JP2003516162A - 核酸分析に基づく薬物スクリーニングのための装置および方法 - Google Patents

核酸分析に基づく薬物スクリーニングのための装置および方法

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JP2003516162A JP2001544374A JP2001544374A JP2003516162A JP 2003516162 A JP2003516162 A JP 2003516162A JP 2001544374 A JP2001544374 A JP 2001544374A JP 2001544374 A JP2001544374 A JP 2001544374A JP 2003516162 A JP2003516162 A JP 2003516162A
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アンソニー ピー. シュバー,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、サンプル中の完全性の高い核酸の存在または非存在を決定することによって、活性について薬物および薬物候補をスクリーニングするためのキットおよび方法を提供する。具体的には、本発明は、薬物活性をスクリーニングするための方法を提供し、この方法は、疾患を有する患者から得られた第1のサンプルにおいて、完全性の高い核酸の基線レベルを決定する工程;該患者を薬物候補で処置する工程;および該患者から得られた第2のサンプルにおいて、完全性の高い核酸が減少されているか否かを決定する工程を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願についての相互参照) 本出願は、1999年12月7日に出願されたU.S.S.N.09/455
,950(これは、1999年9月8日に出願されたU.S.S.N.60/1
52,847に対する優先権および利益を主張する)の一部継続である。本出願
はまた、1999年12月7日に出願されたU.S.S.N.60/169,4
57に対する優先権および利益を主張する。これら3つの特許出願は全て、本明
細書中で参考として援用される。
【0002】 (発明の背景) 多くの疾患は、ゲノムの不安定性に関連している。すなわち、ゲノム不安定性
における破壊(例えば、変異)は、特定の疾患の発症または進行と関連付けられ
ている。従って、ゲノム不安定性の種々の局面は、疾患についての信頼性の高い
マーカーとして提唱されている。例えば、BRCA遺伝子における変異は、乳癌
についてのマーカーとして提唱されており、そしてp53細胞周期調節因子遺伝
子における変異は、多くの癌(特に、結腸直腸癌)と関連付けられている。特定
の変異が、初期段階の特定の種類の癌の分子スクリーニングアッセイについての
基本であり得ることが示唆されている。例えば、Sidranskyら,Sci
ence,256:102−105(1992)を参照のこと。
【0003】 ゲノム疾患マーカーについての探索は、癌の検出の分野においては特に激しい
。癌は、1以上の遺伝子変異と関連し得る、制御されていない細胞増殖によって
特徴付けられる。このような変異は、罹患細胞が細胞死を回避することを引き起
こし得る。例えば、腫瘍サプレッサ遺伝子における変異は、細胞がアポトーシス
(直接的な遺伝的制御下にあると考えられる、ある種の細胞死)を回避すること
を引き起こし得る。アポトーシスの間、細胞はその膜を失い、細胞質が凝縮し、
そして核のクロマチンが、特徴的に短い長さのオリゴヌクレオチドフラグメント
へと分裂する。実際、これらの特徴的なDNA切断パターンは、アポトーシスに
ついてのアッセイとして提唱されている。
【0004】 一旦これらの疾患が検出されると、その問題は、患者に対する最も有効な処置
を提供することの1つとなる。現在、医師は、患者に投与される場合の薬物の有
効性をモニターするための有効で容易なストラテジーを必要とする。また、薬物
の開発者は、合理的な薬物設計のために、容易で迅速なストラテジー(特に、イ
ンビボで薬物活性を予測する結果を提供するもの)を必要とする。
【0005】 (発明の要旨) 本発明は、薬物選択のため、および薬物活性を決定するためのスクリーニング
方法を提供する。本発明の方法は、組織または体液のサンプルにおいて観察され
る核酸の完全性は、疾患についてのマーカーであり、そして細胞片(cellu
lar debris)における核酸の完全性の保存は、疾患の重篤度によって
増加するという認識をうまく利用する。本発明の方法に従って、核酸の完全性は
また、薬物選択における、そして広い範囲の疾患に対して薬物の有効性を決定す
る際の使用のためのマーカーとして有用である。
【0006】 健常な細胞が、正常な細胞周期で進む場合、アポトーシスまたはプログラムさ
れた細胞死は、一般的な細胞破壊(細胞膜の破壊および核酸の分解を含む)を引
き起こす。このプロセスは、小さな(約140bp〜約200bp)の核酸フラ
グメントで起こる。罹患細胞(例えば、癌細胞または癌前(pre−cance
r)細胞)は、アポトーシスを起こす能力を失い、そしてそれらの核酸ハイブリ
ダイゼーション、アポトーシスを通じて分解する。それにもかかわらず、これら
の細胞の1%は、(例えば、栄養素の欠乏、機械的剪断などのために)捨てられ
(slough)たり、または処分されたりして、細胞および細胞片の集団を生
じ、これは、完全性の高い核酸および完全性の高いタンパク質、膜、および他の
細胞成分を含む。この集団は、体内のほかの機構によって溶解および分解に供せ
られるが、これらの機構は、一貫して、アポトーシスを受けた細胞の特徴を示す
、小さな、完全性の低いフラグメントを産生し得ない。患者のサンプルにおける
完全性の高い細胞成分(特に核酸)の存在は、疾患についてのマーカーであるこ
とが、以前認識された。例えば、1999年12月7日に出願された、同時係属
、共有に係るU.S.S.N.09/455,950(これは、本明細書中で参
考として援用される)を参照のこと。ここで、これらの同じ完全性の高いマーカ
ーは、疾患(特に、癌および癌前)に対する有効性について薬物をスクリーニン
グするため、ならびに疾患を処置する際に有用な薬物の同定および選択を助ける
ために有用であることが認識された。この認識についての基本は、完全性の高い
マーカーの量が疾患の状態によって変動するということである。従って、標的さ
れた疾患に関する薬物候補の有効性は、この薬物候補が疾患に関連する完全性の
高いマーカー(例えば、核酸)を減少させる能力によって測定される。
【0007】 従って、本発明は、活性および有効性について薬物候補をスクリーニングする
ための方法を提供し、これは、薬物候補が、患者のサンプルにおいて観察される
完全性の高い成分の量の減少を生じるか否かを決定することを包含する。好まし
い完全性の高い成分は、核酸またはタンパク質である。本発明の好ましい方法は
、疾患を有する患者由来の組織または体液のサンプルを得ること、このサンプル
に存在する完全性の高い核酸の量を決定すること、患者を薬物候補で処置するこ
と、そして完全性の高い核酸の量が減少されているか否かを決定するために、第
2の組織または体液のサンプルを得ることによって実施される。
【0008】 本発明の方法はまた、インビトロまたはエキソビボで実施される。例えば、疾
患に対する薬学的調製物の有効性は、標的の疾患を有することが知られているか
または疑われる患者または疾患の動物モデルから得られた組織または体液のサン
プルにおける完全性の高い核酸の存在を直接減少させるその能力によって測定さ
れる。
【0009】 本発明の方法はまた、処置に対する患者の応答をモニタリングするのに有用で
ある。例えば、処置の有効性は、処置(例えば、薬物候補または薬物候補のカク
テルの投与)がが患者から得られた処置後のサンプルにおいて観察される完全性
の高い細胞成分において減少を生じる場合、その処置の効果は高い。当業者に明
白なように、本発明の方法は、任意の処置手段(例えば、薬物、放射線、食事制
限、手術および/または運動)の有効性をスクリーニングするのに有用であり、
そして薬学的な活性および有効性についてのスクリーニングに限定されない。
【0010】 本発明の方法はまた、インビトロまたはエキソビボの薬物候補スクリーンとし
て有用である。好ましい実施形態おいて、組織または体液は、既知の疾患を有す
る患者または動物モデルから得られる。このサンプルは、薬物をこのサンプル、
またはその一部分に適用し、そして問題の疾患のための前処置標準と比べて、こ
のサンプル中の完全性の高い核酸に対する効果を観察することによって、1以上
の薬物候補に対してスクリーニングされる。この標準は、サンプル中の完全性の
高い核酸の前処置測定、または経験的に知られる標準(例えば、健常な患者)で
