JP2003522681A - 周辺溝により補強した非円筒形の本体を有するプラスチック容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、非円筒形の循環状の壁を備えた本体（２）を有するプラスチック容器、特にプラスチックボトルを改良し、これらを補強して、圧縮力を被ったときに容器断面の変形を回避することを目的とする。壁の少なくとも一部は、ほぼ平面の凹凸を有する。壁は、容器の長手方向の軸（Ｘ）にほぼ垂直な面に沿って配向された周辺溝（２６、２７、２８、２９、３０）により補強されており、ほぼ平面の凹凸を有する部分を複数の溝が通る。本発明によれば、ほぼ平面の凹凸を有する壁部分を通る各溝の幅が可変であり、前記各溝の幅の変化は、各溝が前記壁部分に至る通路部分（Ｌ２）よりも、各溝の横断箇所の中央部（Ｌ１）の方が広幅であるように構成される。本発明は、特に大容量ボトルを補強するために使用される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、非円筒形の循環状本体が、周辺溝からなる補強手段により補強され
るプラスチック容器の改良に関する。本発明は、小瓶の場合のように、ほぼ平面
の凹凸を有する少なくとも一つの壁部分を本体が備えた、あらゆるタイプの容器
に適用可能である。さらに、本発明は、本体がほぼ四辺形の断面を有し、角が丸
みを帯びており、いわゆる炭酸を含まない中身、すなわち内部圧のない中身を収
容するためのボトルに特に適用される。

【０００２】 本出願の本文全体において、容器または、容器の様々な部分の相対的な空間位
置に関する用語は、容器を立てているとき、すなわち長手方向の軸に沿って容器
を垂直に配向し、底が低いほう、首部が高いほうにあるときのものと理解する。
そのため、これは、排他的ではないが特に、上で、下で、下部、上部、高部、低
部、垂直、水平等の表現に相当する。

【０００３】 プラスチック容器は、ますます軽量化されてきており、これは、長手方向なら
びに横方向に容器の適正な力学耐性を得るために数々の問題を発生する。

【０００４】 たとえば、主に蓋を開けたあとで容器を手に取ると、容器はつぶれる傾向があ
り、これによって中身が液体である場合は特に、飛び出してしまうおそれがある
。

【０００５】 容器が閉じられている場合は、保管または輸送中に互いに上下に重ねたとき、
圧縮力が発生する。容器の壁に十分な剛性がない場合、そのことから、各容器の
本体の断面が他の容器を支持することによって広がる傾向が生じる。これは、容
器の上に及ぼされる圧力が容器のショルダをへこませ、容器の内部圧を上昇させ
て、内壁に影響を及ぼすためである。容器が互いに並置されている場合、断面が
広がることから、２個の隣接容器の間に過度の応力が及ぼされるおそれがあり、
たとえばスタンピングによる相互劣化を招くことがある。

【０００６】 本体の周辺に一連の補強溝を含む容器を構成することにより、上記の欠点は部
分的に解決された。しかしながら、この解決方法は、蓋を開けた後で容器を取り
扱う場合や容器が重なっている場合、本体が円筒の断面形をもつ容器に対しては
ほぼ申し分のないものであるとしても、本体断面がほぼ四辺形で角が丸みを帯び
ている容器のように、本体の少なくとも一部の壁がほぼ平面の凹凸を有する容器
に対しては、特にそれらが積み重ねられているときは、十分な満足が得られない
。こうした場合、２個の隣り合う溝の間に含まれる平面壁部分が外側に変形し、
断面が著しく広がってしまうことが時としてある。

【０００７】 この現象は、容器の内部容積が大きいほど（数リットル）、および／または容
器の中身が及ぼす静水圧が高いほど顕著である。事実、容器の壁の断面を広げる
傾向がある静水圧その他による力が発生すると、この力は、平面帯状部分または
ほぼ平面の帯状部分の、縁よりも中心にいっそう及ぼされる傾向がある。これに
より、２個の隣り合う溝の間に含まれる壁部分が外側に変形し、公知の容器では
この変形が観察される。

【０００８】 本発明は、上記の欠点を解消することを目的とする。

【０００９】 本発明によれば、長手方向の軸に沿って配向された本体を備え、この軸を囲む
非円筒形の循環状の壁を有するプラスチック容器であって、壁が、前記長手方向
の軸にほぼ垂直な面に沿って配向された周辺溝により補強され、前記壁の少なく
とも一部が、ほぼ平面の凹凸を有し、複数の溝が通っているプラスチック容器に
おいて、ほぼ平面の凹凸を有する壁部分を通る各溝の幅が可変であり、前記各溝
の幅の変化は、各溝が前記壁部分の中への通路部分よりも、各溝における横断箇
所の中央部の方が広幅であるように構成されることを特徴とする。

【００１０】 この特別な構造により、２個の隣り合う溝の間に含まれるほぼ平面の壁部分が
外側に著しく変形しないようにすることができる。

【００１１】 別の特徴によれば、前記長手方向の軸にほぼ垂直に配向された平面で、ほぼ平
面の凹凸を有する壁部分を通る溝の底が、少なくとも横断箇所に沿って、凹面が
壁の外側に向いた湾曲した輪郭を有する。

