JP2004000647A - 血圧測定装置 - Google Patents

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Toshihiko Ogura
小椋 敏彦
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Abstract

【課題】平滑化された振幅値列の変化に基づいて血圧値を決定する血圧測定装置において、測定状態の適否の判断をも容易に行うことができるようにする。
【解決手段】表示器によって、記録紙42等の拍動変化表示部44(すなわちカフ圧を第1軸、振幅値を第2軸とする一つの二次元図表上)に、採取された振幅値列Rと平滑化された振幅値列Sとが重ねて表示されると共に、測定状態表示部46に修正率Cがその値に対応する長さの横線で表示される。拍動変化表示部44においては、採取振幅値列が縦線、平滑化振幅値列が折れ線で表示されると共に、その両振幅値列の差によって上記縦線の包絡線と折れ線との間に形成される面積Sが黒く塗り潰されており、更に、最高血圧値および最低血圧値に対応するカフ圧が、第1軸近傍において▲および△印により示されている。また、測定状態表示部46には測定状態の適否を表す目安が記されている。
【選択図】         図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は血圧値を自動的に測定して表示する血圧測定装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生体の動脈に対するカフの圧迫強さを変化させるに伴ってその動脈から発生する心拍同期信号波を採取し、その心拍同期信号波の振幅値をそれぞれ決定して発生順に連なる一連の振幅値列を作成し、その振幅値列の変化に基づいて血圧値を決定する血圧決定アルゴリズムが用いられることにより血圧を決定する所謂オシロメトリック式血圧測定方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この血圧測定装置においては、上記血圧決定アルゴリズムに従って血圧値を測定する一方、上記カフの圧迫強さを変量とする第1軸と上記振幅値を変量とする第2軸とから成る二次元図表として上記振幅値列が表示器に表示されるため、その振幅値の強さの分布状態から、血圧測定中の被測定者の体動や周辺機器からのノイズ等の外的要因による測定誤差の発生が容易に判定され、測定状態の適否が判断され得る。
【0003】
ところで、上記二次元図表上に表示される振幅値列は上記外的要因によって複雑な包絡線を形成する。そのため、その外的要因が血圧測定に不適となる程度には大きくない場合にも充分な血圧測定精度が得られないという問題があった。そこで、従来から血圧値を測定するに際して振幅値列の包絡線を平滑とするための様々な平滑化処理が行われている(例えば特許文献2参照)。この血圧測定方法においては、振幅値列から奇数個の一連の振幅値を順次選択し、その奇数個の振幅値中の大きさの中間値を、その一連の振幅値の中央に位置する振幅値と置換する、所謂メディアンフィルタによって上記包絡線が平滑化されるため、血圧決定が容易となって充分な血圧測定精度が得られる。
【0004】
【特許文献1】
特公平2−25610号公報
【特許文献2】
特開昭63−51837号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の血圧測定装置では、前記の二次元図表として振幅値を表示器に表示しても、上記のように包絡線が平滑化されて上記外的要因による振幅値の誤差が既に修正されているため、前述のように振幅値の強さの分布状態による測定状態の適否が正確に把握できないという問題があった。