JPWO2020225551A5 - - Google Patents

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JPWO2020225551A5
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本発明は疾患プロセスに関する。
がんの疾患プロセスの規制および原因となる側面は複雑であり、利用可能なDNAおよびタンパク質の分類方法を使用して容易に解明することはできない。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、抗体産生に関与する白血球の一種であるB細胞のがんである。これは成人の間で最も一般的なタイプの非ホジキンリンパ腫であり、米国および英国では年間10万人当たり7~8例の発症率がある。しかし、疾患プロセスの帰結についての理解は不十分である。
前立腺がんは、前立腺の細胞の異常で制御されていない成長によって引き起こされる。前立腺がんの生存率は10年ごとに改善しているが、当該疾患は依然として大部分が不治であると考えられている。米国がん協会(American Cancer Society)によると、前立腺がんのすべてのステージを合わせて、1年の相対生存率は20%であり、5年の相対生存率は7%である。
本発明者らは、前立腺がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)およびリンパ腫の染色体コンフォメーションシグネチャによって定義される患者のサブグループを特定している。
本発明によれば、集団内のサブグループを表す染色体状態を検出するためのプロセスが提供され、当該プロセスは、その染色体状態に関連する染色体相互作用がゲノムの定義された領域内に存在するか否かを判定する工程を含み;かつ
- 上記染色体相互作用は、随意に、どの染色体相互作用が集団のサブグループに対応する染色体状態に関連するかを判定する方法によって特定されており、当該方法は、染色体の異なる状態を有するサブグループ由来の核酸の第1のセットをインデックス核酸の第2のセットと接触させる工程、および相補的配列のハイブリダイズを可能にする工程を含み、核酸の第1および第2のセットにおける核酸は、染色体相互作用で一緒になった両方の染色体領域由来の配列を含むライゲートされた産物を表し、核酸の第1のセットと第2のセットとの間のハイブリダイゼーションのパターンにより、どの染色体相互作用がサブグループに特異的であるかの判定が可能になり;および
- サブグループは前立腺がんの予後に関連し、染色体相互作用は、
(i)表6に挙げられる領域または遺伝子のいずれかに存在する、および/または
(ii)表6に示される任意のプローブによって表される染色体相互作用のいずれかに対応する、および/または
(iii)(i)または(ii)を含むまたは(i)または(ii)に隣接する4,000塩基領域に存在する;
または、
- サブグループはDLBCLの予後に関連し、染色体相互作用は、
a)表5に挙げられる領域または遺伝子のいずれかに存在する、および/または
b)表5に示される任意のプローブによって表される染色体相互作用のいずれかに対応する、および/または
c)(a)または(b)を含むまたは(a)または(b)に隣接する4,000塩基領域に存在する;
または、
- サブグループはリンパ腫の予後に関連し、染色体相互作用は、
(iv)表8に挙げられる領域または遺伝子のいずれかに存在する、および/または
(v)表8に示される染色体相互作用のいずれかに対応する、および/または
(vi)(iv)または(v)を含むまたは(iv)または(v)に隣接する4,000塩基領域に存在する。
前立腺がんの研究の主成分分析(PCA)を示す。 2つのPCA予後分類子のVENN比較を示す。 DLBCLのPCA分析を示す。 DLBCLの7つのBTKマーカー(OBD RD051)に関するPCAを示す。 染色体相互作用の分類がどのように実行され得るかの例を示す。 本発明の方法で使用することができるイヌリンパ腫研究からのマーカーを示す。図6はマーカー減少を示している。38個のサンプルの70%が、トレーニングセット(28)として使用され、マーカー選択に使用された。残りの10個は試験セットとして使用された。複数のトレーニングおよび試験のセットが使用された。単変量解析、フィッシャーの直接確率検定(列DおよびEの結果)、および多変量分析ペナルティ付きロジスティックモデリング(GLMNET、列BおよびCの結果)。マーカー2~18はリンパ腫マーカーであり、19~23は対照である。リンパ腫に存在するすべてのループである上位11が分類のために選択された。 ヒト遺伝子に対するイヌマーカーを示す。表は、最も近いマッピングゲノム領域を有するヒトゲノム(Hg38)にマッピングされた上位11のイヌマーカーを示している。隣接するネットワークは、11個のマーカー(暗色)、明るい色のノードおよびNCIデータベースを使用したリンカータンパク質を使用して構築されている。 ヒト遺伝子に対するイヌマーカーを示す。前と同様であるが、ネットワークに対する経路エンリッチメントを伴う。11個のイヌマッピング遺伝子座のみがエンリッチメントに使用され、ライゲートされたモードはエンリッチメントから省略された。明るい色のノードは、KEGG CML経路に属している。 トレーニングセット1および試験セット1のXGBoost11マークモデルを示す。 トレーニングセット2および試験セット2のXGBoost11マークモデルを示す。 トレーニングセット3および試験セット3のXGBoost11マークモデルを示す。 トレーニングセット1のロジスティックPCAを示す。 トレーニングセット1および試験セット1のロジスティックPCAを示す。ロジスティックPCAモデルは、試験セット1(三角形)を予測するために使用された。より暗色の三角形は試験セット由来のリンパ腫(ラベル付き)であり、より明るい色の三角形は試験セット由来の対照である。トレーニングのリンパ腫サンプルはより暗色のものであり、対照はより明るい色のものである。 トレーニングセット1および試験セット1のROCおよびAUCを示す。 NFKB1での患者のPFS EpiSwitch(商標)の呼び出しおよびループダイナミックを示す。EpiSwitch(商標)10マーカーヒトモデルを使用するABCまたはGCBと呼び出しされた118人の患者、この呼び出しおよびループのダイナミクスを使用するPFSモデリング、ループを有するGCBは死亡せず、これは、ヒトモデルが疾患予後に好適にはたらくことを示している。 NFATC1での118人の患者のPFS EpiSwitch(商標)の呼び出しおよびループダイナミックを示す。以前と同様であるが、NFATC1に関して、再び、これは、マーカーを10のヒトマーカーの1つとして使用する予後のヒトモデルが分類に非常に良好であることを示している。 前立腺がん(PCa)の診断および予後のバイオマーカーを同定、評価、および検証するための3段階のアプローチを示す。 2つの群を含む78のサンプルに適用された5つのマーカーに対するPCAを示す。第1の群は、49個の既知のサンプル(24個のPCaおよび25個の健常対照(Cntrl))であり、24個のPCaサンプルおよび5個の健常Cntrlサンプルを含む29個のサンプルの第2の群と組み合わされる。 分類子を開発するためのワークフローを示す。 分類子に関連する遺伝子群を示す。 EpiSwitch DLBCL-CCSおよびFluidigmサブタイプ呼び出しの重なりと発見(Discovery)コホートに適用した場合のROC曲線を示す。A.既知のサブタイプのサンプルに対してEpiSwitch DLBCL-CCSおよびFluidigmのアッセイによって行われたサブタイプ呼び出し。60個のサンプルのうち60個が、両方のアッセイによって同定して呼び出しされた。B.発見コホートに適用された場合のDLBCL-CCSに対する受信者動作曲線(ROC)。C. DLBCL-CCSによってABCまたはGCBと呼び出しされたサンプルの(無増悪生存による)カプラン・マイヤー法。ABCと呼び出しされたサンプルは、GCBと呼び出しされたサンプルよりも著しく乏しい長期生存を示した。 EpiSwitchおよびFluidigmのアッセイによるタイプIIIサンプルにおけるDLBCLサブタイプの割り当てを示す。 長期生存でのEpiSwitchおよびFluidigmを使用したタイプIIIサンプルにおけるベースラインDLBCLサブタイプ呼び出しの比較を示す。ABC、GCBによって分類された、またはFluidigmアッセイ(A)もしくはEpiSwitch DLBCL-CCS(B)によって未分類の58人のDLBCL患者のカプラン・マイヤー生存曲線。Fluidigmは、15個のサンプルをABCに、22個をGCBに、および21個をUNCに分類した。EpiSwitchは、34個をABCに、および24個をGCBとして分類した。 検証(Validation)コホートにおけるEpiSwitchおよびFluidigmの分類による平均生存期間を示す。 DLBCLサブタイプの可能性のある初期評価を示す。 発見コホートにおけるEpiSwitchによるベースラインABC/GCBサブタイプ呼び出しでのDLBCL患者のPCAを示す。
発明の態様
本発明は、前立腺がんの予後の判定、特に前立腺がんが侵攻性であるか緩慢性であるかの判定に関する。この判定は、本明細書、例えば表6に開示される関連マーカーのいずれか、またはマーカーの好ましい組み合わせ、または本明細書に開示される定義された特異的な領域のマーカーを分類することによって行われる。したがって、本発明は、前立腺がんを有する患者を分類して、前立腺がんが侵攻性であるか緩慢性であるかを特定する方法に関する。
本発明はまた、DLBCLにおける予後の判定、特に予後が生存に関して良好であるか不良であるかの判定に関する。この判定は、本明細書、例えば表5に開示される関連マーカーのいずれか、またはマーカーの好ましい組み合わせ、または本明細書に開示される定義された特異的な領域のマーカーを分類することによって行われる。したがって、本発明は、DLBCLを有する患者を分類して、患者が生存に関して良好または不良の予後を有するかどうかを特定する、例えば、疾患の予想される発症率および/または死亡までの時間を判定する方法に関する。
本質的に、本発明の方法において、前立腺がんまたはDLBCLの亜集団はマーカーの分類によって特定される。したがって、本発明は、例えば、これらの疾病における予後に関連するエピジェネティックマーカーのパネルに関する。本発明は、それゆえ、患者のニーズを正確に反映する個別化された治療を患者に施すことを可能にする。
本発明はまた、表8または9によって定義される染色体相互作用の分類に基づくリンパ腫の予後の判定に関する。
表5~7は、好ましくは、ヒトの予後の判定に関する。表8および9は、好ましくは、イヌの予後の判定に関する。
本明細書で言及される任意の治療薬、例えば薬物が、当該方法の結果に基づいて個体に投与され得る。
表および図面にはマーカーセットが開示されている。一実施形態では、任意の開示されたマーカーセットからの少なくとも10のマーカーが本発明で使用される。別の実施形態では、任意の開示されたマーカーセットからのマーカーの少なくとも20%が本発明で使用される。
発明のプロセス
本発明のプロセスは、予後に関連する染色体相互作用を検出するための分類システムを含む。この分類は、染色体相互作用で一緒になった染色体の架橋領域に基づく本明細書で言及されるEpiSwitch(商標)システムを使用して実施され得、染色体DNAを切断し、その後、架橋実体に存在する核酸をライゲートして、染色体相互作用を形成した両方の領域から配列を有するライゲートされた核酸を誘導する。このライゲートされた核酸の検出は、特定の染色体相互作用の有無の判定を可能にする。
染色体相互作用は、第1および第2の核酸の集団が使用される上記の方法を使用して同定され得る。これらの核酸は、EpiSwitch(商標)の技術を使用して生成することもできる。
本発明に関連するエピジェネティックな相互作用
本明細書で使用されるように、「エピジェネティック」および「染色体」相互作用という用語は、典型的に、染色体の遠位領域間の相互作用を指し、上記相互作用は動的であり、染色体の領域の状態に応じて変化、形成または破壊する。
本発明の特定のプロセスでは、染色体相互作用は、典型的に、最初に相互作用の一部である染色体の両方の領域からの配列を含むライゲートされた核酸を生成することによって検出される。そのようなプロセスでは、領域は、任意の適切な手段によって架橋することができる。好ましい態様では、相互作用は、ホルムアルデヒドを使用して架橋されるが、任意のアルデヒド、またはD-ビオチノイル-e-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはジゴキシゲニン-3-O-メチルカルボニル-e-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルによっても架橋され得る。パラホルムアルデヒドは、4オングストローム離れたDNA鎖を架橋することができる。好ましくは、染色体相互作用は同じ染色体上にあり、随意に2~10オングストローム離れている。
染色体相互作用は、例えば、生理学的状態の変化に応答して転写または抑圧されている場合、染色体の領域の状態を反映し得る。本明細書で定義されるサブグループに特異的な染色体相互作用は安定していることがわかっており、したがって、2つのサブグループ間の差を測定する信頼性の高い手段が提供される。
さらに、特性(予後など)に特異的な染色体相互作用は、通常、例えば、メチル化やヒストンタンパク質の結合の変化などの他のエピジェネティックマーカーと比較して、生物学的プロセスの初期に発生する。したがって、本発明のプロセスは、生物学的プロセスの初期段階を検出することができる。これにより、早期介入(例えば治療)が可能になり、これは結果としてより効果的になり得る。染色体相互作用はまた、個体の現在の状態を反映しているため、予後の変化を評価するために使用することができる。さらに、同じサブグループ内の個体間には関連する染色体相互作用にほとんど変化がない。染色体相互作用の検出は、遺伝子ごとに最大50の異なる考えられ得る相互作用で非常に有益であるため、本発明のプロセスでは、500,000の異なる相互作用を照合することができる。
好ましいマーカーセット
本明細書において、「マーカー」または「バイオマーカー」という用語は、本発明において検出(分類)することができる特異的な染色体相互作用を指す。特異的なマーカーが本明細書に開示されており、それらはいずれも本発明で使用され得る。マーカーのさらなるセットが、例えば、本明細書に開示される組み合わせまたは数で使用され得る。本明細書の表に開示されている特異的なマーカーが好ましいだけでなく、本明細書の表に言及されている遺伝子および領域に存在するマーカーも好ましい。これらは、任意の適切な方法、例えば、qPCR法を含む、本明細書に開示されるPCRまたはプローブベースの方法によって分類され得る。マーカーは、本明細書では、位置によって、またはプローブおよび/またはプライマー配列によって定義される。
エピジェネティックな相互作用の位置および原因
エピジェネティックな染色体相互作用は重複し、関連する遺伝子または記述されていない遺伝子をコードすることが示されている染色体の領域を含み得るが、等しく遺伝子間領域に存在し得る。本発明者らが、すべての領域におけるエピジェネティックな相互作用が、染色体遺伝子座の状態を判定する上で等しく重要であることを発見したことにさらに留意されたい。これらの相互作用は、必ずしも遺伝子座に位置する特定の遺伝子のコード領域に存在するとは限らず、遺伝子間領域に存在し得る。
本発明で検出される染色体相互作用は、環境要因、DNAメチル化、非コードアンチセンスRNA転写物、非変異原性発癌物質、ヒストン修飾、クロマチンリモデリング、および特異的な局所DNA相互作用による、基礎となるDNA配列に対する変化によって引き起こされ得る。染色体相互作用につながる変化は、基礎となる核酸配列に対する変化によって引き起こされ得、それら自体は遺伝子産物または遺伝子発現のモードに直接影響しない。そのような変化は、例えば、遺伝子内および/または遺伝子外のSNP、遺伝子融合および/または遺伝子間DNA、マイクロRNA、および非コードRNAの欠失であり得る。例えば、SNPのおよそ20%が非コード領域に存在することが知られているため、記載されるプロセスは非コード状況でも有益である。一態様では、相互作用を形成するために一緒になる染色体の領域は、同じ染色体上で5kb、3kb、1kb、500塩基対または200塩基対未満離れている。
検出される染色体相互作用は、好ましくは、表5に言及されている遺伝子のいずれか内に存在する。しかし、それはまた、遺伝子の上流または下流、例えば、遺伝子またはコード配列から最大50,000、最大30,000、最大20,000、最大10,000、または最大5000塩基上流または下流であり得る。
検出される染色体相互作用は、好ましくは、表6に言及されている遺伝子のいずれか内に存在する。しかし、それはまた、遺伝子の上流または下流、例えば、遺伝子またはコード配列から最大50,000、最大30,000、最大20,000、最大10,000、または最大5000塩基上流または下流であり得る。
検出される染色体相互作用は、好ましくは、表9に言及されている遺伝子のいずれか内に存在する。しかし、それはまた、遺伝子の上流または下流、例えば、遺伝子またはコード配列から最大50,000、最大30,000、最大20,000、最大10,000、または最大5000塩基上流または下流であり得る。
サブグループ、時点および個別化された治療
本発明の目的は予後を判定することである。これは、1つまたは複数の定義された時点、例えば、少なくとも1、2、5、8または10の異なる時点で行われ得る。少なくとも1、2、5または8の時点間の期間は、少なくとも5、10、20、50、80または100日であり得る。
本明細書で使用されるように、「サブグループ」は、好ましくは集団サブグループ(集団内のサブグループ)、より好ましくは特定の真核生物などの特定の動物の集団内のサブグループ、または哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト、非ヒト霊長類、またはげっ歯類、例えばマウスまたはラット)を指す。最も好ましくは、「サブグループ」は、ヒト集団内のサブグループを指す。サブグループは、犬などのイヌのサブグループであり得る。
本発明は、集団内の特定のサブグループを検出および処置することを含む。本発明者らは、染色体相互作用が、所与の集団内のサブセット(例えば、少なくとも2つのサブセット)間で異なることを発見した。これらの違いを識別することで、医師は、プロセスで記載されているように、患者を集団の1つのサブセットの一部として分類することができる。したがって、本発明は、エピジェネティックな染色体相互作用に基づいて患者用に薬剤を個人化するプロセスを医師に提供する。
一態様では、本発明は、個体が、
速いまたは遅い「発症者」である、および/または
侵攻性または緩慢性の疾患を患っている、
かどうかを試験することに関する。
本発明はまた、個体の予想される生存時間を判定し得る。
そのような試験は、その後の患者の治療方法、例えば、薬物の種類および/またはその用量および/またはその投与頻度を選択するために使用され得る。
ライゲートされた核酸の生成
本発明の特定の態様は、ライゲートされた核酸、特にライゲートされたDNAを利用する。これらは、染色体相互作用で一緒になる領域の両方からの配列を含み、したがって相互作用に関する情報を提供する。本明細書に記載されるEpiSwitch(商標)法は、染色体相互作用を検出するためにそのようなライゲートされた核酸の生成を使用する。
したがって、本発明のプロセスは、以下の工程(これらの工程を含む方法を含む)によってライゲートされた核酸(例えばDNA)を生成する工程を含み得る:
(i)好ましくはインビトロで、染色体遺伝子座に存在するエピジェネティックな染色体相互作用を架橋する工程;
(ii)随意に、架橋されたDNAを上記染色体遺伝子座から単離する工程;
(iii)上記架橋されたDNAを、例えば、少なくとも1回切断する酵素(特に、上記染色体遺伝子座内で少なくとも1回切断する酵素)を用いる制限分解によって切断にさらす工程;
(iv)(特にDNAループを形成するために)上記架橋された切断したDNA末端をライゲートする工程;および
(v)随意に、特異的な染色体相互作用の存在を同定するために、特にPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)などの技術を使用して、上記ライゲートされたDNAおよび/または上記DNAループの存在を同定する工程。
これらの工程は、本明細書に言及される任意の態様に関する染色体相互作用を検出するために実行され得る。これらの工程はまた、本明細書に言及される第1および/または核酸の第2のセットを生成するために実行され得る。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、ライゲートされた核酸を検出または識別するために使用され得、例えば、生成されるPCR産物のサイズが、存在する特異的な染色体相互作用を示唆し得るため、遺伝子座の状態を同定するために使用され得る。好ましい態様では、表5に示される少なくとも1つ、2つ、または3つのプライマーまたはプライマー対が、PCR反応において使用される。他の態様では、少なくとも1、10、20、30、50もしくは80のプライマーまたはプライマー対、または表6に示されるプライマーまたはプライマー対が、PCR反応において使用される。当業者は、対象の染色体遺伝子座内のDNAを切断するために使用することができる多数の制限酵素を認識する。使用される特定の酵素が、研究される遺伝子座およびそこに位置するDNAの配列に依存することは明らかであろう。本発明に記載されるようにDNAを切断するために使用することができる制限酵素の非限定的な例は、TaqIである。
EpiSwitch(商標)の技術
EpiSwitch(商標)の技術はまた、表現型に特異的なエピジェネティックな染色体コンフォメーションシグネチャの検出におけるマイクロアレイEpiSwitch(商標)マーカーデータの使用に関する。本明細書に記載される方法でライゲートされた核酸を利用するEpiSwitch(商標)などの態様には、いくつかの利点がある。それらは、例えば、本発明の核酸の第1のセットからの核酸配列が核酸の第2のセットとハイブリダイズするかまたはハイブリダイズしないために、低レベルの確率的ノイズを有する。これにより、エピジェネティックレベルで複雑なメカニズムを測定する比較的簡単な方法を可能にするバイナリ結果が提供される。EpiSwitch(商標)の技術はまた、処理時間が速く、コストも低い。一態様では、処理時間は3時間から6時間である。
サンプルおよびサンプル処理
本発明のプロセスは、通常、サンプル上で実行される。サンプルは、定義された時点で、例えば、本明細書で定義された任意の時点で取得され得る。サンプルは、通常、個体からのDNAを含む。それは、通常、細胞を含む。一態様では、サンプルは、低侵襲的手段によって得られ、例えば、血液サンプルであり得る。DNAが抽出され、標準的な制限酵素で切断され得る。これにより、どの染色体コンフォメーションが保持され、EpiSwitch(商標)プラットフォームで検出されるかを予め判定することができる。水平伝播を含む、組織と血液との間の染色体相互作用の同期により、血液サンプルを使用して、疾患に関連する組織などの組織内の染色体相互作用を検出することができる。癌などの特定の疾病に関して、突然変異による遺伝的ノイズが関連組織における染色体相互作用の「シグナル」に影響を与えかねないため、血液を使用することに利点がある。
本発明の核酸の性質
本発明は、本発明のプロセスで使用または生成されるものとして本明細書に記載されているライゲートされた核酸などの特定の核酸に関する。これらは、本明細書に言及される第1および第2の核酸と同じであり得るか、またはそれらの特性のいずれかを有し得る。本発明の核酸は、典型的に、2つの部分を含み、その各々は、染色体相互作用で一緒になる染色体の2つの領域のうちの1つからの配列を含む。典型的に、各部分は、少なくとも8、10、15、20、30または40ヌクレオチドの長さ、例えば10~40ヌクレオチドの長さである。好ましい核酸は、表のいずれかに言及される遺伝子のいずれかからの配列を含む。典型的に、好ましい核酸は、表5に言及される特異的なプローブ配列を含むか、またはそのような配列の断片および/または相同体を含む。典型的に、好ましい核酸は、表6に言及される特異的なプローブ配列を含み得るか、またはそのような配列の断片および/または相同体を含み得る。
