JP2003513992A - 速効性殺菌洗浄剤 - Google Patents

速効性殺菌洗浄剤

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Abstract

(57)【要約】 溶媒、高分子ビグアニド、単一の第四アンモニウム塩、金属イオン封鎖剤、および少なくとも１種類の界面活性剤からなる液状殺菌洗浄組成物を開示する。詳しくは、この組成物は、水を含む溶媒、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩を含む高分子ビグアニド、ジデシルジメチルアンモニウム塩化物を含む第四アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、またはそれらの混合物からなる群から選択されたアミノ酸キレート剤を含む金属イオン封鎖剤、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤を含む界面活性剤からなる組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （発明の背景） （技術分野） 本発明は、一般的に比較的短い接触時間で一段階で硬質表面を洗浄、消毒する
ために使用できる組成物に関する。さらに詳細には、５分以下で細菌の９９．９
９９％を殺菌することによって、表面を洗浄、消毒する組成物に関する。これは
、組成物中に含まれる第四アンモニア化合物および高分子ビグアニドなど高価な
成分の量を、希釈形態で、または濃縮形態から希釈したとき、それぞれ少なくと
も５ｐｐｍの低濃度で組成物中に含まれるように維持しながら実現される。
【０００２】 （背景技術） 硬質表面の洗浄および消毒は、住宅設備および工業設備の両者において重要で
ある。現代社会のめまぐるしい変化と相まって衛生の重要性が高まり、速やかな
洗浄および消毒作用を有する製品の必要性が生じてきた。工業的使用を容易にす
る製品の妥当なコストを維持しつつ、製品を表面に接触させる短い時間の間に効
果的に細菌を減少させることが主要な課題である。一段階で表面を洗浄したうえ
、さらに細菌を除去するには、液状の濃縮殺菌洗浄剤を使用すると有利である。
この一段階方法は、食品などの表面に置く他の品物の汚染原因となる細菌を減少
させる。
【０００３】 欧州連合標準懸濁試験、欧州基準１２７６（ＥＮ１２７６）は、欧州連合にお
ける殺生物剤の有効性を評価する標準的試験である。この試験は、洗浄と消毒を
同時に行う製品の結果評価を可能にする、汚染状態をシミュレートするために考
案されたものである。有機廃物および硬水は殺生物活性を妨害することが知られ
ており、「妨害物質」、すなわちウシアルブミン（０．３％）および硬水（３０
０ｐｐｍ）の使用は、洗浄時に発見されやすい汚染を表している。定量的および
定性的に公知の細菌（特に、殺菌することが最も困難な細菌であるＰｓｅｄｏｍ
ｏｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａ、ｅｓｈｅｒｉｃｈｉａ ｃｏｌｉ、ｓｔａｐ
ｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓ、ｅｎｔｅｒｏｃｃｕｓ ｈｉｒｅ）の存
在下でこれらの妨害物質を使用すると、確実に厳密な試験標準条件（「汚染条件
」）となる。ＥＮ１２７６に合格し、殺菌製品であることを主張するためには、
２０℃での細菌の減少が対数５（９９．９９９％死滅）になるよう達成されなけ
ればならない。
【０００４】 濃縮殺菌洗浄剤の使用は産業界に広く行き渡っており、ほとんどが第四アンモ
ニム化合物をベースとしている。しかし、９９．９９９％の殺菌は、通常接触時
間を長くし（５分以上）、非常に高濃度（それぞれ３００ｐｐｍ以上）の殺生物
活性を含む製品を使用することによって行われる。第四アンモニウム塩化物また