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、上記のような平滑化された振幅値列の変化に基づいて血圧値を決定する血圧測定装置において、測定状態の適否の判断をも容易に行うことができるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、本発明の要旨とするところは、生体の動脈に対するカフの圧迫強さを変化させるに伴ってその動脈から発生する心拍同期信号波を採取し、その心拍同期信号波の振幅値をそれぞれ決定して発生順に連なる振幅値列を作成し、その振幅値列を平滑化した後に、その平滑化された振幅値列の大きさの変化に基づいて血圧値を決定する血圧測定方法であって、(a)二次元的に画素が配列された表示面を有する表示器と、(b)前記採取された振幅値列と平滑化された振幅値列とを、相互に重ねた状態で、前記表示器の表示面に表示させる表示制御手段とを含むことにある。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、表示器の画面上においては、採取された振幅値列とその平滑化された振幅値列とが二次元図表上に重ねて表示されるので、採取された値から変化させられた平滑化後の振幅値は、その二次元図表上において採取された振幅値との差が明確に視認され得る。したがって、この両振幅値の差すなわち前記の体動や周辺機器のノイズ等の外的要因の大きさと、その差が生じている二次元図表上の第1軸方向の位置すなわち圧迫強さとの関係に基づいて、その外的要因によって血圧測定値に大きな誤差が生じているか否か、すなわち測定状態の適否が容易に判断され得る。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記血圧測定装置は、(c)前記血圧値が決定された際の測定状態を表示するための表示器と、(d)予め定められた所定のカフの圧力範囲において、前記採取された振幅値列と平滑化された振幅値列との差の、それら採取された振幅値列および平滑化された振幅値列のうちの一方に対する比率である修正率を算出する修正率算出手段と、(e)その修正率算出手段により算出された修正率に基づき、前記血圧値が決定された際の測定状態を前記表示器に表示させる表示制御手段とを含むものである。
【0010】
このようにすれば、血圧値の決定に用いられた平滑化された振幅値列の採取された振幅値列からの修正の程度すなわち修正率が、その平滑化された振幅値列と採取された振幅値列との差と、それら採取された振幅値列および平滑化された振幅値列のうちの一方との比に基づいて算出され、この修正率に基づき表示器に測定状態が表示される。すなわち、血圧値が測定された際の測定状態が容易に視認され得る状態で表示される。したがって、その修正率すなわち前記の体動や周辺機器のノイズ等の外的要因の大きさと、予め定められた所定の判断基準値とを比較することにより、その外的要因によって血圧測定値に大きな誤差が生じているか否か、すなわち測定状態の適否が容易に判断され得る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明が適用された自動血圧測定装置の一例の構成を示すものであって、生体の上腕部に巻回されてこれを圧迫するための膨張袋を備えたカフ10には、圧力センサ12、急速排気弁14、徐速排気弁16、空気ポンプ18が配管20を介して接続されている。圧力センサ12は、カフ10内の圧力を検出するものであって、カフ10内の圧力を表す圧力信号SPをカフ圧検出回路22および脈波検出回路24へ供給する。カフ圧検出回路22は、圧力信号SPからその静圧成分であるカフ10の実際の圧力、すなわちカフ圧を取り出すためのローパスフィルタを備えており、カフ圧信号SKをA/D変換器26を介して制御回路28へ供給する。また、脈波検出回路24は、圧力信号SPから心拍に同期した振動成分である脈波を取り出すためのバンドパスフィルタを備えており、脈波信号SMをA/D変換器26を介して制御回路28へ供給する。
【0013】
