JP2003514075A - 熱エネルギー蓄積材料 - Google Patents

熱エネルギー蓄積材料

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JP2003514075A JP2001537147A JP2001537147A JP2003514075A JP 2003514075 A JP2003514075 A JP 2003514075A JP 2001537147 A JP2001537147 A JP 2001537147A JP 2001537147 A JP2001537147 A JP 2001537147A JP 2003514075 A JP2003514075 A JP 2003514075A
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    • DTEXTILES; PAPER
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Abstract

(57)【要約】 ポリマー構造は、このポリマー構造の孔内に相変化材料を含む。ポリマー構造は、スピノーダル分解を含むプロセスによって調製される。1つの実施形態において、ポリマー構造は、以下:ポリマーおよび相変化材料を含む単相液体混合物を、相変化材料が液体混合物中に含まれる相変化材料およびポリマーの相対比でポリマーと完全に混合する温度で、調製する工程であって、相変化材料が、混合温度より下の温度でこのような比においてポリマーと少なくとも部分的に混合しない、工程;単相液体混合物を含む発生期の構造を形成する工程;発生期の構造をクエンチして、単相液体混合物を、ポリマーを含む連続液相を含む別の液相にスピノーダル分解する工程;および発生期構造をさらに冷却して、該ポリマーを含む連続相を凝固し、それによってポリマー構造を形成する工程、を包含するプロセスによって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、熱エネルギー蓄積材料に関し、より詳細には、相変化材料を含有す
るポリマー構造を含むこのような材料の調製に有用な新規なプロセスおよび組成
物に関する。
【0002】 相変化材料(PCM)(潜在熱エネルギー蓄積材料としても公知)は、熱エネ
ルギー蓄積に使用される。凍結および融解時に、相変化材料は、同じ温度範囲に
わたって加熱または冷却される顕熱蓄積材料よりも単位重量当たり実質的に多く
のエネルギーを吸収および放出する。これは、相変化材料において、融解の潜熱
が、それらの顕熱能力よりも大きいからである。融解の潜熱は、その特徴的な融
点を維持しながら、液体から固体にまたはその逆にその相を変化させるために材
料によって吸収されるかまたは放出されるエネルギーの量である。顕熱は、相変
化を含まない温度の変化により材料によって吸収または放出される熱エネルギー
である。効率的な相変化材料は、一般的には、高い融解の潜熱、高い熱伝導率、
および分解することなしに繰り返し熱サイクリングを受ける能力を有することと
して特徴付けられる。
【0003】 その融点に依存して、相変化材料は、特定の系を加熱または冷却するために使
用され得る。例えば、融点よりも上に加熱された相変化材料を使用して、相変化
材料の融点より低い温度の熱環境を温め得る。このような系において、相変化材
料は、相変化材料の融点に達するまで顕熱を放出し、その後、相変化材料の全て
が固相に相変化するまで熱プラトーが存在する。凝固の後に、相変化材料は、環
境との熱平衡に達するまで顕熱移動を受ける。凝固点より下に冷却された相変化
材料は、相変化材料の結晶化温度より高い温度の熱環境を冷却するために使用さ
れ得る。このような系において、相変化材料は、相変化材料の融点に達するまで
顕熱を吸収し、その後、相変化材料のすべてが液相へ相変化するまで、熱プラト
ーが存在する。融解後、相変化材料は、環境との熱平衡に達するまで顕熱移動を
受ける。
【0004】 相変化材料は、熱蓄積について顕熱材料よりも優れる。高い融解の潜熱に起因
して、相変化材料は、より高い熱蓄積容量を有する。さらに、相変化において熱
プラトーが存在するので、相変化材料は、長期間、等温的に機能する。
【0005】 熱エネルギーを吸収、蓄積および等温的に放出するそれらの能力のため、相変
化材料は、多くの適用において使用されている。例示的な例としては、建物の加
熱要件および冷却要件を少なくするために乾式壁および床板のような建築材料へ
の相変化材料の組込みが挙げられる。相変化材料はまた、カップ、ガラス、食卓
用器具、および食物貯蔵品目に組み込まれて、長期間にわたって所望の温度に食
物および飲料を保存している。相変化材料はまた、衣類、寝具類、ラップ(wr
ap)、クッション、あるいは織布繊維または不織布繊維を利用する他の物品(
特に、冷たい環境における使用のためのもの)における使用のために繊維の組み
込まれている。
【0006】 多くの方法が、相変化材料を繊維のようなポリマー構造に組み込むために考え
出されている。Salyer、米国特許第5,5053,446号は、ポリオレ
フィン繊維に相変化材料を染み込ませるための方法を開示する。熱形態安定架橋
ポリオレフィン繊維は、相変化材料の少なくとも10重量%を吸収するのに十分
な時間の間、相変化材料の溶融浴に浸される。2工程のプロセスを必要にするこ
とに加えて、開示される方法は、架橋の程度が、熱形態安定性を提供し、かつな
お十分な相変化材料が吸収され得るように注意深く平衡がとられることが必要で
ある。
【0007】 米国特許第4,908,166号において、Salyerは、ポリオレフィン
および相変化材料の融解混合物を作製し、ついでこれが押出しすることによって
相変化材料含有ポリオレフィンを作製するための方法を記載する。25%までの
相変化材料濃度が、この方法により達成されると言える。生成物がスピノーダル
分解の誘導によって作製されないので、この生成物は、3次元セル構造を有さな
い。
【0008】 米国特許第5,804,266号において、Salyerは、相変化材料を含
有する連続的なポリマー繊維の作製を開示する。このプロセスにおいて、繊維は
、ポリマー、シリカおよび適合性の相変化材料を一緒に融解することによって作
製される。次いで、得られる融解物を、連続的プロセスで押出して繊維を形成す
る。シリカは、相変化材料を吸収するために融解物に含まれる。シリカによる相
変化材料の吸収は、この材料が加熱されて相変化材料が液体状態に変換される場
合、繊維からの相変化材料の損失を防ぐのに必要である。相変化材料の滲出を妨
げるのに必要であるが、シリカまたはいくつかの他の吸収剤を含むことは、必ず
、繊維に組み込まれ得る相変化材料の量を制限する。
【0009】 相変化材料はまた、ポリマー繊維に直接組み込まれている。Salyerに対
する米国特許第5,885,475号は、相変化材料が、ポリマーの交互単位、
ポリマーの繰り返し単位、またはポリマー自身のいずれかとして組み込まれる繊
維を開示する。繊維ポリマーへの直接的な組み込みは、使用され得る相変化材料
の選択を、その構造的な強度を有意に減少させることなしにポリマーと反応する
ものに制限する。
【0010】 種々の適用に使用され得、軽量であり、作製が容易であり、高い割合の幅広い
種々の相変化材料を組込み得る、相変化材料を組み込むポリマー構造(例えば、
繊維またはシート)が必要である。本発明はこの必要を満たす。
【0011】 (発明の要旨) 本発明は、新規な熱エネルギー蓄積ユニットを提供し、これは、ポリマー構造
であって、相変化材料をこのポリマー構造の孔内に有するポリマー構造、および
このポリマー材料を支持する担体を含む。ポリマー構造は、少なくともこの構造
の内側層中にわたって相変化材料を含む多くの封入セルを提供する様式で形成さ
れる。従来の熱蓄積材料と比較して有意に多い量の相変化材料が、ポリマー構造
に組み込まれる。なぜなら、ポリマー構造が形成されるときに、相変化材料がセ
ル内に封入されるからである。より多くの量の相変化材料を組み込むことによっ
て、従来の材料と比較して、ユニット内により大きな熱エネルギー蓄積容量が与
えられる。また、相変化材料は、サブミクロンスケールでポリマー構造内に深く
(intimately)分散して、表面中の均一な加熱または冷却を提供する
【0012】 別の実施形態において、ポリマー構造は、比較的低い透過性の外側層または「
外殻(skin)構造」を有し、これは、ポリマー構造からの相変化材料の漏出
を妨げる。このような構造は、ポリマー構造が、相変化材料の封入セルよりもむ
しろポリマー構造の外側表面に接触し得る通路相互接続セルを含む場合、特に有
用である。ポリマー構造がルーズファイバー充填または弾性(lofted)繊
維ポリマーバット(batt)の形態であるような場合、相変化材料の漏出を妨
げるためにこのようなポリマー構造を包む(encase)ことは実施不可能で
あり得る。
【0013】 本発明のポリマー構造は、建築材料(例えば、乾式壁、床板、絶縁、およびカ
ーペットパッド)、舗装材料(例えば、コンクリート、レンガおよびセメント)
、路床、栽培媒体、容器およびカバー(例えば、マルチ、土壌、プランター、お
よび屋外植物のためのソーラーカバー)、食物給仕、貯蔵、輸送および調製材料
(例えば、ガラス製品、食卓用器具および食物貯蔵容器)、衣類(例えば、コー
ト、パンツ、グローブ、ソックスおよび帽子)、靴、靴裏地、寝具類、ラップ(
例えば、医療用ラップ、ブランケット、および医療用ドレープ)、家具、外科用
クッション、およびシートクッションを含む、多数の様々な適用のための熱エネ
ルギー蓄積ユニットにおいて有用である。
【0014】 従って、簡単に述べると、本発明は、相変化材料をポリマー構造の孔内に含む
ポリマー構造、およびこのポリマー構造を支持する担体を含む熱エネルギー蓄積
ユニットに関する。相変化材料は、エネルギーを吸収、蓄積および放出し得、そ
して担体は、相変化材料にエネルギーを伝達し得るか、または相変化材料からエ
ネルギーを伝達し得る。ポリマー構造は、ポリマーおよび相変化材料を含む単相
液体混合物を、相変化材料が液体混合物中に含まれる相変化材料およびポリマー
の相対比でポリマーと完全に混合する温度で、最初に調製することによって形成
される。相変化材料は、混合温度より下の温度でこのような比においてポリマー