好ましくは、核酸はDNAである。特異的な配列が提供される場合、本発明が、特定の態様で必要とされるように相補的配列を使用し得ることが理解される。好ましくは、核酸はDNAである。特異的な配列が提供される場合、本発明が、特定の態様で必要とされるように相補的配列を使用し得ることが理解される。
表5に示されるプライマーはまた、本明細書に記載されるように本発明において使用され得る。一態様では、表5に示される配列、または表5に示される任意の配列の断片および/または相同体のいずれかを含むプライマーが使用される。表6に示されるプライマーはまた、本明細書に言及されるように本発明において使用され得る。一態様では、表6に示される配列、または表6に示される任意の配列の断片および/または相同体のいずれかを含むプライマーが使用される。表8に示されるプライマーはまた、本明細書に記載されるように本発明において使用され得る。一態様では、表8に示される配列、または表8に示される任意の配列の断片および/または相同体のいずれかを含むプライマーが使用される。
核酸の第2のセット-「インデックス」配列
核酸配列の第2のセットは、インデックス配列のセットであるという機能を有し、本質的に、サブグループの特異的配列を同定するのに適した核酸配列のセットである。それらは「バックグラウンド」染色体相互作用を表すことができ、何らかの方法で選択され得るか、または選択され得ない。それらは概して、考えられるすべての染色体相互作用のサブセットである。
核酸の第2のセットは、任意の適切なプロセスによって導き出され得る。それらは、計算によって導き出すことができるか、または個体の染色体相互作用に基づき得る。それらは典型的に、核酸の第1のセットよりも大きな集団群を表す。1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、特異的なセットの遺伝子における考えられるすべてのエピジェネティックな染色体相互作用を表す。別の特定の態様では、核酸の第2のセットは、本明細書に記載される集団に存在する考えられるすべてのエピジェネティックな染色体相互作用の大部分を表す。1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、少なくとも20、50、100または500の遺伝子、例えば20~100または50~500の遺伝子におけるエピジェネティックな染色体相互作用の少なくとも50%または少なくとも80%を表す。
核酸の第2のセットは、典型的に、集団における表現型を変更、調節、または何らかの方法で媒介する、少なくとも100の考えられるエピジェネティックな染色体相互作用を表す。核酸の第2のセットは、種における病状(典型的に診断または予後に関連する)に影響を与える染色体相互作用を表し得る。核酸の第2のセットは、典型的に、予後のサブグループに関連するおよび関連しないという両方のエピジェネティックな相互作用を表す配列を含む。
1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、少なくとも部分的に集団における自然起源の配列に由来し、典型的に、インシリコのプロセスによって得られる。上記核酸は、自然起源の核酸に存在する核酸の対応する部分と比較して、単一または複数の突然変異をさらに含み得る。突然変異には、1つまたは複数のヌクレオチド塩基対の欠失、置換、および/または付加が含まれる。1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、自然起源の種に存在する核酸の対応する部分に対して少なくとも70%の配列同一性を有する相同体および/またはオルソログを表す配列を含み得る。別の特定の態様では、自然起源の種に存在する核酸の対応する部分に対する少なくとも80%の配列同一性または少なくとも90%の配列同一性が提供される。
核酸の第2のセットの特性
1つの特定の態様では、核酸の第2のセットには少なくとも100の異なる核酸配列、好ましくは少なくとも1000、2000または5000の異なる核酸配列があり、最大で100,000、1,000,000または10,000,000の異なる核酸配列がある。典型的な数は、1,000~100,000の異なる核酸配列など、100~1,000,000である。これらのすべてまたは少なくとも90%または少なくとも50%は異なる染色体相互作用に対応する。
1つの特定の態様では、核酸の第2のセットは、少なくとも20の異なる遺伝子座または遺伝子、好ましくは少なくとも40の異なる遺伝子座または遺伝子、より好ましくは、100~10,000の異なる遺伝子座または遺伝子など、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1000または少なくとも5000の異なる遺伝子座または遺伝子における染色体相互作用を表す。第2のセットの核酸の長さは、サブグループに特異的な染色体相互作用の同定を可能にするために、ワトソン・クリック塩基対に従って第1のセットの核酸に特異的にハイブリダイズするのに適している。典型的には、核酸の第2のセットは、染色体相互作用で一緒になる2つの染色体領域に配列で対応する2つの部分を含む。核酸の第2のセットは、典型的に、少なくとも10塩基(ヌクレオチド)長、好ましくは20塩基長、好ましくはまた30塩基長である核酸配列を含む。別の態様では、核酸配列は、長さにおいて最大で500塩基対、好ましくは最大で100塩基対、好ましくはまた最大で50塩基対であり得る。好ましい態様では、核酸の第2のセットは、17塩基対~25塩基対の間の核酸配列を含む。一態様では、核酸配列の第2のセットの少なくとも100%、80%または50%が、上記のような長さを有する。好ましくは、異なる核酸は、重複する配列を有さず、例えば、核酸の少なくとも100%、90%、80%、または50%は、少なくとも5つの連続するヌクレオチドにわたって同じ配列を有さない。
核酸の第2のセットが「インデックス」として作用することを考慮すると、第2の核酸の同一のセットが、種々の特性に対するサブグループを表す第1の核酸の種々のセットと共に使用され得る、すなわち、核酸の第2のセットは、種々の特性に関連する染色体相互作用を同定するために使用することができる核酸の「普遍的」集合を表し得る。
核酸の第1のセット
核酸の第1のセットは、典型的に、予後に関連するサブグループからのものである。第1の核酸は、本明細書に言及される核酸の第2のセットの特徴および特性のいずれかを有し得る。核酸の第1のセットは、通常、本明細書に記載される処置および処理、特にEpiSwitch(商標)の架橋および切断工程を受けた個体からのサンプルに由来する。典型的に、核酸の第1のセットは、個体から採取されたサンプルに存在する染色体相互作用のすべてまたは少なくとも80%または50%を表す。
典型的に、核酸の第1のセットは、核酸の第2のセットによって表される染色体相互作用と比較して、核酸の第2のセットによって表される遺伝子座または遺伝子にわたる染色体相互作用のより小さな集団を表す、すなわち、核酸の第2のセットは、定義されたセットの遺伝子座または遺伝子における相互作用のバックグラウンドまたはインデックスのセットを表している。
核酸のライブラリ
本明細書に言及される核酸集団のタイプはいずれも、「第1」または「第2」の核酸などの、そのタイプの少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも5000、または少なくとも10000の異なる核酸を含むライブラリの形態で存在し得る。このようなライブラリは、アレイに結合されている形態であり得る。ライブラリは、表5または6に示されるプローブまたはプライマー対のいくつかまたはすべてを含み得る。ライブラリは、本明細書に開示される表のいずれかからのプローブ配列のすべてを含み得る。
ハイブリダイゼーション
本発明は、核酸の第1のセットおよび核酸の第2のセットからの完全にまたは部分的に相補的な核酸配列がハイブリダイズすることを可能にするための手段を必要とする。一態様では、核酸の第1のセットのすべてが、単一のアッセイにおいて、すなわち単一のハイブリダイゼーション工程において、核酸の第2のセットのすべてと接触させられる。しかし、任意の適切なアッセイを使用することができる。
標識核酸およびハイブリダイゼーションのパターン
本明細書に言及される核酸は、好ましくは、成功したハイブリダイゼーションの検出を支援するフルオロフォア(蛍光分子)または放射性標識などの独立した標識を使用して標識化され得る。特定の標識はUV光の下で検出することができる。ハイブリダイゼーションのパターンは、例えば本明細書に記載されるアレイ上で、2つのサブグループ間のエピジェネティックな染色体相互作用の差を表し、したがって、エピジェネティックな染色体相互作用を比較するプロセスおよびどのエピジェネティックな染色体相互作用が本発明の集団におけるサブグループに特異的であるかの判定を提供する。
「ハイブリダイゼーションのパターン」という用語は、核酸の第1のセットと核酸の第2のセットとの間のハイブリダイゼーションの有無、すなわち、第1のセットからのどの特異的な核酸が第2のセットからのどの特異的な核酸とハイブリダイズするかを広くカバーし、そのため、任意の特定のアッセイもしくは技術、または「パターン」を検出することができる表面もしくはアレイを有する必要性に限定されない。
特定の特徴を有するサブグループの選択
本発明は、個体の予後に関連する特徴の有無を判定するために、染色体相互作用、典型的には5~20または5~500のそのような相互作用、好ましくは20~300または50~100の相互作用の有無を検出する工程を含むプロセスを提供する。好ましくは、染色体相互作用は、本明細書に言及される遺伝子のいずれかにおけるものである。一態様では、分類されている染色体相互作用は、表5の核酸によって表されるものである。別の態様では、染色体相互作用は表6に表されるものである。さらなる態様では、分類されている染色体相互作用は、表8の核酸によって表されるものである。表における「検出されたループ」というタイトルの列は、どのサブグループが各プローブによって検出されるかを示している。検出は、そのサブグループ内の染色体相互作用の有無の検出であり得、これは「1」と「-1」で示すものである。
試験される個体
試験される個体が由来する種の例は、本明細書に言及されている。加えて、本発明のプロセスで試験される個体は、何らかの方法で選択され得る。個体は、本明細書に言及される任意の疾病に感受性であり得、および/または言及される任意の治療を必要としている可能性がある。個体は、本明細書に言及される任意の治療を受けている可能性がある。特に、個体は、前立腺がんまたはDLBCLを患っている、または患っている疑いがある。個体は、リンパ腫を患っているか、患っている疑いがある。
前立腺がんに対する好ましい遺伝子領域、遺伝子座、遺伝子および染色体相互作用
本発明のすべての態様に関して、好ましい遺伝子領域、遺伝子座、遺伝子、および染色体相互作用は、表、例えば表6に言及されている。典型的には、本発明のプロセスでは、染色体相互作用は、表6にリストされた関連遺伝子の少なくとも1、2、3、4または5から検出される。好ましくは、表6のプローブ配列によって表される関連する特異的な染色体相互作用の少なくとも1、2、3、4または5の存在または不在が検出される。染色体相互作用は、本明細書に言及される遺伝子のいずれかの上流または下流、例えばコード配列から、例えば50kb上流または20kb下流であり得る。
本発明のすべての態様に関して、好ましい遺伝子領域、遺伝子座、遺伝子、および染色体相互作用が表25に言及されている。典型的には、本発明のプロセスでは、染色体相互作用は、表25にリストされた関連遺伝子の少なくとも2、4、8、10、14またはすべてから検出される。好ましくは、表25に示される関連する特異的な染色体相互作用の少なくとも2、4、8、10、14またはすべての存在または不在が検出される。染色体相互作用は、本明細書に言及される遺伝子のいずれかの上流または下流、例えばコード配列から、例えば50kb上流または20kb下流であり得る。
一実施形態では、本明細書に開示され、以下の遺伝子の組み合わせによって表される(同定される)特異的なマーカーの組み合わせが分類される:ETS1、MAP3K14、SLC22A3およびCASP2。これは診断を判定するためであってもよい。好ましくは、これらのマーカーの少なくとも2つまたは3つが分類される。
別の実施形態では、以下の遺伝子の組み合わせによって表される(同定される)本明細書に開示される特異的なマーカーの組み合わせが分類される:BMP6、ERG、MSR1、MUC1、ACAT1およびDAPK1。これは予後を判定するためであってもよい(ネステッドPCRマーカーによる、高リスクカテゴリ3対低リスクカテゴリ1)。好ましくは、これらのマーカーの少なくとも2つまたは3つが分類される。
さらなる実施形態では、以下の遺伝子の組み合わせによって表される(同定される)本明細書に開示される特異的なマーカーの組み合わせが分類される:HSD3B2、VEGFC、APAF1、MUC1、ACAT1およびDAPK1。これは予後を判断するためであってもよい(高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2)。好ましくは、これらのマーカーの少なくとも2つまたは3つが分類される。
DLBCLに対する好ましい遺伝子領域、遺伝子座、遺伝子、および染色体相互作用
典型的には、少なくとも10、20、30、50または80の染色体相互作用は、本明細書の表、または本明細書に開示された表の一部に開示された遺伝子または領域のいずれかから分類される。好ましくは、少なくとも10、20、30、50または80の染色体相互作用は、表5に開示された遺伝子または領域のいずれかから分類される。
好ましくは、表7のマーカーのうちの少なくとも2、3、5、8が分類される。
好ましくは、表5のプローブ配列によって表される少なくとも10、20、30、50または80の染色体相互作用の存在または不在が検出される。染色体相互作用は、本明細書に言及される遺伝子のいずれかの上流または下流、例えばコード配列から、例えば50kb上流または20kb下流であり得る。
好ましくは、表5に示される第1の10のマーカーの少なくとも1、2、5、8またはすべてが分類される。一実施形態では、表5からの少なくとも1、2、3または6のマーカーが分類され、その各々は、STAT3、TNFRSF13B、ANXA11、MAP3K7、MEF2BおよびIFNAR1から選択される異なる遺伝子に対応している。
リンパ腫に対する好ましい遺伝子領域、遺伝子座、遺伝子および染色体相互作用
典型的には、少なくとも10、20、30または50の染色体相互作用は、本明細書の表、または本明細書に開示された表の一部に開示された遺伝子または領域のいずれかから分類される。好ましくは、少なくとも10、20、30または50の染色体相互作用は、表8に開示された遺伝子または領域のいずれかから分類される。
好ましくは、表9のマーカーのうちの少なくとも5、10または15が分類される。
染色体相互作用は、本明細書に言及される遺伝子のいずれかの上流または下流、例えばコード配列から、例えば50kb上流または20kb下流であり得る。
一実施形態では、図6に示される第1の11のマーカーのうちの少なくとも1つが分類される。別の実施形態では、表8からの少なくとも1、2、3または6のマーカーが分類され、その各々は、以下から選択される異なる遺伝子に対応している:STAT3、TNFRSF13B、ANXA11、MAP3K7、MEF2BおよびIFNAR1。
染色体相互作用の種類
一態様では、遺伝子座(染色体相互作用が検出される遺伝子および/または場所を含む)は、CTCF結合部位を含み得る。これは、転写抑制因子CTCFに結合することができる任意の配列である。その配列は、遺伝子座に1、2、または3のコピーで存在し得る配列CCCTCからなり得るか、またはそれを含み得る。CTCF結合部位配列は、配列CCGCGNGGNGGCAG(IUPAC表記)を含み得る。CTCF結合部位は、染色体相互作用の少なくとも100、500、1000または4000塩基内、または表5または6に示される染色体領域のいずれか内にあり得る。CTCF結合部位は、染色体相互作用の少なくとも100、500、1000または4000塩基内、または表5または6に示される染色体領域のいずれか内にあり得る。
一態様では、検出される染色体相互作用は、表5または6に示される遺伝子領域のいずれかに存在する。ライゲートされた核酸がそのプロセスで検出された場合、表5または6のプローブ配列のいずれかに示される配列が検出され得る。
したがって、典型的に、プローブの両方の領域からの(すなわち、染色体相互作用の両方の部位からの)配列が検出され得る。好ましい態様では、任意の表に示されるプローブと同じまたは相補的な配列を含むか、またはそれからなるプローブがそのプロセスで使用される。いくつかの態様では、表に示されるプローブ配列のいずれかに相同である配列を含むプローブが使用される。
本明細書で提供される表
表5および6は、プローブ(EpiSwitch(商標)マーカー)データおよび予後に関連する染色体相互作用を表す遺伝子データを示している。プローブ配列は、染色体相互作用で一緒になった遺伝子領域の両方の部位から生成されたライゲートされた産物を検出するために使用することができる配列を示す、すなわち、プローブは、ライゲートされた産物における配列に相補的な配列を含む。第1の2セットの開始-終了位置はプローブ位置を示し、第2の2セットの開始-終了位置は関連する4kb領域を示す。以下の情報がプローブデータの表に提供されている:
- HyperG_Stats:超幾何学的エンリッチメントのパラメータに基づいて遺伝子座内でその数の有意なEpiSwitch(商標)マーカーを見つける確率に対するp値
- 総プローブ数:遺伝子座で試験されたEpiSwitch(商標)コンフォメーションの総数
- 有意なプローブ数:遺伝子座で統計的に有意であることがわかったEpiSwitch(商標)コンフォメーションの数
- FDR HyperG:マルチ試験(Fimmunoresposivenesse Discovery Rate)で修正された超幾何学的p値
- パーセント有意性:遺伝子座で試験されたマーカーの数に対する有意なEpiSwitch(商標)マーカーのパーセンテージ
- logFC:エピジェネティック比(FC)の2を底とする対数
- AveExpr:すべてのアレイおよびチャネルにわたるプローブに対する平均log2式
- T:モデレートされたt統計
- p値:生のp値
- adj.p値:調整されたp値またはq値
- B-B統計(ロッドまたはB)は、その遺伝子が差次的に発現される対数オッズである。
- FC-非ログ倍率変化
- FC_1-ゼロを中心とした非ログ倍率変化
- LS-バイナリ値、これはFC_1値に関連する。-1.1未満のFC_1値、これは-1に設定され、FC_1値が1.1を超える場合は、これは1に設定される。これらの値の間の値は0である。
表5および6は、関連する染色体相互作用が発生することがわかっている遺伝子を示している。遺伝子座の表におけるp値はHyperG Statsと同じである(超幾何学的エンリッチメントのパラメータに基づいて遺伝子座内でその数の有意なEpiSwitch(商標)を見つける確率に対するp値)。LS列は、その特定のサブグループとの関連する相互作用の有無(予後状態)を示している。
表5に関して、DLBCLは1で示される予後マーカーを指し、健常(healthy)は-1で示される健常対照を指す。
プローブは、Taq1部位から30bp離れるように設計されている。PCRの場合、PCRプライマーは典型的に、ライゲートされた産物を検出するように設計されているが、Taq1部位からの位置は様々である。
プローブ位置:
Start1-フラグメント1上のTaql部位の上流の30の塩基
End1-フラグメント1上のTaql制限部位
Start2-フラグメント2上のTaql制限部位
End2-フラグメント2上のTaql部位の下流の30塩基
4kb配列位置:
Start1-フラグメント1上のTaql部位の上流の4000塩基
End1-フラグメント1上のTaql制限部位
Start2-フラグメント2上のTaql制限部位
End2-フラグメント2上のTaql部位の下流の4000塩基
ラッソまたは弾性ネット正則化全体を適合させる手順に関連するGLMNET値(ラムダを0.5(弾性ネット)に設定)。
本明細書の表では、前立腺がんの侵攻性のサブグループは、以下の説明を伴うクラス3の患者を指す:
- PSAレベルが20ng/mlを超える、
- グリーソンスコアが8から10の間である、および
- TステージがT2c、T3またはT4である。
本明細書の表では、前立腺がんの緩慢性のサブグループは、以下の説明を伴うクラス1の患者を指す:
- PSAレベルが1mlあたり10ng未満である、
- グリーソンスコアが6以下である、および
- TステージがT1からT2aの間である。
表7は、DLBCLに対する好ましいマーカーを示している。表8および9は、リンパ腫に対する好ましいマーカーを示している。
表5~7は、ヒトの分類に好ましい。表8および9は、イヌ、例えば犬の分類に好ましい。
マーカーおよびマーカーのパネルを同定するために採用されるアプローチ
本明細書に記載される本発明は、表現型に密接にリンクした、染色体コンフォメーションプロファイルおよびそれ自体の調節モダリティとしての3Dアーキテクチャに関する。バイオマーカーの発見は、表現型の違いを表す臨床サンプルの代表的なコホートでのパターン認識とスクリーニングによるアノテーションに基づいていた。コード部分および非コード部分にわたって、および、例えば、オープンリーディングフレーム内(イントロン)またはオープンリーディングフレーム外の非コード部位に係留する、統計的に播種する一貫した条件付きの播種する染色体コンフォメーションの同定のための既知の遺伝子の非コード5’’および3’’の大きな揺れにわたって、ゲノムの有意な部分をアノテートし、スクリーニングした。
最良のマーカーの選択の際には、マーカーリードに対する統計データおよびp値に主導される。特定の遺伝子への参照は、位置参照を容易にするために使用され、最も近い遺伝子は通常、参照に使用される。遺伝子からのシス位置および関連する近傍の染色体コンフォメーションが、その特定の遺伝子の発現への調節の特異的な要素に寄与し得る可能性を排除することは不可能である。マーカーの選択または検証の時点で、染色体コンフォメーションの名称で位置座標として参照される遺伝子に発現パラメータは必要とされない。シグネチャ内の、選択され、検証された染色体コンフォメーションは、参照で使用される遺伝子の発現プロファイルに関係なく、それ自体で層別化エンティティを播種している。アンカー部位でのSNP、遺伝子転写プロファイルの変化、H3K27acのレベルでの変化など、関連する規制モダリティについてさらなる研究が行われてもよい。
臨床表現型の違いとその層別化の問題を、表現型に対する基本的な生物学とエピジェネティクスの制御に基づいて、例えば規制のネットワークのフレームワークから取り上げる。したがって、層別化を支援するために、ネットワークの変化をキャプチャすることができ、これは、例えば、最小限のノイズで試験コホートを層別化するための最適数のマーカーの評価を含むマーカー減少のための機械学習アルゴリズムに従うことによって、いくつかのバイオマーカーのシグネチャを介して行われることが好ましい。これは通常、ケースバイケースで3~17のマーカーで終了する。パネルに対するマーカーの選択は、交差検証の統計的パフォーマンスによって行われ得る(例えば、参照名に使用される隣接遺伝子の機能的関連性によってではない)。
マーカーのパネル(隣接遺伝子の名称付き)は、ゲノムの有意な部分にわたる14,000~60,000のアノテートされたEpiSwitch部位にわたって統計的播種力を分析する偏りのない方法で、ゲノムの有意な部分にわたるスクリーニングからのクラスタ化された選択の産物である。これは、層別化の問題に対する既知の機能的価値のある遺伝子上の染色体コンフォメーションの調整されたキャプチャとして認識されるべきではない。染色体相互作用の部位の総数は120万であるため、組み合わせの潜在的な数は120万の120万乗になる。それにもかかわらず、追従したアプローチは、関連する染色体相互作用の同定を可能にする。
