JP2003521942A - 組換え糖タンパク質の改善されたガラクトシル化 - Google Patents

組換え糖タンパク質の改善されたガラクトシル化

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JP2003521942A
JP2003521942A JP2001558229A JP2001558229A JP2003521942A JP 2003521942 A JP2003521942 A JP 2003521942A JP 2001558229 A JP2001558229 A JP 2001558229A JP 2001558229 A JP2001558229 A JP 2001558229A JP 2003521942 A JP2003521942 A JP 2003521942A
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cells
cad
cell
glycoprotein
pala
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リル,トーマス
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P21/00Preparation of peptides or proteins
    • C12P21/005Glycopeptides, glycoproteins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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    • C12P21/00Preparation of peptides or proteins
    • C12P21/02Preparation of peptides or proteins having a known sequence of two or more amino acids, e.g. glutathione

Abstract

(57)【要約】 増強されたCAD活性を持つ宿主細胞中で発現された糖タンパク質の促進されたグリコシル化。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 この出願は、米国に国籍と住所を有するジェネンテック・インクによりPCT
出願として全指定国を指定して出願されたものである。 (関連出願) この出願は、2000年2月8日に出願された米国仮出願第60/18110
8号と2000年3月23日に出願された米国仮出願第60/191641号に
基づく優先権を主張するものである。
【0002】 (発明の分野) この発明は糖タンパク質のグリコシル化に関し、より詳細には本発明は増強さ
れたCAD活性を持つ細胞中で糖タンパク質を生産する方法に関する。
【0003】 (発明の背景) 宿主細胞中で外来遺伝子によって発現される組換え糖タンパク質は、予防薬及
び治療薬としてのその潜在的な価値のために科学界の主たる関心の的となってい
る。組換え糖タンパク質は一連の複雑で多様なオリゴ糖構造を示すアミノ酸鎖か
らなる。組換え糖タンパク質のアミノ酸配列は正しく再現できるが、オリゴ糖鎖
は組成と構造の双方において不均一なことがよくある。Rademacker等, (1988) A
nnu. Rev. Biochem. 57:785-838; Spellman等, (1989) J. Biol. Chem. 264(24)
:14100-14111; Spellman等, (1991) Biochemistry 30:2395-2406; Kagawa等, (1
988) J. Biol. Chem. 263(33):17508-17515。
【0004】 不均一なオリゴ糖構造は、糖タンパク質の機能、高次構造、溶解性、特異的活
性、抗原性及び免疫原性を含む糖タンパク質の性質に好ましくない影響をもたら
しうる。Wittwer等, (1990) Biochem. 29:4175-4180; Hart (1992) Curr. Op. C
ell Biol., 4:1017-1023; Parekh (1991) Curr. Op. Struct. Biol., 1:750-754
。従って、科学界では、正しいアミノ酸配列を持つと同時に不均一性が少ないオ
リゴ糖プロフィールを示す組換え糖タンパク質、好ましくは天然タンパク質に相
当するものを生産することに労力が集中して注がれている。これは、同じオリゴ
糖パターンがあらゆる生物学的治療薬において示されることを米国食品医薬品局
が要求している治療薬の生産では特に重要である。
【0005】 組換え糖タンパク質中のオリゴ糖の組成に影響を与えるために幾つかの方策が
用いられており、それには、(1)生合成を促進する目的で特定の糖転移酵素を
過剰発現する組換え宿主細胞系を生産すること;(2)糖加水分解酵素を調節す
ることによって宿主細胞のオリゴ糖分解を防止すること;及び(3)フリーの糖
類とオリゴ糖生産に必要とされる他の基質の存在下で組換え糖タンパク質産生宿
主細胞を培養することが含まれる。しかし、これらの方策には欠点が伴う。例え
ば、糖転移酵素は細胞中のオリゴ糖基質の量だけ効果があるに過ぎず;タンパク
質が不適切にグリコシル化されている場合にはオリゴ糖分解を調節することは効
果的ではなく;また様々な提案されている供給方策はコストが非常に高く、関連
する糖転移酵素の致命的なフィードバック阻害に至る。組換え糖タンパク質の技
術分野において正しいオリゴ糖プロフィールを示す組換え糖タンパク質を安価に
生産する方法に対する必要性が存在する。かかる背景から本発明はなされた。
【0006】 (発明の概要) 本発明は、増強されたカルバモイル-リン酸シンターゼII(CPSII)/
アスパラギン酸トランスカルバモイラーゼ(ATCase)/ジヒドロ-オロタ
ーゼ(CAD)活性によってピリミジンのデノボ生合成を促進することにより、
ガラクトシル化及びシアリル化が改善された組換え糖タンパク質を提供する。増
強されたCAD活性を持つ細胞中で生産される糖タンパク質が促進されたガラク
トシル化を示す点が本発明の特徴である。本発明は適当な条件下で細胞中に導入
された核酸又は内因性遺伝子から糖タンパク質を発現させるのに有用である。よ
って、本発明は、所望の酵素的、免疫学的又は他の生物学的活性又はタンパク質
のクリアランス特性に必要であるガラクトース残基を有するタンパク質の組換え
発現に特に有用である。
【0007】 本発明の好適な実施態様では、糖タンパク質は増強されたCAD活性について
選択された細胞中で生産される。例えば、N-ホスホンアセチル-L-アスパルテ
ート(PALA)のようなCADインヒビターと共にインキュベーションするこ
とによって、増強されたCAD活性について細胞が選択される。PALA耐性に
ついて選択された細胞は増強されたCAD活性を示す。 一般には、本発明は増強された細胞内CAD活性を持つ宿主細胞中で糖タンパ
ク質を発現させる工程を含む糖タンパク質の生産方法を提供する。好適な実施態
様では、増強された細胞内CAD活性は、組換え的に生産された糖タンパク質の
