JP2003533555A - 葉酸−多糖複合体、その製造方法およびそれを活性成分として含む医薬組成物 - Google Patents

葉酸−多糖複合体、その製造方法およびそれを活性成分として含む医薬組成物

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リウ、ミン
パン、ジュン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は葉酸−多糖複合体およびその製造方法に関し、より詳細には葉酸−デキストラン複合体、その製造方法、有効成分として前記複合体を含む医薬組成物ならびに腫瘍の治療に前記組成物を使用することに関する。本発明の葉酸−多糖複合体は一般式:(X)n−Yを有し、Xは同一であるかもしくは異なり、葉酸、葉酸誘導体および葉酸受容体の経路から細胞に入ることができる他の物質から選択され、Yは多糖であり、n≧1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の技術分野) 本発明は葉酸−多糖複合体(folic acid−polysacchar
ide complex)およびその製造方法に関し、より詳細には葉酸−デキ
ストラン複合体、その製造方法、前記複合体を活性成分として含む医薬組成物、
および腫瘍の治療に前記組成物を使用することに関する。
【0002】 (発明の背景) 特殊な葉酸結合タンパク質(folic acid binding pro
tein、FBP)の概念が発表された後(Johns et al.:J.C
lin.Invest.1961;40:1684)、Rothernberg
等は人体の細胞にFBPを最初に見出し(Proc.Soc.Expl.Bio
l.Med.1970;133:428、J.Clin.Invest.197
1;50:717)、またLesli等は細胞膜からFBPを分離した(Bio
chem.1972;11:1969)。Antony等は胎盤細胞を系統的に
研究し、前記FBPが細胞膜上の葉酸受容体(FR)としての機能をもつという
ことを明確に示し(J Biol Chem 1981;256(18):96
84)、系統的にまた次々とFRの生化学的性質を例示した(Blood 19
92;79(11):2807、Annu.Rev.Nutr.1996;16
:501)。FRは細胞膜のグリセロフォスファチド・イノシトール(glyc
erophosphatide inositol、GPI)上に固定されたあ
る種のFBPであり、GPI特異的フォスファチダーゼCもしくはDにより細胞
膜からこれを切り離すことができる(Lee et al:Biochem.1
992;31:3236、Verma et al:J.Biol.Chem.
1992;267(6):4119)。FRは本質的に細胞膜の表面に一様に存
在し、葉酸と結合した後、FRはイニシエータにより促進されて、被覆されたく
ぼみ(pit)もしくはカベオラ(coveolae)へと移行することができ
、したがってクラスター形成し(Mayor et al:Science 1
994;264:1948)、次に葉酸は結果として起こるエンドサイトーシス
により細胞内に取り込まれる(Anderson et al:Science
1992;255:410)。
【0003】 人体には主に3つの形のFR:FR−α、FR−βおよびFR−γがあり、F
R−γは造血細胞で発現されるある種の分泌タンパク質である(Shen et
al:Biochem 1995;34:5660)。FR−αおよびFR− β も動物細胞の表面に存在し、FR−αは主に腫瘍細胞および腎臓細胞で発現さ
れ、またFR−βは肝細胞で発現される。葉酸は細胞のアフィニティと密度をあ
る程度調節できる。葉酸の服用を制限した後、FR−αの葉酸に対するアフィニ
ティは低下し、FR−αの密度は腫瘍細胞では増加し腎臓細胞では減少するが、 FR−β のそれは明白に影響されるということはない(Gates et al
:Clin Cancer Res 1996;2:1135)。
【0004】 ほとんどの腫瘍細胞上でのFRの発現数もしくは活性が正常細胞上のそれより
著しく大きいということが開示され(Cambell et al:Cance
r Res 1991;51:5329、Coney et al:Cance
r Res 1991;51:6125、Weitman et al:Can
cer Res 1992;52:3396)、腫瘍細胞を標的にする誘導媒体
として葉酸を用いる研究が急速に進む。
【0005】 腫瘍画像診断による動物実験の結果は、放射性核種と直接あるいは間接的に結
合する、FRリガンドとしての葉酸複合体は腫瘍サイトに対する著しい標的作用
をもつということを示す(Low et al:WO96/36367 Nov
.21,1996;USA 5688488 Nov.18,1997)。
【0006】 葉酸を間接的にリポソーム表面に結合させることにより得られた葉酸−PEG
−リポソームによる細胞培養結果は、前記の葉酸−PEG−リポソームの腫瘍細
胞に対する標的効果は、PEG−リポソームもしくは通常のリポソームのそれよ
り優れているということを示す(Lee et al:J Biol Chem
1994;269(5):3198、Wang et al:Proc Na
tl Acad Sci USA 1995;92:3318、Lee et
al:Biochim Biophys Acta 1995;1233:13
4、Vogel et al:J Am Chem Soc 1996;118
(7):1581、Thompson et al:WO97/31624 S
ep.4,1997、Lu,Yaowei et al:Transactio
n of Shanghai University of Medical
Science 2000;27(1):4)。
【0007】 葉酸−ポリマー複合体は、非リソソーム細胞質にFRを通して前記ポリマーを
全体として取り込み放出することができる。ウシの血清アルブミン、ウシの免疫
アルブミン、西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ、リボヌクレアーゼ、豆セリナーゼ
(bean serinase)阻害剤および抗DNAオリゴヌクレオチドを、
葉酸に結合させ、それらの対応する効果を示すために、KBセル(ヒト上咽頭癌
細胞)、HeLa細胞(ヒト子宮頚癌細胞)およびXC細胞(ラウス肉腫ウイル
スでトランスフェクションした繊維芽細胞)に、明らかに導入することができる
(Leamon et al:Proc Natl Acad Sci USA
1991;88:5572、Low et al:WO90/12096 O
ct.18,1990)。葉酸を結合させた、抗T細胞受容体モノクローナル抗
体あるいは抗Fc受容体モノクローナル抗体は、腫瘍細胞、T細胞もしくはナチ
ュラル・キラー細胞、単球およびマクロファージとしっかりと一緒に結合して、
前記腫瘍細胞を消散させるという目的を達成することができる(David e
t al:WO96/34630 Nov.7,1996)。さらに、葉酸に結
合した後、タンパク質の合成を阻害する働きをもつ毒素(モモルジン(Momo
rdin)、ある種のタンパク質毒素、その細胞毒は通常リボソームを通過し細
胞質に入った後にのみ表れる;pseudomonas菌の外毒素フラグメント
(LysPE38およびCysPE35))は、腫瘍細胞の成長を抑制する、非
