JP2003523459A - キトサン縮合生成物、その製造及び使用 - Google Patents

キトサン縮合生成物、その製造及び使用

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    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
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Abstract

(57)【要約】 キトサンの縮合生成物をキトサンと亜硫酸塩付加化合物HOCRR’SO3A(式中、R及びR’の各々は独立して水素原子であるか、又は、Rは水素原子であり、R’は、場合により置換された直鎖若しくは分枝の飽和若しくは不飽和の10個までの炭素原子を有する炭化水素基か若しくは、場合により置換された、脂環式、芳香族炭素環式若しくは複素環式の環であるか、又は、RはCH3基であり、R’は場合により置換された第一級アルキル基であるか、又は、R及びR’は共に場合により置換された脂環式若しくは複素環式の環であり、そしてAはアルカリ金属又はアンモニウムイオンである)との反応により形成する。縮合生成物/ポリマーは陰イオン高分子電解質であり、中性pHの水中で安定な陰イオン溶液を形成する。かかる溶液は、他の水溶性陰イオン高分子電解質、特にアルギン酸ナトリウムと混ぜて、非常に混合された混合物又はブレンドを形成することができ、それらからフィルム、繊維、パウダー、スポンジ、ゲル及びフォームを製造することができる。これらのフィルム、繊維、パウダー、スポンジ、ゲル及びフォーム中の縮合生成物から、それらの製造の間か又はその後に酸又はアルカリ処理によりキトサンを再生することができる。また、縮合生成物の溶解性は、キチン/炭酸カルシウム混合物からキトサンを抽出する新規な方法への途を開くものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、キトサンと亜硫酸塩付加化合物との反応により形成されるキトサン
の縮合生成物であって、中性pHの水中で安定な陰イオン高分子電解質溶液を形
成する縮合生成物に関する。かかる溶液は、アルギン酸ナトリウム又はヒアルロ
ン酸のような他の水溶性の陰イオン高分子電解質と混ぜて非常に完全な混合物又
はブレンドを形成することができ、それらからフィルム、繊維、パウダー、スポ
ンジ、ゲル及びフォームをつくることができる。キトサンは、これらのフィルム
、繊維、パウダー、スポンジ、ゲル及びフォーム中の縮合生成物から酸又はアル
カリ処理によりそれらの製造中か又は製造後に再生することができる。また、そ
の縮合生成物の溶解性は、キチン/炭酸カルシウム混合物からキトサンを抽出す
る新規な方法への途を開くものである。
【0002】 本発明の背景 キトサンは、生体高分子物質であるキチンを濃アルカリ溶液中高温で脱アセチ
ル化することにより商業的な規模で得ることができる。キチンは甲殻類、軟体動
物及び昆虫の外骨格中の主鎖ポリマーであり、ある一定の菌類及び放線菌類の細
胞壁中の主な繊維性ポリマーである。「キチン」及び「キトサン」という名前は
別個の化学構造を有する物質を言うものではなく、N−アセチル−D−グルコサ
ミン残基(K)及びD−グルコサミン残基(L):
【0003】
【化3】
【0004】 のコポリマーの連続体を言う。これら二つの物質は希酸水溶液中でのそれらの溶
解性(キトサン)又は不溶性(キチン)により識別することができる。 キトサンは、塩基であるが、酸と塩を形成して陽イオン高分子電解質構造をも
たらし、その水中での溶解性は含まれる酸アニオンの性質に依存する。キトサン
は希HCl、HBr、HI、HNO3及びHClO4中に溶解できるが、HBr又
はHCl中ではその系での酸濃度を増加することにより溶液から沈殿する可能性
がある。キトサンは希H3PO4中にわずかに溶解できるが、希H2SO4中では室
温で不溶性であり、但しキトサンの硫酸塩は熱水中に溶解できる。またキトサン
は数多くの有機酸の水溶液中に溶解できる。しかし、キトサンは酸中におかれる
とすぐに加水分解されるので、そのような溶液は棚持ちを制限している。
【0005】 キチン/キトサン抽出のための主な供給原材料は、甲殻類の外骨格である(海
産食物産業からの廃棄物を加工処理するときに入手可能である)。現在の商業的
な抽出方法には、塩酸で脱塩処理して、同じく供給原材料中に実質的な量で存在
している炭酸カルシウムを除去することが含まれる。この脱塩により、環境保護
の観点から安全な様式で処分しなければならない多量の塩化カルシウムが生ずる
【0006】 キトサン誘導体は、クロム(III)イオンを集めるためのキレート化剤として
使用されてきた。例えば、Chemical Specification and Bioavailability, 3(2)
1999 55-59(Lopez-de-Alba et al.)は、この目的のためのキトサン亜硫酸塩と重
亜硫酸塩とを開示している。後者は、式:
【0007】
【化4】
【0008】 で表される。US4125708(Masri et al. / The United States of Amer
ica as represented by the Secretary of Agriculture)は、アニオン剤(anio
nic agent)及びグルタルアルデヒドで修飾されたキトサンを開示している。得
