JP2003514236A - 細胞を操作するための細胞分析及び選別装置 - Google Patents

細胞を操作するための細胞分析及び選別装置

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ブラフ レベッカ
ボールドマン ジョエル
エル.グレイ マーサ
エイ.シュミット マーティン
トーナー メメット
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マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー
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Abstract

(57)【要約】 細胞分析及び選別装置は、細胞の大母集団における各細胞の行動をある時間にわたって監視することができる。該細胞分析及び選別装置は、個々にアドレス指定できる細胞位置を含む。各位置は、単一の細胞を捕獲及び保持することができ、また、その細胞を特定位置から選択的に解放することができる。本発明の一側面において、細胞は、電界トラップを用いて捕獲、保持及び解放される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 この発明は、細胞分析及び選別装置と、これらの装置を使用して細胞を操作す
るための方法に関する。更に詳しくは、本発明は、既知の位置の単一の細胞を捕
獲及び保持し、次に、これら細胞の内のいくつかを選択的に解放することができ
る細胞分析及び選別装置に関する。該細胞分析及び選別装置を使用して細胞を操
作する方法も提供される。
【0002】 発明の背景 多くの最近の技術的進歩は、特に、細胞分析を行うための方法及び装置を改良
することにより、細胞生物学及び生物力学工学の研究を高めた。例えば、過去1
0年間における細胞分析に利用可能な光学プローブの爆発的増加は、顕微鏡及び
フローサイトメトリーのアッセイ(定量法)から収集する情報量の増加を可能に
した。顕微鏡アッセイは、研究者が、光学プローブを使用して、限られた数の細
胞の時間応答を監視することを可能にする。一方、フローサイトメトリーは、部
分母集団に選別するための統計学的に著しい量の細胞におけるアッセイのために
光学プローブを使用する。
【0003】 しかし、これらの機構だけでは、時間依存分析にとって不十分である。顕微鏡
アッセイは、ある時間にわたって二、三の細胞のみを追跡でき、ユーザーが個々
の細胞の位置を追跡することを可能にしない。フローサイトメトリーでは、ユー
ザーは一度の各細胞の観察のみができ、細胞母集団を三つの部分母集団へ容易に
選別することのみができる。複数回の同一細胞の分析又は部分母集団の任意の選
別に対処できない。これらの種類のバルクアッセイ技術は、主要な統計を作り出
すが、研究者に分布統計を提供することができない。
【0004】 マイクロシステム技術における進歩はまた、細胞生物学及び生体医用工学の分
野における多くの用途に影響を及ぼした。ミクロンレベルまでの縮小は、慣用技
術に使用されたものより小さな試料の大きさを許容する。加えて、より小さな寸
法、及び大きな素子配列を作製する能力は、複数の処理を平行に実行させること
を可能にする。
【0005】 集積回路は、1950年以来、シリコンチップ上に製造されており、処理技術
が改良されるにつれ、トランジスターの大きさは縮小し続ける。単一のチップ上
に多数の複合素子を製造する能力は、同様に、シリコン上への機械的構造の製造
に対する関心に火を付けた。マイクロ電子機械式システム(MEMS)に対する
用途範囲は、膨大である。加速度計、圧力センサー及びアクチュエータは、現在
製造される多くのMEMS装置のうちのほんの二、三である。MEMSの別の用
途は生物学及び医学にある。微細機械加工された素子は、薬物送達、DNA分析
、診断、及び細胞性質の検出における使用のために作製されてきた。
【0006】 細胞の操作はMEMSの別の用途である。例えば、1990年代の初期、Sato
らは、参照によってここに組み込まれる彼らの学術論文Individual and Mass Op
eration of Biological Cells using Micromechanical Silicon Devices, セン
サー及びアクチュエーター 1990, A21-A23:948-953において、細胞保持のための
圧力差の使用を記述した。Satoらは、水力捕捉チャンバーを微細製造し、これは
、細胞融合実験に使用するための植物細胞を捕捉するために使用された。圧力差
は、単一の細胞が吸い込まれて穴の配列を塞ぐように適用された。しかし、圧力
差が個々の穴ではなく、配列全体にわたって適用されたので、細胞を該配列から
個々に解放することはできなかった。
【0007】 Bousseらは、参照によってここに組み込まれる彼らの学術論文Micromachined
Multichannel Systems for the Measurement of Cellular Metabolism, センサ
ー及びアクチュエーター B, 1994, 20:145-150において、重力沈降によって細
胞を受動的に捕獲する、シリコンにエッチングされたウェルの配列を記述した。
多数の細胞は、各ウェル配列内へ沈降することが許容され、そしてここで、ウェ
ルの形状からもたらされる流体力学により、流れに抗して保持された。細胞を取
り囲む媒体のpHの変化は、ウェルの底部のセンサーによって監視されたが、ウ
ェルは細胞解放機構を欠いており、多数の細胞が各ウェルに捕捉された。細胞捕
獲の別の既知の方法は、誘電性泳動(DEP)である。DEPは、不均一な電界
における中性粒子の動作に言及する。中性分極粒子は、不均一な電界においてあ
る力を経験し、この力は、該粒子が入っている媒体よりも該粒子が大きく分極す
るか又は小さく分極するかによって、それらを電界極大又は極小に向かって推進
させる。電極を適正に整列させることにより、電界が作り出され、誘電粒子を安
定して捕獲し得る。
【0008】 微細製造は、1980年代後期以降、細胞操作用の電極アレイを作製するため
に利用されたきた。研究者は、ほ乳類の細胞、酵母細胞、植物細胞及びポリマー
粒子を含む多くの異なる細胞タイプを首尾よく捕獲した。多くの作業は、生存不
能な酵母からの生存可能な酵母の分離、及び骨髄及び末梢血幹細胞からのCD3
4+幹細胞の濃縮のような分離を誘発するために、種々の細胞タイプの誘導特性
の違いを活用することによって細胞を操作することを伴う。種々の二次元又は三
次元微細製造電極形態における細胞捕獲により関連のある作業は、いくつかのグ
ループによって示された。しかし、選択された細胞の部分母集団を解放する意図
を有する細胞の捕獲アレイは、まだ広く研究されていない。加えて、DEPは、
大きな温度変化を潜在的に引き起こすことができ、対流効果のみならず、細胞生
理学への深い影響をももたらす。
【0009】 これらの研究は、チップ上のアレイに個々の及び少数の細胞を捕獲することが
可能であるが、その後、個々の細胞を操作しかつ選択的に解放する能力が無いこ
とを実証する。この、生物学的測定に基づいて選択又は選別することができなこ
とは、関心を持ち得る科学的探求の種類に制限を与える。
【0010】 細胞分析及び選別を実行するために現在利用可能な機構は、従って、それらの
用途に限定される。そのため、容易にかつ十分に使用可能な、大量の細胞を選別
しかつ解放するための改良された方法及び装置に対するニーズがある。加えて、
ユーザーが各細胞を複数回見たり、多くの細胞をある時間にわたって追跡したり
することを可能にする分析及び選別デバイスに対するニーズがある。結局、ユー
ザーに細胞位置を知らせ、かつ細胞を保持し、また選択的に解放することを可能
にさせ、その結果、時間応答アッセイ中、細胞特性のどのような側面にでも基づ
いて、ユーザーが任意に選別できる細胞選別機に対する必要性がある。
【0011】 発明の概要 本発明は、細胞の大きな母集団における各細胞の行動をある時間にわたって監
視することができる細胞選別装置を提供する。該細胞分析及び選別装置は、個々
にアドレス指定できる細胞位置を含む。各位置は、単一の細胞を捕獲及び保持す
ることができ、また、その特定位置から選択的にその細胞を解放することができ
る。本発明の一側面において、ウェル内に細胞は捕獲されて保持され、また、細
胞排出の手段としての蒸気泡を用いて解放される。本発明の別の側面において、
細胞は、電界トラップを用いて捕獲、保持及び解放される。
【0012】 本発明の一側面によれば、細胞分析及び選別装置は、流体流に沿って移動する
細胞を捕獲するための幾何学的サイトの配列(アレイ)を有する。該幾何学的サ
イトは、個々のサイトが認知されかつ特定できるような基体を横切る規定パター
ンに配置される。各幾何学的サイトは単一の細胞を保持するように構成及び寸法
付けされる。加えて、各サイトは、そのサイトから選択的に該単一の細胞を解放
する解放機構を含む。各サイトは一の細胞のみを保持することができ、かつ、各