ガラクトシル化を改善することになるUTPの細胞内濃度の増大を生じる。本発
明はまた増強された細胞内CADを持つ宿主細胞と細胞系並びに増強されたCA
D活性を持つ細胞中で糖タンパク質をコードする異種核酸配列を発現させること
により生産されるガラクトシル化が改善された糖タンパク質をも提供する。
【0008】 (好ましい実施態様の詳細な説明) (定義) 「真核細胞」又は細胞系という用語はエキソビボの培養で達成された細胞を意
味するものとして使用される。対象の特定の糖タンパク質を発現するか発現でき
るのが本発明の真核細胞の特徴である。所望のタンパク質産物の生産に使用され
る真核細胞はオリゴ糖側鎖の付加によってタンパク質をグリコシル化する手段を
持っている。そのような細胞は、ある実施態様では、糖タンパク質のオリゴ糖側
鎖の一部又は全てを除去し、及び/又は酵素的に修飾する能力をまた有している
【0009】 本発明の脈絡で好適な真核宿主細胞の例には昆虫及び哺乳動物細胞が含まれる
。宿主細胞の例には、SF9昆虫細胞(Summers及びSmith (1987) Texas Agricul
ture Experiment Station Bulletin, 1555;及び Insect Cell Culture Enginee
ring, Goosen Daugulis及び Faulkner Eds. Dekker, New York);TNFR-Ig
G及び抗CD20を発現するCHO細胞を含むチャイニーズハムスター卵巣(C
HO)細胞(Puck等, (1958) J. Exp. Med. 108:945-955; Puck (1985) Molecula
r Cell Genetics, Gottersman MM編, Wiley Intersciences pp37-64);SV4
0(COS-7,ATCC CRL 1651)で形質転換させたサル腎CV1細胞株;ヒト胎児
腎細胞株(Graham等, (1977) J.Gen Virol.,36:59);ベビーハムスター腎細胞(
BHK,ATCC CCL10);及びヒト頚管腫瘍細胞(HELA,ATCC CCL2)がある。上記のリス
トは例示のためだけのものであって、本発明の範囲を制限するものでは決してな
い。
【0010】 ここで使用される場合、「コントロール細胞」とは、特定の実験条件下で処理
された細胞と並行して、処理細胞とは異なって、培養された細胞を意味し、宿主
細胞は特定の実験条件下にはない。コントロール細胞は比較がなされるベースラ
インを表す。 「核酸配列」という用語はデオキシリボ核酸のストランドに沿ったデオキシリ
ボヌクレオチドの順序又は配列を意味する。これらデオキシリボヌクレオチドの
順序がポリペプチド鎖に沿ったアミノ酸の順序を決定する。よってデオキシリボ
ヌクレオチド配列がアミノ酸配列をコードする。
【0011】 「発現ベクター」という用語は、その中にDNA片、例えば外来性DNA片を
挿入した、通常は二本鎖のDNA片を意味する。外来性DNAは異種DNAとし
て定義され、これは宿主細胞に天然には見出されないDNAであり、宿主のゲノ
ム中に天然に存在する遺伝子の更なるコピーを含む。ベクターは適当な宿主細胞
中に外来性又は異種性のDNAを運ぶために使用される。ひとたび宿主細胞に入
ると、ベクターは宿主細胞の染色体中に組み込まれ得る。ベクターは組み込まれ
たDNAを含む細胞を選択するのに必要なエレメント並びに形質移入されたDN
Aからのポリアデニル化されたメッセンジャーRNA(mRNA)の転写を促進
するエレメントを含む。よって外来性DNAによってコードされるポリペプチド
の多くの分子が迅速に合成できる。
【0012】 「発現」又は「発現する」という用語は宿主細胞内で生じる転写と翻訳を意味
するものとしてここでは使用される。宿主細胞中でのプロダクト遺伝子の発現レ
ベルは細胞中に存在している対応のmRNAの量か、細胞によって産生されるプ
ロダクト遺伝子によってコードされるタンパク質の量に基づいて決定されうる。
例えば、プロダクト遺伝子から転写されたmRNAは望ましくはノーザンハイブ
リダイゼーションによって定量される。Sambrook等, Molecular Cloning: A Lab
oratory Manual, pp.7.3-7.57 (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)
。プロダクト遺伝子によってコードされるタンパク質はタンパク質の生物学的活
性をアッセイするか、又はそのような活性に独立のアッセイを用いることにより
、定量することができ、例えばタンパク質と反応が可能な抗体を用いるイムノア
ッセイ又はウェスタンブロットによって定量できる。Sambrook等, Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual, pp.18.1-18.88 (Cold Spring Harbor Laboratory
Press, 1989)。
【0013】 ここで使用される場合、「糖タンパク質」とは、一般には約10を越えるアミ
ノ酸と少なくとも一の糖鎖を有するペプチド又はタンパク質を意味する。糖タン
パク質は、宿主細胞と相同的であってもよく、又は好適には宿主細胞に対して異
種性、つまり外来性であってもよい。本発明の一実施態様を用いて発現できる糖
タンパク質の例には、サイトカインとそのレセプター、キメラタンパク質、腫瘍
壊死因子α及びβ、腫瘍壊死因子レセプター、ヒト成長ホルモン、ウシ成長ホル
モン、副甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、リポタンパク質、α-1-抗トリ
プシン、インスリンA鎖、T細胞レセプター、表面膜タンパク質、モノクローナ
ル抗体、及び輸送タンパク質のような分子が含まれる。例のリストは例示のため
だけのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。 本発明の脈絡において用いられる「グリコフォーム」なる語は、特定の糖鎖構
造又は構造群を含む糖タンパク質を示すことを意図する。
【0014】 本発明の脈絡で使用されるところの「グリコシル化」という用語は、タンパク
質が一又は複数のオリゴ糖鎖と共有結合的に結合される方法を包含することを意
味する。「ガラクトシル化」という用語は糖タンパク質上のオリゴ糖へのガラク
トース単位の付加を意味し、「シアリル化」は糖タンパク質上のオリゴ糖へのシ
アル酸の付加を意味する。 「細胞成長が最大化される時間と条件」等は、特定の細胞系に対して細胞成長
と分裂に最適であると決定されるような培養条件を意味する。通常は、細胞培養
中、細胞は、その特定の細胞株に対して最適な成長が達成されるように加湿調節
された雰囲気中一般に約30−40℃にて必要な添加剤を含む栄養培地中で培養
される。 ここで使用されるところの「選択を可能にするのに十分な時間、培養される」
とは、耐性のあるクローンが関連特性について選択し試験されるまで選択剤で真
核宿主細胞を物理的に培養する行為を意味する。
【0015】 ここで使用されるところのタンパク質、ペプチド及びポリペプチドはアミノ酸
高分子又は二以上の相互作用又は結合アミノ酸高分子の集合を示すために互換的
