JP2003512462A - オキサゾリン誘導体の立体選択的合成方法 - Google Patents

オキサゾリン誘導体の立体選択的合成方法

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JP2003512462A JP2001533124A JP2001533124A JP2003512462A JP 2003512462 A JP2003512462 A JP 2003512462A JP 2001533124 A JP2001533124 A JP 2001533124A JP 2001533124 A JP2001533124 A JP 2001533124A JP 2003512462 A JP2003512462 A JP 2003512462A
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ハム,ウォン,ハン
チョイ,キュング,セオ
リー,ハン,ウォン
セオ,スング,キ
パーク,ジン,キュ
リー,キ,ヨゥング
キム,ヨング,ヒュン
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ドング クック ファーマシューティカル シーオー.,エルティーディー.
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、オキサゾリン誘導体の立体選択的合成方法に関する。より具体的には本発明は、式Iの構造を有するオキサゾリン誘導体の合成方法に関する。(式中、Rは、フェニル、ベンジル、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルメチル基を表す。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、オキサゾリン誘導体の立体選択的合成方法に関する。より具体的に
は本発明は、式Iの構造を有するオキサゾリン誘導体の合成方法に関する。
【0002】
【化3】
【0003】 (上式で、Rは、フェニル、ベンジル、メチル、エチル、イソプロピル、イソブ
チル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルメチル基を表す。)
【0004】
【発明の技術的背景】
β-アミノ-α-ヒドロキシ酸は、HIVプロテアーゼ阻害剤または生理活性化
合物の構成成分であると考えられている。さらに式Aの構造を持つタキソール(
taxol)は、効能ある抗癌薬剤として知られている。タキソールが、有効な抗癌
作用を発揮するためには、3‐(N‐ベンゾイルアミノ)‐2‐ヒドロキシ‐3‐フェ
ニルプロピオン酸が、タキソールのC-13部位に置かれていなければならない。
【0005】
【化4】
【0006】 粗タキサン(taxan)が、植物から分離されている。しかし、植物にはタキサン
が少量しか存在しないために植物からそれを抽出することは困難である。一方、
式Bで表されるバッカチン(baccatin)IIIが、植物から所望する量を得ること
が可能であるために、それからの半合成的な方法が実施されてきた。それゆえ、
タキソールの基本鎖であるβ-アミノ-α-ヒドロキシ酸の立体選択的合成が極め
て重要な方法であるとして認識されてきた。
【0007】
【化5】
【0008】 そうしたβ-アミノ-α-ヒドロキシ酸の立体選択的合成方法が、次の文献に報
告されてきた;Tetrahedron Letter, 35,pp2845-2848(1994); Tetrahedron Lett
er,35,pp9289-9292(1994);J.Org.Chem.,59,pp1238- 1240(1994);J.Am.Chem.Soc
.,117,pp7824-7825(1995). 他方、タキソールを調製するためのバッカチンIIIのC‐13部位ヒロドキシ部分
と3‐(N‐ベンゾイルアミノ)‐2‐ヒドロキシ‐3‐フェニルプロピオン酸との間
での結合反応は、過酷な反応条件を必要とし、そうした反応の収率は全く良好で
ないことが報告されている。かかる欠陥を克服するために、オキサゾリン誘導体
を使用する結合方法は、3‐(N‐ベンゾイルアミノ)‐2‐ヒドロキシ‐3‐フェニ
ルプロピオン酸に置き換えることができる[Tetrahedron Letter,26, pp4483-448
4 (1994)]。
【0009】 もちろん、タキソールは、バッカチンIIIから半合成的方法により得ることが
できる。しかしながら、問題は、いかに高度に精製された合成タキソールを得る
かであり、これはその純度がタキソールの薬効に影響を与えるためである。よっ
て、オキサゾリンの合成方法の開発は、HIVプロテアーゼ阻害剤の中間体とし
ての役割のみならず、タキソールの純度に対する効果のために重要な意義を有す
るものである。
【0010】
【発明の概要】
本発明の目的は、出発物質として天然に存在するアミノ酸を使用して、β-ア
ミノ-α-ヒドロキシ酸に相当するオキサゾリン誘導体の立体選択的合成方法を提
供することである。 本発明の別の目的は、式BのバッカチンIIIから式Aのタキソールを調製し、H
IVプロテアーゼ阻害剤の中間体を与えるために、オキサゾリン誘導体の立体選
択的合成方法を提供することである。
【0011】 本発明のもう一つの目的は、以下の工程; i)式IIの化合物を、パラジウム(Pd)触媒0.02〜0.1モル%の存在下、20〜50℃
で、環化させ、脱離基Xを分離することにより式IIIの化合物を得ること;およ
び ii)ルテニウム触媒の存在下、混合溶媒(アセトニトリル/四塩化炭素/水)中
で、酸化剤を加えることにより式IIIの化合物を酸化して、式Iの化合物を得る
こと;
【0012】
