JP2003530711A - リソグラフィにおいてレジスト加熱をリアルタイムに補正する方法及び装置 - Google Patents

リソグラフィにおいてレジスト加熱をリアルタイムに補正する方法及び装置

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JP2003530711A JP2001575460A JP2001575460A JP2003530711A JP 2003530711 A JP2003530711 A JP 2003530711A JP 2001575460 A JP2001575460 A JP 2001575460A JP 2001575460 A JP2001575460 A JP 2001575460A JP 2003530711 A JP2003530711 A JP 2003530711A
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サージー バビン,
ロバート インネス,
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エテック システムズ インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、加熱による高レジスト感度を相殺するために、エネルギービームリソグラフィ中のレジスト温度を求めるとともにそのビーム電流を低下させることを含むプロセスパラメータを調整する方法及び手順に関する。本発明は、描画が進むにつれてリアルタイムでレジスト加熱を予測し、よってビーム補償をリアルタイムで行うことを可能にする方法に関する。前に描画された点から現在描画している点のレジスト温度を推定する手順を与える直線的重ね合わせの近似が記載される。本発明は、温度がe-ビーム露光の前に求められるラインの直前の画素のラインに履歴が記録されるように前に描画されたパターンの熱履歴、及び直前のラインの前に描画されたラインの熱履歴を表す単一数を利用する。本発明においてレジスト加熱を計算する反復法は、様々なデバイスについてディジタルに実施することができる。更に、本反復法を再現する個々のアナログ回路部品も記載され、レジスト加熱の迅速な計算がもたらされる。本発明の利点は、入射電子がレジストを加熱し露光領域が広がるパターンブルーミングの防止又は改善を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】 【技術分野】
本発明は、一般的には、電子ビームリソグラフィに関し、更に詳細には、前に
描画した領域からの熱拡散によるレジストの加熱を相殺するリソグラフィプロセ
スのリアルタイム補正に関し、最も詳細には、リソグラフィプロセスの補正を十
分に迅速に可能にするために、リアルタイムでレジスト加熱を計算する方法及び
装置に関する。
【0002】
【関連技術の説明】
表面上に正確なパターンを形成することは、集積回路の製造に必要な段階であ
り、他の多くの商業的環境にも用途がある。そのようなパターンを形成する典型
的な方法は、パターン形成される表面をエネルギーに露光したときに化学変化を
受ける化学薬品、『レジスト』で被覆する方法である。ポジ型レジストは、エネ
ルギーに露光されたときに化学変化し、それによって露光された領域内のエッチ
ングされる表面からレジストが除去される。ネガ型レジストは、架橋のような他
の化学変化を受け、それによってエネルギーに露光されない領域内のレジストが
除去される。ポジ型レジストもネガ型レジストも商業的に用いられている。従っ
て、レジスト被覆表面をエネルギーの適切なパターンに露光することにより、そ
のパターンによって(露光又は遮蔽した)レジストが選択的に除去され、続いての
エッチングステップにおいて下にある表面の選択された領域が化学エッチングに
曝露される。表面エッチング後にすべてのレジストを除去することにより、表面
にエッチングされた所望のパターンが生じる。
【0003】 レジスト上に入射するエネルギーは、典型的には電磁エネルギーか又はビーム
の粒子、典型的にはイオン又は電子(『e-ビーム』)である。更に、エネルギー
は、2種類の一般的な方法:1)透明領域と不透明領域の双方をもつマスクによ
って入射エネルギーの選択通過が下にあるレジスト上に露光の所望のパターンを
形成することを可能にする方法、又は2)集束ビームとして露光を必要とする領
域にのみ選択的に衝突するように進められる方法、でレジストに送ることができ
る。マスクを通しての露光は、低コストで多くの同じパターンを形成する現在の
好適手法である。しかしながら、最も一般的には集束ビームの衝突によってまず
マスクを作成しなければならない。従って、レジストの集束ビーム露光は、依然
としてリソグラフィのマスクの製造に必要なステップである。
【0004】 レジストにパターンを直接ビーム『描画する』ことは、マスクを用いることよ
りいくつかの点で有利である。特に、マスクの整列と位置決めの複雑さを回避す
ること及び正確な集束ビームによって更に正確にパターン形成することである。
従って、ビームリソグラフィは、マスク形成のほかに多くの技術領域に用途があ
る。しかしながら、本明細書中の記載は、特に、マスクの製造のためのe-ビーム
リソグラフィに関するが、本明細書に記載された方法の他の用途も当業者には明
らかである。言葉のむだを省くために、マスクの製造に典型的に用いられるe-ビ
ームリソグラフィが記載されるが、本発明の範囲を電子のみに限定するものでは
ない。
【0005】 正確なパターン形成には、レジストの正確な露光が必要である。具体的な説明
のために、ポジ型レジストの例が考慮されるが、これは、ポジ型レジストが入射
e-ビームに露光される続いてのエッチングのために下地層から除去される。当該
技術において十分に理解されるようにネガ型レジストにも完全に同じ効果がある
。両タイプのレジストの露光領域と非露光領域間にはっきりした境界が所望され
、マスク設計者が不正確に露光された隣接のパターンが妨害したり重なることな
く密に詰まった部品を用いることができる。
【0006】 レジストの正確な露光には、e-ビーム露光に対するレジストの感度を詳しく理
解することが必要である。線量と呼ばれるレジストのe-ビームに対する露光は、
典型的にはマイクロクローン/平方センチメートル(μC/cm2)で測定される。レ
ジストの感度は、現像のときにレジストに所望のパターンを形成するのに必要な
電子線量(μC/cm2)を意味する。この感度は、レジスト組成、入射電子ビーム
のエネルギー、レジストの温度、レジスト現像プロセス又は他の要因の関数であ
る。描画が現れるときの温度によるレジスト感度の変化は、本発明に特に関係が
ある。
【0007】 露光すべきすべての表面をスキャンするには、典型的には、非常に大きな面積
にわたって表面を機械的に移動させつつ限られた面積に電子ビームをスキャンす
ることが必要である。電子ビームスキャニングは、典型的には、表面を横切るビ
ームの速い通過運動が必要である(約10,000cm/secまで)が、表面の小さな領域
をスキャンするだけである(典型的には横の限度がミリメートル前後)。基板全
体は約1 cm/secでe-ビームが表面全体を露光するのに十分に横断する範囲にわた
って機械的に移動する。
【0008】 e-ビーム衝突によるレジストの露光とレジストの加熱が概念的に2つの異なる
現象であることを強調することは有効である。有効なリソグラフィ特性をもたら
すレジストの化学活性は、e-ビーム衝突によって開始する。この化学活性を引き
起こす際の電子の効力がレジストの感度として定義される。e-ビーム衝突に対す
るレジストの感度は、露光されるときのレジストの温度を含む多くの要因に左右
される。従って、レジストの温度が変わるとその感度が変わり、適切な露光を得
るために電子の線量を変えることが必要となってしまう。温度によるレジスト感
度の変化を考慮しないと、レジストの過剰露光、全く露光すべきでない領域での
レジストの露光、及び正確でないパターンを招いてしまう。パターン『ブルーミ
ング』は望ましくない結果である。
【0009】 レジストの加熱は、2つの方法で生じる。1)露光のためにレジストに意図的
に向けられた電子による衝突に伴う副作用として生じる。この加熱は、e-ビーム
リソグラフィに常に存在し、正しい露光を指定するためにレジストが調整される
ときに考慮される。2)高電圧リソグラフィにおいては、ほとんどの電子ビーム
エネルギーがレジストと下地マスク層(典型的には非常に薄い)を通過し、ほと
んどのエネルギーが熱として蓄積する基板を透過する。(薄い基板が用いられる
