JP2003512388A - 免疫治療で使用される修飾ペプチドおよびペプチド模倣体 - Google Patents

免疫治療で使用される修飾ペプチドおよびペプチド模倣体

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JP2003512388A JP2001531879A JP2001531879A JP2003512388A JP 2003512388 A JP2003512388 A JP 2003512388A JP 2001531879 A JP2001531879 A JP 2001531879A JP 2001531879 A JP2001531879 A JP 2001531879A JP 2003512388 A JP2003512388 A JP 2003512388A
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フアン・スタフアレン,カタリナ・ヨアンナ
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ハレン・フアン,フイリツプス・ヨハネス・マリー
クネフテル,ルナルドス・マルセリウス・アルフオンス
ボーツ,アンナ・マリア・ヘレナ
ミルテンブルフ,アンドレアス・マルチヌス・マリア
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アクゾ・ノベル・エヌ・ベー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、H−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−GIy−OH(式I)に由来し、一般式(II):Q−A1−A2−A3−A4−A5−A6−A7−A8−A9−A10−A11−A12−A13−Zを有する修飾されたペプチドに関する。一般式(II)において、A1〜A13は式Iのアミノ酸に一致し、QはHに一致し、かつZはOHに一致する。本発明による修飾は下記から選択される:a)非天然アミノ酸またはβアミノ酸によるA1〜A13における1個〜6個(好ましくは1個〜4個)のアミノ酸の置換;b)還元型アミド結合またはエチレン等電子配置体による1つまたは複数のアミド結合の置換;c)Qおよび/またはZにおける置換からなる群a、群bまたは群cの1つまたは複数、そして場合により、d)修飾が合計で6個までの天然アミノ酸による置換。本発明のペプチドは、自己免疫疾患に罹患している患者における寛容性誘導を誘導させるために使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、HCgp−39(263−275)に基づく修飾ペプチド、そのよ
うなペプチドを含む薬学的組成物、ならびに自己免疫疾患に罹患している患者に
おける寛容性誘導を誘導するためのこれらのペプチドの使用に関する。
【0002】 免疫系は、自己抗原に対して組み込まれている寛容性によって達成される、異
物抗原(非自己抗原)と自己抗原(個体自身の身体に由来する自身の抗原)との
識別という原理に基づいて確立される。
【0003】 免疫系は、Tリンパ球およびBリンパ球などの特定の細胞を活性化し、そして
インターロイキン、抗体および補体因子のような可溶性因子を産生することによ
って個体を異物抗原から保護し、かつ異物抗原の曝露に対して応答する。免疫系
が応答する抗原は、抗原提示細胞(APC)によって分解され、そして抗原のフ
ラグメントが、主要組織適合性複合体(MHC)クラスII糖タンパク質を伴っ
て細胞表面に発現する。MHC糖タンパク質−抗原フラグメントの複合体がT細
胞に提示され、T細胞は、そのT細胞受容体によって、その抗原フラグメントを
、抗原フラグメントが結合するMHCクラスIIタンパク質と一緒に認識する。
T細胞が活性化し、すなわち、増殖し、かつ/またはインターロイキンを産生し
て、攻撃中の抗原に向かう活性化リンパ球の増殖をもたらす(Grey他、Sc
i.Am.、261:38〜46、1989)。
【0004】 自己抗原はまた、一連のプロセシングを受けて、MHC糖タンパク質による抗
原フラグメントとしてT細胞に提示される(Jardetsky他、Natur
e、353:326〜329、1991)。従って、自己認識は免疫系に固有で
ある。正常な状況のもとでは、免疫系は自己抗原に対して寛容であり、これらの
自己抗原による免疫応答の活性化が回避されている。
【0005】 自己抗原に対する寛容性が失われた場合、免疫系は1つまたは複数の自己抗原
に対して活性化し、その結果、自己反応性T細胞の活性化および自己抗体の産生
がもたらされる。この現象は、自己免疫性と呼ばれている。免疫応答は一般に破
壊的であり、すなわち、侵入した異物抗原を破壊することが意味されるので、自
己免疫応答は身体自身の組織の破壊を引き起こし得る。
【0006】 自己免疫疾患に対するT細胞の寄与がいくつかの研究で明らかにされている。
マウスでは、実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)が、MHCクラスII分子
に対して複合体を形成するミエリン塩基性タンパク質(MBP)の1つのエピト
ープに対するその特異性によって関係づけられるT細胞の非常に限定された一群
により媒介されている。様々な自己免疫疾患に対して大きな感受性を有する種で
あるルイスラットでは、疾患がT細胞によって媒介されることが示されている。
ヒトにおいてもまた、自己免疫疾患は自己攻撃的なT細胞の発達と関係している
ことが考えられている。
【0007】 破壊的な自己免疫応答が、非常に多くの活性化されたリンパ球およびMHCク
ラスII発現細胞が存在することにより生じる慢性的な炎症プロセスによって関
節軟骨の一体性が破壊される慢性関節リウマチ(RA)などの様々な疾患に関係
している。軟骨の存在は、局所的な炎症応答を持続させるために必要であるにす
ぎないと考えられる:軟骨の分解が、RAにおける軟骨応答性の自己反応性T細
胞の活性と関連することが示唆されている(Sigall他、Clin.Exp
.Rheumat.6:59、1988;Glant他、Biochem.So
c.Trans.18:796、1990;Burmester他、Rheum
atoid arthritis、Smolen、Kalden,Maini(
編)、Springer−Verlag Berlin Heidelberg
、1992)。さらに、軟骨をRA患者から手術により除くことによって、炎症
プロセスが低下することが示された(R.S.Laskin、J.Bone J
oint Surgery(Am)、72:529、1990)。従って、軟骨
タンパク質は、T細胞を刺激する能力を有する標的自己抗原であると見なされて
いる。これらの自己反応性T細胞の活性化により、自己免疫疾患の発症がもたら
される。しかし、慢性関節リウマチの開始において役割を果たす自己抗原性成分
の同定は、これまで要領を得ないままであった。
【0008】 軟骨の破壊をもたらす炎症応答は、例えば、ステロイド薬などのいくつかの薬
物によって処置することができる。しかし、これらの薬物は、多くの場合、毒性
副作用を有する非特異的な免疫抑制薬である。非特異的な免疫抑制の欠点のため
に、これは非常に好ましくない治療になっている。
【0009】 抗原に対して特異的な非毒性の免疫抑制治療は、非特異的な免疫抑制に代わる
非常に注目される代替法を提供する。この抗原特異的な治療は、標的自己抗原を
用いて、または標的自己抗原に由来する合成されたT細胞反応性ペプチドを用い
て患者を処置することを伴う。これらの合成ペプチドは、自己抗原のT細胞エピ
トープに対応しており、自身および自己抗原の両方に対する特異的なT細胞の寛
容性を誘導するために使用することができる。免疫系の脱感作または免疫学的寛
容性は、抗原またはエピトープが与えられているか、あるいは抗原またはエピト
ープを吸入している動物が、その抗原またはエピトープが全身的な経路で導入さ
れたときに、そのような抗原またはエピトープに対する全身的な免疫応答の発達
をより小さくし得るという長期間の観測で認められる現象に基づく。
【0010】 慢性関節リウマチは、HLA−DR4陽性者においてより高頻度で発生する自
己免疫疾患である。疾患との関連性により、DR4分子が自己抗原をT細胞に提
示していることが示される場合がある。この自己免疫疾患の標的は、マトリック
ス内で組織化される産物を産生する特徴的な細胞タイプが関節の軟骨細胞により
示される関節である。RAにおいて見られるような関節の破壊は軟骨特異的な自
己反応性T細胞によって媒介されていると考えられる。軟骨由来タンパク質のヒ
ト軟骨gp−39(HCgp−39)が、最近、RAにおける候補の自己抗原と
して同定された。263〜275の配列を含むペプチドであるHCgp−39タ
ンパク質の最も有力なエピトープが、RA患者において優先的に認識された。こ
のことは、このエピトープが慢性関節リウマチにおける自己免疫攻撃の標的であ
ることを示唆している。18名のRA患者の内の8名がこのペプチドに応答し、
そして健康なドナー群では応答者は見出されなかった(Verheijden他
、Arthritis Rheum.40:1115、1997)。従って、こ
のデータは、このペプチドまたはHCgp−39タンパク質が関節における免疫
認識の標的であることを強く示唆している。
【0011】 関節疾患に対するHCgp−39の重要性が、Balb/cマウスにおけるそ
の関節炎生成性によってさらに明らかにされた。IFAと混合されたμg量のタ
ンパク質を胸部領域に1回注射することによって、RAを思わせる慢性的な関節
の炎症が誘導された。
【0012】 HCgp−39ペプチド263−275に対する応答が、HCgp−39によ
る免疫化を行った後のDRB10401トランスジェニックマウスから1組の
DRB10401拘束されるペプチド特異的なT−Tハイブリドーマを作製す
ることによってさらに調べられた。DR4(DB10401)に関連してペプ
チド263−275に特異的なハイブリドーマの細かい特異性が明らかにされ、
そして比較された。その結果、DRB10401によりコードされる分子によ
って提示される263−275エピトープのそれらの認識が異なる3つのハイブ
リドーマが同定された。(使用された3つのハイブリドーマの間におけるエピト
ープ認識の違いを、263−275の配列内でのN端短縮ペプチドおよびC端短
縮ペプチドがこれらの異なるハイブリドーマを刺激するために使用されたときに
認めることができた)。5G11ハイブリドーマが263−275の配列に対し
て最適に応答することが見出された。これに対して、8B12ハイブリドーマに
よる認識は264−274の配列付近に集中していたが、14G11ハイブリド
ーマは264−275に対して最適な応答性を有していた。
【0013】 HCgp−39(263−275)に反応し得るT細胞の寛容化はRA患者に
とって有益であり得る。本発明は、免疫応答を誘導するその能力において、そし
てその寛容化能において優れている、HCgp−39(263−275)配列に
基づく修飾ペプチド誘導体を規定している。
【0014】 驚くべきことに、HCgp−39(263−275)に基づく特定のペプチド
修飾が、HCgp−39(263−275)ペプチドに特異的な1組のT細胞ハ
イブリドーマに対してアゴニスト的であり、そして263−275エピトープ配
列を含むペプチドで刺激された後で作製された2つのヒトT細胞クローンの刺激
に優れていることが見出された。さらに、これらの修飾ペプチドは、インビボで
優れた寛容化能を示した。
【0015】 従って、本発明の1つの局面により、H−Arg−Ser−Phe−Thr−
Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−GIy−
OH(式I;配列番号1)に由来し、一般式Q−A1−A2−A3−A4−A5
−A6−A7−A8−A9−A10−A11−A12−A13−Z(式II)を
有する修飾されたペプチドが提供される。一般式IIにおいて、A1〜A13は
式Iのアミノ酸に一致し、QはHに一致し、かつZはOHに一致する。本発明に
よる修飾は、 a)非天然アミノ酸またはβアミノ酸によるA1〜A13における1個〜6個
(好ましくは1個〜4個)のアミノ酸の置換 b)還元型アミド結合またはエチレン等電子配置体による1つまたは複数のア
ミド結合の置換 c)Qおよび/またはZにおける置換 からなる群から選択される。これらの群の1つまたは複数から選択され得る修飾
の数は1〜6である。さらに、これらのアミノ酸は他の天然アミノ酸によって置
換され得るが、置換の総数は6の数を超えない。
【0016】 式I(HCgp−39(263−275))に基づく修飾ペプチドは、エキソ
ペプチダーゼにより触媒される加水分解を低下させるC末端修飾および/または
N末端修飾によって安定化され得る。そのような修飾には、N末端のアシル化(
例えば、アシル化=Ac−ペプチド)、C末端へのアミド導入(例えば、ペプチ
ド−NH)、アシル化およびアミド導入の組合せ(例えば、Ac−ペプチド−
NH)、そして、例えば、L−アミノ酸の代わりにD−アミノ酸の導入が含ま
れ得る。他の修飾は、エンドペプチダーゼによる加水分解の防止に集中している
【0017】
【表1】
【0018】 これらの修飾の例には、L−アミノ酸の代わりにD−アミノ酸の導入、修飾ア
ミノ酸、ペプチド内での環化、修飾型ペプチド結合(例えば、還元型ペプチド結
合Ψ[CHHN]の導入)およびペプトイド(N−アルキル化グリシン誘導体
)が挙げられる。
【0019】 他のペプチドアナログは式Iまたは一般式IIのペプチドに関連し得るが、従
来の−NH−C(O)−ペプチド結合の代わりに、表1に示される結合またはそ
の任意の組合せが、個々の−NH−C(O)−結合の代わりに使用され得る。N
末端のアミノ基が除かれている場合(例えば、式IIにおいてA1=デスアミノ
アルギニンである場合)、式IIのQは、原子が存在しないことに対応する。
【0020】 本発明による好ましいペプチドは、Qが、H、(C1〜6)アルキル、ホルミ
ル、(C1〜6)アルキルカルボニル、カルボキシ(C1〜6)アルキル、(C 1〜6 )アルキルオキシカルボニル、(C2〜6)アルケニルオキシカルボニル
、(C6〜14)アリール(C1〜6)アルキル;(C6〜14)アリール(C 1〜4 )アルキルオキシカルボニル、CH(OCHCH−OCH
C(O)−(式中、nは1〜10である)、HOCH−(CHOH)−CH −(式中、mは3〜4である);1−メチル−ピリジニウム−3−カルボニル
、1−メチル−ピリジニウム−4−カルボニルまたはLysであるか、あるいは
A1がHN−C(=NH)NH−(CH−C(O)−(式中、nは2〜
5である)である場合、Qは存在せず; ZがOR(式中、Rは、H、(C1〜6)アルキル、(C2〜6)アルケニル、
