JP2003518890A - 一体化されたマイクロホンを有するヘッドホン - Google Patents
一体化されたマイクロホンを有するヘッドホンInfo
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Abstract
Description
るために上記ヘッドホン音響発生手段によって生成される音響信号を制御する手
段とを有する音再生システムに関わる。
オーディオ機器のために使用され、呼出センターにおいても使用される。
れた音響信号(音声又は音楽)は、ヘッドホンに送られ、ヘッドホン中の音響発
生器が音響を発生する。しかしながら、聴取者は、音響信号が適合されない限り
発生された音響が頭の中又はその非常に近傍において発生されている(実際には
そうであるが)ように知覚する。このような音響は、不自然と知覚される。聴取
者による音響信号の知覚が、彼/彼女が外部の音源を聞いていると思うように、
即ち、より自然な音響を知覚するよう信号を処理することが公知である。これを
実現するためには、信号はフィルタを通じて処理され、このフィルタは、頭の近
傍又はその中で発生される音響が一つ(又は一つ以上の)外部の音源をシミュレ
ートするように信号の特性を変更するために設定される。これに関する重要な面
は、外部の源による頭及び、耳介自体への音響の伝達特性、いわゆる、頭に関連
する伝達関数(Head Related Transfer Function(HRTF))、即ち、音
響が減衰され、音響が聞こえる前に頭及び耳介自体によって変更される方法にあ
る。外部の音響シミュレーションを得るためにHRTFを考慮して信号を処理す
る試みは、J.Acoust.Soc.Am85(2),p858−878,F.L.Wightman及びD.Kistle
r,Feb.1989:“Headphone simulation of free-field listening I and
II”から公知である。
耳の実際の形状及び形態に依存し、人と人とで実質的に異なる。更に、頭の動き
も音響の知覚に影響を与えるため事を複雑にさせる。例えば、日本国特許出願J
P08/079900Aから、耳と耳との間の距離、頭の高さ、及び、頭の動き
を測定するための測定装置を具備するヘッドホンを提供することが公知である。
このような測定は、音再生を改善するために使用され得るが、結果は、改善のた
めに部屋から出る。HRTFは、このような測定の結果を用いておよそだけ決定
され得る非常に個別的なものである。同様にして、頭の動きもおよそだけ決定さ
れる。
ことを目的とする。
答して少なくとも一つの外部の音源が動作するとき、マイクロホンによってレジ
スタされる信号が実質的にゼロとなるようヘッドホン音響発生手段によって生成
される音を調節する手段、及び、ヘッドホン中の音響発生をシミュレートする外
部の源に影響を与えるために上記調整の結果を記録する手段を含む第1の組、及
び/又は、マイクロホンによってレジスタされる信号と既知の信号との間の差が
実質的にゼロとなるようヘッドホン音響発生手段によって生成される音響を調整
する手段、及び、ヘッドホン中の音響発生をシミュレートする外部の源に影響を
与える上記調整の結果を記録する手段を含む第2の組を有し、制御手段は、第1
の組及び第2の組夫々の調整手段及び記録手段を含み、又は、これら手段に結合
されることを特徴とする。
る上記マイクロホンは、ヘッドホン音響発生手段、並びに、本発明に一面におけ
るように少なくとも一つの外部の源によって発生される音をレジスタする。シス
テムは、信号に応答する少なくとも一つの外部の源及びヘッドホン音響発生手段
が活性化されているとき、マイクロホンが実質的にゼロの信号をレジスタするよ
うヘッドホン音響発生手段によって生成される音を調整する手段を有する。ヘッ
ドホンは、人間の知覚的に、反対の符号を有するが同じ聴覚の信号を外部の源と
して生成する。その後、外部の源が遮断されるとき、又は、全て除去されるとき
、聴取者によって知覚される音は外部の源に対する音と同じである。マイクロホ
ンによってレジスタされる信号は、源だけが動作されるときの信号と等しい。拡
声器のような源に送られる信号とこのような外部の源をシミュレートするために
ヘッドホン音響発生手段に送られる信号との間の関係が公知である。上述の調整
からのデータは、外部の源がシミュレートされるような方法でヘッドホンへの音