と少なくとも部分的に混和しない。単相液体混合物を含む発生期構造が形成され
る。発生期構造は、クエンチされて、単相液体混合物を、このポリマーを含む連
続液相を含む別の液相にスピノーダル分解する。発生期構造はさらに、冷却され
て、ポリマーを含む連続相を凝固し、それによってポリマー構造を形成する。
【0015】 本発明の別の局面は、繊維ポリマーバット、およびこのバットを支持する担体
から構成される熱エネルギー蓄積ユニットに関する。バットの繊維は、繊維の孔
内に相変化材料を含む。相変化材料は、エネルギーを吸収、蓄積および放出し得
、そして担体は、相変化材料にエネルギーを伝達し得るか、または相変化材料か
らエネルギーを伝達し得る。
【0016】 本発明のなお別の局面は、25重量%より多い相変化材料を含むポリマー繊維
から構成される熱エネルギー蓄積材料に関する。相変化材料は、繊維の孔内にあ
り、エネルギーを吸収、蓄積および放出し得、そしてポリマー繊維内で液体のみ
である。
【0017】 本発明のなお別の局面は、熱エネルギー蓄積材料を生成物に組み込むことによ
って生成物の熱エネルギー蓄積容量を増加させるための方法に関する。
【0018】 本発明の別の局面は、25重量%より多い相変化材料を含むポリマー繊維、お
よびこの繊維を支持する担体から構成される熱エネルギー蓄積ユニットに関する
。相変化材料は、繊維の孔内にあり、エネルギーを吸収、蓄積および放出し得る
。担体は、エネルギーを相変化材料へ伝達し得るか、またはエネルギーを相変化
材料から伝達し得る。
【0019】 他の目的および特徴は、部分的に明かであり、部分的に本明細書中以後に指摘
される。
【0020】 対応する参照文字は、図面全体を通して対応する部分を示す。
【0021】 (好ましい実施形態の説明) 本発明の熱エネルギー蓄積材料は、ポリマー構造の孔内に少なくとも1つの相
変化材料を含有するポリマー構造を含む。ポリマー構造は、好ましくは、ポリマ
ーマトリクス中にわたって実質的に均一に分布した相変化材料を含む。相変化材
料は、ポリマーマトリクス内のセルに封入される。このセル構造は、ポリマーお
よび相変化材料の単相液体混合物においてスピノーダル分解を誘導して、液体−
液体相分離、続いて、クエンチングしてポリマーを凝固することを引き起こす。
以下に議論されるように、相変化材料面積のサイズ、および関連する相互接続は
、もしあったとしても、この構造を作製するために使用されるパラメータを変更
することによって制御され得る。
【0022】 本発明の実施形態において、相変化材料は、ポリマーマトリクス内およびいく
つかのセルを相互接続する通路内でセルに封入される。ポリマー構造が構造の外
側層内にこのような通路を含む場合、この構造が、構造の内側コアよりも高いポ
リマー濃度を有する低浸透性外側層または「外殻構造」を含むことが好ましい。
選択される条件に依存して、ポリマー外側層から内側コアへの変化は、この構造
が、本質的に純粋なポリマーの外側外殻を有するように、急激であり得るか、ま
たはポリマーの濃度が外側表面から内側コアに向かって減少する勾配が存在し得
る。セル状ポリマー構造は、相変化材料を融解および凝固する反復プロセスの間
、この構造からの相変化材料の損失または「滲出(oozing)」することな
しに大量の相変化材料を保持するという利点を有する。相変化材料損失における
この減少は、高いポリマー含有量の外側層を含む実施形態において特に明かであ
る。
【0023】 本発明のポリマー構造は、種々の形状に形成され得る。例えば、限定しないが
、このポリマー構造は、キャスティング、鋳型成形、押出しおよび紡績(スピニ
ング)のような方法によって、フィルム、ブロック、ペレット、およびフィラメ
ント(例えば、繊維)に形成され得る。1つの実施形態において、ポリマー構造
は、繊維に、より詳細には、繊維バットに形成される。
【0024】 本発明の熱エネルギー蓄積ユニットは、ポリマー構造およびこのポリマー構造
を支持する担体を含む。この担体は、以下に記載されるように、熱エネルギー蓄
積ユニットの意図される最終用途に依存して選択される。担体は、相変化材料に
エネルギーを伝達し得るか、または相変化材料からエネルギーを伝達し得、一般
的に、衣類、カバー、糸、シート、フィルム、繊維、ペレット、容器、硬質フォ
ーム、メッキ媒体、建築材料、路床、または舗装用材料の形態である。例えば、
このユニットが建築絶縁体として使用され得る場合、ポリマー構造は、紙シート
を含む担体によって支持される繊維バットの形態であり得る。
【0025】 本発明のプロセスにおいて有用な組成物に典型的な相図が、図1に示される。
このような組成物は、熱可塑性ポリマーP1および相変化材料D1を含み、このポ
リマーは、周囲温度において少なくとも部分的に混和しないが、高温(典型的に
は、このポリマーの融点またはガラス転移温度よりも上)で完全に混和する。相
図の点Cの座標は、相変化材料D1におけるポリマーP1の溶液についての臨界組
成(すなわち、最も高いスピノーダル分解温度を示すP1およびD1の組成)、な
らびに臨界温度(すなわち、臨界組成についてのスピノーダル分解温度)である
。点Eについての座標は、共融点組成および共融点の融点である。スピノーダル
相分離曲線およびバイノーダル相分離曲線、ならびにこれらの下に、ポリマー凝
固線が、共融点の左にプロットされる。P1/D1系におけるポリマーについての
凝固点(またはガラス転移温度)凹状曲線が、共融点の右にプロットされる。図
に示されるように、本発明のプロセスに有用な組成物について、相図は、好まし
くは、介在する結節点(node)または変曲点(inflection)なし
にバイノーダル相分離線により共融点に結ばれる臨界点Cを含む。
【0026】 このプロセスに従って、単相液体混合物は、点Aの組成および温度(すなわち
、臨界組成よりも高いが共融点よりも低いP1含有量Ca、ならびにP1およびD1 が完全に混和性である温度Ta)を有するように調製される。異方性または非対
称性ポリマー構造を形成する場合、相変化材料は、Caから共融点組成Ceまたは
それより高い範囲の組成から、TaとTaより有意に低い温度(例えば、点Bのお
ける温度Tb)またはそれ以下の温度との間の温度で気化し得るように十分な揮
発性を有する。
【0027】 単相組成物は、発生期構造を含む構造(例えば、フィルム、繊維、または環状
(中空)フィラメント)に形成される。
【0028】 本発明の実施形態において、異方性構造は、ポリマー構造の外側層が、内側バ
ルク構造よりも高いポリマー濃度を有するように作製される。発生期構造の外側
液体層におけるポリマー濃度(その表面から内側に伸びる)は、表面からの揮発
性の相変化材料の蒸発によって増加して、異方性ポリマー構造を形成する。これ
によって、外側液体層におけるポリマー濃度は、構造のバルク内よりも高い値に
増加する。好ましくは、表面および外側液体層が、蒸発によって冷却され、単相
の液体混合物の温度/組成座標を、バイノーダル分離線およびスピノーダル分離
線に向かわせる。あるいは、蒸発は、外側縁部に、その温度を実質的に一定に維
持するのにまたはいくつかの場合において増加するのに十分な熱を移動させるこ
とによって促進され得る。いずれにせよ、蒸発条件は、気化可能な相変化材料の
除去の速度が、フィルムまたはフィラメントのバルクから外側層への相変化材料
の拡散の速度よりも大きい(すなわち、相変化材料が、迅速な速度で外側層から
蒸発する)ように制御される。有利には、蒸発は、大気圧以下の圧力下で(例え
ば、約50mmHgまで、典型的には、約10〜約30mmHgの中程度の減圧
下で)行われる。
【0029】 図1と図2との両方に示されるように、迅速な蒸発による冷却は、構造の外側
層の温度をTbに減少させ、そしてその中の濃度をCbに増加する(図1における
点Bの座標)。好ましくは、蒸発は、点Bのような点で終結し、この点において
、温度は、外側層内の発生期構造の組成が、この構造をクエンチングする前の単
相液体を維持するように十分に高く維持する。蒸発による濃度の増加は、好まし
くは、Cbが臨界組成Ccよりも共融点組成Ceに近いように十分である。好まし
くは、スピノーダル分解および凝固平衡線が集中する共融点に近いが、点Cb
また、スピノーダル分解温度がなお固体/液体平衡温度を越える組成である。
【0030】 点Cbの温度座標は、好ましくは、できるだけバイノーダル平衡に近い(例え
ば、バイノーダル線よりも約40℃高い温度以下、より好ましくは、バイノーダ
ル線よりも約20℃高い温度以下、最も好ましくは、バイノーダル線よりも5〜
10℃高い温度以下)。記載されるように、バイノーダル平衡、スピノーダル分
解、および凝固平衡の位置が、共融点に向かって集中する点に、濃度Cbが近い
ことが好ましい。従って、点B(すなわち、蒸発冷却工程の最後)において温度
が、スピノーダル分解温度よりも、約30℃高い温度以下、より好ましくは約2
0℃高い温度以下で、そして外側表面組成におけるスピノーダル分解温度が、凝
固温度よりも、約50℃高い温度以下、好ましくは約20℃高い温度以下である
ことが好ましい。
【0031】 この発生期の構造は、その後、バイノーダル、スピノーダル、およびポリマー
凝固線未満まで温度を急速に低下するためにクエンチされる。この混合物がスピ
ノーダル分解線未満まで冷却される場合、この単一相混合物は、相変化材料を優
先的に含む(代表的には約0.5重量%未満のポリマーを含む)液相、およびポ
リマーを優先的に含む第2の液相に分離する。本発明の実施形態において、単一
相混合物中のポリマーの量がこの混合物中の相変化材料の量と比較して多い場合
、この相変化材料は不連続相を形成する。本発明の別の実施形態において、両方
の相は連続であり、発生期の構造内に相互浸透する連続した液相ネットワークを
形成する。クエンチが凝固線未満まで進行する場合、ポリマーを優先的に含む相
は凝固し、相変化材料のさらなる排除を伴ういくつかの場合、表面から実質的に
この構造の大部分(前述の外側の層を含む)を通って伸長する連続的な結晶また
はアモルファスの固体ポリマー相を形成する。代表的に、スピノーダル相の分離
は、約100℃〜約200℃、より代表的には約150℃〜約200℃の温度範
囲内で起こり得る。このポリマー相の凝固は、さらなる冷却の際に得られる。こ
の構造内に残存する相変化材料は、連続ポリマー相にオープンセルの多孔性を付
与する。