この用途によって提供される特異的なマーカーは、疾病に統計的に(有意に)関連付けられて、選択されている。これは、関連する表のp値が実証するものである。各マーカーは、関連する疾病で現れるネットワークの調節解除の一部としての生物学的エピジェネティックな事象を表すものと見られ得る。実際には、これらのマーカーが、対照と比較して、患者の群に普及していることを意味している。例として、平均で、個々のマーカーは典型的に、試験される患者の80%および試験される対照の10%に存在し得る。
すべてのマーカーの単純な追加が、調節解除のいくつかの間のネットワークの相互関係を表すわけではない。ここでは、標準の多変量バイオマーカー分析GLMNET(Rパッケージ)が導入される。GLMNETパッケージは、マーカーのいくつかの間の相互依存性を同定する助けとなり、これは、疾患の表現型につながる調節解除を達成する上での共同の役割を反映している。GLMNETスコアが最も高いマーカーをモデル化して、その後、試験することで、患者コホートを正確に同定するマーカーの最小数だけでなく、対照群での低い有病率のバックグラウンドの統計学的ノイズが要因で、患者の対照群での最も少ない偽陽性をもたらす最小数の同定ももたらされる。典型的に、選択されたマーカーの群(組み合わせ)(3~10など)は、検出の感度および特異度の両方の間で最適なバランスを提供し、これは、疾病に対して選択されたすべての統計的に有意なマーカーの個々の特性からの多変量解析に関連して生じる。
本明細書の表は、長距離相互作用部位間の接合部をオーバーラップするアレイ分析用のアレイプローブ(60mer)の参照名、染色体番号、および並置される2つの染色体フラグメントの開始と終了を示している。表はまた、マーカーの各々に関する(2つの異なる蛍光色で標識された)対照サンプルに対する疾患の競合ハイブリダイゼーションにおける標準アレイの読み出し値を示している。標準の読み出し値として、各マーカープローブに示されている:
- 平均発現シグナル
- 対照と疾患サンプルに対する蛍光色検出の有意差に関するt検定
- マーカー読み出しの有意性のp値
- 調整p値(大きなデータセット用のボンフェローニ補正を使用)、B-バックグラウンドシグナル、FC-対照サンプルにおける色検出のための倍率変化
-FC_1-症例(疾患または疾患タイプ)サンプルにおける第2の色検出のための倍率変化、LS(ループステータス)-競合ハイブリダイゼーションにおける2色の閾値間の一般的な蛍光シグナル、-1は、シグナルが、CGHアレイのプローブに対して試験されたときに、対応する蛍光色の患者サンプルに一般的であることを意味している。
- 当座の遺伝子座
- 総プローブ数-アレイ上の異なる位置プローブがその遺伝子座にわたって試験された数
- 有意なプローブ数-症例サンプルと対照サンプルを区別する上で有意であることが判明したものの数
- 超幾何学的統計(Hypergeometric Stat)は、疾患検出のための有意なプローブによる遺伝子座のエンリッチメントの統計である
- FDR HyperGは、FDRによって大規模なデータセットに対して調整されたものと同じ統計である(標準手順)
- その遺伝子座で有意であることが判明したプローブのパーセンテージ
- logFCは、そのプローブに対するアレイ読み出し値の倍率変化の対数である。有意なプローブの高度なエンリッチメントを有する遺伝子座に着目することで、例えばネットワークの調節解除の最良なカバレッジをマーカーに提供する疾患に関連付けられた複数の入力を有する規制ハブを表す上位のプローブの選択の助けとなる。
サンプル調製および染色体相互作用の検出のための好ましい態様
サンプルを調製する方法および染色体コンフォメーションを検出する方法が、本明細書に記載されている。これらの方法の最適化された(従来とは異なる)バージョンは、例えばこのセクションで説明されているように使用することができる。
典型的に、サンプルは少なくとも2×105の細胞を含む。サンプルは最大5×105の細胞を含んでよい。一態様では、サンプルは2×105から5.5×105の細胞を含む。
染色体遺伝子座に存在するエピジェネティックな染色体相互作用の架橋が、本明細書に記載されている。これは細胞溶解が起こる前に実施され得る。細胞溶解は、4~6分間または約5分間など、3~7分間実施され得る。いくつかの態様では、細胞溶解は、少なくとも5分間および10分間未満実施される。
制限酵素によるDNAの消化が本明細書に記載されている。典型的に、DNA制限は、約20分など、約10~30分の期間、約65℃など、約55℃から約70℃で実施される。
好ましくは、頻繁にカッター制限酵素が使用され、結果として4000塩基対までの平均フラグメントサイズを有するライゲートされたDNAのフラグメントがもたらされる。随意に、制限酵素により、結果として、ライゲートされたDNAのフラグメントは、約256塩基対などの約200~300塩基対の平均フラグメントサイズを有する。一態様では、典型的なフラグメントサイズは、400~2,000または500~1,000塩基対など、200塩基対~4,000塩基対である。
EpiSwitch法の一態様では、DNA制限消化工程とDNAライゲート工程との間でDNA沈殿工程は実施されない。
DNAライゲートは本明細書に記載されている。典型的に、DNAライゲートは、約10分間など、5~30分間実施される。
サンプル中のタンパク質は、例えばプロテイナーゼ、随意にプロテイナーゼKを使用して、酵素的に消化され得る。タンパク質は、約30分~1時間、例えば約45分間酵素的に消化され得る。タンパク質の消化、例えばプロテイナーゼK消化後の一態様では、架橋反転またはフェノールDNA抽出工程はない。
一態様では、PCR検出は、好ましくは、ライゲートされた核酸の存在/不在に対するバイナリ読み出し値を用いて、ライゲートされた核酸の単一のコピーを検出することができる。
図5は、染色体相互作用を検出する好ましい方法を示している。
本発明のプロセスおよび使用
本発明のプロセスは、様々な方法で説明することができる。これは、ライゲートされた核酸を作製する方法として説明することができ、当該方法は、(i)染色体相互作用で一緒になった染色体領域をインビトロで架橋する工程、(ii)上記架橋されたDNAを切断または制限消化切断にさらす工程、および(iii)上記架橋された切断したDNA末端をライゲートして、ライゲートされた核酸を形成する工程を含み、ライゲートされた核酸の検出は、遺伝子座での染色体状態を判定するために使用され得、好ましくは、
- 遺伝子座は、表5に言及される遺伝子座、領域、または遺伝子のいずれかであり得る、および/または
- 染色体相互作用は、本明細書に言及されるまたは表5に開示されるプローブのいずれかに対応する染色体相互作用のいずれかであり得る、および/または
- ライゲートされた産物は、(i)表5に開示されるプローブ配列のいずれかと同一または相同である配列または(ii)(ii)に相補的な配列を有するかまたは含み得る。
本発明のプロセスは、集団内の異なるサブグループを表す染色体状態を検出するためのプロセスとして説明することができ、当該プロセスは、染色体相互作用がゲノムの定義されたエピジェネティックに活性な領域内に存在するか存在しないかを判定することを含み、好ましくは、
- サブグループは予後の有無によって定義される、および/または
- 染色体状態は、表5に言及される任意の遺伝子座、領域、または遺伝子であり得る、および/または
- 染色体相互作用は、表5に言及されるものまたは表5に開示されるプローブのいずれかに対応するもののいずれかであり得る。
本発明のプロセスは、ライゲートされた核酸を作製する方法として説明することができ、当該方法は、(i)染色体相互作用で一緒になった染色体領域をインビトロで架橋する工程、(ii)上記架橋されたDNAを切断または制限消化切断にさらす工程、および(iii)上記架橋された切断したDNA末端をライゲートして、ライゲートされた核酸を形成する工程を含み、ライゲートされた核酸の検出は、遺伝子座での染色体状態を判定するために使用され得、好ましくは、
- 遺伝子座は、表6に言及される遺伝子座、領域、または遺伝子のいずれかであり得る、および/または
- 染色体相互作用は、本明細書に言及されるまたは表6に開示されるプローブのいずれかに対応する染色体相互作用のいずれかであり得る、および/または
- ライゲートされた産物は、(i)表6に開示されるプローブ配列のいずれかと同一または相同である配列または(ii)(ii)に相補的な配列を有するかまたは含み得る。
本発明のプロセスは、集団内の異なるサブグループを表す染色体状態を検出するためのプロセスとして説明することができ、当該プロセスは、染色体相互作用がゲノムの定義されたエピジェネティックに活性な領域内に存在するか存在しないかを判定することを含み、好ましくは、
- サブグループは予後の有無によって定義される、および/または
- 染色体状態は、表6に言及される任意の遺伝子座、領域、または遺伝子であり得る、および/または
- 染色体相互作用は、表6に言及されるものまたは表6に開示されるプローブのいずれかに対応するもののいずれかであり得る。
本発明は、表5に言及される任意の遺伝子座、遺伝子または領域での染色体相互作用の検出を含む。本発明は、染色体相互作用を検出するための本明細書に言及される核酸およびプローブの使用、例えば、染色体相互作用を検出するための少なくとも1、5、10、20または50のそのような核酸またはプローブの使用を含む。核酸またはプローブは、好ましくは、少なくとも1、5、10、20または50の異なる遺伝子座または遺伝子における染色体相互作用を検出する。本発明は、表5にリストされたプライマーまたはプライマー対のいずれかを使用する、または本明細書に記載されるこれらのプライマーの変異体(プライマー配列を含むか、またはプライマー配列のフラグメントおよび/または相同体を含む配列)を使用する染色体相互作用の検出を含む。
本発明は、表6に言及される任意の遺伝子座、遺伝子または領域での染色体相互作用の検出を含む。本発明は、染色体相互作用を検出するための本明細書に言及される核酸およびプローブの使用を含む。本発明は、表6にリストされたプライマーまたはプライマー対のいずれかを使用する、または本明細書に記載されるこれらのプライマーの変異体(プライマー配列を含むか、またはプライマー配列のフラグメントおよび/または相同体を含む配列)を使用する染色体相互作用の検出を含む。
染色体相互作用が、定義された遺伝子、領域、または位置内で生じるかどうかを分析する場合、相互作用で一緒になった染色体の両方の部分が、定義された遺伝子、領域、または位置内にあるか、またはいくつかの態様では、染色体の1つの部分のみが、定義された遺伝子、領域、または位置内にある。
同様に、表8および9の染色体相互作用は、本発明のプロセスおよび方法において使用され得る。
新しい処置を特定するための本発明の方法の使用
染色体相互作用の知識は、疾病に対する新しい処置を特定するために使用することができる。本発明は、例えば、前立腺がんまたはDLBCLの治療に関連する、新しい治療薬を特定または設計するために本明細書で定義された染色体相互作用の方法および使用を提供する。
相同体
ポリヌクレオチド/核酸(例えばDNA)配列の相同体は、本明細書で参照される。そのような相同体は、典型的に、例えば、少なくとも10、15、20、30、100またはそれ以上の連続したヌクレオチドの領域、または染色体相互作用に関与する染色体の領域に由来する核酸の部分にわたって、少なくとも70%の相同性、好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有する。相同性は、ヌクレオチド同一性(「ハード相同性」と呼ばれることもある)に基づいて計算され得る。
したがって、特定の態様では、ポリヌクレオチド/核酸(例えばDNA)配列の相同体は、パーセンテージ配列同一性を参照することによって本明細書で言及される。典型的に、そのような相同体は、例えば、少なくとも10、15、20、30、100またはそれ以上の連続したヌクレオチドの領域、または染色体相互作用に関与する染色体の領域に由来する核酸の部分にわたって、少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。
例えば、UWGCGパッケージは、相同性および/または%配列同一性(例えば、そのデフォルト設定で使用される)を計算するために使用することができるBESTFITプログラムを提供する(Devereux et al(1984)Nucleic Acids Research 12,p387-395)。PILEUPおよびBLASTアルゴリズムは、例えば、Altschul S. F. (1993) J Mol Evol 36: 290-300;Altschul, S, F et al (1990) J Mol Biol 215: 403-10に記載されるように、相同性および/または%配列同一性を計算する、および/または配列を整列させる((典型的にそれらのデフォルト設定で)同等または対応する配列を同定するなど)ために使用することができる。
BLAST解析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通じて公開されている。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列内の同じ長さの単語と整列したときに一部の正の値の閾値スコアTに一致するかまたはそれを満たす照合配列内の長さWの短い単語を同定することによって高スコアの配列ペア(HSP)を同定することを含む。Tは近隣単語スコア閾値と呼ばれる(上記のAltschul et al)。これらの初期の近隣単語ヒットは、それらを含むHSPを見つけるために検索を開始するためのシードとして機能する。単語ヒットは、累積アラインメントスコアを増やすことができる限り、各配列に沿って両方向に拡張される。各方向の単語ヒットの拡張は、次の場合に停止される:累積アラインメントスコアがその最大達成値から数量Xだけ低下する;1つまたは複数の負のスコアの残基アラインメントの累積により、累積アラインメントスコアがゼロ以下になる;またはいずれかの配列の終わりに到達する。BLASTアルゴリズムパラメータW5 TおよびXは、アラインメントの感度および速度を判定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、11の語長(W)、50のBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff and Henikoff (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915-10919を参照)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、および両方のストランドの比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計分析を実施する(例えば、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5787を参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのポリヌクレオチド配列間の一致が偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、第1の配列と第2の配列との比較における最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、配列は別の配列と類似していると見なされる。
相同配列は、典型的に、(ヌクレオチドの置換、欠失、または挿入であり得る)10、15、または20塩基未満など、1、2、3、4またはそれ以上の塩基だけ異なる。これらの変化は、相同性および/または%配列同一性の計算に関連して、上述の領域のいずれかにわたって測定され得る。
「プライマー対」の相同性は、例えば、後に別のプライマー対と比較する(これも単一の配列として見なされる)目的で、(2つの配列が一緒に結合されているかのように)2つの配列を単一の配列と見なすことによって計算することができる。
アレイ
核酸の第2のセットはアレイに結合され得、一態様では、アレイに結合される少なくとも15,000、45,000、100,000または250,000の異なる第2の核酸があり、これらは好ましくは、少なくとも300、900、2000または5000の遺伝子座を表している。一態様では、第2の核酸の1つ、または複数、またはすべての異なる集団は、アレイの1つを超える別個の領域に結合され、事実上、アレイ上で繰り返され、エラー検出を可能にする。アレイは、Agilent SurePrint G3 Custom CGHマイクロアレイプラットフォームに基づき得る。アレイへの第1の核酸の結合の検出は、デュアルカラーシステムによって実施され得る。
治療薬(例えば、個体の分類に基づいて選択されるか、または本発明による試験に基づいて選択される)
治療薬は本明細書に言及されている。本発明は、特定の個体、例えば本発明のプロセスによって同定された個体の病状を予防または処置する際に使用するためのそのような薬剤を提供する。これは、治療上有効な量の薬剤を必要としている個体に投与することを含み得る。本発明は、特定の個体の疾病を予防または処置するための医薬品の製造における薬剤の使用を提供する。
薬剤の配合は薬剤の性質に依存する。薬剤は、薬剤および薬学的に許容可能な担体または希釈剤を含む医薬組成物の形態で提供される。適切な担体および希釈剤には、等張食塩水、例えばリン酸緩衝生理食塩水が含まれる。典型的な経口剤形には、錠剤、カプセル、液体溶液および液体懸濁液が含まれる。薬剤は、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、または経口投与用に製剤され得る。
薬剤の用量は、以下の様々なパラメータに従って、特に使用される物質に従って判定され得る;治療を受ける個体の年齢、体重、疾病;投与経路;および必要なレジメン。医師は、任意の特定の薬剤に必要な投与経路および投与量を判定することができる。しかし、適切な用量は、例えば、1日1回から3回摂取される、1~40mg/kgの体重など、0.1~100mg/kgの体重であり得る。
治療薬は、本明細書に開示される任意のそのような薬剤であり得るか、または本明細書の任意の表(表5または6を含む)において開示される任意のタンパク質または遺伝子を含む、本明細書に開示される任意の「標的」を標的とし得る。組み合わせて開示される任意の薬剤が、個別に投与するためにも開示されると見なされるべきであることが理解される。
前立腺がん治療
疾患進行の段階に応じて前立腺がん治療が推奨される。放射線療法、ホルモン療法および化学療法は、前立腺がん治療でしばしば使用される3つのオプションである。単一の治療または治療の組み合わせが使用され得る。
化学療法
化学療法は、身体の他の臓器に浸潤した前立腺がん(転移性前立腺がん)の治療にしばしば使用される。化学療法は、癌細胞の増殖の過程を妨げることによって癌細胞を破壊する。化学療法は、前立腺がんを治癒するものではないが、前立腺がんを抑制下で維持し、症状を軽減し、それゆえ日常生活への影響を少なくする。
放射線療法
この治療法は、限局性および局所進行性の前立腺がんを治癒するために使用され得る。放射線療法は、転移性前立腺がんの進行を遅らせ、症状を緩和するためにも使用することができる。患者は、化学療法を受ける前にホルモン療法を受けて、治療が成功する可能性を高め得る。再発の可能性を減らすために、放射線療法の後にホルモン療法も推奨され得る。
ホルモン療法
ホルモン療法は、しばしば、放射線療法と組み合わせて使用される。通常、手術または放射線療法を受けることに適合し、その意思のある男性の限局性前立腺がんの治療には、ホルモン療法は単独で使用されるべきではない。ホルモン療法は、進行性前立腺がんの進行を遅らせ、症状を緩和するために使用することができる。ホルモンは前立腺における細胞の増殖を制御する。特に、前立腺がんは増殖するためにホルモンテストステロンを必要とする。ホルモン療法の目的は、テストステロンの産生を停止するか、または患者の身体のテストステロンの使用を停止させることによって、テストステロンの効果をブロックすることである。
前立腺がん治療に使用され得る他の治療法
・前立腺全摘除術
・高密度焦点式超音波療法
・寒冷療法
・密封小線源治療
・待機療法
・経尿道的前立腺切除術
・進行性前立腺がんの治療
・ステロイド
DLBCL療法
DLBCLの治療には以下の4つの治療法が使用され得る:
- 化学療法
- 放射線療法
- モノクローナル抗体療法
- ステロイド療法
上記治療法はいずれもリンパ腫の治療にも使用され得る。
本明細書に言及される物質の形態
本明細書に言及される、核酸または治療薬などの物質はいずれも、精製または単離された形態であり得る。それらは自然界に見られるものとは異なる形態であり得、例えば、それらは自然界に生じない他の物質と組み合わせて存在し得る。核酸(本明細書で定義される配列の部分を含む)は、自然界に見られるものとは異なる配列を有し得、例えば、相同性に関するセクションに記載されるように配列において少なくとも1、2、3、4またはそれ以上のヌクレオチド変化を有する。核酸は5’または3’末端に異種配列を有し得る。核酸は自然界に見られるものと化学的に異なり得、例えば、それらは何らかの方法で修飾され得るが、それでもワトソン・クリック塩基対が可能であることが好ましい。適切な場合に、核酸は二本鎖または一本鎖の形態で提供される。本発明は、本明細書に言及される特異的な核酸配列のすべてを一本鎖または二本鎖の形態で提供し、したがって、開示される任意の配列に対する相補鎖を含む。
本発明は、予後に関連する染色体相互作用の検出を含む、本発明の任意のプロセスを実行するためのキットを提供する。そのようなキットは、本発明のプロセスによって産生されたライゲートされた核酸を検出することができる薬剤などの、関連する染色体相互作用を検出することができる特異的結合剤を含むことができる。キットに存在する好ましい薬剤には、例えば本明細書に記載されるように、PCR反応においてライゲートされた核酸を増幅することができる、ライゲートされた核酸またはプライマー対にハイブリダイズすることができるプローブが含まれる。
本発明は、関連する染色体相互作用を検出することができるデバイスを提供する。デバイスは、好ましくは、本明細書に記載される任意のそのような薬剤、プローブまたはプライマー対などの、染色体相互作用を検出することができる任意の特異的結合剤、プローブまたはプライマー対を含む。
検出方法
一態様では、染色体相互作用に関連するライゲートされた配列の定量的検出が、PCR反応中の活性化で検出可能であるプローブを使用して実行され、上記ライゲートされた配列は、エピジェネティックな染色体相互作用で一緒になる2つの染色体領域からの配列を含み、上記方法は、PCR反応中にライゲートされた配列をプローブと接触させる工程、およびプローブの活性化の程度を検出する工程を含み、上記プローブはライゲートされた部位に結合する。当該方法では、典型的に、二重標識蛍光加水分解プローブを使用してMIQEに準拠した方法で特定の相互作用を検出することができる。
プローブは概して、非アクティブおよびアクティブ状態の検出可能なラベルで標識されているため、活性化された場合にのみ検出される。活性化の程度は、PCR反応に存在するテンプレート(ライゲートされた産物)の程度に関連する。検出は、PCRのすべてまたは一部の間、例えば、PCRのサイクルの少なくとも50%または80%の間に実行され得る。