上記制御回路28はCPU30、ROM32、RAM34、出力インターフェース36を含む所謂マイクロコンピュータであって、CPU30はRAM34の一時記憶機能を利用しつつROM32に予め記憶されたプログラムにしたがって入力信号を処理し、急速排気弁14、徐速排気弁16、および空気ポンプ18へ駆動信号をそれぞれ供給すると共に、所定のアルゴリズムを実行することにより決定した血圧値を表す信号、測定状態の適否を表す適否信号、および脈波の振幅値列を表す信号を液晶表示盤等の画像表示装置或いはプリンタ等の二次元的に画素が配列される表示面を有する表示器38等へ供給して、血圧値、測定状態の適否、および振幅値列を表示させる。なお、起動押釦40は血圧測定を開始させるために操作されるものである。
【0014】
以上のように構成された自動血圧測定装置においては図2に示すように一連の血圧測定ステップが実行されることにより、血圧値が自動的に測定されるようになっている。すなわち、ステップS1において起動押釦40が操作されたか否かが判断される。起動押釦40が操作されたことが判断されない場合には待機させられるが、操作されたと判断されるとステップS2が実行されて、急速排気弁14および徐速排気弁16が閉じられると共に、空気ポンプ18が駆動されてカフ10の昇圧が開始される。ステップS3では、カフ10内の圧力Pcが予め定められた目標圧力Pmと同等またはそれ以上となったか否かが判断される。この目標圧力Pmは被測定者の最高血圧よりも充分に高い圧力、例えば180mmHg程度に設定される。上記ステップS3の判断が否定される内はカフ10の昇圧が持続されるが、ステップS3の判断が肯定されると、ステップS4が実行されて空気ポンプ18の駆動が停止されると共に徐速排気弁16が開かれることによりカフ10の降圧が開始される。この降圧過程では2乃至3mmHg/sec程度の速度でカフ10の圧力が緩やかに変化させられ、この間においてステップS5の血圧値決定ルーチンが繰り返し実行されることにより血圧値が決定される。
【0015】
上記ステップS5では、図3に示すサブルーチンが比較的短い周期、例えば4ms毎に繰り返し実行されることにより、連続的に発生する脈波の振幅値列Rが前処理されると共に、この発生順に連なる一連の振幅値Rに基づいて血圧決定アルゴリズムが実行されることにより血圧値が決定される。すなわち、ステップSS1では、前記A/D変換器26から所定のサンプリング周期にて逐次供給される脈波信号SMに基づいて測定に用い得る脈波が発生したか否かが判断される。この脈波の発生は、例えば上ピークおよび下ピークが発生したことをもって検出される。このようにして脈波の発生が検出されると、ステップSS2において上記脈波のピーク値、すなわち上ピークから下ピークまでの振幅値Rが算出され、続くステップSS3(異常値判定工程或いは異常値判定手段)において上記振幅値Rが異常であるか否かが判断される。この異常の判断は、前回の脈波の振幅値Ri−1に対して生理的にあり得ない変化を示すことをもって判断される。例えば、今回の脈波の振幅値Rが平均血圧前の状態では前の脈波の振幅値Ri−1に対して1/2以下および4倍以上のとき、或いは平均血圧後の状態では前の脈波の振幅値Ri−1に対して1/2以下および1.5倍以上のときに異常と判断される。
【0016】
上記ステップSS3において今回の脈波の振幅値Rが異常であると判断された場合には前記ステップSS1以下が再び実行されるが、異常でないと判断された場合には、ステップSS4が実行されて上記振幅値Rがそのときのカフ圧値と共に記憶される。そして、ステップSS5において今回の脈波が振幅異常の脈波の後に続く2回目の正常脈波であるか否かが判断される。このステップSS5の判断が否定されるとステップSS6が実行されないが、肯定されるとステップSS6(直線補間工程)が実行されて所謂アンプフィルタ処理が行われる。このアンプフィルタ処理は、例えば前述の特開昭63−51837号公報に開示されているもので、上記振幅異常の脈波の全ての振幅値Ri−n,・・・,Ri−2,Ri−1を、その振幅異常が検出される直前の正常脈波の振幅値Ri−n−1と、上記2回目の正常脈波の振幅値Rとによって直線補間するものである。
【0017】
