JP2003518365A - 示差的遺伝子発現を使用する毒性因子の同定方法 - Google Patents

示差的遺伝子発現を使用する毒性因子の同定方法

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ボニー イー. ゴールド−ロスバーグ,
ヴィンセント エイ. ディピッポ,
ローラ ミルロイ,
ケリー ケイ. ダニエルス,
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キュラジェン コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 示差的遺伝子発現を使用する毒性因子(例えば、肝毒性因子)の同定方法が開示される。新規の核酸配列もまた開示され、その発現は、アセトアミノフェンによって示差的に調節される。肝毒性について試験薬剤をスクリーニングする本発明の方法は、(a)ACETA:1〜169および170からなる群より選択される1以上の核酸配列を発現し得る細胞を含む試験細胞集団を提供する工程;(b)試験細胞集団を、試験薬剤と接触させる工程;(c)試験細胞集団における1以上の核酸配列の発現を測定する工程;(d)試験細胞集団における核酸配列の発現を、参照細胞集団における核酸配列の発現と比較する工程;および(e)試験細胞集団および参照細胞集団におけるACETA配列の発現レベルにおける差異を同定する工程を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、一般に、核酸およびポリペプチドに関する。詳細には、本発明は、
示差的な遺伝子発現を用いる肝臓組織における毒性因子の同定に関する。
【0002】 (発明の背景) 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、成体および小児の両方において、
疼痛および熱を制御するために一般的に使用される。NSAID薬剤の1つの型
がアセトアミノフェンである。アセトアミノフェンは、大半の個体に十分に許容
され、そして他の一般に使用される疼痛軽減剤で時折観察される副作用を誘導し
ないことが報告されている。
【0003】 しかし、高用量のアセトアミノフェンが摂取される場合には、合併症が生じ得
る。合併症の1つの型が肝臓損傷(例えば、中心周囲肝臓壊死(pericen
tral hepatic necrosis))である。アセトアミノフェン
摂取に関連する肝毒性は、この因子が肝臓において、N−アセチル−パラベンゾ
キノンイミンへと代謝される場合に生じると考えられ、このN−アセチル−パラ
ベンゾキノンイミンが毒性であり得る。大半の健康な個体では、この潜在的に毒
性の化合物は、肝臓において、ポリペプチドグルタチオンによって分解される。
しかし、アセトアミノフェンが高用量で摂取される場合、N−アセチル−パラベ
ンゾキノンイミンをプロセスするためには不十分な量のグルタチオンが存在し得
る。結果として、肝臓損傷が生じ得る。重篤な場合には、潜在的に致死的な肝臓
壊死が、引き続いて生じ得る。
【0004】 アセトアミノフェン中毒は、解毒薬を投与することによって処置され得る。解
毒薬は、好ましくは、中毒後できる限り早く投与される。しかし、解毒薬は即時
には投与されないかもしれない。なぜなら、アセトアミノフェン中毒の徴候が、
インフルエンザ様症状と混同され得るからである。アセトアミノフェン中毒の早
期の指標としては、例えば、悪心、ならびに食欲不振、下痢、腹痛、および嘔吐
が挙げられ得る。これらのインフルエンザ様症状は、通常、薬物摂取の4時間後
と12時間後との間に存在する。アセトアミノフェン中毒の後期の指標としては
、例えば、錯乱、黄疸、または意識消失が挙げられ得る。しかし、解毒薬が投与
される時点では、解毒薬は、ほどんど効果を有さない。
【0005】 (発明の要旨) 本発明は、特定の核酸が、アセトアミノフェンで処置された動物の肝臓組織に
おいて示差的に発現されるという発見に一部基づく。これらの示差的に発現され
た核酸は、新規の配列および核酸配列(これらは、以前に記載されているが、こ
れまでは、アセトアミノフェン応答性として同定されていなかった)を含む。こ
れらの示差的に発現される核酸を使用して、肝臓に損傷を与える(すなわち、肝
毒性である(例えば、中心周囲肝臓壊死))因子を同定し得る。これらの核酸は
、さらに、被験体において、NSAID(例えば、アセトアミノフェン)の摂取
に関連した中毒を同定するために使用され得る。
【0006】 種々の局面において、本発明は、毒性(例えば、肝毒性)について試験薬剤を
スクリーニングする方法を包含する。例えば、1つの局面では、本発明は、アセ
トアミノフェンに応答性の1以上の核酸配列を発現し得る細胞を含む、試験細胞
集団を提供する工程、この試験細胞集団を試験薬剤と接触させる工程、およびこ
の試験細胞集団におけるこの核酸配列の発現を、参照細胞集団におけるこの核酸
配列の発現と比較する工程により、肝毒性因子を同定する方法を提供する。参照
細胞集団における遺伝子の発現と比較した、試験細胞集団における核酸配列の発
現における変化は、この試験薬剤が肝毒性であることを示す。
【0007】 さらなる局面では、本発明は、被験体における試験薬剤の肝毒性を評価する方
法を提供する。この方法は、1つ以上のアセトアミノフェン応答性遺伝子を発現
し得る細胞を含む細胞集団を被験体から提供する工程、およびこの核酸配列の発
現を、肝毒性因子に対する暴露状態が既知の被験体に由来する細胞を含む参照細
胞集団におけるこの核酸配列の発現と比較する工程を包含する。参照細胞集団に
おける核酸配列の発現と比較した、試験細胞集団における発現の変化は、この被
験体におけるこの試験薬剤の肝毒性を示す。
【0008】 別の局面では、本発明は、肝毒性への感受性を診断または決定する方法を提供
する。この方法は、1以上のACETA応答性遺伝子を発現し得る細胞を含む細
胞集団を、被験体から提供する工程、およびこの核酸配列の発現を、肝毒性を患
っていない被験体に由来する細胞を含む参照細胞集団におけるこの核酸配列の発
現と比較する工程を包含する。参照細胞集団における核酸配列の発現と比較した
、試験細胞集団における発現の変化は、被験体が、肝毒性を有するか、または肝
毒性に対して感受性であることを示す。
【0009】 新規の核酸、ならびに、これらにコードされるポリペプチド(これらの発現は
、アセトアミノフェンの影響に対して応答性である)もまた提供される。
【0010】 他に定義されない限り、本明細書中で用いられるすべての専門用語および科学
用語は、本発明が属する当該分野の当業者によって通常理解される意味と同じ意
味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または等価な方法お
よび材料が、本発明の実施または試験において用いられるが、適切な方法および
材料は、以下に説明される。本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許出願
、特許、および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。矛盾する場
合には、本明細書(定義を含む)が優先する。さらに、材料、方法および実施例
は、単に例示であり、限定されることを意図しない。
【0011】 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から
明らかである。
【0012】 (発明の詳細な説明) 本発明は、アセトアミノフェンへの暴露の後の、ラット肝臓細胞における複数
の核酸配列の発現パターンにおける変化の発見に一部基づく。
【0013】 示差的に発現される核酸を、雄性10〜14週齢Sprague Dawle
yラットに、ED100用量である43.3mg/kg/日を72時間、または
LD10用量である133.3mg/kg/日を24時間のいずれかで、経口的
にアセトアミノフェンを投与することによって同定した。示差的な遺伝子発現を
、2つの研究において評価した。第1の研究では、コントロール動物に、カノー
ラ油を与えた。第2の研究では、コントロール動物に、10%エタノールを与え
た。指定された時点で動物を屠殺した後、肝臓組織を切開し、この切開した組織
から総RNAを回収し、そしてcDNAを調製した。
【0014】 アセトアミノフェン処置ラットおよびコントロールラットにおいて異なるレベ
ルで発現された配列を、米国特許第5,871,697号およびShimket
sら、Nature Biotechnology 17:798−803(1
990)に記載されるように、GENECALLINGTM示差的発現分析にcD
NAを供することによって同定した。これらの特許および刊行物の内容は、本明
細書中でその全体が参考として援用される。
【0015】 第1の研究では、400を超える遺伝子フラグメントが、アセトアミノフェン
の投与に応答して、ラット肝臓組織において示差的に発現されることが最初に見
出された。発現レベルが8倍より高く調節された遺伝子フラグメントを、さらな
る分析のために選択した。
【0016】 遺伝子フラグメントの示差的発現を、Shimketsら、Nature B
iotechnology 17:198−803に記載されるように非標識オ
リゴヌクレオチド競合アッセイを使用して確認した。アセトアミノフェンの存在
下において発現が少なくとも8倍調節される、42個の確認された配列が同定さ
れた。これらの42個の核酸配列を、本明細書中でACETA 1〜42という
。これらを、表1にまとめる。表1において小見出し(例えば、タンパク質産生
、シグナル伝達など)を付けた列は、そのタンパク質についての機能的分類を与
える。
【0017】 第1の研究において同定された10個の配列(ACETA:1〜10)は、新
規な遺伝子を表す。これらの10個の遺伝子のうちの8個は、以前に記載された
配列に対して幾らかの類似性を示す。これらの8個の遺伝子のうち、3個は既知
の遺伝子に対して95%以上の同一性を有し、4個の遺伝子は既知の遺伝子に対
して90〜94%の間の同一性を有し、そして1個の遺伝子は既知の遺伝子に対
して81%同一性を有する。残りの新規な遺伝子である、ACETA 6および
7は、以前に記載された配列に関連付けられないようである。残りの配列(AC
ETA:11〜42)は、以前に記載されている。
【0018】 第2の研究では、アセトアミノフェンに応答して発現が調節される、133個
の確認された配列が同定された。これらの配列を表2にまとめる。同定された1
33個の核酸配列のうちの6個は、第1の研究においてもまた同定された。これ
らの配列は、ACETA 15、20、23、33、36、41である。残りの
新たに同定された127個の核酸配列を、本明細書中で、ACETA 43〜1
70という。
【0019】 第2の研究において同定された8個の配列は、新規な遺伝子を表す(ACET
A 43〜45、48〜51および54)。4個の配列(ACETA 46、4
7、52および53)は、新規なESTを表す。8個のうちの7個の遺伝子は、
以前に記載された配列に対して幾らかの類似性を示す。これらの7個の遺伝子の
うち、2個は既知の配列に対して90%以上の同一性を有し、2個の遺伝子は既
知の配列に対して80〜89%の間の同一性を有し、そして3個の遺伝子は既知
の配列に対して70〜79%の間の同一性を有する。1つの遺伝子であるACE
TA43は、以前に記載された配列に関連付けられないようである。残りの配列
(ACETA:55〜170)は、以前に記載されている。
【0020】 新たに記載された配列を、本明細書中に示す。いくつかの新規な配列(すなわ
ち、ACETA:1〜10およびACETA 43〜54)については、クロー
ン化された配列を、クローン化された配列に対して実質的に同一な配列を含む、
1以上のさらなる配列フラグメント(例えば、ESTまたはコンティグ)と共に
提供する。いくつかの配列については、クローン化されたフラグメントとさらな
るフラグメントとから組み立てられた複合配列を含む、コンセンサス配列もまた
提供される。所定のACETA配列について、その発現は、本明細書中に記載さ
れる方法において任意の関連した核酸配列を用いることにより測定され得る。
【0021】 以前に記載された配列(ACETA:11〜42およびACETA 55〜1
70)については、データベース登録番号が提供される。この情報は、当業者が
ACETA核酸配列の発現を検出および測定するために必要な情報を導き出すこ
とを可能にする。例えば、PCR増幅のためのプライマーが、データベース登録
番号に対応する配列および/または本明細書中に開示された配列に基づいて作製
され得る。
【0022】 本明細書中において考察されるアセトアミノフェン応答性核酸としては、以下
が挙げられる: 表1
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】 以下に、発現がアセトアミノフェノンの存在下で示差的に調節される新規な核
酸配列のさらなる考察が続く。
【0025】 (ACETA1) ACETA1は、新規な370bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する:
【0026】
【化1】 (ACETA2) ACETA2は、新規な436bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する81bpのクローン化フラグメントにおいて最初に同定さ
れた:
【0027】
【化2】 このクローン化配列は、以下のコンセンサス配列を生じるコンティグに構築さ
れた:
【0028】
【化3】 (ACETA3) ACETA3は、新規な411bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する:
【0029】
【化4】 (ACETA4) ACETA4は、新規な108bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する:
【0030】
【化5】 (ACETA5) ACETA5は、新規な348bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する:
【0031】
【化6】 (ACETA6) ACETA6は、新規な622bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する:
【0032】
【化7】 (ACETA7) ACETA7は、新規な642bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する143bpのクローン化フラグメントにおいて最初に同定
された:
【0033】
【化8】 このクローン化配列は、以下のコンセンサス配列を生じるコンティグに構築さ
れた:
【0034】
【化9】 (ACETA8) ACETA8は、新規な411bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する308bpのクローン化フラグメントにおいて最初に同定
された:
【0035】
【化10】 このクローン化配列は、以下のコンセンサス配列を生じるコンティグに構築さ
れた:
【0036】
【化11】 (ACETA9) ACETA9は、新規な290bpの遺伝子フラグメントである。この核酸は
、以下の配列を有する:
【0037】
【化12】 (ACETA10) ACETA10は、新規な116bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する:
【0038】
【化13】 (ACETA43) ACETA43は、新規な391bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する:
【0039】
【化14】 (ACETA44) ACETA44は、新規な571bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する411bpのクローン化フラグメントにおいて最初に同
定された:
【0040】
【化15】 このクローン化配列は、以下のコンセンサス配列を生じるコンティグに構築さ
れた:
【0041】
【化16】 (ACETA45) ACETA45は、新規な619bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する408bpのクローン化フラグメントにおいて最初に同
定された:
【0042】
【化17】 このクローン化配列は、以下のコンセンサス配列を生じるコンティグに構築さ
れた:
【0043】
【化18】 (ACETA46) ACETA46は、新規な492bpのESTである。この核酸は、以下の配
列を有する:
【0044】
【化19】 (ACETA47) ACETA47は、新規な413bpのESTである。この核酸は、以下の配
列を有する:
【0045】
【化20】 (ACETA48) ACETA48は、新規な138bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する:
【0046】
【化21】 (ACETA49) ACETA49は、新規な419bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する:
【0047】
【化22】 (ACETA50) ACETA50は、新規な109bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する:
【0048】
【化23】 (ACETA51) ACETA51は、新規な299bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する:
【0049】
【化24】 (ACETA52) ACETA52は、新規な86bpのESTである。この核酸は、以下の配列
を有する:
【0050】
【化25】 (ACETA53) ACETA53は、新規な111bpのESTである。この核酸は、以下の配
列を有する:
【0051】
【化26】 (ACETA54) ACETA54は、新規な205bpの遺伝子フラグメントである。この核酸
は、以下の配列を有する:
【0052】
【化27】 (一般的方法) ACETA核酸およびコードされたポリペプチドは、上記に提供される情報を
使用して同定され得る。いくつかの実施形態において、このACETA核酸およ
びポリペプチドは、各ACETAポリペプチドについて公開された種々の配列(
配列番号によって参照される)を含む核酸またはポリペプチドに対応する。
【0053】 この種々の局面および実施形態において、本発明は、配列ACETA 1〜1
70の1つ以上を発現し得る少なくとも1つの細胞を含む試験細胞集団を提供す
る工程を含む。「発現し得る」とは、遺伝子が細胞内にインタクトな形態で存在
し、そして発現され得ることを意味する。次いで、1つ、いくつか、またはすべ
てのACETA配列の発現が(存在する場合)検出され、そして、好ましくは測
定される。既知の配列についてのデータベースエントリ(entry)により提
供される配列情報、または新たに記載された配列についての配列情報を使用して
、ACETA配列の発現は、当業者に周知の技術を用いて、検出(存在する場合
)および測定され得る。例えば、ACETA配列に一致する配列データベースエ
ントリ内の配列、または本明細書中で開示される配列内の配列は、例えば、ノー
ザンブロットハイブリダイゼーション分析または、特に、そして好ましくは特定
の核酸配列を量的に増幅する方法において、ACETA RNA配列を検出する