(C6〜14)アリール(C1〜4)アルキル、(C6〜14)(C4〜13
ヘテロアリール(C1〜6)アルキルまたはNR(式中、RおよびR は独立して、H、(C1〜6)アルキルまたは(C6〜14)アリール(C1〜 )アルキルから選択される)である)であり; そして場合により、QおよびZは、A1位および/またはA13位の隣りに位置
する合計で10個までのアミノ酸をさらに含むペプチドである。A1〜A13に
おける1つまたは複数の他の天然アミノ酸による置換は、好ましくは4つ以下の
位置において行われ、より好ましくは2つ以下の位置において行われる。
【0021】 本発明によるペプチドでは、一般式IIにおける下記の置換が好ましい: Qは、H、(C1〜6)アルキル、ホルミル、(C1〜6)アルキルカルボニル
、カルボキシ(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキルオキシカルボニル、
(C2〜6)アルケニルオキシカルボニル、(C6〜14)アリール(C1〜6 )アルキル;(C6〜14)アリール(C1〜4)アルキルオキシカルボニル、
CH(OCHCH−OCH−C(O)−(式中、nは1〜10であ
る)、HOCH−(CHOH)−CH−(式中、mは3〜4である);1
−メチル−ピリジニウム−3−カルボニル、1−メチル−ピリジニウム−4−カ
ルボニルまたはLysであるか、あるいはA1がHN−C(=NH)NH−(
CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)である場合、Qは存在しな
い。より好ましくは、Qが、H、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキル
カルボニル、カルボキシ(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキルオキシカ
ルボニル、CH(OCHCH−OCH−C(O)−(式中、nは1
〜10である)、HOCH−(CHOH)−CH−(式中、mは3〜4で
ある);1−メチル−ピリジニウム−3−カルボニル、1−メチル−ピリジニウ
ム−4−カルボニルまたはLysであるか、あるいはA1がHN−C(=NH
)NH−(CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)である場合、Q
が存在しない修飾である。さらにより好ましくは、Qが、H、メチル;アセチル
;カルボキシメチレン、メトキシカルボニル;CH(OCHCH−O
CH−C(O)−、D−1−グルシチル、1−メチル−ピリジニウム−3−カ
ルボニルまたは1−メチル−ピリジニウム−4−カルボニルであるか、あるいは
A1がHN−C(=NH)NH−(CH−C(O)−である場合、Qが
存在しないペプチドである。
【0022】 A1は、L−Arg、D−Arg、L−Lys、D−Lys、L−Ala、D
−Ala、HN−C(=NH)NH−(CH−C(O)−(式中、nは
2〜5である)、HN−(CH−C(O)−(式中、nは2〜7である
)、(R)−{−NH−CH[(CH−NH−C(=NH)−NH]−
CH−C(O)−}(式中、nは2〜5である)、または(S)−{−NH−
CH[(CH−NH−C(=NH)−NH]−CH−C(O)−}(
式中、nは2〜5である)、または−N[(CH−NH−C(=NH)−
NH]CHC(O)−(式中、nは2〜5である)である。好ましくは、A
1は、L−Arg、D−Arg、L−Ala、HN−C(=NH)NH−(C
−C(O)−(式中、nは2〜5である)、HN−(CH−C
(O)−(式中、nは2〜7である)、または(S)−{−NH−CH[(CH −NH−C(=NH)−NH]−CH−C(O)−}(式中、nは2
〜5である)、または−N[(CH−NH−C(=NH)−NH]CH C(O)−(式中、nは2〜5である)である。より好ましくは、A1は、L
−Arg、D−Arg、L−Ala、HN−C(=NH)NH−(CH −C(O)−、HN−(CH−C(O)−(式中、nは5〜7である)
、(S)−{−NH−CH[(CH−NH−C(=NH)−NH]−C
−C(O)−}、または−N[(CH−NH−C(=NH)−NH ]CHC(O)−である。
【0023】 A2は、L−Ser、D−Ser、L−hSer、D−hSer、L−Thr
、D−Thr、L−Ala、D−Ala、Gly、または−N[(CH
OH]−CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)である。好ましくは、
A2は、L−Ser、L−Ala、D−Ala、Gly、または−N[(CH−OH]−CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)である。より好
ましくは、A2は、L−Ser、L−Ala、または−N[(CHOH]
−CH−C(O)−である。
【0024】 A3は、L−Phe、D−Phe、L−Phe(X)、D−Phe(X)(式
中、Xは独立して、1つまたは複数の(C1〜4)アルキル、ヒドロキシ、ハロ
、(C1〜6)アルキルカルボニルアミノ、アミノまたはニトロから選択される
)、L−Hfe、D−Hfe、L−Thi、D−Thi、L−Cha、D−Ch
a、L−Pal(3)、D−Pal(3)、L−1−Nal、D−1−Nal、
L−2−Nal、D−2−Nal、L−Ser(Bzl)、D−Ser(Bzl
)、(R)−{−NH−CH(CH−アリール)−CH−}または(S)−
{−NH−CH(CH−アリール)−CH−}または(R)−{−NH−C
H(CH−アリール)−CH−}または(S)−{−NH−CH(CH
アリール)−CH−}である。好ましくは、A3は、L−Phe、D−Phe
、L−Phe(X)またはD−Phe(X)(式中、Xは、ハロまたはニトロで
ある)、L−Hfe、L−Thi、L−Cha、L−Pal(3)、L−1−N
al、L−2−Nal、L−Ser(Bzl)、または(S)−{−NH−CH
(CH−アリール)−CH−}である。より好ましくは、A3は、L−Ph
e、D−Phe、L−Phe(X)(式中、Xはハロまたはニトロである)、L
−Hfe、L−Thi、L−Cha、L−Pal(3)、L−1−Nal、L−
2−Nal、またはL−Ser(Bzl)である。
【0025】 A4は、L−Thr、D−Thr−L−Ser−、D−Ser、L−hSer
、D−hSer、L−Ala、D−AlaまたはGlyである、好ましくは、A
4はL−ThrまたはL−Alaである。
【0026】 A5は、L−Leu、D−Leu、L−Ile、D−Ile、L−Val、D
−Val−、L−Nva、D−Nva、L−Ala、D−Ala、Gly、(R
)−{−NH−CH(CH−CH(CH)−CH−}、または(S)
−{−NH−CH(CH−CH(CH)−}である。好ましくは、A5
は、L−Leu、L−Ala、または(S)−{−NH−CH(CH−CH(
CH)−}である。
【0027】 A6は、L−Ala、D−AlaまたはGlyである。好ましくは、A6はL
−AlaまたはGlyである。
【0028】 A7は、L−Ser、D−Ser、L−hSer、D−hSer、L−Thr
、D−Thr、L−Ala、D−AlaまたはGlyである。好ましくは、A7
はL−SerまたはL−Alaである。
【0029】 A8は、L−Ser、D−Ser、L−hSer、D−hSer、L−Thr
、D−Thr、L−Ala、D−AlaまたはGlyである。好ましくは、A8
はL−SerまたはL−Alaである。
【0030】 A9は、L−Glu、D−Glu、L−Asp、D−Asp、L−Ala、D
−AlaまたはGlyである。好ましくは、A9はL−GluまたはL−Ala
である。
【0031】 A10は、L−Thr、D−Thr、L−Ser、D−Ser、L−hSer
、D−hSer、L−Ala、D−AlaまたはGlyである。好ましくは、A
10はL−ThrまたはL−Alaである。
【0032】 A11は、Gly、L−Ala、D−Alaまたは−NH−CH−CH
である。好ましくは、A11は、Gly、L−Alaまたは−NH−CH−C
−である。
【0033】 A12は、L−Val、D−Val、L−Nva、D−Nva、L−Leu、
D−Leu、L−Ile、D−Ile、(R)−{−NH−CH[CH(CH]−CH−}、(S)−{−NH−CH(CH(CH)−CH
}、(R)−{−NH−CH[CHCHCH]−CH−}、(S)−{
−NH−CH[CHCHCH]−CH−}、(R)−{−NH−CH[
CHCH(CH]−CH−)、(S)−{−NH−CH[CHCH
(CH]−CH−}、(RR)−{−NH−CH[CH(CH(CH )−CHCH]−CH−}、(RS)−{−NH−CH[CH(CH
(CH)−CHCH]−CH−}、(SR)−{−NH−CH[CH (CH(CH)−CHCH]−CH−、または(SS)−{−NH−C
H[CH(CH(CH)−CHCH]−CH−}である。好ましくは
、A12はL−Valまたは(S)−{−NH−CH[CH(CH]−C
−}である。
【0034】 A13は、Gly、L−AlaまたはD−Alaである。好ましくは、A13
はGlyまたはL−Alaである。
【0035】 さらに、本発明によるペプチドにおいて、ZはOR(式中、Rは、H、(C 〜6 )アルキル、(C2〜6)アルケニル、(C6〜14)アリール(C1〜4 )アルキル、(C4〜13)ヘテロアリール(C1〜6)アルキルまたはNR(式中、RおよびRは独立して、H、(C1〜6)アルキルまたは(C 6〜14 )アリール(C1〜6)アルキルから選択される)である)である。好
ましくは、ZはOR(式中、RはHまたはNR(式中、RおよびR
独立して、Hまたは(C1〜6)アルキルから選択される)である)である。よ
り好ましくは、Zは、OH、NHまたはNHEtである。
【0036】 本発明によるペプチドは、場合により、N末端およびC末端において、すなわ
ち、A1および/またはA13の隣りに数個のアミノ酸を伸長させることができ
る。好ましくは、本発明によるペプチドは、10個までのアミノ酸を伸長させる
ことができる。従って、QおよびZは、A1位および/またはA13位の隣りに
位置する合計で10個までのアミノ酸をさらに含むことができる。
【0037】 これらのペプチドは、いくつかの位置において一般式Iとは異なり得るが、好
ましくは1個〜4個の位置で修飾され、より好ましくは2個〜3個の位置で修飾
される。
【0038】 本明細書中で使用されている用語(C1〜6)アルキルは、1個〜6個の炭素
原子を有する分枝状または非分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルお
よびヘキシルを意味する。1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基が最も好ま
しい。
【0039】 用語(C1〜4)アルキルは、1個〜4個の炭素原子を有する分枝状または非
分枝状のアルキル基を意味する。
【0040】 用語(C2〜6)アルケニルは、エテニル、2−ブテニルなどの、2個〜6個
の炭素原子を有する分枝状または非分枝状のアルケニル基を意味する。(C1〜 )アルケニル基が好ましく、(C1〜3)アルケニル基が最も好ましい。
【0041】 用語(C1〜6)アルキルカルボニルは、カルボニル基に結合した、1個〜6
個の炭素原子を有する分枝状または非分枝状のアルキル基を意味し、例えば、ア
セチル基を意味する。1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基が最も好ましい
【0042】 用語カルボキシ(C1〜6)アルキルは、1個〜6個の炭素原子を有する分枝
状または非分枝状のアルキル基に結合したカルボキシ基を意味する。1個〜4個
の炭素原子を有するアルキル基が最も好ましい。
【0043】 用語(C1〜6)アルキルオキシカルボニルは、オキシカルボニル基に結合し
た分枝状または非分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メトキシカルボニル−
基またはtert−ブチルオキシカルボニル−(Boc−)基を意味する。1個
〜4個の炭素原子を有するアルキル基が最も好ましい。
【0044】 用語(C2〜6)アルケニルオキシカルボニルは、オキシカルボニル基に結合
した、前記に定義されているように2個〜6個の炭素原子を有する分枝状または
非分枝状のアルケニル基を意味し、例えば、アリルオキシカルボニル基を意味す
る。(C1〜4)アルケニル基が好ましく、(C1〜3)アルケニル基が最も好
ましい。
【0045】 用語(C1〜6)(ジ)アルキルアミノは、1個〜6個の炭素原子を有し、す
なわち、前記に定義されているのと同じ意味を有するアルキル成分を有する(ジ
)アルキルアミノ基を意味する。1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好
ましい。
【0046】 用語アミノ(C1〜6)アシルは、アミノ基で官能基化されている、1個〜6
個の炭素原子を有するアシル基を意味する。1個〜4個の炭素原子を有するアシ
ル基が好ましい。
【0047】 用語(C6〜14)アリールは、6個〜14個の炭素原子を有する芳香族炭化
水素基を意味し、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ((
1〜6)アシル)または(ジ)(C1〜6)アルキルアミノ、前記に定義され
ているのと同じ意味を有するアシル成分およびアルキル成分などの1つまたは複
数の置換基によりオルト位および/またはメタ位が場合により置換され得るフェ
ニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、アントラシルなどを意味
する。(C6〜10)アリール基が好ましく、フェニルが最も好ましい。
【0048】 用語(C4〜13)ヘテロアリール(C1〜6)アルキルは、4個〜13個の
炭素原子(好ましくは、4個〜9個の炭素原子)を有し、N、Oおよび/または
Sから選択される1個のヘテロ原子を少なくとも含み、1個〜6個の炭素原子を
有する分枝状または非分枝状のアルキル基に結合した置換芳香族または非置換芳
香族基を意味する。ヘテロアリール基上の置換基は、アリール基について示され
た置換基の群から選択され得る。窒素を含有するヘテロアリール基は、炭素原子
または窒素原子のいずれかを介してアルキル基に結合し得る。アルキル基の中で
、1個〜4個の炭素原子を含有する基が好ましい。
【0049】 用語(C1〜6)アルキル(C6〜14)アリールは、前記に定義されたアリ
ール基に結合した、前記に定義された分枝状または非分枝状のアルキル基を意味
する。(C6〜10)アリール基が好ましく、フェニルが最も好ましい。アルキ
ル基の中で、1個〜4個の炭素原子を含有する基が好ましい。
【0050】 用語(C6〜14)アリール(C1〜6)アルキルは、アルキル基が、前記に