は高分子ビグアニド単独を使用した結果では、満足のいく結果を達成するには、
高濃度で５分を超える時間をかけて使用しなければならない。さらに、高濃度で
使用すればするほどコストもかかり、商業用には適さない。高分子ビグアニドは
特に高価な殺生物剤である。今日まで殺生物剤を併用しても、ＥＮ１２７６試験
において細菌の９９．９９９％を除去するために必要な時間を減じるには有効で
はなかった。殺菌時間が５分のままであることは、仕事場または家庭内の殺菌洗
浄組成物の通常接触時間は５分未満なので、工業設備または家庭用設備で細菌を
除去するためには長すぎる。
【０００５】 米国特許第５，５２９，７１３号は、第四塩化アンモニウムおよびビグアニド
塩酸塩を含む殺菌洗浄溶液をクレームしている。この特許では、２種以上の第四
塩化アンモニウムおよびビグアニド塩酸塩の使用を教示している。この特許はま
た、製品を使用する設備に許容されない５分という時間で効果的に細菌を減少さ
せるために、２種類の異なる第四アンモニウム塩を組合せ、ビグアニド塩酸塩を
使用することを教示している。この特許はさらに、非常に速やかに揮発し、また
極めて引火性の高いイソプロピルアルコールの使用を教示している。この特許は
結局、第四塩化アンモニウムおよびビグアニド塩酸塩と組合わせて金属イオン封
鎖剤を使用することについては教示していない。
【０００６】 ＰＣＴ公開ＷＯ９８／４７３５９は、洗浄能力のない殺生物組成物について開
示している。この特許は、５分以上で細菌を減じるために、１パーセントを超え
る１種類の塩化アンモニウムおよびある量のビグアニドまたは３パーセント以上
の他の第四アンモニムを使用することを教示している。この特許はまた、存在可
能な細菌の広域スペクトルを減じるために、金属イオン封鎖剤を用いずに、高濃
度のビグアニドまたは第四塩化アンモニウムを使用することを教示している。
【０００７】 Ｚｅｎｅｃａ Ｂｉｏｃｉｄｅｓ、１８００ Ｃｏｎｃｏｒｄ Ｐｉｋｅ Ｗ
ｉｌｍｉｎｇｔｏｎ、ＤＥ１９８５０によって配布されている製品情報では、広
範囲な細菌を減少させるために、高いパーセントの第四アンモニウム塩および高
分子ビグアニド化合物を併用し、その比率を２：１にすることを示唆している。
この情報は、ビグアニド溶液である製品「Ｖａｎｔｏｃｉｌ」に関連して提供さ
れている。
【０００８】 （発明の概要） 本発明は、時間を短縮した硬質表面の殺菌に関する。好ましい実施形態は、時
間を短縮して硬質表面を同時に洗浄し殺菌することに関する。本発明は、金属イ
オン封鎖剤と共に、高分子ビグアニドおよび第四アンモニウムを組成物全体の少
なくとも５ｐｐｍ、最も好ましくはそれぞれ１００ｐｐｍから３００ｐｐｍとい
う有効量で、いずれも希釈した形態で効果的に組合わせて混合することによって
、５分未満で９９．９９９％オーダーの殺菌をおこなえる組成物を含む。さらに
本発明は、ちょうど３０秒間で「汚染」条件下でのＥＮ１２７６細菌試験法に合
格する、Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎｕｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａを含む細菌の９９．９
９９％を殺菌する広範囲な殺菌剤である。
【０００９】 本発明の１態様は、溶媒、高分子ビグアニド、第四アンモニム化合物、金属イ
オン封鎖剤、および１種類以上の界面活性剤を含む液状の殺生物剤および洗浄剤
を含む組成物に関する。好ましい組成物は、水を含む溶媒、高分子ビグアニドと
してのポリヘキサメチレンビグアニド、および第四アンモニウムとしてのジデシ
ルジメチルアンモニウムを使用する。この組成物はまた、エチレンジアミン四酢
酸（ＥＤＴＡ）、ニトリロ三酢酸（ＮＴＡ）、ＥＤＴＡ四ナトリウム、またはそ
れらの混合物から成る群から選択される酢酸誘導体である金属イオン封鎖剤を含
む。この組成物に含まれる界面活性剤には、直鎖状アルコールエトキシレートお
