JP2007111119A - 電子血圧計 - Google Patents

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Abstract

【課題】血圧測定の際に被測定者の測定条件を判定することのできる電子血圧計を提供すること。
【解決手段】電子血圧計において、複数種類の測定条件のうち、血圧測定の際の測定条件を特定するための測定条件特定情報、たとえば時間情報の入力が受け付けられる(ステップS4A)。そして、入力された測定条件特定情報に基づいて、血圧測定の際の被測定者の測定条件が少なくとも1つ判定される(ステップS6A)。このようにして判定された測定条件に対応付けて、算出された血圧値が記録される(ステップS18)。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子血圧計に関し、特に、家庭内での使用が可能な電子血圧計に関する。
近年、セルフメディケーションの広がりに伴ない、家庭内で血圧を測定可能な血圧計が急速に普及している。これらの家庭用血圧計は、たとえば、一回の測定値がある一定の値を超えたときにブザーや表示器でユーザに報知する機能や、異なる時間に測定された血圧値を記録・表示する機能を備えている。
血圧は、循環器疾患を解析する指標の一つである。血圧に基づくリスク解析は、たとえば脳卒中や心不全や心筋梗塞などの心血管系の疾患の予防に有効である。特に、早朝に血圧が上昇する早朝高血圧は、心臓病や脳卒中などに関係している。さらに、早朝高血圧の中でも、モーニングサージと呼ばれる起床後1時間から1時間半ぐらいの間に急激に血圧が上昇する症状は、脳卒中との因果関係があることが判明している(非特許文献1参照)。このことから、時間(生活習慣)と血圧変化との相互関係の把握が、心血管系の疾患のリスク解析に有用であるといえる。
そこで、時間(生活習慣)と血圧変化との相互関係に基づいて、心血管系の疾患のリスク解析を行なうことのできる血圧計が提案されている(特許文献1参照)。この文献では、測定された血圧値と測定時の時刻情報や条件情報とが対応づけて記憶される。そして、たとえば、朝時間帯および夕方時間帯など特定の時間帯に測定された血圧値の平均値がそれぞれ算出され、その算出結果に基づいてリスク値が算出され表示されることが開示されている。
特開2004−261452号公報 苅尾七臣,「早朝高血圧と脳血管障害のリスクについて」,「血圧(Journal Of Blood Pressure)11月号」,株式会社先端医学社,2002年11月1日,vol.9,no.11,p.94−97
しかしながら、特許文献1において、血圧値と対応付けられて記憶される時刻情報は、血圧計に搭載された時計機能より得られる時刻であり、測定された血圧値は時刻に基づいて自動で分類され、格納される。そのため、特に、シフトワーカなどの通常の人と生活サイクルの異なる被測定者にとっては、測定値に対する起床後・就寝前などの条件付けが無意味なものとなってしまう可能性がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、血圧測定の際に、被測定者の測定条件を判定することのできる電子血圧計を提供することである。また、これにより、信頼性の高い評価量(リスク値)を算出可能とすることを目的とする。
この発明のある局面に従う電子血圧計は、血圧測定部位に装着可能なカフと、カフに加える圧力を調整するための加圧・減圧手段と、カフ内の圧力を検出するための圧力検出手段と、圧力検出手段で得られた信号より血圧を算出するための血圧算出手段と、算出された血圧のデータを記憶するための記憶手段と、血圧測定の際の複数種類の測定条件のうち、血圧測定の際の測定条件を特定するための測定条件特定情報に基づいて、少なくとも1つの対応する測定条件を判定するための判定手段とを備える。
ここで「測定条件」とは、血圧測定の際の被測定者の身体の状態を表わす条件であり、たとえば、起床後、就寝前、運動前、運動後、食事前、食事後、薬投与前、薬投与後、通常状態などをいう。
好ましくは、時刻を計測するための計時手段と、測定条件特定情報として、時間情報の入力を被測定者より受け付けるための入力手段とをさらに備え、記憶手段には、さらに、入力された時間情報と測定条件の情報とが対応付けられて記憶され、判定手段は、計時手段から出力される時刻データと記憶手段に記憶された時間情報とに基づき、血圧測定の際の測定条件を判定し、判定手段により判定された測定条件を、血圧測定毎に、血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて記憶手段に格納するためのデータ格納手段をさらに備える。
好ましくは、判定手段は、時刻データと時間情報とに基づいて、記憶手段に記憶された測定条件の情報を検索することで、測定条件を判定する。
好ましくは、記憶手段には、測定条件ごとに記憶領域が設けられ、データ格納手段は、測定条件の情報に対応の記憶領域に、血圧データを格納する。
好ましくは、複数種類の測定条件は、起床後および就寝前のいずれかの血圧測定であることを示す測定条件を含む。
好ましくは、時刻を計測するための計時手段と、計時手段から出力される時刻データを、血圧測定毎に、血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて記憶手段に格納するためのデータ格納手段と、測定条件特定情報として、時間情報の入力を被測定者より受け付けるための入力手段とをさらに備え、判定手段は、入力された時間情報と、記憶手段に血圧データと関連付けられた時刻データとに基づき、血圧測定の際の測定条件を判定する。
好ましくは、複数種類の測定条件は、それぞれ、時間、曜日、日、週、月、季節および年などの「時期」に対応し、時間情報は、時期の情報である。
好ましくは、複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、時間情報は、期間の始期の情報および終期の情報である。
また、複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、時間情報は、期間の始期または終期の情報と期間幅の情報とであってもよい。
また、複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、期間の期間幅は予め定められており、時間情報は、期間の始期または終期の情報であってもよい。
好ましくは、測定条件特定情報として、音声情報の入力を受け付けるための入力手段をさらに備え、判定手段は、入力された音声情報の認識処理を行ない、認識した音声情報に対応する測定条件の情報を検索することで、血圧測定の際の測定条件を判定し、判定手段により判定された測定条件を、血圧測定毎に、血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて記憶手段に格納するためのデータ格納手段をさらに備える。
好ましくは、外部からの指示を受け付けるために操作される少なくとも1つの操作部と兼用され、かつ、測定条件特定情報として、操作部の操作順序の情報、操作回数の情報および操作間隔の情報のうち少なくとも1つの操作情報の入力を受け付けるための入力手段とをさらに備え、判定手段は、入力される操作情報と予め対応付けられた測定条件の情報を検索することで、血圧測定の際の測定条件を判定し、判定手段により判定された測定条件を、血圧測定毎に、血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて記憶手段に格納するためのデータ格納手段をさらに備える。
好ましくは、光量または圧力量を検出するための検出手段と、測定条件特定情報として、検出手段からの検出量の入力を受け付けるための入力手段とをさらに備え、判定手段は、入力される検出量と予め定められた閾値とを比較して、血圧測定の際の測定条件を判定し、判定手段により判定された測定条件を、血圧測定毎に、血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて記憶手段に格納するためのデータ格納手段とをさらに備える。
好ましくは、血圧測定前に、入力手段からの測定条件特定情報の入力を受け付ける。「血圧測定前」とは、少なくとも血圧の算出が行なわれる前である。
好ましくは、血圧測定後に、入力手段からの測定条件特定情報の入力を受け付ける。「血圧測定後」とは、少なくとも血圧の算出が行なわれた後である。
好ましくは、血圧測定後に、入力するか否かを選択するための選択手段をさらに備え、選択手段によって入力することが選択された場合に、入力手段からの測定条件特定情報の入力を受け付ける。
また、好ましくは、記憶手段に記憶された血圧データのうち、同一の測定条件に対応する少なくとも1つの血圧データを含む第1の血圧データ群と、同一の測定条件とは異なる測定条件に対応する少なくとも1つの血圧データを含む第2の血圧データ群との相互関係に基づく評価量を算出するための評価量算出手段をさらに備える。
また、好ましくは、記憶手段に記憶された血圧データのうち、同一の測定条件に対応する少なくとも1つの血圧データを含む血圧データ群についての評価量を算出するための評価量算出手段をさらに備える。