響信号の調整のために使用される。
ン信号との間の関係が測定される。しかしながら、このような測定は、信号a(
外部の源の信号)とb(等しいヘッドホン信号)との間の関係だけでなく、信号
c(ヘッドホン信号)と、c(マイクロホン信号)と、及び、信号a(外部の源
の信号)とc(マイクロホン信号)との間の関係も提供する。これら関係は、以
下の通りに本発明の別の面において追加的に又は別々に使用され得る。
間の関係が確立されると、全ての状況において、即ち、他の頭に対して信号を有
する外部の源を更に使用することは必要でない。必要な場合にヘッドホン信号b
を調整するために、特定の外部の源の信号aに対応するマイクロホン信号cを知
る(そして、知られている)ことが十分である。ヘッドホン音響発生手段が「本
当に」(信号b)外部の源(信号a)をシミュレートするとき、特定のマイクロ
ホン信号(信号c)がレジスタされるべきである。これは、「標準的な頭」にお
ける場合である。しかしながら、ヘッドホンが別の頭に着けられるとき、HRT
Fは異なり、HRTFが異なるため、ヘッドホン音響発生手段に送られる同じ信
号bが上記特定のマイクロホン信号cから異なるマイクロホン信号c’を発生す
る。システムは、信号c’が信号cに等しくなるようにヘッドホン音響発生手段
に(b’に)送られる信号bを調整し、調整データを記憶し、外部の源をシミュ
レートするために更なる音の生成のために調整データを使用する手段を有する。
がある一方で、幾つかの実施例では、ヘッドホン音響発生手段(ヘッドホン拡声
器)は、特にこのようなヘッドホン音響発生手段が耳のチャネルの中におかれる
ときマイクロホンとして二重の機能を有してもよいことに注意する。
しい。
能にする。上記ユーザが次回システムを使用するとき、入来する信号は「正しい
」又は少なくとも「略正しい」方法でフィルタされる。
明確になる。
声器LSl(拡声器−左)及びLSr(拡声器−右)が部屋の中にある。これら
拡声器を用いて、空間中のどこか他の点にある拡声器LSpによって音響信号V r が生成されるように音響を発生することを意図する。
ような印象を人1に与えるよう、どの信号が実際の拡声器LSl及びLSrによ
って発生されるべきかを計算するためには、信号Xが変更、即ち、拡声器LSl に対してフィルタ関数WXL(lは左を意味する)、及び、拡声器にLSrに対
してWXRによってフィルタ処理されなくてはならない。
よって発生される信号はXWWRである。
は、伝達関数によって乗算される信号に等しい圧力を耳において(実際の源に対
しては)生じさせ又は(想像上の源に対しては)生じさせると思われる。図中、
伝達関数Wll(左の拡声器から左耳へ)、Wlr(左の拡声器から右耳へ)、
Wrl(右の拡声器から左耳へ)、Wrr(右の拡声器から右耳へ)、Wpl(
想像上の拡声器から左耳へ)、及び、Wpr(想像上の拡声器から右耳へ)が示
される。
WXL(左拡声器への信号)×Wll(左拡声器から左耳への伝達関数)+XW
XR(右拡声器への信号)×Wrl(右拡声器から右耳への伝達関数)の和であ
る。従って、 Pl=X(WXLWll+XWXRWrl) である。
、及び、 WXR=(WplWlr−WprWrr)/(WlrWrl−WllWrr)
となる。
に対して決定されなくてはならず、従って、実際に各周波数に対して、フィルタ
関数WXR及びWXLが決定され、固定され、使用されなくてはならない。正確
なフィルタ関数WXR及びWXLを用いると、聴取者は「想像上の源」LSpか
ら聞こえる。従って、二つの拡声器を用いて、「想像上の」音源において音響が
発生され得、これを聴取者は、拡声器LSL及びLSRの実際の場所以外の別の
場所から来るように思う。この知覚は、伝達関数(本願ではしばしば「フィルタ
」又は「フィルタ設定」とも呼ばれる)WXL及びWXRの正確さに依存する。
、Wlrを決定することが困難なため、フィルタWXL及びWXRを決定するこ
とが困難である。実際の拡声器に対する伝達関数は、ある程度まで「標準的な頭
」に対して計算及び/又は測定され得るが、実際には、各頭及び各ヘッドホンは
異なっており、従って、伝達関数は常にほぼ適当であるが、非常に良いというこ
とは決してない。想像上の源に対する伝達関数は、推定又は理論的にだけ導き出
され得る。高い周波数に対して特に、伝達関数は、頭及び耳の管の形状のため、