プローブは、オリゴヌクレオチドの一端に共有結合したフルオロフォア、およびヌクレオチドの他端に結合した消光剤を含むことができ、その結果、フルオロフォアの蛍光は消光剤によってクエンチされる。一態様では、フルオロフォアはオリゴヌクレオチドの5’末端に結合され、消光剤はオリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合される。本発明の方法で使用することができるフルオロフォアには、FAM、TET、JOE、Yakima Yellow、HEX、Cyanine 3、ATTO 550、TAMRA、ROX、Texas Red、Cyanine 3.5、LC 610、LC 640、ATTO 647N、Cyanine 5、Cyanine 5.5、およびATTO 680が含まれる。適切なフルオロフォアと共に使用することができる消光剤には、TAM、BHQ1、DAB、Eclip、BHQ2、およびBBQ650が含まれ、随意に、上記フルオロフォアは、HEX、Texas RedおよびFAMから選択される。フルオロフォアと消光剤の好ましい組み合わせには、FAMとBHQ1、およびTexas RedとBHQ2が含まれる。
qPCRアッセイでのプローブの使用
本発明の加水分解プローブは、典型的に、濃度が一致したネガティブコントロールで温度勾配が最適化されている。好ましくは、一段階のPCR反応が最適化される。より好ましくは、標準曲線が計算される。ライゲートされた配列の接合部にわたって結合する特異的なプローブを使用することの利点は、ネステッドPCRアプローチを使用せずにライゲートされた配列に対する特異度を達成することができることである。本明細書に記載される方法は、低コピー数の標的の正確かつ精密な定量化を可能にする。温度勾配の最適化の前に、標的のライゲートされた配列は精製することができ、例えば、ゲル精製することができる。標的のライゲートされた配列は配列決定することができる。好ましくは、PCR反応は、約10ng、または5~15ng、または10~20ng、または10~50ng、または10~200ngのテンプレートDNAを使用して実施される。フォワードおよびリバースプライマーは、一方のプライマーが、ライゲートされたDNA配列で表される染色体領域のうちの1つの配列に結合し、もう一方のプライマーが、例えば、配列に相補的であることによって、ライゲートされたDNA配列で表される他の染色体領域に結合するように設計されている。
ライゲートされたDNA標的の選択
本発明は、プライマーを、ライゲートされた配列に結合および増幅するそれらの能力に基づいて選択すること、およびそれが結合する標的配列のプローブ配列に基づく特性、特に標的配列の曲率を選択することを含む、本明細書で定義されるPCR法で使用するためのプライマーおよびプローブを選択する工程を含む。
プローブは典型的に、制限部位にまたがる並置された制限フラグメントであるライゲートされた配列に結合するように設計/選択される。本発明の一態様では、特定の染色体相互作用に関連するライゲートされる可能性のある配列の予測される曲率が、例えば、本明細書で参照される特定のアルゴリズムを使用して計算される。曲率は、例えば、らせん回転あたり10.5°など、らせん回転あたりの度数として表すことができる。ライゲートされた配列は、ライゲートされた配列が、らせん回転あたり少なくとも5°、典型的に、らせん回転あたり少なくとも10°、15°または20°、例えばらせん回転あたり5°~20°の曲率傾向ピークスコアを有する場合に標的化のために選択される。好ましくは、らせん回転あたりの曲率傾向ピークスコアは、ライゲートされた部位の上流および/または下流の20~400の塩基など、少なくとも20、50、100、200または400の塩基に対して計算される。したがって、一態様では、ライゲートされた産物における標的配列は、これらのレベルの曲率のいずれかを有する。標的配列は、最低の熱力学的構造の自由エネルギーに基づいて選択することもできる。
特定の態様
一態様では、染色体内相互作用のみが分類/検出され、(異なる染色体間の)染色体外相互作用は分類/検出されない。
特定の態様では、特定の染色体相互作用、例えば、(例えば、本明細書で言及される任意のプローブまたはプライマー対によって定義されるような)本明細書で言及される任意の特異的な相互作用は分類されない。いくつかの態様では、染色体相互作用は、本明細書に言及される遺伝子のいずれにおいても分類されない。
本明細書で提供されたデータは、マーカーが、関連する疾患状況の症例と非症例を区別することができる「普及(disseminating)」しているものであることを示している。したがって、本発明を実施するときに、当業者は、個体が存在するのがどのサブグループなのかを相互作用の検出によって判定することができるであろう。一実施形態では、(不在または存在のいずれかによって)関連する疾患状況に関連付けられている形態での試験されたマーカーの少なくとも70%の検出の閾値が、個体が関連するサブグループに存在するかどうかを判定するために使用され得る。
スクリーニング方法
本発明は、どの染色体相互作用が集団の予後のサブグループに対応する染色体状態に関連するかを判定する方法を提供し、当該方法は、染色体の異なる状態を有するサブグループからの核酸の第1のセットをインデックス核酸の第2のセットと接触させる工程、および相補的配列がハイブリダイズすることを可能にする工程を含み、第1および核酸の第2のセットにおける核酸は、染色体相互作用で一緒になった両方の染色体領域からの配列を含むライゲートされた産物を表し、核酸の第1のセットと核酸の第2のセットとの間のハイブリダイゼーションのパターンによって、どの染色体相互作用が予後のサブグループに特異的であるかを判定することが可能になる。サブグループは、例えば、特定の疾病または治療を参照した、本明細書で定義される特異的なサブグループのいずれかであり得る。
公報
本明細書で言及されるすべての公報の内容は、引用により本明細書に組み込まれ、本発明に関連する特徴をさらに定義するために使用され得る。
具体的な態様
EpiSwitch(商標)プラットフォーム技術により、遺伝子座での正常な状態と異常な状態との間の規制変化のエピジェネティックな規制シグネチャを検出する。EpiSwitch(商標)プラットフォームは、染色体コンフォメーションシグネチャとしても知られるヒト染色体の高次構造の制御に関連付けられた遺伝子制御の基本的なエピジェネティックレベルを同定およびモニターする。染色体シグネチャは、遺伝子調節解除のカスケードにおける別個の主要な工程である。これらは、DNAメチル化やRNAプロファイリングなどの、後期エピジェネティックおよび遺伝子発現バイオマーカーを利用するバイオマーカープラットフォームに対する固有の一連の利点を備えた高次バイオマーカーである。
EpiSwitch(商標)アレイアッセイ
カスタムEpiSwitch(商標)アレイスクリーニングプラットフォームには、15K、45K、100K、および250Kの固有の染色体コンフォメーションの4つの密度があり、各キメラフラグメントはアレイ上で4回繰り返され、有効密度を、それぞれ60K、180K、400K、および100万にする。
カスタム設計されたEpiSwitch(商標)アレイ
15KのEpiSwitch(商標)アレイは、EpiSwitch(商標)Biomarker発見技術で照合された約300の遺伝子座を含むゲノム全体をスクリーニングすることができる。EpiSwitch(商標)アレイは、Agilent SurePrint G3 Custom CGHマイクロアレイプラットフォーム上に構築され、この技術は、4つの密度、60K、180K、400K、および100万のプローブを提供する。各EpiSwitch(商標)プローブが4つ組として表示されるため、アレイあたりの密度は15K、45K、100K、および250Kまで減少し、それゆえ、再現性の統計的評価が可能になる。遺伝子座ごとに照合される潜在的なEpiSwitch(商標)マーカーの平均数は50であり、調査することができる遺伝子座の数は300、900、2000、および5000である。
EpiSwitch(商標)カスタムアレイパイプライン
EpiSwitch(商標)アレイは、EpiSwitch(商標)ライブラリの生成後、Cy5において標識されたサンプルの1つのセット、およびCy3において標識された比較/分析されるべきサンプル(対照)のもう1つのセットを備えたデュアルカラーシステムである。アレイはAgilent SureScan Scannerを使用してスキャンされ、結果として生じる特徴がAgilent Feature Extractionソフトウェアを使用して抽出される。その後、データはRでのEpiSwitch(商標)アレイ処理スクリプトを使用して処理される。アレイは、R:Limma*でのBioconductorにおける標準デュアルカラーパッケージを使用して処理される。アレイの正規化は、Limma*でのnormalizedWithinArrays機能を使用して実行われ、これは、オンチップのAgilent陽性対照およびEpiSwitch(商標)陽性対照に対して行われる。Limma*を使用して分析するために、データはAgilent Flag呼び出しに基づいてフィルタリングされ、Agilent対照プローブは取り外され、テクニカルレプリケートプローブは平均化される。プローブは、比較されている2つのシナリオ間の違いに基づいてモデル化され、偽発見率を使用して修正される。<=-1.1または=>1.1であり、p<=0.1FDRのp値をパスする変動係数(CV)<=30%のプローブが、さらなるスクリーニングに使用される。プローブセットを減らすために、RでのFactorMineRパッケージを使用してさらなる複数因子分析が実施される。
*注:LIMMAは、マイクロアレイ実験で差次的発現を評価するための線形モデルおよび経験ベイズプロセスである。Limmaは、マイクロアレイまたはRNA-Seqから生じる遺伝子発現データを分析するためのRパッケージである。
プローブのプールは、最初に、調整されたp値、FCおよびCV<30%(任意のカットオフポイント)パラメータに基づいて選択され、最終的にピッキングが行われる。さらなる分析および最終的なリストは、最初の2つのパラメータ(調整されたp値;FC)のみに基づいて作成される。
統計パイプライン
EpiSwitch(商標)スクリーニングアレイは、EpiSwitch(商標)PCRプラットフォームに変換するための高価値のEpiSwitch(商標)マーカーを選択するために、RでのEpiSwitch(商標)分析パッケージを使用して処理される。
工程1
プローブを、修正された線形回帰モデルの積である、それらの修正されたp値(偽発見率、FDR)に基づいて選択する。p値<=0.1未満のプローブを選択し、その後、エピジェネティック比(ER)によってさらに減少させ、さらなる分析に選択するためにプローブERは<=-1.1または=>1.1でなければならない。最終的なフィルタは変動係数(CV)であり、プローブは<=0.3未満でなければならない。
工程2
統計リストからの上位40のマーカーを、PCR変換に対するマーカーとして選択するためのそれらのERに基づいて選択する。負のER負荷が最も高い上位20のマーカーおよび正のER負荷が最も高い上位20のマーカーがリストを形成する。
工程3
工程1から結果として得たマーカー、統計的に有意なプローブは、超幾何学的エンリッチメント(HE)を使用したエンリッチメント分析の基礎を形成する。この分析によって、有意なプローブリストからのマーカー減少が可能になり、工程2からのマーカーとともに、EpiSwitch(商標)PCRプラットフォームに変換されたプローブのリストが形成される。
統計プローブは、どの遺伝的位置が統計的に有意なプローブのエンリッチメントを有しているかを判断するためにHEによって処理され、これは、どの遺伝的位置がエピジェネティックな違いのハブであるかを示している。
補正されたp値に基づく最も有意なエンリッチメント遺伝子座がプローブリストの作成のために選択される。0.3または0.2のp値未満の遺伝的位置が選択される。工程2からのマーカーを用いる、これらの遺伝子位置にマッピングされる統計プローブは、EpiSwitch(商標)PCR変換に対する高価値マーカーを形成する。
アレイの設計および処理
アレイ設計
1.遺伝子座を、SIIソフトウェア(現在はv3.2)を使用して次のように処理する。
a.これらの特異的な遺伝子座でゲノムの配列を引き出す(50kb上流および20kb下流の遺伝子配列)。
b.この領域内の配列がCCに関与する確率を定義する。
c.特異的なREを使用して配列をカットする。
d.どの制限フラグメントが特定の配向で相互作用する傾向にあるかを判定する。
e.異なるCCが一緒に相互作用する可能性をランク付けする。
2.アレイサイズを判定し、したがって利用可能なプローブ位置の数(x)を判定する。
3.x/4の相互作用を引き出す。
4.各相互作用に対して、パート1から制限部位までの30bpおよびパート2の制限部位までの30bpの配列を定義する。それらの領域が反復ではないことを確認し、反復である場合は、除外して次の相互作用をリスト上に書き取る。両方の30bpを結合してプローブを定義する。
5.x/4プローブ+定義された対照プローブのリストを作成し、4回複製して、アレイ上に作成されるべきリストを作成する。
6.カスタムCGHアレイ用のAgilent Sure設計のウェブサイトにプローブのリストをアップロードする。
7.プローブ群を使用して、AgilentカスタムCGHアレイを設計する。
アレイ処理
1.テンプレート作成にEpiSwitch(商標)標準操作手順(SOP)を使用してサンプルを処理する。
2.アレイ処理ラボによってエタノール沈殿でクリーンアップする。
3.Agilent SureTag完全DNAラベリングキット-Agilent Oligonucleotide Array-based CGH for Genomic DNA Analysis Enzymatic labelling for Blood, Cells or Tissuesに従ってサンプルを処理する。
4.Agilent特徴抽出ソフトウェアを用いるAgilent Cスキャナーを使用してスキャンする。
EpiSwitch(商標)バイオマーカーのシグネチャは、複雑な疾患表現型の層別化において高いロバスト性、感度、および特異度を実証する。この技術は、エピジェネティクスの科学における最新のブレークスルー、非常に有益なクラスのエピジェネティックバイオマーカーとしての染色体コンフォメーションシグネチャのモニタリングおよび評価を利用する。学術環境で展開されている現在の研究方法論では、CCSを検出するために、細胞材料の生化学的処理に3~7日を要する。これらの手順は、感度および再現性が制限されており、さらに、設計段階でEpiSwitch(商標)分析パッケージによって提供される標的化された洞察の恩恵を有していない。
EpiSwitch(商標)アレイのインシリコのマーカー同定
ゲノム全体のCCS部位は、関連するすべての層別リードバイオマーカーの同定のために試験コホートからの臨床サンプル上のEpiSwitch(商標)アレイによって直接評価される。EpiSwitch(商標)アレイプラットフォームは、その高いスループット能力、および多数の遺伝子座を迅速にスクリーニングするその能力が要因で、マーカーの同定に使用される。使用したアレイはAgilentカスタムCGHアレイであったが、これにより、インシリコのソフトウェアで同定されたマーカーを照合することが可能になる。
EpiSwitch(商標)PCR
その後、EpiSwitch(商標)アレイによって同定された潜在的なマーカーが、EpiSwitch(商標)PCRまたはDNAシーケンサー(すなわち、Roche 454、Nanopore MinIONなど)のいずれかによって検証される。統計的に有意で、最良の再現性を示す上位のPCRマーカーが、最終的なEpiSwitch(商標)シグネチャセットへのさらなる減少のために選択され、独立したサンプルのコホートで検証される。EpiSwitch(商標)PCRは、確立された標準化された操作手順プロトコルに従って、訓練を受けた技術者が実施することができる。すべてのプロトコルおよび試薬の製造は、研究の質およびプロトコルを転送する機能を確かなものとするために、ISO 13485および9001認定の下で実施される。EpiSwitch(商標)PCRおよびEpiSwitch(商標)アレイバイオマーカープラットフォームは、全血および細胞株の両方の分析と互換性がある。試験は、少量の血液を使用して非常に少ないコピー数で異常を検出するのに十分な感度がある。
本発明の実施形態を示すパラグラフ
1.集団内のサブグループを表す染色体状態を検出するためのプロセスであって、当該プロセスが、その染色体状態に関連する染色体相互作用がゲノムの定義された領域内に存在するか否かを判定する工程を含み;かつ
- 上記染色体相互作用は、随意に、どの染色体相互作用が集団のサブグループに対応する染色体状態に関連するかを判定する方法によって特定されており、当該方法は、染色体の異なる状態を有するサブグループからの核酸の第1のセットをインデックス核酸の第2のセットと接触させる工程、および相補的配列のハイブリダイズを可能にする工程を含み、第1および核酸の第2のセットにおける核酸は、染色体相互作用で一緒になった両方の染色体領域からの配列を含むライゲートされた産物を表し、核酸の第1のセットと核酸の第2のセットとの間のハイブリダイゼーションのパターンにより、どの染色体相互作用がサブグループに特異的であるかの判定が可能になり、および
- サブグループは前立腺がんの予後に関連し、染色体相互作用は、
(i)表6にリストされた領域または遺伝子のいずれかに存在する、および/または
(ii)表6に示された任意のプローブによって表された染色体相互作用のいずれかに対応する、および/または
(iii)(i)または(ii)を含むまたはそれに隣接する4,000塩基領域に存在するか、
または、
- サブグループはDLBCLの予後に関連し、染色体相互作用は、
a)表5にリストされた領域または遺伝子のいずれかに存在する、および/または
b)表5に示された任意のプローブによって表された染色体相互作用のいずれかに対応する、および/または
c)(a)または(b)を含むまたはそれに隣接する4,000塩基領域に存在する、プロセス。
2.- 上記前立腺がんの予後が、癌が侵攻性であるかまたは緩慢性であるかに関連する、および/または
- 上記DLBCLの予後が生存に関連する
パラグラフ1に記載のプロセス。
3.サブグループが前立腺がんに関連し、染色体相互作用の具体的な組み合わせが、
(i)表6のプローブによって表される染色体相互作用のすべてを含むこと、および/または
(ii)表6のプローブによって表される染色体相互作用の少なくとも1、2、3、または4を含むこと、および/または
(iii)表6にリストされる領域または遺伝子の少なくとも1、2、3、または4に一緒に存在するもの、および/または
(iv)分類される染色体相互作用の少なくとも1、2、3、または4が、表6のプローブによって表される染色体相互作用を含むまたはそれに隣接する4,000塩基領域に存在するもの
に分類される、パラグラフ1または2に記載のプロセス。
4.サブグループがDLBCLに関連し、染色体相互作用の特異的な組み合わせが、
(i)表5のプローブによって表される染色体相互作用のすべてを含むこと、および/または
(ii)表5のプローブによって表される染色体相互作用の少なくとも10、20、30、50、または80を含むこと、および/または
(iii)表5にリストされる領域または遺伝子の少なくとも10、20、30、または50に一緒に存在するもの、および/または
(iv)分類される染色体相互作用の少なくとも10、20、30、50、または80が、表5のプローブによって表される染色体相互作用を含むまたはそれに隣接する4,000塩基領域に存在するもの
に分類される、パラグラフ1または2に記載のプロセス。
5.サブグループがDLBCLに関連し、染色体相互作用の特異的な組み合わせが、
(i)表7に示される染色体相互作用のすべてを含むこと、および/または
(ii)表7に示される染色体相互作用の少なくとも1、2、5または8を含むこと
に分類される、パラグラフ1または2に記載のプロセス。
6.少なくとも10、20、30、40または50の染色体相互作用が分類され、好ましくは少なくとも10の染色体相互作用が分類される
パラグラフ1~5のいずれか1つに記載のプロセス。
7.染色体相互作用が、
- 個体からのサンプルにおいて、および/または
- 染色体相互作用の部位でのDNAループの有無を検出することによって、および/または
- 染色体コンフォメーションと一緒になっている染色体の遠位領域の有無を検出することによって、および/または
- ライゲートされた核酸の存在を検出することによって分類され、ライゲートされた核酸は、上記分類中に生成され、その配列が染色体相互作用において一緒になる染色体の領域に各々対応する2つの領域を含み、ライゲートされた核酸の検出は、好ましくは、
(i)表6に言及される特異的なプローブ配列のいずれかと少なくとも70%の同一性を有するプローブによる、および/または(ii)表6の任意のプライマー対と少なくとも70%の同一性を有するプライマー対による、前立腺がんの予後の場合に、または
(ii)表5に言及される特異的なプローブ配列のいずれかと少なくとも70%の同一性を有するプローブによる、および/または(b)表5の任意のプライマー対と少なくとも70%の同一性を有するプライマー対による、DLBCLの予後の場合に行われる
パラグラフ1~6のいずれか1つに記載のプロセス。
8.- 核酸の第2のセットが、核酸の第1のセットよりも大きな個体の群からのものである、および/または
- 核酸の第1のセットが、少なくとも8の個体からのものである、および/または
- 核酸の第1のセットが、第1のサブグループからの少なくとも4の個体、および好ましくは第1のサブグループと重複しない第2のサブグループからの少なくとも4の個体からのものである、および/または
- プロセスが、医療処置のために個体を選択するために実行される
パラグラフ1~7のいずれか1つに記載のプロセス。
9.- 核酸の第2のセットが、選択されていない群を表す、および/または
- 核酸の第2のセットが、定義された位置でアレイに結合される、および/または
- 核酸の第2のセットが、少なくとも100の異なる遺伝子における染色体相互作用を表す、および/または
- 核酸の第2のセットが、少なくとも1,000の異なる染色体相互作用を表す少なくとも1,000の異なる核酸を含む、および/または
- 核酸の第1のセットおよび核酸の第2のセットが、長さが10から100のヌクレオチド塩基を有する少なくとも100の核酸を含む
パラグラフ1~8のいずれか1つに記載のプロセス。
10.核酸の第1のセットが、
(i)染色体相互作用で一緒になった染色体領域を架橋する工程と、
(ii)随意に酵素を用いる制限消化切断によって、上記架橋領域を切断にさらす工程と、
(iii)上記架橋された切断されたDNA末端をライゲートして、(特に、ライゲートされたDNAを含む)核酸の第1のセットを形成する工程と、を含むプロセスで得られる
パラグラフ1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
11.ゲノムの上記定義された領域が、
(i)一塩基多型(SNP)を含む、および/または
(ii)マイクロRNA(miRNA)を発現する、および/または
(iii)非コードRNA(ncRNA)を発現する、および/または
(iv)少なくとも10の連続するアミノ酸残基をコードする核酸配列を発現する、および/または
(v)制御要素を表す、および/または
(vii)CTCF結合部位を含む
パラグラフ1~10のいずれか1つに記載のプロセス。
12.表6に定義されるような少なくとも5つの染色体相互作用を分類する工程を含む、前立腺がんが侵攻性であるか緩慢性であるかを判定するために実行される、パラグラフ1~11のいずれか1つに記載のプロセス。
13.表5に定義されるような少なくとも5つの染色体相互作用を分類する工程を含む、DLBLCの予後を判定するために実行される、パラグラフ1~12のいずれか1つに記載のプロセス。
14.- 好ましくは、上記プロセスは、候補薬剤が、異なるレベルの予後に関連付けられている染色体状態への変化を引き起こすことができるかどうかを検出するために使用され、
- 染色体相互作用が表6の任意のプローブによって表される、および/または
- 染色体相互作用が表6にリストされる任意の領域または遺伝子に存在する、
および随意に、
- 染色体相互作用が、染色体相互作用がパラグラフ1で定義されるような染色体状態に関連していることを判定する方法によって同定される、および/または