続くステップSS7およびステップSS8では、上記のように必要に応じてアンプフィルタ処理が実行された脈波列に所謂メディアン処理が施されて平滑化される。このメディアン処理も例えば上記特開昭63−51837号公報に開示されているものであって、今回のサイクルにおいて記憶された新たな脈波(Ri+2)を含んでそれより前に互いに隣接して位置する、奇数個例えば5個の脈波の振幅値Ri−2,Ri−1,R,Ri+1,Ri+2がステップSS7(選択工程或いは選択手段)にて選択されると共に、ステップSS8(置換工程或いは置換手段)では、それらの振幅値Ri−2,・・・,Ri+2の中間値(すなわち選択された脈波の数が5個の場合には、大きい方或いは小さい方から3番目の振幅値R)がその脈波列の中央に位置する脈波の振幅値Sとされる。すなわち、本実施例においては、平滑化工程或いは平滑化手段としての上記アンプフィルタ処理およびメディアン処理(ステップSS5乃至SS8)によって、採取された振幅値Rが平滑化される。なお、上記メディアン処理において選択される連続した脈波の数は、奇数個であれば3つ或いは7つ程度であっても良い。
【0018】
採取された振幅値Rが上記平滑化工程によって平滑化されると、ステップSS9の最高血圧値および最低血圧値を決定するための血圧決定アルゴリズムが実行される。この血圧決定アルゴリズムは、前記アンプフィルタ処理およびメディアン処理が施された振幅値列Sにおいて、例えば、振幅値Sが急激に変化したものに対応して記憶されているカフ圧を、それらを必要に応じて相互の関係および平均血圧値との関連において修正することにより最高血圧値および最低血圧値として決定し記憶するものである。なお、以上の説明から明らかなように、本実施例においては、血圧値を決定するに際しては、心拍同期信号波として脈波、すなわち、前記生体の一部を圧迫するカフ10において心拍と同期して発生する圧力振動波が用いられている。
【0019】
図2に戻って、ステップS5の血圧値決定ルーチンの後には、ステップS6が実行されて血圧値が決定されたか否かが判断される。カフ圧降下の当初は、前記振幅値列Sが充分に形成されていないので、ステップSS9の血圧決定アルゴリズムが実行されても血圧値が決定され得ず、ステップS5の血圧値決定ルーチン以下が繰り返し実行される。しかし、上記ステップS5以下が繰り返し実行される内、ステップSS9の血圧決定アルゴリズムの実行により血圧値が決定されると、ステップS6の判断が肯定されてステップS7以下が実行される。
【0020】
ステップS7においては、急速排気弁14が作動させられてカフ10内の空気が急速に排気されて圧迫が解放され、修正率算出工程或いは修正率算出手段であるステップS8乃至S10においては、血圧値の決定に用いられた平滑化された振幅値列Sの採取された振幅値列Rからの修正の程度すなわち修正率Cが算出される。総差算出手段に対応するステップS8においては、カフ圧の所定の範囲内におけるそれぞれのカフ圧に対応する採取振幅値Rと平滑化振幅値Sとの差の絶対値の和SDが下記 (1)式に従って算出される。上記カフ圧の所定の範囲は、例えば前記の血圧決定アルゴリズムであるステップSS9において、最高血圧値および最低血圧値として決定されたカフ圧よりも両側に1脈波づつ広い範囲が用いられる。続く平滑化振幅値総和算出手段に対応するステップS9においては、上記カフ圧の所定の範囲内における平滑化振幅値Sの総和SSが下記 (2)式に従って算出される。そして、比算出手段に対応するステップS10において、上記の差の絶対値の和SDの平滑化振幅値総和SSに対する百分比として修正率Cが下記 (3)式に従って算出されると、ステップS11に進む。すなわち、本実施例においては、上記ステップS8乃至S10が修正率算出手段に対応する。
【0021】
SD=Σ|S−R|   ・・・(1)
SS=ΣS       ・・・(2)
C=(SD/SS)×100 ・・・(3)
【0022】
なお、上記差の絶対値の和SDは、図4の斜線に示す面積Aの和に対応し、上記平滑化振幅値Sの総和SSは、図4の平滑化振幅値列Sを示す折れ線と基線とにより囲まれる面積に対応している。したがって、上記修正率Cはそれら2つの面積比に対応している。
【0023】
