JP2003528163A - カチオン性ブロックコポリマー - Google Patents

カチオン性ブロックコポリマー

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Abstract

(57)【要約】 本発明は式A(−X−B)nまたはC(−Y−D)mの陽イオン性ブロックコポリマーであって、式中、Aは親水性ポリマーを表し、Bはポリエチレンイミン(PEI)を表し、Xは架橋を表し、nは1〜200を表し、CはPEIを表し、Dはポリエチレングリコールの残基を表し、Yは架橋を表し、およびmは1〜200を表す陽イオン性ブロックコポリマーに関する。本発明はまた、本発明の陽イオン性ブロックポリマーの製造方法、およびそれらをたとえば界面活性剤として使用すること、および核酸複合体化のために使用することに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【説明】
WO98/59064は、PEI−PEGブロックコポリマーおよび核酸を高
等真核細胞に輸送するための輸送手段としてそれらを使用することを開示してい
る。記載されたコポリマーは、枝分かれ状PEIおよび線状PEGから構成され
ている。PEIはメトキシ−スクシニミジル−プロピオネート−PEGを用いて
PEG化された。
【0002】 S.V.Vinogradov、T.K.BronichおよびA.V.Kabanov(Bioconjugate Chem
.1998、9、805〜812)は、枝分かれ状PEIおよび枝分かれ状ポリスペルミン
を使用した、1,1’−カルボニル−ジイミダゾールで活性化したモノメトキシ
−PEGとの結合反応によるPEI−PEGおよびポリスペルミン−PEGブロ
ックコポリマーの調製法を説明している。このコポリマーはオリゴヌクレオチド
の複合体化のために使用された。
【0003】 L.M.Bronstein、M.Antonietti et al.(Inorganica Chimica Acta 1998、
280、348〜354)は、PEI−PEGブロックコポリマーおよび枝分かれPEI
と末端酸クロリド基を有するモノメトキシ−PEGとの結合によるそれらの調製
法、および金属コロイドを調製するためにそれらを使用することを説明している
【0004】 V.Tocheva et al.(Biochimica et Biophysika Acta 1998、138、354〜358
)は、ポリ(L−リジン)および多数の親水性ポリマー、たとえばPEG、デキ
ストランおよびポリ(N−(2−ヒドロキシプロピル)−メタクリルアミドから
成るブロックコポリマー、それらの調製方法および核酸遺伝子輸送用輸送手段と
してのそれらの使用に関している。
【0005】 これら公知のコポリマーは、通常以下の3点を有する。 1.このカチオンポリマーは親水性非イオン性ポリマーの側枝を備えている。 2.全ての場合において、この目的に備えて、親水性非イオン性ポリマーの反応
性末端は発生するコポリマーのブロック間のリンカーとなる試薬によってカチオ
ンポリマーとの結合反応のために活性化されている。 3.この親水性非イオン性ポリマーは、全ての場合において線状ポリマーである
【0006】 一般式IおよびIIの新規カチオン性ブロックコポリマーが発見され、 (I)A(−X−B)n (II)C(−Y−D)m 式中、Aは分子量100から10000000g/mol、好ましくは1000
から100000g/mol、特に5000から50000g/molの親水性非イオ
ン性線状または枝分かれ状ポリマーであり、 Bは分子量100から1000000g/mol、好ましくは400から100
000g/mol、特に400から50000g/molの線状または枝分かれ状ポリ
エチレンイミン(PEI)であり、
【0007】 XはブロックAとBの直接結合または以下の構造 −OC(O)NH(CH2)oNHC(O)NH−(o=1から20、好ましくは2か
ら10、特に4から6である)、 −OC(O)NH(アリール)NHC(O)NH−(アリール=融合して共に結合す
るか、または好ましくは1個の核、特にトリルを有するポリフェニル型で共に結
合した1個または複数の芳香族核から成る6〜14個のC原子を有する芳香族単
位である)、 −O(CH2)pC(O)NH−(p=1から10、好ましくは1から3、特に1で
ある)、 −OCH2CH(OH)CH2NH−、 −OC(O)NH−、または −O(CH2)qNH−(q=1から20、好ましくは1から6、特に1から3で
ある)を有するリンカーであり、 nは1)1から200、好ましくは 2)1から50、 3)1から12、 4)1から8または、特に好ましくは 5)2から8の整数であり、 Cは分子量100から1000000g/mol、好ましくは400から100
000g/mol、特に400から50000g/molの線状または枝分かれ状PE
Iであり、
【0008】 Dは下式のOを介して結合したポリエチレングリコールの残基であり、 −(CH2CH2O)n'−R1 式中、n’は3から25000、好ましくは10から5000、特に10から1
000であり、R1は水素、脂肪族基、たとえば(C1〜C6)−アルキル(メチ
ル、エチル、tert−ブチルなど)、または他のOH保護基、たとえばアシル
(たとえば、任意に置換されたベンゾキシカルボニル)、任意に置換されたベン
ジル、ピコリル、または細胞表面蛋白質、特に受容体と結合することによって核
酸−コポリマー複合体の特異的摂取をもたらすための細胞性リガンドであり、
【0009】 YはブロックCおよびDの直接結合または以下の構造 −NHC(O)NH(CH2)sNHC(O)O−(s=1から20、好ましくは2か
ら10、特に4から6である)、 −NHC(O)NH(アリール)NHC(O)O−(アリール=融合して共に結合す
るか、または好ましくは1個の核、特にトリルを有するポリフェニル型で共に結
合した1個または複数の芳香族核から成る6から14個のC原子を有する芳香族
単位である)、 −NH(CH2)tC(O)O−(t=2から10、好ましくは2から3、特に2で
ある)、 −NHCH2CH(OH)CH2O−、または −NH(CH2)uO−(u=1から20、好ましくは1から6、特に1から3で
ある)を有するリンカーであり、 mは1)1から200、好ましくは 2)1から100、特に 3)1から50の整数である。
【0010】 本発明のカチオン性ブロックコポリマーは、少なくとも以下の3点の特徴が公
知のブロックコポリマーとは異なっている。 1.親水性非イオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの側枝を備えている。 2.このリンカーは公知のブロックコポリマーのリンカーとは異なる。 3.これらは枝分かれ親水性、非イオン性ポリマーである。 好ましくは、炭素および酸素から構成され、適切ならば環状、星状または樹状