ある。本発明のスクリーニングアッセイは、複数の患者内または患者間のサンプ
ルの同時スクリーニングを可能にするために、多重的(multiplex)で
あり得る。上記のように、完全性の高い核酸のレベルは、測定されている組織ま
たは体液の疾患状態を示す。従って、サンプルにおける核酸の完全性を減少し得
る薬物候補は、疾患を処置する際に有効な潜在的な医薬である。いくつかの実施
形態において、サンプルは、疾患状態の細胞培養物である。
【0011】 好ましい患者のサンプルは、好ましくは、捨てられた細胞片を含むようである
標本から調製される。このような標本としては、糞便、血清または血漿、痰、膿
および初乳が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、いくつかの標本は
、大量のインタクトな(非剥離)細胞(例えば、糞便、痰、尿、胆汁、膵液およ
び血清または血漿(これらは全て剥がれた細胞または細胞片を含む))を含まな
い。他のサンプルとしては、脳脊髄液、精液、胸部乳頭吸引液、および生検組織
が挙げられるが、任意の組織または体液は使用され得る。
【0012】 本明細書中で使用される場合、「完全性の高い核酸」とは、正常サンプルにお
ける核酸セグメントの長さと比較して長い核酸のセグメントをいう。これらのセ
グメントは、アポトーシス分解に起因するフラグメントの典型的な長さを超える
ために、代表的に、約170bpより大きく、そして好ましくは、やクローン2
00bpより大きい。本明細書中で使用される場合、特定の疾患を有することが
知られているか、特定の疾患を有することが疑われるか、または特定の疾患につ
いてスクリーニングされている患者から直接取られようが;動物モデルとして提
供されようが、または疾患を有する動物モデルから取られようが;特定の疾患の
特徴を有するか、あるいは特定の疾患について診断的であるか、または特定の疾
患のための診断として使用され得る細胞培養物として増殖されようが;あるいは
このような細胞培養物から収集されるようが、用語「疾患状態サンプル」とは、
任意のサンプルをいう。本明細書中で使用される場合、「薬物候補」は、薬学的
活性または他の活性について試験されているか、または薬学的活性または他の活
性を有することが知られているが、特定の被験体(例えば、患者)において任意
の型の活性を有するか否かを試験されている、問題の組成物を意味する。薬物候
補の有効性は、薬学的活性の1例である。さらに、臨床的結果は、薬物候補の活
性として特徴付けられ得る。
【0013】 核酸は、任意の公知の方法によって測定される。例えば、核酸の完全性は、サ
ンプルの長い核酸を増幅する能力によって測定される。核酸の遺伝子座は、組織
サンプル、流体サンプル、または細胞培養物サンプルにおいて行われる増幅反応
におけるテンプレートとして使用され得る。標的遺伝子座は、任意の特定の疾患
と関連することが必要とされる。なぜなら、任意の遺伝子座での増幅可能な核酸
の相かまたは減少は、それ自体が診断であるからである。増幅産物(「アンプリ
コン」)の処置後の量は、処置前の量より少ない場合、処置は、有効であるとい
われ、そしてこのサンプルが処置された薬物候補は、活性であるといわれる。D
NAの場合、増幅反応は、ポリメラーゼ鎖反応(「PCR」)であることが好ま
しく、または、RNAの場合、増幅反応は逆方向転写酵素PCRであることが好
ましい。プライマーは、分析のために選択された遺伝子座(単数または複数)を
増幅するように設計される。
【0014】 いくつかの実施形態において、増幅産物の標準的な量は、遺伝子座、またはそ
の一部分の増幅によって決定され、未処理の疾患状態のサンプル、あるいは正常
と分かっているサンプル(例えば、インタクトな核酸、野生型核酸)においてス
クリーニングされる。また、特定の実施形態において、標準的な量は、当該分野
についての標準によって決定される。一連の各増幅反応は、異なる長さのフラグ
メントを増幅するために設計される。特定の実施形態において、標的フラグメン
トの長さは、約200bp、約400bp、約800bp、約1.3Kp、約1
.8Kp、および約2.4Kbである。増幅のためのプライマーは、存在する場
合、所望の遺伝子座で所望の長さのテンプレートを増幅するために、当該分野に
おける知識に従って設計される。アポトーシスを受けるか、または受けている正
常サンプルは、代表的に、有意な長さのフラグメントはほとんど含まないか、全
く含まない。従って、約200bp〜約2.4Kbおよびそれ以上長いフラグメ
ントを標的とする一連の増幅反応は、大きなフラグメントの増幅によって証明さ
れるように、アポトーシスを回避した核酸を含む疾患状態のサンプルを明らかに
する。そういうものとして、患者を処置するために使用されている薬物候補の有
効性は、完全性の高い核酸の非存在または存在を調べることによってアッセイさ
れ得る。さらに、これらのフラグメントを発現するインビトロまたはエキソビボ
の疾患状態のサンプルは、薬物候補の活性を評価するために、薬物候補で処置さ
れ得る。フラグメントの数または存在するフラグメントのレベルにおける減少は
、初期過程のサンプルまたは未処置の疾患状態のサンプルに関して、薬物候補の
活性を示す。これは、特に、多きな(例えば、約1.8Kbまたは約2.4Kb
)フラグメントがスクリーニングされる場合のことである。また、標準的な量は
、例えば、電気泳動ゲル上の分子量マーカーであり得る。あるいは、本発明の方
法は、ハイブリッド捕捉によって実行され得る。例えば、ハイブリッド捕捉およ
び捕捉されたフラグメントの引き続いての分析は、サンプルの核酸の完全性を決
定するために使用され得る。
【0015】 代替の実施形態において、疾患状態のサンプルにおける薬物候補の活性のスク
リーニングは、アポトーシス細胞活性についてのアッセイによってそのサンプル
中の核酸量を検出することを併用する。ポジティブスクリーンは、(1)未処理
の疾患状態のサンプルに存在すると予期される量より少ない核酸量、および(2
)疾患状態のサンプルに存在すると予期されるより大きいアポトーシス細胞活性
の量との両方を産生するものである。複数の遺伝子座は、各遺伝子座に存在する
増幅可能な核酸の量を決定するために分析され得る。本発明の方法を用いる複数
の遺伝子座にわたる分析は、スクリーニングアッセイの感受性を増大させ得る。
【0016】 本発明の1つの局面において、薬物候補の活性をスクリーニングするための方
法は、疾患を有する患者から得られた第1のサンプルにおいて、完全性の高い核
酸の基線レベルを決定するための工程;薬物候補でその患者を処置する工程;お
よびその患者から得られた第2のサンプルにおける完全性の高い核酸が減少され
ているか否かを決定する工程を包含する。代表的に、完全性の高い核酸は、長さ
が約200bpより大きい。好ましくは、決定する工程は、サンプル中の完全性
の高い核酸の存在を決定するために、標的核酸を増幅する工程を包含する。特定
の実施形態において、標的核酸は、1つの順方向プライマーおよび少なくとも2
つの逆方向プライマーによって増幅される。他の実施形態において、標的核酸は
、少なくとも2対の順方向と逆方向のプライマーによって増幅される。あるいは
、そして/または、増幅に加えて、決定する工程は、完全性の高い核酸を捕捉す
る工程を包含し得る。いくつかの実施形態において、完全性の高い核酸は、支持
体ベースの相補的核酸プローブ上で捕捉される。上述されるように、食事制限、
運動および放射線は、本発明の方法に従って評価され得る、さらなる、非薬学的
処置の例である。
【0017】 代表的に、ポジティブスクリーンは、第1のサンプル中の完全性の高い核酸の
量に比較して、第2のサンプル中の完全性の高い核酸のより少ない量の存在によ
って決定される。いくつかの実施形態において、ポジティブスクリーンは、薬物
候補の活性を示す。また、いくつかの実施形態において、ポジティブスクリーン
は、プログラムされた細胞死の誘導を示す。また、いくつかの実施形態において
、ポジティブスクリーンは、アポトーシス活性の誘導を示す。サンプルの例とし
ては、糞便、痰、膿、血清、血漿、尿、唾液、初乳、胆汁および膵液が挙げられ
る。
【0018】 薬物候補は、問題の任意の組成物であり得、核酸、ペプチドおよび化合物を含
む。いくらかの場合、薬物候補は、抗癌剤のための候補である。多くの場合、薬
物候補の活性は、その薬物候補によって疾患症状の緩和を示す。
【0019】 本発明の別の局面において、薬物候補の活性をスクリーニングするためのキッ
トは、標的核酸の第1のセグメントに相補的な第1のプライマー;標的核酸の第
2のセグメントに相補的な第2のプライマー;および標的核の第3のセグメント
に相補的な第3のプライマーを含む。第2のセグメントは、第1のセグメントか
ら少なくとも約170塩基対離れて位置し、そして第3のセグメントは、第1の
セグメントから少なくとも約170塩基対離れて位置する。