定義された(C1〜6)アルキル基であり、かつアリール基が、前記に定義され
た(C6〜14)アリールであるアリールアルキル基を意味し、例えば、ベンジ
ル−(Bzl)基またはトリフェニルメチル−(Trt)基を意味する。(C 〜10 )アリール基が好ましく、フェニルが最も好ましい。アルキル基の中で、
1個〜4個の炭素原子を含有する基が好ましい。
【0051】 用語(C1〜6)アルキルカルボニルアミノは、そのアルキル基が1個〜6個
の炭素原子を有し、かつ前記に定義されているのと同じ意味を有するアルキルカ
ルボニルアミノ基を意味する。1個〜4個の炭素原子を含有するアルキル基が好
ましい。
【0052】 用語(C6〜14)アリール(C1〜4)アルキルオキシカルボニルは、アル
キル基が(C1〜4)アルキル基であり、かつアリール基が前記のように定義さ
れる、アルキルオキシカルボニル基に結合した(C6〜14)アリール基を意味
し、例えば、ベンジルオキシカルボニル−(Z)基またはフルオレニルメトキシ
カルボニル−(Fmoc)基を意味する。(C6〜10)アリール基が好ましく
、フェニルが最も好ましい。
【0053】 用語ハロは、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0054】 天然に存在するアミノ酸は、下記のその略号(3文字コード)を使用して示さ
れる:アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、
アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グ
ルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、セリン(
Ser)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リシン(Lys)、
メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、ト
レオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)およびバ
リン(Val)。これらのすべてのアミノ酸の立体化学はL−として定義される
【0055】 非天然アミノ酸は、天然アミノ酸の化学構造と同一でない化学構造を有する、
場合によりNα置換されたα−アミノ酸である。非天然アミノ酸としては、例え
ば、Phe(X)(Xは、Pheのフェニル環のパラ位に存在する置換基である
)、hSer(2−アミノ−4−ヒドロキシブタン酸)、ノルロイシン(Nle
、2−アミノヘキサン酸)、ノルバリン(Nva、2−アミノペンタン酸)、L
−Hfe(L−α−ホモフェニルアラニン)、D−Hfe(D−α−ホモフェニ
ルアラニン)、L−Thi(β−チエニル−L−アラニン)、D−Thi(β−
チエニル−D−アラニン)、L−Cha(β−シクロヘキシル−L−アラニン)
、D−Cha(β−シクロヘキシル−D−アラニン)、L−Pal(3)(β−
3−ピリジル−L−アラニン)、D−Pal(3)(β−3−ピリジル−D−ア
ラニン)、L−1−Nal(β−1−ナフチル−L−アラニン)、D−1−Na
l(β−1−ナフチル−D−アラニン)、L−2−Nal(β−2−ナフチル−
L−アラニン)、D−2−Nal(β−2−ナフチル−D−アラニン)、L−S
er(Bzl)(O−ベンジル−L−セリン)、D−Ser(Bzl)(O−ベ
ンジル−D−セリン)、ならびにNVal(N−イソプロピルグリシン)、NA
rg(N−(3−グアニジノプロピル)グリシン)およびNhSer(N−(2
−ヒドロキシエチル)グリシン)などのN−アルキルグリシン誘導体が挙げられ
る。この群のアミノ酸には、その立体化学がD−として定義される天然に存在す
るアミノ酸もまた含まれる。
【0056】 還元型アミド結合を含むペプチドにおいては、アミノ酸の元のカルボニル基が
メチレン基によって置換されていることを理解しなければならない。エチレン等
電子配置体を含むペプチドにおいては、元のカルボキサミソ官能基(−C(O)
−NR−)はエチレン基(−CH=CR−)によって置換されている。
【0057】 配列内の2つのアミノ酸残基の間における用語Ψ[CHNH]は、それらの
アミノ酸残基間の元のアミド結合(−C(O)−NH−)が還元型アミド結合(
−CHNH−)によって置換されていることを意味する。
【0058】 式Iに示されるアミノ酸のいくつかは、一般式2における対応する位置におい
て固定されることが好ましい。従って、本発明の好ましい実施形態は、一般式Q
−A1−A2−A3−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Th
r−A11−A12−Gly−Z(式III)(式中、Q、A1、A2、A3、
A11、A12およびZは前記に定義されている通りである)を有する修飾され
たペプチドである。一般式IIIにおける最も好ましい置換は、A1については
、L−Arg、D−Arg、HN−C(=NH)NH−(CH−C(O
)−、HN−(CH−C(O)−(式中、nは5〜7である)であり、
A2については、L−Serまたは−N[(CH−OH]−CH−C(
O)−であり、A3については、L−Phe、L−Phe(X)(式中、Xはハ
ロである)、L−1−Nal、L−2−Nal、L−Ser(Bzl)、L−T
hi、L−ChaまたはL−Pal(3)である。
【0059】 より好ましいものは、一般式IV:Q−Arg−A2−Phe−Thr−Le
u−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−A12−Gly−Z(
式中、Q、A2、A12およびZは前記に定義されている通りである)をもたら
す、A1がArgであり、A3がPheであり、そしてA11がGlyである一
般式IIIによるペプチドである。
【0060】 最も好ましいペプチドは、デスアミノアルギニニル−Ser−Phe−Thr
−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly
−NH、デスアミノアルギニニル−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala
−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、CH
(OCHCH−OCH−C(O)−Arg−Ser−Phe−Thr
−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly
−NH、D−1−グルシチル−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−A
la−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、CH O−C(O)−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−
Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、Ac−Arg−Se
r−Phe−Ψ−[CHNH]−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−
Glu−Thr−Gly−Val−Gly−NH、Ac−Arg−Ser−P
he−Thr−Leu−Ψ−[CHNH]−Ala−Ser−Ser−Glu
−Thr−Gly−Val−Gly−NH、Ac−Arg−Ser−Phe−
Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−
Ψ−[CHNH]−Gly−NH、Ac−Arg−N[(CH−OH
]−CH−C(O)−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−G
lu−Thr−Gly−Val−Gly−NH、Ac−Arg−N[(CH−OH]−CH−C(O)−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−
Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ−[CHNH]−Gly−NH 、H−Arg−Ser−Phe(Cl)−Thr−Leu−Ala−Ser−
Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、HN−(CH −C(O)−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−G
lu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、HN−(CH−C(O
)−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Th
r−Gly−Val−Gly−OH、(N−メチル−ニコチノイル)−Arg
−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr
−Gly−Val−Gly−OHを含む群から選択される。
【0061】 N末端の修飾を有する修飾されたHCgp39(263−275)ペプチドを
合成するための好適な方法論は、式Vに示されているように式VIの誘導体を用
いて開始される。修飾されたペプチドは、一般に使用されている固相ペプチド合
成(SPPS)法(B.Merrifield、固相ペプチド合成、Pepti
des、1995、93〜169、編者:B.Gutte、Academic、
San Diego、California、米国;P.Lloyd−Will
iams、F.Albericio、E.Giralt、Tetrahedro
n、49:11065〜11133、1993)によって合成される。使用され
るリンカータイプに依存して、ペプチド鎖が、エステル結合(PACリンカー)
またはアミド結合(PALリンカー)のいずれかを介して支持体に結合される。
【0062】
【化1】
【0063】 Fmoc−C末端アミノ酸の固体支持体への固定(m=1、A−B=Fmoc
)を、例えば、カップリング剤のHATU(L.Carpino、A.El−F
aham、C.A.Minor、F.Albericio、J.Chem.So
c.Chem.Comm.201〜203、1994)またはPyBOP(J.
Costa、D.Le−Nguyen、B.Castro、Tetrahedr
on Lett.31:205〜208、1990)およびDiPEAを使用し
て行った後、鎖は、自動化されたペプチド合成機を使用して、適切に保護された
Fmoc−アミノ酸誘導体との連続的なアシル化、その後のピペリジン媒介によ
るFmoc保護基の除去(A−B=H)によって伸長される(m=2〜12)。
あるいは、ペンタフルオロフェニル(Pfp)アミノ酸活性エステル(A.Dr
yland、R.C.Sheppard、Tetrahedron、44:85
9〜876、1998)を使用して、縮合を行うことができる。続いて、N末端
のアミノ酸Bが、同じプロトコルを使用して導入され、そしてFmoc基が除か
れる。このようにして得られた13量体ペプチド誘導体(A=H、B=N−末端
アミノ酸、m=12)は、その後、N末端の官能基化を容易に行うことができる
。N末端におけるさらなるアミド結合の導入(A=アルキルカルボニル)を、所
望する酸(X−OH)との別のHATU媒介縮合またはPyBOP媒介縮合を行
うことによって、あるいはピリジン存在下でアシル塩化物(X−Cl)とカップ
リングすることによって達成することができる。荷電を有する1−メチルピリジ
ウム−4−カルボニルユニットまたは1−メチルピリジウム−3−カルボニルユ
ニットは、樹脂からの切断(下記参照)を行った後(すなわち、式V、A=H、
B=N末端アミノ酸、Z=OR(ただし、R=H、アルキル)またはZ=NR(ただし、R、R=Hまたはアルキル))、完全に脱保護されたペプチ
ドの自由なN末端とN−メチル(イソ)ニコチニウムヒドロキシスクシンイミド
活性エステルとの水性媒体中におけるDiPEA媒介反応(M.L.Tedja
mulia、P.C.Srivastava、F.F.Knapp、J.Med
.Chem.、28:1574〜1580、1985)によって導入することが
できる(式VにおけるA=HからA=N−メチル(イソ)ニコチニウムへの変換
を参照のこと)。
【0064】 N−アルキル化を、DMF/HOAc(99/1、v/v)中におけるNaB
H(OAc)の存在下、固定化ペプチドを適切なアルデヒドで処理することに
よる還元的アミン化によって行うことができる(式VI、A=HからA=アルキ
ルへの変換)。あるいは、DiPEAの存在下で固定化ペプチド(A=H)をハ
ロゲン化アルキルと反応することによってもまた、N−アルキル化ペプチドが得
られる(例えば、ブロモ酢酸tert−ブチルとの反応)。自由なNH(式V
IにおいてA=H)はまた、CHCl/DiPEA中における対応する塩化
カルバモイルとの反応によってカルバモイル基(例えば、メトキシカルバモイル
)で官能基化することができる(式VIにおけるA=HからA=アルコキシカル
ボニルへの変換)。TFA/Et3SiH/アニソール/ROH(R=H、アル
キル)を使用して、酸に不安定な保護基を同時に除きながらペプチドを固体支持
体から切断した後、一般式V(Z=OR)を有するペプチドはRP−HPLCに
よって精製される。あるいは、C末端には、樹脂からの切断中にアミド官能基(
Z=NR、式中、RおよびR=Hまたはアルキル)を取り付けること
ができる。その場合、異なるリンカー(PAL:B.Merrifield、P
eptides、93〜169、1995)がペプチド鎖(式VI)とPEG−
PS固体支持体との間に使用される。PALリンカーの自由なアミノ基がアルキ
ル化され、その後に最初の(C末端)アミノ酸を結合させる場合、ポリマー支持
体から切断された後に、C末端のアルキルアミドが形成される。
【0065】 同じFmoc−SPPS法を使用して、非天然型であるが、市販のアミノ酸(
例えば、D−アミノ酸または置換されたフェニルアラニン誘導体)を含有するペ
プチドを得ることができる。これとは別に、N−アルキルグリシン誘導体(ペプ
トイドモノマー、式Vおよび式VIにおいて、R =アミノ酸側鎖、R
H)が、文献の手順(J.A.Kruijtzer、L.J.F.Hofmey
er、W.Heerma、C.Versluis、R.M.J.Liskamp
、Chem.Eur.J.4:1570〜1580、1998)を使用して溶液
で最初に合成される。修飾されたN末端アミノ酸のβ−ホモ−L−アルギニン[
B=NH−CH(CHCHCHNH−CH(=NH)NH)−CH
C(O)]もまた、知られている手順(H.M.M.Bastiaans、A.