に使用される。 ここで使用されるところの「CAD」はピリミジン類のデノボ生合成における
最初の3の反応を触媒する多酵素ポリペプチド複合体(カルバモイルリン酸シン
テターゼ(CPSII)、アスパラギン酸トランスカルバモイラーゼ及びジヒド
ロ-オロターゼ)を意味する。(図1Aを参照のこと)。ピリミジン生合成の律
速段階はCPSII(CADに伴う酵素活性の一つ)による炭酸水素塩、ATP
、及びグルタミンからのリン酸カルバモイルの合成である。(Irvine等 (1997)
Eur. J. Biochem 247:1063-1073)。最終的にはCADは二種の他の酵素、オロ
チン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼとオロチン酸デカルボキシラーゼと共
同してUMPを生じ、これが最終的にUTPに転換される。 ここで使用されるところのCADインヒビターには、CAD酵素複合体の活性
を阻害することが知られている任意の物質が含まれる。CADインヒビターには
N-(ホスホアセチル)-L-アスパルテートが含まれる(図1Bを参照のこと)。
【0016】 発明の実施形態 本発明は、とりわけ、宿主細胞系中での糖タンパク質の生産が一般にはグリコ
シル化が十分でない(under-glycosylated)オリゴ糖糖タンパク質プロフィール
を生じるという予期しない発見に基づいている。本発明によれば、対象糖タンパ
ク質を発現可能な宿主細胞で、増強されたCAD活性を持つ宿主細胞中での糖タ
ンパク質の発現により、一貫して増強されたオリゴ糖糖タンパク質プロフィール
が得られる。
【0017】 増強されたCAD活性 対象の糖タンパク質を発現するか発現可能な宿主細胞中での増強されたCAD
活性の選択は当該分野で既知に任意の手段によって生じうる。特定の実施態様で
は、細胞がCADインヒビターで処理され、生存している耐性のある細胞が増強
されたCAD活性について選択されうる。CADインヒビターは当該分野で既知
の任意のものでありうる。本発明で使用される一つの好適なCADインヒビター
はP-(ホスホンアセチル)-L-アスパルテート(PALA)である。PALA処
理細胞は典型的には2〜10mMのPALA最終濃度を使用して選択される。
【0018】 細胞、好ましくは哺乳動物細胞又は昆虫細胞、最も好ましくはチャイニーズハ
ムスター卵巣(CHO)細胞、例えばCHO DP12、CHO DG44又はC
HO K1が、PALAのようなCAD阻害因子の圧力下で選択される。細胞は
、適切なCADインヒビターを持ち、例えばアミノ酸、塩、糖、及びビタミン類
のような幾つかの成分の濃度が変更され、場合によってはグリシン、ヒポキサン
チン、及びチミジン;組換えヒトインスリン、加水分解されたペプトン、例えば
プリマトン(Primatone)HS又はプリマトンRL(Sheffield, 英国)又は等価物
;細胞保護剤、例えばプルロニック(Pluronic)F68又は等価なプルロニックポ
リオール;ゲンタマイシン(Gentamycin);及び微量元素を含む基本培地、例えば
DMEM/HAM F-12基本製剤(DMEM及びHAM F12培地について
は、American Type Culture Collection Catalogue of Cell Lines and Hybrido
mas, 6版, 1988, 346-349頁を参照のこと)(米国特許第5122469号に記
載された培地製剤が特に適している)中で培養される。
【0019】 CADインヒビターでの選択下で成長した生存細胞、すなわち、CADインヒ
ビター耐性細胞が当該分野で既知の任意の数のアッセイによってCAD活性につ
いて試験される。例としては、アンモニア依存性部分反応(Shaw等(Shaw等 (19
92) Eur. J. Biochem. 207:957-965)及び放射測定手法(Guy等 (Guy等 (1997)
JBC 272(46):29255-29262)が含まれる。
【0020】 増強された細胞内CAD活性はまた細胞内でCADを過剰発現させることによ
って提供できる。ヒトCADは、ハムスターCADの酵素ドメインのようにクロ
ーニングされている(Iwahana等, (1996) Biochemical and Biophysical Resear
ch Comm., 219:249-255)。Davidson等 (1995) Plenum Press, New York, 591-5
95。過剰発現はCADタンパク質全体又は本発明の目的に対して十分なCAD活
性を提供するその任意の部分でありうる。細胞中にCADをコードする核酸配列
を導入するためにはよく知られた手法を使用することができる。これらには、プ
ラスミドベクター、ウイルスベクター、そして宿主細胞中に遺伝子物質を導入す
る他の方法が含まれる。宿主細胞がタンパク質を発現するようにしてCAD遺伝
子が導入されることは必要である。宿主細胞内でタンパク質を過剰発現させるた
めの技術は糖タンパク質の生産のところで以下に更に詳細に検討する。
【0021】 細胞内CAD活性を増強させるための他の好適な方法は突然変異CADの発現
であり、突然変異が酵素の産物、例えばUTP又はUTP類似体によって阻害調
節を低減する。CADのUTP結合部位に一又は複数の突然変異を持つ核酸配列
が有用であるが、突然変異はコード化された突然変異CADタンパク質のUTP
調節を妨害するのに十分な核酸配列の何れの場所でも起こりうる。
【0022】 増加されたUTP及びUDP-ガラクトースレベル 増強された細胞内CAD活性は増加した細胞内UTP及びUDP-ガラクトー
ス濃度を生じる。増強されたCAD活性を示す細胞が、Ryll及びWagner (1991)
J. Chromatography, 570:77-88の方法のような当該分野で既知の適切な方法によ
ってUTP及びUDP-ガラクトースレベルについて分析される。
【0023】 糖タンパク質 本発明によれば、上述したもののようなCADインヒビターに対して耐性を持
つ宿主細胞は内因性糖タンパク質又は組換え糖タンパク質を機能的に発現するよ
うに改変される。本発明の好適な一実施態様は操作されたベクターから糖タンパ
ク質を高収量で発現させるために使用されるPALA耐性CHO細胞を提供する
。CHO細胞によって発現される糖タンパク質は一般に細胞中に形質移入された
DNAから生産される。糖タンパク質中の糖鎖部分の構造と割合は宿主細胞、こ
の例ではPALA耐性CHO細胞機構によって決定される。
【0024】 内因性宿主細胞タンパク質又は異種組換え糖タンパク質をコードする核酸配列
は当業者が利用可能であり、例えばインビトロ合成法によって得られ、あるいは
cDNAライブラリーから直ぐに得られる。DNAの合成創製のための手段は、
手作業であれ自動装置を用いる場合であれ、一般的に当業者に知られている。ポ
リヌクレオチド合成に利用可能な現在の方法の例は例えば Maniatis等, Molecul
ar Cloning--A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1984)、
及び Horvath等, An Automated DNA Synthesizer Employing Deoxynucleotide 3
