JP2004001216A - 食肉スライサ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の丸刃物を回転させて肉塊をスライスする食肉スライサの欠点を改善できる新方式の食肉スライサを実用化する。
【解決手段】食肉スライサの本体架台11の上部に、肉塊12を保持する肉箱13を左右方向(矢印Aで示す方向)に往復移動可能に設け、この肉箱13の下方左側に設けられた刃物支持板14に、肉塊12をスライスするための平刃物15を前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動可能に設ける。そして、冷凍された肉塊12を肉箱13内にセットした状態で、肉箱13を左右方向に往復移動させると共に、平刃物15を前後方向に往復移動させることで、肉塊13の下端部を平刃物15でスライスして、そのスライス肉片を平刃物15の下方側に排出する。
【選択図】 図1
【解決手段】食肉スライサの本体架台11の上部に、肉塊12を保持する肉箱13を左右方向(矢印Aで示す方向)に往復移動可能に設け、この肉箱13の下方左側に設けられた刃物支持板14に、肉塊12をスライスするための平刃物15を前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動可能に設ける。そして、冷凍された肉塊12を肉箱13内にセットした状態で、肉箱13を左右方向に往復移動させると共に、平刃物15を前後方向に往復移動させることで、肉塊13の下端部を平刃物15でスライスして、そのスライス肉片を平刃物15の下方側に排出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肉塊をスライスする食肉スライサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な食肉スライサは、肉塊を保持する肉箱をスライス用刃物に対して往復移動させて肉箱から送り出される肉塊をスライス用刃物で所定の厚さにスライスするようにしている。従来のスライス用刃物は、肉塊をスライスする刃が円盤状に形成された丸刃物を用い、この丸刃物を回転させて肉塊をスライスするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の丸刃物を回転させて肉塊をスライスする食肉スライサでは、低コスト化、省スペース化、安全性の面で改善の余地があった。
【0004】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、従来の丸刃物を回転させて肉塊をスライスする食肉スライサの欠点を改善できる食肉スライサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の食肉スライサは、肉塊を保持する肉保持部をスライス用刃物に対して往復移動させて前記肉保持部から徐々に送り出される肉塊を前記スライス用刃物でスライスするものにおいて、前記スライス用刃物をその側面が前記肉保持部の移動方向とほぼ平行となるように配置し、且つ、該スライス用刃物を前記肉保持部の移動方向と交差する方向に往復運動させるように構成したものである。
【0006】
この場合、請求項2のように、スライス用刃物を直線的に往復運動させるように構成すると良い。
更に、請求項3のように、前記スライス用刃物としては、刃が直線状に形成された平刃物を用いると良い。平刃物は、丸刃物に比べて部品コストが安価であり、配置スペースも小さくなるので、低コスト化、省スペース化の要求も満たすことができる。また、平刃物は、片側に刃が形成されているだけなので、全周に刃が形成された丸刃物よりも取り扱い易く、刃物交換時等の安全性も向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図8に基づいて説明する。
ここで、図1は食肉スライサの正面図、図2は食肉スライサの平面図、図3は食肉スライサの縦断側面図、図4は食肉スライサの縦断背面図、図5は肉片ロール装置16及びその周辺要部の正面図、図6は肉片ロール装置16及びその周辺要部の側面図である。
【0008】
まず、図1に基づいて食肉スライサ全体の構成を概略的に説明する。食肉スライサの本体架台11の上部には、肉塊12を保持する肉箱13(肉保持部)が左右方向(図1に矢印Aで示す方向)に往復移動可能に設けられ、この肉箱13の下方左側に設けられた刃物支持板14に、肉塊12をスライスするための平刃物15(スライス用刃物)が、前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動可能に設けられている。この平刃物15は、肉塊12をスライスする刃が直線状に形成されている。
【0009】
更に、平刃物15の下方側近傍には、平刃物15でスライスされた肉片(スライス肉片)をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール装置16(肉片ロール手段)が設けられ、この肉片ロール装置16の下方に、肉片ロール装置16でロールされたスライス肉片を受け取る肉片受皿17が配置されている。また、本体架台11の周縁部の所定箇所には、安全カバー18(図2参照)が設けられている。
【0010】
図1及び図2に示すように、肉箱13は、横断面略L字形に形成され、肉塊12を自重でほぼ鉛直下方に送り出すように縦向きに配置されている。この肉箱13の左端部に設けられた支持アーム19には、複数本の支持軸20が、それぞれ左右方向にスライド移動可能に支持され、各支持軸20の右端部に、それぞれ肉塊12の左面を押さえる左面押え棒21が取り付けられている。また、支持アーム19には、支持軸22(図2参照)が、前後方向にスライド移動可能に支持され、この支持軸22の前端部に、肉塊12の前面を押さえる前面押え板23(図2参照)が取り付けられている。支持軸20,22のスライド移動(つまり、左面押え棒21と前面押え板23のスライド移動)は、支持アーム19に設けられた締付けレバー24によって固定される。
