JP2003534824A - 哺乳動物、特にウシの蹄の処置方法 - Google Patents

哺乳動物、特にウシの蹄の処置方法

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JP2003534824A JP2000581967A JP2000581967A JP2003534824A JP 2003534824 A JP2003534824 A JP 2003534824A JP 2000581967 A JP2000581967 A JP 2000581967A JP 2000581967 A JP2000581967 A JP 2000581967A JP 2003534824 A JP2003534824 A JP 2003534824A
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ジークフリート・ブラグラ
ジルベール・バルドネシ
アラン・コラン
ユベール・ドゥ・ロケフーユ
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ヘンケル−エコラープ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシャフト
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    • A—HUMAN NECESSITIES
    • A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61D11/00—Washing devices or gaseous curative baths specially adapted to veterinary purposes

Abstract

(57)【要約】 本発明は、飼育動物、特にウシ、とりわけ畜舎で飼育される乳牛の脚または蹄を処置する方法に関する。本発明の方法は、第1段階として、排泄物、特に糞または例えば藁などに由来する他の汚物をことごとく除去するために水またはセッケンもしくは界面活性剤含有洗浄剤の自動噴霧システムを使って当該動物の脚または蹄を洗浄し、第2段階として、前もって洗浄した動物の脚または蹄を消毒剤に浸すか消毒剤を噴霧することによって処置することを含んで成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （技術分野） 本発明は飼育動物、特にウシ、とりわけ畜舎で飼育される飼育動物の蹄の処置
方法に関する。
【０００２】 （背景技術） 飼育ウシならびにヒツジ、ヤギおよびウマはしばしば、特に蹄または趾の末端
間のウイルスまたは細菌による炎症の結果として、蹄疾患にかかる。極度の痛み
を伴なうこれらの炎症は跛行または移動困難を引き起こすので、結果としてその
動物は通常通りに摂食するのを止め、それがその動物の乳量を減少させる。 したがって疾患伝染性微生物によって起こるこれらの疾患は、特にそれらが動
物から動物へと伝染しうることから、飼育者にとって深刻な問題を生じる。
【０００３】 これらの問題は広大で柔らかい地表の上を移動する放牧動物では比較的稀であ
ることに注目すべきである。これらの問題は、動物が継続的に畜舎で、特にいわ
ゆる放飼い畜舎で飼育される場合に、より強く起こる。放飼い畜舎では、動物は
、コンクリートと格子によって区切られた、言い換えれば隙間を空けて並べられ
、排泄物を処分するための穴の上に渡されたコンクリートスレート板からなる不
自然な床によって区切られた限られた空間内を自由に移動する。 このタイプの特に硬い表面を完全な衛生状態に保つことはできないので、動物
が汚物、特にそれら自身の排泄物中に立ち、その中を歩くことが避けられないこ
とは理解されるだろう。
【０００４】 これらの生活条件と、極めて硬い床を動物が絶え間なく移動することの物理的
および機械的結果から、蹄部分は絶え間なく刺激されることになる。これは蹄末
端部の角質層の軟化、言い換えれば脆性によって顕在化し、それが、動物が移動
する床上の非常に多数の病原体によって引き起こされる炎症性疾患を招く。
【０００５】 特に蹄末端間の膿瘍によって顕在化するこれらの炎症は上述のように非常に痛
く、接触に対する極端な感受性をもたらすので、炎症領域を局所的に処置するこ
とが（特に皮膚に抗生物質を適用する場合）、極めて困難になる。 したがって唯一実施可能な処置方法は抗生物質の経口投与である。しかしこの
タイプの処置は、汚物中に見出される病原体の様々な抗生物質に対する耐性が増
加するために、次第に有効でなくなることがわかっている。
【０００６】 これらの欠点を克服するために、飼育動物、特にウシの蹄の処置には、治療よ