E.Alewijnse、J.L.van der Baan、H.C.J.O
ttenheijm、Tetrahedron Lett.35:7659〜7
660、1994)に従って、SPPSに先立って溶液で調製された。このよう
にして得られたモノマーアミノ酸における自由なNH基をFmoc保護基で保
護した後、SPPSプロトコルを使用して、これらの化合物を伸長中のペプチド
(式VI)に取り込むことができる。
【0066】 修飾されたペプチドの最後の種類には、1つまたは複数の還元型アミド結合(
式VにおいてR =H)を含有するペプチドが含まれる。このような誘導体
は、改変されたSPPSプロトコルによって得ることができる(J.J.Wen
、A.R.Spatola、J.Pet.Res.、49:3〜14、1997
)。この場合、成長中の鎖(式VIにおいて1<m<12)の自由なN末端アミ
ノ酸は、還元的条件(NaBHCN、DMF/HOAc、99/1、v/v)
のもと、取り込まれるアミノ酸アルデヒドを用いてアルキル化される。必要なN
−Fmoc保護アミノ酸アルデヒドは市販されているか、または文献の方法(J
.J.Wen、C.M.Crews、Tetrahedron:Asymmet
ry、9:1855〜1858、1998)によって得ることができる。このよ
うにして伸長された鎖(A−B=Fmoc、R =H、R =アミノ酸側鎖
、R =H)は、続いてBoc基で保護される二級アミノ官能基(Rn+1 =H)を含有する。Fmoc保護基を除いた後、ペプチド鎖は、SPPSプロ
トコルを使用してさらに伸長させることができる。
【0067】
【化2】
【0068】 あるいは、一般式VIIを有するダイマー構造を、SPPSに先立って溶液で
合成することができる。従って、適切なアミノ酸ベンジルエステル(HN−C
H(Rn+1 )−COBzl)が、ダイマー状の二級アミンを得るために、
Fmocで保護されたアミノ酸アルデヒド(Fmoc−NH−CH(R )−
C(O)H)を用いて還元的にアルキル化される(NaBHCN、DMF/H
OAc、99/1、v/v)。Boc基によるアミノ基の保護(Rn+1 =B
oc)およびその後のベンジルエステルの水素化分解を行った後に、式VIIの
化合物が得られる。これは、SPPSプロトコルを使用して成長中の鎖に取り込
むことができる。
【0069】 本発明によるペプチドは、治療物質として使用することができる。より詳細に
は、本発明によるペプチドは、自己免疫疾患障害(より詳細には関節炎)に罹患
している患者における自己抗原に対する特異的なT細胞の寛容性を誘導させるた
めに使用することができる。
【0070】 増強されたインビトロでの刺激活性および増強されたインビボでの活性を有す
る、MHCクラスII拘束されるT細胞のエピトープ構造に基づく修飾されたペ
プチドを、知られている技術を使用して選択することができる。
【0071】 所与のT細胞エピトープのアゴニスト的性質を維持するためには、関連するM
HC分子への結合に関与している残基との競合をあまり大きくさせないか、また
は関連するT細胞のTCRとの関わりに関与する残基に対する影響をあまり大き
くさせないことが不可欠であると考えられる。従って、アゴニスト的な修飾ペプ
チドの選択には、下記が伴う: 1)関連するMHC分子に結合することに対する修飾ペプチドの親和性を明ら
かにし、野性型の非修飾ペプチドのエピトープの親和性と比較すること 2)修飾ペプチドの刺激活性を明らかにし、そしてインビトロアッセイ(ペプ
チド抗原および特異的T細胞と同時にインキュベーションされた放射線照射の抗
原提示細胞)を使用して野性型の非修飾ペプチドの活性と比較すること。好まし
くは、種々のTCRクローンタイプを有するが、同じMHCクラスII分子に関
連して同じエピトープと反応し得る、エピトープ特異的な、MHCクラスII拘
束されるT細胞の広範囲のパネルが評価されるはずである。この目的のために、
特異的なT細胞ハイブリドーマまたは特異的なT細胞株/クローンのパネルを用
いることができる。ヒトに適用される修飾されたエピトープの選択には、ヒトT
細胞の認識に関して選択された修飾エピトープの関連性を保護するヒトT細胞株
/クローンを使用することが好ましくは必要である。
【0072】 3)(必要な場合には)インビボでの修飾ペプチドの活性を明らかにすること
。この目的のために、種々の実験機構を使用することができる。
【0073】 a)遅延型過敏性試験 b)インビボで抗原を(アジュバントの存在下または非存在下で)投与した後
のエクスビボでのT細胞活性化アッセイ c)修飾ペプチド抗原を投与することによる自己免疫疾患の実験モデルにおけ
る疾患の調節 好ましくは、野性型ペプチドと比較して、増強したインビトロでのアゴニスト活
性を有するか、または増強したインビボ作用を有する化合物が選択され得る。
【0074】 マウスにおいて認識されつつある個々のHCgp−39由来ペプチドは、鼻腔
処置後にこれらのペプチドに対する活性を下方調節(downmodulate
)することが予想される。そのような活性は、問題としているペプチドを動物に
抗原接種して、DTH応答の結果としての脚の腫れを定量することによって測定
することができる。Balb/cマウスにおけるペプチドでの免疫化により、H
Cgp−39ペプチド263−275に対する免疫学的応答がもたらされる。従
って、HCgp−39で免疫化されたマウスは、DTH応答を検出するために、
HCgp−39 263−275を抗原接種することができる。インビボでの修
飾ペプチドの寛容原性を明らかにするために、マウスは、様々な濃度のHCgp
−39 263−275またはペプチド誘導体を用いて鼻穴から処置することが
できる。寛容性の誘導に関して優れたプロフィルを有する修飾されたペプチド誘
導体は、元のペプチドよりも低い濃度でこのインビボアッセイにおいて活性であ
ることが予想される。天然ペプチド対修飾ペプチド誘導体に関して寛容性誘導の
効果を定量的に検出できるようにするために、様々な適用スキームおよび投薬量
を試験することができる。最後に、HCgp−39 263−275の様々な修
飾された形態が、HCgp−39 263−275により誘導されるDTH応答
をこのモデルで下方調節させることにおいて、天然の263−275ペプチドよ
りも効果的であるかどうかを調べることができる。
【0075】 寛容性は、高用量または低用量の寛容原または本発明によるペプチドを投与す
ることによって獲得され得る。寛容原またはペプチドの量は、投与経路、投与時
期、患者の年齢、ならびに全身的な健康状態および食事に依存する。
【0076】 一般には、体重1kgあたり、0.01μg〜1000μgのペプチドまたは
タンパク質(好ましくは0.05μg〜500μg、より好ましくは0.1μg
〜100μgのペプチドまたはタンパク質)の投薬量が使用され得る。
【0077】 本発明の別の局面は、1つまたは2つ以上の本発明によるペプチドと、薬学的
に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物にある。
【0078】 薬学的に受容可能なキャリアは、当業者には十分に知られており、例えば、滅
菌された生理食塩水、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストリン
、寒天、ペクチン、ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油および水を含む。他のキ
ャリアとして、例えば、必要な場合にはリポソームに包み込まれたMHCクラス
II分子を挙げることができる。
【0079】 さらに、本発明による薬学的組成物は、1つまたは2つ以上のアジュバントを
含むことができる。好適なアジュバントには、特に、水酸化アルミニウム、リン
酸アルミニウム、アンフィゲン、トコフェノール類、モノホスフェニルリピドA
、ムラミルジペプチド、およびキル(Quill)Aなどのサポニン類が含まれ
る。アジュバントの量は、アジュバント自体の性質に依存している。
【0080】 さらに、本発明による薬学的組成物は、例えば、ソルビトール、マンニトール
、デンプン、スクロース、デキストリンおよびグルコースを含む炭水化物、アル
ブミンまたはカゼインなどのタンパク質、ならびにリン酸アルカリなどの緩衝剤
などの安定化剤を1つまたは2つ以上含むことができる。
【0081】 好適な投与経路は、筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射または腹腔内注射、経
口投与および鼻内投与である。経口投与および鼻内投与が好ましい投与経路であ
る。特に、抗原に対して特異的なモジュレーター細胞を、粘膜(例えば、鼻粘膜
)を介して抗原を適用することによって生じさせることができる。抗原の粘膜投
与は、そのような抗原に対する免疫学的寛容性を誘導することが示されている。
【0082】 本発明によるペプチドはまた、関節軟骨の慢性的な炎症に関与する活性化され
た自己反応性T細胞の存在を検出するための診断方法における使用に非常に適し
ている。
【0083】 本発明による診断方法は下記の工程を含む: a)個体の血液サンプルから末梢血単核細胞(PBMC)を単離すること、 b)前記のPBMCを好適な条件のもとで培養すること、 c)前記のPBMC培養物を、自己抗原あるいは1つまたは2つ以上の本発明
によるその誘導されたペプチドの存在下でインキュベーションすること、および d)個体における活性化された自己反応性T細胞の存在を示す、T細胞の応答
(例えば、増殖応答)を検出すること。
【0084】 自己反応性T細胞の増殖応答を測定することによって応答を検出する場合、例
えば、3H−チミジンなどの放射性同位体の取り込みが増殖の尺度になる。PB
MCに存在する自己反応性T細胞の応答はまた、サイトカインに特異的なELI
SAを用いてサイトカインの放出を測定することによって、または51クロムの
放出による細胞毒性を測定することによって検出することができる。別の検出方
法は、FACS分析による活性化マーカーの発現、例えば、Il−2A発現の測
定である。従って、1つまたは2つ以上の本発明によるペプチドおよび好適な検
出剤を含む診断組成物は本発明の一部を形成する。検出タイプに依存して、検出
剤は、放射性同位体、酵素、あるいは細胞表面マーカーまたは活性化マーカーに
特異的な抗体であり得る。
【0085】 本発明の範囲には、1つまたは2つ以上の本発明によるペプチドを含む試験キ
ットもまた含まれる。このような試験キットは、本発明による診断方法における
使用に適している。
【0086】 従って、本発明により、HCgp−39に由来する修飾ペプチドは、自己免疫
疾患を下方調節するために使用することができる。
【0087】 下記の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明の範囲を限定するもの
として決して解釈してはならない。
【0088】 (図面の簡単な説明) 図1は、リードペプチド、または放射線照射された自己のPBMCをAPCと
して使用して選択された修飾ペプチドで刺激した後のクローン235の増殖を実
施例15に記載されているように測定した。ペプチドを、0μg/ml、0.4
μg/ml、2μg/ml、10μg/mlおよび50μg/mlの濃度でその
刺激活性について試験した。リードペプチドA−Arg−Ser−Phe−Th
r−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gl
y−OHによる刺激(黒丸)、Ac−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu
−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[CHNH
]−Gly−NHによる刺激(黒四角)、Ac−Arg−NhSer−Phe
−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val
−Gly−NHによる刺激(白丸)、またはAc−Arg−NhSer−Ph
e−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Va
l−Ψ[CHNH]−Gly−NHによる刺激(白四角)の後における23
5クローンの応答が示されている。
【0089】 表2:ハイブリドーマアッセイ(第1段階目の試験):+=化合物は、非修飾
の263−275ペプチドと匹敵するか、またはそれよりも優れた様式で3つの
すべてのハイブリドーマを刺激する。+=3つすべてではなく、1つまたは2
つのハイブリドーマについて明らかにされたアゴニスト活性。効力(アナログの
刺激活性/リードペプチド(例えば、HCgp−39(263−275))の刺
激活性)におけるヒトクローンの反応性(クローン235およびクローン243
の増殖)。−=0.6未満の効力、+=0.6〜12の効力、++=12よりも
大きく、100までの効力、+++=100よりも大きい効力。Ac−Arg−
NhSer−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Th
r−Gly−Val−Gly−NH、Ac−Arg−Ser−Phe−Thr
−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[C
NH]−Gly−NH、D−1−グルシチル−Arg−Ser−Phe−
Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−
Gly−OH、CH(OCHCH−OCHC(O)−Arg−Se
r−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gl
y−Val−Gly−NH、およびH−Arg−Ser−Phe(4Cl)−
Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−
Gly−OHを、HLA−DRB10401に結合するそれらの親和性につい
て試験して、リードペプチド(A−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−
Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH)の
親和性と比較した。最も活性な化合物(Ac−Arg−NhSer−Phe−T