ためのプローブを構築するために使用され得る。別の例として、この配列は、例
えば、逆転写ベースのポリメラーゼ連鎖反応のような増幅ベースの検出方法にお
いて、ACETA配列の特異的増幅のためのプライマーを構築するために使用さ
れ得る。遺伝子発現における変化が遺伝子の増幅または欠失に関連する場合、試
験集団および参照集団における配列比較は、試験細胞集団および参照細胞集団に
おける検査されたDNA配列の相対量の比較によってなされ得る。
【0054】 発現はまた、タンパク質レベルで(すなわち、本明細書中に記載の遺伝子産物
によってコードされるポリペプチドのレベルを測定することによって)測定され
得る。このような方法は当該分野で周知であり、そして例えば、遺伝子によって
コードされるタンパク質に対する抗体に基づくイムノアッセイが挙げられる。
【0055】 次いで、試験細胞集団における1つ以上のACETA配列の発現レベルは、参
照細胞集団からの1つ以上の細胞における配列の発現レベルと比較される。細胞
の試験集団およびコントロール集団における配列の発現は、核酸配列の発現を比
較するための当該分野で認識される任意の方法を使用して比較され得る。例えば
、発現は、米国特許第5,871,697号およびShimketsら、Nat
.Biotechnol.17:798−803に記載されるようなGENEC
ALLING(登録商標)方法を使用して比較され得る。
【0056】 種々の実施形態において、表1に列挙されるような関連した機能の遺伝子をコ
ードする1つ以上の配列の発現が、比較される。これらの機能としては、例えば
、「Protein Production」(例えば、ACETA 11〜1
4)、「Carbohydrate Metabolism」(ACETA 2
5〜26)、「Steroid Metabolism」、(ACETA 22
および24)、および「Detoxification」(ACETA 33〜
34)が挙げられる。いくつかの実施形態において、2つ以上の機能性ファミリ
ーのメンバーの発現が、比較される。
【0057】 種々の実施形態において、ACETA1〜170によって表される配列の、2
、3、4、5、6、7、8、9、10、25、50、100、150または全て
の発現が、測定される。所望の場合、これらの配列の発現は、その発現が本明細
書中に記載のパラメータまたは条件の1つに従って変化されることが公知である
他の配列と一緒に、測定され得る。
【0058】 参照細胞集団は、比較されるパラメータが既知の1つ以上の細胞を含む。この
比較されるパラメータは、例えば、肝毒性因子の発現状態であり得る。「肝毒性
因子の発現状態」とは、参照細胞が肝毒性因子と接触したか否かが既知であるこ
とを意味する。肝毒性因子の例は、例えばアセトアミノフェンのような非ステロ
イド性抗炎症薬である。試験細胞集団における遺伝子発現プロフィールの、参照
細胞集団に対する比較が、測定されたパラメータの存在または程度を明らかにす
るか否かは、参照細胞集団の成分に依存する。例えば、参照細胞集団が既知の肝
毒性因子で処理されていない細胞からなる場合、試験細胞集団および参照細胞集
団における同様の遺伝子の発現レベルは、試験薬剤が肝毒性因子ではないことを
示す。逆に、参照細胞集団が肝毒性因子で処理された細胞からなる場合、試験細
胞集団と参照細胞集団との間の同様の遺伝子の発現プロフィールは、試験薬剤が
肝毒性因子であることを示す。
【0059】 種々の実施形態において、試験細胞集団におけるACETA配列は、その発現
レベルが参照細胞集団におけるACETA転写物のレベルに対して2.0、1.
5または1.0倍の範囲内で変化する場合に、ACETA配列の発現レベルに対
して、発現レベルが比較可能であるとみなされる。種々の実施形態において、試
験細胞集団におけるACETA配列は、その発現レベルが、参照細胞集団におけ
る対応するACETA配列の発現レベルから1.0、1.5、2.0倍またはそ
れ以上、参照細胞集団から変化する場合に、発現レベルにおいて変化したとみな
され得る。
【0060】 所望の場合、試験細胞集団と参照細胞集団との間の配列の示差的発現の比較は
、コントロール核酸(その発現が測定されているパラメータまたは条件とは独立
している)に対してなされ得る。試験核酸および参照核酸におけるコントロール
核酸の発現レベルは、比較される集団におけるシグナルレベルを規格化(標準化
)するために使用され得る。
【0061】 いくつかの実施形態において、試験細胞集団は、複数の参照細胞集団と比較さ
れる。複数の参照集団の各々は、既知のパラメータにおいて異なり得る。従って
、試験細胞集団は、肝毒性因子に暴露されたことが既知の第1の参照細胞集団、
ならびに肝毒性因子に暴露されていないことが既知の第2の参照細胞集団と比較
され得る。
【0062】 試験肝毒性因子に暴露される(すなわち、接触される)試験細胞集団は、任意
数の細胞(すなわち、1つ以上の細胞)であり得、そしてインビトロ、インビボ
、またはエキソビボで提供され得る。
【0063】 他の実施形態では、試験細胞集団を、2以上の部分集団(小集団)(sub
population)に分割し得る。部分集団は、可能な限り同一な部分集団
を作製するように第1の細胞集団を分割することによって作製され得る。これは
、例えば、インビトロまたはエキソビボでのスクリーニング方法に適切である。
いくつかの実施形態では、種々の部分集団を、コントロール薬剤、および/また
は、1もしくは複数個の試験薬剤、すなわち例えば、共にもしくは種々の組合せ
において投与される種々の投薬量の1以上の試験薬剤に曝露し得る。
【0064】 好ましくは、参照細胞集団中の細胞は、試験細胞(例えば、肝臓組織)に可能
な限り類似した組織型に由来する。いくつかの実施形態では、コントロール細胞
は、試験細胞と同じ被験体由来である(例えば、試験細胞の起源の領域に近接し
た領域由来)。他の実施形態では、参照細胞集団は、複数の細胞由来である。例
えば、参照細胞集団は、以前に試験された細胞であって、本明細書中に記載され
たパラメーターまたは条件(肝毒性因子発現パターン)の1つが既知である細胞
に由来する発現パターンのデータベースであり得る。
【0065】 試験薬剤は、以前に記載されていない化合物であり得るか、または予め公知で
あるが、肝毒性因子であることは知られていない化合物であり得る。
【0066】 被験体は、好ましくは哺乳動物である。哺乳動物は、例えば、ヒト、非ヒト霊
長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマまたはウシであり得る。
【0067】 (毒性因子についてのスクリーニング) 1つの局面では、本発明は、毒性因子(例えば、肝毒性因子)を同定する方法
を提供する。肝毒性因子は、ACETA 1〜170として表1および表2に列
挙された核酸配列に対して相同な1以上の核酸配列を発現し得る細胞を含む細胞
集団を提供することによって同定され得る。この配列は、この配列が特異的なハ
イブリダイゼーションが検出され得るに十分類似している限り、ACETA 1
〜170を含む配列に対して同一である必要はない。好ましくは、この細胞は、
表1および表2に示されるACETA核酸を同定する配列に対して同一またはほ
ぼ同一である配列を含む。
【0068】 次いで、試験細胞集団中の核酸配列の発現を、参照細胞集団(これは、試験薬
剤に曝露されていない細胞集団であるか、いくつかの実施形態では、試験薬剤に
曝露された細胞集団である)中の核酸配列の発現に対して比較する。比較は、同
時または時間的に異なる時点で測定された試験サンプルおよび参照サンプルにお
いて実施され得る。後者の例は、種々の薬剤の投与後の公知配列の発現レベルに
関する情報を集めた、編集された発現情報(例えば、配列データベース)の使用
である。例えば、試験薬剤の投与後の発現レベルの変更を、コントロール薬剤(
例えば、アセトエミノフェン)の投与後の核酸配列において観察される発現の変
化に対して比較し得る。
【0069】 試験薬剤に曝露されていない参照細胞集団中の核酸配列の発現と比較した、試
験細胞集団中の核酸配列の配列における変化は、この試験薬剤が肝毒性因子であ
ることを示す。
【0070】 本発明はまた、このスクリーニング方法によって同定された肝毒性因子を含む
【0071】 (被験体における薬剤の毒性の評価) 本明細書中において同定された、示差的に発現されるACETA配列はまた、
毒性因子の肝毒性について測定またはモニターすることを可能にする。本方法に
おいて、被験体由来の試験細胞集団を、試験薬剤(すなわち、肝毒性因子)に曝
露する。所望される場合には、試験細胞集団を、試験薬剤への曝露の前、試験薬
剤への曝露の間、または試験薬剤への曝露の後の種々の時点で被験体から採取し
得る。次いで、細胞集団中の1以上のACETA配列(例えば、ACETA:1
〜170)の発現を測定し、そして肝毒性因子の発現状態が既知である細胞を含
む参照細胞集団に対して比較する。好ましくは、参照細胞は、試験薬剤に曝露さ
れていない。
【0072】 参照細胞集団が処理に曝露された細胞を含まない場合、試験細胞集団中のAC
ETA配列と参照細胞集団中のACETA配列との間の発現における類似性は、
この処理が非肝毒性であることを示す。しかし、試験細胞集団中のACETA配
列とこの参照細胞集団中のACETA配列との間の発現における差異は、この処
理が肝毒性であることを示す。
【0073】 「肝毒性」とは、この因子が、被験体に投与される場合に、肝臓に損傷を与え
るか、または肝臓に対して破壊的であることを意味する。いくつかの実施形態で
は、肝毒性は、中心周囲肝臓壊死を含む。
【0074】 (肝毒性を診断する方法) 本発明は、さらに、被験体において、肝毒性を診断する方法を提供する。この
方法では、肝毒性は、肝毒性因子(例えば、非ステロイド性抗炎症薬)に曝露さ
れたことが疑われる被験体由来の細胞の試験集団からの1つ以上のACETA核
酸配列の発現を試験することによって、診断される。
【0075】 ACETA核酸配列(例えば、ACETA:1〜170)またはこれらの配列
の任意の組合せの1つ以上の発現を、試験細胞中で測定し、そして参照細胞集団
における配列の発現と比較する。参照細胞集団は、肝毒性状態が既知である少な
くとも1つの細胞を含む。参照細胞集団が、肝毒性因子に曝露されていない細胞
を含む場合、試験集団におけるACETA配列と参照細胞集団におけるACET
A配列との間の発現の類似性は、この被験体が肝性毒性を有さないことを示す。
試験集団におけるACETA配列と参照細胞集団におけるACETA配列との間
の発現の差異は、この参照細胞集団が肝毒性を有することを示す。
【0076】 逆に、参照細胞集団が、肝毒性因子に曝された細胞を含む場合、試験細胞集団
と参照細胞集団との間の発現パターンの類似性は、この試験細胞集団が肝毒性を
有することを示す。試験集団におけるACETA配列と参照細胞集団におけるA
CETA配列との間の発現の差異は、この被験体が肝毒性を有さないことを示す
【0077】 (ACETA核酸) また本発明において、ACETA:1〜10およびACETA:43〜54、
またはその相補体からなる群から選択される核酸配列を含む新規な核酸、ならび
にこれらの核酸を含むベクターおよび細胞が提供される。
【0078】 従って、本発明の1つの局面は、ACETAタンパク質またはその生物学的に
活性な部分をコードする単離されたACETA核酸分子に関する。ACETAコ
ード核酸を同定するためのハイブリダイゼーションプローブとしての使用のため
に十分な核酸フラグメント(例えば、ACETA mRNA)、およびACET
A核酸分子の増幅または変異のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマ
ーとしての使用のためのフラグメントもまた含まれる。本明細書中で使用される
場合、用語「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA
)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチドアナログを使用して生成さ
れたDNAまたはRNAのアナログ、ならびにそれらの誘導体、フラグメント、
およびホモログを意図する。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であり得るが、好
ましくは二本鎖DNAである。
【0079】 「プローブ」とは、用途に依存して、種々の長さ(好ましくは、少なくとも約
10ヌクレオチド(nt)と、例えば、約6,000nt程度に大きい長さとの
間)の核酸配列をいう。プローブは、同一の核酸配列、類似した核酸配列、また
は相補的核酸配列の検出のために使用される。より長い長さのプローブは、通常
、天然の供給源または組換え供給源から得られ、そしてオリゴマーよりも高度に
特異的であり、そしてより緩徐にハイブリダイズする。プローブは、一本鎖また
は二本鎖であり得、そしてPCR、膜ベースのハイブリダイゼーション技術また
はELISA様技術において特異性を有するように設計され得る。
【0080】 「単離された」核酸分子は、核酸の天然供給源内に存在する他の核酸分子から
分離された核酸分子である。単離された核酸分子の例として、ベクター内に含ま
れる組換えDNA分子、異種宿主細胞内に維持された組換えDNA分子、部分的
または実質的に精製された核酸分子、および合成DNA分子または合成RNA分
子が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、「単離された」核酸は
、核酸が誘導体化される生物のゲノムDNA内の核酸に天然に隣接する配列(す
なわち、核酸の5’および3’末端に配置された配列)を有しない。例えば、種
々の実施形態において、単離されたACETA核酸分子は、核酸が誘導体化され
る細胞のゲノムDNA内の核酸分子に天然に隣接する、約50kb未満、約25
kb未満、約5kb未満、約4kb未満、約3kb未満、約2kb未満、約1k
b未満、約0.5kb未満または約0.1kb未満のヌクレオチド配列を含み得
る。さらに、「単離された」核酸分子(例えば、cDNA分子)は、組換え技術
によって産生される場合、他の細胞物質または培養媒体を実質的に含み得ず、ま
たは化学的に合成される際に化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含み
得ない。
【0081】 本発明の核酸分子(例えば、ACETA:1−10およびACETA:43〜
54のいずれかのヌクレオチド配列、またはこれらのヌクレオチド配列のいずれ
かの相補体を有する核酸分子)は、標準の分子生物学技術および本明細書中に提
供される配列情報を使用して単離され得る。ハイブリダイゼーションプローブと
してこれらの核酸配列の全てまたは一部を使用して、ACETA核酸配列は、標
準のハイブリダイゼーション技術およびクローニング技術を使用して単離され得
る(例えば、Sambrookら編、Molecular Cloning:A
Laboratory Manual 第二版、Cold Spring H
arbor Laboratory Press,Cold Spring H
arbor,NY,1989;およびAusubelら編、Current P
rotocols in Molecular Biology、John W
iley&Sons、New York,NY、1993に記載される)。
【0082】 本発明の核酸は、標準PCR増幅技術に従って、テンプレートおよび適切なオ
リゴヌクレオチドプライマーとして、cDNA、mRNAあるいはゲノムDNA
を使用して増幅され得る。このように増幅された核酸は、適切なベクターにクロ
ーン化され得、DNA配列分析によって特徴づけされ得る。さらに、ACETA
ヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準合成技術によって、例
えば、自動化DNA合成機を使用して、調製され得る。
【0083】 本明細書中で使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、一連の連結されたヌ
クレオチド残基をいい、オリゴヌクレオチドはPCR反応に使用される十分な数
のヌクレオチド塩基を有する。短鎖オリゴヌクレオチド配列は、ゲノム配列また
はcDNA配列に基づき得るか、またはゲノム配列またはcDNA配列から設計
され得、特定の細胞または組織内の同一の、同様の、または相補的なDNAもし
くはRNAの存在を増幅し、確認し、または明らかにするために使用される。オ
リゴヌクレオチドは、少なくとも約10nt、そして多くとも50nt、好まし
くは約15nt〜30ntを有する核酸配列の一部を含む。それらは、化学的に
合成され得、そしてプローブとして使用され得る。
【0084】 別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は、ACETA:1〜1
0およびACETA:43〜54に示されるヌクレオチド配列の相補体である核
酸分子を含む。別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は、これら
の配列のいずれかに示されるヌクレオチド配列の相補体である核酸分子、または
これらのヌクレオチド配列のいずれかの一部を含む。ACETA:1〜10およ
びACETA:43〜54に示されるヌクレオチド配列に対して相補的である核
酸分子は、示されるヌクレオチド配列に十分に相補的である核酸分子であり、そ
の結果、この核酸分子は、示されるヌクレオチド配列に対してほとんどまたは全
くミスマッチすることなく水素結合し得、それによって安定な二本鎖を形成する
【0085】 本明細書中で使用される用語「相補的」は、核酸分子のヌクレオチドユニット
間のWatson−Crick塩基対またはHoogsteen塩基対をいい、
そして用語「結合」は、2つのポリペプチドまたは化合物または付随のポリペプ
チドまたは化合物またはそれらの組み合わせ間の物理的相互作用または化学的相
互作用を意味する。結合としては、イオン的相互作用、非イオン的相互作用、フ
ァンデルワールス(Von der Waals)相互作用、疎水性相互作用な
どが挙げられる。物理的相互作用は、直接的または間接的のいずれかであり得る
。間接的結合は、別のポリペプチドまたは化合物の影響を通し得るか、または別
のポリペプチドまたは化合物の影響に起因し得る。直接的結合は、別のポリペプ
チドまたは化合物の影響を通して起こらないか、または別のポリペプチドまたは
化合物の影響に起因して起こらない相互作用であるが、代わりに他の実質的な化
学的媒介物を有しない。
【0086】 さらに、本発明の核酸分子は、ACETA:1〜10およびACETA:43
〜54の核酸配列の一部のみ(例えば、プローブもしくはプライマーとして使用
され得るフラグメント、またはACETAの生物学的に活性な部分をコードする
フラグメント)を含み得る。本明細書中に提供されるフラグメントは、それぞれ
、核酸の場合には特異的なハイブリダイゼーションを可能にするに十分な長さで
あるか、またはアミノ酸の場合にはエピトープの特異的な認識を可能にするに十
分な長さであり、そしてせいぜい、全長配列よりいくらかの部分が短い、少なく
とも6の(連続した)核酸または少なくとも4の(連続した)アミノ酸の配列と
して規定される。フラグメントは、選択された核酸またはアミノ酸の配列の、任
意の連続した部分から誘導され得る。誘導体とは、ネイティブな化合物から、直
接的にかまたは改変もしくは部分的な置換のいずれかによって形成される、核酸
配列またはアミノ酸配列である。アナログとは、ネイティブな化合物と類似であ
