JP2003526869A - 記憶媒体のためのクロッキング方法および装置 - Google Patents

記憶媒体のためのクロッキング方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 回転する記憶媒体のためのクロッキング方法および装置であって、サーボパターン信号のパターン周波数および記憶媒体の回転数が導出される元の単一の基準周波数を使用する。サーボトラック書き込みプロセス中に、クロックトラックが、クロック周波数を有するクロック信号を得るために記憶媒体から読み出され、サーボパターン信号の位相がクロック信号に対してデジタル的に調整されて、サーボパターン信号がクロック信号と同位相になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、記憶媒体上にサーボトラックを書き込むための方法および装置に関
する。
【0002】 データ処理システムなどのシステムのための情報は通常、記憶媒体に格納され
る。特定の用途に関して、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの記憶ディスクに
使用される。あるタイプの磁気ディスク構成はいわゆる「ヘッドディスクアセン
ブリ」であり、通常はデータ処理システム内に永続的に保持されるように意図さ
れるものである。ヘッドディスクアセンブリは磁気ディスク媒体自体および関連
付けられた読み取りおよび書き込みヘッドを含み、これはデータをディスクに書
き込み、かつデータをディスクから読み取るものである。他の1つのタイプの磁
気ディスクは、「取外し可能媒体」として知られるタイプのものであり、通常は
保護用プラスティックケースに入った磁気ディスク媒体からなり、これを使用し
てデータをデータ処理システムの間で、ディスク自体をあるマシンから別のマシ
ンへ物理的に転送することによって転送することができる。
【0003】 ハードディスクドライブなどの記憶媒体を製造するための公知の方法では、ハ
ードディスクアセンブリがヘッド、ディスク、モータおよびアーム電子部品から
なり、これはサーボライタとして知られるマスタリングステーションに取り付け
られる。サーボライタは、磁気情報のパターン(「サーボトラックパターン」)
をディスク上に書き込む。サーボトラックパターンはマスタ基準となり、これを
ディスクドライブが通常のオペレーション中に、データ格納および検索のために
トラックおよびセクタをディスク上に位置決めするために使用する。
【0004】 サーボトラックをディスクの製造中にディスク上の正しい位置に書き込むこと
ができるようにするため、一般に使用されているあるプロセスでは、(通常は一
時的な)クロックトラックがディスク上に書き込まれて、サーボパターンの書き
込み中のタイミング基準としての機能を果たす。従来、分離したクロックヘッド
を使用して、クロックトラックをディスク上に書き込み、かつクロックトラック
をディスクから読み取り、サーボトラックを互いに関して位相合せできるように
する。しかし、専用のクロックトラック書き込みヘッドの使用により、製造プロ
セスに追加で費用がかかり、さらにサーボトラックをクリーンルームで書き込む
ことが必要となる。これは、クロックトラック書き込みヘッドを、開いている(
封止されていない)ハードディスクアセンブリに挿入しなければならないからで
ある。さらに実際には、クロックヘッドを毎日取り替えなければならず、これは
使用中に生じるダメージのためである。
【0005】 US−A−5485322号は、クロックトラックを記憶媒体上に、ハードデ
ィスクドライブの内部記録ヘッドを使用して書き込むための方法およびシステム
を開示している。タイミングパターンが記憶媒体上に、内部記録ヘッドにより生
成され、内部記録ヘッドを半径方向に位置決めする際に使用される半径方向位置
決め値が決定される。サーボパターンが、生成されたタイミングパターンおよび
半径方向位置決め値によって決定された位置に書き込まれる。実際には、この従
来技術のシステムでは、クロックパターンが反復的な方法でディスク全体に書き
込まれる。しかし、この方法により、位相および周波数の差がディスク上の各ト
ラックの間のクロックパターンに導入される可能性があるという問題がある。デ
ィスクはしばしば数千ものクロックトラックをディスク全体で必要とするので、
クロックトラックにある極めて微小な位相および周波数の誤差でさえも、漸増的
にとても大きくなる可能性がある。
【0006】 US−A−5448429号は、ディスク全体にクロックトラックを書き込む
ためのシステムの他の1つの実施例を開示しており、ここでは書き込まれたクロ
ック信号が読み出されて、クロック信号を後続のトラックに書き込むための基準
が提供される。
【0007】 US−A−5668679号は、ディスクドライブをセルフサーボライトする
方法の他の1つの実施例を開示しており、ここではクロックトラックが書き込ま
れ、その後にディスク全体にスパイラルトラックが続く。クロックトラックおよ
びスパイラルトラックはミッシングパルスまたはビットを有しており、これを使
用して、サーボ情報が書き込まれるときにディスクドライブのアームを位置決め
する。
【0008】 我々のWO−A−98/31015号では、その開示全体が言及により本明細
書に組み込まれ、クロックデータをディスクなどの記憶媒体に書き込むための方
法および装置が開示されている。記憶媒体は、その上にデータを格納することが
できるトラックを有する。クロックデータが記憶媒体上の現行トラックに書き込
まれる。書き込まれたクロックデータがそのトラックから読み出される。記憶媒
体上の後続のトラック用のクロックデータが、前記現行トラックから読み出され
たクロックデータから生成される。後続のトラック用に生成されたクロックデー
タの位相が基準タイミング信号と比較され、後続のトラック用に生成されたクロ
ックデータの位相が前記比較に従って調整される。次いで、後続のトラック用の
位相調整されたクロックデータが、前記後続のトラックに書き込まれる。この方
法および装置では、再度専用のクロック読み取り/書き込みヘッドを設ける必要
がない。このタイプの他の提案のように、サーボ情報がディスクに、クロックト
ラックデータを使用して書き込まれて、サーボ情報が非常に正確に位置決めされ
る。時間を節約するため、トラックにおけるサーボ情報が交互にそのトラックに
おけるクロックデータと共に書き込まれ、すなわち、いずれかのトラックにおい
て、クロックデータの一部が書き込まれ、このクロックデータが先のトラックに
おけるクロックデータと位相合せされ、次いで、サーボデータのバーストが書き
込まれ、再度適切に先のトラックと位相合せされ、その後に、クロックデータの
次の部分が続くようにすることが好ましい。
【0009】 しかし、アナログ位相ロックループをサーボトラックライタで使用することに
関連していくつかの問題がある。たとえば、アナログ位相ロックループは極度に
ノイズに敏感であり、周波数および位相固定の品質を厳密に決定することが困難
である。ディスク上でクロックトラックが書き込まれるところに欠陥があった場
合、アナログ位相ロックループは妨害に対して好ましくない反応をする。クロッ
クヘッドを通じて検出されたアナログ信号がノイズによって妨害された場合、再
度、好ましくない反応が位相ロックループ回路に存在する。従来のアナログ位相