hr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−G
ly−NHおよびAc−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−
Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[CHNH]−Gly
−NH)は、元のペプチドの親和性に匹敵し得るHLA−DRB10401
に対する相対的な結合親和性を示した。
【0090】 (実施例) 実施例1 H−Arg−Ser−Phe(4Cl)−Thr−Leu−Ala−Ser−
Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH(1) ミリポア社の9050PepSynthesizerの反応容器に0.5gの
Fmoc−Gly−PAC−PEG−PS(PerSeptive Biosy
stemsから購入可能、0.20mmol/g)樹脂を仕込み、N−メチルピ
ロリジノン(NMP)で事前に膨潤させた。各カップリングサイクルにおけるF
moc基の除去を、ピペリジン/DMF(1:4、v/v)を用いて行った。カ
ップリング効率を、各伸長工程の後、Fmoc切断の分光法的分析によって求め
た。各カップリング工程では、適切な、酸に不安定な側鎖保護Fmocアミノ酸
の4当量を使用した。合成機の二重シリンジモードを使用した。この場合、一方
のシリンジは0.50MのHATU/DMFp.a.を含有し、もう一方のシリ
ンジは1.0MのDIPEA/DMFp.a.を含有する。主洗浄液は、0.1
%HOBTを含むN−メチルピロリジノンを含有した。アナログ合成プロトコル
を使用した。最後のFmoc基を除いた後、固定化ペプチドを有する樹脂を反応
容器から取り出して、DMF(20mL)、CHCl(20mL)、ジエチ
ルエーテル(20mL)、CHCl(20mL)、ジエチルエーテル(20
mL)、CHCl(20mL)およびジエチルエーテル(20mL)で順次
洗浄した。固定化ペプチドを真空下で一晩乾燥した。その後、ペプチドを、10
mLのTFA/(iPr)SiH/アニソール/HO混合物(88/5/5
/2、v/v/v/v)を用いて3時間切り離し処理した。この工程において、
酸に不安定な側鎖保護基もまたすべて除かれた。溶媒を蒸発させた後、ペプチド
を200mLのジエチルエーテルで沈殿させた。エーテル層をデカンテーション
により除き、ペプチドをさらなる量(2x200mL)のエーテルで洗浄した。
その後、粗ペプチドを窒素流で乾燥して、凍結乾燥した。ペプチドの精製をPr
ePackカートリッジ40〜100nm Delta−PakTMC18(1
5μm、100A)逆相カラムでのHPLCクロマトグラフィーによって行った
。移動相は、下記の分析に示されているように、20%リン酸塩緩衝液(pH2
.1)と、アセトニトリルおよび水のグラジエントとの混合物からなった。ペプ
チドを、4‰酢酸水溶液を使用してHPLCで脱塩した。精製された生成物を凍
結乾燥した。 移動相: A:0.5mol/L NaHPO+HPO、pH=2
.1 B:HO C:CHCN/HO=3/2(v/v) グラジエント:A:20%、B:80%−>20%;C:0%−>60%、40
分間 収量:68mg;HPLC純度:90.1%;MS:MW=1346(これは
、分子式C5589ClN1621と一致する);アミノ酸分析:すべての
アミノ酸が必要な量で見出された;ペプチド含有量:74.8%;イオンクロマ
トグラフィー:リン酸塩:0.6%、酢酸塩:0.6%、塩化物:3.4%(w
/w)。
【0091】 実施例2 HN−(CH−C(O)−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala
−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH(2) このペプチドを、化合物1の合成(上記参照)において報告されているように
固相ペプチド化学を使用して合成した。この場合、市販のFmoc−アミノ酸ペ
ンタフルオロフェニル(Pfp)活性エステルを、自由なFmoc−アミノ酸お
よびHATU/DIPEAの代わりに使用した。この化合物は、文献の手順(A
.Marston、E.Hecker、Z.Naturforsch.B An
org.Chem.Org.Chem.、38:1015〜1021、1983
)と同様にして6−アミノヘキサン酸から得られた6−Fmoc−アミノヘキサ
ン酸をN末端アミノ酸として使用して調製された。支持体はFmoc−Gly−
PAC−PEG−PS(0.75g、0.170mmol/g)であり、3当量
の適切なPfpエステルを使用した。6−Fmoc−アミノヘキサン酸をカップ
リングさせるために、PyBOPをカップリング剤として加えた(199mg)
。標準的な手順(実施例1)で報告されているような処理により、168mgの
粗生成物が得られた。これをHPLCによって精製した(リン酸塩システムpH
=2.1、CHCN−HOグラジエント)。生成物を、5‰酢酸水溶液を使
用してHPLCで脱塩し、凍結乾燥して、34mgの目的とするペプチドが得ら
れた。
【0092】 HPLC純度:99.6%;MS:MW=1268(これは、分子式C55 891321と一致する);アミノ酸分析:すべてのアミノ酸が必要な量で
見出された;ペプチド含有量:67.3%;イオンクロマトグラフィー:リン酸
塩:10%(w/w)。
【0093】 実施例3 HN−(CH−C(O)−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala
−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH(3) ペプチド3を、7−Fmoc−アミノヘプタン酸(3a、化合物2aと同様に
して調製:A.Marston、E.Hecker、Z.Naturforsc
h.B Anorg.Chem.Org.Chem.、38:1015〜102
1、1983)をN末端アミノ酸として使用してそのN末端ホモログ2と同一の
様式で調製した。支持体はFmoc−Gly−PAC−PEG−PS(1.0g
、0.17mmol/g)であった。標準的な手順(実施例1)で報告されてい
るような処理、HPLC精製および脱塩により、45mgの目的とするペプチド
が得られた。
【0094】 HPLC純度:95.0%;MS:MW=1282(これは、分子式C56 911321と一致する);アミノ酸分析:すべてのアミノ酸が必要な量で
見出された;ペプチド含有量:87.4%;イオンクロマトグラフィー:酢酸塩
:0.2%(w/w)。
【0095】 実施例4 (N−メチルニコチノイル)−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−
Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH(4
) ペプチド4を調製する前に、出発物質のN−スクシンイミジル(1−メチル−
3−ピリジニオ)ホルマートヨージド(4a)を文献の手順(M.L.Tedj
amulia、P.C.Srivastava、F.F.Knapp;J.Me
d.Chem.28:1574〜1580、1985)によって合成した。化合
物4の合成を溶液で行った。実施例1によるSPPS法により調製されたペプチ
ドH−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−G
lu−Thr−Gly−Val−Gly−OH(4a、26mg、0.02mo
l)をDMF/HO(1/99、v/v、10mL)に溶解し、DIPEA/
DMF(1/1、v/v)を加えて、pH=9にした。その後、N−スクシンイ
ミジル(1−メチル−3−ピリジニオ)ホルマートヨージド(4a、0.056
g、0.15mol)を2回に分けて加えた。数滴のDIPEA/DMF(1/
1、v/v)を添加することによって、pHをpH=9で保った。混合物を室温
で4時間攪拌し、その後、10mLのHOおよび5mLのリン酸塩緩衝液(p
H=2.1)で希釈した。生成物を、前記(実施例1)に示されているように、
リン酸塩緩衝液システムを用いてHPLCによって直ちに精製した。5‰酢酸水
溶液による脱塩および凍結乾燥により、14mgの目的とするペプチド4が得ら
れた。
【0096】 HPLC純度:98.1%;MS:MW=1430;アミノ酸分析:すべての
アミノ酸が必要な量で見出された;ペプチド含有量:56.3%;イオンクロマ
トグラフィー:塩化物:1.4%、リン酸塩:1.0%、トリフルオロ酢酸塩:
0.8%、酢酸塩:0.3%(w/w)。
【0097】 実施例5 デスアミノアルギニニル−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser
−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH(5) ペプチド5を、Fmoc保護アミノ酸、HATU、DIPEAおよび1.0g
のFmoc−Gly−PAC−PEG−PS樹脂(支持負荷量0.17mmol
/g)を使用して、化合物1に関して前記に記載された手順に従って合成した。
最終工程において、デスアミノ−Arg(Adoc)−OH(5a)を固定化
ペプチド鎖にカップリングした。カルボン酸5aを知られている手順(R.Pr
esentini、G.Antonio、Int.J.Pept.Protei
n Res.、27:123〜126、1986)に従って調製した。処理条件
および精製条件はペプチド1の条件と同一であった。
【0098】 収量:58mg;HPLC純度:91.1%;MS:MW=1296;アミノ
酸分析:すべてのアミノ酸が必要な量で見出された;ペプチド含有量:76.2
%;イオンクロマトグラフィー:リン酸塩:0.4%、トリフルオロ酢酸塩:0
.6%、酢酸塩:0.2%(w/w)。
【0099】 実施例6 デスアミノアルギニニル−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser
−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−NH(6) ペプチド6の合成を、固体支持体としてPAC−PEG−PSの代わりにPA
L−PEG−PS樹脂(0.17mmol/g)を使用して、前記に記載された
ペプチド5の様式に類似する様式で行った。この場合、Fmoc基を市販(Pe
rSeptive Biosystems)のFmoc−PAL−PEG−PS
樹脂から除き、得られたH−PAL−PEG−PS支持体をHATU/DIPE
Aの存在下でFmoc−Gly−OHと縮合した。ペプチド鎖の伸長およびその
後の樹脂からの切断を実施例1に記載されるのと同じ条件のもとで行った後、目
的とするカルボキサミドC末端を得た。処理条件および精製条件はペプチド1の
条件と同一であった。
【0100】 収量:43mg;HPLC純度:91.3%;MS:MW=1295;アミノ
酸分析:すべてのアミノ酸が必要な量で見出された;ペプチド含有量:76.5
%;イオンクロマトグラフィー:塩化物:0.5%、酢酸塩:4.0%(w/w
)。
【0101】 実施例7 CH(OCHCH−OCH−C(O)−Arg−Ser−Phe
−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val
−Gly−NH(7) ペプチド7を合成するために、出発物質のCH(OCHCH−OC
−COH(7a)を文献の手順(A.H.Haines、P.Karnt
iang、Carbohydr.Res.、78:205〜211、1980)
に従って最初に調製した。保護された固定化ペプチドH−Arg(Pmc)−S
er(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Leu−Ala−Ser(tBu
)−Ser(tBu)−Glu(OtBu)−Thr(tBu)−Gly−Va
l−Gly−PAL−PEG−PS(7b)の合成を、アミノ酸Pfpエステル
を使用して実施例2に示されているように行った。樹脂上のペプチド(7b)を
NMPで事前に膨潤させて、142mg(0.64mmol)のCH(OCH CH−OCH−COH(7a)を169mg(0.64mmol)
のカップリング剤TFFH(テトラメチルフルオロホルマミジニウム・ヘキサフ
ロオロホスファート)とともに加えた。一緒にした試薬をPepsynthes
izerで60分間循環させた。樹脂からの切断および処理を実施例5に記載さ
れているように行った。その後、粗ペプチドを、実施例1に示されているシステ
ムおよび溶媒を用いてHPLCによって精製した。生成物を、2.5‰のAcO
Hを使用してHPLCカラムで脱塩した。
【0102】 収量:120mg;HPLC純度:78%;MS:MW=1515;イオンク
ロマトグラフィー:塩化物:0.1%、リン酸塩:0.3%、トリフルオロ酢酸
塩:4.0%、酢酸塩:0.3%(w/w)。
【0103】 実施例8 D−1−グルシチル−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−S
er−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH(8) N末端が修飾されたペプチド8を合成する前に、ペプチド7bと同じ配列を有
するが、異なるリンカータイプ(PALの代わりにPAC)を有するペプチドH
−Arg(Pmc)−Ser(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Leu−
Ala−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Glu(OtBu)−Thr(
tBu)−Gly−Val−Gly−PAC−PEG−PS(8a)を実施例1
に従って調製した。還元的アミン化を、還元剤としてNaBH(Oac)(2
12mg、1.0mmol)を使用して6−O−トリチル−α/β−D−グルコ
ピラノース(8b、422mg、1.0mmol、T.Utamura、K.K
uromatsu、K.Suwa、K.Koizumi、I.Shingu,T
etsuro;Chem.Pharm.Bull.34:2341〜2353、
1986)を固定化ペプチド8a(500mg、0.2mmol/g)とDMF