【0011】
また、肉箱13の右端部には、スライド軸25が上下方向に延びるように設けられ、このスライド軸25に、肉塊12の上面を押さえる上面押え板26が上下方向にスライド移動可能に支持されている。この上面押え板26には、左面押え棒21との衝突を避けるためのスリット27(図2参照)が形成されている。
【0012】
一方、図1に示すように、肉箱13の下方で平刃物15の右方側には、肉箱13から送り出される肉塊12の下端位置を調整するスライス厚調整板28が上下動可能に設けられている。このスライス厚調整板28を支持するスライス厚調整ボックス29の調整ハンドル30で、スライス厚調整板28の高さ位置(肉塊12の下端位置)を調整することで、スライス肉片の厚さを調整できるようになっている。肉箱13は、このスライス厚調整板28の真上位置と刃物支持板14の真上位置との間を往復移動する。
【0013】
次に、図3及び図4を用いて肉箱13を往復移動させるための往復駆動機構31の構成を説明する。往復駆動機構31の駆動源である減速機付モータ32は、本体架台11の底部に設けられたモータベース33に組み付けられ、そのモータ32の出力軸に、クランクアーム34が取り付けられている。このクランクアーム34の上方には、2本のスライド軸35が肉箱13の往復移動方向(左右方向)に延びるように設けられ、これらのスライド軸35にスライドメタル36がスライド移動可能に挿通支持されている。このスライドメタル36と前記クランクアーム34との間には、クランクロッド37が掛け渡され、このクランクロッド37の両端部が、それぞれ回転軸38,39を介してスライドメタル36とクランクアーム34に連結されている。また、スライドメタル36には、肉箱取付ジョイント40を介して肉箱13が連結されている。これにより、クランクアーム34の回転運動がクランクロッド37を介してスライドメタル36の往復運動に変換され、このスライドメタル36と一体的に肉箱13が食肉スライサの左右方向(図4に矢印Aで示す方向)に往復移動する。
【0014】
また、クランクアーム34のうちのクランクロッド37の取付側と反対側の端部には、振動を低減するためのバランスウエイト41が設けられている。このバランスウエイト41は、肉箱13と逆方向に移動するように偏心配置されている。これにより、図4に実線で示すように、肉箱13がスライス厚調整板28側に移動したときには、バランスウエイト41が、その軸心から見て刃物支持板14側に移動し、図4に二点鎖線で示すように、肉箱13が刃物支持板14側に移動したときには、バランスウエイト41が、その軸心から見てスライス厚調整板28側に移動するようになっている。
【0015】
一方、図3及び図4に示すように、平刃物15を駆動する減速機付モータ43の出力軸には、クランクアーム44が取り付けられ、このクランクアーム44の上方に、2本のスライド軸45が平刃物15の往復移動方向に延びるように設けられている。これらのスライド軸45に、スライドメタル46がスライド移動可能に支持され、このスライドメタル46とクランクアーム44とがアームカラー47を介して連結されている。また、スライドメタル46には、刃物軸48がボルト等で締め付け固定され、この刃物軸48に、平刃物15が連結されている。これにより、クランクアーム44の回転運動がアームカラー47を介してスライドメタル46の往復運動に変換され、このスライドメタル46と一体的に平刃物15が食肉スライサの前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動する。
【0016】
尚、刃物軸48のうちの平刃物15とのジョイント部49には割り溝が形成され、平刃物15の端部をジョイント部49の割り溝に挿入して、ジョイント部49の締付けリング50をボルト等で締め付けてジョイント部49の割り溝を狭めることで、平刃物15が刃物軸48に固定されている。また、図5に示すように、平刃物15は、背部分15aが2枚の押え板51,52に挟まれた状態で、これら2枚の押え板51,52をボルト53で刃物支持板14に締め付け固定することで、刃物支持板14に前後方向にスライド移動可能に支持されている。
【0017】
次に、図5及び図6を用いて肉片ロール装置16の構成を説明する。
図5及び図6に示すように、平刃物15の下方近傍には、平刃物15でスライスされるスライス肉片をロール方向に案内して曲げるロール用ベルト54(ロール用回転体)が、駆動ローラ55と従動ローラ56とに掛け渡されて傾斜状に配置されている。このロール用ベルト54の表面には、スライス肉片を滑り止めするための多数の突起が設けられ、スライス肉片を確実にロール方向に曲げることができるようになっている。
【0018】
一方、肉箱13の後面には、肉箱13と一体的に往復移動するラックギア57がボルト等で固定され、このラックギア57に噛み合ったピニオンギア58が、ギア支持部59に回動自在に支持されている。更に、このピニオンギア58に噛み合った駆動ギア60が、ギア支持部61に回動自在に支持され、この駆動ギア60の回動軸が、ロール用ベルト54の駆動ローラ55に連結されている。
【0019】
これにより、肉箱13の往復運動がラックギア57とピニオンギア58とによってピニオンギア58の回転運動に変換され、更に、このピニオンギア58の回転運動が駆動ギア60で反転されて駆動ローラ55に伝達されて、ロール用ベルト54が駆動される。この場合、肉箱13が肉塊12をスライスする方向(図5では左方向)へ移動するときには、駆動ローラ55が正回転方向(図5では時計回り方向)に回転して、ロール用ベルト54がスライス肉片をロールする方向(図5に実線矢印で示す方向)に回転する。一方、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向(図5では右方向)へ移動するときには、駆動ローラ55が逆回転方向(図5では反時計回り方向)に回転して、ロール用ベルト54がロールされたスライス肉片を左側斜め下方に排出する方向(図5に点線矢印で示す方向)に回転する。