場合、典型的にはX線マスクの製造において、基板自体が薄い膜であるのでほと
んどのビームエネルギーが通過する例外が生じる。)厚い基板における電子拡散
によって、単一e-ビームフラッシュからの熱が基板、典型的には横の範囲(e-ビ
ーム方向に垂直)が10ミクロン(マイクロメートル)以上の体積に蓄積する。続
いての熱伝導によってこの熱の一部が基板表面に運搬され、フラッシュの数マイ
クロ秒後にレジストを横の範囲が数十ミクロンであってもよい帯域に加熱し、数
ミリ秒後にはミリメートルに増大する。(正確な数字は、ビームエネルギー、基
板の組成及びその熱特性に左右される。)その後、熱はレジスト露光に対してほ
とんど影響がない程度に拡散した。本発明が『近接加熱』又は『レジスト加熱』
として取組みかつ示す加熱はこの第2のタイプの加熱である。そのレジスト加熱
は、前に描画したパターン及び描画しているパターンの時間履歴に左右される。
この可変性はレジスト加熱を高精度のe-ビーム描画のプロセスを設計する際に推
定する意欲を特にかりたてるものである。
【0010】 本明細書に用いられる『近接加熱』又は『レジスト加熱』は、レジスト内に散
乱した電子の化学作用に関係する『近接効果』と混同してはならない。物質を通
過するビームの電子は、偏向衝突のエネルギーロスを含めて又は含めずに、しば
しば原子核又は軌道電子にぶつかるとともに工程ラインからの偏向を受ける。『
近接効果』は、これらの散乱電子がレジストを露光した化学作用に関係し、おそ
らくe-ビームが送られる企図された露光帯域から比較的離れている。レジスト内
の散乱電子は、所望の露光帯域から離れた露光をまねくことがある。レジストの
下の層からの逆散乱電子は、レジストに再進入することがあり、有害な露光を与
える。レジストの望ましくない露光をまねく散乱電子の作用を改善する多くの方
法が示された。Bohlenら(米国特許第4,426,584号及び同第4,504,558号)は、照
射量ロスを補正するように設計された入射e-ビームの第2露光又は(マスクを通
るe-ビーム露光のために)2つの相補マスクの使用を示している。電子ビーム照
射量を補正するいくつかの方法が示され、Watson(米国特許第5,736,281号)、A
shtonら(米国特許第5,051,598号)、Owenら(米国特許第5,254,438号)、及びC
hungら(米国特許第5,432,714号)の研究が含まれている。しかしながら、すべ
ての場合においてその研究の焦点は、レジストの望ましくない露光を引き起こす
際の散乱電子の化学作用を防止又は低減することである。対照的に、本発明は、
蓄積された熱の伝導によって間接的にターゲットを加熱する入射電子と散乱電子
双方の熱作用、及びこの加熱によるレジスト感度の変化に関する。
【0011】 レジスト加熱の計算は、典型的には、適切な拡散(偏微分)方程式の数値解法
に基づいている。電子衝突による熱源は、分析近似値によって示されてもよく、
エネルギーを蓄積しているレジストを含むターゲットに透過する数値的モンテカ
ルロシミュレーションによって直接誘導されてもよい。多くの従来の方法は、レ
ジスト加熱のリアルタイム計算及び応答の描画プロセスの調整を可能にするe-ビ
ーム描画速度と比べて実際には緩慢すぎることがわかった。本発明は、e-ビーム
描画速度に匹敵するタイムスケールでレジスト加熱を速やかに予測する方法を提
供する。レジスト加熱のこのリアルタイム予測によって、描画が進みつつ調整さ
れるe-ビーム及び/又は描画プロセスの特性がレジスト加熱を相殺することが可
能になる。
【0012】 レジスト加熱は、いくつかの計算と測定が課題であった。Ralphらは、『第10
回国際会議における、電子とイオンビームのサイエンス及びテクノロジーに関す
るシンポジウムの会議録』、p.219-2330(1983)に拡散方程式の数値積分によっ
てレジスト加熱を計算する方法を記載している。Babinらも、レジスト加熱の数
値的シミュレーション及び測定値を用いたその計算の比較を記載している:SPIE
, Vol.3048, p.368-373(1997)及びJ. Vac Sci Technol. B Vol. 16, pp.3241-32
47(1998)。レジスト加熱の計算と測定値との比較も、Yasudaら, J. Vac Sci Tec
hnol. B Vol.12, pp.1362-1366(1994)に記載されている。
【0013】 レジスト加熱を計算及び/又は補正する方法及びその計算をリアルタイムで行
う方法を処方する方法が用いられてきた。これらは、Veneklasenら(米国特許第
5,847,959号)の研究及びInnesらの係属中の特許出願(第09/343,960号、本出願
と共に一般譲渡された)を含んでいる。本発明は、汎用ディジタルコンピュータ
、フィールド-プログラマブル-ゲート-アレイ、ディジタルシグナルプロセッサ
等で行うことができるレジスト加熱を算出及び補正する代替的方法である。結果
として非常に速やかな計算が生じる。レジストのレジスト加熱が本発明の手順に
従って非常に速やかにリアルタイムで計算することができ、パターン形成プロセ
スの補正をリアルタイムで可能にする専用アナログハードウエアが記載される。
【0014】
【発明の概要】
レジストにおけるパターンの正確な描画にはレジストの正確な露光が必要であ
り、e-ビーム衝突に対するレジストの感度の正確な知識が必要である。レジスト
感度は、描画時のレジストの温度に左右される。従って、本発明は、処理中のレ
ジスト温度を求めるとともにビーム電流を低下させることを含むプロセスパラメ
ータを調整して高レジスト感度を相殺する方法及び手順に関する。典型的には、
描画点の本発明によって予測されるレジスト温度の上昇は、レジストの温度感度
に関係する倍率が掛けられる。その結果、補正がビーム電流(又はドウェル時間
)に加えられて正確なレジスト露光が得られる。補正は、典型的には1未満の倍
数的に増加する係数であり(ほとんどのポジ型レジスト)、ビーム電流が調整さ
れて描画点でのレジスト加熱を補正する。同様の方法で、ビームドウェル時間に
対する補正が代替的に又はビーム電流補正のほかに用いることができる。e-ビー
ム電流又は各スポット又は『フラッシュ』のドウェル時間を調整することができ
ることが考えられる。よってパターンブルーミングが減少する。
【0015】 本発明は、描画が進行するのにつれてリアルタイムでレジスト加熱を予測し、
よってビーム補償をリアルタイムで行うことを可能にする方法に関する。高処理
効率を得る方法が記載される。
【0016】 前の描画点から今の描画されている点のレジスト温度を推定する手順を与える
直線的重ね合わせの近似値が記載される。これらの手法は、e-ビームが順次すべ
てのライン上にスキャンするラスタ又はサーペンタインスキャニングの場合に最
も有効であり、各点(画素)に正しい量のエネルギー(ゼロエネルギーを含む)
を蓄積することによりレジストに所望のパターンを形成する。従って、ラスタ又
はサーペンタインスキャニングについては、各画素を描画する時間とその画素の
表面上の場所との関係は一定で既知である。『描画』とは、エネルギーが蓄積さ
れてもされなくても表面上の具体的な画素に対してe-ビームを向けることを意味
する。これは、e-ビームがゼロでないエネルギー露光を必要とするある一定の領
域に向けられ、他の領域を全部スキップする、『ベクタスキャニング』と対照的
である。ベクタスキャニングのレジスト加熱の予測は、画素iを描画する時間と
場所と画素jを描画する時間と場所との関係が不明であるために更に複雑である
。i,jと装置の特性を知ることにより、2つの画素、i,jの時間と距離の関係
をラスタ又はサーペンタインマシーンが正確に知ることができる。
【0017】 本発明は、温度がe-ビーム露光の前に求められるラインのすぐ前の画素のライ
ンに履歴が記録されるように前に描画されたパターンの熱履歴、及びすぐ前のラ
インの前に描画されたラインの熱履歴を示す単一数値を利用する。即ち、ライン
2(描画された第2ライン)の温度は、ライン1(描画された第1ライン)の熱
履歴の知識及びライン2を描画する場所と時間における熱の消散の時間と距離か
ら求められる。ライン3を描画する時間と場所におけるレジスト温度は、ライン
2の熱履歴の知識、及び前に描画されたラインから生じる熱作用を考慮する単一
数値から求められる。従って、この近似値では、ラインiを描画する時間と場所
におけるレジストの温度は、すぐ前のライン、ライン(i-1)の特性と単一数
値パラメータから求められる。ラインiに対するライン(i-2)、(i-3)...