ロックループは時としてサーボトラックライタにおいて使用され、これはサーボ
トラックを、それらが位相固定されていないが最後に検出された周波数および位
相で固定されたまま残るモードにおいて実際に書き込む間であるが、これは必然
的にループがこの最後の周波数および位相で固定されることを意味する。アナロ
グ位相ロックループはまた、このホールドモードにおいてドリフトおよび他の不
正確性をもたらす傾向がある。また、アナログ位相ロックループ回路は誤差を位
相にのみ誘導するのではなく、この固定モードで使用されるときには周波数にも
誘導し、これは最後に検出された周波数が原則として未知だからである。これは
、アナログ位相ロックループを、1つのクロックトラックが先のクロックトラッ
クから生成されるシステムにおいて使用することが困難であることを意味する。
最後に、アナログ位相ロックループを異なる動作周波数に同調させる必要があり
、これはこのようなデバイスの安定性および制御の問題による。
【0010】 従来技術のさらなる問題は、サーボトラックの2つの状態、周波数および位相
の間の結合のみが書き込まれ、位相合せが達成されるクロックトラックの周波数
および位相が、アナログ位相ロックループによるものであるが、位相および周波
数はアナログ位相ロックループにおいて解決不能にリンクされることである。こ
れにより、位相合せおよび周波数コヒーレンスを、特に高周波において達成する
ことが困難となる。
【0011】 本発明の第1の態様によれば、サーボトラックを、少なくとも1つのクロック
トラックをその上に有する記憶媒体に書き込む方法が提供され、このクロックト
ラックは記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用さ
れ、この方法は、記憶媒体を、基準周波数から得られる回転数で回転させるステ
ップと、パターン周波数を有するサーボパターン信号を前記基準周波数から得る
ステップと、クロックトラックを前記記憶媒体から読み取り、クロック周波数を
有するクロック信号を得るステップと、サーボパターン信号の位相をクロック信
号に対して調整し、サーボパターン信号がクロック信号と同位相になるようにす
るステップと、サーボトラックをサーボパターン信号に従って記憶媒体に書き込
むステップとを含む。
【0012】 モータ周波数およびパターン周波数は同じ基準周波数から得られる。これによ
り、記憶媒体上のクロックトラックとサーボトラックの間の周波数コヒーレンス
の達成が、特に高周波において大幅に容易になる。好ましい実施形態では、パタ
ーン周波数は基準周波数に非常に近く、あるいはそれに等しい境界を有する。モ
ータ周波数は基準周波数を可能な限り正確に、通常は1パーセントの何分の1の
範囲内で追跡する。周波数コヒーレンスおよび位相コヒーレンスの維持は、本発
明のこの態様では分離される。好ましい実施形態では、位相コヒーレンスが位相
ロックループおよび基準周波数によって維持され、周波数コヒーレンスがモータ
速度によって維持される。基準周波数は水晶発振器から得られることが好ましい
【0013】 サーボパターン信号の位相はクロック信号に対してデジタル的に調整され、サ
ーボパターン信号がクロック信号と同位相になるようにすることが好ましい。デ
ジタル調整の使用により、従来技術で経験されたアナログ位相ロックループの特
定の使用に関連した問題のすべてが克服される。2つの特定の利点は、パターン
周波数が明確であること、および基準周波数に相対的なサーボパターン信号の絶
対位相が明確であることである。
【0014】 この方法は、パターン周波数を複数の離散値のうちの1つとの間で切り換え、
それによりサーボパターン信号の位相をクロック信号に対して調整するステップ
を含んでもよい。したがって、パターンの周波数は十分に境界を有することがで
き、所期のものに非常に近くすることができ、クロックコピースキームでは、書
き込まれるトラックの周波数は先のトラックによって決定されず、したがって先
のトラックに依拠しない。
【0015】 デジタル位相ロックループは、サーボパターン信号の位相をクロック信号に対
して調整するために使用されることが好ましい。デジタル位相ロックループはデ
ュアルモジュラスプリスカラーを含むことができ、この方法は、デュアルモジュ
ラスプリスカラーを演算して、サーボパターン信号の位相をクロック信号に対し
て調整するステップを含むことができる。
【0016】 サーボパターン信号は別法として、その出力が位相において互いに相対的に分
離あるいはシフトされる2つの増幅器に基準信号を渡すステップ、および前記出
力を加算するステップによって得ることができ、この方法は、前記サーボパター
ン信号の位相を、少なくとも1つの増幅器のゲインを調整することによって調整
するステップを含むことができる。以下でさらに論ずるように、一実施例では、
これにより、極度に小さい位相調整ステップを達成することができ、非常に高い
周波数でのこの方法の動作が可能となる。
【0017】 本発明の第2の態様によれば、サーボトラックを、少なくとも1つのクロック
トラックをその上に有する記憶媒体に書き込む方法が提供され、このクロックト
ラックは記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用さ
れ、この方法は、パターン周波数を有するサーボパターン信号を生成するステッ
プと、クロックトラックを前記記憶媒体から読み取り、クロック周波数を有する
クロック信号を得るステップと、サーボパターン信号の位相をクロック信号に対
してデジタル的に調整し、サーボパターン信号がクロック信号と同位相になるよ
うにするステップと、サーボトラックをサーボパターン信号に従って記憶媒体に
書き込むステップとを含む。
【0018】 上述のように、デジタル調整の使用により、従来技術で経験されたアナログ位
相ロックループの特定の使用に関連した問題のすべてが克服される。周波数コヒ
ーレンスおよび位相コヒーレンスの維持は、本発明のこの実施態様では分離され
る。好ましい実施形態では、位相コヒーレンスが位相ロックループおよび基準周
波数によって維持され、周波数コヒーレンスがモータ速度によって維持される。
【0019】 この方法は、パターン周波数を複数の離散値のうちの1つとの間で切り換え、
それによりサーボパターン信号の位相をクロック信号に対して調整するステップ
を含むことができる。
【0020】 デジタル位相ロックループは、サーボパターン信号の位相をクロック信号に対
して調整するために使用することができる。デジタル位相ロックループはデュア
ルモジュラスプリスカラーを含むことができ、この方法は、デュアルモジュラス
プリスカラーを演算して、サーボパターン信号の位相をクロック信号に対して調
整するステップを含むことができる。
【0021】 サーボパターン信号は、その出力が位相において互いに相対的に分離あるいは
シフトされる2つの増幅器に基準信号を渡すステップ、および前記位相分離され
た出力を加算するステップによって得ることができ、この方法は、前記サーボパ
ターン信号の位相を、少なくとも1つの増幅器のゲインを調整することによって
調整するステップを含むことができる。
【0022】 本発明の第3の態様によれば、サーボトラックを、少なくとも1つのクロック
トラックをその上に有する記憶媒体に書き込む方法が提供され、このクロックト
ラックは記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用さ
