JP2003527294A - 炭化ケイ素をベースとする材料をコーティングするための方法、コーティング・コンパウンドおよび上記方法により得られるコーティングされた部材 - Google Patents

炭化ケイ素をベースとする材料をコーティングするための方法、コーティング・コンパウンドおよび上記方法により得られるコーティングされた部材

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Abstract

(57)【要約】 炭化ケイ素材料からなる部材を被覆するための方法。該方法においては、コーティング・コンパウンドがこの部材の少なくとも一つの面に塗布され、この部材と上記コーティング・コンパウンドからなる組品が、上記コーティング・コンパウンドの表面を溶融するのに十分な温度に加熱され、これにより、上記部材が炭化ケイ素材料の堆積物でコーティングされるようになる。このとき、上記コーティング・コンパウンドは、原子百分率で40〜97%のシリコンと、クロム、レニウム、チタン、バナジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、コバルト、プラチナ、セリウムおよびジルコニウムの中から選択した原子百分率で60〜3%の他の元素とからなる非反応性の組成物である。また、加熱の前にSiCおよび/またはCの補強剤が添加される。この方法で得られるコーティング・コンパウンド、およびコーティングされた部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非反応性のシリコンベースのコーティング・コンパウンドならびに
その他の材料を用いて炭化ケイ素をベースとする材料をコーティングするための
方法に関する。さらに、本発明は、所定のコーティング・コンパウンドおよびこ
の方法で得られるコーティングされた部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
本明細書においては、「炭化ケイ素をベースとする」材料という用語は、一般
に、そのSiCの含有量が80重量%を超えるかまたは80重量%に等しいすべ
ての材料を意味する。
【0003】 一般に、本発明の技術分野は、セラミック表面をコーティングするものとして
定義できる。本明細書においては、「コーティング」という用語は、概ね、セラ
ミックの表面に堆積層ないし被覆層を設けることであると理解されたい。
【0004】 コーティングの目的は、例えば、強力な酸化剤、硫化物、フッ化物のような気
体状または液体状の腐食性の環境、酸性の環境、またはアルカリ性の環境等から
セラミックを保護することである。それ故、被覆物は、腐食性の環境にあまねく
強いばかりでなく、特に、セラミックを効果的に保護するものでなければならな
い。通常の多孔性の複合材料ないし多孔性セラミックの場合には、上記被覆物は
、種々の液体状の環境または気体状の環境に対して、密封機能を保証するもので
なければならない。同様に、セラミックの表面に属性を与えるこの被覆物は、摩
耗、摩擦、腐食等に対するセラミックの耐性を改善するものでなければならない
【0005】 より具体的には、本発明の属する分野は、実質的に金属の層、堆積物ないしコ
ーティングを用いて炭化ケイ素ベースのセラミックを保護し、密封し、またはそ
の機械的特性を改善するため、上記セラミックの表面を被覆するというものであ
る。
【0006】 実際のところ、炭化ケイ素をベースとするセラミック製品の用途の範囲は、非
常に多様である。製造方法に起因するものばかりでなく、セラミックの重量を軽
くするためにも、密度が小さく、例えば50%にも及ぶかなりの多孔度を有する
こともあるような製品に頼っている。これらの材料には、不浸透性に関するかな
り大きな問題が存在している。加えて、炭化ケイ素は、硬度、小さい膨張係数、
向上した耐破断性、良好な耐熱衝撃性、腐食および酸化に対する化学的な耐性と
いった、注目すべき特性をもってはいるが、焼結されたSiCまたはSiCをベ
ースとする複合材料を、酸化またはすべての腐食性環境から保護するためには、
炭化ケイ素に、被覆堆積物を形成する必要がある。特に、C/SiC複合材料は
酸化に非常に弱い。
【0007】 セラミックおよび他のタイプの材料のいずれについても、構成部材を被覆する
ことについては、多くの文献に記載されている。
【0008】 かくして、例えば、特開平11−087号公報は、カーボンフィラメントまた
はグラファイトフィラメントで強化した炭素マトリックスからなる、炭素をベー
スとする複合材料から形成された燃焼室を開示している。この場合、SiC被覆
層は、複合材料の内面上に形成され、化学的手法により堆積される炭素フィルム
は、複合材料の外面上に形成される。次いで、SiC被覆層内のひび割れがテト
ラエチル・オルソシリカートで充填され、1400〜2000℃の温度で熱処理
される。
【0009】 この技術は、炭素−炭素複合材料には適用されるが、SiCをベースとするセ
ラミックには適用されない。さらに、この被覆方法は、CVD蒸着、充填、熱処
理等といった多数の工程を必要とし、長い時間が掛かり、複雑なものである。結
局のところ、堆積される材料はSiCであり、そのため、被覆対象の部材がそれ
自身炭化ケイ素からできているという本発明の分野からはかけ離れたものとなっ
ている。
【0010】 日本国特許第95−119079号公開公報は、炭素−炭素フィラメントをベ
ースとする複合材料、CVD蒸着された長短のSiCフィラメントないしSi3
4フィラメントからなる中間層、そしてセラミックおよび/または耐火金属お
よび/またはCVDにより堆積されたSiCまたはSi34の短い含浸フィラメ
ントからなる、ブースタ・エンジン・ノズル用の部品を開示している。
【0011】 この方法もやはり長い時間を要して、複雑なものであり、炭素−炭素複合材料
には適用されるが、SiCをベースとするセラミックには適用されない。
【0012】 特開昭53−25857号公報は、その特性が特定されていない抵抗膜の保護
に関する。保護層は、少なくとも一つの金属、および炭化ケイ素および/または
窒化ケイ素からなるものからできている。上記金属は、Hf、Nb、Ta、Mo
、W、Re、Ru、RhおよびIrの中から選択される。このシステムは、反応
性のものであり、そうでないことが証明されない限り、この文献は、セラミック
のコーティングとは無関係である。
【0013】 米国特許第5294489号明細書は、例えば、溶融シリコンを浸透させて形
成した炭化ケイ素のマトリックスを有する複合材料のCまたはSiCの補強相用
の保護コーティングを開示している。この保護コーティングは、溶融シリコンと
の反応に強い材料からなる内部層と、浸透化合物およびシリコンの溶融温度より
高い溶融温度を持つ化合物を形成するように、マトリックス内の浸透化合物およ
び溶融シリコンと反応する材料からなる中間層と、溶融シリコンとの反応に強い
材料からなる外部層とからなる。
【0014】 外部層および/または内部層を形成している材料は、金属の炭化物であっても
、窒化物であっても、ホウ化物であっても、酸化物であっても、シリサイドであ
ってもよい。
【0015】 上記の文献は、複合材料の補強の内部保護に関するもので、セラミック本体ま
たはその一部の表面で得られる外部保護に関するものではない。さらに、堆積物
の形成を制御するのは非常に困難である。何故なら、この形成には、三つの層が
用いられて、これらの三つの層の中の一つが液状シリコンと金属との間の微妙な
反応により形成されるためである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
通常の方法において、金属合金を溶融しかつ冷却することによりセラミックを
コーティングするには、液状金属によるセラミックの「ぬれ性」が乏しいという
基本的な問題が克服されなければならない。
【0017】 上述の文献に記載されているような、もともと反応性のコーティングは、アル
ミニウムのような酸化物セラミックをコーティングするのに適用することはでき
る。何故なら、その反応性は制限されるし、形成された酸化物の機械的な性質も
十分であるからである。
【0018】 本明細書において特に関心のある、シリコンの窒化物または炭化物といったよ
うな非酸化物セラミックの場合には、金属合金の活性成分とセラミックとの間の
反応性は特に悪い。後者は、SiCの場合、シリサイドおよび炭化物のような脆
い金属間化合物を形成し、多孔性著しいものにし、セラミックを貫いて走るひび
割れを引き起こす。このひび割れは、この方法で形成されたコーティングの機械
的耐性を厳しく制限する。
【0019】 セラミックをコーティングしている際に発生するもう一つの重要な問題は、上
記セラミックが脆く、高温時においてさえも、実質的に変形不可能なことである
【0020】 このため、セラミック上に堆積する場合には、冷却時に、堆積物の間およびセ
ラミックと堆積物との間の膨張係数の違いにより発生する残留応力を制限するの
は必須である。この残留応力があると、被覆をうまく行うことができず、セラミ
ックとの整合性に欠ける異成分の堆積物が形成される。
【0021】 今日、非常に付着性があり、非常に均質で、非常に整合的であるが、非常に耐
火的でもある堆積物を用いて、SiCセラミックをコーティングできる方法の開
発が待望されている。すなわち、1600℃またはそれ以上の高温に耐えること
ができるコーティング方法の開発が待望されている。
【0022】 従来技術の文献に記載されているコーティング方法およびコーティング・コン
パウンドは、どれもこの要件を満たしていない。
【0023】 より具体的には、従来技術の方法および組成物は、どれも、SiCのようなセ
ラミックのコーティングを行う際に必須である本発明者により実証された下記の