るが同一はない構造を有するが、特定の成分もしくは側鎖に関して、ネイティブ
な化合物とは異なる、核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、合成的
であっても異なる進化学的起源由来であってもよく、そして野生型と比較して、
類似かまたは逆の代謝活性を有し得る。
【0087】 誘導体およびアナログは、以下に記載されるように、この誘導体またはアナロ
グが改変された核酸またはアミノ酸を含む場合には、全長であっても全長でなく
てもよい。本発明の核酸またはタンパク質の、誘導体またはアナログとしては、
本発明の核酸またはタンパク質に実質的に相同性の領域を含む(種々の実施形態
において、同じ長さの核酸もしくはアミノ酸の配列にわたって、または整列が当
該分野において公知のコンピュータ相同性プログラムによりなされた整列された
配列と比較した場合に、少なくとも約45%、50%、70%、80%、95%
、98%、もしくは99%さえも同一である(80〜99%の同一性が好ましい
))分子、あるいはコードする核酸が、ストリンジェントか、中程度にストリン
ジェントか、または低ストリンジェントな条件下で上記タンパク質をコードする
配列の相補物とハイブリダイズし得る分子が挙げられるが、これらに限定されな
い。例えば、Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN
MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley & Sons、
New York、NY、1993および以下を参照のこと。例示的なプログラ
ムは、デフォルト設定を使用するGapプログラム(Wisconsin Se
quence Analysis Package、Version 8 fo
r UNIX(登録商標)、Genetics Computer Group
、University Research Park、Madison、WI
)であり、これは、SmithおよびWatermanのアルゴリズム(Adv
.Appl.Math.、1981、2:482−489、これは、その全体が
、本明細書中に参考として援用される)を使用する。
【0088】 「相同な核酸配列」または「相同なアミノ酸配列」あるいはその改変体とは、
上で議論したようなヌクレオチドレベルまたはアミノ酸レベルでの相同性により
特徴付けられる、配列をいう。相同なヌクレオチド配列は、ACETAポリペプ
チドのアイソフォームをコードする配列をコードする。アイソフォームは、例え
ばRNAの選択的スプライシングの結果として、同一の生物の異なる組織におい
て発現され得る。あるいは、アイソフォームは、異なる遺伝子によりコードされ
得る。本発明において、相同なヌクレオチド配列は、ヒト以外の種(哺乳動物が
挙げられるがこれに限定されず、従って例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ
、ネコ、ウシ、ウマ、および他の生物が挙げられ得る)のACETAポリペプチ
ドをコードするヌクレオチド配列を含む。相同なヌクレオチド配列としてはまた
、天然に存在する対立遺伝子改変体、および本明細書中に記載のヌクレオチド配
列の変異体が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、相同なヌクレオチ
ド配列は、ヒトACETAタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含まない
。相同な核酸配列としては、ACETAポリペプチドにおける保存アミノ酸置換
(以下を参照のこと)、ならびにACETA活性を有するポリペプチドをコード
する、核酸配列が挙げられる。相同なアミノ酸配列は、ヒトACETAポリペプ
チドのアミノ酸配列をコードしない。
【0089】 ヒトACETA遺伝子のクローニングから決定されるヌクレオチド配列は、他
の細胞型(例えば、他の組織由来)におけるACETAホモログ、ならびに他の
哺乳動物由来のACETAホモログの同定および/またはクローニングにおいて
使用するために設計される、プローブおよびプライマーの生成を可能にする。こ
のプローブ/プライマーは、代表的に、実質的に精製されたオリゴヌクレオチド
を含む。このオリゴヌクレオチドは、代表的に、ストリンジェントな条件下で、
ACETA配列を含む核酸の少なくとも約12、25、50、100、150、
200、250、300、350もしくは400の連続的なセンス鎖ヌクレオチ
ド配列、またはACETA配列を含む核酸のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列、
あるいはこれらの配列の天然に存在する変異体の配列とハイブリダイズする、ヌ
クレオチド配列の領域を含む。
【0090】 ヒトACETAヌクレオチド配列に基づくプローブを使用して、同じかまたは
相同なタンパク質をコードする、転写物またはゲノム配列を検出し得る。種々の
実施形態において、このプローブは、このプローブに付着した標識基をさらに含
む。例えば、この標識基は、放射性同位体、蛍光化合物、酵素、または酵素補薬
剤であり得る。ACETAタンパク質を誤発現する細胞または組織を、例えば被
験体由来の細胞のサンプル中のACETAコード核酸のレベルを測定すること(
例えば、ACETA mRNAレベルの検出またはゲノムACETA遺伝子が変
異されたか欠失されたかの決定)により同定するための、診断試験キットの一部
として、このようなプローブを使用し得る。
【0091】 「ACETAの生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」とは、用量依存
ありまたはなしで特定の生物学的アッセイにおいて測定した場合に、本発明のポ
リペプチド(成熟形態を含む)の活性と類似であるが同一である必要はない活性
を示すポリペプチドをいう。「ACETAの生物学的に活性な部分」をコードす
る核酸フラグメントは、ACETA:1〜10および43〜54の一部(ACE
TAの生物学的活性を有するポリペプチドをコードする)を単離すること、AC
ETAタンパク質のコードされた部分を発現すること(例えば、インビトロ組換
え発現による)、およびACETAのコードされた部分の活性を評価することに
より調製され得る。例えば、ACETAポリペプチドの生物学的に活性な部分を
コードする核酸フラグメントは、必要に応じて、ATP結合ドメインを含み得る
。別の実施形態において、ACETAの生物学的に活性な部分をコードする核酸
フラグメントは、1つ以上の領域を含む。
【0092】 (ACETAの改変体) 本発明はさらに、遺伝コードの縮重に起因して、開示されるかまたは参照され
るACETAヌクレオチド配列とは異なる核酸分子を包含する。従って、これら
の核酸は、例えば、ACETA:1〜10および43〜54において示されるよ
うに、ACETA核酸を含むヌクレオチド配列によりコードされるACETAタ
ンパク質と同様のACETAタンパク質をコードする。
【0093】 ACETA:1〜10および43〜54に示されるラットACETAヌクレオ
チド配列に加えて、ACETAポリペプチドのアミノ酸配列における変化を導く
DNA配列多型は、集団(例えば、ヒト集団)内に存在し得ることが、当業者に
よって理解される。ACETA遺伝子中のこのような遺伝的多型は、天然の対立
遺伝子のバリエーションに起因して、集団内の個体間に存在し得る。本明細書中
で使用される場合、用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」は、ACETAタン
パク質、好ましくは哺乳動物のACETAタンパク質をコードするオープンリー
ディングフレームを含む核酸分子をいう。このような天然の対立遺伝子のバリエ
ーションは、代表的には、ACETA遺伝子のヌクレオチド配列において1〜5
%の変動性を生じる。天然の対立遺伝子バリエーションの結果であり、そしてA
CETAの機能的活性を変化させない、ACETA内の任意および全てのこのよ
うなヌクレオチドのバリエーションならびに得られるアミノ酸多型は、本発明の
範囲内であると意図される。
【0094】 さらに、他の種由来のACETAタンパク質をコードし、従って、ACETA
:1〜10および43〜54のヒト配列とは異なるヌクレオチド配列を有する核
酸分子は、本発明の範囲内にあることが意図される。本発明のACETAのDN
Aの天然の対立遺伝子改変体およびホモログに対する核酸分子は、本明細書中に
開示されるヒトACETA核酸に対するそれらの相同性に基づいて、ストリンジ
ェントハイブリダイゼーション条件下で、標準的なハイブリダイゼーション技術
に従うハイブリダイゼーションプローブとしてヒトcDNAまたはその一部を用
いて単離され得る。例えば、可溶性ヒトACETA DNAは、ヒトの膜結合A
CETAに対するその相同性に基づいて単離され得る。同様に、膜結合ヒトAC
ETA DNAは、可溶性ヒトACETAに対するその相同性に基づいて単離さ
れ得る。
【0095】 従って、別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、少なくとも6ヌ
クレオチド長であり、そしてストリンジェント条件下でACETA:1〜10お
よび43〜54のヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズする。別の
実施形態では、この核酸は、少なくとも10、25、50、100、250また
は500ヌクレオチド長である。別の実施形態では、本発明の単離された核酸分
子は、コード領域にハイブリダイズする。本明細書中で用いられる場合、用語「
ストリンジェント条件下でハイブリダイズする」は、ハイブリダイゼーションお
よび洗浄のために、互いに少なくとも60%相同なヌクレオチド配列が代表的に
は互いにハイブリダイズしたままである条件下を記載することを意図する。
【0096】 ホモログ(すなわち、ヒト以外の種由来のACETAタンパク質をコードする
核酸)または他の関連配列(例えば、パラログ(paralogs))は、特定
のヒト配列の全てまたは一部をプローブとし、核酸ハイブリダイゼーションおよ
びクローニングに関して当該分野で周知の方法を使用して、低い、中程度の、ま
たは高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションによって入手され得る。
【0097】 本明細書中で使用される場合、句「ストリンジェントハイブリダイゼーション
条件」は、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドが、その標的配列に
ハイブリダイズするが、他の配列にはハイブダイズしない条件をいう。ストリン
ジェントな条件は配列依存性であり、そして異なる状況で異なる。より長い配列
は、より短い配列より、高温で特異的にハイブリダイズする。一般に、ストリン
ジェント条件は、規定されたイオン強度およびpHで、特異的な配列についての
温度融点(Tm)よりも約5℃低い条件が選択される。Tmは、標的配列に相補
的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度(規定
されたイオン強度、pHおよび核酸濃度下)である。標的配列は一般に過剰で存
在するので、Tmでは、50%のプローブが平衡状態で占有されている。代表的
には、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3で、塩濃度が約1.0M
ナトリウムイオン未満、代表的には約0.01〜1.0Mナトリウムイオン(ま
たは他の塩)、そして短いプローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチド(例
えば、10nt〜50nt)について温度が少なくとも約30℃、そしてより長
いプローブ、プライマーおよびオリゴヌクレオチドについて少なくとも約60℃
である条件である。ストリンジェント条件はまた、ホルムアミドのような不安定
化剤の添加により達成され得る。
【0098】 ストリンジェント条件は、当業者に公知であり、そしてCURRENT PR
OTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wi
ley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1−6.3.6に見出
され得る。好ましくは、この条件は、互いに少なくとも約65%、約70%、約
75%、約85%、約90%、約95%、約98%または約99%相同な配列が
、代表的には互いにハイブリダイズしたままであるような条件である。ストリン
ジェントハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、6×SSC、50mM
Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02% PVP、
0.02% Ficoll、0.02% BSA、および500mg/ml変性
サケ精子DNAを含む高塩緩衝液中での65℃でのハイブリダイゼーションであ
る。このハイブリダイゼーションは、続いて0.2×SSC、0.01% BS
A中の50℃での1回以上の洗浄である。ストリンジェント条件下でACETA
:1〜10および43〜54の配列にハイブリダイズする、本発明の単離された
核酸分子は、天然に存在する核酸分子に対応する。本明細書中で使用される場合
、「天然に存在する」核酸分子とは、天然に存在する(例えば、天然のタンパク
質をコードする)ヌクレオチド配列を有する、RNA分子またはDNA分子をい
う。
【0099】 第2の実施形態では、ACETA:1〜10および43〜54あるいはそのフ
ラグメント、アナログまたは誘導体のヌクレオチド配列を含む核酸分子に、中程
度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし得る核酸配列が提供される。
中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、5
5℃での6×SSC、5×デンハルト溶液、0.5% SDSおよび100mg
/ml変性サケ精子DNA中でのハイブリダイゼーション、続いて1×SSC、
0.1% SDS中での37℃での1回以上の洗浄である。用いられ得る中程度
のストリンジェンシーの他の条件は、当該分野で周知である。例えば、Ausu
belら(編),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MO
LECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,NY
およびKriegler,1990,GENE TRANSFER AND E
XPRESSION,A LABORATORY MANUAL,Stockt
on Press,NYを参照のこと。
【0100】 第3の実施形態では、ACETA:1〜10および43〜54あるいはそれら
のフラグメント、アナログもしくは誘導体のヌクレオチド配列を含む核酸分子に
、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし得る核酸が提供される。低ス
トリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、35%ホルム
アミド、5×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM E
DTA、0.02% PVP、0.02% Ficoll、0.2% BSA、
100mg/mlの変性サケ精子DNA、10%(重量/容量)デキストランサ
ルフェート中での40℃でのハイブリダイゼーション、続いて2×SSC、25
mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDTAおよび0.1% S
DS中での50℃での1回以上の洗浄である。用いられ得る低ストリンジェンシ
ーの他の条件は、当該分野で周知である(例えば、種交差ハイブリダイゼーショ
ンについて用いられるように)。例えば、Ausubelら(編),1993,
CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLO
GY,John Wiley & Sons,NYならびにKriegler,
1990,GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A
LABORATORY MANUAL,Stockton Press,NY;
Shiloら、1981,Proc Natl Acad Sci USA 7
8:6789−6792を参照のこと。
【0101】 (保存的変異) 集団中に存在し得る、天然に存在するACETA配列の対立遺伝子改変体に加
えて、当業者はさらに、変化が、ACETAタンパク質の機能的能力を変更する
ことなく、ACETA核酸に導入され得るかまたはACETAポリペプチド配列
に直接導入され得ることを理解する。いくつかの実施形態において、ACETA
:1〜10および43〜54のヌクレオチド配列は変更され、それによってコー
ドされたACETAタンパク質のアミノ酸配列における変化をもたらす。例えば
、種々の「非必須」アミノ酸残基でのアミノ酸置換を生じるヌクレオチド置換は
、ACETA:1〜10および43〜54の配列においてなされ得る。「非必須
」アミノ酸残基は、生物学的活性が変更されることなくACETAの野生型配列
から変更され得る残基であり、しかるに、「必須」アミノ酸残基は、生物学的活
性のために必要である。例えば、本発明のACETAタンパク質間で保存されて
いるアミノ酸残基は、特に変更されにくいことが予測される。
【0102】 さらに、本発明のACETAタンパク質のファミリーメンバー間で保存されて
いるアミノ酸残基もまた、特に変更されにくいことが予測される。このようなも
のとして、これらの保存的ドメインは、おそらく変異されにくい。しかし、他の
アミノ酸残基(例えば、ACETAタンパク質のメンバー間で保存的でないか、
または半保存的でしかない残基)は、活性に必須でないかもしれないし、従って
、おそらく変更されにくい。
【0103】 本発明の別の局面は、活性に必須でないアミノ酸残基の変化を含むACETA
タンパク質をコードする核酸分子に関する。このようなACETAタンパク質は
、アミノ酸配列において、ACETA:1〜10および43〜54を含む核酸に
よってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列とは異なるが、なお生物学的活
性を保持している。1つの実施形態において、単離された核酸分子は、タンパク
質をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、そのタンパク質は、ACET
A:1〜10および43〜54を含む核酸によってコードされるポリペプチドの
アミノ酸配列に対して、少なくとも約45%相同、より好ましくは、60%相同
、そしてなおより好ましくは、少なくとも約70%、80%、90%、95%、
98%、そして最も好ましくは少なくとも約99%相同であるアミノ酸配列を含
む。
【0104】 相同なACETAタンパク質をコードする単離された核酸分子は、ACETA
:1〜10および43〜54を含む核酸のヌクレオチド配列に、1以上のヌクレ
オチドの置換、付加、または欠失を導入することによって作製され得、その結果
、1以上のアミノ酸置換、付加、または欠失が、そのコードされたタンパク質に