られる組成物はキトサンの単一種の塩又は複数種の塩類を含有すると思われる。
【0009】 キトサンはキレート化プロセス(例えば、Lopez-de-Alba et al.の最終頁のス
キームを参照のこと)の間に再生することができるが、このことがいつか純粋な
キトサンを調製するための方法として使用されるだろうという示唆はない。
【0010】 US4786750(Schilling / Westvaco Corporation)は、水溶性化合物
を生成するためのアミンとホルムアルデヒド重亜硫酸塩ナトリウムとの塩基性反
応を開示している。
【0011】 本発明の要旨 本発明は、キトサンと式HOCRR’SO3A (式中、R及びR’の各々は独立して水素原子であるか、又は、Rは水素原子
であり、R’は、場合により置換された直鎖若しくは分枝の飽和若しくは不飽和
の10個までの炭素原子を有する炭化水素基か若しくは、場合により置換された
、脂環式、芳香族炭素環式若しくは複素環式の環であるか、又は、RはCH3
であり、R’は場合により置換された第一級アルキル基であるか、又は、R及び
R’は共に場合により置換された脂環式若しくは複素環式の環であり、そして Aはアルカリ金属又はアンモニウムイオンである) を有する亜硫酸塩付加化合物との縮合生成物を提供し、その縮合生成物は、中性
pHの水中で安定な陰イオン高分子電解質溶液を形成する。
【0012】 Aは、いずれかのアルカリ金属の陽イオン、特にリチウム、ナトリウム若しく
はカリウムか、又はアンモニウムイオンであってもよい。好ましくは、Aはナト
リウムイオンである。R及びR’は、好ましくは水素原子である。R及びR’が
これまでに挙げた成分と異なるものである場合、好ましい任意の置換基はそれら
の塩としてのカルボキシ(COOH)基及びスルホ(SO3H)基である。
【0013】 蒸留水のpHが標準中性値である7からずれてもよいことは理解されるであろ
う。この明細書中において、「中性pH」という語は5〜9の値を示す。 キトサンそれ自体と同様、本発明の縮合生成物は不連続の化学構造を有しない
。逆に、本発明の縮合生成物は、一置換D−グルコサミン残基(M)と二置換D
−グルコサミン残基(N):
【0014】
【化5】
【0015】 との連続体であり、残余のN−アセチル−D−グルコサミン単位(K)とD−グ
ルコサミン単位(L)が一部分含まれていてもよい。これらの単位(K)〜(N
)の相対的な割合は、縮合生成物を調製するのに使用されるキトサンの脱アセチ
ル化の程度、そのキトサンと反応する亜硫酸塩付加化合物の量、及び反応条件に
依存する。縮合生成物は、中性pHの水中で安定な陰イオン高分子電解質溶液を
形成できる能力によりキトサンとは識別される。
【0016】 本発明は、また、(上で定義した)式K,L,M及びNのモノマー単位を割合
k,l,m及びnがそれぞれ:
【0017】
【式5】
【0018】 となるように含むポリマーを供給する。 上の比は、キトサンと反応するHOCRR’SO3A分子の数が糖残基の25
%に等しいか又はそれより多い方法により生成されたポリマーを意味する。この
比は、グルコサミン残基が重亜硫酸塩残基で飽和された完全に脱アセチル化され
たキトサンでは200%となる。この場合、k,l及びmは全てゼロに等しい。
しかし、本発明者らはむしろ:
【0019】
【式6】
【0020】 のポリマーを好む。特に好ましいのは:
【0021】
【式7】
【0022】 のポリマーである。 ポリマーの組成は、また、一以上の重亜硫酸塩残基で誘導された糖残基のパー
セントで示すことができる。従って、好ましいポリマーは:
【0023】
【式8】
【0024】 のものである。特に好ましいのは:
【0025】
【式9】
【0026】 のポリマーである。この範囲のポリマーは、特に溶解性のある縮合生成物を与え
ることが分かっている。 溶解性のある生成物を与えるためには、55%以上脱アセチル化された材料か
ら調製されたポリマーを使用することができる。言い換えれば、45%が、不均
一に(heterogeneously)調製された材料において好ましい最も高いレベルの残
余の−NHCOCH3単位である。従って、一つの適するポリマーは:
【0027】
【式10】
【0028】 のものである。 本発明の縮合生成物又はポリマーは、キトサンを亜硫酸塩付加化合物の溶液か
又は亜硫酸塩付加化合物の前駆体を含有する溶液でスラリーにすることにより調
製することができる。所与重量のキトサンに必要とされる亜硫酸塩付加化合物の
量は、キトサンの分子量とその物理的構造に依存する。キトサンの分子量が低い
ほど、溶解性を達成するのに必要とされる比は低い。キトサンが接触可能である
ほど、例えば、キトサンを希酸中で溶解してから、アルカリ性溶液をつくること
により再沈殿させる場合、必要とされる比は低い。しかし、指針として、キトサ
ンアミン基当量当たり0.5〜3.5、より好ましくは1〜2モルの亜硫酸塩付
加化合物を使用することを示すことができる。これらの方法は本発明の範囲内の
事項である。
【0029】 「亜硫酸塩付加化合物の前駆体」は、亜硫酸塩付加化合物HOCRR’SO3
Aをin situで生成するために使用することができる混合物を意味する。典型的
には、Aがアルカリ金属の場合、前駆体はアルデヒド又はケトンであるRR’C
Oと適切なメタ重亜硫酸塩A225との溶液である。例えば、ホルムアルデヒ
ド及びNa225(メタ重亜硫酸ナトリウム)の30%溶液を含むスラリーを
ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム(sodium formaldehyde bisulfite)の前
駆体として使用することができる。
【0030】 縮合生成物又はポリマーは、水と混和性のある有機溶媒、例えばアセトンとの
混合(溶媒を反応混合物に加えるか、又は反応混合物を溶媒に加える)により予
備的な反応混合物から沈殿させることができる。沈殿物は真空下60℃で適切に
集めて乾燥することができる。単離した縮合生成物(ポリマー)は安定であり、
輸送と貯蔵に便利である。縮合生成物は中性pHの水中に再溶解して、高濃度溶
液を形成することができる(15重量%まで)。かかる溶液は長期間、12月を
超える期間は間違いなく安定である。
【0031】 l及びnが全て等しいポリマーは特に簡単にこの経路により生成させることが
できる。 また都合のよいことには、縮合生成物又はポリマーは、固体形態のキトサンを
縮合生成物がいったん形成されると溶解できない水/水混和性有機溶媒混合物中
で、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属のアルデヒド重亜
硫酸塩の溶液で処理することにより調製することができる。次いで、生成物は簡
単に濾過して取り出し、リンスし、乾燥して、安定な固体形態の縮合生成物を与
えることができ、これは中性pHの水中に容易に溶解することができる。
【0032】 本発明者らは、予め不均一に脱アセチル化したキトサンサンプルを均一に再N
−アセチル化することにより、溶解性のある縮合生成物を形成するために特に適
する出発材料が与えられることを見いだした。そのような均一に調製されたキト
サンサンプルを用いて75%までのN−アセチル化レベルを達成することができ
、更に、溶解性のある最終生成物を与えることができる。キチンの均一な脱アセ
チル化により調製されたサンプルは、不均一に調製されたサンプルが55%の脱
アセチル化を必要とするのと比較して、約25%の脱アセチル化でのHOCRR
’SO3Naを用いた処理で溶解性を示し始めることが予想されるであろう。
【0033】 本発明は、また、縮合生成物を調製するための方法であって: 式K及びLのモノマー単位をそれぞれ割合k及びlで含むキトサンを再アセチ
ル化して、k/(k+l)が75%未満か又はそれに等しい物質を与え、そして 上で定義したような亜硫酸塩付加化合物又はその前駆体を含有する溶液と反応
させることを含む方法を包含する。
【0034】 この方法により、
【0035】
【式11】
【0036】 :のポリマーを生成することができ、そのポリマーは中性pHの水中で溶解でき
る重亜硫酸塩縮合生成物の調製に適する出発原料である。 キトサン縮合生成物Chit−NH−CH2SO3Naを生成するために使用するこ
とができる別の経路は、そのカルボン酸等価物、すなわちChit−NH−CH2
OONaを生成するのに使用される反応に類似する手法を利用する:
【0037】
【化6】
【0038】 本発明の溶液は、天然及び人工の他の水溶性陰イオン高分子電解質と混合して
もよい。これらの例には、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム、カラゲナン、セルロース硫酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、デ
ルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、ペクチ
ン、ポリ(アクリル酸ナトリウム)及びポリ(メタクリル酸ナトリウム)がある
。結果としてできる混合溶液は、これも本発明の一部を形成するが、それ自身安
定である。縮合生成物又はポリマーの他の水溶性陰イオン高分子電解質に対する
割合は重量基準で5:1〜1:5であるが、必要とされるあらゆる他の比の組合
せも容易に得ることができる。好ましい他の水溶性陰イオン高分子電解質はアル
ギン酸ナトリウムである。
【0039】 キトサンとアルギン酸塩(水溶性の陰イオン高分子電解質)との混合物は、例
えば、US5,836,970(Pandit / The Kendall Company)及びWO99
/01166(Coloplast A/S)など先に開示されている。しかし、これらのア
プローチはどちらもキトサンを陽イオン高分子電解質の形態で使用しており、そ
の形態では、キトサンは陰イオンのアルギン酸塩とすぐに相互作用して不溶性の
高分子電解質複合体を与える。従って、これらの参考文献に従って得られた生成
物は、二成分の「不均一混合物」からなるものであり、連続相が全くないか、又
はそれら成分のうち一方が連続相を形成し、第二成分がこの連続相中に懸濁され
た粒子の形態で存在するかのどちらかである。高分子電解質複合体の層は、それ
ら二成分の境界の各々において形成される。粒子サイズは混合処理の厳格さに依
存するが、どちらの成分が連続相を形成するかは、とりわけ各々の相対的な割合
とそれらの分子量に依存する。
【0040】 このことは本発明に従ってブレンドされた溶液と対照をなすものであり、なぜ
ならこれらの両方の成分は、分子レベルにおいてよく混合された「均一なブレン
ド」の形態で連続相で存在するからである。本発明の方法を用いてキトサン/ア
ルギン酸塩混合物からキャストされたフィルムは曇りがなく、視覚的に均質であ
るが、一方US5,863,970に記載された方法を用いてキャストされたも