【0032】 この混合物が、外側の層からの相変化材料の有意な蒸発なくクエンチされる場
合、このポリマー構造は実質的に等方性であり、そして代表的には、約50%と
約80%との間の相変化材料画分、および約0.2μと約200μとの間(好ま
しくは約0.2μと約20μとの間、およびより好ましくは約0.2μと約2μ
との間)の平均孔サイズを有する。相変化材料を含むセルのいくつかは、不連続
相がクエンチの間に存在する場合、相変化材料を含む通路によって相互接続され
得る。この通路は、代表的には、この構造の平均孔サイズの直径の約1/10の
平均直径を有する。代表的に、全体的な厚さは、一般に約50μと約500μと
の間である。
【0033】 異方性または非対称性のポリマー構造において、残余相変化材料の濃度は、外
側の液体層において有意に低く、これから相変化材料が蒸発される。従って、多
孔性の外側の層における多孔性(すなわち、相変化材料画分)は、凝固したポリ
マー構造の大部分またはその外側の層の内部における相変化材料画分の多孔性よ
りも有意に低い。平均孔サイズはまた、より低い相変化材料画分および濃縮した
外側の液体層におけるスピノーダル相分離の比較的低い温度に起因して、代表的
にはより小さい。結果として、高度に異方性(代表的には非対称性)の構成およ
び特性を有するシート、繊維、中空微細繊維、または他の構造が生成される。相
変化材料が溶融状態の場合でさえも構造内に相変化材料を保持するために効果的
な、高密度であるが多孔性の外側の層または外殻が形成される。外側の層におけ
るこの相変化材料の画分は、代表的には約5と約50%との間であり、そして約
0.5と約0.05μとの間の平均孔サイズを有する。このポリマー構造の大部
分、およびその内部の他の層は、代表的には、約50%と約80%との間の相変
化材料画分および約0.2と約200μとの間(好ましくは約0.2と約20μ
との間、そしてより好ましくは約0.2と約2μとの間)の平均孔サイズを有す
る。相変化材料を含むセルのいくつかは、不連続相がクエンチの間に存在する場
合に相変化材料を含む通路によって相互接続され得る。この通路は、代表的には
この構造の平均孔サイズの直径の約1/10の平均直径を有する。従って、高効
率的な熱エネルギー蓄積材料は、約50μと約500μとの間の全体的な厚さで
、本発明の方法によって作製され得る。
【0034】 熱エネルギー蓄積のためのポリマー構造は、広範な種々の熱可塑性ポリマーか
ら本発明のプロセスに従って作製され得る。混合温度で相変化材料と混和性であ
るが混合温度未満の温度では相変化材料と混和性でない任意の熱可塑性ポリマー
が使用され得、例としては以下が挙げられる:ポリエステル(例えば、ポリエチ
レンテレフタラート、およびポリブチレンテレフタラート);ポリアミド(例え
ば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66、およびナイロン13);ポリオ
レフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニル
クロリド、ポリビニルブチラール、塩素化されたポリエチレン、アクリロニトリ
ル/ブタジエン/スチレン、スチレン/アクリロニトリル、ポリブチレン、スチ
レン/ブタジエン、エチレン/酢酸ビニル、ポリビニルアセテート、およびポリ
ビニルアルコール);アクリル(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ
(メチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、エチレン/アクリル酸
およびエチレンアクリルエステルコポリマー)ならびにエチレン/アクリルイオ
ノマー;ポリカーボネート;ならびにポリスルホン。好ましいポリマーは、マイ
クロ波活性ポリマー(例えば、ポリビニリデンフルオリド)である。本明細書中
で使用される場合、マイクロ波活性は、マイクロ波エネルギーを吸収して熱エネ
ルギーを放出する材料を意味する。このようなポリマーが本発明の熱エネルギー
蓄積材料を形成するために使用される場合、相変化材料以外にこの材料中に存在
すべき更なる液体はなく、伝統的なマイクロ波活性化エネルギー蓄積材料と比較
してこの材料のサイズおよび重量を減少する。当然ながら、1つ以上のポリマー
の混合物が本発明の実施において利用され得る。
【0035】 ポリマーおよび相変化材料の特定の組み合わせは、当業者に公知の多くの要因
に依存し、これらとしては予測される用途、材料の費用および利用可能性、なら
びに実施可能な混合物を形成するポリマーおよび相変化材料の組み合わせの能力
が挙げられる。より詳細には、特定の混合温度で、相変化材料およびポリマーが
単一相の液体混合物を形成し、そして冷却の際に液体−固体分離ではなく液体−
液体分離によって相分離を起こす限り、任意の相変化材料が使用され得る。
【0036】 一般に、含まれるポリマーが非極性である場合、混合温度で同様の溶解度パラ
メーターを有する非極性の相変化材料は、より有用であるようである。このよう
なパラメーターが混合温度で利用可能でない場合、一般的なガイダンスのために
、より容易に利用可能な室温の溶解度パラメーターを参照し得る。同様に、極性
ポリマーを使用する場合、同様の溶解度パラメーターを有する極性の相変化材料
は、最初に試験されるべきである。さらに、疎水性ポリマーを使用して、有用な
相変化材料は代表的にほとんどまたは全く水への溶解度を有さない。一方、親水
性の傾向のあるポリマーは、一般にいくらか水への溶解度を有する相変化材料を
必要とする。
【0037】 1つ以上のポリマーの混合物が使用される場合、有用な相変化材料は、代表的
には含まれるポリマーの全てで実施可能でなければならない。しかし、いくらか
のポリマー混合物は、相変化材料が、使用されるポリマーの全てで実施可能であ
る必要はないような特徴を有する。例えば、この混合物の特性に有意に影響しな
いように比較的低量で1つ以上のポリマーが存在する場合、使用されるこの相変
化材料は、主要なポリマーで実施可能であることのみを必要とする。
【0038】 相変化材料の選択はまた、熱エネルギー蓄積ユニットの意図される用途、およ
びより詳細には、維持することが求められる温度に依存する。従って、使用され
る相変化材料は、維持することが求められる範囲内に融点を有すべきである。使
用される相変化材料の液体は、クエンチする温度で液体状態のままであるべきで
ある。適切な蒸発可能相変化材料は、好ましくは大気圧または減圧、かつ臨界濃
度と共融点との間の濃度領域におけるバイノール分解線より上で、単一相の液体
混合物からの比較的迅速な蒸発に十分な蒸気圧を有する。相変化材料のリストお
よびその特徴は、当業者に公知の多くの情報源において見出され得、そして以下
が挙げられるがこれらに限定されない:Hallら,Thermal Stat
e−of−Charge in Solar Heat Receivers,
National Aeronautics and Space Admin
istration,1998;Hallら,Parametric Anal
ysis of Cyclic Phase Change and Ener
gy Storage in Solar Heat Receiver,Na
tional Aeronautics and Space Adminis
tration,1997;Ibrahimら,Experimental a
nd Computational Investigations of P
hase Change Thermal Energy Storage C
anisters,National Aeronautics and Sp
ace Administration,1996; Dinterら,The
rmal Energy Storage for Commercial A
pplications:A Feasibility Study on E
conomic Storage Systems,Springer Ver
lang,1991;LaufおよびHamby,Metallic Phas
e−Change Materials for Solar Dynamic
Energy Storage Systems,Oak Ridge Na
tional Laboratory,1990;Winter,Solar
Collectors,Energy Storage,and Materi
als,MIT Press,1990;Gargら,Solar Therm
al Energy Storage,Kluwer Academic Pu
blishers,1985;ならびにLane,Solar Heat St
orage: Latent Heat Materials,CRC Pre
ss,1983。市販の相変化材料は、水和塩、共融点塩、およびパラフィンを
含む。
【0039】 ポリマーを用いる場合、相変化材料の組み合わせが本発明の範囲内で使用され
得ることが当業者に明らかである。さらに、さらなる材料が含まれ得る。多くの
場合において、さらなる材料が、使用されるポリマーおよび相変化材料で実施可
能であることが好ましい。しかし、いくつかの用途において、含まれるさらなる
材料が、両方ではなく、ポリマーまたは相変化材料のいずれかで実施可能である
ことが好ましくあり得る。添加され得るさらなる材料の例としては、耐火剤また
は希釈剤が挙げられるがこれらに限定されない。希釈剤が使用される場合、これ
は最終生成物中に残り得るか、またはこれは例えば蒸発によって除去され得る。
【0040】 この熱エネルギー蓄積材料が、シートクッション、睡眠パッド、または暖かさ
を提供するために使用される他の製品に組み込まれる場合、使用される相変化材
料は、好ましくは約40℃〜約60℃の範囲、そしてより好ましくは約53℃と
57℃との間の融点を有する。この範囲内に融点を有する相変化材料の例として
は、Shellwax 100(42〜44℃)、Shellwax 120(
44〜47℃)、Shellwax 200(52〜55℃)、Shellwa
x 300(60〜65℃)(全てShell Oil Co.の製品)、bo
ron R−152(65℃)(Ohioの標準的な油)、Union SR−
143(61℃)(Union Oil Co.)、Witco 128(53