基準を同時に満たさない。すなわち、堆積ならびに被覆された部材は、好適には
、耐火性が非常に高いことが好ましく、 1.コーティング・コンパウンドは、堆積物とSiCのようなセラミックとの
間を強力に結合することができるものでなければならない。 2.コーティング・コンパウンドは、炭化ケイ素を十分に濡らし、炭化ケイ素
に良好に付着するものでなければならない。 3.コーティング・コンパウンドは、SiCに適合した膨張係数を持つもので
なければならない。すなわち、冷却の際に、コーティング工程または堆積プロセ
ス中に発生する恐れがある、すべての残留応力を克服するために、SiCの膨張
係数に近い膨張係数を持っていなければならないし、また、堆積ならびにコーテ
ィングされた、または被覆された部材の機械的特性を劣化させるひび割れの発生
を確実に防止するものでなければならない。 4.コーティング・コンパウンドは、その調合および使用を容易にするように
、限られた数の成分からなるものでなければならない。 5.堆積物は、1600℃およびそれよりも高い温度で使用できるように、耐
火性の非常に高いものでなければならない。 6.さらに、堆積物ないしコーティングは、あらゆる類のの腐食性の環境から
セラミックを保護するために、セラミックを均質かつ整合的に被覆するものでな
ければならない。一方、そうでないにしても、セラミックが接触するすべての液
体状ないし気体状の周囲の状況に対して、たとえ高温であっても、その不浸透性
を保証し、摩耗、侵食、摩擦等に対する耐性といった特性を強化するものでなけ
ればならない。
【0024】 さらに、上記方法は、任意のタイプのセラミック、特に多孔度の高いセラミッ
クをコーティングすることができるものでなければならないし、さらに、任意の
特定のSiCセラミックに容易に適応することができるものでなければならない
【0025】 上記方法は、簡単で、信頼性が高く、再現性があり、高速で、実行が容易であ
り、工程の数が限定されたものでなければならない。
【0026】 本発明の目的は、したがって、上記のニーズに答え、少なくとも上記の要件お
よび基準を満たし、従来技術に見られる欠陥、欠点、限界を解消し、さらに、少
なくとも非常に耐火性があり、非常に付着性があり、非常に均質で、非常に被覆
性のある堆積物ないしコーティングを、セラミックとのより良好な結合特性を有
した状態でかつコーティング作製時ならびに実用的な条件下でひび割れを起こさ
ないようにして行うことができる、炭化ケイ素をベースとする材料からなる部品
または構成部材をコーティングするための方法を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的およびその他の目的は、本発明の炭化ケイ素部材のコーティング方法
により達成される。この場合、コーティング・コンパウンドは、上記部材の少な
くとも一つの面に塗布され、上記部材およびコーティング・コンパウンドからな
る組品は、炭化ケイ素部材の上記面が堆積物でコーティングされるように、コー
ティング・コンパウンドが溶融されるのに十分な温度(いわゆる、「コーティン
グ温度」)に加熱され、また、上記コーティング・コンパウンドは、原子百分率
で40〜97%のシリコン、およびクロム、レニウム、チタン、バナジウム、ル
テニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、コバルト、プラチナ、セリウム
およびジルコニウムの中から選択した原子百分率で60〜3%の他の元素からな
る非反応性の組成物とされ、さらに加熱の前にSiCおよび/またはCの補強剤
が添加される。
【0028】 本発明の方法は、上記ニーズを満たし、上記の一連の要件および基準を満足し
、従来技術の方法の欠点を持たない。それ故、非常に付着性があり、非常に耐火
性があるコーティングを形成することができる。
【0029】 本発明者らは、上記の基準を満足させるために、そして特に、非常に耐火性が
ある一方でコーティング・コンパウンドが堆積物(コーティング、被覆物)と部
材との間の強い結合を実現できるようにするためには、上記コーティングがSi
Cと反応しないこと、すなわち、上記コーティングがSiCと化学的に親和する
ものであることが必要であることを予想されないようなやり方で証明した。
【0030】 さらに、予想しなかったことだが、コーティング・コンパウンドがSiCと反
応しないためには、コーティングが上記原子百分率の特定の範囲内に含まれてい
なければならないことが判明した。
【0031】 本発明の方法に使用する特定の耐火性の非常に高いシリサイドは、通常、Si
Cの膨張係数より大きな膨張係数を持ち、その非反応性の組成物の範囲は、絶対
にアプリオリには予測できない。
【0032】 これらのシリサイドは単純なものである。というのも、これらシリサイドは、
二つの成分からなるシリサイドで、三つの成分からなるシリサイドに比べて複雑
ではないからである。
【0033】 本発明の方法にれば、非常に耐火性がありかつ空気中で1600℃かまたはそ
れ以上の高温に耐えることが可能な堆積物(コーティング、被覆物)の長所が得
られるようになる。というのも、コーティングが行われる温度は、同じような9
50〜1850℃であり、上記組成物の溶融温度(固相線)は、通常、900℃
から1820℃の範囲内で変動するからである。
【0034】 本発明によれば、使用するコーティング・コンパウンドは、SiCと反応しな
いように、概して、原子百分率で40%に等しいかまたはそれ以上のシリコン含
有量を有していなければならない。
【0035】 コーティング・コンパウンドの膨張係数を、炭化ケイ素の膨張係数に近いが、
それよりは大きくするために、好適には、シリコンの割合は原子百分率で97%
を超えないことが好ましい。
【0036】 その原子百分率が上記範囲内にあるコーティング・コンパウンドを作る方法は
、簡単に実行できる。何故なら、その組成物がサブミクロン・レベルで反応を起
こさず、SiC上での極めて満足できるぬれ性および付着特性を有しているから
である。コーティング・コンパウンドは、コストの安い成分しか含んでいないた
め、それ自身、安価なものである。
【0037】 本発明によるコーティング・コンパウンドは、反応を起こさない性質なので、
必要な場合には、コーティング・コンパウンドを溶融することができ、コーティ
ング作業をやり直すことができる。SiC上でコーティング・コンパウンドが反
応を起こさないので、例えば、修理のために、他の後続のコーティング作業を行
うことができる。
【0038】 特定の反応を起こさないコーティング・コンパウンドを提供する他に、本発明
の方法の第二の非常に重要な特徴は、コーティング・コンパウンドを加熱する前
に、SiCおよび/またはCの補強剤が添加されることである。
【0039】 何より留意すべきことは、従来技術は、コーティング・コンパウンドにさらに
組み合わされる上記補強剤の使用、まして、非反応性コーティング・コンパウン
ドにさらに組み合わされる上記補強剤の使用について開示もしていないし、示唆
もしていない点である。
【0040】 SiCおよび/またはC補強剤を添加することにより、補強剤およびコーティ
ング合金を含んだコーティングの係数を完全にSiC材料に適合させることがで
きる。それ故、本発明の方法を用いれば、全ての周知のSiC材料をコーティン
グすることができる。
【0041】 このように、本発明の方法を用いれば、例えば、SiCセラミックおよびSi
C複合材料をコーティングすることができる。本発明の方法で使用するコーティ
ング・コンパウンドは、通常、SiC材料に適合しない固有の膨張係数を持って
いるが、SiCおよび/またはCを正確に添加することにより、コーティングの
全体の膨張を、コーティングされるSiC材料のものに適合させることができる
【0042】 上記の補強剤によって、膨張を正確に合致させることで、コーティングを作製
している時点で熱機械的な残留応力によって発生する恐れがある全てのひび割れ
が抑制可能となるばかりでなく、増強されて著しく向上した特性を有するコーテ
ィングが形成可能となる。
【0043】 別の言い方をすれば、本発明の方法で使用する非反応性のコーティング・コン
パウンドは、一方で、SiC材料との優れた化学的親和性を保証し、SiC材料
を十分に濡らし、SiC材料によく付着する。他方、本発明に係るコーティング
内の全体的な組成物は、SiCとコーティング・コンパウンドとの間の膨張係数
の違いから冷却時に発生する残留応力を制限するために、金属−シリコン合金お
よびSiCおよび/またはC補強剤を含んでおり、その膨張係数がSiC材料の
膨張係数に近くなっている。これは、コーティングが厚くなればなるほど、ある
いは機械的負荷が大きくなればなるほど、ますます当てはまることである。何故
なら、本発明の方法は、コーティングを作り上げるときか、あるいはコーティン
グした部材を使用するときかのどちらかの時点で生じて、部品または構成部材の
寿命に悪影響を及ぼすであろうような、いかなるひび割れをも防止するからであ
る。
【0044】 換言すれば、堆積物がかなり十分に付着し、反応を起こさず、しかも組成物が
セラミックとの機械的な適合性を持っているので、堆積物/SiCの境界面が損
なわれない。このように、ここでもまた、組成物の膨張係数は、SiCの膨張係
数に近く、このため、冷却時に残留応力がごく僅かしか発生せず、セラミックと
整合のとれた均質な堆積物、被覆物が形成される。このように被覆を行なう目的
は、例えば、上述したような腐食および種々の酸化からセラミックを保護するこ
とであるが、同様に、多孔性のセラミックまたは複合材料の場合には、液体状ま
たは気体状の環境に対する多孔性本体の不浸透性を保証させることでもある。取