サイトは唯一のアドレスを有するので、本装置は、ユーザーが、捕獲されたどの
特定細胞の位置をも知ることを可能にする。更に、各サイトは、ユーザーが細胞
を選択位置で任意に捕獲することができ、かつ、該配列を横切る種々の位置で細
胞を解放することができるように、独立に制御可能である。
【0013】 本発明の一実施形態において、幾何学的サイトはウェル(窪み)として構成さ
れる。特定の大きさにされたウェルの配列を横切って細胞の流れが流されるにつ
れ、細胞はウェル内へと落下して捕獲される。各ウェルは、単一の細胞のみを捕
獲するように大きさ及び形状が作られ、かつ、細胞がウェル上の流体の層流へと
脱出しないように構成される。単一の細胞は、重力によってウェル内側に保持さ
れ得る。各ウェルは更に、該ウェルの下に設置されたチャンバーに、狭いチャネ
ルを介して取り付けられ得る。チャンバー内には加熱要素が存在し、これは、サ
イトから細胞を解放するための機構である泡核生成を引き起こすことができる。
該泡は、チャンバー内側に容積膨張を作り出し、これは、流体で満たされている
場合、流体の噴出を狭チャネル外へ押し退け、細胞をウェル外に排出させる。ウ
ェル上の流体流は、排出された細胞を流し去り、これは収集されるか又は廃棄さ
れる。
【0014】 本発明の別の実施形態において、幾何学的サイトは、三次元電界トラップから
形成される。各トラップは、台形状に配列された四つの電極を備え、ここで各電
極は該台形の角を表す。該電極の電界は、該トラップの中央部内に単一の細胞を
捕捉するためのポテンシャルエネルギーウェルを作り出す。該トラップのポテン
シャルエネルギーウェルを除去することによって、細胞は、サイト外でトラップ
周囲の流体流内へと排出される。排出された細胞は、次に洗い出されて、収集又
は廃棄される。
【0015】 本発明の更に別の実施形態において、統合システムが提案される。該システム
は、その構成要素の一つとして、既述した細胞分析及び選別装置を有する微細製
造ベースの動的アレイ血球計算器(μDAC)であり得る。細胞の母集団(個体
数)を分析するため、細胞は、複数の細胞サイトを含む細胞アレイチップ上に置
かれ得る。細胞は、上述したと同様の態様で、該複数の細胞サイト内の適所に保
持され、また、例えば光度測定アッセイによって分析される。蛍光を検出する光
学システムを使用して、細胞の応答が、細胞応答の強度を表す蛍光強度によって
測定され得る。一旦実験が終了すると、望ましい応答即ち強度を示す細胞が、細
胞選別機内へと選択的に解放され得、更に研究されるか又は別の方法で選択的に
処理される。そのような総合システムは、研究者が細胞の時間応答を見ることを
可能にするであろう。
【0016】 本発明の更なる特徴及び利点、並びに、本発明の種々の実施形態の構成及び操
作は、添付図面を参照して以下に詳述される。
【0017】 発明の詳細な説明 図1A〜1Dは本発明の模範的なシステムを例示する。断面で示された細胞サ
イト10は、単一の細胞18を保持するように大きさ及び形が作られたウェル1
2を含む。ウェル12の底部には狭チャネル14が接続され、これは、該ウェル
の下に位置しているチャンバー16に開放する。この特定の例において、ウェル
12及び狭チャネル14はシリコンウェーハによってエッチングされる。該シリ
コンウェーハは、その上に白金ヒーター20があるスライドガラスに取り付けら
れ、該位置合わせは、ヒーター20が、水のような流体で満たされるチャンバー
16の内側に密閉されるようになる。
【0018】 ウェル12は捕獲及び保持機構として機能する。操作において、細胞を含む流
体は該装置の上部上に流され、次に、該流れが止められる。図1Aに示されるよ
うに、該細胞は次に沈降し、重力は、一の細胞18がウェル12内に落下して捕
らえられることを可能にする。この時点で、流れが再び開始され、ウェル内の細
胞は捕らわれる一方、ウェル内にない細胞は対流によって流れ去らされる。図1
Bは、一の細胞18のみをウェル12内に一度に保持するため、ウェル12がど
のように必要な大きさにされかつ構成されるかを示す。加えて、ウェル12は、
層流、即ち上記流体流によって細胞18がウェル外に洗い流されないように構成
される。
【0019】 試薬を加えるなどにより、捕獲細胞においては実験が行われ得る。実験が終わ
ると、望ましい特性を示す細胞がウェルから選択的に解放され得る。この例にお
いて、細胞18がウェル12から解放されることが望ましい場合、オペレーター
は、チャンバー16の加熱要素20に印加することができる。加熱要素20は、
その際、チャンバー16内に収容された流体の極限(superlimit)上の温度まで
加熱され、図1Cに見られるように、加熱要素20の表面で蒸気泡核生成を開始
する。図1Dにおいて、微小泡22がチャンバーの内側に形成され、容積置換を
作り出す。加熱要素20の電圧を調整することにより、オペレーターは、微小泡
22の大きさを制御することができる。微小泡22が十分な大きさになると、チ
ャンバー内の容積膨張は、チャンバー16内の流体の狭チャネル14外への噴出
に取って代わり、細胞18をウェル12外に排出する。解放された細胞18は、
後に収集されるか又は捨てられるため、ウェル12の外側の流体流に集められ得
る。
【0020】 本発明の別の模範的なシステムにおいて、細胞サイト30は電界トラップを含
む。図2A〜2Cは、マイクロ製造チップ36のような基板(基体)上の二つの
細胞サイトを断面で示す。各サイトは複数の電極32を含む。好ましくは、各細
胞サイト30は、図3A及び3Bに見られるように、台形配置に置かれた四つの
電極を包含する。細胞サイト30は、一の細胞のみが該サイト内に保持され得る
ように構成及び配置される。電極32は、その中で単一の細胞34が保持され、
その後、解放され得る不均一な電界トラップを作り出す。図4は、電極32の位
置及び極性が、細胞34を捕獲するための電界トラップをどのように作り出すこ
とができるかを示す。
【0021】 使用において、流体媒体中の細胞は、図2Aに示されるように、細胞サイト3
0上を流れる。各電極32の電界を調整することにより、ポテンシャルエネルギ
ーウェルが、各細胞サイト30内に作り出され得る。該ポテンシャルエネルギー
ウェルは、図2Bに見られるように、流体流に沿って移動する単一の細胞34を
捕獲し、かつ該トラップの中央内に細胞34を保持するのに十分な強さである。
オペレーターが細胞34を解放することを選ぶ場合、彼は、該トラップを形成す
る電極32の電界を調整することができる。図2Cは、これが次に、ポテンシャ
ルエネルギーウェルをどのように除去し、細胞34を解放し流体流に戻すかを示
す。細胞34は、次に、集められるか又は捨てられ得る。
【0022】 電界トラップを形成する電極は、好ましくは、金から形成された薄膜極である
。これは、電極を囲む流体の層流に対し細胞を保持するのに有効な三次元電界ト
ラップを作り出す。更に、一又は二つの細胞サイトのみが示されるが、図面は本
発明の細胞選別装置に含まれ得る単なる模範的なサイトの種類であることが理解
される。該細胞選別装置は、大量の細胞を選別するため、だいたい単一の細胞サ
イトから無数の細胞サイトを含み得る。更には、ここでの実施形態は細胞を保持
するように記述されるが、細胞の意味は、生物学的細胞、細胞断片、粒子、生物
学的分子、イオン及び他の生物学的実体を含むことが理解される。
【0023】 本発明の細胞選別装置は、オペレーターが細胞サイトのアレイにおける各細胞
の位置を知ることを可能にするので、オペレーターは、時間応答アッセイ下のそ
れらの特性に基づいて、細胞を操作し、かつ細胞を任意に選別することができる
。一のそのような方法は、細胞からの動的応答を観察するため、走査技術を使用
することを企図する。図5に示されるように、細胞が発光アッセイを使用して試
験され、時間の経過とともに刺激に対する該細胞の応答を決定する総合細胞分析
システム100が提案される。該総合システムは、微小製造ベース動的アレイ血
球計算器(μDAC)であり得る。試験細胞は、上記細胞選別装置に類似した細
胞アレイチップ上に置かれ、上述したような複数の細胞サイト内の所定位置に保
持される。蛍光を検出するために光学システム120を使用して、細胞の応答が
、細胞応答の強度を示す蛍光の強度と共に測定され得る。一旦実験が終わると、
望ましい応答、即ち強度を示す細胞が、集められるか又は後に捨てられるため、
選択的に解放され得る。そのような総合システムは、研究者が細胞の時間応答を
見ることを可能にするであろう。
【0024】 細胞の応答が時間内で変化し得るどのような発光アッセイでも、この提案され
たシステムを使用する研究に適している。それは、名目上均一な細胞母集団にお
いて表現型異質を見つけるためにうってつけである。そのようなシステムは、そ
れに対する実際的なアッセイが目下存在しない時間ベース細胞応答を研究するた
めに使用され得る。存在/不存在又は刺激に対する細胞の応答の強度を見る代わ
りに、研究者は、その時間応答を見ることができる。更には、研究者は、バルク
実験で生じ得るような重要な違いを隠す可能性なしに、統計学的に著しい数の細
胞についての情報を得ることができる。特定の用途は、受容体配位子結合又はタ