よび両性ベタインが含まれる。この組成物は、高分子ビグアニド、第四アンモニ
ウム塩、およびエチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）の金属イオン封鎖剤、ニト
リロ三酢酸（ＮＴＡ）、ＥＤＴＡ四ナトリウムまたはそれらの混合物を、１〜３
：１〜３：１〜３、最も好ましくは１：１：１で含む。
【００１０】 本発明の他の態様は、溶媒としての水、全組成物の少なくとも５ｐｐｍの高分
子ビグアニド、全組成物の少なくとも５ｐｐｍの第四アンモニウム塩、全組成物
の少なくとも５ｐｐｍの金属イオン封鎖剤、全組成物の少なくとも５ｐｐｍの１
種以上の界面活性剤を含む、希釈した液状洗浄剤を有する殺生物剤を含有する組
成物からなる。高分子ビグアニド、好ましくはポリヘキサメチレンビグアニド、
および第四アンモニウム塩、好ましくはジデシルジメチルアンモニウムがほぼ等
量で含まれ、好ましくはそれぞれ全組成物の少なくとも１００ｐｐｍ存在する。
【００１１】 本発明はまた、殺生物剤と、溶媒である水、ポリヘキサメチレンビグアニドお
よびジデシルジメチルアンモニウム塩化物をそれぞれほぼ等量で全組成物の少な
くとも５ｐｐｍ、ＥＤＴＡ四ナトリウムを全組成物の少なくとも５ｐｐｍ、エチ
レンオキサイド６モルを含む９炭素原子〜１１炭素原子の直鎖状アルコールエト
キシレートおよび全組成物の少なくとも５ｐｐｍで組合わせたアルキルアミドプ
ロピルジメチルアミンベタインを含む希釈液状洗浄組成物とを含有する組成物か
らなる。この組成物は、細菌Ｐｓｅｕｏｄｏｍｏｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａ
の殺菌時間を３０秒に減少させる硬質表面殺菌洗浄方法に取り込まれ、この濃縮
組成物は１：１００に希釈し、硬質表面に塗布して５分未満維持し、次いで組成
物を表面から除去して表面上のＰｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｕｒｅｇｉｎｏｓａ
を含む細菌の９９．９９９％を排除する。
【００１２】 本発明の他の態様は、約１：１の比の高分子ビグアニド、第四アンモニウム塩
、およびＥＤＴＡ四ナトリウムを、「汚染」条件下におけるＥＮ１２７６試験法
を使用したとき、細菌Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａを３０秒
未満で減少させるために有効な量で含む殺生物剤および洗浄組成物に関する。
【００１３】 本発明はさらに、溶媒としての水、希釈したとき少なくとも５ｐｐｍである高
分子ビグアニド、希釈したとき少なくとも５ｐｐｍになる第四アンモニウム塩、
希釈したとき少なくとも５ｐｐｍになる金属イオン封鎖剤、希釈したとき少なく
とも５ｐｐｍになる１種類以上の界面活性剤からなる液状の洗浄剤を有する殺生
物剤を含む濃縮組成物からなる。
【００１４】 第四アンモニウム、高分子ビグアニド、および金属イオン封鎖剤であるこの組
成物の殺生物剤要素は、それぞれを約１：１：１の比で含んでいる。殺生物剤の
比は、濃縮形態または希釈形態で維持される。
【００１５】 （発明の詳細な説明） 本発明の目的は、低濃度の殺生物剤を使用することによって工業規制必要条件
を満たしながらも、硬質表面を現在公知のものよりも（ＥＮ１２７６で速い殺菌
時間を示す）短時間で殺菌洗浄することを目的とする濃縮殺菌洗浄組成物を製造
することである。従来の組成物の問題点は、殺菌時間が５分を上回り、この時間
を短縮しようとすると、コストが高くなるため許容されない殺生物剤を大量に使
用することであった。
【００１６】 本発明では、工業規制必要条件を満たしながら、同時に組成物中の殺生物剤の
量を低く維持して、この目的を実現した。単一の第四アンモニウム塩と単一の高
分子ビグアニドおよび単一の金属イオン封鎖剤を組合わせて使用することによっ