表示制御手段に対応するステップS11においては、最高血圧値、最低血圧値および脈拍数等が表示器38或いは図示しない他の表示器によって表示される一方、表示器38によって、例えば図4に示すように、記録紙42等の拍動変化表示部44(すなわちカフ圧を第1軸、振幅値を第2軸とする一つの二次元図表上)に、採取された振幅値列Rと上記の平滑化された振幅値列Sとが重ねて表示されると共に、例えばその拍動変化表示部44に並んで設けられた測定状態表示部46に、前記の修正率Cがその値に対応する長さの横線で表示される。上記の拍動変化表示部42には、採取振幅値列Rが縦線、平滑化振幅値列Sが折れ線で表示されると共に、その両振幅値列の差によって上記縦線の包絡線と折れ線との間に形成される面積Aが黒く塗り潰されており、更に、前記の血圧値決定アルゴリズムによって決定された最高血圧値および最低血圧値に対応するカフ圧が、第1軸近傍において▲および△印により示されている。また、上記の測定状態表示部46には、測定状態の適否すなわち外的要因(ノイズ)の大きさを表す目安「ノイズ小」、「普通」、「ノイズ大」が予め記されており、修正率Cの横線の先端と上記目安との対比により測定状態が判断できるようにされている。上記目安において「普通」は修正率C=5%程度、「ノイズ大」は修正率C=9%程度の目盛りにそれぞれ対応している。また、以上の説明から明らかなように、本実施例においては、制御回路28が表示制御手段に相当する。
【0024】
上述のように、本実施例によれば、ステップS11において採取振幅値列Rと平滑化振幅値列Sとが、表示器38の一つの二次元図表上(すなわち拍動変化表示部44)に重ねて表示されるため、平滑化によって採取された値から変化させられた振幅値Sは、その二次元図表上において採取された振幅値Rとの差Dが明確に視認され得る。この両振幅値R,Sの差Dは、被測定者の体動や周辺機器のノイズ等の外的要因によって大きくなるものであり、したがって、この両振幅値R,Sの差Dの大きさと、その差Dが生じている二次元図表上の第1軸方向の位置すなわちカフ圧との関係に基づいて、外的要因によって血圧測定値に大きな誤差が生じているか否かが容易に判断され得、測定状態の適否が容易に判断され得る。例えば、図4において▲および△で表示される最高血圧値および最低血圧値に対応するカフ圧の範囲内において、平滑化振幅値列Sが大きく修正されているため採取振幅値列Rとの総差SDが大きい場合には、振幅値列Rは大きな外的要因を受けており、血圧値の測定精度が低く測定状態が適正でないことが容易に判断される。
【0025】
また、本実施例においては、採取振幅値列Rを縦線、平滑化振幅値列Sを折れ線で表示すると共に、その両振幅値列の差Dによって上記縦線の包絡線と折れ線との間に形成される面積Aが黒く塗り潰されているため、両振幅値列の総差SDの大きさの視認が一層容易にされている。
【0026】
また、本実施例においては、平滑化振幅値列Sを表す折れ線と基線とにより囲まれた面積に対する面積Aの和の割合として修正率C(すなわち、採取振幅値列Rが平滑化された際の修正の度合いを示す値)が算出され、測定状態表示部46に横線で表示される。そのため、拍動の値に対してどの程度の比率の修正が行われたかを容易に視認することが可能であり、その修正の程度に基づいて外的要因によって血圧測定値に大きな誤差が生じているか否か、すなわち、測定状態の適否が容易に判断され得る。しかも、前述のように測定状態表示部46には、測定状態を示す目安として「ノイズ小」、「普通」等が記されているため、この目安に基づいて測定者が熟練者でない場合にも一層容易に測定状態の適否の判断が為され得るのである。例えば、修正率Cを示す横線の先端が「普通」よりも左側にあれば、すなわち修正率Cが5%以下であれば適正な血圧測定が行われたと判断できる。なお、以上の説明から明らかなように、本実施例においては、修正率Cの値に対応する長さの横線が測定状態を示す目安に並べて表示されることにより、修正率Cに基づいて測定状態が表示されている。
【0027】