決定することが困難である。つまり、頭に関連する伝達関数(Head Related T
ransfer function)、即ち、HRTFは、非常に個別的である。
を要求しこのような計算自体がエラー源と成り得、又は、周波数の帯域に対する
平均的な伝達関数の使用を必要としこれも又エラーを生む、のいずれかを要求す
る。
置にだけでなく、他の要素、例えば、音波を反射又は変更し従って伝達関数に影
響を与え得る、源又は耳の近傍にある対象物にも依存する。
ヘッドホンは、音響発生手段4及び5を有する。信号x(k)は、フィルタ設定
WXL(k)及びWXR(k)を有するフィルタ手段(即ち、変調手段)を通じ
て手段4及び5に中継される。前のシステムでは、フィルタ8及び9は、(図1
に示すように)固定されたフィルタであり、従って、設定WXL(k)及びWX R (k)も固定されていた。これら固定されたフィルタは、「平均的な部屋」に
おける「平均的な頭」に等しいように通常設定される。フィルタ後の信号は、
又はその近傍にあり、信号rl(k)及びrr(k)を発生する。信号r1(k
)及びr2(k)は、外部の源及びヘッドホンによって発生される音響の和によ
るものである。これら信号rl(k)及びrr(k)は、比較及び調整手段10
に供給され、この手段は、信号x(k)のための入力と、設定WXL(k)及び
WXR(k)を適応又は調整するためのフィルタ手段8及び9への出力とを有す
る。図2では、伝達関数Wll及びWrrだけが示されていることに注意する。
これは、以下に説明する。
手段10に給送される。この調整手段は、マイクロホン信号rl(k)及びrr (k)が好ましくは、各周波数、又は、周波数の各選択された組或いは選択に対
して)ゼロになる(までフィルタの設定WXL(k)及びWXR(k)(従って
、信号
以上の設定WXL(k)及びWXR(k))が変化されるように行われてもよく
、次に、信号rl(k)が上昇又は減少したかがチェックされ、上昇した場合、
パラメータが反対の方向変化され、減少した場合、パラメータは同じ方向に変化
される。この処理は、信号rl(k)及びrr(k)が実質的にゼロになるまで
繰り返される。このような方法のより詳細な説明には、例えば、Simon Haykin
による“Adaptive Filter Theory”,Prentice Hall,Upper Saddle River
,ISBN0-13-322760-Xを参照する。一般に、このような方法ではより少ないパラ
メータが考慮され、結果はより良くなり、結果はより早く実現され得る。マイク
ロホン信号rr(k)及びrl(k)が実質的にゼロのとき、聴取者は何も聞こ
えない。フィルタ設定WXL(k)及びWXR(k)に対する結果となる値がそ
れにより決定される。これらフィルタ設定は、例えば、コンピュータデータベー
ス中のテーブルでもよい。源PLが遮断又は除去されたとき、聴取者は、上記源
PLから来ると知覚する音響を聞く。従って、聴取者は、源PLの位置において
「想像上の源」を聞く。システムが一人の人に対してだけ使用される場合、この
ようなテーブルが使用できる唯一のテーブルであるが、システムがフィルタ8及
び9に対する確立された設定WXL(k)及びWXR(k)を記憶し、人を識別
するデータと設定を組にする手段(図2中入力Iによって概略的に示す)を有す
ることが好ましい。同じ人がシステムを次回使用するとき、フィルタは、人を識
別する情報がシステムに与えられたとして、上記人に対して正確に又は少なくと
も略正確に設定される。実際には、テーブルは、人を識別する名前又は番号と組
にされて例えば、コンピュータデータベースに記憶される。
、より多くの「自然な」音響及びより良い「限定された」想像上の源が聴取者に
聞かれる。固定されたフィルタに対する利点は、WXL(k)及びWXR(k)
が容易に、速く、且つより正確に決定され得、異なる場所及び異なる人に対して
適応される点である。例えば、頭伝達関数が固定されたフィルタで計算される場
合、平均的な頭の平均的な高さ、及び、幅のようなパラメータが使用され、この
ようなパラメータは、該人が帽子のように頭に着用する物、又は、例えば、平均
的な頭の大きさとは実質的に異なる大きさの頭を有する場合、役に立たない又は
明らかに誤った結果を生ずる。これに関して、髪の毛の長ささえも重要になる。
更に、耳の間の距離及び頭の高さ以外の他のパラメータもHRTFにおいて重要