り扱い条件に応じて、上記コーティングは、SiCの表面に厳密に限定されるか
、電子顕微鏡で観察すれば分かるように、多かれ少なかれ有意の深さのところま
でセラミックの複数の内部空孔へと浸透している。コーティングによりセラミッ
クの表面の属性が変えられると、これにより、摩耗、摩擦、侵食等に対する耐性
の強化を促進することができる。
【0045】 上記の利点の他に、本発明で使用するコーティング・コンパウンドはシリサイ
ドであり、このシリサイドにおける増大したシリコン含有量によって、酸化に対
するその耐性が、シリコン表面層の形成によって増強されるという利点もある。
【0046】 本発明により使用されるコーティング・コンパウンドは、例えば、発煙硫酸、
硝酸による腐食および酸化に強いという利点もある。
【0047】 さらに、コーティング・コンパウンドは反応を起こさないので、炉の雰囲気の
品質はそれほど重要なものではなく、例えば、市販の等級のアルゴンを使用した
場合のように酸素の分圧がそれほど低くはないような雰囲気内でさえ、濡れ方な
いし広がり方が速く、さらには、コーティング操作が、真空下ないし中性ガスを
用いた簡単な保護の下だけでなく、水素のような還元ガスを使用することによっ
ても実現可能になる。
【0048】 以下に本発明の方法の他の長所について説明する。 − 反応が起こらないので、コーティング工程の継続時間が、例えば僅か5〜
15分といったように短い。さらに、コーティング工程の持続時間のパラメータ
としてのオーブンの熱慣性は、もはや重要なものではなくなり、必要であれば、
例えば、大型の部品をコーティングする場合に、温度の維持時間を簡単に延長し
たり、目的に合わせることができる。 − 非常に簡単なため、本発明の方法は、全体的コストが安い。実際、コーテ
ィング工程を、セラミックの表面上に合金組成物を加熱、溶融することにより1
回の工程で簡単に行うことができる。 − 組成物および補強剤の範囲の広さによって、コーティング対象の材料の腐
食および/または酸化からの保護、非浸透性、摩耗に対する耐性等のような要求
される特性に応じて簡単に適合させることが可能になる。
【0049】 本発明の方法で使用するための好適なコーティング・コンパウンドは、下記の
ものである。 − 原子百分率50〜97%のシリコン、原子百分率50〜3%のクロム(C
rSi2組成物を含む)。ここで、これらの組成物の場合、質量では34〜94
.5重量%のシリコン、および66〜5.5重量%のクロムに対応する。これら
組成物のコーティング温度は、通常、1400〜1550℃より高い。 − 原子百分率40〜97%のシリコン、原子百分率60〜3%のレニウム。
ここで、これらの組成物の場合、質量では9〜82.5重量%のシリコン、およ
び91〜17.5重量%のレニウムに対応する。 − 原子百分率60〜97%のシリコン、原子百分率40〜3%のチタン(T
iSi2組成物を含む)。ここで、これらの組成物の場合、質量では46〜95
重量%のシリコンおよび54〜5重量%のチタンに対応する。これら組成物のコ
ーティング温度は、通常、1400℃〜1600℃より高い。 − 原子百分率55〜97%のシリコン、原子百分率45〜3%のバナジウム
。ここで、これらの組成物の場合、質量では40〜95重量%のシリコンおよび
60〜5重量%のバナジウムに対応する。 − 原子百分率60〜97%のシリコン、原子百分率40〜3%のジルコニウ
ム(ZrSi2組成物を含む)。ここで、これらの組成物の場合、質量では31
〜95重量%のシリコンおよび69〜5重量%のジルコニウムに対応する。 − 原子百分率45〜97%のシリコン、原子百分率55〜3%のルテニウム
。ここで、これらの組成物の場合、質量では20〜90重量%のシリコンおよび
80〜10重量%のルテニウム対応する。 − 原子百分率48〜97%のシリコン、原子百分率52〜3%のイリジウム
。ここで、これらの組成物の場合、質量では12〜82.5重量%のシリコンお
よび88〜17.5重量%のイリジウムに対応する。 − 原子百分率50〜97%のシリコン、原子百分率50〜3%のロジウム。
ここで、これらの組成物の場合、質量では21.5〜90重量%のシリコン、お
よび78.5〜10重量%のロジウムに対応する。 − 原子百分率50〜97%のシリコン、原子百分率50〜3%のパラジウム
。ここで、これらの組成物の場合、質量では21〜89.5重量%のシリコンお
よび21〜10.5重量%のパラジウムに対応する。 − 原子百分率58〜97%のコバルト、原子百分率42〜3%のコバルト。
ここで、これらの組成物の場合、質量では40〜95重量%のシリコンおよび6
0〜5重量%のコバルトに対応する。 − 原子百分率50〜97%のシリコン、原子百分率50〜3%のプラチナ。
ここで、これらの組成物の場合、質量では12.5〜82重量%のシリコンおよ
び87.5〜18重量%のプラチナに対応する。 − 原子百分率53〜97%のシリコン、原子百分率47〜3%のセリウム。
これらの組成物の場合、質量では18〜90重量%のシリコンおよび82〜10
重量%のセリウムに対応する。
【0050】 通常、本発明の方法は、コーティング・コンパウンドの粉末を作り、この粉末
を有機結合剤内に懸濁させ、できた懸濁液をコーティングされる部材の表面に塗
布し、上記コーティング・コンパウンドを溶融するために加熱する前に、SiC
および/またはCの補強剤を添加することにより行なわれる。
【0051】 コーティング・コンパウンドは、コーティングされる部材の一つの面に塗布す
ることができるが、好適には、上記部材の全表面に塗布することが好ましい。
【0052】 すでに説明したように、SiCおよび/またはCを添加する目的は、つまりは
、堆積物の靭性を増加させることであり、さらに、コーティング・コンパウンド
の膨張係数をコーティング対象の炭化ケイ素の膨張係数に合わせることである。
これは、通常、コーティング・コンパウンドの膨張係数を低減することにより行
なわれる。SiCおよび/またはCの添加は、通常、上述のコーティング・コン
パウンド(すなわち、シリコン+金属組品)の重量に対して3〜60重量%のS
iCおよび/またはCの量で行われる。
【0053】 コーティング・コンパウンド内のシリコンの割合が小さければ小さいほど、金
属に関係する膨張係数の増大を補償するのに必要な補強剤の割合が大きくなるこ
とに気がつくだろう。それ故、様々なシリコンおよび金属合金に関する膨張係数
に応じて、補強剤の割合を増やしたり、減らしたりする必要がある。通常、補強
剤の最低量は3重量%である。
【0054】 SiCおよび/またはCを添加するのに、いくつかのやり方で行なうことがで
きる。すなわち、組成物を溶融するための加熱を行う前に、コーティング・コン
パウンドにSiCおよび/またはC補強剤を添加することにより、またはコーテ
ィングされる部分の表面上に補強剤を塗布することにより添加することができる
【0055】 補強剤の形状は、粉末、顆粒、種々の形の粒子およびチップ、織物、不織物、
フェルト、フォーム等の中から選択した何らかの適切な形をとることができる。
【0056】 ここで、より正確には、 − 幾らかのSiCおよび/またはCの粉末は、コーティング・コンパウンド
に直接添加することができる。 − SiCおよび/またはCの粉末は、有機結合剤内に懸濁され、このように
して得られた懸濁液によってコーティング対象の部材表面が被覆される。 − SiCおよび/またはCの粒子は、コーティング・コンパウンドに添加す
ることができる。 − 最後に、コーティングされる部分の表面上に、例えば、カーバイドまたは
シリサイドおよび/またはカーボンのフォーム、フェルト、不織布、例えば、織
物の形で補強剤を塗布することができる。
【0057】 補強剤の塗布は、コーティング対象の表面上にコーティング・コンパウンド(
シリコン+金属)を塗布する前に行われる。
【0058】 SiCおよび/またはC(粒子、織物等)を添加することにより、コーティン
グ(被覆物)内にSiCおよび/またはCの粒子、あるいはSiCおよび/また
はCの織物が入るので、コーティングの靭性が増大する。
【0059】 粒子と粉末とを区別するには、粉末の方が粒度がさらに小さいということが言
える。
【0060】 本発明は、また下記のものから選択した非反応性の耐火性コーティング・コン
パウンドに関する。 − 原子百分率50〜97%のシリコン、および原子百分率50〜3%のクロ
ムからなり、化合物CrSi2は含まないコーティング・コンパウンド; − 原子百分率40〜97%のシリコン、原子百分率60〜3%のレニウムか
らなるコーティング・コンパウンド; − 原子百分率60〜97%のシリコン、原子百分率40〜3%のチタンから
なり、化合物TiSi2は含まないコーティング・コンパウンド; − 原子百分率55〜97%のシリコン、原子百分率45〜3%のバナジウム
からなるコーティング・コンパウンド; − 原子百分率60〜97%のシリコン、原子百分率40〜3%のジルコニウ
ムからなり、化合物ZrSi2は含まないコーティング・コンパウンド; − 原子百分率45〜97%のシリコン、原子百分率55〜3%のルテニウム
からなるコーティング・コンパウンド; − 原子百分率48〜97%のシリコン、原子百分率52〜3%のイリジウム
からなるコーティング・コンパウンド; − 原子百分率50〜97%のシリコン、原子百分率50〜3%のロジウムか
らなるコーティング・コンパウンド; − 原子百分率50〜97%のシリコン、原子百分率50〜3%のパラジウム
からなるコーティング・コンパウンド; − 原子百分率58〜97%のシリコン、原子百分率42〜3%のコバルトか
らなるコーティング・コンパウンド; − 原子百分率50〜97%のシリコン、原子百分率50〜3%のプラチナか
らなるコーティング・コンパウンド; − 原子百分率53〜97%のシリコン、原子百分率47〜3%のセリウムか