図5乃至図8は、前記の拍動変化表示部44の別の表示形式の一例を示すものである。図5においては、平滑化振幅値Sは図4と同様に表示されているが、採取振幅値Rは縦線に替えて平滑化振幅値Sと同様な折れ線で表示されており、両振幅値の差Dによって両折れ線間に形成される面積Aは塗り潰されていない。このようにしても、二次元図表上において採取振幅値Rと平滑化振幅値Sとの差Dが明確に視認され得て、両振幅値の差Dの大きさと、その差が生じている二次元図表上の第1軸方向の位置との関係に基づいて、外的要因によって血圧測定値に大きな誤差が生じているか否か、すなわち測定状態の適否が容易に判断され得る。
【0028】
また、この表示形式によれば、平滑化処理によって採取された振幅値Rから変化させられた部分は線が二つ表示されるが、変化させられていない部分は一つの線のみが表示されるため、図4の場合と同様に両振幅値の差Dの大きさが容易に視認される。
【0029】
図6に示す表示形式においては、両振幅値列R,Sを縦棒で表すと共に、平滑化振幅値Sと採取振幅値Rとの差に相当する面積Aと縦棒の他の部分とが異なる色等(例えば、淡色と濃色、或いは異なる模様等)で表示されている。このようにしても、二次元図表上において採取振幅値Rと平滑化振幅値Sとの差Dが明確に視認され得て、両振幅値の差Dの大きさと、その差Dが生じている二次元図表上の第1軸方向の位置との関係に基づいて、外的要因によって血圧測定値に大きな誤差が生じているか否か、すなわち測定状態の適否が容易に判断され得る。
【0030】
図7に示す表示形式においては、一方(図においては平滑化振幅値列S)が折れ線で示されると共に、他方(図においては採取振幅値列R)が縦棒で表示されている。このようにしても、二次元図表上において折れ線の位置よりも低い縦棒或いは折れ線の位置よりも高い縦棒の存在と、その高低の差の大きさにより、採取振幅値Rと平滑化振幅値Sとの差が明確に視認され得て、両振幅値の差Dの大きさと、その差Dが生じている二次元図表上の第1軸方向の位置との関係に基づいて、外的要因によって血圧測定値に大きな誤差が生じているか否か、すなわち測定状態の適否が容易に判断され得る。
【0031】
図8に示す表示形式においては、図4と同様に一方が縦線で、他方が折れ線で示されているが、両振幅値の差Dによって生じる面積Aは表示されていない。このようにしても、上記図7の場合と同様に、二次元図表上において折れ線の位置よりも低い縦線或いは折れ線の位置よりも高い縦線の存在と、その高低の差の大きさにより、採取振幅値Rと平滑化振幅値Sとの差Dが明確に視認され得て、両振幅値の差Dの大きさと、その差が生じている二次元図表上の第1軸方向の位置との関係に基づいて、外的要因によって血圧測定値に大きな誤差が生じているか否か、すなわち測定状態の適否が容易に判断され得る。
【0032】
また、図5乃至図8の表示形式においても、最高血圧値および最低血圧値に対応するカフ圧が、第1軸近傍において▲および△印により表示されているため、測定状態の適否の判断に用いるべきカフ圧の範囲(例えば、前述の実施例のように、最高血圧値に対応するカフ圧から最低血圧値に対応するカフ圧まで)を容易に決定することができる。
【0033】
また、上記図5乃至図8においては、測定状態表示部46は特に示されていないが、図4と同様に設けられていても良いし、反対に設けられていなくとも良い。或いは、自動血圧測定装置に別に設けられた表示器によって測定状態の適否が表示されるようにしても良い。
【0034】
図9は、表示器38による記録紙42の他の表示方法を示すものであり、拍動変化表示部44は設けられず、修正率Cを表示する測定状態表示部46のみが設けられている。また、修正率Cは図4で用いられた横線ではなく、数値で表示されており、その測定状態表示部46の修正率Cを示す数字の下部に、「3以下:ノイズ小」、「3〜6:普通」、「6以上:ノイズ大(再測定要)」が判断の目安として表示されている。このようにしても、外的要因に基づいて血圧測定値に大きな誤差が生じたか否か、すなわち測定状態の適否が容易に判断され得る。
【0035】
