JP2004000923A - 高分子凝集剤の製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の高分子凝集剤の製造方法では、乾燥時の含水樹脂の凝集防止効果が不十分であったり、また、生産効率が低くなるという欠点があった。
すなわち本発明は、含水樹脂を乾燥する工程において樹脂の凝集を低減し、凝集物含有量の少ない高分子凝集剤を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で攪拌しながら含水樹脂(WA)を乾燥する工程を含むことを特徴とする高分子凝集剤(A)の製造法を採用する。
【選択図】なし
すなわち本発明は、含水樹脂を乾燥する工程において樹脂の凝集を低減し、凝集物含有量の少ない高分子凝集剤を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で攪拌しながら含水樹脂(WA)を乾燥する工程を含むことを特徴とする高分子凝集剤(A)の製造法を採用する。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子凝集剤の製造法に関する。さらに詳しくは、含水樹脂を乾燥する工程において樹脂の凝集を低減し、凝集物含有量の少ない高分子凝集剤を効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子凝集剤の製造において、含水樹脂の乾燥中に樹脂が凝集するのを防止するため、有機溶媒と水との共沸によって予め水を除去したり、重合時に使用する界面活性剤としてHLBが2〜12であるショ糖脂肪酸エステル及び/又はHLBが2〜16であるポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することで乾燥時の凝集を防止する方法(前者)(例えば特許文献1)や蒸発脱水の際に微粒子状の高分子凝集剤を添加して凝集を防止する方法(後者)(例えば特許文献2)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−356509号公報
【特許文献2】
特開昭56−74106号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者は、乾燥時の含水樹脂の凝集防止効果が不十分であり、また、後者は、生産効率が低くなるという欠点がある。
すなわち本発明は、含水樹脂を乾燥する工程において樹脂の凝集を低減し、凝集物含有量の少ない高分子凝集剤を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、含水樹脂の乾燥工程において樹脂の凝集を低減する方法を鋭意検討した結果、特定の乾燥方法を用いることにより前記目的を達成できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の高分子凝集剤(A)の製造法の特徴は、攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で攪拌しながら乾燥する工程を含む点にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の製造法に好適に適用できる高分子凝集剤(A)としては、公知のものが使用でき、例えば、
▲1▼特公昭59−40843号公報、特開昭59−133212号公報、特開平4−16203号公報等に記載の水溶液重合法(断熱重合法、薄膜重合法及び溶剤沈殿重合法等)により得られるカチオン性又は両性高分子凝集剤
▲2▼特開昭59−184203号公報、特公昭60−50808号公報、特開昭60−238312号公報等に記載の水溶液重合法(断熱重合法、薄膜重合法及び溶剤沈殿重合法等)により得られるアニオン又はノニオン性高分子凝集剤
▲3▼特開昭57−12010号公報、特開平4−356509号公報等に記載の逆相懸濁重合法により得られるカチオン性又は両性高分子凝集剤
▲4▼特開昭56−53111号公報等に記載の逆相懸濁重合法により得られるアニオン又はノニオン性高分子凝集剤
等が挙げられる。これらのうち、特に好ましくは▲3▼逆相懸濁重合法により得られるカチオン性又は両性高分子凝集剤及び▲4▼逆相懸濁重合法により得られるアニオン又はノニオン性高分子凝集剤である。
【0007】
ここで上述に記載の逆相懸濁重合とは、分散剤の存在下で、脂肪族及び/又は芳香族炭化水素溶媒中に、水溶性ラジカル重合開始剤、水溶性単量体、及び必要により連鎖移動剤等を含む水溶液を分散させ、これを懸濁重合する重合法である。
この逆相懸濁重合工程により得られた含水樹脂(WA、本重合法に限らず、重合に際して使用した水の全量又は一部を含む高分子凝集剤を意味する。以下同じ。)は、乾燥工程において樹脂の凝集をさらに低減できるという点で、本発明が好適に用いられる。
【0008】
高分子凝集剤(A)及び含水樹脂(WA)の形状は粒状であれば特に限定はなく、球状、顆粒状、破砕状、針状、薄片状及びこれらの一次粒子が互いに融着したような凝集状等のいずれであってもよいが、特に逆相懸濁重合により得られる球状、顆粒状及び凝集状の形状が好ましい。
高分子凝集剤(A)の粒径範囲は特に制限はないが、高分子凝集剤(A)の全重量の好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは93重量%以上、特に好ましくは95重量%以上を占める粒子の粒径範囲が10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがさらに好ましく、特に好ましくは50μm以上、極めて好ましくは100μm以上、最も好ましくは150μm以上であり、2000μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1500μm以下、特に好ましくは1300μm以下、最も好ましくは1000μm以下であることである。
【0009】
本発明の高分子凝集剤(A)及び含水樹脂(WA)には、添加剤として、無機塩[塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸の金属塩又はアンモニウム塩、例えば炭酸ソーダ、炭酸カリウム、炭酸アンモン、硫酸ソーダ、硫酸アンモン、硫酸水素ナトリウム等]、有機酸(塩)[カルボン酸、スルホン酸、フェノール等の有機酸、並びにこれらの金属塩又はアンモニウム塩、例えば、スルファミン酸、酢酸ソーダ、乳酸ソーダ等]、界面活性剤[米国特許第4331447号明細書記載の界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ジオクチルスルホコハク酸ソーダ等]、酸化防止剤〔フェノール系化合物(ハイドロキノン、カテコール等)、ヒンダードアミン[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等]、含硫化合物[2−メルカプトベンゾチアゾール及びその塩(金属塩又はアンモニウム塩等)、チオ尿素、テトラメチルチウラムジサルファイド、ジメチルジチオカルバミン酸及びその塩(金属塩又はアンモニウム塩等)、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等]、含リン化合物(トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等)、含窒素化合物(尿素、グアニジン硫酸塩等)〕等を必要により配合することができる。
【0010】
これらの添加剤の添加量はポリマー水溶液の粘度の点から、通常(A)に対して無機塩、有機酸又はその塩は0〜10重量%、界面活性剤は0〜5重量%、酸化防止剤は0〜20重量%であり、より好ましくは無機塩、有機酸又はその塩は0.1〜5重量%、界面活性剤は0.01〜3重量%、酸化防止剤は0.01〜10重量%である。
これらの添加剤の添加時期は、特に限定なく、重合工程前、重合工程中、重合工程直後、重合で得られた含水樹脂と重合に用いた有機溶剤とを分離する工程中、乾燥工程(含水率15重量%未満に乾燥する工程、以下同じ)の直前、乾燥工程中及び乾燥工程後等、製造工程上どの段階で添加しても良い。この中で好ましくは、より高分子量体の高分子凝集剤が得られやすいこと、添加剤を高分子凝集剤の表面に均一に添加でき、添加剤の効果を有効に発揮させやすいことから、重合工程直後、重合で得られた含水樹脂と重合に用いた有機溶剤とを分離する工程中、乾燥工程の直前、乾燥工程中及び乾燥工程後であり、さらに好ましくは乾燥工程の直前、乾燥工程中及び乾燥工程後であり、特に好ましくは乾燥工程の直前、乾燥工程中である。
【0011】