'-Phosphoramidites, Methods in Enzymology 154: 313-326, 1987で、ここに出
典明示により特に取り込まれるものに見出される。あるいは、組換え糖タンパク
質をコードしている遺伝子配列は当業者が利用できる技術を用いてcDNAライ
ブラリーからクローニングされる。例えば、特定の核酸配列が増幅されるポリメ
ラーゼ連鎖反応技術を用いることができる。増幅されるDNAのセグメントの3
'及び5'末端に対応する配列に基づくオリゴヌクレオチドプライマーを適切な条
件下でハイブリダイズさせ、酵素Taqポリメラーゼ、又は等価な酵素を用いて
プライマー間に位置するDNAのコピーを合成する。
【0025】 組換え糖タンパク質の機能的発現に使用される特定の方法は本発明にとって臨
界的なものではない。例えば、宿主細胞中にヌクレオチド配列を導入するための
任意の手法を使用することができる。これらにはプラスミドベクター、ウイルス
ベクター及び宿主細胞中に遺伝子物質を導入するための他の方法の使用が含まれ
る。発現される遺伝子又は核酸が、宿主細胞がタンパク質を発現するようにして
導入されることが必要である。高レベルの発現が好ましい。
【0026】 例えば、発現は、典型的には、選択マーカーをコードする選択遺伝子と一般に
称される他の遺伝子と共に適切な糖タンパク質を細胞中に導入することによって
達成される。選択マーカーは、例えば抗生物質又は他の薬物に対する耐性を付与
する酵素又は宿主細胞中の代謝又は異化欠陥を補償する酵素のような、選択され
る特定の培養条件下での宿主細胞の成長又は生存に必要なタンパク質である。例
えば、真核細胞で一般的に使用される選択遺伝子には、アミノグリコシドホスホ
トランスフェラーゼ(APH)、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(
hyg)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ(tk)
、ネオマイシン耐性、ピューロマイシン耐性、グルタミンシンテターゼ、及びア
スパラギンシンテターゼが含まれる。適切な発現系を選択するには、糖タンパク
質のための選択マーカーが選択され、必要ならば、第二の糖タンパク質産物の発
現のための第二の増幅可能な選択マーカーとの第二の形質移入が許容され、又は
宿主細胞の更なる機能修飾が可能になる。このような修飾には、組換え生成物の
発現の量又は質の細胞代謝を改善することに関する他の活性の増大が含まれうる
【0027】 本発明の真核宿主細胞中に導入される遺伝子の発現のレベルは、遺伝子コピー
数、転写効率、メッセンジャーRNA(mRNA)加工、安定性、及び翻訳効率
を含む複数の因子に依存する。従って、本発明に係る所望の糖タンパク質の高レ
ベルの発現は典型的にはこれらの因子の一又は複数を至適化することを含む。
【0028】 更に、糖タンパク質のレベルは高レベルの転写を付与する「強い」プロモータ
又はエンハンサに遺伝子のコード配列を共有的に結合させることによって増加さ
せることができる。転写に関与するPALA耐性宿主細胞中でタンパク質と特異
的に相互作用するプロモータ及びエンハンサは本発明の脈絡で適している。本発
明の脈絡で好適な高レベルの発現に対して強いプロモータとして特定されている
真核プロモータは、SV40初期プロモータ、アデノウイルス主要後期プロモー
タ、マウスメタロチオネイン-Iプロモータ、ラウス肉腫ウイルス末端反復配列
、及びヒトサイトメガロウイルス最初期プロモータ(CMV)である。所望され
る糖タンパク質生成物の発現に特に有用なものは、骨髄増殖性肉腫ウイルス(Ar
tel等, (1988) Gene 68:213-220)、SV40初期プロモータ(McKnight及びTij
ian (1986) Cell, 46:795-805)のような強いウイルスプロモータである。
【0029】 結合したプロモータから転写を刺激するエンハンサがまた本発明において有用
である。プロモータとは異なり、エンハンサは、転写開始部位から下流又はプロ
モータからかなりの距離に配される場合に活性であるが、実際にはエンハンサは
プロモータと物理的かつ機能的にオーバーラップしうる。例えば、上に挙げた強
いプロモータの多くはまた強いエンハンサを含む(Bendig, (1988) Genetic Eng
ineering, 7:91)。
【0030】 タンパク質の生産又は発現のレベルはまた宿主細胞中の遺伝子コピー数を増加
させることによって増加させることができる。高遺伝子コピー数を得る一つの方
法は、例えば、同時形質移入の間に選択遺伝子に対して大なるモル過剰のプロダ
クト遺伝子を使用することにより、遺伝子の複数コピーを宿主細胞中に直接導入
するものである。Kaufman, (1990) Meth. Enzymol., 185:537。しかし、この方
法では、同時形質移入された細胞の少量割合だけが高コピー数でプロダクト遺伝
子を含むことである。所望の高コピー数の形質移入体を同定するには典型的には
スクリーニング方法が必要となる。 Lucas等, (1996) Nuc. Acd Res. 24(9):1774-1779及び国際公開第96043
91号に記載されたもののようなスプライス-ドナースタイルのベクターの使用
もまた好適である。
【0031】 高遺伝子コピー数を得るための更に他の方法は、宿主細胞中の遺伝子増幅を含
む。遺伝子増幅は比較的低い頻度で真核細胞中で天然に生じる(Schimke, (1988
) J. Biol. Chem., 263:5989)。しかし、遺伝子増幅はまた適切な淘汰圧に宿主
細胞をさらすことによって誘導され、又は少なくとも選択されうる。例えば、多
くの場合、宿主細胞中に増幅遺伝子と共に糖タンパク質遺伝子を導入し、続いて
、連続的に増加する濃度の選択薬剤に同時形質移入した細胞をさらすことによっ
てマーカー遺伝子の増幅について選択することができる。典型的には、プロダク
ト遺伝子はそのような条件下でマーカー遺伝子と共に同時増幅される。
【0032】 その目的のために最も広く使用される増幅可能遺伝子はDHFR遺伝子であり
、これはジヒドロ葉酸レダクターゼ酵素をコードしている。DHFR遺伝子と組
み合わせて使用される選択薬剤はメトトレキセート(MTX)である。この例で
は、PALA耐性細胞が糖タンパク質遺伝子及びDHFR遺伝子と共に同時形質
移入され、形質移入体はMTXを含む培地中で細胞を最初に培養することにより
同定されうる。ついで形質移入された細胞は連続して増す量のMTXにさらされ
る。これによりDHFR遺伝子の複数コピーと、同時に糖タンパク質遺伝子の複
数コピーが合成される(Schimke, (1988) J. Biol. Chem., 263:5989; Axel等,
米国特許第4399216号; Axel等, 米国特許第4634665号;Kaufman
in Genetic Engineering, J. Setlow編 (Plenum Press, New York), Vol. 9 (1
987); Kaufman及びSharp, (182) J. Mol. Biol., 159:601; Ringold等, J. Mol.