また、好ましくは、血圧算出手段による血圧算出結果および/または評価量算出手段による評価量算出結果を表示するための表示手段とを備える。
本発明によると、血圧測定の際に、被測定者の測定条件を判定することができる。これにより、測定された血圧データに対し適切な条件付けを行なうことが可能となる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
(構成について)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電子血圧計100の概観図である。図1を参照して本実施の形態に係る電子血圧計100は、血圧計本体1Aと、被測定者の血圧測定部位に装着されて空気圧により加圧するためのカフ2と、血圧計本体1Aとカフ2とを接続するエア管3とを備える。
血圧計本体1Aは、被測定者が表示内容を確認可能なように設けられた表示部4および、被測定者が外部から操作可能なように設けられた電源スイッチ5,測定スイッチ6,メモリスイッチ7を有する。
電源スイッチ5は、血圧計本体1Aの電源をON/OFFするために操作される。測定スイッチ6は、血圧測定の開始を指示するために操作される。メモリスイッチ7は、記憶されている血圧データを呼び出すために操作される。
図2には血圧計本体1Aの内部構成が示される。図2を参照して、血圧計本体1Aは、カフ2に内蔵されている空気袋21内の圧力(以下「カフ圧」という)により容量が変化する圧力センサ14、圧力センサ14の容量値に応じた発振周波数の信号をCPU(Central Processing Unit)20Aに出力する発振回路15、カフ圧のレベルを調整するためのポンプ16および弁18、ポンプ16を駆動するポンプ駆動回路17、弁18の開閉度合を調整するための弁駆動回路19、各部を集中的に制御および監視するためのCPU20A、表示部4、各種データおよびプログラムが格納されるメモリ12、操作部210、計時動作して計時データを出力するタイマ13、ブザー24および、電力を供給するための電源部25を備える。空気袋21と圧力センサ14、ポンプ16および弁18とはエア管3を介して接続される。CPU20Aは、発振回路15から得られる信号を圧力信号に変換し圧力を検知する。
操作部210は、図1に示した電源スイッチ5、測定スイッチ6およびメモリスイッチ7を含む。
上述した構成において、血圧測定に際しては、CPU20Aは、発振回路15からの信号に基づき検知した圧力データについて所定のアルゴリズムを適用して、血圧値すなわち最高血圧・最低血圧を算出するとともに、脈拍数を算出する。このような測定の手順は従来から提供される周知の手順を適用できるから、ここではその詳細説明は略す。
本実施の形態において、CPU20Aは、測定条件特定情報に基づいて、血圧測定の際の測定条件を判定する機能を有する。また、判定された測定条件ごとにあるいは1以上の所定の測定条件に対応する血圧に関する評価量を算出する機能を有することが望ましい。評価量の算出方法については、後述する。
「測定条件特定情報」とは、血圧測定の際の測定条件を特定するための情報であり、血圧測定の際の属性と判定基準情報とを含む。「属性」とは、血圧測定とともに取得される情報をいい、たとえば、計測される時刻データ、外部より入力される音声データ、センサ等からの検出量などをいう。「判定基準情報」とは、血圧測定の際の測定条件を判定するための基準となる情報をいい、属性と測定条件との対応関係を規定するための情報をいう。この判定基準情報は、血圧測定の際に被測定者から入力されてもよいし、出荷時にたとえばメモリ12に書換え不能なデータとして予め定められていてもよい。また、事後的に、被測定者が設定して記憶されるものでもよい。
実施の形態1において、判定基準情報は、たとえば測定条件を特定するための「時期」や「期間」などの時間情報である。なお、ここでの「時期」とは、時間、曜日、日、週、月、季節、年などをいう。「期間」とは、ある時期からある時期までの間をいい、たとえば、時間帯(たとえば7時〜9時)などのことをいう。
実施の形態1においては、測定条件が、起床後時間帯、就寝前時間帯および通常時間帯の3つ存在するものとし、判定基準情報として、これらの測定条件を特定するための時間情報(以下「測定時間情報」という)の入力が受け付けられる。この場合の、メモリ12の具体的な内容例を図3に示す。
図3(A)を参照して、メモリ12には、測定条件の区分すなわち就寝前時間帯、起床後時間帯および通常時間帯のそれぞれについての記憶領域26、27および28が予め設けられている。領域26、27および28それぞれには、測定結果がレコードR単位で格納される。レコードRは、最高血圧を示す最高血圧データSBP、最低血圧を示す最低血圧データDBPおよび脈拍数を示す脈拍数データPLSを含む。なお、これらのデータは、測定毎に対応付けされて各領域に格納されればよく、レコードRを用いた格納形式に限定されるものではない。また、測定時刻(測定開始または終了の時刻)のデータをさらにレコードRに格納してもよい。
図3(B)を参照して、メモリ12には、測定結果と測定条件の情報とが対にして格納される。図3(B)では、血圧値と測定条件の情報とが対応付けられたレコードRi(i=1,2,3,…,n)が、血圧測定毎に格納される。レコードRiには、最高血圧データSBPi、最低血圧データDBPi、脈拍数データPLSi、ならびに測定条件データC1、C2およびC3のいずれかが格納される。測定条件データC1、C2およびC3それぞれは、測定条件の区分すなわち就寝前時間帯、起床後時間帯および通常時間帯のそれぞれに対応する。なお、測定時刻(測定開始または終了の時刻)のデータがさらにレコードRiに格納されてもよい。
以降の説明においては、図3(A)に示すように、測定条件ごとにグループ化され各々のメモリ領域に血圧データが格納されるものとする。
(評価量の算出について)
本発明の実施の形態1においては、上記評価量として、たとえば心血管のリスク値が算出される。心血管のリスク値は、脳卒中、心不全、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作、転倒、失神、めまい、ふらつき、心筋梗塞、狭心症、無症候性心虚血、不整脈、突然死、解離性大動脈瘤、および大動脈瘤破裂などの心血管事故を防止するのに有用とされる。
ここで、このような評価量の算出方法について説明する。
・第1の算出例
第1の算出例では、評価量は、メモリ12に格納された血圧データのうち、同一の測定条件に対応する少なくとも1つの血圧データを含む第1の血圧データグループと、別の測定条件に対応する少なくとも1つの血圧データを含む第2の血圧データグループとの相互関係に基づき算出される。たとえば、まず、第1の血圧データグループに含まれる血圧データのグループ内平均値と、第2の血圧データグループに含まれる血圧データのグループ内平均値とが算出される。そして、算出されたグループ内平均値の平均値および差分値が算出される。なお、算出された平均値および差分値について、それぞれに予め定められた閾値との差がさらに算出されてもよい。
より具体的には、以下のようにして評価量すなわちリスク値が算出される。CPU20Aは、内部のメモリまたはメモリ12に予め格納された心血管のリスク値算出のプログラムに基づきリスク値を算出する。リスク値算出のために、まず、CPU20Aは、メモリ12に格納された血圧データを読出して、図3(A)に示されるような領域26および27のそれぞれごとに、血圧データの平均を算出する処理を行なう。すなわち、同じ測定条件下で測定された血圧データを含む血圧データグループのグループ内平均を、血圧データグループごとに算出する。そして、血圧データグループ内の算出された平均の血圧値を用いてリスク値を算出する。なお、同時に領域28の血圧値の平均値が算出されてもよい。
平均の血圧値の算出は次の式を用いて行なわれる。
起床後測定SBP平均=(起床後測定結果SBP1+起床後測定結果SBP2+・・・+起床後測定結果SBPn)/n(ただし、n=1,2,3,…)
就寝前測定SBP平均=(就寝前測定結果SBP1+就寝前測定結果SBP2+・・・+就寝前測定結果SBPm)/m(ただし、m=1,2,3,…)
また、リスク値算出のために、以下の式に従い算出される、就寝前の時間帯と起床直後の時間帯とに測定した血圧値の平均値(ME平均値)と、両者の差(ME差)とを用いる。
ME差=起床後測定SBP平均−就寝前測定SBP平均
ME平均=(起床後測定SBP平均+就寝前測定SBP平均)/2
本発明にかかる電子血圧計100では、算出したリスク値に従いリスク分析処理を実行することで、就寝前時間帯および起床後時間帯に測ったそれぞれ少なくとも1つの血圧値を含む血圧データ群(就寝前領域26および起床後領域27に含まれるデータ)を得て、各群に含まれる血圧値の平均をそれぞれ算出した後、群どうしの平均値(ME平均値)と差(ME差)という2つの心血管系疾患のリスク値を算出して、そのリスク値を結果として提示(表示)する。なお、このようにME平均値およびME差を提示するだけでなく、さらに、ME平均値およびME差とそれぞれに予め定められた閾値(たとえば135mmHgおよび20mmHg)との差分値をそれぞれ算出して、算出された各差分値を、リスク値として提示してもよい。また、特許文献1の第4図に開示されるような方法で出力させてもよい。
・第2の算出例