りも予防を目的とする方法が既に提案されている。 これらの方法では、処置すべき動物に、踏み込み槽、すなわち消毒剤浴液で満
たされた大きく浅い槽を通過させる。これらの浴液は一般に硫酸銅と混合された
ホルムアルデヒドの高濃度溶液からなる。それらは一般に約10％のホルムアルデ
ヒドと約2％の硫酸銅を含有する。これらの溶液ではホルムアルデヒドが消毒剤
として作用し、硫酸銅は動物の蹄の角質を強化して、動物が移動する表面の硬さ
によって引き起こされる物理的および機械的刺激に対する動物の感受性を低くす
るという目的を持つ。
【０００７】 しかしこれらの浴液は不十分であることがわかっている。事実、上記の浴液は
ホルムアルデヒドの濃度が高いために悪臭があって皮膚を著しく刺激し、相当な
量の硫酸銅を含むために環境を汚染する。 しかしこれら既知の処置浴液の主要な欠点は、それら浴液の殺微生物活性が不
十分なことにある。現に動物は脚浴を通過するときに大量のタンパク質含有汚物
を浴中に持ち込む。それゆえホルムアルデヒドは病原体を破壊するための反応を
犠牲にして、この有機廃棄物と優先的に反応し、したがってすぐに無効になる。
【０００８】 完全を期すために、抗生物質を含む脚浴液は既に提案されていることを述べて
おく。しかしこれらの脚浴液の幅広い使用を真剣に考慮することはできない。な
ぜなら処置浴液を取り替えるために槽を定期的に空にする必要があるので、環境
を汚染することがわかっている相当の量の抗生物質が屋外に放出されるからであ
る。
【０００９】 （発明の開示） （発明が解決しようとする課題） 本発明の課題は、皮膚を刺激することなくまた同時に環境を汚染することなく
蹄末端部の炎症という上記の問題を解決するのに十分に有効な、飼育動物、特に
ウシ、とりわけ畜舎で飼育される乳牛の蹄の処置方法によって、上記の欠点を克
服することである。
【００１０】 （その解決方法） 本発明ではこの課題が、第1段階として、排泄物、特に糞または他の汚れ（例
えば藁に由来するもの）をことごとく除去するために自動噴霧システムを使って
動物の蹄を水または他のセッケンもしくは界面活性剤含有洗浄剤で洗浄し、第2
段階として、前もって洗浄した動物の蹄を消毒剤で濡らすか消毒剤を噴霧するこ
とによって処置することを特徴とする方法を使って達成される。 したがって本発明の基本的思想は、動物の蹄に付着している有機汚物による処
置浴液中の消毒剤の速やかな失活を、当該汚物を消毒剤の適用に先立って前洗浄
段階で除去することによって回避することである。
【００１１】 この洗浄は明らかに自動的に行なう必要がある。作業員が必要とする時間と、
動物の蹄の接触に対する感受性ゆえに、手作業による洗浄は望ましくない。 そのために、また本発明の好ましい態様によれば、洗浄段階では処置すべき動
物に、噴霧ノズル列を備えた噴霧ランプを少なくとも片側、好ましくは両側に持
つ洗浄通路を通過させる。そのノズルから、水または洗浄剤の各噴流を所定の圧
力で処置すべき動物の蹄に直接当てることができる。
【００１２】 したがって本発明では上記の洗浄段階が、処置すべき動物が通過せざるを得な
いように配置された洗浄通路で行なわれる。 約1〜10mの長さを持つこの通路は好ましくは、2つの垂直な壁によって両側が
制限され、いずれかの側において、水または洗浄剤を供給する高圧ポンプに接続
された噴霧ノズルを持つ2つの平行なランプを設けた2つの枠で囲まれる。ランプ
は、通過する動物による損傷を受けないように、保護金属シートで覆われる。 この洗浄法により、動物の蹄に付着している汚物を、手で触れることなく、完
全に自動的に迅速かつ確実に除去できることが明らかになった。
【００１３】 これにより、次に適用される消毒剤の失活が防止される。 本発明によればこの消毒剤は、洗浄通路のちょうど末端に設置した脚浴で適用
するか、または、やはり洗浄通路の末端に設置された、洗浄剤用自動噴霧システ
ムと同様の第2の自動噴霧システムを使って適用することができる。
【００１４】 さらに消毒剤は液状でも、好ましくは泡状物の形でも適用できる。泡状物には
動物の皮膚に液状品よりも長く留まるという利点があり、これは消毒剤との接触
時間を延長し、結果として動物の皮膚上、特にその皮膚の皺の中の病原体の破壊
を助ける。 泡状物のさらなる利点は、泡状物は目に見えるので、動物の脚または蹄のすべ
てが丁寧に処置されているかどうかを確認できることである。
【００１５】 上記の処置が、よくあるように乳牛を対象とする場合は、洗浄通路および消毒
剤を適用するための装置は好ましくは搾乳場の直前に配置することができる。し
たがって動物は毎日2回、すなわち朝の搾乳前と夕方の搾乳前に必然的に上記の
処置を受けることになり、消毒剤は搾乳時間中ずっと作用して、全ての病原体が
破壊されたことを保証することができる。