導入され得る。
【0105】 変異は、標準的な技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘
発)によって、ACETA:1〜10および43〜54を含む核酸に導入され得
る。好ましくは、保存的アミノ酸置換が、1以上の推定非必須アミノ酸残基でな
される。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ
酸残基で置き換えられている置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のフ
ァミリーは、当該分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖
(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グ
ルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば
、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、
メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イ
ソロイシン)、および芳香族性側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、ト
リプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。従って、ACETA
中の推定非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で
置き換えられる。あるいは、別の実施形態において、変異は、ACETAコード
配列のすべてまたは一部に沿って無作為に導入され得(例えば、飽和変異誘発に
よって)、そして得られる変異体は、ACETA生物学的活性についてスクリー
ニングされて、活性を保持している変異体を同定し得る。核酸の変異誘発の後、
コードされたタンパク質は、当該分野で公知の任意の組換え技術によって発現さ
れ得、そしてそのタンパク質の活性が決定され得る。
【0106】 1つの実施形態において、変異ACETAタンパク質は、(1)他のACET
Aタンパク質、他の細胞表面タンパク質、またはその生物学的に活性な部分とタ
ンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力について、(2)変異ACETA
タンパク質とACETAリガンドとの間の複合体形成について;(3)変異AC
ETAタンパク質が細胞内標的タンパク質またはその生物学的に活性な部分(例
えば、アビジンタンパク質)に結合する能力について;(4)ATPを結合する
能力;または(5)ACETAタンパク質抗体を特異的に結合する能力について
、アッセイされ得る。
【0107】 他の特定の実施形態において、核酸はRNAまたはDNAである。
【0108】 (アンチセンス) 本発明の別の局面は、ACETA配列のヌクレオチド配列、またはそのフラグ
メント、アナログ、もしくは誘導体を含む核酸分子に対して、ハイブリダイズ可
能であるかまたは相補的な、単離されたアンチセンス核酸分子に関する。「アン
チセンス」核酸は、例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に対して相補的であ
るか、またはmRNA配列に対して相補的である、タンパク質をコードする「セ
ンス」核酸に対して相補的なヌクレオチド配列を含む。特定の局面において、少
なくとも約10、25、50、100、250、もしくは500ヌクレオチドま
たはACETAコード鎖全体に対して、あるいはそれらの一部にのみに相補的な
配列を含む、アンチセンス核酸分子が提供される。ACETAタンパク質のフラ
グメント、ホモログ、誘導体、およびアナログをコードする核酸分子、またはA
CETA核酸配列を含む核酸に相補的なアンチセンス核酸をコードする核酸分子
が、さらに提供される。
【0109】 1つの実施形態において、アンチセンス核酸分子は、ACETAをコードする
ヌクレオチド配列のコ−ド鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。用
語「コード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含むヌクレオチド配
列の領域をいう。別の実施形態において、アンチセンス核酸分子は、ACETA
をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード配列」に対してアンチセ
ンスである。用語「非コード配列」とは、アミノ酸に翻訳されないコード領域に
隣接する5’および3’配列をいう(すなわち、5’および3’非翻訳領域とも
いう)。
【0110】 本明細書中に開示されるACETAをコードするコード鎖配列が与えられると
、本発明のアンチセンス核酸は、WatsonよおびCrickの法則またはH
oogsteen塩基対形成に従って設計され得る。アンチセンス核酸分子は、
ACETA mRNAの全コード領域に相補的であり得るが、より好ましくは、
ACETA mRNAのコード領域または非コード領域の一部のみに対してアン
チセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレ
オチドは、ACETA mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域に相補的であり
得る。アンチセンスヌクレオチドは、例えば、約5、10、15、20、25、
30、35、40、45または50ヌクレオチド長であり得る。本発明のアンチ
センス核酸は、当該分野で公知の手順を使用する化学合成または酵素的連結反応
を使用して構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオ
リゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、あるいは分子の生物学的
安定性を増加させるか、またはアンチセンス核酸とセンス核酸との間に形成され
た二重鎖の物理的安定性を増加させるように設計された種々に改変されたヌクレ
オチド(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチド
が使用され得る)を使用して化学的に合成され得る。
【0111】 アンチセンス核酸を作製するために用いられ得る改変されたヌクレオチドの例
としては以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−
クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセ
チルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシ
メチルアミノメチル2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラ
シル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルクエオシン(galactos
ylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチ
ルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデ
ニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−
アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキ
シアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルクエオシン(mann
osylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−
メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル
−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、クエオシン(
queosine)、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−
チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ
酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオ
ウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(
acp3)w、および2,6−ジアミノプリン。あるいは、このアンチセンス核
酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた発現ベクターを用いて
生物学的に生成され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNAは、
以下の小節にさらに記載される、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向であ
る)。
【0112】 本発明のアンチセンス核酸分子は、代表的には被験体に投与されるか、または
インサイチュで生成され、その結果それらは、ACETAタンパク質をコードす
る細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、または
それに結合し、それによってこのタンパク質の発現を、例えば転写および/また
は翻訳を阻害することによって阻害する。ハイブリダイゼーションは、安定な二
重鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によってか、または例えばDNA二重
鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合には、二重らせんのメジャーグルーブ
(major groove)における特異的相互作用を介してであり得る。本
発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としては、組織部位での直接的注射
が挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞を標的化す
るように改変され得、次いで全身に投与される。例えば、全身投与のために、ア
ンチセンス分子は、それらが選択された細胞表面上に発現されたレセプターまた
は抗原に特異的に結合するように改変され得る。これは、例えば、そのアンチセ
ンス核酸分子を細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に
連結することによる。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中に記載され
るベクターを用いて細胞に送達され得る。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度
を達成するために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIプロモーターま
たはpol IIIプロモーターの制御下に置かれているベクター構築物が、好
ましい。
【0113】 なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー
核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイ
ブリッドを形成する。ここで、通常のβ−ユニットとは対照的に、鎖は、互いに
平行になる(Gaultierら(1987)Nucleic Acids R
es 15:6625〜6641)。このアンチセンス核酸分子はまた、2’−
o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら(1987)Nucleic Ac
ids Res 15:6131〜6148)またはキメラRNA−DNAアナ
ログ(Inoueら(1987)FEBS Lett 215:327〜330
)を含み得る。
【0114】 (リボザイムおよびPNA部分) なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。
リボザイムは、一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断し得るリボヌクレアーゼ
活性を有する触媒性RNA分子であり、これらは、その一本鎖核酸に対して相補
領域を有する。従って、リボザイム(例えば、ハンマーヘッドリボザイム(Ha
selhoffおよびGerlach(1988)Nature 334:58
5〜591に記載される))を使用して、ACETA mRNA転写物を触媒的
に切断し、それによってACETA mRNAの翻訳を阻害し得る。ACETA
をコードする核酸に特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示されるAC
ETA DNAのヌクレオチド配列に基づいて設計され得る。例えば、活性部位
のヌクレオチド配列が、ACETAをコードするmRNA内で切断されるヌクレ
オチド配列に相補的である、テトラヒメナL−19 IVS RNAの誘導体が
構築され得る。例えば、Cechら、米国特許第4,987,071号;および
Cechら、米国特許第5,116,742号を参照のこと。あるいは、ACE
TA mRNAを使用して、RNA分子のプールから、特異的リボヌクレアーゼ
活性を有する触媒性RNAを選択し得る。例えば、Bartelら(1993)
Science 261:1411〜1418を参照のこと。
【0115】 あるいは、ACETA遺伝子発現は、ACETA核酸の調節領域(例えば、A
CETAのプロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド
配列を標的化し、標的細胞中でACETA遺伝子の転写を妨害する三重らせん構
造を形成することによって阻害され得る。一般には、Helene.(1991
)Anticancer Drug Des.6:569〜84;Helene
ら(1992)Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27〜36;およ
びMaher(1992)Bioassays 14:807〜15を参照のこ
と。
【0116】 種々の実施形態において、ACETAの核酸は、塩基部分、糖部分またはリン
酸骨格で改変され、例えば、その分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは
可溶性を改善し得る。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格を改変して、
ペプチド核酸を生成し得る(Hyrupら(1996)Bioorg Med
Chem 4:5〜23を参照のこと)。本明細書中で使用される用語「ペプチ
ド核酸」または「PNA」は、デオキシリボースリン酸骨格が偽ペプチド骨格に
よって置換され、そして4つの天然の核塩基(nucleobase)のみが保
持されている核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいう。PNAの中性の骨格
は、低いイオン強度の条件下でDNAおよびRNAに対する特異的ハイブリダイ
ゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、上記
のHyrupら(1996);Perry−O’Keefeら(1996)PN
AS 93:14670〜675において記載されるような標準的固相ペプチド
合成プロトコルを用いて行われ得る。
【0117】 ACETAのPNAは、治療的適用および診断的適用において使用され得る。
例えば、PNAは、例えば転写または翻訳の停止を誘導することまたは複製を阻
害することによる、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンスまたは抗
遺伝子剤として使用され得る。例えば、ACETAのPNAはまた、例えばPN
A指向性PCRクランピングによる遺伝子における一塩基対変異の分析において
;他の酵素(例えば、S1ヌクレアーゼ)と組み合わせて使用される場合の人工
制限酵素として(Hyrup B.(1996)上記);またはDNA配列およ
びハイブリダイゼーションのプローブもしくはプライマーとして(Hyrupら
(1996)上記;Perry−O’Keefe(1996)、上記)、使用さ
れ得る。
【0118】 別の実施形態において、ACETAのPNAは、例えば、それらの安定性また
は細胞性取り込みを増強するために、PNAに脂溶性基または他のヘルパー基を
結合することによって、PNA−DNAキメラの形成によって、またはリポソー
ムもしくは当該分野において公知の薬物送達の他の技術の使用によって改変され
得る。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を組合せ得る、ACETAのP
NA−DNAキメラが生成され得る。PNA部分が高い結合親和性および特異性
を提供する一方で、そのようなキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNase
HおよびDNAポリメラーゼ)がDNA部分と相互作用するのを可能にする。
PNA−DNAキメラは、塩基のスタッキング、核塩基間の結合数および方向を
考慮して選択される適切な長さのリンカーを使用して連結され得る(Hyrup
(1996)上記)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrup(1996)
上記およびFinnら(1996)Nucl Acids Res 24:33
57〜63において記載されるように行われ得る。例えば、DNA鎖は、標準的
なホスホラミダイトカップリング化学を用いて固体支持体上で合成され得、そし
て改変されたヌクレオシドアナログ(例えば、5’−(4−メトキシトリチル)
アミノ−5’−デオキシ−チミジンホスホルアミダイト)が、PNAとDNAの
5’末端との間に使用され得る(Magら(1989)Nucl Acid R
es 17:5973〜88)。次いで、PNAモノマーが段階様式でカップリ
ングされ、5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを有するキメラ分
子を生成する(Finnら(1996)上記)。あるいは、5’DNAセグメン
トおよび3’PNAセグメントを有するキメラ分子が合成され得る。Peter
senら(1975)Bioorg Med Chem Lett 5:111
9〜11124を参照のこと。
【0119】 他の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、以下のような他の付属の基を
含み得る:ペプチド(例えば、インビボで宿主細胞レセプターを標的化するため
)、または細胞膜を横切る輸送を容易にする因子(例えば、Letsinger
ら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:6