第2の算出例では、評価量は、所定の(1つの)測定条件に対応する血圧データグループに基づいて算出される。この場合、評価量として、所定の測定条件に対応する血圧データグループに含まれる血圧データのグループ内平均値が算出される。なお、さらに、算出されたグループ内平均値と予め定められた閾値または予め定められた計算式とに基づいて、評価量が算出されてもよい。
より具体的には、以下のようにして評価量すなわちリスク値が算出される。CPU20Aは、上記と同様に、内部のメモリまたはメモリ12に予め格納された心血管のリスク値算出のプログラムに基づきリスク値を算出する。リスク値算出のために、まず、CPU20Aは、メモリ12に格納された血圧データを読出して、図3(A)に示されるような領域27に格納された血圧データの平均を算出する処理を行なう。すなわち、同じ測定条件下で測定された血圧データを含む血圧データグループのグループ内平均を、所定の測定条件(起床後時間帯)について、算出する。そして、血圧データグループ内の算出された平均の血圧値を用いてリスク値を算出する。
起床後測定SBP平均=(起床後測定結果SBP1+起床後測定結果SBP2+・・・+起床後測定結果SBPn)/n(ただし、n=1,2,3,…)
起床後測定DBP平均=(起床後測定結果DBP1+起床後測定結果DBP2+・・・+起床後測定結果DBPn)/n(ただし、n=1,2,3,…)
第2の算出例では、算出された起床後測定SBP平均および起床後測定DBP平均がリスク値として算出されて、提示される。なお、算出されたそれぞれの平均値とそれぞれに予め定められた閾値との差分値を算出して、算出された各差分値を、リスク値として提示してもよい。ここでの閾値は、たとえば、米国の血圧合同委員会の基準や日本高血圧学会の家庭血圧の高血圧基準に基づき、起床後測定SBP平均についての閾値を135mmHg、起床後測定DBP平均についての閾値を85mmHgと定めることができる。
このように、血圧は種々の要因に影響されてばらつくため、測定条件ごとのあるいは所定の測定条件についての平均値を求めることで、リスク推定の精度が向上する。
なお、本発明の実施の形態1における血圧計100は、上記第1の算出例によりリスク値を算出するものとして以下説明する。
(実施の形態1における電子血圧計の動作)
図4は、本発明の実施の形態1の電子血圧計100におけるCPU20Aが実行するメインルーチンのフローチャートである。図4のフローチャートは、予めプログラムとしてメモリ12に格納されて、CPU20Aにより読出されて実行される。なお、図4に示される処理は、たとえば電源スイッチ5が操作されて、電源部25を介してCPU20Aに電力が供給された場合に開始される処理である。
図4を参照して、はじめに、CPU20Aは、電子血圧計100の初期化処理として、各部を制御して空気袋21内の空気を排気し、圧力センサ14の0mmHg補正を行なう(ステップS(以下「S」と略す)1)。次に、CPU20Aは、たとえばメモリ12内の後述する時間対応テーブルに、測定時間情報が記憶済みか否かを判断する(S2)。記憶済みである場合には(S2でYES)、続いて被測定者から変更の指示があるか否かが判断される(S3)。変更の指示が検知された場合(S3でYES)、S4Aへ進む。変更の指示が検知されなかった場合(S3でNO)、S6Aへ進む。
一方、S2において、測定時間情報が記憶済みでなければ(S2でNO)S4Aへ進む。
なお、S3において、表示部4に現状の測定時間情報を表示して、被測定者に変更の必要性の有無を判断させてもよい。また、時間対応テーブルにデフォルト値を記憶させておき、S2の判断処理を省いてもよい。そうすることで、通常の生活パターンの被測定者であれば、測定時間情報の入力をしなくても、信頼性の高い評価量が算出される。
S4Aにおいて、CPU20Aは、測定条件特定情報に含まれる判定基準情報すなわち測定時間情報の入力を受け付ける。そして、CPU20Aは、入力された測定時間情報をメモリ12の時間対応テーブルに記録・更新する(S5)。
S4Aにおいて、たとえば、測定時間情報入力のための画面が表示部4に表示される。ここで、表示される画面の具体例を図5に示す。
図5(A)は、測定時間情報として少なくとも1つの測定条件の期間(測定時間帯)の始期または終期の入力を受け付ける例を示す図である。表示部4には、たとえば「判定基準入力画面」と表示され、起床時間(たとえば21:00)と就寝時間(たとえば7:00)とを被測定者に入力させるための表示がなされる。ここでは、起床時間が、測定条件:起床後時間帯の始期であり、就寝時間が、測定条件:就寝前時間帯の終期であるものとする。なお、いずれもが始期であってもよいし、いずれもが終期であってもよい。また、この場合、予め時間幅が、起床時間および就寝時間それぞれに定められているか、起床時間および就寝時間に共通に定められているものとする。また、たとえば、測定条件:通常時間帯の始期または終期の入力を受け付けてもよい。
図5(B)は、測定時間情報として少なくとも1つの測定条件の期間の始期および終期の入力を受け付ける例を示す図である。表示部4には、同様に「判定基準入力画面」と表示され、起床後時間帯の始期(たとえば21:00)と終期(たとえば22:00)および、就寝前時間帯の始期(たとえば5:30)と終期(たとえば7:00)とを被測定者に入力させるための表示がなされる。
図5(C)は、測定時間情報として少なくとも1つの測定条件の期間の始期または終期と時間幅(期間幅)との入力を受け付ける例を示す図である。表示部4には、同様に「判定基準入力画面」と表示され、起床時間(たとえば21:00)および就寝時間(たとえば7:00)と、それぞれの時間幅(たとえば1:00,1:30)とを被測定者に入力させるための表示がなされる。この場合も、起床時間が、測定条件:起床後時間帯の始期であり、就寝時間が、測定条件:就寝前時間帯の終期であるものとする。なお、いずれもが始期であってもよいし、いずれもが終期であってもよい。
本実施の形態において、各時間の入力には、操作部210に含まれる1または2以上のスイッチが用いられるものとする。たとえばメモリスイッチ7が押される度に時間が1分単位で切り替わり、電源スイッチ5が押されたときに表示されている時間が、入力された時間として決定されてもよい。なお、図示しない時刻設定用のスイッチが設けられて、これによって各時間の入力がなされてもよい。また、測定時間情報入力の際に表示される画面は、図5に示されるような形態に限らない。
次に、S5の処理によって、測定時間情報が格納された時間対応テーブルの内容例を図6に示す。図6(A)は時間対応テーブルの第1の内容例である。第1の例では、メモリ12の時間対応テーブルには、測定条件:起床後時間帯および就寝前時間帯の各々と対に、時間データ91と時間幅データ92とが対応付けられて格納されている。時間幅データ92は、被測定者により入力された時間幅のデータであってもよいし、予め定められた時間幅のデータであってもよい。なお、測定条件:通常時間帯についても同様のデータが算出されて格納されてもよい。
図6(B)は時間対応テーブルの第2の内容例である。第2の例では、メモリ12の時間対応テーブルには、測定条件:起床後時間帯および就寝前時間帯の各々と対に、時間帯データ93が格納されている。なお、測定条件:通常時間帯についても、起床後時間帯および就寝前時間帯以外の時間帯のデータが同様に格納されてもよい。
なお、本実施の形態では、時間対応テーブルにおいて測定条件と測定時間情報とが対応付けられたが、記憶形態は、このようなテーブル形式に限らない。
ところで、評価量(リスク値)が上述の第2の算出例により算出される場合には、起床後時間帯とそれ以外の時間帯とが区別できればよいので、たとえば起床後時間帯の始期(起床時間)のみの入力や起床後時間帯の始期(起床時間)と時間幅との入力のみを受け付けてメモリ12に記録・更新してもよい。
再び図4を参照して、S6Aにおいて、CPU20Aは、タイマ13から出力される計時データを取得して、今回の測定条件の判定を行なう。すなわち、時間対応テーブルを検索して、現在の時刻が、いずれの測定条件すなわち測定時間帯の区分に属するかの判定を行なう。
次に、CPU20Aは、測定スイッチ6が操作されたか否かを判断する(S8)。測定スイッチ6が操作されるまで、S8の判断を繰返す。測定スイッチ6が操作されたことが検知されると、S10に進む。なお、S2〜S6Aの処理とS8の処理とが逆に行なわれてもよい。
S10において、CPU20Aは、各部を制御して、被測定者の最高血圧+40mmHg程度まで加圧する。そして、徐々に空気袋21内の圧力を減圧していく(S12)。この減圧過程において空気袋21内の圧力を圧力センサ14で検出して、CPU20Aは検出された圧力に基づき血圧(最高血圧および最低血圧)値ならびに脈拍数を算出する(S14)。そして、算出された血圧値および脈拍数を表示部4に表示する(S16)。S10〜S14の血圧測定のための処理は従来の電子血圧計のそれと同様である。なお、ここでは血圧測定は減圧過程でするとしているが加圧過程で行なうようにしてよい。
CPU20Aは、血圧算出・表示が終了すると、S6Aで判定された測定条件に対応したメモリ12の領域に、測定結果(血圧値および脈拍数)を格納したあらたなレコードRを登録する(S18)。