【００１６】 本発明のさらにもう一つの態様によれば、洗浄段階の前に、動物の蹄に付着し
ている汚物を、水または洗浄剤で湿らせるか、それを噴霧することによって前も
って柔らかくする処理段階が設けられる。この先行段階により、洗浄段階での当
該汚物の除去が簡単になる。この先行段階も洗浄通路の直前に設置した脚浴で、
または噴霧システムを使って行なうことができる。
【００１７】 洗浄剤は水であってよいが、好ましくはセッケンまたは通常の界面活性剤、特
にノニオン、カチオンもしくはアニオン界面活性剤の希薄溶液からなり、要すれ
ばホスフェートまたはグルコネートなどの他の洗浄剤と混合されることにも注目
すべきである。この溶液は明らかに皮膚刺激を起こさないような方法で選択され
なければならない。
【００１８】 意外にも、本発明によれば、有機汚物がことごとく除去されるように動物の皮
膚を前もって適切に洗浄しておけば、ある種の希薄消毒組成物がホルムアルデヒ
ドと硫酸銅とに基づく組成物よりもはるかに効果的であることが見出された。有
利なことに、そのような消毒組成物は環境を汚染せず、十分可溶で皮膚の刺激を
回避する。
【００１９】 本発明のさらにもう一つの態様によれば、消毒剤は10〜10,000mg/l、好ましく
は100〜1,000mg/lの、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール
およびそれらの混合物からなる群に主に由来するアルデヒドを有利に含有するこ
とができる。
【００２０】 これらのアルデヒドは10〜10,000mg/l、好ましくは100〜1,000mg/lの割合で、
少なくとも1本の長鎖、好ましくはC8〜C18アルキル基を4級核上に含む脂肪族ま
たは複素環式4級アンモニウムもしくはホスホニウム誘導体からなる群に主に由
来するカチオン界面活性剤の1つまたは混合物と有利に混合できる。これらの組
成物の例には、塩化ココヤシアルキルベンジルジメチルアンモニウム、塩化ジオ
クチルジメチルアンモニウムまたは塩化トリブチルテトラデシルホスホニウムが
包含される。
【００２１】 さらにもう一つの有利な方法として、100〜10,000mg/l、好ましくは500〜1,00
0mg/lの、過酢酸、過コハク酸、過乳酸、過グルタル酸、過アジピン酸、過プロ
ピオン酸、過ギ酸またはそれらの混合物からなる群に主に由来する過カルボン酸
を含有する消毒剤を適用する。
【００２２】 過酸に固有の不安定性に備えるのであれば、このタイプの消毒剤は一般に100
〜100,000mg/lの過酸化水素を含有する。本発明によれば、10〜10,000mg/lの、
アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホネートまたはカルボン酸エーテル
からなる群に主に由来するアニオン界面活性剤を、上記過酸に好ましく添加でき
ることにも注目すべきである。
【００２３】 10〜10,000mg/l、好ましくは100〜1,000mg/lの量のアミン類、特にラウリルプ
ロピレントリアミン（Lonzabac（登録商標）12）、10〜10,000mg/l、好ましくは
100〜1,000mg/lの濃度の界面活性両性物質、例えばベタイン構造を持つC8-18脂
肪酸のアミド誘導体、主としてグリシン誘導体、特にココヤシアルキルジメチル
アンモニウムベタインなど、またはさらに界面活性非イオン界面活性剤、好まし
くはエトキシル化またはプロポキシル化脂肪アルコールならびにエチレンオキシ
ドおよびプロピレンオキシドと縮合したオキソアルコールなどといった他の消毒
剤も、本発明の範囲から逸脱することなく使用できることに注意すべきである。
【００２４】 以下の実施例は本発明方法の特に有利な態様を例示するものである。 前置きとして本発明では、消毒溶液は、40頭の動物が当該溶液を含有する脚浴
を通過した後で当該溶液の病原体含有量が10,000/ml未満である場合、または動
物の脚もしくは蹄に存在する病原体数の減少が当該溶液を通過した後で約3logま
たはそれ以上である場合に、十分に有効であるとみなされることを述べておく。
【００２５】 実施例１ 40頭の乳牛に、様々な消毒剤（従来技術の消毒剤または本発明の4つの消毒剤A
、B、CおよびD）を含有する40個の脚浴を様々な条件で通過させ、牛の皮膚上の
黄色ブドウ球菌（Staphylococcus aureus）の数の減少を25℃で10分間の接触時
間後に測定した。 得られた結果を以下の表１に示す。
【００２６】
【表１】 この実施例により、本発明の方法が、消毒剤が泡状物として適用される場合は
特に、前洗浄を行なわない従来の方法より有利であることが、明確に確認される
。
【００２７】 実施例２ 40頭の雌牛に、前洗浄なしで従来技術の3種類の消毒剤を含有する脚浴を通過