【0020】 本発明の別の局面において、薬物候補活性をスクリーニングするための方法は
、疾患を有する被験体由来のサンプルにおいて、完全性の高い核酸の基線レベル
を決定する工程;薬物候補でこのサンプルを処理する工程;およびこのサンプル
中の完全性の高い核酸が減少されているか否かを決定する工程を包含する。いく
つかの実施形態において、被験体は、疾患を有する動物モデルである。
【0021】 本発明の別の局面において、薬物候補活性をスクリーニングための方法は、動
物モデル由来のサンプルにおいて、完全性の高い核酸の基線レベルを決定する工
程;薬物候補でこの動物モデルを処置する工程;および動物モデルから得られた
第2のサンプル中の完全性の高い核酸が減少されているか否かを決定する工程を
包含する。
【0022】 本発明の他の目的および利点は、以下の図面およびその詳細な説明を考慮する
ことによって、明白である。
【0023】 (発明の詳細な説明) 本発明は、薬物活性をスクリーニングするための方法およびキットを提供する
。本発明の方法は、生物学的サンプル中の核酸の完全性に基づく情報を提供する
。正常な生物学的サンプル(これらは、疾患の徴候を有さない)は、代表的に、
アポトーシスによる分解の結果である、多くの短いフラグメントの低い完全性の
核酸(特に、DNA)を含む、細胞細片を含有する。例えば、変異がゲノムの不
安定性を引き起こした場合の疾患状態のサンプルにおいては、正常な細胞周期が
破壊され得、そして核酸および他の細胞成分のアポトーシス分解が、正常なサン
プルで予測される速度で生じていないかもしれない。この状況は、この疾患状態
のサンプルにおける完全性の高い核酸の存在を導く。本発明の方法は、薬物活性
についてスクリーニングするために、この認識を利用する。
【0024】 薬物の活性および効力についてのこのスクリーニングは、薬物候補での処置下
にある患者由来の核酸を含むサンプルを種々の時点で分析することによってか、
または薬物候補で処置される疾患の動物モデル由来の核酸を含むサンプルを分析
することによって行われ得る。あるいは、このスクリーニングは、疾患を有する
ことが既知であるかもしくは疑われる患者から得られたサンプル、疾患の動物モ
デルから得られたサンプル、または疾患を示す細胞培養物から得られたサンプル
(インビトロまたはエキソビボ)を処理し、そしてこのようなサンプル中の核酸
の完全性を分析することによって行われ得る。このような系における薬物候補活
性は、代表的に、合理的な薬物設計のためのリードを提供し、そして/または、
インビボにおける薬物候補活性の可能性を示し、そして/または、インビボにお
ける疾患の症状を軽減する可能性を示す。種々の薬理学的アッセイが、本発明の
方法に適応され得る。例えば、本発明の方法は、大きいスケールで薬物候補をス
クリーニングするために、用量応答データを得るために、反応速度論研究のため
に、ならびに特定の患者の症状を軽減するために最も効果的な薬物候補を予測お
よび選択するために、使用され得る。種々のキットはまた、本発明の方法に基づ
いて開発され得る。
【0025】 代表的に、本発明の方法に従って分析される核酸は、遺伝子のコード領域また
はその一部、非コード核酸領域またはその一部、遺伝子の調節エレメントまたは
その一部、および/あるいはゲノムDNAの同定されていないフラグメントから
選択される。他の実施形態において、この分析される核酸は、RNAである。当
業者に理解されるように、任意のゲノム遺伝子座が、本発明に従うスクリーニン
グに受け入れられ得る。分析のための選択される特定の遺伝子座(単数または複
数)は、スクリーニングされる疾患、スクリーニングされる薬物候補のクラス、
および研究者の利便性に、一部依存する。
【0026】 上記のように、必ずしも、分析のために選択される遺伝子座(単数または複数
)が、任意の特定の疾患に相関付けられる必要はない。なぜなら、ゲノムの任意
の部分(疾患に関連しない部分でさえ)が、本発明の方法において使用され得る
からである。しかし、疾患に関連する遺伝子座(ここでは、変異が、疾患を示す
か、疾患の原因であるか、さもなければ疾患の証拠である)もまた、使用され得
る。疾患に関連する遺伝子座の例としては、p53、apc、MSH−2、dc
c、scr、c−myc、B−カテニン、mlh−1、pms−1、pms−2
、pol−Δ、およびbaxが挙げられる。抗癌薬物候補スクリーニングにおい
て、この標的フラグメントは、必要に応じて、癌遺伝子、腫瘍サプレッサー、ま
たは癌に関連する任意の他のマーカーであり得る。しかし、必ずしも、本発明の
方法において癌に関連するマーカーを使用する必要はない。なぜなら、このよう
な方法は、疾患状態を示すサンプルが、より多くの量のインタクトな核酸および
より多くの量の長いフラグメントの核酸(一般には、完全性の高い核酸)を含む
という一般的認識に基づくからである。従って、任意の簡便な標的核酸遺伝子座
が、本発明の方法において使用され得る。
【0027】 増幅産物の量は、任意の適切な手段または簡便な手段によって決定され得る。
代表的には、増幅産物の量は、ゲル電気泳動によって決定され得る。標識(例え
ば、蛍光標識または放射性標識)が、使用され得る。生成された増幅産物の量は
、任意の適切な手段または簡便な手段によって、標準の量と比較され得る。これ
らの手段には、目視比較、機械による光学的比較、濃度測定、質量分析、ハイブ
リッド捕捉、および他の公知の手段が含まれる。増幅反応自体は、核酸を増幅す
るための任意の手段(PCR、RT−PCR、OLA、ローリングサイクル、位
置塩基伸長、および当該分野で公知の他の手段を含むが、これらに限定されない
)であり得る。増幅産物はまた、シグナル増幅技術(例えば、分枝鎖増幅(Ch
iron)のような)によって測定され得る。本発明の方法は、核酸の同定、増
幅、配列決定または他の操作のための任意のプラットフォームを用いて有用であ
る。例えば、本発明の方法は、リガーゼ連鎖反応、鎖置換(Becton−Di
ckinson)などに適用され得る。
【0028】 多くの実施形態は、一般に、標的核酸の増幅を使用して、所定のサンプル中の
完全性の高い核酸のレベルをアッセイするので、任意の所定のPCRプライマー
のセットがこのプライマーの距離を超える長さを有するDNAフラグメントを増
幅する可能性を、以下: 増幅されるフラグメント%=(FL−PD)/(FL+PD) として表す。ここで、FLは、フラグメントの長さ(塩基対)であり、PDは、
プライマー距離(塩基対)である。この等式は、サンプルDNAフラグメントの
長さが、均一に分散されている(すなわち、切断が生じている特別な遺伝子座は
存在しない)ことを仮定する。
【0029】 薬物候補を用いた、疾患を有する患者または疾患を有することが疑われる患者
の処置後、疾患についての動物モデルの処置後、または他の疾患状態のサンプル
の処理後に、異なる長さの核酸配列(もし、存在する場合に)を増幅し、この薬
物候補の活性を示す増幅産物のプロフィールを作成する。例えば、サンプルを、
PCRプライマーのセットに曝露する。これらのプライマーは、1つの順方向プ
ライマー(これは、標的フラグメントを捕捉するために使用される捕捉プローブ
であり得る)、および複数の下流の逆方向プライマー(これは、このサンプル中
の連続性の(切れ目のない)配列(もし、存在する場合)の部分にハイブリダイ
ズする)を含む。これらのプライマーを使用する増幅は、この連続性の標的配列
がこのサンプル中に存在する場合に、各々異なる長さを有する一連の増幅産物を
生じる。これらの増幅産物の長さは、順方向プライマーと各々の下流の逆方向プ
ライマーとの間の間隔によって決定される。例を図2に示す。これは、増幅のた
めのプライマーの配置を示す模式図である。
【0030】 標的配列またはその一部がサンプル中に存在する場合、増幅は、これらのプラ
イマーの間隔によって示される長さの、一連のフラグメントを生じる。上記に提
示した原理に従って、活性な薬物候補で処置した患者、動物モデルまたは他の疾
患状態サンプルは、処置中のより早い時点の疾患状態サンプルまたは未処置の疾
患状態サンプルから得られたプロフィールと異なる、上記アッセイにおける増幅
産物のプロフィールを生じる。薬物候補活性を示す差異は、一般に、インビボっ
での活性および/またはインビボで疾患の症状を軽減する可能性を予測する。1
つの実施形態において、順方向プライマーを、最初の逆方向プライマーの少なく
とも約170bp上流、および好ましくは、約200bp上流で、かつ最後の逆
方向プライマーの約2.3Kb上流でハイブリダイズするように設計される。他
の逆方向プライマーは、最初と最後の逆方向プライマーとの間の種々の位置でハ
イブリダイズするように設計される。例えば、順方向プライマーと種々の逆方向
プライマーとの間の間隔は、約200bp(F−R)、約400bp(F −R)、約800bp(F−R)、約1.3Kb(F−R)、約1.