ンパク質−タンパク質間相互作用のような分子相互作用の研究を含み得る。細胞
内カルシウムを含むような信号形質導入経路も研究され得る。
【0025】 該提案総合システムの利点は、全細胞の全時間応答が累積され得、次に選別が
行われ得ることである。これは、各細胞が一時点で分析のみされ、かつ選別が捕
捉と同時に起こらなければならない場合、フローサイトメトリーとは異なる。遺
伝子学者は、環境刺激に応答して又は細胞周期分析のため、前初期遺伝子などと
共に遺伝子発現を見ることができる。別の広い適用領域は、レポーター遺伝子ベ
ースアッセイを用いる薬物の発見である。該総合システムは、細胞との薬物相互
作用の動力学と、興味深い薬力学的応答を示す細胞の選別及び分析とを扱う基本
的、生物学的な問題点を研究するためにも使用され得る。別の用途は、細胞調節
における確率過程を研究するため、遺伝子発現における異質性を見ることである
。最終的に、一旦ある刺激に対する時間的応答が決定されると、該研究システム
は、病気を診断し、かつ患者の細胞における異常時間応答を捜すことによる治療
を監視するため、臨床状況に使用され得る。
【0026】 本発明の一の目的は、水力を用いて、個々の細胞をアドレス指定可能位置に捕
獲し、かつ、これら個々の細胞をそれらの位置から解放するために微小泡動作を
利用することができる細胞分析及び選別装置を提供することである。この装置の
開発において、多くの物理的(身体的)現象を手本にしかつ理解することが必要
であり、それの少なからぬ重要なことには、微小ヒーター上の泡核生成の背後の
理論を含んだ。更に、単一の粒子又は細胞が流れに抗してウェル内に保持され得
るように、適切な寸法の装置を設計することも必要であった。試験目的のため、
同じ寸法のポリスチレンミクロスフェアがより強健であると考えられたので、生
物学的細胞は、これらの実験に用いられなかった。製造プロセスは、望ましい属
性のチップを作るために設計されなければならず、発生した種々の問題が解決さ
れる必要があった。最終的に、十分な高温が達せられ得るように抵抗器の加熱を
理解する必要があった。
【0027】 泡核生成の理論下において、ヒーター表面が液体プール中に入れられた場合、
プール沸騰が起こる。該ヒーター表面温度は上昇し、かつ十分な量だけ該液体の
飽和温度を超えるにつれて、蒸気泡はヒーター上で核生成する(凝集する/核と
なる)。ヒーターのすぐ隣の流体層は過熱され、泡は、十分に大きくなり、かつ
浮力によって上方に発つまで、この領域において急速に成長する。上昇しながら
、泡は崩壊するか、又は大量の流体の温度によって成長し続ける。
【0028】 均一及び不均一な泡核生成の二つのモードがある。均一な核生成は、純液体中
で生じるのに対し、不均一な核生成は、加熱された面上で生じる。
【0029】 異物を全く包有しない純液体において、泡は高エネルギー分子群によって核生
成される。運動学的理論によれば、純液体は、濃度又は蒸気クラスターにおいて
局所的変動を有する。液体中の分子の平均エネルギーより著しく高いエネルギー
を有する高活力が与えられた分子群が存在する。これらの分子は活性分子と呼ば
れ、それらの過剰エネルギーは、活性化エネルギーと呼ばれる。該核生成プロセ
スは、可逆性のため分子がそれらのエネルギーを増やすか又は減らし得る段階的
な衝突プロセスによって生じる。活性分子クラスターが臨界の大きさに達すると
、その際、泡核生成が生じる得る。
【0030】 水が均一核生成状況において何度で沸騰し始めるかを決定するため、水の熱力
学的過熱限界を知ることが有効であった。図6は、水に対する熱力学的圧力−体
積図であり、これは、ずっと左への安定液体の領域、ずっと右への安定蒸気の領
域、準安定領域、及び破曲線の中央における不安定領域を示す。該波線はスピノ
ーダルと呼ばれ、臨界点の左側は、過熱された液体の存在に対する上限を表す。
この線に沿って方程式(1−1)が当てはまり、スピノーダル内に方程式(1−
2)が当てはまる。
【数1】
【0031】 ヴァンデルワールス及びベルテローの状態方程式は、水の過熱限界を計算する
ために用いられる。
【数2】 ここでvは比容積、Rはガス定数、またa及びbは定数である。ヴァンデルワー
ルス方程式に対しn=0、ベルテローの方程式に対しn=1、変形ベルテローの
方程式に対しn=0.5である。臨界点で方程式(1−4)及び(1−5)が当
てはまると仮定すると、a及びbは方程式(1−3)を用いて計算された。
【数3】
【0032】 上記方程式を用いて、水の熱力学的過熱限界が計算された。その結果は、次の
表1に示される。
【0033】
【表1】
【0034】 これらの値は、それ以上で均一核生成を開始しなければならない温度を表す。
【0035】 過熱の運動学的限界も、活性分子クラスターの運動学的理論を用いて計算され
得る。水に対する過熱の運動学的限界は、約300℃である。
【0036】 固体表面の存在下で液体が過熱される場合、不均一な核生成が通常起こる。こ
の状況において、泡は、一般的に、過熱された面上のキャビティ(面欠陥)内に
核生成する。キャビティ内に泡を核生成するために必要な過熱の程度は、方程式
(1−6)に示されるように、キャビティ半径に反比例する。
【数4】 ここで、TWは表面温度、Tsatは飽和温度(水に対し100℃)、σは表面張力
、hfgは蒸発潜熱、ρVは蒸気濃度、またrCはキャビティ半径である。例えば、
1μmキャビティ半径を有する面で、水中で泡を核生成するために必要な表面温
度は約133℃である。0.1μmキャビティ半径に対し、泡を核生成する温度
は約432℃で、最高熱力学的水過熱限界322℃より十分高い。
【0037】 従って、1μmより十分に小さいキャビティ寸法の表面に対し、泡がキャビテ
ィ内に核生成する前に液体が過熱限界に達するので、均一な核生成が起こる可能
性がある。微細機械加工された表面は、非常に平滑な表面を有する傾向にある。
例えば、白金抵抗器は、わずか3〜6μm幅及び0.1μm厚であり、そのため
、不均一な核生成が起こるのに十分大きなキャビティが表面上に存在する可能性
はない。最も可能性のある核生成キャビティは、抵抗器の厚さが0.1μmであ
り、不均一な核生成に対し、上記したように、熱力学的過熱限界より高い沸騰温
度をもたらす。従って、均一な核生成は、この発明の抵抗器に対し最も起こる可
能性のある泡核生成の方法であると仮定した。
【0038】 しかし、白金膜が焼きなまされる場合、熱溝切り及びアグロメレーションが粒
界で起こり得る。溝は高温多結晶材料の表面上で、粒界が該表面に出会う場合に
発達する。該表面が熱くなるにつれ、該溝は深くなり、穿孔を開始し、また、白
金は、表面積を低減するため、丸くなる工程を始める。このプロセスはアグロメ
レーションと呼ばれる。アグロメレーション速度は、700℃未満の焼きなまし
温度において重要ではない。しかし、1時間の白金の600℃焼きなましでは、
アグロメレーションの開始は、白金に、約0.5μmまでの半径の小空隙をもた
らし得る。この場合、不均一な核生成が約166℃の温度で可能であろう。
【0039】 次に、抵抗器のある温度を達成するために必要な電流を予測することが望まし
かった。この抵抗器モデルの概略及び境界条件が図7A及び7Bに示される。抵
抗器を通る断面スライスでは(7B)、ヒーター上の水は450μm厚で、水を
収容するシリコンチャンバーの高さに対応した。ウェル内の水の上部上にシリコ
ンと、その上部上を流れる周囲温度の水があるので、周囲温度は、ウェル内の水
の上部で維持されると仮定した。スライドガラスの底部も、それが周囲温度の面
を包含するので、周囲温度になると仮定した。抵抗器はスライドガラスより約1
0,000倍薄く、該抵抗器の全体積に対し、I2Rに等しいオーム加熱、即ち
発電を有した。
【0040】 まず、二つの結合面を通って伝導する熱の特性時間は、方程式(1−7)を用
いて計算された。
【数5】 ここで、Lは伝導の特性長、またαは該材料の熱拡散率である。
【0041】 この関係を用いて、1mmのガラスを通る伝導に対する特性時間は、約2.3
秒であることが分かった。同様に、450μmの水を通る伝導に対する特性時間
は約1.38秒であった。従って、このシステムでは、定常状態までの時間は、
最長特性時間約9秒より約4倍長いであろう。上記で確立されたように、均一な
泡核生成は起こる可能性があった。これは分子プロセスであり、従って、ほぼ瞬
間になると思われ得る。泡が核生成する時間は、それ故、該システムが定常状態
に達するために必要な9秒よりずっと短かった。それで、定常状態条件は、泡が
核生成する前に達成される可能性はない。
【0042】 次に、抵抗器からその周囲への熱伝達の主モードを決定することが必要だった
。このモデルの目的は、沸騰の開始前に与えられた電流に対するヒーターの温度
を予測することだった。このモデルでは、放射のための熱伝達は無視される。
【0043】 集中モデルアプローチは、この分析のために採用された。この近似は、抵抗器
に対するビオ数を計算することによって検査された。
【数6】 ここで、tは白金抵抗器厚(0.1μm)、またkPtは白金の熱伝導率(71.