本発明の乾燥工程において、攪拌羽根の少なくとも一部の最高円周速度(m/sec)は、通常0.1以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.7以上、最も好ましくは2以上であり、通常50以下、好ましくは40以下、さらに好ましくは30以下、特に好ましくは20以下、最も好ましくは15以下である。攪拌羽根の最高円周速度(m/sec)が0.1未満であれば含水樹脂(WA)を十分に攪拌しにくくなり、凝集物が生成しやすいため好ましくない傾向にある。一方、攪拌羽根の最高円周速度(m/sec)が50を越えるならば、攪拌の衝撃が樹脂の破砕を誘発しやすいので好ましくない傾向にある。
ここで最高円周速度とは、攪拌軸を中心に回転している攪拌羽根の円周速度のうち最大の円周速度を意味し、攪拌羽根のうち攪拌軸から最も離れた部分について、当該部分から撹拌軸の中心軸におろした垂線の距離と、攪拌軸の回転数から求められる円周速度である。例えば、攪拌軸の回転数が200rpmであり、撹拌羽根のうち撹拌軸から最も離れた部分の中心軸からの距離が0.2mである場合、当該攪拌羽根の最高円周速度は、2×0.2×π×200÷60≒4.2m/secである。
【0012】
本発明に使用できる乾燥機には、攪拌軸を少なくとも1本以上、好ましくは10本以下、さらに好ましくは5本以下備えている。
攪拌軸の太さは、含水樹脂(WA)の攪拌に耐えうる強度を有していればよく、その材質等により適宜決定される。
攪拌軸の長さは、含水樹脂(WA)の処理量と乾燥器の内容量とから適宜決定される。
撹拌軸の回転数は、20rpm以上が好ましく、さらに好ましくは30rpm以上、特に好ましくは50rpm以上、極めて好ましくは60rpm以上、最も好ましくは70rpm以上であり、1000rpm以下が好ましく、さらに好ましくは800rpm以下、特に好ましくは700rpm以下、最も好ましくは500rpm以下である。
撹拌軸は、少なくとも1個、好ましくは2個以上、さらに好ましくは3個以上の攪拌羽根を有し、好ましくは500個以下、さらに好ましくは300個以下の攪拌羽根を有する。
乾燥機の内容量に対する攪拌羽根の占める全体積(攪拌軸を含む)は、撹拌羽根の少なくとも一部が最高円周速度(m/sec)0.1以上で撹拌しながら乾燥できれば特に制限はないが、3体積%以上が好ましく、さらに好ましくは5体積%以上、特に好ましくは7体積%以上であり、90体積%以下が好ましく、さらに好ましくは80体積%以下、特に好ましくは70体積%以下である。
【0013】
攪拌羽根の形状は、含水樹脂(WA)を効率よく攪拌できれば特に制限はないが、鋤状、板状、棒状のいずれかが好ましく、また、鋤状、板状、及び棒状からなる群より選ばれる2種以上の形状を組み合わせた攪拌羽根も好ましい。これらの中で鋤状、板状の形状を有する攪拌羽根がより好ましい。
鋤状の攪拌羽根とは、鋤状のショベル[例えば、株式会社マツボーのレーディングミキサーのカタログに記載の形状(図1)等の他、特開昭60−139326号公報、特公昭61−14848号公報及び特公昭62−31605号公報等に記載のもの等]が攪拌軸に取り付けられたもので、ショベルの背面が鋸歯状[例えば、株式会社マツボーのレーディングミキサーのカタログに記載の形状(図2)等]に加工されていてもよい。
【0014】
板状の攪拌羽根とは、板状のパドルが攪拌軸に取り付けられたもので、板の形は樹脂が凝集しないように十分に攪拌できるのであれば特に限定されない。
棒状の攪拌羽根とは、棒状のパドルが攪拌軸に取り付けられたもので、棒の形は樹脂が凝集しないように十分に攪拌できるのであれば特に限定されない。
攪拌羽根は、含水樹脂(WA)を十分に攪拌できるように攪拌軸に対して好ましくは10度以上、さらに好ましくは30度以上、特に好ましくは45度以上、好ましくは170度以下、さらに好ましくは150度以下、特に好ましくは135度以下の角度を付けて取り付けられ、各攪拌羽根の取り付け間隔は、等間隔でも間隔を各々変えてもよい。
本発明で、攪拌羽根の攪拌軸に対する取り付け角度とは、攪拌羽根が取り付けられた攪拌軸の位置から乾燥樹脂の取り出し口の方向の攪拌軸と攪拌羽根とがなす角度で定義されるものとする。
攪拌効率をさらに向上させる目的で、攪拌羽根と攪拌羽根の間にチョッパーを設置してもよい。
【0015】
乾燥機内の設定温度(℃)は、乾燥時間の観点から50℃以上が好ましく、さらに好ましくは70℃以上、特に好ましくは80℃以上、最も好ましくは85℃以上であり、高分子凝集剤(A)の水に対する溶解性の観点から180℃以下が好ましく、さらに好ましくは160℃以下、特に好ましくは140℃以下、最も好ましくは120℃以下である。
加熱は上記設定温度になるようにジャケット加熱(蒸気又は熱媒)及び/又は熱風吹き込みにより行われ、熱風には加熱された空気又は窒素が好ましく用いられる。
乾燥中の乾燥機内の圧力(kPa)は、特に制限はないが、13.3以上が好ましく、さらに好ましくは66.7以上、特に好ましくは93.3以上であり、106.7以下が好ましく、さらに好ましくは104.0以下、特に好ましくは101.3以下である。
乾燥時間は乾燥能力にもよるが、1分以上が好ましく、さらに好ましくは3分以上、特に好ましくは5分以上であり、5時間以下が好ましく、さらに好ましくは4時間以下、特に好ましくは3時間以下である。
乾燥機には、攪拌軸、攪拌軸に取り付けられた攪拌羽根、攪拌軸の駆動装置以外に、樹脂投入口、樹脂排出口、水分排出口、ジャケット、ドレン排出口、並びに必要により熱風吹き込み口及び添加剤等の投入口が備え付けられている。
【0016】
乾燥機内の形状は、攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上で回転できれば特に制限はないが、縦型又は横型の円筒型が好ましく、さらに好ましくは横型の円筒型である。
含水樹脂(WA)の充填率(乾燥機の内容積に占める(WA)の体積)は特に制限はないが、乾燥機の内容量に対して、10体積%以上が好ましく、さらに好ましくは15体積%以上、特に好ましくは20体積%以上、最も好ましくは30体積%以上であり、90体積%以下が好ましく、さらに好ましくは85体積%以下、特に好ましくは80体積%以下、最も好ましくは70体積%以下である。
乾燥機の運転は、バッチ運転、連続運転及びこれらの組み合わせのいずれでもよい。
【0017】
乾燥の終点は、高分子凝集剤(A)の最終用途によって異なるが、一般に乾燥後の含水率が0.1重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは1重量%以上、特に好ましくは5重量%以上であり、13重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは12重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
なお、含水率とは、高分子凝集剤(A)の全重量に対する水分の重量割合(重量%)を意味する。
含水率は、通常の順風乾燥機又は水分測定器(例えば、赤外線加熱型測定器)で測定され、例えば、試料約2gをシャーレに秤量(Xg)して、順風乾燥機中で120±5℃で120分間乾燥させ、その際の乾燥減量(Yg)から試料中の含水量を次式から算出する。
含水率(重量%)=(Y)×100/(X)
【0018】
本発明において使用できる乾燥機としては、攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度0.1m/sec以上で回転できれば特に制限はないが、高速攪拌型の乾燥機が好適であり、例えば、商品名:レーディゲミキサー(株式会社マツボー製)及び商品名:プローシェアーミキサー(太平洋機工株式会社製)のような攪拌軸に複数の鋤状攪拌羽根が付けられた乾燥機、並びに商品名:ソリッドエアー(ホソカワミクロン株式会社製)及び商品名:DTドライヤー(月島機械株式会社製)のような攪拌軸に複数の棒状又は板状の攪拌羽根が付けられた乾燥機等が挙げられる。これらのうち、攪拌効率が高い鋤状攪拌羽根を有する商品名:レーディゲミキサー及び商品名:プローシェアーミキサー、並びに撹拌効率の高い棒状又は板状撹拌羽根を有する商品名:ソリッドエアーが好ましく、さらに好ましくは商品名:レーディゲミキサー及び商品名:ソリッドエアーである。
【0019】
これらの乾燥機を用いると、乾燥工程後に解砕工程が不要であり本発明の目的である凝集物量の少ない所望の高分子凝集剤(A)を効率的に得られることから、乾燥工程後の高分子凝集剤(A)中の目開き2000μmの篩(JIS Z8801−2000、以下同様である。)にのる凝集物の含有量が、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下になるように乾燥することができるので好ましい。
【0020】
