JP2003531791A - エレベータ昇降路情報を生成するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 エレベータ昇降路内におけるエレベータカー２の位置は、エレベータの制御４において重要である。この目的のため、エレベータ昇降路情報を生成するための装置が必要とされる。引用された例において、装置はエンコーダ１１から成り、エンコーダは、昇降路の高さにわたって張力が付与された歯付きベルト１０に接続されている。前記エンコーダは、エレベータカー２の絶対位置を検出する。エレベータカー２に配置されたエンコーダ１１は、エレベータカー２がエレベータ昇降路１内で移動する時に、歯付きベルト１１によって駆動可能な歯車１２を有している。ガイドローラ１３は、歯車１２を、歯付きベルト１０の歯との作用において確実に噛合させる。歯付きベルト１０の各端部は、横方向支持部材１４に結合されている。引張ストリングとして作用する歯付きベルトの補強部材は、必要なベルト張力の維持を確実にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、エレベータ昇降路における昇降路情報を生成するための装置であっ
て、エレベータ昇降路内には、コード化されたストリップが、昇降路の高さにわ
たって配置され、ストリップのコードは、エレベータ昇降路内で移動可能なエレ
ベータカーに配置されたセンサ装置によって読み取られることができるとともに
、エレベータカーの移動パラメータに変換できる装置に関する。

【０００２】 エレベータカーの絶対位置を決定するために用いられる昇降路情報を生成する
装置は、米国特許第４４３３７５６号から知られている。昇降路の高さにわたっ
て張力が付与された伸長性がある開口付きのストリップは、エレベータカーに配
置された光学式読み取り装置によって走査される。開口付きのストリップは、２
つのトラックを有しており、一方のトラックは、２進コード化されたカー位置を
表わし、他方のトラックは、ストリップの全長にわたって一定の間隔で開口を有
している。第１のトラックは、１つの光学式読み取り装置によって走査され、第
２のトラックは、２つの光学式読み取り装置によって走査され、その走査結果か
らエレベータカーの移動方向が決定される。

【０００３】 この知られた装置の欠点は、昇降路の高さにわたる複数の場所でストリップを
支持しなければならないという点である。更なる欠点は、温度の変化が、昇降路
情報の精度に直接に影響を及ぼすという点である。さらに、開口付きストリップ
は、エレベータ昇降路内に広がる空気の循環に起因して、油が付着した埃によっ
て汚染される。その結果、穿孔の光走査において問題が生じ、またその光走査が
不正確になる。

【０００４】 そのため、本発明は改善方法を提供する。請求項１において特徴付けられるよ
うに、本発明は、知られている装置の欠点を回避し、且つ最も簡単な手段で昇降
路情報を生成する装置を作り出すという目的を満たす。

【０００５】 本発明によって得られる利点は、本発明に係る装置が、概ねメンテナンスを行
なう必要がなく、汚染されず、通常の市販部品によって構成されるという点に、
実質的に見られる。停電時、本発明に係る装置は、位置情報を失わず、また、停
電後に移動を確認する必要がない。さらに、装置は、昇降路情報を生成するため
の非安全性に関する全ての昇降路スイッチに取って代わる。情報送信体として機
能する歯付きベルトは、エンコーダと噛合した状態で配置されており、これによ
り、歯付きベルトとエンコーダとの間で滑りが生じなくなる。昇降路の高さにわ
たって２つの端部で張力が付与された歯付きベルトは、装着が容易である。歯付
きベルトは、バネ特性を有する補強部材を有しているため、例えば引張バネの形
態を成す付加的な張力付与部材を装着する必要がない。歯付きベルトの両端部は
それぞれ、小穴あるいは輪（ｅｙｅ）に形成されることができるとともに、クリ
ップによって歯付きベルトと接続可能である。輪は、昇降路内に配置された円筒
状マウントの周囲に巻きついている。温度や時間の経過に伴う構造上の本体の変
化は、本発明に係る装置の精度に全く影響しない。これは、歯付きベルトに常に
張力が付与されており、常に特定の階の高さが、歯付きベルトの同じ歯に位置し
ているためである。

【０００６】 添付図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。

【０００７】 図１は、エンジンルームが無いエレベータ設備を示している。本発明に係る装
置は、エンジンルームを有するエレベータ設備にも使用することができる。駆動
プーリを有するエレベータ駆動装置は、図示されていない。エレベータ駆動装置
によって、エレベータカー２とカウンターウエイト（図示せず）とを接続し、エ
レベータ昇降路１内で上下動するケーブルが案内される。エレベータカー２は、
ガイドレール３に沿って移動できる。１つの階に配置されたエレベータ制御装置
４は、エレベータ駆動装置とエレベータカー２の移動方向とを制御するとともに
、エレベータの動作の安全性を確保する。エレベータカー２は、階Ｅ１および階
Ｅ２を担当する。図示の例において、エレベータ設備は、２つの階を伴って図示
されているが、それ以上の階があってもよい。エレベータ設備の安全回路は、階
のドア（図示せず）接点の一連の回路と、エレベータ昇降路１の上限スイッチ５
および下限スイッチ６とから成る。上限スイッチ５は、エレベータカー２が昇降
路ヘッド７へと移動することを防止する。また、下限スイッチ６は、エレベータ
カー２が昇降路ピット８へと移動することを防止する。エレベータカー２が階Ｅ
１、Ｅ２へと移動すると、階Ｅ１、Ｅ２の安全接点を橋絡するドア領域接点９が
作動し、これにより、安全回路を遮断することなく、エレベータカーのドアおよ
び階のドアを早期に開くことができる。

