JPH09185383A - 適応音場制御装置 - Google Patents

適応音場制御装置

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JPH09185383A
JPH09185383A JP7354500A JP35450095A JPH09185383A JP H09185383 A JPH09185383 A JP H09185383A JP 7354500 A JP7354500 A JP 7354500A JP 35450095 A JP35450095 A JP 35450095A JP H09185383 A JPH09185383 A JP H09185383A
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adaptive
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sound
filter
listener
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JP7354500A
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English (en)
Inventor
Junichi Hayakawa
純一 早川
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Kenwood KK
Original Assignee
Kenwood KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の音場特性を正確に実現できる適応音場
制御装置を提供する。 【解決手段】 L,Rのオーディオ信号に基づき音響再
生手段20と30が音響出力するオーディオにおいて、聴取
者の左右の耳近くにマイク40と50を設置し、L,Rの音
響を各々、左耳と右耳で聴取するときの所望の音場特性
を基準用加工手段60と70に設定しておく。音場補正が指
示されると、システムコントローラ80は伝達関数CLl
Rrを同定し、適応制御部26と36にセットし、順に適応
制御を開始させる。適応制御部26はマイク40の出力と、
Lchのオーディオ信号を基準用加工手段60に通した基準
用信号との偏差が零となるように音響再生手段20に設け
られた適応フィルタ22を適応制御する。次に、適応制御
部36がマイク50の出力と、Rchのオーディオ信号を基準
用加工手段70に通した基準用信号との偏差が零となるよ
うに音響再生手段30に設けられた適応フィルタ32を適応
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音場を能動的に制御する
適応音場制御装置に係り、とくにフラット、ローブース
ト、ボーカル帯域の強調、ステレオ音像の補正など、所
望の音場特性を正確に実現できる適応音場制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】CDプレーヤ等の再生装置にて再生した
音楽信号でスピーカを駆動した場合、スピーカの口径が
十分に大きくないと低域のレスポンスが不足し、迫力の
有る低音を聞くことができないことが有る。また、音響
再生空間が車室内の如く狭い場合、500Hz〜1kH
zのレスポンスが落ち、ボーカル音が不明瞭となる場合
がある。このため、従来は、CDプレーヤとパワーアン
プの間にグラフィックイコライザを装備し、ユーザが低
域と500Hz〜1kHzのボーカル帯域のゲインを持
ち上げて、聴取位置での周波数−ゲイン特性がフラット
な特性に近づくようにしていた。また、CDプレーヤと
パワーアンプの間に伝達特性(伝達関数)が固定の補正
用フィルタを設け、ユーザがマニュアルで調整をしなく
ても聴取位置での周波数特性がフラットな特性となるよ
うに補正していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ユーザ
がグラフィックイコライザを用いて、マニュアル操作で
聴取位置での周波数特性をフラットに調整するのは非常
に困難である。また、伝達特性(伝達関数)が固定の補
正用フィルタでは実現される周波数特性が固定している
ため、個々のユーザの頭の形や耳介の形の違い(頭部伝
達関数の違い)に対応できず、フラットな周波数特性を
正確に実現することができないという問題があった。一
方、スピーカをヘッドホンに置き換えた場合、車室内等
の空間の影響は受けなくなるが、ヘッドホンスピーカの
周波数特性のうねり、耳介の伝達周波数特性のうねりを
補正して総合周波数特性をフラットにするためにはグラ
フィックイコライザや伝達特性(伝達関数)の固定した
補正フィルタを用いる必要が有る。けれども、前述した
如く、ユーザがグラフィックイコライザを用いて、マニ
ュアル操作で聴取位置での周波数特性をフラットに調整
するのは非常に困難であり、また、伝達特性が固定の補
正用フィルタでは実現される周波数特性が固定している
ため、個々のユーザの耳介の形の違いに対応できず、フ
ラットな周波数特性を正確に実現することができない。
本発明は上記した従来技術の問題に鑑み、所望の音場特
性を正確に実現できる適応音場制御装置を提供すること
を、その目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の適応音場制御装
置では、各々、入力信号を可変の伝達関数で加工する加
工手段、該加工手段の出力を電力増幅する増幅手段、該
増幅手段の出力を音響変換する電気−音響変換手段、を
含む1または複数の音響再生手段と、聴取者の片方の耳
近くに置かれた少なくとも1つのマイクと、各マイク毎
に設けられて、入力信号を所望の伝達関数で加工し、基
準信号を得る基準用加工手段と、各音響再生手段毎に設
けられて、少なくとも1つのマイクにつき、マイク出力
と対応する基準信号との差が小さくなるように加工手段
の伝達関数を適応的に制御する制御手段と、を備えたこ
とを特徴としている。
【0005】また、前記制御手段は加工手段の伝達関数
の適応制御を任意の所定時に一時的に行い、適応制御完
了後、加工手段の伝達関数を固定するようにし、制御手
段が適応制御を行う時のみ、各マイクを聴取者の耳近く
に位置させ、他の時間は聴取者の耳近くから離れた位置
に退避させる可動支持手段を備えたこと、を特徴として
いる。
【0006】また、前記電気−音響変換手段はヘッドホ
ンに設けたヘッドホンスピーカとし、前記マイクはヘッ
ドホンに固定されて外耳道の入口近くに位置するように
したこと、を特徴としている。
【0007】また、入力信号が複数チャンネル存在する
場合、前記1または複数の音響再生手段は、入力信号の
チャンネル毎に設け、前記基準用加工手段は、各チャン
ネルの入力信号を個別に所望の伝達関数で加工したのち
加算して基準信号を得るようにしたこと、を特徴として
いる。
【0008】また、前記基準用加工手段は、予め用意さ
れた複数種の所定の伝達関数の中から、聴取者が1つを
所望の伝達関数として選択可能とされていること、を特
徴としている。
【0009】また、前記電気−音響変換手段は、聴取者
の耳の後方で耳の高さより下に、下向き又は上向きに設
置したこと、を特徴としている。
【0010】
【作用】本発明の適応音場制御装置によれば、1または
複数の音響再生手段で再生された音響を、聴取者の片方
の耳近くに置かれた少なくとも1つのマイクまたは両方
の耳の各々の近くに置かれた少なくとも2つのマイクで
拾う。そして、各マイク毎に設けた基準用加工手段によ
り入力信号を所望の伝達関数で加工した基準信号と、対
応するマイク出力との差が小さくなるように、制御手段
にて各音響再生手段に設けられた加工手段の伝達関数を
適応的に制御する。これにより、音響再生手段の電気−
音響変換手段または音響再生空間が如何なる周波数−レ
スポンス特性を持つか、または聴取者が如何なる頭部伝
達特性を持つかによらず、聴取者所望の音場を正確に実
現することができる。
【0011】また、前記制御手段は加工手段の伝達関数
の適応制御を任意の所定時に一時的に行い、適応制御完
了後、加工手段の伝達関数を固定する。そして、制御手
段が適応制御を行う時のみ、可動支持手段が各マイクを
聴取者の耳近くに位置させ、他の時間は聴取者の耳近く
から離れた位置に退避させる。これにより、例えば車室
内の如く聴取者の耳の位置が殆ど動かないような場合、
音楽聴取開始前や音楽聴取途中の任意の所定時に、所望
の音場特性を実現させるために適応制御する間以外は、
マイクを聴取者の頭から離し障害物として邪魔にならな