て前記の問題は解決され、本発明はこれに基づくものである。これらの要素を低
濃度で組合わせることによって、細菌除去の効果および速度の対数的増加を可能
にするという相乗作用がもたらされる。この増大した効能は、汚染条件下におけ
るＥＮ１２７６試験で、Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａおよび
他の細菌を９９．９９９％減少させつつ、殺菌時間を５分から３０秒に減少させ
るのに十分である。この効果は、殺生物剤だけを使用した場合、または金属イオ
ン封鎖剤を用いずに２種類以上の殺生物剤を組合わせて使用した場合のいずれに
おいても認められない。３種類の化合物全ての組合わせが、本発明の重要な要素
である。標準的組成物を上回る本願組成物の利点を以下に詳しく示す。
【００１７】 本発明の組成物は、一般構造、
【化１】 式中、Ｒ１はアルキル、またはアミノアルキル基であり、Ｒ２は水素原子または
アルキル基であり、ｎは１〜６の整数である一般構造を有する高分子ビグアニド
を取り込むことによって問題を解決する。ビグアニドの量は希釈形態で少なくと
も５ｐｐｍである。好ましい範囲は、希釈形態で１００ｐｐｍ〜３００ｐｐｍで
ある。この好ましい範囲の理由は、殺菌速度を３０秒に減少させながらも、経済
的な組成物を作製するために十分な低濃度であり、環境破壊の原因とならないこ
とである。濃縮形態での高分子ビグアニドの範囲は、希釈したとき少なくとも５
ｐｐｍの有効量になる量である。好ましいビグアニドは、ポリヘキサメチレンビ
グアニドであり、ｎが１２である下記式で表わされる。
【化２】
【００１８】 ビグアニドは、全総希釈組成物の少なくとも５ｐｐｍの量、より好ましくは希
釈したとき１００ｐｐｍ〜３００ｐｐｍとなる濃度で含まれる。この好ましい量
および特定のビグアニドは、本発明の範囲内に含まれる他の製品と共に用いるこ
とで最高の効果をもたらす。
【００１９】 本発明の組成物はまた下記一般構造式で表わされる第四アンモニウム塩である
。Ｒ１およびＲ２がＣＨ３または６〜２２個の炭素原子を含むアルキル基である
。
【化３】 式中、Ｒ３およびＲ４は芳香族環または６〜２２個の炭素原子を含む直鎖または
分枝炭素鎖のいずれかであることが可能なアルキル基であり、Ｘは、ハロゲン、
酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、および硫酸塩から選択される陰イオンである。ビグ
アニドの量は、希釈形態で少なくとも５ｐｐｍである。好ましい範囲は、希釈形
態で１００ｐｐｍ〜３００ｐｐｍである。好ましい範囲の理由は、殺菌速度を３
０秒に減少させながらも、経済的な組成物を作製するの十分な低濃度であり、環
境破壊の原因とならないことである。濃縮形態での第四アンモニウムの範囲は、
希釈したとき少なくとも５ｐｐｍになる量である。好ましい第四アンモニウムは
、下記構造式で表わされるジデシルジメチルアンモニウムである。
【化４】 式中、２個のメチル基および２個のデシル基（１０個の炭素原子）が存在する。
この第四アンモニウムは、組成物中に全組成物の少なくとも５ｐｐｍ、より好ま
しくは１００ｐｐｍから３００ｐｐｍの範囲で含まれる。好ましい第四化合物お
よびその好ましい量は、本発明の範囲内の本発明に含まれるその他の製品と共に
使用することで最高の効果をもたらす。
【００２０】 第四アンモニウムと高分子ビグアニドの組合わせは、グラム陰性および陽性細
菌の広範囲な除去スペクトルを可能にする。この広範囲なスペクトルは、短時間
となるのに必要な有効濃度で生じるのではない。効果を高めるために、金属イオ
ン封鎖剤を調製物に添加して、殺生物剤の除去能力および速度を増加させている
。使用することができる金属イオン封鎖剤は、下記一般構造式で表わされる。
【化５】
【００２１】 この金属イオン封鎖剤の量は、希釈形態で少なくとも５ｐｐｍである。好まし