【００１２】 この特別の形状により、溝の底の剛性をより高め、応力を何度も受けるときに
被る変形を制限することができる。

【００１３】 別の特徴によれば、溝の壁が湾曲した輪郭を有する。

【００１４】 かくして、圧力、衝撃または他の現象により、束縛の効果のもとで破壊されう
る角張った帯状部分を形成しないようにする。

【００１５】 本発明の他の特徴および長所は、図面の説明を読めば、明らかになるであろう
。

【００１６】 図１から５に示した長手方向の軸Ｘをもつボトルは、首部１、本体２、底３お
よび、本体と首部との間でショルダ４と呼ばれる中間部分を含む。

【００１７】 周知のように、図示された例では、首部が、ねじ切りキャップをねじ留め可能
にするねじ山５で終わっている。

【００１８】 図示された例では、ボトルの本体２が、ほぼ四辺形の断面を有し、この例では
正方形で、角が丸みを帯びているので、本体の壁は、ほぼ平面のパネル形の部分
から構成されている。図３では、そのうちの２個のパネル２１、２２が示されて
おり、それらは丸みを帯びた角部分で互いに結合されている。同じく、図３では
、そのうちの三つの角２３、２４、２５が示されている。

【００１９】 特に図１から３に示されているように、壁は、周辺溝２６、２７、２８、２９
、３０によって補強されており、周辺溝は全て、長手方向の軸に垂直な面に沿っ
てほぼ配向されている。従って、各溝は、ほぼ平面の各パネル２１、２２と、丸
みを帯びた角部分２３、２４、２５とを横断しながら本体を取り巻いている。そ
の結果、壁は、丸みを帯びた角を有するほぼ四辺形の前記の断面を備えた壁区間
３１、３２、３３、３４、３５、３６と、周辺溝とを垂直方向に、交互に配置し
て構成されている。

【００２０】 本発明によれば、周辺溝は、少なくとも、ほぼ平面の凹凸を有する壁部分を溝
が横断する箇所で幅が変化する。図示したボトルの場合、幅が変化するのは、少
なくとも各パネル２１、２２を周辺溝が横切る横断箇所においてであり、各溝の
幅の変化は、パネルの中の各溝の通路よりも各溝が横切る横断箇所の中央部で広
幅である。

【００２１】 従って、４個の平面パネルを含む図１から７に示したボトルの場合、各溝の幅
が、少なくとも４回変化する。

【００２２】 さらに、ほぼ平面のパネル側でボトルを示した立面図である図１を参照すると
、たとえば、パネルを溝が横断する箇所の中央部で溝２６の幅がＬ１であり、前
記パネルの中への通路での各溝の幅Ｌ２よりも広いことが分かる。

【００２３】 他の溝は、それぞれ同じ特徴を有するので、溝により画定される区間３１、３
２、３３、３４、３５、３６の平面部分の幅は、溝の幅が広い部分では狭く、ま
た溝の幅が狭い部分では広い。

【００２４】 換言すれば、前記ほぼ平面の壁部分、図示されたボトルの場合はパネルである
が、これを横切る２個の隣り合う溝は、パネル区間により分離され、パネル区間
の幅は、溝の幅とは反対に変化する。すなわち、パネル区間は、溝の通路部分で
は、中央部の側よりも側面部分の側で広幅になる。言い換えれば、隣接する２個
の溝は、溝がパネルの中への通路部分よりも溝がパネルを横切る箇所の中央部で
互いに接近する。

【００２５】 こうした特別な特徴により、２個の隣り合う溝の間に含まれるほぼ平面の壁部
分が外側に著しく変形しないようにすることができる。これは、特に次のように
行われる。

【００２６】 平面帯状部分、ここではパネル区間３１、３２、３３、３４、３５、３６は、
横断箇所の中央部で幅が狭くなるので応力に対して限られた面積を提供し、一方
、この場所で溝２６、２７、２８、２９、３０の底が提供する面積はそれよりも
広い。その結果、溝の底が変形応力を引き受ける。溝の底は、変形するが、その
変形は、溝の両側に配置される平面帯状部分を通る面を越えない。

【００２７】 縁、従って溝の通路部分では、２個の連続溝間で平面帯状部分が提供する面積
が広く、こうした縁すなわち溝の通路部分で変形がないのは、この場所に存在す
る応力が少ないことと、前記平面帯状部分の両側で溝の縁が支持効果を得ること
とによって一部説明される。

【００２８】 図示された例では、連続溝の幅の変化が全て同じであり、寸法も類似または同
じになっている。しかしながら、同一性は必要ではなく、最も重要なことは、溝
が平面部分を通過する箇所の中央部で、各溝の幅を広くし、一区間の各平面部分
の幅を最小にすることにある。

【００２９】 特に図２、３に示された実施形態では、溝の幅が減少し続け、丸みを帯びた角
部分２３を溝が横断する箇所の中央部で値Ｌ２よりも小さい値Ｌ３に達している
ことが分かる。しかし、この構成もまた必要不可欠というわけではなく、溝の幅
は、こうした横断時に一定に留まって値Ｌ２を保持し続けるようにしてもよい。