/HOAc(99/1、v/v、10mL)中で一晩処理することによって行っ
た。得られた完全に保護された誘導体(6−O−トリチル−D−1−グルシチル
)−Arg(Pmc)−Ser(tBu)−Phe−Thr(tBu)−Leu
−Ala−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Glu(OtBu)−Thr
(tBu)−Gly−Val−Gly−PAC−PEG−PSの樹脂からのその
後の切断を、実施例1に記載される条件を使用して、トリチル基およびすべての
アミノ酸保護基を同時に除きながら行うことによって、38mgの目的ペプチド
8が、調製用HPLCによる精製および5‰HOAc水溶液による脱塩の後に得
られた。
【0104】 HPLC純度:84.7%;MS:MW=1475;アミノ酸分析:すべての
アミノ酸が必要な量で見出された;ペプチド含有量:61.0%;イオンクロマ
トグラフィー:塩化物:0.1%、酢酸塩:1.7%(w/w)。
【0105】 実施例9 MeO−C(O)−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Se
r−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH(9) ペプチド9の合成を、固定化ペプチドH−Arg(Pmc)−Ser(tBu
)−Phe−Thr(tBu)−Leu−Ala−Ser(tBu)−Ser(
tBu)−Glu(OtBu)−Thr(tBu)−Gly−Val−Gly−
PAC−PEG−PS(8a)をジオキサンに懸濁して、0℃に冷却することに
よって開始した。この懸濁物に、100μlの4N NaOH水溶液および10
0μlのクロロギ酸メチルを加えた。反応混合物を16時間攪拌し、続いて、樹
脂を、EtOH/HO、EtOH、CHClおよびエーテルで洗浄した。
真空下で乾燥した後、生成物を樹脂から切断して、前記のペプチド合成(実施例
1)に記載されているように精製した。最後に、ペプチドを、5‰酢酸水溶液を
使用してHPLCで脱塩し、その後、凍結乾燥して、ペプチド9を得た。
【0106】 収量:11mg;HPLC純度:96.8%;MS:MW=1368;アミノ
酸分析:すべてのアミノ酸が必要な量で見出された;ペプチド含有量:60.5
%;イオンクロマトグラフィー:塩化物:2.0%、リン酸塩:0.2%、酢酸
塩:0.4%(w/w)。
【0107】 実施例10 Ac−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ψ[CHNH]−Ala
−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−NH(10) ペプチド10を合成する前に、必要なアミノ酸アルデヒド構成要素のFmoc
−Leu−H(10a)を知られている手順(J.−P.Meyer、P.Da
vis、K.B.Lee、F.Porreca、H.I.Yamamura、V
.Hruby、J.Med.Chem.38:3462〜3468、1995)
によって調製した。化合物10aをさらに精製することなく使用した。実施例1
に記載される方法に従って、樹脂を8−アミノ酸ペプチド鎖で官能基化して、H
−Ala−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Glu(OtBu)−Thr
(tBu)−Gly−Val−Gly−PAL−PEG−PS(10b)を得た
。後者の固定化されている誘導体(1g、0.2mmol/g)を5mLの1%
酢酸/DMFに懸濁した。2つの溶液を調製した:148mgのFmoc−Le
u−H(10a)を含む2.5mLのDMF、および30mgのNaCNBH を含む2.5mLのDMF。両方の溶液を一緒にして、ペプチド10の懸濁物に
加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。続いて、このようにして得られた中間体
のFmoc−Leu−Ψ[CHNH]−Ala−Ser(tBu)−Ser(
tBu)−Glu(OtBu)−Thr(tBu)−Gly−Val−Gly−
PAL−PEG−PS(10c)を、新たに導入された二級アミン官能基におい
てBocOおよびピリジンを用いて保護した。樹脂に結合しているペプチド1
0cを10mLの乾燥CHClに懸濁して、35mg(0.16mmol)
のBocOと13μl(0.16mmol)のピリジンとを加えた。pHをピ
リジンでpH=8で保ち、混合物を一晩攪拌した。処理には、CHCl、E
tOH、CHCl、エーテルで樹脂を洗浄すること、および真空下で乾燥す
ることが含まれた。合成を、Fmocアミノ酸、および溶媒としてNMPを用い
るHATU/DIPEAプロトコル(実施例1)を使用してSPPSによって続
けた。最終工程には、4−ニトロフェニルアセタートとのカップリングによりN
末端アセチル基を導入することが含まれた。実施例1に記載されているように処
理した後、粗ペプチドをHPLCによって精製し、5‰酢酸水溶液により脱塩し
、凍結乾燥して、目的ペプチド10を得た。
【0108】 収量:28mg;HPLC純度:76.3%;MS:MW=1339;イオン
クロマトグラフィー:トリフルオロ酢酸塩:1.2%、酢酸塩:2.0%(w/
w)。
【0109】 実施例11 Ac−Arg−Ser−Phe−Ψ[CHNH]−Thr−Leu−Ala
−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−NH(11) 11の合成には、Fmoc−Phe−H(11a、J.−P.Meyer、P
.Davis、K.B.Lee、F.Porreca、H.I.Yamamur
a、V.Hruby、J.Med.Chem.38:3462〜3468、19
95)を、実施例1に記載されるSPPSプロトコルで得られた樹脂結合の保護
ペプチドH−Thr(tBu)−Leu−Ala−Ser(tBu)−Ser(
tBu)−Glu(OtBu)−Thr(tBu)−Gly−Val−Gly−
PAL−PEG−PS(11b)に還元的カップリングすることが含まれた。ペ
プチド11b(1.0g、0.2mmol/g)およびアルデヒド11a(20
0mg)を5mLの1%酢酸/DMFに懸濁し、そして5mLのDMFに溶解し
た30mg(0.48mmol)のNaCNBHを直ちに加えた。混合物を1
6時間攪拌して、Fmoc−Phe−Ψ[CHNH]−Thr(tBu)−L
eu−Ala−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Glu(OtBu)−T
hr(tBu)−Gly−Val−Gly−PAL−PEG−PSを生成させた
。その後、ペプチド鎖を、実施例8に記載されているようにHATU/DIPE
AのSPPSプロトコルを使用して、適切なFmoc−アミノ酸およびN末端ア
セチル化剤を用いて伸長させた。処理、HPLC精製および脱塩を実施例1に記
載されているように行った。
【0110】 収量:52mg;HPLC純度:97.9%;MS:MW=1338;アミノ
酸分析:すべてのアミノ酸が必要な量で見出された;ペプチド含有量:92.4
%;イオンクロマトグラフィー:酢酸塩:2.5%(w/w)。
【0111】 実施例12 Ac−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−
Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[CHNH]−Gly−NH(12) この化合物を合成するために、樹脂上でFmoc−Val−Hによる還元的ア
ルキル化を行うことは不可能であった。従って、ジペプチドアナログのFmoc
−Val−Ψ[CHNH]−Gly−OH(12d)を、樹脂への固定化に先
立って溶液で調製した。
【0112】 Fmoc−Val−Ψ[CHNH]−Gly−Obzl(12c) Fmoc−Val−H(12a、3.16g、10mmol、T.Morik
awa、S.−I.Hamano、S.Saito、S.Torii、S.Ka
shino、J.Org.Chem.、54:4114〜4120、1989に
従って調製)をEtOH/HOAc(80mL、99/1、v/v)に溶解して
、HCl.H−Gly−Obzl(12b、2.02g、10mmol)を加え
、その後、NaCNBH(0.94g、15mmol)を加えた。反応混合物
を室温で一晩攪拌した。続いて、5%NaHCO水溶液(20mL)を加えて
、反応混合物を中和した。その後、混合物を真空下で濃縮して、残渣をCH
で抽出した。有機層を一緒にして、飽和NaCl水溶液で洗浄し、Na
で素早く乾燥して、ろ過した。溶媒を蒸発させて、黄色オイルを得た。シリ
カゲルクロマトグラフィー(溶出液:0〜4%メタノール/CHCl)によ
って精製した後、化合物12cが白色固体として単離された。収量:1.85g
(39%)。分析:TLC:(シリカ、CHCl/MeOH、98/2)R
f=0.45、MS:MW=472。
【0113】 Fmoc−Val−Ψ[CHN(Boc)]−Gly−Obzl(12d) Fmoc−Val−Ψ[CHNH]−Gly−Obzl(12c、0.91
0g、1.93mmol)、BocO(0.420g、1.93mmol)お
よびDIPEA(0.336g、1.93mmol)を乾燥CHCl(20
mL)に溶解した。DIPEAを添加することによってpHを塩基性に保ち、混
合物を室温で一晩攪拌した。その後、反応混合物を、10%KHSOを加える
ことによって酸性化した。水を加え、水層をCHClで抽出した。有機層を
一緒にして飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで素早く乾燥し、溶媒を蒸
発させて、0.96g(97%)の12dが得られた。分析:TLC:(シリカ
、CHCl/MeOH、98/2)Rf=0.55、MS:MW=572。
【0114】 Fmoc−Val−Ψ[CHN(Boc)]−Gly−OH(12e) Fmoc−Val−Ψ[CHN(Boc)]−Gly−Obzl(12d、
0.97g、1.70mmol)をMeOH/EtOAcの混合物(1/1、v
/v、100mL)に溶解して、10%Pd/Cを用いて常圧下で2時間水素化
した。パラジウム触媒をろ過して除き、ろ液を濃縮して、カルボン酸12eが淡
黄色オイルとして得られた。収量:0.661g(81%)。分析:TLC:(
シリカ、CHCl/MeOH/ACOH、90/9/1)Rf=0.42、
MS:MW=482。
【0115】 HATU/DIPEA二重シリンジモードを用い、そしてHATU/DIPE
Aによる二重カップリングを用いたペプチド合成機を使用して、化合物Fmoc
−Val−Ψ[CHN(Boc)]−Gly−OH(12e、0.661g、
1.37mmol)をPAL−PEG−PS樹脂(1.5g、0.15mmol
/g、0.225mmol)に負荷した。置換レベルを標準的なFmoc切断手
順で決定し、置換レベルは0.13mmol/g負荷樹脂であった(収率:87
%)。得られたペプチドFmoc−Val−Ψ[CHN(Boc)]−Gly
−PAL−PEG−PS(12f)を、各Fmoc−アミノ酸について60分の
二重縮合工程を用いたHATU/DIPEAのSPPSプロトコル(実施例1)
を使用してさらに伸長させた。ペプチド9およびペプチド11と同様に、N末端
アセチル基を、4−ニトロフェニルアセタートを使用して導入した。処理、精製
および脱塩を実施例1に記載されるように行った。
【0116】 収量:17mg;HPLC純度:80.1%;MS:MW=1338;アミノ
酸分析:すべてのアミノ酸が必要な量で見出された;ペプチド含有量:63.7
%;イオンクロマトグラフィー:塩化物:1.0%、リン酸塩:0.2%、酢酸
塩:0.2%(w/w)。
【0117】 実施例13 Ac−Arg−NhSer−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Se
r−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−NH(13) ペプチド13を合成するために、必要なペプトイドモノマーのFmoc−Nh
Ser(tBu)−OH(13e)を最初に調製した。
【0118】 Z−2−アミノエチル−tert−ブチルエーテル(13a) 3.25gのMgSO(27mmol)を80mLのCHCl(乾燥)
に懸濁した。N下、1.5mLの濃HSOを加えた(手順:S.W.Wr
ight、D.L.Hageman、A.A.Wright、L.McClur
e、Tetrahedron Lett.、38:7345〜7348、199
7)。混合物を15分間攪拌し、その後、tert−BuOH(12.9mL)
および市販のZ−2−アミノエタノール(5.28g、27mmol)を、CH Cl(20mL)に溶解して加えた。5日間攪拌した後、200mLの5%
NaHCO水溶液を反応混合物に加えて、すべてのMgSOが溶解するまで
攪拌した。層を分離して、CHCl層をブラインで洗浄した。有機層をMg
SOで乾燥し、ろ過した。溶媒を蒸発させて、5.6gの粗生成物13aが得
られた。生成物をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/EtOAc、
3:1、v/v)によって精製した。収量:5.00g(78%)。H−NM
R(CDCl)δ:1.15(s、9H、tBu)、3.3〜3.5(dt、
4H、2xCH)、5.1(bs、2H、CHBzl)、7.4(m、5H
、Ar)。
【0119】 2−アミノエチル−tert−ブチルエーテル.HCl(13b) 5.00gのベンジルエステル13aを含む酢酸エチル(150mL)の溶液
に、225mgの10%Pd/Cを加え、Hを2時間吹き込んだ。結晶をろ過
して除き、15mLの1M HCl水溶液を加えた。溶媒を蒸発させ、少量のエ
ーテルを加えた。沈殿した生成物13bをろ過して除き、真空中で乾燥した。収
量:2.35g(77%)。NMR(CDCl)δ:1.20(s、9H、t
Bu)、3.15(t、2H、CH)、3.65(t、2H、CH)、8.
1〜8.4(bs、2H、NH)。
【0120】 N−(2−tert−ブトキシエチル)グリシン(H−NhSer(tBu)
−OH)(13c) 13b(2.30g、15mmol)を含む25mLのHOの溶液に、1.