構造を含む線状または枝分かれ状ポリマー、たとえば線状PEG、多枝枝分かれ
状PEG、星状PEG、シクロデキストリンを含む多糖類、PVA、arborol(
末端水酸基を有するデンドリマー)の残基などを意味するが、好ましくは直鎖お
よび多枝枝分かれ状および星状PEGを意味する。後者は特にAldrich、Fluka、
SIGMAおよびShearwaterから市販されている。
【0011】 BおよびCは式IIIを有する線状または枝分かれ状ポリエチレンイミン残基を
意味しており、 (III)−[CH2CH2N(Z+)(R2)x]y−H[A-]w 式中、R2は同一かまたは異なる基で、水素または式IVの基であり、 (IV)−[CH2CH2N(Z'+)(R3)x']y'−H[A-]w' 式中、R3はR2として(回帰的に)定義される同一または異なる基であり、 A-は適切な、好ましくはOH-、Cl-、Br-などの無機陰イオンと同等であ
り、 xおよびx’は同一または異なっていて、1または2であり、 yおよびy’は同一または異なっていて、基BおよびCが100から1000
000g/mol、好ましくは400から100000g/mol、特に400から5
0000g/molの構成分子量(constituent molecular weight)を有するよう
に選択された整数であり、y’はまた0であることが可能であり、 zおよびz’は同一かまたは異なっていて、z=x−1かつz’=x−1であ
り、および wおよびw’は式IIIおよびIVの基の陽電荷の平衡を保つために選択された同
一または異なる整数である。
【0012】 ポリエチレンイミンはそれ自体公知の方法で調製することができるか、または
BASF商標名Lupasol(登録商標)または400から2000000g/molの
様々な分子量のポリエチレンイミンまたはエチレンイミンポリマーの名称で(Al
drich、SIGMA、Flukaまたは直接BASFから)市販されている。Bについては
分子量400から2000g/molのポリエチレンイミン、Cについては分子量
400から800000g/mol、特に好ましくは400から25000g/mol
のポリエチレンイミンが好ましい。
【0013】 Dで説明した基は、基R1、たとえばメチルまたは他の適切な保護基などによ
って1末端を保護されたポリエチレングリコール残基である。しかし、R1はま
た、特異的または非特異的生物学的機能を果たす基、特にブロックコポリマー活
性物質複合体を高等真核細胞およびそれらの細胞核に標的細胞特異的に取り込ま
せる受容体との相互反応を行うためのリガンドであることが可能であり、この活
性物質はオリゴヌクレオチドまたは遺伝子であることが好ましい(遺伝子ターゲ
ティング)。したがって、R1はまた特異的な相互反応および標的器官組織また
は細胞への取り込みのためのリガンド、たとえば蛋白質、特に抗体またはFab
、F(ab)2、scFvなどの抗体断片、 インターロイキン(IL−2からx)、インターフェロンGM−CSFなどの
サイトカインまたはリンホカイン、 EGF、PDGF、FGF、EPOなど成長因子、 ICAM、VCAMなどインテグリン、または レクチンなど糖蛋白質またはグリコシル化蛋白質(前記参照)または LDL、HDLなどリポ蛋白質または トランスフェリンなど輸送蛋白質または LH−RH、カルシトニン、オキシトシン、インシュリン、ソマトスタチン、
IGF、RGDなどペプチドまたは ガラクトース、マンノース、グルコース、ラクトースなどの炭化水素または ステロイド、THRなどのホルモンまたは B12、葉酸などのビタミンであることが可能である。
【0014】 本発明はまた、式Iの化合物を調製するための方法に関しており、 a)一般式Vの化合物 (V) A−(OH)n(Aおよびn=式Iと同様である) と、ジイソシアネート、好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートとを反応さ
せ、それによって得られた化合物を一般式IIIおよびIVのポリエチレンと反応さ
せること、または b)一般式VIの化合物 (VI) A−(NH2)n(Aおよびn=式Iと同様である) を、重合化開始の前、または重合化が進行しないうちにエチレンイミン重合化の
ための反応混合物に添加すること、または c)一般式VIIの化合物 (VII) A−(OS(O)24)n(Aは式Iと同様で、R4=脂肪族または芳
香族基、好ましくはp−トリル、フルオリド、トリフルオロメチルまたはメチル
である) をエチレンイミン重合化のマクロ開始剤として使用することが含まれる。 式VIの化合物は、様々な分子量でたとえばShearwaterから市販されている。 一般式VIIの化合物は、一般式Vの化合物と一般式VIIIの化合物 (VIII) Cl−S(O)24(R4は前記で定義した通りである) との反応によって得られる。
【0015】 本発明はさらに、式IIの化合物を調製する方法に関しており、 d)最初に、一般式IXの化合物 (IX) D−OH(Dは式IIで定義した通りである) と、ジイソシアネート、好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートと反応させ
て、その後得られた化合物を線状または枝分かれ状ポリエチレンイミンと反応さ
せることを含む。適切ならばOH基を保護するために導入された保護基をそれ自
体公知の方法で除去することができる(たとえば、Bullesbach、Kontakte(Merc
k)1/1980、pp.23以下参照)。
【0016】 a)で説明した方法は、ポリマーブロックAの末端水酸基当たり4倍から20
倍過剰なジイソシアネート、好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートを使用
する様な方法で実施することが好ましい。この反応は、クロロホルム中で、室温
から溶媒の沸点までの温度で実施するが、溶媒の沸点で実施することが好ましい
。選択された反応時間は2から24時間の間で、好ましくは4時間である。反応
混合物中のポリマー濃度は、10g/lと500g/lとの間、好ましくは10
0g/lである。減圧下で溶媒を除去することによって生成物を単離して、石油
エーテル(沸騰範囲:40〜60℃)で繰り返し抽出することによって過剰なジ
イソシアネートを除去する。この中間体を出発化合物の末端水酸基あたり3倍か
ら10倍過剰なPEI高分子と反応させる。この反応は、クロロホルム中で、室
温から溶媒の沸点までの温度で実施するが、溶媒の沸点で実施することが好まし
い。選択された反応時間は6から72時間の間で、好ましくは12時間である。
反応混合物中のポリマー濃度、PEIおよびヘキサメチレンジイソシアネートで
活性化された非イオン性親水性ポリマーの両濃度は、10g/lと500g/l