8Kb(F−R)、および約2.3Kb(F−R)であり得る。特定の
実施形態において、順方向プライマーは、1番目および2番目の逆方向プライマ
ーから、少なくとも約170bp上流である。逆方向プライマーの数および間隔
は、当業者に簡便に選択される。
【0031】 いくつかの実施形態において、ハイブリッド捕捉プローブを使用して、標的配
列を、好ましくは、固体支持体(例えば、ビーズ)上に固定する。次いで、複数
のプローブを、この捕捉プローブの下流の種々の距離で配置する。これらのプロ
ーブは、上記で議論したように順方向および逆方向のプライマーの対であり得る
か、またはこれらは、シグナル増幅プローブ(例えば、リガーゼ連鎖反応(LC
R)において使用されるプローブ、および配列の同定において使用される他のプ
ローブ)であり得る。この複数のプローブは、標的がサンプル中に存在する場合
に、標的フラグメントの長さにそってハイブリダイズする。従って、これらのプ
ローブの存在についてサンプルを分析することによって、サンプル中に存在する
配列の完全性を決定し得る。これは、多くの様式で行われ得、これらには、ハイ
ブリッド捕捉、PCR、LCR、鎖置換、分枝鎖または当該分野で公知の他のア
ッセイ(これらは、ハイブリッドプローブまたはプライマーを組み込み、配列を
同定または定量する)が挙げられるが、これらに限定されない。代表的には、こ
の捕捉プローブは、標的配列(もし、サンプル中に存在する場合)を固定する。
この捕捉プローブの下流の配列にハイブリダイズするプローブ(下流プローブ)
は、各下流プローブがこの共通の捕捉プローブから固有の距離の間隔を空けられ
、かつ各ウェルが1つの型の下流プローブのみを含むように、各ウェルに配置さ
れる。次いで、シグナルは、例えば、増幅によって、または標準的なELISA
手段およびその後の増幅によって、またはLCRによって、あるいは上記の他の
方法によって生成される。各ウェル中のシグナルの存在は、少なくとも捕捉プロ
ーブと下流プローブとの間の長さの配列の存在を示す。代替的な実施形態におい
て、各ウェルは、複数の異なる下流プローブ(これは、差次的に標識され得る)
を受け、そして標識の存在は、そのサンプル中に存在する配列の長さに相関付け
られる。
【0032】 上記の増幅反応は、任意の適切なプロトコルまたは簡便なプロトコルに従って
行われ得、そして得られる増幅産物(もしあれば)のフラグメントサイズは、任
意の適切な手段または簡便な手段によって決定され得る。
【0033】 代替的な実施形態において、本発明の方法は、連続性の核酸標的フラグメント
に対して一連の増幅反応を行う工程を包含し、各増幅反応は、1つの順方向プラ
イマーおよび1つの逆方向プライマーを、順方向および逆方向のプライマー対が
、サンプル中に存在することが疑われる連続性のフラグメント上で間隔を空けら
れるように、含む。この配置の例を、図3に示す。好ましくは、各順方向および
逆方向のプライマー対の間隔は、等価である。また、いくつかの実施形態におい
て、順方向プライマーは、逆方向プライマーから約170bp〜約200bp、
かつ2番目の順方向プライマーから約170bp〜約200bpである。未処置
の疾患状態サンプルについて、上記のアッセイは、これらのプライマー対の全て
ではなくともほとんどについて、一連の同じサイズのフラグメントを生じる。こ
のような増幅産物のアレイは、疾患を示す連続性の標的配列の証拠となる(上記
を参照のこと)。正常なサンプルは、増幅産物をほとんどまたは全く生じないが
、いかなる場合においても、比較的インタクトな診断標的配列を含むサンプルか
ら予測される、増幅産物の連続的なアレイを生じない。代表的には、薬物候補が
より高い活性を有するほど、実験結果は、正常なサンプルを示す可能性が高い。
【0034】 上記の方法の各々は、サンプル中のインタクトな核酸またはインタクトな核酸
のセグメントが診断的であるという原理に基づく。従って、上記の方法に対する
変更が意図される。このような変更としては、プライマーの配置、使用するプラ
イマーの数、標的配列、配列を同定するための方法などが挙げられる。例えば、
図3に示される(上記の)方法においては、順方向プライマーおよび逆方向プラ
イマーの数が等しいことを、必要としない。順方向プライマーは、例えば、2つ
の逆方向プライマーの間でフラグメントを増幅するために使用され得る。プライ
マー対の配置の他の変更は、行なわれる増幅反応の詳細と同様に、当業者の範囲
内である。最後に、図2および3に示されるように、捕捉プローブは、選択され
た標的配列を単離するために、本発明の方法において使用され得る。
【0035】 いくつかの実施形態において、増幅反応は、一連の異なるゲノム遺伝子座に対
して行われる。好ましくは、約2〜約7個の遺伝子座が使用される。しかし、分
析される遺伝子座の正確な数は、検出される疾患、使用される薬物候補のクラス
、または簡便性に基づいて、個々の研究者によって決定される。本発明の方法に
従って、プライマーは、上記の選択された各々の遺伝子座で核酸(例えば、DN
A)を増幅するように設計される。薬物候補での処置を受けている患者または動
物モデル由来のサンプル、あるいはインビトロまたはエキソビボの疾患状態サン
プル(これらのサンプル中の、少なくとも1つの遺伝子座、好ましくは、2つの
遺伝子座、そして最も好ましくは、少なくとも3つの遺伝子座は、この患者の処
置の時間経過における早い段階にあるこの患者由来の最初のサンプルと比較して
か、または未処理の疾患状態サンプルと比較した、検出可能な完全性の高い核酸
増幅産物のレベルの減少を生じる)は、陽性薬物候補スクリーンとみなされる。
さらに、このアッセイにおいて増幅されるフラグメントの長さは多様であるが、
好ましくは、各々少なくとも約170bp長である。同じ長さのフラグメントが
その選択された各々の遺伝子座で増幅される必要はないが、同じ長さのフラグメ
ントがその選択された各々の遺伝子座で増幅されることが好ましい。
【0036】 以下により十分に記載されるように、薬物候補で処置される患者は、経時的に
追跡され得る。サンプルを、処置開始前および処置の過程にわたる時点で採取さ
れる。これらのサンプルを、その中に含まれる核酸の完全性について分析する。
完全性の高い核酸サンプルのレベルをモニターすることによって、患者の処置の
進行がチェックされ得る。この情報は、例えば、特定の処置の効力の初期指標と
して有用である。
【0037】 処置が効果的である場合、これらのサンプルは、完全性の高い核酸の量が減少
されることを示す。この薬物候補は、処置期間中に、一度にかまたは間隔を空け
て投与され得る。1回の時間経過において、薬物候補は、この薬物処置の開始後
2時間、4時間、6時間および8時間で試験され得る。より長い期間の時間経過
研究においては、薬物候補は、この薬物処置の開始後48時間、1週間、2週間
および4週間で試験され得る。早い時点でのサンプルに対する比較において、後
の時点のサンプル中で検出された、増幅された完全性の高い核酸(すなわち、増
幅可能な完全性の高い核酸)の総量は、その薬物候補が患者において活性である
かまたは効果的である場合には、より低いことが予測される。反対に、後の時点
のサンプル中で検出された、増幅された完全性の高い核酸(すなわち、増幅可能
な完全性の高い核酸)の総量は、その薬物候補が不活性であるかまたは非効果的
である場合には、類似するかまたはわずかに低いことが予測される。あるいは、
完全性の高い核酸から増幅されたフラグメントのパターンが分析され得る。活性
な薬物候補または効果的な薬物候補で処置されている患者における早い時間経過
のサンプルにおけるフラグメントまたはそのフラグメントの量と比較して、後の
時間経過サンプルにおいて、存在するフラグメント(特に、長いフラグメント)
は少ないことが予測され、そして/または、それらの存在するフラグメントのい
くらかまたは全ての量が少ないことが予測される。不活性な薬物候補または非効
果的な薬物候補で処置されている患者における早い時間経過のサンプルと比較し
た場合には、後の時間経過サンプルにおいて、これらのフラグメントは、数およ
び/または量(例えば、バンド強度)において同じなままであるか、増加するか
、またはわずかに減少する。
【0038】 これらの同じ原理が、特定の疾患状態についての動物モデルを使用する薬物ス
クリーニングに適用され得る。薬物候補で処置されている動物モデルから採取し
たサンプル中の核酸の完全性が、上記のように、経時的にモニターされそして活
性が評価される。
【0039】 あるいは、インビトロ設定において薬物をスクリーニングするための本発明の
方法は、1つの化合物または複数の化合物が、活性について(例えば、同時に)
スクリーニングされるのを可能にする。疾患状態のサンプルが、実験容器(例え
ば、マルチウェルサンプルプレートのウェル)に配置される。このサンプルを、
1以上の化合物に対して曝露し、そしてその完全性の高い核酸の量について分析
する。未処理の疾患状態サンプルに対する比較において、増幅された完全性の高
い核酸(すなわち、増幅可能な完全性の高い核酸)の総量は、活性な薬物候補で
処理したサンプルにおいては低いことが予測され、そして増幅された完全性の高
い核酸(すなわち、増幅可能な完全性の高い核酸)の総量は、不活性な薬物候補
で処理したサンプルにおいては、同様であるか、増加されるか、またはわずかに
低い。あるいは、完全性の高い核酸から増幅されたフラグメントのパターンが分
析され得る。未処理のサンプルにおいて存在するフラグメントまたはそのフラグ
メントの量と比較した場合に、活性の薬物候補で処理したサンプルにおいて、存
在するフラグメント(特に、長いフラグメント)は少ないことが予測され、そし
て/または、それらの存在するフラグメントのいくらかまたは全ての量が少ない
ことが予測される。不活性な薬物候補で処理したサンプル中には、これらのフラ
グメントは、数および/または量(例えば、バンド強度)において同じなままで
あるか、増加するか、またはわずかに減少する。
【0040】 薬物候補が活性であることが既知である場合か、または薬物候補をスクリーニ
ングしてそして活性であることを決定する場合、用量応答曲線が作成され得る。
疾患状態サンプル(例えば、動物モデルおよび組織培養物であるが、これらに限
定されない)に漸増用量の薬物候補を提供し、そして各用量での完全性の高い核
酸(増幅されたかまたは増幅可能な)のレベルを分析することによって、活性(
そのレベルの完全性の高い核酸によって測定される)に対して薬物候補用量を関
連させて、曲線を作成し得る。これらの2つの基本的な薬理学的技術は、例示で
ありそして限定すること意味されない。しかし、これらの技術は、活性な薬物候
補について迅速にスクリーニングしそしてそれらの効力の決定を行うための方法
を提供する。例えば、限定されないが、抗癌薬物候補または抗腸炎症薬物候補が
、スクリーニングされ得る。
【0041】 あるいは、薬物活性は、エキソビボでアッセイされ得る。1つの実施形態にお
いて、組織または流体は、処置前の患者から取り出され得る。このサンプルを、
その疾患の症状を軽減することが予測され得る種々の薬物候補で処理し得る。活
性を、上記のようにアッセイする。このサンプルについて最も活性であることを