常に高められた能力を示す(Leamon et al:J Biol Che
m 1992;267(35):249666、1993;268(33):2
4847)。
【0008】 デキストラン(dextran)は、サッカロースをleuconastoc mesenteroidasで発酵させることにより得られるD−グルコース
のポリマーである(Gronwall et al:Acta Physiol
Scand 1994;7:97、1945;9:1、USA 243751
8、USA 2644815)。デキストランのグルコシルの結合様式は、異な
る菌株で得られた異なるデキストランの間で互いに異なるが、主な結合様式はα
−1,6結合であり、またその他にα−1,4結合もしくはα−1,3結合があ
る(Van Cleve et al:J Am Chem Soc 1956
;78:4435,Xu,Danfeng et al:Transactio
n of Pharmacology 1986;21(3),204)。動物
実験と臨床実験の追跡結果は、デキストランを注入した後、いかなる異常も組織
の損傷も動物の主要な器官に見出されず(Boyd et al:Lancet
1953;1:59、Gronwall et al:Acta Physi
ol Scand 1945;9:1)、またデキストランは肝臓、脾臓、腎臓
、肺および人体の他の器官に蓄積していない(Wilkinson et al
:J Interal chir 1951;11:186)ということを示す
。臨床的には、デキストランは、出血ショック、火傷および肝臓−腎臓症候群、
急性血栓、血栓閉塞性脈管炎、心臓梗塞、全身性硬化症などの治療のために、主
に血液増量剤(Gelin et al:Acta Chir Scand 1
961;122:309)および血液流動性改良剤Gelin:Sock Pa
thogenesis and Therapy 1962;P332)として
用いられている。
【0009】 デキストランには多数の水酸基をもつという特殊な生物学的特徴があるので、
それは多くの治療薬の担体として用いられて、前記治療薬の化学的安定性の強化
あるいは前記治療薬の生物学的有効性の向上あるいはリンパ系の疾患の診断とい
う目的を達成してきた。これらのデキストラン−治療薬複合体には、デキストラ
ン−アンチモン(Mikhail et al:Exptl Parasito
l 1975;37:348)、デキストラン−鉄(Beresford et
al:Brit J Pharmacol 1957;12:107)、デキ
ストラン−インシュリン(Armstrong et al:Biochim
Biophys Res Comm 1972;47:354)、デキストラン
−ダウノマイシン(Bernsten et al:J Nalt Cance
r Inst 1978;60(2):379)、デキストラン−マイトマイシ
ンC(Kojima et al:J Pharmacol 1980;32:
30)、デキストラン−ビタミンB12(Scrollini et al:Eu
r J Med Chem 1974;9:621)、デキストラン−アメトプ
テリン(Hubert et al:EP0383170A2)、デキストラン
−α(あるいはβ)−ジアスターゼ(あるいはトリプサーゼ(trypsase
))(Marshall et al:Arch Biochem Bioph
ys 1975;167:777)、デキストラン−硫酸塩(Kozo Yam
ada et al;Jap Circul j 1961;25:570,5
75,579)、放射性テクネチウム(99mTc)−デキストラン(Henze
et al:J Nucl Med 1982;23:923、Ercan
et al:Eur J Nucl Med 1985;11:80、Lu,W
eiyao et al:Transaction of Shanghai
University of Medical Science 1991;1
8(4)246、Liu,Yongchang et al:China J
Nucl Med 1993;13(3):143)。前記のデキストラン−治
療薬複合体の中で、99mTc−デキストラン105注入およびスズ−デキストラ
ン105注入は、本発明者により開発され、リンパ系の疾患に冒された部分を特
定するためおよびリンパ系転移腫瘍の補助診断のために用いられ、正式に製造さ
れ臨床的に使用されてきた。
【0010】 要約すると、腫瘍細胞表面上のFRは、葉酸によって、放射性核種、リポソー
ムおよびポリマー治療薬を前記腫瘍細胞に導入する有効な経路である;デキスト
ランは長い間血液増量剤ならびに放射性核種および他の治療薬の担体として研究
され使われているが、デキストラン自体は抗腫瘍作用を示さない。これまでに、
葉酸と多糖の複合体、特に葉酸とデキストランの複合体、および抗腫瘍体として
それらを使用することを研究した文献もしくは特許は存在しない。
【0011】 (発明の概要) 本発明は、式X−Yの葉酸−多糖複合体に関し、Xは、葉酸、その誘導体、お
よび細胞膜上の葉酸受容体経路で細胞に入ることができる他の物質からなる群か
ら選択され、Yは多糖である。
【0012】 より詳細には、本発明は、式(X)n−Yの葉酸−多糖複合体に関し、Xは同
一であるかもしくは異なり、葉酸、葉酸の誘導体、および葉酸受容体経路で細胞
に入ることができる他の物質からなる群から選択され、Yはアラビア(Arab
ia)ガラクトース以外の多糖の1種であり、n≧1である。
【0013】 また本発明は前記葉酸−多糖複合体および医薬用アジュバントを含む医薬組成
物に関する。
【0014】 また本発明は抗腫瘍治療薬剤の製造に前記葉酸−多糖複合体を用いることを対
象とする。
【0015】 他方、本発明は葉酸受容体陽性患者の腫瘍を治療する方法に関し、それには治
療される個人に有効量の前記葉酸−多糖を投与することが含まれる。
【0016】 また本発明は治療薬として用いられる葉酸−多糖複合体に関する。
【0017】 (発明の詳細な説明) 本発明は上記に定義された一群の葉酸−多糖複合体を提供する。驚くべきこと
に、前記複合体は細胞膜上の葉酸受容体経路を通って細胞内に入ることができる
だけでなく、in vivoで腫瘍細胞を殺し、また正常細胞を傷つけることな
く腫瘍組織の成長を抑える。
【0018】 本発明が対象とする、葉酸、葉酸の誘導体もしくは葉酸受容体の経路から細胞
内に入ることができる他の物質Xは、動物もしくは人体の細胞にそれとわかる毒
性と副作用をもたず、葉酸、フォリン酸(folinic acid)、ジヒド
ロ葉酸、テトラヒドロ葉酸、テトラヒドロプテリン、プテロイルポリグルタミン
酸、2−デアミノ−ヒドロキシ葉酸、1−デニトロ葉酸、3−デニトロ葉酸、8
−デニトロ葉酸などからなる群から選択され、「デニトロ(denitro)」
は葉酸の前記位置の窒素原子が炭素原子で置き換えられることを意味する。好ま
しくは、Xは葉酸、ジヒドロ葉酸あるいはテトラヒドロ葉酸であり、より好まし
くは葉酸である。
【0019】 本発明が対象とする様々な多糖Yは、動物もしくは人体の腫瘍細胞およびそれ
らの成長を顕著にまた直接的に抑える活性をもたず、またそれらは受容体に対す
るリガンド性をもたない。これらの多糖には以下のものが含まれる:(1)デキ
ストラン類、例えば:デキストラン、ニゲラン、プルラン、スクレログリカン、
レンチナン、クレスチン(コリオラン、ポリスチクチン)、パキマラン(パキマ