重合で得られた含水樹脂(WA)が乾燥されていく過程において、含水樹脂(WA)の含水率が65重量%以下、さらには60重量%以下、特に55重量%以下、15重量%以上、さらには20重量%以上、特に25重量%以上の範囲で凝集物が生成しやすい。凝集機構は明確ではないが、この範囲の含水率において含水樹脂(WA)表面の粘着性が高くなるためであると考えられる。
従って、含水樹脂(WA)の乾燥工程において、含水率が好ましくは65重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは55重量%以下、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、特に好ましくは25重量%以上である(WA)を攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で攪拌しながら乾燥するのであれば、含水率が好ましくは65重量%、さらに好ましくは60重量%、特に好ましくは55重量%を越える領域と好ましくは15重量%、さらに好ましくは20重量%、特に好ましくは25重量%未満の領域での乾燥は、通常の乾燥機(例えば、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層式乾燥機、ベルト式乾燥機及び気流乾燥機等)で行ってもよい。
すなわち、本発明の高分子凝集剤の製造法は、含水率が好ましくは65重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは55重量%以下であり、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、特に好ましくは25重量%以上である含水樹脂(WA)を、攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で撹拌しながら乾燥する工程を含むことが好ましい。
【0021】
高分子凝集剤(A)の製造は、公知の方法で行うことができ、一般的にはモノマー水溶液調整工程、重合工程、必要があれば固液分離工程、乾燥工程及び篩工程の順である。
本発明で製造した高分子凝集剤(A)は産業廃水の凝集処理用凝集剤、下水又はし尿等の下水汚泥処理用凝集剤、掘削、泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤(製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等)等]及び原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)等に好適である。
【0022】
【実施例】
以下に実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1>
アクリル酸83重量部、アクリルアミドの50重量%水溶液382重量部及びイオン交換水442部の混合液を10〜20℃の温度範囲で冷却しつつ、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液93重量部でpH7に調整した後、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩0.14重量部を加えて均一溶液とし、モノマー/開始剤混合水溶液を調製した。
別に還流脱水配管、滴下漏斗、窒素導入管及び撹拌翼(マックスブレンド翼)を備えた反応槽にシクロヘキサン1000重量部を仕込んだ後、これにソルビタンモノステアレート10重量部を加えて、撹拌翼を200rpmの回転数にて攪拌しながら、反応槽内を窒素置換(気相酸素濃度10ppm以下)した後、78℃まで昇温した。78℃に到達後、予め滴下漏斗内に仕込んだ前述のモノマー/開始剤混合水溶液を、反応槽中に60分間かけて全量投入し、投入完了後60分間70℃で攪拌を継続し重合させた。
重合後の樹脂のスラリーを、減圧濾過機に供給し固液分離を行い、含水率が70重量%の含水樹脂(WA1)を得た。
【0023】
<合成例2>
塩化トリメチルアミノエチルメタクリレートの80重量%水溶液625重量部及びイオン交換水325部の混合液を10〜20℃の温度範囲で冷却しつつ(溶液pH4.5)、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩0.25重量部を加えて均一溶液とし、モノマー/開始剤混合水溶液を調製する以外は合成例1と同様にして、含水率が49重量%の含水樹脂(WA2)を得た。
【0024】
<実施例1>
鋤状攪拌羽根が攪拌軸に対して90度の角度に取り付けられた容量20Lのレーディゲミキサー(株式会社マツボー製)に合成例1で得られた含水樹脂(WA1)6.0kgを仕込み、ジャケット温度を150℃に設定して、含水率が9重量%になるまで乾燥し高分子凝集剤(A1)を得た。
レーディゲミキサーにおいて、鋤状攪拌羽根の最高円周速度は3.5m/secであった。高分子凝集剤(A1)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.2重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99重量%、1000〜2000μmが0.8重量%であった。
【0025】
<実施例2>
最高円周速度を2.0m/secとした以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A2)を得た。高分子凝集剤(A2)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99重量%、1000〜2000μmが0.7重量%であった。
【0026】
<実施例3>
最高円周速度を15.0m/secとした以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A3)を得た。高分子凝集剤(A3)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.1重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99.5重量%、1000〜2000μmが0.4重量%であった。
【0027】
<実施例4>
ジャケット温度を100℃に設定した以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A4)を得た。高分子凝集剤(A4)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99.6重量%、1000〜2000μmが0.4重量%であった。
【0028】
<実施例5>
合成例1で得られた含水樹脂(WA1)7.0kgを、板状の攪拌羽根が攪拌軸に対して90度の角度に取り付けられた容量50Lのソリッドエアー(ホソカワミクロン株式会社製)に仕込み、ジャケット温度を150℃に設定して、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥して高分子凝集剤(A5)を得た。
ソリッドエアーにおいて、棒状の攪拌羽根の最高円周速度は4.5m/secであった。高分子凝集剤(A5)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.5重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99重量%、1000〜2000μmが0.5重量%であった。
【0029】
<実施例6>
ジャケット温度を100℃に設定した以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A6)を得た。高分子凝集剤(A6)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99.5重量%、1000〜2000μmが0.5重量%であった。
【0030】
<実施例7>
合成例1で得られた含水樹脂(WA1)25.0kgを、攪拌羽根が攪拌軸に対して90度の角度に取り付けられた容量75Lの1軸式ディスクドライヤー(玉川マシナリー株式会社製)に仕込み、ジャケット温度を155℃に設定して、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A7)を得た。
1軸式ディスクドライヤーにおいて、ディスク羽根の最高円周速度は0.15m/secであった。
高分子凝集剤(A7)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが79重量%、1000〜2000μmが18重量%であった。
【0031】
<比較例1>