れ、この方法は、パターン周波数を有するサーボパターン信号を基準信号から生
成するステップを含み、これは基準信号を、その出力が位相において互いに相対
的に分離あるいはシフトされる2つの増幅器に渡し、かつ前記出力を加算するこ
とによって行い、加算された出力はサーボパターン信号を生成するために使用さ
れ、さらに、クロックトラックを前記記憶媒体から読み取り、クロック周波数を
有するクロック信号を得るステップと、サーボパターン信号の位相をクロック信
号に対して調整し、サーボパターン信号がクロック信号と同位相になるようにす
るステップとを含み、これは少なくとも1つの増幅器のゲインを調整することに
よって行い、さらに、サーボトラックをサーボパターン信号に従って記憶媒体に
書き込むステップを含む。
【0023】 上述し、そして、以下により詳細に論ずるように、これにより、極度に小さい
位相調整ステップを達成することができ、非常に高い周波数でのこの方法の動作
が可能となる。
【0024】 増幅器のゲインはデジタル的に制御可能であることが好ましい。
【0025】 増幅器の出力が互いに相対的に分離あるいはシフトされるところの位相は90
°であることが好ましい。
【0026】 本発明の第4の態様によれば、サーボトラックを、少なくとも1つのクロック
トラックをその上に有する記憶媒体に書き込むための装置が提供され、このクロ
ックトラックは記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために
使用され、この装置は、基準周波数を有する基準信号のソースと、記憶媒体の回
転を、基準周波数から得られる回転数で引き起こすように構成された駆動回路と
、基準周波数を受信し、かつ基準周波数から得られたパターン周波数を有するサ
ーボパターン信号を、サーボトラックを前記記憶媒体上に書き込むことにおいて
使用するために出力するように構成されたサーボパターン信号ジェネレータと、
サーボパターン信号の位相を、前記記憶媒体上でクロックトラックから得られた
クロック信号と同位相になるように調整するための位相調整器とを含む。
【0027】 前記位相調整器はデジタル位相調整器であることが好ましい。デジタル位相調
整器は、パターン周波数を複数の離散値のうちの1つとの間で切り換えることに
よって、サーボパターン信号の位相をクロック信号に対して調整するように構成
することができる。
【0028】 前記位相調整器をデジタル位相ロックループにすることができる。デジタル位
相ロックループは、デュアルモジュラスプリスカラーを含むことができる。前記
デュアルモジュラスプリスカラーはまた、サーボパターン信号ジェネレータの一
部を形成することもできる。
【0029】 別法として、位相調整器は、2つの増幅器、増幅器の出力を位相において互い
に相対的に分離あるいはシフトするための位相セパレータまたは移相器、前記位
相分離された出力を加算するための加算器、および少なくとも1つの増幅器のゲ
インを調整し、それにより前記サーボパターン信号の位相を調整するためのゲイ
ンコントローラを含むことができる。
【0030】 第1の周波数コンバータはデュアルモジュラスプリスカラーを含むことができ
る。
【0031】 本発明の第5の態様によれば、サーボトラックを、少なくとも1つのクロック
トラックをその上に有する記憶媒体に書き込むための装置が提供され、このクロ
ックトラックは記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために
使用され、この装置は、パターン周波数を有するサーボパターン信号を生成する
ためのサーボパターン信号ジェネレータと、クロックトラックを記憶媒体から読
み取り、クロック周波数を有するクロック信号を得るためのクロックトラックリ
ーダと、前記サーボパターン信号の位相を前記クロック信号に対してデジタル的
に調整し、前記サーボパターン信号が前記クロック信号と同位相になるようにす
るためのデジタル位相調整器とを含む。
【0032】 位相調整器は、前記パターン周波数を複数の離散値のうちの1つとの間で切り
換え、それにより、前記サーボパターン信号の位相を前記クロック信号に対して
調整するように構成することができる。
【0033】 この装置は、サーボパターン信号の位相をクロック信号に対して調整するため
のデジタル位相ロックループを含むことができる。デジタル位相ロックループは
、デュアルモジュラスプリスカラーを含むことができる。
【0034】 サーボパターン信号ジェネレータは、2つの増幅器、増幅器の出力を位相にお
いて互いに相対的に分離あるいはシフトするための位相セパレータまたは移相器
、前記位相分離された出力を加算するための加算器、および少なくとも1つの増
幅器のゲインを調整し、それにより前記サーボパターン信号の位相を調整するた
めのゲインコントローラを含む。
【0035】 本発明の第6の態様によれば、サーボトラックを、少なくとも1つのクロック
トラックをその上に有する記憶媒体に書き込むための装置が提供され、このクロ
ックトラックは記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために
使用され、この装置は、2つの増幅器、増幅器の出力を位相において互いに相対
的に分離あるいはシフトするための位相セパレータまたは移相器、および前記位
相分離された出力を加算するための加算器を含むサーボパターン信号ジェネレー
タと、クロックトラックを前記記憶媒体から読み取り、クロック周波数を有する
クロック信号を得るためのクロックトラックリーダと、少なくとも1つの増幅器
のゲインを調整し、それにより前記サーボパターン信号の位相を前記クロック信
号に対して調整して、前記サーボパターン信号が前記クロック信号と同位相にな
るようにするためのゲインコントローラとを含む。
【0036】 増幅器のゲインはデジタル的に制御可能であることが好ましい。
【0037】 移相器または位相スプリッタの出力が互いに相対的に分離あるいはシフトされ
る位相は、90°であることが好ましい。
【0038】 本発明の実施形態を以下で、例として添付の図面を参照して記載する。
【0039】 図1を参照して、本発明による、本発明を実行するための装置1の一実施形態
の汎用ブロック図を示す。スピンドルモータ2は、サーボ情報が書き込まれる磁
気ハードディスク(図示せず)の回転を引き起こすために設けられる。サーボ情
報は、ハードディスクが実際に、書き込み/読み取りヘッドがデータセグメント
をディスク上で正確に位置決めし、かつトラック上に残ることができるようにす
るために使用されるときに、使用される。スピンドルモータ2はハードディスク
アセンブリの一部にすることができ、あるいは、サーボトラック書き込み中にハ
ードディスクが取り付けられるサーボトラックライタの一部にすることができ、
あるいはハードディスクおよびサーボトラックライタとは別々に設けることがで
きる。
【0040】 スピンドルモータ2は周波数fmで駆動される。モータ周波数fmは、非常に高
い基準周波数f0から、分周器3によって基準周波数f0を係数mによって分周す
ることによって得られる。以下でさらに論ずるように、周波数f0/mは非常に
わずかに量εだけ低減されることが好ましく、これは、周波数コンバータ4を通
じてf0/mを渡すことによって行われ、周波数コンバータ4がf0/mを係数(
1−ε)によって逓倍する。したがって、fm=(f0/m)(1−ε)である