の熱作用は、ライン(i-1)の特性とパラメータに反復して蓄積されている。
本発明においてレジスト加熱を計算する反復法は、様々なデバイスについてディ
ジタルに行うことができる。更に、この反復法を再現する個々のアナログ回路部
品が記載され、レジスト加熱の速やかな計算がもたらされる。本発明の利点は、
入射電子がレジストを加熱しかつ露光領域が広がるパターンブルーミングの防止
又は改善を含んでいる。
【0018】 本明細書中の図面は一定の比率で縮尺されていない。
【0019】 [発明の詳細な説明] e-ビームリソグラフィの一般動作は、電圧によって加速される集束電子ビーム
、典型的には1000ボルト(1 kV)以上を利用する。低い電圧e-ビームは、レジ
ストを露光するのに効果的である。高い電圧e-ビームは、正確に集束したビーム
へ生成する性能が好ましく、正確なリソグラフィ及び小さなパターンをつくる能
力がもたらされる。本明細書における『高電圧』e-ビームは、一般的には、約10
kVより高いe-ビームエネルギーを意味すると理解される。50〜100 kV程度の
ビームエネルギーが用いられる。しかしながら、高エネルギーe-ビームは、望ま
しくない加熱副作用を生じ、その改善が本発明の目的である。
【0020】 図1は、レジスト層3に入射する低エネルギー電子のビーム(約5 kV未満)
4を示す略断面図である。典型的には、レジスト層3は、比較的薄い、約0.5 μ
m(『ミクロン』=10-6メートル)ものである。レジスト3は、エッチングすべ
き層2に重なり、そのすべてがかなり厚い基板1で支持されている。リソグラフ
ィマスクの製造については、層2は、一般的にマスク材料、典型的にはクロムを
含有するメーカー独自の組成膜であり、レジスト層と比べて一般的には非常に薄
い。基板1は、典型的にはガラスであり、本明細書に記載される本発明に適切な
e-ビームリソグラフィが直面する影響はすべて厚いガラス層1の下面(図1に図
示せず)によって影響されないので無限に厚いと考えることができる。非常に薄
い基板、典型的にはx線リソグラフィマスクの製造で直面するように例外である
。図1(本明細書の他のすべての図に共通している)は、単なる略図であり、一
定の比率での縮尺ではない。
【0021】 図1に示される低エネルギービームについては、図1に示されるように、レジ
スト表面と衝突したときとほとんど同時に始まるエネルギーのかなりの消散とe-
ビームの拡散がレジスト層に生じる。幅が低エネルギーe-ビームの拡散は、透過
の深さと比例することができる。従って、低エネルギーe-ビームは、レジスト層
に散乱する傾向があり、よって所望されるより広い範囲のレジストを露光し、企
図されたものと異なるパターン、入射ビームより広いパターンでレジストを露光
する。この『パターンブルーミング』は、散乱電子とレジストとの化学相互作用
又は『近接効果』の結果である。レジスト層の下にある層からの逆散乱によって
も望ましくない露光やパターンブルーミングをまねく。層2上に正確なパターン
を形成することは、高いエネルギービームの使用が好ましいレジスト3を通過す
るときにe-ビームの拡散を最少することによって促進される。
【0022】 高エネルギービームの使用には、高い電圧と高いビーム電流双方が必要である
。低エネルギーe-ビームは、レジストを露光するのに必要とされるかなりの部分
のビームエネルギーをレジスト層に蓄積する。従って、レジストを現像するのに
有効なビーム強度が効率よく利用されるので低エネルギーe-ビームには少ない入
射ビーム強度(ビーム電流)が必要である。従って、電流及び電圧共に高エネル
ギーe-ビームリソグラフィに用いられたものから低下するので、ターゲットに蓄
積するエネルギーは、低エネルギーe-ビームについては典型的にはかなり低い。
即ち、蓄積するエネルギーは、ビーム電圧*ビーム電流*露光時間の積である。
【0023】 例示のためで限定のためでなく、10 kVビームによるレジスト露光を50 kVに
よるものと比較する。ビームエネルギーが増加するにつれてレジストを十分に露
光し続けるために電流がビームエネルギーとともにほとんど直線的に増大しなけ
ればならないことが実験でわかる。従って、ビームエネルギーを10 kVから50 k
Vに5倍だけ高くすると、レジストを十分に露光するために約5倍だけ電流又は露
光時間を付随して増大することが必要である。e-ビームパルス(又はフラッシュ
)あたり蓄積するエネルギーは、ボルト*アンペア*(パルス時間)であり、こ
の例ではパルスの長さが等しい場合に約25倍だけ高くなる。
【0024】 図2は、高入射ビームエネルギー、典型的には約50 kVでレジスト3に入射す
るe-ビーム4を示す略断面図(一定の比率でない)である。レジスト層3におけ
る図1で5として示されたビーム拡散は、図2に示される高エネルギービームの
衝突の場合、典型的には無視できる。そのような高エネルギービームは、かなり
のビーム拡散が生じる前に、レジスト層3、マスク層2を通過し、ガラス基板へ
十分に進む傾向がある。よって、加熱帯域6は、e-ビームがレストに入る基板1
内につくられる。典型的には、約50 kVの電子ビームエネルギーについては、帯
域6はガラス基板1の上面より下の重心が約10μmの直径約20μmであり、小さな
フラッシュ又は丸いスポットについては、入射e-ビームで特定される垂直軸に回
転対称である。
【0025】 上記のように、高電圧e-ビームは、典型的には、低電圧ビームより基板1に多
くのエネルギーを蓄積し、そのようなエネルギーはビームエネルギーの二乗だけ
増大する(高電流を必要とすることも満たさなければならない)。パルス当たり
のエネルギーは重要でなくてもよいが、レジストを完全に露光するのに何百万又
は実際には何億のパルスが衝突する。従って、高エネルギー電子ビームによって
基板1のかなりの加熱が生じる。入射e-ビームが通過することによるレジスト層
の直接の加熱は、かなりのものであるが、加えられた線量から容易に予測可能で
あり、よって調整で相殺し得る。しかしながら、描画が今行われている点のレジ
スト加熱は、多くの(典型的には数百万の)前のパルスによって熱が蓄積した基
板内の領域から伝導して影響されるので可変する。従って、レジスト加熱は、描
画されるパターン及び過去のパルスのタイミングと順序に左右される。本発明は
、レジスト加熱作用による描画点のレジスト温度を評価し、適切なビーム調整を
可能にするデータを与えるものである。
【0026】 ラスタスキャン電子ビームリソグラフィマシーンは、典型的には、機械的段階
が約1 cm/secの速度で直交する向きに基板を移動するように25マイクロ秒毎に長
さが約1 mmに直線経路で電子ビームをスキャンする。1つのビームスキャンの終
わりと次の始まりの間は、約5マイクロ秒であり、『フライバック時間』と呼ば
れる。スキャン配列は、ラスタ又はサーペンタインであってもよく、それぞれ一
方向にのみ描画されるか二方向に描画される。前の描画によるレジストの温度は
、線量補正がマイクロ秒毎に又は数マイクロ秒毎に更新されることを必要とする
電子ビームスキャン経路に沿って数十度だけ変動してしまう。これらは、近似の
数値であり、描画される正確なパターン、用いられる正確なe-ビームマシーン、
基板の種類、必要とされる精度、レジスト感度、及び他の要因に左右される。
【0027】 ラスタスキャンは、約20℃の温度だけレジスト温度を高くなってしまい、ベク
タスキャンは、レジスト温度を100℃を超える温度に高くなってしまうことが認
められる。一般に用いられるノボラックレジストは、約0.2%/℃だけ温度により