合成例1で得られた含水樹脂(WA1)25.0kgを、容量75Lの1軸式ディスクドライヤー(玉川マシナリー株式会社製)に仕込み、ジャケット温度を155℃に設定して、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(X1)を得た。
1軸式ディスクドライヤーにおいて、ディスク羽根の最高円周速度は0.045m/secであった。
高分子凝集剤(X1)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は41.5重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが47重量%、1000〜2000μmが11.5重量%であった。
【0032】
<実施例8>
合成例1で得られた含水樹脂(WA1)25.0kgを、まず容量75Lの1軸式ディスクドライヤー(玉川マシナリー株式会社製)に仕込み、ジャケット温度を155℃に設定して、樹脂の含水率が50重量%になるまで乾燥し、含水樹脂(WA3)を得た。1軸式ディスクドライヤーにおいて、ディスク羽根の最高円周速度は0.045m/secであり、含水率50重量%の含水樹脂中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0重量%であった。(この含水率の段階ではゲルがまだ柔らかく、合着しても簡単に崩れるので0%になる。)
次に含水樹脂(WA3)7.0kgを、鋤状攪拌羽根が取り付けられた容量20Lのレーディゲミキサー(株式会社マツボー製)に仕込み、ジャケット温度を155℃に設定して、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A8)を得た。
レーディゲミキサーにおいて、鋤型攪拌羽根の最高円周速度は3.5m/secであった。
高分子凝集剤(A8)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99重量%、1000〜2000μmが0.7重量%であった。
【0033】
<実施例9>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B1)を得た。高分子凝集剤(B1)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は2.1重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが97重量%、1000〜2000μmが0.9重量%であった。
【0034】
<実施例10>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例2と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B2)を得た。高分子凝集剤(B2)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は2.5重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが96.5重量%、1000〜2000μmが1重量%であった。
【0035】
<実施例11>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例3と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B3)を得た。高分子凝集剤(B3)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は1.7重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが97.2重量%、1000〜2000μmが1.1重量%であった。
【0036】
<実施例12>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例4と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B4)を得た。高分子凝集剤(B4)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は1.2重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状物と一次粒子が互いに融着したような凝集状物の混合物であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが97.2重量%、1000〜2000μmが1.6重量%であった。
【0037】
<実施例13>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例5と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B5)を得た。高分子凝集剤(B5)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は2.3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが96.8重量%、1000〜2000μmが0.9重量%であった。
【0038】
<実施例14>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例6と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B6)を得た。高分子凝集剤(B6)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は1.5重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状物と一次粒子が互いに融着したような凝集状物の混合物であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが96.5重量%、1000〜2000μmが2.0重量%であった。
【0039】
<実施例15>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例7と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B7)を得た。高分子凝集剤(B7)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状物と一次粒子が互いに融着したような凝集状物の混合物であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが86重量%、1000〜2000μmが11重量%であった。
【0040】
<比較例2>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は比較例1と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(Y1)を得た。高分子凝集剤(Y1)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は19重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状物と一次粒子が互いに融着したような凝集状物の混合物であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが75.5重量%、1000〜2000μmが5.5重量%であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、含水樹脂を乾燥する工程における樹脂の凝集を低減し、凝集物含有量の少ない高分子凝集剤を効率的に得ることができる。
上記効果を奏することから、本発明で製造した高分子凝集剤(A)は、産業廃水の凝集処理用凝集剤、下水又はし尿等の下水汚泥処理用凝集剤、掘削、泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤(製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等)等、及び原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋤状ショベル撹拌羽根を模式的に示す斜視図である。