【0020】
また、肉片ロール装置16には、スライス肉片のロール径を調整するロール径調整機構62が設けられている。以下、このロール径調整機構62について説明する。図5に示すように、ロール用ベルト54の従動ローラ56の回動軸は、円弧状に形成されたロール径調整アーム63に支持されている。このロール径調整アーム63には、スライド溝64が駆動ローラ55の回動軸を中心とした円弧状に延びるように形成され、このスライド溝64に本体架台11側に固定された固定軸65が相対移動可能に挿通されている。これにより、従動ローラ56とロール径調整アーム63が駆動ローラ55の回動軸を中心にしてスライド溝64の幅の範囲内でスライド移動可能に設けられている。
【0021】
この場合、従動ローラ56とロール径調整アーム63を左右方向にスライド移動させると、ロール用ベルト54が駆動ローラ55の回動軸を中心にして左右方向に回動して、ロール用ベルト54と平刃物15との間隔が調整され、スライス肉片のロール径が調整される。また、固定軸65に設けられたロック用つまみ66をロック方向(締め付ける方向)に回すと、ロール径調整アーム63が固定軸65に固定されて、ロール用ベルト54と平刃物15との間隔が固定される。
【0022】
また、図5に示すように、ロール用ベルト54の上方には、スライス肉片のロールを補助するロール補助板67が設けられ、ロール用ベルト54の左方には、ロールされたスライス肉片を下方の肉片受皿17に案内する案内通路68が設けられている。
【0023】
以上のように構成した食肉スライサでは、肉塊12をスライスする場合、まず、所定の冷凍温度で冷凍された肉塊12を肉箱13内にセットし、その後、肉箱13を左右方向(図1に矢印Aで示す方向)に往復移動させると共に、平刃物15を前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動させる。この際、肉箱13内の肉塊12が自重で鉛直下方に送り出され、肉箱13がスライス方向(図1では左方向)へ移動するときに、送り出された肉塊13の下端部が平刃物15で所定の厚さにスライスされて、そのスライス肉片が平刃物15の下方側に排出される。
【0024】
更に、肉片ロール装置16は、肉箱13がスライス方向へ移動するときに、ロール用ベルト54がスライス肉片をロールする方向に回転して、平刃物15の下方側に排出されるスライス肉片が、ロール用ベルト51で強制的にロール方向に送り出されながら曲げられて、均一な大きさのほぼ円筒状又は渦巻き状にロールされる。その後、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向へ移動するときに、ロール用ベルト54が逆方向に回転して、ロールされたスライス肉片がロール用ベルト54の左側斜め下方に排出される。排出されたロール形状のスライス肉片は、肉片受皿17で受け取られる。
【0025】
ところで、従来の一般的な食肉スライサは、肉塊をスライスする刃が円盤状に形成された丸刃物を回転させて肉塊をスライスするようにしているが、図8(a),(b)に示すように、スライス用刃物を丸刃物10で構成した場合、肉塊12の大きさが異なると、肉塊12の切り口形状が変わるので、肉塊12から切り落とされるスライス肉片と肉片ロール装置16との位置関係が変化してロール形状が変化してしまうおそれがある。
【0026】
その点、本実施形態(1)では、スライス用刃物を、肉塊12をスライスする刃が直線状に形成された平刃物15で構成するようにしたので、図7(a),(b)に示すように、肉塊12の大きさが異なっても、肉塊12の切り口形状が一定になり、肉塊12から切り落とされるスライス肉片と肉片ロール装置16との位置関係を一定にすることができ、常に同じロール形状にすることができる。しかも、平刃物15は、丸刃物に比べて製造コストが安価であり、配置スペースも小さくなるので、低コスト化、省スペース化の要求を満たすことができる。また、平刃物15は、片側に刃が形成されているだけなので、全周に刃が形成された丸刃物よりも取り扱い易く、刃物交換時等の安全性も向上するという利点もある。
【0027】
また、本実施形態(1)では、平刃物15の下方に肉片ロール装置16を設けて、平刃物15の下方側に排出されるスライス肉片を肉片ロール装置16で自動的にロールするようにしたので、作業者が手作業でスライス肉片をロールする必要がなくなり、作業者の負担を軽減して能率良く且つ安全にスライス肉片をロール形状にすることができると共に、熟練した作業者でなくてもスライス肉片を大きさの揃った見栄えの良いロール形状にすることができる。しかも、ロール用ベルト54でスライス肉片を強制的にロールさせるので、ロール可能な肉塊の冷凍温度領域も広くなる。
【0028】
更に、本実施形態(1)では、肉片ロール装置16に、スライス肉片のロール径を調整するロール径調整機構62を設けるようにしたので、スライス肉片のロール径を任意に変更することができて、スライス肉片を種々の大きさのロール形状にすることができる。
【0029】
また、本実施形態(1)では、肉塊12をほぼ鉛直下方に送り出すように肉箱13を配置し、肉箱13の下方に平刃物15を配置するようにしたので、肉塊12の自重を最大限に利用して肉箱13の肉塊12を平刃物15の方向に送り出すことができ、肉塊12を送り出す機構を省略して低コスト化しながら、肉塊12を平刃物15の方向(鉛直下方)にスムーズに送り出すことができる。
【0030】
更に、本実施形態(1)では、肉片ロール装置16の下方に、ロールされたスライス肉片を受け取る肉片受皿17を配置するようにしたので、肉片ロール装置16でロールされたスライス肉片を作業者が直接、手で受け取る必要がなくなり、作業者の負担を更に軽減することができると共に、スライス加工時(ロール加工時)の安全性も向上することができる。
【0031】
また、本実施形態(1)では、肉箱13と逆方向に移動するバランスウエイト41を設けるようにしたので、肉箱13の荷重移動によって発生する力とバランスウエイト41の荷重移動によって発生する力とを互いに逆方向に作用させて、両方向の力をバランスさせて、肉箱13の往復移動による振動の発生を効果的に抑えることができる。このため、肉箱13を高速で往復移動させる高速型の食肉スライサの場合でも、本体架台11の支持脚部を従来のように外方に延ばす必要がなくなり、作業性を向上することができる共に、本体架台11を小型化することができて、低コスト化及び省スペース化の要求を満たすことができる。
【0032】
[実施形態(2)]
次に、図9を用いて本発明の実施形態(2)を説明する。但し、前記実施形態(1)と実質的に同じ部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
前記実施形態(1)では、肉片ロール装置16は、ロール用ベルト51を傾斜配置して、ロール用ベルト51がスライス肉片をロールする方向に回転したときにスライス肉片をロールし、その後、ロール用ベルト51が逆方向に回転したときにロールされたスライス肉片をロール用ベルト51の左下方に排出するようにしたが、本実施形態(2)では、図9に示すように、肉片ロール装置69(肉片ロール手段)は、ロール用ベルト70(ロール用回転体)を水平に配置して、ロール用ベルト70がスライス肉片をロールする方向(図9に矢印で示す方向)に回転したときに、スライス肉片をロールすると共に、ロールされたスライス肉片をそのままロール用ベルト70の右方向に排出するようにしている。従って、ロール用ベルト70の右側下方に、肉片受皿17が配置されている。
【0034】
また、本実施形態(2)では、ロール用ベルト70の駆動ローラ71の駆動系に、駆動ローラ71の正回転方向(図9では時計回り方向)のみに駆動力を伝達するワンウェイクラッチ等が設けられている。これにより、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向(図9では右方向)へ移動するときには、駆動ローラ71が逆回転方向(図9では反時計回り方向)に回転することが防止され、ロール用ベルト70が停止するようになっている。また、ロール用ベルト70の従動ローラ72の回動軸は、本体架台11側に固定された支持アーム73に支持されて、駆動ローラ71の回動軸とほぼ同じ高さ位置に保持されている。
【0035】
また、この肉片ロール装置69の上下方向位置を調整するロール径調整機構(図示せず)が設けられ、それによって、肉片ロール装置69の上下方向位置を調整することで、ロール用ベルト70と平刃物15との間隔を調整して、スライス肉片のロール径を調整できるようになっている。その他の構成は、前記実施形態(1)と同じである。
【0036】
以上説明した本実施形態(2)では、ロール用ベルト70がスライス肉片をロールする方向に回転しているときに、ロールされたスライス肉片をそのままロール用ベルト70の右方に排出するようにしたので、肉箱13に複数個(例えば2個)の肉塊12を並べて、1回のスライス動作で複数枚(例えば2枚)のスライス肉片が連続的に平刃物15の下方側に排出されるようにした場合でも、それら複数枚(例えば2枚)のスライス肉片を、順次ロールしてロール用ベルト70の右方に排出することができる。
【0037】
以上説明した各実施形態(1),(2)では、ロール用ベルト54,70でスライス肉片をロール方向に送り出して曲げることによってスライス肉片を強制的にロールするようにしたが、肉片をロールする肉片ロール手段は、適宜変更しても良く、例えば、平刃物15の下方近傍にロールガイド部を設けて、このロールガイド部でスライス肉片をロール方向に案内して曲げることによってスライス肉片を強制的にロールするようにしても良い。
【0038】
また、肉片をロールする肉片ロール手段は、着脱可能に設けるようにしても良い。このようにすれば、清掃作業等のメインテナンス作業を行うときに、肉片ロール手段を取り外すことができ、メインテナンス性が向上する。また、スライス作業時に、肉片ロール手段を取り外しておくことによって、従来の食肉スライサと同じように、肉塊12をスライスするだけでスライス肉片をロールしない食肉スライサとして使用することもできる。
【0039】
また、上記各実施家態(1),(2)では、本発明を、肉箱13を縦向きに配置して肉塊12を鉛直下方に送り出す方式の食肉スライサに適用したが、本発明は、従来と同じように、肉箱を斜めに配置して肉塊を斜め下方に送り出す方式の食肉スライサや肉箱を横向きに配置して肉塊をコンベア等で側方に送り出す方式の食肉スライサに適用しても良い。
【0040】
その他、本発明は、バランスウエイト41や肉片受皿17を省略したり、各機構の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)の食肉スライサの正面図
【図2】実施形態(1)の食肉スライサの平面図
【図3】実施形態(1)の食肉スライサの縦断側面図
【図4】実施形態(1)の食肉スライサの縦断背面図
【図5】実施形態(1)の肉片ロール装置及びその周辺要部の正面図
【図6】実施形態(1)の肉片ロール装置及びその周辺要部の側面図
【図7】(a),(b)は平刃物と肉塊との関係を説明するための模式図
【図8】(a),(b)は丸刃物と肉塊との関係を説明するための模式図
【図9】実施形態(2)の肉片ロール装置及びその周辺要部の正面図
【符号の説明】
11…本体架台、12…肉塊、13…肉箱(肉保持部)、14…刃物支持板、15…平刃物(スライス用刃物)、16…肉片ロール装置(肉片ロール手段)、17…肉片受皿、28…スライス厚調整板、31…往復駆動機構、41…バランスウエイト、54…ロール用ベルト(ロール用回転体)、55…駆動ローラ、56…従動ローラ、57…ラックギア、58…ピニオンギア、60…駆動ギア、62…ロール径調整機構、69…肉片ロール装置(肉片ロール手段)、70…ロール用ベルト(ロール用回転体)、71…駆動ローラ、72…従動ローラ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、肉塊をスライスする食肉スライサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な食肉スライサは、肉塊を保持する肉箱をスライス用刃物に対して往復移動させて肉箱から送り出される肉塊をスライス用刃物で所定の厚さにスライスするようにしている。従来のスライス用刃物は、肉塊をスライスする刃が円盤状に形成された丸刃物を用い、この丸刃物を回転させて肉塊をスライスするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の丸刃物を回転させて肉塊をスライスする食肉スライサでは、低コスト化、省スペース化、安全性の面で改善の余地があった。
【0004】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、従来の丸刃物を回転させて肉塊をスライスする食肉スライサの欠点を改善できる食肉スライサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の食肉スライサは、肉塊を保持する肉保持部をスライス用刃物に対して往復移動させて前記肉保持部から徐々に送り出される肉塊を前記スライス用刃物でスライスするものにおいて、前記スライス用刃物をその側面が前記肉保持部の移動方向とほぼ平行となるように配置し、且つ、該スライス用刃物を前記肉保持部の移動方向と交差する方向に往復運動させるように構成したものである。
【0006】
この場合、請求項2のように、スライス用刃物を直線的に往復運動させるように構成すると良い。
更に、請求項3のように、前記スライス用刃物としては、刃が直線状に形成された平刃物を用いると良い。平刃物は、丸刃物に比べて部品コストが安価であり、配置スペースも小さくなるので、低コスト化、省スペース化の要求も満たすことができる。また、平刃物は、片側に刃が形成されているだけなので、全周に刃が形成された丸刃物よりも取り扱い易く、刃物交換時等の安全性も向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図8に基づいて説明する。
ここで、図1は食肉スライサの正面図、図2は食肉スライサの平面図、図3は食肉スライサの縦断側面図、図4は食肉スライサの縦断背面図、図5は肉片ロール装置16及びその周辺要部の正面図、図6は肉片ロール装置16及びその周辺要部の側面図である。
【0008】
まず、図1に基づいて食肉スライサ全体の構成を概略的に説明する。食肉スライサの本体架台11の上部には、肉塊12を保持する肉箱13(肉保持部)が左右方向(図1に矢印Aで示す方向)に往復移動可能に設けられ、この肉箱13の下方左側に設けられた刃物支持板14に、肉塊12をスライスするための平刃物15(スライス用刃物)が、前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動可能に設けられている。この平刃物15は、肉塊12をスライスする刃が直線状に形成されている。
【0009】
更に、平刃物15の下方側近傍には、平刃物15でスライスされた肉片(スライス肉片)をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール装置16(肉片ロール手段)が設けられ、この肉片ロール装置16の下方に、肉片ロール装置16でロールされたスライス肉片を受け取る肉片受皿17が配置されている。また、本体架台11の周縁部の所定箇所には、安全カバー18(図2参照)が設けられている。
【0010】
図1及び図2に示すように、肉箱13は、横断面略L字形に形成され、肉塊12を自重でほぼ鉛直下方に送り出すように縦向きに配置されている。この肉箱13の左端部に設けられた支持アーム19には、複数本の支持軸20が、それぞれ左右方向にスライド移動可能に支持され、各支持軸20の右端部に、それぞれ肉塊12の左面を押さえる左面押え棒21が取り付けられている。また、支持アーム19には、支持軸22(図2参照)が、前後方向にスライド移動可能に支持され、この支持軸22の前端部に、肉塊12の前面を押さえる前面押え板23(図2参照)が取り付けられている。支持軸20,22のスライド移動(つまり、左面押え棒21と前面押え板23のスライド移動)は、支持アーム19に設けられた締付けレバー24によって固定される。
【0011】
また、肉箱13の右端部には、スライド軸25が上下方向に延びるように設けられ、このスライド軸25に、肉塊12の上面を押さえる上面押え板26が上下方向にスライド移動可能に支持されている。この上面押え板26には、左面押え棒21との衝突を避けるためのスリット27(図2参照)が形成されている。
【0012】
一方、図1に示すように、肉箱13の下方で平刃物15の右方側には、肉箱13から送り出される肉塊12の下端位置を調整するスライス厚調整板28が上下動可能に設けられている。このスライス厚調整板28を支持するスライス厚調整ボックス29の調整ハンドル30で、スライス厚調整板28の高さ位置(肉塊12の下端位置)を調整することで、スライス肉片の厚さを調整できるようになっている。肉箱13は、このスライス厚調整板28の真上位置と刃物支持板14の真上位置との間を往復移動する。
【0013】
次に、図3及び図4を用いて肉箱13を往復移動させるための往復駆動機構31の構成を説明する。往復駆動機構31の駆動源である減速機付モータ32は、本体架台11の底部に設けられたモータベース33に組み付けられ、そのモータ32の出力軸に、クランクアーム34が取り付けられている。このクランクアーム34の上方には、2本のスライド軸35が肉箱13の往復移動方向(左右方向)に延びるように設けられ、これらのスライド軸35にスライドメタル36がスライド移動可能に挿通支持されている。このスライドメタル36と前記クランクアーム34との間には、クランクロッド37が掛け渡され、このクランクロッド37の両端部が、それぞれ回転軸38,39を介してスライドメタル36とクランクアーム34に連結されている。また、スライドメタル36には、肉箱取付ジョイント40を介して肉箱13が連結されている。これにより、クランクアーム34の回転運動がクランクロッド37を介してスライドメタル36の往復運動に変換され、このスライドメタル36と一体的に肉箱13が食肉スライサの左右方向(図4に矢印Aで示す方向)に往復移動する。
【0014】
また、クランクアーム34のうちのクランクロッド37の取付側と反対側の端部には、振動を低減するためのバランスウエイト41が設けられている。このバランスウエイト41は、肉箱13と逆方向に移動するように偏心配置されている。これにより、図4に実線で示すように、肉箱13がスライス厚調整板28側に移動したときには、バランスウエイト41が、その軸心から見て刃物支持板14側に移動し、図4に二点鎖線で示すように、肉箱13が刃物支持板14側に移動したときには、バランスウエイト41が、その軸心から見てスライス厚調整板28側に移動するようになっている。
【0015】
一方、図3及び図4に示すように、平刃物15を駆動する減速機付モータ43の出力軸には、クランクアーム44が取り付けられ、このクランクアーム44の上方に、2本のスライド軸45が平刃物15の往復移動方向に延びるように設けられている。これらのスライド軸45に、スライドメタル46がスライド移動可能に支持され、このスライドメタル46とクランクアーム44とがアームカラー47を介して連結されている。また、スライドメタル46には、刃物軸48がボルト等で締め付け固定され、この刃物軸48に、平刃物15が連結されている。これにより、クランクアーム44の回転運動がアームカラー47を介してスライドメタル46の往復運動に変換され、このスライドメタル46と一体的に平刃物15が食肉スライサの前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動する。
【0016】
尚、刃物軸48のうちの平刃物15とのジョイント部49には割り溝が形成され、平刃物15の端部をジョイント部49の割り溝に挿入して、ジョイント部49の締付けリング50をボルト等で締め付けてジョイント部49の割り溝を狭めることで、平刃物15が刃物軸48に固定されている。また、図5に示すように、平刃物15は、背部分15aが2枚の押え板51,52に挟まれた状態で、これら2枚の押え板51,52をボルト53で刃物支持板14に締め付け固定することで、刃物支持板14に前後方向にスライド移動可能に支持されている。
【0017】
次に、図5及び図6を用いて肉片ロール装置16の構成を説明する。
図5及び図6に示すように、平刃物15の下方近傍には、平刃物15でスライスされるスライス肉片をロール方向に案内して曲げるロール用ベルト54(ロール用回転体)が、駆動ローラ55と従動ローラ56とに掛け渡されて傾斜状に配置されている。このロール用ベルト54の表面には、スライス肉片を滑り止めするための多数の突起が設けられ、スライス肉片を確実にロール方向に曲げることができるようになっている。
【0018】
一方、肉箱13の後面には、肉箱13と一体的に往復移動するラックギア57がボルト等で固定され、このラックギア57に噛み合ったピニオンギア58が、ギア支持部59に回動自在に支持されている。更に、このピニオンギア58に噛み合った駆動ギア60が、ギア支持部61に回動自在に支持され、この駆動ギア60の回動軸が、ロール用ベルト54の駆動ローラ55に連結されている。
【0019】
これにより、肉箱13の往復運動がラックギア57とピニオンギア58とによってピニオンギア58の回転運動に変換され、更に、このピニオンギア58の回転運動が駆動ギア60で反転されて駆動ローラ55に伝達されて、ロール用ベルト54が駆動される。この場合、肉箱13が肉塊12をスライスする方向(図5では左方向)へ移動するときには、駆動ローラ55が正回転方向(図5では時計回り方向)に回転して、ロール用ベルト54がスライス肉片をロールする方向(図5に実線矢印で示す方向)に回転する。一方、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向(図5では右方向)へ移動するときには、駆動ローラ55が逆回転方向(図5では反時計回り方向)に回転して、ロール用ベルト54がロールされたスライス肉片を左側斜め下方に排出する方向(図5に点線矢印で示す方向)に回転する。
【0020】
また、肉片ロール装置16には、スライス肉片のロール径を調整するロール径調整機構62が設けられている。以下、このロール径調整機構62について説明する。図5に示すように、ロール用ベルト54の従動ローラ56の回動軸は、円弧状に形成されたロール径調整アーム63に支持されている。このロール径調整アーム63には、スライド溝64が駆動ローラ55の回動軸を中心とした円弧状に延びるように形成され、このスライド溝64に本体架台11側に固定された固定軸65が相対移動可能に挿通されている。これにより、従動ローラ56とロール径調整アーム63が駆動ローラ55の回動軸を中心にしてスライド溝64の幅の範囲内でスライド移動可能に設けられている。
【0021】
この場合、従動ローラ56とロール径調整アーム63を左右方向にスライド移動させると、ロール用ベルト54が駆動ローラ55の回動軸を中心にして左右方向に回動して、ロール用ベルト54と平刃物15との間隔が調整され、スライス肉片のロール径が調整される。また、固定軸65に設けられたロック用つまみ66をロック方向(締め付ける方向)に回すと、ロール径調整アーム63が固定軸65に固定されて、ロール用ベルト54と平刃物15との間隔が固定される。
