係合体
2 キャリッジモータ
3 タイミングベルト
4 ガイド部材
5 プラテン
6 記録用紙
7 ブラックインクカートリッジ
8 カラーインクカートリッジ
9 キャッピング手段
9a キャップ部材
9a1 インク排出管
9b キャップホルダ
10 吸引ポンプ
11 ワイピング手段
12 記録ヘッド
15 スライダ
15A 係合部
15a〜15d 突起
18 圧縮ばね
19 引張ばね
23,25 カム孔
23a,25a 低所部
23b,25b 高所部
23c,25c 傾斜部
31 固定フレーム
51 可撓性チューブ
52 ガイド部材
52a 鉛直方向ガイド面
52b 水平方向ガイド面
Claims (8)
- 液滴を噴射するノズル開口を有するノズル形成面を備えた液体噴射ヘッドと、
該液体噴射ヘッドを搭載して移動可能に構成されたキャリッジと、
前記液体噴射ヘッドの移動経路に配設され、前記キャリッジの往動による押圧によって非キャッピング位置からキャッピング位置に進行し、かつ前記キャリッジの復動によってキャッピング位置から非キャッピング位置に退避するスライダと、
該スライダに保持され、前記ノズル形成面を封止可能なキャップ部材を有するキャッピング手段と、
を備えた液体噴射装置であって、
前記スライダに、前記液体噴射ヘッドの片側側面部を前記スライダの移動方向と交差する方向に付勢して位置規制するキャッピング用のガイド部材を備えた液体噴射装置。 - 前記スライダを付勢する第1のスプリングを備え、前記ガイド部材には、前記第1のスプリングの弾撥力が前記キャッピング手段の位置規制方向に前記スライダを介して付与されている請求項1記載の液体噴射装置。
- 前記第1のスプリングの弾撥力により前記スライダをキャッピング位置から非キャッピング位置に移動可能に構成された請求項2記載の液体噴射装置。
- 前記キャッピング手段が、鉛直線に対し傾斜する軸線をもつ第2のスプリングからの付勢力をヘッド幅方向片側に受けて前記スライダに弾性保持されている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体噴射装置。
- 前記ガイド部材を、ヘッド押圧状態において前記スライダの幅方向中心線と前記液体噴射ヘッドの幅方向中心線とが平行となるような位置に配置されている請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
- 前記ガイド部材の上方端部内面に、ガイド部材内側からガイド部材外側に向かって上る勾配をもつ鉛直方向ガイド面が形成されている請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体噴射装置。
- 前記ガイド部材の非キャッピング位置側内面に、非キャッピング位置側からキャッピング位置側に向かって前記液体噴射ヘッドを案内する水平方向ガイド面が形成されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液体噴射装置。
- 前記スライダが、前記ノズル形成面に対して前記キャッピング手段を平行移動させるスライダである請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の液体噴射装置。
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