【図2】のこ歯状ショベル撹拌羽根を模式的に示す斜視図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子凝集剤の製造法に関する。さらに詳しくは、含水樹脂を乾燥する工程において樹脂の凝集を低減し、凝集物含有量の少ない高分子凝集剤を効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子凝集剤の製造において、含水樹脂の乾燥中に樹脂が凝集するのを防止するため、有機溶媒と水との共沸によって予め水を除去したり、重合時に使用する界面活性剤としてHLBが2〜12であるショ糖脂肪酸エステル及び/又はHLBが2〜16であるポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することで乾燥時の凝集を防止する方法(前者)(例えば特許文献1)や蒸発脱水の際に微粒子状の高分子凝集剤を添加して凝集を防止する方法(後者)(例えば特許文献2)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−356509号公報
【特許文献2】
特開昭56−74106号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者は、乾燥時の含水樹脂の凝集防止効果が不十分であり、また、後者は、生産効率が低くなるという欠点がある。
すなわち本発明は、含水樹脂を乾燥する工程において樹脂の凝集を低減し、凝集物含有量の少ない高分子凝集剤を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、含水樹脂の乾燥工程において樹脂の凝集を低減する方法を鋭意検討した結果、特定の乾燥方法を用いることにより前記目的を達成できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の高分子凝集剤(A)の製造法の特徴は、攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で攪拌しながら乾燥する工程を含む点にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の製造法に好適に適用できる高分子凝集剤(A)としては、公知のものが使用でき、例えば、
▲1▼特公昭59−40843号公報、特開昭59−133212号公報、特開平4−16203号公報等に記載の水溶液重合法(断熱重合法、薄膜重合法及び溶剤沈殿重合法等)により得られるカチオン性又は両性高分子凝集剤
▲2▼特開昭59−184203号公報、特公昭60−50808号公報、特開昭60−238312号公報等に記載の水溶液重合法(断熱重合法、薄膜重合法及び溶剤沈殿重合法等)により得られるアニオン又はノニオン性高分子凝集剤
▲3▼特開昭57−12010号公報、特開平4−356509号公報等に記載の逆相懸濁重合法により得られるカチオン性又は両性高分子凝集剤
▲4▼特開昭56−53111号公報等に記載の逆相懸濁重合法により得られるアニオン又はノニオン性高分子凝集剤
等が挙げられる。これらのうち、特に好ましくは▲3▼逆相懸濁重合法により得られるカチオン性又は両性高分子凝集剤及び▲4▼逆相懸濁重合法により得られるアニオン又はノニオン性高分子凝集剤である。
【0007】
ここで上述に記載の逆相懸濁重合とは、分散剤の存在下で、脂肪族及び/又は芳香族炭化水素溶媒中に、水溶性ラジカル重合開始剤、水溶性単量体、及び必要により連鎖移動剤等を含む水溶液を分散させ、これを懸濁重合する重合法である。
この逆相懸濁重合工程により得られた含水樹脂(WA、本重合法に限らず、重合に際して使用した水の全量又は一部を含む高分子凝集剤を意味する。以下同じ。)は、乾燥工程において樹脂の凝集をさらに低減できるという点で、本発明が好適に用いられる。
【0008】
高分子凝集剤(A)及び含水樹脂(WA)の形状は粒状であれば特に限定はなく、球状、顆粒状、破砕状、針状、薄片状及びこれらの一次粒子が互いに融着したような凝集状等のいずれであってもよいが、特に逆相懸濁重合により得られる球状、顆粒状及び凝集状の形状が好ましい。
高分子凝集剤(A)の粒径範囲は特に制限はないが、高分子凝集剤(A)の全重量の好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは93重量%以上、特に好ましくは95重量%以上を占める粒子の粒径範囲が10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがさらに好ましく、特に好ましくは50μm以上、極めて好ましくは100μm以上、最も好ましくは150μm以上であり、2000μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1500μm以下、特に好ましくは1300μm以下、最も好ましくは1000μm以下であることである。
【0009】
本発明の高分子凝集剤(A)及び含水樹脂(WA)には、添加剤として、無機塩[塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸の金属塩又はアンモニウム塩、例えば炭酸ソーダ、炭酸カリウム、炭酸アンモン、硫酸ソーダ、硫酸アンモン、硫酸水素ナトリウム等]、有機酸(塩)[カルボン酸、スルホン酸、フェノール等の有機酸、並びにこれらの金属塩又はアンモニウム塩、例えば、スルファミン酸、酢酸ソーダ、乳酸ソーダ等]、界面活性剤[米国特許第4331447号明細書記載の界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ジオクチルスルホコハク酸ソーダ等]、酸化防止剤〔フェノール系化合物(ハイドロキノン、カテコール等)、ヒンダードアミン[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等]、含硫化合物[2−メルカプトベンゾチアゾール及びその塩(金属塩又はアンモニウム塩等)、チオ尿素、テトラメチルチウラムジサルファイド、ジメチルジチオカルバミン酸及びその塩(金属塩又はアンモニウム塩等)、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等]、含リン化合物(トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等)、含窒素化合物(尿素、グアニジン硫酸塩等)〕等を必要により配合することができる。
【0010】
これらの添加剤の添加量はポリマー水溶液の粘度の点から、通常(A)に対して無機塩、有機酸又はその塩は0〜10重量%、界面活性剤は0〜5重量%、酸化防止剤は0〜20重量%であり、より好ましくは無機塩、有機酸又はその塩は0.1〜5重量%、界面活性剤は0.01〜3重量%、酸化防止剤は0.01〜10重量%である。
これらの添加剤の添加時期は、特に限定なく、重合工程前、重合工程中、重合工程直後、重合で得られた含水樹脂と重合に用いた有機溶剤とを分離する工程中、乾燥工程(含水率15重量%未満に乾燥する工程、以下同じ)の直前、乾燥工程中及び乾燥工程後等、製造工程上どの段階で添加しても良い。この中で好ましくは、より高分子量体の高分子凝集剤が得られやすいこと、添加剤を高分子凝集剤の表面に均一に添加でき、添加剤の効果を有効に発揮させやすいことから、重合工程直後、重合で得られた含水樹脂と重合に用いた有機溶剤とを分離する工程中、乾燥工程の直前、乾燥工程中及び乾燥工程後であり、さらに好ましくは乾燥工程の直前、乾燥工程中及び乾燥工程後であり、特に好ましくは乾燥工程の直前、乾燥工程中である。
【0011】
本発明の乾燥工程において、攪拌羽根の少なくとも一部の最高円周速度(m/sec)は、通常0.1以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.7以上、最も好ましくは2以上であり、通常50以下、好ましくは40以下、さらに好ましくは30以下、特に好ましくは20以下、最も好ましくは15以下である。攪拌羽根の最高円周速度(m/sec)が0.1未満であれば含水樹脂(WA)を十分に攪拌しにくくなり、凝集物が生成しやすいため好ましくない傾向にある。一方、攪拌羽根の最高円周速度(m/sec)が50を越えるならば、攪拌の衝撃が樹脂の破砕を誘発しやすいので好ましくない傾向にある。
ここで最高円周速度とは、攪拌軸を中心に回転している攪拌羽根の円周速度のうち最大の円周速度を意味し、攪拌羽根のうち攪拌軸から最も離れた部分について、当該部分から撹拌軸の中心軸におろした垂線の距離と、攪拌軸の回転数から求められる円周速度である。例えば、攪拌軸の回転数が200rpmであり、撹拌羽根のうち撹拌軸から最も離れた部分の中心軸からの距離が0.2mである場合、当該攪拌羽根の最高円周速度は、2×0.2×π×200÷60≒4.2m/secである。
【0012】