になり得る。本発明は、これら欠点を有しないが、頭及び耳の大きさ及び形状及
び/又は上記人が帽子を被るか否かに関係なく、各人に対して信頼できる結果を
与え、これは、これら全ての要素がマイクロホンにより役割を担わないからであ
る。更に、交差伝達関数(Wr1及びW1r)は、耳2及び3に対する源4及び
5の近さにより、無視できる程度、又は、非常に小さい。これは、例えば、図2
に示すような好ましい実施例において、計算をより簡略化させ、従って、エラー
源を除去することを可能にする。式において、 WXL=(Wpl)/(W11) WXR=(Wpr)/(Wrr) となる。
生に対する式と比較して簡略化されている。各耳に対して、フィルタ関数は、6
ではなく二つの伝達関数にだけ依存する。実際に、フィルタ設定WXR及びWX L の決定は独立している。左(右)耳における測定は、WXL(k)(WXR(
k))を決定するに十分である。これは、より早い(より少ない応答時間)及び
より良いWXL及びWXRの決定を可能にする。更に、ヘッドホンの音響の路の
応答は、非常に短い(従って、応答時間を更に短くさせる)。更に、伝達関数W ll 、Wrr(及びWrl及びWlr)に対する、部屋の形状、及び、部屋の中
の対象物のような外来の影響は、ヘッドホンの音再生において存在しない。
かを見るために図2に概略的に示すようなシステムを用いて試験されるとき、想
像上の拡声器の場所は、無反射の部屋(音響反射が最小限に減少された部屋)及
び聴音部屋(通常の音響反射の部屋)の両方において正しかった。これら結果は
、固定されたフィルタを使用する公知のシステムにおける結果よりも非常に良い
。或いは、(比較的長い距離にある源に対して特に重要と成り得るが)、各マイ
クロホンから来る信号を扱う代わりに、これら二つの信号の和(rl(k)+r
r(k))及び差(rl(k)−rr(k))も使用され得る。和及び差がゼロ
である場合、夫々の信号はゼロである。通常、Wll及びWrrは、略等しく(
対称的)、源Wpl及びWprから長い距離においてもあまり差はない。これら
の事実は、計算を簡略化するために使用されることが好ましい。図2において、
異なるフィルタ手段(8,9)及び調整手段(10)がより明瞭にするために別
々に示されていることに注意する。これらフィルタ手段及び調整手段は、一つの
装置に全て組み込まれてもよく、組み込まれることが好ましい。ある状況、例え
ば、源の略対称的に配置された固定された位置において、一つのマイクロホンだ
けが使用され得る。上記一つのマイクロホンのデータが十分である。
PL1及びPL2が使用される。夫々の拡声器に対して、伝達関数WXL及びW XR が上記の通りに決定され得る。これは、以下の通りに行われ得る。第1の拡
声器PL1が活性化され、マイクロホン信号がゼロにされる。上記拡声器に対す
るフィルタ設定WXL(k)及びWXR(k)が決定される。その後、拡声器P
L1が不活性化され、拡声器PL2に対するフィルタ設定W’XL(k)及びW
’XR(k)を決定するために拡声器PL2が活性化される。夫々の拡声器に対
するフィルタ関数が決定された後、システムは、非常に自然な音響、即ち、ステ
レオ音響で二つの音源PL1及びPL2の全ての混合を再生することができる。
信号y(k)に対して、ヘッドホン音響発生手段に対する信号は、
例えば、ベクトルとして書かれ得、異なる源に対するフィルタ設定はマトリクス
形態で書かれ得る。(源に対する)ベクトルと(設定に対する)マトリクスとの
乗算は、信号
部屋に対して異なってもよい。
PL2に対して夫々伝達関数WXL及びWXR、並びに夫々のW’XL及びW’ XR を確立すると、この知識は、例えば、幾何学的な原理を用いて、より多くの
想像上の音源例えば、想像上の拡声器PL1及びPL4を「形成」するために使
用され得る。その後例えば、ベクトル−マトリクス乗算の上記技法を用いて、「
周囲の音」が形成されてもよい。これを固定されたフィルタを用いて行う際に生
ずる問題は、既に説明したように、中でも非常に個別的なHead Related Trans
fer Functions、及び、部屋の中の残響のような局部的な状況にある。二つの公
知の源から始まり、幾何学的及び/又は標準的な技法を用いて、他の影響に対し
てはそれほどでもないが幾何学的な点に関して、想像上の源PL3及びPL4に
対する伝達関数を計算し得る。本発明によるシステムにおいて、上記困難は大部