℃)(Witco Corp.)、TH58(58℃)(PCM Therma
l Solutions of Naperville, Illinois)
、パラフィン150(61℃)、トリステアリン(56℃)、ミリスチン酸(5
8℃)、エライジン酸(47℃)、およびオキサソリン(oxasoline)
wax−ES−254(50℃)が挙げられる。
【0041】 本発明の熱エネルギー蓄積ユニットが身体に密接に接触する場合、約35〜4
0℃の範囲の融点を有する相変化材料が所望され、そして36〜38℃の範囲が
より所望される。この範囲内に融点を有する相変化材料の例としては、n−エイ
コサン(eicosane)(36.7℃)およびリン酸水素ナトリウム十二水
和物(36℃)が挙げられる。
【0042】 本発明の熱エネルギー蓄積材料はまた、物質を低温または高温に維持するため
に材料に組み込まれ得る。例えば、食品工業において、この熱エネルギー蓄積材
料は、腐りやすい食品を低温(通常は−70〜10℃の範囲、そしてより好まし
くは−20〜5℃)に維持するために製品中で使用され得る。別の食品関連用途
において、この熱エネルギー蓄積ユニットは、給仕温度(通常は70〜105℃
の範囲)に食品を維持するために使用され得る。これらの範囲内に融点を有する
相変化材料の例としては、include TEA−4(−4℃)、TEA−1
0(−10℃)、TEA−16(−16℃)、TEA−21(−21℃)、TE
A−31(−31℃)、TH89(89℃)(全てPCM Thermal S
olutions of Naperville,Illinoisから)、n
−テトラデカン(5.5℃)、カロベンド(carrobend)共晶(70℃
)、水酸化バリウム八水和物(78℃)、フマル酸メチル (102℃)、およ
びアセトアミド(81℃)が挙げられる。
【0043】 本発明の熱エネルギー蓄積材料はまた、建設業における適用を見出し得る。こ
れらの材料は、構造物に絶縁を提供するために建築材料内に組み込まれ得る。熱
エネルギー蓄積材料のフィルムは、熱エネルギー蓄積能力を提供することに加え
て、空気浸透障壁として使用され得る。別の例は、道路および歩道に本発明を組
み込んで、着氷を妨げるに役立つことである。本発明はまた、農業適用において
使用され得る。例えば、本発明の繊維バットは、土壌温度を維持するために、マ
ルチとして、または植物容器の成分として使用され得る。これらの適用において
、適切な相変化材料についての融点は、一般的に、5〜40℃の範囲内である。
この範囲内の融点を有する相変化材料の例としては、ポリエチレングリコール6
00(カーボワックス)(20〜25℃)、TH29(29℃)(PCM Th
ermal Solutions of Naperville、Illino
is)、n−エスコサン(escosane)(37℃)、n−オクタデカン(
28℃)、n−ヘキサデカン(17℃)、n−テトラデカン(5.5℃)、ガリ
ウム(30℃)、硝酸リチウム三水和物(30℃)、リン酸水素ナトリウム十二
水和物(36℃)、および酢酸(17℃)が挙げられる。
【0044】 異方性または非対称性構造が望ましい場合、単相液体混合物が、好ましくは、
相変化材料よりも高い揮発性である希釈剤を含む。好ましくは、相変化材料は、
プロセスの蒸発による冷却工程が行われる温度範囲において実質的に不揮発性で
ある。公知の揮発性の希釈剤の選択、ならびに希釈剤および相変化材料の相対比
の互いに関しておよびポリマーの割合に関しての制御によって、多孔性外側層と
バルクポリマー構造との両方の多孔度および平均孔サイズが、所望の推測可能な
様式で制御され得る。相変化材料/ポリマー系とは異なり、相変化材料/ポリマ
ー/希釈剤系(揮発性希釈剤を含む)において、多孔性外側層における残りの希
釈剤は、大部分予め決定され得、これによって、予測可能な非対称構造を提供す
る。より詳細には、希釈剤および相変化材料のこのような混合は、ポリマー構造
にわたる相変化材料の画分および平均孔サイズにおいて特に鋭い勾配を確立する
ために選択され得る。揮発性希釈剤と非揮発性相変化材料との間の揮発性におけ
る差、ならびに単相液体混合物における希釈剤および相変化材料の相対濃度は、
「外殻」または多孔性外側層とバルクポリマー構造との間の多孔度および平均孔
サイズにおける実質的な差、ならびに外側層多孔度および平均孔サイズと、この
構造の任意の他の層(特に、構造内部の任意の他の層)の多孔度および平均孔サ
イズとの間の実質的な差を生じるようなものである。このような差は、穏やかな
圧力低下(modest pressure drop)で、高い分離効率を与
える。「孔サイズ差」は、外側縁部の平均孔サイズとバルク平均孔サイズとの間
の差、または外殻の平均孔サイズとポリマー構造の内部の別の特定の層の平均孔
サイズとの間の差として規定され得る。本発明のプロセスに従って、揮発性希釈
剤と非揮発性相変化材料の組み合わせを用いて作製されるポリマー構造の孔サイ
ズ差は、一般的に、従来の方法で作製されるポリマー構造の孔サイズ差よりも大
きい。揮発性希釈剤と非揮発性相変化材料の組み合わせを用いて作製されるポリ
マー構造の孔サイズ差はまた、一般的に、相変化材料のみを含むフィルムまたは
繊維を、希釈剤と相変化材料との両方を含むポリマー構造が処理される条件下と
それ以外実質的に同一の蒸発冷却およびクエンチング条件下で処理することによ
って得られる参照ポリマー構造の孔サイズ差よりも大きい。
【0045】 揮発性希釈剤および揮発性がより低い相変化材料は、熱可塑性ポリマーの融点
より高温において、このポリマーと混和性である。この希釈剤は、相変化材料と
混和性であり得るが、必ずしもその必要はない。好ましくは、このポリマーは、
周囲温度において、この希釈剤および相変化材料に実質的に不溶である。このよ
うな希釈剤は、代表的に、周囲圧力において約650℃と約250℃との間の沸
点を有する。例示的な揮発性希釈剤としては、グリセロールエステル、サリチル
アルデヒド、ベンジルアミン、メチルベンゾエート、N,N−ジメチルアニリン
、メチルサリチレート、およびトリルアミンが挙げられる。
【0046】 単相液体混合物の好ましい最初の組成は、その混合物の成分からなる系につい
ての相図の構成に依存する。非晶質ポリマーについては、ガラス転移温度の温度
対濃度のプロットを、相図の参照の代わりに、参照し得る。代表的に、この組成
物は、最初に、約15重量%と約40重量%との間の熱可塑性ポリマー、15重
量%まで、好ましくは約5重量%と約15重量%との間の揮発性希釈剤、および
25%より多く、好ましくは約60重量%と約85重量%、より好ましくは約7
0重量%と約85重量%との間の、比較的不揮発性の相変化材料を含有する。こ
のような濃度を決定するための、適切な相図または他のプロットは、公知の技術
(例えば、Castro,米国特許第4,247,498号およびそこに引用さ
れる参考文献(その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるも
の)によって作製され得る。他の機能的考慮もまた、特定の系のために使用され
る割合を決定する際に、考慮され得る。例えば、得られるポリマー構造体の強度
特性は、利用されるべき相変化材料の最大量を決定し得る。
【0047】 本発明の熱エネルギー蓄積ユニットのポリマー構造体を調製するために、単相
の液体が、液体相変化材料中または液体相変化材料/希釈剤混合物中の粒子性熱
可塑性ポリマーの撹拌スラリーを、中程度に撹拌しながら、その混合物の組成C a におけるバイノーダル相分離線より高い温度へと加熱することによって、調製
される。次いで、得られる液体混合物を、好都合にはキャスティング、成形また
は押し出しによって、製造されるべき固体ポリマー製品の構成を有するフィルム
、ペレット、成形物品、またはフィラメントに形成する。1つの好ましい実施形
態において、発生期の構造体は、押し出し、溶融紡糸、メルトブローまたは他の
適切な方法によって、繊維に形成される。次に、これらの繊維が、織布製品また
は不織布製品に組み込まれるか、あるいは不織布バット(batt)に形成され
る。フィルムおよび繊維は、ポリマー構造体の主要な形態であるが、用語「ポリ
マー構造体」および「発生期の構造体」は、存在し得るかまたは考案され得る他
の構成を包含することが、意図される。発生期の構造体は、相変化材料およびポ
リマーが完全に混和性の温度において形成されるが、好ましくは、形成されるに
つれて相変化材料のフラッシングを防止する条件下である。より具体的には、押
し出しの場合には、構造体の温度および周囲温度、圧力ならびに押し出しダイの
出口における質量輸送条件は、ダイの出口におけるフラッシングを最小にするよ
う制御される。
【0048】 単相の液体混合物が、所望の物品の形状に形成された後に、蒸発(例えば、蒸
発冷却)が実施されて、ポリマーをフィルムまたはフィラメントの外側の層へと
濃縮して、異方性または非対称な構造体を形成する。蒸発は、好ましくは、外側
層の温度を、代表的には図1のTaから、蒸発濃縮において達する組成物につい
てのバイノーダル相分離線より高いが好ましくはその近くの温度(すなわち、図
1の相図および図2の冷却曲線に示すTb)へと、低下させる。揮発性相変化材
料の蒸発は、外側の層におけるポリマーの濃度を、CaからCbへと、増加させる
。すなわち、蒸発冷却工程の操作線が点Aから点Bへと、図1の線Lによって示
されるような経路に沿って延びる。冷却工程の過程において、温度は、図2に示
すような線に沿って、時間とともに低下する。単相の液体混合物が、相変化材料
および希釈剤を含有する場合には、その相図は、2より多くの次元を含み、そし
て「曲線」Lは、2より多くの次元を含み得ることが、理解される。しかし、相
変化材料および希釈剤が、熱可塑性ポリマーとおよび互いに、蒸発冷却工程の濃
度および温度範囲にわたって混和性である場合に、そして特に、このような関係
がスピノーダル分解線に沿って存在している場合には、このプロセスは、二次元
の相図を用いて効果的に図示され得、ここで、相変化材料濃度のパラメータは、
その相変化材料および希釈剤の合わせられた濃度を表す。
【0049】 蒸発冷却は、発生期の構造体をオーブンに導入し、そして空気のようなストリ
ッピングガスの相対的流れをこの構造体の表面にわたって確立することによって
、実施され得る。このストリッピングガスは、高温であり、代表的に、スピノー