ン)、コルディセプス多糖(コルジセポース(cordycepose))、ハ
ラタケ(agaric)多糖、レンチナン、シゾフィラン、ナラカケモドキ多糖
、ヤマブシタケ多糖(ハリネズミタケ)、トレメラス(tremellas)、
アカパンカビ多糖、ヒトヨタケ多糖、リケナン(lichenan)、ヘテロリ
ケナン、ラミナリン、徐長卿多糖、アンジェリカ多糖、シマハスノハカズラ多糖
、アストラガルス多糖、ラミナリン、アミロース、デキストリンなど;(2)ポ
リサッカロース類、例えば:ポリサッカロース;(3)フルクトサン、例えば:
シベリア・アマドコロ根茎多糖、リコリス多糖、大麦多糖およびscilla
maritime多糖、アワガエリ(phlean)のレブロシド(levul
oside)およびカモジグサ多糖;(4)ヘテロ多糖類、例えば:クラドスポ
リウム(cladospore)多糖、ヘテロペニシリウム(hetetope
nicillic)多糖、ユミケカビ多糖、アカパンカビ多糖、マンネンタケ多
糖、ポルフィラン、多刺(manyprickle)ウコギ根多糖、コンニャク
多糖、ジンセン多糖、インジカラムス(indicalamus)多糖、バガス
多糖、セイヨウカリン多糖、トウネズミモチ実多糖、タバシーア多糖、茶多糖な
ど;(5)硫酸化モノ−あるいはヘテロ多糖類、例えば:寒天多糖、カラギーン
多糖、ギンナンソウ多糖、クロレラ多糖、フコイジン、ヘパリン、コンドロイチ
ン硫酸など;(6)モノ−あるいはヘテロ多糖アルドン酸酸性多糖類、例えば:
ジンセンペクチン多糖および他のペクチン多糖、アラビアゴム、トラガカントゴ
ム、ガティゴム、トラガカント、アルギン酸塩など;および(7)他の親水性ポ
リマー類、例えば:ポリエチレンオキシド、メトキシポリエチレングリコールな
ど。
【0020】 本発明においては、好ましく選択された多糖は4,000から2,000,0
00の分子量をもつものである。
【0021】 好ましい実施形態において、多糖Yはデキストランであり、また前記デキスト
ランの好ましい分子量は10,000から2,000,000、より好ましくは
10,000から150,000、また最も好ましくは約105,000である
【0022】 前記の式(X)n−Yにおいて、nは1より大きいかもしくは等しい整数であ
る。nの上限は重要ではなく、使用される多糖の種類と分子量に基づき定められ
る。前記葉酸−多糖複合体を製造する縮合反応における原料の比を加減すること
により、nの値を調節することができる。当分野の技術者は、通常の方法、例え
ば前記複合体の抗腫瘍活性を求めることにより、ある特定の葉酸−多糖複合体に
対するnの最適値を選択することができる。
【0023】 上の式のnが1より大きいとき、Xは同一であっても異なっていてもよい。本
発明では好ましいXは同一である。
【0024】 本発明において、用語「葉酸−多糖複合体」はフリーの複合体(free c
omplex)およびその薬効のある適当な塩を意味する。前記複合体にアルカ
リ性窒素原子が存在する場合、それは、薬用の無機酸もしくは有機酸、例えば塩
酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、ジヒドロキシ
−ナフトエ酸、メチルスルホン酸、グリコール酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などと塩を生成することができる。遊
離カルボキシル基が前記複合体分子に存在する場合、それは、薬用無機塩基もし
くは有機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム
、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジメチルアミノ−ピリジンなどと塩を
生成することができる。
【0025】 本発明の葉酸−多糖複合体において、葉酸(X)と多糖は共有結合で、好まし
くは葉酸のカルボキシルと多糖のヒドロキシルの間に形成されたエステル結合で
結合している。前記葉酸と多糖の間のカップリングは既知の方法で実施される。
例えば、前記葉酸のカルボキシルが始めに脱水剤、例えばヒドロキシ−ジイミダ
ゾール、カルボジイミドなどで活性化され、このことはWO90/12096お
よびWO96/34630に開示されており、次に多糖のヒドロキシルと反応さ
せエステル結合を生成させて本発明の複合体を得る。
【0026】 前記複合体を製造するための好ましい解決策において、葉酸と多糖はアルカリ
触媒と脱水剤の存在下に縮合し、アルカリ触媒は通常トリエチルアミン、ピリジ
ンなどであり、好ましくはピリジンおよびジメチルアミノ−ピリジンであり、ま
た脱水剤は好ましくはカルボジイミド型脱水剤、例えばジシクロヘキシル−カル
ボジイミドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−カルボ
ジイミドである。反応は、好ましくは、不活性有機溶剤、例えば芳香族炭化水素
(ベンゼン、トルエンなど)、ケトン(アセトン)、ハロハイドロカーボン(ジ
クロロメタン、トリクロロメタンなど)、酸アミド(ホルムアミド、N,N−ジ
メチル−ホルムアミド)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド)およびこれら
の任意の混合物中、より好ましくは非プロトン性極性溶剤、例えばN,N−ジメ
チル−ホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび他の溶剤とこれらの混合物中
で行なわれる。
【0027】 前記縮合反応は通常室温から反応混合物の環流温度までの温度で、また好まし
くは室温などの温和な温度で実施される。
【0028】 反応時間は一般に数分から数十時間、好ましくは10分から24時間、またよ
り好ましくは20分から20時間である。
【0029】 反応終了後、通常の方法、例えば濾過、沈澱、結晶化、塩析、ケイ酸クロマト
グラフィ、排除クロマトグラフィなどにより、本発明の複合体を反応混合物から
分離、精製することができ、好ましくは、Sephadex G−15およびS
ephadex G−25カラム他を用いるような、デキストラン・ゲル排除ク
ロマトグラフィにより精製することができる。
【0030】 本発明の葉酸−多糖複合体を評価するために、以下の実験が使われる。
【0031】 1.前記葉酸−多糖複合体が葉酸受容体経路で腫瘍細胞に入るということの実
証。葉酸−デキストランはフルオレセインで標識されてモデル治療薬として用い
られ、腫瘍細胞がin vivoで培養される。腫瘍細胞により摂取される葉酸
−デキストランに明らかな飽和傾向があるかどうか、また葉酸−デキストランの
取り込みの程度がデキストランの取り込みより多いかどうかが、様々な培養濃度
で腫瘍細胞により摂取される葉酸−デキストランの変化およびそれと取り込みさ
れた純デキストランの変化との間の差、また同一の培養濃度で様々な培養時間で
の葉酸−デキストランの取り込みの変化を調べることにより知られる;遊離葉酸
が明白にまた競合的に葉酸−デキストランの取り込みを阻害しうるかどうかが、
様々な濃度の遊離葉酸で、同一の培養濃度および時間で腫瘍細胞により摂取され
る葉酸−デキストランの変化を調べることにより知られる;腫瘍細胞膜上の葉酸
受容体の減少が前記腫瘍細胞により摂取される葉酸−デキストランの量に影響し
うるかどうかが、様々な濃度のホスファチダ−ゼDで予め処理された腫瘍細胞に