いようにできる。
【0012】また、ヘッドホンに設けたヘッドホンスピ
ーカにより電気−音響変換を行い、マイクはヘッドホン
に固定されて外耳道の入口近くで音を拾う。これによ
り、ヘッドホン再生時でも、聴取者の耳介の伝達関数の
個人差に関わらず、聴取者所望の音場を正確に実現する
ことができる。
【0013】また、入力信号が複数チャンネル存在する
場合、前記1または複数の音響再生手段は、入力信号の
チャンネル毎に設け、前記基準用加工手段は、各チャン
ネルの入力信号を個別に所望の伝達関数で加工したのち
加算して基準信号を得る。これにより、例えばステレオ
音楽信号の如く、複数チャンネルを有する入力に対して
も、各加工手段の伝達関数の適応制御を同時平行して行
うことができ、聴取者所望の音場を迅速かつ正確に実現
することができる。
【0014】また、前記基準用加工手段は、予め用意さ
れた複数種の所定の伝達関数の中から、聴取者が1つを
所望の伝達関数として選択する。これにより、音楽のジ
ャンル、音楽ソースの種類等に合わせて音場特性を種々
に変更することができる。
【0015】また、前記電気−音響変換手段は、聴取者
の耳の後方で耳の高さより下に、下向き又は上向きに設
置する。これにより、音像の定位が不明瞭となり、電気
−音響変換手段の存在を意識させないようにできる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の第1実施例に係る適応音場制
御装置の全体的な回路図である。10はCDプレーヤ、
チューナ等のオーディオソース機器であり、L,Rの2
チャンネルステレオオーディオ信号の出力ができるL
OUT ,ROUT の2つの出力端子を有している。20と3
0は各々、オーディオソース機器からのLOUT とROUT
の2つの端子からの入力信号に基づき音響再生する音響
再生手段であり、この内、21と31はA/D変換器、
22と32はフィルタ係数が可変で次数がIのFIRデ
ィジタルフィルタから成る適応フィルタであり、各々、
A/D変換器21と31の出力を可変の伝達特性(伝達
関数)で加工する。23と33はD/A変換器、24と
34は電力増幅器、25と35は各々、L,Rのスピー
カ(電気−音響変換手段)である。
【0017】40と50は聴取者の両方の耳の外耳道入
口近くに置かれた2つのモニタマイクであり、フラット
な周波数特性(周波数−レスポンス特性)で聴取者に聞
こえる音響をモニタする。41と51はマイクアンプ、
42と52はA/D変換器、60はLOUT 端子から出力
されたオーディオ信号をどのような伝達特性(伝達関
数)の下に左耳で聞きたいか、聴取者が所望する伝達特
性(伝達関数)を基準設定してある基準用加工手段、7
0はROUT 端子から出力されたオーディオ信号をどのよ
うな伝達特性(伝達関数)の下に右耳で聞きたいか、聴
取者が所望する伝達特性(伝達関数)を基準設定してあ
る基準用加工手段である。
【0018】基準用加工手段60は、遅延時間がτLl
A/D変換器21の出力を遅延する遅延器61と、この
遅延器の出力側に接続されたFIR型のディジタルフィ
ルタ62から構成されている。基準用加工手段70は、
遅延時間がτRrでA/D変換器31の出力を遅延する遅
延器71と、この遅延器の出力側に接続されたFIR型
のディジタルフィルタ72から構成されている。
【0019】オーディオソース機器10のLOUT 端子か
ら出力されたオーディオ信号に基づく音響が左耳に到達
するのと、ROUT 端子から出力されたオーディオ信号に
基づく音響が右耳に到達するのとは同時であるべきなの
で、τLl=τRrとされている。遅延時間τLlとτRrは、
聴取者がスピーカ25,35から一番離れて聴取すると
仮定したときに、聴取者から遠い方のスピーカと聴取者
との間の距離Lを音響が進む時間以上の適当な値とす
る。例えば、L=3m、室温の音速=340m/sとす
ると、τLl=τRr>8.8msとしておけば良い。ディ
ジタルフィルタ62と72には、フラット、ローブース
ト、ハイブースト、ボーカル帯域の強調等、聴取者が所
望する任意の周波数−ゲイン特性を持つ伝達特性(伝達
関数)が設定されており、ここでは、一例として全帯域
にわたり0dBのフラットな周波数特性に設定されてい
るものとする。
【0020】43はA/D変換器42の出力と基準用加
工手段60の出力の偏差を計算する減算器、53はA/
D変換器52の出力と基準用加工手段70の出力の偏差
を計算する減算器、26は適応制御部であり、A/D変
換後のLOUT 端子出力と減算器43の出力とから、L
OUT 端子の出力をリファレンス信号にして減算器43の
出力が小さくなるように適応フィルタ22のフィルタ係
数を更新し、スピーカ25からの音響が聴取者の左耳の
外耳道入口にて所望の周波数−レスポンス特性(ここで
はフラット)が得られるようにする。36は適応制御部
であり、A/D変換後のROUT 端子出力と減算器53の
出力とから、ROUT 端子の出力をリファレンス信号にし
て減算器53の出力が小さくなるように適応フィルタ3
2のフィルタ係数を更新し、スピーカ35からの音響が
聴取者の右耳の外耳道入口にて所望の周波数−レスポン
ス特性(ここではフラット)が得られるようにする。
【0021】適応制御部26はLOUT 端子からの出力と
減算器43の出力に基づき、LOUT端子からの出力をリ
ファレンス信号として、減算器43の出力を最小とでき
るように適応フィルタ22のフィルタ係数を更新する。
A/D変換器21から出力される離散信号xL (n)と
減算器43から出力される離散信号el とから、例え
ば、 Je={el (n)}2 の評価関数を最小とする適応フィルタ22のフィルタ係
数を例えば、最急降下法の1つであるLMSアルゴリズ
ムによって決定し、適応フィルタ22に更新設定する。
【0022】適応フィルタ22がI次のFIRフィルタ
で構成されているものとして、適応フィルタ22のi次
目のフィルタ係数をwLi(但し、i=0〜I)、適応フ
ィルタ22の出力点からモニタマイク40までの伝送路
の伝達関数CLlをJ次のFIRフィルタで具現するとき
のj次目のフィルタ係数をcLlj とすると(但し、j
=0〜J)、適応制御部26は、時刻tn における適応
フィルタ22のi次目のフィルタ係数をwLi(n)とし
て、時刻tn+1 のフィルタ係数wLi(n+1)を次式、 wLi(n+1)=wLi(n)+α・γel (n)・qLl * (n−i)・・(1) 但し、 α:所定の収束係数、γ:所定の重み係数 に従い、適応フィルタ22に対しフィルタ係数の更新設
定を行う。なお、フィルタ係数wLiの初期値wLi(0)
は予め定められた所定値に設定する。また、フィルタ係
数cLlj は、D/A変換器23の入力点AにM系列ノ
イズデータを注入したときのA/D変換器42の出力点
A´の応答信号から所定の演算を行うことで同定して求
める。適応制御部26は適応制御が完了した時点のフィ
ルタ係数を一時記憶する内蔵メモリ(図示せず)を備え
ている。
【0023】適応制御部36はROUT 端子からの出力と
減算器53の出力に基づき、ROUT端子からの出力をリ
ファレンス信号として、減算器53の出力を最小とでき
るように適応フィルタ32のフィルタ係数を更新する。
A/D変換器31から出力される離散信号x(n)と減
算器53から出力される離散信号er とから、 Je={er (n)}2 の評価関数を最小とする適応フィルタ32のフィルタ係
数を例えば、最急降下法の1つであるLMSアルゴリズ
ムによって決定し、適応フィルタ32に更新設定する。
【0024】適応フィルタ32がI次のFIRフィルタ
で構成されているものとして、適応フィルタ32のi次
目のフィルタ係数をwRi(但し、i=0〜I)、適応フ
ィルタ32の出力点からモニタマイク50までの伝送路
の伝達関数CRrをJ次のFIRフィルタで具現するとき
のj次目のフィルタ係数をcRrj とすると(但し、j
=0〜J)、適応制御部36は、時刻tn における適応
フィルタ32のi次目のフィルタ係数をwRi(n)とし
て、時刻tn+1 のフィルタ係数wRi(n+1)を次式、 wRi(n+1)=wRi(n)+α・γer (n)・qRr * (n−i)・・(2) 但し、 α:所定の収束係数、γ:所定の重み係数 に従い、適応フィルタ32に対しフィルタ係数の更新設
定を行う。なお、フィルタ係数wRiの初期値wRi(0)
は予め定められた所定値に設定する。また、フィルタ係
数cRrj は、D/A変換器33の入力点BにM系列ノ
イズデータを注入したときのA/D変換器52の出力点
B´の応答信号から所定の演算を行うことで同定して求
める。