示す薬物候補は、このサンプルを採取した患者における疾患の症状を軽減する可
能性のある薬物候補として選択され得る。別の実施形態において、組織を、動物
モデルから取り出し、そして薬物候補で処理する。活性を上記のように評価し、
そして薬物候補をスクリーニングするために使用し得る。
【0042】 本発明の方法はまた、サンプルを、さらなる分析(例えば、遺伝子分析、生化
学的分析、細胞学的分析または他の分析)のためにスクリーニングするためにか
または「認定(qualify)」するために使用され得る。認定されるサンプ
ルは、完全性の高い核酸の存在について試験され、そして存在する場合には、そ
の完全性の高い核酸は、このサンプルが、おそらく、インビトロスクリーニング
、エキソビボ(例えば、動物モデルを認定する場合)スクリーニングまたはイン
ビボ動物モデルスクリーニングのためのサンプルとして使用され得ることを示す
。従って、薬物候補活性スクリーニングの基礎を提供する疾患状態サンプルが、
この方法に従って選択され得る。サンプルが認定され、そして本発明の方法が核
酸の完全性における変化を検出し得る、いくつかの疾患としては、以下が挙げら
れるが、これらに限定されない:結腸癌および腺腫;リンパ腫;ならびに胃、肺
、肝臓、膵臓、前立腺、腎臓、精巣、膀胱、子宮または卵巣の癌または腺腫。さ
らに、ゲノムの不安定性が役割を果たしていると考えられる疾患(例えば、炎症
性腸症候群、炎症性腸疾患、クローン病など)が、試験され得る。さらに、サン
プル中の増幅可能なDNAのプロフィールを、疾患に関連付けられているタンパ
ク質と相関付ける。例えば、アポトーシスタンパク質であるサービビン(sur
vivin)の上方制御は、Ras癌遺伝子ならびに他の癌遺伝子およびそれら
の遺伝子産物と同様に、増幅可能なDNAの量の増加に相関する。
【0043】 本発明の方法はまた、アポトーシスについてのアッセイとして有用である。サ
ンプル中の完全性の高い核酸の増幅されたフラグメントの存在または多量の完全
性の高い核酸は、このサンプルが、アポトーシスを進行しなかった細胞由来であ
ったことを示す。このようなフラグメントまたは量の非存在は、このサンプルに
寄与する細胞がアポトーシスを受けたことを示す。従って、本発明のアポトーシ
ス活性アッセイはまた、単独またはゲノムの不安定性についての他のアッセイと
組み合わせて、疾患についてのスクリーニングとして有用である。さらに、プロ
グラムされた細胞死が、アポトーシス活性と同様の様式で測定され、プログラム
された細胞死の誘導は、多くの系におけるアポトーシス活性の増加と相関付けら
れる。
【0044】 以下の実施例は、本発明に記載の方法のさらなる詳細を提供する。従って、以
下の様式で例示されるが、本発明は、そのようには限定されず、そして当業者は
、これらを考慮してその広範な適用を認識する。
【0045】 (結腸癌の検出のための例示的方法) 以下の実施例は、排出された糞便サンプルにおける結腸癌についてのスクリー
ニングに関する。本発明が基づく原理(上記を参照のこと)に基づいて、同じ分
析が、他のサンプル(例えば、上記のサンプル)に対して行われ、本明細書中に
示される同じ結果が得られる。
【0046】 糞便サンプルの分析のために、本発明の好ましい方法は、米国特許第5,74
1,650号および同時係属の共有に係る米国特許第5,952,178(両者
は、本明細書中に参考として援用される)に教示されるような、排泄された糞便
の少なくとも断面部分または周辺部分を得る工程を包含する。糞便の断面部分ま
たは周辺部分が所望されるが、本明細書中に提供される方法は、排泄された糞便
から得られたランダムなサンプル(スミアまたは切屑を含む)に対して行われる
。一旦得られると、この糞便試料をホモジナイズする。ホモジナイゼーションに
好ましい緩衝液は、少なくとも16mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)
を含む。しかし、同時係属の共有に係る米国特許出願09/491,093(本
明細書中に参考として援用される)に教示されるように、少なくとも150mM
のEDTAの使用が、糞便からの核酸の収率を大幅に改善することが発見されて
いる。従って、糞便のホモジナイゼーションのための好ましい緩衝液は、リン酸
緩衝化生理食塩水、20〜100mMのNaClまたはKCl、少なくとも15
0mMのEDTA、および必要に応じて、界面活性剤(例えば、SDS)および
プロテイナーゼ(例えば、プロテイナーゼK)を含む。
【0047】 ホモジナイゼーションの後、核酸は、好ましくは、この糞便サンプルから単離
される。核酸の単離および抽出は、本発明の全ての方法には必要ではない。なぜ
なら、特定の検出技術は、核酸の単離を行うことなく、ホモジナイズした糞便に
おいて十分行われ得るからである。しかし、好ましい実施形態においては、ホモ
ジナイズした糞便をスピンして、核酸、タンパク質、脂質および他の細胞細片を
含む上清を得る。この上清を、界面活性剤およびプロテイナーゼで処理してタン
パク質を分解し、そして核酸を、フェノール−クロロホルム抽出する。次いで、
この抽出した核酸を、アルコールで沈殿させる。他の技術を使用して、このサン
プルから核酸を単離し得る。このような技術としては、ハイブリッド捕捉、およ
びこのホモジナイズした糞便からの直接増幅が挙げられる。核酸は、使用するス
クリーニングアッセイによって必要とされる程度に、精製および/または単離さ
れ得る。総DNAが、当該分野で公知の技術を使用して単離される。
【0048】 (スクリーニングアッセイプロトコル) 上記で得られたヒトDNAフラグメントのサイズを、多くの手段によって決定
し得る。例えば、ヒトDNAを、ゲル電気泳動を使用して分離し得る。3%アガ
ロースゲルを、当該分野で公知の技術を使用して調製する。Ausubelら、
Short Protocols in Molecular Biology
,John Wiley & Sons,1195,2−23−2−24頁(本
明細書中で参考として援用される)を参照のこと。約200bpより大きいフラ
グメントは、陽性スクリーンを提供する。診断は、このスクリーニング単独に基
づいてなされ得るが、陽性スクリーンを提示する患者に、好ましくは、経過観察
試験で追跡して確かな診断を与えるようにアドバイスする。
【0049】 ヒトDNAフラグメントの長さを決定するための好ましい手段は、PCRを使
用する。PCRを行うための方法は、周知である。本発明において、ヒトDNA
フラグメントは、ヒト特異的プライマーを使用して増幅される。PCRによって
生成された約200bpより大きいアンプリコンは、陽性スクリーンを提示する
。他の増幅反応およびPCRの改変型(例えば、リガーゼ連鎖反応、逆相PCR
、Q−PCRなど)を使用して、検出可能なレベルのアンプリコンを生成し得る
。そのアンプリコンの長さ、重量または他の特性が、アンプリコンをサイズで同
定する限り、アンプリコンは、レポーター(例えば、蛍光、放射性同位体など)
を結合することによってか、配列決定することによってか、ゲル電気泳動によっ
てか、質量分析によってか、または当該分野で公知の任意の他の手段によって検
出され得る。
【0050】 (実施例) 患者および疾患の動物モデルから採取した種々のサンプルにおける核酸の完全
性を分析することによって、薬物候補処置が活性かつ効果的であるか否かを決定
する実験を、以下に記載する。これらの実施例は、本発明の例示であり、そして
限定することを意味されない。
【0051】 (実施例1) 癌または腺腫患者において経時的に処置結果を決定するために、実験を行った
。糞便サンプルを得てそして凍結させ、そしてDNAを単離する。これらのサン
プルを、ヒトDNAをハイブリッド捕捉し、そして少なくとも200塩基対を有
する増幅可能なDNAの量を決定することによって、スクリーニングする。各凍
結糞便試料(7〜33グラムの重量)を解凍し、そして500mM Tris、
16mM EDTAおよび10mM NaCl(pH 9.0)中、3:1の容
量:質量比でホモジナイズする。次いで、サンプルを、20:1の最終容量:質
量比まで同じ緩衝液中で再度ホモジナイズし、そして2356×gでガラスマイ
クロビーズ中でスピンする。上清を収集し、そしてSDSおよびプロテイナーゼ
Kで処理する。次いで、DNAを、フェノール−クロロホルム抽出し、そしてア
ルコールで沈殿させる。沈殿物を、10mM Trisおよび1mM EDTA
(1×TE)(pH 7.4)中に懸濁する。最後に、このDNAを、RNas
eで処理する。
【0052】 増幅の前に、DNAを、ハイブリッド捕捉によってサンプルから単離する。B
RCA1、BRCA2、p53、APC遺伝子の部分に対するビオチン化プロー
ブを使用する。
【0053】 BRCA1プローブは、 5’GATTCTGAAGAACCAACTTTGTCCTTAACTAGCT
CTT3’(配列番号8) である。
【0054】 BRCA2プローブは、 5’CTAAGTTTGAATCCATGCTTTGCTCTTCTTGATT
ATT3’(配列番号9) である。
【0055】 APC1プローブは、 5’CAGATAGCCCTGGACAAACCATGCCACCAAGCAG
AAG3’(配列番号10) である。
【0056】 p53プローブ(エキソン5の一部にハイブリダイズする)は、 5’TACTCCCCTGCCCTCAACAAGATGTTTTGCCAAC
TGG3’(配列番号4) である。
【0057】 APC2プローブは、 5’GAAGTTCCTGGATTTTCTGTTGCTGGATGGTAGT
TGC3’(配列番号11) である。
【0058】 サンプルの300μlのアリコートを、10μlの各捕捉プローブを有する3
00μlの6M グアニジンイソチオシアネート緩衝液中に置き、そして25℃
で一晩インキュベートした。捕捉されたDNAを、1時間室温でインキュベート
した100μlの捕捉ビーズを使用して単離する。DNAを、ビーズから溶出し
そして標準的なPCR条件下でPCR増幅する。
【0059】 本発明の方法に従って、増幅反応を、各サンプルについてこの5つの遺伝子座
に対して、順方向プライマーおよび逆方向プライマーを使用して行う。順方向プ
ライマーおよび逆方向プライマーは、200bp、400bp、800bp、1
.3Kb、1.8Kbおよび2.4Kbのフラグメントを増幅するように間隔を
空ける。30個のPCR反応物の各々は、36サイクルで行う。アンプリコンを
、35 Seakeamゲル上で泳動し、そしてエチジウムブロミドで染色する
。結果を、図1Aおよび1Bに示す。各図は、この30人患者のうちの15人に
ついての結果である。
【0060】 これらの図に示されるように、癌または腺腫を有する患者は、増幅可能なDN
Aの収率の増加を有する。これは、特に、1.8Kbレベル以上に当てはまる。
従って、癌または腺腫を有する患者は、彼らの糞便においてより多くの増幅可能
なDNAを生じるのみならず、癌を有さない患者の糞便において生成されるより
も大きいDNAフラグメントを生じる。従って、増幅可能なDNAの収率の増加
および高分子量DNAの存在(特に、1.8Kb以上)は、患者の疾患状態を示
す。