本発明に使用できる乾燥機には、攪拌軸を少なくとも1本以上、好ましくは10本以下、さらに好ましくは5本以下備えている。
攪拌軸の太さは、含水樹脂(WA)の攪拌に耐えうる強度を有していればよく、その材質等により適宜決定される。
攪拌軸の長さは、含水樹脂(WA)の処理量と乾燥器の内容量とから適宜決定される。
撹拌軸の回転数は、20rpm以上が好ましく、さらに好ましくは30rpm以上、特に好ましくは50rpm以上、極めて好ましくは60rpm以上、最も好ましくは70rpm以上であり、1000rpm以下が好ましく、さらに好ましくは800rpm以下、特に好ましくは700rpm以下、最も好ましくは500rpm以下である。
撹拌軸は、少なくとも1個、好ましくは2個以上、さらに好ましくは3個以上の攪拌羽根を有し、好ましくは500個以下、さらに好ましくは300個以下の攪拌羽根を有する。
乾燥機の内容量に対する攪拌羽根の占める全体積(攪拌軸を含む)は、撹拌羽根の少なくとも一部が最高円周速度(m/sec)0.1以上で撹拌しながら乾燥できれば特に制限はないが、3体積%以上が好ましく、さらに好ましくは5体積%以上、特に好ましくは7体積%以上であり、90体積%以下が好ましく、さらに好ましくは80体積%以下、特に好ましくは70体積%以下である。
【0013】
攪拌羽根の形状は、含水樹脂(WA)を効率よく攪拌できれば特に制限はないが、鋤状、板状、棒状のいずれかが好ましく、また、鋤状、板状、及び棒状からなる群より選ばれる2種以上の形状を組み合わせた攪拌羽根も好ましい。これらの中で鋤状、板状の形状を有する攪拌羽根がより好ましい。
鋤状の攪拌羽根とは、鋤状のショベル[例えば、株式会社マツボーのレーディングミキサーのカタログに記載の形状(図1)等の他、特開昭60−139326号公報、特公昭61−14848号公報及び特公昭62−31605号公報等に記載のもの等]が攪拌軸に取り付けられたもので、ショベルの背面が鋸歯状[例えば、株式会社マツボーのレーディングミキサーのカタログに記載の形状(図2)等]に加工されていてもよい。
【0014】
板状の攪拌羽根とは、板状のパドルが攪拌軸に取り付けられたもので、板の形は樹脂が凝集しないように十分に攪拌できるのであれば特に限定されない。
棒状の攪拌羽根とは、棒状のパドルが攪拌軸に取り付けられたもので、棒の形は樹脂が凝集しないように十分に攪拌できるのであれば特に限定されない。
攪拌羽根は、含水樹脂(WA)を十分に攪拌できるように攪拌軸に対して好ましくは10度以上、さらに好ましくは30度以上、特に好ましくは45度以上、好ましくは170度以下、さらに好ましくは150度以下、特に好ましくは135度以下の角度を付けて取り付けられ、各攪拌羽根の取り付け間隔は、等間隔でも間隔を各々変えてもよい。
本発明で、攪拌羽根の攪拌軸に対する取り付け角度とは、攪拌羽根が取り付けられた攪拌軸の位置から乾燥樹脂の取り出し口の方向の攪拌軸と攪拌羽根とがなす角度で定義されるものとする。
攪拌効率をさらに向上させる目的で、攪拌羽根と攪拌羽根の間にチョッパーを設置してもよい。
【0015】
乾燥機内の設定温度(℃)は、乾燥時間の観点から50℃以上が好ましく、さらに好ましくは70℃以上、特に好ましくは80℃以上、最も好ましくは85℃以上であり、高分子凝集剤(A)の水に対する溶解性の観点から180℃以下が好ましく、さらに好ましくは160℃以下、特に好ましくは140℃以下、最も好ましくは120℃以下である。
加熱は上記設定温度になるようにジャケット加熱(蒸気又は熱媒)及び/又は熱風吹き込みにより行われ、熱風には加熱された空気又は窒素が好ましく用いられる。
乾燥中の乾燥機内の圧力(kPa)は、特に制限はないが、13.3以上が好ましく、さらに好ましくは66.7以上、特に好ましくは93.3以上であり、106.7以下が好ましく、さらに好ましくは104.0以下、特に好ましくは101.3以下である。
乾燥時間は乾燥能力にもよるが、1分以上が好ましく、さらに好ましくは3分以上、特に好ましくは5分以上であり、5時間以下が好ましく、さらに好ましくは4時間以下、特に好ましくは3時間以下である。
乾燥機には、攪拌軸、攪拌軸に取り付けられた攪拌羽根、攪拌軸の駆動装置以外に、樹脂投入口、樹脂排出口、水分排出口、ジャケット、ドレン排出口、並びに必要により熱風吹き込み口及び添加剤等の投入口が備え付けられている。
【0016】
乾燥機内の形状は、攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上で回転できれば特に制限はないが、縦型又は横型の円筒型が好ましく、さらに好ましくは横型の円筒型である。
含水樹脂(WA)の充填率(乾燥機の内容積に占める(WA)の体積)は特に制限はないが、乾燥機の内容量に対して、10体積%以上が好ましく、さらに好ましくは15体積%以上、特に好ましくは20体積%以上、最も好ましくは30体積%以上であり、90体積%以下が好ましく、さらに好ましくは85体積%以下、特に好ましくは80体積%以下、最も好ましくは70体積%以下である。
乾燥機の運転は、バッチ運転、連続運転及びこれらの組み合わせのいずれでもよい。
【0017】
乾燥の終点は、高分子凝集剤(A)の最終用途によって異なるが、一般に乾燥後の含水率が0.1重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは1重量%以上、特に好ましくは5重量%以上であり、13重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは12重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
なお、含水率とは、高分子凝集剤(A)の全重量に対する水分の重量割合(重量%)を意味する。
含水率は、通常の順風乾燥機又は水分測定器(例えば、赤外線加熱型測定器)で測定され、例えば、試料約2gをシャーレに秤量(Xg)して、順風乾燥機中で120±5℃で120分間乾燥させ、その際の乾燥減量(Yg)から試料中の含水量を次式から算出する。
含水率(重量%)=(Y)×100/(X)
【0018】
本発明において使用できる乾燥機としては、攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度0.1m/sec以上で回転できれば特に制限はないが、高速攪拌型の乾燥機が好適であり、例えば、商品名:レーディゲミキサー(株式会社マツボー製)及び商品名:プローシェアーミキサー(太平洋機工株式会社製)のような攪拌軸に複数の鋤状攪拌羽根が付けられた乾燥機、並びに商品名:ソリッドエアー(ホソカワミクロン株式会社製)及び商品名:DTドライヤー(月島機械株式会社製)のような攪拌軸に複数の棒状又は板状の攪拌羽根が付けられた乾燥機等が挙げられる。これらのうち、攪拌効率が高い鋤状攪拌羽根を有する商品名:レーディゲミキサー及び商品名:プローシェアーミキサー、並びに撹拌効率の高い棒状又は板状撹拌羽根を有する商品名:ソリッドエアーが好ましく、さらに好ましくは商品名:レーディゲミキサー及び商品名:ソリッドエアーである。
【0019】
これらの乾燥機を用いると、乾燥工程後に解砕工程が不要であり本発明の目的である凝集物量の少ない所望の高分子凝集剤(A)を効率的に得られることから、乾燥工程後の高分子凝集剤(A)中の目開き2000μmの篩(JIS Z8801−2000、以下同様である。)にのる凝集物の含有量が、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下になるように乾燥することができるので好ましい。
【0020】
重合で得られた含水樹脂(WA)が乾燥されていく過程において、含水樹脂(WA)の含水率が65重量%以下、さらには60重量%以下、特に55重量%以下、15重量%以上、さらには20重量%以上、特に25重量%以上の範囲で凝集物が生成しやすい。凝集機構は明確ではないが、この範囲の含水率において含水樹脂(WA)表面の粘着性が高くなるためであると考えられる。
従って、含水樹脂(WA)の乾燥工程において、含水率が好ましくは65重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは55重量%以下、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、特に好ましくは25重量%以上である(WA)を攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で攪拌しながら乾燥するのであれば、含水率が好ましくは65重量%、さらに好ましくは60重量%、特に好ましくは55重量%を越える領域と好ましくは15重量%、さらに好ましくは20重量%、特に好ましくは25重量%未満の領域での乾燥は、通常の乾燥機(例えば、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層式乾燥機、ベルト式乾燥機及び気流乾燥機等)で行ってもよい。
