JP2004001344A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成ならびに制御機構でインクの吐出速度を均一化し、良好な印画を形成することができる高性能のインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】多数の発熱抵抗体5を被着させたヘッド基板3と天板6との間に表面張力の異なるインク8をそれぞれ充填してなる複数個のインクジェットヘッドを備え、各インクジェットヘッドの発熱抵抗体5を選択的に発熱させてインク8を吐出させることにより記録紙に印画を形成するインクジェットプリンタであって、各インクジェットヘッドの発熱抵抗体5の平均抵抗値をインク8の表面張力に応じて設定する。
【選択図】図2
【解決手段】多数の発熱抵抗体5を被着させたヘッド基板3と天板6との間に表面張力の異なるインク8をそれぞれ充填してなる複数個のインクジェットヘッドを備え、各インクジェットヘッドの発熱抵抗体5を選択的に発熱させてインク8を吐出させることにより記録紙に印画を形成するインクジェットプリンタであって、各インクジェットヘッドの発熱抵抗体5の平均抵抗値をインク8の表面張力に応じて設定する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙にインク滴を所定パターンに付着させて画像等を形成するインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録紙に画像を形成するための記録デバイスとしてインクジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタが実用化されている。
【0003】
インクジェットヘッドの記録方式には、インク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱抵抗体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変形を利用するもの,更には電磁波の照射に伴って発生する熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプのものは、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、小さな面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネルギーを発生させることができることから、高密度記録への対応に適したものとして注目されている。
【0004】
かかるサーマルジェットタイプのインクジェットヘッドとしては、例えば図5に示す如く、ベースプレート22の上面に複数個の発熱抵抗体23を直線状に被着・配列させてなるヘッド基板21と、複数個のインク吐出孔25を有した天板24とを間に所定の間隔を空けて配設した上、この両者間に形成される間隙にインク26を充填した構造のものが知られており、かかるインクジェットヘッドを用いてカラープリンタを構成する場合は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等の異なるカラーインクを内部に充填した複数個のインクジェットヘッドがプリンタの筐体内に併設されることとなる。
【0005】
そして、各インクジェットヘッドの発熱抵抗体23をカラー画像データに基づいて個々に選択的にジュール発熱させ、カラーインクをインク吐出孔25より記録紙に向けて吐出させることによって個々のインクジェットヘッドによってカラーインクに対応したカラー画像が形成され、これらのカラー画像を記録紙上で重ね合わせることによってフルカラー記録が実現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッド毎に異なるインク26が使用されており、これらのインク26は熱に対する特性がそれぞれ異なっている。そのため、全てのインクジェットヘッドの発熱抵抗体23を同じ条件で発熱させた場合、インク26の吐出速度がインクジェットヘッド毎に相違することとなり、特に表面張力の低いインク26を使用したインクジェットヘッドほど、インク26の吐出速度が遅くなってカラー画像を正確に重ね合わせることが不可となる欠点を有していた。
【0007】
そこで上記欠点を解消するために、発熱抵抗体23への印加電力をインク26の特性に応じて調整することによりインク26の吐出速度を全てのインクジェットヘッドにおいて均一化する試みがなされている。
【0008】
しかしながら、発熱抵抗体23への印加電力をインク26の特性に応じて調整する場合、インクジェットヘッド毎に印加電力を調整するための特殊な電源回路等が別途必要となるため、インクジェットプリンタの構成ならびに制御機構が複雑化し、これによってインクジェットプリンタのコストアップを招く欠点が誘発される。