させ、雌牛が通過し終わった後に浴液1ml中の生存微生物数を測定した。 得られた結果を以下の表２に示す。
【表２】
【００２８】 次に、同様の実験を繰返したが、予め本発明の様々な洗浄剤を含有する脚浴液
を使用し、洗浄剤の自動噴霧によって雌牛の蹄の洗浄を行なった。 得られた結果を以下の表３に示す。
【表３】 表２と表３を比較すると、従来技術の方法に対する本発明方法の優位性が明確
に実証される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ０１Ｎ 37/02 Ａ０１Ｎ 37/02 37/04 37/04 37/36 37/36 Ａ６１Ｌ 2/18 Ａ６１Ｌ 2/18 (72)発明者 ジルベール・バルドネシ フランス、エフ−51300バシュ、ル・ムー ラン・ドー (72)発明者 アラン・コラン フランス、エフ−94230カシャン、リュ・ ドゥ・ラ・シタデル６番 (72)発明者 ユベール・ドゥ・ロケフーユ フランス、エフ−78640サン・ジェルマ ン・ドゥ・ラ・グランジュ、リュ・ヴォル テール29番 Ｆターム(参考） 4C058 AA30 BB07 CC06 JJ07 JJ08 JJ21 JJ24 4H011 AA02 BA01 BA05 BA06 BB04 BB05 BB06 BB18 BC07 DA13 DA18 DD07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 飼育動物、特にウシ、とりわけ畜舎で飼育される乳牛の蹄を
    処置する方法であって、第1段階として、排泄物、特に糞または例えば藁などに
    由来する他の汚物をことごとく除去するために水またはセッケンもしくは界面活
    性剤含有洗浄剤の自動噴霧システムを使って当該動物の蹄を洗浄し、第2段階と
    して、前もって洗浄した動物の蹄を消毒剤に浸すか消毒剤を噴霧することによっ
    て処置する方法。
  2. 【請求項２】 上記洗浄段階で、水または洗浄剤の各噴流を所定の圧力で処
    置すべき動物の蹄に当てることができる噴霧ノズル列を備えた噴霧ランプを少な
    くとも片側、好ましくは両側に持つ洗浄通路に、処置すべき動物を通過させる請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項３】 上記洗浄段階の前に、動物の蹄に付着している汚物を、水ま
    たは洗浄剤に浸すか水または洗浄剤を噴霧することによって前もって柔らかくす
    る処理段階を設ける請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項４】 搾乳場の直前に設置された設備で行なう、乳牛を処置するた
    めの請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項５】 上記消毒剤が10〜10,000mg/l、好ましくは100〜1,000mg/lの
    、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサールおよびそれらの混合
    物からなる群に特に由来するアルデヒドを含有する請求項1〜4のいずれかに記載
    の方法。
  6. 【請求項６】 上記消毒剤が10〜10,000mg/l、好ましくは100〜1,000mg/lの
    、少なくとも1本の長鎖、好ましくはC8〜C18アルキル基を4級核上に含む脂肪族
    または複素環式4級アンモニウムもしくはホスホニウム誘導体からなる群に実質
    的に由来するカチオン界面活性剤を単独でまたは混合物として含有する請求項5
    に記載の方法。
  7. 【請求項７】 上記消毒剤が100〜10,000mg/l、好ましくは500〜1,000mg/l
    の、過酢酸、過コハク酸、過乳酸、過グルタル酸、過アジピン酸、過プロピオン
    酸、過ギ酸およびそれらの混合物からなる群に主に由来する過カルボン酸を含有
    する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項８】 上記消毒剤が100〜100,000mg/lの過酸化水素を含有する請求
    項7に記載の方法。
  9. 【請求項９】 上記消毒剤が10〜10,000mg/lの、アルキルベンゼンスルホン
    酸、アルキルスルホネートおよびカルボン酸エーテルからなる群に主に由来する
    アニオン界面活性剤を含有する請求項7または8に記載の方法。
  10. 【請求項１０】 消毒段階で、上記消毒剤を泡状物の形で使用する請求項1
    〜9のいずれかに記載の方法。
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