JP4365020B2 - 血圧監視装置におけるグラフ表示方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、連続的な血圧監視が必要な血圧監視装置におけるグラフ表示方法に関し、特に、脈波伝播時間(PWTT)を測定することによって血圧監視を行う血圧監視装置におけるグラフ表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
心電図と末梢の光電脈波等から得られる脈波伝播時間(PWTT)が外部から入力した所定の閾値以上に変化した際に、被験者の上腕部などにカフを巻き付けて非観血血圧測定を行うことによって、連続的に血圧の監視を行なう血圧監視装置としては、本出願人が先に出願した特開平7−313472号公報に開示されており、以下、この種の血圧監視装置について説明する。
【0003】
図5は、血圧監視装置の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、カフ102は被験者の上腕部または指に装着されるように構成され、排気弁103によってその内部が大気に対して開放または閉塞される。
カフ102には、加圧ポンプ104によって空気が供給される。カフ本体には圧力センサ105が取り付けられており、センサ出力がカフ圧検出部106によって検出される。
このカフ圧検出部106の出力は、A/D変換器107によってディジタル信号に変換され、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)101に取り込まれる。
【0004】
時間間隔検出基準点検出部108は、心電図のR波の発生とほぼ同時に大動脈圧がボトム値となるために、心電図R波発生時点を検出するためのものであり、この検出部の出力はA/D変換器9によりディジタル信号に変換されて、CPU101に取り込まれる。
【0005】
一方、光電脈波センサ110は、被験者の例えば指に装着され、末梢血管側の脈波が計測される。このセンサ110の出力は、脈波検出部111に送られることで、被験者の装着部位の脈波が検出される。脈波検出部111の出力は、A/D変換器112によりディジタル信号に変換されて、CPU101に取り込まれる。
【0006】
キー114は、手動操作でカフ102を用いた血圧測定を行なうか、脈波伝播時間変動分閾値△Ts を更新する場合に押される。入力手段113からは、初期入力または変更のための脈波伝播時間変動分閾値△Ts や血圧変動分閾値△BPs が入力される。
【0007】
CPU101は、A/D変換器107,109,112、キー114から与えられた信号に基づいて処理プログラムを実行し、必要な制御信号を排気弁103、加圧ポンプ104などに出力するとともに、処理結果を表示器115に出力する。
このCPU101に接続されるメモリ(ROM)116には、処理プログラムが格納されているとともに、メモリ(RAM)117には処理過程のデータが格納される。
【0008】
つぎに、このように構成される血圧監視装置の動作を図6の流れ図を参照して説明する。
まず、ステップS1において入力手段113から脈波伝播時間変動分閾値△Tsが入力され、メモリ117に書き込まれる。
続いて、ステップS2でキー114の入力が有ったか否かが判定され、キー入力が有れば、ステップS3において排気弁3と加圧ポンプ104がCPU101により制御され、カフ102を用いて被験者の血圧測定が行なわれる。
このとき、A/D変換器107から取り込まれたデータがCPU101の内部で処理され、オシロメトリック法で測定された血圧値BP1 がメモリ117に書き込まれる。
続いて、ステップS4でA/D変換器109,112からCPU1に取り込まれたデータに基づき、心電図のR波の発生とほぼ同時に大動脈圧がボトム値となる時点から末梢血管側で脈波がボトム値となるまでの時間に相当する脈波伝播時間T1が測定され、メモリ117に書き込まれる。続いて、ステップS5で先に測定した血圧値BP1 が表示器115に表示され、ステップS2に戻る。
【0009】
ステップS2では、再びキー入力の有無が判定され、キー入力がなければ、ステップS6においてA/D変換器109,112からのデータに基づき、脈波伝播時間T2 が測定されて、その値がメモリ117に書き込まれる。続いて、ステップS7では、先に測定された脈波伝播時間T1 のデータがあるか否かが判定され、データがあれば、ステップS8においてT1 ,T2 を用いて次式に基づき脈波伝播時間変動分△Tが算出される。
△T=|T2 −T1 |
続いて、ステップS9においてステップS8で求めた脈波伝播時間変動分△Tが予め入力されている脈波伝播時間変動分閾値△Ts を超えているか否か、すなわち△T>△Ts の式を満たすか否かが判定され、△T>△Ts でなければ、ステップS2に戻り一連の処理が再び繰り返される。
【0010】
