JP2003510487A - 内燃機関のためのカムシャフト・タイミング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内燃機関のカムシャフト・タイミング装置のために、制御スライドを介して動作する作動媒体によって引き起こされる、制御スライドにかかる作動力を妨げる制御スライドの設計が提案される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、請求項１に記載の内燃機関のためのカムシャフト・タイミング装置
に関する。

【０００２】 ＤＥ１９６５４９２６Ａ１は、内燃機関のクランクシャフトからカムシャフト
のドライブ内に位置し、カムシャフトと同軸で配置され、中央張力ねじを介して
カムシャフトに連結され、中央張力ねじは、バルブ・ハウジングとして軸方向に
移動可能な制御スライドを受け取り、制御スライドを介してカムシャフト・タイ
ミング装置の供給連結部が、位置に応じて、消費連結部としてタイミング装置側
上の連結部に接続されるカムシャフト・タイミング装置を開示している。連結経
路は、制御スライド上で円周方向に設けられ、２つの環状ウェブを介して範囲決
めされ、さらに制御スライドの軸方向位置に応じて、送り側または戻り側供給連
結部に接続される環状空間を介して走る。戻りは、環状空間に対して軸方向に偏
位し、環状ウェブを介して範囲決めされる環状ダクトを介して通じ、環状ダクト
は、制御スライドの中央戻り孔上に出る。前記戻り孔は、カムシャフトの方向で
制御スライドのための受取り孔に隣接するバルブ・ハウジング空間上に出る。環
状ダクトは、容積を妨げるように、制御スライドの１つの端面によって範囲決め
され、制御スライドのための復元ばねを受け取る。カムシャフト内に螺合する張
力ねじのねじ部は、そこを軸方向に通過して、カムシャフト内の横方向孔を介し
て集油空間上に出る戻り孔を有する。集油空間は、ここでは内燃機関の油だめに
よって形成され、そこに、カムシャフト・タイミング装置を受け取る内燃機関の
チェーン・ケースが連結する。

【０００３】 このタイプのカムシャフト・タイミング装置は、高いタイミング速度および正
確な位置決め、ならびにできるだけ小さな作動力、また同時にできるだけ小さい
空間要件、特にできるだけ短い構造長をも可能にすることが意図されている。こ
れらの要素はまた、本質的にライン経路によって決まり、戻り側上では、集油受
け口上で流出に先立つライン領域もまた重要である。というのは、逆流のため応
答時間が変化し、望ましくない振動が発生する可能性があるためである。

【０００４】 言及した問題は、すでに提案されているように（ＤＥ１９８１７３１９．９−
１３）、カムシャフト・タイミング装置が、その圧力負荷のかかったアクチュエ
ータに対して１つの側での圧力負荷下で動作するのでなく、２つの側で圧力負荷
がかかり、したがって、３／２ウェイ・バルブでなく、４／２ウェイ・バルブで
制御側において動作しなければならない場合にますます重要になる。

【０００５】 そのような４／２ウェイ・バルブで動作するカムシャフト・タイミング装置に
関しては、言及した問題の点から、請求項１は、制御スライドの作動方向に関わ
らず、制御スライドを介して動作する作動媒体が制御スライドの挙動に反作用す
ることが事実上完全に回避され、さらに供給ライン経路の経路設定の単純化が、
構造セットアップの単純化と共に達成される１つの可能な解決策を示す。

【０００６】 さらに、本発明による解決策はまた、バルブ側連結部から送り側供給連結部を
有利な形でバルブに一体化することを可能にし、それによって、これに関しては
カムシャフト上で、またはカムシャフト軸受け内におけるカムシャフトの取付け
上で追加動作の必要がない。

【０００７】 本発明の他の詳細および特徴は、特許請求の範囲から得ることができる。さら
に、以下本発明について、その例示的な実施形態を参照しながらさらに詳しく述
べる。

【０００８】 １はカムシャフトを示し、これは詳細には図示しない内燃機関のハウジング内
またはそのシリンダ・ヘッド内に取り付けられており、図では、ハウジングまた
はシリンダ・ヘッドの１つの端部壁に割り当てられた軸受けが部分的に示され、
３で表されている。カムシャフト１は、中央油孔４を備え、端部壁２を越えて突
出するその端部領域は固定フランジ５を担持し、固定フランジ５に対して、ここ
では一部だけ示すカムシャフト・タイミング装置６が突き当たり、中心に置かれ
る。

【０００９】 図では、カムシャフト１が一体成形で固定フランジに移行する。しかし、固定
フランジ５は、本発明の範囲内で、当然ながら、適切な相対配置でカムを担持す
るカムシャフト管内で組立てカムシャフトとして続くカムシャフト１の端部品の
一部とすることも可能である。

【００１０】 カムシャフト・タイミング装置６のうち、ここでは内部本体７だけを示すが、
これは半径方向で外に向かって突出する羽根８を有し、内部本体７の羽根と重な
り合うように半径方向で内に向かって突出する羽根を有する図示しない外部本体
に割り当てられ、側壁９および１０と共に互いに対して作動室を範囲決めし、作
動室は、適切に圧力負荷をかけることによって容積が交互に可変であり、それに
よって内部本体および外部本体を互いに対して回転させる。

【００１１】 詳細には図示しないが、内燃機関のクランクシャフトは、たとえばチェーン・
ドライブによってカムシャフト・タイミング装置６の外部本体（図示せず）に回
転の点で固定的に連結され、それにより、所望の調整方向に応じて圧力負荷をか
けられた作動室によって、および外部本体に対し内部本体７の対応する回転によ
って、クランクシャフトに対するカムシャフト１の位相関係を変化させることが
できる。

【００１２】 内部本体７は、張力ねじ１１を介してカムシャフト１のフランジ５に対して中
心に置かれ、軸方向に突き当たる。このために、張力ねじ１１は、ヘッド側で、
内部本体７を覆って半径方向に内部領域内で係合し、半径方向に外に向かって側
壁９が隣接する引張りカラー１２を有する。張力ねじ１１はまた、内部本体７を
介して半径方向に柄１３を渡し、それによって内部本体７は、柄１３を介して中
央に置かれる。柄１３は、引張りカラー１２から遠い端部領域で、固定フランジ
５内の中央受け口１４内にはめ合わせで係合する。張力ねじ１１は、カムシャフ
ト１の油孔４の方向で、ねじブッシュ１５として構成されたカムシャフト１の一
部分に係合し、それに対して張力ねじ１１が、柄１３の延長部内にあり、その外
径が柄１３の外径に対して縮小するねじネック１６を介してねじ込まれる。ねじ
ブッシュ１５として構成されたカムシャフト１のその端部領域内にねじ込まれる
ねじネック１６は、カムシャフト１の油孔４の端面閉蓋を形成し、同様にカムシ
ャフト１に同心である。

【００１３】 張力ねじ１１は、その柄１３、および引張りカラー１２に対して柄１３より先
行するