JP2004000995A - 汚泥掻寄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置のコストダウンを有効に図ることができる汚泥掻寄装置を提供すること。
【解決手段】 沈澱池底面の池幅間中央で長手方向に沿って設けられたガイドレールと、左右の側板を備えた機体に前記ガイドレール上で転動する前後の走行輪を備えて同ガイドレールに平行に往復進退運動するワイヤーロープである伝達手段でガイドレールに沿って進退駆動されるキャリアと、前記キャリアから水平外方へ伸びた状態で同キャリアに回転自在に軸受支持されたスクレーパ軸に連結板を介してキャリアの前進時に垂直な掻寄態勢となり後退時に持ち上がるようにされた左右一対で互いに離間したスクレーパとを備えた汚泥掻寄装置において、前記機体上には、同機体から左右に延びた支持ビームが設けられ、同支持ビームの左右各端を介して前記キャリアに軸受支持されたスクレーパ付きのスクレーパ軸の左右各端が回転自在に支持されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

発明の詳細な説明
 この発明は、最初あるいは最終沈澱池等の底面に溜まる汚泥を掻き寄せて排除するための汚泥掻寄装置に関する。
 最初あるいは最終沈澱池においては、その池底面上に多量の沈澱物が溜まり、そのため、これらの汚泥を掻き寄せて排除するため汚泥掻寄装置が構成されている。
 本出願においても沈澱池の池幅中央にガイドレールを敷設し、同レール上において走行輪を介して前後に往復運動自在なキャリアを備え、同キャリア本体である機体上に左右一対の軸受を配備し、これらの軸受を介して回転軸を通し、この回転軸の両端を介して左右に長く伸びるスクレーパ軸を取り付けるとともに、このスクレーパ軸の下側を介して羽根板状のスクレーパ本体を取り付けて、掻寄時に垂直になり復帰時に水平になるようにスクレーパを構成してある。このスクレーパは、キャリアを駆動する前に切り換わるように構成したものが一般的である。
発明が解決しようとする課題
 ところで、これまでの汚泥掻寄装置においては、スクレーパ軸が左右両側方に片持状に伸びたままでそのスクレーパ軸を介して羽根板状のスクレーパ本体を取り付けるようにしていたため、軸受や回転軸,さらにスクレーパ軸やスクレーパ本体の全てに強度を持たせるべく寸法的に大きなものにする必要があった。これでは装置が構造的に剛強化しすぎてコストダウンを図るにも限界があった。
 この発明は前記課題を解決するためになされたもので、装置のコストダウンを有効に図ることを目的とする。
課題を解決するための手段
 前記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、沈澱池底面の池幅間中央で長手方向に沿って設けられたガイドレールと、左右の側板を備えた機体に前記ガイドレール上で転動する前後の走行輪を備えて同ガイドレールに平行に往復進退運動するワイヤーロープである伝達手段でガイドレールに沿って進退駆動されるキャリアと、前記キャリアから水平外方へ伸びた状態で同キャリアに回転自在に軸受支持されたスクレーパ軸に連結板を介してキャリアの前進時に垂直な掻寄態勢となり後退時に持ち上がるようにされた左右一対で互いに離間したスクレーパとを備えた汚泥掻寄装置において、前記機体上には、同機体から左右に延びた支持ビームが設けられ、同支持ビームの左右各端を介して前記キャリアに軸受支持されたスクレーパ付きのスクレーパ軸の左右各端が回転自在に支持されていることを特徴とする。
 以下、図示した実施形態を参照してこの発明を詳細に説明する。
 図1ないし図3はその一実施形態を示し、図1は沈澱池内の底にこの発明にかかる汚泥掻寄装置を装備した場合の全体縦断面側面図、図2は図1のP−P線断面図、図3は図2のH−H線断面図、図4は図1のS−S線断面図であり、この場合の沈澱池71は矩形のものを示し、同沈澱池71は、長手方向の側壁とそれに直交する端壁および底壁とを備える。底壁の図1の左方向端部には、汚泥が落とし込まれるピットが形成され、その中に吸い出し用のポンプあるいはパイプが臨んで汚泥を排除可能になっている。
 これらの図に示す実施形態は、走行系の駆動源の他にスクレーパの昇降駆動源を併設して、スクレーパの駆動系を構造的に簡易化したものである。
 これらの図において、70はガイドレールで、コの字形チャンネル材を互いに離間して溝が相反する方向に向くようにして左右1対配して構成されている。同ガイドレール70は、沈澱池71の底面に膨出状に一体形成された突出部72の両サイドに固定されており、沈澱池71の長手方向に沿って設けられている。
 尚、前記突出部72をなくし、ガイドレール70間を連結する水平な連結板あるいは連結体(H形チャンネル材や口形チャンネル材等)に代えて構成することができる。ガイドレール70相互を水平方向に軸芯を向けたボルトおよびナットにより構成してもよい。
 さらに、左右のガイドレール70のみで構成し止着具で底壁に固定する方法を採ってもよい。また、ガイドレールは、H形チャンネル単一個あるいは複数個により構成してもよい。この場合の溝は、後述するサイドローラー等が転動する部分になる。さらに、ガイドレールは、U字あるいはコの字チャンネル材をその溝を上に向けて構成してもよい。この場合、走行輪は、溝内を転動する前後に1対以上のもので構成する。ガイドレール70は、左右に離間する2本のレールで構成されているが、例えば、レールの断面形状の如何を問わず池中央あるいは側方に単一本設置して構成してもよい。単一本の場合、断面が筐形状であったり、溝形のものを背中合わせにしたり、I形ビームにすることがある。
 汚泥掻寄装置のキァリア73は、機体74を備え、同機体74は、左右1対の側板75を有するとともに、側板75間を連結して一体のフレームが形成されている。機体74の前後には、前・後車軸77が回転自在に横架され、これら各車軸77には、それぞれ左右1対の走行輪78が配備されている。
 走行輪78は、前記ガイドレール70上に受板79を介して転動するようにされるとともに、前・後車軸77にはそれぞれ連動スプロケット80,81が取り付けられ、これらの間に掛け渡された連動チェーン82により前車軸77から後車軸77へ駆動力を伝達するようになっている。
 機体74の上面には架台84が固定され、同架台84上の前部に走行用駆動源(減速機付)85が設置されて、機体74の左側に出力軸を突出させている。この出力軸には、走行用駆動スプロケット86が設けられ、また前車軸77の左端部に走行用従動スプロケット87が設けられて、これらのスプロケット86,87間に掛けられたチェーン88により駆動源85から前車軸77に回転力が伝達し、さらに前車軸77の回転駆動力は、チェーン82を介して後車軸77に伝達して前車軸77および後車軸77が同期回転するようになっている。
 尚、駆動源85は、池上の制御盤にコードを通じて正逆に回転制御される。図1のX方向に装置が前進する時は、走行輪78が反時計回り方向に、図1のY方向に装置が後退する時は、走行輪78が時計回り方向にそれぞれ微速で回転する。
 90はローラーブラケットで、同ブラケット90は、機体74の前後にそれぞれ1対ずつ垂設され、このローラーブラケット90の各下端には、サイドローラー91が取り付けられて、ガイドレール70の溝内に装置の左右振れを防止するように回転自在に臨んでいる。
 機体74の上方への抜脱を防止するための機構として、浮上がり防止機構93が機体74の左右に配備されている。同浮上がり防止機構93は、機体74の横サイドから突出する揺動支点軸94に揺動アーム95を回転自在に支持させるとともに、同揺動アーム95の後部一端に設けられた引き上げ軸96にローラー取付体97を垂設して、その下端に浮上がり防止ローラー98を備えてガイドレール70内の上部フランジ面に図4に示すように下方から当たるように臨ませてある。
 一方、揺動アーム95の前端部には、ウエイト99を備えて、その重さが揺動アーム95の倍力作用により浮上がり防止ローラー98に大きな力として掛かるようにしてあるとともに、同ローラー98が常時ガイドレール70に当たり、逆にいえば走行輪78を常時ガイドレール70上に押し付けてスリップせずに転動し得るようにもしてある。揺動アーム95がてこを利用した支持のしかたになっているので、軽いウエイト99であってもローラー98に作用する力は大きくなり、装置を軽量にしながら走行の安定性は確実化するようになる。
 101はスクレーパ駆動源(減速機付)であり、この駆動源101により後部のスクレーパ102を垂直な掻寄(前進)状態と水平な非掻寄(後退)状態とに切り換えられるようになっている。
 機体74の後部左右両側からはコの字チャンネルなどによる取付体104が立設され、同取付体104の各外側面を介して軸受105が取り付けられている。これらの軸受105を介して1本の回転軸106が回転自在に横架されている。
 回転軸106の両端には、フランジ体107が取り付けられ、同フランジ体107を介してスクレーパ軸108がフランジ体109により脱着自在に装着されている。スクレーパ軸108は水平外方に伸びており、同スクレーパ軸108に連結板123…を介してスクレーパ本体110が取り付けられている。この本体110は、図2および図3に示すように左右1対互いに離間して設けられている。
 スクレーパ本体110は、1枚の広い矩形板の外周部に補強リブ111を備えた受皿状のものであるが、中空形であってもよい。スクレーパ本体110の下端には汚泥を掻き寄せるためのスクレーパ板(ウレタンゴムなどによる)112が装着されている。
 こうしたスクレーパ102を上下するため、前記スクレーパ駆動源101は、その出力軸を機体74の右側(あるいは左側)に突出するように搭載し、同出力軸に第1スプロケット114を備えるとともに、架台84の左右両側に立設の支持板115に軸受116を介して横架した中間軸117の右端に第2スプロケット118を備えて、両スプロケット114,118間に第1チェーン119を掛け、さらに、中間軸117の他の個所に備えた第3スプロケット120と前記回転軸106回りの第4スプロケット121との間に第2チェーン122を掛け渡してある。
 スクレーパ駆動源101の出力軸が一方に回転することで、第1チェーン119および第2チェーン122を介して回転軸106が回転連動して、スクレーパ102は垂直になるまで回転させられる。出力軸が他方に回転することで、スクレーパ102は垂直状態から持ち上がって水平になるまで上昇させられる。
 これら垂直および水平状態は、回転軸106前後に対応配置されたリミットスイッチ124,124により制御盤を介して駆動源101を停止制御することによりなされる。尚、126は前進→後退切換用のリミットスイッチ、127は後退→前進切換用のリミットスイッチである。これらのスイッチは完全防水型である。
 尚、130は支持ビームで、同ビーム130は、前記取付体104を介して図2のように左右に延び、各先端は、前記スクレーパ軸108を回転自在に支持している。同支持ビーム130上には、図示しないが水面上を浮遊するスカムを掻き寄せるスカム掻寄スクレーパを備えた支柱が支柱取付板131を介して脱着自在に立設される。
 機体74の前端部には、図1に示すように、突出部72上に溜まる汚泥を掻き寄せる中央スクレーパ133がウレタンゴムなどにより装着されている。
 また、図1および図3に仮想線で示すように、機体74上には上部ケース135を備えることがあり、同ケース135は、完全防水型にすることがある。136は各種コードの取出口である。
 図1ないし図3は、掻寄状態で前進している時の様子を示し、スクレーパ102は垂直でスクレーパ駆動源101が停止していることにより汚泥側から負荷が掛かっても持ち上がることはない。この状態のまま走行用駆動源85が回転していることにより、前・後の走行輪78が図1の矢印X方向にガイドレール70上を転動してゆく。
 図1の左端のピット(図示省略)上に装置がくると、スクレーパ102で掻き寄せられた汚泥はピット内に落とし込まれ、その後、前進→後退切換用リミットスイッチ126を介して駆動源85が逆回転されることで、装置は後退態勢に切り換えられる。この際、スクレーパ駆動源101が前進切り換え時とは逆方向に回転駆動され、これにより、スクレーパ102は図1の仮想線のように持ち上がる。この限度をリミットスイッチ124で検知するとともに駆動源101を停止させる。これにより、スクレーパ102は持ち上がったまま後退するので、汚泥を掻き戻すことなく後進する。後退限にくると、後退→前進切換用スイッチ127の作動により走行用駆動源85が逆回転するとともに、スクレーパ駆動源101も逆回転されてスクレーパ102は垂直になって装置は前進する。これにより、汚泥掻寄態勢になる。
 尚、図1ないし図4に示す実施形態において、走行用駆動源は、水中モーター方式によらず、ガイドレール上に平行に離間した高さで往復運動をするワイヤーロープ等の伝達手段で進退駆動自在にしてもよい。
発明の効果
 この発明は以上のように構成されているので、装置のコストダウンを有効に図ることができる。
 この発明の一実施形態である汚泥掻寄装置を示す側断面図。  図1のP−P線断面図。  図2のH−H線に沿う横断平面図。  図1のS−S線断面図。
符号の説明
 70…ガイドレール 71…沈澱池 73…キャリア 74…機体 75…側板 78…走行輪 102…スクレーパ 105…軸受 108…スクレーパ軸 123…連結板 130…支持ビーム

Claims (1)

  1.  沈澱池底面の池幅間中央で長手方向に沿って設けられたガイドレールと、左右の側板を備えた機体に前記ガイドレール上で転動する前後の走行輪を備えて同ガイドレールに平行に往復進退運動するワイヤーロープである伝達手段でガイドレールに沿って進退駆動されるキャリアと、前記キャリアから水平外方へ伸びた状態で同キャリアに回転自在に軸受支持されたスクレーパ軸に連結板を介してキャリアの前進時に垂直な掻寄態勢となり後退時に持ち上がるようにされた左右一対で互いに離間したスクレーパとを備えた汚泥掻寄装置において、前記機体上には、同機体から左右に延びた支持ビームが設けられ、同支持ビームの左右各端を介して前記キャリアに軸受支持されたスクレーパ付きのスクレーパ軸の左右各端が回転自在に支持されていることを特徴とする汚泥掻寄装置。
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