の間、好ましくは30と200g/lの間である。生成物は体積で10〜30倍
過剰なジエチルエーテル中でポリマーを沈殿させることによって単離する。過剰
なPEIは、溶媒としてエタノールおよびジエチルエーテルで繰り返し再沈殿さ
せることによってブロックコポリマーから除去することができる。
【0017】 b)で説明した方法は、エチレンイミンとアミノ末端親水性非イオン性ポリマ
ーを水にそれぞれ10g/lから500g/lの濃度で溶かして混合することに
よって実施する。2成分のモル比は1:10から1:10000の間である。次
いで、エチレンイミン重合化を適切な触媒、たとえば塩酸を添加することによっ
て開始し、この混合物を40〜100℃にする。コポリマーは鎖終結反応によっ
て生じる。このブロックコポリマーを適切な溶媒、たとえばエタノールおよびジ
エチルエーテルを使用して繰り返し再沈殿させ、および/または圧力濾過によっ
て副産物と成り得るPEIホモポリマーを除去する。この調製方法の1変法には
、30分から72時間までのある時間反応させてのみ、アミノ末端親水性非イオ
ン性ポリマーを熱い重合化混合物に添加することが含まれる。
【0018】 c)で説明した方法は、ポリマーブロックAの末端ヒドロキシル基を一般式VI
IIの塩化スルホニル、特にトルエンスルホニルクロリド(トシルクロリド)と反
応させることによって実施される。この反応は、水性および/または極性有機溶
媒中、好ましくは水/テトラヒドロフラン混合物中で、−10℃から溶媒の沸点
までの温度、好ましくは−10℃から溶媒の沸点までの温度、好ましくは0℃か
ら25℃までの温度で、(必要ならば)触媒、たとえばトリエチルアミンまたは
水酸化ナトリウムの存在下で実施する。この生成物は、減圧下で溶媒を除去する
ことによって単離される。このポリマーはその後エチレンイミン重合化用のマク
ロ開始剤として使用される。この目的のために、一般式VIIを有する生成物を水
性または極性有機溶媒中で、0℃から溶媒の沸点までの温度でエチレンイミンと
反応させる。この2成分のモル比は、1:10から1:10000の間である。
この反応では副産物は形成されない。最終生成物は、適切な溶媒、たとえば、ジ
エチルエーテルなどでポリマーを沈殿させることによって単離することができる
。d)で説明した方法は、一般式IXの化合物と少し過剰の、好ましくは2倍か
ら10倍過剰のジイソシアネート、好ましくはヘキサメチレンジイソシアネート
とを反応させることによって実施することが好ましい。この反応は、クロロホル
ム中で、20℃から溶媒の沸点、好ましくは溶媒の沸点で実施する。選択した反
応時間は、2時間と24時間の間、好ましくは10時間と14時間の間である。
反応混合物中のポリマー濃度は、10g/mlと500g/lの間、好ましくは3
0g/lと150g/lの間である。減圧下で溶媒を除去し、過剰なジイソシア
ネートを石油エーテル(沸騰範囲:40〜60℃)で繰り返し抽出することによ
って除去して、生成物を単離する。この中間体をPEI高分子と1:1から10
0:1のモル比で反応させる。この反応は、クロロホルム中で、必要であればジ
メチルホルムアミドを添加して、室温から溶媒の沸点までの温度で、好ましくは
60〜70℃で実施する。選択した時間は6と72時間の間で、好ましくは12
時間である。反応混合物中のポリマー濃度は、PEIおよびヘキサメチレンジイ
ソシアネートで活性化した非イオン性親水性ポリマーとも10g/lと500g
/lとの間、好ましくは30〜200g/lの間である。生成物は体積が10〜
30倍過剰のジエチルエーテル中でポリマーを沈殿させることによって単離され
る。
【0019】 PEIと比較して、この新規化合物は以下の特性を有する。 このブロックコポリマーは細胞毒性試験でPEIホモポリマーよりも毒性が低
く、血液循環系により長く維持される(「生物学的実施例」の項を参照のこと)
。 このブロックコポリマーは少なくとも、構造に応じて、界面活性剤として使用
できる表面活性化合物である。
【0020】 さらに、このブロックコポリマーはまた、 ・添加物として接着系および被覆系において、 ・紙強度を増強するための固定剤として、 ・たとえば多層包装シートなどのポリマー組成物系用下塗り剤として、 ・プラスチックの変更のために(染色性、着色性、バリア効果を改善する) ・綿への反応性色素の固定のために、 ・産業排水中の微小懸濁粒子凝固剤および分散剤として、 ・重金属塩の結合のために、 ・有機および無機色素の分散のために、 ・セラミックおよびセメント成分への添加物として、 ・皮膚および髪化粧品および歯科領域において多種多様な機能のために、 ・表面に医学的に活性な物質または生物活性化合物を固定するために、 ・血漿からエンドトキシンおよび病原体を濾過するために、 ・粘膜透過のために使用することができる。
【0021】 さらに水性系では、このブロックコポリマーは、リボザイムを含めたDNA、
RNAなどポリ核酸との複合体を形成する。この特性によって、遺伝子輸送の輸
送手段またはベクターとして適するようになる(細胞膜の透過および細胞核への
移動)。したがって、トランスフェクション実験、遺伝子治療および遺伝子診断
に使用することができる(「生物学的実施例」の項を参照のこと)。 以下の実施例は本発明を限定することなく本発明を例示するために役立つ。
【0022】
【化学実施例】
実施例1: PEI(PEG)nブロックコポリマーの調製 mPEG−550の活性化 電磁攪拌子、還流冷却器および乾燥管を上部に具備した100ml丸底フラスコ
にクロロホルム10mlを導入し、7mlのヘキサメチレンジイソシアネート(HM
DI)(43.64mmol、8当量)を添加する。3gのポリエチレンオキシドモ
ノメチルエーテル(mPEG、Mn=550g/mol)(5.45mmol、1当量)
をクロロホルム40mlに溶解させる。そしてこの溶液をHMDIの攪拌溶液にゆ
っくり滴下添加する。混合物を12時間加熱還流する。そして溶媒を減圧下に除
去し、過剰のHMDIを石油エーテル(40〜60)(5×50ml)で抽出する
生成物を無色流動性オイルとしてほぼ定量的収率で得る(3.8g、97%)。
【0023】 PEI−グラフト−PEGブロックコポリマーの調製 電磁攪拌子、還流冷却器および乾燥管を上部に具備した100ml丸底フラスコ
に1.74gのbPEI(Mw=25kDa、Mn=10kDa、0.1736mmol、1当
量)を秤量し、40mlのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解する。2.5g
のHMDI−活性化mPEG(Mn=720Da、3.47mmol)をクロロホルム
10mlに溶解し、この溶液をPEIの攪拌溶液にゆっくり滴下添加する。混合物
を12時間60〜70℃に加熱する。そして混合物をジエチルエーテル500ml