その後、CPU20Aは、メモリ12の特定の領域すなわち、領域26および領域27のデータが、リスク値を算出可能な数だけ、たとえばそれぞれ少なくとも1つ以上記録されたか否かを判定し(S20)、記録されていないと判定すると(S20でNO)一連の処理を終了する。一方、特定の領域のデータが、リスク値を算出可能な数だけ記録されたと判定した場合には(S20でYES)、上述した手順に従い、所定の測定条件についての平均値、すなわち、領域26および領域27のデータ群の平均値を算出する(S22)。そして、心血管系疾患のリスク値としてME平均値とME差を算出して(S24)、算出したリスク値を表示部4に表示する(S26)。
以上で、一連の処理は終了される。
このように、本実施の形態では、タイマ13からの時刻データという血圧測定の際の属性と、メモリ12の時間対応テーブルに予め記録された、または入力された測定時間情報とに基づいて、血圧測定時の測定条件が判定される。そして、血圧測定時の属性に替えて、判定された測定条件が、測定結果と対応付けられて記憶される。これにより、被測定者の生活サイクルに応じた、精度の高い評価量の算出が可能となる。
また、被測定者は、一度、測定時間情報の設定を行なうと、2回目以降は測定時間情報の入力をしなくてもよいので、生活サイクルが一定の被測定者にとっての操作の煩わしさを解消することができる。また、2回目以降および変更の必要がない場合には、血圧測定に関する一連の処理の時間を短縮することができる。
なお、本実施の形態においては、メモリスイッチ7が所定のステップ間において操作されると、割り込み処理が行なわれるものとする。割り込み処理では、たとえば、メモリ12内に記憶された測定結果が順に読み出されて表示部4に表示される。また、割り込み処理においても、上記S20〜S26の処理を行なって、リスク値を表示してもよい。
また、本実施の形態においては、血圧測定が行なわれる度に、S20〜S26の処理を行なうこととしたが、S18の処理でメインルーチンを終了して、割り込み処理においてのみ、S20〜S26の処理を行なうこととしてもよい。また、被測定者がたとえば所定のスイッチを押した場合にのみS20〜S26の処理を行なうこととしてもよい。
また、本実施の形態における電子血圧計100にアラーム機能を付加し、設定した起床時間にブザー24が音を発生するようにしてもよい。つまり、CPU20Aは、タイマ13から得られる時刻が被測定者により設定された起床時間になった場合に、ブザー24に制御信号を送信して、アラーム音を発生させてもよい。
[実施の形態1の変形例1]
次に、本発明の実施の形態1の変形例1について説明する。実施の形態1の変形例1に係る電子血圧計の構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでも図1および図2に示した電子血圧計100の符号を用いて説明する。
実施の形態1では、一度測定条件特定情報に含まれる判定基準情報(測定時間情報)が入力されると変更指示があるまでは当該情報の入力を受け付けないものであったが、変形例1においては、測定の度に被測定者から判定基準情報の入力を受け付ける。変形例1においても、判定基準情報として、測定時間情報が入力されるものとする。
以下、変形例1における電子血圧計100の動作について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1の変形例1の電子血圧計100におけるCPU20Aが実行するメインルーチンのフローチャートである。図7のフローチャートは、予めプログラムとしてメモリ12に格納されて、CPU20Aにより読出されて実行される。なお、図4のフローチャートに示される処理と同様の処理については、同じ符号を付し、ここでの説明は繰返さない。
図7を参照して、S1の初期化処理が終わると、CPU20Aは、判定基準情報すなわち測定時間情報の入力を受け付ける(S4A)。変形例1では、S4Aにおいて、CPU20Aは、受け付けた測定時間情報を内部メモリに一時的に記録する。そして、S4Aの処理が終わると、上記したS6A〜S26の処理が順次行なわれて、一連の処理は終了される。なお、変形例1においては、S6Aにおいて、タイマ13から出力される時刻データとS4Aで入力された測定時間情報とに基づき、今回の測定条件が判定される。
このように、実施の形態1の変形例1の電子血圧計100は、血圧測定ごとに、判定基準情報の入力を受け付けるため、不規則な生活サイクルの被測定者に対しても、信頼性の高い評価量(リスク値)を提示することができる。
[実施の形態1の変形例2]
次に、本発明の実施の形態1の変形例2について説明する。実施の形態1の変形例2に係る電子血圧計の構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでも図1および図2に示した電子血圧計100の符号を用いて説明する。
実施の形態1およびその変形例1では、血圧測定前に判定基準情報の入力を受け付けたが、変形例2においては、血圧測定後に判定基準情報の入力を受け付ける。なお、変形例2では、変形例1と同様に血圧測定の度に判定基準条件の入力が受け付けられるものとして説明するが、実施の形態1と同様に、はじめて血圧測定を行なう場合および被測定者から測定条件についての変更の指示があった場合にのみ判定基準情報の入力を受け付けることとしてもよい。また、変形例2においても、判定基準情報として、測定時間情報が入力されるものとする。
以下、変形例2における電子血圧計100の動作について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1の変形例2の電子血圧計100におけるCPU20Aが実行するメインルーチンのフローチャートである。図8のフローチャートは、予めプログラムとしてメモリ12に格納されて、CPU20Aにより読出されて実行される。なお、図4のフローチャートに示される処理と同様の処理については、同じ符号を付し、ここでの説明は繰返さない。
図8を参照して、S1の初期化処理が終わると、S8へ進み、測定スイッチ6が操作されたか否かを判断する。その後実施の形態1と同様にS10〜S16までの血圧測定に関する処理を実行する。
S16において血圧値および脈拍数を表示部4に表示した後、CPU20Aは、判定基準情報の入力を受け付ける(S302)。変形例2でも、S4Aにおいて、CPU20Aは、受け付けた測定時間情報を内部メモリに一時的に記録する。そして、今回の測定条件の判定がなされる(S304)。これらのステップS302およびS304の処理は、それぞれ図4のS4AおよびS6Aに相当する処理であるので、ここでの説明は繰返さない。
S304の処理が終わると、実施の形態1と同様にS18〜S26の処理が行なわれて、一連の処理は終了される。
[実施の形態1の変形例3]
次に、本発明の実施の形態1の変形例3について説明する。実施の形態1の変形例3に係る電子血圧計の構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでも図1および図2に示した電子血圧計100の符号を用いて説明する。
実施の形態1およびその変形例1,2では、血圧測定の度に、自動的に測定結果と測定条件とが対応付けられてメモリ12に記録されたが、変形例3においては、被測定者が判定基準情報の入力を行なった場合にのみこれらが対応付けられてメモリ12に記録される。また、変形例3においても、判定基準情報として、測定時間情報が入力されるものとする。
以下、変形例3における電子血圧計100の動作について説明する。
図9は、本発明の実施の形態1の変形例3の電子血圧計100におけるCPU20Aが実行するメインルーチンのフローチャートである。図9のフローチャートは、予めプログラムとしてメモリ12に格納されて、CPU20Aにより読出されて実行される。なお、実施の形態1の変形例2で使用した図8のフローチャートに示される処理と同様の処理については、同じ符号を付し、ここでの説明は繰返さない。
図9を参照して、変形例2と同様に、S1の初期化処理が終わると、S8へ進む。そして、S8において測定スイッチ6が操作されたことを検知すると(S8においてYES)、S10〜S16までの血圧測定に関する処理を実行する。
S16において血圧値および脈拍数を表示部4に表示した後、CPU20Aは、判定基準情報の入力が選択されたか否かを判断する(S402)。この際、表示部4に被測定者に判定基準情報の入力をするか否かを選択させるための情報を表示してもよい。たとえば「判定基準情報を入力しますか?」というメッセージと‘YES’および‘NO’のボタンとを表示してもよい。この場合、CPU20Aはたとえば操作部210からの操作信号に基づき、いずれのボタンが選択されたかを検知する。あるいは、予め、所定のスイッチたとえば測定スイッチ6が1回操作されると条件入力選択と判定されるよう定めておいてもよい。
S402において、判定基準情報の入力が選択されたと判断した場合(S402でYES)、CPU20Aは、判定基準情報の入力を受け付ける(S302)。続いて、測定条件判定処理(S304)が行なわれて、測定結果と判定された測定条件とを対応付けてメモリ12に格納する(S18)。S18の処理が終わると、上記S20〜S26の処理が行なわれて一連の処理を終了する。