【0025】80はシステムコントローラであり、手元
操作器81により音場補正が指示されると、まず、伝達
関数CLlを定めるフィルタ係数cLlj と伝達関数CRr
を定めるフィルタ係数cRrj を同定し、適応制御部2
6と36にセットする。次に、適応制御部26と36を
制御して、順に、Lch側とRch側の適応制御を行わ
せる。
【0026】次に上記した第1実施例の動作を簡単に説
明する。なお、オーディオソース機器10はステレオオ
ーディオ信号を出力中であるとし、適応フィルタ22と
32にはオール零でない任意のフィルタ係数が設定され
ているものとする。手元操作器81で音場補正の指示が
されると、システムコントローラ80は適応制御部26
と36を制御して適応フィルタ22と32のフィルタ係
数を全て零とさせ、Lch側とRch側のスピーカ25
と35の音響出力を停止させる。この状態で、A点に一
定時間、M系列ノイズデータを注入し、スピーカ25か
ら擬似ランダムノイズ音を放射させ、A´点の応答出力
を解析して伝達関数CLlを定めるフィルタ係数cLlj
を求め、適応制御部26にセットする。続いて、B点に
一定時間、M系列ノイズデータを注入し、スピーカ35
から該M系列ノイズ音を放射させ、B´点の応答出力を
解析して伝達関数CRrを定めるフィルタ係数cRrj
求め、適応制御部36にセットする。
【0027】次に、適応制御部26を制御し、Lch側
の適応制御を開始させる。適応制御部26はまず適応フ
ィルタ22の各フィルタ係数をwLi(0)に設定する。
オーディオソース機器10のLOUT 端子出力はA/D変
換器21でA/D変換され、適応フィルタ22で所定の
ディジタル信号処理がなされる。そして、D/A変換器
23でD/A変換されたあと電力増幅器24で電力増幅
され、スピーカ25により音響変換される。スピーカ2
5から出力された音響は聴取者の左耳の外耳道入口近く
に設置されたモニタマイク40で拾われ、マイクアンプ
41で増幅されたあと、A/D変換器42でA/D変換
される。
【0028】一方、A/D変換器21の出力は基準用加
工手段60に入力され、遅延器61でτLlだけ遅延され
たあとディジタルフィルタ62でフラットな周波数特性
に加工されて基準用信号として出力される。そして、該
基準用信号とA/D変換器42の出力との偏差が減算器
43で求められる。適応制御部26は適応フィルタ22
に対しフィルタ係数の初期設定をしたあと、A/D変換
器21の出力xL (n)と減算器43からの偏差出力e
l (n)を用いて(1)に従い、el (n)の2乗値が
最小となるように適応フィルタ22のフィルタ係数をリ
アルタイムで更新していく。適応制御を開始してから或
る時間経過し、el (n)の2乗値が一定以下に小さく
なれば適応制御が完了する。このとき、スピーカ25か
ら放射された音響は聴取者の左耳の外耳道入口にて周波
数−レスポンス特性がフラットとなる。
【0029】但し、まだRch側の適応制御がなされて
いないので、Rch側の適応制御を可能とするため、適
応制御部26はel (n)の2乗値が一定以下に小さく
なったとき、その時点で適応フィルタ22に設定されて
いるフィルタ係数wLi(i=0〜I)を内蔵のメモリ
(図示せず)に記憶したあと、適応フィルタ22のフィ
ルタ係数を全て零に変えてLchの音響出力を停止さ
せ、適応制御完了通知をシステムコントローラ80に出
力する。該通知を受けたシステムコントローラ80は適
応制御部36を制御し、Rch側の適応制御を開始させ
る。適応制御部36はまず適応フィルタ32の各フィル
タ係数をwRi(0)に設定する。オーディオソース機器
10のROUT 端子出力はA/D変換器31でA/D変換
され、適応フィルタ32で所定のディジタル信号処理が
なされる。そして、D/A変換器33でD/A変換され
たあと電力増幅器34で電力増幅され、スピーカ35に
より音響変換される。スピーカ35から出力された音響
は聴取者の左耳の外耳道入口近くに設置されたモニタマ
イク50で拾われ、マイクアンプ51で増幅されたあ
と、A/D変換器52でA/D変換される。
【0030】一方、A/D変換器31の出力は基準用加
工手段70に入力され、遅延器71でτRrだけ遅延され
たあとディジタルフィルタ72でフラットな周波数特性
に加工されて基準用信号として出力される。そして、該
基準用信号とA/D変換器52の出力との偏差が減算器
53で求められる。適応制御部36は適応フィルタ32
に対しフィルタ係数の初期設定をしたあと、A/D変換
器31の出力xR (n)と減算器53からの偏差出力e
r (n)を用いて(2)に従い、er (n)の2乗値が
最小となるように適応フィルタ32のフィルタ係数をリ
アルタイムで更新していく。適応制御を開始してから或
る時間経過し、er (n)の2乗値が一定以下に小さく
なれば適応制御が完了する。このとき、スピーカ35か
ら放射された音響は聴取者の右耳の外耳道入口にて周波
数−レスポンス特性がフラットとなる。
【0031】適応制御部36はer (n)の2乗値が一
定以下に小さくなったとき、適応制御完了通知をシステ
ムコントローラ80に出力する。該通知を受けたシステ
ムコントローラ80は適応制御部26に対し、フィルタ
係数の再設定を指示する。該指示を受けた適応制御部2
6は先に内蔵メモリに記憶したフィルタ係数を適応フィ
ルタ22に設定し、Lch側を適応制御が完了した状態
に戻す。以上により、Lchのスピーカ25から出た音
響は聴取者の左耳の外耳道入口にてフラットな周波数特
性となり、Rchのスピーカ35から出た音響も右耳の
外耳道入口にてフラットな周波数特性となるので、以
降、聴取者は、スピーカ25,35が如何なる周波数−
レスポンス特性を持つか、音響再生空間が如何なる伝達
関数を持つか、聴取者が如何なる頭部伝達関数を持つか
によらず、聴取者所望のフラットな周波数特性を持つ音
場を正確に実現することができる。よって、スピーカ2
5,35の口径が小さく低域のレスポンスが悪くても、
低音を雄大なスケールで聴取することができる。また、
車室内の如く、音響空間の周波数特性のうねりで500
Hz〜1kHzのボーカル帯域が低下する傾向が有る場
合でも、ボーカル帯域を明瞭に聴取することができる。
また、スピーカ25と35が車室内の左右のドアに設け
られていて、聴取者(運転者)から各スピーカ25、3
5までの距離が異なっていても、左右のスピーカ25、
35から聴取者の左右の耳までの音の到達時間とレベル
を揃えることができ、この結果、自然なステレオ音像が
得られる。また、聴取者が替わったり、聴取者は同じで
も聴取位置が変わった場合、モニタマイク40、50を
新たな聴取者または新たな聴取位置にセットし直し、手
元操作器81で音場補正を指示すれば、新たな聴取者ま
たは新たな聴取位置でも所望の音場特性で聴取可能とな
る。
【0032】また、音響再生手段20、30のスピーカ
25、35を図2に示す如く、ステレオヘッドホン10
0のヘッドホンスピーカ101、102に置き換え、モ
ニタマイク40、50はステレオヘッドホン100に固
定されて左右の耳103、104の外耳道入口105、
106の近くに位置するようにしても良い。これによ
り、ヘッドホン再生時でも、聴取者の耳介の伝達特性の
個人差に関わらず、聴取者所望の音場を正確に実現する
ことができる。なお、ステレオヘッドホン100が密閉
型であれば、ヘッドホンスピーカ101(102)から
出た音響は反対側のヘッドホンスピーカ102(10
1)に届かない。よって、音場制御をする際、図1のシ
ステムコントローラ80は、Lch、Rchともに音響
出力を続けたまま同時に適応フィルタ22、32に対す
る適応制御を行わせることができる。
【0033】即ち、聴取者がヘッドホン100を耳に掛
け、オーディオソース機器10からステレオオーディオ
信号が出力されている状態で、手元操作器81により音
場補正の指示がなされたとき、システムコントローラ8
0は適応制御部26、36を制御して適応フィルタ2
2、32の各フィルタ係数を0とさせ、A点とB点にシ
ステムコントローラ80の内部で生成したM系列ノイズ
データを一定時間注入し、スピーカ101、102から
M系列ノイズ音を放射させる。スピーカ101から出た
音はモニタマイク40だけに拾われ、スピーカ102か
ら出た音はモニタマイク50だけに拾われる。そして、
A´点の応答出力から伝達関数CLlを解析し、フィルタ
係数cLlj を同定して適応制御部26にセットし、B
´点の応答出力から伝達関数CRrを解析し、フィルタ係
数cRrj を同定して適応制御部36にセットする。次
いで、M系列ノイズデータの注入を止める。次に、適応
制御部26を制御してLch側の適応フィルタ22の適