らなるコーティング・コンパウンド;
【0061】 本発明は、また、上記の非反応性コーティング・コンパウンド、そしてさらに
、SiCおよび/またはCの補強剤からなり、炭化ケイ素材料からなる部材の非
反応性耐火コーティングを行なうためのコンパウンドにも関する。
【0062】 本発明は、さらに、耐火性コーティング、堆積物、または被覆物、および上記
方法により作成したコーティングを行った部材に関する。
【0063】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照しながら、以下の説明を読めば、本発明の他の特徴および利
点をよりよく理解することができる。上記説明は、例示としてのものであって、
本発明を制限するものではない。
【0064】 図1〜図10は、本発明の方法によりSiCセラミック上に形成されたいくつ
かの堆積物ないしコーティングを示す断面の顕微鏡写真である。
【0065】 また、これらの図は、堆積物−セラミック間の境界面、ならびに、確実に浸透
を防止するための、セラミックの含浸を示す。
【0066】 本発明の方法は、最初に、シリコンと、クロム、レニウム、チタン、バナジウ
ム、ジルコニウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、コバルト
、プラチナ、またはセリウムとを含むコーティング・コンパウンドを上述したよ
うな所望の比率で調合する工程を含む。
【0067】 通常、コーティング・コンパウンドは、例えば、シリコンを含むとともにクロ
ム、レニウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、イリジウム、
ロジウム、パラジウム、コバルト、プラチナまたはセリウムを含みかつ純粋な成
分を用いる金属間化合物を合成することにより調合することができる粉末状の化
合物である。
【0068】 このような金属間化合物の合成は、例えばチップの形をしているシリコンと、
フィラメントやチップ等の形をしているクロム、レニウム、チタン、バナジウム
、ジルコニウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、コバルト、
プラチナまたはセリウムを、例えば、アルミニウムの耐火性るつぼ内に導入して
、上記組成物の種々の成分を溶解するために、例えば1250〜1850℃に加
熱し、所望の均質な最終金属間化合物を得ることにより行なわれる。次に、この
ようにして得られた金属間化合物は、適した粒度を持つ粉末、すなわち、例えば
1〜250μmの直径を持つ粒子が得られるように、例えば乳鉢のような何らか
の適切な装置内で粉砕される。
【0069】 合成を行う代わりに、上記金属間化合物として、周知の粒度と純度を持つ金属
間化合物の粉末の形で供給される市販の化合物を使用することができる。市販の
粉末としては、下記のもの等がある。例えば、99.5%の純度と、10μmよ
り低い粒度を持つCERAC(登録商標)という商品名の化合物CrSi2の粉
末;99.9%の純度と、45μmより低い粒度を持つGOODFELLOW(
登録商標)という商品名の化合物TiSi2の粉末;99.5%の純度と、45
μmより低い粒度を持つCERAC(登録商標)という商品名の化合物VSi2
の粉末;99.9%の純度と、45μmより低い粒度を持つCERAC(登録商
標)という商品名の化合物ZrSi2の粉末;99.5%の純度と、10μmよ
り低い粒度を持つCERAC(登録商標)という商品名の化合物CeSi2の粉
末;および99.5%の純度と、40μmより低い粒度を持つGOODFELL
OW(登録商標)という商品名の化合物Re5Si3の粉末等がある。二つの金属
間化合物からなるこれらの粉末は、コーティング・コンパウンドとして使用する
ことができる。
【0070】 しかしながら、コーティング・コンパウンドのシリコンの含有量を調整するた
めに、上記金属間化合物の粉末の中の一つを、純粋なシリコン粉末と混合しなけ
ればならない場合がある。上記の純粋なシリコン粉末は、例えば1〜250μm
の直径を持つ粒子といった適した粒度を持つ粉末を得るために、例えば乳鉢とい
った何らかの適切な装置内で粉砕した純粋なシリコンの小片(チップ)を使用し
て用意することができる。
【0071】 この方法で調製する代わりに、上記の純粋なシリコン粉末として、既知の粒度
と純度を持つ市販の粉末を使用することができる。市販の粉末の中には、下記の
ものがある。例えば、99.5〜99.9%の純度と、10μmより低い粒度を
持つCERAC(登録商標)という商品名の純粋なシリコン粉末がある。
【0072】 上記粉末は、金属間化合物と、この場合コーティング・コンパウンドを形成し
ているSiとの混合物からなる。
【0073】 さらに、本発明の場合、溶融するためにコーティング・コンパウンドを加熱す
る前に、SiCおよび/またはCの補強剤が添加される。すでに説明したように
、SiCおよび/またはCの補強剤を上記のように添加するには、いくつかの方
法が可能である。
【0074】 例えば、コーティング・コンパウンドが高い膨張係数を有しているので、膨張
係数を低減するとともに堆積物の靭性ならびにコーティングされた部品の靭性を
調整するために、SiCおよび/またはCの粉末がコーティング・コンパウンド
に添加される。このことが当てはまるのは、特に、コーティング・コンパウンド
のシリコン含有量が十分に高くなく、コーティングされる部分のSiCの膨張係
数と堆積物の膨張係数とを同じにする場合である。添加されたSiCおよび/ま
たはCは、通常、コーティング・コンパウンドの3〜60重量%である。SiC
の粉末としては、例えば、98.5%の純度と10μmより低い粒度を持つST
ARCK(登録商標)という粉末のような市販の粉末を使用することができる。
【0075】 純粋なSiCおよび/またはCの粉末が最終的に添加されたコーティング・コ
ンパウンド(Siおよび金属)は、好ましくは比較的粘度が高く、例えば100
〜300℃で跡形無く分解する液体状の有機結合剤内に従来の方法で懸濁される
。例えば、液体有機結合剤としては、NICROBRAZ(登録商標)タイプの
セメントを使用することができる。
【0076】 例えば、ケトン、エステル、エーテル、アルコールまたはこれらの混合物等の
ような有機溶媒内で、コーティングされるべきSiC材料からなる部材の表面か
ら油分が除去される。好適な溶媒としては、アセトンまたは1/3,1/3,1
/3の割合のアセトン−エチルアルコール−エーテルの混合物がある。その後で
、上記部材の表面が乾かされる。本明細書においては、「表面」という用語は、
上記部材の全表面の一部だけを意味する場合もあるが、好適には、上記部材の全
表面を意味する。
【0077】 コーティング対象であるSiC材料からなる上記部材は、1個のチップであっ
てもよいし、あるいは、100個までのさらに多くのチップを一度にコーティン
グすることもできる。
【0078】 SiC材料の例としては、純粋で密な炭化ケイ素、または加圧しないで焼結し
た炭化ケイ素(PLS−SiCまたは非加圧焼結SiC);(5〜20%のSi
Cを含むSiSiCまたはRBSCと呼ばれる)シリコン処理した炭化ケイ素;
(RSiCと呼ばれる)再結晶した多孔性シリコン;グラファイトからなり、例
えば、厚さ0.1〜1mmの層でコーティングされたグラファイトシリコン(C
−SiC);および、例えば、フィラメントないし「ひげ」のSiC/SiC複
合材料;例えば、炭素のフィラメントないし「ひげ」のC/SiC化合物、およ
びSiCマトリックスのC/SiC化合物;SiCの単結晶;および、例えばS
iC/Si34複合材料ならびにSiC/TiNといったような、SiCの他の
セラミックとの複合材料等がある。本発明の方法を使用すれば、SiC組成物ま
たは焼結SiCを見事にコーティングすることができ、特に酸化および腐食に対
する保護の面で優れたコーティングを行うことができる。また、本発明による方
法は、例えば、0〜50%のような多孔度の高いSiC材料(例えば、複合材料
)に塗布した場合に、特に有利である。この場合、本発明により、すべての気体
状の環境または液体状の環境内で、気体や液体の不浸透性を保証することができ
る。
【0079】 本明細書においては、炭化ケイ素材料という用語は、通常、そのSiCの含有
量が80重量%より大きいか、または80重量%に等しいすべての材料を意味す
る。しかしながら、本発明を適用することができる上記説明中に例として挙げた
ある種の材料は、80%より少ない量の炭化ケイ素を含むことができる。
【0080】 SiCおよび/またはCの補強剤を添加するために、例えば、SiC材料から
なる部材の二つの表面は、上記の結合剤に似た有機結合剤内に懸濁させた上記タ
イプの純粋なSiCおよび/または純粋なCの粉末で被覆することができる。例
えば、NICROBRAZ(登録商標)タイプの溶媒を使用することができる。
【0081】 次に、コーティング対象の部材の表面は、コーティング組成物(Siおよび金
属)の懸濁液により被覆される。
【0082】 本発明を実施する他の方法においては、SiCおよび/またはC補強剤の添加
は、コーティング・コンパウンドにSiCおよび/またはCの粒子を添加するこ
とにより行われる。
【0083】 補強剤の添加は、被覆される部分の表面上に、上記SiCおよび/またはCの
補強剤を塗布することにより行うことができる。
【0084】 この場合、好適には、補強剤は、SiCおよび/またはCの織物、不織布、フ
ェルトまたはフォームの形をしていることが好ましい。
【0085】 このような布の例としては、HEXCEL(登録商標)という商品名の炭素織
物等がある。織物等の上記補強剤の厚さは、通常、100〜500μmであり、