一方、S402において、条件入力が選択されなかったと判断した場合(S402でNO)、一連の処理を終了する。つまり、被測定者によって条件入力が選択されなかった場合、S302以降の処理、たとえば測定条件判定処理(S304)やデータ格納処理(S18)やリスク算出処理(S24)は行なわれない。
なお、図9のフローチャートでは、判定基準情報の入力が選択されなかった場合(S402でNO)、S302以降の全ての処理を行なわずに終了することとしたが、過去の測定値に基づいて、S20〜S26のリスク値算出に関する処理を行なってもよい。
また、実施の形態1やその変形例1と同様に、測定前に判定基準情報の入力を受け付けてもよい。たとえば、S1とS8との間にS402,S302,S304の処理が行なわれ、S402でYESの場合にS18以降の処理が行なわれて、S402でNOの場合には一連の処理が終了されてもよい。
このように、変形例3では、被測定者から判定基準情報の入力の選択がされた場合にのみ、測定結果と測定条件とが対応付けられてメモリ12に記憶される。したがって、たとえば、測定条件が起床後時間帯であったとしても、極度の睡眠不足で測定結果の信頼性が薄い場合などに、メモリ12に測定結果と測定条件とが対応して格納されるのを防ぐことができる。これにより、測定結果に対して的確な測定条件の対応付けが可能となり、また、算出されるリスク値の信頼性を向上させることができる。
[実施の形態1の変形例4]
次に、本発明の実施の形態1の変形例4について説明する。実施の形態1の変形例4に係る電子血圧計の構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでも図1および図2に示した電子血圧計100の符号を用いて説明する。
実施の形態1およびその変形例1〜3では、血圧測定と測定条件特定情報に含まれる判定基準情報の入力とが一連の処理(メインルーチン)において行なわれていたが、変形例4においては、これらが別に行なわれる。なお、変形例4においても、判定基準情報として、測定時間情報が入力されるものとする。
以下、変形例4における電子血圧計100の動作について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1の変形例4の電子血圧計100におけるCPU20Aが実行するメインルーチンのフローチャートである。図10のフローチャートは、予めプログラムとしてメモリ12に格納されて、CPU20Aにより読出されて実行される。なお、実施の形態1の変形例2で使用した図8のフローチャートに示される処理と同様の処理については、同じ符号を付し、ここでの説明は繰返さない。
図10を参照して、変形例2と同様に、S1の初期化処理が終わると、S8へ進む。そして、S8において測定スイッチ6が操作されたことを検知すると(S8においてYES)、S10〜S16までの血圧測定に関する処理を実行する。
S16において血圧値および脈拍数を表示部4に表示した後、CPU20Aは、タイマ13からの時刻データを取得し、S14で算出された血圧値および脈拍数を時刻と対応付けてメモリ12の記録する(S18´)。このように、変形例4では、測定結果が、実際の時刻と対応付けられて記憶される。この場合の測定結果の格納例を図12に示す。
図12を参照して、レコードR´i(i=1,2,3,…,n)が、血圧測定ごとに格納される。レコードR´iには、測定時刻データTi、最高血圧データSBPi、最低血圧データDBPiおよび脈拍数データPLSiが格納される。このように、変形例4では、測定結果と対応付けられて、血圧測定の際の属性である測定時刻そのものが格納される。
変形例4では、S18´の格納処理が終わると、一連の処理は終了される。
図11は、実施の形態1の変形例4における割り込み処理を示すフローチャートである。図11のフローチャートもまた、予めプログラムとしてメモリ12に格納されて、CPU20Aにより読出されて実行される。割り込み処理は、メモリスイッチ7が操作されることで開始される。
図11を参照して、はじめに、CPU20Aは、たとえば操作部210からの操作信号に基づき、リスク値算出の指示があったか否かを判断する(S502)。リスク値算出の指示がない場合には(S502でNO)、測定結果を測定時刻データTiに基づいて順次読み出して表示するなどの所定の処理を行なって(S514)割り込み処理を終了する。
一方、S502において、リスク値算出の指示があったと判断した場合(S502でYES)、CPU20Aは、判定基準情報すなわち測定時間情報の入力を受け付ける(S504)。このS504の処理は、上述のS4Aの処理に相当するため、ここでの説明は繰返さない。S504の処理が終わると、入力された時間情報と時刻データT´iとに基づいて、測定条件:起床後時間帯および就寝前時間帯に該当するレコードR´iを検索する(S505)。
次に、リスク算出が可能か否かが判定される(S506)。S506において、CPU20Aは、所定の測定条件すなわち、起床後時間帯および就寝前時間帯についてレコードR´iがそれぞれ少なくとも1つ存在するか否かを判定する。リスク算出が可能と判定された場合(S506でYES)、所定の測定条件についての平均値を算出し(S508)、リスク値を算出する(S510)。そして、算出されたリスク値を表示部4に表示する(S512)。なお、S508、S510およびS512の処理は、それぞれ、実施の形態1で説明したS22、S24およびS26の処理と同様であるので、それらについての説明は繰返さない。一方、リスク算出が可能でないと判断した場合(S506でNO)、割り込み処理を終了する。
なお、変形例4においては、割り込み処理開始後、S502でリスク値算出の指示があった場合に、リスク値の算出および表示を行なうこととしたが、S502の処理を省いてS504〜S512の処理を行なってもよい。
上述のように、実施の形態1の変形例4では、評価量(リスク値)算出の際に、実際の測定時刻に基づく血圧測定時の属性が、測定条件に置き換えられる。これにより、実施の形態1およびその変形例1〜3と同様に、信頼性の高いリスク値の算出が可能となる。
[実施の形態1の変形例5]
次に、本発明の実施の形態1の変形例5について説明する。実施の形態1の変形例5に係る電子血圧計の構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでも図1および図2に示した電子血圧計100の符号を用いて説明する。
実施の形態1では、測定条件特定情報に含まれる判定基準情報として、測定時間情報の入力を受け付けたが、変形例5においては、判定基準情報として、たとえば、操作部210の操作順序の情報、操作回数の情報および操作間隔の情報のうち少なくとも1つの操作情報の入力を受け付ける。つまり、操作部210に含まれる複数のスイッチの操作順序の情報および/または少なくとも1つのスイッチの操作回数の情報および/または少なくとも1つのスイッチの操作間隔の情報の入力を受け付ける。
以下、変形例1における電子血圧計100の動作について説明する。
図13は、本発明の実施の形態1の変形例5の電子血圧計100におけるCPU20Aが実行するメインルーチンのフローチャートである。図13のフローチャートは、予めプログラムとしてメモリ12に格納されて、CPU20Aにより読出されて実行される。なお、実施の形態1の変形例1で使用した図7のフローチャートに示される処理と同様の処理については、同じ符号を付し、ここでの説明は繰返さない。
図13を参照して、S1の初期化処理が終わると、CPU20Aは、判定基準情報の入力を受け付け(S4B)、所定時間(たとえば5秒)経過したか否かを判断する(S102)。所定時間経過するまで(S102でNO)、判定基準情報の入力を受け付ける。そして、所定時間経過したと判断されると(S102でYES)、今回の測定条件が判定される(S6B)。S6Bの処理が終わると、実施の形態1やその変形例1などと同様に、S8〜S26の処理が行なわれる。
(操作順序)
まず、S4Bにおいて、判定基準情報として、複数のスイッチの操作順序の情報の入力を受け付ける場合の例について説明する。この例においては、たとえばメモリ12に、予め、操作順序の情報と測定条件の情報との対応テーブルが格納されているとする。たとえば、操作順序が電源スイッチ5、メモリスイッチ7、測定スイッチ6の順であれば、測定条件は起床後というように対応付けられる。なお、対応テーブルによって操作順序の情報と測定条件の情報とが対応付けられるものに限られず、これらの情報が対応付けられていればよい。
この例では、S4Bにおいて、CPU20Aは、複数のスイッチのうちどのスイッチが操作されたかを操作部210からの信号に基づき検知する。そして、たとえば、検知順に、操作スイッチの識別情報などが内部メモリに一時的に記録される。
そして、所定時間が経過すると、S6Bにおいて、CPU20Aは、上記のような対応テーブルを参照して、測定条件を判定する。つまり、S4Bで内部メモリに記録された検知順の識別情報と、このような対応テーブルとに基づいて、測定条件が判定される。
(操作回数)
次に、S4Bにおいて、判定基準情報として、1つのスイッチの操作回数の情報の入力を受け付ける場合の例について説明する。この例においては、たとえばメモリ12に、予め、操作回数の情報と測定条件の情報との対応テーブルが格納されているとする。たとえば、測定スイッチ6についての操作回数が3回であれば測定条件は起床後、2回であれば測定条件は就寝前、0回であれば通常というように対応付けられる。なお、対応テーブルによって操作回数の情報と測定条件の情報とが対応付けられるものに限られず、これらの情報が対応付けられていればよい。