- 染色体相互作用の変化が、(i)表6に言及されるプローブ配列のいずれかと少なくとも70%の同一性を有するプローブ、および/または(ii)表6の任意のプライマー対と少なくとも70%の同一性を有するプライマー対によってモニターされる、前立腺がんに対する治療薬を特定または設計するために実行される
パラグラフ1~13のいずれか1つに記載のプロセス。
15.- 好ましくは、上記プロセスは、候補薬剤が、異なるレベルの予後に関連付けられている染色体状態への変化を引き起こすことができるかどうかを検出するために使用され、
- 染色体相互作用が表5の任意のプローブによって表される、および/または
- 染色体相互作用が表5にリストされる任意の領域または遺伝子に存在する、
および随意に、
- 染色体相互作用が、染色体相互作用がパラグラフ1で定義されるような染色体状態に関連していることを判定する方法によって同定される、および/または
- 染色体相互作用の変化が、(i)表5に言及されるプローブ配列のいずれかと少なくとも70%の同一性を有するプローブ、および/または(ii)表5の任意のプライマー対と少なくとも70%の同一性を有するプライマー対によってモニターされる、DLBCLに対する治療薬を特定または設計するために実行される
パラグラフ1~13のいずれか1つに記載のプロセス。
16.染色体相互作用の検出に基づいて標的を選択する工程、および好ましくは標的のモジュレータをスクリーニングして免疫療法のための治療薬を特定する工程を含み、上記標的が随意にタンパク質である、パラグラフ14または15に記載のプロセス。
17.分類または検出が、ライゲートされた産物を増幅することができるプライマーおよびPCR反応中にライゲートされた部位に結合するプローブを使用する定量PCR(qPCR)によるライゲートされた産物の特異的検出を含み、上記プローブが、染色体相互作用で一緒になった染色体領域の各々からの配列に相補的な配列を含み、好ましくは、上記プローブが、
上記ライゲートされた産物に特異的に結合するオリゴヌクレオチド、および/または
オリゴヌクレオチドの5’末端に共有結合したフルオロフォア、および/または
オリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合した消光剤を含み、および
随意に、上記フルオロフォアが、HEX、Texas RedおよびFAMから選択される、および/または
上記プローブが、10から40のヌクレオチド塩基の長さ、好ましくは20から30のヌクレオチド塩基の長さの核酸配列を含む、パラグラフ1~16のいずれか1つに記載のプロセス。
18.- プロセスの結果がレポートで提供される、および/または
- プロセスの結果が、患者の治療スケジュールを選択するために使用される、および好ましくは個体のための特定の治療法を選択するために使用される
パラグラフ1~17のいずれか1つに記載のプロセス。
19.パラグラフ1~13および17のいずれか1つに記載のプロセスによって個体の前立腺がんまたはDLBCLを処置する方法で使用するための治療薬であって、個体が治療薬を必要としていると特定されている、治療薬。
本発明は、以下の実施例によって例示される。
実施例1
EpiSwitch(商標)(染色体コンフォメーションシグネチャ)マーカーの使用
一次的および二次的な患部組織との高い一致および強力な検証結果を有する、非常に普及しているEpiSwitch(商標)マーカーを一貫して観察してきた。EpiSwitch(商標)バイオマーカーシグネチャは、複雑な疾患表現型の層別化において高いロバスト性、感度、および特異度を実証している。
EpiSwitch(商標)技術は、非常に効果的なスクリーニング手段、早期検出、コンパニオン診断、異常で応答性の高い遺伝子発現に関連付けられた主要な疾患のモニターおよび予後分析をもたらす。OBDアプローチの主な利点は、非侵襲的で、迅速であり、不安定なタンパク質/RNA分子よりもむしろ、染色体シグネチャの一部としての高度に安定したDNAベースの標的に依存していることである。
CCSは、エピジェネティックな制御および細胞の全ゲノムにわたる遺伝情報へのアクセスの安定した制御フレームワークを形成する。CCSの変化は、その結果が明らかな異常として自ずと現れるよりかなり前の制御のモードおよび遺伝子発現の初期の変化を反映している。CCSの簡単な考え方は、DNAの異なる離れた制御部分が互いに近接して相互の機能に影響を与えるトポロジカルな配置であるということである。これらの接続は、ランダムに行われるわけではなく、高度に制御され、有意なバイオマーカーの層別化力を有する高レベルの制御メカニズムとして十分に認識されている。
前立腺がんの予後の層別化
マーカーは、クラスI(低リスク、緩慢性)、クラスII(中程度)、およびクラスIII(侵攻性の高リスク)の遡及的アノテーションに基づいて開発された。マーカーは、健常対照に対する患者のロバストな分類を示し、クラスを区別する。サンプルは英国からのものであった。
前立腺がん患者の血液と健常対照者の血液とを区別することができるEpiSwitch(商標)バイオマーカーの同定
最初に、カスタムEpiSwitch(商標)マイクロアレイの研究を用い、8人の前立腺がん(PCa)および8人の対照の個体を区別するために、425の遺伝子座にわたって~15,000の潜在的なCCSを同定およびスクリーニングした。統計的に有意な上位のマーカーを、ネステッドPCRアッセイに転移し、24個のPCaおよび25個の健常対照のサンプルのより大きなサンプルコホートでスクリーニングした。それぞれ、100%(95%CI-86.2%~100%)および100%(95%CI-86.7%~100%)の感度および特異度を有するPCaおよび対照サンプルを分類したマイクロアレイから転移された上位5のCCSを使用して、分類子を開発した。
図1は、開発サンプルコホートの49個のサンプルに対する上位5のマーカーの主成分分析を示している。
診断分類子を使用して、83%の精度で24個のPCaおよび5個の健常対照のサンプルからなる追加の盲検化された独立したコホート(n=29)を分類した。EpiSwitch(商標)前立腺がんアッセイのさらなる開発を、95個のPCaおよび97個の対照の追加のサンプルコホート(n=192)を用いて実施した。これは、20個のサンプル(10個のPCa、10個の対照)の盲検サンプルコホートで検証された。この検証の結果は表1に示される。
Figure 2020225551000008
PCAプログラムの最新のプロジェクトでは、加水分解プローブベースのリアルタイム定量PCR(qPCR)を利用したPCa診断用の代替PCRフォーマットを開発した。6-マーカーモデルの性能は表2に示される。
Figure 2020225551000009
概要
さまざまな病期の米国および英国のサンプルを使用する、PCa診断プログラム中に開発されたEpiSwitch(商標)PCa診断シグネチャの3つの独立した盲検化された検証により、前立腺がんの診断に関して>80%の感度および特異度が達成される。PCaを検出するためのゴールドスタンダードの臨床アッセイである前立腺特異抗原(PSA)血液検査は、それ自体が他のさまざまな変数に依存しており、典型的に、32~68%の感度および特異度の範囲を有する。さらに、並行研究トラックにより、結果として、PCAと診断された個々の患者に対する臨床管理および治療選択を支援するために前立腺がんの予後を評価するEpiSwitch(商標)アッセイが開発された。
追加のカスタムEpiSwitchマイクロアレイの研究を、8人の侵攻性の前立腺がん患者(クラス3)と8人の緩慢性PCa患者(クラス1)とを区別するために、426の遺伝子座にわたって~15,000の潜在的なCCSを同定およびスクリーニングするために実施した。PCaクラスの説明は添付で見ることができる。統計的に有意な上位のマーカーを、ネステッドPCRアッセイに転移し、42個のクラス1、25個のクラス2および19個のクラス3のPCaのサンプルのより大きなサンプルコホートでスクリーニングした。
統計的に有意な上位6個のマーカーを使用して、クラス1(低リスク)およびクラス3(高リスク)のPCaを分類するための予後分類子を開発した。42個のクラス1および25個のクラス3のサンプルの独立したサンプルコホート(n=27)での分類子の性能は表3に示される。
Figure 2020225551000010
代替の分析では、クラス2とクラス3のPCa間で層別化されたさらなる6個のマーカーが見つかった。2つの分類子は2つのマーカーを共有し、各分類子も4つの固有のマーカーを有している。
図2は、2つのPCA予後分類子のVENN比較を示す。
クラス2 vs クラス3のPCa分類子の性能は表4に示される。
Figure 2020225551000011
結論
診断および予後のバイオマーカーの開発は、複数の臨床サンプルコホートで達成した。実施したすべてのマーカーのスクリーニングおよび選択は、健常対照に対する前立腺がんのさまざまな病期(病期1~3)の患者(診断的用途)の他に、緩慢性の、低リスクのカテゴリ1の前立腺がんに対する、侵攻性の、高リスクのカテゴリ3の患者(予後的用途)、または中リスクのカテゴリ2の患者において染色体コンフォメーションシグネチャを介してモニターされた全身性の、血液ベースのエピジェネティックな変化に基づいていた。
PCa対健常対照に関する層別化開発の結果は、試験コホートおよび一連の盲検化検証で最大>80%の感度および特異度を示した。高リスクのカテゴリ3対低リスクのカテゴリ1のPCaの層別化が、最大67個のサンプルのコホートで最大80%の感度および最大92%の特異度を示した一方で、高リスクのカテゴリ3対中リスクのカテゴリ2の層別化は、最大44個のサンプルのコホートで最大84%の感度および最大88%の特異度を示した。
添付
低リスク-カテゴリ1
限局性前立腺がんは、以下の場合に低リスクとして分類される:
PSAレベルが1mlあたり10ng未満である、および
グリーソンスコアが6以下である、および
TステージがT1とT2aとの間である。
中リスク-カテゴリ2
限局性前立腺がんは、以下の少なくとも1つである場合に中リスクとして分類される:
PSAレベルが10~20ng/mlである、
グリーソンスコアが7である、
TステージがT2bである。
高リスク-カテゴリ3
限局性前立腺がんは、以下の少なくとも1つである場合に高リスクとして分類される:
PSAレベルが20ng/ml以上である、
グリーソンスコアが8から10の間である、
TステージがT2c、T3またはT4である。
癌がT3またはT4ステージである場合、これは、前立腺の外側の線維性被覆(カプセル)を突き破ったことを意味するため、局所進行性前立腺がんとして分類される。
実施例2.DLBCLに対するマーカーの同定
概要
これは、続く治療(すなわち、R-CHOP)の選択のための予後不良および予後良好の患者の主要な群の同定に関連している。バイオマーカーは、遡及的全生存期間に基づいて開発されてきた。通常、患者は、ABC(予後不良)またはGCB(予後良)などの疾患サブタイプに従って、NanostringやFluidigmのような生検ベースの遺伝子発現基準によって分類される。しかし、すべての患者をABCまたはGCB(いわゆる、タイプIII、または未分類の患者)として分類することができたわけではない。ABCまたはGCBの標準分類に関係なく、治療前のベースラインでの生存の予後に対する分類を提供するバイオマーカーを同定した。
マーカーの同定
DLBCLは、患者の生存率に明確な違いを示し(予後不良 vs 予後良好)、サブタイプへの多数の分子の読み出しを特徴とする。さまざまなサブタイプも現在の臨床診療で異なって扱われている。これには、例えば、化学療法に対するリツキシマブおよびCHOPの併用が含まれる。さまざまなアプローチが存在する。
現在実施されている分子の読み出しは、直接生検によって得られた生物学的材料に対して実施される、アレイによる遺伝子発現プロファイリングに基づいている。それらには、極端なタイプのABCおよびGCBに対するNanostringおよびFluidigmのアレイベースの試験が含まれる。ANCサブタイプは通常、予後不良と関連している。すべての患者がABCまたはGCBとして分類することができたわけではなく、確立された遺伝子発現プロファイルおよび生存不良の予後との任意の関連性に関して、多数の患者が未分類(またはタイプIII)のままである。他のモダリティによる転写遺伝子発現プロファイリングに関係なく、予後不良対予後良好の患者を直接分類する全身バイオマーカーを構築した。
工程1:Episwitchスクリーニングアレイを使用して、DLBCLに対する生存の予後不良および予後良好を表す細胞株の群のエピジェネティックプロファイルを比較した。これにより、アレイベースのマーカーの同定、およびPCRフォーマットでの同じ標的に対して使用するネステッドPCRプライマーの設計が可能になる。
工程2:既知の遡及的生存アノテーションを有する57~58人の未分類のDLBCL患者からのベースライン血液サンプルで読み取られた上位10のネステッドPCRベースのマーカーを使用した。表6は、マーカー、最終的なシグネチャ、および分類子モデルによるパフォーマンスに対する詳細を提供している。
研究では、どのようにベースラインが、臨床生存データと比較して予後不良/良好のこれらの患者に対して呼び出しするかを示している。これはハザード比のCox推定値であり、すなわち、予後不良へのベースライン分類は、特定の値>1を有して、臨床事後アノテーションによる予後良好グループよりもむしろ、予後不良生存グループに属する確率が高いことを示している。後者は、試設計の臨床チームにとって特に価値があり、関心がある。
詳細な論評
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、成人で最も一般的なタイプの非ホジキンリンパ腫である。これは、青年期から老年期の間でいつでも発生しかねず、米国では毎年10万人あたり7~8人が罹患しているが、発症率は年齢とともに増加する。遺伝子発現プロファイリングにより、胚中心B細胞様(GCB)および活性化B細胞様(ABC)というDLBCLの2つの主要なタイプが明らかになった。GCB DLBCLは、二次リンパ器官、例えばリンパ節から発生し、ここで、ナイーブB細胞は感染が解消された後に分裂を停止しない。ABC DLBCLは、胚中心を離れて形質細胞、すなわち形質芽細胞B細胞になる準備ができているB細胞のサブセットで始まると考えられているが、現実は、B細胞のライフサイクル全体を通じてさまざまな形態のDLBCLが発生するため、より複雑である。
異なるサブタイプはさまざまな予後を有し、GCB DLBCLに関しては5年生存率は60%であるが、ABC DLBCLに関しては5年生存率はわずか35%である。サブタイプの各々は遺伝子発現の違いを特徴としている。GCB DLBCLでは、転写抑制因子BCL6はしばしば過剰発現されるが、ABC DLBCLでは、NF-κB経路はしばしば構成的に活性化されることがわかる。現在あまりよく理解されていないタイプIIIと呼び出しされるDLBCLの第3のタイプもあるが、これは2つの主要なタイプ間に位置する遺伝子発現プロファイルを有していると考えられている。
現在の診断方法には、罹患したリンパ節の切除生検とそれに続く免疫組織化学的検査(IHC)が含まれる。現在、DLBCLの治療手順はサブタイプに関係なく同じである。さまざまなサブタイプの病因、治療反応、および結果は大きく異なるため、差別化された治療戦略の開発を支援するために、サブタイプを区別するためのロバストで非侵襲的なアッセイを開発する必要性がまだある。DLBCLに対する予測および予後バイオマーカーを見つけるために多くの研究が行われてきたが、サブタイプを区別するために使用することができる単一の試験に対するコンセンサスはない。
DLBCL患者の血液中のDLBCLの異なるサブタイプを区別することができるEpiSwitch(商標)バイオマーカーを同定する
EpiSwitch(商標)アレイプラットフォームを使用して、DLBCL細胞株および血液サンプルを調べ、健常対照患者に存在しなかったバイオマーカーを同定してから、30のABC、30のGCB、および10の健常対照サンプルからなる70の患者コホートでこれらのバイオマーカーを確認した。
EpiSwitch(商標)アレイ
EpiSwitch(商標)カスタムアレイは、パターン認識ソフトウェアを使用して設計されたプローブを用いて、数千の考えられ得るCCSのスクリーニングを可能にする。EpiSwitch(商標)技術によってキャプチャされたさまざまな長距離の染色体相互作用は、対象の遺伝子座に課せられたエピジェネティックな制御フレームワークを反映し、これらの遺伝子座の同時制御に寄与するシグナル伝達経路からの個々の異なる入力に対応する。全体として、異なる入力の組み合わせは遺伝子発現を調節する。具体的な生理学的条件下での異常なまたは別個の染色体コンフォメーションシグネチャの同定は、すべての入力シグナルが遺伝子発現プロファイルに統合される前に、調節解除への特異的な寄与のための重要な証拠を提供する。
いくつかのソースからのデータを使用して、独自のソフトウェアでの分析のために98の遺伝子座を選択し、13,332の潜在的な染色体コンフォメーションのプローブを試験した。特異的な遺伝子座に1つまたは複数の高次のエピジェネティック染色体コンフォメーションマーカーが存在する、または高次のエピジェネティック染色体コンフォメーションマーカーが存在しない可能性があるため、1つの遺伝子座を見ることは1つのマーカーを見ることと等しいわけではない。製造後、DLBCL患者および健常対照からの細胞株および血液サンプルを、EpiSwitchプロトコルを使用して処理し、標識化し、アレイにハイブリダイズした。
診断開発用のサンプル
異なるサブタイプに対応し、サブ分類の信頼性のレベルが異なる16の細胞株を使用した。最も明確なABCおよびGCBのサブタイプの細胞株を分析に使用した。さらに、4人のDLBCL患者および11人の健常対照からの血液サンプルを使用した。パート1でのバイオマーカーの同定後、30のABCおよび30のGCBの血液サンプルからなる60個のサンプルを、OBDに提供し、Fluidigm試験によって十分に特徴付け、OBDによって提供された10個の健常対照サンプルを補足した。
結果
アレイ分析
マイクロアレイからの72の染色体シグネチャ部位を、以下の2つの基準に基づいてスクリーニングするように選択した。
・ABC細胞とGCB細胞との間で層別化するそれらの能力(highABC_highGCB)、および/または
・低いCV値(5つのアレイの中央値が分析された、高いABC対高いGCB、DLBCL1対健常対照、DLBCL2対健常対照、DLBCL3対健常対照およびDLBCL4対健常対照)
アレイのEpiSwitch(商標)PCRプラットフォームへの変換
アレイからの対象のプローブを囲む配列の分析後、染色体シグネチャ部位を照合するために69セットのプライマーを設計した。これらを、その後、プールされたDLBCL血液サンプル上で試験し、これらのうち49がアッセイで使用するためのPCR産物に対するOBD基準を満たしていた。
これらの49の潜在的なマーカーの各々を、その後、6つのDLBCL細胞株上で試験し、そのうちの3つはABCであり、3つはGCBであった。使用した細胞株は、複数の異なる同定方法を使用して同じ分類が見つけられたため、最も信頼のあったもの、ABCまたはGCBであった。これにより、ABCおよびGCBの細胞のサブタイプを区別するのに最も有用なマーカーを選択することが可能になった。PCRプラットフォームで使用するために28のEpiSwitch(商標)マーカーを同定し、これらはEpiSwitch(商標)マイクロアレイの結果と一致していた。さらに、潜在的なマーカーを、4人のDLBCL患者に対しても試験し、健常対照をプールして、DLBCL患者には存在するが、健常対照には存在しないものを同定した。28のEpiSwitch(商標)マーカーのうち21は、健常対照サンプルには存在しなかったが、DLBCLのマーカーとして、またサブ分類に使用することができるように、DLBCLサンプルには存在していた。
サンプル試験
EpiSwitch(商標)PCRプラットフォームにうまく変換された21のマーカーを、その後、70の患者の血液サンプルコホート間で試験した。最初に、各マーカーを、6つの新しいABCサンプル、および6つの新しいGCBサンプルで試験し、21のマーカーセットは10のマーカーに絞り込まれ、これは最大の違いを示した。これらの10のマーカーを、その後、残りの24のABC、24のGCB、および10の健常対照サンプルで試験した。
マーカーの各々を、その後、サブグループを区別するその能力、他のマーカーとのその共線性、およびまた健常をDLBCLと区別するその能力の分析にさらした。可能な限り最大の情報を提供したマーカーの6つのサブセットを同定し、これらは、ANXA11 IFNAR、MAP3K7、MEF2B、NFATc1、およびTNFRS13Cの遺伝子座におけるマーカーである。図3は、PCAプロット上のサンプルの異なる群を区別するこれらのマーカーの能力を示している。この6マーカーパネルは、健常対照患者をDLBCL患者と明確に区別することができ、これはDLBCLに対する血液ベースのアッセイの重要な特徴である。
図3は、6つのEpiSwitch(商標)マーカーバイナリデータに基づく60人のDLBCLおよび10人の健常な患者のPCAプロットを示している。サンプルは、FluidigmデータによってABCサブタイプまたはGCBサブタイプとして特徴付けられ、健常対照も示されている。
分類:DLBCL患者コホート(60のサンプル)内のABCおよびGCBのサブタイプの同定
分類を、5倍の交差検証を用いるロジスティック回帰分類子を使用して実施し、次の結果が達成された。交差検証では次の結果が達成された:
ABCサブタイプ 83.3%(95%CI-65.3%~94.3%)
GCBサブタイプ 83.3%(95%CI-65.3%~94.3%)
さらに、結果として得た6マーカーのロジスティック分類子モデルを、60人の患者のデータセットの50の順列で試験した。データを毎回ランダム化し、精度統計をROC曲線を使用して計算した。0.802の曲線下面積(AUC)およびp値0.0000037(H0=「AUCは0.5に等しい」)は、モデルが正確であり効率的に実施されていることを示している。
結論
この研究では、困難な臨床的質問、特にDLBCLのABCサブタイプとGCBサブタイプの区別に対する返答を提供するEpiSwitch(商標)技術の力を実証した。ハイスループットアレイ法、およびシンプルで費用効果の高いPCRプラットフォームへの変換を使用して、13,000を超える潜在的なCCSを試験し、DLBCLサブタイプを区別するための6マーカーパネルに改良した。このパネルは、DLBCL患者を健常対照と区別することができ、83.3%の確率でサブタイプを正確に予測することができた。この試験では、EpiSwitch(商標)(全血ベース)、LPS(起源の細胞、組織)、およびFluidigm(起源の細胞、組織)の間のクラス割り当てについても80%を超える一致があった。
EpiSwitch(商標)技術は、長距離の遺伝子間相互作用の変化、つまり染色体コンフォメーションシグネチャを検出し、これは結果として、疾患の病因に関与する重要な遺伝子のエピジェネティックな状態および発現モードの調節の変化につながる。EpiSwitch(商標)技術に基づく診断手順は、他のラボに移すことができるシンプルで迅速な手法である。この試験は、いくつかの分子生物学反応と、それに続くネステッドPCRによる検出で構成されている。この試験は、複雑な手順を必要とせず、PCRベースのアッセイを実行する任意のラボで実施することができる。
実施例3
イヌに関してさらなる研究を実施した。1つの目的は、リンパ腫の疑いのある初期診断を支援するためのマーカーを調査して、フォローアップ生検を実施するための要件について獣医に通知することであった。この研究では、上位75のEpiSwitchマイクロアレイのDLBCLマーカー(前に同定した)を、ヒトゲノムビルド(Grch37)から現在のイヌのゲノムに変換する。合計38のイヌのサンプル(リンパ腫の可能性のある19人の患者と19の一致した対照サンプルからなる)を、すべての75のDLBCLマーカーを使用してスクリーニングした。この研究を実行するために、以下を実施した:
- (特異的な遺伝子に関連付けられた)75のヒトDLBCLマーカーに基づいて、犬ゲノム(CanFam3.1)におけるオルソログを同定し、Biomartから遺伝子座を抽出した。