より摂取される葉酸−デキストランの量を調べることにより知られる。最後に、
前記葉酸−デキストランが葉酸受容体経路で腫瘍細胞に入ることができるかどう
かが包括的に評価される。
【0032】 2.in vivoでの腫瘍細胞による葉酸−多糖の取り込みの観察。フルオ
レセインで標識された葉酸−デキストランもしくはデキストランが、腫瘍をもつ
ヌードマウスの腫瘍の側に注射され、次に24時間後にヌードマウスは殺され、
腫瘍組織の腫瘍細胞における蛍光強度と分布が観測されて、in vivoでの
腫瘍細胞に葉酸−多糖が選択的に取り込みされる結果を知る。
【0033】 3.in vivoでの腫瘍を抑制する葉酸−多糖の作用。腫瘍のあるヌード
マウスが、ブランク・グループ、デキストラン・グループおよび葉酸−デキスト
ラン・グループに分けられ、次に、それらはそれぞれ、葉酸−デキストランもし
くはデキストランを腫瘍の側に注射されるかもしくは注射されない。継続して少
量および多量に投与した後の、腫瘍の大きさと重さの変化、腫瘍組織の形態と構
造の変化ならびに腫瘍細胞のDNA倍数体の変化が観察されて、腫瘍があるヌー
ドマウスのin vivoでの腫瘍を抑制する上での葉酸−多糖の作用を知る。
【0034】 4.葉酸−多糖の安全性の評価。腫瘍の化学療法剤の最大の欠点はそれらの毒
性が比較的強いことと副作用である。前記葉酸−多糖が同じ欠点をもつかどうか
が、葉酸−多糖の急性毒性試験により調べられる。最大濃度で葉酸−デキストラ
ンを静脈内注射した後で、活性レベル、マウスの重量変化と死亡、ならびに殺さ
れたマウスの主な内臓器官の損傷が観察されて、抗腫瘍剤としての葉酸−多糖の
基本的安全性を知る。
【0035】 本発明においては、分子量が4,000〜2,000,000の、前記デキス
トラン、ポリサッカロース、硫酸化モノ−もしくはヘテロ多糖およびモノ−もし
くはヘテロ多糖アルドン酸酸性多糖を葉酸と反応させて、共有結合で繋がった葉
酸−多糖複合体を得る。デキストランの分子量が105,000である、葉酸−
デキストラン複合体をモデル治療薬として選択することにより、前記実験の結果
は以下のようになる。
【0036】 1.in vitroでの腫瘍細胞の培養。葉酸−デキストランによる、in vitroでのHeLa229の培養結果は以下のことを示す:(1)培養濃
度の増加につれ葉酸−デキストランの取り込みが増加するが、増加の程度は徐々
に小さくなり(図1参照)、葉酸−デキストランの濃度が4.5mg/mlのと
き、葉酸−デキストランの取り込みはデキストランのそれの2.7倍多い;(2
)葉酸−デキストランの取り込みは培養時間が長くなるにつれ増加するが、増加
の程度は徐々に小さくなる(図2参照);(3)葉酸−デキストランの取り込み
は、培養流体の葉酸濃度の増加につれ著しく減少する(図3参照);(4)葉酸
−デキストランの取り込みは、Hala229細胞を予め処理するために用いら
れたホスファチダーゼDの濃度と共に明らかに減少する(図4参照)。葉酸−デ
キストランは葉酸受容体経路でHeLa229細胞に入ることができ、またそれ
らの取り込みはデキストランの取り込みより著しく多いということを知ることが
できる。
【0037】 2.腫瘍のあるヌードマウス(naked mice)による、in viv
oでの腫瘍細胞標的化と腫瘍抑制の実験。HeLa229細胞が接種された、腫
瘍のあるヌードマウスの腫瘍の側に葉酸−デキストランを注射することにより実
施された腫瘍細胞標的化実験の結果は、腫瘍組織に拡散した後で腫瘍細胞に入る
葉酸−デキストランの量がデキストランの量より明らかに多く(図5参照)、i
n vivoでの腫瘍標的化は明白であるということを示す。HeLa229細
胞が接種された、腫瘍のあるヌードchマウスに葉酸−デキストランを用いる腫
瘍抑制実験の結果は以下のことを示す:(1)腫瘍の成長は葉酸−デキストラン
の少量投与で遅くなる;また腫瘍の成長は多量の葉酸−デキストランの服用で抑
制される(図6参照);(2)33日間の投与の後、葉酸−デキストラン・グル
ープの殺されたマウスの腫瘍はブランク・グループおよびデキストラン・グルー
プの腫瘍より明らかに小さく(図7と8を参照)、腫瘍の抑制率は約75%であ
る;(3)葉酸−デキストランにはブランク・グループおよびデキストラン・グ
ループに比べて、腫瘍組織を破壊する明らかな作用がある(図9a、9bおよび
9cを参照);(4)葉酸−デキストランは腫瘍組織の腫瘍細胞におけるDNA
インデックス(すなわち、腫瘍細胞のDNA質量と正常細胞のDNA質量の比、
これは以後DIと表わされる)を著しく低下させることができ、ブランク・グル
ープのDIは3.5、デキストラン・グループでは3.1で葉酸−デキストラン
・グループでは2.3である。
【0038】 3.急性毒性試験。オスとメスのマウスにそれぞれ1.5g/kgの葉酸−デ
キストラン(溶解性が低いために、これは、最大の許容投与量で調べる実験を実
施する最大濃度である)を静脈注射した後7日間観察すると、マウスの活性は正
常であり、マウスの重さは増加し、またマウスは1匹も死なず、また主な内臓器
官にそれとわかる異常は全く見られないということを急性毒性試験結果は示す。
【0039】 以上の実験結果は、本発明が以下の長所を有するということを証明する:(1
)デキストラン自体に抗腫瘍作用はない;(2)葉酸−デキストランは葉酸受容
体経路から細胞に入ることができ、また腫瘍組織の成長を抑える明らかな作用、
高い安全性があり毒性および副作用は少ない;(3)前記葉酸−デキストランの
抗腫瘍作用は従来の化学療法剤の作用と異なるため、本発明は治療薬で腫瘍を治
療する新しい方法を提供する。
【0040】 葉酸−多糖についての前記実験に基づいて、本発明は、薬学的に許容される添
加剤、結合剤、懸濁剤、崩壊剤、希釈剤、滑剤、腸溶性コーティング材料、生物
学的結合材料、非水溶性構成材料および他のアジュバントと前記葉酸−多糖とを
合わせて、対応する医薬組成物を製造することができる。薬理学分野の通常の方
法により、本発明の医薬組成物の様々な投与形態を作り出すことができる。
【0041】 好ましい医薬組成物には以下のものが含まれる:静脈内注射のためのあるいは
腫瘍内もしくはその側に注射するための、葉酸−多糖溶液もしくはin−sit
eで溶液を製造するために注射薬用の水と混合できる凍結乾燥物;炭酸水素ナト
リウムもしくは水酸化アルミニウムおよび三ケイ酸マグネシウムを含む、葉酸−
多糖の経口乾燥シロップ;および葉酸−多糖の経口腸溶性カプセル。前記組成物
はまた葉酸−多糖の経口腸溶性錠剤、動脈塞栓症に用いられる葉酸−多糖マイク
ロビーズ、結腸放出させるために用いられる葉酸−多糖経口顆粒剤、あるいは鼻
腔、子宮腔および他の腔にスプレーしてもしくは腹腔に注入して用いられる葉酸
−多糖の生物学的結合マイクロビーズでもありうる。
【0042】 (特定の実施形態の詳細な説明) 以下の非限定的実施形態は本発明をさらに詳細に説明するために用いられる。
【0043】 実施例1.葉酸−多糖(F−PS)の製造 1.F−PSの製造 (1)葉酸−イントラデックス(intradex)(F−Dx) * Dxの分子量の影響 0.74gのジメチルアミノ−ピリジンを、ホルムアミド/N,N−ジメチル
ホルムアミド/ジクロロメタン(10:9:1)からなる混合溶剤12mlに溶
解させ、次に0.25gのFおよび1.16gのジシクロヘキシル−カルボジイ
ミドを加え、前記混合溶剤に溶解させたDx(分子量:10,000)溶液(0