い金属イオン封鎖剤の範囲は、希釈形態で１００ｐｐｍ〜１０００ｐｐｍである
。好ましい範囲の理由は、濃度が高いので調製が容易で、殺菌速度を３０秒に減
少させる殺生物剤の効果を高めるのに十分であるからである。濃縮形態での金属
イオン封鎖剤の範囲は、希釈したとき少なくとも５ｐｐｍの有効量である。好ま
しい金属イオン封鎖剤は、下記構造式で表わされるエチレンジアミン四酢酸四ナ
トリウムである。
【化６】
【００２２】 単一の第四アンモニウム、高分子ビグアニドおよび金属イオン封鎖剤を組合わ
せると、グラム陰性およびグラム陽性細菌の広範囲な細菌除去スペクトル、およ
びさらに、細菌除去に必要な殺菌時間の劇的な減少が可能になる。この組成物は
さらに、組合わせた殺菌洗浄方法になるように添加した界面活性剤を含む。この
界面活性剤は、最大洗浄効果および適切に作用する殺生物剤の能力の妨害を最小
限に抑えることを可能にする群から選択する。この界面活性剤は、下記一般構造
式で表わされる１種類以上である。
【化７】 式中、Ｒは反応性水素原子を含むアルキル誘導体、たとえばアルキルフェノール
、アルコール、アミン、脂肪酸、エステル、グリセリドまたはアミドである。炭
素鎖の長さは、６個の炭素原子から１８個の炭素原子まで変化させることができ
る。また、ｎは３〜５モルのエトキシル化またはプロポキシル化であり、ｘは３
〜１５モルのエトキシル化であり、ｙは２〜４モルのプロポキシル化である。
【化８】 式中、Ｒは、１０〜１６個の炭素原子を有するアルキル基で、Ｒ１およびＲ２は
同一または異なるアルキル基であるが、ＣＨ３であることが多い。
【化９】 式中、Ｒ１は、１０個〜１６個の炭素原子を有するアルキル基であり、Ｒ２およ
びＲ３は１〜４個の炭素原子を有する同一または異なるアルキル基であり、ｎは
１〜１８の整数である。
【化１０】 式中、Ｒ１は、１０個〜１６個の炭素原子を有するアルキル基であり、Ｒ２およ
びＲ３は１〜４個の炭素原子を有する同一または異なるアルキル基であり、ｎは
１〜１８の整数である。
【化１１】 式中、Ｒは、１〜４個の炭素原子を有するアルキル基である。この界面活性剤は
、希釈形態において全組成物の少なくとも５ｐｐｍの量である。好ましい範囲は
５ｐｐｍ〜３０００ｐｐｍで、殺菌する殺生物剤の効果を妨害せずに、最も有効
な洗浄を可能にする。界面活性剤を大量に使用した場合、殺生物剤および金属イ
オン封鎖剤の効果が阻害され、細菌抑制効果が減少するかまたは無くなってしま
う。濃縮形態での界面活性剤の範囲は、有効量の少なくとも５ｐｐｍである。
【００２３】 本発明の溶媒は、環境を害さず、ヒトに刺激を与えず、成分を溶解し、この成
分で表面を洗浄する前に揮発してしまう程揮発性ではない液体であることが可能
である。この溶媒は、本発明の組成物に添加して、濃縮状態および希釈状態で１
，０００，０００ｐｐｍまたは１００％までになるようにする。この溶媒は、水
、アルコール（エタノール、イソプロピル）、またはグリコールであることが可
能である。界面活性剤または殺生物剤および金属イオン封鎖剤の効果を妨害しな
いので、水は好ましい溶媒である。
【００２４】 殺菌洗浄剤の殺菌測定は、欧州連合標準的懸濁試験、欧州基準１２７６（ＥＮ
１２７６）を使用して評価した。これは、欧州連合において殺生物剤の有効性を
評価する標準的試験である。この試験は、洗浄および殺菌を同時に行う場合、実
施する汚染状態をシミュレートするよう考案されている。有機廃物および硬水は
殺生物剤の活性を妨害することが知られており、「妨害物質」すなわちウシアル
ブミン（０．３％）およひ硬水（３００ｐｐｍ）の使用は、洗浄時によくある汚
染状態を表している。定量的および定性的に公知な細菌（特にＰｓｅｕｄｏｍｏ
ｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａ、ｅｓｈｅｒｉｃｈｉａ ｃｏｌｉ、ｓｔａｐｈ
ｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓ、ｅｎｔｅｒｏｃｃｕｓ ｈｉｒｅ）存在下
でのこれらの妨害物質を使用すると、確実に厳密な試験標準条件（「汚染条件」
）となる。ＥＮ１２７６に合格し、殺菌製品であることを表示するためには、２
０℃において対数５の細菌の減少（９９．９９９％死滅）を５分で達成しなけれ
ばならない。このＥＮ１２７６試験法はまた、５分より短い接触時間の場合の殺
菌製品の効果を試験するために使用することができる。
【００２５】
【実施例１】 本発明にしたがって、溶媒として水を含み、まず溶媒中にエチレンジアミン四
酢酸四ナトリウム１８０ｐｐｍ、第２に、直鎖状アルコールエトキシレート６０
０ｐｐｍおよびベタイン３００ｐｐｍ、第３に高分子ビグアニド１８０ｐｐｍ、
最後に第四アンモニウム１８０ｐｐｍを混ぜて、洗浄組成物を調製した。この組
成物は、Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａを含む細菌全てについ
て、汚染条件で試験したところ、ちょうど３０秒でＥＮ１２７６に合格した（表
１参照）。
【００２６】
【実施例２】 実施例２で使用するための組成物は、唯一の殺生物剤として高分子ビグアニド
２２０ｐｐｍを含み（組成物Ａに匹敵するコストがかかる）、５分間、汚染条件
下でのＰｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａに対するＥＮ１２７６は
不合格であった。５分で合格するために、３０秒間ビグアニドの濃度を環境問題
および商業的実用性には許容されない濃度まで増加させる必要があった（表１参
照）。
【００２７】
【実施例３】 第四アンモニウム塩７２０ｐｐｍを含有し、ビグアニドを含まない組成物を５
分間ＥＮ１２７６で試験したところ、Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎ
ｏｓａに対しては表１に示すように不合格であった。９６０ｐｐｍまで濃度を高
めると、Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｅｒｕｇｉｎｏｓａに対しては５分間でＥ
Ｎ１２７６を合格した。またＥＮ１２７６を３０秒で合格するためには、第四ア
ンモニウム塩を商業的実用性および環境許容性が下がる濃度まで増加させる必要
があり、洗浄剤など組成物Ａ中に最大限利用された組成物のその他の態様は、殺
生物剤を増加させることによって減少するであろう（表１参照）。
【００２８】 この試験は、ウシ血清中で細菌を培養したコントロールされた環境で実施する
。細菌を培養した後、試験を実施するのに十分な数の細菌があるかどうかを確か
めるために細菌数を計測する。細菌数が十分であれば、組成物を塗布し、異なる
時間間隔で試験を行うため除去する。所望の時間を経過した後、組成物を中和し
て濾過し、得られた溶液を培養し、最終的な数を計測して、結果が合格するため
に十分なほど細菌数が減少しているかどうかを確かめる。結果が合格したと結論
するには、細菌が対数５で減少しているか、または９９．９９９％減少していな
ければならない。３０秒後のＥＮ１２７６試験の結果は以下の表１の通りである
。
【００２９】 試験した組成物では、効果の増大および殺菌に必要な時間の減少が認められる
。第四アンモニウム塩、高分子ビグアニドおよびＥＤＴＡ四ナトリウムを組合せ
て使用することが、短い接触時間で細菌を殺すための高濃度の殺生物剤を必要と
しないために重要である。