- EpiSwitch(商標)ソフトウェアを実行して、これらの遺伝子座における潜在的な相互作用を同定した。
- プライマー設計ソフトウェアおよびその他のフィルタを追加して、リストを調査用に75のマーカーに減らした。
研究および結果は、図6~16および表8および9に示される。
実施例4.前立腺がんに関するさらなる研究
前立腺がん(PCa)に対する現在の診断用血液検査は、初期段階の疾患に対しては信頼性が低く、結果として、良性疾患の男性において不必要な前立腺生検が多数発生し、PCaの男性においては陰性生検の誤った安堵が生まれる。低リスク群の5年生存率は95%超であり、ほとんどの男性が低侵襲治療の恩恵を受けるため、PCaのリスクを予測することは、治療オプションについて十分な情報に基づいた判定を下すために極めて重要である。三次元ゲノムアーキテクチャおよび染色体構造は、腫瘍と循環細胞の両方で腫瘍形成中に初期の変化を受け、疾患用バイオマーカーとして機能することができる。
この前向き研究では、新たに診断された治療歴のないPCa患者(n=140)および非癌対照(n=96)の全血中の425の癌関連遺伝子の遺伝子座における14,241の染色体ループに対して染色体コンフォメーションスクリーニングを実施した。
データは、PCa患者からの末梢血単核細胞(PBMC)が、ETS1、MAP3K14、SLC22A3、およびCASP2の遺伝子の遺伝子座で特異的な染色体コンフォメーション変化を獲得したことを示している。独立した検証コホートでの盲検化試験により、80%の感度および80%の特異度でPCa検出を得た。PCaリスク群間のさらなる分析により、高リスクカテゴリ3対低リスクカテゴリ1に対するBMP6、ERG、MSR1、MUC1、ACAT1、およびDAPK1の遺伝子と、高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2に対するHSD3B2、VEGFC、APAF1、MUC1、ACAT1、およびDAPK1の遺伝子とからなる予後検証セットが得られ、これらは原発性前立腺腫瘍におけるコンフォメーションと高い類似性を有していた。これらのセットは、高リスクカテゴリ3対低リスクカテゴリ1を層別化する80%の感度および92%の特異度、および高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2の疾患を層別化する84%の感度および88%の特異度を達成した。
結果は、PCa患者の血液中の特異的な染色体コンフォメーションを実証しており、これは高い感度および特異度でのPCaの診断および予後を可能にする。これらのコンフォメーションはPBMCと原発腫瘍との間で共有される。これらのエピジェネティックシグネチャは、血液ベースのPCaの診断および予後検査の開発につながる可能性がある。
導入
西欧諸国では、前立腺がん(PCa)は現在、男性で最も一般的に診断されている非皮膚癌であり、癌関連死の2番目に多い原因である。30歳の男性の多くは組織学的PCaの証拠を示しており、そのほとんどは微視的なものであり、おそらく臨床症状を示すことはない。診断および予後には、前立腺特異抗原(PSA)、侵襲性針生検、グリーソンスコア、および病期が使用される。2,299人の患者の大規模な多施設治験では、12部位の生検スキームが他のすべてのスキームより優れ、全体的なPCa検出率はわずか44.4%であった。
広く臨床で使用されているPCaに対する唯一の利用可能な血液検査は、PSAの循環レベル(21%の感度および91%の特異度)の測定を含むが、前立腺のサイズ、良性前立腺肥大症、および前立腺炎によってもPSAレベルは増加し得る。現在の4.0ng/mlのカットオフ限界では、すべてのPCa患者の20%のみが検出されている。初期のPCaでは、PSA検査は、初期の浸潤癌と潜在性の非致死性腫瘍とを区別するのに十分特異的ではなく、男性の一生にわたって無症候性のままであり得る。進行性のPCaでは、結果に対する臨床的代替エンドポイントとしてPSA動態が使用される。しかし、それらは一般的な予後を示す一方で、個体に対する特異性を欠いている。4K血液検査(AUC 0.8)およびPHI血液検査(90%の感度、17%の特異度)を含む多数のより特異的な血液検査が、PCa検出のために行われている。PCaの重症度を確立し、患者をリスク群に層別化するために、PSAレベル、病期、およびグリーソンスコアが使用される。現在まで、低リスクPCaと高リスクPCaを区別することを可能にする予後血液検査はない。
p53(腫瘍の最大64%)、p21(最大55%)、p73およびMMAC1/PTENの腫瘍抑制遺伝子の変異を含む、PCaに関連付けられた複数の遺伝的変化が存在するが、これらの変異は遺伝子制御に対するすべての観察された効果の説明にはならない。動的かつ多層の染色体ループ相互作用を含むエピジェネティックなメカニズムは、遺伝子発現の強力な制御因子である。染色体コンフォメーションキャプチャ(3C)技術により、これらのシグネチャを記録することが可能になる。この研究では、EpiSwitch(商標)アッセイを使用して、PCa患者の血液中の特異的な染色体コンフォメーションをスクリーニング、定義、および評価し、診断および予後のマーカーとして機能する可能性のある遺伝子座を同定した。
方法
2つのコホートで、合計140人のPCa患者と96人の対照をリクルートした。コホート1:泌尿器科クリニックに通うPCa診断のある男性(n=105)またはない男性(n=77)を、2010年10月から2013年9月まで前向きにリクルートした。コホート2:米国から患者のサンプル(19の対照および35のPCa)を入手した。リクルート時に、針および採血方法の現在の慣行を使用して、PCa患者から単一の血液サンプル(5ml)をBD Vacutainer(登録商標)プラスチックEDTAチューブに収集した。血液サンプルを受動的に凍結し、処理されるまで-80°Cで保存した。前立腺腫瘍サンプルを、前立腺全摘除術を続けて受けた、前にリクルートした患者(n=5)から得た。患者の臨床的特徴が表17に示される。
この研究の主要エンドポイントは、対照と比較した、PCa患者からのPBMCにおける染色体コンフォメーションの変化を検出することであった。したがって、すべての治療歴のないPCa患者は、グレード、ステージ、およびPSAレベルに関係なく、この研究に適格であった。前に化学療法を受けた患者または他の癌の患者は、この研究から除外された。PCa診断を臨床ルーチンに従って確立し、患者を適切な治療に割り当てた。予後研究(副次的エンドポイント)では、患者を関連するNCCNリスク群に従って層別化した(表10)。フォローアップ研究は実施しなかった。
黒色腫の暫定的調査結果に基づいて、事前の検出力分析を、Rパッケージpwdでpwr.t.test関数を使用して実施した。試験では、変数間の相関を検出するには群あたり15人の患者で十分であることが示唆された(β=5%の確率タイプIIエラー、有意水準;95%の検出力;50%の信頼区間および40%の標準偏差)。
EpiSwitch(商標)技術プラットフォームは、高解像度の3C結果を回帰分析および機械学習アルゴリズムと組み合わせて、疾患分類を発展させる。癌を診断することができるエピジェネティックなバイオマーカーを選択するために、健常(対照)サンプルと比較した、癌を患う患者からのサンプルを、ゲノムアーキテクチャの条件付きかつ安定したプロファイルの統計的に有意な差についてスクリーニングした。アッセイは、最初にクロマチンをホルムアルデヒドで固定してクロマチン内の会合を捕捉することにより、全血サンプルに対して実施される。その後、固定されたクロマチンをTaqI制限酵素でフラグメントに消化し、DNA鎖を結合して架橋フラグメントを優先する。架橋を逆転させ、EpiSwitch(商標)ソフトウェアによって前に確立されたプライマーを使用してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施する。EpiSwitch(商標)を3段階のプロセスで血液サンプルに使用して、PCa患者と健常対照者との間の染色体コンフォメーションの統計的に有意な差を特定、評価、および検証した(図17)。第1の工程では、425個の手動で精選されたPCa関連遺伝子(公開データベース(www.ensembl.org)から取得)からの配列を、クロマチン相互作用に関与する制御シグナルのこの計算による確率的同定のテンプレートとして使用した(表18)。カスタマイズされたCGH Agilentマイクロアレイ(8×60k)プラットフォームを、425の遺伝子座にわたる14,241の潜在的な染色体コンフォメーションに対して技術的および生物学的反復を試験するように設計した。8のPCaおよび8の対照サンプルをアレイに競合的にハイブリダイズし、各遺伝子座の有無の違いを、LIMMA線形モデリング、その後のバイナリフィルタリングおよびクラスタ分析によって定義した。これにより、最初に、PCa患者と対照とを最適に区別する能力を有する53の染色体相互作用が明らかになった(図17)。
第2の評価段階では、アレイ分析から選択された53のバイオマーカーがEpiSwitch(商標)PCRベースの検出プローブに変換され、複数ラウンドのバイオマーカー評価に使用した。PCRプライマーを、PCaと健常対照とを区別するそれらの能力に従って選択した(各群においてn=6)。ネステッドプライマーを使用して生成されたPCR産物の同一性を、直接的な配列決定によって確認した。したがって、選択された53のバイオマーカーを、最初の統計分析後に15のマーカーに減少し、最終的に5マーカーシグネチャにした(表11)。この選択された染色体コンフォメーションシグネチャバイオマーカーのセットを、その後、既知のコホート(n=49)で試験した。さらに、アレイマーカーリードのEpiSwitch(商標)PCR評価から発展された5マーカーシグネチャを、29のサンプルを初期に試験した既知の49のサンプルと組み合わせた(合計78のサンプル)独立した盲検化検証コホートで試験した。存在量レベルを判定し、潜在的な異常値を特定するために、主成分分析も使用した(図18)。
最後の工程では、PCa診断を通知するために使用される染色体コンフォメーションシグネチャをさらに検証するために、5マーカーのセットを、盲検化された、血液サンプルの独立した(n=20)コホートで試験した。結果を、ベイズロジスティックモデリング、p値帰無仮説(Pr(N|z|)分析、フィッシャーの直接確率P検定、およびGlmnetを使用して分析した(表12)。5マーカーシグネチャ研究におけるサンプルコホートサイズを、PCaサンプルと健常対照とを区別するための最適なマーカーの選択を可能にするために徐々に増大させた。コホートサイズを、95のPCaおよび96の健常対照サンプルに拡大した。データの分析および提示を、CONSORTの推奨事項に従って実施した。すべての測定を盲検化方式で実施した。分析手順を検証するためにSTARD基準を使用した。予後マーカーの同定についても同様の3段階のアプローチに従った(表13)。
配列特異的オリゴヌクレオチドを、Primer3を使用したネステッドPCRによって潜在的なマーカーをスクリーニングするために選択した部位の周囲に設計した。すべてのPCR増幅サンプルを、LabChip DNA 1K Version2キット(Perkin Elmer、Beaconsfield、英国)を使用して、LabChip GXでの電気泳動によって視覚化し、内部DNAマーカーを、蛍光色素を使用して製造元のプロトコルに従いDNAチップ上に積載した。蛍光を、機器ソフトウェアを使用してゲル画像上のシミュレートされたバンドに変換されたレーザおよびエレクトロフェログラムの読み取りによって検出した。バンドが陽性と見なされると設定した閾値は、30蛍光単位以上であった。
選択された患者(n=5)の生検から原発腫瘍サンプルを得た。粉砕した組織サンプルを、30分間穏やかに撹拌しながら37°Cで0.125%のコラゲナーゼにおいてインキュベートした。再懸濁した細胞(250ul)を、その後、固定アーム遠心分離機において室温で5分間800gで遠心分離し、上清を除去し、ペレットをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁した。原発腫瘍および一致する血液サンプルを、一定範囲のアッセイ感度(希釈係数1:2)でカテゴリ3対1および3対2に対する6マーカーのセットの存在について分析した。正しいサイズの一致するPCRバンドが検出された場合、1のスコアを割り当て、バンドが検出されなかった場合は0のスコアを割り当てた(表14)。
方法で記載されているように、EpiSwitch(商標)技術を使用した段階的な診断バイオマーカー発見プロセスを適用した。カスタマイズされたCGH Agilentマイクロアレイ(8×60k)プラットフォームを、8のPCaおよび8の対照サンプルにおいて(図17)425の遺伝子座にわたる14,241の潜在的な染色体コンフォメーションに対して技術的および生物学的反復を試験するように設計した(図18)。各遺伝子座の有無を、LIMMA線形モデリング、その後のバイナリフィルタリングおよびクラスタ分析によって定義した。第2の評価段階では、ネステッドPCRを53の選択されたバイオマーカーに使用し、それらをさらに15のマーカーに減少し、最終的に5マーカーシグネチャにした(図17)。PCaに対するこの明確な染色体コンフォメーション疾患分類シグネチャは、以下の5つのゲノム遺伝子座における染色体相互作用で構成された:ETSプロトオンコジーン1、転写因子(ETS1)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ14(MAP3K14)、溶質キャリアファミリー22メンバー3(SLC22A3)およびカスパーゼ2(CASP2)(表11)。染色体コンフォメーションシグネチャにおけるETS1、MAP3K14、SLC22A3、およびCASP2の遺伝子における特異的な染色体ループのゲノム位置(表11)を、それらの相対的な染色体にマッピングした。ETS1、MAP3K14、SLC22A3、およびCASP2の遺伝子に対する各染色体コンフォメーションシグネチャ遺伝子座の接合部に対応する2つのゲノム部位を、128,260,682から128,537,926までの11番染色体、43,303,603から43,432,282までの17番染色体、160,744,233から160,944,757までの6番染色体、および142,935,233から143,008,163までの7番染色体にマッピングした。染色体ループを示すETS1、MAP3K14、SLC22A3およびCASP2の染色体コンフォメーションシグネチャマーカーのCircosプロットを作成した。5マーカーに対する主成分分析を使用して、存在量レベルを判定し、潜在的な異常値を同定した。この分析を2つの群を含む78個のサンプルに適用した。第1の群である、49個の既知のサンプル(24のPCaおよび25の健常対照)を、24個のPCaサンプルおよび5個の健常対照サンプルを含む29個のサンプルの第2の群と組み合わせた(図18)。最終的なトレーニングセットを、95のPCaおよび96の対照サンプルを使用して構築し、その後、20個のサンプル(10の対照および10のPCa)の独立した盲検化検証コホートで試験した。5つのゲノム遺伝子座における染色体相互作用を使用したPCa検出に対する感度および特異度は、それぞれ、80%(CI 44.39%~97.48%)および80%(CI 44.39%~97.48%)であった(表12)。
PCaを層別化することができるエピジェネティックなバイオマーカーを選択するために、リスク群カテゴリ1~3(それぞれ、低、中、高、表10)に分類されたPCa患者からのサンプルを、ゲノムアーキテクチャの条件付きかつ安定したプロファイルの統計的に有意な差に対してスクリーニングした。EpiSwitch(商標)を3段階のプロセスで血液サンプルに使用して、疾患のさまざまなステージにおけるPCa患者間の染色体コンフォメーションの統計的に有意な差を同定、評価、および検証した(図17)。第1の工程では、使用したアレイは425の遺伝子座をカバーし、試験プローブは合計14,241の潜在的な染色体コンフォメーションに対するものであった。高リスクPCaカテゴリ3の患者を、低リスクカテゴリ1または中リスクカテゴリ2と比較した。合計で、PCR評価のための181の潜在的な層別化マーカーリードをエンリッチメント統計を使用して同定した(表19)。その後、上位70のマーカーを、PCR検出の次の段階に持ち込み、高リスクカテゴリ3対低リスクカテゴリ1の患者サンプルの層別化をさらに評価し、最終的に高カテゴリ3対低カテゴリ1に対する6マーカーセットを確立した(表13)。最良のマーカーを、カイ二乗を使用して同定し、その後、カテゴリ1(n=21)およびカテゴリ3(n=19)の試験セットに対する分類子に組み込んだ。その後、マーカー減少に使用されなかったカテゴリ1(n=21)およびカテゴリ3(n=6)の独立したコホートを、第1のラウンドの盲検化検証に使用した。同様に、6マーカーセットを、25個のサンプルおよび19個のサンプルを含む、それぞ、カテゴリ3およびカテゴリ2の試験セットに関して高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2について評価した。その後、マーカー減少に使用されなかったカテゴリ2およびカテゴリ3(各群においてn=6)の独立したコホートを、第1のラウンドの盲検化検証に使用した。
最後の工程では、PCa予後を通知するために使用される染色体コンフォメーションシグネチャをさらに検証するために、高リスクカテゴリ3対低リスクカテゴリ1の6マーカーセットを、より大規模で、より代表的なコホートで試験した。元の盲検化コホートを、マーカー減少に使用された40個のサンプルを含む67個のサンプルに拡張した(表15)。同様に、高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2に対する6マーカーセットを、より大規模で、より代表的なコホートで試験した。元の盲検化コホートを43個のサンプルに拡張した(表16)。
カテゴリ3対カテゴリ1の6マーカーセットを確立した。このセットには、骨形態形成タンパク質6(BMP6)、ETS転写因子ERG(ERG)、マクロファージスカベンジャー受容体1(MSR1)、ムチン1(MUC1)、アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ1(ACAT1)、および細胞死関連プロテインキナーゼ1(DAPK1)遺伝子が含まれた(表13)。ヒドロキシ-デルタ-5-ステロイドデヒドロゲナーゼ、3ベータ-およびステロイドデルタ-イソメラーゼ2(HSD3B2)、血管内皮増殖因子C(VEGFC)、アポトーシスペプチダーゼ活性化因子1(APAF1)、MUC1、ACAT1およびDAPK1を含む、高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2に対する6つのバイオマーカーを同定した。顕著なことに、最後の3つのバイオマーカー(MUC1、ACAT1およびDAPK1)を、カテゴリ1対3および3対2の間で共通していた(表13)。6つのゲノム遺伝子座における染色体相互作用を使用した高リスクカテゴリ3対低リスクカテゴリ1のPCaの層別化は、67個のサンプルの盲検化コホートにおいて80%(CI 59.30%~93.17%)の感度および92%(CI 80.52%~98.50%)の特異度を示した(表15)。同様に、高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2に対する6マーカーセットを、84%(CI 63.92%~95.46%)の感度および88%(CI 65.29%~98.62%)の特異度を実証する43個のサンプルのより大規模で、より代表的なコホートで試験した(表16)。
5つの一致する末梢血および原発腫瘍のサンプルを使用して、末梢循環で同定されたエピジェネティックマーカー(表13)を腫瘍組織と比較した。結果は、カテゴリ1対3およびカテゴリ2対3の層別化シグネチャの一部として血液中で検出された多数の調節解除マーカーが腫瘍組織で検出され得ることを示した(表14)。これは、全身的に検出することができる染色体相互作用が、腫瘍形成の原発部位において同じ条件下で検出することができたことを実証している。
前立腺がんのタイムリーな診断は死亡率を低下させるために重要である。PCaに対するスクリーニングの欧州のランダム化研究では、定期的なPSAスクリーニングを受けた男性のPCa死亡率が大幅に低下することが示されている。しかし、総合的なスクリーニングは臨床的に有意でない疾患の過剰診断につながり、低リスク疾患と高リスク疾患とを区別することができる新しい低侵襲検査が緊急に必要とされている。
エピジェネティック分析アプローチは、このニーズに対処するための潜在的に強力な手段を提供する。検査のバイナリの性質(染色体ループが存在するか否か)および巨大な組み合わせ力(>1010の組み合わせが、スクリーニングされた~50,000のループで可能である)により、臨床的に十分に定義された基準に正確に適合するシグネチャを作成することが可能になり得る。PCaにおいて、低リスク対高リスクの疾患を識別したり、小さいが侵攻性の腫瘍を同定したり、最も適切な治療オプションを判定したりする。さらに、エピジェネティックな変化は腫瘍形成の初期に現れることが知られており、診断および予後の両方に有用である。
この研究では、PCaに対する非侵襲的血液ベースのエピジェネティックシグネチャの特有のバイオマーカーとして染色体コンフォメーションを同定し、検証した。データは、PCa患者にのみ存在するETS1、MAP3K14、SLC22A3、およびCASP2の遺伝子の遺伝子座に安定したクロマチンループが存在することを実証している(表11)。20の盲検化サンプルの独立したセットにおけるこれらのマーカーの検証は、80%の感度および80%の特異度を示し(表12)、これはPCa血液検査で注目に値する。興味深いことに、これらの遺伝子のいくつかの発現は、すでに癌の病態生理に関連している。ETS1はETS転写因子ファミリーのメンバーである。ETS1を過剰発現する前立腺腫瘍は、上皮間葉転換の細胞の遊走、侵入、および誘導の増加に関連している。MAP3K14(核因子カッパベータ(NF-kβ)誘導キナーゼ(NIK)としても知られている)は、MAP3K群(またはMEKK)のメンバーである。生理学的に、MAP3K14/NIKは、特にMAP3K14/NIKが過剰発現されているときに、非標準のNF-kβシグナル伝達を活性化し、標準のNF-kβシグナル伝達を誘導することができる。腫瘍細胞の侵入を促進するようにミトコンドリアのダイナミクスを制御するためのMAP3K14/NIKの新しい役割が説明されてきた。SLC22A3(有機カチオントランスポーター3(OCT3)としても知られている)は、膜輸送タンパク質のSLC群のメンバーである。SLC22A3発現はPCa進行に関連している。CASP2は、カスパーゼ活性化および動員ドメインの群のメンバーである。生理学的に、CASP2はオートファジーの内因性リプレッサーとして機能することができる。同定された遺伝子のうちの2つ(SLC22A3およびCASP2)は、癌の進行と逆相関することが以前に示された。重要なことに、クロマチンループの存在は遺伝子発現に不確定な影響を与えかねない。