感度が変化する。即ち、レジスト温度の20℃の変動は、レジスト感度を約4%だ
け変化させる。これにより、特に超微細リソグラフィについてはe-ビームパター
ンに対して重要なブルーミング効果が生じる。
【0028】 図3は、典型的にはレジスト感度の上昇から生じるパターンブルーミングを示
す図である。図3の7は、正面図(図3A)と側面図(図3B)における露光レ
ジストの所望のパターンを示す図である。パターンとプロセスの設計者は、露光
点9(例えば)が所望のパターンの境界であるようにe-ビーム露光を計画する。
しかしながら、高レジスト感度により、予想されないe-ビーム線量でレジストを
完全に露光することができる。即ち、パターンエッジが位置10まで移動し、8
で示される広くなったパターンが生じる。
【0029】 Babinと共同研究者らは、SPIE, Vol.1671, pp.93-97(1992)で電子の有効なレ
ジスト露光量、入射e-ビーム電流とレジスト温度との関係を述べている。この研
究は、e-ビーム電流又は露光時間の制御が加熱によるレジスト過剰露光を制御す
る有効な方法であり得ることを示している。従って、本発明は、高レジスト感度
を相殺するために、処理中のレジスト温度を求めるとともにビーム電流を低下さ
せることを含むプロセスパラメータを調整する方法及び手順に関する。典型的に
は、描画点の本発明により予測されるレジスト温度の上昇は、レジストの温度感
度に関係する倍率が掛けられる。その結果、補正がビーム電流(又はドウェル時
間)に加えられて正確なレジスト露光が得られる。補正は、典型的には1未満(
例えば、0.97)の倍数的に増加する係数であり、ビーム電流が調整されて描画点
でのレジスト加熱を補正する。同様の方法で、ビームドウェル時間に対する補正
が代替的に又はビーム電流補正のほかに用いることができる。よってパターンブ
ルーミングが減少する。
【0030】 e-ビームリソグラフィのレジスト加熱を計算する点で重要な研究がある。正確
な予測には、シングルフラッシュ熱源を表すモンテカルロシミュレーションと有
限要素、定差又は精巧な分析近似値を含む熱拡散方程式を解くための様々な数値
的手法の使用が必要である。そのような方法はすべて多量の計算時間を要する傾
向があり、典型的には、e-ビームパターン形成のリアルタイム補正に用いるには
都合がよくない。本発明は、非常に迅速な方法でレジスト加熱を予測し、よって
プロセスが進むにつれてリアルタイムでe-ビームプロセスに対するレジスト加熱
補正を計算することを可能にする方法に関する。原則として、プロセスの実際の
作業の前に、想定したe-ビームリソグラフィプロセスのレジスト加熱作用を計算
することが可能である。従って、候補のe-ビーム描画プロセスを選ぶことができ
、すべてのビーム及びスキャニングパラメータが指定される。レジスト加熱は、
上で述べた長くかかることが必要となる方法を用いて計算することができる。次
に、候補プロセスパラメータを調整してレジスト加熱作用を相殺する。必要な場
合には、レジスト加熱計算とパラメータ調整のサイクルは処理パラメータの安定
な設定に収束するのに必要とするだけ反復することができる。このすべてがオフ
ラインで行われる(即ち、e-ビームリソグラフィが始まる前に、典型的にはe-ビ
ーム装置から離れて)。ほとんどの応用について、この方法は実行可能ではない
【0031】 本発明の態様は、e-ビーム描画が進行中であるリアルタイムでレジスト加熱を
計算するために従来の手法より非常に速やかにレジストの加熱を予測する方法に
関する。レジスト加熱のリアルタイム評価の主な利点は、集積回路の製造におい
て用いられるe-ビームリソグラフィ装置(典型的にはラスタスキャン)の詳細な
性能の観点から最もよく理解される。
【0032】 典型的な新しい集積回路(例えば、Pentium II(登録商標)等)は、107のトラ
ンジスタを有し、20層以上のリソグラフィで製造することができる。各リソグラ
フィ層には、典型的にはe-ビームリソグラフィによって製造されたマスクが必要
である。チップ設計者は、部品を一層ずつチップ上にどのように配列するかにつ
いての情報を含むデータファイルを与える。このデータファイルのフォーマット
は、典型的には、経済的利益のためにフォーマットが階層的である『GDSII』で
ある。例えば、大きなパターンの成分としてパターンが繰り返し出てくる場合に
は、サブパターン(『セル』)は1回だけ指定されるe-ビームパターン形成パラ
メータをもつことを必要とする。セルの反復出現は、リソグラフィパラメータの
既に決定された設定を指している場所と向きによって指定されることだけを必要
とする。セルは、階層的に、基本的な幾何学的形、他のサブセルに対する基準等
を含むことができる。このようにしてGDSII構造は、階層的に成長してサブシス
テム、サブサブシステム等の収集から最も基本的な部品を製造するマスクの形状
をつくるために必要とされる基本的な幾何学的形まで回路構造を完全に画成する
【0033】 GDSIIファイルは、典型的なe-ビームリソグラフィマシーンがマスクを描画す
るために直接使用し得る方法で組織されない。従って、GDSIIファイルは、個々
の層及びe-ビームマシーンがマスクを描画する幾何学的形に『破壊』されなけれ
ばならない。『フラットフォーマット』は、破壊されたGDSIIファイルの典型的
な記述であり、『フラットファイル』中に集積回路の製造に用いられるフラット
リソグラフィマスクを描画する情報を与える。ラスタスキャンe-ビームマシーン
は、典型的には、描画される順序に分類されたラスタスキャニングの1 mmストリ
ップにGDSIIファイルを破壊することを必要とする。ベクタスキャンe-ビームマ
シーンは、異なった破壊を必要とする。
【0034】 フラットファイルは、典型的には非常に大きい。例えば、画素が0.1ミクロン(
10-7メートル)である場合には、10 cm×10 cmマスクが1012画素を有する。各画
素にe-ビーム特性を指定するためにその画素が1バイトの情報を必要とする場合
には、フラットフォーマットに情報をすべて分類するために1012バイト(1,000
ギガバイト)が必要となる。従って、コンパクトなGDSIIフォーマットのフラッ
トフォーマットへの破壊は、典型的には、e-ビーム描画マシーンによって直接用
いられるリアルタイムで必要とされるように行われる。GDSIIフォーマットと異
なり、フラットフォーマットは画素が描画される空間と時間の次数に属する情報
を有するので、レジスト加熱はフラットフォーマットから計算されなければなら
ない。破壊する前のGDSIIファイルは、e-ビーム描画の空間情報も時間情報も直
接利用できる形で含んでいない。
【0035】 本発明は、e-ビーム描画の時間と匹敵するタイムスケールでレジスト加熱を速
やかに予測する方法に関する。典型的にはチップ設計者によってつくられたGDSI
Iファイルは、e-ビームリソグラフィマシーン及び本発明の方法によって同時に
用いられるフラットフォーマットに断片化される。
【0036】 レジスト加熱は、古典的な熱拡散方程式、式1によって支配される:
【式1】 (c∂/∂t - κ▽2)T(r,t)=[P(r,t)*D(ρ)] 式中、Tは温度であり、rは位置であり、tは時間であり、cは容量測定熱容量
であり、κは基板の熱伝導率である。▽2はラプラス演算子である。P(r,t)はパ
ターンを描画する際に電子ビームが追跡するパターン露光シーケンス、『カバレ
ージ』である。D(ρ)は、電子拡散モンテカルロ計算によって得ることができる
各フラッシュの場所に相対する基板の電子空間エネルギー拡散関数である。ρは