この例では、S4Bにおいて、CPU20Aは、たとえば測定スイッチ6が操作されたか否かを操作部210からの操作信号に基づき検知する。そして、検知した操作信号の回数を内部メモリに一時的にカウントする。
そして、所定時間が経過すると、S6Bにおいて、CPU20Aは、上記のような対応テーブルを参照して、測定条件を判定する。つまり、S4Bで内部メモリに記録された操作回数と、このような対応テーブルとに基づいて、測定条件が判定される。
(操作順序および操作回数)
次に、S4Bにおいて、判定基準情報として、複数のスイッチの操作順序の情報と操作回数の情報の入力を受け付ける場合の例について説明する。この例においては、たとえばメモリ12に、予め、操作順序および操作回数の情報と測定条件の情報との対応テーブルが格納されているとする。たとえば、電源スイッチ5を2回操作した後、メモリスイッチ7を1回操作すると測定条件は起床後、電源スイッチ5を1回操作した後、メモリスイッチ7を2回操作すると測定条件は就寝前、電源スイッチ5を1回操作した後、メモリスイッチ7を1回操作すると測定条件は通常というように対応付けられる。なお、対応テーブルによって操作順序の情報と測定条件の情報とが対応付けられるものに限られず、これらの情報が対応付けられていればよい。
この例では、S4Bにおいて、CPU20Aは、複数のスイッチのうちどのスイッチが操作されたかを操作部210からの信号に基づき検知する。そして、たとえば、検知順に、操作スイッチの識別情報などが内部メモリに一時的に記録される。
そして、所定時間が経過すると、S6Bにおいて、CPU20Aは、上記のような対応テーブルを参照して、測定条件を判定する。つまり、S4Bで内部メモリに記録された検知順の識別情報と、このような対応テーブルとに基づいて、測定条件が判定される。
(操作間隔)
最後に、S4Bにおいて、判定基準情報として、操作間隔すなわち、操作間の時間の情報の入力を受け付ける場合の例について説明する。この例においては、たとえばメモリ12に、予め、操作間隔の情報と測定条件の情報との対応テーブルが格納されているとする。たとえば、任意の1または2のスイッチが操作される時間間隔が0秒〜2秒であれば測定条件は起床後、3秒〜5秒であれば測定条件は就寝前、5秒〜10秒であれば通常というように対応付けられる。なお、対応テーブルによって操作間隔の情報と測定条件の情報とが対応付けられるものに限られず、これらの情報が対応付けられていればよい。
この例では、S4Bにおいて、CPU20Aは、操作部210からの操作信号と、タイマ13から出力される時刻データとに基づき、1回目と2回目との操作間の時間を検知する。そして、検知した時間(操作間隔)を内部メモリに一時的に記録する。
そして、所定時間が経過すると、S6Bにおいて、CPU20Aは、上記のような対応テーブルを参照して、測定条件を判定する。つまり、S4Bで内部メモリに記録された時間(操作間隔)と、このような対応テーブルとに基づいて、測定条件が判定される。
なお、このような、操作間隔の情報は、上記した、いずれかの情報と組み合わされてもよい。たとえば、操作回数の情報との組み合わせを例にすると、S4Bにおいて、さらに、所定のスイッチの操作間の時間が計測される。この場合、メモリ12には、操作回数および操作間隔の情報と測定条件との対応テーブルなどが格納される。たとえば、測定スイッチ6が2回連続して操作された後、一定時間(たとえば2秒)経過してから再度測定スイッチ6が1回操作されれば、測定条件は起床後というように対応付けられる。
なお、変形例5では、S4Bにおいて、判定基準情報として、操作部210の操作順序の情報、操作回数の情報および操作間隔の情報のうち少なくとも1つの操作情報の入力を受け付けて、S6Bにおいて、今回の測定条件を判定することとしたが、特定の状態すなわち測定条件そのものの情報を入力させてもよい。この場合の表示例を図14に示す。つまり、「特定の状態」とは、測定条件に対応し、起床後、就寝前、運動前、運動後、食事前、食事後、薬投与前、薬投与後、通常などをいう。
図14は、測定条件そのものの情報として少なくとも1つの特定の状態の情報の入力を受け付ける例を示す図である。表示部4には、図5と同様に「測定条件入力画面」と表示され、測定条件:起床後時間帯を選択するためのボタン61、測定条件:就寝前時間帯を選択するためのボタン62および測定条件:通常時間帯(上記起床後時間帯および就寝前時間帯以外)を選択するためのボタン63が表示される。これらのボタン61〜63は、たとえば操作部210に含まれる1つまたは2以上のスイッチが用いられて選択される。このように、特定の状態の情報が入力されることで、S6Bの処理を単純化することができる。なお、測定条件の情報として、起床後および食事前などと2以上の状態(測定条件)を選択させることとしてもよい。
なお、変形例5においては、血圧測定前に判定基準情報が入力されるものとして説明したが、変形例2と同様に血圧測定後に判定基準情報が入力されるものであってもよい。また、変形例3と同様に、判定基準情報が入力された場合にのみ測定結果と測定条件とが対応付けられて記憶されるものであってもよい。
[実施の形態2]
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1においては、測定条件特定情報に関し、属性としてタイマ13から出力される時刻データを用い、判定基準情報としては被測定者から入力される測定時間情報を用いた。実施の形態2では、測定条件特定情報に関し、外部から入力される音声データやセンサ等からの検出量の情報を用いる。
たとえば、実施の形態2において、血圧測定の際の属性として、このような音声データや検出量を用いることができる。
図15は、本発明の実施の形態2に係る電子血圧計200の概観図である。図15を参照して、本実施の形態に係る電子血圧計200は、血圧計本体1Bと、被測定者の血圧測定部位に装着されて空気圧により加圧するためのカフ2と、血圧計本体1Bとカフ2とを接続するエア管3とを備える。
血圧計本体1Bは、表示部4、電源スイッチ5、測定スイッチ6およびメモリスイッチ7に加え、外部より音声の入力を受け付けるための音声入力部29、たとえば光量を検出するためのセンサ30、血圧計本体1Bに外部から記録媒体を着脱自在に装着するための記録媒体装着部41、および血圧計本体1Bと外部装置と通信するためのケーブル(図示せず)を着脱自在に装着するための通信コネクタ部42を有する。
図16には血圧計本体1Bの内部構成が示される。図16を参照して、血圧計本体1Bは、実施の形態1の血圧計本体1Aに含まれる構成に加え、記録媒体アクセス部22、通信I/F(インターフェィスの略)23、音声入力部29およびセンサ30を含む。
記録媒体アクセス部22は、記録媒体装着部41に装着された記録媒体についてCPU20Bの制御のもとにデータを読出しまたは書き込む。通信I/F23は、通信コネクタ部42に接続されたケーブルを介してCPU20Bの制御のもとに外部装置と通信する。
音声入力部29は、取得した音声データをCPU20Bに与える。CPU20Bは、血圧測定の際の属性として音声入力部29より入力された音声データの認識処理を行なう。本実施の形態では、音声が人(被測定者)が発することばであるものとして説明する。したがって、CPU20Bは、たとえば、音声データを文字データに変換する。そして、たとえばメモリ12に判定基準情報として予め記憶された対応テーブルを検索して、測定条件の判定を行なう。なお、入力される音声は、ことば以外の音や振動などであってもよい。
ここで、メモリ12に予め記憶された対応テーブルの一例について説明する。図17は、文字データと測定条件との対応テーブルを示す図である。図17を参照して、たとえば、文字データ「おはよう」と測定条件データ「起床後」とが対応付けられており、文字データ「おやすみ」と測定条件データ「就寝前」とが対応付けられている。また、文字データ「こんにちは」と測定条件データ「通常」とが対応付けられている。
なお、実施の形態2では、電子血圧計200に予めこのような対応テーブルが格納されているものとするが、このような対応付けを被測定者等が設定できるようにしてもよい。たとえば、はじめて血圧測定を行なう場合に設定画面を表示し、それぞれの測定条件についてのことばを登録させてもよい。また、ことば以外の場合、たとえば目覚まし時計のアラーム音などを、測定条件:起床後時間帯と対応付けて登録させておいてもよい。
センサ30は、太陽光などの光量を検出して、CPU20Bに与える。CPU20Bは、血圧測定の際の属性としてたとえば、センサ30からの検出量すなわち光量の入力を受け付ける。そして、CPU20Bは、入力された検出量と、予めメモリ12に判定基準情報として記憶された閾値とを比較する。なお、メモリ12には、各測定条件と閾値とが対応付けられて記憶されているものとする。そうすることで、比較結果に基づき、測定条件が判定される。たとえば、センサ30からの検出量が所定の閾値を超えた場合に、測定時間:起床後時間帯と判定することができる。