すなわち、本発明の高分子凝集剤の製造法は、含水率が好ましくは65重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは55重量%以下であり、好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、特に好ましくは25重量%以上である含水樹脂(WA)を、攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で撹拌しながら乾燥する工程を含むことが好ましい。
【0021】
高分子凝集剤(A)の製造は、公知の方法で行うことができ、一般的にはモノマー水溶液調整工程、重合工程、必要があれば固液分離工程、乾燥工程及び篩工程の順である。
本発明で製造した高分子凝集剤(A)は産業廃水の凝集処理用凝集剤、下水又はし尿等の下水汚泥処理用凝集剤、掘削、泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤(製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等)等]及び原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)等に好適である。
【0022】
【実施例】
以下に実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1>
アクリル酸83重量部、アクリルアミドの50重量%水溶液382重量部及びイオン交換水442部の混合液を10〜20℃の温度範囲で冷却しつつ、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液93重量部でpH7に調整した後、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩0.14重量部を加えて均一溶液とし、モノマー/開始剤混合水溶液を調製した。
別に還流脱水配管、滴下漏斗、窒素導入管及び撹拌翼(マックスブレンド翼)を備えた反応槽にシクロヘキサン1000重量部を仕込んだ後、これにソルビタンモノステアレート10重量部を加えて、撹拌翼を200rpmの回転数にて攪拌しながら、反応槽内を窒素置換(気相酸素濃度10ppm以下)した後、78℃まで昇温した。78℃に到達後、予め滴下漏斗内に仕込んだ前述のモノマー/開始剤混合水溶液を、反応槽中に60分間かけて全量投入し、投入完了後60分間70℃で攪拌を継続し重合させた。
重合後の樹脂のスラリーを、減圧濾過機に供給し固液分離を行い、含水率が70重量%の含水樹脂(WA1)を得た。
【0023】
<合成例2>
塩化トリメチルアミノエチルメタクリレートの80重量%水溶液625重量部及びイオン交換水325部の混合液を10〜20℃の温度範囲で冷却しつつ(溶液pH4.5)、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩0.25重量部を加えて均一溶液とし、モノマー/開始剤混合水溶液を調製する以外は合成例1と同様にして、含水率が49重量%の含水樹脂(WA2)を得た。
【0024】
<実施例1>
鋤状攪拌羽根が攪拌軸に対して90度の角度に取り付けられた容量20Lのレーディゲミキサー(株式会社マツボー製)に合成例1で得られた含水樹脂(WA1)6.0kgを仕込み、ジャケット温度を150℃に設定して、含水率が9重量%になるまで乾燥し高分子凝集剤(A1)を得た。
レーディゲミキサーにおいて、鋤状攪拌羽根の最高円周速度は3.5m/secであった。高分子凝集剤(A1)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.2重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99重量%、1000〜2000μmが0.8重量%であった。
【0025】
<実施例2>
最高円周速度を2.0m/secとした以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A2)を得た。高分子凝集剤(A2)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99重量%、1000〜2000μmが0.7重量%であった。
【0026】
<実施例3>
最高円周速度を15.0m/secとした以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A3)を得た。高分子凝集剤(A3)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.1重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99.5重量%、1000〜2000μmが0.4重量%であった。
【0027】
<実施例4>
ジャケット温度を100℃に設定した以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A4)を得た。高分子凝集剤(A4)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99.6重量%、1000〜2000μmが0.4重量%であった。
【0028】
<実施例5>
合成例1で得られた含水樹脂(WA1)7.0kgを、板状の攪拌羽根が攪拌軸に対して90度の角度に取り付けられた容量50Lのソリッドエアー(ホソカワミクロン株式会社製)に仕込み、ジャケット温度を150℃に設定して、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥して高分子凝集剤(A5)を得た。
ソリッドエアーにおいて、棒状の攪拌羽根の最高円周速度は4.5m/secであった。高分子凝集剤(A5)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.5重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99重量%、1000〜2000μmが0.5重量%であった。
【0029】
<実施例6>
ジャケット温度を100℃に設定した以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A6)を得た。高分子凝集剤(A6)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99.5重量%、1000〜2000μmが0.5重量%であった。
【0030】
<実施例7>
合成例1で得られた含水樹脂(WA1)25.0kgを、攪拌羽根が攪拌軸に対して90度の角度に取り付けられた容量75Lの1軸式ディスクドライヤー(玉川マシナリー株式会社製)に仕込み、ジャケット温度を155℃に設定して、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A7)を得た。
1軸式ディスクドライヤーにおいて、ディスク羽根の最高円周速度は0.15m/secであった。
高分子凝集剤(A7)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが79重量%、1000〜2000μmが18重量%であった。
【0031】
<比較例1>
合成例1で得られた含水樹脂(WA1)25.0kgを、容量75Lの1軸式ディスクドライヤー(玉川マシナリー株式会社製)に仕込み、ジャケット温度を155℃に設定して、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(X1)を得た。
1軸式ディスクドライヤーにおいて、ディスク羽根の最高円周速度は0.045m/secであった。
高分子凝集剤(X1)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は41.5重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが47重量%、1000〜2000μmが11.5重量%であった。
【0032】
<実施例8>
合成例1で得られた含水樹脂(WA1)25.0kgを、まず容量75Lの1軸式ディスクドライヤー(玉川マシナリー株式会社製)に仕込み、ジャケット温度を155℃に設定して、樹脂の含水率が50重量%になるまで乾燥し、含水樹脂(WA3)を得た。1軸式ディスクドライヤーにおいて、ディスク羽根の最高円周速度は0.045m/secであり、含水率50重量%の含水樹脂中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0重量%であった。(この含水率の段階ではゲルがまだ柔らかく、合着しても簡単に崩れるので0%になる。)