。基準周波数f0は水晶発振器から、周知の方法でそれ自体において得ることが
できる。
【0041】 クロックトラックはハードディスクへ、いずれかの適切な構成によって書き込
まれる。たとえば、クロックトラックを上述の従来のタイプにすることができ、
ここでは分離したクロックヘッドが、クロックトラックをディスク上に書き込む
ために使用され、次いで、分離したクロックヘッドによってリードバックされる
。別法として、クロックトラックを、ハードディスクに関連付けられた内部の読
み取り/書き込みヘッド(いわゆる「プロダクトヘッド」)によって書き込むこ
とができ、これは上述の従来技術の構成のいずれか、または本明細書で特に述べ
ていない他の構成において行われ、このとき専用クロックヘッドは設けられない
【0042】 ハードディスク上に書き込まれたクロックトラックは、ディスクが回転される
ときにリードバックされて(専用のクロックヘッドによるかプロダクトヘッドに
よるかに関わらず)、リードバッククロック周波数信号fc1が提供される。クロ
ック周波数fc1が位相誤差プロセッサ5に渡され、これについては以下により詳
細に説明する。
【0043】 パターン周波数fPを有するサーボパターンが生成されて、サーボパターンが
提供され、これがサーボトラック書き込みプロセス中にハードディスク全体に書
き込まれる。パターン周波数fpは、モータ周波数fmが得られる元の同じ基準周
波数f0から得られる。周知のように、パターン周波数fpがリードバッククロッ
ク信号fc1と同じ周波数および位相を有することが必要である。これを達成する
ため、基準周波数f0が周波数コンバータまたは位相調整器6に渡され、これが
入力基準周波数f0の位相を、位相誤差プロセッサ5の出力に従って調整して、
正しく位相調整されたパターン周波数fpを提供し、これが、サーボ情報がハー
ドディスクに書き込まれる間の期間を通じて保持される。実際には、信号の位相
を、信号を進行させることによって調整することは困難である。したがって、上
述のように、最初にスピンドルモータ周波数を提供するために得られた周波数f 0 /mが、係数(1−ε)だけ低減され、すなわちモータ2が非常にわずかに低
速にされる。相応じて、位相調整器6で基準周波数f0が、パターン周波数fp
位相を保持するために必要とされるように、1、(1−ε)または(1−2ε)
のいずれかによって逓倍されて、クロック周波数fc1の位相が得られ、これはパ
ターン周波数を進行させること(すなわち、パターン周波数を加速させること)
によって、あるいはクロック周波数fc1の位相を、パターン周波数fpの位相を
遅延させることによって(すなわち、パターン周波数fpを一時的に低速にする
ことによって)得ることによって行われ、これを図1において概略的に示す。
【0044】 図2を参照して、装置1の一実施形態の汎用グロック図を示し、基準周波数f 0 を修正するための回路の実施例を概略的に示す。
【0045】 最初にモータ周波数fmの生成を参照すると、この実施例では、基準周波数f0 が分周器3’に渡され、これが基準周波数を係数mmによって分周する。分周器
3’の出力が分割され、第1の部分がデジタルダウンコンバータ40に送信され
、第2の部分がスチール回路41に送信される。スチール回路41の出力がダウ
ンコンバータ40のスチールポートまたは入力に渡される。好ましい実施形態で
は、ダウンコンバータ40がデジタルデュアルモジュラスプリスカラーであり、
これが入力周波数を、デュアルモジュラスプリスカラー40のスチール入力への
信号入力に従って、係数nまたはn+1によって分周する。一実施例では、nを
8または12にすることができ、n+1は相応じて9または13となる。スチー
ル回路41のスチール率Sが、一実施例では、ダウンコンバータ40への周波数
入力の1/1024がダウンコンバータ40のスチール入力に渡されるように設
定される。ダウンコンバータ40が入力周波数を係数nだけ低減し、これは信号
がスチール入力に渡されるときを除くすべてのときであり、このとき入力周波数
が係数n+1だけ低減される。したがって、ダウンコンバータへの信号入力の周
波数が入力値の(約)1023/1024に低減される。再度図1を簡単に参照
すると、モータ周波数がこのように係数(1−ε)だけ低減され、ただし、図2
を参照して論じた実施例では、ε=1/1024である。デュアルモジュラスプ
リスカラーは以前にこの応用例について使用されていないと思われるが、デュア
ルモジュラスプリスカラーはそれら自体で他の分野(たとえば、衛星放送受信器
および移動(携帯)電話における同調回路を含む)において周知であり、したが
って本明細書でさらに詳細には記載しない。
【0046】 再度図2を参照すると、類似のプロセスが使用されて、入力基準周波数f0
調整されてパターン周波数fpが生成される。デジタルダウンコンバータ60は
、同じくデジタルデュアルモジュラスプリスカラーであり、かつnがモータ周波
数fm用のデジタルデュアルモジュラスプリスカラー40のものと同じであるこ
とが好ましく、基準周波数f0を入力として受信する。基準周波数f0の一部がス
チール回路61に渡され、これが、モータ周波数fmについて使用された対応す
る回路41と同じスチールサイクルSを有する。スチール回路61の出力を選択
的に、デジタルスイッチ62を介してパターン周波数ダウンコンバータ60のス
チール入力に渡すことができる。
【0047】 パターン周波数fpの位相が、磁気ディスクからリードバックされたクロック
周波数fc1の位相と合致する瞬間について仮定すると、ダウンコンバータ60を
保持することのみが必要であり、すなわち、クロック信号に相対的な順方向ある
いは逆方向の位相調整が必要ではなく、その代わりに位相を保持することができ
る、この場合、位相調整回路6が「HOLD」モードで動作される。詳細には、
デジタルスイッチ62がスチール回路61の出力をダウンコンバータ60に渡す
ように動作される。スチール回路61のスチール率Sは、モータ部のスチール回
路41のものと同じに設定され、すなわち、上述の実施例では1/1024であ
る。パターン周波数fpを生成するためのダウンコンバータ60への周波数入力
は、それにより(さらに)モータ周波数fmを生成する回路の一部におけるもの
と厳密に同じ比により、すなわち上述の特定の実施例ではε=1/1024の係
数だけ低減され、1023/1024になる。
【0048】 このとき、位相誤差プロセッサ5が、パターン周波数fpとリードバッククロ
ック周波数fc1の間の位相差を検出すると仮定すると、デジタルスイッチ62が
、回路が「ACQUIRE」モードに移行することができるように動作される。
ACQUIREモードでは、位相誤差プロセッサ5が信号をパターン周波数ダウ
ンコンバータ60のスチール入力に渡し、ダウンコンバータ60への周波数入力
を一時的に、本明細書に記載した実施例では、0または1/512のいずれかの
係数によって調整できるようにする。このように、ACQUIREモードにおけ
るパターン周波数fpを、1022/1024または1024/1024のいず
れかの追加の係数によって、すなわち、スピンドルモータ周波数fm×mmより上
の値からその下の値までの係数によって、逓倍することができる。
【0049】 すなわち、パターン周波数fpを以下のようにすることができる。
【0050】 (i)ACQUIREモードでは、クロック周波数fc1に相対的に進行される