あるいは、センサ30に代えて、たとえばベッドのマットの下に設置された図示しない感圧センサとCPU20Bとが接続されて、感圧センサからの検出量がCPU20Bに入力されてもよい。
なお、実施の形態2の電子血圧計200においては、たとえば、実施の形態1の変形例1で使用した図7のフローチャートと同様の手順のプログラムが予めメモリ12に記憶されているものとする。そして、CPU20Bは、このプログラムを読み出すことで、実施の形態1の変形例1と同様の処理手順にて、測定条件判定、血圧測定、リスク値算出、リスク値表示等の処理を行なう。この場合、S4Aにおいて、CPU20Bは、属性として、音声入力部29あるいはセンサ30からの検出量を取得する。そして、S6Aにおいて、CPU20Bは、音声データあるいは検出量と予め定められた判定基準情報とに基づいて、測定条件を判定する。そうすることで、S18において、測定条件と測定結果とが対応付けられてメモリ12に格納される。
このように、実施の形態2にいても、外部より入力される血圧測定の際の属性が測定条件に置き換えられる。そして、置き換えられた測定条件が測定結果と対応付けられる。これにより、信頼性の高い評価量の算出が可能となる。
なお、血圧測定の際の属性としては、実施の形態1と同様に、タイマ13により計測される時刻データを用いて、判定基準情報として、外部より音声データや検出量の入力を受け付けてもよい。
つまり、実施の形態1では、判定基準情報として、測定条件に対応する時間帯の始期や終期などの測定時間情報が被測定者から入力されたが、時間帯の始期や終期を音声入力部29またはセンサ30からの検出量に基づき決定してもよい。
たとえば、音声入力部29からの音声データを判定基準情報として用いる場合、目覚まし時計のアラーム音が入力された時刻を、起床後時間帯の始期としてメモリ12に記憶してもよい。なお、この場合、起床後時間帯の時間幅は予め定められているものとする。そうすることで、CPU20Bは、血圧測定の際に、予め記憶されたこのような情報とタイマ13から得られる時刻データとに基づき、測定条件を判定する。
また、センサ30からの検出量(光量)を判定基準情報として用いる場合、予めメモリ12には、起床後時間帯の始期および就寝前時間帯の始期を特定するために、それぞれに閾値と時間幅が設定される。そして、CPU20Bは、センサ30からの検出量を常に取得し、予め定められたこれらの閾値と比較する。その比較結果に基づき、タイマ13から出力される時刻データを、測定条件に対応する時間帯の始期としてメモリ12に登録する。たとえば、検出量が起床後時間帯と対応付けられた閾値を超えた場合に、タイマ13から出力される時刻データを取得し、その時刻データを起床後時間帯の始期として、メモリ12の所定の領域に記憶する。そうすることで、血圧測定の際に、予め記憶されたこのような情報とタイマ13から得られる時刻データとに基づき、測定条件が判定される。
また、センサ30に代えて、たとえばベッドのマットの下に設置された図示しない感圧センサとCPU20Bとが接続されて、同様に、測定条件に対応する時間帯の始期や終期が決定されてもよい。この場合、たとえば、予めメモリ12には、起床後時間帯の始期および就寝前時間帯の終期を特定するために、それぞれに閾値と時間幅が設定される。そして、CPU20Bは、感圧センサからの検出量(圧力値)を常に取得し、圧力値の変化量と予め定められたこれらの閾値と比較する。その比較結果に基づき、タイマ13から出力される時刻データを、測定条件に対応する時間帯の始期または終期としてメモリ12に登録する。たとえば、圧力値の変化量が起床後時間帯と対応付けられた閾値を超えた場合に、タイマ13から出力される時刻データを取得し、その時刻データを起床後時間帯の始期として、メモリ12の所定の領域に記憶する。そうすることで、センサ30の場合と同様に、測定条件が判定される。
[実施の形態3]
実施の形態3として、上述の実施の形態2に示す電子血圧計200と情報処理装置とを備える血圧測定システムが提供される。
当該システムでは、測定条件特定情報に含まれる判断基準情報の入力を電子血圧計200ではなく外部の情報処理装置であるパーソナルコンピュータ等で実行可能である。例えば、図18のように、外部のパーソナルコンピュータ40には、判断基準情報としてたとえば測定時間情報の入力を受け付ける機能が備えられる。電子血圧計200とパーソナルコンピュータ40とは通信回線26を介して接続される。パーソナルコンピュータ40は、入力された判断基準情報を通信回線26を介して電子血圧計200に転送する。電子血圧計200は、通信I/F23から入力された判断基準情報を、メモリ12に記録して、たとえば実施の形態1およびその変形例1〜4と同様の処理を行なう。ここで、通信回線26はローカルエリアネットワークなどの専用回線、電話回線などの公衆回線を適用できる。
また、各データ群の平均値を算出し、リスク値を算出・表示する機能を、電子血圧計200ではなくパーソナルコンピュータ40等で実行させてもよい。パーソナルコンピュータ40には、メモリ12から読出された各データ群について、その平均値を算出しリスク値を算出・表示する機能を備えておく。電子血圧計200は通信I/F23および通信コネクタ部42を用いて通信可能な状態となり、この状態で被測定者が図示しない通信スイッチなどを操作すると、CPU20Bはメモリ12に格納された領域26〜28のデータを読出して通信I/F23および通信回線26を介してパーソナルコンピュータ40に転送する。なお、評価量算出に必要なデータ、たとえば領域26および27のデータのみを読み出して転送してもよい。
また、図18の通信回線26を介したデータ転送に代替して、図19のようにメモリカードなどの記録媒体270を用いて判断基準情報や測定データの授受を行なうようにしてもよい。
具体的には、被測定者などが、パーソナルコンピュータ40において、判断基準情報を入力して記録媒体270に記録しておく。そして、電子血圧計200の記録媒体アクセス部22に記録媒体270が装着されると、CPU20Bは記録媒体270から判断基準情報を読み出して、メモリ12に記録する。そして、電子血圧計200は、たとえば実施の形態1およびその変形例1〜4と同様の処理を行なう。あるいは、記録媒体270が記録媒体アクセス部22に装着されている場合には、メモリ12に代えて記録媒体270に記録された判断基準情報に基づいて、測定条件の判定が行なわれてもよい。
また、測定データの授受の場合、記録媒体270を記録媒体アクセス部22に装着して、CPU20はメモリ12の領域26〜28のデータを読出して記録媒体アクセス部22に装着された記録媒体270に書込む。書込み後、記録媒体270を取外しパーソナルコンピュータ40に装着してデータが読出されることで、転送が行なわれる。記録媒体270が記録媒体アクセス部22に装着されている場合には、たとえば図4のS18における測定結果の記憶先をメモリ12に代えて、記録媒体270としてもよい。
上述のようなシステムにおいて、次のような動作も行なうことができる。電子血圧計200において、実施の形態1の変形例4の図12に示されるように、測定結果と時刻データとを対応付けてレコードR´iに格納しておき、パーソナルコンピュータ40に全ての測定データ(測定結果および時刻データ)を転送する。そして、パーソナルコンピュータ40において、電子血圧計200より転送された測定データを取得する。また、パーソナルコンピュータ40において、被測定者等により測定時間情報の入力を受け付け、上述のようにリスク値の算出および表示を行なう。
なお、上述の本発明の実施の形態においては、測定部位として上腕を想定した上腕式の血圧計を例示して説明を行なったが、手首式のものなど四肢に装着されるものであれば適用が可能である。また、本発明の実施の形態では、測定条件の種類は、生活リズムに対応づけて就寝前時間帯、起床後時間帯および通常時間帯を設けたが、種類および数はこれに限定されない。たとえば、運動前、運動後などの測定条件が設けられて、測定結果に対しこれらの測定条件との対応付けが行なわれてもよい。また、このような測定条件に基づき評価量が算出されてもよい。また、測定結果に対し、起床後時間帯と運動前など、複数の測定条件との対応付けが行なわれてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1およびその変形例1〜5に係る電子血圧計の概観図である。 本発明の実施の形態1およびその変形例1〜5に係る電子血圧計の内部構成図である。 (A)および(B)は、本発明の実施の形態1およびその変形例1〜5における、メモリ内の測定結果の記憶内容例を示す図である。 本発明の実施の形態1の電子血圧計におけるCPUが実行するメインルーチンのフローチャートである。 (A)〜(C)は、判定基準情報として測定時間情報が入力される場合の画面表示例を示す図である。 (A)および(B)は、時間対応テーブルの内容例を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例1の電子血圧計におけるCPUが実行するメインルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1の変形例2の電子血圧計におけるCPUが実行するメインルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1の変形例3の電子血圧計におけるCPUが実行するメインルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1の変形例4の電子血圧計におけるCPUが実行するメインルーチンのフローチャートである。 実施の形態1の変形例4における割り込み処理を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例4における、メモリ内の測定結果の記憶内容例を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例5の電子血圧計におけるCPUが実行するメインルーチンのフローチャートである。 測定結果として特定の状態が入力される場合の画面表示例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る電子血圧計の概観図である。 本発明の実施の形態2に係る電子血圧計の内部構成図である。 文字データと測定条件との対応テーブルを示す図である。 実施の形態3に係るシステムの構成例を示す第1の図である。 実施の形態3に係るシステムの構成例を示す第2の図である。