553〜6556;Lemaitreら、1987、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.84:648〜652;PCT公開番号WO88/09810を
参照のこと)、または血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/1013
4を参照のこと)。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション誘
発切断剤(例えば、Krolら、1988、BioTechniques 6:
958〜976を参照のこと)、またはインターカレーター剤(例えば、Zon
,1988、Pharm.Res.5:539〜549を参照のこと)で改変さ
れ得る。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチ
ド、ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発
切断剤など)に結合され得る。
【0120】 (ACETAポリペプチド) 本発明の1つの局面は、単離されたACETAタンパク質、およびその生物学
的に活性な部分、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモ
ログに関する。抗ACETA抗体を惹起するための免疫原としての使用のために
適切なポリペプチドフラグメントもまた提供される。1つの実施形態において、
ネイティブなACETAタンパク質は、標準的なタンパク質精製技術を用いる適
切な精製スキームによって、細胞または組織供給源から単離され得る。別の実施
形態において、ACETAタンパク質は、組換えDNA技術によって産生される
。組換え発現に代わるものとして、ACETAタンパク質またはポリペプチドは
、標準的なペプチド合成技術を用いて化学合成され得る。
【0121】 「単離された」または「精製された」タンパク質またはその生物学的に活性な
部分は、ACETAタンパク質の由来する細胞または組織供給源由来の細胞性物
質または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、あるいは化学合成される場
合に化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。用語「細胞性物質を実
質的に含まない」は、タンパク質がそれが単離または組換え産生される細胞の細
胞性成分から分離されている、ACETAタンパク質の調製物を含む。1つの実
施形態において、用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、非ACETAタン
パク質(本明細書中において「夾雑タンパク質」とも呼ばれる)を約30%未満
(乾燥重量にて)、より好ましくは非ACETAタンパク質を約20%未満、な
おより好ましくは非ACETAタンパク質を約10%未満、そして最も好ましく
は非ACETAタンパク質を約5%未満有する、ACETAタンパク質の調製物
を含む。ACETAタンパク質またはその生物学的に活性な部分が組換え産生さ
れる場合、好ましくは、これはまた培養培地を実質的に含まない。すなわち、培
養培地は、そのタンパク質調製物の容量の約20%未満、より好ましくは約10
%未満、そして最も好ましくは約5%未満を示す。
【0122】 用語「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、タンパク質が
、そのタンパク質の合成に関与する化学前駆体または他の化学物質から分離され
ているACETAタンパク質調製物を含む。1つの実施形態において、用語「化
学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、化学前駆体または非AC
ETAの化学物質を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは化学前駆体
または非ACETA化学物質を約20%未満、なおより好ましくは化学前駆体ま
たは非ACETA化学物質を約10%未満、そして最も好ましくは化学前駆体ま
たは非ACETA化学物質を約5%未満有する、ACETAタンパク質調製物を
含む。
【0123】 ACETAタンパク質の生物学的に活性な部分は、全長ACETAタンパク質
より少ないアミノ酸を含み、そしてACETAタンパク質の少なくとも1つの活
性を示す、ACETAタンパク質のアミノ酸配列(例えば、ACETA1〜10
および43〜54を含む核酸によってコードされるアミノ酸配列)に十分に相同
なアミノ酸配列、またはACETAタンパク質のアミノ酸配列に由来するアミノ
酸配列を含むペプチドを含む。代表的には、生物学的に活性な部分は、ACET
Aタンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。
ACETAタンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、長さが10、25、
50、100またはそれより多いアミノ酸であるポリペプチドであり得る。
【0124】 本発明のACETAタンパク質の生物学的活性な部分は、ACETAタンパク
質間で保存された、上記で同定されたドメインの少なくとも1つを含み得る。A
CETAタンパク質の別の生物学的に活性な部分は、上記で同定されたドメイン
の少なくとも2つを含み得る。ACETAタンパク質の別の生物学的に活性な部
分は、上記で同定されたドメインの少なくとも3つを含み得る。本発明のACE
TAタンパク質のなお別の生物学的に活性な部分は、上記で同定されたドメイン
の少なくとも4つを含み得る。
【0125】 さらに、タンパク質の他の領域が欠失している他の生物学的に活性な部分は、
組換え技術によって調製され得、そしてネイティブなACETAタンパク質の機
能的活性のうちの1つ以上について評価され得る。
【0126】 いくつかの実施形態では、このACETAタンパク質は、これらのACETA
タンパク質の1つに実質的に相同であり、そして以下に詳細に記載されるように
、天然の対立遺伝子改変または変異誘発に起因してアミノ酸配列がなお異なるが
、その機能的活性を保持する。
【0127】 特定の実施形態では、本発明は、ポリペプチドの配列に80%以上同一である
アミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドを含み、このポリペプチドの発現は
、肝毒性因子が投与される哺乳動物において調節される。
【0128】 (2つ以上の配列間の相同性の決定) 2つのアミノ酸配列または2つの核酸のパーセント類似性を決定するために、
配列は、至適な比較の目的のために整列される(例えば、ギャップは、第2のア
ミノ酸配列または核酸配列との至適な整列のために、第1のアミノ酸配列または
核酸配列の配列中に導入され得る)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌク
レオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。第1の配列中
の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチド
で占められる場合、次いで、分子はその位置で相同である(すなわち、本明細書
中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「相同性」は、アミノ酸または核酸
の「同一性」と等価である)。
【0129】 核酸配列の相同性は、2つの配列間の同一性の程度として決定され得る。相同
性は、当該分野において公知のコンピュータープログラム(例えば、GCGプロ
グラムパッケージにおいて提供されるGAPソフトウェア)を用いて決定され得
る。NeedlemanおよびWunsch 1970 J Mol Biol
48:443〜453を参照のこと。核酸配列比較のための以下の設定(5.
0のGAP作製ペナルティー、および0.3のGAP伸長ペナルティー)を用い
てGCG GAPソフトウェアを用いると、上記で言及される類似の核酸配列の
コード領域は、ACETA:1〜10および43〜54を含むDNA配列のCD
S(コード)部分と、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なく
とも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なく
とも98%または少なくとも99%の同一性の程度を示す。
【0130】 用語「配列同一性」は、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列
が、特定の比較領域にわたって、残基毎を基準として同一である程度をいう。用
語「配列同一性のパーセンテージ」は、以下により算出される:この比較領域に
わたって最適に整列された2つの配列を比較する工程、両方の配列において同一
の核酸塩基(例えば、核酸の場合にはA、T、C、G、U、またはI)が存在す
る位置の数を決定し、一致した位置の数を導く工程、この一致した位置の数を、
比較領域における位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で除算する工程、
そして結果を100で乗算して、配列同一性のパーセンテージを導く工程。用語
「実質的な同一性」は、本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチド配列の
特徴を示し、ここでこのポリヌクレオチドは、比較領域にわたり参照配列と比較
して、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の配列同一
性、そして頻繁には90〜95%の配列同一性、より通常には少なくとも99%
の配列同一性を有する配列を含む。
【0131】 (キメラタンパク質および融合タンパク質) 本発明はまた、ACETAキメラタンパク質または融合タンパク質を提供する
。本明細書中で使用される場合、ACETA「キメラタンパク質」またはACE
TA「融合タンパク質」は、非ACETAポリペプチドに作動可能に連結された
、ACETAポリペプチドを含む。「ACETAポリペプチド」は、ACETA
に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいい、一方、「非ACETAポ
リペプチド」は、ACETAタンパク質に対して実質的に相同ではないタンパク
質(例えば、ACETAタンパク質とは異なり、かつ同一または異なる生物体に
由来するタンパク質)に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。A
CETA融合タンパク質において、このACETAポリペプチドは、ACETA
タンパク質のすべてまたは一部分に対応し得る。1つの実施形態では、ACET
A融合タンパク質は、ACETAタンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性
な部分を含む。別の実施形態では、ACETA融合タンパク質は、ACETAタ
ンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性な部分を含む。さらに別の実施形態
では、ACETA融合タンパク質は、ACETAタンパク質の少なくとも3つの
生物学的に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結
された」は、ACETAポリペプチドおよび非ACETAポリペプチドが、イン
フレームで互いに融合されていることを示すことが意図される。非ACETAポ
リペプチドは、ACETAポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
【0132】 例えば、1つの実施形態では、ACETA融合タンパク質は、第2のタンパク
質の細胞外ドメインに作動可能に連結されたACETAドメインを含む。このよ
うな融合タンパク質は、ACETA活性を調節する化合物についてのスクリーニ
ングアッセイでさらに利用され得る(このようなアッセイは、以下に詳細に記載
される)。
【0133】 なお別の実施形態では、融合タンパク質は、GST−ACETA融合タンパク
質であり、ここではACETA配列は、GST(すなわち、グルタチオンS−ト
ランスフェラーゼ)配列のC末端に融合されている。このような融合タンパク質
は組換えACETAの精製を容易にし得る。
【0134】 別の実施形態では、融合タンパク質は、そのN末端において異種シグナル配列
を含むACETAタンパク質である。例えば、ネイティブなACETAシグナル
配列は除去され、そして別のタンパク質由来のシグナル配列で置換される。特定
の宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)において、ACETAの発現および/
または分泌は、異種シグナル配列の使用を介して増加され得る。
【0135】 さらに別の実施形態では、融合タンパク質は、1つ以上のドメインを含むAC
ETA配列が、免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバー由来の配列に融
合されるACETA−免疫グロブリン融合タンパク質である。本発明のACET
A−免疫グロブリン融合タンパク質は、薬学的組成物に組み込まれ得、そして被
験体に投与され得、細胞の表面上でACETAリガンドとACETAタンパク質
との間の相互作用を阻害し得、これにより、インビボでのACETA媒介シグナ
ル伝達を抑制し得る。このACETA−免疫グロブリン融合タンパク質を使用し
て、ACETA同族リガンドのバイオアベイラビリティーに影響し得る。ACE
TAリガンド/ACETA相互作用の阻害は、増殖障害および分化障害の両方の
処置ならびに細胞生存を調節する(例えば、促進または阻害する)ために治療的
に有用であり得る。さらに、本発明のACETA−免疫グロブリン融合タンパク
質は、被験体中の抗ACETA抗体を産生するための免疫原として、ACETA
リガンドを精製するために、およびACETAとACETAリガンドとの相互作
用を阻害する分子を同定するためのスクリーニングアッセイにおいて使用され得
る。
【0136】 本発明のACETAキメラタンパク質および融合タンパク質は、標準の組換え
DNA技術により産生され得る。例えば、異なるポリペプチド配列についてのD
NAフラグメントコーディングは、従来技術(例えば、連結のための平滑末端ま
たはスタッガー末端を使用すること、制限酵素消化を使用して適切な末端を提供
すること、適切に突出末端を埋めること、アルカリフォスファターゼ処理を使用
して、所望でない接合を避けること、および酵素連結による)に従って、インフ
レームに、共に連結される。別の実施形態では、融合遺伝子は、自動DNA合成
機を含む従来技術により合成され得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR
増幅は、引き続きアニーリングされそして再増幅されてキメラ遺伝子配列を生成
し得る2つの連続する遺伝子フラグメントの間で相補的に突出を生じるアンカー
プライマーを使用して行われ得る(例えば、Ausubelら(編)CURRE
NT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,Jh
on Wiley&Sons,1992を参照のこと)。さらに、多くの発現ベ
クターが市販されており、これらは、既に融合部分(例えば、GSTポリペプチ
ド)をコードしている。ACETAコード核酸は、そのような発現ベクターへク
ローン化され得、その結果、融合部分は、ACETAタンパク質にインフレーム
で連結される。
【0137】 (ACETAアゴニストおよびACETAアンタゴニスト) 本発明はまた、ACETAアゴニスト(模倣物)またはACETAアンタゴニ
ストのいずれかとして機能する種々のACETAタンパク質に関する。ACET
Aタンパク質の改変体は、変異誘発(例えば、個別の点変異またはACETAタ
ンパク質の切断)により生成され得る。ACETAタンパク質のアゴニストは、
ACETAタンパク質の天然に存在する形態の生物学的な活性と実質的に同じ活
性を保持するかまたは生物学的に活性なサブセットを保持する。ACETAタン
パク質のアンタゴニストは、例えば、ACETAタンパク質を含む細胞シグナル
伝達カスケードの下流または上流のメンバーに競合的に結合することにより、A
CETAタンパク質の天然に存在する形態の1つ以上の活性を阻害し得る。従っ
て、特定の生物学的効果は、制限された機能の改変体で処理することにより誘発
され得る。1つの実施形態では、このタンパク質の天然に存在する形態の生物学
的活性のサブセットを有する改変体での被験体の処置は、ACETAタンパク質
の天然に存在する形態での処置と比較して被験体におけるより少ない副作用を有
する。
【0138】 ACETAアゴニスト(模倣物)またはACETAアンタゴニストのいずれか
として機能するACETAタンパク質改変体は、ACETAタンパク質の変異体
(例えば、短縮変異体)のコンビナトリアルライブラリーをACETAタンパク
質アゴニストまたはアンタゴニスト活性についてスクリーニングすることによっ
て、同定され得る。1つの実施形態において、ACETA改変体の多様化(va
riegated)ライブラリーが、核酸レベルのコンビナトリアル変異誘発に
より生成され、そして多様化遺伝子ライブラリーによりコードされる。ACET
A改変体の多様化ライブラリーは、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を
酵素により連結して遺伝子配列にすることにより生成され得、可能なACETA
配列の縮重セットが個々のポリペプチドとしてかまたはその中にACETA配列
のセットを含むもっと大きな融合タンパク質のセットとして(例えば、ファージ
ディスプレイのため)発現可能であるようにする。縮重オリゴヌクレオチド配列
から可能なACETA改変体のライブラリーを生成するために使用され得る、種
々の方法が存在する。縮重遺伝子配列の化学合成は、自動DNA合成機にて実施
され得、次いで、その合成遺伝子が適切な発現ベクター中に連結され得る。遺伝
子の縮重セットの使用は、1つの混合物において、可能なACETA配列の所望
のセットをコードする配列すべての提供を可能にする。縮重オリゴヌクレオチド
を合成するための方法は、当該分野で公知である(例えば、Narang(19
83)Tetrahedron 39:3;Itakuraら(1984)An
nu Rev Biochem 53:323;Itakuraら(1984)
Science 198:1056;Ikeら(1983)Nucl Acid
Res 11:477を参照のこと)。
【0139】 (ポリペプチドライブラリー) さらに、ACETAタンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーが、
ACETAタンパク質の改変体のスクリーニングおよびその後の選択のために、
ACETAフラグメントの多様化集団を生成するために使用され得る。1つの実
施形態において、コード配列フラグメントのライブラリーが、ニック形成が1分
子につき約1回のみしか生じない条件下でヌクレアーゼを用いてACETAコー
ド配列の二本鎖PCRフラグメントを処理すること、その二本鎖DNAを変性さ
せること、そのDNAを再生させて異なるニック形成産物由来のセンス/アンチ