5W/mK)である。このモデルでは、自然対流に対する高い限界として、h=
5W/m2Kの熱伝達係数であると仮定した。ビオ数は、外部対流抵抗に対する
内部伝導抵抗の比率を測定する。ビオ数が1よりずっと小さいので、集中体近似
が用いられ、全抵抗器が均一の温度であるとの仮定がなされた。
【0044】 図8は、抵抗器と周囲温度間の熱抵抗を示す。熱伝達機構の推定値のこのオー
ダーの目的のため、定常状態条件が熱抵抗の決定に用いられた。まず、水を通る
対流による熱抵抗が計算された。この場合では、ヒーター上の水が停滞し、沸騰
は生じていなかったので、自然対流が存在すると仮定した。対流による熱抵抗は
次のように計算された。
【数7】 ここで、Wは抵抗器幅(3μm)、Lは抵抗器長(1000μm)である。
【0045】 次に、白金抵抗器、スライドガラス及び水を通る伝導による熱抵抗が計算され
た。伝導による抵抗は次式で与えられた。
【数8】 ここで、Lは熱が伝導する長さ、Aは断面積である。白金では、熱が伝導する長
さは非常に長く(12mm)、また断面積は非常に小さく、高い熱抵抗をもたら
した。
【数9】 ここで、tは白金膜厚(0.1μm)、LPtは熱が伝導する長さ(12mm)、
Wは抵抗器の幅(3μm)、また、KPtは白金の伝導率(71.5W/mK)で
ある。同様に、ガラス及び水の熱抵抗が計算された。
【数10】 ここで、Lgは熱が伝導するガラスの長さ(1mm)、kgはガラスの伝導率(0
.81W/mK)、Lは抵抗器の長さ(1000μm)、wは抵抗器の幅(3μ
m)、Lwは熱が伝導する水の長さ(450μm)、kwは水の伝導率(0.67
W/mK)である。
【0046】 これより、このシステムにとってRglass及びRwaterが主熱抵抗であることが
示された。そのため、水中の対流による熱伝達及び白金を通る伝導は無視できた
【0047】 半無限固体理論を用いる与えられた電流に対する時間の関数として、抵抗器の
温度の推定が次になされた。短い時間(t<1ms)では、水及びガラスの両方が
、初期温度Taを有する半無限固体であると仮定した。t=0で、一定の熱流速
(抵抗器による)が水−ガラス境界面(x=0)に適用される。一次元温度分布
は無限合成固体解を用いて計算された。領域x>0は水、x=0は抵抗器、及び
x<0はガラスである。一次元モデルは、抵抗器の長さ(L=1000μm)が
抵抗器の幅(L=6μm)よりずっと短いので、短い時間に対し用いられた。温
度は、抵抗器に沿って一定になり、かつ横方向伝導は短い時間に対し無視される
と仮定した。このモデルは、横方向伝導が著しくなり、かつ半無限固体の仮定が
無効になる場合、壊れる。この問題に対する境界条件が次に与えれる。
【数11】 ここで、Kは熱伝導率(水では0.61W/mK及びガラスでは0.88W/m
K)、qは熱流速、また、下付き数字「1」は水、「2」はガラスを指す。
【0048】 x=0で適用された一定の熱流速q(W/m2)に対する水及び空気中の温度
分布に対する解は、方程式(1−17)及び(1−18)によって与えられる。
【数12】 ここで、aは熱拡散率(水では1.47×10-7m/s2及びガラスでは4.4×
10-7m/s2)、またT0は固体の初期温度である。
【0049】 解は半無限固体仮定を検査するためにも用いられた。1msに等しいか又はそ
れ未満の時間、及び2.5×107W/m2のような合理的な熱流速では、ガラス
及び水への熱浸入度は100μm未満であった。水の全厚は450μm、ガラス
の全厚は1mmであり、そのため、半無限固体仮定は有効であった。一次元モデ
ルは、短時間で抵抗器の温度を決定するために十分であった。
【0050】 上記理論を用いて、泡を形成するために必要な電力を予測することが可能であ
った。均一な泡核生成が仮定されたので、泡は水のほぼ過熱限界で生じる。変形
ベルテローの方程式(表1)で与えられた305℃の値が用いられた。次に、無
限合成固体解が与えれた時間1msのヒーターの温度を計算するために用いられ
た。熱流速又はx=0での単位面積当たりの電力を解く方程式(1−17)を変
更して、次式が導かれた。
【数13】
【0051】 初期温度20℃、及び上記で与えれた他の性質では、抵抗器を1ms間で30
5℃まで過熱するために必要な熱流速が(1−19)から計算され、1.32×
107W/m2であった。典型的な抵抗器寸法、w=6μm及びL=1500μm
では、必要な電力は約120mWであった。
【0052】 微細機械加工されたウェルは、一度それらの上方の流れが開始されたら、それ
らの中に沈降する粒子が該ウェル内に保持されて残ることを保証する適切な寸法
でなければならない。キャビティ上の低速粘性流の理論が十分に特徴付けられて
おり、また、種々の形状寸法に対する流線が計算され、実験的に検証されている
【0053】 図9は、二つの異なる縦横比の矩形キャビティ上の層流に対する流れパターン
を示す。これらの流れパターンから、キャビティ内にわずかに浸入する分離流線
が存在することが分かった。この線の下に、該キャビティの縦横比に依存する一
又は二の渦が存在した。分離流線下の粒子は、層状範囲内の低速流によって該キ
ャビティ外に押し出されないが、渦は粒子を扇動し得る。
【0054】 オーダー計算は、粒子をウェル外に引き出す粘性せん断力に対し、粒子を引き
下げる重力の相対的大きさを比較するために実行された。ウェル内の粒子及び上
部上の流れの図が図10に示される。
【0055】 粒子に作用する重力は、粒子と水間の密度の差Δρに依存した。水の密度は、
ほぼ1000kg/m3、及び、実験に用いられたポリスチレンビーズの密度は
、1060kg/m3として製造業者から与えられた。細胞の密度は、1050
〜1100kg/m3である。従って、重力Fgは次に示されるように計算された
【数14】 ここで、aは粒子半径(5×106m)、またgは重力定数である。
【0056】 粒子に作用する粘性せん断力は、粒子の上部がウェルの上部にあり、かつ流れ
分布が放物線状であると仮定して計算された。壁でのせん断応力が次式であった
【数15】 ここで、μは水の粘度(1×103kg/ms)、またu(y)は、壁からの距
離yの関数としての速度分布である。
【0057】 流れチャンバー内の放物速度分布を仮定すると、流れ分布は、既知のチャンバ
ー高さ及び体積流量に対し計算された。
【数16】 ここで、Vは平均流速度、wはチャンバー幅、またhはチャンバーである。
【0058】 細胞上の粘性せん断力は推定された。壁せん断応力×作用面積ほぼπa2とし
て推定された。
【数17】 ここで、aは細胞半径である。最終的に、粘性力に対する重力の比が計算された
【数18】
【0059】 図16の流れチャンバー寸法及び合理的な流量を用いて、この比率が計算され
た。
【数19】
【0060】 重力が粘性力より強いように、これら力の比が1より大きいことが必要であっ
た。これらの数は、許容できる操作流量の範囲の決定を支援するのに用いられた
【0061】 情報の別の関連部分は、粒子が沈降にかかった時間であった。低レイノルズ数
では、独立した硬質球形粒子は、そのストークス速度で沈降する。
【数20】 ここで、aは球半径(ポリスチレンビーズに対し5μm)、ρsは該ビーズの密
度(約1060kg/m3)、ρは水の密度(1000kg/m3)、またμは水
の粘度である。これらの値を用いて、ストークス速度が次のように計算された。
【数21】
【0062】 関連するレイノルズ数を検査するためにこの速度を用いて、次式が分かった。
【数22】
【0063】 このように、低レイノルズ数の仮定は成立した。該レイノルズ数は、粘性力に
対する慣性効果の比である。この場合では、高い粘性状況のみが適用され、慣性
効果は無視できた。
【0064】 検査された別の値がペクレ数であった。これは拡散に対する沈降(堆積)の比
である。沈降する粒子では、ペクレ数は十分大きくなければならず、さもないと
粒子は液体全体にわたって拡散する。
【数23】
【0065】 ここで、D0はブラウン拡散率、またkはボルツマン定数(1.381×10- 16 erg/cm)である。従って、ペクレ数は、沈降が拡散に対し優位であるた
めに十分大きかった。
【0066】 ストークス速度に対し上記で計算された値は、独立した粒子に対するものであ
る。しかし、当面の場合において、すぐに沈降する多くのビーズが存在した。こ
れは、干渉された速度の計算に考慮された。粒子容積分率の関数は、ストークス
速度が乗ぜられ、浮遊粒子の干渉された速度をもたらす。
【数24】 ここで、φは粒子容積分率(この場合、約0.01)である。従って、全粒子が
流れチャンバーの底部に沈降するために必要な時間は、干渉された速度、及びチ
ャンバー高さ、移動の最大距離を用いて計算された。
【数25】 ここで、hはチャンバー高さ(790μm)である。この沈降時間は、実験のガ
イドラインとして用いられた。
【0067】 沈降時間を計算するためのより合理的な仮定は、粒子が落下した距離がチャン
バー高さの半分の平均であることであった。この場合、約83秒の沈降時間が得
られた。
【0068】 大きな封止ウェルにおける泡形成と関連した圧力増加のため、ウェルの上部に