ダル相分離線およびバイノーダル相分離線より高いが、このストリッピングガス
の圧力における外側の層における単相の液体混合物の沸点より低い。繊維の場合
には、例えば、発生期の構造体を含む液体フィラメントは、ストリッピング空気
を含む、適切な温度に加熱されたパイプを通過し得る。あるいは、フィルムまた
は繊維の表面は、大気圧よりは低いが相変化材料または希釈剤が構造体の外側層
からフラッシュする圧力よりは高い圧力における希薄気体に曝露され得る。蒸気
圧が全圧の大部分であるが相変化材料または希釈剤がフラッシュするには不十分
である範囲の、外側の液体層の温度において、減圧濃縮が実施される。
【0050】 熱エネルギー蓄積用の織物シートを形成する際に使用される環状繊維の場合、
蒸発は、通常環の外部表面においてもたらされ、最終的にその表面において低い
孔隙率および低い平均孔サイズの境界層を形成する。中空コアとの境をなす表面
から繊維壁の内部に向かって延びる層において、低孔隙率および低い平均孔サイ
ズの外縁または外殻(skin)を形成するために、この内部表面から相変化材
料または希釈剤を蒸発させることは、望ましくかつ実行可能であり得る。あるい
は、孔サイズおよび/または孔隙率勾配が後者の層において所望される場合、こ
れは、その層からの希釈剤の抽出に効果的なコア流体の使用により提供され得る
【0051】 所望の平均孔サイズ差を得るために、外側層から除去される相変化材料または
希釈剤の割合は、好ましくはその層における熱可塑性ポリマーの濃度を有意に増
加させるために十分である。ポリマー構造のバルク中のポリマーの重量%濃度に
対する、外側層中のポリマーの重量%濃度の比が、少なくとも約1.5、代表的
には約1.5〜約3であるように、層変化材料または希釈剤の除去が十分である
ことがさらに好ましい。
【0052】 蒸発冷却において、必要な濃縮効果は、外側層の温度がかなり低下されている
ことを必要とする。例えば、(組成Caにおける)単層混合物は、最初に濃度(
b)におけるバイノーダル相分離線上の温度より少なくとも約5℃高い温度、
より代表的には約10℃高い温度と約30℃高い温度との間の温度(Ta)まで
加熱される。蒸発冷却により得られる温度減少(Ta−Tb)は、実質的に、スピ
ノーダル分解曲線の形状およびこの曲線に対するCbの位置により変化し得るが
;いずれの場合も、蒸発冷却により達成される温度Tbは、好ましくは、上記で
議論されるように、Cbにおけるバイノーダル相分離線に近いがこの線より上で
ある。必要に応じて、外側層は、バイノーダル平衡線の下、バイノーダル線とス
ピノーダル線の間のいずれか、スピノーダル線の下、または凝固線の下の温度ま
で蒸発により冷却される。しかし、いずれかの相分離が起こる場合、外側層にお
ける望ましくない構造またはバルク構造の形成を避けるために、フィルムまたは
繊維を直ちにクエンチすることが必要である。
【0053】 発生期構造のクエンチングは、好ましくは異方性または非対称のポリマー構造
については蒸発冷却工程、または実質的な等方性ポリマー構造については形成工
程の後ただちになされる。図2に示されるように、クエンチング工程において、
発生期構造の温度は、スピノーダル分解線を通って凝固線より低い温度へ非常に
迅速に下げられるべきである。この凝固温度では、ポリマーは急速に結晶化する
か、または比較的堅いかもしくは少なくとも寸法的に安定な非晶質構造をとる。
発生期構造は、好ましくは蒸発冷却または形成の終わりの温度から、外側層にお
ける凝固平衡より低い温度まで、少なくとも10℃/分、好ましくは約10℃/
分と約50℃/分との間の速度でクエンチされる。クエンチングは、当該分野で
公知の種々の方法で達成され得る。都合の良いことに、クエンチングは、単純に
フィルムまたは繊維の周囲大気への曝露によりなされ得る。あるいは、この構造
は、冷却ロール上でクエンチされ得るか、または液浴(例えば、ポリマーが混和
しない水性液体)中に浸漬されることによりクエンチされ得る。
【0054】 本発明の実施形態において、混合物の温度がバイノーダル分離線とスピノーダ
ル分離線との間であり、かつスピノーダル線とポリマー凝固線の間である時間は
、粗くなることを避けるため、そして単分散多孔性構造を得るためにクエンチン
グの間最少にされる。このような構造は、主に相変化材料、から構成される第1
の連続液相、および主にポリマーから構成される第2の連続液相により規定され
る相互浸透ネットワークを含む。スピノーダル分解線および凝固線を通る急速冷
却は、固体ポリマー構造において、外縁層内および他の層内の孔サイズの狭い分
布をさらにもたらす。発生期構造は、好ましくは蒸発冷却または形成の終わりに
おける温度から、外側層における凝固平衡より低い温度まで、少なくとも10℃
/分、好ましくは約10℃/分と約50℃/分の間の速度でクエンチされる。狭
い孔サイズ分布は、発生期構造が蒸発冷却または形成の終わりにおける温度から
、外側層における凝固平衡より低い温度まで、少なくとも1200℃/分、そし
て最も好ましくは少なくとも約1,400℃/分の速度でクエンチされる場合に
得られ得る。
【0055】 図1および2を再び参照して、本発明の好ましい実施形態において、このプロ
セスの冷却およびクエンチングをあわせた工程は、代表的には、温度Taにおい
て組成Caを有する単層液体から薄いフィルムまたは繊維に押し出しし、このフ
ィルムまたは繊維を温度Fを有する冷却空気に接触させることにより、所望の幾
何学的構造で発生期構造を形成することを含む。
【0056】 図3に示されるように、単相液体は、紡糸口金を通って押し出しされて、均一
な液体を含む細いフィラメントまたは繊維を生成し得、そしてこの繊維を下向き
に冷却空気内に引く。図3のシステムにおいて、ポリマー溶液は、より大きなチ
ャンバ3内に位置する紡糸口金供給容器1中で調製されるか、またはこの容器に
充填される。ポリマー溶液は、アンカーまたはパドルミキサー5で攪拌される。
コイル7を通って加熱液からの伝達により供給される熱は、この溶液を図1の相
図上のA点に対応する選択制御温度に維持する。ポリマー溶液レベルの上の容器
1の頂部空間は、容器を加圧して、溶液を容器の底部出口9から出口9の下の紡
糸口金11を通して放出させるために(ここで発生期液体単相繊維が形成される
)、不活性気体(例えば、窒素)の供給源と気流連絡している。ポリマー溶液が
紡糸口金11を通過するにつれて、ヒーター(示されず)から紡糸口金11のチ
ャネル15を通って移動する高速の加熱された空気流と接合点13で接触する。
加熱された空気流の温度は、使用されるポリマーに依存して、代表的には約15
0℃と約220℃との間である。加熱された空気流は、発生期の繊維を紡糸口金
11から引き出す。繊維がこの紡糸口金を出るにつれて、紡糸口金11の外側表
面に沿って移動する冷却空気流が発生期の繊維をクエンチして固体ポリマー繊維
を形成する。周囲の空気は、小規模の製造ラインにおいては発生期繊維を冷却す
るのに十分であり得るが、機械的に生成された冷却空気の供給源は、より大きな
ラインに対して必要とされ得る。繊維は、代表的には約6〜8インチの紡糸口金
先端から引き出されてクエンチされる。容器1の外側のチャンバ3中の環境は、
紡糸口金11から出る発生期の繊維の外側表面からの相変化材料または希釈剤の
蒸発に適切な温度および圧力に制御される。必要に応じて、チャンバ中の圧力は
、大気圧より低く制御されて、相変化材料または希釈剤の蒸発を促進し得る。
【0057】 チャンバ3中の温度と圧力との組み合わせは、紡糸口金を出る発生期繊維から
の相変化材料または希釈剤のフラッシングを避けるために制御される。繊維が、
紡糸口金の出口と巻き取りスクリーン19との間の空気または他のストリッピン
グ気体雰囲気を通過するにつれて、相変化材料または希釈剤は、蒸発によって外
側表面から蒸発して、上記のように外側液体層を濃縮することにより失われる。
異方性または非対称繊維において、蒸発は、好ましくは、図1および2に示され
るようなB点の温度までの外側層の冷却をもたらす。
【0058】 クエンチングは、スピノーダル分解を生じ、これは、相変化材料を含む細孔性
均一セル構造を生じる。クエンチされた多孔性固体繊維は、回転する巻き取りス
クリーン19に衝突し、そして収集されて連続的なウェブまたは繊維状バットを
形成する。巻き取りスクリーンに衝突したときの繊維のもつれおよび小さな繊維
の表面引力は、自己結合を生じるが;連続フィラメントの使用により、自己結合
は、バットの形成に必要ない。連続繊維は、低粘性のポリマー溶液(例えば、約
200センチポアズと約2,000センチポアズとの間)から形成される。生じ
たバットの厚さは、生成された繊維のサイズおよび巻き取りスクリーンの速度に
依存する。所望の正確な厚さは、バットが使用される特定の適用により変化し、
そして当業者に容易に明らかである。バットの厚さは、所望の期間にわたって温
度を維持するために適切な厚さが得られるまで、繊維状バットの連続的帯状片を
巻くことにより増加され得る。類似の溶融吹き込み形成プロセスにより生成され
る繊維は、米国特許第4,666,763号(本明細書中にその全体が援用され
る)に記載される。
【0059】 このプロセスにおいて形成される繊維状ポリマー構造は、比較的高度な多孔性
バルク構造であり、この構造は、A点の組成および存在する場合多孔性外側層か
ら形成され、この多孔性外側層は、B点における高ポリマー含量組成からの形成
に起因して、より「緊密」すなわち、低孔隙率および低い孔サイズである。多孔
性外縁は、比較的低い特定の孔容積を有するだけでなく、細かい均一な孔から構
成され、この細かい均一の孔は、比較的低いスピノーダル分解温度および対応す
る高い粘度の組成Cb(これは、A点における組成Caよりも共融点にかなり近い
)におけるスピノーダル相分離により得られる。
【0060】 クエンチングにより、多孔性ポリマー構造が生成し、この構造において、バル
ク構造および外殻構造の開孔(存在する場合)は、実質的に相変化材料液体で占
められる。生成されるポリマー構造は、代表的には本明細書中上記の構造および
特性を有する。外縁または外殻構造の内部のバルク構造は、実質的に等方性であ
るか、または蒸発冷却の間の相変化材料または希釈剤の拡散から生じたある程度
の異方性を有し得る。
【0061】 ポリマー構造は、必要に応じてアニーリングされて、ポリマーの熱膨張係数が