に滴下添加する。2時間後、粘稠性の黄色がかったオイルが沈着してきた。濁っ
た上澄みを廃棄し、オイルをエタノール30mlに溶解する。再び本溶液をジエチ
ルエーテル500mlに滴下添加し、再び分離してきたオイルをデカンテーション
により単離する。生成物をエタノールに溶解して濾過し、溶媒を真空乾燥器中5
0℃で除去する。2.8gの黄色がかった粘稠性から樹脂性のオイルを得る(収
率:45%)。
【0024】 1Hおよび13C−NMR分光法およびゲル浸透クロマトグラフィによりポリマ
ーを確認した。実施例1において以下のデータを得た。これらは他の実施例の代
表であり、他の実施例でも同様のデータが得られた。 1H NMR(500MHz、CDCl3):δ/ppm=1.17(イソシアネート CH2)、1.26(イソシアネート CH2)、2.30〜2.72(エチレン
イミン CH2)、2.96(イソシアネート CH2)、3.15(イソシアネー
ト CH2)、3.49(エチレングリコール CH2)。 13C NMR(125MHz、CDCl3):δ/ppm 14.3(イソシアネート CH2)、26.2(イソシアネート CH2)、29.6(イソシアネート C
2)、36.2(イソシアネート CH2)、37.5(エチレンイミン CH2
)、39.1(エチレンイミン CH2)、41.1(イソシアネート CH2)、
47.2(エチレンイミン CH2)、48.9(エチレンイミン CH2)、52
.8(エチレンイミン CH2)、54.1(エチレンイミン CH2)、58.7
(イソシアネート CH2)、69.3および70.2および71.6(エチレング
リコール CH2)、156.2(−NHC(O)O−)、161.7(−NHC(
O)NH−)。
【0025】 GPC(メタクリル酸アミノエチルゲル、1%ギ酸、0.5ml/分、25℃、
プルラン標準を用いて校正した):Mn=8800、Mw=1640000、Mp
=85000、PD=19.6、単峰性。 PEI(アルドリッチ、25kDa)およびmPEG(アルドリッチ、550D
a)のブレンドとの比較:Mn=69000、Mw=1480000、Mp=99
000および1100、PD=2.1、二峰性。 実施例1のポリマーの表面活性を、張力計を用いた22℃でのルコント・ド・
ヌーイ(Lecomte du Nouy)法(リング法)により検討した。空気に対する溶液
の表面張力を測定した。超純水で装置を校正し、これはポリマー試料用の溶媒と
しても用いた。 測定データ:σmin=51mN/m、CMC=15mg/ml。 以下は同様の方法で調製できる:(全ての出発化合物はアルドリッチより入手
可能である。)
【0026】
【表1】
【0027】 実施例27:PEG(PEI)nブロックコポリマーの調製 枝分かれ状PEGの活性化 電磁攪拌子、還流冷却器および乾燥管を上部に具備した100ml丸底フラスコ
に、クロロホルム10ml中、3.79gのHMDI(22.54mmol、80当量)
を溶解する。2gの8−方枝枝分かれ状PEG(bPEG、MW=10kDa、0.
2mmol、1当量)のクロロホルム20ml溶液を、HMDIの攪拌溶液にゆっくり
滴下添加する。混合物を4時間沸騰させ、そして更に8時間室温で攪拌する。溶
媒を減圧下に除去し、過剰のHMDIを石油エーテル(40〜60)(3×50
ml)で抽出する赤味がかったオイルを収率58%で得る(1.38g)。
【0028】 PEG−グラフト−PEIブロックコポリマーの調製 電磁攪拌子、還流冷却器および乾燥管を上部に具備した100ml丸底フラスコ
に、クロロホルム20ml中、2.20gの枝分かれ状PEI(bPEI、Mw=8
00Da、Mn=600Da、3.66mmol、25当量)を溶解させる。1.21
gのHMDI−活性化bPEG(Mn=8.5kDa、0.14mmol、1当量)のクロ
ロホルム30ml溶液を、PEIの攪拌溶液に室温でゆっくり滴下添加する。混合
物を12時間沸騰させる。そして溶液をジエチルエーテル500mlに攪拌しなが
らゆっくり滴下添加する。12時間後、粘稠性の黄色がかったオイルが沈着して
きた。濁った上澄みを廃棄し、オイルをエタノール50mlに溶解する。再び溶液
をジエチルエーテル500mlに滴下添加し、再び分離してきたオイルをデカンテ
ーションにより単離する。生成物をエタノールに溶解して濾過し、溶媒を真空乾
燥器中50℃で除去する。1.13gの黄色がかった粘稠性から樹脂性のオイル
を得る(収率:59%)。
【0029】 1Hおよび13C−NMR分光法およびゲル浸透クロマトグラフィによりポリマ
ーを確認した。実施例27において以下のデータを得た。これらは他の実施例の
代表であり、他の実施例でも同様のデータが得られた。 1H NMR(500MHz、CDCl3):δ/ppm=1.22(イソシアネート CH2)、1.36(イソシアネート CH2)、2.40〜2.70(エチレン
イミン CH2)、3.03(イソシアネート CH2)、3.19(イソシアネー
ト CH2)、3.55(エチレングリコール CH2)。 13C NMR(125MHz、CDCl3):δ/ppm=25.9(イソシアネート CH2)、29.4(イソシアネート CH2)、39.2(エチレンイミン C
2)、41.2(イソシアネート CH2)、47.0(エチレンイミン CH2
)、48.9(エチレンイミン CH2)、52.0(エチレンイミン CH2)、
54.2(エチレンイミン CH2)、61.1(イソシアネート CH2)、69
.2および71.1および72.3(エチレングリコール CH2)、156.0(
−NHC(O)O−)、162.1(−NHC(O)NH−)。
【0030】 GPC(メタクリル酸アミノエチルゲル、1%ギ酸、0.5ml/分、25℃、
プルラン標準を用いて校正した):Mn=22000、Mw=43000、Mp
31000、PD=1.9、単峰性。8方枝PEG(シェアウォーター、10kDa
)およびPEI(アルドリッチ、800Da)のブレンドとの比較:Mn=31
00、Mw=15000、Mp=12000、PD=4.91、単峰性。
【0031】 実施例27のポリマーの表面活性を、張力計を用いた22℃でのルコント・ド
・ヌーイ(Lecomte du Nouy)法(リング法)により検討した。空気に対する溶
液の表面張力を測定した。超純水で装置を校正し、これはポリマー試料用の溶媒
としても用いた。 測定データ:σmin=56mN/m、CMC=12mg/ml。 以下は同様の方法で調製できる。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】 実施例55 PEG−PEIコポリマーの調製(マクロレギュレータ経路) 鎖の他末端にアミノ基を有するモノメチル化PEG(MW 5000g/mol
)1g(0.2mmol)を、電磁攪拌子および還流冷却器を具備した50ml丸底フ