【０００８】 エレベータ昇降路１内におけるエレベータカー２の位置は、エレベータ制御装
置４にとって重要である。この目的のため、昇降路情報を生成する装置が必要と
なる。この例において、昇降路情報を生成する装置は、昇降路の高さにわたって
張力が付与された歯付きベルト１０と、歯付きベルト１１に接続されて配置され
、且つエレベータカー２の絶対位置を検出するエンコーダ１１とから成る。エレ
ベータカー２に配置されたエンコーダ１１は、歯車１２を備えている。この歯車
１２は、エレベータ昇降路１内におけるエレベータカー２の移動時に、歯付きベ
ルト１１によって駆動できる。ガイドローラ１３は、歯車１２とベルト１０の歯
とを確実に噛合させる。歯付きベルト１０の各端部は、円筒状マウントによって
横方向ビーム１４に配置されている。歯付きベルト１０は、バネ特性を有してい
るため、例えば引張バネの形態を成す付加的な引張部材を装着する必要がない。
歯付きベルト１０の両端部はそれぞれ、輪に形成されることができるとともに、
クリップによって歯付きベルトと接続可能である。ケーブル輪は、横方向ビーム
１４に配置された円筒状マウントの周囲に巻きついている。歯付きベルト１０は
、例えば、歯付きベルト１０にバネ特性を付与するスチール補強部材を備えてい
る。さらに、歯付きベルト１０は、最初に捻れの無い装着を可能にするカラーマ
ーキングを有している。

【０００９】 また、歯付きベルト１０の代わりに、十分な圧力でエンコーダ１１のプーリに
当接する、滑らない面を有するフラットベルトを使用することもできる。

【００１０】 エンコーダ１１の歯車１２は、コード化されたディスクを有するシャフトを駆
動する。コード化されたディスクのコードは、光電子的に読み取られ、そのデー
タは、シフトレジスタ内にファイルされる。コード化されたディスクが３６０°
を越えて回転すると、コーディングが繰り返される。エレベータ昇降路の移動経
路等のように移動経路が長い場合、第１のコードディスクと更なるコードディス
クとの間に減速装置が接続される。この場合、減速装置は、第１のコードディス
クの回転に対する特定の減速比にて、更なるコードディスクを減速する。更なる
減速装置およびコードディスクを、下流側に接続することができる。

【００１１】 エレベータ制御装置４のクロック信号が、シフトレジスタに加えられる方法で
、エレベータ制御装置４を用いたデータ変換が実行される。この場合、クロック
信号は、エレベータ制御装置４へのシリアルデータ送信を制御する。エレベータ
制御装置４は、送信されたデータから、例えばエレベータ昇降路１内におけるエ
レベータカー２の絶対位置、エレベータカー２の速度、および／またはエレベー
タカー２の移動方向といったエレベータカー２の移動パラメータを生成する。

【００１２】 停電時、エンコーダ１１の位置情報は、複数のコードディスクの設定によって
維持される。また、昇降路情報を生成する装置は避難動作のためにも使用される
ため、エンコーダ１１はバッテリサポートを用いて動作される。エンコーダ１１
が移動パラメータを生成しない場合、または有効な移動パラメータを生成しない
場合、例えば、歯付きベルト１０が破損した場合には、エレベータカーが直ちに
停止される。

【００１３】 エンコーダ１１の絶対位置情報から、非安全性に関する全ての昇降路情報を得
ることができる。図示された例から明らかなように、エレベータ昇降路１内にお
ける安全スイッチ５、６、９の他に、スイッチは必要ない。例えば、階の高さは
、エンコーダ１１によって測定され、エレベータ制御装置４に伝えられる。この
目的のため、エレベータカー２は、エレベータ昇降路１内で、対応する高さへと
移動され、階の絶対位置情報がエレベータ制御装置４に送信される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 昇降路情報を生成するための装置を示している。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１４年３月５日（２００２．３．５）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 3F303 CB13 3F305 BA11

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータ昇降路における昇降路情報を生成するための装置
   であって、コード化されたストリップが、昇降路の高さにわたって配置され、ス
   トリップのコードは、エレベータ昇降路内で移動可能なエレベータカーに配置さ
   れたセンサ装置によって読み取られることができるとともに、エレベータカーの
   移動パラメータに変換でき、ストリップが、歯付きベルト（１０）であり、該歯
   付きベルトは、昇降路の高さにわたって延びており、歯付きベルトの歯は、エレ
   ベータ昇降路（１）内でのエレベータカー（２）の移動中に、前記エレベータカ
   ー（２）に配置されたエンコーダ（１１）によって走査されることができ、エン
   コーダの情報を、前記エレベータカー（２）の移動パラメータに変換できること
   を特徴とする装置。
2. 【請求項２】 前記歯付きベルト（１０）は、張力付与部材として作用する
   バネ特性を有する補強部材を備えていることを特徴とする、請求項１に記載の装
   置。
3. 【請求項３】 前記歯付きベルト（１０）は、その長さに関して、捻れの無
   い装着を可能にするマーキングを有していることを特徴とする、請求項２に記載
   の装置。
4. 【請求項４】 前記エレベータカー（２）の絶対位置を検出するエンコーダ
   （１１）が設けられ、絶対位置は、エネルギを伴わないで記憶され続けることを
   特徴とする、請求項１から３のいずれか１項に記載の装置。
5. 【請求項５】 昇降路スイッチの代わりに、前記エンコーダ（１１）の絶対
   位置情報から、非安全性に関する昇降路情報が得られることを特徴とする、請求
   項４に記載の装置。