3次元座標空間のベクトルである。[P(r,t)*D(ρ)]はPとDの畳み込み演算
を示す。畳み込み演算[P(r,t)*D(ρ)]は、有用には、基板の指定した点にお
ける単位容量当たりのエネルギー蓄積率であるとみなすことができる。[P(r,t)
*D(ρ)]はe-ビームが止まっているときはどこもゼロである。
【0037】 式1は、数理物理学で十分研究され、ANSYS又はTEMPTATIONのような市販の熱
予測ソフトウエアを含むその答えの解法が存在する。しかしながら、従来の解法
はあまりに遅すぎてe-ビーム描画プロセスを制御する時間に熱予測を得ることが
できない。
【0038】 e-ビームパターン全体について速やかに式1を解く方法は、単一電子ビームフ
ラッシュについて式1を解くとともに描画シーケンスの全フラッシュから得られ
る計算した温度上昇を直線的に重ねる方法である。この直線的な近似値は、e-ビ
ームリソグラフィで典型的に起こるものによく一致した温度を示すことがわかっ
た。例えば、ラスタスキャニングの場合に起こる温度上昇は、典型的には中程度
であり、材料の熱パラメータが温度に無関係であると推定することにより有意な
誤差が入らない。従って、温度の直線的な重なりは次式のように表される:
【式2】 T=Σiii 式中、Σiはすべてのiの和である。式2のTは、ビーム描画の現時点の周囲温
度を超える温度上昇である。Piは0(e-ビーム描画なし)〜1(画素iを完全
に被覆及び露光する)のスケールのi番目のパターン画素におけるe-ビームによ
るカバレージ(描画)である。Kiは『カーネル』であり、場所iの画素が完全
に被覆されたために(P=1)描画の現時点の温度上昇である。更に一般的には
、最新のビームスキャンにおける場所jの温度上昇は、次式のように示される:
【式3】 Tj=Σiiij 典型的なラスタスキャンマシーンは、十分に速やかに(約50〜100メートル/秒)
e-ビームを移動させ、描画e-ビームは同じビームスキャンラインに蓄積した新し
いフラッシュによってほとんど影響されない。高電圧マシーンは、図2に示され
るように基板内に比較的深くかなりのビームエネルギーを蓄積し、次の描画され
る画素に影響する前に更に進んで熱エネルギーを与える。即ち、e-ビームはそれ
自体の熱波を上回っている。従って、新しいフラッシュで描画されるレジストの
温度は、同じスキャンラインには前のものからのフラッシュでほとんど影響され
ない。現在描画している点に近接した隣接のスキャンラインのフラッシュは、レ
ジストの温度を変えるのに非常に効果的である。図4Aは、描画している最新の
画素11、及び最新の画素の温度に影響する前の描画の領域を示している。領域
14、13及び12は、最新の画素11の温度上昇に無視できない原因となる前
の描画の領域を示している。領域15に蓄積した熱は、画素11に達する時間が
ないので、11の温度を求めるのに無視することができる。図4Aは、画素11
から比較的離れた場所の基板内に蓄積した熱は、11に到達する前にかなり消散
するが画素11に熱を伝導する時間があるという作用を示している。従って、そ
れぞれの離れた画素から熱が消散すると、更に離れた画素の寄与によって一部が
相殺され、画素11の温度上昇をまねく。図4は、図4Aの下から上に向き16
にe-ビームスキャニングによるラスタスキャニングに基づく加熱を示している。
従って、熱を画素11に効果的に伝導する領域は、水平に対称ではなく、下の方
の領域は時間がかかるので、熱を画素11に伝導するために加熱にいくぶん多く
寄与する。レジストの非常に離れた領域17は、画素11の場所に伝導し得る前
に蓄積したほとんど全部の熱を消散する。従って、その非常に離れた領域は、最
新の画素11の場所の温度上昇を計算するのに無視することができる。
【0039】 式3の項の直接の和は、最新の画素の場所の温度上昇を計算するために行われ
てもよい。しかしながら、リアルタイム処理でe-ビーム描画を補正するのに適切
な時間内に必要とされる多くの計算を行うことは非実用的である。典型的には、
約108フラッシュ/mm2又は1010フラッシュ/cm2であってもよく、約1ジュール/cm2 がもたらされる。最新の描画点の温度に影響する過去の描画の帯域は108描画画
素程度を含むことができることがわかる。e-ビームに対する補正は、典型的には
マイクロ秒毎(又はたいていは数マイクロ秒毎)に計算及び適用するのに必要と
なってしまう。108項に対して式3を計算することは、リアルタイムe-ビーム制
御に必要とされる時間においては現在のコンピュータ技術には法外なものである
。現在の典型的なコンピュータは、必要とされる時間内に式3で約100〜1000項
を計算可能である。したがって、精度の過度なロスなしに、約100万の倍率で計
算時間を短縮することが必要とされる。本発明の目的は、このような計算をかな
りの量で単純化し、その計算をリアルタイムで行うことを容易にすることである
【0040】 図4Aは、現在描画されている画素、図4Aの画素11の場所で温度上昇に無
視できない寄与をする以前に描画されたパターンの帯域を斜線で陰をつけた面積
として示している。図4A及び図4B、及び図9においては、下から上に縦方向
と上から下にフライバックでスキャンするラスタスキャンである電子ビームが用
いられる。同時に、基板は、矢印の向き19に電子ビームによって機械的に平行
移動する。つまり、本明細書の図に示されるように、下から上にラインが描画さ
れ、前の描画ラインが後の描画ラインの右にある。
【0041】 電子ビームで描画された帯域を図4Bに18a、18b、18c及び18dと
して記載されるように複数の水平なサブストライプ(即ち、e-ビームスキャニン
グの向きに垂直なサブストライプ)に識別することが便利である。電子ビームが
縦方向16にスキャンするので、それぞれのサブストライプの幅を横切る。本発
明の目的は、描画されるときにレジストの温度(つまり、感度)を計算すること
である。e-ビームリソグラフィのほとんどの実際の応用においては、温度はビー
ムスキャンラインに沿った距離が急速に変動する関数ではない。従って、描画の
直前にレジストの温度を各サブストライプ内の単一値によって近づけることがで
きることは有効なことである。即ち、一様な(高温でも)温度を有する現在描画
されている画素(例えば、画素11)を含むサブストライプが処理される。同様
に、前の描画による現在描画されている画素における高温への寄与は、前に描画
されたパターンの各サブストライプ内で均一なものとして処理される。このよう
に前に描画された帯域をサブストライプに識別することによって、非常に短縮さ
れた計算の努力で十分な精度が得られる。図4Aに示された4つのサブストライ
プの選択は単に便宜上のものである。多くのサブストライプの高精度が計算努力
の増加に値する場合には、異なる又は多くのサブストライプを用いることができ
る。実際に、1000〜2000画素を含むサブストライプは典型的な例での正確な計算
と比較して有効な精度を与えるが、計算の努力が著しく短縮されることがわかる
。少ない画素、例えば、100〜200は、高精度の各サブストライプに分類すること
ができる。実際に、4つ程度では一部の場合に十分であるが、典型的には8つの
サブストライプが十分な精度を得ることがわかる。
【0042】 本発明は、サブストライプの個々の数又はサイズに本質的に制限されず、多少
とも数値的精度と計算速度間の所望の釣り合いを得るために用いることができる
。各サブストライプが同数の画素を含む(即ち、同じ幅を有する)ことは便利で