ラスコに秤量し、蒸留水20mlに溶解させる。エチレンイミン2ml(39mmol)
をこのポリマー溶液に添加する。硫酸ジメチル200μl(2mmol)を開始剤と
して用いて重合を開始し、混合物を60℃で8日間加熱する。そして溶媒を減圧
下に除去し、残留物をエタノール20mlに再溶解する。溶液をジエチルエーテル
250mlに滴下添加すると、ポリマーが分離する。ポリマーを濾過により単離し
、残留溶媒を真空乾燥器中50℃で3週間除去する。1.9gの淡黄色がかった
樹脂性ポリマーを得る(収率:73%)。 以下は同様の方法で調製できる:(全てのアミノ修飾PEG類はRAPPポリ
メーレ、テュービンゲン(RAPP Polymere、Tubingen)より入手可能である。)
【0035】
【表4】
【0036】 1Hおよび13C−NMR分光法およびゲル浸透クロマトグラフィによりポリマ
ーを確認した。実施例56において以下のデータを得た。これらは他の実施例の
代表であり、他の実施例でも極めて同様のデータが得られた。 1H NMR(500MHz、D2O):δ/ppm=2.60〜3.00(エチレンイ
ミン CH2)、3.78(エチレングリコール CH2)。 13C NMR(125MHz、D2O):δ/ppm=38.2(エチレンイミン C
2)、39.9(エチレンイミン CH2)、46.2(エチレンイミン CH2
)、47.9(エチレンイミン CH2)、51.7(エチレンイミン CH2)、
53.4(エチレンイミン CH2)、54.8(エチレンイミン CH2)、70
.2(エチレングリコール CH2)。 GPC(メタクリル酸アミノエチルゲル、1%ギ酸、0.5ml/分、25℃、
プルラン標準を用いて校正した):Mn=21000、Mw=40000、Mp
16000、PD=1.9、単峰性。CH3O−PEG−NH2(RAPPポリメ
ーレ、5000Da)との比較:Mn=9100、Mw=14000、Mp=16
000、PD=1.6、単峰性。
【0037】 実施例67 PEG−PEIコポリマーの調製(マクロ開始剤経路) マクロ開始剤の調製 2g(0.4mmol、1当量)のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(
アルドリッチ、MW5000)を電磁攪拌子および還流冷却器を具備した50ml
の丸底フラスコに秤量し、25mlの蒸留クロロホルムに溶解させる。0.31g
のトシルクロリド(1.6mmol、4当量)をポリマーの攪拌溶液に添加する。最
後に、0.22mlのトリエチルアミン(0.16g、1.6mmol、4当量)を触媒
として混合物に添加する。混合物を18時間加熱還流する。ポリマーを単離し精
製するために、溶液を500mlのジエチルエーテルに注ぎ入れる。沈殿したポリ
マーを濾別し、多量のジエチルエーテルで洗浄し、真空下に乾燥する。1.90
gの白色鱗状物質を得る(91%収率)。
【0038】 PEG−PEIブロックコポリマーの調製 0.5gのマクロ開始剤(0.096mmol、1当量)を電磁攪拌子および還流冷
却器を具備した25mlの丸底フラスコに秤量し、10mlの蒸留水に溶解させる。
攪拌しながら、1mlのエチレンイミン(0.832g、19.32mmol、200当
量)を滴下添加し、混合物を60℃で24時間加熱する。揮発性成分を減圧下に
除去する。白色樹脂性物質が残留し、10mlの水に再溶解し、そして200mlの
テトラヒドロフランで沈殿させる。ポリマーをデカンテーションにより単離し、
真空下に乾燥する。0.95gの黄色がかった樹脂性物質を得る(71%収率)
。 以下は同様の方法で調製できる:(全てのモノメチル−PEG類はアルドリッ
チより入手可能である。)
【0039】
【表5】
【0040】 1Hおよび13C−NMR分光法およびゲル浸透クロマトグラフィによりポリマ
ーを確認した。実施例67において以下のデータを得た。これらは他の実施例の
代表であり、他の実施例でも極めて同様のデータが得られた。 1H NMR(500MHz、D2O):δ/ppm=2.80〜3.20(エチレンイ
ミン CH2)、3.80(エチレングリコール CH2)。 13C NMR(125MHz、D2O):δ/ppm=37.9(エチレンイミン C
2)、39.4(エチレンイミン CH2)、46.1(エチレンイミン CH2
)、47.2(エチレンイミン CH2)、51.3〜52.7(エチレンイミン
CH2)、70.2(エチレングリコール CH2)。 GPC(メタクリル酸アミノエチルゲル)、1%ギ酸、0.5ml/分、25℃
、プルラン標準を用いて校正した):Mn=35000、Mw=90000、Mp
=52000、PD=2.6、単峰性。 CH3O−PEG−Ts 5000Da)との比較:Mn=4800、Mw=7
600、Mp=8600、PD=1.6、単峰性。
【0041】 略語 bPEG 枝分かれ状ポリエチレングリコール bPEI 枝分かれ状ポリエチレンイミン CMC 臨界ミセル濃度 DMF ジメチルホルムアミド HMDI ヘキサメチレンジイソシアネート lPEG 線状ポリエチレングリコール lPEI 線状ポリエチレンイミン Mn 数平均分子量 Mp ピーク分子量 mPEG モノメトキシポリエチレングリコール Mw 重量平均分子量 MW 不特定平均分子量 PD 分子量分散度 Ts トシル σmin 最小表面張力
【0042】
【生物学実施例】
I.トランスフェクション実験 PEI(PEG)20(実施例1)およびPEG(PEI)8(実施例27)ポリマ
ーのトランスフェクション特性を3T3細胞株で検討した。50000細胞/ウ
ェルを12のウェルプレートに播種し、24時間インキュベートした(DMEM
+2mMグルタミン+10%FCS、37℃、10%CO2)。そして培養液を
交換した。pGL3プラスミド4μgの150mM生理食塩水100μl溶液を、
それぞれのウェル中、適切量のポリマーの150mM生理食塩水100μl溶液
で複合化し、10分後細胞に添加した。4時間後、培養液を再び交換し、そして
48時間後、評価を行った。ベルトールドシリウス(Berthold Sirius)照度計
中、プロメガ(Promega)ルシフェラーゼアッセイキットを用いてルシフェラー
ゼ発現を測定した。蛋白質濃度を修飾BCAアッセイを用いて定量化した。示し
たデータはそれぞれの場合について、対応する窒素/リン比に関して3つのウェ
ルの平均±標準偏差である。
【0043】 実施例1:[PEI(PEG)20] 測定データ: N/P5: 0.0057±0.0036ng/mg 蛋白質 N/P10: 0.1786±0.1522ng/mg 蛋白質 N/P20: 0.6952±0.5498ng/mg 蛋白質 N/P50: 5.1963±2.6863ng/mg 蛋白質 (プラスミドのみ:0.0000±0.00004ng/mg 蛋白質)