【0061】 完全性の高い核酸を有するこれらの患者(レーン1、3、11および18)を
、抗癌薬物候補で処置する。これらの患者に、一定用量の薬物候補を、投与され
る薬物候補によって示される薬物動態および当業者に公知の他の因子によって指
示される間隔で与える。これらの患者を、1ヶ月の期間にわたって処置およびモ
ニターする。サンプルを、48時間、1週間、2週間および4週間で、分析のた
めに各患者から採取する。完全性の高い核酸を有さない患者(すなわち、正常)
を、処置および分析から排除するか(例えば、癌と診断されている患者のみを、
抗癌薬物としての効力を有することが既知である薬物候補で処置する場合におい
て)、または引き続くモニタリングに含め、そしてプラシーボ処置を与える(例
えば、薬物候補の効力に関する臨床研究において)。この実施例において、完全
性の高い核酸を有さない患者を、処置から排除し、そして高い完全性を有してい
る患者を処置する。
【0062】 完全性の高い核酸を有する4人の患者の各々について、BCRA1で分析した
遺伝子座で得られた仮定の予測される結果を、以下の表1に示す。核酸の完全性
は、分析する遺伝子座にかかわらず予測的であるので、類似の仮定の結果は、分
析した他の遺伝子座で予測される。
【0063】 表1.BCRA1遺伝子座での仮定の予測された結果
【0064】
【表1】 上記の結果において見られ得るように、患者1および3は、この薬物処置に有
利に応答した。この4週間のモニタリング期間の終了まで、これらの患者は、未
処置の患者の状態よりもむしろ、正常状態のプロフィールにより類似する、核酸
の完全性のプロフィールを有する。このモニタリング期間後、増幅される最も長
いフラグメントを表すバンドが、最初に欠失され、次いで、増幅される短いフラ
グメントを表すバンド(しかしなお、200bpより大きい)が欠失した。患者
4は、この薬物処置に対していくらか応答を示したが、患者1および3について
の応答ほどの大きさではなかった。患者4のモニタリング期間中、最も長いフラ
グメントは、患者1および3については1週間後であったのに対して、2週間後
に欠失した。増幅される短いフラグメント(200bp〜800bp)は、この
4週間のモニタリング期間の終了時に欠失せず、むしろ、開始処置と比較して減
少しただけであった。この結果は、例えば、この処置が、この患者の癌の処置に
おいて部分的にのみ効果的であることを示し得るか、またはこの処置が、この患
者において効果的になるまで長い時間を要することを示唆し得る。最後に、患者
2は、いかなる長さのフラグメントの量の減少を示さず、これは、この薬物候補
が、患者2に対して効果を有さなかったことを示す。
【0065】 (実施例2) 実施例1で用いたものとは異なる種々の遺伝子座を用い、癌または腺腫患者に
おける時間に対しての処理の成果を決定するための実験を実施した。糞便サンプ
ルを、結腸鏡検査が行なわれるべきであることを示す症状または病歴を有する9
人の患者から収集した。それぞれの糞便サンプルを凍結した。糞便サンプルを提
供した後すぐに、患者それぞれは結腸鏡検査を受け、患者の疾患状態を決定した
。結腸鏡検査の結果およびその後の結腸鏡検査の間に採取された生検サンプルの
組織学的分析に基き、個体を2群(正常および異常)のうちの1つに置いた。異
常群は、癌を有するかまたは少なくとも直径1cmの腺腫を有する患者からなる
。これらの結果に基き、9人の患者のうちの4人が異常群に置かれた。異常群か
らのサンプルをさらに分析し、そして正常なものはさらに分析しない。
【0066】 サンプルを、ヒトDNAをハイブリッドキャプチャーすることによりスクリー
ニングし、そして少なくとも200塩基対を有する増幅可能なDNAの量を決定
する。重量7〜33gの各凍結糞便試料を解凍し、そして500mM Tris
、16mM EDTA、および10mM NaCl(pH9.0)中でホモジェ
ナイズする(容量と重量の比が3:1)。次いでサンブルを同じ緩衝液中で再度
ホモジェナイズして、最終の容量と重量の比を20:1にし、そしてガラスマク
ロビーズ中で2356×gで回転させる。上清を回収し、そしてSDSおよびプ
ロテイナーゼkを用いて処理する。次いでDNAをフェノール/クロロホルム抽
出し、そしてアルコールを用いて沈殿させる。この沈殿を、10mM Tris
および1mM EDTA(1×TE)(pH7.4)に懸濁した。最後にDNA
をRnase処理する。
【0067】 ヒトDNAを、配列特異的なハイブリッドキャプチャーにより沈殿から単離す
る。p53、K−ras、およびapc遺伝子に対するBiotynilate
dプローブを用いる。
【0068】 K−rasプローブは
【0069】
【化1】 であった(配列番号1)。
【0070】 2つのapcプローブがあり:apc−1309は、
【0071】
【化2】 (配列番号2)であり、そしてapc−1378は
【0072】
【化3】 であった(配列番号3)。
【0073】 p53に対する4つのプローブがあり、第1のプローブ(エキソン5の一部に
ハイブリダイズする)は、
【0074】
【化4】 (配列番号4)、第2のプローブ(エキソン7の一部にハイブリダイズする)は
【0075】
【化5】 (配列番号5)、第3のプローブ(これもまた、エキソン7の一部にハイブリダ
イズする)は、
【0076】
【化6】 (配列番号6)、および最後にエキソン8に対するプローブは配列
【0077】
【化7】 (配列番号7)を有する。
【0078】 それぞれのプローブ(20pmol/キャプチャー)の10μlのアリコート
を、310μlの6MGITC緩衝液の存在下で300μlのDNAを含む懸濁
液に加えた(室温、2時間)。ハイブリッド複合体を、ストレプトアビジンでコ
ートされたビーズ(Dynal)を用いて単離する。洗浄後、プローブ−ビーズ
複合体を、0.1×TE緩衝液(pH7.4)に25℃で1時間懸濁する。次い
でこの懸濁液を、85℃で4分間熱し、そしてビーズを除去する。
【0079】 次いで捕捉されたDNAを、PCR(本質的に米国特許第4,683,202
号に記載されるようなPCR、これは本明細書中で参考として援用される)を用
いて増幅する。それぞれのサンプルを、7遺伝子座(Kras、エキソン1、A
PCエキソン15(3つの別々の遺伝子座)、p53、エキソン5、p53、エ
キソン7、およびp53、エキソン8)にわたる正方向および逆方向のプライマ
ーを用いて増幅する(2連で行い、それぞれの遺伝子座に対して合計14の増幅
を行った)。7つの別々のPCR(それぞれ40サイクル)を、200塩基対以
上を有するサンプル中フラグメントを検出するために指向されたプライマーを用
いて実施する(2連)。増幅されたDNAを、4%Nusieve(FMC B
iochemical)ゲル(3% Nusieve、1% アガロース)上に
置き、エチジウムブロミド(0.5μg/ml)を用いて染色する。4人の異常
患者のすべては、200bp長またはそれよりも長い増幅可能なDNAを有する
。得られた増幅DNAを、染色されたゲルの相対的な強度に基いて等級分けする
。増幅される種々の異なる遺伝子座。4人の異常患者の全ては200bp長また
はそれより長い増幅可能なDNAを有する。この結果は、どの遺伝子座が増幅さ
れたかに関わらず同じである。
【0080】 次いで4人の異常患者を、候補薬物を用いて4週間処理する。以下の表2に示
されるように、実施例1のものと類似の結果が、これらの4人の患者について得
られた。
【0081】
【表2】 (実施例3) この実施例では、本発明の方法を、結腸直腸腺腫または結腸直腸癌を有した患
者に用いる。糞便サンプルをこれらの患者それぞれから獲得し、そして上述のよ
うに調整する。実施例1で言及される5つの異なる遺伝子座のフラグメントを、
200、400、800、1300、1800、および2400塩基対の間隔を
あけたプライマーを用い、上記の実施例1に記載されるプロトコルを用いて増幅
する。それぞれの増幅について、好都合なフラグメントの増幅に1のスコアを与
え、増幅のなかったフラグメントに0のスコアを与えるように記録する。6つの
プライマー対をそれぞれ用いて5つの遺伝子座を尋問したので、最大スコアは3
0である(5つの遺伝子座全てにおいての6つのフラグメント全ての中の好都合
な増幅)。陽性スクリーンのためのカットオフを21に設定した。この結果を以
下に示す。表3および表4は、この得点システムに基いて、どの患者が腺腫また
は癌に対して陽性であるかを示す。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】 21またはそれより高いスコアを有する患者を、抗癌候補薬物で処理し、そし
て実施例1で記載されるようにモニターする。仮定的に予想される処理の結果を
表5および表6に示す。
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】 患者のスコア(上記のように、これはフラグメントの好適な増幅を反映し、ま
た高い完全性の核酸のレベルを反映する)は、表5および表6において、抗癌候
補薬物による処理のタイムコースとして示される。罹患患者の陽性スクリーンの
ためのカットオフを21に設定したので、患者のスコアが21より下に落ちた場
合、その薬物処理は効果的であったとみなされる。表5および表6に示すように
、スコアが21より下に落ちるのに費やされる時間の長さは、患者間で変化し、
そして変化の大きさもまた変化する。ある患者は処理に応答せず、21より下に
落ちないスコアによるか、または変化しないスコアにより示される。
【0086】 (実施例4) 本実施例は、本発明の方法が、疾患を有する動物(非ヒト)(「疾患動物」)
での活性について候補薬物をスクリーニングし得る方法を示す。活性に対するマ
ーカーとして増幅可能な高い完全性の核酸の存在または非存在を用いる。このよ
うな実験により、薬物の発展が導かれ、そして/またはどの化合物がインビボで
活性でありそうかの予見を提供され、そして/またはどの化合物がインビボで疾
患の症状を緩和しそうかの予見を提供される。
【0087】 疾患を有する動物モデルを試験被験体として用い、正常な動物をコントロール
として用いた。このアッセイは、試験されるそれぞれの候補薬物に対して3連で
実施されるので、3体の疾患動物を1つの候補薬物で処理する。コントロールと
して、疾患動物を偽処理(例えば、投与のために候補薬物を懸濁するためのキャ
リア)で処理し;正常の動物を偽処理で処理し;そして正常の動物を候補薬物で
処理する。
【0088】 この動物に、3週間にわたって定期的にこれらの処理を与える。投与期間の間
に、サンプルを動物から採取し、このサンプルを調整し、そしてこのサンプルを
、上記のように核酸の完全性について分析する。サンプルを、処理前、処理後4
8時間、処理後1週間、処理後2週間、そして処理後3週間で採取する。上記の
ようにして分析を完遂する。簡単にいうと、DNAをこれらのサンプル中から抽
出する。PCRを用いて抽出されたDNAの、疾患に関連すると予想される遺伝
子座の周囲を増幅する。1つの正方向プライマーを、6つの逆方向プライマーと
共に用いる。正方向プライマーを、逆方向プライマーからそれぞれ、200bp
(F−R)、400bp(F−R)、800bp(F−R)、1.