【0009】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、簡素な構成ならびに制御機構でインクの吐出速度を均一化し、良好な印画を形成することができる高性能のインクジェットプリンタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンタは、多数の発熱抵抗体を被着させたヘッド基板と天板との間にインクを充填してなるインクジェットヘッドを複数個備え、これらインクジェットヘッドの発熱抵抗体を選択的に発熱させて各インクジェットヘッドよりインクを吐出させることによって記録紙に印画を形成するインクジェットプリンタにおいて、前記複数個のインクジェットヘッドはヘッド基板−天板間に充填されるインクの表面張力が異なっており、且つインクジェットヘッドの発熱抵抗体の平均抵抗値が、ヘッド基板−天板間に充填されているインクの表面張力が小さいものほど低い値に設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明のインクジェットプリンタは、前記発熱抵抗体がパルストリミング法にて抵抗値調整されていることを特徴とするものである。
【0012】
更に本発明のインクジェットプリンタは、前記発熱抵抗体がTaSiO系抵抗材料により形成されており、且つTa含有率が50原子%〜60原子%に設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明のインクジェットプリンタによれば、その内部に組み込まれる各インクジェットヘッドの発熱抵抗体の平均抵抗値を使用されるインクの表面張力に応じて個々に設定することにより、全てのインクジェットヘッドのインク吐出速度を略一定に揃えて記録紙に良好な印画を形成することができる。しかもこの場合、発熱抵抗体への印加電力を調整する必要はなく、印加電力調整用の特殊な電源回路等は一切不要であることから、インクジェットプリンタの構成ならびに制御機構は簡素に維持され、製品としてのインクジェットプリンタを安価になすことができるようになる。
【0014】
また本発明のインクジェットプリンタによれば、各インクジェットヘッドに設けられている発熱抵抗体の抵抗値調整をパルストリミング法にて行うことにより、発熱抵抗体の抵抗値を精度良く、且つ簡単に調整することができ、これによってインクジェットプリンタの生産性を高く維持することも可能である。
【0015】
更に本発明のインクジェットプリンタによれば、前記発熱抵抗体をTaSiO系抵抗材料により形成するとともに、そのTa含有率を50原子%〜60原子%に設定することにより、発熱抵抗体の電気抵抗値を従来周知のパルストリミング法にて調整する際、トリミングパルスを印加したときの抵抗値変動量が適度な大きさとなり、パルストリミング法によってより細かな抵抗値調整がし易くなるという利点がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示す図であり、同図に示すインクジェットプリンタは筐体1内に複数個のインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dを備えている。
【0017】
各インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dは、図2及び図3に示す如く、単結晶シリコン等から成るベースプレート4の一主面に多数の発熱抵抗体5を直線状に被着・配列させたヘッド基板3上に、発熱抵抗体5と1対1に対応する多数のインク吐出孔7を有する樹脂製の天板6を、間に所定の間隙を形成するようにして取着させるとともに、前記間隙内にインク8を充填した構造を有し、これらのインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dは、その内部に充填されるインク8の種類が個々に異なっている。
【0018】
例えば、インクジェットヘッド2Aにはマゼンタインクが、インクジェットヘッド2Bにはシアンインクが、インクジェットヘッド2Cにはイエローインクが、またインクジェットヘッド2Dにはブラックインクが用いられ、これらのインク8はそれぞれ異なる表面張力を有し、発熱抵抗体5の発する熱に対して異なる特性を備えている。
【0019】
また一方、インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dの発熱抵抗体5は、個々のインクジェットヘッド内で電気抵抗値を略一定(平均抵抗値に対して±1.2%の範囲内)に揃えてあり、その平均抵抗値は個々のインクジェットヘッドにおいて使用されるインク8の表面張力に応じて設定されている。
【0020】
このような発熱抵抗体5の平均抵抗値は、インク8の表面張力が小さいものほど低い値に設定され、例えばマゼンタインクの表面張力が25.4dyne/cmである場合、これを用いたインクジェットヘッド2Aの発熱抵抗体5は平均抵抗値330Ωに、またシアンインクの表面張力が24.6dyne/cmである場合、これを用いたインクジェットヘッド2Bの発熱抵抗体5は平均抵抗値300Ωに、またイエローインクの表面張力が23.8dyne/cmである場合、これを用いたインクジェットヘッド2Cの発熱抵抗体5は平均抵抗値270Ωに、そしてブラックインクの表面張力が25.9dyne/cmである場合、これを用いたインクジェットヘッド2Dの発熱抵抗体5は平均抵抗値350Ωに設定される。
【0021】
このように、各インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dの発熱抵抗体5の平均抵抗値を、使用されるインク8の表面張力に応じて個々に設定することにより、全てのインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dのインク8の吐出速度を略一定に揃えることができ、全てのカラー印画を記録紙上で正確に重ね合わせることにより良好なフルカラー印画を形成することが可能となる。
