JP2003516201A - 能動壁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 微細粉末に気体を混合して運ぶための粉末分配装置が開示される。装置は、微細粉末の源と排出開口との間に接続を形成する分配部分を提示する。分配部分は、第１の入口部分（１０）と、微細粉末が混合された第１の気体（１）の流れ用の出口部分（１２）と、を有する。分配部分の主本体は、第２の気体によって囲まれている多孔性本体部分（１６）から構成される。第２の気体（２）と第１の気体（１）との間に圧力勾配が形成される場合、すなわち、第１の気体（１）がわずかに低い圧力である場合、第２の気体（２）は多孔性本体（１６）を通って漏れ、それによって、第１の気体と微細粉末との混合物内の粉末が、分配部分内に固着や詰まりを防止し、それによって、微細粉末に対して能動非固着壁を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、空気と粉末との混合物を運搬する分配部分の壁に固着する微細粉末
の量を最小限にするための方法および装置に関する。

【０００２】 （背景） ある技術分野では、気体と混合されその後にその気体、たとえば空気、によっ
て運ばれる微細粉末の一部が分配部分を通るときに、その分配部分の壁に固着す
るという問題がある。たとえば、運搬気体で混合される粉末の量を測定するため
、かつ粒子サイズ分布を測定するための器具は、測定されるべき様々なサイズの
粉末粒子が測定チャネルの壁に容易に固着するという問題に直面する。これは測
定精度が、測定のための清掃処理がどれだけの頻度で行われるかに大きく依存す
ることに加え、測定するときは定期的に清掃しなければならないということを意
味する。

【０００３】 同様の問題に直面する別の領域は、たとえば、吸入器による医薬組成物の投与
である。今日、医薬粉末の投与は、数多くの方法で行うことができる。医療内で
は、吸入器によって患者の肺へ直接に粉末として医薬品を投与し、それによって
そのような物質を効果的に即座に、患者に心地よく投与する可能性に、ますます
焦点が当てられている。

【０００４】 吸入器によって投与されており肺に入る医薬粉末で粉末は、好ましくは粒子サ
イズが０．５から１０μｍでなければならない。より大きな粒子サイズでは、口
および喉に容易に固着し、より小さな粒子サイズでは、呼気とともに再度外へ出
る可能性がある。

【０００５】 より小さな粒子サイズは、凝塊する、すなわち、凝集する強い傾向も有する。
今日使用されている吸入器において、大量の活性物質は、投与時に凝塊の形態で
あり、したがって多くの粉末が上部呼吸管に固着する。粉末の凝塊をほぐす様々
な方法が開発されており、多くの場合、凝塊を分解するために吸入空気が使用さ
れる。

【０００６】 微細粉末が分散されるより大きな粒子サイズを有する担体を使用することも一
般的である。吸入時に、大きな粒子は口腔に固着し、一方、小さな粒子は自由に
なり、肺へ進む。一部の製造業者は、凝塊を分解するために、電気駆動推進器、
ピエゾバイブレータおよび／または機械的振動も用いる。したがって、吸気内の
個別粒子の大部分を達成することは、吸入時に高度の効果を得るために、非常に
重要な要因である。さらに別の問題は、医薬組成粉末も、吸入装置により、投与
のために適切なマウスピースへ通常接続される吸入分配部分の壁に固着するとい
うことである。

【０００７】 したがって、特に微細な粉末またはその凝塊の、たとえば測定器具または吸入
器の分配部分への固着を大幅に防止する解決法が望まれており、そうしなければ
粉末が壁に固着することにより多少に関わらず詰まる可能性がある。

【０００８】 （要約） 微細粉末に気体を混合して運ぶための粉末分配装置が開示される。装置は、微
細粉末源と排出開口との間に接続を形成する分配部分を提示する。分配部分は、
第１の入口部分と、微細粉末で混合された第１の気体のストリーム用の出口部分
とを有する。分配部分の主本体は、第２の気体によって囲まれている多孔性本体
部分から構成される。第２の気体と第１の気体との間に圧力勾配が形成される場
合、すなわち、第１の気体がわずかに低い圧力である場合、第２の気体が多孔性
本体を通って漏れ、それによって、第１の気体と微細粉末との混合物内の粉末の
分配部分内での固着や詰まりを防止し、それによって、微細粉末に対する能動的
非固着壁を得る。