【0044】 実施例27:[PEG(PEI)8] 測定データ: N/P5: 0.0024±0.0012ng/mg 蛋白質 N/P10: 0.0045±0.0046ng/mg 蛋白質 N/P20: 0.0109±0.0078ng/mg 蛋白質 N/P50: 0.0765±0.0498ng/mg 蛋白質 (プラスミドのみ:0.0000±0.00004ng/mg 蛋白質) 両方の場合において、発生しているトランスフェクションに基づく遺伝子発現
が検出可能であった。更に、PEI(PEG)20はPEG(PEI)8が行うより極
めて大きなトランスフェクション効率を示す。
【0045】 II.MTTアッセイによるin vitro細胞毒性の測定 実施例1および27のコポリマーについて、Mosmannの方法によるMTTアッ
セイ(J.Immunol.Methods、65巻、55〜63頁(1983年))を用いて、細胞培養モ
デル中でのこれらの細胞毒性を検討した。L929マウス繊維芽細胞8000個
/ウェルを96個のウェル中24時間プレインキュベートし、種々の濃度のポリ
マー溶液で3、12および24時間処理した。MTT染料のホルマザンへの変換
を通してミトコンドリア活性を測定した。ここでホルマザンは分光光度法により
定量した。5種の異なる濃度で、10%FCSを含むDMEM溶液としてポリマ
ーを使用した。必要であれば、pHを7.4に合わせ、試料を濾過(0.2μm)
により無菌化した。(スペーサ量を差し引いて)2つの個々の成分を混合するこ
とによりブレンドを調製した。評価として、使用したポリマー濃度に対する細胞
生存度〔%〕をプロットし、IC50を求めた。
【0046】 結果: ・遊離ポリマーのin vitro細胞毒性は、ポリマー濃度の増加とともに
、およびインキュベーション時間の増加とともに増加する。 ・実施例1のコポリマー:個々の成分PEI 25kDaとPEG 550Da
との混合物の毒性は、遊離のPEI 25kDaの毒性に相当する。2つの成分の
共有結合により耐容性は非常に高められる。24時間後の毒性プロフィールは個
々の成分の毒性に対応し、それゆえに遊離のPEI 25kDaの毒性に対応する
が、インキュベーション時間が短くなると細胞毒性は低下する。PEG被覆はポ
リエチレンイミンの正電荷を遮断し、それゆえ細胞膜での電荷媒介作用を低下さ
せる。 ・実施例27のコポリマー:2つの個々の成分PEI 700DaとPEG
10kDaとの混合物では、10mg/mlまで細胞生存率が低下しなかった。同じ濃
度範囲において、コポリマーでは3、12および24時間後での細胞生存率の限
界が増加し、これは分子量の増加によると説明できる。 ・実施例27は実施例1より細胞毒性が低い。
【0047】 III.LDHアッセイによるin vitro細胞毒性の測定 6−ウェルマルチディッシュにMTTアッセイと同じ細胞密度でL929マウ
ス繊維芽細胞を播種し、48時間プレインキュベートし、そしてポリマー溶液(
PBS中、pH7.4)とともに1、2、3および6時間インキュベートした。
乳酸塩およびLDHの存在下NAD還元を光度測定することにより、細胞外LD
Hフラクションを標準キット(シグマ、DG−1340−K)で定量した。10
0%値を決定するために、細胞を0.1%のトリトンX−100で溶菌した。
【0048】 結果: LDHアッセイによりMTT試験の結果が確認される。2つのアッセイの相関
関係から、膜損傷が最初に起こり、暫くして、代謝活性の減少が起こることが示
される。ポリマーの膜損傷作用は、インキュベーション時間およびポリマー濃度
の増加とともにより強くなる。
【0049】 IV.アガロースゲル電気泳動法により測定されたコポリマーのDNA結合 実施例1および27のコポリマーの結合能を、80Vで1%アガロースゲルで
の電気泳動法により測定した。臭化エチジウム染色後、254nmでのUV励起に
よりプラスミド(CMV−nlacZ)を確認する。
【0050】 結果: ・両ポリマーは、プラスミドと静電相互作用できる。 ・ブレンドと一致して、実施例1のポリマーは、窒素−PEI/リン−DNA
比(N/P比)1.7から完全にプラスミドを結合することができる。強いDN
A縮合の徴候である、ブレンド(N/P5.8から)で観察された臭化エチジウ
ム排除は、N/P 23.0までのコポリマーでは不完全である。 ・実施例27のブレンドにおいては完全なプラスミド結合はN/P 4.1か
らのみ観察されており、完全なエチジウム排除は観察されないのに対して、コポ
リマーではN/P2.4からプラスミド結合が示され、N/P 16.6から染料
排除が示された。
【0051】 V.赤血球凝集アッセイ ParnhamおよびWetzigの方法(Chem.Phys.Lipids、64巻、263〜274頁、1993
年)によってウィスターラットのクエン酸処理血液より赤血球を単離し、24の
ウェル中に播種し、そして試験溶液とともに37℃で2時間でインキュベートし
た。ポリマーの影響下赤血球の凝集および凝着を顕微鏡で観察した。未処理赤血
球をコントロールとして使用した。
【0052】 結果: ・実施例1の遊離のコポリマーは、0.27〜18μg/ウェルの濃度で、ブレ
ンドおよびPEI 25kDaと比較して、赤血球の細胞培養ディッシュへの凝集
および凝着の低下を示した。低濃度(0.27〜0.7μg/ウェル)では有意差
は見られないのに対して、濃度を上げると、コポリマーとブレンドまたはPEI 25kDaとの顕著な差異が検出可能であった。凝集作用はN/P比を上げるに
つれて増加した。 ・実施例27のコポリマーは反対の挙動を示した。ブレンドのおよび遊離PE
Iの凝集は、コポリマーの凝集より少ない。 ・赤血球凝集は、遊離ポリマーと比較して、両ポリマーとプラスミドDNAと
の反応中大きく減少する。
【0053】 VI.赤血球溶血アッセイ ParnhamおよびWetzigの方法(Chem.Phys.Lipids、64巻、263〜274頁、1993
年)によってウィスターラットのクエン酸処理血液より赤血球を単離し、ポリマ
ー溶液と混合し、そして37℃で1時間インキュベートした。赤血球を遠心分離
(10分、25℃、700g)によりペレット化し、そして赤血球溶血を上澄み
について540nmで光度測定する。
【0054】 結果: ・個々の成分である8−枝状PEG、PEG 500DaおよびPEI 70
0Daでは、0.001〜10mg/mlの濃度範囲(全て1〜3%)で、顕著な赤
血球溶血作用は見られない。 ・実施例27などのコポリマーは、同じ濃度範囲で明白な作用(<5%)は見
られない。 ・個々の成分PEI 25kDaを用いおよび実施例1におけるブレンドを用い
ると、溶血活性は0.001〜10mg/mlで増加する(10mg/mlで22.13%
)。 ・実施例1のコポリマーは、0.5mg/mlまでで13.30%までに溶菌活性が
増加し、10mg/mlまでの高濃度で溶血作用は再び減少する(10mg/mlで2.