また、測定状態の適否は、上記のように修正率Cの値を直接的に表示する他に、例えば、記録紙42等の測定状態表示部46に、修正率Cの大きさに応じて「ノイズ小」或いは「ノイズ大」等が表示されるものでも良い。上記の場合には、図2にフローチャートにおいてステップS10とステップS11との間に、図10に示すように、修正率Cと所定の判断基準値(例えば「普通」および「ノイズ大」にそれぞれ対応する2つの数値3,6)とを比較する比較判定手段に対応するステップS12と、その比較判定手段の判定に従って測定状態表示部46に表示する内容を選択する表示内容選択手段に対応するステップS13とが備えられ、ステップS11においては、修正率に代えて測定状態が表示される。上記ステップS12において、C<3と判定された場合には、ステップS13aに進んでMに「ノイズ小」が記憶され、3≦C<6の場合には、ステップS13bに進んでMに「普通」が記憶され、C≧6の場合には、ステップS13cに進んでMに「ノイズ大」が記憶される。そして、表示制御手段に対応するステップS11において、測定状態として上記Mの内容が出力されるのである。なお、上記の説明においては測定状態が「ノイズ小」等の語句によって表示されているが、語句による表示に代えて、自動血圧測定装置に別に設けられた表示ランプ等を、修正率Cの値に応じて点灯させる等によって表示させても良い。
【0036】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0037】
例えば、前述の実施例においては、心拍同期信号波として脈波が用いられていたが、生体の一部を圧迫するときに動脈から発生する脈音(コロトコフ音)が心拍同期信号波として用いられても良い。
【0038】
また、前述の実施例においては、振幅値Rが予め定められた一定の判定基準範囲を越えるか否かを順次比較し、その振幅値Rが判定基準範囲を越えたときに異常値と判定する異常値判定工程と、その異常値を挟む正常値の間を補間することによりその異常値に替わる値を入れる補間工程とから成るアンプフィルタ処理と、振幅値列Rの内、奇数個の一連の振幅値Ri−2,Ri−1,R,Ri+1,Ri+2を順次選択する選択工程と、その選択工程により選択された奇数個の振幅値中の大きさの中間値Rを、その奇数個の一連の振幅値の中央に位置する振幅値Rと置換する置換工程とから成るメディアン処理とから平滑化工程或いは平滑化手段が構成されていたが、この平滑化工程或いは平滑化手段は様々なものが用いられ得る。例えば、上記アンプフィルタ処理およびメディアン処理の内、一方のみが用いられて、図3に示されるサブルーチンにおいて、ステップSS3およびSS5乃至SS6が省略されたサブルーチンが用いられても良いし、反対にステップSS7乃至SS8が省略されたサブルーチンが用いられても良い。また、ステップSS8に替えて平均値を置換する処理が行われても良い。何れにしても、血圧測定値を決定するに際して何らかの平滑化処理が行われるものであれば、採取振幅値列Rと平滑化振幅値列Sとを一つの二次元図表上に重ねて表示すること、あるいは、修正率Cに基づいて測定状態を表示することによって、測定状態の適否が容易に判断できるという本発明の効果が充分に得られるのである。
【0039】
また、両振幅値列R,Sを表示する表示形式は、図4乃至図8に示されるそれぞれの実施例において、平滑化振幅値列Sと採取振幅値列Rとがそれぞれ反対の形式とされていても良い。また、縦線や縦棒に替えて、何らかの絵や記号(例えば「★」や「*」等)が用いられていても実施例と同様な効果が得られる。また、図4の実施例において、面積Aが塗り潰されないで、折れ線、縦線および縦線の包絡線のみが表示されていても良いし、図5の実施例において、面積Aが塗り潰されていても良い。また、何れの場合にも、面積Aの視認を容易とするための方法としては、全面を黒く塗り潰す他に、斜線や格子等の様々なものが用いられても実施例と同様な効果が得られる。
【0040】
また、図4および図6においては、平滑化振幅値Sが採取振幅値Rより大きい場合も小さい場合も面積Aが同様に塗り潰されているが、平滑化振幅値Sと採取振幅値Rとの大小を示すように異なる斜線を入れるようにしても良い。