のはモザイク様の外観を有する。外観の違いは、裸眼で明瞭に識別できるが、第
二成分中に埋め込まれた一方の成分の「島」から構成される後者のフィルムの不
均一な構造によるものであり、「島」とマトリックスとの間の界面における高分
子電解質複合体膜のためである。
【0041】 混合溶液は、それら自身がキトサン(縮合生成物としてか又はそれ自体として
、以下を参照のこと)及びアルギン酸塩(又は他の水溶性陰イオン高分子電解質
)を分子レベルでよく混合された「均一なブレンド」の形態で連続相で含有する
フィルム、繊維、パウダー、スポンジ、フォーム及びゲル製造のための慣用的な
方法に使用することができる。構造の違いは、異なる方法により製造されたフィ
ルムでは裸眼で明瞭に分かり、また種々の科学的手法により証明することもでき
る。本発明に従って生成されたブレンドの均質な性質のため、それらから製造さ
れたフィルム及び繊維は、より大きい機械的強さと柔軟性とをより大きい光学的
明瞭さと共に有する。
【0042】 他のいずれかの物質と混合されていない本発明に従った溶液からも、フィルム
、繊維、パウダー、スポンジ、フォーム及びゲルを製造することができ;そのよ
うなフィルム、繊維、パウダー、スポンジ、フォーム及びゲルはキトサン(縮合
生成物としてか又はそれ自体として、以下を参照のこと)しか含有しないことに
銘記すべきである。
【0043】 本発明の縮合生成物を酸又はアルカリで処理することにより、キトサンの再生
が可能となる。縮合生成物が上で説明したフィルム、繊維、パウダー、スポンジ
、フォーム及びゲルを形成した場合でさえも同様である。実際に、フィルム、繊
維、パウダー、スポンジ、フォーム及びゲルに関してそれらの製造中か又はその
後に再生処理を行うことができる。
【0044】 キトサン/アルギン酸塩又は他のキトサン/陰イオン高分子電解質ブレンドの
ような生体高分子ブレンドをつくるための別の経路は、ビスコースレーヨン法を
使用して、陰イオンでありそれ故に別の陰イオン高分子電解質と混合したとき高
分子電解質複合体を形成しないキサントゲン酸キトサンを製造する。キトサンは
酸を用いた処理によりキサントゲン酸キトサンから再生することができる。
【0045】 好ましい態様においては、本発明は、ポリマーブレンドを製造する方法であっ
て: これまでに定義した水溶液をアルギン酸塩と5:1〜1:5の範囲の重量比で
ブレンドし、 そのように製造されたポリマーブレンドを、キトサン又はその塩を再生するた
めに酸又はアルカリで処理する工程を含む方法も供給する。
【0046】 本発明の縮合生成物の中性pHの水中における溶解性は、キトサンをキチン/
炭酸カルシウム混合物、例えば、海産食物産業からの甲殻類外骨格加工廃棄物か
ら抽出することも可能とする。その抽出法は、前記キチン/炭酸カルシウム混合
物中のキチンを脱アセチル化し、結果として生ずるキトサン/炭酸カルシウム混
合物をこれまでに定義した亜硫酸塩付加化合物のナトリウム塩又はそのような付
加化合物の前駆体を含有する溶液でスラリーにして、溶けていない固体をその溶
液から取り除くことを含む。その溶液を水溶性の有機溶媒と混ぜて、キトサン縮
合生成物を沈殿させることができ、その沈殿を収集し、洗浄して乾燥することが
できる。別法として、溶液のpHを上げて、キトサンを元に戻して沈殿させ、そ
の後収集し、水で洗浄して乾燥してもよい。これらの方法は、本発明の範囲内で
あるが、塩化カルシウム排出物の生成を避ける。
【0047】 広い範囲の実行可能な物理的形態により、本発明のキトサン生成物について広
い範囲の使用、特に生物医学的な使用が可能となる。これらには、けが・火傷用
包帯、医薬賦形剤、経皮徐放薬用パッチ、縫合とそのための剤皮(coating)、
骨用リン酸カルシウムセメントのための補助的薬剤、組織工学用途のための足場
材(scaffold material)、慣用的な医療用具、外科用癒着バリヤ、歯周病治療
、及びカテーテルを入れた後の動脈穿刺部位の封止のための医療用具材料又はコ
ーティングが含まれる。他の可能性のある非医学的用途は、食物・飲料産業にお
いて、例えば保存料、安定剤及び水和調節コーティングとして、コスメチック及
びトイレタリーの製造において、農業において種子処理として及び農薬として、
並びに水処理において、特に重金属イオン抽出のため、及び分離処理において使
用するための膜としてみられる。
【0048】 本発明の具体的な説明 本発明を以下の実施例により説明する。 実施例1 キトサン縮合生成物の調製 プロウン・シェル(prawn shell)から生成され脱アセチル化のレベルがおよ
そ72%である高分子量(4.3×105)のキトサン2gを、HOCH2SO3
Na(ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム)2gを含有する蒸留水100ml
中室温でマグネチックスターラーで撹拌しながらスラリーにして、ホルムアルデ
ヒド重亜硫酸ナトリウム:アミン基当量のモル比を1.8:1とした。キトサン
を3〜4時間かけて溶解して、澄んでいて滑らかに流れる溶液を得た。
【0049】 実施例2 キトサン縮合生成物の調製 実施例1において使用したものと同じキトサン2gを、ホルムアルデヒド重亜
硫酸ナトリウムの前駆体としてホルムアルデヒドの30%溶液2mlとNa225(メタ重亜硫酸ナトリウム)2.1gとを含有する蒸留水100ml中、室
温でマグネチックスターラーで撹拌しながらスラリーにして、ホルムアルデヒド