.1g/ml)6mlを加え、暗くして25℃で20時間反応させ、反応を終え
た後濾過して、濾液をアセトンに注いで薄黄色の沈澱を生成させ、前記沈澱を濾
過して集め、減圧乾燥して粗F−Dx生成物を得て、Sephadex G−1
5カラムで精製し再蒸留水で溶離させ、溶離液の最初のクロマトグラフィ画分を
捕集し、そして凍結乾燥して精製F−Dx生成物を得る。
【0044】 ・Dx(分子量:70,000)をFと反応させ前記の方法で処理する。
【0045】 ・Dx(分子量:105,000)をFと反応させ前記の方法で処理する。
【0046】 ・Dx(分子量:500,000)をFと反応させ前記の方法で処理する。
【0047】 ・Dx(分子量:2,000,000)をFと反応させ前記の方法で処理する
【0048】 *FとDxの質量比の影響 ・Dx(分子量:105,000)とFの反応質量比が2.4:1(g/g)
で、前記の反応および処理を実施する。
【0049】 ・Dx(分子量:105,000)とFの反応質量比が1.71:1(g/g
)で、前記の反応および処理を実施する。
【0050】 ・Dx(分子量:105,000)とFの反応質量比が1.33:1(g/g
)で、前記の反応および処理を実施する。
【0051】 ・Dx(分子量:105,000)とFの反応質量比が1.20:1(g/g
)で、前記の反応および処理を実施する。
【0052】 (2)葉酸−ポリサッカロース(F−Ficoll) 0.6gのFicoll(分子量400,000)を0.6gのDx(分子量
10,000)の代わりに用い、FicollとFの反応質量比は2.4:1(
g/g)で、F−Dxを製造するのに用いたものと同一の反応と処理を実施する
【0053】 (3)葉酸−デキストリン(F−デキストリン) 0.74gのジメチルアミノ−ピリジンを8mlのジメチルスルホキシドに溶
解し、次に、0.25gのFと1.16gのジシクロヘキシル−カルボジイミド
を加え、ジメチルスルホキシドに溶解させたデキストリン(分子量4,500)
溶液(0.15g/ml)4mlを加え、F−Dxを製造するのに用いたものと
同一の方法により反応、精製を続けて行なう。
【0054】 (4)葉酸−ヘパリン(F−ヘパリン) 0.37gのジメチルアミノ−ピリジン、0.125gのFおよび0.58g
のジシクロヘキシル−カルボジイミドを、ホルムアミド/N,N−ジメチルホル
ムアミド/ジクロロメタン(10:9:1)からなる混合溶剤6mlに溶解させ
、次に前記混合溶剤に溶解させたヘパリンナトリウム(分子量:2,000〜6
,000)溶液(0.03g/ml)10mlを加え、次にF−Dxを製造する
のに用いたものと同一の方法で反応させ、溶離液が5mMの炭酸水素ナトリウム
および0.1Mの塩化ナトリウムの混合液であること以外は同一の方法により精
製する。
【0055】 (5)葉酸−アラビアゴム(Acacia)(F−アラビアゴム) 0.6gのアラビアゴム(分子量240,000〜580,000)を0.6
gのDx(分子量10,000)の代わりに用い、アラビアゴムとFの反応質量
比は2.4:1(g/g)で、濾液をエタノールに注ぐこと以外は、F−Dxを
製造するのに用いたものと同一の反応および精製方法を実施する。
【0056】 (6)ジヒドロ葉酸−デキストラン(F2−Dx) 0.74gのジメチルアミノ−ピリジンをホルムアミド/N,N−ジメチルホ
ルムアミド/ジクロロメタン(10:9:1)からなる混合溶剤12mlに溶解
させ、次に0.25gのF2および1.16gのジシクロヘキシル−カルボジイ
ミドを加え、前記混合溶剤に溶解させたDx(分子量:105,000)溶液(
0.1g/ml)6mlを加え、次にF−Dxを製造するのに用いたものと同一
の方法により、反応、精製を行なう。
【0057】 (7)テトラヒドロ葉酸−デキストラン(F4−Dx) 0.74gのジメチルアミノ−ピリジンをホルムアミド/N,N−ジメチルホ
ルムアミド/ジクロロメタン(10:9:1)からなる混合溶剤12mlに溶解
させ、次に0.25gのF4および1.16gのジシクロヘキシル−カルボジイ
ミドを加え、前記混合溶剤に溶解させたDx(分子量:105,000)溶液(
0.1g/ml)6mlを加え、次にF−Dxを製造するのに用いたものと同一
の方法により、反応、精製を行なう。
【0058】 2.F−PSの分析 担体として高性能シリカゲル・プレートを、また展開系としてトリクロロメタ
ン/メタノール/酢酸を用い、上昇展開し乾燥しヨウ素蒸気で着色することによ
っては、試料中に遊離の葉酸の点は見出されない。F−PSおよびFの0.4%
水酸化ナトリウム溶液を上で用いられものと同じ波長域で独立にスキャンした結
果、F−PSおよびF試料は、258、285および365nmでの全く同一の
特性吸収ピーク、および同一のA258/A365の比、2.9〜3.1をもつ
。Fを標準に用いて、365nmで求められた前記F−PS試料のFの結合率は
以下の通りである。
【0059】 異なった分子量のDxを有するF−PSにおけるFの結合率 (原材料のDx/F比=2.4/1(W/W)) Dxの 10,00 70,000 105,000 500,000 2000,000 分子量 (Dx10) (Dx70) (Dx105) (Dx500) (Dx2000) Fの結合率 8.51% 6.38% 8.98% 8.54% 8.41% (W/W) モル比 2:1 11:1 23:1 105:1 416:1 (F/Dx)
【0060】 原材料Dx/F比のF結合率に対する効果(Dx105) Dx/F(W/W) 2.4:1 1.71:1 1.33:1 1.20:1 Fの結合率 10±1% 16±1% 23±1% 25±1% (W/W) モル比 26:1 45:1 71:1 80:1 (F/Dx)
【0061】 原材料比、Ficoll−400(分子量400,000)/Fが2.4:1
(W/W)であるとき、Fの結合率は12.04%(F/Ficollのモル比
=109:1)である。
【0062】 原材料比、デキストリン−4.5(分子量45,000)/Fが2.4:1(
W/W)であるとき、Fの結合率は18.38%(F/デキストリンのモル比=
1.87:1)である。
【0063】 原材料比、ヘパリン(分子量2,000〜6,000)/Fが2.4:1(W
/W)であるとき、Fの結合率は7.86%(F/ヘパリンのモル比=0.39
〜1.16:1)である。
【0064】 原材料比、アラビアゴム(分子量240,000〜580,000)/Fが2
.4:1(W/W)であるとき、Fの結合率は4.53%(F/アラビアゴムの
モル比=1.87:1)である。
【0065】 実施例2 葉酸−デキストラン−フルオレセイン・イソチオシアネート(F−
Dx105−FITC)の製造 1.デキストラン−フルオレセイン・イソチオシアネート(Dx105−FI
TC)の製造 (1)アセチルアセトン鉄(ferric acetylacetone、F
AA)の製造には以下のことが含まれる:1.84gの酢酸ナトリウムおよび2
gの三塩化鉄を6mlの蒸留水に溶解すること、12mlのアセチルアセトンを
加えること、濾過し減圧乾燥して粗FAA生成物を得ること、前記粗生成物を蒸
留水に溶解すること、エチルエーテルで3回抽出しすべての抽出液を一緒にする
こと、および減圧蒸留でエチルエーテルを除去すること、60%メタノールで再
結晶して、m.p.が183〜184℃の赤茶色FAA結晶を得ること。
【0066】 (2)Dx105−FITCの製造には以下のことが含まれる:0.2gのD