【０００９】 本発明による方法は、独立項１および従属項２によって述べられている。本発
明による装置は、独立項３によって述べられ、装置の更なる実施形態は、従属項
４から９によって述べられている。

【００１０】 （図面の簡単な説明） 本発明は、更なる目的および利点とともに、下記の説明を添付の図面とともに
参照することによって、最良に理解される。

【００１１】 （詳細な説明） 図１には、本発明を例示する分配部分の実施形態が提示される。そのような分
配部分は、たとえば、測定器具に使用されてもよく、または、吸入装置に使用さ
れてもよい。測定器具において、分配部分は、測定機構を形成するために粉末を
運ぶ気体と混合される粉末を分配する源の中に挿入される。分配部分を使用する
器具は一般に、粉末源からの粉末粒子のサイズ、および気流による運搬時の粒子
サイズの分布を測定するための測定機構であってもよい。そのような一般的な測
定は、たとえば、レーザビームを使用してもよく、これは、気体によって運ばれ
る粉末の小さな粒子によって散乱される。吸入器では、分配部分は、粉末源と、
粉末を吸入するのに使用されるマウスピースとの間に挿入されてもよい。

【００１２】 分配部分の入力側１０は適切な粉末源に接続される。同様に、分配部分の出力
側１２は排気孔に接続され、吸入器の場合は、吸入用の適切なマウスピースであ
る。例示の実施形態の主要な分配部分は、たとえば、多孔性本体１６を有するチ
ューブから構成される。分配部分本体を通る第１の気体１は、気体と粉末との混
合物を含み、たとえば、吸入器によって投与される医薬組成物である。図１に例
示される第１の実施形態による分配部分は、第２の気体２によって囲まれている
。第１の気体１と第２の気体２との間の圧力差は、通常、たとえば出口部分１２
からの第１の気体１を吸引することにより、第１の気体１を低圧にすることによ
って得られる。第２の気体２が第１の気体１に比較して高い圧力であるときに、
第２の気体２は多孔性本体部分１６から漏れ、粉末が分配部分本体の内部に固着
または詰まりを防止する。

【００１３】 第２の例示実施形態において、所望の圧力勾配を得るために、第２の気体２は
、第２の壁１５の第２の入口１４を経由して、多孔性本体１６と第２の壁１５と
の間のスペース内へ供給される。第２の気体の量を調整することによって、所望
の圧力勾配が得られる。分配部分を通る気流は、第１の気体１と粉末との混合物
を含む。第２の気体２に比較して依然として低い圧力を呈するこの気流は、第２
の気体２が多孔性本体１６を通って漏れ、粉末の多孔性本体１６の内壁への固着
を防止することを示す。測定機構に使用されるべき典型的な気体は、空気である
か、または、機構によっては乾燥空気であるが、他の種類のいずれの利用可能な
気体を使用してもよく、たとえば、不活性ガスを使用してもよい。分配部分本体
１６用の典型的な材料は、焼結多孔性プラスチックであるが、多孔性焼結金属を
使用してもよい。好ましくは、材料は導電性であるかまたは静電散逸性であり、
静電帯電を防止するため接地する装置に接続される。輸送気体１の圧力に対して
第２の気体入口１４での圧力の平衡を取ることによって、第２の気体２は、多孔
性本体を通って漏れるときに、粉末を第１の気体１内にさらに分散させるのを補
助する。これは、空気と混合された医薬組成物粉末を吸入するときに、第１の気
体１、この場合は通常の空気を吸引することによって圧力勾配が形成される吸入
器の効果を改良するために、本発明の分配部分を使用する吸入装置にも有効であ
る。吸入器の更なる実施形態において、投与されるべき粉末に接触する吸入器の
全体部分が、好ましくは外殻に取り囲まれた多孔性材料から形成されてもよい。
この外殻は、装置の内部に向けて圧力勾配を得るために、外壁１５と内側多孔性
本体との間に空間を形成し、それによって、多孔性内側本体１６によって、粉末
粒子の吸入装置の内側本体への固着を防止する。