(位相調整器6における係数1)、 (ii)HOLDモードでは、クロック周波数fc1に相対的に保持される(位
相調整器6における係数(1−ε))、あるいは (iii)ACQUIREモードでは、クロック周波数fc1に相対的に遅延さ
れる(位相調整器6における係数(1−2ε))。
【0051】 同じ周波数f0が、モータ周波数fmおよびパターン周波数fpを生成するため
の基礎として使用され、これはモータ周波数fmおよびパターン周波数fpが互い
に同期化される(異なる値がfmおよびfpについて使用されるにも関わらず)こ
とを意味することは理解されよう。この実施例では、基準周波数f0に高い値が
使用され、モータ周波数fmおよびパターン周波数fpをそれぞれ分周プロセスの
みによって生成することができるようにする。モータ周波数fmおよびパターン
周波数fpを作成するために使用される主要な分周比に加えて、モータ周波数fm がさらにわずかに下げられ、パターン周波数fpに対するすべての位相調整を遅
延のみによるものにすることができるようになる。上述の好ましい実施形態では
、位相シフトは、生成されたパターン周波数を、3つの離散した、しかし緊密に
合致された値のうちの1つとの間で切り換えることによって、効果的に達成され
る。アナログ位相ロックループを使用する上述の従来技術のシステムにおける難
点は、本発明により完全に克服され、これは、位相誤差プロセッサ5およびデュ
アルモジュラスプリスカラー60の組み合わせがデジタル位相ロックループとし
て動作するからである。例として、通常、f0を0.8GHz程度にすることが
でき、fmを100Hz程度にすることができ、fpおよびfc1を100MHz程
度にすることができる。
【0052】 ダウンコンバータの実施例として上述したデュアルモジュラスプリスカラーは
、いかなる適切な形式にすることもでき、たとえばディスクリート論理回路から
、あるいはASIC(特定用途向け集積回路)として、オプショナルで装置の他
のデジタルコンポーネントと組み合わせて構成することができる。デュアルモジ
ュラスプリスカラーの実施はこのようなデバイスの当業者には簡単であり、した
がってこれらの構成およびオペレーションを本明細書ではさらに詳細には記載し
ない。
【0053】 パターン周波数fpおよびモータ周波数fmを基準周波数f0から得るための代
替構成を、概略的に図3に示す。この実施例では、相対的に低い値が、基準周波
数f0の周波数について使用され、この基準周波数が、モータ周波数fmを提供す
るための周波数コンバータ4として動作する第1のフラクショナル−n分周器4
に渡され、またパターン周波数fpを提供するための周波数コンバータ6として
動作する第2のフラクショナル−n分周器6にも渡される。図3に概略的に示す
回路の詳細なオペレーションは、このような回路の当業者にはよく理解され、こ
のような回路はそれら自体で他の分野(たとえば、衛星放送受信器および移動(
携帯)電話における同調回路を含む)から理解されるものであり、詳細には記載
しない。
【0054】 簡潔に述べると、デジタルミキサ65が位相誤差信号を位相誤差プロセッサ5
から受信し、反転された出力をデジタル加算器66に渡し、反転された出力は、
パターン周波数fpの位相をクロック周波数fc1の位相に相対的に進行させるか
、保持するか、あるいは遅延させる必要があるかどうかに従って、単位元(1−
1/s)または(1−2/s)に比例する。デジタル加算器66は出力および反
転された出力をDレジスタ67に提供し、これは基準周波数f0も入力クロック
信号として受信する。Dレジスタ67の第1の出力がアナログ位相ロックループ
68に渡され、これは、パターン周波数fpについて必要とされた値まで受信さ
れた周波数を逓倍するために、その一定の位相固定モードにおいて動作される。
第2の、Dレジスタ67の反転された出力がデジタル加算器66に戻すように渡
される。したがって、Dレジスタ67の出力は基準周波数f0であるが、必要と
された場合、位相において遅延あるいは進行される。
【0055】 類似の方法で、モータ周波数fmが類似の構成から得られ、この構成では、フ
ラクショナル−n分周器4が(1−1/s)に比例した信号を入力として受信し
、図2を参照して記載した実施例のように、基準周波数f0がわずかな量だけ低
減されるようにする。周波数分周器30、31がモータ周波数fm用の回路に存
在し、これはモータ周波数についての適切なレベルを得るためであることはわか
るであろう。さらに、パターン周波数fp用のアナログ位相ロックループ68が
フラクショナル−nタイプのものであった場合、類似であるがより低周波のアナ
ログ位相ロックループ47が、モータ周波数fmを得るために設けられることが
好ましい。
【0056】 要約すると、図3に示す実施例では、同じ周波数f0が、モータ周波数fmおよ
びパターン周波数fpを生成するための基礎として使用される。モータ周波数fm はわずかに下げられ、パターン周波数fpに対するすべての位相調整を遅延のみ
によるものにすることができるようにする。完全にデジタルのデバイスが、パタ
ーン周波数の位相を調整するために使用される(アナログ位相ロックループ67
、47が周波数逓倍器としてのみ設けられることは理解されるであろう)。
【0057】 フラクショナル−n分周器4、6を図面においてディスクリート論理回路とし
て示すが、これらをその代わりにASICにおいて設けることができる。
【0058】 常に専用のクロックトラックをサーボトラック書き込み中に読み取る、分離し
たクロックヘッドが設けられる従来技術のシステムでは、また、先に書き込まれ
たサーボトラックからサーボトラックが生成される従来技術のシステムでは、時
として、従来技術のアナログ位相ロックループが、サーボトラックが実際に書き
込まれるときに固定モードで保持される例があり、これはディスク上に、書き込
まれているサーボトラックの位相を比較かつ合わせることができるクロック信号
が他にないか、あるいはサーボトラックが書き込まれているときに周波数が限度
まで変化するからである。すなわち、いくつかのシステムでは実際のサーボトラ
ックの書き込み中に、位相ロックループが必然的に、最後に検出された周波数お
よび位相で固定されるときがある。これはまた、本発明のある応用例にも当ては
まる。たとえば図2を参照すると、デュアルモジュラスプリスカラー60および
位相誤差プロセッサ5によって効果的に設けられたデジタル位相ロックループ6
を、実際のサーボパターンの書き込み中に固定モードで保持することができる。
これは、図2においてデジタルスイッチ62が「HOLD」に切り換えられるこ
とに対応する。しかしこの状態では、デュアルモジュラスプリスカラー60がな
お、瞬間周波数が周期的に(たとえば、1024サイクルにつき1サイクル)低
減され、それにより通常はディスク速度1×mmに等しくなるように、動作され
る。これは、サーボパターンにおいて、デュアルモジュラスプリスカラー60に
よって達成されたステップサイズに等しい量(たとえば、0.5nsにすること
ができる)だけ他のものより長いパルスが時折発生することを意味する。これは
実際上、信号におけるジッタのソースであり、これはそうでない場合に非常に安
定しており、かつこれは高周波で問題を引き起こす可能性がある。したがって、
いくつかの環境では、パターン周波数fpを基準周波数f0からデジタル的に、H
OLDモードでさえ瞬間的にあるいは一時的に周波数を変化させるデバイス(上