【化6】
【0013】 (上スキームで、Rは、フェニル、ベンジル、メチル、エチル、イソプロピル、
イソブチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルメチル基を表し;Xは、脱離
基としてアセチル、ベンゾイル、カーボネート基を表す。) を含むオキサゾリン誘導体の立体選択的合成方法を提供することである。 さらに、上記パラジウム(Pd)触媒は、テトラキストリフェニルホスフィンパ
ラジウム;Pd(OAc)2、PdCl2およびPh3Pの混合物;ジベンジリデンアセトンパ
ラジウム、ジクロロジフェニルパラジウムおよびヒドラジンの混合物からなる群
より選択される。上記酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)、過ヨウ素酸カ
リウム(KIO4)および過マンガン酸カリウム(KMnO4)からなる群より選択され
る。
【0014】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の出発物質として使用する式IIの化合物は、α−アミノ酸から調製する
ことができる。反応スキームは、下記の段階にしたがって調製される式IIの化合
物の調製方法を示す: i)還元剤を使用して、α−アミノ酸(IV)をα−アミノアルコール(V)に還
元すること; ii)α−アミノアルコール(V)をα−アミノアルデヒド(VI)に酸化すること
; iii)ホルミルメチレントリフェニルホスフォランを使用して、α−アミノアル
デヒド(VI)から4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテナール(VII)に反
応させること; iv)4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテナール(VII)を4-N-ベンゾイル
アミノ-4-フェニル-2-ブテノール(VIII)に還元すること;および v)4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテノール(VIII)をオキサゾリン合
成の出発物質(II)に変換すること。
【0015】
【化7】
【0016】 上記スキーム中、 Rは、アルキルまたはアリールであって、たとえば、フェニル、ベンジル、メ
チル、エチル、イソプロピル、イソブチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシ
ルメチルであり、 Xは、脱離基としてのアセチル、ベンゾイルまたはカルボネートであり、 Bzは、ベンゾイルであり、 M.C.は、メチレンクロリドであり、 Phは、フェニルであり、 pyrは、ピリジンであり、 THFは、テトラヒドロフランであり、かつ DMSOは、ジメチルスルホキシドである。
【0017】 本発明は、さらに具体的には、以下のように説明することができる。 好ましいパラジウム(Pd)触媒は、テトラキストリフェニルホスフィンパラジ
ウム、あるいはPd(OAc)2とPdCl2とPh3Pとの混合物である。ジベンジリデンアセ
トンパラジウムとジクロロジフェニルパラジウムとヒドラジンとの混合物を用い
ることができるにもかかわらず、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
がいっそう望ましい。このようなパラジウム(Pd)触媒の量は、0.02〜0.1モル
%であり、望ましくは0.04〜0.06モル%である。
【0018】 この反応は、20〜50℃、好ましくは22〜28℃の温度範囲で行うことができる。
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム触媒を使用する場合には、DMF(
ジメチルホルムアミド)を、好ましい溶媒として選択することができる。ジベン
ジリデンアセトンパラジウム触媒を使用する場合には、THF(テトラヒドロフラ
ン)またはクロロホルムを、好ましい溶媒として選択することができる。さらに
、Pd(OAc)2とPh3Pとの混合物を使用する場合には、好ましい溶媒としてDMFを選
択することができる。
【0019】 反応時間は、6〜10時間、好ましくは7〜9時間必要とする。アセチル、ベンゾ
イルおよびカルボネートのなかでも、アセチルが、Xにより表わされる好ましい
脱離基である。 式IIの化合物を調製するための反応プロセスは、さらに具体的には、下記のよ
うに説明できる。
【0020】 還元剤であるNaBH4を用いたα−アミノ酸(IV)からα−アミノアルコール(V
)への還元反応の間、NaBH4および硫酸のモル比は、約2:1にすべきである。
さらに、使用される硫酸は、エーテルによって希釈すべきである。硫酸を加える
際、反応温度は、0〜20℃の範囲内であってもよい。硫酸を加えるための時間は
、3〜5時間であってもよく、一方、5N水酸化ナトリウムを用いた還流時間は、3
〜5時間であってもよい。ベンゾイルクロリドを加える際の反応温度は、約0℃で
あることが好ましく、そのとき添加速度は1.0〜2.0ml/分であることが好ましい
【0021】 α−アミノアルコール(V)からα−アミノアルデヒド(VI)への酸化反応で
は、固体型の三酸化硫黄/ピリジンを添加すべきである。さらに、反応温度は、
約0℃であることが好ましい。より良好な収率を得るための時間は、2〜3時間で
あるであろう。 ホルミルメチレントリフェニルホスフォランを用いたα−アミノアルデヒド(
VI)から4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテナール(VII)への反応にお
いては、反応温度は20〜90℃であり、好ましくは約60℃である。反応時間は、1.