アニーリング温度に対応する限り、冷却プロセスで形成された構造におけるスト
レスを解放し得る。特定の適用、特に生体医療適用のために、この構造は、使用
前に例えばγ−放射線への曝露により滅菌され得る。
【0062】 本発明のポリマー構造が多数の適用において使用され得ることは当業者に容易
に明らかである。例えば、そして限定することなく、本発明の繊維状バットは、
寝具類(例えば、毛布、シーツ、枕ケースおおびマットレスカバー)に組み込ま
れ得るか、またはマットレスまたはクッションの製造に使用され得る。より具体
的には、繊維状バットは、キャンプに使用されるような睡眠用パッドまたはスタ
ジアムシートで使用されるようなシートクッションに組み込まれ得る。さらに、
このバットは、寝袋用の充填剤として使用され得る。クッション、パッド、寝袋
などで使用される場合、バットのバルキー性は、クッションおよび相変化材料に
より放出される熱に加えてさらなる絶縁容量を提供する。このような適用におい
てバットを支持する担体は、一般的に布またはポリマーシート(例えば、織物ま
たはビニールカバー)、または硬質フォーム(例えば、ポリウレタンフォーム)
である。
【0063】 本発明の繊維またはバットはまた、コート、パンツ、およびオーバーオール用
のフィリングの提供ならびに帽子、ミトン、手袋、ソックスおよび靴内に組み込
まれるようなアパレル物品における用途を有する。本発明の繊維状バットが、衣
類の一部として組み込まれ得るか、または衣類と組み合わされる別々の物品(例
えば、靴もしくは手袋のライナー)として使用され得ることは容易に明らかであ
る。本発明の繊維状バットは、これらの適用において特に有用である。なぜなら
ば、バットのバルキー性が相変化材料の効果に加えて伝統的な断熱材のようには
たらくからである。このような適用における担体は、一般的にはアパレル物品ま
たはアパレル物品用のライナーである。例えば、ポリマー構造は、コート裏地の
ための織物、またはコートを作製するために使用される織物、皮革またはポリマ
ーシートにより支持され得る。
【0064】 本発明は、医療分野および獣医学の分野で複数の用途を有する。例えば、本発
明の繊維は、手術用ドレープ、手術台またはガーニー用の医療用ラップまたはパ
ッドに組み込まれ得る。このような用途において、相変化材料の存在は、患者の
体温を維持、上昇または低下するために使用され得る。本明細書中で使用される
場合、用語患者は、家畜、非家畜動物ならびにヒトを含む。単独でまたは手術用
ドレープと組み合わせた本発明を組み込む手術用パッドを使用して、相当の熱損
失が起きることが予測される大きな体腔の切開を含む手術手順の間、患者の体温
を維持するのを補助し得る。同様に、本発明のバットを組み込むパッド、毛布、
ラップなどを使用して、低体温の場合に患者の体温を上昇させ得るか、または高
体温(発熱)の場合に患者の体温を低下させ得る。さらに、本発明の繊維状バッ
トを医療用および獣医学用のラップに使用して、局所的な加熱または冷却を提供
し得る。医療用または獣医学目的のために使用される場合、本発明の繊維状バッ
トを組み込む物品は、このバットを形成するために使用される材料と適合性の任
意の方法(例えば、限定ではなく、γ放射またはエチレンオキシドガス滅菌)に
より滅菌され得る。これらの適用におけるバットまたは他のポリマー構造形態の
ために担体は、代表的には、医療用ラップ、パッド、毛布、または手術用ドレー
プが作製される材料である。ポリマー構造はまた、繊維状シートもしくはポリマ
ーシートにより支持され得、そしてラップ、パッド、毛布またはドレープが作製
される材料の2層の間に封入され得る。
【0065】 本発明はまた、食品サービス産業において有用である。本発明のポリマー構造
は、食物(ホットまたはコールド)の給仕温度を維持するために使用される物品
または腐敗しやすい食品用に低温を維持するための物品に組み込まれ得る。ポリ
マー構造は、直接給仕容器または貯蔵容器に組み込まれ得る。あるいは、ポリマ
ー構造は、食品給仕容器または貯蔵容器が置かれる別の物品(例えば、カップ、
カンもしくはビンホルダー)またはピザホルダーのような食品を輸送するために
容器に組み込まれ得る。このような適用において、ポリマー構造の担体は、代表
的に、容器、カップ、カンもしくはビンホルダー自体であるか、または本発明の
バットもしくはフィルムを支持するポリマーシートである。
【0066】 本発明の熱エネルギー蓄積材料は、建築産業に対する広範な適用を有する。繊
維状バットは、建築物の床、壁および天井の空洞に配置され得、ここでこの材料
のバルキー性は、伝統的な断熱材のように作用する。さらに、組み込まれる相変
化材料は、周囲の熱エネルギー変化に応じて熱を吸収または放出し、そしてこの
構造内のより一定の温度を維持する。繊維状バットはまた、壁カバー、特にカー
ペットパッドのような床カバーにおいて使用され得る。さらに、フィルムに形成
される場合、ポリマー構造は、透気バリアおよび構造の熱エネルギー蓄積容量を
増加させるための手段の両方として作用し得る。以下のような適用におけるポリ
マー構造のための担体は、代表的には紙シートである:伝統的な建築断熱材、カ
ーペットパッディング、乾式壁体、または床、壁、天井もしくは他の建築構造用
の下敷を支持する為の一般的使用。
【0067】 ポリマー構造はまた、セメント状用材(例えば、ペレットまたは繊維)に組み
込まれ得る。有用なセメント状用材の代表例は、水硬性セメント(例えば、Po
rtlandセメント)、セッコウ、焼セッコウ、石灰、白色セメント、AE処
理セメント、高アルミナセメント、れんが用セメントおよびコンクリート)であ
る。コンクリートは、水硬性セメントおよび骨材(従来の粗骨材(例えば、レキ
、花コウ岩、石灰岩、および石英シーブ)およびいわゆる細骨材(例えば、砂お
よびフライアッシュ)を含む)の混合物である。本発明のセメント状用材組成物
はまた、予め形成される材料(例えば、コンクリートブロック、乾式壁体など)
の製造ならびに壁、床、床パッド、およびビルの間仕切りを形成するために使用
されるような注入コンクリート構造の形成の際に有用なコンクリート組成物およ
びプラスター組成物を含む。これらの組成物はまた、床下加熱システムにおいて
エネルギー源を取り囲む熱バンクとして使用され得る。このような適用における
ポリマー構造のための担体は、代表的にはセメント状用材であり、これはポリマ
ー構造を取り囲む。
【0068】 繊維またはペレットの形態のポリマー構造はまた、不燃性粘土製れんがまたは
他の多孔性媒体(例えば、フォーム)に組み込まれ得る。その熱的特性に加えて
、本発明の繊維およびペレットはまた、材料を共に保持することにより構造構成
生物を提供し得る。
【0069】 さらに、本発明のポリマー構造は、車道、滑走路、および船橋楼甲板構造にお
いて有用であり、ここで日中の熱エネルギー蓄積、および夜中の熱エネルギーの
放出のための相変化材料を組み込んで表面上の水の凝固を防止することにより、
着氷が防止され得る。この様式で使用される場合、ポリマー構造は、舗装材料に
直接組み込まれ得るか、または例えば路床と舗装材料との間に下敷として使用さ
れ得る。このような適用において、路床、舗装材料または下敷は、ポリマー構造
を支持するための担体として作用する。本発明の熱エネルギー蓄積材料はまた、
ビル建築において必要な冷蔵システムおよび他の冷却システムにおいて使用され
得る。
【0070】 本発明のポリマー構造はまた、小さな遮蔽箱(enclosure)(例えば
、遮蔽サイズまたは電力要求に起因して、空調または空気熱交換のような補助手
段により冷却することができない電気通信デバイスに使用されるもの)に組み込
まれる場合に有用である。熱エネルギー蓄積材料はまた、より大きな屋外遮断室
の温度管理における顕熱供給源の代わりに使用され得、この屋外遮断箱は、代表
的には切換え/信号処理装置、電話交換システムまたは屋外の温度変化に敏感な
他の電気通信デバイスに電力供給するためのバッテリーを収容する。本発明の材
料はまた、電子機器のための任意の受動的冷却構成部品に置き換われ得る。例え
ば、ポリマー構造は、集積回路およびマイクロプロセッサのような高電力電子部
品のためのピンフィンまたはプレートフィン、または他の伝統的熱だめに組み込
まれ得る。このような適用において、遮蔽箱または熱だめは、一般的にはポリマ
ー構造の担体である。
【0071】 本発明の熱エネルギー蓄積材料はまた、農業において有用である。植物の栽培
において、バット、フィルムまたはペレットは、土壌の頂部のマルチとして使用
され得るか、または土壌に組み込まれ得る。この適用にいて、生分解性ポリマー
および相変化材料が好ましい。代替の実施形態において、繊維状バットは、植木
鉢のような植物容器に組み込まれ得るか、このような植物容器を取り囲むために
使用され得るか、または夜のような低温の期間の間、植物を覆うために使用され
得る。この適用に使用される場合、ポリマー構造中の相変化材料は、例えば、日
中日光エネルギーを吸収し、次いで夜に熱エネルギーを放出する。この方法にお
いて使用される場合、本発明を組み込む製品は、種子の発芽を速くし、そして低
温に起因する植物の損傷を少なくする。このような適用において、土壌、容器ま
たはプラスチックシートは、一般的にポリマー構造を支持する。ポリマー構造は
また、商業用温室および家庭用温室、納屋および厩舎の加熱または冷却に使用さ
れ得る。
【0072】 動物の世話に使用される場合、ポリマー構造は、特に繊維状バットの形態の場
合、新生動物の体温を維持するのを補助するために使用され得るか、または苛酷
な天候の間加熱されていない構造に収容される動物を温めるための寝具類として
作用し得る。このような適用における担体は、代表的には織物または撥水性布地
から構成されるラップ、毛布またはシートである。本発明の範囲内のさらなる用
途は、当業者に明らかである。
【0073】 上記を考慮して、本発明のいくつかの目的が達成され、そして他の有利な結果
が達成されることがわかる。
【0074】 種々の変形が、本発明の範囲から逸脱することなく上記の組成物およびプロセ
スにおいて成され得る。上記の説明に含まれそして添付の図面に示されるものは
、例示として解釈され、意味を限定するものではないことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ポリマーの融点よりも上の温度でポリマーが完全に混和するポリマー