記のデュアルモジュラスプリスカラー60など)による以外の方法において得る
ことが望ましい。
【0059】 ジッタフリーあるいは実質的にジッタフリーのパターン周波数が必要とされた
とき(たとえば、位相調整器6が、サーボトラック書き込み中にHOLDモード
に固定されるときの間)にこれを生成することができる位相調整器6用の代替回
路の一実施例を、概略的に図4に示す。この実施例では、基準周波数f0が4ビ
ットのパラレルシリアルコンバータ70に入力され、これが4ビットのバレルシ
フタ71によって供給される。このパラレルシリアルコンバータ70およびバレ
ルシフタ71の組み合わせが効果的に4分周回路として動作し、パラレルシリア
ルコンバータ70からの出力周波数f1が、入力基準周波数f0の1/4となるよ
うにする。しかし、位相誤差プロセッサ5からバレルシフタ71への進行または
遅延コマンドに応答して、パラレルシリアルコンバータ70およびバレルシフタ
71の組み合わせが、単一の3分周または5分周サイクルをそれぞれ実施するこ
とができる。すなわち、図4に示す回路6は選択的に信号位相を前進かつ遅延さ
せることができ、これはパターン周波数fpの位相を、ディスクからリードバッ
クされたクロック信号と合わせるように調整できるようにするためである。図4
の位相調整器6がそのHOLDモードで固定されるとき、バレルシフタ71への
進行または遅延コマンドを禁止し、最終的に生成されたパターン周波数fpが完
全にジッタフリーとなるようにすることができる。バレルシフタ71によって(
3分周または5分周を実施するため、あるいは4分周に戻るために)実施された
いかなるシフトも、パラレルシリアルコンバータ70においてロードイベントの
間に行われ、パラレルシリアルコンバータ70による周波数出力f1において急
な遷移またはグリッチが起こらないようにすることに留意されたい。
【0060】 パラレルシリアルコンバータ70によって出力される周波数f1を、離散的間
隔において、使用された特定のコンポーネントおよび基準周波数f0の値につい
て固定される量だけ高めるかあるいは下げることができる。達成することができ
る最小ステップサイズを低減するため、第2のパラレルシリアルコンバータ72
を追加することができ、これが反転された基準周波数f0をそのクロック入力と
して受信し、かつその周波数を2で分周する。第2のパラレルシリアルコンバー
タ72の出力f2が第1のパラレルシリアルコンバータ70からの出力f1と共に
、排他的論理和ゲート73に渡される。これにより、達成することができる最小
ステップサイズが低減される。
【0061】 排他的論理和ゲート73からの出力f3を平滑化するために、アナログ帯域フ
ィルタ74を排他的論理和ゲート73の後に設けて、特に望ましくない調波をフ
ィルタリングして取り除き、かつしたがっていかなるピーク−ピーク出力ジッタ
をも最小化して非常に平滑なパターン周波数fpを提供することができる。実際
的な実施例では、0.3nsの最小ステップサイズを達成することができる。
【0062】 図4の回路をASICにおいて、ならびに図4に示すディスクリート論理回路
70〜72、排他的論理和ゲート73および帯域フィルタ74によって実施でき
ることは理解されよう。
【0063】 ジッタフリーあるいは実質的にジッタフリーのパターン周波数が必要とされた
ときにこれを生成するための代替回路のさらなる実施例を、概略的に図5および
6に示す。
【0064】 図5を参照すると、信号源80が基準周波数f0を提供する。この説明を簡潔
にするため、基準周波数f0が正弦波a.sin(ωt)であると見なされる。
この信号が位相スプリッタ81に渡され、これが位相において90°で分離され
た2つの出力を提供する。したがって、これらの2つの出力がb.sin(ωt
)およびc.cos(ωt)であり、一般にbおよびcは異なる可能性がある。
これらの2つの出力がそれぞれ制御デジタル増幅器82、83に渡される。第1
の制御増幅器82からの出力はxb.sin(ωt)であり、ただしxは第1の
制御増幅器82のゲインであり、第2の制御増幅器83からの出力はyc.co
s(ωt)であり、ただしyは第2の制御増幅器83のゲインである。これらの
2つの出力が加算ジャンクション84において加算される。したがって、加算ジ
ャンクション84の出力はfp=xb.sin(ωt)+yc.cos(ωt)
であり、これをfp=g.sin(ωt+φ)として書き換えることができ、た
だし振幅g=((xb)2+(yc)21/2であり、位相角φ=tan-1(yc
/xb)である。したがって、図5の回路は、基準周波数f0と同じ周波数ωを
有するが、単に第1および第2の制御増幅器82、83のゲインb、cを変化さ
せることによって実際にいかなる所望の値の間でも随意に変化させることのでき
る位相を有する、パターン周波数fpを提供できることがわかる。振幅g=((
xb)2+(yc)21/2を一定に保つことが望ましいことは理解されよう。さ
らに、加算ジャンクションによって出力された周波数を必要に応じて逓倍あるい
は分周できることは理解されよう。フィルタを追加して、回路において生じる可
能性のあるいかなる望ましくない調波をも除去することができる。位相スプリッ
タ81において生じる可能性のある周波数依存の誤差を、第1および第2の制御
増幅器82、83の適切な制御によって補償することができる。
【0065】 図6に示す回路は、図5に示す回路の代替物である。信号源90からの出力信
号f0が2つの制御増幅器91、92に送信される。制御増幅器の出力がそれぞ
れ移相器93、94に送信される。移相器93、94が90°の差をそれらの出
力で与えるように設定され、出力は再度加算ジャンクション95において加算さ
れる。図5に示す実施例のように、制御増幅器91、92のゲインの適切な制御
により、加算ジャンクション95によって出力された信号の位相fpを随意に変
化させることができる。
【0066】 図5および6に示す各実施例では、位相シフトについて達成することができる
最小ステップサイズにおける唯一の制限が、制御増幅器82、83、91、92
のゲインを変化させることができる度合いである。たとえば40psの非常に小
さい時間ステップを達成することができ、これにより、サーボパターンについて
使用された周波数を、従来技術において使用された値と比較して増大させること
ができる。
【0067】 要約すると、もっとも好ましい実施形態では、回転する記憶媒体のためのクロ
ッキング方法および装置は、サーボパターン信号のパターン周波数および記憶媒
体の回転数が導出される元の単一の基準周波数を使用する。サーボトラック書き
込みプロセス中に、クロックトラックが、クロック周波数を有するクロック信号
を得るために記憶媒体から読み出され、サーボパターン信号の位相がクロック信
号に対してデジタル的に調整されて、サーボパターン信号がクロック信号と同位
相になるようにする。サーボパターン信号ジェネレータは、2つの増幅器、増幅
器の出力を位相において互いに相対的に分離あるいはシフトするための位相セパ
レータまたは移相器、および前記位相分離された出力を加算するための加算器を
含むことが好ましい。少なくとも1つの増幅器のゲインが調整されて、サーボパ
ターン信号の位相がクロック信号に対して調整される。
【0068】 本発明の実施形態を、例示した実施例を特に参照して記載した。しかし、変形
形態および変更を、本発明の範囲内で、記載された実施例に行うことができるこ