センス対を含み得る二本鎖DNAを形成させること、S1ヌクレアーゼでの処理
によって再形成した二重鎖から一本鎖部分を除去すること、および生じたフラグ
メントライブラリーを発現ベクター中に連結することより生成され得る。この方
法により、そのACETAタンパク質の種々のサイズのN末端フラグメントおよ
び内部フラグメントをコードする、発現ライブラリーが誘導され得る。
【0140】 点変異または短縮により生成されるコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産
物をスクリーニングするため、および選択された特性を有する遺伝子産物につい
てcDNAライブラリーをスクリーニングするための、いくつかの技術が当該分
野で公知である。このような技術は、ACETAタンパク質のコンビナトリアル
変異誘発により生成される遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適合可
能である。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするために最も広範に使
用される技術(これは、高スループット分析に従う)としては、代表的には、こ
の遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクター中にクローニングすること、生
じたベクターのライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、および産物が検
出された遺伝子をコードするベクターの単離が所望の活性の検出により容易にな
る条件下でそのコンビナトリアル遺伝子を発現させることが、挙げられる。反復
アンサンブル変異誘発(REM)(ライブラリーにおける機能的変異体の頻度を
増大する新規な技術)が、ACETA改変体を同定するためにスクリーニングア
ッセイと組合わせて使用され得る(ArkinおよびYourvan(1992
)PNAS 89:7811〜7815;Delgraveら(1993)Pr
otein Engineering 6:327〜331)。
【0141】 (抗ACETA抗体) 単離されたACETAタンパク質、あるいはその部分またはフラグメントが、
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の調製のための標準的技術を使用
して、ACETAを結合する抗体を生成するための免疫原として使用され得る。
全長ACETAタンパク質が使用され得るし、あるいは本発明が、免疫原として
の使用のためのACETAの抗原性ペプチドフラグメントを提供する。ACET
Aの抗原性ペプチドは、ACETA:1〜10および43〜54に示される核酸
配列を含む核酸によりコードされるアミノ酸配列のうちの少なくとも8アミノ酸
残基を含み、そしてそのペプチドに対して惹起された抗体がACETAと特異的
免疫複合体を形成するように、ACETAのエピトープを含む。好ましくは、そ
の抗原性ペプチドは、少なくとも10アミノ酸残基、より好ましくは少なくとも
15アミノ酸残基、なおより好ましくは少なくとも20アミノ酸残基、そして最
も好ましくは少なくとも30アミノ酸残基を含む。その抗原性ペプチドにより含
まれる好ましいエピトープは、そのタンパク質の表面上に位置するACETAの
領域(例えば、親水性領域)である。抗体産生を標的とするための手段として、
親水性および疎水性の領域を示すハイドロパシープロットが、当該分野で周知の
任意の方法(例えば、Kyte Doolittle法またはHopp Woo
ds法)が、Fourier変換を伴ってかまたは伴わずにかのいずれかで、生
成され得る。例えば、HoopおよびWoods、1981、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 78:3824〜3828;KyteおよびD
oolittle 1982、J.Mol.Biol.157:105〜142
(各々が、その全体が参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。
【0142】 ACETAポリペプチド、あるいはその誘導体、フラグメント、アナログまた
はホモログが、これらのタンパク質成分を免疫特異的に結合する抗体の産生にお
いて、免疫原として利用され得る。用語「抗体」とは、本明細書中で使用される
場合、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分
(すなわち、抗原に特異的に結合する(抗原と免疫反応する)抗原結合部位を含
む分子)をいう。このような抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナ
ル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、FabフラグメントおよびF(ab)2フラグメント
、ならびにFab発現ライブラリーが挙げられるが、これらに限定されない。当該
分野で公知の種々の手順が、ACETAタンパク質配列、あるいはその誘導体、
フラグメント、アナログまたはホモログに対する、ポリクローナル抗体またはモ
ノクローナル抗体の産生のために使用され得る。これらのタンパク質のいくつか
が、下記にて議論される。
【0143】 ポリクローナル抗体の産生のために、種々の適切な宿主動物(例えば、ウサギ
、ヤギ、マウスまたは他の動物)が、ネイティブのタンパク質、またはその合成
改変体、あるいは上記の誘導体での注射により免疫され得る。適切な免疫原性調
製物は、例えば、組換え発現されたACETAタンパク質または化学合成された
ACETAポリペプチドを含み得る。その調製物はさらに、アジュバントを含み
得る。免疫学的応答を増加するために使用される種々のアジュバントとしては、
フロイント(完全および不完全)アジュバント、鉱物ゲル(例えば、水酸化アル
ミニウム)、表面活性物質(例えば、リゾレシチン、多官能ポリオール、ポリア
ニオン、ペプチド、油エマルジョン、ジニトロフェノールなど)、ヒトアジュバ
ント(例えば、カルメット−ゲラン杆菌およびCorynebacterium
parvum、または類似の免疫刺激因子)が挙げられるが、これらに限定さ
れない。所望の場合、ACETAに対する抗体分子が、哺乳動物から(例えば、
血液から)単離され得、そしてさらに、周知技術(例えば、プロテインAクロマ
トグラフィー)によって精製されて、IgG画分が得られ得る。
【0144】 本願明細書において用いられる場合、用語「モノクローナル抗体」または「モ
ノクローナル抗体組成物」とは、ACETAの特定のエピトープと免疫反応し得
る抗原結合部位の1つの種のみを含む抗体分子の集団をいう。従って、モノクロ
ーナル抗体組成物は、代表的には、それが免疫反応する特定のACETAタンパ
ク質に対して、単一の結合親和性を示す。特定のACETAタンパク質、または
その誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに対するモノクローナル
抗体の調製のために、連続的な細胞株培養により抗体分子の生成を提供する任意
の技術が利用され得る。このような技術としては以下が挙げられるがこれらに限
定されない:ハイブリドーマ技術(KohlerおよびMilstein、19
75 Nature 256:495〜497を参照のこと);トリオーマ技術
;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、1983 Immunol
Today 4:72を参照のこと)およびヒトモノクローナル抗体を生産す
るためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら、1985 MONOCLON
AL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY、Ala
n R.Liss,Inc.,77〜96頁を参照のこと)。ヒトモノクローナ
ル抗体は、本発明の実施において利用され得、そしてヒトハイブリドーマを用い
ることによって(Coteら、1983.Proc Natl Acad Sc
i USA 80:2026〜2030を参照のこと)、またはエプスタインバ
ーウイルスを用いるインビトロでのヒトB細胞の形質転換(Coleら、198
5:MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER T
HERAPY、Alan R.Liss,Inc.,77〜96頁を参照のこと
)によって生成され得る。
【0145】 本発明に従って、ACETAタンパク質に特異的な単鎖抗体の産生のために、
技術が適応され得る(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)
。さらに、方法は、Fab発現ライブラリーの構築に適応され(例えば、Huse
ら、1989 Science 246:1275〜1281を参照のこと)、
ACETAタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログ、もしくは
ホモログに対して所望の特性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速か
つ効果的同定を可能にする。非ヒト抗体は、当該分野で周知の技術により「ヒト
化」され得る。例えば、米国特許第5,225,539号を参照のこと。ACE
TAタンパク質に対するイディオタイプを含む抗体フラグメントは、以下を含む
がこれに限定されない当該分野で公知の技術により産生され得る:(i)抗体分
子のペプシン消化によって生成されるF(ab')2フラグメント;(ii)F(ab')2 フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生じるFabフラグメン
ト;(iii)パパインおよび還元剤での抗体分子の処理によって生じるFab
ラグメント、ならびに(iv)Fvフラグメント。
【0146】 さらに、ヒトおよび非ヒト部分の両方を含むキメラ抗体およびヒト化モノクロ
ーナル抗体のような、組換え抗ACETA抗体(これらは、標準組換えDNA技
術を用いて作製され得る)は、本発明の範囲内である。このようなキメラ抗体お
よびヒト化モノクローナル抗体は、当該分野で公知の組換えDNA技術により生
成され得る。この技術は例えば、以下に記載の方法を用いる:PCT国際出願番
号PCT/US86/02269;欧州特許出願番号184,187号;欧州特
許出願番号171,496;欧州特許出願番号173,494;PCT国際公開
番号WO 86/01533;米国特許第4,816,567号;欧州特許出願
番号125,023号;Betterら(1988)Science 240:
1041〜1043;Liuら(1987)PNAS 84:3439〜344
3;Liuら(1987)J Immunol.139:3521〜3526;
Sunら(1987)PNAS 84:214〜218;Nishimuraら
(1987)Cancer Res 47:999〜1005;Woodら(1
985)Nature 314:446〜449;Shawら(1988)J
Natl Cancer Inst 80:1553〜1559);Morri
son(1985)Science 229:1202〜1207;Oiら(1
986)BioTechniques 4:214;米国特許第5,225,5
39号;Jonesら(1986)Nature 321:552〜525;V
erhoeyanら(1988)Science 239:1534;ならびに
Beidlerら(1988)J Immunol 141:4053〜406
0。
【0147】 1つの実施形態において、所望の特異性を有する抗体のスクリーニングのため
の方法は、当該分野で公知の酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)および他
の免疫学的に媒介される技術を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態
において、ACETAタンパク質の特定のドメインに対して特異的である抗体の
選抜は、このようなドメインを有するACETAタンパク質のフラグメントに結
合するハイブリドーマの生成により容易にされる。ACETAタンパク質内の1
以上のドメインに特異的な抗体(例えば、ACETAファミリータンパク質の上
記で同定された保存された領域、またはそれらの誘導体、フラグメント、アナロ
グもしくはホモログにわたるドメイン)もまた、本明細書中に提供される。
【0148】 抗ACETA抗体は、ACETAタンパク質の局在化および/または定量に関
する当該分野で公知の方法において用いられ得る(例えば、適切な生理学的なサ
ンプル内のACETAタンパク質のレベルを測定する際の使用のために、診断的
方法における使用のために、タンパク質の画像化における使用のために、など)
。所定の実施形態において、ACETAタンパク質、またはその誘導体、フラグ
メント、アナログもしくはホモログに対する抗体(これらは、抗体由来の結合ド
メインを含む)は、薬理学的に活性な化合物[本明細書中、以降において「治療
剤(Therapeutics)」]として利用される。
【0149】 抗ACETA抗体(例えば、モノクローナル抗体)は、標準技術(例えば、ア
フィニティークロマトグラフィまたは免疫沈降)によって、ACETAを単離す
るために用いられ得る。抗ACETA抗体は、細胞からの天然ACETAの精製
、そして宿主細胞において発現された組換え産生されたACETAの精製を容易
にし得る。さらに、抗ACETA抗体を使用して、ACETAタンパク質の発現
の量およびパターンを評価するために、ACETAタンパク質を検出し得る(例
えば、細胞溶解物または細胞上清における)。抗ACETA抗体は、例えば、所
定の処置レジメンの有効性を決定するために、臨床試験の手順の一部として組織
におけるタンパク質レベルを診断的にモニターするために用いられ得る。検出は
、抗体を検出可能な物質に結合する(すなわち、物理的に連結する)ことにより
容易になり得る。検出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光
物質、発光物質、生物発光物質および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の例
としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラク
トシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる;適切な補欠分子族
複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン
が挙げられる;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイ
ン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルア
ミン(dichlorotriazinylamine)フルオレセイン、ダン
シルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられる;発光物質の例としては、ル
ミノールが挙げられる;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェ
リンおよびエクオリンが挙げられる;そして、適切な放射性物質の例としては12 5 I、131I、35Sまたは3Hが挙げられる。
【0150】 (ACETA組換え発現ベクターおよび宿主細胞) 本発明の別の局面は、ACETAタンパク質、またはその誘導体、フラグメン
ト、アナログもしくはホモログをコードする核酸を含む、ベクター、好ましくは
、発現ベクターに関する。本明細書において使用する場合、用語「ベクター」は
、それに連結された別の核酸を輸送し得る核酸分子をいう。1つの型のベクター
は、「プラスミド」である。これは、さらなるDNAセグメントが連結され得る
直鎖状または環状の二本鎖DNAループをいう。他の型のベクターは、ウイルス
ベクターであり、ここでさらなるDNAセグメントが、ウイルスゲノムに連結さ
れ得る。特定のベクターは、ベクターが導入される宿主細胞中で自己複製し得る
(例えば、細菌性の複製起点を有する細菌ベクター、およびエピソーム性哺乳動
物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)は、
宿主細胞への導入の際、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、そして、これにより宿
主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターは、それらが作動可能に
連結される遺伝子の発現を指向し得る。このようなベクターは、本明細書におい
て「発現ベクター」と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術における有用な発現
ベクターは、しばしばプラスミドの形態である。本願明細書において、「プラス
ミド」および「ベクター」は、プラスミドが最も一般的に用いられる形態のベク
ターであるので、互換可能に使用され得る。しかし、本発明は、等価の機能を果
たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、お
よびアデノ随伴ウイルス)のような、このような他の形態の発現ベクターを含む
ことを意図する。
【0151】 本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適切な形態の
本発明の核酸を含む。これは、組換え発現ベクターが、発現されるべき核酸配列
に作動可能に連結されている、発現に用いられるべき宿主細胞に基づいて選択さ
れる、1つ以上の調節配列を含むことを意味する。組換え発現ベクター内で、「
作動可能に連結される」とは、(例えば、インビトロの転写/翻訳系において、
またはベクターが宿主細胞に導入される場合には、宿主細胞において)目的のヌ
クレオチド配列が、ヌクレオチド配列の発現を可能にする様式で調節配列に連結
されているという意味を意図する。用語「調節配列」は、プロモーター、エンハ
ンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含
むことを意図する。このような調節配列は、例えば、Goeddel;GENE
EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN EN
ZYMOLOGY 185、Academic Press、San Dieg
o、Calif.(1990)に記載されている。調節配列は、多くの型の宿主
細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指向する配列、および特定の宿主
細胞のみにおいてヌクレオチド配列の発現を指向する配列(例えば、組織特異的
調節配列)を含む。発現ベクターの設計が形質転換されるべき宿主細胞の選択、
所望のタンパク質の発現のレベルなどのような因子に依存し得ることは当業者に
理解される。本発明の発現ベクターは、宿主細胞に導入され得、それにより、本
明細書に記載されるような核酸によりコードされるタンパク質またはペプチド(
融合タンパク質またはペプチドを含む)(例えば、ACETAタンパク質、AC
ETAの変異形態、融合タンパク質など)を生成し得る。