および相変化材料から構成される系についての例示的な相図である。
【図2】 図2は、ポリマー構造が本発明のプロセスに従って作製されたフィルムの外側
層における温度対時間のプロットである。
【図3】 図3は、本発明のプロセスを実行する際に有用な装置の概略図である。

Claims (65)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱エネルギー蓄積ユニットであって、以下: ポリマー構造であって、該ポリマー構造の孔内に相変化材料を含み、該相変化
    材料が、エネルギーを吸収、蓄積および放出し得る、ポリマー構造;および 該ポリマー構造を支持する担体であって、該担体が、該相変化材料にエネルギ
    ーを伝達し得るか、または該相変化材料からエネルギーを伝達し得、ここで、該
    ポリマー構造が、以下: ポリマーおよび該相変化材料を含む単相液体混合物を、該相変化材料が該液体
    混合物中に含まれる相変化材料およびポリマーの相対比で該ポリマーと完全に混
    和する温度で、調製する工程であって、該相変化材料が、該混合温度より下の温
    度では、このような比において該ポリマーと少なくとも部分的に混和しない、工
    程; 該単相液体混合物を含む発生期の構造を形成する工程; 該発生期の構造をクエンチして、該単相液体混合物を、該ポリマーを含む連続
    液相を含む別々の液相にスピノーダル分解する工程;および 該発生期構造をさらに冷却して、該ポリマーを含む該連続相を凝固させ、それ
    によって該ポリマー構造を形成する工程、 を包含するプロセスによって形成される、熱エネルギー蓄積ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のユニットであって、前記ポリマー構造が、
    等方性である、ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のユニットであって、前記相変化材料の蒸気
    圧が、前記混合温度と前記単相混合物のスピノーダル分解がその冷却時に開始し
    得る温度との間の温度範囲内で、該混合物からのその蒸発に十分であり;前記プ
    ロセスが、前記クエンチング工程の前に、前記発生期構造表面から内側に延びて
    該発生期構造の外側液体層から該相変化材料を蒸発させ、それによって該外側液
    体層のポリマーの濃度を、該発生期構造のバルク内のポリマーの濃度よりも高い
    濃度に増加させる工程を包含し;そして前記ポリマー構造が、異方性であり、そ
    して該ポリマー構造の内部の別の層の平均孔サイズよりも小さい平均孔サイズを
    有する多孔性外側層を含む、ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のユニットであって、前記単相液体混合物の
    スピノーダル分解が、前記クエンチング工程の間に前記発生期構造の内部におい
    て生じる、ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のユニットであって、前記単相液体混合物の
    スピノーダル分解が、前記クエンチング工程の間に、前記外側層において生じる
    、ユニット。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のユニットであって、前記外側液体層からの
    前記相変化材料の蒸発が、前記発生期構造の表面上のストリッピングガスの相対
    流れを確立する工程を包含する、ユニット。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のユニットであって、前記外側液体層からの
    相変化材料の蒸発が、ストリッピングガスの圧力において、該外側液体層の組成
    の沸点よりも下の温度で、前記構造の表面上で、該ストリッピングガスを通過さ
    せる工程を包含する、ユニット。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のユニットであって、前記ポリマーおよび前
    記相変化材料を含む系についての相図で示されるように、前記外側液体層からの
    該相変化材料の蒸発により該外側液体層において達成されるポリマーの濃度にお
    けるバイノーダル相分離線より上の温度に加熱されるオーブンに前記発生期構造
    を通す工程を包含する、ユニット。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載のユニットであって、前記外側液体層からの
    相変化材料の蒸発が、加熱ドラムに該構造を通す工程を包含する、ユニット。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載のユニットであって、前記外側液体層から
    の前記相変化材料の蒸発の速度が、前記構造のバルクから該外側液体層への相変
    化材料の拡散の速度よりも大きい、ユニット。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のユニットであって、前記相変化材料が、
    前記ポリマーの融点よりも上の温度で該ポリマーと混合される、ユニット。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のユニットであって、単相液体混合物の成
    分からなる系についての相図が、臨界点および共融点を含み、該共融点において
    前記ポリマーの濃度が臨界点における濃度より高く、該臨界点の座標が、臨界濃
    度およびスピノーダル分解が起こる最大温度を構成する臨界温度を含み、該臨界
    濃度におけるバイノーダル平衡温度が、介在する結節点または変曲点なしにバイ
    ノーダル相分離線により共融点と結ばれ、該単相液体混合物中の該ポリマー濃度
    が、該臨界濃度と該共融点における濃度との間にある、ユニット。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のユニットであって、前記単相液体混合
    物中の前記ポリマー濃度が、前記臨界濃度と、凝固の前にスピノーダル分解が生
    じる濃度との間にある、ユニット。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載のユニットであって、前記外側層の蒸発
    冷却が、該外側液体層中のポリマー濃度を、臨界点よりも前記共融点に近い濃度
    に増加する、ユニット。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のユニットであって、前記表面の蒸発冷
    却が、前記外側液体層の温度を、前記バイノーダル相分離線の近くの温度に減少
    させる、ユニット。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のユニットであって、前記表面の蒸発冷
    却が、該表面の温度を、前記バイノーダル相分離温度よりも約40℃高い温度以
    下に下げる、ユニット。
  17. 【請求項17】 請求項12に記載のユニットであって、前記相図上のスピ
    ノーダル分解温度の位置を規定する線が、前記臨界点よりも上の組成の範囲にわ
    たって凝固平衡温度の位置を規定する線よりも高い、ユニット。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載のユニットであって、前記相図が、前記
    臨界濃度よりも高いポリマー濃度で共融点を含み、そして前記スピノーダル分解
    温度が、前記臨界点と前記共融点との間のすべての濃度で前記凝固温度よりも高
    い、ユニット。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載のユニットであって、前記スピノーダル
    分解温度が、前記発生期構造の蒸発冷却の後に該発生期構造の外側表面において
    得られる濃度における凝固温度よりも高い、ユニット。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載のユニットであって、前記スピノーダル
    分解温度が、前記外側表面濃度における前記凝固温度よりも約50℃高い温度以
    下である、ユニット。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のユニットであって、前記スピノーダル
    分解温度が、前記外側表面濃度における前記凝固温度よりも約20℃高い温度以
    下である、ユニット。
  22. 【請求項22】 請求項3に記載のユニットであって、前記発生期構造の蒸
    発冷却によって該発生期構造の外側表面において得られる温度が、前記表面濃度
    における前記バイノーダル平衡温度よりも約40℃高い温度以下である、ユニッ
    ト。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載のユニットであって、蒸発冷却によって
    得られる前記外側表面における温度が、該表面濃度における前記スピノーダル分
    解温度よりも約50℃高い温度以下である、ユニット。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載のユニットであって、前記表面温度が、
    スピノーダル分解温度よりも約30℃高い温度以下である、ユニット。
  25. 【請求項25】 請求項3に記載のユニットであって、前記表面温度が、蒸
    発冷却の前よりも蒸発冷却の後において、スピノーダル分解線に近い、ユニット
  26. 【請求項26】 請求項3に記載のユニットであって、前記発生期構造が、
    1分当たり少なくとも約10℃の速度で前記外側層において、蒸発冷却の終わり
    における温度から凝固平衡より下の温度にクエンチされる、ユニット。
  27. 【請求項27】 請求項3に記載のユニットであって、前記発生期構造が、
    1分当たり約10℃と約50℃との間の速度で前記外側層において、蒸発冷却の