【0022】
しかもこの場合、発熱抵抗体5の電気抵抗値そのものを調整することでインク8の吐出速度を略等しく揃えることができるため、補正データ等を用いて印加電力を調整する場合に比し、補正データ格納用のメモリや複雑な補正回路、専用の電源回路等が不要となり、インクジェットプリンタの構成が簡素に維持され、製品としてのインクジェットプリンタを安価になすことができる利点もある。
【0023】
かくして上述したインクジェットプリンタは、各インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dの発熱抵抗体5をカラー画像データに基づいて個々に選択的にジュール発熱させるとともに、該発熱した熱によってカラーインク8を天板6のインク吐出孔7より記録紙に向けて吐出させ、このようにして得られるカラー画像を記録紙上で重ね合わせることによって所定のフルカラー印画が形成される。
【0024】
次に上述したインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dの発熱抵抗体5の抵抗値を調整する方法について、従来周知のパルストリミング法を用いる場合を例に説明する。
【0025】
(1)まず、上面に多数の発熱抵抗体5を有したヘッド基板3を準備する。
前記発熱抵抗体5は、TaNやTaSiO,TaSiNO,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等の抵抗材料から成る抵抗薄膜から成り、従来周知の薄膜形成技術、例えばスパッタリング及びフォトエッチング技術を採用し、上述の抵抗材料を所定パターンに微細加工することにより例えば600dpi(dot per inch)の密度で形成される。
【0026】
(2)次に、インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dに使用されるインク8の表面張力を測定し、インク8の表面張力に対応した平均抵抗値を、インクの表面張力と平均抵抗値との関係を示す換算テーブル(図4参照)より求める。
前記インク8の表面張力は、従来周知の滴下法、毛細管上昇法、吊環法などを採用することによって測定され、本実施形態におけるインク8の表面張力は、25℃条件下において、従来周知の滴下法を用いることで測定された値を採用している。
【0027】
また換算テーブルは、様々な表面張力のインク8を充填したインクジェットヘッドを用いて実際にインク8を吐出させることによって得たデータに基づくもので、同図によれば、インク8の表面張力が23.8dyne/cmの場合、発熱抵抗体5の平均抵抗値(目標抵抗値)は270Ωに、またインク8の表面張力が24.6dyne/cmの場合、目標抵抗値は300Ωに設定される。
【0028】
(3)次に、発熱抵抗体5の電気抵抗値をプローバー等を用いて個々に測定するとともに、該測定値と(2)の工程で得た目標抵抗値との差に相当する抵抗値補正幅を求め、しかる後、個々の発熱抵抗体5に所定のトリミングパルスを印加してパルストリミングを行う。
【0029】
かかるパルストリミング法では、抵抗値補正幅に対応するトリミングパルスを発熱抵抗体5に印加して発熱抵抗体5の電気抵抗値を下降もしくは上昇させることによって発熱抵抗体5の電気抵抗値が調整され、例えば、発熱抵抗体5の抵抗値を下降させる場合は、発熱抵抗体5に対しパルス幅(通電時間)が比較的短く、振幅(電圧値)が比較的大きなトリミングパルスが用いられ、このようなトリミングパルスを発熱抵抗体5に印加することで抵抗材料を結晶化させ、発熱抵抗体5をアニールすることによって抵抗値の下降現象が起こる。
【0030】
また、発熱抵抗体5の抵抗値を上昇させる場合は、発熱抵抗体5に対しパルス幅が比較的長く、振幅が比較的小さなトリミングパルスが用いられ、このようなトリミングパルスを発熱抵抗体5に印加することで発熱抵抗体5を形成する抵抗材料が大気中の酸素や発熱抵抗体5上に配される保護膜中の酸素等と結合し、表面に薄い酸化膜を形成することによって抵抗値の上昇現象が起こる。
【0031】
そして、上述のトリミング作業を行なった後、トリミングを行なった発熱抵抗体5の抵抗値を再度測定し、その測定値が目標抵抗値に対して十分に近づいていない場合は、抵抗値が許容範囲に入るまで上述のトリミング作業を繰り返し行う。
【0032】
尚、このようなトリミング作業では、抵抗値調整を、抵抗値の下降もしくは上昇のいずれかのみで行なっても良いし、抵抗値の下降、上昇の双方で行うようにしても良く、例えば、抵抗値の下降のみで発熱抵抗体5の抵抗値調整を行う場合は、当初の抵抗値が全て目標抵抗値に対し十分に高く設定されるように抵抗薄膜の抵抗材料、膜厚等を選択する。
【0033】
以上のようなパルストリミング法にて抵抗値調整を行う場合、発熱抵抗体5の抵抗値を精度良く、且つ簡単に調整することができ、これによってインクジェットヘッドならびにインクジェットプリンタの生産性を高く維持することもできる。
【0034】