重亜硫酸ナトリウム:アミン基当量のモル比を2.4:1とした。キトサンを3
〜4時間かけて溶解して、澄んでいて滑らかに流れる溶液を得た。
【0050】 実施例2A キトサン縮合生成物の製造 実施例1及び2において使用したものと同じキトサン6.5gを、HOCH2
SO3Na12.6gを含有する80%メタノール中、25℃で4時間スラリー
にした。固体を濾過して除き、80%メタノール中ですすいで未反応のHOCH 2 SO3Naを取り除き、再びメタノール中ですすいでから真空下60℃で乾燥し
て、中性pHの水中に容易に溶解する細かい白色パウダーを得た。
【0051】 実施例3 キトサン/アルギン酸ナトリウムフィルム及びキトサン/カラゲナンフィルム
の製造 1%酸水溶液中のキトサンの溶液に濃縮したNH4OHを添加することにより
調製した、脱アセチル化度82%、分子量8.2×104である再沈殿させたキ
トサン2gを、HOCH2SO3Na2gを含有する蒸留水100ml中室温でス
ラリーにし、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム:アミン基当量のモル比を1
.5:1とした。得られる溶液の別々のアリコート(10ml)を、次いで、ア
ルギン酸ナトリウム2%(w/v)水溶液10ml及びカラゲナン2%(w/v
)水溶液10mlとそれぞれ混ぜた。キトサン縮合生成物/カラゲナンブレンド
溶液の場合、混合を40℃で行って、カラゲナン溶液が確実にそのゲル化温度を
越えるようにした。ブレンドした溶液からフィルムをキャストし空気乾燥した。
次いで、フィルムを0.5%Na2CO3を含有する80%エタノール水溶液中に
浸漬して、キトサンを再生し、80%エタノール水溶液中で洗浄し乾燥して、個
々のポリマー溶液からキャストされたフィルムと同様の透明度を有する、丈夫で
可撓性のあるブレンドフィルムを得た。
【0052】 実施例4 キトサン/アルギン酸ナトリウムフィルム及びキトサン/カラゲナンフィルム
の製造 再沈殿させたキトサン2gと実施例2において説明した溶液法を用いて実施例
3を繰り返した。キトサンを再生した後、ブレンドフィルムは実施例3で製造し
たフィルムと同様の物理的特徴を持っていた。
【0053】 実施例5 キトサン縮合生成物の固体としての単離 実施例3で説明したように製造したキトサンの溶液をアセトン中に注いで、キ
トサン縮合生成物を沈殿させた。これを収集し、70%エタノール水溶液で洗浄
してから、60℃真空下で乾燥した。単離したキトサン縮合生成物を、封をした
容器に室温で15ヶ月までの期間貯蔵した。全ての貯蔵サンプルは貯蔵期間中相
変わらずすぐに溶解するものであった。単離したキトサン縮合生成物から調製し
た溶液も15ヶ月までの期間室温で貯蔵したが、細菌汚染の影響はなかった。
【0054】 実施例6 キトサン縮合生成物の固体としての単離 実施例4で説明したように調製したキトサン溶液をアセトンに注いで、キトサ
ン縮合生成物を沈殿させた。沈殿物を実施例5で説明したように収集し、乾燥さ
せ洗浄して、単離したキトサン縮合生成物を得た。それは実施例5で製造したも
のとは見分けがつかないものであった。
【0055】 実施例7 キトサン縮合生成物/アルギン酸ナトリウムフィルム及びキトサン縮合生成物
/カラゲナンフィルムの製造 実施例3で調製した再沈殿したキトサンサンプル2gを、HOCH2SO3Na
2gを含有する70%エタノール水溶液中で2時間かけてスラリーにし、次いで
更に70%エタノール水溶液ですすいで乾燥した。二部(各々0.3g)の乾燥
したキトサン縮合生成物を10mlアリコートの蒸留水に溶解して、アルギン酸
ナトリウムの2%(w/v)水溶液10ml及びカラゲナンの2%(w/v)水
溶液10mlに別々に混ぜた。キトサン縮合生成物/カラゲナンブレンド溶液の
場合、混合を40℃で行って、カラゲナン溶液が確実にそのゲル化温度を越える
ようにした。ブレンドした溶液からフィルムをキャストして空気乾燥した。製造
したフィルムは丈夫で、可撓性があり透明であった。
【0056】 実施例8 キトサン縮合生成物/アルギン酸ナトリウムフィルム及びキトサン縮合生成物
/カラゲナンフィルムの製造 HOCH2SO3Naの前駆体として30%ホルムアルデヒド溶液2mlとNa 225(メタ重亜硫酸ナトリウム)2.1gとを含有する70%エタノール水
溶液を使用したほかは、実施例7を繰り返した。ブレンドフィルムは実施例7で
製造したフィルムと同様の物理的特徴であった。
【0057】 実施例9 キトサン/アルギン酸ナトリウム/カルボキシメチルセルロースナトリウムフ
ィルムの製造 実施例5で説明したように調製したキトサン縮合生成物4gを100mlの蒸
留水中に溶解した。その溶液の10mlアリコートを、カルボキシメチルセルロ
ース2%(w/v)とアルギン酸ナトリウム2%(w/v)とを含有する溶液の
10mlアリコートと混ぜて、混合した溶液からフィルムをキャストした。乾燥
したフィルムを0.5%NaOHを含有する80%エタノール水溶液中に浸して
キトサンを再生し、80%エタノール水溶液中で中性になるまで洗浄し、乾燥し
て、丈夫で、可撓性があり、透明なブレンドフィルムを与えた。
【0058】 実施例10 キトサン/アルギン酸ナトリウム繊維の製造 蒸留水100ml中に実施例5で説明したように調製したキトサン縮合生成物
10gを含有する溶液を、蒸留水100ml中にアルギン酸ナトリウム10gを