一方、ステップS9において△T>△Ts を満たすと判定された場合は、被験者の血圧変動にショックなどによる急変があったとみなされ、ステップS3に処理が移行する。ステップS3では、被験者の血圧変動の急変に対応するために、カフ102を用いた血圧測定が行なわれ、測定値BP1 がメモリ117に書き込まれる。続いて、ステップS4において再びA/D変換器109,112からのデータに基づき脈波伝播時間T1 が測定され、メモリ117に書き込まれる。ステップS5では、ステップS3で測定した血圧値BP1 が表示器115に表示され、その後ステップS2に戻る。
【0011】
さらに、本出願人が先に出願した特開平9−122087号公報には、循環動態変動分が閾値を超えるか否かを判定することで、カフによる血圧測定を起動する血圧監視装置が開示されている。
【0012】
また、従来の血圧監視装置において、脈波伝播時間(PWTT)やその他の情報を演算処理し、推定血圧値として表示する方法があり、例えば、特開平11−318841号公報に開示されている。
以下、上記公報に開示されている表示方法におけるトレンドグラフは、図7に示すように、推定血圧値EBPのトレンドグラフ201、心拍周期RRのトレンドグラフ202および脈波面積VRのトレンドグラフ203が同一の時間軸上に表示され、そのグラフの左端には、逐次算出される推定血圧値EBP、心拍周期RRおよび脈波面積VRと対比できるようにするために、前回の血圧測定時における推定血圧値EBP、心拍周期RRおよび脈波面積VRを示す推定血圧値基準マーク204、心拍周期RR基準マーク205および脈波面積VRの基準マーク206が表示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の血圧監視装置におけるグラフの表示方法では、間欠的な血圧測定の間に実際の血圧の変化がわからず、必要な治療処置が遅れる場合があった。
また、外部から入力した循環動態関連情報の閾値が、現在の被験者の状態に対して、妥当な値であったか否かの判断がしにくいものであった。
【0014】
また、特開平11−318841号公報の場合は、脈波伝播時間(PWTT)やその他の情報を演算処理した値を推定血圧値として表示しているが、実際の血圧値と異なる場合があるため、この表示を見た医療従事者が、実際の血圧値と誤認する恐れがあった。
【0015】
また、上腕部に装着したカフによって、血管を圧迫しているときは、同じ手の末梢部に脈拍が伝わらないため、指などの末梢部に光電脈波センサを装着して検出された測定値は信頼性に欠けるものであり、従来の表示方法はこの点に関し、考慮されていなかった。
上記のカフと光電脈波センサとを装着する手が、左手とするか、右手とするかは、適宜、医療従事者が被験者の状態等を考慮して決めるため、同じ手にカフと光電脈波センサとを装着する場合における測定値の信頼性の確保は必要不可欠である。
【0016】
本発明は、前記従来の技術の問題点に鑑みなされたものであって、間欠的な血圧測定の間の血圧の急変を捉えることができ、適切な循環動態関連情報の閾値の設定ができ、実際の血圧値と誤認する恐れがなく、迅速かつ的確な判断ができる血圧監視装置においてグラフ表示方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、カフを用いて生体の血圧値を測定する血圧測定手段と、生体の循環動態関連情報を逐次決定する循環動態関連情報決定手段と、該循環動態関連情報が所定閾値以上変動したことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる血圧測定起動手段と、を有する血圧監視装置において、前記血圧測定手段により測定された血圧値の大小を示す方向と、前記循環動態関連情報の変化の大小を示す方向とを逆向きとすることにより、該血圧値の変化のトレンドと、該循環動態関連情報の変化のトレンドとを、同方向に動くようにグラフ表示する。
これにより、血圧値と逆方向に変化する関係にある循環動態関連情報の変化と血圧値の変化とを、簡単かつ分かりやすく対応させて見ることができる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
また、請求項2記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、前記血圧値および/または前記循環動態関連情報の数値を、対数表示することにより、前記血圧値の変化のトレンドと、前記循環動態関連情報の変化のトレンドとを、同方向に動くようにグラフ表示し、かつ、前記血圧値の変化のトレンドの変化量と、前記循環動態関連情報の変化のトレンドの変化量とを、所定の量以内でグラフ表示する。
これにより、血圧値の変化量と循環動態関連情報の変化量が大きく異なる場合においても、循環動態関連情報の変化と血圧値の変化とを1つのグラフ内に表現でき、簡単かつ分かりやすく対応させて見ることができる。
【0022】
請求項3記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、前記血圧測定手段により測定した血圧値を表示する位置に重ねて、前記所定閾値の範囲を表示する。