またこの場合、発熱抵抗体5をTaSiO系抵抗材料により形成し、且つTa含有率を50原子%〜60原子%に設定しておけば、発熱抵抗体5の電気抵抗値を従来周知のパルストリミング法にて調整する際、トリミングパルスを印加したときの抵抗値変動量が適度な大きさになり、パルストリミング法によってより細かな抵抗値調整がし易くなるという利点がある。
【0035】
ここで、発熱抵抗体5内のTa含有率が60原子%よりも大きいと、トリミングパルスを印加したときの発熱抵抗体5の抵抗値変動が大きくなって細かな抵抗値調整が困難になる傾向があり、一方、発熱抵抗体5内のTa含有率が50原子%よりも小さいと、トリミングパルスを印加したときの発熱抵抗体3の抵抗値変動が小さいため、発熱抵抗体3の電気抵抗値を大きく変化させる場合に、抵抗値調整に長時間を要してしまう。従って、発熱抵抗体3を形成する抵抗材料中のTa含有率を50原子%〜60原子%に設定しておくことが好ましい。
【0036】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0037】
例えば上述の実施形態においては、インクジェットプリンタを4個のインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dで構成する場合について説明したが、更にフォトマゼンタ、フォトシアン、フォトイエロー等のインク8を吐出させるためのインクジェットヘッドを別途備えたものや3個以下のインクジェットヘッドによってインクジェットプリンタを構成する場合にも本発明は適用可能である。
【0038】
また上述の実施形態においては、インクジェットヘッドのインク吐出孔7を天板6に設けるようにしたが、これに代えて、インク滴をヘッド基板3のエッジより吐出させるエッジシュータータイプのインクジェットヘッドに本発明を適用するにあたり、インク吐出孔を天板には設けず、ヘッド基板の一端側でヘッド基板と天板との間にインク吐出孔を設けても構わない。
【0039】
更に上述の実施形態において、ヘッド基板3上に、発熱抵抗体5の発熱を制御するためのドライバーICを搭載したり、発熱抵抗体5を窒化珪素や酸化珪素等から成る保護膜で被覆するようにしても良いことは言うまでもない。
【0040】
このとき、上記保護膜を酸素を含む無機質材料により形成するとともに、該保護膜中の酸素含有量を2.0質量%〜10.0質量%に設定しておけば、所定のトリミングパルスを印加したときの抵抗値の上昇度合いが適度な大きさになり、より細かな抵抗値調整が可能になるという利点もある。
【0041】
ここで、保護膜中の酸素含有量が2.0質量%よりも小さいと、抵抗値の上昇度合いが小さすぎて、抵抗値調整に長時間を要する不都合があり、一方、酸素含有量が10.0質量%よりも大きいと、保護膜中にクラック等が発生したり、あるいは保護膜の密着強度が低下する傾向がある。従って、保護膜中の酸素含有量を2.0質量%〜10.0質量%に設定しておくことが好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明のインクジェットプリンタによれば、その内部に組み込まれる各インクジェットヘッドの発熱抵抗体の平均抵抗値を使用されるインクの表面張力に応じて個々に設定することにより、全てのインクジェットヘッドのインク吐出速度を略一定に揃えて記録紙に良好な印画を形成することができる。しかもこの場合、発熱抵抗体への印加電力を調整する必要はなく、印加電力調整用の特殊な電源回路等は一切不要であることから、インクジェットプリンタの構成ならびに制御機構は簡素に維持され、製品としてのインクジェットプリンタを安価になすことができるようになる。
【0043】
また本発明のインクジェットプリンタによれば、各インクジェットヘッドに設けられている発熱抵抗体の抵抗値調整をパルストリミング法にて行うことにより、発熱抵抗体の抵抗値を精度良く、且つ簡単に調整することができ、これによってインクジェットプリンタの生産性を高く維持することも可能である。
【0044】
更に本発明のインクジェットプリンタによれば、前記発熱抵抗体をTaSiO系抵抗材料により形成するとともに、そのTa含有率を50原子%〜60原子%に設定することにより、発熱抵抗体の電気抵抗値を従来周知のパルストリミング法にて調整する際、トリミングパルスを印加したときの抵抗値変動量が適度な大きさとなり、パルストリミング法によってより細かな抵抗値調整がし易くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示す図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタに使用されるインクジェットヘッドの断面図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタに使用されるインクジェットヘッドの分解斜視図である。
【図4】インクの表面張力と目標抵抗値との関係を示す線図である。
【図5】従来のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・インクジェットプリンタの筐体
2A,2B,2C,2D・・・インクジェットヘッド
3・・・ヘッド基板
4・・・ベースプレート
5・・・発熱抵抗体
6・・・天板
7・・・インク吐出孔
8・・・インク