分解決され、これは、実際の部屋(従って、少なくとも部分的に部屋の中の残響
を考慮する)において実際のヘッドホン(従って、関連するHRTFを考慮する
)での実際の頭に対する実際の測定が使用され、結果として、これらの影響を考
慮して想像上の源のより良い表現を与える伝達関数をもたらすからである。
は、ヘッドホンの間の接続)は、二つの源PL1及びPL2及び/又は何らかの
固定された基準点に対して位置を測定する手段を有する。このような手段は、例
えば、源PL1及びPL2の中又は近傍にあるセンサによって感知される赤外線
源、又は、ヘッドホン中のセンサによって感知されるPL1及びPL2の中又は
近傍にある赤外線源である。このような手段は、超音波を発生し感知する手段を
有してもよい。本例では、二つの「実際の」拡声器がテレビジョンセット51の
両側に位置決めされる。少なくとも一つのヘッドホンの近傍又はそこにおいて、
信号のエミッタ、又は、局部化信号のためのセンサが存在し、システムの静止部
分は局部化信号のためのセンサ又はエミッタを有する。
つの源PL1及びPL2はオフにされるとき、「想像上の源」としてヘッドホン
において可聴である。これら二つの外部の源PL1及びPL2をシミュレートす
るための伝達関数は、個々のHRTF及び部屋に関連する要素を含む。頭及びフ
ィルタの位置を知ることにより、幾何学的な考慮を用いて一つ以上の想像上の源
PL3及びPL4が形成され得、又は、或いは、追加的にシステムは、源に関し
て聴取者の多くの異なる位置に対する多くの伝達関数を含むテーブルを有しても
よい。聴取者が部屋の中で移動すると、源PL1及びPL2を関しての頭の位置
が、定期的に測定され、正確な場所で想像上の源PL1乃至PL4を形成するため
に使用される。「正確な」フィルタ関数は、例えば、実際の位置に最も近い位置
に関連するフィルタ設定テーブルを選択、又は、実際の位置に近い幾つかの位置
に対応する幾つかのフィルタ設定の幾らかの平均を(例えば、補間によって)捕
捉するのいずれかによって確立されてもよい。実際の又は想像上の源に対して「
正確なフィルタ関数」を確立することにおいて、人間の耳が頭の後ろよりも頭の
前にある位置から来る音響に対してより知覚可能である、つまり、「周囲の音」
を作るためには、源の数が聴取者の周り均等に分布される必要がなく、頭の後ろ
にある源の数は少なくてもよいことが考慮される。
ロホンによって測定される信号rl(k)並びにrr(k)が実質的にゼロであ
るようヘッドホン音響発生手段4及び5に送られる信号
抽出することで、実際の又は想像上のいずれでもよい一つ以上の拡声器(又はチ
ャネル)に対してフィルタ関数WXL及びWXRを決定することから始まる。
定の頭に対してフィルタ設定WXL及びWXRを見つけるために使用され、この
とき簡略化のため頭は「標準的な頭」と呼ばれる。しかしながら、これらフィル
タ設定は、前述したように、非常に個別的なHRTFに依存する。他の人に対し
て、これら設定は正しくなくてもよい。上述したように、この問題を克服する一
つの方法は、全ての個々の人に対してフィルタ関数を測定し、上記人を識別する
データと関連するフィルタ関数設定を記憶することである。しかしながら、この
ような手順が非常に良い結果をもたらすにも関わらず、比較的複雑な手順である
。本発明の面において、異なる道を辿る。「標準的な頭」に対するフィルタ設定
が正しい(即ち、信号x(k)による外部の源及びマイクロホン音響発生手段の
音の和によるマイクロホン信号がゼロ)なとき、外部の源は遮断され、ヘッドホ
ン音響発生手段に送られたマイクロホン信号r”(k)が測定され(又は、代替
的にヘッドホン音響発生手段が遮断され、外部の源によるマイクロホン信号が測
定される)。信号r”(k)に対応するデータがシステム中に記憶される。別の
人がヘッドホンを着けるとき、同じ信号x(k)は同じフィルタ設定でヘッドホ
ン音響発生手段4に送られるが、同じ信号
ン信号r’(k)を発生する。
と比較する手段と、マイクロホン(r’(k))によってレジスタされた信号と
公知又は計算された信号(r”(k)、r”’(k)、r””(k))との間の
比較が上記二つの信号が略同じであることを示すように、フィルタ設定WXL(
k)及びWXR(k)を変化させる手段10とを有する。信号又は、信号r’(
k)及びr”(k)を表示するデータの比較は、信号が略同じであることを示す