含有する等しい体積の溶液と混ぜた。濃縮した溶液を細かいノズルを通して10
%CaCl2水溶液の浴中に押し出した。形成されたフィラメントを蒸留水で洗
浄し、2%NaOH水溶液で処理し、50%エタノール水溶液ですすぎ、乾燥さ
せて強い繊維状の生成物を与えた。
【0059】 実施例11 キトサン/アルギン酸ナトリウムのスポンジマットの製造 実施例5で説明したように調製したキトサン縮合生成物を2%(w/v)とア
ルギン酸ナトリウムを2%(w/v)含有する溶液を、凍結させてから昇華によ
り水を除去して(凍結乾燥)、スポンジマットの形態の完全に混合されたポリマ
ーブレンドを与えた。マットを0.5%NaOHで処理してから50%エタノー
ル水溶液ですすいで、物理的構造を損失することなくキトサン/アルギン酸ナト
リウムマットに転化した。
【0060】 実施例12 キトサン/アルギン酸ナトリウムブレンドの製造 脱アセチル化度82%、分子量5.3×104の再沈殿したキトサン10gを
、過剰な30%(重量/重量)NaOH中に2時間浸し、圧搾することにより余
剰のアルカリを除去してアルカリキトサン37.5gを与えた。アルカリキトサ
ンをちぎってから、封をした容器中でCS220mlと混ぜて、室温で18時間
そのままにした。次いで、橙色のキサントゲン酸キトサンナトリウムを最小量の
NaOHを含有する水中に溶解して、キサントゲン酸キトサンナトリウムの4%
(重量/体積)溶液を与えた。この溶液の25mlアリコートを水中アルギン酸
ナトリウムの2%(重量/体積)溶液25mlと混ぜて、混合物からフィルムを
キャストした。空気乾燥後、フィルムを4%H2SO4を含有する75%エタノー
ル水溶液中に浸し、次いで、1%Na2CO3を含有する75%エタノール水溶液
中に浸し、75%エタノール水溶液中ですすぎ、空気乾燥して、丈夫で可撓性の
ある透明なフィルムの形態の均質なキトサン/アルギン酸ナトリウムブレンドを
得た。
【0061】 実施例13 ホルムアルデヒド重亜硫酸塩ナトリウムを用いたキトサン縮合生成物の調製 脱アセチル化度92%で分子量1.5×105の微晶質キトサン2gを、HO
CH2SO3K(ホルムアルデヒド重亜硫酸カリウム)3gを含有する蒸留水10
0ml中25℃でスラリーにして、1.8:1(およそ)のホルムアルデヒド重
亜硫酸カリウム:アミン基当量のモル比を与えた。キトサンを5−6時間かけて
徐々に溶解して、澄んでいて滑らかに流れる溶液を得た。
【0062】 実施例14 アセトン重亜硫酸ナトリウムを用いたキトサン縮合生成物の調製 脱アセチル化度92%で分子量1.5×105の微晶質キトサン2gを、HO
C(CH32SO3Na(アセトン重亜硫酸ナトリウム)3.25gを含有する
蒸留水100ml中25℃でスラリーにして、1.8:1(およそ)のアセトン
重亜硫酸ナトリウム:アミン基当量のモル比を与えた。キトサンを5−6時間か
けて徐々に溶解して、澄んでいて滑らかに流れる溶液を得た。
【0063】 実施例15 キトサンの溶解性に関するキトサン組成物の範囲 ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムを用いたキトサンの溶解性に関する組成
物範囲を、二つの範囲のキトサンを使用して検討した。第一の範囲はシュリンプ
・キチンの不均一脱アセチル化により調製し、48.5%〜100%の脱アセチ
ル化度範囲に及んだ。サンプルを、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム4gを
含有する50%水/50%エタノール100ml中で一晩スラリーにし、ろ過し
、50:50の水:エタノール中ですすいでから、蒸留水中で4時間かき回して
、溶解性を測定した。溶解性の結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】 これらの結果は、脱アセチル化度55%が、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリ
ウムを用いて溶解性のある生成物を与える最も低いレベルの脱アセチル化度であ
ること、又は代わりに、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムでの処理で溶解性
生成物を得ようとする場合に、45%が不均一に調製されたキトサンサンプルに
おいて許容される最も高い残余−NHCOCH3単位のレベルであることを示唆
している。
【0066】 第二のシリーズは、予め不均一にアミン基91.5%(残余−NHCOCH3
単位8.5%)まで脱アセチル化したキトサンサンプルの均一な再−N−アセチ
ル化により生成した。サンプルをホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムの水溶液
(5%w/v)中で一晩かき回して、溶解性を測定した。溶解性の結果を表2に
示す。表2中、キトサン組成物は、調製経路を反映するため脱アセチル化のパー
セントではなくアセチル化のパーセントで示した。
【0067】
【表2】
【0068】 これらの結果は、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムでの処理で溶解性のあ
る生成物を得ようとする場合に、N−アセチル化レベル75%が、均一に調製さ
れたキトサンサンプルにおいて許容される最も高いN−アセチル化レベルである
ことを示唆している。不均一に調製されたサンプルについては脱アセチル化度5