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙にインク滴を所定パターンに付着させて画像等を形成するインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録紙に画像を形成するための記録デバイスとしてインクジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタが実用化されている。
【0003】
インクジェットヘッドの記録方式には、インク滴を記録紙に向けて吐出させるのに発熱抵抗体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変形を利用するもの,更には電磁波の照射に伴って発生する熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプのものは、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、小さな面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネルギーを発生させることができることから、高密度記録への対応に適したものとして注目されている。
【0004】
かかるサーマルジェットタイプのインクジェットヘッドとしては、例えば図5に示す如く、ベースプレート22の上面に複数個の発熱抵抗体23を直線状に被着・配列させてなるヘッド基板21と、複数個のインク吐出孔25を有した天板24とを間に所定の間隔を空けて配設した上、この両者間に形成される間隙にインク26を充填した構造のものが知られており、かかるインクジェットヘッドを用いてカラープリンタを構成する場合は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等の異なるカラーインクを内部に充填した複数個のインクジェットヘッドがプリンタの筐体内に併設されることとなる。
【0005】
そして、各インクジェットヘッドの発熱抵抗体23をカラー画像データに基づいて個々に選択的にジュール発熱させ、カラーインクをインク吐出孔25より記録紙に向けて吐出させることによって個々のインクジェットヘッドによってカラーインクに対応したカラー画像が形成され、これらのカラー画像を記録紙上で重ね合わせることによってフルカラー記録が実現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッド毎に異なるインク26が使用されており、これらのインク26は熱に対する特性がそれぞれ異なっている。そのため、全てのインクジェットヘッドの発熱抵抗体23を同じ条件で発熱させた場合、インク26の吐出速度がインクジェットヘッド毎に相違することとなり、特に表面張力の低いインク26を使用したインクジェットヘッドほど、インク26の吐出速度が遅くなってカラー画像を正確に重ね合わせることが不可となる欠点を有していた。
【0007】
そこで上記欠点を解消するために、発熱抵抗体23への印加電力をインク26の特性に応じて調整することによりインク26の吐出速度を全てのインクジェットヘッドにおいて均一化する試みがなされている。
【0008】
しかしながら、発熱抵抗体23への印加電力をインク26の特性に応じて調整する場合、インクジェットヘッド毎に印加電力を調整するための特殊な電源回路等が別途必要となるため、インクジェットプリンタの構成ならびに制御機構が複雑化し、これによってインクジェットプリンタのコストアップを招く欠点が誘発される。
【0009】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、簡素な構成ならびに制御機構でインクの吐出速度を均一化し、良好な印画を形成することができる高性能のインクジェットプリンタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンタは、多数の発熱抵抗体を被着させたヘッド基板と天板との間にインクを充填してなるインクジェットヘッドを複数個備え、これらインクジェットヘッドの発熱抵抗体を選択的に発熱させて各インクジェットヘッドよりインクを吐出させることによって記録紙に印画を形成するインクジェットプリンタにおいて、前記複数個のインクジェットヘッドはヘッド基板−天板間に充填されるインクの表面張力が異なっており、且つインクジェットヘッドの発熱抵抗体の平均抵抗値が、ヘッド基板−天板間に充填されているインクの表面張力が小さいものほど低い値に設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明のインクジェットプリンタは、前記発熱抵抗体がパルストリミング法にて抵抗値調整されていることを特徴とするものである。
【0012】
更に本発明のインクジェットプリンタは、前記発熱抵抗体がTaSiO系抵抗材料により形成されており、且つTa含有率が50原子%〜60原子%に設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明のインクジェットプリンタによれば、その内部に組み込まれる各インクジェットヘッドの発熱抵抗体の平均抵抗値を使用されるインクの表面張力に応じて個々に設定することにより、全てのインクジェットヘッドのインク吐出速度を略一定に揃えて記録紙に良好な印画を形成することができる。しかもこの場合、発熱抵抗体への印加電力を調整する必要はなく、印加電力調整用の特殊な電源回路等は一切不要であることから、インクジェットプリンタの構成ならびに制御機構は簡素に維持され、製品としてのインクジェットプリンタを安価になすことができるようになる。