応制御を開始させ、同時に適応制御部36を制御してR
ch側の適応フィルタ32の適応制御を開始させる。す
ると、適応制御部26と36は、各々、適応フィルタ2
2と32に所定の初期フィルタ係数wLi(0)とw
Ri(0)を設定する。このとき、ヘッドホンスピーカ1
01から放射された音響は左耳だけに入るとともにモニ
タマイク40に拾われ、基準用加工手段60の出力との
偏差el が減算器43から出力される。また、ヘッドホ
ンスピーカ102から放射された音響は右耳だけに入る
とともにモニタマイク50に拾われ、基準用加工手段7
0の出力との偏差er が減算器53から出力される。適
応制御部26と36は初期設定後、各々、el 、er
一定以下の大きさになるまで適応フィルタ22、32に
対し適応制御を行い、el 、er が一定以下の大きさに
なったところで、適応フィルタ22、32のフィルタ係
数を固定し、制御を完了すれば良い(el 、er が一定
以下の大きさになったあとも適応制御を継続しても良
い)。
【0034】図3は本発明の第2実施例に係る車載用適
応音場制御装置の回路図であり、図1と同一の構成部分
には同一の符号が付してある。図1の実施例では、Lc
h側のスピーカから出た音響を聴取者の左耳で所望の音
場特性で聴取でき、Rch側のスピーカから出た音響を
聴取者の右耳で所望の音場特性で聴取できるようにした
が、図3の実施例は、Lch側のスピーカから出た音響
を聴取者の左耳と右耳の両方で所望の音場特性で聴取で
き、Rch側のスピーカから出た音響を聴取者の右耳と
左耳の両方で所望の音場特性で聴取できるようにしたも
のである。
【0035】基準用加工手段60Aには図1に比べて、
A/D変換器31の出力側に直列に設けられた遅延時間
τRlの遅延器63、該遅延器の出力側に接続されたFI
R型のディジタルフィルタ64、該ディジタルフィルタ
の出力側に接続されたゲイン調整用の乗算器65(乗算
係数gRl)と、ディジタルフィルタ62と乗算器65の
出力を切り換えるスイッチ66とが追加されている。遅
延器63、ディジタルフィルタ64、乗算器65はR
OUT 端子から出力されたオーディオ信号をどのような伝
達特性(伝達関数)の下に左耳で聞きたいか、聴取者が
所望する伝達特性を基準設定するためのものである。ま
た、基準用加工手段70Aには図1に比べて、A/D変
換器21の出力側に直列に設けられた遅延時間τLrの遅
延器73、該遅延器の出力側に接続されたFIR型のデ
ィジタルフィルタ74、該ディジタルフィルタの出力側
に接続されたゲイン調整用の乗算器75(乗算係数
Lr)と、ディジタルフィルタ72と乗算器75の出力
を切り換えるスイッチ76とが追加されている。遅延器
73、ディジタルフィルタ74、乗算器75はLOUT
子から出力されたオーディオ信号をどのような伝達特性
(伝達関数)の下に右耳で聞きたいか、聴取者が所望す
る伝達特性を基準設定するためのものである。
【0036】オーディオソース機器10のLOUT 端子か
ら出力されたオーディオ信号に基づく音響が左耳に到達
するのと、ROUT 端子から出力されたオーディオ信号に
基づく音響が右耳に到達するのとは同時であるべきなの
で、遅延器61での遅延時間τLlは遅延器71の遅延時
間τRrと同一とされている。遅延時間τLlとτRrは、聴
取者がスピーカ25,35から一番離れて聴取すると仮
定したときに、聴取者から遠い方のスピーカと聴取者と
の間の距離Lを音響が進む時間以上の適当な値としてあ
る。例えば、L=3m、室温の音速=340m/sとす
ると、τLl=τRr>8.8msとしておけば良い。一
方、スピーカ35から出た音のモニタマイク50と40
の間の到達時間差をΔτRl、スピーカ25から出た音の
モニタマイク40と50の間の到達時間差をΔτLrとす
ると、τRl=τRr+ΔτRl、τLr=τLl+ΔτLrとして
ある。また、スピーカ35から出た音のモニタマイク5
0での受音レベルに対するモニタマイク40での受音レ
ベルの比をmRl、スピーカ25から出た音のモニタマイ
ク40での受音レベルに対するモニタマイク50での受
音レベルの比をmLrとすると、gRL=mRl、gLr=mLr
としてある。
【0037】スピーカ25、35と聴取者の位置関係が
固定しているとき、ΔτRlとmRlには予め、ダミーヘッ
ドの外耳道入口にモニタマイク40、50を装着し、ス
ピーカ35から或るレベルのパルス音を放射させたとき
のモニタマイク50と40の間の到達時間差と受音レベ
ル差を計測して求めた値が近似値として設定してあり、
ΔτLrとmLrには、スピーカ25から或るレベルのパル
ス音を放射させたときのモニタマイク40と50の間の
到達時間差と受音レベル差を計測して求めた値が近似値
として設定してある。ディジタルフィルタ62、64、
72、74には、フラット、ローブースト、ハイブース
ト、ボーカル帯域の強調等、聴取者が所望する任意の周
波数−ゲイン特性を持つ伝達特性(伝達関数)が設定さ
れており、ここでは、一例として全帯域にわたり0dB
のフラットな周波数特性に設定されているものとする。
【0038】適応制御部26Aは、A/D変換後のL
OUT 端子出力と減算器43、53の出力とから、LOUT
端子の出力をリファレンス信号にして減算器43、53
の出力がともに小さくなるように適応フィルタ22のフ
ィルタ係数を更新し、スピーカ25からの音響が聴取者
の左耳と右耳の外耳道入口にて所望の周波数−レスポン
ス特性(ここではフラット)が得られるようにする。A
/D変換器21から出力される離散信号xL (n)と減
算器43から出力される離散信号el 、減算器53から
出力される離散信号er とから、例えば、 Je={el (n)}2 +{er (n)}2 の評価関数を最小とする適応フィルタ22のフィルタ係
数を例えば、最急降下法の1つであるLMSアルゴリズ
ムによって決定し、適応フィルタ22に更新設定する。
【0039】適応フィルタ22がI次のFIRフィルタ
で構成されているものとして、適応フィルタ22のi次
目のフィルタ係数をwLi(但し、i=0〜I)、適応フ
ィルタ22の出力点からモニタマイク40までの伝送路
の伝達関数CLlをJ次のFIRフィルタで具現するとき
のj次目のフィルタ係数をcLlj 、適応フィルタ22
の出力点からモニタマイク50までの伝送路の伝達関数
LrをJ次のFIRフィルタで具現するときのj次目の
フィルタ係数をcLrj とすると(但し、j=0〜
J)、適応制御部26Aは、時刻tn における適応フィ
ルタ22のi次目のフィルタ係数をwLi(n)として、
時刻tn+1 のフィルタ係数wLi(n+1)を次式、 wLi(n+1)=wLi(n)+α・γel (n)・qLl * (n−i) +α・γer (n)・qLr * (n−i) ・・(3) 但し、 α:所定の収束係数、γ:所定の重み係数 に従い、適応フィルタ22に対しフィルタ係数の更新設
定を行う。なお、フィルタ係数wLiの初期値wLi(0)
は予め定められた所定値に設定する。また、フィルタ係
数cLlj は、D/A変換器23の入力点AにM系列ノ
イズデータを注入したときのA/D変換器42の出力点
A´の応答信号から所定の演算を行うことで同定して求
める。適応制御部26Aは適応制御が完了した時点のフ
ィルタ係数を一時記憶する内蔵メモリ(図示せず)を備
えている。
【0040】適応制御部36Aは、A/D変換後のR
OUT 端子出力と減算器53、43の出力とから、ROUT
端子の出力をリファレンス信号にして減算器53、43
の出力がともに小さくなるように適応フィルタ32のフ
ィルタ係数を更新し、スピーカ35からの音響が聴取者
の左耳と右耳の外耳道入口にて所望の周波数−レスポン
ス特性(ここではフラット)が得られるようにする。A
/D変換器31から出力される離散信号xR (n)と減
算器43から出力される離散信号el 、減算器53から
出力される離散信号er とから、例えば、 Je={el (n)}2 +{er (n)}2 の評価関数を最小とする適応フィルタ32のフィルタ係
数を例えば、最急降下法の1つであるLMSアルゴリズ
ムによって決定し、適応フィルタ32に更新設定する。
【0041】適応フィルタ32がI次のFIRフィルタ
で構成されているものとして、適応フィルタ32のi次
目のフィルタ係数をwRi(但し、i=0〜I)、適応フ
ィルタ32の出力点からモニタマイク50までの伝送路
の伝達関数CRrをJ次のFIRフィルタで具現するとき
のj次目のフィルタ係数をcRrj 、適応フィルタ22
の出力点からモニタマイク40までの伝送路の伝達関数
RlをJ次のFIRフィルタで具現するときのj次目の
フィルタ係数をcRlj とすると(但し、j=0〜