【0022】
また、図5に示すように、ロール用ベルト54の上方には、スライス肉片のロールを補助するロール補助板67が設けられ、ロール用ベルト54の左方には、ロールされたスライス肉片を下方の肉片受皿17に案内する案内通路68が設けられている。
【0023】
以上のように構成した食肉スライサでは、肉塊12をスライスする場合、まず、所定の冷凍温度で冷凍された肉塊12を肉箱13内にセットし、その後、肉箱13を左右方向(図1に矢印Aで示す方向)に往復移動させると共に、平刃物15を前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動させる。この際、肉箱13内の肉塊12が自重で鉛直下方に送り出され、肉箱13がスライス方向(図1では左方向)へ移動するときに、送り出された肉塊13の下端部が平刃物15で所定の厚さにスライスされて、そのスライス肉片が平刃物15の下方側に排出される。
【0024】
更に、肉片ロール装置16は、肉箱13がスライス方向へ移動するときに、ロール用ベルト54がスライス肉片をロールする方向に回転して、平刃物15の下方側に排出されるスライス肉片が、ロール用ベルト51で強制的にロール方向に送り出されながら曲げられて、均一な大きさのほぼ円筒状又は渦巻き状にロールされる。その後、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向へ移動するときに、ロール用ベルト54が逆方向に回転して、ロールされたスライス肉片がロール用ベルト54の左側斜め下方に排出される。排出されたロール形状のスライス肉片は、肉片受皿17で受け取られる。
【0025】
ところで、従来の一般的な食肉スライサは、肉塊をスライスする刃が円盤状に形成された丸刃物を回転させて肉塊をスライスするようにしているが、図8(a),(b)に示すように、スライス用刃物を丸刃物10で構成した場合、肉塊12の大きさが異なると、肉塊12の切り口形状が変わるので、肉塊12から切り落とされるスライス肉片と肉片ロール装置16との位置関係が変化してロール形状が変化してしまうおそれがある。
【0026】
その点、本実施形態(1)では、スライス用刃物を、肉塊12をスライスする刃が直線状に形成された平刃物15で構成するようにしたので、図7(a),(b)に示すように、肉塊12の大きさが異なっても、肉塊12の切り口形状が一定になり、肉塊12から切り落とされるスライス肉片と肉片ロール装置16との位置関係を一定にすることができ、常に同じロール形状にすることができる。しかも、平刃物15は、丸刃物に比べて製造コストが安価であり、配置スペースも小さくなるので、低コスト化、省スペース化の要求を満たすことができる。また、平刃物15は、片側に刃が形成されているだけなので、全周に刃が形成された丸刃物よりも取り扱い易く、刃物交換時等の安全性も向上するという利点もある。
【0027】
また、本実施形態(1)では、平刃物15の下方に肉片ロール装置16を設けて、平刃物15の下方側に排出されるスライス肉片を肉片ロール装置16で自動的にロールするようにしたので、作業者が手作業でスライス肉片をロールする必要がなくなり、作業者の負担を軽減して能率良く且つ安全にスライス肉片をロール形状にすることができると共に、熟練した作業者でなくてもスライス肉片を大きさの揃った見栄えの良いロール形状にすることができる。しかも、ロール用ベルト54でスライス肉片を強制的にロールさせるので、ロール可能な肉塊の冷凍温度領域も広くなる。
【0028】
更に、本実施形態(1)では、肉片ロール装置16に、スライス肉片のロール径を調整するロール径調整機構62を設けるようにしたので、スライス肉片のロール径を任意に変更することができて、スライス肉片を種々の大きさのロール形状にすることができる。
【0029】
また、本実施形態(1)では、肉塊12をほぼ鉛直下方に送り出すように肉箱13を配置し、肉箱13の下方に平刃物15を配置するようにしたので、肉塊12の自重を最大限に利用して肉箱13の肉塊12を平刃物15の方向に送り出すことができ、肉塊12を送り出す機構を省略して低コスト化しながら、肉塊12を平刃物15の方向(鉛直下方)にスムーズに送り出すことができる。
【0030】
更に、本実施形態(1)では、肉片ロール装置16の下方に、ロールされたスライス肉片を受け取る肉片受皿17を配置するようにしたので、肉片ロール装置16でロールされたスライス肉片を作業者が直接、手で受け取る必要がなくなり、作業者の負担を更に軽減することができると共に、スライス加工時(ロール加工時)の安全性も向上することができる。
【0031】
また、本実施形態(1)では、肉箱13と逆方向に移動するバランスウエイト41を設けるようにしたので、肉箱13の荷重移動によって発生する力とバランスウエイト41の荷重移動によって発生する力とを互いに逆方向に作用させて、両方向の力をバランスさせて、肉箱13の往復移動による振動の発生を効果的に抑えることができる。このため、肉箱13を高速で往復移動させる高速型の食肉スライサの場合でも、本体架台11の支持脚部を従来のように外方に延ばす必要がなくなり、作業性を向上することができる共に、本体架台11を小型化することができて、低コスト化及び省スペース化の要求を満たすことができる。
【0032】
[実施形態(2)]
次に、図9を用いて本発明の実施形態(2)を説明する。但し、前記実施形態(1)と実質的に同じ部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