【0014】
また本発明のインクジェットプリンタによれば、各インクジェットヘッドに設けられている発熱抵抗体の抵抗値調整をパルストリミング法にて行うことにより、発熱抵抗体の抵抗値を精度良く、且つ簡単に調整することができ、これによってインクジェットプリンタの生産性を高く維持することも可能である。
【0015】
更に本発明のインクジェットプリンタによれば、前記発熱抵抗体をTaSiO系抵抗材料により形成するとともに、そのTa含有率を50原子%〜60原子%に設定することにより、発熱抵抗体の電気抵抗値を従来周知のパルストリミング法にて調整する際、トリミングパルスを印加したときの抵抗値変動量が適度な大きさとなり、パルストリミング法によってより細かな抵抗値調整がし易くなるという利点がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示す図であり、同図に示すインクジェットプリンタは筐体1内に複数個のインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dを備えている。
【0017】
各インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dは、図2及び図3に示す如く、単結晶シリコン等から成るベースプレート4の一主面に多数の発熱抵抗体5を直線状に被着・配列させたヘッド基板3上に、発熱抵抗体5と1対1に対応する多数のインク吐出孔7を有する樹脂製の天板6を、間に所定の間隙を形成するようにして取着させるとともに、前記間隙内にインク8を充填した構造を有し、これらのインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dは、その内部に充填されるインク8の種類が個々に異なっている。
【0018】
例えば、インクジェットヘッド2Aにはマゼンタインクが、インクジェットヘッド2Bにはシアンインクが、インクジェットヘッド2Cにはイエローインクが、またインクジェットヘッド2Dにはブラックインクが用いられ、これらのインク8はそれぞれ異なる表面張力を有し、発熱抵抗体5の発する熱に対して異なる特性を備えている。
【0019】
また一方、インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dの発熱抵抗体5は、個々のインクジェットヘッド内で電気抵抗値を略一定(平均抵抗値に対して±1.2%の範囲内)に揃えてあり、その平均抵抗値は個々のインクジェットヘッドにおいて使用されるインク8の表面張力に応じて設定されている。
【0020】
このような発熱抵抗体5の平均抵抗値は、インク8の表面張力が小さいものほど低い値に設定され、例えばマゼンタインクの表面張力が25.4dyne/cmである場合、これを用いたインクジェットヘッド2Aの発熱抵抗体5は平均抵抗値330Ωに、またシアンインクの表面張力が24.6dyne/cmである場合、これを用いたインクジェットヘッド2Bの発熱抵抗体5は平均抵抗値300Ωに、またイエローインクの表面張力が23.8dyne/cmである場合、これを用いたインクジェットヘッド2Cの発熱抵抗体5は平均抵抗値270Ωに、そしてブラックインクの表面張力が25.9dyne/cmである場合、これを用いたインクジェットヘッド2Dの発熱抵抗体5は平均抵抗値350Ωに設定される。
【0021】
このように、各インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dの発熱抵抗体5の平均抵抗値を、使用されるインク8の表面張力に応じて個々に設定することにより、全てのインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dのインク8の吐出速度を略一定に揃えることができ、全てのカラー印画を記録紙上で正確に重ね合わせることにより良好なフルカラー印画を形成することが可能となる。
【0022】
しかもこの場合、発熱抵抗体5の電気抵抗値そのものを調整することでインク8の吐出速度を略等しく揃えることができるため、補正データ等を用いて印加電力を調整する場合に比し、補正データ格納用のメモリや複雑な補正回路、専用の電源回路等が不要となり、インクジェットプリンタの構成が簡素に維持され、製品としてのインクジェットプリンタを安価になすことができる利点もある。
【0023】
かくして上述したインクジェットプリンタは、各インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dの発熱抵抗体5をカラー画像データに基づいて個々に選択的にジュール発熱させるとともに、該発熱した熱によってカラーインク8を天板6のインク吐出孔7より記録紙に向けて吐出させ、このようにして得られるカラー画像を記録紙上で重ね合わせることによって所定のフルカラー印画が形成される。
【0024】
次に上述したインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dの発熱抵抗体5の抵抗値を調整する方法について、従来周知のパルストリミング法を用いる場合を例に説明する。
【0025】