5〜2.5時間であってもよい。さらに、ベンゼン、トルエンまたはクロロホルムを
反応溶媒として使用することができる。
【0022】 4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテナール(VII)から4-N-ベンゾイル
アミノ-4-フェニル-2-ブテノール(VIII)への還元反応においては、テトラヒド
ロフラン/水(9:1)がより好ましい溶媒である。さらに、反応時間は30分間
であってもよい。反応温度は、0〜20℃であることが好ましい。 4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテノール(VIII)は、無水酢酸、ベン
ゾイルクロリドまたはクロロギ酸エチルを用いる反応により、オキサゾリン合成
の出発物質に転換することができる。反応時間は6〜10時間であってもよい。反
応温度は0℃〜室温であることが好ましい。無水酢酸、ベンゾイルクロリドまた
はクロロギ酸エチルの必要とされる量は、当量比で1.5〜2.5であり、好ましくは
当量比で約2.0である。
【0023】 後述の実施例では、出発物質として(S)-(+)-フェニルグリシンおよびL-フェニ
ルアラニンを例示しているが、本発明におけるオキサゾリン誘導体(I)の合成
では、制限はなく、出発物質として全てのアミノ酸を含む。 本発明は、下記の実施例により、さらに具体的に説明されるであろう。しかし
ながら、下記の実施例は、例証するために示していると理解されるべきであり、
いかなる形式においても本発明の範囲を制限するために示していると理解される
べきではない。
【0024】
【実施例1】化合物(V)の合成 N-ベンゾイルフェニルグリシノールは、下記の段階によって合成される:i)1
モル(151g)の(S)-(+)-フェニルグリシンを、1Lのテトラヒドロフランに懸濁
させ、ii)2.5モル(100g)のNaBH4をこの溶液に加え、iii)1.25モルのエーテル
で希釈した硫酸(66ml、全容積200ml)を0℃でこの溶液に滴下し、iv)室温で12
時間この溶液を反応させた後、200mlのメタノールをゆっくりと加え、v)1Lの5
N NaOHを加えた後、有機溶媒を蒸発させ、3時間還流し、vi)室温まで冷却した後
、この溶液に1Lのメチレンクロリドを加え、vii)1モルのベンゾイルクロリド
を0℃でこの溶液にゆっくりと加え、viii)反応を終了させた後、この反応混合物
をろ過し、ix)生成物を熱水で3回洗浄し、およびx)生成物を乾燥した後、195g(8
1%)のN-ベンゾイルフェニルグリシノールが得られる。
【0025】
【数1】
【0026】
【実施例2】化合物(VI)の合成 N-ベンゾイルアミノアルデヒドは、下記の段階により合成される:i)0.1モル(
24.1g)のN-ベンゾイルフェニルグリシノールを100mlのメチレンクロリド/メチ
ルスルホキシド(5:1)に懸濁させ、ii)0℃に冷却後、31.8g(0.2モル)の三
酸化硫黄−ピリジンをこの溶液に加え、iii)55ml(0.4モル)のトリエチルアミ
ンを加えた後、この溶液を2時間撹拌し、iv)反応を終了させた後、200mlの酢酸
エチルをこの反応混合物に加え、v)この反応混合物を100mlの水と100mlの飽和NH 4 Cl溶液とで洗浄し、vi)反応混合物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、およびvii)
生成物をろ過し、乾燥した後、21g(87%)の粗N-ベンゾイルアミノアルデヒド
が得られる。
【0027】
【数2】
【0028】
【実施例3】化合物(VII)の合成 4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテナールは、下記の段階によって合成
される:i)100mlのトルエンを21g(0.087モル)のN-ベンゾイルフェニルグリシ
ンアルデヒドに加え、ii)34g(0.11モル)のホルミルメチレントリフェニルホス
フォランを加えた後、2時間この溶液を還流し、iii)反応を終了させた後、この
反応混合物を乾燥させ、およびiv)生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1)を用いて単離した後、13.8g(60%)の4-N-ベンゾイル