PCa予後マーカーをスクリーニングするために、EpiSwitch(商標)カスタムアレイを実施して、低リスクPCa(分類1)および高リスクPCa(分類3)の患者の末梢血からのDNAの競合的ハイブリダイゼーションを分析した。BMP6、ERG、MSR1、MUC1、ACAT1、およびDAPK1を含む、高リスクカテゴリ3対低リスクカテゴリ1に対する6マーカーセットを同定した。HSD3B2、VEGFC、APAF1、MUC1、ACAT1、およびDAPK1を含む、高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2に対する6つのバイオマーカーを同定した。これらのバイオマーカーのうち3つ(MUC1、ACAT1、およびDAPK1)を、これらのセット間で共有した。データは、ステージ1および3での一致したPCa患者の原発腫瘍および血液における染色体コンフォメーション間の高い一致を示している(表14)。これらの遺伝子のいくつかの予後的有意性および診断的価値は以前に示唆されている。BMP6はPCa骨転移において重要な役割を果たしている。ETS1に加えて、ERGは転写因子のETSファミリーのもう1つのメンバーである。圧倒的な証拠は、ERGが、転移、上皮間葉転換、エピジェネティックな再プログラミング、および炎症を含む、PCaの進行に関連するいくつかのプロセスに関与していることを示唆している。MSR1はPCaに中程度のリスクを与え得る。MUC1は、ムチンファミリーに属する膜結合型糖タンパク質である。進行性PCaにおけるMUC1の高発現は、有害な臨床病理学的腫瘍の特徴および結果不良に関連している。ACAT1の発現は、高グレードおよび進行性のPCaで上昇し、生化学的無再発生存率の低下の指標として機能する。DAPK1は、腫瘍抑制因子として、または異なる細胞に関する発癌性分子として機能し得る。HSD3B2は、ステロイドホルモン生合成において重要な役割を果たしており、有害な腫瘍表現型、アンドロゲン受容体シグナル伝達の増加、および早期の生化学的再発を特徴とするPCaの関連する画分でアップレギュレーションされる。VEGFCはVEGFファミリーのメンバーであり、その発現の増加はPCa標本におけるリンパ節転移に関連している。包括的な生化学的アプローチでは、APAF1はアポトソームのコアとして説明されてきた。
これらの遺伝子座の同定にもかかわらず、PBMCにおける癌関連のエピジェネティック変化のメカニズムは未同定のままである。しかし、相互作用は全身的に検出することができ、腫瘍形成の原発部位において同じ条件下で検出され得る(表14)。したがって、変化を測定することができるようにするには、PBMCにおけるクロマチンコンフォメーションを外部要因、おそらく、PCa腫瘍の細胞によって生成されたものによって指示しなければならない。染色体コンフォメーションのかなりの割合が、腫瘍特異的コンフォメーションを制御する非コードRNAによって制御されることが知られている。腫瘍細胞は、隣接細胞または循環細胞によって形質膜陥入され、それらの染色体コンフォメーションを変化させ得る非コードRNAを分泌することが示されており、この場合では制御因子の可能性がある。バイオマーカーとしてのRNA検出は依然として非常に困難であるが(低い安定性、バックグラウンドドリフト、統計的層別化分析に対する継続的な基盤)、染色体コンフォメーションシグネチャは、特に核内で試験したときに、バイオマーカー標的の使用に対する十分に認識された安定したバイナリの利点を提供するが、これは、血漿中に存在する循環DNAが、無傷の細胞核に存在する3Dコンフォメーションのトポロジー構造を保持しないためである。対象の遺伝子座にわたるエピジェネティックな制御の並行経路を表す、複数の染色体コンフォメーションが存在する可能性があるため、1つの遺伝子座を見ることが1つのマーカーを見ることと等しくないことに言及することが重要である。PCa診断の現在の臨床診療における重要な課題の1つは、確定診断を行うのにかかる時間である。これまでのところ、PCaに対する単一の確定的な検査はない。高レベルのPSAは、患者を不確実性の長い旅に導き、そこで、必要に応じて、磁気共鳴画像スキャンとそれに続く生検を受ける。生検は、PSA検査よりも信頼性があるが、癌病変の欠落が依然として問題となりかねない主な手順である。ここで説明される5セットのバイオマーカーパネルは、比較的安価で十分に確立された分子生物学技術(PCR)に基づいている。サンプルは、収集が簡単で、臨床医に数時間以内に迅速に利用可能な臨床読み出しを提供する生体液に基づいている。これにより順に、時間およびコストが大幅に節約され、PCaの断定的な診断のための現在のプロトコルにおけるギャップを埋める有益な診断判定が支援される。
PCaのリスクを予測することは、治療オプションに関する十分な情報に基づいた判定を下すために極めて重要である。低リスク群の5年生存率は95%超であり、ほとんどの男性は低侵襲治療の恩恵を受ける。現在、PCaリスクの層別化は、循環PSA、腫瘍グレード(生検から)、および腫瘍ステージ(画像所見から)の組み合わせ評価に基づいている。簡単な血液検査を使用して同様の情報を導き出す能力によって、コストの大幅な削減を可能にし、診断プロセスをスピードアップする。PCa治療で特に重要なのは、最初は低リスクとして現れるが、その後、高リスクに進行する少数の腫瘍を同定することである。したがって、このサブセットは、より迅速でより根本的な介入の恩恵を受ける。
結論として、ここでは、PCaの存在および予後を強く示唆している患者のPBMCの染色体コンフォメーションのサブセットを同定した。これらのシグネチャによって、PCaに対する迅速な診断および予後の血液検査が開発される大きな可能性があり、これらは現在使用されているPSA検査の特異性を大幅に上回っている。好ましいマーカーおよび組み合わせは以下を含む:
- ETS1、MAP3K14、SLC22A3、およびCASP2。これは、以下のネステッドPCRマーカーによる診断である:
- BMP6、ERG、MSR1、MUC1、ACAT1、およびDAPK1。これは予後シグネチャである(ネステッドPCRマーカーによる高リスクカテゴリ3対低リスクカテゴリ1):
- HSD3B2、VEGFC、APAF1、MUC1、ACAT1、およびDAPK1。これは予後である(高リスクカテゴリ3対中リスクカテゴリ2)
実施例5.DLBLCに関するさらなる研究
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、不均質な血液癌であるが、胚中心B細胞様(GCB)および活性化B細胞様(ABC)の2つの主要なサブタイプに広く分類することができる。GCBおよびABCのサブタイプは臨床経過が大きく異なり、ABCの生存予後ははるかに悪い。異なるサブタイプの患者も治療的介入に対して異なる反応を示すことが観察されており、実際、ABCおよびGCBが完全に別個の疾患と見なすことができると主張する人もいる。治療への反応のこの変動性のために、DLBCLサブタイプを判定するためのアッセイを有することは、既存の治療法の使用への臨床的アプローチを導く上で、また新薬の開発において重要な意味がある。DLBCLをサブタイプ化するための現在のゴールドスタンダードアッセイでは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織に関する遺伝子発現プロファイリングを使用して、「起源の細胞」、したがって疾患のサブタイプを判定する。しかし、このアプローチには、1)生検を必要とする、2)複雑で費用と時間のかかる分析アプローチを必要とする、および3)すべてのDLBCL患者を分類しないという点で、いくつかの重大な臨床的制限がある。
ここでは、エピゲノムアプローチを採用し、DLBCLサブタイプを同定するための血液ベースの染色体コンフォメーションシグネチャ(CCS)を開発した。118人のDLBCL患者からの臨床サンプルを使用した反復アプローチを採用して、疾患をサブタイプ化するための6つのマーカー(DLBCL-CCS)のパネルを定義した。その後、DLBCL-CCSの性能を、FFPE組織からの従来の遺伝子発現プロファイリング(GEX)と比較した。
DLBCL-CCSは、既知のステータスのサンプルでのABCおよびGCBの分類において正確であり、分類子の開発に使用される発見コホートでの100%(60/60)サンプルで同一の呼び出しを提供した。また、評価コホートでは、DLBCL-CCSは、GEX分析で定義された中間サブタイプ(タイプIII)を有するサンプルの100%(58/58)でDLBCLサブタイプの呼び出しを行うことができた。最も重要なことに、これらの患者が疾患の経過全体を通して長期的に追跡された場合、EpiSwitch(商標)関連の呼び出しは、ABCおよびGCBのサブタイプに対する生存率の既知のパターンでより良好に追跡した。
この研究は、DLBCLサブタイプを同定するための、単純で、正確で、費用効果が高く、臨床的に採用可能な血液ベースの診断が可能であるという初期の兆候を提供する。
背景
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は最も一般的なタイプの血液癌であり、さまざまな方法論を使用した多くの研究により、遺伝的および生物学的に不均質であることが実証されている。2つの主要なDLBCL分子サブタイプは、胚中心B細胞様(GCB)および活性化B細胞様(ABC)であるが、分子サブタイプのより詳細な定義も提案されている。これらの2つの主要なサブタイプは、劇的に異なる疾患経過を有し、ABCサブタイプの生存予後がはるかに悪いことが観察されているため、高度な臨床的関連性がある。おそらくより重要なことに、GCBおよびABC(または非GCB)のサブタイプを治療するための新規の治験薬が臨床現場で評価されるため、および選択されていない患者の全体的な奏効率が低いという歴史的観察により、治療の開始前に患者サブタイプを同定する差し迫った必要性がある。歴史的に、DLBCLサブタイプは「起源の細胞」(COO)を同定することによって判定される。元のCOO分類は、階層的クラスタリング分析によって、活性化された末梢血B細胞または正常な胚中心B細胞とのDLBCL遺伝子発現の観察された類似性に基づいていた(3)。全ゲノム発現プロファイリング(GEP)によるこのCOO分類によって、DLBCLを活性化B細胞様(ABC)、胚中心B細胞様(GCB)、およびタイプIII(未分類)サブタイプに分類し、ABC-DLBCLは予後不良および構成的NF-kB活性化を特徴とする。それらの将来性のある研究において、WrightらはABCとGCB-DLBCLとの間でそれらの発現が最も判別可能である27の遺伝子を同定し、COO分類のための線形予測スコア(LPS)アルゴリズムを開発した。これらの独自の研究は、全体的に新鮮凍結(FF)リンパ腫組織の遡及的調査に基づいている。臨床診療におけるこのCOO分類の適用に関する主な課題は、定期的なホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)診断生検に適したロバストな臨床アッセイの確立であった。いくつかの研究では、定量的ヌクレアーゼプロテクションアッセイ、Affymetrix HG U133 Plus 2.0プラットフォームまたはIllumina全ゲノムDASLassayを用いるGEP、およびNanoStringリンパ腫サブタイプ化試験(LST)技術を含む、mRNA発現の定量的測定によるFFPE組織を使用したDLBCLのCOO分類の可能性も調査した。GEPによるCOO分類を要約するために、いくつかの免疫組織化学的検査(IHC)ベースのアルゴリズムも調査されてきた。概して、これらの研究は、FFPE組織を使用したDLBCLのCOO分類の高い信頼性およびABCサブタイプとGCBサブタイプとの間の全生存期間のロバストな分離を実証したたが、再現性の問題、特にアッセイ間の一致の欠如に悩まされている。さらに、任意のIHCベースの測定はベースライン組織を必要とするが、これは常に利用可能ではなく、サンプル収集からアッセイの読み出しまでの現在のターンアラウンドタイムは長く、臨床現場での実施が困難である。
DLBCLをサブタイプ化するために歴史的に使用されてきたアプローチの中で、COO評価のための1つの方法は、Fluidigm BioMark HDシステムを使用して定量的逆転写PCR(qRT-PCR)によるFFPE組織からの27の遺伝子の発現を測定するアッセイを使用する。この方法論には既存の手法に比べていくつかの利点があるが、そのアプローチはそれでも、1)組織生検を必要とする、2)高価で、非標準かつ時間のかかる検査手順に依存するという点で、その臨床応用を制限するいくつかの大きな障害に直面している。このように、血液ベースのアッセイがあることで、臨床的適用性がエンリッチメントされたDCBCLサブタイプ化のための簡単で、信頼性が高く、費用効果の高い方法を提供することにより当該分野は前進される。
この研究では、ゲノムアーキテクチャの変化の検出に焦点を当てることによって、DLBCL患者においてCOO分類を判定するために新しい血液ベースのアッセイを使用した。エピジェネティックな制御フレームワークの一部として、ゲノム領域は、遺伝子発現を機能的に制御する方法として、それらの三次元構造を変更することができる。この制御メカニズムの結果は、異なるゲノム遺伝子座でのクロマチンループの形成である。これらのループの有無は、染色体コンフォメーションキャプチャ(3C)を使用して経験的に測定することができる。複数のゲノム領域は、安定した条件付きの長距離の染色体相互作用の形成を通じてエピスタシスの調節に貢献する。複数のゲノム遺伝子座での染色体コンフォメーションの集合的な測定は、結果として、染色体コンフォメーションシグネチャ(CCS)、またはその外部環境へのゲノム応答を反映する分子バーコードをもたらす。CCSの検出、スクリーニング、およびモニターには、CCSを検出するための確立された、高解像度および高スループットの方法論であるEpiSwitchプラットフォームを利用した。3Cに基づいて、EpiSwitchプラットフォームは、定義された遺伝子座でのクロマチン構造の変化、および長距離の非コードのシスおよびトランス制御相互作用を評価するために発展されてきた。患者の層別化にEpiSwitchを使用する利点の中には、そのバイナリの性質、再現性、比較的低いコスト、迅速なターンアラウンドタイム(サンプルは24時間以内に処理可能)、たった少量の血液(~50mL)の要件、およびPCRベースの検出方法のFDA標準でのコンプライアンスがある。したがって、染色体コンフォメーションは、細胞状態の安定したバイナリの読み出しを提供し、バイオマーカーの出現するクラスを表す。
ここでは、染色体アーキテクチャの変化の評価に基づくアプローチを使用して、DLBCLCOOサブタイプ化に対する血液ベースの診断試験を開発した。DLBCL患者からの血液サンプルにおけるゲノムアーキテクチャの変化の調査が、組織ベースのCOO分類アプローチに代わる方法を提案し、臨床的意思判定および試験デザインを導くための新規で、非侵襲的で、より臨床的に適用可能な方法論を提供することができると仮定した。
この研究では、合計で既知のCOOサブタイプを有する118人のDLBCL患者および10人の健常対照(HC)を使用した。サンプルは、進行性非ホジキンリンパ腫におけるリツキシマブとベバシズマブの第III相の、ランダム化した、プラセボ対照試験で収集されたサンプルのサブセットであった。簡潔には、新たにCD20陽性DLBCLと診断された18歳以上の成人患者を、R-CHOPまたはR-CHOPとベバシズマブ(RA-CHOP)にランダム化した。60人のDLBCL患者から収集された血液サンプルを、CCSバイオマーカーリードを同定、評価、および改良するための開発コホートとして使用した。このコホートからの患者をすべて、高いサブタイプ固有のLPS(線形予測スコア)を有する高い/強いGCB(30)またはABC(30)として分類した。残りの58個のDLBCLサンプルには中間LPSがあり、Fluidigm検査によってABC、GCB、または未分類と判定された(図25)。これらの患者サンプルを、CCSバイオマーカーの発見および開発には使用しなかったが、結果の分類子を評価するために後の段階で使用した。Fluidigm検査を、リンパ節から得られた組織を使用して行い(パンチ生検として、または手術中に除去した)、EpiSwitch分析を、治療を受ける前に患者から収集された一致した末梢全血を使用して行った。
患者サンプルに加えて、12個の細胞株(6個のABCおよび6個のGCB)もバイオマーカースクリーニングの初期段階で使用し、ABCおよびGCBの疾患サブタイプを最適に区別することができる染色体コンフォメーションのセットを同定した(表20)。細胞株を、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)、ドイツ微生物細胞培養コレクション(DSMZ)、および公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団(JHSF)から得た。
RNAを、治療前のFFPE生検から単離し、精製した。DLBCLサブタイプを、WrightらのアルゴリズムをDLBCLサブタイプ予測子の27個の遺伝子を含むカスタムFluidigm遺伝子発現パネルからの発現データに適応することによって判定した。15人の非試験被験体のコホートでFludigm qRT-PCRをAffymetrixデータと比較することによるCOOアッセイの検証によって、使用した19の分類遺伝子にわたる一致した新鮮凍結(FF)サンプルおよびFFPEサンプルからのqRT-PCR測定値間の高い相関性が明らかになった。同じFFサンプルからのAffymetrixマイクロアレイとFluidigm qRT-PCR測定値間の高い相関性も発見した。Fluidigm COOアッセイからのqRT-PCRデータから計算された分類遺伝子の重みは、独立した患者コホートにおける以前のマイクロアレイデータから得られた重みと非常に一致していた。Fluidigmアッセイに由来するLPS、FFPE腫瘍におけるデータ、およびテクニカルレジストリコホートでの一致したFF組織におけるAffymetrixマイクロアレイデータに由来するLPSの間の高い相関性(76%の一致)を観察した。
パターン認識アルゴリズムを使用して、長距離の染色体コンフォメーションを形成する可能性のある部位に対するヒトゲノムをアノテートした。パターン認識ソフトウェアは、ベイジアンモデリングに基づいて動作し、領域が長距離のクロマチン相互作用に関与しているという確率的スコアを提供する。97個の遺伝子座からの配列(表21)をパターン認識ソフトウェアを介して処理して、DLBCLサブタイプを区別することができる可能性が最も高い13,322の染色体相互作用のリストを生成した。最初のスクリーニングでは、アレイベースの比較を行った。60merのオリゴヌクレオチドプローブを、これらの潜在的な相互作用を照合するように設計し、カスタムアレイとしてAgilent SureDesignのウェブサイトにアップロードした。各プローブは、EpiSwitchマイクロアレイ上に四つ組で存在した。潜在的なCCSを続いて評価するために、Primer3を使用して設計された配列特異的オリゴヌクレオチドを使用してネステッドPCR(EpiSwitch PCR)を実施した。オリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチド特異的BLASTを使用して特異度に関して試験した。
DLBCLにおいて調節不全であると特定された上位10のゲノム遺伝子座を、タンパク質リストとしてCytoscapeにおけるReactome Functional Interaction Networkのプラグインにアップロードして、DLBCLにおけるエピジェネティックな調節不全のネットワークを生成した。10個の遺伝子座をまた、900万を超える既知の予測されたタンパク質間相互作用を含むデータベースである、STRING(相互作用する遺伝子/タンパク質DBの取得のための検索ツール)(https://string-db.org/)にアップロードした。ヒトの相互作用のみに制限して、メインネットワーク(つまり、接続されていないノードを除外した)を生成した。上位の偽発見率(FDR)を修正した機能的エンリッチメントを、遺伝子オントロジー(GO)および京都遺伝子ゲノム百科事典(KEGG)データベースによって同定した。上位10のゲノム遺伝子座も、KEGG Pathway Database(https://www.genome.jp/kegg/pathway.html)にアップロードして、DLBCLにおける調節不全を示す特異的な生物学的経路を同定した。
直接検定およびフィッシャー直接検定(カテゴリ変数に関する)を使用して、判別力のあるマーカーを同定した。統計学的有意性のレベルをp≦0.05に設定し、すべての試験を両側で行った。ランダムフォレスト分類子を使用して、DLBCLサブタイプを同定するEpiSwitchマーカーの能力を評価した。長期生存分析を、R(38)でのsurvival およびsurvminerのパッケージを使用してカプラン・マイヤー分析によって行った。平均生存時間を両側t検定を使用して計算した。
DLBCLサブタイプを区別することができるCCSバイオマーカーパネルを発見して検証するための段階的なアプローチを採用した(図19)。EpiSwitch分類子の発見の第1の工程として、97の遺伝子座(表21)を、染色体コンフォメーション相互作用部位の予測される存在のために選択して、アノテートし、EpiSwitch CGH Agilentアレイを使用してそれらの経験的存在のためにスクリーニングした。アノテートしたアレイの設計は、13,322の染色体相互作用候補を表し、平均で99の別個のシス相互作用を各遺伝子座で試験した(99±64;平均±SD)。この発見アレイを使用して、2つの主要なDLBCLサブタイプを区別することができる染色体コンフォメーションのより小さなプールをスクリーニングおよび同定した。この工程で使用したサンプルは、GCBおよびABCの細胞株(表20)、および4人の分類されたDLBCL患者(2のGCBおよび2のABC)および4人のHCからの全血からのものであった。細胞株を、遺伝子発現分析に基づいて高ABCおよびGCBと低ABCおよびGCBにグループ分けした。アレイで使用した比較は次の通りであった:1)DLBCL患者とプールされたHCの比較、2)プールされたDLBCLサンプルとプールされたHCサンプルの比較、3)プールされた高GCB細胞株とプールされた高ABCの比較、および4)プールされた低ABCとプールされた低GCB細胞株の比較。
アレイ分析から、高ABC細胞株とGCB細胞株とを区別し、DLBCL患者からの血液サンプルには存在するが、HCには存在しない、1,095の統計学的に有意な染色体相互作用を同定した。これらを、統計フィルタのセットを使用して上位293の相互作用にさらに減らし、そのうち151をABCサブタイプに関連付け、143をGCBサブタイプに関連付けた。60個の分類されたDLBCL患者サンプルに対するEpiSwitchPCRプラットフォームを使用したさらなる改良のために、いずれかのサブタイプからの上位72の相互作用(ABCに関しては36の相互作用、GCBに関しては36の相互作用)を選択した。118個のDLBCLサンプルすべてに関して、初期のサブタイプ分類を、27個の遺伝子のパネルの発現から線形予測スコア(LPS)を計算するWrightアルゴリズムに基づいて割り当てた。60個のサンプルを、ABCまたはGBCのいずれかに分類し、EpiSwitch分類子の開発に使用し(「発見コホート」)、58個のサンプルは中間LPSスコアであり、これらをEpiSwitch分類子のパフォーマンスの評価に使用した(「評価コホート」)(図19)。
最初のスクリーニングで同定された72の相互作用を、発見工程中のDLBCL患者サンプルと12のHCとともに60のDLBCL分類された(30のABCおよび30のGCB)患者サンプルの第2のコホートの両方を使用してより小さなプールに絞り込んだ(図19)。EpiSwitchアッセイによって行われたDLBCLサブタイプの呼び出しを、Fluidigmプラットフォームを使用して確認した。Fluidigm遺伝子発現分析を組織生検サンプルで実行した一方で、同じ患者からの全血をEpiSwitch PCRアッセイに使用した。精製の最初の工程では、最初のスクリーニングで同定された72の染色体相互作用が、DLBCLに特異的であり、HCサンプルには存在しないことをPCRによって確認した。これを、最初に6つの分類されていないDLBCLサンプルと2つのHCで試験し、結果としてDLBCLに特異的な21の相互作用を同定した。次に、EpiSwitch PCRを使用して、分類されたDLBCL患者サンプル(12のABCおよび12のGCB)からの24の血液サンプルを試験し、フィッシャー直接検定を使用してDLBCLに特異的な染色体相互作用を同定した。これによって、結果として、ABCサブタイプとGCBサブタイプとを正確に区別することができる10の判別力のある染色体コンフォメーション相互作用のセットが得られ、これらを36個のDLBCLサンプル(18のABCおよび18のGCB)の追加のセットからの血液サンプルに関してさらに評価した(図19)。