(1)まず、上面に多数の発熱抵抗体5を有したヘッド基板3を準備する。
前記発熱抵抗体5は、TaNやTaSiO,TaSiNO,TiSiO,TiSiCO,NbSiO等の抵抗材料から成る抵抗薄膜から成り、従来周知の薄膜形成技術、例えばスパッタリング及びフォトエッチング技術を採用し、上述の抵抗材料を所定パターンに微細加工することにより例えば600dpi(dot per inch)の密度で形成される。
【0026】
(2)次に、インクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dに使用されるインク8の表面張力を測定し、インク8の表面張力に対応した平均抵抗値を、インクの表面張力と平均抵抗値との関係を示す換算テーブル(図4参照)より求める。
前記インク8の表面張力は、従来周知の滴下法、毛細管上昇法、吊環法などを採用することによって測定され、本実施形態におけるインク8の表面張力は、25℃条件下において、従来周知の滴下法を用いることで測定された値を採用している。
【0027】
また換算テーブルは、様々な表面張力のインク8を充填したインクジェットヘッドを用いて実際にインク8を吐出させることによって得たデータに基づくもので、同図によれば、インク8の表面張力が23.8dyne/cmの場合、発熱抵抗体5の平均抵抗値(目標抵抗値)は270Ωに、またインク8の表面張力が24.6dyne/cmの場合、目標抵抗値は300Ωに設定される。
【0028】
(3)次に、発熱抵抗体5の電気抵抗値をプローバー等を用いて個々に測定するとともに、該測定値と(2)の工程で得た目標抵抗値との差に相当する抵抗値補正幅を求め、しかる後、個々の発熱抵抗体5に所定のトリミングパルスを印加してパルストリミングを行う。
【0029】
かかるパルストリミング法では、抵抗値補正幅に対応するトリミングパルスを発熱抵抗体5に印加して発熱抵抗体5の電気抵抗値を下降もしくは上昇させることによって発熱抵抗体5の電気抵抗値が調整され、例えば、発熱抵抗体5の抵抗値を下降させる場合は、発熱抵抗体5に対しパルス幅(通電時間)が比較的短く、振幅(電圧値)が比較的大きなトリミングパルスが用いられ、このようなトリミングパルスを発熱抵抗体5に印加することで抵抗材料を結晶化させ、発熱抵抗体5をアニールすることによって抵抗値の下降現象が起こる。
【0030】
また、発熱抵抗体5の抵抗値を上昇させる場合は、発熱抵抗体5に対しパルス幅が比較的長く、振幅が比較的小さなトリミングパルスが用いられ、このようなトリミングパルスを発熱抵抗体5に印加することで発熱抵抗体5を形成する抵抗材料が大気中の酸素や発熱抵抗体5上に配される保護膜中の酸素等と結合し、表面に薄い酸化膜を形成することによって抵抗値の上昇現象が起こる。
【0031】
そして、上述のトリミング作業を行なった後、トリミングを行なった発熱抵抗体5の抵抗値を再度測定し、その測定値が目標抵抗値に対して十分に近づいていない場合は、抵抗値が許容範囲に入るまで上述のトリミング作業を繰り返し行う。
【0032】
尚、このようなトリミング作業では、抵抗値調整を、抵抗値の下降もしくは上昇のいずれかのみで行なっても良いし、抵抗値の下降、上昇の双方で行うようにしても良く、例えば、抵抗値の下降のみで発熱抵抗体5の抵抗値調整を行う場合は、当初の抵抗値が全て目標抵抗値に対し十分に高く設定されるように抵抗薄膜の抵抗材料、膜厚等を選択する。
【0033】
以上のようなパルストリミング法にて抵抗値調整を行う場合、発熱抵抗体5の抵抗値を精度良く、且つ簡単に調整することができ、これによってインクジェットヘッドならびにインクジェットプリンタの生産性を高く維持することもできる。
【0034】
またこの場合、発熱抵抗体5をTaSiO系抵抗材料により形成し、且つTa含有率を50原子%〜60原子%に設定しておけば、発熱抵抗体5の電気抵抗値を従来周知のパルストリミング法にて調整する際、トリミングパルスを印加したときの抵抗値変動量が適度な大きさになり、パルストリミング法によってより細かな抵抗値調整がし易くなるという利点がある。
【0035】
ここで、発熱抵抗体5内のTa含有率が60原子%よりも大きいと、トリミングパルスを印加したときの発熱抵抗体5の抵抗値変動が大きくなって細かな抵抗値調整が困難になる傾向があり、一方、発熱抵抗体5内のTa含有率が50原子%よりも小さいと、トリミングパルスを印加したときの発熱抵抗体3の抵抗値変動が小さいため、発熱抵抗体3の電気抵抗値を大きく変化させる場合に、抵抗値調整に長時間を要してしまう。従って、発熱抵抗体3を形成する抵抗材料中のTa含有率を50原子%〜60原子%に設定しておくことが好ましい。
【0036】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0037】
例えば上述の実施形態においては、インクジェットプリンタを4個のインクジェットヘッド2A,2B,2C,2Dで構成する場合について説明したが、更にフォトマゼンタ、フォトシアン、フォトイエロー等のインク8を吐出させるためのインクジェットヘッドを別途備えたものや3個以下のインクジェットヘッドによってインクジェットプリンタを構成する場合にも本発明は適用可能である。
【0038】
また上述の実施形態においては、インクジェットヘッドのインク吐出孔7を天板6に設けるようにしたが、これに代えて、インク滴をヘッド基板3のエッジより吐出させるエッジシュータータイプのインクジェットヘッドに本発明を適用するにあたり、インク吐出孔を天板には設けず、ヘッド基板の一端側でヘッド基板と天板との間にインク吐出孔を設けても構わない。