アミノ-4-フェニル-2-ブテナールが得られる。
【0029】
【実施例4】化合物(VIII)の合成 4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテノールは、下記の段階により合成さ
れる:i)50mlのテトラヒドロフラン/水(9:1)を13.3g(0.05モル)の4-N-
ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテナールに加え、ii)1.9g(0.05モル)のNaB
H4を加えた後、この溶液を30分間撹拌し、iii)30mlの1N HClを加えた後、反応混
合物を50mlのエーテルで抽出し、iv)この反応混合物を硫酸マグネシウムで乾燥
させ、およびv)生成物をろ過した後、13.6gの粗4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニ
ル-2-ブテノールが得られる
【0030】
【実施例5】化合物(II)の合成 1-アセトキシ-4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテンは、下記の段階に
より合成される:i)20mlのピリジンを13.6g(0.05モル)の4-N-ベンゾイルアミ
ノ-4-フェニル-2-ブテノールに加え、ii)10.2g(0.1モル)の無水酢酸を加えた
後、この溶液を4時間撹拌し、iii)反応を終了させた後、50mlのメチレンクロリ
ドを加え、iv)反応混合物を50mlの1N HClと50mlの飽和NaHCO3溶液とで洗浄し、
およびv)ヘキサン/酢酸エチル(2:1)の溶媒を用いて生成物を再結晶した後
、14.7g(95%)の1-アセトキシ-4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテンが
得られる。
【0031】
【数3】
【0032】 他の脱離基は、ベンゾイルクロリドまたはクロロギ酸メチルを用いて、上述し
たのと同じ方法で合成することができる。
【0033】
【実施例6】化合物(V)の合成 N-ベンゾイルフェニルアラニノールは、以下の段階によって合成される:i)1
モル(163g)のL-フェニルアラニノールを、1Lのテトラヒドロフランに懸濁さ
せ、ii)2.5モル(100g)のNaBH4をこの溶液に加え、iii)1.25モルのエーテルで
希釈した硫酸(66ml、全容積200ml)を0℃でこの溶液に滴下し、iv)室温で12時
間この溶液を反応させた後、200mlのメタノールをゆっくりと加え、v)1Lの5N
NaOHを加えた後、有機溶媒を蒸発させ、3時間還流し、vi)室温まで冷却した後、
この溶液に1Lのメチレンクロリドを加え、vii)1モルのベンゾイルクロリドを
0℃でこの溶液にゆっくりと加え、viii)反応を終了した後、この反応混合物をろ
過し、ix)生成物を熱水で3回洗浄し、およびx)生成物を乾燥した後、207g(81%)
のN-ベンゾイルフェニルアラニノールが得られる。
【0034】
【数4】
【0035】
【実施例7】化合物(VI)の合成 N-ベンゾイルアミノアルデヒドは、以下の段階により合成される:i)0.1モル(
25.5g)のN-ベンゾイルフェニルアラニノールを100mlのメチレンクロリド/メチ
ルスルホキシド(5:1)に懸濁させ、ii)0℃に冷却後、31.8g(0.2モル)の三
酸化硫黄−ピリジンをこの溶液に加え、iii)55ml(0.4モル)のトリエチルアミ
ンを加えた後、この溶液を2時間撹拌し、iv)反応を終了した後、200mlの酢酸エ
チルをこの反応混合物に加え、v)この反応混合物を100mlの水と100mlの飽和NH4C
l溶液とで洗浄し、vi)反応混合物を硫酸マグネシウムで乾燥し、およびvii)生成
物をろ過し、乾燥した後、22g(87%)の粗N-ベンゾイルアミノアルデヒドが得
られる。
【0036】
【数5】
【0037】
【実施例8】化合物(VII)の合成 4-N-ベンゾイルアミノ-5-フェニル-2-ペンテナールは、以下の段階によって合
成される:i)100mlのトルエンを22g(0.087モル)のN-ベンゾイルフェニルアラ
ニンアルデヒドに加え、ii)34g(0.11モル)のホルミルメチレントリフェニルホ
スフォランを加えた後、2時間この溶液を還流し、iii)反応を終了させた後、こ