    終わりにおける温度から凝固平衡より下の温度にクエンチされる、ユニット。
  28. 【請求項28】 請求項5に記載のユニットであって、前記内部層が、実質
    的に等方性である、ユニット。
  29. 【請求項29】 請求項2に記載のユニットであって、蒸発の間の相変化材
    料の拡散が、内部層の非対称構造を生じる、ユニット。
  30. 【請求項30】 請求項3に記載のユニットであって、蒸発の間の相変化材
    料の拡散が、内部層の非対称構造を生じる、ユニット。
  31. 【請求項31】 請求項1に記載のユニットであって、前記発生期構造が、
    押出ダイを通した単相液体混合物の押出によって作製される、ユニット。
  32. 【請求項32】 請求項1に記載のユニットであって、前記ポリマー構造が
    、繊維、シート、またはペレットである、ユニット。
  33. 【請求項33】 請求項1に記載のユニットであって、前記担体が、布地、
    カバー、糸、シート、フィルム、繊維、ペレット、容器、硬質フォーム、メッキ
    媒体、建築材料、路床、または舗装用材料である、ユニット。
  34. 【請求項34】 請求項1に記載のユニットであって、前記ポリマー構造が
    、約15重量%〜約40重量%のポリマーおよび約60重量%〜約85重量%の
    相変化材料を含む、ユニット。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載のユニットであって、前記ポリマー構造
    が、約15重量%〜約30重量%のポリマーおよび約70重量%〜約85重量%
    の相変化材料を含む、ユニット。
  36. 【請求項36】 請求項1に記載のユニットであって、前記ポリマーが、オ
    レフィン/ビニルアルコールコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、およびポ
    リオレフィンからなる群より選択される、ユニット。
  37. 【請求項37】 請求項1に記載のユニットであって、前記ポリマーが、マ
    イクロ波活性化ポリマーである、ユニット。
  38. 【請求項38】 請求項3に記載のユニットであって、前記単相液体混合物
    が、前記相変化材料よりも高い揮発性の希釈剤を含み、そして該相変化材料と該
    希釈剤との間の揮発性における差および該単相液体混合物中のそれらの相対濃度
    が、前記プロセスによって作製される、前記多孔性外側層における平均孔サイズ
    と固体ポリマー構造の別の層における平均孔サイズとの間の差を生じ、該差が参
    照構造の対応する層間の対応する差よりも大きく、該参照構造が、該相変化材料
    のみを含む発生期構造を、該相変化材料と該希釈剤との両方を含む前記発生期構
    造が処理される条件とそれ以外では実質的に同一の蒸発およびクエンチング条件
    下で処理することによって得られる、ユニット。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載のユニットであって、前記相変化材料お
    よび前記希釈剤が、互いに混和性であり、そして前記ポリマーの融点よりも上の
    温度で該ポリマーと混和性であり、そして該ポリマーが、室温において該相変化
    材料および該希釈剤中で実質的に不溶性である、ユニット。
  40. 【請求項40】 請求項38に記載のユニットであって、前記相変化材料が
    、前記外側層からの希釈剤の蒸発の間、優勢である条件下で、本質的に不揮発性
    である、ユニット。
  41. 【請求項41】 請求項38に記載のユニットであって、前記希釈剤が、約
    150℃と約250℃との間の常圧沸点を有する、ユニット。
  42. 【請求項42】 請求項38に記載のユニットであって、前記希釈剤が、グ
    リセロールエステル、サリチルアルデヒド、ベンジルアミン、安息香酸メチル、
    N,N−ジメチルアニリン、サリチル酸メチルおよびトリルアミンからなる群よ
    り選択される、ユニット。
  43. 【請求項43】 熱エネルギー蓄積ユニットであって、以下: 繊維状のポリマーバットであって、該バットの繊維が、該繊維の孔内に相変化
    材料を含み、該相変化材料が、エネルギーを吸収、蓄積、および放出し得る、繊
    維状のポリマーバット;および 該バットを支持する担体であって、該担体が、エネルギーを該相変化材料へ伝
    達し得るか、またはエネルギーを該相変化材料から伝達し得る、担体、 を備える、ユニット。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載のユニットであって、前記相変化材料が
    、前記ポリマーバット内では液体のみである、ユニット。
  45. 【請求項45】 請求項43に記載のユニットであって、前記担体が、布地
    、カバー、糸、シート、フィルム、繊維、ペレット、容器、硬質フォーム、メッ
    キ媒体、建築材料、路床、または舗装用材料である、ユニット。
  46. 【請求項46】 請求項43に記載のユニットであって、前記繊維が、約1
    5重量%〜約40重量%の前記ポリマーおよび約60重量%〜約85重量%の前
    記相変化材料を含む、ユニット。
  47. 【請求項47】 請求項46に記載のユニットであって、前記繊維が、約1
    5重量%〜約30重量%の前記ポリマーおよび約70重量%〜約85重量%の前
    記相変化材料を含む、ユニット。
  48. 【請求項48】 請求項43に記載のユニットであって、前記ポリマーが、
    オレフィン/ビニルアルコールコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、および
    ポリオレフィンからなる群より選択される、ユニット。
  49. 【請求項49】 請求項43に記載のユニットであって、前記ポリマーが、
    マイクロ波活性化ポリマーである、ユニット。
  50. 【請求項50】 熱エネルギー蓄積材料であって、25重量%より多い相変
    化材料から構成されるポリマー繊維を含み、該相変化材料が、該繊維の孔内にあ
    り、エネルギーを吸収、蓄積および放出し得、そして該ポリマー繊維内では液体
    のみである、材料。
  51. 【請求項51】 請求項50に記載の材料であって、前記繊維が、約15重
    量%〜約40重量%の前記ポリマーおよび約60重量%〜約85重量%の前記相
    変化材料を含む、材料。
  52. 【請求項52】 請求項51に記載の材料であって、前記繊維が、約15重
    量%〜約30重量%の前記ポリマーおよび約70重量%〜約85重量%の前記相
    変化材料を含む、材料。
  53. 【請求項53】 請求項50に記載の材料であって、前記ポリマーが、オレ
    フィン/ビニルアルコールコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、およびポリ
    オレフィンからなる群より選択される、材料。
  54. 【請求項54】 請求項50に記載の材料であって、前記ポリマーが、マイ
    クロ波活性化ポリマーである、材料。
  55. 【請求項55】 熱エネルギー蓄積ユニットであって、以下: 25重量%より多い相変化材料を含むポリマー繊維であって、該相変化材料が
    、該繊維の孔内にあり、そしてエネルギーを吸収、蓄積および放出し得る、ポリ
    マー繊維;および 該繊維を支持する担体であって、該担体が、エネルギーを該相変化材料へ伝達
    し得るか、またはエネルギーを該相変化材料から伝達し得る、担体、 を備える、ユニット。
  56. 【請求項56】 請求項55に記載のユニットであって、前記相変化材料が
    、前記ポリマー繊維内で液体のみである、ユニット。
  57. 【請求項57】 請求項55に記載のユニットであって、前記担体が、布地
    、カバー、糸、シート、フィルム、繊維、ペレット、容器、硬質フォーム、メッ
    キ媒体、建築材料、路床、または舗装用材料である、ユニット。
  58. 【請求項58】 請求項55に記載のユニットであって、前記繊維が、約1
    5重量%〜約40重量%の前記ポリマーおよび約60重量%〜約85重量%の前
    記相変化材料を含む、ユニット。
  59. 【請求項59】 請求項58に記載のユニットであって、前記繊維が、約1
    5重量%〜約30重量%の前記ポリマーおよび約70重量%〜約85重量%の前
    記相変化材料を含む、ユニット。
  60. 【請求項60】 請求項55に記載のユニットであって、前記ポリマーが、
    オレフィン/ビニルアルコールコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、および
    ポリオレフィンからなる群より選択される、ユニット。
  61. 【請求項61】 請求項55に記載のユニットであって、前記ポリマーが、
    マイクロ波活性化ポリマーである、ユニット。
  62. 【請求項62】 製品の熱エネルギー蓄積容量を増加させるための方法であ
    って、請求項50に記載される熱エネルギー蓄積材料を該製品に組み込む工程を
    包含する、方法。
  63. 【請求項63】 請求項62に記載の方法であって、前記製品が、シートク
    ッション、医療用または獣医学用ラップまたはパッド、手術用ドレープ、ベッデ
    ィング、ハンドウォーマー、マットレス、寝袋、衣類、上着、靴、靴裏地、食物
    蓄積または供給容器、食卓用器具、ガラス製品、マルチ、土、プランター、絶縁
    体、建築材料、路床、加熱または冷却システム、野外エンクロージャー、エレク
    トロニクスまたは遠距離通信エンクロージャー、あるいは舗装材料である。
  64. 【請求項64】 請求項63に記載の方法であって、前記建築材料が、床、
    天井または壁カバーである、方法。
  65. 【請求項65】 請求項63に記載の方法であって、前記舗装材料または建
    築材料が、コンクリート、レンガ、セメント、しっくい、フォーム、または乾式
    壁である、方法。
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