おけるチャネル外の流量が計算された。レイノルズ数がクリープ波状況(Re<
1)にあるので、無視された慣性効果、及びチャネル外の初期瞬間流は、小レイ
ノルズ数での円形開口を通る流れに対し、定常状態方程式を用いて計算された。
【数26】 ここで、Qは体積流量、ΔPは圧力降下、cは開口半径(〜2.5又は4μm)
、またpは水粘度である。
【0069】 泡形成による圧力変化が容易に計算できないので、チャンバー外の体積流量は
、異なる方法で推定された。水は圧縮できないので、モデルにおいて、チャンバ
ー内への容積注入としての泡形成は、特性泡形成時間にわたってチャンバーから
排出される同じ容積をもたらしたと仮定した。例えば、直径10μmの泡を形成
するために1msかかったなら、その際、チャンバー外にもたらされた体積流量
は、次のように計算された。
【数27】
【0070】 該体積流量を用いて、チャネル外の流体の平均速度が計算され、該流れのレイ
ノルズ数が実際に小さいことが分かった。
【数28】 ここで、cはチャネル半径(2.5μm)である。粒子上の流体ジェット(噴出
)の力は、ストークス抵抗力を用いて計算された。
【数29】 ここで、aは球形粒子の半径(ポリスチレンビーズでは5μm)である。これを
該粒子を引き下げる重力に対し比較して、粒子におけるジェット力が重力よりず
っと大きいことが分かった。
【数30】 ここで、Δρは、水とポリスチレンビーズ間の密度の差異(60kg/m3)で
ある。粒子半径が増すにつれ、重力効果が高まることが分かった。典型的な細胞
では、半径が5μm(赤血球)から20μm(ほとんどの他の細胞)また100
μm(胚及び卵子)である。この装置は、半径5〜10μmのオーダーの細胞に
使用される可能性が最も高く、そのため、上記計算は予想された用途を代表した
【0071】 構成要素の設計 A.抵抗ヒーター 微小泡形成のために十分高い温度まで水を過熱するため、抵抗ヒーターが使用
された。該ヒーターは、標準スライドガラス上の薄膜白金から作製された。該ヒ
ーターの設計において、まず、望ましい電力出力を達成する抵抗及び電流の範囲
を決定する必要があった。この工程に対する設計制約は、十分なオーム加熱の程
度を保ちながら、白金の電気移動限界下の電流密度を保つ必要があることであっ
た。該電気移動限界は、抵抗器を動作不能のままにして原子が移動する前に、白
金が耐え得る最大電流密度である。
【0072】 白金の電気移動限界は、J=9×106A/cm2であると報告された。この限
界より低い電流密度で操作することが抵抗器の設計に必要であった。
【0073】 ラインヒーターの抵抗は次のように計算される。
【数31】
【0074】 ここで、Rは抵抗(Ω)、Lは抵抗器の長さ(m)、tは膜厚(m)、wは抵抗
器の幅(m)、及びρは白金の抵抗率(Ωm)である。
【0075】 抵抗器の電力出力は、次に示されるように電流と抵抗の関数である。
【数32】 ここで、Iは電流(A)及びJは電流密度である。
【0076】 従って、電流が電気移動限界によって制限されるので、望ましい電力出力を達
成するために、抵抗は十分に高い必要があった。泡を形成するために必要な電力
出力は、微小泡がポリシリコンラインヒーター上に形成される場合、参照によっ
てここに組み込まれるLinらの学術論文「Microbubble Powered Actuator」から
の数値を用いることによって推定された。それらの抵抗器は、リコンウェーハ上
の薄い誘電層の上面上にある。この構成の熱損失は、スライドガラス上に製造さ
れた白金ライン抵抗器の熱損失より十分に大きいかもしれないという推定は合理
的であった。また、これらの条件下で泡を核生成するために必要なより高い沸騰
を伴う液体は、ほぼ65mWである。
【0077】
【表2】
【0078】 ガイドラインとしてこれを用いて、抵抗は、70〜1166mWの電気移動前
に最大電力をもたらす167Ω〜1000Ωの範囲で選択された。これらの電力
は、抵抗器の操作において電気移動限界に達することを回避するために必要なも
のより大きいオーダーまでで選択された。
【0079】 白金の抵抗率は、実際、温度及び堆積条件によって変化するが、これらの計算
では、1×10-7Ωmが採用された。これは全部の白金に対する値であるが、し
かし、薄膜白金の抵抗率は広範に変わり得る。ヒーター幅の範囲は3〜6μm、
長さの範囲は500〜3000μmである。いくつかのヒーターは、抵抗器の残
部より熱い100μm長の狭い領域を中央に有するように設計された。図11A
はヒーター構成の上面図であり、一方、図11Bは、ヒーター及びその寸法の断
面図を示す。抵抗器寸法、最大電流及び最大電力出力の表も表2に示される。
【0080】 接触パッドをヒーターに接続するラインは、ヒーターよりずっと低い抵抗を有
するように設計された。これは、ラインが加熱せず、ほぼ周囲温度のままである
ことを保証するためになされた。接続ライン幅は、長さ12mmで1500μm
になるように選択された。各ラインの全抵抗は約7.7Ωであった。
【0081】 B.ウェル 正方形ウェルは、細胞を保持するため、シリコンに微細機械加工された。これ
らのウェルが異なる粒径及び流量による試験に対処する寸法範囲を選択すること
が必要であった。最終ゴールは、一の粒子を各ウェル配列内に捕捉する能力を持
つようになることであった。
【0082】
【表3】
【0083】 ウェルの側長は、最小試験ビーズ径に対応する10μmから50μmまでの範
囲で選択された。5μm及び8μmの狭チャネル幅が選択された。その理由は、
これらの大きさのいずれもが最小試験粒径10μmより小さく、かつ、粒子が該
狭チャネル内へと沈降することができないことが必要であるためである。ウェル
寸法の表は表3に示される。ウェル形状の図は側面を示す図12Aに示され、一
方、図12Bは上面図を示す。
【0084】 装置製造で使用するためのフォトマスクは、標準マスクレイアウトソフトウェ
アを用いて作り出された。シリコン処理のためにセットされたマスクが図13A
〜13Cに示され、ガラスマスクセットが図14A及び14Bに示される。
【0085】 三つのマスクは、デバイス処理のシリコン部分用に設計された。一のマスクは
、細胞ウェル(図13A)用に、一はウェル内の狭チャネル(図13B)用に、
また一は、ヒーターを囲むためにウェーハの後部からエッチングされた大きなウ
ェル(図13C)用に作り出された。二つのマスクは、スライドガラス上への白
金ヒーターの製造のために作製された。一のマスク(図14)は、金属にパター
ン付けるために設計された。
【0086】 完成したデバイスを試験するため、図15に示されような流体システムが設計
され、組み立てられた。シリンジポンプ150は、大量の流体の流源として使用
され、1〜100μL/minの範囲の流量が指定された。ビーズ、細胞又は細
胞刺激は、資料注入弁152を通って注入された。圧力センサー154は、流れ
チャンバー156の前に設置され、そのため、該チャンバーにわたる圧力降下が
監視され得た。全流体は、廃液ビーカー158へと放出され、これは、所望によ
り再利用され得た。
【0087】 流れチャンバー156の概略が図16A及び16Bに示される。流れチャンバ
ーは、プレキシガラス(米国登録商標)から機械加工され、そのため、それは透
明であり、また、顕微鏡がチャンバーの上から細胞行動を観察するために使用さ
れた。管寸法が外径1/16inch及び内径0.020inchのHPLC(高性能液
体クロマトグラフィ)取り付け具が使用された。スライドと上部カバー間のガス
ケットは、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、フレキシブルポリマーから作
成された。シールは、上部板を下方の底部板上にねじ止めすることにより、形成
された。アルミニウム型は、適切な寸法のPDMSガスケットを作り出すために
機械加工された。ガスケットは、ハードストップが達せられるまで圧縮された。
該ストップは、チャネル高さを正確に規定するため、金属シムストックから成る
スペーサーによって与えられた。チャネルの高さに対する幅の縦横比は、10よ
り大きく、放物速度分布−平面ポアズイユの流れの仮定を許容する。
【0088】 流れチャンバーの高さは790μmであった(金属スペーサーの厚さで決定さ
れた)。流量は1〜100μL/minで、0.001〜0.1のレイノルズ数
に対応した。このクリープ波状況において、十分に発達した流れに対する入口長
さは、無視できると計算された。これらの計算は以下に示される。
【数33】 ここで、Vminは最小平均速度、Qminは最小体積流量(1μL/min)、AC
はチャネルの断面積(h=790μm、w=12mm)、Vminは最大平均速度
、Qmaxは最大体積流量(100μL/min)、Reはレイノルズ数、vは水
の運動速度(1×10-62/s)、及び、Xeは、十分に発達した流れに対する
入口長である。
【0089】 接触パッドへの電気的接続は、プローブステーションを使用して成された。接
触パッドは、PDMSガスケットの外側に配置され、その際、流体流の外側に保
たれた。
【0090】 流れチャンバーの適切な流れ特性を保証するため、染料が該流れ中に注入され