J)、適応制御部36Aは、時刻tn における適応フィ
ルタ32のi次目のフィルタ係数をwRi(n)として、
時刻tn+1 のフィルタ係数wRi(n+1)を次式、 wRi(n+1)=wRi(n)+α・γer (n)・qRr * (n−i) +α・γel (n)・qRl * (n−i) ・・(4) 但し、 α:所定の収束係数、γ:所定の重み係数 に従い、適応フィルタ32に対しフィルタ係数の更新設
定を行う。なお、フィルタ係数wRiの初期値wRi(0)
は予め定められた所定値に設定する。また、フィルタ係
数cRrj は、D/A変換器33の入力点AにM系列ノ
イズデータを注入したときのA/D変換器52の出力点
B´の応答信号から所定の演算を行うことで同定して求
め、フィルタ係数cRlj は、D/A変換器33の入力
点AにM系列ノイズデータを注入したときのA/D変換
器42の出力点A´の応答信号から所定の演算を行うこ
とで同定して求める。
【0042】システムコントローラ80Aは、手元操作
器81により音場補正が指示されると、まず、伝達関数
Llを定めるフィルタ係数cLlj と伝達関数CLrを定
めるフィルタ係数cLrj 、伝達関数CRrを定めるフィ
ルタ係数cRrj と伝達関数CRlを定めるフィルタ係数
Rlj を同定し、適応制御部26Aと36Aにセット
する。次に、適応制御部26Aと36A、基準用加工手
段60Aと70Aを制御して、順に、Lch側とRch
側の適応制御を行わせる。その他の構成部分は図1と同
様に構成されている。
【0043】次に上記した第2実施例の動作を簡単に説
明する。なお、オーディオソース機器10はステレオオ
ーディオ信号を出力中であるとし、適応フィルタ22と
32にはオール零でない任意のフィルタ係数が設定され
ているものとする。また、適応フィルタ22と32の適
応制御は順に行うものとする。手元操作器81で音場補
正の指示がされると、システムコントローラ80Aは適
応制御部26Aと36Aを制御して適応フィルタ22と
32のフィルタ係数を全て零とさせ、Lch側とRch
側のスピーカ25と35の音響出力を停止させる。この
状態で、A点に一定時間、M系列ノイズデータを注入
し、スピーカ25からM系列ノイズ音を放射させ、A´
点の応答出力を解析して伝達関数CLlを定めるフィルタ
係数cLlj を求め、またB´点の応答出力を解析して
伝達関数CLrを定めるフィルタ係数cLrj を求め、適
応制御部26Aにセットする。続いて、B点に一定時
間、M系列ノイズデータを注入し、スピーカ35からM
系列ノイズ音を放射させ、B´点の応答出力を解析して
伝達関数CRrを定めるフィルタ係数cRrj を求め、ま
たA´点の応答出力を解析して伝達関数CRlを定めるフ
ィルタ係数cRlj を求め、適応制御部36Aにセット
する。
【0044】次に、基準用加工手段60Aと70Aのス
イッチ66と76をL側とし、Lch側のオーディオ信
号に基づく音響を左耳と右耳で所望の音場特性で聴取す
るための基準伝達特性を設定する。そして、適応制御部
26Aを制御し、Lch側の適応制御を開始させる。適
応制御部26Aはまず適応フィルタ22の各フィルタ係
数をwLi(0)に設定する。オーディオソース機器10
のLOUT 端子出力はA/D変換器21でA/D変換さ
れ、適応フィルタ22で所定のディジタル信号処理がな
される。そして、D/A変換器23でD/A変換された
あと電力増幅器24で電力増幅され、スピーカ25によ
り音響変換される。スピーカ25から出力された音響は
聴取者の左耳と右耳の外耳道入口近くに設置されたモニ
タマイク40と50で拾われ、各々、マイクアンプ4
1、51で増幅されたあと、A/D変換器42、52で
A/D変換される。
【0045】一方、A/D変換器21の出力は基準用加
工手段60Aに入力され、遅延器61でτLlだけ遅延さ
れたあとディジタルフィルタ62でフラットな周波数特
性に加工されて左耳用の基準用信号として出力される。
そして、該基準用信号とA/D変換器42の出力との偏
差が減算器43で求められる。また、A/D変換器21
の出力は基準用加工手段70Aに入力され、遅延器71
でτLr(=τLl+ΔτLr)だけ遅延されたあとディジタ
ルフィルタ74でフラットな周波数特性に加工され、更
に乗算器75で乗数gLrが乗ぜられて右耳用の基準用信
号として出力される。そして、該基準用信号とA/D変
換器52の出力との偏差が減算器53で求められる。適
応制御部26Aは適応フィルタ22に対しフィルタ係数
の初期設定をしたあと、xL (n)、el (n)、er
(n)を用いて(3)に従い、el (n)の2乗値とe
r (n)の2乗値との和が最小となるように適応フィル
タ22のフィルタ係数をリアルタイムで更新していく。
適応制御を開始してから或る時間経過し、el (n)の
2乗値とer (n)の2乗値との和が一定以下に小さく
なれば適応制御が完了する。このとき、スピーカ25か
ら放射された音響は聴取者の左耳と右耳の外耳道入口に
て周波数−レスポンス特性がフラットとなる。また、右
耳には左耳よりΔτLrだけ遅延して音響が到達し、しか
もレベルがgLr倍に小さくなっているので、良好な方向
感が得られる。
【0046】但し、まだRch側の適応制御がなされて
いないので、Rch側の適応制御を可能とするため、適
応制御部26Aはel (n)の2乗値とer (n)の2
乗値の和が一定以下に小さくなったとき、その時点で適
応フィルタ22に設定されているフィルタ係数wLi(i
=0〜I)を内蔵のメモリ(図示せず)に記憶したあ
と、適応フィルタ22のフィルタ係数を全て零に変えて
Lchの音響出力を停止させ、適応制御完了通知をシス
テムコントローラ80Aに出力する。該通知を受けたシ
ステムコントローラ80Aは、基準用加工手段70Aと
60Aのスイッチ76と66をR側とし、Rch側のオ
ーディオ信号に基づく音響を右耳と左耳で所望の音場特
性で聴取するための基準伝達特性を設定する。そして、
適応制御部36Aを制御し、Rch側の適応制御を開始
させる。適応制御部36Aはまず適応フィルタ32の各
フィルタ係数をwRi(0)に設定する。オーディオソー
ス機器10のROUT 端子出力はA/D変換器31でA/
D変換され、適応フィルタ32で所定のディジタル信号
処理がなされる。そして、D/A変換器33でD/A変
換されたあと電力増幅器34で電力増幅され、スピーカ
35により音響変換される。スピーカ35から出力され
た音響は聴取者の右耳と左耳の外耳道入口近くに設置さ
れたモニタマイク50と40で拾われ、各々、マイクア
ンプ51、41で増幅されたあと、A/D変換器52、
42でA/D変換される。
【0047】一方、A/D変換器31の出力は基準用加
工手段70Aに入力され、遅延器71でτRrだけ遅延さ
れたあとディジタルフィルタ72でフラットな周波数特
性に加工されて右耳用の基準用信号として出力される。
そして、該基準用信号とA/D変換器52の出力との偏
差が減算器53で求められる。また、A/D変換器21
の出力は基準用加工手段60Aに入力され、遅延器61
でτRl(=τRr+ΔτRl)だけ遅延されたあとディジタ
ルフィルタ64でフラットな周波数特性に加工され、更
に乗算器65で乗数gRlが乗ぜられて左耳用の基準用信
号として出力される。そして、該基準用信号とA/D変
換器42の出力との偏差が減算器43で求められる。適
応制御部36Aは適応フィルタ32に対しフィルタ係数
の初期設定をしたあと、xR (n)、el (n)、er
(n)を用いて(4)に従い、eR (n)の2乗値とe
L (n)の2乗値との和が最小となるように適応フィル
タ32のフィルタ係数をリアルタイムで更新していく。
適応制御を開始してから或る時間経過し、eR (n)の
2乗値とeL (n)の2乗値との和が一定以下に小さく
なれば適応制御が完了する。このとき、スピーカ35か
ら放射された音響は聴取者の右耳と左耳の外耳道入口に
て周波数−レスポンス特性がフラットとなる。また、左
耳には右耳よりΔτRlだけ遅延して音響が到達し、しか
もレベルがgRl倍に小さくなっているので、良好な音像
の方向感が得られる。適応制御部36Aはer (n)+
l (n)の2乗値が一定以下に小さくなったとき、適
応制御完了通知をシステムコントローラ80Aに出力す
る。該通知を受けたシステムコントローラ80Aは適応
制御部26Aに対し、フィルタ係数の再設定を指示す
る。該指示を受けた適応制御部26Aは先に内蔵メモリ
に記憶したフィルタ係数を適応フィルタ22に設定し、
Lch側を適応制御が完了した状態に戻す。
【0048】以上により、Lchのスピーカ25から出
た音響は聴取者の左耳と右耳の外耳道入口にてフラット