これにより、設定した閾値に対する血圧値の変化を対比させることが容易にできる。
【0023】
請求項4記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、前記血圧監視装置が、前記所定閾値を入力または変更するための設定部を有し、該設定部により入力または変更した所定閾値に対応して、該所定閾値の範囲を表示する。
これにより、適正な閾値を設定し、表示することができる。
【0024】
請求項5記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、前記循環動態関連情報が、脈波伝播時間に関する情報である。
これにより、脈波伝播時間の変化と血圧値の変化とを、簡単かつ分かりやすく対応させて見ることができる。
【0025】
請求項6記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、前記循環動態関連情報が所定閾値を越えたことによって血圧測定起動手段を起動して測定した血圧値と、一定時間毎に測定した血圧値と、を区別して表示する。
これにより、所定閾値を越えたか否かの区別が分かりやすくなり、患者に対する治療処置を適切にできるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る血圧監視装置におけるグラフ表示方法の実施の形態の一例を挙げ、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施の形態に係る血圧監視装置におけるグラフ表示方法の血圧監視装置の概略構成について説明する。
図1は血圧監視装置の構成を説明するための概略図である。図1に示すように、血圧監視装置10は、カフを用いて生体の血圧値を測定する血圧測定手段11、生体の血圧値の変動に関連して変動する生体の循環動態関連情報を逐次決定する循環動態関連情報決定手段12、循環動態関連情報が所定閾値以上変動したことに基づいて血圧測定手段による血圧測定を起動させる血圧測定起動手段13を有している。
そして、血圧測定手段11によって測定した血圧値16と、循環動態関連情報決定手段12によって得られた循環動態関連情報15とが、CRTモニタなどの表示手段18の画面にグラフ表示される。
その具体的な構成は、例えば、本出願人が先に出願した特開平9−122087号公報に開示された構成(図5参照)を一例として挙げることができる。
【0027】
次に、循環動態関連情報の一例として、脈波伝播時間(PWTT)を測定する場合の血圧監視装置におけるグラフ表示方法において、まず血圧値と脈波伝播時間(PWTT)との測定方法を説明する。図2は、血圧値と脈波伝播時間(PWTT)との測定方法を説明する模式図である。
これらの測定は図2に示すように、血圧値の測定は、被験者の上腕部に巻いたカフ21を用いることによって行われる。測定の詳細は前述の特開平7−313472号公報の説明の通りである。
一方、光電脈波センサ22は、カフ21が上腕部に巻かれた方の腕の指に装着され、末梢血管側の脈波が計測される。光電脈波センサ22の出力信号の処理方法も前述の特開平7−313472号公報の説明の通りである。
【0028】
次に、測定の手順を説明する。図3は血圧測定時のカフ圧の変化を示した波形図である。図3に示すように、待機期間である期間Aから期間Bに入る時点で、カフ圧が加えられ、徐々にカフ圧を減圧し、血圧測定が完了した時点でカフ圧を急激に減衰させる(期間C)。そして、次の測定の待機期間である期間Dとなる。
この間、つまり、血圧測定手段11によって血圧測定を行っている期間(期間B)中は、脈波伝播時間(PWTT)を測定しないこととする。そして、カフ圧の加わっていない期間AおよびDの期間中に、光電脈波センサ22によって脈波伝播時間(PWTT)を測定する。
【0029】
実測時の上記期間Bは約30秒〜90秒であり、期間Cはカフ圧の減圧割合により変化するが、期間Bに比べるとわずかである。
また、上記の脈波伝播時間(PWTT)は、毎心拍ごとに算出してもよく、あるいは所定時間ごとに移動平均を決定してもよい。
【0030】
次に、上記の測定で得られた測定値の表示方法について、具体的な表示例を図に示して説明する。
図4は、血圧値と脈波伝播時間(PWTT)とを表示したグラフであり、脈波伝播時間(PWTT)の閾値を縦棒で表示した例(表示例)である。
【0031】
この表示例は、図4に示すように、横軸が測定時刻、縦軸が測定値であり、測定された時刻上に血圧値と、脈波伝播時間(PWTT)とがそれぞれプロットされている。そして、血圧値の目盛り(グラフの左端)は、上方の数値(mmHg)が大きくなるように設定されているが、脈波伝播時間(PWTT)の目盛(グラフの右端)は、上方の数値(mS)が小さくなるように設定されており、数値の大小を示す方向が逆向きとなっている。
【0032】