とは理解されよう。
【0069】 それぞれ「METHOD AND APPARATUS FOR WRITI
NG CLOCK DATA TO A STORAGE MEDIUM」とい
う発明の名称の同一日の同時係属の特許出願番号(1)および(2)を参照し、
これらは本願の所有者によって所有され、その全体の内容が言及により本明細書
に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、本発明を実行するための装置の一実施形態の汎用ブロック図で
ある。
【図2】 本発明による、本発明を実行するための装置の特定の実施形態のブロック図で
ある。
【図3】 本発明による、本発明を実行するための装置の第2の特定の実施形態のブロッ
ク図である。
【図4】 図1の装置において、パターン周波数の位相を生成かつ調整するための代替回
路のブロック図である。
【図5】 図1の装置において、パターン周波数の位相を生成かつ調整するためのさらな
る代替回路のブロック図である。
【図6】 図1の装置において、パターン周波数の位相を生成かつ調整するためのさらに
他の1つの代替回路のブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レヴィン,ポール,アラン アメリカ合衆国,90266 カリフォルニア 州,マンハッタン ビーチ,ナインス ス トリート 1457 Fターム(参考) 5D044 BC01 BC04 CC04 GM03 GM40 5D096 WW03 WW06

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのクロックトラックをその上に有する記憶媒
    体にサーボトラックを書き込む方法であり、前記クロックトラックは前記記憶媒
    体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用されるところの方
    法であって、 記憶媒体を、基準周波数から得られる回転数で回転させるステップと、 パターン周波数を有するサーボパターン信号を前記基準周波数から得るステッ
    プと、 クロックトラックを前記記憶媒体から読み取って、クロック周波数を有するク
    ロック信号を得るステップと、 前記クロック信号に対するサーボパターン信号の位相を調整して、サーボパタ
    ーン信号をクロック信号と同位相にするステップと、そして、 サーボトラックを前記サーボパターン信号に従って記憶媒体に書き込むステッ
    プと を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記サーボパターン信号の位相をクロック信号に対してデジ
    タル的に調整して、前記サーボパターン信号を前記クロック信号と同位相にする
    、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記パターン周波数を複数の離散値のうちの1つとの間で切
    り換え、かくして、前記クロック信号に対する前記サーボパターン信号の位相を
    調整するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 デジタル位相ロックループを使用して、前記クロック信号に
    対する前記サーボパターン信号の位相を調整する、請求項2または3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記デジタル位相ロックループがデュアルモジュラスプリス
    カラーを含み、そして、前記デュアルモジュラスプリスカラーを演算して、前記
    クロック信号に対する前記サーボパターン信号の位相を調整するステップを含む
    、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 その出力が位相において互いに相対的に分離またはシフトさ
    れるところの2つの増幅器に基準信号を渡すステップ、および、前記出力を加算
    するステップを行うことによって、前記サーボパターン信号を得、そして、前記
    増幅器のうちの少なくとも1つの増幅器のゲインを調整することによって、前記
    サーボパターン信号の位相を調整するステップを含む、請求項1ないし4のいず
    れか1つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも1つのクロックトラックをその上に有する記憶媒
    体にサーボトラックを書き込む方法であり、前記クロックトラックは前記記憶媒
    体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用されるところの方
    法であって、 パターン周波数を有するサーボパターン信号を生成するステップと、 クロックトラックを前記記憶媒体から読み取って、クロック周波数を有するク
    ロック信号を得るステップと、 前記クロック信号に対する前記サーボパターン信号の位相をデジタル的に調整
    して、前記サーボパターン信号を前記クロック信号と同位相にするステップと、
    そして、 サーボトラックを前記サーボパターン信号に従って前記記憶媒体に書き込むス
    テップと を含む方法。
  8. 【請求項8】 前記パターン周波数を複数の離散値のうちの1つとの間で切
    り換え、かくして、前記クロック信号に対する前記サーボパターン信号の位相を
    調整するステップを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 デジタル位相ロックループを使用して、前記クロック信号に
    対する前記サーボパターン信号の位相を調整する、請求項7または8に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 前記デジタル位相ロックループがデュアルモジュラスプリ
    スカラーを含み、そして、前記デュアルモジュラスプリスカラーを演算して、前
    記クロック信号に対する前記サーボパターン信号の位相を調整するステップを含
    む、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 その出力が位相において互いに相対的に分離あるいはシフ
    トされるところの2つの増幅器に基準信号を渡すステップ、および、前記位相分
    離された出力を加算するステップを行うことによって、前記サーボパターン信号
    を得、そして、前記増幅器のうちの少なくとも1つの増幅器のゲインを調整する
    ことによって、前記サーボパターン信号の位相を調整するステップを含む、請求
    項7ないし9のいずれか1つに記載の方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも1つのクロックトラックをその上に有する記憶
    媒体にサーボトラックを書き込む方法であり、前記クロックトラックは前記記憶
    媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用されるところの
    方法であって、 その出力が位相において互いに相対的に分離あるいはシフトされるところの2
    つの増幅器に基準信号を渡し、そして、前記出力を加算することによって、パタ