40g(15.2mmol)のグリオキシル酸.HOを加えた。pHを1.0
MのNaOH水溶液でpH=6に調節した。この溶液に230mgのPd/Cを
加えて、反応混合物を45psiのH圧力で一晩攪拌した。結晶をろ過して除
き、5mLのHOで洗浄した。13cを含有するろ液を、さらに精製すること
なく次の工程で使用した。
【0121】 Fmoc−NhSer(tBu)−OH(13d) 反応生成物13cを、HOに溶解したまま、1NのNaOHでpH=9.5
にした。この塩基性溶液を25mLのアセトンで希釈し、そして5.40g(1
6mmol)のFmoc−Osuを25mLのアセトンに溶解して滴下した。p
Hを1NのNaOHでpH=9.5で保った。一晩攪拌した後、反応混合物を1
50mlに濃縮して、50mLのエーテル/ヘプタン(1/1、v/v)で2回
洗浄した。HO層を20%クエン酸でpH=2.5に酸性化して、100mL
の酢酸エチルで3回抽出した。有機層を一緒にしてNaSOで乾燥した。溶
媒を蒸発させて、生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、CHCl
MeOH、5/1、v/v)によって精製し、凍結乾燥した。
【0122】 収量:5.44g(91%)。H−NMR(CDCl)δ:1.20(s
、9H、tBu)、3.2(dt、2H、CH)、3.6〜3.7(dt、2
H、CH)、4.05(s、2H、CHCOH)、4.2(b、1H、F
moc)、4.4〜4.6(2H、2xd、Fmoc)、7.3〜7.8(m、
8H、ArH、Fmoc)。
【0123】 ペプチド13の合成を、前記(実施例1)に記載されているように二重シリン
ジ技術を使用してPepsynthesizerで行った。支持体は、NMPを
溶媒として用いたFmoc−PAL−PEG−PS(1.0g、0.15mmo
l)であった。二重カップリング(カップリング時間:60分)を、Fmoc−
NhSer(tBu)−OH(13d)を含むすべてのアミノ酸について使用し
た。N末端アセチル基を、4−ニトロフェニルアセタートを使用して導入した。
処理ならびに樹脂および保護基の切断を標準的な方法(実施例1)で行った。粗
ペプチドをHPLCによって精製し、5‰酢酸水溶液により脱塩した。
【0124】 収量:50mg;HPLC純度:98.6%;MS:MW=1366;アミノ
酸分析:すべてのアミノ酸が必要とされる量で見出された;ペプチド含有量:8
2.1%;イオンクロマトグラフィー:塩化物:0.3%、酢酸塩:1.3%(
w/w)。
【0125】 実施例14 Ac−Arg−NhSer−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Se
r−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[CHNH]−Gly−NH(1
4) 合成を、PepsynthesizerでのHATU/DIPEAプロトコル
(実施例1)を使用して行った。前記に記載される官能基化された樹脂H−Va
l−Ψ[CHN(Boc)]−Gly−PAL−PEG−PS(12f)およ
び保護ペプトイドFmoc−NhSer(tBu)−OH(13d)を構成要素
として使用した。前記に記載されているように、二重シリンジ技術およびカップ
リングあたり60分の二重カップリングを使用した。合成機におけるペプチド鎖
の伸長を、Fmoc−NhSer(tBu)−OH(13d)をカップリングす
る前に停止させた。このアミノ酸を超音波処理によりDMSOに溶解し、その後
、固定化されているペプチド鎖(H−Phe−Thr(tBu)−Leu−Al
a−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Glu(OtBu)−Thr(tB
u)−Gly−Val−Ψ[CHNH]−Gly−PAL−PEG−PS)に
カップリングした。合成を、残る(Arg)アミノ酸を縮合し、そして4−ニト
ロフェニルアセタートを使用してアシル化することによって終えた。ペプチドの
処理、精製および脱塩は、実施例1に概略されているように標準的であった。凍
結乾燥によって、47mgのペプチド14が得られた。
【0126】 HPLC純度:72.9%;MS:MW=1352;イオンクロマトグラフィ
ー:トリフルオロ酢酸塩:5.5%(w/w)。
【0127】 実施例15 抗原特異的なT細胞ハイブリドーマを使用するアゴニストペプチドの予備選択
(第1段階目の試験) 修飾ペプチドのアゴニスト活性を試験するために、HCgp−39(263−
275)に特異的な3つの異なるハイブリドーマ細胞株を使用した(5G11、
8B12および14G11)。5x10個のハイブリドーマ細胞と、DRB1 0401の特異性を有する放射線照射(12000RAD)されたEBV形質
転換B細胞の2x10個とを丸底マイクロタイタープレートのウエル内で15
0μlの容量においてインキュベーションした。ペプチド抗原(HCgp−39
(263−275)および修飾ペプチド)を50μlの容量で二連のウエルに加
えた。48時間後に、100μlの培養上清を、マウスIL−2に特異的なPh
armingen抗体を用いたサンドイッチELISAを使用して抗原特異的な
IL−2産生についてアッセイした。
【0128】 抗原特異的なT細胞クローンを使用するアゴニストペプチドの選択(第2段階
目の試験) T細胞クローン243を、ペプチド263−275に対するRA応答者(RA
患者243)から得られたペプチド特異的なT細胞株から単離した。様々なクロ
ーンが、DRB10401と一致するPBMCの存在下でHCgp−39(2
63−275)ペプチドによる4回の反復的な刺激を行った後に得られた。H2
35のT細胞クローンが、HLA−DRB10401陽性ドナーから得られた
ペプチド刺激のT細胞株から単離された。DRB10401と一致するPBM
Cの存在下でペプチドHCgp−39(263−275)による2回の刺激を行
ったときに、様々なクローンがPHAクローニングによって得られた。クローン
243およびクローン235の両方が、ペプチド抗原の認識においてHLA−D
RB10401拘束されることが見出された。細胞を、それぞれの実験におい
て刺激した10日後〜14日後に使用した。
【0129】 クローン243またはクローン235の増殖応答を、平底マイクロタイタープ
レートにおいて10%正常ヒトプール血清(NHS、CLB、Amsterda
m、オランダ)を含む150μl容量の培地中で2x10個のT細胞および1
個のDRB10401一致の(3,000Radが照射された)PBMC
をインキュベーションすることによって測定した。50μlの抗原溶液(263
−275配列または示された修飾体を含む)を三連ウエルで分配した。H−チ
ミジンをインキュベーションの2日目または3日目に加えた。細胞をガラス繊維
フィルター上に集めて、取り込まれた放射能を測定した。
【0130】 結果 表2に示される大部分の修飾ペプチドは、リードペプチドのH−Arg−Se
r−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gl
y−Val−Gly−Oと匹敵し得る様式で3つのすべてのT細胞ハイブリドー
マを刺激することができた。しかし、一部のペプチドは3つのすべてのハイブリ
ドーマを刺激しなかった。このことは、使用されたハイブリドーマの特異性が異
なることを例示している。
【0131】 2つのヒトT細胞クローンを刺激するその能力についてこれらのアゴニストが
試験されたときに、試験された化合物の能力における明瞭な違いが明らかになっ
た(表2)。大部分の修飾ペプチドはクローン235およびクローン243の応
答を誘導した。1つの化合物(Ac−Narg−Ser−Phe−Thr−Le
u−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−NH )はいずれのクローンの増殖応答を誘導しなかった。3つの化合物(H−βホ
モアルギニニル−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−
Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、Ac−Arg−Ser−Ph
e−Ψ[CHNH]−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−T
hr−Gly−Val−Gly−NH、およびAc−Arg−Ser−Phe
−Thr−Leu−Ψ[CHNH]−Ala−Ser−Ser−Glu−Th
r−Gly−Val−Gly−NH)は一方のクローンのみ(クローン243
またはクローン235の一方)で活性であった。3つの化合物(H−Arg−S
er−Phe(4Cl)−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−
Thr−Gly−Val−Gly−OH、H−D−Arg−Ser−Phe−T
hr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−G
ly−OH、およびCHOC(O)−Arg−Ser−Phe−Thr−Le
u−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH
)は両クローンにおける増殖応答を誘導した。この増殖応答は、リードペプチド
のH−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−G
lu−Thr−Gly−Val−Gly−OHにより誘導される応答と同じ程度
の大きさであった。7個の化合物(Ac−Arg−Ser−Phe−Thr−L
eu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−O
H、CH(OCHCH−OCHC(O)−Arg−Ser−Phe
−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val
−Gly−NH、D−1−グルシチル−Arg−Ser−Phe−Thr−L
eu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−O
H、(N−メチル−ニコチノイル)−Arg−Ser−Phe−Thr−Le
u−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH
、Ac−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−
Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[CHNH]−Gly−NH、Ac−
Arg−NhSer−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Gl
u−Thr−Gly−Val−Gly−NH、およびAc−Arg−NhSe
r−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gl
y−Val−Ψ[CHNH]−Gly−NH)は、一方のクローンまたは両
クローンの増殖応答を誘導することにおいて優れていた。同定された非常に強力
な化合物は、Ac−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser
−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、Ac−Arg−S
er−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−G
ly−Val−Ψ[CHNH]−Gly−NH、Ac−Arg−NhSer
−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly
−Val−Gly−NH、およびAc−Arg−NhSer−Phe−Thr
−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[C
NH]−Gly−NHであった(表2および図1)。
【0132】 実施例16 約8週齢〜10週齢のメスBalb/cマウス(Charles River
GermanyまたはCharles River France)を、10
0μlの抗原調製物(50μgのHCgp−39 263−275)を含む不完
全フロイントアジュバント(IFA;Sigma Chemicals、St.
Louis、米国)を用いて0日目に免疫化した。抗原をマウスの胸部領域に2
回に分けて皮下投与した。7日目に、マウスには、0.9%NaCl(NPBI
、Emmer Compascuum、オランダ)で希釈された抗原調製物(H
Cgp−39(263−275))を1mg/mlのミョウバン(Pharma
cy Donkers−Peterse、Oss、オランダ)において50μl
の容量で、片側だけに、肉趾(左脚)に抗原接種した。反対側(右側)の肉趾に
は、コントロールとして、0.9%NaClにおけるミョウバン溶液の50μl
を注射した。遅延型過敏性応答(特異的腫大の平均%)を、自社で設計したマイ
クロメーターを使用して、右後脚の肉趾と比較して左後脚の肉趾の肉趾厚さの増
大を比較することによって8日目に測定した(左側の腫大(mm)−右側の腫大
(mm)/右側の腫大(mm)x100%)。
【0133】 HCgp−39(263−275)または修飾ペプチド誘導体の抗原調製物(
50μg、10μg、2μgまたは0.4μg(またはそれ以下の濃度)の鼻腔
適用を、イソフルラン(Forene(登録商標)、Abbott BV、Am
sterdam、オランダ)麻酔下で1回(5日目に)行い、その後、IFAに
50μgのHCgp−39 263−275を含有する抗原調製物の100μl
による0日目の免疫化を行った。これらの実験において、マウスはHCgp−3
9 263−275で免疫化および抗原接種され、そしてDTH応答が上記に記
載されているように測定された。
【0134】 HCgp−39(263−275)を含むIFAで免疫化されたBalb/c
マウスがHCgp−39(263−275)に対して応答する上記に記載された
アッセイシステムを使用して、修飾ペプチド誘導体の寛容性誘導効果と比較して
、HCgp−39(263−275)の鼻腔適用による寛容性誘導の潜在的な効
果を調べることが可能になった。HCgp−39(263−275)による前処
置はHCgp−39(263−275)に特異的なDTH応答を下方調節した。
この効果は、前処置手順に含まれるペプチドの用量に依存していた。比較的大き
なペプチド濃度(50μg/マウス)を使用した場合、HCgp−39(263
−275)の1用量の鼻腔適用により、DTH反応が完全に妨げられたが、2μ
g/マウスの用量は効果的ではなかった。従って、HCgp−39(263−2
75)に特異的なDTHアッセイシステムにおけるペプチドの効果的(寛容原性
)用量と効果的でない用量とを識別するプロトコルが確立された。HCgp−3
9(263−275)に基づく修飾ペプチド誘導体が元のペプチドよりも低い濃
度で活性であり得ると仮定すれば、そのようなペプチドは、比較的低いペプチド
濃度で寛容性を誘導することが予想される。この仮定に従って、一連の修飾ペプ
チドをこの寛容性誘導プロトコルにおいて試験した。この実験(この場合、2μ
gではなく、50μgのHCgp−39(263−275)による前処置によっ
て下方調節され得る確かなHCgp−39(263−275)の応答が誘導され
る)において、ペプチドの特定の修飾は寛容性の誘導において非常に活性であり
、これに対して、他の修飾は活性でないことが示された(表3を参照のこと)。
【0135】
【表2】
【0136】
【表3】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 リードペプチド、または放射線照射された自己のPBMCをAPCとして使用
して選択された修飾ペプチドで刺激した後のクローン235の増殖を実施例15
に記載されているように測定した。ペプチドを、0μg/ml、0.4μg/m
l、2μg/ml、10μg/mlおよび50μg/mlの濃度でその刺激活性
について試験した。リードペプチドA−Arg−Ser−Phe−Thr−Le
u−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH
による刺激(黒丸)、Ac−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala
−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[CHNH]−Gl
y−NHによる刺激(黒四角)、Ac−Arg−NhSer−Phe−Thr
−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly
−NHによる刺激(白丸)、またはAc−Arg−NhSer−Phe−Th
r−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ[
CHNH]−Gly−NHによる刺激(白四角)の後における235クロー
ンの応答が示されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AU,BA, BB,BG,BR,BZ,CA,CN,CR,CU,C Z,DM,DZ,EE,GD,GE,HR,HU,ID ,IL,IN,IS,JP,KP,KR,LC,LK, LR,LT,LV,MA,MG,MK,MN,MX,M Z,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK ,SL,TR,TT,UA,US,UZ,VN,YU, ZA (72)発明者 ハレン・フアン,フイリツプス・ヨハネ ス・マリー オランダ国、エヌ・エル−5346・ウエー・ エル・オツス、ハルナス・43 (72)発明者 クネフテル,ルナルドス・マルセリウス・ アルフオンス イギリス国、アビンダン、オツクスフオー ドシヤー・オー・エツクス・14・5・エ ヌ・ダブリユ、アンダージイ・ウエイ・92 (72)発明者 ボーツ,アンナ・マリア・ヘレナ オランダ国、エヌ・エル−5366・アー・フ エー・メーヘン、フエルレングト・トーレ ンストラート・10 (72)発明者 ミルテンブルフ,アンドレアス・マルチヌ ス・マリア オランダ国、エヌ・エル−5346・フエー・ ハー・オツス、スターケンボルフ・19 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 AA07 BA01 BA02 BA18 BA22 BA32 BA34 NA14 ZB082 ZB112 4H045 AA10 AA20 AA30 BA16 CA40 EA20 FA33 GA25