90%)。
【0055】 VII.マウスにおけるポリマー−DNA複合体の薬物動力学および器官分布 実施例1および27のコポリマーの薬物動力学および器官分布をbalb/c
マウスで測定した。ポリマーを125Iボルトンハンター試薬(ファーマシアバイ
オテック(Pharmacia Biotech))を用いて放射標識した。マウス1kgに対して
PEI(成分)0.4または0.04または0.008mg量を、5%グルコース溶
液中、全容量が80μlで窒素/リン比N/P3.5またはN/P6で、適切な量
のNF−kBデコイオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)と複合化し、10分
後、鎖骨下静脈を通して麻酔下のマウスに注射した。20秒、1、2、5、15
、30、60、90および120分後、カテーテルを通して動脈大動脈幹から血
液サンプルを得た。120分間、膀胱カテーテルを通して尿を採集した。120
分後、マウスを断頭し、器官である皮質、腎臓、肝臓、心臓、肺、脾臓および脂
肪組織を除去した。
【0056】 サンプル中のポノマー量は、1277ガンママスター自動ガンマカウンター(
LKB Wallac)を用いて放射能を測定することにより定量した。 Kinetica 1.1プログラムおよび静脈内大量瞬時投与における2−コンパー
トメントモデルを用いてデータを分析した。分布容積(Vc)、排除定数(kel
)およびAUCを血中濃度プロットから算出した。3種の動物を分析した場合は
平均±標準偏差として示し、2種の動物の場合は中央値を示し、そしてただ1つ
の動物の場合は値を括弧に入れて示した。
【0057】 複合体調製および用量
【表6】
【0058】 結果: ・比較的低い用量での観察では、PEI(PEG)20の毒性はPEI 25kDa
の毒性より弱いことを示している。 ・全てのポリマーの血漿濃度は、2−コンパートメントモデルで記述できた。 ・コポリマーは、25kDa PEIより高いAUCおよび小さい分布容積を有
する。PEI(PEG)20(実施例1)はPEG(PEI)8(実施例27)より大
きな作用を有する。 ・排除はコポリマーで減少した。 ・Vcおよびkelは検知できるほどの用量依存性を示さない。 ・PEI 25kDaおよび実施例1において算出されたAUCは、用量に比例
しており、AUC/用量線の勾配は実施例1のコポリマーでより大きかった。 ・120分後の分布の主要器官は、肝臓、腎臓および脾臓であった。6:1複
合体において、コポリマーはPEI 25kDaと比較して、肝臓および脾臓にお
いて摂取が減少し、腎臓において摂取が増加している。
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月25日(2002.7.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】 c)で説明した方法は、ポリマーブロックAの末端ヒドロキシル基を一般式VI
IIの塩化スルホニル、特にトルエンスルホニルクロリド(トシルクロリド)と反
応させることによって実施される。この反応は、水性および/または極性有機溶
媒中、好ましくは水/テトラヒドロフラン混合物中で、−10℃から溶媒の沸点
までの温度、好ましくは0℃から25℃までの温度で、(必要ならば)触媒、た
とえばトリエチルアミンまたは水酸化ナトリウムの存在下で実施する。この生成
物は、減圧下で溶媒を除去することによって単離される。このポリマーはその後
エチレンイミン重合化用のマクロ開始剤として使用される。この目的のために、
一般式VIIを有する生成物を水性または極性有機溶媒中で、0℃から溶媒の沸点
までの温度でエチレンイミンと反応させる。この2成分のモル比は、1:10か
ら1:10000の間である。この反応では副産物は形成されない。最終生成物
は、適切な溶媒、たとえば、ジエチルエーテルなどでポリマーを沈殿させること
によって単離することができる。d)で説明した方法は、一般式IXの化合物と
少し過剰の、好ましくは2倍から10倍過剰のジイソシアネート、好ましくはヘ
キサメチレンジイソシアネートとを反応させることによって実施することが好ま
しい。この反応は、クロロホルム中で、20℃から溶媒の沸点、好ましくは溶媒
の沸点で実施する。選択した反応時間は、2時間と24時間の間、好ましくは1
0時間と14時間の間である。反応混合物中のポリマー濃度は、10g/mlと5
00g/lの間、好ましくは30g/lと150g/lの間である。減圧下で溶
媒を除去し、過剰なジイソシアネートを石油エーテル(沸騰範囲:40〜60℃
)で繰り返し抽出することによって除去して、生成物を単離する。この中間体を
PEI高分子と1:1から100:1のモル比で反応させる。この反応は、クロ
ロホルム中で、必要であればジメチルホルムアミドを添加して、室温から溶媒の
沸点までの温度で、好ましくは60〜70℃で実施する。選択した時間は6と7
2時間の間で、好ましくは12時間である。反応混合物中のポリマー濃度は、P
EIおよびヘキサメチレンジイソシアネートで活性化した非イオン性親水性ポリ
マーとも10g/lと500g/lとの間、好ましくは30〜200g/lの間
である。生成物は体積が10〜30倍過剰のジエチルエーテル中でポリマーを沈
殿させることによって単離される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダグマール・フィッシャー ドイツ連邦共和国デー−35037マルブルク. シューマルクト2 (72)発明者 クラウス・クーナート ドイツ連邦共和国デー−35041マルブルク. エーミール−フォン−ベーリング−シュト ラーセ13 (72)発明者 アンケ・フォンハールペ ドイツ連邦共和国デー−35041マルブルク. アム・エンゲルスベルク31 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA01 CA11 DA03 EA04 GA11 HA17 4J031 AA53 AA57 AC07 AC08 AD01 AF03 AF09

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式IまたはIIの化合物であって、 (I) A(−X−B)n (II) C(−Y−D)m 式中、Aは分子量100から10000000g/molの親水性非イオン性線
    状または枝分かれ状ポリマーであり、 Bは分子量100から1000000g/molの線状または枝分かれ状ポリエ
    チレンイミン(PEI)であり、 XはブロックAとBの直接結合または以下の構造 −OC(O)NH(CH2)oNHC(O)NH−(o=1から20である)、 −OC(O)NH(アリール)NHC(O)NH−(アリール=芳香族単位である)
    、 −O(CH2)pC(O)NH−(p=1から10である)、 −OC(O)NH−、または −O(CH2)qNH−(q=1から20である)を有するリンカーであり、 nは1から200の整数であり、 Cは分子量100から1000000g/molの線状または枝分かれ状PEI