その比質量(masse spe’cifique)は、ほぼ100〜700g/m2である。こ
の厚さおよび比質量は、上記のように、コーティング・コンパウンド(Siおよ
び金属)およびSiCおよび/またはC補強剤の間で質量の割合が考慮されるよ
うにして選択される。
【0086】 上記部材は、かくしてコーティングできる状態になっていて、真空状態または
中性ガスの雰囲気に置かれたオーブンの中に入れられる。
【0087】 通常、真空は二次真空である。すなわち、圧力が10-2から10-5Paにあり
、例えば圧力が10-4Paである。
【0088】 中性ガスは、アルゴンであることが好ましい。
【0089】 本発明によれば、酸素分圧が少なくない市販の等級のアルゴンさえ使用するこ
とができる。
【0090】 初期温度工程が最初から実行され、この工程により、全組品のガス抜きを行う
ことができ、「デボンディング(de’liantage)」と呼ばれる有機結合剤の蒸発
を行うことができる。その一方で、第2の温度工程により、コーティング自体を
行うことができる。
【0091】 第1の工程は、例えば、200〜300℃の温度で実行されるが、好適には、
上記温度は300℃であることが好ましく、実行時間は、例えば0.5〜1時間
である。
【0092】 第2の工程は、選択したコーティング・コンパウンドの溶融温度に対応する温
度で実行されるが、この温度は、好適には、化合物の液相線より少なくとも25
℃度高いことが好ましい。
【0093】 この液相線温度は、化合物に応じて900〜1820℃の間で変動する。それ
故、加熱温度(または、コーティング工程温度)は、例えば、950℃から18
50℃の範囲内で変動するが、この温度変動の範囲は、好適には、1200℃か
ら1850℃の範囲内であることが好ましい。
【0094】 コーティングは、単に、部材の表面上で、上記コーティング・コンパウンドを
溶かして広げたり、または流動させることにより行なわれる。
【0095】 上記のようなコンパウンドの溶融温度によって、本発明の他の利点を利用して
、1000℃の温度まで、さらには1600℃の温度まででさえ、コーティング
したチップを空気中で使用することが可能になる。
【0096】 コーティング工程の持続時間、すなわち、コーティングを行なう熱サイクルは
、本発明によれば概して短い。つまり、上記工程に要する時間は、例えば、10
分よりも短く、例えば大体5〜10分である。
【0097】 コーティングされた部材は、その後、例えば5℃/分の速さで周囲温度まで冷
却される。
【0098】 得られたコーティングないし堆積物は、通常、部材の表面上で1〜50μmの
厚さを有する。こういったコーティングないし被覆物は、表面を覆うだけではな
く、時として部材の開口性の空孔へも浸透する。
【0099】 炭化ケイ素が本発明に係る方法により作製された被覆物ないし堆積物を有する
コーティング部材は、そのまま使用することもできるが、もっと一般的には、も
っと重要な集合体の中に内蔵させることができ、1600℃に達することもある
使用温度を有するような、複雑な形の構造体、装置、構成部材を実現することが
できる。
【0100】 炭化ケイ素の下記に示す機械的特性、すなわち、 − 高い硬度 − 低い膨張係数 − 破壊に対する高い耐性 − 高い耐熱衝撃性 − そして、優れた伝導性 が、現在そして未来の高温における工業的用途にとって、SiCを重要な材料足
らしめることは事実として知られていることである。
【0101】 さらに、SiCは、フッ化水素酸(fluorhydric acid)を含めた種々の酸に対
して、非常に優れた化学的耐性を持ち、1300℃の高温における空気中での酸
化に対して非常に優れた耐性を持つ。
【0102】 このような特性の全てにより、SiCは、熱技術および化学技術に用いられる
セラミック熱交換器を実現するのに特に適した材料になっている。それ故、本発
明に係る方法を用いて得られたコーティング部材の用途の中、熱交換器、バーナ
、原子炉、ポンプ・フィッティング、中温雰囲気炉の抵抗といった例を挙げるこ
とができるだけでなく、自動車の燃焼室、航空産業用の複合材料、および160
0℃までの温度での腐食性環境内で使用するための任意あらゆる構造体といった
例も挙げることができる。
【0103】 同様に、SiCのかなり大きな剛性ならびにその低い密度は、宇宙分野におけ
る用途にも有利に使用することができる。
【0104】 それ故、SiCセラミック製品の用途、特に焼結された形態または複合材料の
形態における用途は、様々である。製造方法上の理由から、またセラミックを軽
量にするためにも、密度が小さく、かなり高い多孔度を有することができる製品
に頼ることが多い。これらの材料の不浸透性の問題は、本発明のコーティング方
法により解決される。さらに、SiCの優れた全ての品質にもかかわらず、あら
ゆる酸化環境ないしあらゆる腐食環境(気体、液体、酸、アルカリ、硫化物、フ
ッ化物、そして場合によっては何らかの高温等々)から、焼結SiCないしSi
C複合材料を保護するためには、本発明の方法により形成されるような被覆堆積
物を使用する必要がある。とりわけ、C/SiCのCは、非常に酸化され易く、
本発明は、これらの材料からなる部材を被覆するのに特に適している。
【0105】 最後に、自動車または航空機用のブレーキ・システムないし機械的部材といっ
た或る種の用途において、本発明によるコーティングを使用すれば、SiC部材
の摩耗、侵食、摩損、摩擦等に対する耐性がさらに改善される。
【0106】 以下、本発明を限定することなく図を用いて説明する。
【0107】 以下の例は、本発明を網羅するものではなく、補強剤、SiCを含む異なるセ
ラミック、及び異なる厚さを有する種々のコーティング・コンパウンドを通して
、本発明の方法を説明するだけのものである。ここで、似通った振る舞いを有す
る金属のグループは、Ru及びIr;Pd、Pt及びRh;Co、Ti、及びC
r;V及びZr;Re及びCeである。
【0108】 図1〜図10に示された顕微鏡写真により、堆積物(コーティング)ならびに
セラミックへの堆積物の含浸、それにより不浸透性が確立される様子を目で見る
ことができる。
【0109】 〔実施例1〕 本実施例は、90重量%のレニウムおよび10重量%のSiからなるコーティ
ング・コンパウンドに加えて、このコーティング・コンパウンドの3重量%に相
当するSiCの粉末の補強剤を用い、本発明の方法により、PLS α−SiC
(Pressureless Sintered α−SiC)(非加圧焼結α−SiC)、すなわち、
加圧しないα焼結炭化ケイ素からなる部材をコーティングすることに関するもの
である。
【0110】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.9%の純度および20μmより低い粒度を有し、商品名がGOODFE
LLOW(登録商標)とされた、10重量%のSi、及び90重量%のReの組
成物を有する市販の粉末に、3重量%の純粋なSiCの粉末を添加する。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングするSiCの
全表面に塗布する。
【0111】 b)コーティング 用意したSiC部材をオーブンに入れる。有機結合剤を除去するために、30
0℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実際のコーティング
を行う。 − 温度:1800℃ − 工程の実行時間:10分 − 雰囲気:大気圧のアルゴン 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0112】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
堆積物を示す(図1参照)。
【0113】 〔実施例2〕 本実施例は、VSi2からなるコーティング・コンパウンドに加えて、このコ
ーティング・コンパウンドの50重量%に相当するSiCの粉末の補強剤を用い
、本発明の方法により、PLS α−SiC(Pressureless Sintered α−Si
C)、すなわち、加圧しないα焼結炭化ケイ素からなる部材をコーティングする
ことに関するものである。
【0114】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.9%の純度および45μmより低い粒度を有し、商品名がGOODFE
LLOW(登録商標)とされた、VSi2の組成物を有する市販の粉末に、50
重量%の純粋なSiCの粉末を添加する。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。VSi2およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商標
)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングするSiCの全
表面に塗布する。
【0115】 b)コーティング 用意したSiC部材を二次真空状態のオーブンに入れる。有機結合剤を除去す
るために、300℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実際
のコーティングを行う。 − 温度:1700℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:大気圧のアルゴン
【0116】 c)堆積物の観察 オーブンから取りすと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高い
被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護するV