前記実施形態(1)では、肉片ロール装置16は、ロール用ベルト51を傾斜配置して、ロール用ベルト51がスライス肉片をロールする方向に回転したときにスライス肉片をロールし、その後、ロール用ベルト51が逆方向に回転したときにロールされたスライス肉片をロール用ベルト51の左下方に排出するようにしたが、本実施形態(2)では、図9に示すように、肉片ロール装置69(肉片ロール手段)は、ロール用ベルト70(ロール用回転体)を水平に配置して、ロール用ベルト70がスライス肉片をロールする方向(図9に矢印で示す方向)に回転したときに、スライス肉片をロールすると共に、ロールされたスライス肉片をそのままロール用ベルト70の右方向に排出するようにしている。従って、ロール用ベルト70の右側下方に、肉片受皿17が配置されている。
【0034】
また、本実施形態(2)では、ロール用ベルト70の駆動ローラ71の駆動系に、駆動ローラ71の正回転方向(図9では時計回り方向)のみに駆動力を伝達するワンウェイクラッチ等が設けられている。これにより、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向(図9では右方向)へ移動するときには、駆動ローラ71が逆回転方向(図9では反時計回り方向)に回転することが防止され、ロール用ベルト70が停止するようになっている。また、ロール用ベルト70の従動ローラ72の回動軸は、本体架台11側に固定された支持アーム73に支持されて、駆動ローラ71の回動軸とほぼ同じ高さ位置に保持されている。
【0035】
また、この肉片ロール装置69の上下方向位置を調整するロール径調整機構(図示せず)が設けられ、それによって、肉片ロール装置69の上下方向位置を調整することで、ロール用ベルト70と平刃物15との間隔を調整して、スライス肉片のロール径を調整できるようになっている。その他の構成は、前記実施形態(1)と同じである。
【0036】
以上説明した本実施形態(2)では、ロール用ベルト70がスライス肉片をロールする方向に回転しているときに、ロールされたスライス肉片をそのままロール用ベルト70の右方に排出するようにしたので、肉箱13に複数個(例えば2個)の肉塊12を並べて、1回のスライス動作で複数枚(例えば2枚)のスライス肉片が連続的に平刃物15の下方側に排出されるようにした場合でも、それら複数枚(例えば2枚)のスライス肉片を、順次ロールしてロール用ベルト70の右方に排出することができる。
【0037】
以上説明した各実施形態(1),(2)では、ロール用ベルト54,70でスライス肉片をロール方向に送り出して曲げることによってスライス肉片を強制的にロールするようにしたが、肉片をロールする肉片ロール手段は、適宜変更しても良く、例えば、平刃物15の下方近傍にロールガイド部を設けて、このロールガイド部でスライス肉片をロール方向に案内して曲げることによってスライス肉片を強制的にロールするようにしても良い。
【0038】
また、肉片をロールする肉片ロール手段は、着脱可能に設けるようにしても良い。このようにすれば、清掃作業等のメインテナンス作業を行うときに、肉片ロール手段を取り外すことができ、メインテナンス性が向上する。また、スライス作業時に、肉片ロール手段を取り外しておくことによって、従来の食肉スライサと同じように、肉塊12をスライスするだけでスライス肉片をロールしない食肉スライサとして使用することもできる。
【0039】
また、上記各実施家態(1),(2)では、本発明を、肉箱13を縦向きに配置して肉塊12を鉛直下方に送り出す方式の食肉スライサに適用したが、本発明は、従来と同じように、肉箱を斜めに配置して肉塊を斜め下方に送り出す方式の食肉スライサや肉箱を横向きに配置して肉塊をコンベア等で側方に送り出す方式の食肉スライサに適用しても良い。
【0040】
その他、本発明は、バランスウエイト41や肉片受皿17を省略したり、各機構の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)の食肉スライサの正面図
【図2】実施形態(1)の食肉スライサの平面図
【図3】実施形態(1)の食肉スライサの縦断側面図
【図4】実施形態(1)の食肉スライサの縦断背面図
【図5】実施形態(1)の肉片ロール装置及びその周辺要部の正面図
【図6】実施形態(1)の肉片ロール装置及びその周辺要部の側面図
【図7】(a),(b)は平刃物と肉塊との関係を説明するための模式図
【図8】(a),(b)は丸刃物と肉塊との関係を説明するための模式図
【図9】実施形態(2)の肉片ロール装置及びその周辺要部の正面図
【符号の説明】
11…本体架台、12…肉塊、13…肉箱(肉保持部)、14…刃物支持板、15…平刃物(スライス用刃物)、16…肉片ロール装置(肉片ロール手段)、17…肉片受皿、28…スライス厚調整板、31…往復駆動機構、41…バランスウエイト、54…ロール用ベルト(ロール用回転体)、55…駆動ローラ、56…従動ローラ、57…ラックギア、58…ピニオンギア、60…駆動ギア、62…ロール径調整機構、69…肉片ロール装置(肉片ロール手段)、70…ロール用ベルト(ロール用回転体)、71…駆動ローラ、72…従動ローラ。
Claims (3)
- 肉塊を保持する肉保持部をスライス用刃物に対して往復移動させて前記肉保持部から徐々に送り出される肉塊を前記スライス用刃物でスライスする食肉スライサにおいて、
前記スライス用刃物をその側面が前記肉保持部の移動方向とほぼ平行となるように配置し、且つ、該スライス用刃物を前記肉保持部の移動方向と交差する方向に往復運動させるように構成したことを特徴とする食肉スライサ。 - 前記スライス用刃物が直線的に往復運動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の食肉スライサ。
- 前記スライス用刃物は、刃が直線状に形成された平刃物であることを特徴とする請求項2に記載の食肉スライサ。
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2003
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