【0152】 本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における、
ACETAの発現のために設計され得る。例えば、ACETAは、細菌細胞(例
えば、E.coli)、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを用いる)、
酵母細胞または哺乳動物細胞において発現され得る。適切な宿主細胞は、Goe
ddel、GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METH
ODS IN ENZYMOLOGY 185、Academic Press
、San Diego、Calif.(1990)においてさらに考察されてい
る。あるいは、組換え型発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列お
よびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで転写および翻訳され得る。
【0153】 原核生物におけるタンパク質の発現は、最も頻繁には、融合タンパク質または
非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性
プロモーターを含むベクターを用いてE.coliにおいて実行される。融合ベ
クターは、その中でコードされるタンパク質に(通常、組換えタンパク質のアミ
ノ末端に)多数のアミノ酸を付加する。このような融合ベクターは、代表的には
、以下の3つの目的のために役立つ:(1)組換えタンパク質の発現を増加させ
ること;(2)組換えタンパク質の溶解度を増加させること;および(3)親和
性精製においてリガンドとして作用することによって組換えタンパク質の精製の
際に補助すること。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解切断
部位が、融合部分と組換えタンパク質との結合部に導入され、そして融合タンパ
ク質の精製の後に、組換えタンパク質が融合部分から分離されることを可能にす
る。このような酵素、およびその同族の認識配列は、第Xa因子、トロンビン、
およびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベクターとしては、グルタチ
オンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、または
プロテインAを、それぞれ、標的の組換えタンパク質に融合するpGEX(Ph
armacia Biotech Inc;Smith and Johnso
n(1988)Gene 67:31−40)、pMAL(New Engla
nd Biolabs,Beverly,Mass.)およびpRIT5(Ph
armacia,Piscataway,N.J.)が挙げられる。
【0154】 適切な誘導性非融合E.coli発現ベクターの例としては、pTrc(Am
rannら(1988)Gene 69:301−315)およびpET 11
d(Studierら、GENE EXPRESSION TECHNOLOG
Y:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic
Press,San Diego,Calif.(1990)60−89)が
挙げられる。
【0155】 E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化するための1つのストラ
テジーは、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力が損なわれた宿
主細菌中でタンパク質を発現させることである。Gottesman,GENE
EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS IN EN
ZYMOLOGY 185,Academic Press,San Dieg
o,Calif.(1990)119−128を参照のこと。別のストラテジー
は、各アミノ酸についての個々のコドンが、E.coliにおいて優先的に利用
されるコドンであるように発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変更する
ことである(Wadaら(1992)Nucleic Acids Res.2
0:2111−2118)。本発明の核酸配列のこのような変更は、標準的なD
NA合成技術によって実行され得る。
【0156】 別の実施形態において、ACETA発現ベクターは、酵母発現ベクターである
。酵母S.cerevisiaeにおける発現のためのベクターの例としては、
pYepSec1(Baldariら、(1987)EMBO J 6:229
−234)、pMFa(KurjanおよびHerskowitz、(1982
)Cell 30:933−943)、pJRY88(Schultzら、(1
987)Gene 54:113−123)、pYES2(Invitroge
n Corporation,San Diego,Calif.)、およびp
icZ(InVitrogen Corp.,San Diego,Calif
.)が挙げられる。
【0157】 あるいは、ACETAは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して、昆虫細
胞中で発現され得る。培養昆虫細胞(例えば、SF9細胞)中でタンパク質の発
現のために利用可能なバキュロウイルスベクターとしては、pAcシリーズ(S
mithら(1983)Mol Cell Biol 3:2156−2165
)およびpVLシリーズ(LucklowおよびSummers(1989)V
irology 170:31−39)が挙げられる。
【0158】 なお別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用し
て、哺乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例としては、pCD
M8(Seed(1987)Nature 329:840)およびpMT2P
C(Kaufmanら(1987)EMBO J 6:187−195)が挙げ
られる。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばし
ば、ウイルスの調節エレメントによって提供される。例えば、一般に使用される
プロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およ
びシミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方の
ための他の適切な発現系については、例えば、Sambrookら、MOLEC
ULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版
、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold
Spring Harbor Laboratory Press,Cold
Spring Harbor,N.Y.,1989の第16章および第17章を
参照のこと。
【0159】 別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型中で優
先的に核酸の発現を指向し得る(例えば、組織特異的調節エレメントを使用して
核酸を発現する)。組織特異的調節エレメントは、当該分野で公知である。適切
な組織特異的プロモーターの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(
肝臓特異的;Pinkertら(1987)Genes Dev 1:268−
277)、リンパ特異的プロモーター(CalameおよびEaton(198
8)Adv Immunol 43:235−275)、特にT細胞レセプター
のプロモーター(WinotoおよびBaltimore(1989)EMBO
J 8:729−733)および免疫グロブリン(Banerjiら(198
3)Cell 33:729−740;QueenおよびBaltimore(
1983)Cell 33:741−748)、ニューロン特異的プロモーター
(例えば、ニューロフィラメントプロモーター;ByrneおよびRuddle
(1989)PNAS 86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター
(Edlundら(1985)Science 230:912−916)、お
よび乳腺特異的プロモーター(例えば、ミルク乳清プロモーター;米国特許第4
,873,316号および欧州出願公開第264,166号)が挙げられる。発
生的に調節されるプロモーターもまた含まれる(例えば、マウスホックス(mu
rine hox)プロモーター(KesselおよびGruss(1990)
Science 249:374−379)およびα−フェトプロテインプロモ
ーター(CampesおよびTilghman(1989)Genes Dev
3:537−546)。
【0160】 本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発
明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、そのDNA分
子は、ACETA mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現を(
DNA分子の転写によって)可能にする様式で調節配列に作動可能に連結される
。アンチセンス方向でクローニングされた核酸に作動可能に連結されて、種々の
細胞型におけるアンチセンスRNA分子の連続的な発現を指向する、調節配列が
選択され得る。例えば、アンチセンスRNAの構成的発現、組織特異的発現、ま
たは細胞型特異的発現を指向する、ウイルスプロモーターおよび/もしくはエン
ハンサー、または調節配列が選択され得る。アンチセンス発現ベクターは、組換
えプラスミド、ファージミド、または弱毒化されたウイルスの形態であり得、こ
こではアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で産生され、その活性は、
ベクターが導入される細胞型によって決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用
する遺伝子発現の調節の議論については、Weintraubら、「Antis
ense RNA as a molecular tool for gen
etic analysis」、Reviews−−Trends in Ge
netics、第1巻(1)1986を参照のこと。
【0161】 本発明の別の局面は、本発明の組換え発現べクターが導入された宿主細胞に関
する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で、交換可能
に使用される。このような用語は、特定の対象の細胞をいうのみでなく、そのよ
うな細胞の子孫または潜在的な子孫をもいうことが理解される。変異または環境
的影響のいずれかに起因して、特定の改変は次の世代において存在し得るので、
このような子孫は、実際、親の細胞と同一でないかもしれないが、なお、本明細
書中で使用されるような用語の範囲内に含まれる。
【0162】 宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、A
CETAタンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞、酵母ま
たは哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)または
COS細胞)で発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0163】 ベクターDNAは、従来の形質転換またはトランスフェクション技術を介して
原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場合
、用語「形質転換」および「トランスフェクション」とは、外来性の核酸(例え
ば、DNA)を宿主細胞に導入するための当該分野で認識される種々の技術をい
うことを意図し、これらには、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈殿、
DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエ
レクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクシ
ョンするための適切な方法は、Sambrookら(MOLECULAR CL
ONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold S
pring Harbor Laboratory,Cold Spring
Harbor Laboratory Press,Cold Spring
Harbor,N.Y.,1989)および他の実験室マニュアルに見出され得
る。
【0164】 哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションについては、使用される発現ベク
ターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞のほんの一部のみが外来
DNAをそのゲノムに組み込み得ることが知られている。これらの要素を同定お
よび選択するために、選択可能なマーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)を
コードする遺伝子が、一般的には目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。
種々の選択可能なマーカーには、薬物に対する耐性を付与するもの(例えば、G
418、ハイグロマイシン、およびメトトレキサート)が含まれる。選択可能な
マーカーをコードする核酸は、ACETAをコードするベクターと同じベクター
上で宿主細胞に導入され得るか、あるいは別々のベクター上で導入され得る。導
入された核酸で安定にトランスフェクトされる細胞は、薬物選択によって同定さ
れ得る(例えば、選択可能なマーカー遺伝子を取り込んだ細胞は生き残り、一方
、他の細胞は死滅する)。
【0165】 本発明の宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞または真核生物宿主細
胞)は、ACETAタンパク質を産生(すなわち、発現)するために使用され得
る。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用して、ACETAタンパ
ク質を産生するための方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、
ACETAタンパク質が産生されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(
ここに、ACETAをコードする組換え発現ベクターが導入された)を培養する
工程を包含する。別の実施形態において、この方法はさらに、培地または宿主細
胞からACETAを単離する工程を包含する。
【0166】 (薬学的組成物) 本発明のACETA核酸分子、ACETAタンパク質、および抗ACETA抗
体(これはまた、本明細書中で「活性化合物」として参照される)、ならびにそ
れらの誘導体、フラグメント、アナログ、およびホモログが、投与に適した薬学
的組成物に組み込まれ得る。このような組成物は、代表的に、核酸分子、タンパ
ク質または抗体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用
される場合、「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的な投与に適合した、任
意および全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張
剤および吸収遅延剤(absorption delaying agent)
などを含むことが意図される。適切なキャリアは、当該分野の標準的な参考本で
あるRemington’s Pharmaceutical Science
sの最新版(これは、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
このようなキャリアまたは希釈剤の好ましい例としては、水、生理食塩水、リン
ガー溶液(finger’s solution)、デキストロース溶液および
5%ヒト血清アルブミンが挙げられるが、これらに限定されない。リポソームお
よび不揮発性油のような非水性ビヒクルがまた、使用され得る。薬学的に活性な
物質に対する、このような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。任
意の従来の媒体または薬剤が、この活性化合物と不適合である限りを除いて、こ
の組成物におけるそれらの使用が意図される。補助活性化合物もまた、組成物へ
組み込まれ得る。
【0167】 本発明の薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合するように処方され
る。投与経路の例としては、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)投与、経口
(例えば、吸入)投与、経皮(局所的)投与、経粘膜(transmucosa
l)投与、および直腸投与が挙げられる。非経口、皮内または皮下適用のために
使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:注射用水、生理食塩水
溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコー
ルまたは他の合成溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパ
ラベンなどの抗細菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸
化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;アセテート、シトレートまた
はホスフェートなどの緩衝剤、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなど
の張度の調節のための薬剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸また
は塩基で調整され得る。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジあるいは
ガラスまたはプラスチックから作製される多用量のバイアル中に入れられ得る。
【0168】 注入使用に適した薬学的組成物は、無菌の水溶液(ここで、水溶性)または水
性分散液、および無菌の注入可能な溶液または分散液の即座調製のための無菌粉
末を含む。静脈内投与について、適切なキャリアとしては、生理食塩水、静菌性
水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、N.J.