    ーン周波数を有するサーボパターン信号を前記基準信号から生成するステップで
    あって、前記加算された出力が前記サーボパターン信号を生成するために使用さ
    れるところのステップと、 クロックトラックを前記記憶媒体から読み取って、クロック周波数を有するク
    ロック信号を得るステップと、 前記クロック信号に対する前記サーボパターン信号の位相を調整し、もって、
    前記増幅器のうちの少なくとも1つの増幅器のゲインを調整することによって、
    前記サーボパターン信号を前記クロック信号と同位相にするステップと、そして
    、 サーボトラックを前記サーボパターン信号に従って前記記憶媒体に書き込むス
    テップと を含む方法。
  13. 【請求項13】 前記増幅器のゲインがデジタル的に制御可能である、請求
    項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記増幅器の出力が互いに相対的に分離あるいはシフトさ
    れるところの位相が90°である、請求項12または13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 少なくとも1つのクロックトラックをその上に有する記憶
    媒体にサーボトラックを書き込むための装置であり、前記クロックトラックは前
    記記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用されると
    ころの装置であって、 基準周波数を有する基準信号のソースと、 前記基準周波数から得られる回転数で前記記憶媒体を回転させるように構成さ
    れた駆動回路と、 前記記憶媒体上へのサーボトラックの書き込みに使用するために、前記基準周
    波数を受信し、そして、前記基準周波数から得られたパターン周波数を有するサ
    ーボパターン信号を出力するように構成されたサーボパターン信号ジェネレータ
    と、そして、 前記サーボパターン信号の位相を、前記記憶媒体上でクロックトラックから得
    られたクロック信号と同位相になるように調整するための位相調整器と を含む装置。
  16. 【請求項16】 前記位相調整器がデジタル位相調整器である、請求項15
    に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記デジタル位相調整器が、前記パターン周波数を複数の
    離散値のうちの1つとの間で切り換えることによって、前記クロック信号に対す
    る前記サーボパターン信号の位相を調整するように構成される、請求項16に記
    載の装置。
  18. 【請求項18】 前記位相調整器がデジタル位相ロックループである、請求
    項16または17に記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記デジタル位相ロックループがデュアルモジュラスプリ
    スカラーを含む、請求項18に記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記デュアルモジュラスプリスカラーがサーボパターン信
    号ジェネレータの一部も形成する、請求項19に記載の装置。
  21. 【請求項21】 位相調整器が、2つの増幅器と、前記増幅器の出力を位相
    において互いに相対的に分離あるいはシフトするための位相セパレータまたは移
    相器と、前記位相分離された出力を加算するための加算器と、そして、前記増幅
    器のうちの少なくとも1つの増幅器のゲインを調整し、かくして、前記サーボパ
    ターン信号の位相を調整するためのゲインコントローラとを含む、請求項15ま
    たは16に記載の装置。
  22. 【請求項22】 第1の周波数コンバータがデュアルモジュラスプリスカラ
    ーを含む、請求項15ないし21のいずれか1つに記載の装置。
  23. 【請求項23】 少なくとも1つのクロックトラックをその上に有する記憶
    媒体にサーボトラックを書き込むための装置であり、前記クロックトラックは前
    記記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用されると
    ころの装置であって、 パターン周波数を有するサーボパターン信号を生成するためのサーボパターン
    信号ジェネレータと、 クロックトラックを記憶媒体から読み取って、クロック周波数を有するクロッ
    ク信号を得るためのクロックトラックリーダと、そして、 前記クロック信号に対する前記サーボパターン信号の位相をデジタル的に調整
    して、前記サーボパターン信号を前記クロック信号と同位相にするためのデジタ
    ル位相調整器と を含む装置。
  24. 【請求項24】 前記位相調整器が、前記パターン周波数を複数の離散値の
    うちの1つとの間で切り換え、かくして、前記クロック信号に対する前記サーボ
    パターン信号の位相を調整するように構成される、請求項23に記載の装置。
  25. 【請求項25】 前記クロック信号に対する前記サーボパターンの位相を調
    整するためのデジタル位相ロックループを含む、請求項23または24に記載の
    装置。
  26. 【請求項26】 前記デジタル位相ロックループがデュアルモジュラスプリ
    スカラーを含む、請求項25に記載の装置。
  27. 【請求項27】 前記サーボパターン信号ジェネレータが、2つの増幅器と
    、前記増幅器の出力を位相において互いに相対的に分離あるいはシフトするため
    の位相セパレータまたは移相器と、前記位相分離された出力を加算するための加
    算器と、そして、前記増幅器のうちの少なくとも1つの増幅器のゲインを調整し
    、かくして、前記サーボパターン信号の位相を調整するためのゲインコントロー
    ラとを含む、請求項23に記載の装置。
  28. 【請求項28】 少なくとも1つのクロックトラックをその上に有する記憶
    媒体にサーボトラックを書き込むための装置であり、前記クロックトラックは前
    記記憶媒体に書き込まれたサーボトラックの位相を制御するために使用されると
    ころの装置であって、 2つの増幅器、前記増幅器の出力を位相において互いに相対的に分離あるいは
    シフトするための位相セパレータまたは移相器、および、前記位相分離された出
    力を加算するための加算器を含むサーボパターン信号ジェネレータと、 クロックトラックを前記記憶媒体から読み取って、クロック周波数を有するク
    ロック信号を得るためのクロックトラックリーダと、 前記増幅器のうちの少なくとも1つの増幅器のゲインを調整し、かくして、前
    記クロック信号に対する前記サーボパターン信号の位相を調整して、前記サーボ
    パターン信号を前記クロック信号と同位相にするためのゲインコントローラと を含む装置。
  29. 【請求項29】 前記増幅器のゲインがデジタル的に制御可能である、請求
    項28に記載の装置。
  30. 【請求項30】 前記移相器または位相スプリッタの出力が互いに相対的に
    分離あるいはシフトされるところの位相が90°である、請求項28または29
    に記載の装置。
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