x105、20mgのFITCおよび20mgのFAAを2mlのジメチルスル
ホキシドに溶解すること、暗くして95℃で2時間反応させること、濾過し80
〜90℃で2時間減圧乾燥してDx105−FITC粗生成物を得ること、Se
phadex G−15カラムクロマトグラフィで精製すること、凍結乾燥して
精製Dx105−FITC生成物を得ること。
【0067】 (3)Dx105−FITCの分析には以下のことが含まれる:担体として高
性能シリカゲルを、また展開系としてトリクロロメタン:メタノール:アンモニ
ア(6/3.5/0.5)を用いること、上昇展開し乾燥し、254nmの光で
観察し試料中に遊離FITCスポットを見出さないこと、Dx105−FITC
およびTITCの0.4%水酸化ナトリウム溶液試料を230〜550nmの波
長範囲でスキャンすること、そしてDx105−FITCおよびFITC試料は
、492nmに全く同一の特性吸収ピークをもつということを見出すこと;FI
TCを標準に用いて、492nmで測定し、そしてDx105−FITC試料の
FITC結合率が3.6%(w/w)であることを見出すこと。
【0068】 2.葉酸−デキストラン−フルオレセイン・イソチオシアネート(F−Dx1
05−FITC)の製造 (1)F−Dx−FITCの製造には以下のことが含まれる:Dx105−F
ITCとFの原材料比を2.4:1に合わせること、実施例1でF−Dxを製造
するのに用いられたものと同じ方法を用いて製造すること、そしてSephad
ex G−15カラムクロマトグラフィで精製すること、また凍結乾燥してF−
Dx105−FITC精製物を得ること。
【0069】 (2)F−Dx105−FITCの分析には以下のことが含まれる:実施例1
でF−PSを分析するのに用いられたものと同じ分析方法を用いて、F−Dx1
05−FITCの遊離のFを定性的に求め、またFの結合率を定量的に求めるこ
と、そしてFの結合率が7.43%(w/w)であるということを見出すこと。
【0070】 実施例3.in vitroでの、F受容体を通してのHeLa229細胞に
よるF−Dx105の選択的取り込み HeLa229細胞(1種のヒト子宮頚がん細胞、中国科学院のShangh
ai Cell Instituteから供給された)を、37℃のCO2イン
キュベータ中で24時間、10%の仔牛血清(NCS)/RPMI−1640培
養液を用いて、hexapore培養プレートで付着させて予め培養する。各p
ore(直径33mm)は、2x105個のHeLa細胞を含む。元の培養液は
使用前に除去される。
【0071】 1.取り込みへの試料濃度の影響 それぞれ1mlのRPMI−1640培養液を用いて製造された、F−Dx1
05−FITC溶液(0.612、1.125、2.25および4.50mg/
ml)およびDx105−FITC溶液(0.585、1.17、2.34およ
び4.68mg/ml)を、予め培養されたHeLa229細胞を含むpore
に加え、次に37℃のCO2インキュベータ中で4時間培養する。各poreを
2mlのリン酸緩衝液で4回洗浄し、次に1.5mlの1%Triton X−
100リン酸緩衝液(pH7.4)で細胞を破壊する。破壊された細胞を含む細
胞崩壊液の蛍光光学密度(OD)を、492nm/512nmで蛍光分光光度計
により求める。結果は、HeLa229細胞によるF−Dx105−FITCの
取り込みは、F−Dx105−FITCの濃度の増大につれて明らかに増加し、
増加の程度は徐々に小さくなるが、それはいつでもDx105−FITCの取り
込みよりは多いということを示す(図1参照)。
【0072】 2.取り込みへの培養時間の影響 1mlのRPMI−1640培養液を用いて製造された、4.50mg/ml
のF−Dx105−FITC溶液を、予め培養されたHeLa229細胞を含む
poreに加え、次に37℃のCO2インキュベータ中でそれぞれ0.5、1、
2および4時間培養し、前記と同じ方法で処理し蛍光の光学密度(OD)を求め
る。結果は、HeLa229細胞によるF−Dx105−FITCの取り込みは
、培養時間の増大につれて明らかに増加し、増加の程度は徐々に小さくなるとい
うことを示した(図2参照)。
【0073】 3.取り込みへの遊離葉酸の影響 遊離のF(2.3x10-6、3.3x10-5、1.2x10-5、1.0x10-4 、1.0x10-3、1.0x10-2mol/l)を含み、1mlのRPMI−
1640培養液を用いて製造された、4.5mg/mlのF−Dx105−FI
TC溶液を、予め培養されたHeLa229細胞を含むporeに加え、次に3
7℃のCO2インキュベータ中で4時間培養し、前記と同じ方法で処理し蛍光の
光学密度(OD)を求める。結果は、HeLa229細胞によるF−Dx−FI
TCの取り込みは、遊離のFの濃度の増大につれて明らかに減少するということ
を示した(図3参照)。
【0074】 4.取り込みへの酵素処理の影響 ホスファチダーゼ−D(PLD、キャベツから得た)をそれぞれ0、0.07
5、0.15、0.30および0.60mg/ml含むRPMI−1640培養
液で、予め培養されたHeLa229細胞を処理し、次に前記培養液を除去し、
1mlのRPMI−1640培養液でそれぞれ2回洗浄し、次に、1mlのRP
MI−1640培養液を用いて製造された、4.50mg/mlのF−Dx10
5−FITC溶液を、前記のように処理されたHeLa229細胞を含むpor
eに加え、37℃のCO2インキュベータ中で4時間培養し、前記と同じ方法で
処理し蛍光の光学密度(OD)を求める。結果は、HeLa229細胞によるF
−Dx−FITCの取り込みは、処理液中のPLD濃度の増大につれて明らかに
減少するということを示した(図3参照)。
【0075】 実施例4.In vivoでのHeLa229によるF−DX105の選択的
取り込み 1.HeLa229腫瘍をもつヌードマウスモデルの作製 BALB/Cヌードマウス(18±1g;メス;Tumor Institu
te of Shanghai Cityにより提供された)の右前足腋窩近く
に、0.1ml(1x107)のHaLa細胞(中国科学院のShanghai Cell Instituteにより提供された)を皮下接種し、次にそれら
をSPFバリア・システムで飼育して、in vivoでのHeLa細胞の連続
増殖により、より大きな腫瘍塊に成長させ、そして殺して直径約2mmの腫瘍塊
を無菌状態で得る。前記腫瘍塊は別のヌードマウスの同じ位置に同じ仕様で20
#トロカールにより移植され、次にこれらのマウスを次の使用のために10日間
飼育する。
【0076】 2.in vivoでのHeLa229によるF−Dx105の取り込み HeLa229腫瘍をもつヌードマウスの2グループ(各グループのマウスは
3匹)に、それぞれ0.1mlのF−Dx105−FITC(5.7mg)およ
びDx105−FITC(5.7mg)を腫瘍の側に皮下注射し、次にこれらを
24時間飼育して殺す。得られた腫瘍組織切片を蛍光顕微鏡および位相差顕微鏡
でコントラストをつけて観察しフィルムに収める。結果は、F−Dx105−F
ITCが腫瘍組織に拡散した後にHeLa229細胞に明らかに入ることができ
るということを示す(図5参照)。
【0077】 実施例5.F−Dx105の腫瘍抑制作用 HeLa229腫瘍があるヌードマウスの3グループにおいて(各グループの
マウスは6匹)、2つのグループにそれぞれ0.1mlのF−Dx105(1.