【表１】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ１１Ｄ 1/72 Ｃ１１Ｄ 1/72 1/90 1/90 3/30 3/30 3/37 3/37 3/43 3/43 3/48 3/48 17/08 17/08 (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 コルクラフ，ヴァネッサ，ルイーズ イギリス国 ジーユー13 オーエックスエ ヌ ハンプシャー，フリート，チャーチ クルックハム，アネッツ クロフト，２ Ｆターム(参考） 4H003 AC08 AD04 AE05 DA05 EB15 EB16 EB28 ED02 FA07 FA34 4H011 AA02 BA01 BA05 BA06 BB04 BB11 BB19 BC03 BC06 BC18 DA13 DH08

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ａ）溶媒、 ｂ）高分子ビグアニド、 ｃ）第四アンモニウム塩、および ｄ）金属イオン封鎖剤 からなる液状殺菌洗浄組成物。
  2. 【請求項２】 前記組成物が、少なくとも１種類の界面活性剤である洗浄剤
    を含む請求項１記載の殺菌洗浄組成物。
  3. 【請求項３】 前記溶媒が水を含む請求項２記載の殺菌洗浄組成物。
  4. 【請求項４】 前記高分子ビグアニドが、ポリヘキサメチレンビグアニド塩
    酸塩を含む請求項２記載の殺菌洗浄組成物。
  5. 【請求項５】 前記第四アンモニウム塩が、ジデシルジメチルアンモニウム
    塩化物を含む請求項２記載の殺菌洗浄組成物。
  6. 【請求項６】 前記高分子ビグアニドおよび第四アンモニウム塩がほぼ等量
    である請求項２記載の殺菌洗浄組成物。
  7. 【請求項７】 前記金属イオン封鎖剤が、エチレンジアミン四酢酸、ニトリ
    ロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、またはそれらの混合物からな
    る群から選択されたアミノ酸キレート剤を含む請求項２記載の殺菌洗浄組成物。
  8. 【請求項８】 前記高分子ビグアニド、前記第四アンモニウム塩、および前
    記金属イオン封鎖剤の比が１〜３：１〜３：１〜３である請求項７記載の殺菌洗
    浄組成物。
  9. 【請求項９】 前記高分子ビグアニド、前記第四アンモニウム塩、および前
    記金属イオン封鎖剤が、それぞれ約１対１対１の好ましい比で含まれる請求項２
    記載の殺菌洗浄組成物。
  10. 【請求項１０】 前記界面活性剤が、非イオン界面活性剤および両性界面活
    性剤を含む請求項２記載の殺菌洗浄組成物。
  11. 【請求項１１】 前記非イオン界面活性剤が、長さが８炭素原子と１８炭素
    原子との間である直鎖または分枝炭素鎖およびエチレンオキサイド１〜１０モル
    を有する直鎖状エトキシル化アルコールを含み、前記両性界面活性剤は８炭素原
    子と１８炭素原子との間の直鎖または分枝炭素鎖を有するベタインを含む請求項
    ９記載の殺菌洗浄組成物。
  12. 【請求項１２】 ａ）水、 ｂ）全組成物の少なくとも５ｐｐｍの高分子ビグアニド、 ｃ）全組成物の少なくとも５ｐｐｍの第四アンモニウム塩、 ｄ）全組成物の少なくとも５ｐｐｍの金属イオン封鎖剤、および ｅ）全組成物の少なくとも５ｐｐｍの少なくとも一種の界面活性剤 からなる液状殺菌洗浄組成物。
  13. 【請求項１３】 前記第四アンモニウム塩および高分子ビグアニドが、全組
    成物の少なくとも１００ｐｐｍの好ましい量である請求項１１記載の殺菌洗浄組
    成物。
  14. 【請求項１４】 前記第四アンモニウム塩および高分子ビグアニドの比が、
    約１対１である請求項１１記載の殺菌洗浄組成物。
  15. 【請求項１５】 前記高分子ビグアニドがポリヘキサメチレンビグアニド塩
    酸塩を含む請求項１１記載の殺菌洗浄組成物。
  16. 【請求項１６】 前記第四アンモニウム塩がジデシルジメチルアンモニウム
    塩化物を含む請求項１１記載の殺菌洗浄組成物。
  17. 【請求項１７】 前記金属イオン封鎖剤が、エチレンジアミン四酢酸、ニト
    リロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、またはそれらの混合物から
    なる群から選択されたアミノ酸キレート剤を含む請求項１１記載の殺菌洗浄組成
    物。
  18. 【請求項１８】 前記１種以上の界面活性剤が非イオン界面活性剤および両
    性界面活性剤を含む請求項１１記載の殺菌洗浄組成物。
  19. 【請求項１９】 前記非イオン界面活性剤が、長さが８炭素原子と１８炭素
    原子との間である直鎖または分枝炭素鎖およびエチレンオキサイド１〜１０モル
    を有する直鎖状エトキシル化アルコールを含み、前記両性界面活性剤は８炭素原
    子と１８炭素原子との間の直鎖または分枝炭素鎖を有するベタインを含む請求項
    １７記載の殺菌洗浄組成物。
  20. 【請求項２０】 水、ポリヘキサメチレンビグアニドおよびジデシルジメチ
    ルアンモニウム塩化物をほぼ等量ずつ、それぞれ全組成物の少なくとも５ｐｐｍ
    、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウムを全組成物の少なくとも５ｐｐｍ、エチ
    レンオキサイド６モルを含む９炭素原子〜１１炭素原子の直鎖状アルコールエト
    キシレートおよびアルキルアミドプロピルジメチルアミンベタインを全組成物の
    少なくとも５ｐｐｍ組合わせて含む液状の殺菌洗浄組成物。
  21. 【請求項２１】 高分子ビグアニド、第四アンモニウム化合物、エチレンジ
    アミン四酢酸四ナトリウムを含み、５分より少ない時間でＰｓｅｕｄｏｍｏｎａ
    ｓ ａｅｒｉｇｉｎｏｓａおよびその他の細菌を９９．９９９％除去する殺生物
    組成物を含む硬質表面殺菌方法であって、前記組成物を硬質表面に塗布して５分
    間維持し、次いで前記組成物を除去して表面上のＰｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｅ
    ｒｉｇｉｎｏｓａを含む細菌を排除する殺菌方法。
  22. 【請求項２２】 前記組成物を硬質表面に塗布する前に溶媒で希釈する請求
    項２０記載の方法。
  23. 【請求項２３】 前記組成物が１種以上の界面活性剤から成る洗浄剤を含む
    請求項２１記載の殺生物組成物。
  24. 【請求項２４】 前記高分子ビグアニド、第四アンモニウム塩、および金属
    イオン封鎖剤の比が１〜３：１〜３：１〜３であり、好ましい比が約１：１：１
    である請求項２２記載の殺菌洗浄組成物。
  25. 【請求項２５】 汚染条件下において欧州連合標準試験法ＥＮ１２７６によ
    って測定したとき、３０秒でＰｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ ａｅｒｉｇｉｎｏｓａを
    除去するために有効な量で効能を高めるために使用される高分子ビグアニド、第
    四アンモニウム塩、およびエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムを含む殺菌洗浄
    組成物。
  26. 【請求項２６】 ａ）溶媒、 ｂ）ｉ）全希釈組成物の少なくとも５ｐｐｍの殺生物有効量の高分子ビグアニ
    ド、 ｉｉ）全希釈組成物の少なくとも５ｐｐｍの殺生物有効量の第四アンモニウム
    、 ｉｉｉ）全希釈組成物の少なくとも５ｐｐｍの殺生物有効量の金属イオン封鎖
    剤を含む殺生物剤成分、および ｃ）全希釈組成物の少なくとも５ｐｐｍの洗浄成分有効量の少なくとも１種類
    の界面活性剤 からなる液状濃縮殺菌洗浄組成物。
  27. 【請求項２７】 前記殺生物剤成分として列挙した成分が、好ましくはそれ
    ぞれ約１：１：１の比で存在する請求項２５記載の組成物。
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