の反応混合物を乾燥させ、およびiv)生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=1:1)を用いて単離した後、14.6g(60%)の4-N-ベンゾイ
ルアミノ-5-フェニル-2-ペンテナールが得られる。
【0038】
【数6】
【0039】
【実施例9】化合物(VIII)の合成 4-N-ベンゾイルアミノ-5-フェニル-2-ペンテノールは、以下の段階により合成
される:i)50mlのテトラヒドロフラン/水(9:1)を14.0g(0.05モル)の4-N
-ベンゾイルアミノ-5-フェニル-2-ペンテナールに加え、ii)1.9g(0.05モル)の
NaBH4を加えた後、この溶液を30分間撹拌し、iii)30mlの1N HClを加えた後、反
応混合物を50mlのエーテルで抽出し、iv)この反応混合物を硫酸ナトリウムで乾
燥し、さらにv)生成物をろ過した後、14.06gの粗4-N-ベンゾイルアミノ-5-フェ
ニル-2-ペンテノールが得られる。
【0040】
【実施例10】化合物(II)の合成 1-アセトキシ-4-N-ベンゾイルアミノ-5-フェニル-2-ペンテンは、以下の段階
により合成される:i)20mlのピリジンを14.6g(0.05モル)の4-N-ベンゾイルア
ミノ-5-フェニル-2-ペンテノールに加え、ii)10.2g(0.1モル)の無水酢酸を加
えた後、この溶液を4時間撹拌し、iii)反応を終了させた後、50mlのメチレンク
ロリドを加え、iv)反応混合物を50mlの1N HClと50mlの飽和NaHCO3溶液とで洗浄
し、およびv)ヘキサン/酢酸エチル(2:1)の溶媒を用いて生成物を再結晶し
た後、15.36g(95%)の1-アセトキシ-4-N-ベンゾイルアミノ-5-フェニル-2-ペ
ンテンが得られる。
【0041】
【数7】
【0042】 他の脱離基は、ベンゾイルクロリドまたはクロロギ酸メチルを用いて、上述し
たのと同じ方法で合成することができる。
【0043】
【実施例11】化合物(III)の合成 (4S-トランス)-4,5-ジヒドロ-2,4-ジフェニル-5-ビニル-オキサゾリンは、以
下の段階により合成される:i)15.6mg(0.65ミリモル)の水素化ナトリウムを
、2mlのDMF(ジメチルホルムアミド)に懸濁させ、ii) 1mlのDMFに溶解させた20
0mg(0.65ミリモル)の1-アセトキシ-4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテ
ンを0℃でこの溶液に滴下し、iii) 38.1mg(0.033ミリモル)のテトラキストリ
フェニルホスフィンパラジウムを加え、iv)この溶液を8時間撹拌した後、反応を
終了し、v)20mlの酢酸エチルを加えた後、生成物を4mlの蒸留水で5回、20mlの食
塩水で1回洗浄し、vi)反応混合物を硫酸マグネシウムで乾燥した後、反応混合
物をろ過し、およびvii)生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ
チル=6:1)を用いて単離した後、84.3mg(52%、100% de)の(4S-トランス
)-4,5-ジヒドロ-2,4-ジフェニル-5-ビニル-オキサゾリンが得られる。
【0044】
【数8】
【0045】
【実施例12】化合物(III)の合成 (4S-トランス)-4,5-ジヒドロ-2-フェニル-4-ベンジル-5-ビニル-オキサゾリン
は、以下の段階により合成される:i)15mg(0.61ミリモル)の水素化ナトリウム
を、2mlのDMFに懸濁させ、ii) 1mlのDMFに溶解させた200mg(0.61ミリモル)の1
-アセトキシ-4-N-ベンゾイルアミノ-5-フェニル-2-ペンテンを0℃でこの溶液に
滴下し、iii) 36mg(0.03ミリモル)のテトラキストリフェニルホスフィンパラ
ジウムを加え、iv)この溶液を8時間撹拌した後、反応を終了し、v)20mlの酢酸エ
チルを加えた後、生成物を4mlの蒸留水で5回、20mlの食塩水で1回洗浄し、vi)
反応混合物を硫酸マグネシウムで乾燥した後、反応混合物をろ過し、およびvii)
生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を用いて
単離した後、79mg(53%、60% de)の(4S-トランス)-4,5-ジヒドロ-2-フェニル