12mg)およびDx105(1.12mg)を、6日間毎日腫瘍の側に皮下注
射し、次に20日目にこれらに、0.3mlのF−Dx105(10.52mg
)およびDx105(10.52mg)を皮下注射する。残りのグループのマウ
スを無処理(bland)・グループとして用い、如何なる治療薬もこれらに投
与しない。これら3グループのすべてのマウスを33日間飼育する。
【0078】 1.腫瘍の動的変化 3グループの、HeLa229腫瘍をもつ前記ヌードマウスの腫瘍の大きさを
、投与の後1日おきに求める、すなわち、(a)を長手方向の直径、(b)を最
大の横方向直径として、またそれら全てをキャリパーで測定し、腫瘍の大きさを
実験式:V=πab2/6により計算する。結果は、F−Dx105グループの
腫瘍の成長はDx105およびブランク・グループの成長より明らかに遅く、ま
たF−Dx105グループの腫瘍の成長はより高濃度で補完的な治療薬が投与さ
れた後で明らかに抑制され、腫瘍の大きさの再増加は飼育期間中観察されないと
いうことを示す(図6参照)。
【0079】 2.腫瘍の抑制率 HeLa229腫瘍をもつヌードマウスの3グループを投与開始後33日目に
殺し(図7参照)、腫瘍を取り出し秤量する(図8参照)。腫瘍抑制率を以下の
式で計算する:〔1−(実験グループの腫瘍の重量/ブランク・グループの腫瘍
重量)〕x100%。結果は、F−Dx105の腫瘍抑制率が70%を越え、一
方Dx105の腫瘍抑制率は全く注目に値するものではないということを示す(
以下の表を参照)
【0080】 グループ 動物数 腫瘍重量(mg) 腫瘍の抑制率(%)
(開始/終了) ブランク 6/6 393.6±201.6 − Dx105 6/6 416.1±286.7 -1.03 F-Dx105 6/6 98.4±38.3 74.36
【0081】 3.腫瘍組織の形態観察 3グループの腫瘍組織を固定した後で、通常の方法で腫瘍組織の切片を得てガ
ラス・スライドの上に封入し固定し、次にこれらを位相差顕微鏡で観察しフィル
ムに収める(図9a、9bおよび9cを参照)。結果はF−Dx105グループ
の腫瘍組織の腫瘍細胞は死んでいるかもしくは多くが崩壊しており、前記腫瘍組
織に多くの中空の嚢が存在し、一方Dx105グループの腫瘍組織には、部分的
繊維形成(fiberosis)および少量の死んだ腫瘍細胞のみが見出される
ということを示した。
【0082】 4.腫瘍組織の腫瘍細胞のDNAインデックスの決定 3グループの腫瘍組織を固定した後、エタノールを用いて腫瘍組織を勾配脱水
(gradient dewatering)し、パラフィンで包埋して、切断
することにより、5μmの腫瘍組織切片を得て、次にそれらをガラス・スライド
の上に置き、改良フォイルゲン−アズールA法により染色し、封入して固定する
。各組織切片の50個の腫瘍細胞およびリンパ球細胞(正常細胞として)のDN
A含量をイメージ・サイトメーター、CAS−200で測定する。腫瘍組織の腫
瘍細胞のDNAインデックス(DI;DIが1により近ければより悪性の腫瘍細
胞の割合はより小さく、あるいはより大きな治療効果により優れている)を以下
の式で計算する。 結果は、F−Dx105グループおよびDx105グループのDI値が、ブラン
ク・グループのDI値の66%および89%であることを示す(以下の表を参照
)。
【0083】 グループ 切片 メインピークのDNA質量(mg) DI ブランク 6 25.59±2.95 3.51±0.33 Dx105 6 22.35±0.58 3.11±0.08 F-Dx105 6 16.74±0.83 2.33±0.12
【0084】 実施例6.マウスでのF−Dx105の毒性試験 20匹の昆明(Kunming)種マウス(20〜22g)をオスのグループ
(10匹のマウス)およびメスのグループ(10匹)に分ける。投与の前、それ
らに3時間供餌せず、またそれらを秤量する。それらの尾静脈にF−Dx105
(濃度50mg/ml)を、投与量1500mg/kg、注入容積0.3ml/
10gで皮下注射する。投与後、外見、活性、挙動および被毒マウスの数を毎日
観察し、全てのマウスを7日後に殺して、それらの主な内臓器官を調べる。結果
は、1500mg/kgのF−Dx105を皮下注射した後、これらのマウスが
1週間は奇異反応を全く示さず、それらの体重は増加し、1匹のマウスも死なず
、またそれらの主な内臓器官に異常は全く見られないということを示す。
【0085】 実施例7.F−Dx105組成物 1.凍結乾燥組成物 攪拌条件下、1.25gのF−Dx105を注射用の水に溶解し、次に25m
lに希釈して50mg/mlの溶液を得る。10ml容器の各々を2mlの前記
溶液で満たし、凍結乾燥装置で48時間凍結乾燥して、ゆるく綿状の形態の凍結
乾燥生成物を得て、そしてこの生成物を、栓をしてアルミニウム・カバーで封入
することにより前記容器内に閉じ込める。
【0086】 2.乾燥シロップ組成物 (1)33.0gの葉酸−デキストラン、7.4gの水酸化アルミニウムおよ
び3.2gの三ケイ酸マグネシウムを十分に混合し、150mlの容積の10個
の容器に入れる。使用されるときは、100mlの温水を各容器に加え振って懸
濁液を得る。
【0087】 (2)33.0gの葉酸−デキストランおよび5.0gの炭酸水素ナトリウム
を十分に混合し容積150mlの10個の容器に入れる。使用するとき、各容器
に100mlの温水を加え振って溶液を得る。
【0088】 3.腸溶性カプセル組成物 10.0gの葉酸−デキストランおよび0.2gのステアリン酸マグネシウム
を十分に混合し1#腸溶性カプセルに入れ、各カプセルには100mgの葉酸−
デキストランが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 様々な培養濃度での、HeLa229細胞によるF−Dx105およびDx1
05の取り込み(37℃で4時間培養)を示す図である。
【図2】 様々な培養時間での、HeLa229細胞によるF−Dx105の取り込み(
37℃で培養、培養濃度は4.5mg/ml)を示す図である。
【図3】 様々な葉酸濃度(F−濃度)での、HeLa229細胞によるF−Dx105
の取り込み(37℃で4時間培養、培養濃度は4.5mg/ml)を示す図であ
る。
【図4】 様々な濃度のホスファチダ−ゼDで予め処理されたHeLa229細胞による
F−Dx105の取り込み(37℃で4時間培養、培養濃度は4.5mg/ml
)を示す図である。
【図5】 HeLa229細胞を接種された、腫瘍があるヌードマウスの腫瘍の側に、F