、もたらされる分布が観察された。その結果は、流れチャンバーにおける妨害の
ような問題を発見し、それらを訂正するために用いられた。均一の流れが確立さ
れた場合、10μm直径ビーズが流れ中に注入され、顕微鏡下で観察された。
【0091】 流れチャンバー全体にわたる圧力降下は、圧力変換器を用いて監視された。該
圧力降下の大部分は、コネクター管材料によって引き起こされたが、理論上の値
に対し圧力読取りを比較することにより、泡の存在及び流れに対する他の妨害が
検出され得る。
【0092】 流れチャンバーに対する圧力対流量プロットが図17に示される。理論値が実
験測定値と共にプロットされる。これら二つの値が一致しない場合、チャンバー
における妨害又は管材料が考えられる。
【0093】 管材料を通じての圧力降下は、次の方程式を用いて計算された。
【数34】 ここで、μは水粘度(1×10-3kg/ms)、rは管半径(0.254mm)
、及びΔxは管長(m)である。チャンバーを通じての圧力降下は、比較におい
て無視できると計算された。流れチャンバーの概略及び寸法は、図18A〜18
Dに示される。
【0094】 構成要素の製造 白金ヒーターは、リフトオフ法を用いて標準1×3inスライドガラス上に製
造された。工程フローは図19A〜19Cに示される。図19Aとして示された
第1工程において、フォトレジストがスライドガラス上へ紡ぎ出され、マスク4
を用いて露光され、かつ現像された。次に、100Åのチタンと1000Åの白
金が、図19Bに見られるように、該スライド上へ蒸着された。チタンは、ガラ
スと白金間の接着層として機能した。次の工程において、スライドは、図19C
に示されるように、フォトレジストを溶解し、かつ、フォトレジストの上面上に
堆積された金属を取り去るため、アセトンに浸漬された。白金抵抗器のみがスラ
イドガラス上に残された。いくつかのスライドは、次に、管炉内で600℃で1
時間、焼きなまされた。この例では使用されないが、シリコンチップをスライド
へ付けるため、フォトレジストが手動でスライドに塗布され得る。
【0095】 シリコンチップ工程フローは、図20A〜20Hに示される。両面研磨(DS
P)4inch直径シリコンウェーハが使用された。図20Aに示された第1工程に
おいて、1μmの熱酸化物がウェーハ上で成長した。次に、該酸化物は、マスク
1を用いてパターン付けされた(図20B)。レジストは該酸化物の上部上に紡
ぎ出され、マスク2を用いてパターン付けされた。もたらされた構成はネスト状
マスクと呼ばれ、図20Cとして示される。
【0096】 図20D及び20Eに示されるように、まず、フォトレジストマスクが狭い5
μmトレンチャーをエッチングするために用いられ、次に、酸化物マスクが細胞
ウェルをエッチングするために用いられた。次に、ウェーハが反転され、フォト
レジストが、後部に堆積され、マスク3を用いてパターン付けされた(図20F
)。次に、深いシリコンエッチングが行われ、ウェーハを通ってエッチングし、
かつ、前もってエッチングされた狭いトレンチャーを横切らせ(図20G)、完
成ウェーハを得た(図20H)。
【0097】 完成したデバイスは、図21C及び21Dに示されるように、フォトレジスト
によってスライドガラスに付けられたシリコンチップから成った。該抵抗は水密
シールを与え、その結果、泡ウェル内の容積膨張が、狭チャネルを通って押され
ており、かつ細胞を押し出す流体のバーストをもたらした。
【0098】 組立工程を容易にするため、位置合わせマークがスライドガラス上に作られ、
また、整合穴がシリコンチップにエッチングされた。該位置合わせ許容差は、な
お泡ウェルを白金ヒーター上に配置しながら、チップがスライドに全く肉眼で手
動で整列され得るように、十分に大きい(約2mm)。
【0099】 フォトレジストは、つまようじを用いて、泡ウェルの周囲のシリコンチップ上
に塗られた。水滴がピペットを用いて各ウェル内に置かれ、次に、スライドガラ
スが上から目に見えるように位置合わせされ、チップ上へと貼り付けられた。該
水滴は、泡ウェルを満たし、かつ、狭チャネルを通って押して狭チャネルを水で
満たす役割を果たした。該デバイスは、この時、流れチャンバー内で試験される
準備が完了した。
【0100】 次に、白金抵抗器の抵抗が研究された。膜厚は、まず、プロフィルメーターを
用いて測定された。白金厚寸法は約800〜900Åの範囲であり、そのため、
平均値850Åが続く計算に用いられた。2、3ミクロンの変動によって強く影
響されないために十分な金属線幅に沿う抵抗は、マルチメーターを用いて測定さ
れた。この測定に使用されたラインは、光学顕微鏡において、約1510μm幅
まで測定された。該ライン長は約8mmであった。これらのラインの幅、厚さ及
び長さ並びに測定された抵抗を知ることで、室温での薄膜白金の抵抗率が決定さ
れた。測定された抵抗は15Ωであり、計算抵抗率は次のように計算された。
【数35】 ここで、tは膜厚(850Å)、wはライン幅(1513μm)、Rは測定抵抗
(15Ω)、及びLはライン長(8mm)である。この抵抗率は、バルク白金(
1×10-7Ωm)に対する値の2倍より大きいが、薄膜白金に対し合理的な値で
あった。これは、バルク白金が結晶質であるのに対し、薄膜白金が多結晶で、粒
界が抵抗を著しく高めるからである。
【0101】 次に、抵抗器の抵抗がマルチメーターで測定された。上記からの抵抗率の値を
用いて、各抵抗器のライン幅が決定された。ライン幅はまた、光学顕微鏡を用い
て、約±1μmまで測定された。二つの異なる抵抗器スライドに対するこの測定
の結果は、表4に示される。
【0102】
【表4】
【0103】 これより、測定され計算されたライン幅は、測定に対する誤差の範囲で、抵抗
率計算を確認することが決定された。その結果の正規化抵抗対温度のプロットが
図22に示される。抵抗は、室温での抵抗を用いて正規化(正常化)された。こ
の曲線は、抵抗器の温度を後に予測し、室温における抵抗を知り、かつ操作中に
抵抗を測定するために用いられた。
【0104】 抵抗器の断面積を用いて、電気移動前の最大電流が計算された。電気移動前の
最大電流密度は9×106A/cm2であることが分かった。これを用いて、各抵
抗器に対する最大電流が計算された。この結果が表5に示される。
【0105】
【表5】
【0106】 これらの結果は、抵抗器の燃え尽きを回避する微小泡デバイイスの試験中のガ
イドラインとして用いられた。
【0107】 該抵抗器に対する主要な目的は、これらが、水を沸騰させるのに十分高い温度
に達することができることである。抵抗器は、電圧を変え、かつその結果もたら
される抵抗器を通る電流を測定するHP4145bを用いて、プローブステーシ
ョン上で試験された。PDMSガスケットは、スライドの上面上に置かれ、水で
満たされた。該ガスケットは水を収容し、かつ、該水が電気接点及びプローブに
接触することを防いだ。図23はこの構成の概略である。
【0108】 抵抗器を横切る電圧を0から約20〜30Vまで上げるやいなや、抵抗器の高
温部からではなく、幅広コネクターラインの縁から激しい泡発生があった。該泡
は、ヒーターを切った際に凝縮しないので、ガス泡(気泡)であって水蒸気泡で
はないことは明らかであった。更に実験は、水の電気分解が起こっており、水が
水素と酸素に分解されていることを明らかにした。スライド、ガスケット及びガ
ラス製品に数分間、脱イオン水を流した後、再度試験をすると、電気分解の問題
は解消された。
【0109】 電気分解の問題が解消されると、抵抗器がもう一度水中で試験された。抵抗器
が十分な温度に達すると、ヒーター長に沿って沸騰が生じた。電力が遮断された
後、既述したように、液外に生じた溶解ガスのため、小さい空気泡が抵抗器上に
残った。引き続いての試験において、該空気泡は、沸騰のための核生成サイト(
部位)として役立ち、沸騰の開始がずっと低い温度で起こった。沸騰が始まり、
泡が抵抗器上に生じると、水への熱損失が激増する。これは、沸騰の開始がI−
V曲線における電流の急激な増加として表されるので、該デバイスの操作にとっ
て好ましい現象である。これは、熱損失が増えると温度が低下し、その結果、よ
り低い抵抗、従って抵抗器を通るより高い電流をもたらすためである。ライン抵
抗器上の沸騰の開始に対するI−V曲線は図24に示される。
【0110】 このI−V曲線において、ライン上に泡が全く存在しない際の第1の実行には
、沸騰の開始時点において電流の急な飛び上がりがあることが示される。第2の
実行では、残留泡がヒーター上に残され、沸騰のための核生成部位として役立ち
、沸騰がより低い温度で始まる滑らかなI−V曲線をもたらした。二つの曲線は
、実行1に沸騰が始まった後、非常に接近する。
【0111】 後の試験において、溶液から溶解ガスが全く生じなかった場合、電力が切られ
た際、残留空気泡が全く残らないため、抵抗器に対する各過熱サイクルの間、I
−V曲線における飛び跳ねが起こった。
【0112】 図22に与えられた抵抗器の温度−抵抗関係に対する較正を用いて、各電流に
対する抵抗器の温度がプロットされ、沸騰温度を見い出した。上記されたI−V