図4に示す表示例は、一定時間ごとに測定された血圧値の最高血圧を記号1(塗りつぶした四角)で表示し、最小血圧は記号2(塗りつぶした三角)で表示する。これに対して、血圧測定起動手段によって起動されて測定された血圧値は、一定時間ごとに測定された血圧値と区別できるように、最高血圧を記号3(中抜きした四角)で表示し、最小血圧は記号4(中抜きした三角)で表示する。なお、区別できるような表示であれば、他の表示記号を用いたり、カラー表示であれば表示色を変えるなどしても良い。このように、脈波伝播時間(PWTT)が所定閾値を越えたことによって血圧測定起動手段を起動して測定した血圧値と、一定時間毎に測定した血圧値と、を区別して表示する。
また、脈波伝播時間(PWTT)は、上述の測定方法で述べたように、カフ圧の加わっていない期間に測定するので、血圧値の表示の間にほぼ連続した曲線で表示する。脈波伝播時間(PWTT)の閾値の範囲は、血圧値を表示する位置に重ねて縦棒で表示する。
【0033】
上述の表示例に示すとおり、本実施の形態は、血圧測定手段により測定された血圧値の変化のトレンドと、脈波伝播時間(PWTT)の変化のトレンドとをグラフ表示し、血圧値の大小を示す方向と、脈波伝播時間(PWTT)の大小を示す方向とを逆向きとすることにより、血圧値の変化のトレンドと、脈波伝播時間(PWTT)の変化のトレンドとを、同方向に動くようにグラフ表示している。なお、脈波伝播時間(PWTT)の逆数値を用いることにより、上記のように逆向きとすることもできる。
【0034】
さらに、このようなグラフ表示において、脈波伝播時間(PWTT)の変化の表示幅が、血圧値の変化の表示幅と大きく異なり、同一のグラフ上に表現できないか、あるいは変化の対比がわかりにくい場合には、血圧値および/または脈波伝播時間(PWTT)を対数表示にすることにより、両者の変化の表示幅を同程度の表示幅にしても良い。
【0035】
上述のように、本実施の形態は、血圧測定手段により測定した血圧値を表示する位置に重ねて、所定閾値の範囲を表示しているが、この所定閾値を入力または変更するための設定部を、血圧監視装置に設けるようにしても良い。
【0036】
以上の表示例においては、循環動態関連情報が、脈波伝播時間(PWTT)に関する情報である場合を説明したが、本発明に係る血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、循環動態関連情報が脈波伝播速度でも同様に表示でき、さらに、脈波振幅、脈波面積、脈拍、心拍等の他の循環動態関連情報においても、同様にして表示することができるものである。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、カフを用いて生体の血圧値を測定する血圧測定手段と、生体の循環動態関連情報を逐次決定する循環動態関連情報決定手段と、該循環動態関連情報が所定閾値以上変動したことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる血圧測定起動手段と、を有する血圧監視装置において、前記血圧測定手段により測定された血圧値の大小を示す方向と、前記循環動態関連情報の変化の大小を示す方向とを逆向きとすることにより、血圧値の変化のトレンドと、循環動態関連情報の変化のトレンドとを、同方向に動くようにグラフ表示することができ、血圧値と逆方向に変化する関係にある循環動態関連情報の変化と血圧値の変化とを、簡単かつ分かりやすく対応させて見ることができ、迅速かつ的確な判断ができる表示方法を提供できるものである。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
請求項2記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、血圧値および/または循環動態関連情報の数値を、対数表示することにより、血圧値の変化のトレンドと、循環動態関連情報の変化のトレンドとを、同方向に動くようにグラフ表示し、かつ、血圧値の変化のトレンドの変化量と、循環動態関連情報の変化のトレンドの変化量とを、所定の量以内でグラフ表示することができ、血圧値の変化量と循環動態関連情報の変化量が大きく異なる場合においても、循環動態関連情報の変化と血圧値の変化とを1つのグラフ内に表現でき、簡単かつ分かりやすく対応させて見ることができる。
【0042】
請求項3記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、血圧測定手段により測定した血圧値を表示する位置に重ねて、所定閾値の範囲を表示することにより、設定した閾値に対する血圧値の変化を対比させることが容易にできる表示方法を提供できるものである。
【0043】
請求項4記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、血圧監視装置が、所定閾値を入力または変更するための設定部を有し、設定部により入力または変更した所定閾値に対応して、所定閾値の範囲を表示することにより、適正な閾値を設定し、表示することが可能な表示方法を提供できるものである。
【0044】