【0041】
また、採取振幅値列Rおよび平滑化振幅値列Sの拍動変化表示部44への表示、或いは修正率Cの測定状態表示部46への表示は、何れか一方のみが行われても良い。少なくとも一方が表示されていれば、その表示に基づいて外的要因による血圧測定値の誤差の大きさ、すなわち測定状態の適否が容易に判断され得、本発明の効果が得られるのである。なお、修正率Cが表示されない場合には、図2に示されるフローチャートにおいてステップS8乃至S10は実行されない。
【0042】
また、前述の実施例においては、修正率Cが差の絶対値の和SDと、平滑化振幅値の総和SSとの比 SD/SS として算出されていたが、SDと採取振幅値の総和SRとの比 SD/SR として算出されても良い。また、これらの式において分母・分子が入れ換えられた式で算出されるものでも良い。なお、これらの場合には、測定状態の適否を決定するための目安或いは判断基準値は適宜変更される。
【0043】
また、修正率Cを算出するためのカフ圧の所定の範囲は適宜変更され得る。例えば、採取振幅値Rが存在する全てのカフ圧の範囲、すなわち、全ての振幅値列R,Sに基づいて算出されても良く、反対に、最高血圧値および最低血圧値に対応する振幅値を中心とした比較的狭い2つの範囲とされていても良い。なお、これらの場合にも、測定状態の適否を決定するための目安或いは判断基準値は適宜変更される。
【0044】
また、前述の実施例においては、表示器38によって記録紙42に表示させる場合について説明したが、表示器38として液晶表示盤等の画像表示装置が用いられる場合にも、拍動変化表示部44或いは測定状態表示部46の一方或いは両方が備えられることにより、同様の形式の表示が行われ得る。
【0045】
その他、一々例示はしないが、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された自動血圧測定装置の一例の構成を示す図である。
【図2】図1の自動血圧測定装置の作動を説明するフローチャートである。
【図3】図1の自動血圧測定装置の作動を説明するフローチャートである。
【図4】図2のフローチャートによって表示器に出力される拍動変化(すなわち採取振幅値と平滑化振幅値)と、測定状態の表示形式を説明する図である。
【図5】採取振幅値と平滑化振幅値の他の表示形式を説明する図であって、図4に対応する図である。
【図6】採取振幅値と平滑化振幅値の他の表示形式を説明する図であって、図4に対応する図である。
【図7】採取振幅値と平滑化振幅値の他の表示形式を説明する図であって、図4に対応する図である。
【図8】採取振幅値と平滑化振幅値の他の表示形式を説明する図であって、図4に対応する図である。
【図9】表示器の他の表示形態を説明する図である。
【図10】修正率に代えて測定状態を示す語句を表示させる場合のフローチャートである。
【符号の説明】
28:制御回路(表示制御手段)
38:表示器

Claims (1)

  1. 生体の動脈に対するカフの圧迫強さを変化させるに伴って該動脈から発生する心拍同期信号波を採取し、該心拍同期信号波の振幅値をそれぞれ決定して発生順に連なる振幅値列を作成し、該振幅値列を平滑化した後に、該平滑化された振幅値列の大きさの変化に基づいて血圧値を決定する血圧測定装置であって、
    二次元的に画素が配列された表示面を有する表示器と、
    前記採取された振幅値列と平滑化された振幅値列とを、相互に重ねた状態で、前記表示器の表示面に表示させる表示制御手段と
    を含むことを特徴とする血圧測定装置。
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CN110392548A (zh) * 2017-03-14 2019-10-29 欧姆龙健康医疗事业株式会社 血压数据处理装置、血压数据处理方法以及血压数据处理程序

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