曲線に対応する電流対温度プロットは、図25に示される。このプロットにおい
て、水はほぼ308℃での沸騰まで示され、この時点で、温度は、沸騰に関連す
る対流熱伝達の増加のため、急激に低下する。
【0113】 試験された5抵抗器に対する沸点は250℃〜308℃の範囲であった。水の
過熱限界に対する最低計算値は273℃であることが分かり、そのため、泡核生
成が均一状況において又は弱不均一機構によって起こることを示唆した。
【0114】 上記で特徴付けられた抵抗器の相当量の試験の後、沸騰温度におけるドリフト
が明らかになった。この理由を明らかにするため、抵抗器は、前段落で述べたよ
うに再較正された。温度対正規化抵抗曲線が図26に示される。温度−抵抗特性
における劇的な変化は、抵抗器の第2世代の試験に至った。これらの変化特性は
、抵抗器の過熱によってある時間にわたって引き起こされると考えられる。抵抗
器の操作は、該抵抗器にこれら自体を有効に焼きなまさせた。焼きなましは、白
金粒界の配列を変え、従って抵抗器の抵抗率を変えた。
【0115】 更なる試験においてこの結果を回避するため、新しい抵抗器スライドが、それ
らのプロセスにおける最後の工程として、600℃で1時間、焼きなまされた。
この温度は、操作温度が達する可能性がある温度より高いが、主アグロメレーシ
ョンが起きるほど高くはない。一旦焼きなましが終了すると、新しい抵抗器は、
第1世代抵抗器に対し上述したように特徴付けられた。
【0116】 まず、室温での白金の抵抗率は、焼きなましてない抵抗器2.41×10-7Ω
mより低い、2.056×10-7Ωmであることが分かった。次に、抵抗がマル
チメーターを用いて測定され、またライン幅が上記のように計算され、これは表
6に示される。
【0117】
【表6】
【0118】 次に、抵抗器の温度−抵抗特性が上述したように加熱板上で測定され、これは
図27に示される。
【0119】 この時点で、抵抗器の泡形成特性が、既述したように沸騰脱イオン水によって
試験された。電圧は、HP4145bを用いて、上述のように、1msの遅れ時
間で0.5V段階まで上昇した。これらの試験のいずれもが、遅れ時間が短かっ
たので、残留気泡をもたらさず、また、使用された最大電圧は、試験によって確
認された泡核生成電圧のすぐ上だった。もたらされた全ての蒸気泡は、電流停止
の1分間以内に凝縮して液相へと戻った。
【0120】 結果としてもたらされたI−V曲線が図28に示され、対応する温度曲線が図
29に示される。該曲線から、我々は、第1世代抵抗に対するよりずっと低い温
度でかつ水の過熱限界の十分下である約200℃で沸騰の開始が起こったことを
認識することができる。試験された8第2世代抵抗器では、沸点は128℃〜2
00℃の範囲で、該温度の大部分は180℃より高かった。これは、沸騰が、既
述したように、不均一な核生成状況にあるこを示唆する。これらの沸騰開始温度
に対応するキャビティ半径は、方程式(1−59)から計算される。
【数36】 この計算の結果が表7に示される。
【0121】
【表7】
【0122】 これより、我々は、泡が、0.3〜1.2μmの範囲の半径で核生成されるこ
とを認識することができた。既述したように、これらキャビティは、600℃の
焼きなましの間に形成される可能性が最も高く、その間に、粒界における溝が作
り出されるキャビティを広げた。
【0123】 第2世代抵抗器は沸騰温度の再現性に対する試験もされた。I−V曲線は、前
段落のように測定され、次に、同一条件で数回再測定された。測定間において、
蒸気泡に対し散逸させる時間が与えられ、その結果、I−V曲線における沸騰で
の特性跳躍が各測定と共に観察され得た。沸点は非常に再現性があることが分か
り、その結果の一例が図30に示される。この結果は、沸点が固定されたままだ
ったので、沸騰開始時のI−V曲線における跳躍に基づく制御システムの可能性
を実証した。
【0124】 この試験からの別の興味深い結果は、特定の抵抗器では、泡が、毎回、抵抗器
上の同じ位置で核生成する傾向にあったことである。これは、焼きなましにより
引き起こされた熱溝切りによって作り出されたキャビティ内で、泡が不均一の状
況において核生成しているという仮説を強化する。
【0125】 結果 細胞チップは、前述したようにスライドガラス抵抗器に取り付けられ、次いで
、二つの方法で試験された。最初の試験は、デバイス上の停滞流体を用いて行わ
れた。次に該デバイスは、試験のため、流れチャンバー内に入れられた。これら
の試験の結果は以下に述べられる。
【0126】 これらの試験では、バルク溶液のいくつかの滴が、細胞チップの上面上に置か
れ、PDMSガスケットによって収容された。ポリスチレンビーズ溶液の滴が次
に該バルク流体に加えられ、沈降が許容された。該バルク溶液は、脱イオン水に
けるトリトンX−100(登録商標)界面活性剤の0.05%溶液であった。ビ
ーズ溶液は、同じバルク溶液において希釈された約1%ビーズであった。いくつ
かのビーズは、図42に示されるように、ウェル内へと沈降した。抵抗器を横切
る電圧がHP4145bによって上昇すると、図24と同様な跳躍を伴うI−V
曲線が作り出され、沸騰が起こったことを実証した。その結果、ウェル下の泡形
成は容積膨張を引き起こし、これは、ビーズをウェルから素早く排出した。最初
、ビーズはウェル内にあり、次に、それらは素早く駆逐された。このシーケンス
はビデオテープにも取り込まれ、また、該プロセスは、複数回繰り返され、同じ
成果を伴った。
【0127】 予備的な動的試験が流れチャンバー内で行われた。ビーズは静的試験と同様な
方法で排出され、流れへと運び去られた。該予備的試験は、ビーズが、適度な流
量に対してウェル内に保持され、かつ、微小泡が生じる際、流れ中へと排出され
ることを示唆した。
【0128】 本発明は、いくつかの好適な実施形態及びそれらにおける変形を参照して、詳
細に示され、かつ上述されたが、なおも本発明の精神及び範囲内のまま、当業者
によって本発明に追加の変形がなされ得ること、及び、本発明が、書き添えた特
許請求の範囲によってのみ限定される、いかなるそのような変形をも包含するこ
とを企図することが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A、1B、1C及び図1Dは、本発明の一実施形態が単一の細胞を捕獲、
保持及び解放するのに使用する機構を示す。
【図2】 図2A、2B及び図2Cは、本発明の別の実施形態が単一の細胞を捕獲、保持
及び解放するのに使用する工程を示す。
【図3】 図3A及び図3Bは、図2の細胞選別装置の上面図である。
【図4】 図2の細胞選別装置の分解図である。
【図5】 細胞選別装置が蛍光−検出システムに統合された、本発明の更に別の実施形態
の分解図である。
【図6】 水に対する熱力学的圧力−体積図である。
【図7A】 本発明の抵抗器の上面図である。
【図7B】 図7Aの抵抗器の断面図である。
【図8】 本発明のヒーターに見られるような熱抵抗を示す。
【図9】 図9A及び図9Bは、異なる縦横比の矩形キャビティ上の流れに対する流れ線
を示す。
【図10】 ウェル内の粒子に作用する力の概略図である。
【図11A】 本発明のヒーターの上面図である。
【図11B】 図11Aのヒーターの断面図である。
【図12A】 本発明の細胞ウェルの側面図である。
【図12B】 図12Aの細胞ウェルの上面図である。
【図13】 図13A、13B、及び図13Cは、本発明に使用するためのシリコン処理マ
スクセットの上面図である。
【図14】 ガラス処理マスクの上面図である。
【図15】 本発明の試験装置のための流れシステムの図である。
【図16A】 本発明の流れチャンバーの上面図である。
【図16B】 図16Aの流れチャンバーの側面図である。
【図17】 図16A及び図16Bの流れチャンバーに対する圧力降下対流量のグラフであ
る。
【図18A】 図16A及び図16Bの流れチャンバーのチャンバーベースの上面図である。
【図18B】 図18Aのチャンバーベースの側面図である。
【図18C】 図16A及び図16Bの流れチャンバーのチャンバー蓋の上面図である。
【図18D】 図18Cのチャンバー蓋の側面図である。
【図19】 図19A〜図19Cは、本発明のスライドガラスの製造工程図である。
【図20】 図20A〜図20Hは、本発明のシリコンウェーハの製造工程図である。
【図21】 図21A〜図21Dは、図19A〜図19Cのスライドガラス上へ図20A〜
図20Hのシリコンウェーハを組み付ける工程図である。
【図22】 本発明の白金抵抗器に対する温度対抵抗のグラフである。
【図23】 本発明に使用される抵抗器試験装置の構成図である。
【図24】 本発明の白金ライン抵抗器における沸騰開始に対する電流対電圧のグラフであ
る。
【図25】 図24の白金ライン抵抗器に対する電流対温度のグラフである。
【図26】 本発明の1セットの焼きなましされた白金ライン抵抗器のセットに対する温度
対抵抗のグラフである。
【図27】 加熱板上で加熱された1セットの焼きなましされた白金ライン抵抗器に対する
温度対抵抗のグラフである。
【図28】 本発明の1セットの焼きなましされた白金ライン抵抗器に対する電流対電圧の