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【0033】 別法として、宿主細胞は糖タンパク質遺伝子、DHFR遺伝子、及び優性選択
遺伝子、例えばneo遺伝子と共に同時形質移入されうる。形質移入体はネオ
マイシン(又は関連薬物G418)を含む培地中で細胞を最初に培養することに
より同定され、このようにして同定された形質移入体はついで連続的に増加する
量のMTXへさらすことによってDHFR遺伝子及びプロダクト遺伝子の増幅に
ついて選択される。
【0034】 他の方法は、転写領域の5'末端にプロダクト遺伝子を、3'末端に選択遺伝子
を含む多シストロン性mRNA発現ベクターを使用することを含む。多シストロ
ン性mRNAの3'末端の選択遺伝子の翻訳は非効率的であるので、このような
ベクターは糖タンパク質遺伝子の優先的な翻訳を示し、選択に対して生存する高
レベルの多シストロン性mRNAを必要とする。Kaufman, (1990) Meth. Enzymo
l., 185:487; Kaufman, (1990) Meth. Enzymol., 185:537; Kaufman等, (1987)
EMBO J., 6:187。従って、高レベルの所望のタンパク質を発現する細胞を、特定
の選択遺伝子での使用に適した選択薬剤を含む培地中で初期の形質移入体を培養
することによって単一工程で得ることができる。 本発明において適した更なる方法は、PALA耐性細胞ゲノムの転写活性部分
中に糖タンパク質をコードする遺伝子を組み込むものである。このような方法は
国際出願第PCT/US/04469号に記載されている。
【0035】 単一の転写ユニットを有するもののような他の哺乳動物発現ベクターもまた本
発明において有用である。cDNAがネオマイシン耐性遺伝子が続く内因性モロ
ニーマウス白血病ウイルス(M-MuLV)スプライスドナー及びスプライスア
クセプター部位の間に挿入されているレトロウイルスベクターが構築されている
(Cepko等, (1984) Cell, 37:1053-1062)。このベクターは幾つかの細胞型のレ
トロウイルス感染に続く様々な遺伝子産物を発現させるのに使用されている。
【0036】 糖タンパク質をコードする核酸の導入は当業者に既知の方法によって達成され
る。細胞壁のない哺乳動物細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology,
52:456-457 (1978)のリン酸カルシウム沈降法を使用することができる。哺乳動
物細胞の宿主系形質転換の一般的な態様は1983年8月16日に発行された米
国特許第4399216号にAxelによって記載されている。しかし、DNAを細
胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、プロトプラス
ト融合又はエレクトロポレーションもまた使用することができる(Chisholm等,
(1995) DNA Cloning IV: A Practical Approach, Mammalian Systems., Glover
及びHanes編, pp.1-41)。好適な実施態様では、DNAはリポフェクションを使
用して宿主細胞中に導入される。本発明を実施するために有用なエレクトロポレ
ーション法の概要については、Andreason, (1993) J. Tiss. Cult. Meth., 15:5
6-62を参照のこと。
【0037】 遺伝子増幅及び/又は発現は、例えば、一般的なサザンブロット法、mRNA
の転写を定量するノーザンブロット法(Thomas, (1980) Proc. Natl. Acad. Sci
. USA, 77:5201-5205)、ドットブロット法(DNA又はRNA分析)、RT-P
CR又は、ここに提供された配列にも続いて適切に標識したプローブを使用して
、インサイツハイブリダイゼーションによって直接試料中で測定することができ
る。プローブを構築するには様々な標識を使用することができ、最も一般的には
放射性同位体、特に32Pである。しかし、ポリヌクレオチド中への導入にビオ
チン修飾ヌクレオチドを使用するような他の方法を使用することもできる。その
場合、ビオチンはアビジン又は抗体への結合部位となり、それが広範囲の標識、
例えば放射性核種、フルオレセイン、酵素等々で標識されうる。別法として、D
NA二重鎖、RNA二重鎖、及びDNA-RNAハイブリッド二重鎖又はDNA-
タンパク質二重鎖を含む特異的二重鎖を認識することができる抗体を使用しても
よい。その抗体はついで標識され得、二重鎖が表面に結合し、表面上での二重鎖
の形成時に、二重鎖に結合した抗体の存在が検出できるアッセイを実施すること
ができる。
【0038】 所望のタンパク質を発現し、本発明に対して記載されているように改変される
PALA耐性細胞の培養のために、培養される耐性細胞に特別の注意を払いなが
ら、多くの培養条件が用いられる。真核細胞のための適切な培養条件は、当該分
野でよく知られているか(J. Immunol. Methods (1983) 56: 221-234)、又は当
業者によって容易に決定され(例えば、Animal Cell Culture: A Practical App
roach 2nd Ed., Rickwood, D. 及びHames, B.D.編 Oxford University Press, N
ew Tork (1992))、選択される特定の細胞に応じて変化する。
【0039】 対象とする糖タンパク質を生産するには、様々な細胞培養条件下で本発明の宿
主細胞を成長させることによる生産が典型的である。例えばタンパク質の大規模
又は小規模な生産のための細胞培養法が本発明において潜在的に有用である。限
定されるものではないが、流動床バイオリアクター、中空ファイバーバイオリア
クター、ローラーボトル培養、又は撹拌タンクバイオリアクターシステムを含む
方法を使用することができ、後者の二つのシステムでは、マイクロキャリアを伴
うか伴わず、あるいはバッチ、流加バッチ、又は連続モードで操作されうる。
【0040】 糖タンパク質生産段階に続いて、対象のポリペプチドは当該分野で十分に確立
されている方法を使用して培養培地から回収される。 対象とする糖タンパク質は、好ましくは培養培地から分泌されたポリペプチド
として回収されるが、細胞溶解物から回収することもできる。
【0041】 第1の段階として、培養培地又は溶解物を遠心分離して粒子状の細胞破片を除
去する。その後、ポリペプチドを、汚染可溶性タンパク質及びポリペプチドから
精製され、次の手法が適切な精製方法の例である:免疫親和性又はイオン交換カ
ラムでの分画;エタノール沈殿:逆相HPLC;シリカ又はDEAE等のカチオ
ン交換樹脂でのクロマトグラフィー;等電点電気泳動;SDS-PAGE;硫酸
アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;及びIg