次に含水樹脂(WA3)7.0kgを、鋤状攪拌羽根が取り付けられた容量20Lのレーディゲミキサー(株式会社マツボー製)に仕込み、ジャケット温度を155℃に設定して、樹脂の含水率が9重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(A8)を得た。
レーディゲミキサーにおいて、鋤型攪拌羽根の最高円周速度は3.5m/secであった。
高分子凝集剤(A8)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は0.3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は、一次粒子が互いに融着したような凝集状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが99重量%、1000〜2000μmが0.7重量%であった。
【0033】
<実施例9>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例1と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B1)を得た。高分子凝集剤(B1)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は2.1重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが97重量%、1000〜2000μmが0.9重量%であった。
【0034】
<実施例10>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例2と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B2)を得た。高分子凝集剤(B2)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は2.5重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが96.5重量%、1000〜2000μmが1重量%であった。
【0035】
<実施例11>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例3と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B3)を得た。高分子凝集剤(B3)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は1.7重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが97.2重量%、1000〜2000μmが1.1重量%であった。
【0036】
<実施例12>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例4と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B4)を得た。高分子凝集剤(B4)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は1.2重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状物と一次粒子が互いに融着したような凝集状物の混合物であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが97.2重量%、1000〜2000μmが1.6重量%であった。
【0037】
<実施例13>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例5と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B5)を得た。高分子凝集剤(B5)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は2.3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが96.8重量%、1000〜2000μmが0.9重量%であった。
【0038】
<実施例14>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例6と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B6)を得た。高分子凝集剤(B6)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は1.5重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状物と一次粒子が互いに融着したような凝集状物の混合物であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが96.5重量%、1000〜2000μmが2.0重量%であった。
【0039】
<実施例15>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は実施例7と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(B7)を得た。高分子凝集剤(B7)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は3重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状物と一次粒子が互いに融着したような凝集状物の混合物であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが86重量%、1000〜2000μmが11重量%であった。
【0040】
<比較例2>
含水樹脂(WA1)の代わりに含水樹脂(WA2)を使用する以外は比較例1と同様にして、樹脂の含水率が8重量%になるまで乾燥し、高分子凝集剤(Y1)を得た。高分子凝集剤(Y1)中の目開き2000μmの篩にのる凝集物の含有量は19重量%であった。なお、目開き2000μmの篩を通過した乾燥樹脂は真球状物と一次粒子が互いに融着したような凝集状物の混合物であり、75μm未満が0重量%、75〜1000μmが75.5重量%、1000〜2000μmが5.5重量%であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、含水樹脂を乾燥する工程における樹脂の凝集を低減し、凝集物含有量の少ない高分子凝集剤を効率的に得ることができる。
上記効果を奏することから、本発明で製造した高分子凝集剤(A)は、産業廃水の凝集処理用凝集剤、下水又はし尿等の下水汚泥処理用凝集剤、掘削、泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤(製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等)等、及び原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋤状ショベル撹拌羽根を模式的に示す斜視図である。
【図2】のこ歯状ショベル撹拌羽根を模式的に示す斜視図である。
Claims (5)
- 攪拌羽根の少なくとも一部を最高円周速度(m/sec)0.1以上50以下で攪拌しながら含水樹脂(WA)を乾燥する工程を含むことを特徴とする高分子凝集剤(A)の製造法。
- 乾燥工程後の高分子凝集剤(A)の全重量に対する90重量%以上が、20μm以上2000μm以下(JIS Z8801−2000)である請求項1記載の製造法。
- 攪拌羽根が鋤状攪拌羽根、板状撹拌羽根及び/又は棒状撹拌羽根である請求項1又は2記載の製造法。
- 逆相懸濁重合工程を含む請求項1〜3の何れかに記載の製造法。
- 高分子凝集剤(A)が産業廃水の凝集処理用凝集剤、下水汚泥処理用凝集剤、掘削もしくは泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤、又は原油増産用添加剤である請求項1〜4の何れかに記載の製造法。
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