グラフである。
【図29】 図28の抵抗器に対する電流対温度のグラフである。
【図30】 繰り返された沸騰試験下における図28の抵抗器に対する電流対電圧のグラフ
である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年1月14日(2002.1.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ジョエル ボールドマン アメリカ合衆国 02144 マサチューセッ ツ、サマビル、デイビス スクウェア 35、ナンバー6 (72)発明者 マーサ エル.グレイ アメリカ合衆国 02476 マサチューセッ ツ、アーリントン、プレザント ストリー ト 226 (72)発明者 マーティン エイ.シュミット アメリカ合衆国 01867 マサチューセッ ツ、レディング、アシュリー プレイス 78 (72)発明者 メメット トーナー アメリカ合衆国 02481 マサチューセッ ツ、ウェルズリー、ピルグリム ロード 100 Fターム(参考) 2G045 AA02 CB01 FA34 2G052 AA28 AA31 AD14 AD34 AD54 BA17 BA21 DA06 DA09 DA22 EB11 GA11 GA32

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞の操作のための細胞選別装置であって、 規定パターンで基体を横切って配列された幾何学的サイトのアレイであって各
    サイトが単一の細胞を保持するように寸法及び形状が作られる当該アレイを備え
    、 各サイトは、選択的に単一の細胞を捕獲することができる捕獲機構を含み、 更に各サイトは、サイトから選択的に単一の細胞を解放する解放機構を含む細
    胞選別装置。
  2. 【請求項2】 前記各サイトは唯一のアドレスを有し、かつ別のサイトに対
    して独立に制御可能である請求項1記載の細胞選別装置。
  3. 【請求項3】 前記各捕獲機構はウェルを備える請求項1記載の細胞選別装
    置。
  4. 【請求項4】 前記各ウェルは単一の細胞のみを保持するように大きさ及び
    形状が作られる請求項3記載の細胞選別装置。
  5. 【請求項5】 前記単一の細胞は重力によってウェル内部に保持される請求
    項4記載の細胞選別装置。
  6. 【請求項6】 前記ウェルは約10〜50micronsの内径を有する請求項4
    記載の細胞選別装置。
  7. 【請求項7】 前記各ウェルはウェル下に設置されたチャンバーに狭チャネ
    ルによって接続される請求項3記載の細胞選別装置。
  8. 【請求項8】 前記狭チャネルは約5〜8micronsの幅を有する請求項7記
    載の細胞選別装置。
  9. 【請求項9】 前記解放機構は、チャンバー内に配置されたアクチュエータ
    ーを備える請求項7記載の細胞選別装置。
  10. 【請求項10】 前記アクチュエーターは加熱要素を備える請求項8記載の
    細胞選別装置。
  11. 【請求項11】 前記加熱要素の活性化は、チャンバー内の容積膨張を作り
    出す泡核生成を引き起こして、細胞をウェル外へ排出する請求項10記載の細胞
    選別装置。
  12. 【請求項12】 前記加熱要素は、高インピーダンスライン抵抗器によって
    接続された二つの広幅低抵抗ラインを備える請求項11記載の細胞選別装置。
  13. 【請求項13】 前記広幅低抵抗ラインは、長さ約12mm及び幅約1.5
    mmである請求項11記載の細胞選別装置。
  14. 【請求項14】 前記各ラインの総抵抗は約7.7Ohmsである請求項1
    3記載の細胞選別装置。
  15. 【請求項15】 前記加熱要素の表面温度は、チャンバー内部の液体の過熱
    限界より高く、泡核生成を引き起こす請求項14記載の細胞選別装置。
  16. 【請求項16】 前記抵抗器は白金から形成される請求項12記載の細胞選
    別装置。
  17. 【請求項17】 前記抵抗器は、幅約3〜6microns及び長さ約500〜3
    000micronsである請求項16記載の細胞選別装置。
  18. 【請求項18】 前記抵抗器は泡核生成を引き起こす粗面を有する請求項1
    7記載の細胞選別装置。
  19. 【請求項19】 前記抵抗器の表面温度は、泡核生成を引き起こすために十
    分である請求項18記載の細胞選別装置。
  20. 【請求項20】 前記抵抗器の表面温度は約100℃〜約280℃である請
    求項19記載の細胞選別装置。
  21. 【請求項21】 前記抵抗器は、泡核生成をその中で引き起こすための少な
    くとも一つの穴を含む請求項16記載の細胞選別装置。
  22. 【請求項22】 前記泡は直径約200micronsである請求項11記載の細
    胞選別装置。
  23. 【請求項23】 前記各サイトの捕獲機構は、単一の細胞を捕獲するための
    ポテンシャルエネルギーウェルを作り出すことができる電界トラップを備える請
    求項1記載の細胞選別装置。
  24. 【請求項24】 前記電界トラップは電極を備える請求項23記載の細胞選
    別装置。
  25. 【請求項25】 台形形状で配列された四つの電極を更に含む請求項24記
    載の細胞選別装置。
  26. 【請求項26】 前記電界トラップは三次元である請求項24記載の細胞選
    別装置。
  27. 【請求項27】 前記電極は薄膜極である請求項24記載の細胞選別装置。
  28. 【請求項28】 前記電極は金から形成される請求項26記載の細胞選別装
    置。
  29. 【請求項29】 前記解放機構は、単一の細胞をサイト外へ排出するため、
    ポテンシャルエネルギーウェルを除去することを含む請求項23記載の細胞選別
    装置。
  30. 【請求項30】 細胞選別装置を作製する方法であって、 第1基体の一面に、単一の細胞を保持するように構成されかつ寸法付けされる
    ウェルを形成する工程と、 第1基体の反対面にチャンバーを形成する工程と、 ウェル及びチャンバーを共に接続し、かつこれらの間の流体連通を可能にする
    チャネルを形成する工程と、 第2基体に加熱要素を形成する工程と、 該加熱要素をチャンバーの下に配置する工程と、 第2基体がチャンバーの底部を形成するように、第2基体上に第1基体を取り
    付ける工程とを含む細胞選別装置作製方法。
  31. 【請求項31】 前記ウェル、チャネル及びチャンバー形成工程は、第1基
    体をエッチングする工程を更に含む請求項30記載の細胞選別装置作製方法。
  32. 【請求項32】 前記第1基体はシリコンウェーハから成る請求項31記載
    の細胞選別装置作製方法。
  33. 【請求項33】 前記エッチング工程は、 シリコンウェーハ基体の第1面上に熱酸化物を成長させる工程と、 ウェルの形状を規定する第1マスクを用いて、該酸化物にパターン形成する工
    程と、 該酸化物の上部にフォトレジストを設ける工程と、 チャネルの形状を規定する第2マスクを用いて、該酸化物にパターン形成する
    工程と、 第2マスクを用いてチャネルを形成するため、ウェーハをエッチングする工程
    と、 第1マスクを用いてウェルを形成するため、ウェーハをエッチングする工程と
    、 シリコンウェーハ基体の反対面にフォトレジストを堆積させる工程と、 チャンバーの形状を規定する第3マスクを用いて、フォトレジストにパターン
    形成する工程と、 チャネルと接触するのに十分な深さを有するチャンバーを形成するため、ウェ
    ーハをエッチングする工程とを更に含む請求項31記載の細胞選別装置作製方法
  34. 【請求項34】 前記加熱要素形成工程は、 第2基体上にフォトレジストを設ける工程と、 加熱要素の形状を規定するマスクでフォトレジストにパターン形成する工程と
    、 加熱要素の形状に第2基体の領域を露光するため、フォトレジストを選択的に
    除去する工程と、 該露光領域に金属製導体を堆積させる工程とを含む請求項30記載の細胞選別
    装置作製方法。
  35. 【請求項35】 前記金属製導体堆積工程は、第2基体上に少なくとも一の
    金属を蒸着する工程と、該基体から該金属を選択的に除去する工程とを更に含む
    請求項34記載の細胞選別装置作製方法。
  36. 【請求項36】 前記選択的金属除去工程は、フォトレジストに堆積された
    過剰フォトレジスト及び金属を除去するため、アセトンで該基体を処理する工程
    を更に含む請求項35記載の細胞選別装置作製方法。
  37. 【請求項37】 前記第2基体はガラスから成る請求項30記載の細胞選別
    装置作製方法。
  38. 【請求項38】 前記第1基体の第2基体上への取り付け工程は、第1及び
    第2基体を接着剤で共に接合させる工程を更に含む請求項30記載の細胞選別装
    置作製方法。
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