符号の説明
1A,1B 血圧計本体、2 カフ、3 エア管、4 表示部、5 電源スイッチ、6
測定スイッチ、7 メモリスイッチ、12 メモリ、13 タイマ、14 圧力センサ、15 発振回路、16 ポンプ、17 ポンプ駆動回路、18 弁、19 弁駆動回路、20A,20B CPU、21 空気袋、22 記録媒体アクセス部、23通信I/F、24 ブザー、25 電源部、26 就寝前領域、27 起床後領域、28 通常領域、29 音声入力部、30 センサ、40 パーソナルコンピュータ、41 記録媒体装着部、42 通信コネクタ部、100,200 電子血圧計、210 操作部、270 記録媒体。

Claims (20)

  1. 血圧測定部位に装着可能なカフと、
    前記カフに加える圧力を調整するための加圧・減圧手段と、
    前記カフ内の圧力を検出するための圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段で得られた信号より血圧を算出するための血圧算出手段と、
    算出された血圧のデータを記憶するための記憶手段と、
    血圧測定の際の複数種類の測定条件のうち、前記血圧測定の際の測定条件を特定するための測定条件特定情報に基づいて、少なくとも1つの対応する測定条件を判定するための判定手段とを備える、電子血圧計。
  2. 時刻を計測するための計時手段と、
    前記測定条件特定情報として、時間情報の入力を被測定者より受け付けるための入力手段とをさらに備え、
    前記記憶手段には、さらに、入力された前記時間情報と測定条件の情報とが対応付けられて記憶され、
    前記判定手段は、前記計時手段から出力される時刻データと前記記憶手段に記憶された前記時間情報とに基づき、前記血圧測定の際の測定条件を判定し、
    前記判定手段により判定された前記測定条件を、血圧測定毎に、前記血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて前記記憶手段に格納するためのデータ格納手段をさらに備える、請求項1に記載の電子血圧計。
  3. 前記判定手段は、前記時刻データと前記時間情報とに基づいて、前記記憶手段に記憶された前記測定条件の情報を検索することで、前記測定条件を判定する、請求項2に記載の電子血圧計。
  4. 前記複数種類の測定条件は、それぞれ、時間、曜日、日、週、月、季節および年などの「時期」に対応し、
    前記時間情報は、前記時期の情報である、請求項2に記載の電子血圧計。
  5. 前記複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、
    前記時間情報は、前記期間の始期の情報および終期の情報である、請求項2に記載の電子血圧計。
  6. 前記複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、
    前記時間情報は、前記期間の始期または終期の情報と期間幅の情報とである、請求項2に記載の電子血圧計。
  7. 前記複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、
    前記期間の期間幅は予め定められており、
    前記時間情報は、前記期間の始期または終期の情報である、請求項2に記載の電子血圧計。
  8. 前記記憶手段には、前記複数種類の測定条件のそれぞれ毎に記憶領域が設けられ、
    前記データ格納手段は、前記測定条件の情報に対応の前記記憶領域に、前記血圧データを格納する、請求項3に記載の電子血圧計。
  9. 前記複数種類の測定条件は、起床後および就寝前のいずれかの血圧測定であることを示す測定条件を含む、請求項3に記載の電子血圧計。
  10. 時刻を計測するための計時手段と、
    前記計時手段から出力される時刻データを、血圧測定毎に、前記血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて前記記憶手段に格納するためのデータ格納手段と、
    前記測定条件特定情報として、時間情報の入力を被測定者より受け付けるための入力手段とをさらに備え、
    前記判定手段は、入力された前記時間情報と、前記記憶手段に血圧データと関連付けられた時刻データとに基づき、前記血圧測定の際の測定条件を判定する、請求項1に記載の電子血圧計。
  11. 前記複数種類の測定条件は、それぞれ、時間、曜日、日、週、月、季節および年などの「時期」に対応し、
    前記時間情報は、前記時期の情報である、請求項10に記載の電子血圧計。
  12. 前記複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、
    前記時間情報は、前記期間の始期の情報および終期の情報である、請求項10に記載の電子血圧計。
  13. 前記複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、
    前記時間情報は、前記期間の始期または終期の情報と期間幅の情報とである、請求項10に記載の電子血圧計。
  14. 前記複数種類の測定条件は、それぞれ、「期間」に対応し、
    前記期間の期間幅は予め定められており、
    前記時間情報は、前記期間の始期または終期の情報である、請求項10に記載の電子血圧計。
  15. 前記測定条件特定情報として、音声情報の入力を受け付けるための入力手段をさらに備え、
    前記判定手段は、入力された前記音声情報の認識処理を行ない、認識した前記音声情報に対応する測定条件の情報を検索することで、前記血圧測定の際の測定条件を判定し、
    前記判定手段により判定された前記測定条件を、血圧測定毎に、前記血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて前記記憶手段に格納するためのデータ格納手段をさらに備える、請求項1に記載の電子血圧計。
  16. 外部からの指示を受け付けるために操作される少なくとも1つの操作部と兼用され、かつ、前記測定条件特定情報として、前記操作部の操作順序の情報、操作回数の情報および操作間隔の情報のうち少なくとも1つの操作情報の入力を受け付けるための入力手段とをさらに備え、
    前記判定手段は、入力される前記操作情報と予め対応付けられた測定条件の情報を検索することで、前記血圧測定の際の測定条件を判定し、
    前記判定手段により判定された前記測定条件を、血圧測定毎に、前記血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて前記記憶手段に格納するためのデータ格納手段をさらに備える、請求項1に記載の電子血圧計。
  17. 光量または圧力量を検出するための検出手段と、
    前記測定条件特定情報として、前記検出手段からの検出量の入力を受け付けるための入力手段とをさらに備え、
    前記判定手段は、入力される前記検出量と予め定められた閾値とを比較して、前記血圧測定の際の測定条件を判定し、
    前記判定手段により判定された前記測定条件を、血圧測定毎に、前記血圧算出手段により算出された血圧データと関連付けて前記記憶手段に格納するためのデータ格納手段とをさらに備える、請求項1に記載の電子血圧計。
  18. 血圧測定前に、前記入力手段からの前記測定条件特定情報の入力を受け付ける、請求項2,10,15,16,17のいずれかに記載の電子血圧計。
  19. 血圧測定後に、前記入力手段からの前記測定条件特定情報の入力を受け付ける、請求項2,10,15,16,17のいずれかに記載の電子血圧計。
  20. 血圧測定後に、入力するか否かを選択するための選択手段をさらに備え、
    前記選択手段によって入力することが選択された場合に、前記入力手段からの前記測定条件特定情報の入力を受け付ける、請求項2,10,15,16,17のいずれかに記載の電子血圧計。
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