【００１４】 添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱せず、本発明に様々
な修正および変更を行い得ることが、当業者には理解されるだろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は微細粉末源に接続されるための、本発明による分配部分の図である。

【図２】 図２は所望の圧力勾配を得るために第２の気体の量を調整するための、本発明
による分配部分の更なる実施形態の図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 粉末が混合された気体を運ぶ分配装置の本体内部に固着する
   粉末の量を最小限にする方法であって、 多孔性特性を呈する材料から分配部分本体を形成するステップと、 分配部分本体（１６）の内側部分に低圧が得られるように圧力勾配を形成する
   ステップであって、それによって、周囲の気体（２）が分配部分の本体を通って
   漏れ、それによって粉末粒子の分配部分内部への固着を防止するステップ を含むことを特徴とする方法。
2. 【請求項２】 分配部分本体のため、焼結多孔性プラスチックまたは多孔性
   焼結金属材料を使用する更なるステップ を特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】 粉末に気体を混合して運ぶ粉末分配装置であって、 微細粉末源と排出開口との間に結合を形成する分配部分本体であって、それに
   よって、分配部分本体は、第１の入口部分（１０）と微細粉末で混合された第１
   の気体（１）のストリーム用の出口部分（１２）とを有する多孔性本体（１６）
   を備え、分配部分本体は、第２の気体（２）によって囲まれ、分配部分本体の外
   側領域と内側領域との間に圧力勾配を形成するときに、周囲の第２の気体（２）
   は分配部分本体の多孔性本体（１６）を通って漏れ、それによって粉末粒子の分
   配部分の内部への固着を防止する分配部分 を特徴とする粉末分配装置。
4. 【請求項４】 粉末分配装置の多孔性本体（１６）は、焼結多孔性プラスチ
   ックまたは多孔性焼結金属材料から作られることを特徴とする請求項３に記載の
   装置。
5. 【請求項５】 第１の気体（１）および第２の気体（２）は両方とも空気を
   構成することを特徴とする、請求項３に記載の装置。
6. 【請求項６】 第１の気体（１）と第２の気体（２）との間の圧力差を、出
   口部分（１２）から第１の気体（１）を吸引することにより第１の気体（１）を
   低圧にすることで得ることを特徴とする、請求項３に記載の装置。
7. 【請求項７】 粉末分配装置は更に、内側多孔性本体（１６）を取り囲む外
   壁部分（１５）から構成され、外壁部分（１５）は更に、第１の気体（１）と比
   較して高い圧力の第２の気体（２）の入口用に第２の入口部分（１４）を備え、
   内側多孔性本体（１６）を通って第２の気体（２）を漏れさせ、それによって粉
   末の分配部分の内壁への固着または詰まりを防止することを特徴とする、請求項
   ３に記載の装置。
8. 【請求項８】 分配部分はその第１の入口部分（１０）に粉末の源も構成し
   、それによって粉末を吸入するためにマウスピースに接続された吸入器配列を形
   成し、それによって、装置の能動内壁のために粉末が吸入器の内壁に固着しない
   ことを特徴とする、請求項３に記載の装置。
9. 【請求項９】 第１の気体（１）と第２の気体（２）との間の圧力差は、第
   ２の入口部分（１４）で供給される第２の気体（２）の圧力を調節することによ
   って得られることを特徴とする請求項７に記載の装置。
10. 【請求項１０】 多孔性本体（１６）は、導電性または静電散逸性であり、
    静電帯電を防止するため設地した装置に接続されることを特徴とする、請求項４
    に記載の装置。