請求項5記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、循環動態関連情報が、脈波伝播時間(PWTT)に関する情報であることにより、脈波伝播時間(PWTT)の変化と血圧値の変化とを、簡単かつ分かりやすく対応させて見ることができる表示方法を提供できるものである。
【0045】
請求項6記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法は、循環動態関連情報が所定閾値を越えたことによって血圧測定起動手段を起動して測定した血圧値と、一定時間毎に測定した血圧値と、を区別して表示することにより、所定閾値を越えたか否かの区別が分かりやすくなり、患者に対する治療処置を適切にできる表示方法を提供できるものである。
【0046】
よって、以上詳述したように、本発明に係る血圧監視装置におけるグラフ表示方法によれば、間欠的な血圧測定の間の血圧変化を捉えることができ、遅れることなく患者に対して必要な治療処置を行うことができるようになる。
また、閾値と血圧変化の対応が容易に確認できるため、より適切な閾値の設定が可能になる。
また、循環動態関連情報から演算処理して得る推定血圧値の表示ではないため、実際の血圧の変化と誤認される恐れがない。
また、血管作動薬等の投薬時には、血圧の変化と循環動態関連情報との変化が通常の変化と異なることがあるが、本発明に係る血圧監視装置におけるグラフ表示方法を使用して、このような投薬効果の確認を容易にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 血圧監視装置の構成を説明するための概略図である。
【図2】 血圧値と脈波伝播時間(PWTT)とを測定方法を説明する模式図である。
【図3】 血圧測定時のカフ圧の変化を示した波形図である。
【図4】 本発明に係る血圧監視装置におけるグラフ表示方法による血圧値と脈波伝播時間(PWTT)とを表示した表示例である。
【図5】 特開平7−313472号公報の血圧監視装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 特開平7−313472号公報の血圧監視装置の動作を説明するための流れ図である。
【図7】 血圧監視装置における従来のグラフ表示方法である。
【符号の説明】
10 血圧監視装置
11 血圧測定手段
12 循環動態関連情報決定手段
13 血圧測定起動手段
16 血圧値
15 循環動態関連情報
18 表示手段
21 カフ
22 光電脈波センサ
Claims (6)
- カフを用いて生体の血圧値を測定する血圧測定手段と、
生体の循環動態関連情報を逐次決定する循環動態関連情報決定手段と、
該循環動態関連情報が所定閾値以上変動したことに基づいて前記血圧測定手段による血圧測定を起動させる血圧測定起動手段と、を有する血圧監視装置において、
前記血圧測定手段により測定された血圧値の大小を示す方向と、前記循環動態関連情報の大小を示す方向とを逆向きとすることにより、該血圧値の変化のトレンドと、該循環動態関連情報の変化のトレンドとを、同方向に動くようにグラフ表示することを特徴とするグラフ表示方法。 - 請求項1に記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法において、
前記血圧値および/または前記循環動態関連情報の数値を、対数表示することにより、
前記血圧値の変化のトレンドと、前記循環動態関連情報の変化のトレンドとを、同方向に動くようにグラフ表示し、かつ、前記血圧値の変化のトレンドの変化量と、前記循環動態関連情報の変化のトレンドの変化量とを、所定の量以内でグラフ表示することを特徴とするグラフ表示方法。 - 請求項1又は2に記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法において、
前記血圧測定手段により測定した血圧値を表示する位置に重ねて、前記所定閾値の範囲を表示することを特徴とするグラフ表示方法。 - 請求項3に記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法において、
前記血圧監視装置が、前記所定閾値を入力または変更するための設定部を有し、
該設定部により入力または変更した所定閾値に対応して、該所定閾値の範囲を表示することを特徴とするグラフ表示方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法において、
前記循環動態関連情報が、脈波伝播時間に関する情報であることを特徴とするグラフ表示方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の血圧監視装置におけるグラフ表示方法において、
前記循環動態関連情報が所定閾値を越えたことによって血圧測定起動手段を起動して測定した血圧値と、一定時間毎に測定した血圧値と、を区別して表示することを特徴とするグラフ表示方法。
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