あるが本発明を本質的に制限しない。均一でないサブストライプは、計算手順に
複雑さを更に加えるが、レジスト加熱計算に対する本方法を動作不能又は実現不
能にしない。
【0043】 厳密に言えば、詳細な説明を基板上のe-ビームのラスタスキャニングの場合に
集中する。しかしながら、サーペンタインスキャニングはラスタスキャニングと
重要な特性を共有している。即ち、e-ビームは、いずれの場合にも既知の速度で
基板上に一定のパターンでスキャンする。パターンと速度のこのスキャニング予
測性は、基板上の2つの画素の場所がそれらの描画間の時間間隔を決定すること
を意味する。(『描画』とは、『描画される』画素にe-ビームを向けること及び
ゼロ強度が『描画』されている画素を削除してビームが『消去』される場合を含
む、適切な強度をその画素に衝突させることを意味する。)
【0044】 図9は、具体的なサブストライプ18c内で現在描画されているラインセグメ
ント23を示す図である。正確に言えば、『現在描画されている』、『最新のセ
グメント』等とは、e-ビームが描画する直前の画素の収集を意味する。レジスト
感度は、描画時に求められ、描画の開始に十分近く、実際の描画が始まるまで温
度変化が生じる時間がないことを意味する。上述したように、また、図4Aに示
されたように、最新のスキャンラインは、最新のセグメントの温度を求めるのに
無視し得る。本発明のレジスト加熱のために、セグメント23は、前に『画素1
1』と呼ばれたものと区別できず、図9にはそのように記述されている。典型的
には1,000の異なる画素のセグメントを描画すると、セグメントのすべての画素
に、セグメントのいずれでもない画素に、又はセグメントの一部の画素に堆積す
るビームエネルギーが生じる。本発明に従ってレジスト加熱を計算するために、
セグメント内の実際の画素単位のエネルギー堆積を合計することにより求めた既
知のエネルギー量を蓄積した単一のスーパーピクセルとして各サブストライプ内
のラインセグメントを処理することは便利なことである。即ち、レジスト加熱を
計算するために、各サブセグメントは、セグメントのすべての画素が最大e-ビー
ム露光を受けた場合に蓄積する全エネルギーの一部αを受ける均一な実体として
処理され 、各サブストライプ内の変動は無視される。述べたように、各サブストライプ内
の一様な温度の仮定に少数の画素が必要である場合の精度を高めるためには小さ
なサブストライプを用いることができる。図9には、また、サブストライプ22
a、22b、22c、22dに分かれた前の描画ラインが示されている。(図9
は一定の比率で縮尺されてなく、その中の距離は記述や説明が簡単なように描か
れている。)
【0045】 図10は、25c、次に24c、22c、21c、23の順序で描画されるラ
インセグメントの順序を示す図である。ライン25cを描画した後に、e-ビーム
は、スキャンラインの上端に描画し続け、下までフライバックし、スキャン範囲
の底からセグメント24cまで描画した後に24cの描画を始める。しかしなが
ら、本発明は、25cの終わりと24cの始めの間(例として)に生じる描画に
よって加えられる複雑なことを一時的に避けている、図10に示された隣接のラ
インセグメントの順序を描画することによって最もよく説明される。端から端ま
での全ラインの描画を明らかにするのに必要な本発明の変更は、後に記載される
【0046】 図5は、前の描画によるすぐ隣りの(まだ描画されていない)セグメントの場
所のレジストの温度を示している図である。即ち、25cの開始から停止まで、
図5の縦軸は、セグメント24cの場所の温度を示している(セグメント内は一
様と仮定する)。図5Aと図5Bは、それぞれ高電圧e-ビームと低電圧e-ビーム
による温度挙動を示している。本明細書に記載された本発明に適切な作用は、高
電圧ビームと低電圧ビーム共にほとんど同じである。上述したように、高電圧ビ
ームは、レジストから離れた基板に深くエネルギーを蓄積し、描画中の劇的な温
度上昇がなくなる。説明を簡単にするために、図5、即ち、5Bでは曲線を1本
だけ記載する。
【0047】 ライン25cの描画の開始において、ライン25cの温度は、図5Bに26と
ラベルされた点である。温度が均一であると仮定すると、これがレジストの温度
であり、ライン25cの描画を補正するために用いられる。ライン25cの描画
中に蓄積するエネルギーは、描画中のこのラインセグメントの温度に影響しない
ので、温度26は描画ライン25cの場所と時間におけるレジスト感度を評価す
るのに適切な温度である。しかしながら、すぐ隣りのライン24cの温度は、描
画ライン25cの開始のライン25cとほぼ同じであり、描画ライン25cに蓄
積した熱によって引き起こされる。これは、ライン25cの描画の『開始』点と
『停止』点によって示される。描画ライン25cによって影響されるライン24
cの温度は、図5の縦軸に示されている。示されているように、ライン24cの
場所の温度は、ライン25cの描画中の点27まで上昇する。(例えば)ライン
25cは最大の50%だけ描画されると仮定しているので(即ち、α=0.50)、温
度上昇は、ライン25cの大部分が電子衝突を実際に受けた場合に受けるほど大
きくはない。分数露光は0%〜100%のいずれでもあり得、本明細書では単に説明
のために限定せずに0、50%及び100%を示している。
【0048】 ライン25cの『停止点』から、e-ビームがフライバックされるとともに描画
ラインセグメント24cを始めるように配置されるまで描画が起こらないことを
説明のためだけに仮定する。(また、説明のために、図10に示されたラインセ
グメントが端から端までの全パターンであると仮定することができる。)この時
間間隔中に、ライン24cの温度は通常の熱拡散のために低下する。従って、e-
ビームが描画ラインセグメント24cを始めるために再配置される場合、レジス
トの温度は28である。従って、この温度28は、レジスト感度を求めるのに用
いるべき適切な値、つまり、描画ライン24cの正しい露光条件である。完全に
描画されるライン24の例については、隣接のラインの温度は、29に上昇した
後、e-ビームがライン22cを描画するために再配置している間隔中に消散する
。ライン22cが完全にブランク(α=0)であると仮定すると、温度上昇が起
こらず、温度は温度点30まで消散し続ける。温度30は、描画セグメント21
cの開始のレジストの温度であるので、正確な露光のe-ビーム描画パラメータを
補正するのに用いられる値である。
【0049】 図5は、1つのサブストライプ内の完全な描画の単純化された例の温度挙動を
示す図である。しかしながら、本発明によって達成される重要な目的の1つを説
明するものである。レジスト加熱を求めるための本スキームは、わずかなパラメ
ータ;描画直前の前のセグメントの温度、このセグメントの直前のセグメントを
描画することによる加熱量、及び前のセグメントが描画されてからの時間でのこ
のセグメントの場所の熱の消散だけを利用している。実際に、最初のあらゆるラ
インの描画から反復スキームを用いることにより、2つのパラメータ、ラインセ
グメントを描画することから生じる温度上昇(ΔT)と減衰時間定数δが必要で
あり、指数関数時間減衰e-δtとして図5に示された減衰に近似する。従って、
各連続ラインの温度は、次式として計算できる:
【式4】 Ti=[T(i-1)+αΔT]e-δτ 式中、α、ΔT及びδは前で定義した通りであり、τは、図5に示されるように
、1つのセグメントを描画する終わりから次の連続セグメントを描画する始まり