。このような比較は異なる方法で行われ得る。最も簡単な方法は、r”(k)に
対するデータを記憶し、r’(k)及びr”(k)に対するデータの和又は差(
記憶されたデータの符号に依存して)を計算することである。これらデータは、
信号r’(k)及びr”(k)を直接的に表示してもよく、又は、信号から引き
出される何らかのデータでもよく、このとき、比較に必要なデータを減少させる
ために引き出す。例えば、信号r’(k)及びr”(k)は、フーリエ空間に変
換されてもよく、フーリエ空間において比較が行われてもよい。フィルタ設定は
、記録され(例えば、手段8、9、又は10に記憶されるが、何らかの他の手段
に記録されてもよい)、一つ以上の外部の源をシミュレートするために更なる音
生成のために使用される。頭の形状及び大きさを除けば、他の要素、例えば、音
響が発生されるサイトの音響(例えば、残響)も重要である。図6では、r”(
k)は、例えば、コンサートホールにおける音再生に、r”’(k)はスタジア
ムにおける音再生、r””(k)は小さい部屋(チャンバ又はクラブ)における
音再生に対応してもよい。システムのユーザは、好みに合わせてこのような設定
を選択してもよい。本例では、比較信号r”(k)等は、固定された状況に対応
する固定された信号である。より高度なシステムでは、比較信号はより自由に選
択され得、例えば、ユーザに仮想のサイトの大きさ及び音響特性、又は、サイト
内の聴取者の位置を変える機会を与えることで選択され得る。基本的な考えは、
信号r’(k)(及び各チャネルに対する信号)は、記憶され又はンピュータ生
成された信号(r”(k)、r”’(k)、r””(k))と比較され、二つの
信号がフィルタ設定WXR(k)及びWXL(k)を変化させることで略同じに
されることである。
示す図である。
に入れられるよう設けられる。ヘッドホン11がシェルのような構成を有し、音
声発生手段がシェルの中にある本実施例では、マイクロホンが鼓膜の近傍にある
内耳中で音をレジスタすることが好ましい。この目的のために、管12が音案内
として設けられる。図7bでは、ヘッドホンは、耳の中におかれ、マイクロホン
6が内耳の近傍又は中におかれる。図7cでは、ヘッドホン11及びマイクロホ
ン6は、別個の装置であるが、耳の中又は近傍に夫々配置される。音響発生手段
の出力信号は、ジャック72に送られ、マイクロホンの出力信号は別個のジャッ
ク71に送られる。図7Eでは、両方の信号は、二つの別々のポート75及び7
6を有する単一のジャック73に送られ、これらポートを通じて信号はシステム
の一部に伝えられる。本実施例は、単一のジャックだけが必要なため、最も好ま
しい実施例である。ジャックが挿入される音響システムの部分には、信号を捕捉
する手段が設けられてもよい。このようなジャックは、余分な出力に対して標準
的なジャックでもよいが、マイクロホンから信号をレジスタする可能性に対して
同様に、ジャックが挿入されるべき音響システムの部分も標準的でもよい。これ
は、ユーザに関わる限り、「標準的な」機器が使用されることを可能にする。音
響システムは、「通常のマイクロホン」で動作されることが可能となり(この場
合、マイクロホン信号は無いが、本発明のシステムによるヘッドホンが使用され
るか否かに関わりなくレジスタすることができ、使用される場合、本発明に従っ
て動作する)。
ら派生する任意の組み合わせ或いは上記信号を表示するデータ)が無線、若しく
は、別個のプラグによって中継され得ることを示す。
て示される。実施例では、ヘッドホン音響発生手段自体がマイクロホンとして使
用されてもよい。図8は、これがどのようにして行われるかを非常に概略的に示
す図である。ヘッドホン音響発生手段81は、音響を発生するために膜83を駆
動する手段82を有する、又は手段82に結合或いは手段82と結合される。上
記システムは、入力84を介して信号Iinが供給される。ヘッドホン音響発生
手段は、膜の動きに対応する信号Ioutを発生する出力86を有する手段85
(手段82と共通の構築素子の幾らか、大部分、又は、全てを有してもよい)を
有する。信号Iinを調整する手段87は、信号Ioutのための入力を有し、
外部の源が音響を発生するときIoutが実質的にゼロになるようIinを調整
する。このような状況では、膜の位置における音圧は、ゼロであり、従って、静