Gなどの汚染物質を除去するためのプロテインAセファロースカラム。また、フ
ェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)のようなプロテアーゼインヒ
ビターも、精製中のタンパク分解性分解を阻害するのに有用である。
【0042】 糖タンパク質のグリコシル化 本発明の方法によって生産される糖タンパク質の複合糖鎖部分は、所望される
ならば、糖タンパク質のオリゴ糖量を確認するための糖鎖分析の一般的な技術に
よって直ぐに分析することができる。よって、例えば、当該分野でよく知られて
いるレクチンブロット法又は単糖分析法のような技術によって、末端マンノース
、N-アセチルグルコサミン、シアル酸又はガラクトースのような他の糖の割合
が明らかにされる。
【0043】 得られた糖鎖はここに記載される方法を含む当該分野で知られている任意の方
法によって分析することができる。幾つかの方法がグリコシル化分析のために当
該分野で知られており、本発明において有用である。そのような方法はペプチド
に結合したオリゴ糖の同定と組成に関する情報を提供する。本発明において有用
な糖鎖分析法には、限定されるものではないが、キャピラリー電気泳動法(Rass
i及びNashabeh, High Performance Capillary Electrophoresis of Carbohydrat
es and Glycoconjugates, In, Carbohydrate Analysis (Z. El Rassi,編)(1995
) 58:267-360)、蛍光色素糖鎖電気泳動法(Starr等, (1996) J. Chrom. A 720:
295-321)、高pH陰イオン交換クロマトグラフィーパルス電流測定検出法(HPA
EC PAD)(Lee (1996) J. Chrom. A 720:137-151)、マトリックス支援レーザー
脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(Harvey (1996) J. Chrom. A 720:429-44
7; Papac等, (1996) Anal. Chem. 68:3215-3223; Field等 (1996) Anal. Bioche
m. 239:92-98; Hooker等, (1995) Biotechnology and Bioeng. 48:639-648)、
高速液体クロマトグラフィー(El Rassi (1995) Reversed phase and hydrophob
ic interaction chromatography of carbohydrates and glycoconjugates. In,
Carbohydrate Analysis (Z. El Rassi編) 58:267-360)、及びエレクトロスプレ
ーイオン化質量分析法(Roberts G.D. (1995) Anal. Chem. 67:3613-3625)が含
まれる。
【0044】 中性及びアミノ糖は、パルス状の電流検出と組み合わせた高速陰イオン交換ク
ロマトグラフィーにより測定することができる(HPAE-PAD Carbohydrate System
, Dionex Corp.)。例えば、糖類は100ECで6時間の20%(v/v)トリフ
ルオロ酢酸中の加水分解により放出され得る。ついで、加水分解物は凍結乾燥又
はSpeed-Vac(Savant Instruments)により乾燥させる。ついで残りを1%酢酸ナ
トリウム三水和物溶液に溶解し、Anumula等(Anal. Biochem. 195:269-280 (199
1))に記載されたようにHPLC-AS6カラムで分析する。
【0045】 別法として、免疫ブロット糖鎖分析を実施してもよい。この方法によると、タ
ンパク質結合糖鎖は、Haselbeck及びHosel(Haselbeck等 (1990) Glycoconjugat
e J., 7: 63 )に記載された酸化的免疫ブロット手法に基づく市販のグリカン検
出システム(Boehringer)を用いて検出される。タンパク質をニトロセルロース
膜の代わりに二フッ化ポリビニリデン膜に移し、阻止緩衝液が0.9%塩化ナト
リウムを含む10mMトリス緩衝液、pH7.4中の5%ウシ血清アルブミンを
含む以外は製造者によって推奨された染色プロトコールに従った。検出は、アル
カリホスファターゼ複合体に結合した抗ジゴキシゲニン抗体(Boehringer);ト
リス緩衝塩水中1:1000希釈で、100mM塩化ナトリウム及び50mM塩
化マグネシウムを含む100mMトリス緩衝液、pH9.5中のホスファターゼ
基質、4-ニトロブルー塩化テトラゾリウム、0.03%(w/v)及び5-ブロモ-
4-クロロ-3-インドイル-ホスフェート0.03%(w/v)を用いて行った。糖
鎖を含むタンパク質バンドは、通常、約10から15分で可視化される。
【0046】 また、糖鎖は、ペプチド-N-グリコシダーゼFでの消化によって分析してもよ
い。この手法によると、残基を0.18%SDS、18mMβ-メルカプトエタ
ノール、90mMリン酸塩、3.6mMのEDTA、pH8.6を含む緩衝液1
4Fl中に懸濁し、100ECで3分間加熱する。室温まで冷却した後、試料を
2つの等量部分に分ける。一方のアリコートはそれ以上処理せずにコントロール
として供する。第2の画分を約1%のNP-40洗浄剤、ついで0.2単位のペ
プチド-N-グリコシダーゼF(Boehringer)に適応させる。両方の試料を37℃
で2時間加温し、ついでSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析
する。
【0047】 以下の実施例は発明を例示するためだけに提供されるもので、発明の範囲を限
定するものとみなしてはならない。ここでの全ての引用文献は、出典明示により
明示的に取り込む。
【0048】 (実施例) 実施例I PALA耐性CHO細胞が増強されたカルバモイルリン酸シンテターゼII活性
を発現する CHO DP12及びCHO DG44親細胞株及びTNFR-IgG及び抗C
D11aを発現するCHO DP12をP-ホスホンアセチル-L-アスパルテート
(PALA)を伴い、また伴わないで培養した。図2に概略的に示されているよ
うに、それぞれの細胞株は標準的な組織培養技術を用いて10cmのペトリ皿に
10%のコンフルエントで蒔いた。細胞を、0.1mMのPALAを有する血清
含有培地中で培養した。生存しているクローンをプールし、標的PALA濃度、
すなわち2−10mMのPALAに達するまで、PALAの濃度を増加させて継
代培養した。PALAフェノタイプについて選択後(以下を参照のこと)、細胞
を、PALA含有培地を通過させるか又は無PALA培地に移し、更に懸濁スピ
ナフラスコ中で培養した。スピナフラスコの細胞集団を4−7日毎に継代培養し
た。PALAの存在下で選択した細胞はPALA耐性細胞と称し、上記と同じよ
うにして培養したがPALAで処理されていない細胞はコントロール細胞と称す
る。