な周波数特性となり、Rchのスピーカ35から出た音
響も右耳と左耳の外耳道入口にてフラットな周波数特性
となるので、以降、聴取者は、スピーカ25,35が如
何なる周波数−レスポンス特性を持つか、音響再生空間
が如何なる伝達特性を持つか、聴取者が如何なる頭部伝
達特性を持つかによらず、聴取者所望のフラットな周波
数特性を持つ音場をより正確に実現することができる。
また、スピーカ25と35が車室内の左右のドアに設け
られていて、聴取者(運転者)から各スピーカ25、3
5までの距離が異なっていても、左右のスピーカ25、
35から聴取者の左右の耳までの音の到達時間とレベル
を揃えることができ、加えて、スピーカ25から出た音
響は左耳に右耳より遅延して、しかもレベルも小さくな
って到達し、スピーカ35から出た音響は右耳に左耳よ
り遅延して、しかもレベルも小さくなって到達するの
で、きわめて自然なステレオ音像が得られる。
【0049】なお、上記した第2実施例では、Lch側
とRch側の適応制御を順に行うようにしたが同時に行
うようにして、音場補正に要する時間を短縮しても良
い。この場合、図3の適応音場制御装置は図4の如く変
更し、基準用加工手段60B、70Bでは、ディジタル
フィルタ62の出力と乗算器65の出力を加算器67で
加算して減算器43へ出力することで、スピーカ25と
35から放射されたLchとRchの音響を同時に左耳
で所望の音場特性で聴取するための基準伝達特性を設定
する。また、ディジタルフィルタ72の出力と乗算器7
5の出力を加算器77で加算して減算器53へ出力する
ことで、スピーカ35と25から放射されたRchとL
chの音響を同時に右耳で所望の音場特性で聴取するた
めの基準伝達特性を設定する。
【0050】図4の構成において、手元操作器81で音
場補正の指示がされると、システムコントローラ80A
は適応制御部26Aと36Aを制御して適応フィルタ2
2と32のフィルタ係数を全て零とさせ、Lch側とR
ch側のスピーカ25と35の音響出力を停止させる。
そして、図3の場合と同様にして、A点とB点に一定時
間ずつM系列ノイズデータを注入し、A´点とB´点の
応答出力解析して伝達関数CLl、CLrを定めるフィルタ
係数cLlj 、伝達関数CLrを定めるフィルタ係数
Lrj を求め、適応制御部26Aにセットし、伝達関
数CRrを定めるフィルタ係数cRrj 、伝達関数CRl
定めるフィルタ係数cRlj を求め、適応制御部36A
にセットする。
【0051】次に、適応制御部26Aと36Aを制御
し、Lch側とRch側の適応制御を同時に開始させ
る。適応制御部26Aはまず適応フィルタ22の各フィ
ルタ係数をwLi(0)に設定する。オーディオソース機
器10のLOUT 端子出力はA/D変換器21でA/D変
換され、適応フィルタ22で所定のディジタル信号処理
がなされる。そして、D/A変換器23でD/A変換さ
れたあと電力増幅器24で電力増幅され、スピーカ25
により音響変換される。また、適応制御部36Aはまず
適応フィルタ32の各フィルタ係数をwRi(0)に設定
する。オーディオソース機器10のROUT 端子出力はA
/D変換器31でA/D変換され、適応フィルタ32で
所定のディジタル信号処理がなされる。そして、D/A
変換器33でD/A変換されたあと電力増幅器34で電
力増幅され、スピーカ35により音響変換される。スピ
ーカ25と35から出力された音響はモニタマイク40
と50で拾われ、各々、マイクアンプ41、51で増幅
されたあと、A/D変換器42、52でA/D変換され
る。
【0052】A/D変換器42の出力にはLchとRc
hの音響成分が加算されており、減算器43にて基準用
加工手段60Bの出力を減算することで、ステレオ音響
再生時における左耳についての所望の音場特性と実際の
音場特性との偏差が求まる。また、A/D変換器52の
出力にはRchの音響成分とLchの音響成分が加算さ
れており、減算器53にて基準用加工手段70Bの出力
を減算することで、ステレオ音響再生時における右耳に
ついての所望の音場特性と実際の音場特性との偏差が求
まる。適応制御部26Aは適応フィルタ22に対しフィ
ルタ係数の初期設定をしたあと、xL (n)、e
l (n)、er (n)を用いて(3)に従い、e
l (n)の2乗値とer (n)の2乗値との和が最小と
なるように適応フィルタ22のフィルタ係数をリアルタ
イムで更新していく。適応制御を開始してから或る時間
経過し、el (n)の2乗値とer (n)の2乗値との
和が一定以下に小さくなれば適応制御が完了する(この
とき、適応制御部26Aは適応フィルタ22のフィルタ
係数を固定して適応制御を止めても良いが、継続しても
良い)。これと平行して、適応制御部36Aは適応フィ
ルタ32に対しフィルタ係数の初期設定をしたあと、x
L (n)、er (n)、el (n)を用いて(3)に従
い、er (n)の2乗値とel (n)の2乗値との和が
最小となるように適応フィルタ32のフィルタ係数をリ
アルタイムで更新していく。適応制御を開始してから或
る時間経過し、er (n)の2乗値とel (n)の2乗
値との和が一定以下に小さくなれば適応制御が完了する
(このとき、適応制御部26Aは適応フィルタ22のフ
ィルタ係数を固定して適応制御を止めても良いが、継続
しても良い)。LchとRchの適応制御が完了すれ
ば、スピーカ25から放射された音響は聴取者の左耳と
右耳の外耳道入口にて周波数−レスポンス特性がフラッ
トとなる。また、右耳には左耳よりΔτLrだけ遅延して
音響が到達し、しかもレベルがgLr倍に小さくなってい
るので、良好な方向感が得られる。同様に、スピーカ3
5から放射された音響は聴取者の右耳と左耳の外耳道入
口にて周波数−レスポンス特性がフラットとなる。ま
た、左耳には右耳よりΔτRlだけ遅延して音響が到達
し、しかもレベルがgRl倍に小さくなっているので、き
わめて自然なステレオ音像が得られる。
【0053】ここで、図3、図4の例では、基準用加工
手段60A、60Bの遅延器61の遅延時間τLl、遅延
器63の遅延時間τRl、乗算器65の乗算係数gRl、基
準用加工手段70A、70Bの遅延器71の遅延時間τ
Rr、遅延器73の遅延時間τLr、乗算器75の乗算係数
Lrを適当な固定値に設定したが、これらを可変できる
ようにし、聴取者が音場補正を指示する度に計測し直し
て設定するようにしても良い。具体的には、システムコ
ントローラ80AがCLlとCLrを定めるフィルタ係数c
LlとcLrを求めるためにA点に一定時間、M系列ノイズ
データを注入した際、A´点での応答遅延時間を計測し
て遅延器61のτLlを設定し、B´点での応答遅延時間
を計測して遅延器66のτRlを設定する。また、A´点
での応答出力レベルに対するB´点での応答出力レベル
の比を計測して乗算器65の乗算係数gRlを設定する。
同様に、CRrとCRlを定めるフィルタ係数cRlとcRl
求めるためにB点に一定時間、M系列ノイズデータを注
入した際、B´点での応答遅延時間を計測して遅延器7
1のτRrを設定し、A´点での応答遅延時間を計測して
遅延器76のτRlを設定する。また、B´点での応答出
力レベルに対するC´点での応答出力レベルの比を計測
して乗算器75の乗算係数gLrを設定する。このように
すれば、個々の聴取者の頭部の形に応じた基準用信号が
得られるので、音像定位がより良好となり、また、聴取
者が替わったり、聴取者は同じでも聴取位置が変わった
場合、モニタマイク40、50を新たな聴取者がセット
し直したり、新たな聴取位置でセットし直し、手元操作
器81で音場補正を指示することで、新たな聴取者また
は新たな聴取位置でも良好な音像定位の下に所望の音場
特性で聴取可能となる。
【0054】上記した図1の第1実施例及び図2の変形
例、図3の第2実施例及び図4の変形例では、オーディ
オソース機器10はステレオオーディオ信号(L,Rの
2chのオーディオ信号)を出力する場合を例に挙げて
説明したが、LOUT 端子とROUT 端子から同じ1chの
モノラルオーディオ信号を出力する場合にも全く同様に
適用することができる。この場合、例えば、ROUT 端子
側の音響再生手段30、モニタマイク50、マイクアン
プ51、A/D変換器52、減算器53、適応制御部3
6、36Aを省略し、基準用加工手段60A、60Bの
中の減算器63、ディジタルフィルタ64、乗算器6
5、基準用加工手段70A、70Bの中の減算器73、
ディジタルフィルタ74、乗算器75を省略し、LOUT
端子からのオーディオ信号に基づく音響だけ適応音場制
御するようにしても良い。
【0055】また、図1〜図4の例において、ディジタ
ルフィルタ62、64、72、74はフラットな周波数