10マーカーパネルの精度、パフォーマンス、およびロバスト性を試験するために、完全なサンプルコホートの80%(合計48個のサンプル:24のABCおよび24のGCB)に関する特徴選択のための直接検定を使用し、残りの20%(12のサンプル、6のABCおよび6のGCB)を最終的に選択されたCCSマーカーの後の試験に使用した。データを10回分割し、各分割の80%のトレーニングセットを使用して分割の各々に対して直接検定を実行した。その後、10分割にわたる10マーカーに対する複合p値を使用して、マーカーをランク付けした。この分析により、IFNAR1、MAP3K7、STAT3、TNFRSF13B、MEF2B、およびANXA11の遺伝子座における6つの染色体コンフォメーションを同定した。まとめると、これらの6つの相互作用により、DLBCL染色体コンフォメーションシグネチャ(DLBCL-CCS)が形成された(図20)。
DLBCL-CCSにおける6つのマーカーを、ランダムフォレスト分類子モデルを作成するために使用し、既知の疾患サブタイプの発見コホートにおけるデータ分割の各々に対する試験セット(12のサンプル、6のABCおよび6のGCB)を分類するように適用した。主成分分析(PCA)により、DLBCL-CCS分類子はABCおよびGCBの患者を健常対照から分離することができた(図26)。DLBCL-CCSに対する複合予測確率は、ロジスティック回帰を使用して生成された各マーカーに対するオッズ比およびモデルに対するオッズ比とともに表22に示される。モデルは、0.186から0.81の範囲のABCおよびGCBに対する予測確率スコアを提供した(0=ABC、1=GCB)。正しい分類に対する確率カットオフ値を、ABCに対して0.30以下、GCBに対して0.70以上に設定した。0.30以下のスコアは100%の真の陽性率(感度)(95%の信頼区間[95%のCI]88.4~100%)であり、一方で0.70以上のスコアは96.7%の真の陰性奏効率(特異度)(95%のCI 82.8~99.9%)であった。DLBCL-CCS分類子を用いると、サブタイプ化に対するFluidigm呼び出しと比較して、60人の患者のうち60人(100%)がABCまたはGCBとして正しく分類された(図21A、表22)。このサンプルコホートでのDLBCL-CCS分類子に対する受信者動作特性(ROC)曲線下のAUCは1であった(図21B)。最後に、DLBCL-CCSによって行われたDLBCLサブタイプの呼び出しを、既知の疾患サブタイプの患者の長期生存曲線と比較した。ABCとして呼び出しされた患者は、GBCとして呼び出しされた患者よりも著しく悪い生存率を示した(図21C)。
次に、より中間のLPS値を有する58人のDLBCL患者のDLBCL-CCS評価コホートのパフォーマンスを評価した。DLBCL-CCSを適用して、これらの患者をDLBCLサブタイプに割り当て、読み出し値をFluidigmによって作成された読み出し値と比較した。DLBCL-CCSが58個のサンプルすべてに対してサブタイプ化の呼び出しを行い、一方でFluidigmアッセイは37個のサンプルに対してサブタイプ化の呼び出しを行い、21個を「未分類」として残した(図22)。両方のアッセイに対するサブタイプの呼び出しが利用可能である37のサンプルのうち、15のサンプル(40%)を両方のアッセイによって同様に呼び出した(8のABCおよび7のGCB)(図22)。次に、診断時に行われたサブタイプの呼び出しをタイプIII患者の長期生存曲線と比較することによって、DLBCL-CCSおよびFluidigmによって行われたDLBCLサブタイプ呼び出しのパフォーマンスを評価した。図23のカプラン・マイヤー生存曲線に示されているように、DLBCL-CCSによって行われたABC/GBC呼び出しは、DLBCLにおける既知の生存傾向に基づいて2つの集団を分離することができ、ABCサブタイプは予後不良であった。対照的に、Fluidigmによって定義されたABCおよびGCBの集団は、臨床的に観察されてきたものとは反対のものであり、ABCとして分類されたサンプルはGCBとして分類されたサンプルよりも生存期間が長かった。統計学的に有意ではないが、DLBCL-CCSによって行われたサブタイプの呼び出しは、ハザード比分析によるサブタイプ間の生存率の違いの過去の臨床観察と一致した。2つの方法間で平均生存時間の有意差が見つかった。FluidigmによってABCおよびGCBとして分類された患者の平均生存期間は、それぞれ、651日および626日であり(p=0.854)、一方でDLBCL-CCSアッセイによってABCおよびGCBとして分類された患者の平均生存期間は、550日および801日であった(p=0.017)(図24)。
この研究でエピジェネティックに調節不全であることが観察された遺伝子座と、DLBCLに関連すると以前に報告された生物学的メカニズムとの間の関連性を調査するために、上位10の調節不全の遺伝子座を入力として使用して一連のネットワークおよび経路分析を実施した。まず、CytoscapeにおいてReactome Functional Interaction Networkを構築することによって、これらの遺伝子座が生物学的にどのように関連しているかを調査し、これによって、NFKB1、STAT3、およびNFATC1を中心とするネットワークを明らかにした。STRING DBを使用してネットワークを構築するために10個の遺伝子座が使用された場合にも同様の状況が浮かび上がり、最も接続されたハブはNFKB1、STAT3、MAP3K7、およびCD40を中心としていた。生物学的プロセスに関する上位のエンリッチメントされたGO用語は「転写の正の制御、DNAテンプレート」であり、分子機能に関する上位のエンリッチメントされたGO用語は「転写活性化因子の活性、RNAポリメラーゼII転写制御領域配列特異的な結合」であり、および「トール様受容体シグナル伝達経路」は最もエンリッチメントされたKEGG経路であった(表22)。上位10の遺伝子座をKEGGトール様受容体シグナル伝達経路にマッピングすると、NF-kBおよびインターフェロン媒介性のJAK-STATシグナル伝達カスケードを介した炎症性サイトカインおよび共刺激分子の産生に関連する特異的なカスケードを発見した。
異なるDLBCLサブタイプに関する疾患の進行に違いが観察されるため、ABCとGBCの疾患サブタイプを区別することができる簡単で信頼性の高い検査が臨床的に急務となっている。疾患の侵攻性を考慮すると、DLBCLは即時の治療を必要とする。2つの主要なサブタイプは異なる臨床管理パラダイムを有し、特異的なサブタイプを標的とする開発中のいくつかの治療法を用いて、迅速かつ正確な疾患診断を行うことが、臨床管理が疾患サブタイプの知識に依存する場合に重要である。DLBCLにおけるCOO分類の分野は、IHCベースの方法論からDNAマイクロアレイ、並列定量的逆転写PCR(qRT-PCR)、およびデジタル遺伝子発現にまで拡大している。現在好まれている方法は、FFPE組織に対するGEPによるCOOの同定に基づいており、臨床現場でのその幅広い採用を制限するいくつかの技術的なおよびロジスティック上の制限に悩まされている。さらに、FFPE組織に対するGEPによるCOO分類のパフォーマンスおよび信頼性に影響を与える多くの要因が存在し、これらは、リンパ腫標本の性質/品質、データ収集のための実験方法、データの正規化および変換、使用される分類子のタイプ、およびサブタイプの割り当てに使用される確率カットオフを含む。最後に、Fluidigmアプローチを使用してサンプル収集から最終読み出しに移行することは、パフォーマンスの変動をもたらす可能性がある多くの工程間の複雑で時間のかかるプロセスである。これらの要因はすべて、アッセイの全体的なターンアラウンドタイムに影響を与え、既存の薬剤を使用した疾患の診断およびその治療の通知に加えて、新規のDLBCL治療法の後期試験に対する患者の選択に臨床的にも使用することができる方法を制限する。したがって、DLBCLサブタイプを区別するための単純で、低侵襲性であり信頼性の高いアッセイが必要とされている。
段階的な発見アプローチを使用して、DLBCLサブタイプを正確に区別することができる6マーカーのエピジェネティックバイオマーカーパネル、DLBCL-CCSを同定した。遺伝子発現シグネチャに由来するサブタイプの結果と比較すると、完全な一致があり、分類子の開発に使用されたサンプルであったため、これは予想されていた。中間LPSを有するサンプルに適用したときの2つのアッセイ間の一致は低かった(たった40%超)。これはおそらく、分類方法が異なるDLBCLサブタイプの呼び出しに全体的な一致を欠いていることが言及されているため予測されるものであり、タイプIIIのサンプルは、おそらく、そもそもより中間的な生物学を反映している不均質な集団である。しかし、疾患が進行するにつれて長期的に追跡されたタイプIIIのDLBCL患者におけるEpiSwitchアッセイの予測分類能力を評価したとき、EpiSwitchアッセイを使用した疾患サブタイプのベースライン予測は、未分類の疾患を有する患者で観察された生存曲線に基づいて実際の疾患サブタイプを予測するのに良好であった。ここで使用される制御3Dゲノミクスに基づくエピジェネティックな読み出しが、転写ベースのゴールドスタンダード分子アプローチよりも実際の臨床転帰と一致しているという観察結果は、DLBCLの管理における作用し得る進歩を表している。これはまた、腫瘍学的状態の表現型の違いに密接に関連する分子モダリティとして制御3Dゲノミクスのシステム生物学的評価とも一致している。DLBCLが生物学的連続体上で動作し、サブタイプ間の疾患生物学に有意な異質性があることに留意する。設計上、DLBCL-CCSを、タイプIIIのサンプルをABCまたはGCBいずれかのサブタイプに分類するように設定した。GEX分析により、タイプIIIのサンプルを、中間のサブタイプの生物学を有していると同定され、そのため、患者のより不均質な集団を表し得る。しかし、DLBCL-CCSが、GEXベースのアプローチを使用するよりも臨床進行によって測定される疾患サブタイプのより良好な予測因子であること、およびEpiSwitchアッセイがすべてのサンプルでサブタイプの呼び出しを行うことができたという事実の全体的な観察結果は、このアプローチが、予後の見通しについて通知する、治療の判定を誘導し得る、および現在開発中の新規の治療薬への反応に対する予測を提供するように臨床現場で適用することができることの最初の兆候を提供している。
ネットワーク分析では、NF-kBおよびSTAT3シグナル伝達カスケードが、DLBCLサブタイプを区別する推定メディエータとして出現した。DLBCLにおけるNF-kBシグナル伝達の役割は以前に研究されており、実際、ABCサブタイプの判別機能の1つは、NF-kB標的遺伝子の構成的発現であり、これは、これらの患者の予後不良に対して仮説が立てられているメカニズムである。さらに、構成的シグナル伝達活性化を引き起こす変異は、TNFAIP3およびMYD88を含むいくつかのNF-kB経路遺伝子のABCサブタイプで主に観察されている。
DLBCLの既知のメカニズムを検証することに加えて、ここでのネットワーク分析は、DLBCLにおける治療的介入に対する新規の潜在的なターゲットを同定した。例えば、カルシウムによって制御されたリン脂質結合タンパク質であるANXA11は、結腸直腸癌、胃癌、および卵巣癌などの他の腫瘍学的疾病に関与しており、DLBCLにおける新規の治療的介入ポイントとなり得る。
ここで説明するDLBCLサブタイプ化へのアプローチの主な臨床的利点の1つは、簡素化された検査方法およびワークフローにある。GEPによる従来のゴールドスタンダードのサブタイプ化は、さまざまな商用プラットフォームを使用して行うことができるが、すべては概して以下の4段階のアプローチに従う(およびこれらを必要とする):1)組織生検の取得、2)FFPE組織切片の調製、3)遺伝子発現分析、および4)サブタイプのアルゴリズムによる分類。拡大した末梢リンパ節の細針組織生検を得るには、入院患者が臨床現場を訪れ、麻酔を必要とする侵襲的な医療処置を受ける必要とする。それを得ると、パラフィン包埋のために新鮮な生検を準備する必要がある。これは多段階のプロセスであるが、概して、液体固定剤(ホルマリンなど)を検体全体に浸透させるのに十分な時間の浸漬、エタノール勾配を介する連続的な脱水、およびその後の有毒化学物質であるキシレンでの透明化を伴う。最後に、生体試料は、パラフィンワックスで浸潤され、放冷して固化させる必要があり、ミクロトームを使用してマイクロメートルの切片に切断され、実験用スライド上に取り付けられ得る。新鮮な組織からスライド上のFFPEセクションに移動させるプロセス全体には、数日かかり得る。次に、遺伝子発現分析を行うために、本質的に不安定なRNAを、スライドに取り付けられた組織切片から抽出し、アレイの製造元の仕様に従ってマイクロアレイへのハイブリダイゼーションのために調整し、このプロセスは1日を超え得る。マイクロアレイハイブリダイゼーションに続いて、相対的な遺伝子発現レベルのデジタル読み出し値が得られ、分類アルゴリズムに供給され、DLBCLサブタイプを判定する。総じて、DLBCLが疑われる患者からサブタイプの読み出しに移行するプロセスには、最大1週間以上かかる場合があり、高価なテクノロジーを使用した多くのさまざまな実験工程が含まれ、その各々が途中で実験の可変性をもたらす可能性がある。ここで説明するアプローチでは、生体液の収集からサブタイプの読み出しまでの時間と工程数が劇的に減少する。DLBCLが疑われる患者は、定期的な少量(~1mL)の採血のために外来診療所に来院することができる。その後、新鮮な凍結血液を、この研究で同定された染色体コンフォメーションの有無の分析のために中央の認定された参考検査室に送ることができ、これは、サンプルを受け取ってから24時間以内に簡潔で定期的なPCR計測を使用して染色体コンフォメーションを検出するために、特異的なPCRプライマーセットおよび反応条件とともに入力としてさらに少量(~50mL)の全血を使用するプロセスである。ここで説明するDLBCLサブタイプ化へのアプローチは、提案された方法論を使用したさらなる改良の可能性が存在するという追加の利点を提供する。この研究では、分類子を構成する染色体コンフォメーションを検出するために、ネステッドPCR反応のセットを使用してDLBCL-CCSの最終的な読み出しが行われた。このPCRベースの出力は、定量PCRを読み出しとして利用し、参考検査室および検査場所にわたる実験の再現性および信頼性を高めるように設計された、定量リアルタイムPCR実験(MIQE)ガイドラインの公開のための最小限の情報の下で動作するようにさらに改良することができる。最後に、ここで説明するアプローチは、さまざまな生理学的に不均質な形態など、疾患自体の発展する理解に適応可能である。
結論として、ここでは、EpiSwitch CCS読み出しを使用して全血サンプルからの非侵襲的COO割り当てのためのロバストな補完的方法を開発した。DLBCL患者の大規模コホートでのこの分類アプローチの臨床的妥当性を実証した。EpiSwitchプラットフォームには、臨床的有用性を有するバイオマーカーモダリティとしていくつかの魅力的な特徴がある。CCSは、非常に高い生化学的安定性を有し、非常に少量の血液(典型的に約50μl)を使用して検出することができ、検出には確立された実験方法および標準的なPCR読み出し(MIQE準拠のqPCRを含む)を利用する。最終的に、EpiSwitchアッセイの迅速なターンアラウンドタイム(~8-16時間)は、Fluidigmプラットフォームに対する48時間以上と比べて遜色ない。
実施例6イヌのDLBCLに関するさらなる研究
ここでは、EpiSwitch(商標)プラットフォーム技術を使用して、イヌのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を検出するためのバイオマーカーとして染色体コンフォメーションシグネチャ(CCS)を評価した。EpiSwitch(商標)によってヒトDLBCL患者において以前に特徴付けられた確立された全身性の液体細胞診バイオマーカーが、相同免疫病を有する犬に変換されるかどうかを調査した。ヒトから犬へのCCSのオルソロガスな配列変換を、対照およびリンパ腫のイヌのコホートで最初に検証し、妥当性を確認した。
DLBCLの犬および明らかに健康な犬から血液サンプルを得た。DLBCLと診断された犬はすべて、LICKingリンパ腫治験の一部であった。血液サンプルを、治療を開始する前、および実験的介入の+5日後、しかしドキソルビシン化学療法を開始する前に、各犬から得た。EpiSwitch技術を使用して、CCSに対する全身的なエピジェネティックバイオマーカーをモニターした。
11マーカー分類子を、ヒトDLBCLで同定された75のEpiSwitch CCSのプールから、28匹の犬、すなわちDLBCLと診断された14匹および明らかな疾患のない14匹の対照からの全血で生成した。開発された診断マーカーの検証を、10匹の犬、すなわちDLBCLを有する5匹および5匹の対照の第2のコホートで実施した。 分類子は、第2のコホートでの80%の精度、80%の感度、80%の特異度、80%の正の予測値(PPV)および80%の負の予測値(NPV)でDLBCL対非DLBCLに対する層別化をもたらした。
確立されたEpiSwitch分類子は、通常は遺伝子マーカーに起因する特徴を備えたエピジェネティックな調節解除の強力な全身性のバイナリマーカーを含み、これらの分類マーカーのバイナリステータスは診断にとって統計学的に有意である。
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Claims (15)

  1. 前立腺がんの予後に関連するサブグループを表す染色体状態を検出するためのプロセスであって、前記染色体状態に関連する染色体相互作用がゲノムの定義された領域内に存在するか否かを決定することを含み、前記染色体相互作用が、次の表に示される任意のプローブによって表される染色体相互作用のいずれかに対応する、プロセス。
    Figure 2020225551000001
  2. 前記前立腺がんの予後は、がん侵攻性であるかまたは緩慢性であるかに関連する、請求項1記載のプロセス。
  3. i)請求項1に記載の表に示されるプローブによって表される染色体相互作用のすべてを含む、および/または
    (ii)請求項1に記載の表に示されるプローブによって表される染色体相互作用の少なくとも1、2、3、または4を含
    染色体相互作用の組み合わせ、が分類される、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 染色体相互作用が、
    - 個体からのサンプルにおいて、および/または
    - 染色体相互作用の部位でのDNAループの有無を検出することによって、および/または
    - 染色体コンフォメーションにおいて一緒になっている染色体の遠位領域の有無を検出することによって、および/または
    染色体相互作用において一緒になる染色体の領域に各々対応する2つの領域を含む配列を有するライゲートされた核酸の存在を検出することによって
    分類され
    記ライゲートされた核酸の検出が
    i)次の表:
    Figure 2020225551000002
    記載のプローブ配列のいずれかと少なくとも70%の同一性を有するプローブによ、および/または(ii)次の表:
    Figure 2020225551000003
    記載の任意のプライマー対と少なくとも70%の同一性を有するプライマー対により行われる、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記染色体相互作用が、
    (i)染色体相互作用で一緒になった染色体領域を架橋する工程と、
    (ii)随意に酵素を用いる制限消化切断によって、前記架橋領域を切断にさらす工程と、
    (iii)前記架橋された切断されたDNA末端をライゲートして、ライゲートされた核酸を形成する工程と、
    (iv)前記染色体相互作用に対応するライゲートされた核酸が存在するか否かを検出する工程
    を含む方法により検出される、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. 請求項1に記載の表示される任意のプローブによって表される染色体相互作用の少なくとも5つの染色体相互作用を分類する工程を含む、前立腺がんが侵攻性であるか緩慢性であるかを判定するために実行される、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. ましくは、前記プロセスは、候補薬剤が、異なるレベルの予後に関連付けられている染色体状態への変化を引き起こすことができるかどうかを検出するために使用され
    前記染色体相互作用の変化が、(i)請求項5記載のプローブ配列のいずれかと少なくとも70%の同一性を有するプローブ、および/または(ii)請求項5に記載の任意のプライマー対と少なくとも70%の同一性を有するプライマー対によってモニターされる、
    前立腺がんに対する治療薬を特定または設計するために実行される、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 染色体相互作用の検出に基づいて標的を選択する工程、および好ましくは前記標的のモジュレータをスクリーニングして免疫療法のための治療薬を特定する工程を含み、前記標的が随意にタンパク質である、請求項に記載のプロセス。
  9. 前記予後がヒトまたはイヌにおけるものである、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記分類または検出が、前記ライゲートされた産物を増幅することができるプライマーおよびPCR反応中にライゲートされた部位に結合するプローブを使用する定量PCR(qPCR)による前記ライゲートされた産物の特異的検出を含み、前記プローブが、染色体相互作用で一緒になった染色体領域の各々からの配列に相補的な配列を含み、好ましくは、前記プローブが、
    前記ライゲートされた産物に特異的に結合するオリゴヌクレオチド、および/または
    前記オリゴヌクレオチドの5’末端に共有結合したフルオロフォア、および/または
    前記オリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合した消光剤を含み、
    および随意に、
    前記フルオロフォアが、HEX、Texas RedおよびFAMから選択される、および/または
    前記プローブが、10から40のヌクレオチド塩基の長さ、好ましくは20から30のヌクレオチド塩基の長さの核酸配列を含む、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. - 前記プロセスの結果がレポートで提供される、および/または
    - 前記プロセスの結果が、患者の治療スケジュールを選択するために使用される、および好ましくは個体のための特定の治療法を選択するために使用される、請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 次のに示されるいずれかのプローブによって表される少なくとも1つの染色体相互作用が存在するか否かがさらに決定される、請求項1または2に記載のプロセス。
    Figure 2020225551000004
  13. 次の表に示されるいずれかのプローブによって表される少なくとも1つの染色体相互作用が存在するか否かがさらに決定される、請求項1または2に記載のプロセス。
    Figure 2020225551000005
  14. 次の表に示されるプローブのいずれかによって表される少なくとも1つの染色体相互作用が存在するか否かがさらに決定される、請求項1または2に記載のプロセス。
    Figure 2020225551000006
  15. 次の表に示されるプローブのいずれかによって表される少なくとも1つの染色体相互作用が存在するか否かがさらに決定される、請求項1または2に記載のプロセス。
    Figure 2020225551000007
JP2021566070A 2019-05-08 2020-05-06 前立腺がんおよびリンパ腫の染色体コンフォメーションマーカー Pending JP2022532108A (ja)

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