【0049】 3mMのPALAで処理したCHO細胞について、一般的にモリとタチバナに
記載された方法を使用して、総括的CAD活性の指標であるCPS II活性を
分析した。Mori及びTachibana (1978) Methods in Enzymology, 51: 111-112。
二つのPALA耐性CHO継代培養、CHO-AとCHO-Bを分析して、結果が
PALA耐性フェノタイプに対して一様であり、処理された細胞の亜集団に対し
て特定のものではないことを確認した。 データを図3に示す。PALA耐性細胞はCHOコントロール細胞よりも増加
したCPS II活性を実証した。特に、CHO B細胞はコントロールCHO細
胞と比較してCPS II活性がおよそ20倍の増加を示した。 データは、未処理のコントロール細胞と比較して、PALA耐性CHO細胞が
CPS II活性を増加させ、よってCAD活性を増加させたことを実証してい
る。
【0050】 実施例II 増加したCAD発現を有するPALA耐性CHO細胞 実施例1において得られたPALA耐性細胞を用いて、PALA耐性細胞にお
いて示された増加したCPS II活性がその細胞中での増加したCADの発現
の結果であるかどうかを決定した。CADの発現はMahlerとMcGuireに記載され
た方法と類似のRNase保護アッセイ法を使用してPALA耐性細胞について
測定した。Mahler及びMcGuire (1990), J. Clin. Invest., 86: 1641-1648。特
に、TRY細胞を2mMのPALAの元で選択し、CADmRNAの発現をRN
ase保護アッセイを使用して測定した。 データは図4に示されており、PALA耐性細胞における増加したCPS I
I活性がその細胞中での増加したCADの発現に対応することを実証している。
コントロール細胞に比較してCADmRNAの2倍を越える増加がPALA選択
細胞において観察される。
【0051】 実施例III 増加したCAD活性を持つ細胞中の増加した細胞内UTP 実施例1のPALA耐性細胞を用いて、PALA耐性細胞がUTPの発現の増
大を示すかどうかを決定した。 CHO細胞を5mMのPALAで処理し、細胞抽出物を調製し、Ryll及びWagn
erと類似の方法を使用してヌクレオチドを測定した。Ryll及びWagner (1991) J.
Chromatography, 570:77-88。実験は10から90日の日程で実施し、データを
定量し、コントロール細胞に対するPALA耐性細胞のUTP量としてプロット
した。 図5に示されるように、増加したCAD活性を有するPALA耐性細胞はコン
トロール細胞に対するUTP溶出ピークと比較して顕著に増加したUTP溶出ピ
ークを示した。図6はPALA耐性細胞中の増加したUTP濃度が少なくとも9
0日の期間にわたって安定していたことを示している。PALA耐性細胞は、実
験の全期間を通じてコントロール細胞と比較しておよそ200−350%のUT
P量の増加を示した。
【0052】 データは、増加したCAD活性を有する細胞がまた増加したUTPレベルを有
していることを実証している。CPS II活性はUTPによってネガティブに
阻害されることが知られている。(Carry, (1985) EMBO J. 4:3735-3742);(C
hernova等 (1998) MCB 18:536-545)従って、高細胞内UTP濃度では、CPS
II活性は低い(阻害されている)と予想される。同様に、低細胞内UTPレベ
ルでは、CPS II活性は高い(阻害されていない)と予想される。驚いたこ
とに、図5及び6に示されているように、増強されたCAD活性について選択さ
れた細胞ではこのようにはならなかった。高くなったCAD活性を持つ細胞はま
た高められた細胞内UTPレベルを証明した。この高いUTPフェノタイプは、
増加したCAD活性を持つ細胞が少なくとも90日の間UTPの増加したレベル
を示したので、かなり安定であった。
【0053】 実施例IV 増加したCAD活性を有する細胞がUDP-ガラクトースレベルを増加させ、お
そらくグリコシル化を増加させた 実施例1のPALA耐性細胞と方法を用いて、PALA耐性細胞がUDP-ガ
ラクトースの増加した発現を示すかどうかを決定した。更に、TNFR-IgG
を発現するPALA耐性CHO DP12細胞をスピナフラスコ培養にml当た
り4x10細胞にて蒔き、31℃、6mM酪酸塩で6日インキュベートした。
細胞培養上清を収集し、当該分野でよく知られているプロテインA免疫親和性ク
ロマトグラフィーの方法によってTNFR-IgGを回収した。N-結合グリカン
を、Papac等, (1996) Anal. Chem., 68:3215-3223によって一般的に記載されて
いる方法を使用してMALDI質量分析法によって分析した。TNFR-IgG
のシアル酸量を、Anumula, (1995) Anal. Biochem., 230, 24-40によって一般的
に記載されている方法を使用して決定し分析した。
【0054】 UDP-ガラクトースのデータは図5及び6に示されている。図5では、増加
したCAD活性を有するPALA耐性細胞が、コントロール細胞に対するUDP
-ガラクトース溶出ピークと比較して顕著に増加したUDP-ガラクトース溶出ピ
ークを示した。図6では、PALA耐性細胞中の増加したUDP-ガラクトース
濃度が少なくとも90日の期間にわたって安定であった。LA耐性細胞は実験の
全期間を通じてコントロール細胞と比較しておよそ200−350%のUTP-
ガラクトース量の増加を示した。増加したCAD活性を持つ細胞からのTNFR
-IgGのシアル酸量とN-結合グリカンの双方がコントロール細胞と比較して増
加することが更に予想される。
【0055】 データは、増加したCAD活性を有する細胞がまた増加したUTP-ガラクト
ースレベルを有していることを実証している。パーセントの増加はUTPに対し
て上記の実施例IIIで示された増加に類似している。よって、UTPのように
、UDP-ガラクトース濃度は増加したCAD活性を持つ細胞において顕著に増
加する。フィード実験により、増強した細胞内UDP-ガラクトース濃度が増加
したタンパク質グリコシル化と相関していることが証明されたので、現在のデー
タは、選択された細胞中の増加したCAD活性と増加した細胞内UDP-ガラク
トースにより、細胞中で産生されるタンパク質の増加したグリコシル化を生じる
ことを示唆している。UDP-ガラクトースはグリコシル化経路における既知の
基質である。
【0056】 実施例V ウリジンが供給された細胞はUTPレベルを増加させた 1から20mMのウリジンの存在下及び不存在下で18時間、標準的な組織培
養法の元でCHO細胞をインキュベートし、Ryll及びWagnerと同様な方法を使用
してUTP濃度に対して調べた。0、1、2、5、10及び20mMのウリジン
培養物からの定量データを規準化した細胞内UTP濃度の関数としてプロットし
た。別法として、0.2mMのウリジン又は11mMのガラクトースの存在下で