3Kb(F−R)、1.8Kb(F−R)、および2.3Kb(F
)だけ離す。増幅後、このPCR産物を分離ゲル上を泳動させる。
【0089】 終了時(3週間)に、未処理(偽処理)の疾患動物は、すべてではないがせい
ぜいプライマー塩基対のフラグメント(200bp(F−R)、400bp
(F−R)、800bp(F−R)、1.3Kb(F−R)、1.
8Kb(F−R)、および2.3Kb(F−R))(増幅された高い完
全性の核酸)に対するバンドを示すと考えられる。偽処理をほどこした正常な動
物は、増幅された高い完全性の核酸を(存在したとしても)ほとんど示さないと
考えられる。したがって、400bp(F−R)、800bp(F−R )、1.3Kb(F−R)、1.8Kb(F−R)、および2.3Kb
(F−R)のフラグメントに対応するバンドは、未処理の正常な動物中には
実質的に存在しないと考えられる。さらに特に、200bp(F−R)に関
して、非常に明るいバンドが存在するかまたはまったくバンドが存在しないこと
が考えられる。類似のパターンが、候補薬物処理された正常な動物についても考
えられる。
【0090】 今回の場合、種々の塩基対により増幅されたフラグメントを示すバンドのパタ
ーンは、高い完全性の核酸のマーカー(つまり、候補薬物活性)として用いられ
る。候補薬物が活性を有する場合、処理された疾患動物サンプル由来の増幅され
た高い完全性の核酸のプロフィールは、未処理の疾患動物サンプルのプロフィー
ルと異なる。さらに特に、候補薬物が活性を有する場合、未処理の疾患動物サン
プルと比較して、処理された疾患動物サンプルにおいて、より少ないバンドおよ
び/またはより明るいバンドが見られる。候補薬物の活性が強いほど、観察され
るバンドが少なく、そして/または観察されるバンドが明るい。最も強力な活性
の候補薬物は、正常の動物サンプルのパターンと類似のバンドパターンを生成す
ると考えられる。さらに、本実験の時間経過の間、本タイムコースに従い疾患動
物から採取されたサンプルは、候補薬物が活性である場合、観察されるバンドの
数よび/または強度において変化を示す。仮定的に予想される結果を以下の表7
に示す。
【0091】
【表7】 見込みのある候補薬物は、さらに研究され得る。例えば、種々の濃度の特定の
候補薬物を用いて疾患動物を処理し、そして上記のように処理された疾患動物サ
ンプルと未処理の疾患動物サンプル、および処理された疾患動物サンプルと正常
な動物サンプルを比較することにより、同じ実験を実施し得る。用量反応性につ
いての曲線を作成し、候補薬物活性に対する候補薬物用量の効果を示し得る。
【0092】 (実施例5) 本実施例では、増幅可能な高い完全性の核酸の存在または非存在をマーカーと
して用いてアポトーシス活性またはプログラムされた細胞死を誘導する化合物を
スクリーニングするために、本発明の方法をどのよう用い得るかを示す。実質的
に、これらの実験は、実施例4と同じ方法で実施される。そしてアポトーシス活
性またはプログラムされた細胞死の誘導が起こった場合、実施例4でのものと類
似の最終点を試験し決定した。この化合物がアポトーシス活性および/またはプ
ログラムされた細胞死を誘導する場合、処理された疾患動物(または正常な動物
)から得たサンプル中の増幅された高い完全性の核酸のプロフィールは、未処理
の疾患動物(または正常な動物)サンプルのプロフィールと異なる。この化合物
がアポトーシス活性および/またはプログラムされた細胞死を誘導する場合、未
処理の疾患動物(または正常な動物)サンプルと比較して、処理された疾患動物
(または正常な動物)由来のサンプル中でより少ないバンドおよび/またはより
明るいバンドが観察される。アポトーシス活性および/またはプログラムされた
細胞死の誘導が大きければ、観察されるバンドが少なくなり、そして/または観
察されるバンドが明るくなる。
【0093】 (実施例6) 本実施例では、増幅可能な高い完全性の核酸の存在または非存在を活性につい
てのマーカーとして用いて、疾患を有する動物(非ヒト)モデル(「疾患動物」
)から採取された試料における活性について候補薬物をスクリーニングするため
に、本発明の方法をどのように用い得るかを示す。このような実験により、薬物
開発の手がかりおよび/またはインビボで活性を有する可能性がある化合物の予
測ならびに/もしくはインビボで疾患の症状を緩和する可能性がある化合物の予
測が提供され得る。
【0094】 疾患の動物モデルは試験被験体として用いられ、そして正常な動物はコントロ
ールとして用いられる。このアッセイは、試験される候補薬物それぞれについて
3連で実施されるので、3体の疾患動物それぞれから得られた組織試料を回収し
、そしてそれぞれの試料は候補薬剤で処理される。コントロールとして、疾患動
物由来の組織試料を、候補薬剤を懸濁するためのキャリアのような偽処理を用い
て処理し;正常な動物由来の組織試料をこの偽処理を用いて処理し;そして正常
な動物由来の組織試料を候補薬剤を用いて処理する。
【0095】 この組織試料を培養し、そして大量瞬時投与量の処理をほどこし、そして8時
間インキュベートする。8時間のインキュベーション期間に、上記のようにサン
プルを培養試料から採取し、このサンプルを調製し、そしてこのサンプルを核酸
の完全性について分析する。サンプルを処理時前、処理2時間後、処理4時間後
、処理6時間後、および処理8時間後に採取する。分析を上記のように行う。簡
単には、DNAをこれらのサンプルから抽出する。PCRを用いて、疾患に関連
すると疑われる遺伝子座付近の抽出されたDNAを増幅する。1つの正方向プラ
イマーを6つの逆方向プライマーとともに用いる。正方向プライマーを逆方向プ
ライマーからそれぞれ200bp(F−R)、400bp(F−R)、
800bp(F−R)、1.3Kb(F−R)、1.8Kb(F−R )、および2.3Kb(F−R)離す。増幅後、PCR産物を分離ゲル上
で泳動させる。
【0096】 最終点(8時間)において、疾患動物由来の未処理(偽処理)組織試料から得
られたサンプルは、すべてではないがせいぜいプライマー塩基対のフラグメント
(200bp(F−R)、400bp(F−R)、800bp(F
)、1.3Kb(F−R)、1.8Kb(F−R)、および2.3
Kb(F−R))(増幅された高い完全性の核酸)に対するバンドを示すと
考えられる。正常な動物から得られた、偽処理をほどこした組織試料由来のサン
プルは、増幅された高い完全性の核酸を(存在したとしても)ほとんど示さない
と考えられる。したがって、400bp(F−R)、800bp(F−R )、1.3Kb(F−R)、1.8Kb(F−R)、および2.3K
b(F−R)のフラグメントに対応するバンドは、正常な動物から採取され
た未処理の組織試料由来のサンプル中には実質的に存在しないと考えられる。さ
らに特に、200bp(F−R)に関して、非常に明るいバンドが存在する
かまたはまったくバンドが存在しないことが考えられる。そしてこれ以外のバン
ド(特に、より長いフラグメントに対応するバンド)は存在しないと考えられる
。類似のパターンが、正常な動物ゆらいの、候補薬物処理された組織試料から得
られたサンプルについても考えられる。
【0097】 今回の場合、種々の塩基対により増幅されたフラグメントを示すバンドのパタ
ーンは、高い完全性の核酸のマーカー(つまり、候補薬物活性)として用いられ
る。候補薬物が活性を有する場合、処理された疾患動物の組織試料から採取され
たサンプル由来の増幅された高い完全性の核酸のプロフィールは、疾患動物から
得られた未処理の組織試料由来のサンプルのプロフィールと異なる。さらに特に
、候補薬物が活性を有する場合、疾患動物から得られた未処理の組織試料由来の
サンプルと比較して、疾患動物から得られた処理された組織試料由来のサンプル
において、より少ないバンドおよび/またはより明るいバンドが見られる。候補
薬物の活性が強いほど、観察されるバンドが少なく、そして/または観察される
バンドが明るい。最も強力な活性の候補薬物は、正常な動物から採取された組織
試料由来のサンプルのパターンと類似のバンドパターンを生成すると考えられる
。さらに、本実験の時間経過の間、本タイムコースに従い処理された疾患動物の
組織試料から採取されたサンプルは、候補薬物が活性である場合、観察されるバ
ンドの数よび/または強度において変化を示す。予想される結果を以下の表8に
示す。
【0098】
【表8】 見込みのある候補薬物は、さらに研究され得る。例えば、種々の濃度の特定の
候補薬物を用いて疾患動物から得られた組織試料を処理し、そして上記のように
処理されたこれらの組織試料から得られたサンプル中の増幅されたフラグメント
のパターンと、未処理の疾患動物由来の組織試料から得られたサンプルから獲得
されたパターンおよび正常な動物のパターンを比較することにより、同じ実験を
実施し得る。用量反応性についての曲線を作成し、候補薬物活性に対する候補薬
物用量の効果を示し得る。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、合計30の患者およびコントロール由来の糞便中のDNAの増幅の
結果のゲル写真である。バンド強度は、サンプル中の増幅可能なDNAの量に関
する。レーンNは、ネガティブコントロールであり、レーン1、3、11および
18は、癌または腺腫からの存在を示す患者からの結果であり、レーン2、4、
5〜10、12〜17および19〜30は、癌または腺腫の非存在を示す患者か
らの結果である。得られた結果は、マーカーまたは標準である。
【図1B】 図1Bは、合計30の患者およびコントロール由来の糞便中のDNAの増幅の
結果のゲル写真である。バンド強度は、サンプル中の増幅可能なDNAの量に関