−Dx105−FITC(左)もしくはDx105−FITC(右)を注射して
24時間後の、腫瘍組織切片の蛍光写真(明るい円形のスポットが腫瘍細胞の蛍
光である)を示す図である。
【図6】 HeLa229細胞を接種された、腫瘍があるヌードマウス(グループあたり
6匹のマウス)の腫瘍の側に、F−Dx105およびDx105をそれぞれ注射
した(1日目から6日目まで:56mg/kg、19日目:526mg/kg)
後の、腫瘍の大きさ(V=πab2/6)の動的な変化を示す図である。
【図7】 HeLa229細胞を接種されて腫瘍があり、33日間投与された、殺された
ヌードマウスの3グループのin vivoでの腫瘍の大きさの比較を示す図で
ある(上;ブランク・グループ、左下;Dx105、右下;F−Dx105)。
【図8】 HeLa229細胞を接種されて腫瘍があり、33日間投与された、殺された
ヌードマウスの3グループのin vitroでの腫瘍の大きさの比較を示す図
である。
【図9a】 HeLa229細胞を接種され、33日間飼育された、腫瘍があるヌードマウ
スからなるブランク・グループの腫瘍組織の切片を示す図である。
【図9b】 HeLa229細胞を接種され、33日間投与された、腫瘍があるヌードマウ
スからなるDx105グループの腫瘍組織の切片を示す図である。
【図9c】 HeLa229細胞を接種され、33日間投与された、腫瘍があるヌードマウ
スからなるF−Dx105グループの腫瘍組織の切片を示す図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年3月29日(2002.3.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】 より詳細には、本発明は、式(X)n−Yの葉酸−多糖複合体に関し、Xは同
一であるかもしくは異なり、葉酸、葉酸の誘導体、および葉酸受容体経路で細胞
に入ることができる他の物質からなる群から選択され、Yはアラビノガラクタン
(arabinogalactan)以外の多糖の1種であり、n≧1である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/721 A61K 31/721 31/727 31/727 31/787 31/787 A61P 35/00 A61P 35/00 C08B 37/00 C08B 37/00 Q 37/02 37/02 37/10 37/10 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CO,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 リウ、ミン 中華人民共和国 シャンハイ、イーシュー ユアン ロード 138、 ピー、オー、ボ ックス 190、フダン ユニヴァーシティ、 スクール オブ ファーマシー (72)発明者 パン、ジュン 中華人民共和国 シャンハイ、イーシュー ユアン ロード 138、 ピー、オー、ボ ックス 190、フダン ユニヴァーシティ、 スクール オブ ファーマシー Fターム(参考) 4C076 AA29 AA53 BB01 CC27 DD25 DD27 DD30 DD41 4C086 AA01 AA02 AA03 EA03 EA20 EA27 MA01 MA04 MA37 MA43 MA44 MA52 NA13 NA14 ZB26 4C090 AA02 AA09 BA07 BA12 BA68 BA92 BB53 BB54 BB62 BB63 BB65 BB77 BB84 BB92 BB95 BD36 BD37 BD41 CA36 CA38 DA09 DA23

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の一般式:(X)n−Yを有し、Xは同一であるかもし
    くは異なり、葉酸、その誘導体および細胞膜上の葉酸受容体の経路から細胞に入
    ることができる他の物質からなる群から選択され、Yは多糖であり、n≧1であ
    ることを特徴とする葉酸−多糖複合体。
  2. 【請求項2】 Xが、葉酸、フォリン酸、ジヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸
    、テトラヒドロプテリン、プテロイルポリグルタミン酸、2−デアミノ−ヒドロ
    キシ葉酸、1−デニトロ葉酸、3−デニトロ葉酸、8−デニトロ葉酸からなる群
    から選択される請求項1記載の葉酸−多糖複合体。
  3. 【請求項3】 前記多糖Yが、グルカン類、ポリサッカロース類、フルクト
    サン類、ヘテロ多糖類、硫酸化モノ−あるいはヘテロ多糖類、モノ−あるいはヘ
    テロ−グリクロネート(glycuronate)−多糖類および他の親水性ア
    ルコール性ポリマー類からなる群から選択される請求項1記載の葉酸−多糖複合
    体。
  4. 【請求項4】 前記多糖が4,000〜2,000,000の分子量範囲を
    有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の葉酸−多糖複合体。
  5. 【請求項5】 前記グルカンがデキストランである請求項3記載の葉酸−多
    糖複合体。
  6. 【請求項6】 前記デキストランが10,000〜2,000,000の分
    子量範囲を有する請求項5記載の葉酸−多糖複合体。
  7. 【請求項7】 前記デキストランが10,000〜150,000の分子量
    範囲を有する請求項6記載の葉酸−多糖複合体。
  8. 【請求項8】 前記デキストランが約105,000の分子量を有する請求
    項7記載の葉酸−多糖複合体。
  9. 【請求項9】 葉酸および多糖成分をアルカリ触媒と脱水剤の存在下に縮合
    させて葉酸−多糖複合体を得ることからなることを特徴とする、葉酸−多糖複合
    体の生産方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の葉酸−多糖複合体および医薬的に許容され
    るアジュバントを含むことを特徴とする、抗腫瘍薬として有用な医薬組成物。
  11. 【請求項11】 凍結乾燥粉末、乾燥シロップあるいは腸溶性カプセルの形
    態である請求項10記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 抗腫瘍治療薬剤の製造における葉酸−多糖複合体の使用。
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