−ゲイン特性に固定したが、フラット、ローブースト、
ハイブースト、ボーカル帯域の強調(500Hz〜1k
Hzのブースト)、反射音付加及び(または)残響付加
等による種々のサラウンド音場など、複数の音場特性の
中から、聴取者が選んだ1つの特性を選択的に設定でき
るようにしても良い。すなわち、基準用加工手段60、
60A、60B、70、70A、70Bのディジタルフ
ィルタ62、64、72、74はフィルタ係数を切り換
え設定可能とし、ディジタルフィルタ62、64、7
2、74に複数種の伝達特性(伝達関数)を設定するた
めの複数種のフィルタ係数を例えばシステムコントロー
ラ80、80Aの内蔵メモリ(図示せず)に記憶してお
く。そして、聴取者が音場補正の指示操作をする前に、
手元操作器81にて所望の伝達特性を1つ選択する操作
をしたとき、システムコントローラ80、80Aが対応
するフィルタ係数をディジタルフィルタ62、64、7
2、74に設定する。このようにして、基準用加工手段
60、60A、60B、70、70A、70Bの伝達特
性を切り換えることで、音楽のジャンル、音楽ソースの
種類等に合わせて、フラットだけでなく、ローブース
ト、ハイブースト、ボーカル帯域の強調(500Hz〜
1kHzのブースト)、反射音付加及び(または)残響
付加など音場特性を種々に変更することができる。
【0056】また、図1、図3、図4のいずれの例も、
図5に示す如く、座席90の上端に設けたヘッドレスト
91の両サイドに回動自在に2つの回動支持部材92を
装備し、各回動支持部材92の先端にモニタマイク4
0、50を設け、回動支持部材92の回転軸93にモー
タの回転力を受けて回動支持部材92を回動する回転伝
達機構を結合しておく。そして、予め、回動支持部材9
2を上向きに待機させておき(図5の破線Eの状態)、
聴取者が音場補正を指示したとき、システムコントロー
ラ80、80Aがモータを制御して回動支持部材92を
前向きとなるまで90°回動させ、モニタマイク40と
50を各々、ユーザの左右の耳の外耳道入口近くに位置
させる。しかるのち、システムコントローラ80、80
Aは、前述と同様に、伝達関数CLl、CLr、CRl、CRr
の内の必要なものの同定と適応音場制御を行わせ、完了
後、モータを制御して回動支持部材92を上向きとなる
まで90°回動させ、元の位置に待機させる。このよう
にすれば、適応制御の実行時以外はモニタマイク40と
50に邪魔されずに頭を動かすことができる。
【0057】また、図1、図3、図4のいずれの例も、
スピーカ25と35を聴取者の耳の後方の両側に設置す
る場合、図6に示す如く、スタンド93の上端に固定し
たエンクロージャ94の中に、スピーカ25、35の音
響放射口が耳の高さより下となるようにして上向きに設
置したり、図7に示す如く、天井96に固着した吊り具
97の下端に固定したエンクロージャ98の中に、スピ
ーカ25、35の音響放射口が耳の高さより下となるよ
うにして下向きに設置し、かつ、コーン紙の下にデフュ
ーザ99を設置して少なくとも水平面内で無指向性(好
ましくは全方向で無指向性)となるようにしても良い。
スピーカ25、35が聴取者の視野に入ると音像の定位
する位置がスピーカ25、35の設置箇所に引きつけら
れてしまう。けれども、図6、図7の例によれば、耳の
すぐそばにスピーカ25、35が有るにもかかわらず、
その存在を意識させられることがなくなり、両耳に聞こ
える音響だけで音像を定位できるため、所望の音場特性
が得やすくなる。図6においてスピーカ25、35のコ
ーン紙の上にデフューザ95を設置して少なくとも水平
面内で無指向性となるようにしたり、図7においてスピ
ーカ25、35のコーン紙の上にデフューザ99を設置
して少なくとも水平面内で無指向性(好ましくは全方向
で無指向性)となるようにすれば、スピーカ25、25
の位置がより判りにくくなるため、スピーカ25,35
の存在感を一層、薄くして所望の音場特性をより得やす
くなる。
【0058】また、図1、図3の例において、オーディ
オソース機器10から出力されたオーディオ信号を用い
て音場制御を行う代わりに、システムコントローラ8
0、80Aが内部で生成したM系列ノイズデータを用い
て行い、音場制御の精度を改善するようようにしても良
い。すなわち、オーディオソース機器10からオーディ
オ出力を開始させる前において、手元操作器81にて音
場補正が指示されると、システムコントローラ80、8
0Aは適応制御部26、26Aを制御して適応フィルタ
22の0次の係数を1、他の係数を0とさせ、適応フィ
ルタ22の入力側に、システムコントローラ80、80
Aの内部で生成したM系列ノイズデータを注入し(この
とき、適応フィルタ22の0次の係数が1、他の係数が
0なのでA点に注入したのと等価である)、スピーカ2
5からM系列ノイズ音を放射させる。そして、まず、A
´点の応答出力から伝達関数CLlを解析し、フィルタ係
数cLlj を同定し(図3の場合は更にB´点の応答出
力から伝達関数CLrを解析し、フィルタ係数cLrj
同定し)、適応制御部26、26Aにセットする。次い
で、M系列ノイズデータの注入は継続したまま(図3の
場合は基準用加工手段60Aのスイッチ66をL側に切
り換え)、適応制御部26、26Aを制御して前述と同
様にLch側の適応フィルタ22の適応制御を行わせる
(適応制御開始時、適応フィルタ22のフィルタ係数は
Li(0)に設定する)。適応制御が完了したあと、適
応フィルタ22のフィルタ係数は適応制御完了時のまま
としておく。
【0059】次に、適応フィルタ22へのM系列ノイズ
データの注入を停止し、適応制御部36、36Aを制御
して適応フィルタ32の0次の係数を1、他の係数を0
とさせ、適応フィルタ32の入力側に、システムコント
ローラ80、80Aの内部で生成したM系列ノイズデー
タを注入し(このとき、適応フィルタ22の0次の係数
が1、他の係数が0なのでA点に注入したのと等価であ
る)、スピーカ35からM系列ノイズ音を放射させる。
そして、まず、B´点の応答出力から伝達関数CRrを解
析し、フィルタ係数cRrj を同定し(図3の場合は更
にA´点の応答出力から伝達関数CRlを解析し、フィル
タ係数cRlj を同定し)、適応制御部36、36Aに
セットする。次いで、M系列ノイズデータの注入は継続
したまま(図3の場合は基準用加工手段70Aのスイッ
チ76をR側に切り換え)、適応制御部36、36Aを
制御して前述と同様にRch側の適応フィルタ32の適
応制御を行わせる(適応制御開始時、適応フィルタ32
のフィルタ係数はwRi(0)に設定する)。適応制御が
完了したあと、適応フィルタ32のフィルタ係数は適応
制御完了時のままとし、M系列ノイズデータの注入を停
止する。このあと、オーディオソース機器10から所望
のオーディオ信号を出力させれば、途中で音楽が途切れ
ることなく所望の音場特性の下に聴取することができ
る。
【0060】また、図4の例においてもオーディオソー
ス機器10から出力されたオーディオ信号を用いて音場
制御を行う代わりに、システムコントローラ80Aが内
部で生成したM系列ノイズデータを用いて行い、音場制
御の精度を改善するようようにしても良い。すなわち、
オーディオソース機器10からオーディオ出力を開始さ
せる前において、手元操作器81にて音場補正が指示さ
れると、システムコントローラ80Aは適応制御部26
Aを制御して適応フィルタ22の0次の係数を1、他の
係数を0とさせ、適応フィルタ22の入力側に、システ
ムコントローラ80Aの内部で生成したM系列ノイズデ
ータを注入し、スピーカ25からM系列ノイズ音を放射
させる。そして、まず、A´点の応答出力から伝達関数
Llを解析し、フィルタ係数cLlj を同定し、更にB
´点の応答出力から伝達関数CLrを解析し、フィルタ係
数cLrj を同定して適応制御部26Aにセットする。
また、適応制御部36Aを制御して適応フィルタ32の
0次の係数を1、他の係数を0とさせ、適応フィルタ3
2の入力側に、システムコントローラ80Aの内部で生
成した別の種類のM系列ノイズデータを注入し、スピー
カ35からM系列ノイズ音を放射させる。そして、ま
ず、B´点の応答出力から伝達関数CRrを解析し、フィ
ルタ係数cRrj を同定し、更にA´点の応答出力から
伝達関数CRlを解析し、フィルタ係数cRlj を同定し
て適応制御部36Aにセットする。
【0061】次いで、2種類のM系列ノイズデータの注
入は継続したまま、適応制御部26Aと36Aを制御し
て前述と同様にLch側の適応フィルタ22の適応制御
とRch側の適応フィルタ32の適応制御を同時に行わ
せる(適応制御開始時、適応フィルタ22のフィルタ係