)またはリン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合におい
て、組成物は、無菌でなければならず、そして容易な注入性(syringab
ility)が存在する程度に流動的であるべきである。これは、製造および保
存の条件下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌などの微生物の汚
染作用から保護されなければならない。このキャリアは、例えば、以下を含む溶
媒または分散媒体であり得る:水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロ
ール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)ならび
にそれらの適切な混合物。適切な流動性が、例えば、レシチンなどのコーティン
グの使用によって、分散液の場合、要求される粒子サイズを維持することによっ
て、および界面活性剤を使用することによって維持され得る。微生物の作用の防
止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、
フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多く
の場合、組成物中に等張剤(例えば、糖、マンニトール(manitol)、ソ
ルビトールなどのポリアルコール、塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注
入可能組成物の長期の吸収は、吸収を遅らせる薬剤(例えば、モノステアリン酸
アルミニウムおよびゼラチン)を組成物に含ませることによってもたらされ得る
【0169】 必要な場合、上記に列挙した成分の1つまたはその組み合わせとともに、必要
な量の適切な溶媒中に、活性化合物(例えば、ACETAタンパク質、または抗
ACETA抗体)を組み込むこと、次いで濾過滅菌することにより、滅菌注射可
能溶液を、調製し得る。一般に、活性化合物を、基礎的分散媒体および上記に列
挙されたものからの必要な他の成分を含む滅菌ビヒクルに組み込むことにより、
分散液を調製する。滅菌注射可能溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の方
法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、その事前に濾過滅菌した溶
液から活性成分+任意のさらなる所望の成分の粉末を生成する。
【0170】 経口組成物は、一般に不活性希釈液または食用キャリアを含む。それらは、ゼ
ラチンカプセルに封入されるか、または錠剤中に圧縮され得る。経口治療投与の
目的のため、活性化合物を、賦形剤とともに組み込み得、そして錠剤、トローチ
剤、またはカプセル剤の形態で用い得る。経口組成物はまた、うがい薬としての
使用のための流体キャリアを用いて調製され得る。ここで流体キャリア中の化合
物は、経口適用され、そして振り落とされ、そして吐き出されるかまたは飲み込
まれる。薬学的に適合する結合剤および/またはアジュバント物質は、組成物の
一部として含まれ得る。この錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下
の成分のうちのいずれかまたは類似の性質の化合物を含み得る:微結晶性セルロ
ース、トラガカントゴムまたはゼラチンのような結合剤;デンプンまたはラクト
ースのような賦形剤、アルギン酸、Primogel、またはコーンスターチの
ような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesのような滑沢
剤;コロイド二酸化ケイ素のようなグリダント(glidant);スクロース
またはサッカリンのような甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチル、も
しくはオレンジ香料のような香料。
【0171】 吸入による投与のために、この化合物は、適切なプロペラント(例えば、二酸
化炭素のようなガス)を含む、加圧容器またはディスペンサーから、またはネブ
ライザーから、エアーゾルスプレーの形態で送達される。
【0172】 全身投与はまた、経粘膜手段または経皮手段により投与され得る。経粘膜投与
または経皮投与のために、透過されるべき関門に適切な浸透剤が処方物中に用い
られる。このような浸透剤は、当該分野で一般に公知であり、そして例えば、経
粘膜投与のためには、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体を含む。
経粘膜投与は、経鼻スプレーまたは坐剤の使用を通して達成され得る。経皮投与
のためには、活性化合物が、当該分野で通常公知のように、軟膏剤(ointm
ent)、軟膏(salves)、ゲル、またはクリーム中に処方される。
【0173】 化合物はまた、(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドのような従来の
坐剤基剤を伴う)坐剤または直腸送達のための滞留浣腸剤の形態で調製され得る
【0174】 1つの実施形態において、活性な化合物を、身体からの迅速な排泄に対してこ
の化合物を保護するキャリアと共に調製する(例えば、徐放性処方物(cont
rolled release formulation))。これには、イン
プラントおよびマイクロカプセル化送達系が挙げられる。生分解性、生体適合性
ポリマー(例えば、エチレンビニルアセテート、ポリアンヒドリド、ポリグリコ
ール酸、コラーゲン、ポリオルソエステル、およびポリ乳酸)が使用され得る。
このような処方物の調製の方法は、当業者に明白である。この物質はまた、Al
za CorporationおよびNova Pharmaceutical
s,Inc.から購入され得る。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノ
クローナル抗体を用いて感染細胞に標的化されたリポソームを含む)もまた、薬
学的に受容可能なキャリアとして用いられ得る。これらは、例えば、米国特許第
4,522,811号に記載のように、当業者に公知の方法に従って調製され得
る。
【0175】 投与の容易さおよび投与量の均一性のために、経口組成物または非経口組成物
を投与量単位形態に処方することが特に有利である。本明細書において用いられ
る場合、投薬量単位形態とは、処置されるべき被験体のための単位投与量として
適合した物理的に別々の単位をいう。ここで各単位は、必要な薬学的キャリアと
関連して所望の治療的効果を生じるように計算された所定の量の活性化合物を含
む。本発明の投薬単位形態についての詳細は、活性化合物の特有の特徴、および
達成されるべき特定の治療効果、ならびに個体の処置のための活性化合物のよう
な合成の分野で固有の制限により示され、そしてこれに依存する。
【0176】 本発明の核酸分子は、ベクターに挿入され、そして遺伝子治療ベクターとして
用いられ得る。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与(米国特
許第5,328,470号を参照のこと)により、または定位注射(例えば、C
henら(1994)PNAS 91:3054〜3057を参照のこと)によ
り、被験体に送達され得る。遺伝子治療ベクターの薬学的調製物は、受容可能な
希釈剤中に遺伝子治療ベクターを含み得るか、または徐放性マトリックス(この
中に遺伝子送達ビヒクルが埋め込まれている)を含み得る。あるいは、完全な遺
伝子送達ベクターが、組換え細胞からインタクトで生成され得る場合(例えば、
レトロウイルスベクター)、薬学的調製物は、遺伝子送達系を生じる1つ以上の
細胞を含み得る。
【0177】 薬学的組成物は、投与のための指示書とともに、容器、パックまたはディスペ
ンサーに含まれ得る。
【0178】 (ACETA核酸を同定するためのキットおよび核酸収集物) 別の局面において、本発明は、薬剤の肝毒性を試験するのに有用なキットを提
供する。このキットは、2つ以上のACETA配列を検出する核酸を含み得る。
好ましい実施形態において、このキットは、ACETA核酸配列の3,4、5、
6、8、10、12、15、20、25、50、100または全てを検出する試
薬を含む。
【0179】 本発明はまた、1つ以上のACETA応答性核酸配列を同定し得る単離された
複数の配列を含む。
【0180】 このキットまたは複数の配列は、例えば、ACETA核酸配列に相同な配列、
または1つ以上のACETA核酸配列を特異的に同定し得る配列を含み得る。
【0181】 (他の実施形態) 本発明は、その詳細な記載と組み合わせて記載されているが、前述の記載は、
前述の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を例示することを意図して
いるが、限定するものではないことが理解されるべきである。他の局面、利点お
よび改変は、前述の特許請求の範囲の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 4H045 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 33/53 M G01N 33/15 33/566 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 5/00 A 33/566 15/00 F (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ミルロイ, ローラ アメリカ合衆国 コネチカット 06405, ブランフォード, ブルシャイ プレイ ン ロード 175, ビルディング 3 アパートメント ビー3 (72)発明者 ダニエルス, ケリー ケイ. アメリカ合衆国 コネチカット 06405, ブランフォード, メノーウッド ドラ イブ 15 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 FB02 4B024 AA11 BA80 CA04 GA11 HA12 4B029 AA07 AA23 BB20 CC03 FA15 4B063 QA05 QA18 QA19 QQ08 QQ13 QQ53 QR32 QR56 QR59 QR77 QR80 QR82 QS34 QS38 4B065 AA26X AA80X AA90X AA91Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 DA75 EA31 EA50 FA72 FA74

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肝毒性について試験薬剤をスクリーニングする方法であって
    、該方法は、以下; (a)ACETA:1〜169および170からなる群より選択される1以上
    の核酸配列を発現し得る細胞を含む試験細胞集団を提供する工程; (b)該試験細胞集団を、試験薬剤と接触させる工程; (c)該試験細胞集団における1以上の該核酸配列の発現を測定する工程; (d)該試験細胞集団における該核酸配列の発現を、参照細胞集団における該
    核酸配列の発現と比較する工程であって、該参照細胞集団は、肝毒性因子への曝
    露状態が既知である少なくとも1つの細胞を含む、工程;および (e)該試験細胞集団および該参照細胞集団における該ACETA配列の発現
    レベルにおける差異が存在する場合、該差異を同定する工程、 を包含し、それによって肝毒性について該試験薬剤をスクリーニングする、方法
  2. 【請求項2】 15以上の前記核酸配列の発現を比較する工程を包含する、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記試験細胞集団における前記核酸配列の発現が、前記参照
    細胞集団と比較して減少する、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記試験細胞集団における前記核酸配列の発現が、前記参照
    細胞集団と比較して増加する、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記試験細胞集団がインビトロで提供される、請求項1に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記試験細胞集団が、哺乳動物被験体からエキソビボで提供
    される、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記試験細胞集団が、哺乳動物被験体においてインビボで提
    供される、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記試験細胞集団が、ヒト被験体またはげっ歯類被験体由来
    である、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記試験細胞集団が肝細胞を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記試験薬剤が非ステロイド性抗炎症薬である、請求項1
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記非ステロイド性抗炎症薬がアセトアミノフェンである
    、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 被験体における試験薬剤の肝毒性を評価する方法であって
    、該方法は、以下: (a)ACETA:1〜169および170からなる群より選択される1以上
    の核酸配列を発現し得る細胞を含む試験細胞集団を、該被験体から提供する工程
    ; (b)該試験細胞集団を、試験薬剤と接触させる工程; (c)該試験細胞集団における1以上の該核酸配列の発現を測定する工程;お
    よび (d)該試験細胞集団における該核酸配列の発現を、参照細胞集団における該
    核酸配列の発現と比較する工程であって、該参照細胞集団は、肝毒性因子に対す
    る曝露状態が既知である少なくとも1つの細胞を含む、工程; (e)該試験細胞集団および該参照細胞集団における該核酸配列の発現レベル
    における差異が存在する場合、該差異を同定する工程、 を包含し、それによって該被験体における該試験薬剤の肝毒性を評価する、方法
  13. 【請求項13】 前記試験細胞集団における前記核酸配列の発現が、前記参
    照細胞集団と比較して減少する、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記試験細胞集団における前記核酸配列の発現が、前記参
    照細胞集団と比較して増加する、請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記被験体が、ヒトまたはげっ歯類である、請求項12に
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記試験細胞集団が、前記被験体からエキソビボで提供さ
    れる、請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記試験細胞集団が、前記被験体からインビボで提供され
    る、請求項12に記載の方法。
  18. 【請求項18】 被験体における肝毒性への感受性を診断または決定する方
    法であって、該方法は、以下: (a)HEPATO:1〜169および170からなる群より選択される1以
    上の核酸配列を発現し得る細胞を含む試験細胞集団を、該被験体から提供する工
    程; (b)該試験細胞集団における1以上の該核酸配列の発現を測定する工程;な
    らびに (c)該試験細胞集団における該核酸配列の発現を、参照細胞集団における該
    核酸配列の発現と比較する工程であって、該参照細胞集団は、肝毒性を患ってい
    ない被験体由来の少なくとも1つの細胞を含む、工程;ならびに (d)該試験細胞集団および該参照細胞集団における該核酸配列の発現レベル
    における差異が存在する場合、該差異を同定する工程、 を包含し、それによって該被験体における肝毒性への感受性を診断または決定す
    る、方法。
  19. 【請求項19】 前記肝毒性が、前記被験体において中心周囲肝臓壊死を生
    じる、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 ACETA 1〜10、43〜53、および54の核酸ま
    たはそれらの相補体からなる群より選択される核酸配列を含む、単離された核酸
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の核酸を含む、ベクター。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載のベクターを含む、細胞。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載の核酸によってコードされる、ポリペプ
    チド。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載のポリペプチドに対して特異的に結合す
    る、抗体。
  25. 【請求項25】 ACETA:1〜169および170からなる群より選択
    される、2以上の核酸配列を検出する、キット。
  26. 【請求項26】 ACETA:1〜169および170からなる群より選択
    される、1以上の核酸を検出する、アレイ。
  27. 【請求項27】 ACETA:1〜169および170からなる群より選択
    される、1以上の核酸を含む、複数の核酸。
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