までの減衰時間である。 i=1,2,3,.....描画されるラインの全体数。 T0はラインの描写前のレジストの周囲温度である。 即ち、T0は描画前のレジストの特性から既知であり、αはe-ビームブランクの
知識から容易に集められる。ΔTとδは、材料の熱特性(熱容量、熱伝導率)に
関係があり、描画されるパターンの詳細には関係がない。従って、ΔTとδを求
めるための調整は、1回だけ行われることが必要である。
【0050】 式4は、図10に記載される単一のサブストライプの特別な場合に関係する。
図9に示されるいくつかの平行なサブストライプに対する一般論は端的なもので
ある。各セグメントa、b、c、d等からの温度の寄与は、調整ステップで求め
られる倍数的に増加する係数とともにこの描画に寄与している(典型的には正確
なモンテカルロ又は他の数値的結果に対する調整によって行われる)。よって、
セグメント23の温度は、ラインの直前のサブストライプ(図9の4つ)の和で
あり、他のものの和ではない。従って、図9に示される場合については、次式を
使う:
【式5】 T(セグメント23の)=Ka[T(@21a)+α(@21a)ΔT]e-δτ(21aから ) + Kb[T(@21b)+α(@21b)ΔT]e-δτ(21bから)+ Kc[T(@21c)+α(@21c)ΔT]e-δτ(21cから)+ Kd[T(@21d)+α(@21d)ΔT]e-δτ(21dから) 式5は、多くのサブストライプに対して容易に一般化され、式4の反復法と組合
わせられる。
【式6】 Ti (m)=Σ(n)[T(i-1) (n)+α(n)ΔT]e-δτ(n) 式中、(m)と(n)は描画された各e-ビームラインのサブストライプの範囲であり
、τ(n)はサブセグメント(n)を描画するまでの時間である。従って、本発明の
式6によって、式4を評価するのに必要とされる潜在的に数百万の演算操作を、
式6を評価するのに必要とされるほんの少しの演算操作と置換することが可能に
なる。式6は反復性があるので、レジストの必要とされる温度は、e-ビームが基
板を横切ってスキャンするのとともに基板の機械的平行移動が行われる必要に応
じて『進行中に』計算される。従って、e-ビームリソグラフィ中のフォトレジス
トのレジスト加熱を計算するために本明細書に示される反復法は、FPGA、D
SP又は様々なマイクロプロセッサの端的なディジタル実施が当業者によって行
うことができる十分に単純なものである。しかしながら、熱減衰と、抵抗型付加
によるキャパシタの充電および放電との間の挙動の類似性を利用する、アナログ
実施も本発明の範囲内である。
【0051】 図5に示される温度挙動、及び式6の指数関数的減衰は、キャパシタの充電が
温度上昇に対応しかつレジスタを通る放電が減衰をシミュレートするアナログ回
路によって評価し得る。4つのサブストライプについての図6〜図8に実施例を
示す。異なる数のサブストライプに対する一般化は、端的なものである。基板の
熱特性に関する情報が必要であり、これは、典型的には、調整ステップで得られ
る。また、計算には、各サブストライプの描画中に基板に蓄積するエネルギーに
関係する情報が必要である。これは、電子ビームカラム内のいくつかの場所のい
ずれか(又は組合わせ)から得ることができる。逆散乱検出器からの電流は、具
体的なサブストライプのe-ビーム描画に関して便利な情報源である(要するにα
を求める)。シーケンサのような電子ビームカラム内の他の場所から同様の情報
を得ることができる。
【0052】 図6は、本明細書中の例で考えられた4つのサブストライプに対応する4つの
チャネル1〜4を示す図である。最初の増幅後、e-ビームカラムからの信号は、
図6の分配器28の第1アームを通って進む。分配器28は、現在描画されてい
るサブストライプを選択する適切なチャネルに入力電流を透過させる。電流は、
e-ビームが描画経路を横切るにつれてチャネルからチャネルへ分配器28によっ
て移動する。分配器29は分配器28と同調し、28と29は同じチャネルを示
し、同時にスイッチする。28を通る入力信号は、選定されたチャネル(図6で
はチャネル2)を通過する。選定されたチャネルからの出力信号(図6ではチャ
ネル2)は、すべて前の描画からの加熱を考慮している。各チャネルは、現在描
画されているサブストライプの温度に比例する出力信号を与える。この出力信号
は、機能増幅器に進み、e-ビームの描画パラメータを制御するための電気信号を
与える。
【0053】 分配器28が受け取りかつ具体的なチャネル(図6ではチャネル2)に送られ
るこの入力信号は、この(i番目)のスキャンラインの描画チャネル2によって
蓄積する追加のエネルギーを明らかにするチャネル2の内容物(下に記載される
)を修正する。分配器29を通るチャネル2からの出力は、すべて前のスキャン
ライン(1,2,...i-1)によるこのスキャンラインにおける熱である。29を
通る出力信号は、最新のスキャンラインiにおける最新のサブセグメント(チャ
ネル2)のレジストの温度に関係している。
【0054】 シグナルチャネル(図6の1〜4)は、典型的には2つの機能構成部分の実施
例、図7に模式図で示されている積分器と加算係数器からなる。積分器は、e-ビ
ームカラムからの増幅された入力信号(例えば、逆散乱検出器又は瞬時e-ビーム
露光についての同等の情報源)を受け取り、この信号を経時積分し、いくつかの
出力信号をそれぞれのサブストライプに1つずつ与える。各出力の関数は、サブ
ストライプj(出力ライン)のレジストの温度に対する描画サブストライプi(
入力ライン)の影響を決定する。従って、図7のi,jとして示される出力信号
(i,j=1,2,3,4)はサブストライプjの温度に対する描画サブストライプiの
影響を示している。図7に示される加算係数器は、指示された適切な積分器から
の出力を入力として受け取る。従って、チャネル1の出力(例えば)は、それぞ
れサブストライプ1,2,3及び4によって求められた、前に描画されたラインす
べてに基づいてサブストライプ1の温度を得る。同時に、入力は、このスキャン
ラインの最新の描画により温度上昇の理由となる温度を更新する。
【0055】 図8は、積分器として用いることができる回路の例を示す図である。単一サブ
ストライプの描画中の温度上昇に対応する電気パルスは、図8の入力(1)に示さ
れ、サブストライプを描画する際に蓄積するエネルギーに対応する。この入力パ
ルスの大きさと時間は、基板とのe-ビーム衝突による温度上昇の大きさと時間に
比例して選ばれる。典型的な場合には、ラスタスキャニング中にすべてのサブス
トライプを描画する時間は同じであり、そのときのそれぞれの入力パルスは同じ
時間持続する。パルスの大きさは、e-ビームエネルギー(α)を実際に受け取る
サブストライプの適切な部分を示すために変動する。従って、キャパシタC1
、e-ビーム描画のためにサブストライプに生じる温度上昇に比例して充電される
。パルスの停止時に、C1はレジスタR1を通って放電し、図5に示される挙動を
再現する。ダイオードは、キャパシタC1と入力パルス間にはさまれていてもよ
く、入力回路へのC1の望ましくない放電を防止する。図8の入力(1)は、描画さ
れる第1サブストライプ(a)に蓄積されるエネルギーに関係する。そのデータ
は、典型的には、電子逆散乱及び/又はブランクからのものを含む電子ビームカ
ラム内の多くの場所からのe-ビームマシーンに利用でき、そのサブストライプに
蓄積されるエネルギーに関するリアルタイム情報を与える。つまり、αを決定す
る。従って、C1は第1サブストライプの描画に対応するエネルギーを蓄積する。