Si2およびSiCからなる堆積物、および不浸透性を保証するセラミックの含
浸を示す。(図2参照)。
【0117】 〔実施例3〕 本実施例は、29重量%クロムおよび71重量%のSiからなるコーティング
・コンパウンドに加えて、このコーティング・コンパウンドの5重量%に相当す
るSiCの粉末の補強剤を用い、本発明の方法により、PLS α−SiC(Pre
ssureless Sintered α−SiC)、すなわち、加圧しないα焼結炭化ケイ素か
らなる部材をコーティングすることに関するものである。
【0118】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.5%の純度および10μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(
登録商標)とされたCrSi2の化合物の市販の粉末と、99.5%の純度およ
び10μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(登録商標)とされた純粋
なシリコン粉末とを、次の質量割合、すなわち、60.4重量%のCrSi2
よび39.6重量%のSiの割合で混合する。この混合物は、29重量%のクロ
ムおよび71重量%のシリコンからなる全体的な組成物に相当するものである。
この組成物に、5重量%のSiCを添加する。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングするSiCの
表面に均等に塗布する。
【0119】 b)コーティング 用意したSiC部材をオーブンに入れる。有機結合剤を除去するために、30
0℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実際のコーティング
を行う。 − 温度:1360℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:10-5mbar 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0120】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
堆積物、および不浸透性を保証するセラミックの含浸を示す(図3参照)。
【0121】 〔実施例4〕 本実施例は、25重量%のチタンと75重量%のSiからなるコーティング・
コンパウンドに加えて、このコーティング・コンパウンドの5重量%に相当する
SiCの粉末の補強剤を用い、本発明の方法により、PLS α−SiC(Press
ureless Sintered α−SiC)、すなわち、加圧しないα焼結炭化ケイ素から
なる部材をコーティングすることに関するものである。
【0122】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.9%の純度および45μmより低い粒度を有し、商品名がGOODFE
LLOW(登録商標)とされた、TiSi2の化合物の市販の粉末と、99.9
9%の純度および10μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(登録商標
)とされた純粋なSi粉末とを、次の質量割合、すなわち、54.3重量%のT
iSi2と45.6重量%のSiの割合で混合する。この混合物は、25重量%
のTiおよび75重量%のSiからなる全体的な組成物に相当するものである。
この組成物に、5重量%のSiCを添加する。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングされるSiC
の全表面に塗布する。
【0123】 b)コーティング 用意したSiC部材を二次真空状態のオーブンに入れる。有機結合剤を除去す
るために、300℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実際
のコーティングを行う。 − 温度:1360℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:10-5mbar 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0124】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
堆積物、および不浸透性を保証するセラミックの含浸を示す(図4参照)。
【0125】 〔実施例5〕 本実施例は、50重量%のTiSi2からなるコーティング・コンパウンドに
加えて、このコーティング・コンパウンドの50重量%に相当するSiCの粉末
の補強剤を用い、本発明の方法により、PLS α−SiC(Pressureless Sint
ered α−SiC)、すなわち、加圧しないα焼結炭化ケイ素からなる部材をコ
ーティングすることに関するものである。
【0126】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.9%の純度および45μmより低い粒度を有し、商品名がGOODFE
LLOW(登録商標)とされた、TiSi2の化合物の市販の粉末と、SiCと
を、次の質量割合、すなわち、54重量%のTiSi2と50重量%のSiCの
割合で混合する。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングされるSiC
の全表面に塗布する。
【0127】 b)コーティング 用意したSiC部材を二次真空状態のオーブンに入れる。有機結合剤を除去す
るために、300℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実際
のコーティングを行う。 − 温度:1530℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:大気圧のアルゴン 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0128】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
SiCおよびTiSi2からなる堆積物、および不浸透性を保証するセラミック
の含浸を示す(図5参照)。
【0129】 〔実施例6〕 本実施例は、43重量%のセリウムおよび57重量%のシリコンからなるコー
ティング・コンパウンドに加えて、このコーティング・コンパウンドの5重量%
に相当するSiCの粉末の補強剤を用い、本発明の方法により、PLS α−S
iC(Pressureless Sintered α−SiC)、すなわち、加圧しないα焼結炭化
ケイ素からなる部材をコーティングすることに関するものである。
【0130】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.5%の純度および10μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(
登録商標)とされた、CeSi2の化合物の市販の粉末と、99.5%の純度お
よび10μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(登録商標)とされた、
純粋なシリコン粉末とを、次の質量割合、すなわち、59.3重量%のCeSi 2 と40.7重量%のSiの割合で混合する。この混合物は、45重量%のセリ
ウムおよび57重量%のSiからなる全体的な組成物に相当するものである。こ
の組成物に、3重量%のSiCを添加する。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングされる炭化ケ
イ素の全表面に塗布する。
【0131】 b)コーティング 用意したSiC部材をオーブンに入れる。有機結合剤を除去するために、30
0℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実際のコーティング
を行う。 − 温度:1300℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:10-4mbar 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0132】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
堆積物、および不浸透性を保証するセラミックの含浸を示す(図6参照)。
【0133】 〔実施例7〕 本実施例は、63重量%のロジウムおよび37重量%のシリコンからなるコー
ティング・コンパウンドに加えて、このコーティング・コンパウンドの3重量%
に相当するSiCの粉末の補強剤を用い、本発明により、PLS α−SiC(P
ressureless Sintered α−SiC)、すなわち、加圧しないα焼結炭化ケイ素
からなる部材をコーティングすることに関するものである。
【0134】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.9%の純度および20μmより低い粒度を有し、商品名がGOODFE
LLOW(登録商標)とされた、63重量%のRh−37重量%のSiの組成物
の市販の粉末に、3重量%のSiCの粉末を添加する。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングされる炭化ケ
イ素の全表面に塗布する。
【0135】 b)コーティング 用意したSiC部材をオーブンに入れる。有機結合剤を除去するために、30
0℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実際のコーティング