CHO細胞を培養し、Ryll及びWagnerの方法を使用してUTP濃度に対して調べ
た。
【0057】 データは図7及び8に示される。図7では、CHO細胞へのウリジンの供給が
細胞内のUTPレベルを用量依存的に増加させることを実証している。図8では
、データは、CHO細胞へのウリジンの供給が細胞内のUTPレベルを劇的に増
加させることを確認している。更に、図8では、データは、ウリジンと異なり、
細胞へのガラクトースの供給は細胞内のUTPレベルを増加させないが細胞内の
UDP-ガラクトースレベルを増加させることを実証している。 データは、ウリジン中でのCHO細胞のインキュベーションにより細胞内のU
TPレベルが増加することを実証している。このUTPレベルの増加は、ガラク
トースでの処理が細胞性UTPレベルに影響を及ぼさなかったので、ウリジン処
理の結果であった(ガラクトースはUTP生産のための基質ではないので、これ
は予想される結果である−図9を参照のこと)。
【0058】 実施例VI ウリジンを供給した細胞は増加したガラクトシル化を示す 組換え糖タンパク質、モノクローナル抗体(MAb)aCD20を産生するC
HO細胞株を0.5から1.0mMのウリジンの存在下及び不存在下で7日間培
養した。分泌されたaCD20MAbをMa及びNashabehの方法を使用して免疫親
和性法によって精製した。Ma及びMashabeh (1999) Analytical Chemistry 71(22
):5185-92。精製したaCD20について、Ma及びNashabehのキャピラリー電気
泳動法を使用してガラクトース量を試験し、パーセントガラクトース量としてプ
ロットした。 データを図10に示す。図10では、ウリジン処理細胞からのaCD20MA
bはウリジン未処理コントロール細胞からのaCD20より更に高いガラクトー
ス量を有していた。 データは、増加したUTP濃度を有する細胞が細胞中で産生されたタンパク質
のガラクトシル化を増加させることを実証している。
【0059】 これら実施例を併せると、増加したレベルのCADを発現する細胞が内因性及
び異種性糖タンパク質の生産のための優れた宿主であることを実証している。増
加したCAD活性を持つ細胞は増加したUTPプールを持ち、よって増加したグ
リコシル化を支援することができる。増加したグリコシル化を支援できる細胞は
増加したオリゴ糖量を持つ糖タンパク質を生産するのに重要である。
【0060】 文献 Anumula, K.R. (1995) Rapid Quantitative Determination of Sialic Acid in Glycoproteins by High
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【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aと1Bはピリミジンのデノボ生合成経路の概略図である。
【図2】 PALAを用いて高CAD活性を示すCHO細胞を選択するため
に使用した手順の概略図である。
【図3】 PALA選択CHO細胞対コントロール細胞におけるCPSII
活性を示す棒グラフである。
【図4】 PALA選択CHO細胞中でのCAD発現を示すゲルである。
【図5】 コントロール及びPALA選択CHO細胞中のUTP及びUDP
-ガラクトースを含むヌクレオチド糖及び細胞内ヌクレオチドのHPLCクロマ
トグラムを示す。
【図6】 PALA選択CHO細胞中のUTP及びUDP-ガラクトース量
の90日にわたる安定性を示すグラフである。
【図7】 ウリジン量を変化させて培養されたCHO細胞中のUTP量を示
すグラフである。
【図8】 図8Aと8Bは、ウリジン;ガラクトース;及びウリジンとガラ
クトースの双方と共にインキュベートされたCHO細胞中のUTP(図8A)及
びUDP-ガラクトース(図8B)量を示す棒グラフである。
【図9】 CAD、ウリジン、UTP、ガラクトース及びUDP-ガラクト
ースの間の相互作用を示す概略図である。
【図10】 コントロールと比較してウリジンと共にインキュベートされた
CHO細胞中で生産されたCD20抗体のガラクトース量を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12R 1:91 C12P 21/02 C12N 15/00 A //(C12P 21/02 5/00 A C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA20 BA80 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 4B064 AG01 CA10 CA19 CC24 DA16 4B065 AA90X AA99Y AB01 BA02 BA16 BA18 CA26 4H045 AA10 BA53 CA40 EA20 FA74

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞中で糖タンパク質を生産する方法において、増強された
    CAD活性を持つ細胞中で糖タンパク質を発現させ、それによってグリコシル化
    が促進された糖タンパク質を生産する方法。
  2. 【請求項2】 細胞中で糖タンパク質を生産する方法において、CADイン
    ヒビターに対して耐性を持つ細胞を選択し、該耐性を持つ細胞中で糖タンパク質
    を発現させる工程を含んでなり、該発現によりグリコシル化が促進された糖タン
    パク質を生産する方法。
  3. 【請求項3】 グリコシル化タンパク質を発現させるための宿主細胞におい
    て、グリコシル化タンパク質をコードする異種核酸配列と、宿主細胞と比較して
    増強されたCAD活性を有する宿主細胞。
  4. 【請求項4】 コントロール宿主細胞と比較して増強されたCAD活性を持
    つ宿主細胞中で、タンパク質をコードする異種核酸配列を発現させることを含ん
    でなる方法によって生産されるガラクトシル化タンパク質。
  5. 【請求項5】 CADインヒビターに対する耐性によって選択された宿主細
    胞中で、タンパク質をコードする異種核酸配列を発現させることを含んでなる方
    法によって生産されるガラクトシル化タンパク質。
  6. 【請求項6】 CADインヒビターがN-ホスホンアセチル-L-アスパルテ
    ートである請求項2に記載の糖タンパク質の生産方法。
  7. 【請求項7】 耐性のある細胞がCHO細胞又は昆虫細胞である請求項2に
    記載の糖タンパク質の生産方法。
  8. 【請求項8】 上記発現により、ガラクトシル化が促進された糖タンパク質
    が生産される請求項2に記載の糖タンパク質の生産方法。
  9. 【請求項9】 上記発現により、シアリル化が促進された糖タンパク質が生
    産される請求項2に記載の糖タンパク質の生産方法。
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