5%が要求されるのに対し、キチンの均一な脱アセチル化により調製されたサン
プルは、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムでの処理で脱アセチル化度約25
%において溶解性を示し始めるということが予測される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/38 A61K 47/38 A61L 15/64 A61L 27/00 C 26/00 C08B 5/14 27/00 11/12 33/00 37/04 C08B 5/14 37/10 11/12 C08J 5/18 CEP 37/04 C08L 5:00 37/10 A61L 15/04 C08J 5/18 CEP 25/00 Z // C08L 5:00 33/00 T (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C076 AA36 AA71 BB01 BB31 EE09F EE36A EE37A EE41A FF01 FF04 FF31 FF32 4C081 AA01 AA12 AA13 AB19 AC01 BA02 CA082 CD012 CD022 CD042 CD052 CD072 CD082 CD092 CD112 DA01 DA02 DA05 DA12 4C090 AA02 AA05 AA08 AA09 AA10 BA29 BA34 BA47 BA61 BA66 BA67 BA72 BD03 BD11 CA40 CA41 DA21 DA22 DA23 DA24 DA26 DA27 4F071 AA08 AA81 AF52 AH19 BB02 BC01

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キトサンと式HOCRR’SO3A (式中、R及びR’の各々は独立して水素原子であるか、又は、Rは水素原子
    であり、R’は、場合により置換された直鎖若しくは分枝の飽和若しくは不飽和
    の10個までの炭素原子を有する炭化水素基か若しくは、場合により置換された
    、脂環式、芳香族炭素環式若しくは複素環式の環であるか、又は、RはCH3
    であり、R’は場合により置換された第一級アルキル基であるか、又は、R及び
    R’は共に場合により置換された脂環式若しくは複素環式の環であり、そして Aはアルカリ金属又はアンモニウムイオンである) を有する亜硫酸塩付加化合物との縮合生成物であって、 中性pHの水中で安定な陰イオン高分子電解質溶液を形成する縮合生成物。
  2. 【請求項2】 Aがナトリウムイオンである、請求項1記載の縮合生成物。
  3. 【請求項3】 R及びR’が共に水素原子である、請求項1又は2に記載の縮
    合生成物。
  4. 【請求項4】 固体として単離された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    縮合生成物。
  5. 【請求項5】 式K,L,M及びN: 【化1】 (式中、R及びR’の各々は独立して水素原子であるか、又は、Rは水素原子
    であり、R’は、場合により置換された直鎖若しくは分枝の飽和若しくは不飽和
    の10個までの炭素原子を有する炭化水素基か若しくは、場合により置換された
    、脂環式、芳香族炭素環式若しくは複素環式の環であるか、又は、RはCH3
    であり、R’は場合により置換された第一級アルキル基であるか、又は、R及び
    R’は共に場合により置換された脂環式若しくは複素環式の環であり、そして Aはアルカリ金属又はアンモニウムイオンである) のモノマー単位をそれぞれ割合k,l,m及びnで含むポリマーであって、 該割合が比: 【式1】 であるようなポリマー。
  6. 【請求項6】 Aがナトリウムイオンである、請求項5記載のポリマー。
  7. 【請求項7】 【式2】 である、請求項5又は6に記載のポリマー。
  8. 【請求項8】 【式3】 である、請求項7記載のポリマー。
  9. 【請求項9】 【式4】 である、請求項5〜8のいずれか1項に記載のポリマー。
  10. 【請求項10】 固体として単離された、請求項5〜9のいずれか1項に記載
    のポリマー。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の縮合生成物の水溶液。
  12. 【請求項12】 請求項5〜9のいずれか1項に記載のポリマーの水溶液。
  13. 【請求項13】 更に、一以上の他の水溶性陰イオン高分子電解質を含有する
    、請求項10〜12のいずれか1項に記載の水溶液。
  14. 【請求項14】 一以上の他の水溶性陰イオン高分子電解質が、アルギン酸ナ
    トリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラゲナン、セルロース硫
    酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン
    、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、ペクチン、ポリ(アクリル酸ナトリウム)及び
    ポリ(メタクリル酸ナトリウム)から選択される、請求項13記載の水溶液。
  15. 【請求項15】 更に一以上の水溶性タンパク質を含有する、請求項10〜1