を行う。 − 温度:1200℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:10-4mbar 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0136】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
堆積物、および不浸透性を保証するセラミックの含浸を示す(図7参照)。
【0137】 〔実施例8〕 本実施例は、26.5重量%のジルコニウムおよび73.5重量%のシリコン
からなるコーティング・コンパウンドに加えて、このコーティング・コンパウン
ドの3重量%に相当するSiCの粉末の補強剤を用い、本発明により、PLS
α−SiC(Pressureless Sintered α−SiC)、すなわち、加圧しないα焼
結炭化ケイ素からなる部材をコーティングすることに関するものである。
【0138】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.5%の純度および45μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(
登録商標)とされた、ZrSi2の化合物の市販の粉末と、99.5%の純度お
よび10μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(登録商標)とされた、
純粋なシリコン粉末とを、次の質量割合、すなわち、43重量%のZrSi2
57重量%のSiの割合で混合する。この混合物は、26.5重量%のジルコニ
ウムおよび73.5重量%のSiからなる全体的な組成物に相当するものである
。この組成物に、3重量%のSiCの粉末が添加されている。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングされるSiC
の全表面に塗布する。
【0139】 b)コーティング コーティング用に用意したSiC部材をオーブンに入れる。有機結合剤を除去
するために、300℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実
際のコーティングを行う。 − 温度:1400℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:10-5mbar 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0140】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
堆積物、および不浸透性を保証するセラミックの含浸を示す(図8参照)。
【0141】 〔実施例9〕 本実施例は、26.5重量%のジルコニウムおよび73.5重量%のSiから
なるコーティング・コンパウンドに加えて、このコーティング・コンパウンドの
3重量%に相当するSiCの粉末の補強剤を用い、本発明の方法により、C/S
iC複合材料をコーティングすることに関するものである。
【0142】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.5%の純度および45μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(
登録商標)とされた、ZrSi2の化合物の市販の粉末と、99.5%の純度お
よび10μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(登録商標)とされた、
純粋なSi粉末とを、次の質量割合、すなわち、43重量%のZrSi2と57
重量%のSiの割合で混合する。この混合物は、26.5重量%のジルコニウム
および73.5重量%のSiからなる全体的な組成物に相当するものである。こ
の組成物に、3重量%のSiCの粉末が添加されている。 コーティングするSiCの表面を有機溶媒内で脱脂処理し、続いて乾燥させる
。合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングされるSiC
の全表面に塗布する。
【0143】 b)コーティング コーティング用に用意したC/SiC複合材料をオーブンに入れる。有機結合
剤を除去するために、300℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条
件下で実際のコーティングを行う。 − 温度:1400℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:10-5mbar 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0144】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
堆積物、および不浸透性を保証するセラミックの含浸を示す(図9参照)
【0145】 〔実施例10〕 本実施例は、26.5重量%のジルコニウムおよび72.5重量%のシリコン
からなるコーティング・コンパウンドに加えて、このコーティング・コンパウン
ドの3重量%に相当するSiCの粉末の補強剤を用い、本発明の方法により、多
孔度の高い焼結SiC部材をコーティングすることに関するものである。
【0146】 a)コーティング・コンパウンドの調合およびコーティングされる部材 99.5%の純度および45μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(
登録商標)とされた、ZrSi2の化合物の市販の粉末と、99.5%の純度お
よび10μmより低い粒度を有し、商品名がCERAC(登録商標)とされた、
純粋なSi粉末とを、次の質量割合、すなわち、43重量%のZrSi2と57
重量%のSiの割合で混合する。この混合物は、26.5重量%のジルコニウム
および73.5重量%のSiからなる全体的な組成物に相当するものである。こ
の組成物に、3重量%のSiCの粉末を添加する。コーティングする多孔性のS
iC部材を有機溶媒内に浸した後、乾燥させる。 このセラミックの多孔度が非常に高い、すなわち、約40%であることに注目
する。 合金化合物およびSiCの粉末からなる組品を、NICROBRAZ(登録商
標)タイプのセメントである有機結合剤内で混合し、コーティングされるSiC
の全表面に塗布する。
【0147】 b)コーティング コーティング用に用意したSiC部材をオーブンに入れる。有機結合剤を除去
するために、300℃で1時間、第1の工程を実行し、次に、以下の条件下で実
際のコーティングを行う。 − 温度:1400℃ − 工程の実行時間:5分 − 雰囲気:10-5mbar 次に、得られたコーティング部材を5℃/分の速度で周囲温度まで冷却する。
【0148】 c)堆積物の観察 オーブンから取り出すと、溶融した化合物は、セラミック上に厚く、密度が高
い被覆堆積物を形成する。断面で撮られた顕微鏡写真は、セラミックを保護する
堆積物、および不浸透性を保証するセラミックの含浸を示す(図10参照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図2】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図3】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図4】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図5】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図6】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図7】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図8】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図9】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物ない
しコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。
【図10】 本発明の方法によりSiCセラミック上に形成された堆積物な
いしコーティングの断面の顕微鏡写真を示す図である。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素材料からなる部材をコーティングするための方法
    において、 前記部材の少なくとも一つの面にコーティング・コンパウンドを塗布し、この
    前記部材と前記コーティング・コンパウンドからなる組品を、前記コーティング
    ・コンパウンドの表面を溶融するのに十分な温度に加熱し、これにより、前記部
    材を炭化ケイ素材料の堆積物でコーティングするようにし、 前記コーティング・コンパウンドを、原子百分率40〜97%のシリコンと、
    クロム、レニウム、チタン、バナジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、
    パラジウム、コバルト、プラチナ、セリウムおよびジルコニウムの中から選択し