-4-ベンジル-5-ビニル-オキサゾリンが得られる。
【0046】
【数9】
【0047】
【実施例13】化合物(III)の合成 (4S-トランス)-4,5-ジヒドロ-2-フェニル-4-イソプロピル-5-ビニル-オキサゾ
リンは、以下の段階により合成される:i)15.6mg(0.65ミリモル)の水素化ナト
リウムを、2mlのDMFに懸濁させ、ii) 1mlのDMFに溶解させた200mg(0.65ミリモ
ル)の1-アセトキシ-4-N-ベンゾイルアミノ-6-メチル-2-ヘプテンを0℃でこの溶
液に滴下し、iii) 38.1mg(0.033ミリモル)のテトラキストリフェニルホスフィ
ンパラジウムを加え、iv)この溶液を8時間撹拌した後、反応を終了し、v)20mlの
酢酸エチルを加えた後、生成物を4mlの蒸留水で5回、20mlの食塩水で1回洗浄し
、vi)反応混合物を硫酸マグネシウムで乾燥した後、反応混合物をろ過し、およ
びvii)生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)を
用いて単離した後、84.3mg(61%、58% de)の(4S-トランス)-4,5-ジヒドロ-2-
フェニル-4-イソプロピル-5-ビニル-オキサゾリンが得られる。
【0048】 表1は、パラジウム触媒を用いた分子間環化反応のR基および脱離基について
の収率を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【実施例14】化合物(I)の合成 (4S-トランス)-4,5-ジヒドロ-2,4-ジフェニル-5-カルボキシレートメチルエス
テルは、以下の段階により合成される:i)124.6mg(0.5ミリモル)の(4S-トラン
ス)-4,5-ジヒドロ-2,4-ジフェニル-5-ビニル-オキサゾリンを室温で撹拌した10m
lのアセトニトリル/四塩化炭素/水(1:1:1)混合物に加え、ii)273mg(3.25ミ
リモル)の炭酸水素ナトリウムおよび588mg(5.75ミリモル)の過ヨウ素酸ナト
リウムをこの溶液に加えた後、この溶液を5分間撹拌し、iii)触媒量(約1mg)の
ルテニウムクロリドを加え、この溶液を2日間撹拌し、iv)反応を終了した後、エ
ーテルで反応混合物を抽出し、v)1N-HClで反応混合物を酸性化し、vi)反応混合
物をメチレンクロリドで抽出した後、105.5mg(53%、100% de)の(4S-トラン
ス)-4,5-ジヒドロ-2,4-ジフェニル-5-カルボン酸が得られ、vii)10mlのエーテル
をvi)の化合物に加えた後、ジアゾメタンを加えることにより、メチルエステル
化し、およびviii)エーテルを蒸発させた後、110mgの(4S-トランス)-4,5-ジヒド
ロ-2,4-ジフェニル-5-カルボキシレートメチルエステルが得られる。
【0051】
【数10】
【0052】
【実施例15】化合物(I)の合成 (4S-トランス)-4,5-ジヒドロ-2-フェニル-4-ベンジル-カルボン酸は、以下の
段階により合成される:i)138.6mg(0.5ミリモル)の(4S-トランス)-4,5-ジヒド
ロ-2-フェニル-4-ベンジル-5-ビニル-オキサゾリンを室温で撹拌した10mlのアセ
トニトリル/四塩化炭素/水(1:1:1)混合物に加え、ii)273mg(3.25ミリモル
)の炭酸水素ナトリウムと588mg(5.75ミリモル)の過ヨウ素酸ナトリウムをこ
の溶液に加えた後、この溶液を5分間撹拌し、iii)触媒量(約1mg)のルテニウム
クロリドを加え、この溶液を2日間撹拌し、iv)反応を終了した後、エーテルで反
応混合物を抽出し、v)1N-HClで反応混合物を酸性化し、およびvi)反応混合物を
メチレンクロリドで抽出した後、95.6mg(68%)の(4S-トランス)-4,5-ジヒドロ