【００３０】 各溝の壁の輪郭は、曲線または蛇行の繰り返しから構成される。かくして、破
砕を導く帯状部分と同様に、鋭角が形成されないようにすることができる。

【００３１】 図１のＡＡ線による断面図である図４では、パネル２１、３７の中央における
溝の底がパネルの破線で示した平面Ｐ１、Ｐ２から十分に離れているために、溝
が応力を何度も受けて溝の底を外側に押しやる力がかかっても、変形によって底
が平面Ｐ１、Ｐ２という境界を出ることは殆どないことが分かる。

【００３２】 図２のＢＢ線による断面図である図５は、丸みを帯びた角の正面で溝の幅が狭
いことを示している。だが、この場所では、応力が一般に中央部よりも小さいの
で、このレベルで断面が広がるおそれは殆どない。

【００３３】 図１のＣＣ線による断面図であって、すなわち溝２９の底の中央断面図である
図６は、溝の底の輪郭を表すのに好適な実施形態を示しており、溝の剛性を最大
にし、応力を受けるときに被る変形を制限することができる。この実施形態によ
れば、溝底の長手方向の軸Ｘにほぼ垂直な配向面における投影が、少なくともほ
ぼ平面であるパネル形部分の横断箇所に沿って、凹部が壁の外側に向いた曲線の
輪郭をとっている。

【００３４】 さらに図１のＤＤ線による断面図である図７は、丸みを帯びた角と平面部分と
を備え、上記のように断面がほぼ四辺形である壁区間３３の中央断面図である。

【００３５】 本発明によるボトルは、前記ブロー射出成形方法、すなわち、予め射出により
得られたプラスチック材料のプリフォームを熱調整し、次いで、ブロー成形と延
伸とを交互に実施し、その後、仕上げ金型でブロー成形することにより得られる
。

【００３６】 ボトルは、また、筒状パリソンの押出ブロー成形によっても得られる。

【００３７】 もちろん、本発明は、記載および特に請求された実施形態に制限されるもので
はなく、当業者が理解する全ての同等物を含む。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を適用できる容器の一種を構成する、断面が四辺形のボトルの実施形態
を示す立面図である。

【図２】 図１のボトルを角方向から見た図である。

【図３】 図１、２に示したボトルをやや俯瞰する斜視図である。

【図４】 図１に示したボトルのＡＡ線による断面図である。

【図５】 図２に示したボトルのＢＢ線による断面図である。

【図６】 図１に示したボトルのＣＣ線による断面図である。

【図７】 図１に示したボトルのＤＤ線による断面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向の軸（Ｘ）に沿って配向された本体（２）を備え、
   この軸を囲む非円筒形の循環状の壁を有するプラスチック容器、特にプラスチッ
   クボトルであって、壁が、前記長手方向の軸にほぼ垂直な面に沿って配向された
   周辺溝（２６、２７、２８、２９、３０）により補強され、前記壁の少なくとも
   一部（２１、２２）が、ほぼ平面の凹凸を有し、複数の溝が通っており、ほぼ平
   面の凹凸を有する壁部分を通る各溝の幅が可変であり、前記各溝の幅の変化は、
   各溝が前記壁部分の中への通路部分（Ｌ２）よりも、各溝の横断箇所の中央部（
   Ｌ１）の方が広幅であるように構成されることを特徴とする容器。
2. 【請求項２】 ほぼ平面の凹凸（２１、２２）を備えた壁部分を横断する溝
   （２９）の底が、少なくともこの壁部分の横断箇所に沿って、凹面が壁の外側に
   向いた湾曲した輪郭を有することを特徴とする請求項１に記載の容器。
3. 【請求項３】 各溝の壁の輪郭が、曲線または蛇行の繰り返しから構成され
   ることを特徴とする請求項１または２に記載の容器。
4. 【請求項４】 本体（２）が、丸みを帯びた角を備えるほぼ四辺形の断面を
   有し、本体の壁が、丸みを帯びた角の部分（２３、２４、２５）により互いに結
   合されるほぼ平面のパネル形部分（２１、２２）から構成され、周辺溝（２６、
   ２７、２８、２９、３０）は、パネル（２１、２２）の横断箇所で幅が変化し、
   各溝の幅の変化は、各溝がパネルの中への通路部分よりも、各溝の横断箇所の中
   央部の方が広幅であるように構成されることを特徴とする請求項１から３のいず
   れか一項に記載の容器。
5. 【請求項５】 丸みを帯びた角部分（２３）における溝の横断箇所の中央部
   の溝幅（Ｌ３）が、パネルの中への通路部分の幅（Ｌ２）よりも狭いことを特徴
   とする請求項４に記載の容器。
6. 【請求項６】 丸みを帯びた角部分（２３）における溝の横断箇所の中央部
   の溝幅（Ｌ３）が、パネルの中への通路部分の幅（Ｌ２）と等しいことを特徴と
   する請求項４に記載の容器。