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 H−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−S
    er−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−GIy−OH(式I)に由来
    し、一般式Q−A1−A2−A3−A4−A5−A6−A7−A8−A9−A1
    0−A11−A12−A13−Z(式II)(式中、A1〜A13は式Iのアミ
    ノ酸に一致し、QはHに一致し、かつZはOHに一致する)を有する修飾された
    ペプチドであって、1個〜6個の修飾が、 a)非天然アミノ酸またはβアミノ酸によるA1〜A13における1個〜6個
    (好ましくは1個〜4個)のアミノ酸の置換 b)還元型アミド結合またはエチレン等電子配置体による1つまたは複数のア
    ミド結合の置換 c)Qおよび/またはZにおける置換 からなる群a、群bまたは群cの1つまたは複数、更に場合により、 d)修飾が合計で6個までの天然アミノ酸による置換 から選択される修飾されたペプチド。
  2. 【請求項2】 Qが、H、(C1〜6)アルキル、ホルミル、(C1〜6
    アルキルカルボニル、カルボキシ(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキル
    オキシカルボニル、(C2〜6)アルケニルオキシカルボニル、(C6〜14
    アリール(C1〜6)アルキル;(C6〜14)アリール(C1〜4)アルキル
    オキシカルボニル、CH(OCHCH−OCH−C(O)−(式中
    、nは1〜10である)、HOCH−(CHOH)−CH−(式中、mは
    3〜4である);1−メチル−ピリジニウム−3−カルボニル、1−メチル−ピ
    リジニウム−4−カルボニルまたはLysであるか、あるいはA1がHN−C
    (=NH)NH−(CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)である
    場合、Qは存在せず; ZがOR(式中、Rは、H、(C1〜6)アルキル、(C2〜6)アルケニル
    、アリール(C1〜4)アルキル、(C4〜13)ヘテロアリール(C1〜6
    アルキルまたはNR(式中、RおよびRは独立して、H、(C1〜6 )アルキルまたは(C6〜14)アリール(C1〜6)アルキルから選択される
    )であり; QおよびZは、A1位および/またはA13位の隣りに位置する合計で10個
    までのアミノ酸をさらに含んでもよい、請求項1に記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 A1〜A13における天然アミノ酸による置換が4個以下の
    位置に存在し、好ましくは2個以下の位置に存在する、請求項1または2に記載
    のペプチド。
  4. 【請求項4】 Qが、H、(C1〜6)アルキル、ホルミル、(C1〜6
    アルキルカルボニル、カルボキシ(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキル
    オキシカルボニル、(C2〜6)アルケニルオキシカルボニル、アリール(C 〜6 )アルキル;(C6〜14)アリール(C1〜4)アルキルオキシカルボニ
    ル、CH(OCHCH−OCH−C(O)−(式中、nは1〜10
    である)、HOCH−(CHOH)−CH−(式中、mは3〜4である)
    ;1−メチル−ピリジニウム−3−カルボニル、1−メチル−ピリジニウム−4
    −カルボニルまたはLysであるか、あるいはA1がHN−C(=NH)NH
    −(CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)である場合、Qは存在
    せず; A1が、L−Arg、D−Arg、L−Lys、D−Lys、L−Ala、D
    −Ala、HN−C(=NH)NH−(CH−C(O)−(式中、nは
    2〜5である)、HN−(CH−C(O)−(式中、nは2〜7である
    )、(R)−{−NH−CH[(CH−NH−C(=NH)−NH]−
    CH−C(O)−}(式中、nは2〜5である)、または(S)−{−NH−
    CH[(CH−NH−C(=NH)−NH]−CH−C(O)−}(
    式中、nは2〜5である)、または−N[(CH−NH−C(=NH)−
    NH]CHC(O)−(式中、nは2〜5である)であり; A2が、L−Ser、D−Ser、L−hSer、D−hSer、L−Thr
    、D−Thr、L−Ala、D−Ala、Gly、または−N[(CH
    OH]−CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)であり; A3が、L−Phe、D−Phe、L−Phe(X)、D−Phe(X)(式
    中、Xは独立して、1つまたは複数の(C1〜4)アルキル、ヒドロキシ、ハロ
    、(C1〜6)アルキルカルボニルアミノ、アミノまたはニトロから選択される
    )、L−Hfe、D−Hfe、L−Thi、D−Thi、L−Cha、D−Ch
    a、L−Pal(3)、D−Pal(3)、L−1−Nal、D−1−Nal、
    L−2−Nal、D−2−Nal、L−Ser(Bzl)、D−Ser(Bzl
    )、(R)−{−NH−CH(CH−アリール)−CH−}または(S)−
    {−NH−CH(CH−アリール)−CH−}、または(R)−{−NH−
    CH(CH−アリール)−CH−}または(S)−{−NH−CH(CH −アリール)−CH−}であり; A4が、L−Thr、D−Thr−L−Ser−、D−Ser、L−hSer
    、D−hSer、L−Ala、D−AlaまたはGlyであり; A5が、L−Leu、D−Leu、L−Ile、D−Ile、L−Val、D
    −Val−、L−Nva、D−Nva、L−Ala、D−Ala、Gly、(R
    )−{−NH−CH(CH−CH(CH)−CH−}または(S)−
    {−NH−CH(CH−CH(CH)−CH−}であり; A6が、L−Ala、D−AlaまたはGlyであり; A7が、L−Ser、D−Ser、L−hSer、D−hSer、L−Thr
    、D−Thr、L−Ala、D−AlaまたはGlyであり; A8が、L−Ser、D−Ser、L−hSer、D−hSer、L−Thr
    、D−Thr、L−Ala、D−AlaまたはGlyであり; A9が、L−Glu、D−Glu、L−Asp、D−Asp、L−Ala、D
    −AlaまたはGlyであり; A10が、L−Thr、D−Thr、L−Ser、D−Ser、L−hSer
    、D−hSer、L−Ala、D−AlaまたはGlyであり; A11が、Gly、L−Ala、D−Alaまたは−NH−CH−CH
    であり; A12が、L−Val、D−Val、L−Nva、D−Nva、L−Leu、
    D−Leu、L−Ile、D−Ile、(R)−{−NH−CH[CH(CH]−CH−}、(S)−{−NH−CH[CH(CH]−CH
    }、(R)−{−NH−CH[CHCHCH]−CH−}、(S)−{
    −NH−CH[CHCHCH]−CH−}、(R)−{−NH−CH[
    CHCH(CH]−CH−}、(S)−{−NH−CH[CHCH
    (CH]−CH−}、(RR)−{−NH−CH[CH(CH(CH )−CHCH]−CH−}、(RS)−{−NH−CH[CH(CH
    (CH)−CHCH]−CH−}、(SR)−{−NH−CH[CH (CH(CH)−CHCH]−CH−、または(SS)−{−NH−C
    H[CH(CH(CH)−CHCH]−CH−}であり; A13が、Gly、L−AlaまたはD−Alaであり、そして ZがOR(式中、Rは、H、(C1〜6)アルキル、(C2〜6)アルケニル
    、(C6〜14)アリール(C1〜4)アルキル、(C4〜13)ヘテロアリー
    ル(C1〜6)アルキルまたはNR(式中、RおよびRは独立して、
    H、(C1〜6)アルキルまたは(C6〜14)アリール(C1〜6)アルキル
    から選択される)であり、 QおよびZが、A1位および/またはA13位の隣りに位置する合計で10個
    までのアミノ酸をさらに含んでもよい、請求項1〜3に記載のペプチド。
  5. 【請求項5】 Qが、H、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキルカ
    ルボニル、カルボキシ(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキルオキシカル
    ボニル、CH(OCHCH−OCH−C(O)−(式中、nは1〜
    10である)、HOCH−(CHOH)−CH−(式中、mは3〜4であ
    る);1−メチル−ピリジニウム−3−カルボニル、1−メチル−ピリジニウム
    −4−カルボニルまたはLysであるか、あるいはA1がHN−C(=NH)
    NH−(CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)である場合、Qは
    存在せず; A1が、L−Arg、D−Arg、L−Ala、HN−C(=NH)NH−
    (CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)、HN−(CH −C(O)−(式中、nは2〜7である)、(S)−{−NH−CH[(CH−NH−C(=NH)−NH]−CH−C(O)−}(式中、nは2〜
    5である)、または−N[(CH−NH−C(=NH)−NH]CH C(O)−(式中、nは2〜5である)であり; A2が、L−Ser、L−Ala、D−Ala、Gly、または−N[(CH −OH]−CH−C(O)−(式中、nは2〜5である)であり; A3が、L−Phe、D−Phe、L−Phe(X)またはD−Phe(X)
    (式中、Xはハロまたはニトロである)、L−Hfe、L−Thi、L−Cha
    、L−Pal(3)、L−1−Nal、L−2−Nal、L−Ser(Bzl)
    または(S)−{−NH−CH(CH−アリール)−CH−}であり; A4がL−ThrまたはL−Alaであり; A5が、L−Leu、L−Ala、または(S)−{−NH−CH(CH
    CH(CH)−CH−}であり; A6がL−AlaまたはGlyであり; A7がL−SerまたはL−Alaであり; A8がL−SerまたはL−Alaであり; A9がL−GluまたはL−Alaであり; A10がL−ThrまたはL−Alaであり; A11が、Gly、L−Alaまたは−NH−CH−CH−であり; A12がL−Valまたは(S)−{−NH−CH[CH(CH]−C
    −}であり; A13がGlyまたはL−Alaであり、そして ZがOR(式中、RはHまたはNR(式中、RおよびRは独立して
    、Hまたは(C1〜6)アルキルから選択される)であり、 QおよびZは、A1位および/またはA13位の隣りに位置する合計で10個
    までのアミノ酸をさらに含んでもよい、請求項1〜4に記載のペプチド。
  6. 【請求項6】 Qが、H、メチル;アセチル;カルボキシメチレン、メトキ
    シカルボニル;CH(OCHCH−OCH−C(O)−、D−1−
    グルシチル、1−メチル−ピリジニウム−3−カルボニルまたは1−メチル−ピ
    リジニウム−4−カルボニルであるか、あるいはA1がHN−C(=NH)N
    H−(CH−C(O)−である場合、Qは存在せず; A1が、L−Arg、D−Arg、L−Ala、HN−C(=NH)NH−
    (CH−C(O)−、HN−(CH−C(O)−(式中、nは5
    〜7である)、(S)−{−NH−CH[(CH−NH−C(=NH)−
    NH]−CH−C(O)−}または−N[(CH−NH−C(=NH
    )−NH]CHC(O)−であり; A2が、L−Ser、L−Alaまたは−N[(CH−OH]−CH −C(O)−であり; A3が、L−Phe、D−Phe、L−Phe(X)(式中、Xはハロまたは
    ニトロである)、L−Hfe、L−Thi、L−Cha、L−Pal(3)、L
    −1−Nal、L−2−NalまたはL−Ser(Bzl)であり;そして Zが、OH、NHまたはNHEtであり、 QおよびZは、A1位および/またはA13位の隣りに位置する合計で10個
    までのアミノ酸をさらに含んでもよい、請求項1〜5に記載のペプチド。
  7. 【請求項7】 一般式がQ−A1−A2−A3−Thr−Leu−Ala−
    Ser−Ser−Glu−Thr−A11−A12−Gly−Z(式III)で
    ある、請求項1〜6に記載のペプチド。
  8. 【請求項8】 1個〜4個の修飾を有する請求項1〜7に記載のペプチド。
  9. 【請求項9】 2個〜3個の修飾を有する請求項8に記載のペプチド。
  10. 【請求項10】 A1が、L−Arg、D−Arg、HN−C(=NH)
    NH−(CH−C(O)−、HN−(CH−C(O)−(式中、
    nは5〜7である)、または−N[(CH−NH−C(=NH)−NH ]CHC(O)−であり; A2がL−Serまたは−N[(CH−OH]−CH−C(O)−で
    あり; A3が、L−Phe、L−Phe(X)(式中、Xはハロである)、L−1−
    Nal、L−2−Nal、L−Ser(Bzl)、L−Thi、L−Chaまた
    はL−Pal(3)である、請求項7に記載のペプチド。
  11. 【請求項11】 一般式がQ−Arg−A2−Phe−Thr−Leu−A
    la−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−A12−Gly−Z(式IV
    )である、請求項9または10に記載のペプチド。
  12. 【請求項12】 デスアミノアルギニニル−Ser−Phe−Thr−Le
    u−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−NH 、デスアミノアルギニニル−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Se
    r−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、CH−(OC
    CH−OCH−C(O)−Arg−Ser−Phe−Thr−Le
    u−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−NH 、D−1−グルシチル−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−
    Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、CHO−
    C(O)−Arg−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser
    −Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、Ac−Arg−Ser−P
    he−Ψ−[CHNH]−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu
    −Thr−Gly−Val−Gly−NH、Ac−Arg−Ser−Phe−
    Thr−Leu−Ψ−[CHNH]−Ala−Ser−Ser−Glu−Th
    r−Gly−Val−Gly−NH、Ac−Arg−Ser−Phe−Thr
    −Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gly−Val−Ψ−[
    CHNH]−Gly−NH、Ac−Arg−N[(CH−OH]−C
    −C(O)−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−
    Thr−Gly−Val−Gly−NH、Ac−Arg−N[(CH
    OH]−CH−C(O)−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser
    −Glu−Thr−Gly−Val−Ψ−[CHNH]−Gly−NH、H
    −Arg−Ser−Phe(Cl)−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser
    −Glu−Thr−Gly−Val−Gly−OH、HN−(CH−C
    (O)−Ser−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−
    Thr−Gly−Val−Gly−OH、HN−(CH−C(O)−S
    er−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−G
    ly−Val−Gly−OH、(N−メチル−ニコチノイル)−Arg−Se
    r−Phe−Thr−Leu−Ala−Ser−Ser−Glu−Thr−Gl
    y−Val−Gly−OHを含む群から選択されるペプチド。
  13. 【請求項13】 治療的物質として使用される、請求項1〜12のいずれか
    に記載のペプチド。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12に記載される1つまたは2つ以上のペプチ
    ドおよび、薬学的に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物。
  15. 【請求項15】 自己免疫疾患(より詳細には関節炎)に罹患している患者
    における自己抗原に対する特異的なT細胞の寛容性を誘導する薬学的調製物を製
    造するための、請求項1〜12に記載される1つまたは2つ以上のペプチドの使
    用。
  16. 【請求項16】 請求項1〜12のいずれかに記載される1つまたは2つ以
    上のペプチドおよび、検出剤を含む診断用組成物。
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