    であり、 Dは下式のOを介して結合したポリエチレングリコールの残基であり、 −(CH2CH2O)n'−R1 式中、n’は3から25000であり、R1は水素、脂肪族基または他のOH
    保護基または細胞性リガンドであり、 YはブロックCおよびDの直接結合または以下の構造、 −NHC(O)NH(CH2)sNHC(O)O−(s=1から20である)、 −NHC(O)NH(アリール)NHC(O)O−(アリール=芳香族単位である)
    、 −NH(CH2)tC(O)O−(t=2から10である)、 −NHCH2CH(OH)CH2O−、または −NH(CH2)uO−(u=1から20である)を有するリンカーであり、 mは1から200の整数である化合物。
  2. 【請求項2】 Aは分子量1000から100000g/molの親水性非イ
    オン性線状または枝分かれ状ポリマーであり、 Bは分子量400から100000g/molの線状または枝分かれ状ポリエチ
    レンイミン(PEI)であり、 XはブロックAとBの直接結合または以下の構造 −OC(O)NH(CH2)oNHC(O)NH−(o=2から10である)、 −OC(O)NH(アリール)NHC(O)NH−(アリール=1個の核を有する芳
    香族単位である)、 −O(CH2)pC(O)NH−(p=1から3である)、 −OCH2CH(OH)CH2NH−、 −OC(O)NH−、または −O(CH2)qNH−(q=1から6である)を有するリンカーであり、 nは1から50であり、 Cは分子量400から100000g/molの線状または枝分かれ状PEIで
    あり、 DはOを介して結合した下式のポリエチレングリコールの残基であり、 −(CH2CH2O)n−R1 式中、n’は10から5000であり、R1は水素、脂肪族基または他のOH
    保護基または細胞性リガンドであり、 YはブロックCおよびDの直接結合または以下の構造、 −NHC(O)NH(CH2)sNHC(O)O−(s=2から10である)、 −NHC(O)NH(アリール)NHC(O)O−(アリール=1個の核を有する芳
    香族単位である)、 −NH(CH2)tC(O)O−(t=2から3である)、 −NHCH2CH(OH)CH2O−、または −NH(CH2)uO−(u=1から6である)を有するリンカーであり、 mは1から100の整数である 請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Aは分子量5000から50000g/molの親水性非イオ
    ン性線状または枝分かれ状ポリマーであり、 Bは分子量400から50000g/molの線状または枝分かれ状ポリエチレ
    ンイミン(PEI)であり、 XはブロックAとBの直接結合または以下の構造 −OC(O)NH(CH2)oNHC(O)NH−(o=4から6である)、 −OC(O)NH(アリール)NHC(O)NH−(アリール=トリルである)、 −O(CH2)pC(O)NH−(p=1である)、 −OCH2CH(OH)CH2NH−、 −OC(O)NH−、または −O(CH2)qNH−(q=1から3である)を有するリンカーであり、 nは1から12であり、 Cは分子量400から50000g/molの線状または枝分かれ状PEIであ
    り、 DはOを介して結合した下式のポリエチレングリコールの残基であり、 −(CH2CH2O)n'−R1 式中、n’は10から1000であり、R1は水素、脂肪族基または他のOH
    −保護基または細胞性リガンドであり、 YはブロックCおよびDの直接結合または以下の構造、 −NHC(O)NH(CH2)sNHC(O)O−(s=4から6である)、 −NHC(O)NH(アリール)NHC(O)O−(アリール=トリルである)、 −NH(CH2)tC(O)O−(t=2である)、 −NHCH2CH(OH)CH2O−、または −NH(CH2)uO−(u=1から3である)を有するリンカーであり、および mは1から50の整数である 請求項1または2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 式Iを有する請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  5. 【請求項5】 式IIを有する請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Xが式−OC(O)NH(CH2)oNHC(O)NH−のリンカー
    である請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
  7. 【請求項7】 Yが式−NHC(O)NH(CH2)sNHC(O)O−のリンカー
    である請求項1から3および5のいずれかに記載の化合物。
  8. 【請求項8】 a)一般式Vの化合物 (V)A−(OH)n(Aおよびn=式Iと同様である) と、ジイソシアネートを反応させること、または b)一般式VIの化合物 (VI)A−(NH2)n(Aおよびn=式Iと同様である) を、重合化開始の前、または重合化が進行しないうちにエチレンイミン重合化の
    ための反応混合物に添加すること、 c)一般式VIIの化合物 (VII)A−(OS(O)24)n(Aは式Iと同様で、R4=脂肪族または芳香
    族基である)をエチレンイミン重合化のマクロ開始剤として使用することを含む
    請求項1から4のいずれかに記載の式Iの化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 最初に一般式IXの化合物 (IX)D−OH(Dは式IIで定義した通りである) とジイソシアネートを反応させて、その後得られた化合物を線状または枝分かれ
    状ポリエチレンイミンと反応させることを含む請求項1から3および5のいずれ
    かに記載の式IIの化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 界面活性剤としての請求項1から7のいずれかに記載の化
    合物の使用。
  11. 【請求項11】 水性系でポリ核酸を複合体化するための請求項1から7の
    いずれかに記載の化合物の使用。
  12. 【請求項12】 水性系でDNAを複合体化するための請求項1から7のい
    ずれかに記載の化合物の使用。
  13. 【請求項13】 水性系でRNAを複合体化するための請求項1から7のい
    ずれかに記載の化合物の使用。
  14. 【請求項14】 水性系でリボザイムを複合体化するための請求項1から7
    のいずれかに記載の化合物の使用。
  15. 【請求項15】 少なくとも1個の核酸および請求項1から7のいずれかに
    記載の1個の化合物を含む組成物。
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