かである。これらの実施例に対して、即ち、ヘッドホン音響発生手段がマイクロ
ホンとして二重の機能を有する実施例に対して、ヘッドホン音響発生手段が耳の
中におかれ動作することが好ましい。
を発生する手段(4,5)及びマイクロホン(6,7)(即ち、音響を記録する
手段)を有する。更に、システムは、生成された音響が外部の音源をシミュレー
トするよう信号をフィルタ処理する手段(8,9)を有する。これらフィルタ手
段は、フィルタ設定データWXR(k)及びWXL(k)を有する。システムは
、マイクロホン(6,7)からの信号(rl(k)、rr(k))がフィルタ手
段(8,9)の設定WXL(k)及びWXR(k)を設定するために使用される
フィードバック及び制御システム(10)を有する。信号は、(外部の源が使用
されるとき)ゼロ(rl(k)=0、図3参照)にすることで使用され得、又は
、マイクロホン信号と測定された信号が略同じになるようゼロに比較(r”(k
)−r’(k)=0、図6参照)することで使用され得る。
るようなシステムが公知であることに注意する。幾つかのこのようなシステムで
は、ヘッドホン中のマイクロホンが使用される。ヘッドホン音響発生手段は、あ
る周波数帯域幅内の全てのノイズを取り除く、又は、少なくとも強く減少させる
ために対するノイズを発生する。このようなシステムの背後にある考え方は、通
常低周波のノイズを除去することによってノイズと通常より高い周波数の通信音
響信号との間のノイズ対信号比が増加されることである。しかしながら、このよ
うなシステムは、外部の源をシミュレートせず、マイクロホン信号はフィルタ設
定を設定するために使用されない。
を概略的に示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 音声発生手段を具備するヘッドホンと、外部の音源をシミュ
レートするために上記ヘッドホンの上記音声発生手段によって発生される音響信
号を制御する手段とを有する音再生システムであって、 上記ヘッドホンは、マイクロホンを具備し、 上記制御手段は、少なくとも一つの外部の音源が信号に応答して動作するとき
、上記マイクロホンによってレジスタされる信号が実質的にゼロとなるよう上記
ヘッドホン音響発生手段によって生成される上記音を調整する手段、及び、上記
ヘッドホン中の音響発生をシミュレートする外部の音源に影響を与えるために上
記調整の結果を記録する手段を含み、若しくは、上記調整手段或いは上記記録手
段に結合され、及び/又は、 上記制御手段は、上記マイクロホンによってレジスタされる信号と既知の又は
計算された信号との間の比較が、上記マイクロホンによってレジスタされる信号
及び上記既知の信号が実質的に同じであることを示すよう上記ヘッドホン音響発
生手段によって生成される上記音を調整する手段、及び、上記ヘッドホン中の音
響発生をシミュレートする外部の音源に影響を与えるために上記調整の結果を記
録する手段を含み、又は、上記調整手段或いは上記記録手段に結合されることを
特徴とする音再生システム。 - 【請求項2】 人に対して調整データをレジスタする手段を有することを特
徴とする請求項1記載の音再生システム。 - 【請求項3】 上記ヘッドホンには音伝達手段が設けられることを特徴とす
る請求項1記載の音再生システム。 - 【請求項4】 上記音伝達手段は管を有することを特徴とする請求項3記載
の音再生システム。 - 【請求項5】 上記マイクロホンは、耳の中に挿入可能なヘッドホンと一体
化されていることを特徴とする請求項1記載の音再生システム。 - 【請求項6】 上記ヘッドホン音響発生手段はマイクロホンであることを特
徴とする請求項1記載の音再生システム。 - 【請求項7】 上記ヘッドホンと、上記システムの静止状態の素子との相対
位置を確立する手段を有することを特徴とする請求項1記載の音再生システム。 - 【請求項8】 少なくとも一つのヘッドホンの近傍、又は、上記少なくとも
一つのヘッドホンにおいて、信号のエミッタ又は局部化信号が存在し、固定され
た部分はセンサ又は信号を限定するエミッタを有することを特徴とする請求項6
記載の音再生システム。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の音再生システムに
おいて使用するヘッドホン。
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