数はwLi(0)に設定し、適応フィルタ32のフィルタ
係数はwRi(0)に設定する)。適応制御が完了したあ
と、各適応フィルタ22、32のフィルタ係数は適応制
御完了時のままとし、2種類のM系列ノイズデータの注
入を停止する。このあと、オーディオソース機器10か
ら所望のオーディオ信号を出力させれば、途中で音楽が
途切れることなく所望の音場特性の下に聴取することが
できる。
【0062】また、図1〜図4の例において、システム
コントローラ80、80Aは手元操作器81で音場補正
の指示操作がなされたとき、伝達関数CLl、CLr
Rr、Crlの内、必要なものを同定し、適応制御部2
6、26A、36、36Aに適応制御を行わせるように
したが、オーディオソース機器10をPLAY状態にし
たり、電源オンするなどしてオーディオ信号の出力を開
始させたときに、これに連動して、伝達関数CLl
Lr、CRr、Crlの内、必要なものを同定し、適応制御
部26、26A、36、36Aに適応制御適応制御を行
わせるようにしても良い。
【0063】また、図3、図4の例において、適応制御
部26Aと36Aは、減算器43と53の出力e
l (n)とer (n)を高速で交互にスキャンして取り
込むようにしても良い。また、図1、図3、図4の例に
おいて、基準用加工手段60、60A、60Bの構成は
一例を示しただけのものであり、例えば、ディジタルフ
ィルタ62、64、72、74はFIR型ディジタルフ
ィルタの代わりにIIR型ディジタルフィルタとしても
良く、また、ディジタルフィルタ62(72)で遅延器
61(71)の遅延処理を合わせて行うようにしたり、
ディジタルフィルタ64(74)で遅延器63(73)
の遅延処理と乗算器64(74)の乗算処理を合わせて
行うように構成しても良い。また、図1〜図4の例にお
いて、スピーカ25、35はフラットな周波数−レスポ
ンス特性を有していても良い。
【0064】
【発明の効果】本発明の適応音場制御装置によれば、1
または複数の音響再生手段で再生された音響を、聴取者
の片方の耳近くに置かれた少なくとも1つのマイクまた
は両方の耳の各々の近くに置かれた少なくとも2つのマ
イクで拾う。そして、各マイク毎に設けた基準用加工手
段により入力信号を所望の伝達関数で加工した基準信号
と、対応するマイク出力との差が小さくなるように、制
御手段にて各音響再生手段に設けられた加工手段の伝達
関数を適応的に制御する。これにより、音響再生手段の
電気−音響変換手段または音響再生空間が如何なる周波
数−レスポンス特性を持つか、聴取者が如何なる頭部伝
達特性を持つかによらず、聴取者所望の音場を正確に実
現することができる。
【0065】また、前記制御手段は加工手段の伝達関数
の適応制御を任意の所定時に一時的に行い、適応制御完
了後、加工手段の伝達関数を固定する。そして、制御手
段が適応制御を行う時のみ、可動支持手段が各マイクを
聴取者の耳近くに位置させ、他の時間は聴取者の耳近く
から離れた位置に退避させる。これにより、例えば車室
内の如く聴取者の耳の位置が殆ど動かないような場合、
音楽聴取開始前や音楽聴取途中の任意の所定時に、所望
の音場特性を実現させるために適応制御する間以外は、
マイクを聴取者の頭から離し障害物として邪魔にならな
いようにできる。
【0066】また、ヘッドホンに設けたヘッドホンスピ
ーカにより電気−音響変換を行い、マイクはヘッドホン
に固定されて外耳道の入口近くで音を拾う。これによ
り、ヘッドホン再生時でも、聴取者の耳介の伝達特性の
個人差に関わらず、聴取者所望の音場を正確に実現する
ことができる。
【0067】また、入力信号が複数チャンネル存在する
場合、前記1または複数の音響再生手段は、入力信号の
チャンネル毎に設け、前記基準用加工手段は、各チャン
ネルの入力信号を個別に所望の伝達関数で加工したのち
加算して基準信号を得る。これにより、例えばステレオ
音楽信号の如く、複数チャンネルを有する入力に対して
も、各加工手段の伝達関数の適応制御を同時平行して行
うことができ、聴取者所望の音場を迅速かつ正確に実現
することができる。
【0068】また、前記基準用加工手段は、予め用意さ
れた複数種の所定の伝達関数の中から、聴取者が1つを
所望の伝達関数として選択する。これにより、音楽のジ
ャンル、音楽ソースの種類等に合わせて音場特性を種々
に変更することができる。
【0069】また、前記電気−音響変換手段は、聴取者
の耳の後方で耳の高さより下に、下向き又は上向きに設
置する。これにより、音像の定位が不明瞭となり、電気
−音響変換手段の存在を意識させないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る適応音場制御装置の
ブロック図である。
【図2】第1実施例の変形例に係るヘッドホンの構成図
である。
【図3】本発明の第2実施例に係る適応音場制御装置の
ブロック図である。
【図4】第2実施例の変形例に係る適応音場制御装置の
ブロック図である。
【図5】モニタマイクの設置方法の具体例を示す説明図
である。
【図6】スピーカの設置方法の具体例を示す説明図であ
る。
【図7】スピーカの設置方法の他の具体例を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 オーディオソース機器 20、30 音響再生手段 22、32 適応フィルタ 25、35 スピーカ 26、26A、36、36A 40、50 モニタマイク 43、53 減算器 60、60A、60B、70、70A、70B 基準用
加工手段 80、80A システムコントローラ 81 手元操作器81
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04R 5/033 H04S 1/00 K H04S 1/00 G10K 15/00 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々、入力信号を可変の伝達関数で加工
    する加工手段、該加工手段の出力を電力増幅する増幅手
    段、該増幅手段の出力を音響変換する電気−音響変換手
    段、を含む1または複数の音響再生手段と、 聴取者の耳近くに置かれた少なくとも1つのマイクと、 各マイク毎に設けられて、入力信号を所望の伝達関数で
    加工し、基準信号を得る基準用加工手段と、 各音響再生手段毎に設けられて、少なくとも1つのマイ
    クにつき、マイク出力と対応する基準信号との差が小さ
    くなるように加工手段の伝達関数を適応的に制御する制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする適応音場制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は加工手段の伝達関数の適
    応制御を任意の所定時に一時的に行い、適応制御完了
    後、加工手段の伝達関数を固定するようにし、 制御手段が適応制御を行う時のみ、各マイクを聴取者の
    耳近くに位置させ、他の時間は聴取者の耳近くから離れ
    た位置に退避させる可動支持手段を備えたこと、 を特徴とする請求項1記載の適応音場制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電気−音響変換手段はヘッドホンに
    設けたヘッドホンスピーカとし、 前記マイクはヘッドホンに固定されて外耳道の入口近く
    に位置するようにしたこと、 を特徴とする請求項1記載の適応音場制御装置。
  4. 【請求項4】 入力信号が複数チャンネル存在する場
    合、前記1または複数の音響再生手段は、入力信号のチ
    ャンネル毎に設け、 前記基準用加工手段は、各チャンネルの入力信号を個別
    に所望の伝達関数で加工したのち加算して基準信号を得
    るようにしたこと、 を特徴とする請求項1または2または3記載の適応音場
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記基準用加工手段は、予め用意された
    複数種の所定の伝達関数の中から、聴取者が1つを所望
    の伝達関数として選択可能とされていること、 を特徴とする請求項1または2または3または4記載の
    適応音場制御装置。
  6. 【請求項6】 前記電気−音響変換手段は、聴取者の耳
    の後方に、下向き又は上向きに設置したこと、 を特徴とする請求項1または2または4または5記載の
    適応音場制御装置。
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