    4のいずれか1項に記載の水溶液。
  16. 【請求項16】 一以上の水溶性タンパク質がコラーゲン及びゼラチンから選
    択される、請求項15記載の水溶液。
  17. 【請求項17】 請求項10〜16のいずれか1項に記載の溶液から製造され
    たフィルム、繊維、パウダー、スポンジ、フォーム又はゲル。
  18. 【請求項18】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の縮合生成物を酸又はア
    ルカリで処理することにより、該縮合生成物から再生されたキトサン。
  19. 【請求項19】 請求項5〜9のいずれか1項に記載のポリマーを酸又はアル
    カリで処理することにより、該ポリマーから再生されたキトサン。
  20. 【請求項20】 酸又はアルカリで処理され、その中に含まれる縮合生成物か
    らキトサンを再生した、請求項17記載のフィルム、繊維、パウダー、スポンジ
    、フォーム又はゲル。
  21. 【請求項21】 酸又はアルカリで処理され、その中に含まれるポリマーから
    キトサンを再生した、請求項17記載のフィルム、繊維、パウダー、スポンジ、
    フォーム又はゲル。
  22. 【請求項22】 処理が、フィルム、繊維、パウダー、スポンジ、フォーム又
    はゲルの製造の間に行われる、請求項20又は21に記載のフィルム、繊維、パ
    ウダー、スポンジ、フォーム又はゲル。
  23. 【請求項23】 処理が、フィルム、繊維、パウダー、スポンジ、フォーム又
    はゲルの製造の後に行われる、請求項20又は21に記載のフィルム、繊維、パ
    ウダー、スポンジ、フォーム又はゲル。
  24. 【請求項24】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の縮合生成物の製造方法
    であって、キトサンを請求項1に定義する亜硫酸塩付加化合物の溶液でスラリー
    にすることを含む方法。
  25. 【請求項25】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の縮合生成物の製造方法
    であって、キトサンを請求項1に定義する亜硫酸塩付加化合物の前駆体を含有す
    る溶液でスラリーにすることを含む方法。
  26. 【請求項26】 前駆体がメタ重亜硫酸ナトリウム(Na225)及び式R
    R’COのアルデヒド/ケトン(式中、R及びR’は請求項1で定義したとおり
    )である、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 キトサンアミン基当量当たり0.5〜3.5モルの亜硫酸塩
    付加化合物が使用される、請求項24〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 【請求項28】 キトサンアミン基当量当たり1〜2モルの亜硫酸塩付加化合
    物が使用される、請求項24〜26のいずれか1項に記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項10記載の水溶液を水混和性の有機溶媒と混ぜ、結果
    として生ずる沈殿物を収集して乾燥することを含む、請求項4記載の縮合生成物
    の製造方法。
  30. 【請求項30】 ポリマーブレンドの製造方法であって、 請求項11又は請求項12記載の水溶液をアルギン酸塩と5:1〜1:5の重
    量比でブレンドし、そして そうして製造された該ポリマーブレンドを酸又はアルカリで処理して、キトサ
    ン又はその塩を再生する工程を含む方法。
  31. 【請求項31】 キチン/炭酸カルシウム混合物からキトサンを抽出する方法
    であって、 前記キチン/炭酸カルシウム混合物を脱アセチル化し、結果として生ずるキト
    サン/炭酸カルシウム混合物を請求項1に定義する亜硫酸塩付加化合物又はその
    ような付加化合物の前駆体を含有する溶液でスラリーにし、溶けていない固体を
    該溶液から取り除き、該溶液を酸又はアルカリで処理してキトサンを再生し沈殿
    させて、結果として生ずる沈殿物を収集し乾燥することを含む方法。
  32. 【請求項32】 キチン/炭酸カルシウム混合物から請求項1〜3のいずれか
    1項に記載する縮合生成物を製造する方法であって、 前記キチン/炭酸カルシウム混合物を脱アセチル化し、結果として生ずるキト
    サン/炭酸カルシウム混合物を請求項1に定義する亜硫酸塩付加化合物又はその
    ような付加化合物の前駆体を含有する溶液でスラリーにし、溶けていない固体を
    該溶液から取り除き、該溶液を水混和性の有機溶媒と混ぜ、結果として生ずる沈
    殿物を収集し乾燥することを含む方法。
  33. 【請求項33】 請求項1〜3のいずれか1項に記載する縮合生成物を製造す
    る方法であって、 式K及びL: 【化2】 のモノマー単位をそれぞれ割合k及びlで含むキトサンを再アセチル化して、k
    /(k+l)が75%未満かそれに等しい物質を与え、そして 請求項1〜3のいずれか1項に定義する亜硫酸塩付加化合物又はその前駆体を
    含有する溶液を反応させることを含む方法。
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