【0039】
更に上述の実施形態において、ヘッド基板3上に、発熱抵抗体5の発熱を制御するためのドライバーICを搭載したり、発熱抵抗体5を窒化珪素や酸化珪素等から成る保護膜で被覆するようにしても良いことは言うまでもない。
【0040】
このとき、上記保護膜を酸素を含む無機質材料により形成するとともに、該保護膜中の酸素含有量を2.0質量%〜10.0質量%に設定しておけば、所定のトリミングパルスを印加したときの抵抗値の上昇度合いが適度な大きさになり、より細かな抵抗値調整が可能になるという利点もある。
【0041】
ここで、保護膜中の酸素含有量が2.0質量%よりも小さいと、抵抗値の上昇度合いが小さすぎて、抵抗値調整に長時間を要する不都合があり、一方、酸素含有量が10.0質量%よりも大きいと、保護膜中にクラック等が発生したり、あるいは保護膜の密着強度が低下する傾向がある。従って、保護膜中の酸素含有量を2.0質量%〜10.0質量%に設定しておくことが好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明のインクジェットプリンタによれば、その内部に組み込まれる各インクジェットヘッドの発熱抵抗体の平均抵抗値を使用されるインクの表面張力に応じて個々に設定することにより、全てのインクジェットヘッドのインク吐出速度を略一定に揃えて記録紙に良好な印画を形成することができる。しかもこの場合、発熱抵抗体への印加電力を調整する必要はなく、印加電力調整用の特殊な電源回路等は一切不要であることから、インクジェットプリンタの構成ならびに制御機構は簡素に維持され、製品としてのインクジェットプリンタを安価になすことができるようになる。
【0043】
また本発明のインクジェットプリンタによれば、各インクジェットヘッドに設けられている発熱抵抗体の抵抗値調整をパルストリミング法にて行うことにより、発熱抵抗体の抵抗値を精度良く、且つ簡単に調整することができ、これによってインクジェットプリンタの生産性を高く維持することも可能である。
【0044】
更に本発明のインクジェットプリンタによれば、前記発熱抵抗体をTaSiO系抵抗材料により形成するとともに、そのTa含有率を50原子%〜60原子%に設定することにより、発熱抵抗体の電気抵抗値を従来周知のパルストリミング法にて調整する際、トリミングパルスを印加したときの抵抗値変動量が適度な大きさとなり、パルストリミング法によってより細かな抵抗値調整がし易くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示す図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタに使用されるインクジェットヘッドの断面図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタに使用されるインクジェットヘッドの分解斜視図である。
【図4】インクの表面張力と目標抵抗値との関係を示す線図である。
【図5】従来のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・インクジェットプリンタの筐体
2A,2B,2C,2D・・・インクジェットヘッド
3・・・ヘッド基板
4・・・ベースプレート
5・・・発熱抵抗体
6・・・天板
7・・・インク吐出孔
8・・・インク
Claims (3)
- 多数の発熱抵抗体を被着させたヘッド基板と天板との間にインクを充填してなるインクジェットヘッドを複数個備え、これらインクジェットヘッドの発熱抵抗体を選択的に発熱させて各インクジェットヘッドよりインクを吐出させることによって記録紙に印画を形成するインクジェットプリンタにおいて、
前記複数個のインクジェットヘッドはヘッド基板−天板間に充填されるインクの表面張力が異なっており、且つインクジェットヘッドの発熱抵抗体の平均抵抗値が、ヘッド基板−天板間に充填されているインクの表面張力が小さいものほど低い値に設定されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 前記発熱抵抗体はパルストリミング法にて抵抗値調整されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記発熱抵抗体がTaSiO系抵抗材料により形成されており、且つTa含有率が50原子%〜60原子%に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008155406A (ja) * | 2006-12-21 | 2008-07-10 | Canon Inc | インクジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 |
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2002
- 2002-07-30 JP JP2002222213A patent/JP2004001344A/ja active Pending
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