スキャンラインiを描画する際のチャネル(サブストライプ)1からの出力は、
図8に出力ライン1.1によって示されたスキャンライン(i+1)におけるサブ
ストライプ1の温度に影響する。スキャンラインiにおけるサブストライプ1の描
画は、スキャンライン(i+1)におけるチャネル2,3等の温度に対しても影響
がある。しかしながら、他のチャネルに対する影響は、図9に示されるように、
隣接のスキャンラインにおいてサブストライプの異なる分離の理由となる適切な
倍率で比例されなければならない。従って、キャパシタCk(k=2,3,4)は、こ
の分離の理由となるC1から異なった量の電荷を蓄積する。これは、図8に示さ
れるそれぞれのキャパシタへの入力と共に連続的にレジスタによって考慮される
。各キャパシタからの出力により、種々の出力チャネルi,jが生じる。
【0056】 上記計算に必要とされるパラメータ、式6は、正確なTEMPTATION、ANSYS又は
拡散方程式、式1を解くための他の数値的手順と比較することにより求めること
ができる。正確な計算との比較は、本明細書に記載されるアナロク回路の実施に
必要とされるキャパシタンス値と抵抗値を求めるために使用することができる。
【0057】 正確な計算に加えて、ディジタル又はアナログの形として本方法を実施するの
に必要なパラメータは、実験測定から誘導することができる。その実験的調整を
図11に示す。完全に露光されたサブストライプと全く露光されていないサブス
トライプの断続的パターンからなる第1試験パターンが描画され、それぞれの長
さは約0.2 mm〜0.6 mmである。これは図11aに示されている。他のサブストラ
イプはすべて空白である(即ち、全く露光されていない)。レジスタR1は図8
の回路から離され、キャパシタC1の容量は1.1に離れた出力信号の上昇が正確な
実験値又は数値に適合するのに必要とされる値に対応するように調整される。R1 は再結合され、ビームは停止する。1.1の出力シグナルは低下し、R1の抵抗は
出力シグナルの実測(又は正確に計算された)低下に適合するように調整される
。ステップの上記の順序を図11bに示される試験パターンに繰り返し、いずれ
もチャネル2に接続して用いられる、キャパシタC1の容量とレジスタR1の抵抗
が決定されることになる。あらゆるサブストライプが同様の方法で調整される。
上記ステップを繰り返してすべてのサブストライプ(チャネル)のC2とR2を決
定する。上記順序の繰り返しによってすべてのチャネルのすべての抵抗値と容量
値が決定されることになる。
【0058】 発明を詳細に記載してきたが、当業者は、本明細書に記載された本発明の概念
の精神から逸脱することなく本開示に与えられる変更を本発明になすことができ
ることを理解できるであろう。従って、本発明の範囲は、図示及び説明された個
々の実施例や好適実施例に限定されるものではない。つまり、本発明の範囲は、
前述の特許請求の範囲によって決定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基板、エッチングすべきマスク及びレジストに対する低エネルギーe-ビーム衝
突の略断面図である。
【図2】 基板、エッチングすべきマスク及びレジストに対する高エネルギーe-ビーム衝
突の略断面図である。
【図3A】 過剰露光によるパターンブルーミングを示す露光されたレジスト領域の略正面
図である。
【図3B】 過剰露光によるパターンブルーミングを示す露光されたレジスト領域の略側面
図である。
【図4A】 最新の描画点におけるレジストの温度上昇の原因となる前の描画帯域を示す図
である。
【図4B】 サブストライプによる4Aの近似値を示す図である。
【図5A】 高e-ビーム電圧の熱移動を記載する充電及び放電を示す図である。
【図5B】 低e-ビーム電圧の熱移動を記載する充電及び放電を示す図である。
【図6】 近接レジスト加熱法のアナログ実施の略ブロック図である。
【図7】 本発明の方法のアナログ実施用のチャネル回路部品の略ブロック図である。
【図8】 積分回路の略図である。
【図9】 最新の描画場所の温度に影響する複数のサブストライプの略図である。
【図10】 多重スキャンライン、単一サブストライプの略図である。
【図11】 本発明の方法の実験調整用描画シーケンスの例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 インネス, ロバート アメリカ合衆国, カリフォルニア州, リッチモンド, ショアライン コート 134 Fターム(参考) 5F056 BA01 BB01 BC01 BC10 CA21 CB03 CC16 CD05 CD18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前に描画された画素によってリソグラフィ中のレジストの温
    度上昇を予測する方法であって: a)前記前に描画された画素を複数の隣接したサブストライプに組み合わせ
    るステップであって、前記サブストライプの長軸がビームスキャニングの向きに
    ほぼ垂直になっている、前記ステップと; b)それぞれの前記サブストライプ内のすべての画素による温度上昇と単一
    値とを近似させるステップと; c)熱減衰定数と、前のサブストライプの温度と場所から、最新の描画点に
    おける前記レジスト温度を予測するステップと、 を含む、前記方法。
  2. 【請求項2】 前記サブストライプが同数の画素を有する、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記サブストライプが約1000〜約2000個の画素を有する、請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記複数のサブストライプが8つのサブストライプを含んで
    いる、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 エネルギービームリソグラフィについてレジスト加熱を補正
    する方法であって: a)請求項1記載の該レジストの温度上昇を予測するステップと; b)前記温度上昇によるレジスト感度の変化を求めるステップと; c)該ビーム線量をレジスト感度の前記変化を相殺するのに適した量で調整
    するステップと、 を含む、前記方法。
  6. 【請求項6】 前記ビーム線量を調整する前記ステップが、前記ビーム電流
    を調整するステップを含んでいる、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ビーム線量を調整する前記ステップが、前記ビームドウ
    ェル時間を調整するステップを含んでいる、請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 リソグラフィ中のレジストの温度上昇を予測する装置であっ
    て: a)サブストライプが描画されるのにつれてサブストライプに送られるエネ
    ルギーに対応する入力信号と; b)チャネルのそれぞれが前記サブストライプのそれぞれに対応しており、
    チャネルのそれぞれが、サブストライプが加熱されるのに比例して充電し、前記
    熱が消散するのに比例して放電するように構成された容量抵抗積分器を含んでい
    る、前記入力を連続して複数のチャネルに送るように構成された分配器と; c)現在描画している画素の温度上昇に対応する出力信号と、 を含む、前記装置。
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