-2-フェニル-4-ベンジル-5-カルボン酸が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 リー,ハン,ウォン 大韓民国 ソウル 138−050,ソングパ− ク,バンギ−ドング,149−19 (72)発明者 セオ,スング,キ 大韓民国 チョーングチャングバク−ド 365−800,ジンチョォン−クン,ジンチョ ォン−エウプ,エウパナエ−リ,185−25 (72)発明者 パーク,ジン,キュ 大韓民国 ソウル 134−070,カングドン グ−ク,ミョウンジル−ドング,54 ハン ヤング エーピーティー.,4−206 (72)発明者 リー,キ,ヨゥング 大韓民国 キュングギ−ド 445−870,ハ ワスング−クン,ソングサン−ミュン,コ ジュング−リ,1086−3 (72)発明者 キム,ヨング,ヒュン 大韓民国 ソウル 157−015,カングセオ −ク,ハワコック−ドング,73−73 Fターム(参考) 4C056 AA01 AB01 AC02 AD01 AE02 AF01 BA03 BB06 BB14 4H006 AA02 AC81 4H039 CA42 CA65 CC40 CD40 CG40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程、 i)式IIの化合物を、パラジウム(Pd)触媒0.02〜0.1モル%の存在下、20〜50℃
    で、環化させ、脱離基Xを分離することにより式IIIの化合物を得ること;およ
    び ii)ルテニウム触媒の存在下、混合溶媒(アセトニトリル/四塩化炭素/水)中
    で、酸化剤を加えることにより式IIIの化合物を酸化して、式Iの化合物を得る
    こと; 【化1】 (上スキームで、Rは、フェニル、ベンジル、メチル、エチル、イソプロピル、
    イソブチル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシルメチル基を表し;Xは、脱離
    基としてアセチル、ベンゾイル、カーボネート基を表す。) を含むオキサゾリン誘導体の立体選択的合成方法。
  2. 【請求項2】 上記パラジウム(Pd)触媒が、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
    ;Pd(OAc)2、PdCl2およびPh3Pの混合物;ジベンジリデンアセトンパラジウム
    、ジクロロジフェニルパラジウムおよびヒドラジンの混合物からなる群より選択
    されることを特徴とする請求項1に記載のオキサゾリン誘導体の立体選択的合成
    方法。
  3. 【請求項3】 上記酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)、過ヨウ素酸カリウム(KIO4
    および過マンガン酸カリウム(KMnO4)からなる群より選択されることされるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のオキサゾリン誘導体の立体選択的合成方法。
  4. 【請求項4】 上記式IIの化合物が、次の工程、 i)還元剤を使用して、α-アミノ酸(IV)をα-アミノアルコール(V)に還元す
    ること; ii)α-アミノアルコール(V)をα-アミノアルデヒド(VI)に酸化すること; iii)ホルミルメチレントリフェニルホスフォランを使用してα-アミノアルデヒ
    ド(VI)から4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテナール(VII)に反応
    させること; iv)4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテナール(VII)を4-N-ベンゾ
    イルアミノ-4-フェニル-2-ブテノール(VIII)に還元すること; v)4-N-ベンゾイルアミノ-4-フェニル-2-ブテノール(VIII)をオキサゾリン
    合成の出発物質(II)に変換すること; 【化2】 (上スキームで、Rは、アルキルまたはアリール、たとえばフェニル、ベンジル
    、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、シクロヘキシルまたはシクロヘ
    キシルメチル基であり;Xは、脱離基としてアセチル、ベンゾイルまたはカーボ
    ネート基であり;Bzはベンゾイル基であり;M.C.はメチレンクロリドであり;
    Phはフェニル基であり;pyrはピリジンであり;THFはテトラヒドロフランで
    あり;およびDMSOはジメチルスルフォキシドである。) を含むことを特徴とする請求項1に記載のオキサゾリン誘導体の立体選択的合成
    方法。
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