する。レーンNは、ネガティブコントロールであり、レーン1、3、11および
18は、癌または腺腫からの存在を示す患者からの結果であり、レーン2、4、
5〜10、12〜17および19〜30は、癌または腺腫の非存在を示す患者か
らの結果である。得られた結果は、マーカーまたは標準である。
【図2】 図2は、本発明の方法における増幅のためのプライマーの配置の略図を示す。
この方法において、単一の順方向プライマーFは、一連の逆方向プライマーR 〜Rと組み合わせて使用され、これらは、標的のより長い部分を次第に増幅
するために選択される。
【図3】 図3は、本発明の方法における増幅のためのプライマーの配置の略図を示す。
この方法において、一連の順方向プライマーおよび逆方向プライマーの対、(F 、R)〜(F、R)は、標的の部分を増幅するために選択されて、標的
に沿ってとびとびに配置される。
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月3日(2002.12.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項19】 薬物活性をスクリーニングするための方法であって、該方
法は、以下の工程: (a)疾患を有する被験体由来のサンプルにおいて、完全性の高い核酸の基線
レベルを決定する工程; (b)該サンプルを薬物候補で処理する工程;および (c)該サンプルにおいて、完全性の高い核酸が減少されているか否かを決定
する工程、 を包含する、方法。
【請求項20】 前記処理する工程が、エキソビボで行われる、請求項19 に記載の方法。
【請求項21】 前記被験体が、疾患の動物モデルを含む、請求項19に記
載の方法。
【請求項22】 前記サンプルが、少なくとも150mMのEDTAを含む
緩衝液中に含まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】 薬物活性をスクリーニングするための方法であって、該方
法は、以下の工程: (a)疾患の動物モデル由来のサンプルにおいて、完全性の高い核酸の基線レ
ベルを決定する工程; (b)該動物モデルを薬物候補で処置する工程;および (c)該動物モデルから得られた第2のサンプルにおいて、該完全性の高い核
酸が減少されているか否かを決定する工程、 を包含する、方法。
【請求項24】 前記サンプルが、少なくとも150mMのEDTAを含む
緩衝液中に含まれる、請求項23に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/566 33/531 C12N 15/00 ZNAA 33/566 A Fターム(参考) 2G045 AA29 AA40 BB51 CA26 CB03 CB04 CB07 CB08 CB17 DA12 DA13 DA14 FB02 4B024 AA11 CA01 CA09 HA12 4B063 QA01 QA18 QQ03 QQ20 QQ42 QR32 QR38 QR55 QR82 QS25 QS34 QS39 QX01

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物活性をスクリーニングするための方法であって、該方法
    は、以下の工程: (a)疾患を有する患者から得られた第1のサンプルにおいて、完全性の高い
    核酸の基線レベルを決定する工程; (b)該患者を薬物候補で処置する工程;および (c)該患者から得られた第2のサンプルにおいて、該完全性の高い核酸が減
    少されているか否かを決定する工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記完全性の高い核酸が約200bpより多くを含む、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記決定する工程が、前記サンプルにおける完全性の高い核
    酸の存在を決定するために、標的核酸を増幅することを包含する、請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 前記標的核酸が、1つの順方向プライマーおよび少なくとも
    2つの逆方向プライマーで増幅される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記標的核酸が、少なくとも2対の順方向プライマーおよび
    逆方向プライマーで増幅される、請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記決定する工程が、前記完全性の高い核酸を捕捉すること
    を包含する、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記完全性の高い核酸が、支持体ベースの相補核酸プローブ
    上で捕捉される、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の方法であって、ポジティブスクリーンが、
    前記第1のサンプルにおける完全性の高い核酸の量に比較して、前記第2のサン
    プルにおける完全性の高い核酸のより少ない量の存在によって決定される、方法
  9. 【請求項9】 前記サンプルが、糞便、痰、膿、血清、血漿、尿、唾液、初
    乳、胆汁および膵液からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ポジティブスクリーンが、前記薬物候補の活性を示す、請
    求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ポジティブスクリーンが、プログラムされた細胞死の誘導
    を示す、請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ポジティブスクリーンが、アポトーシス活性の誘導を示す
    、請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記薬物候補が核酸を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記薬物候補がペプチドを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記薬物候補が化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記薬物候補が、抗癌剤のための候補を含む、請求項1に
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の方法であって、薬物候補の活性が、該薬
    物候補による疾患症状の緩和を予測する、方法。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の方法であって、前記サンプルの少なくと
    も1つが、少なくとも150mMのEDTAを含む緩衝液中に含まれる、方法。
  19. 【請求項19】 薬物の活性をスクリーニングするためのキットであって、
    該キットが、以下: (a)標的核酸の第1のセグメントに相補的な第1のプライマー; (b)該標的核酸の第2のセグメントに相補的な第2のプライマーであって、
    ここで、該第2のセグメントは、該第1のセグメントから少なくとも約170塩
    基対離れて位置する、第2のプライマー;および (c)該標的核の第3のセグメントに相補的な第3のプライマーであって、こ
    こで、該第3のセグメントは、該第1のセグメントから少なくとも約170塩基
    対離れて位置する、第3のプライマー、 を含む、キット。
  20. 【請求項20】 少なくとも150mMのEDTAを含む緩衝液をさらに含
    む、請求項19に記載のキット。
  21. 【請求項21】 薬物活性をスクリーニングするための方法であって、該方
    法は、以下の工程: (a)疾患を有する被験体由来のサンプルにおいて、完全性の高い核酸の基線
    レベルを決定する工程; (b)該サンプルを薬物候補で処理する工程;および (c)該サンプルにおいて、完全性の高い核酸が減少されているか否かを決定
    する工程、 を包含する、方法。
  22. 【請求項22】 前記処理する工程が、エキソビボで行われる、請求項21
    に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記被験体が、疾患の動物モデルを含む、請求項21に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 前記サンプルが、少なくとも150mMのEDTAを含む
    緩衝液中に含まれる、請求項21に記載の方法。
  25. 【請求項25】 薬物活性をスクリーニングするための方法であって、該方
    法は、以下の工程: (a)疾患の動物モデル由来のサンプルにおいて、完全性の高い核酸の基線レ
    ベルを決定する工程; (b)該動物モデルを薬物候補で処置する工程;および (c)該動物モデルから得られた第2のサンプルにおいて、該完全性の高い核
    酸が減少されているか否かを決定する工程、 を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 前記サンプルが、少なくとも150mMのEDTAを含む
    緩衝液中に含まれる、請求項25に記載の方法。
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