    た原子百分率60〜3%の他の元素と、を含む非反応性の組成物とし、 加熱を行う前にSiCおよび/またはCの補強剤を添加することを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、 950〜1850℃の温度でコーティングを行うことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法において、 原子百分率50〜97%のシリコンおよび原子百分率50〜3%のクロムから
    前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の方法において、 原子百分率40〜97%のシリコンおよび原子百分率60〜3%のレニウムか
    ら前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の方法において、 原子百分率60〜97%のシリコンおよび原子百分率40〜3%のチタンから
    前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の方法において、 原子百分率55〜97%のシリコンおよび原子百分率45〜3%のバナジウム
    から前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の方法において、 原子百分率60〜97%のシリコンおよび原子百分率40〜3%のジルコニウ
    ムから前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の方法において、 原子百分率45〜97%のシリコンおよび原子百分率55〜3%のルテニウム
    から前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の方法において、 原子百分率48〜97%のシリコンおよび原子百分率52〜3%のイリジウム
    から前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の方法において、 原子百分率50〜97%のシリコンおよび原子百分率50〜3%のロジウムか
    ら前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 請求項2記載の方法において、 原子百分率50〜97%のシリコンおよび原子百分率50〜3%のパラジウム
    から前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項2記載の方法において、 原子百分率58〜97%のシリコンおよび原子百分率42〜3%のコバルトか
    ら前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項2記載の方法において、 原子百分率50〜97%のシリコンおよび原子百分率50〜3%のプラチナか
    ら前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 請求項2記載の方法において、 原子百分率53〜97%のシリコンおよび原子百分率47〜3%のセリウムか
    ら前記コーティング・コンパウンドを構成することを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項14の何れか1項記載の方法において
    、 前記コーティング・コンパウンドから粉末を作り、有機結合剤内に前記粉末を
    懸濁させ、こうして得られた懸濁液を、コーティングされる部分の表面に塗布し
    、加熱前にSiCおよび/またはCの補強剤を添加することを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項15の何れか1項記載の方法において
    、 SiCおよび/またはCの重さにして、前記コーティング・コンパウンドの重
    量に対して3〜60重量%の量で、SiCおよび/またはC補強剤を添加するこ
    とを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項16の何れか1項記載の方法において
    、 加熱を行う前に前記コーティング・コンパウンドに前記SiCおよび/または
    C補強剤を加えるか、またはコーティングされる部分の表面に前記補強剤を塗布
    することにより、前記SiCおよび/またはC補強剤を添加することを特徴とす
    る方法。
  18. 【請求項18】 請求項1から請求項17の何れか1項記載の方法において
    、 前記SiCおよび/またはC補強剤を、粉末、顆粒、チップ、粒子、織物、不
    織物、フェルトおよびフォームの中から選択した形にすることを特徴とする方法
  19. 【請求項19】 請求項16から請求項18の何れか1項記載の方法におい
    て、 前記SiCおよび/またはCの粉末を前記コーティング・コンパウンドと直接
    混ぜることにより、SiCおよび/またはC補強剤を添加することを特徴とする
    方法。
  20. 【請求項20】 請求項16から請求項18の何れか1項記載の方法におい
    て、 有機結合剤内に前記SiCおよび/またはCを懸濁させ、こうして得られた懸
    濁液で、コーティングされる部分の表面を被覆することにより、SiCおよび/
    またはC補強剤を添加することを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 請求項16から請求項18の何れか1項記載の方法におい
    て、 SiCおよび/またはCの粒子を前記コーティング・コンパウンドに添加する
    ことにより、SiCおよび/またはC補強剤を添加することを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 請求項16から請求項18の何れか1項記載の方法におい
    て、 SiCおよび/またはCの織物、不織布、フェルトまたはフォームを、コーテ
    ィングする部分の表面に塗布することにより、SiCおよび/またはC補強剤を
    添加することを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 請求項1から請求項22の何れか1項記載の方法において
    、 加圧しないで焼結した炭化ケイ素(「PLS−SiC」)、シリコン処理した
    炭化ケイ素(「SiSiC」または「RBSC」)、多孔性の再結晶炭化ケイ素
    (「RSiC」)、グラファイトからなり、SiCの層でコーティングされたグ
    ラファイトシリコン(「C−SiC」)、例えば「ひげ」ないし炭素フィラメン
    トを有するSiC/SiC複合材料、例えば、SiCマトリックスとともに「ひ
    げ」ないし炭素フィラメントを有するC/SiC複合材料、単結晶SiC、例え
    ば、SiC/Si34およびSiC/TiN複合材料のような他のセラミックを
    有するSiCの複合材料の中から、前記炭化ケイ素材料を選択することを特徴と
    する方法。
  24. 【請求項24】 請求項1から請求項23の何れか1項記載の方法において
    、 前記炭化ケイ素材料は、80重量%より大きいかまたは等しい炭化ケイ素を含
    んでいることを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 請求項1から請求項24の何れか1項記載の方法において
    、 前記炭化ケイ素材料は、0〜50%の多孔度を有していることを特徴とするプ
    ロセス。
  26. 【請求項26】 原子百分率50〜97%のシリコンと原子百分率50〜3
    %のクロムからなり、化合物CrSi2を含まないコーティング・コンパウンド
    ; 原子百分率40〜97%のシリコンと原子百分率60〜3%のレニウムからなる
    コーティング・コンパウンド; 原子百分率60〜97%のシリコンと原子百分率40〜3%のチタンからなり、
    化合物TiSi2を含まないコーティング・コンパウンド; 原子百分率55〜97%のシリコンと原子百分率45〜3%のバナジウムからな
    るコーティング・コンパウンド; 原子百分率60〜97%のシリコンと原子百分率40〜3%のジルコニウムから
    なり、化合物ZrSi2を含まないコーティング・コンパウンド; 原子百分率45〜97%のシリコンと原子百分率55〜3%のルテニウムからな
    るコーティング・コンパウンド; 原子百分率48〜97%のシリコンと原子百分率52〜3%のイリジウムからな
    るコーティング・コンパウンド; 原子百分率50〜97%のシリコンと原子百分率50〜3%のロジウムからなる
    コーティング・コンパウンド; 原子百分率50〜97%のシリコンと原子百分率50〜3%のパラジウムからな
    るコーティング・コンパウンド; 原子百分率58〜97%のシリコンと原子百分率42〜3%のコバルトからなる
    コーティング・コンパウンド; 原子百分率50〜97%のシリコンと原子百分率50〜3%のプラチナからなる
    コーティング・コンパウンド; 原子百分率53〜97%のシリコンと原子百分率47〜3%のセリウムからなる
    コーティング・コンパウンド; から選択される非反応性の耐火性の組成物。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の非反応性コーティング・コンパウンドを
    含み、付加的なSiCおよび/またはCの補強剤をさらに含む、炭化ケイ素材料
    からなる部材に非反応性で耐火性のコーティングを行うためのコンパウンド。
  28. 【請求項28】 請求項1から請求項25の何れか1項記載の方法により得
    ることができる耐火性のコーティング、堆積物、または被覆物。
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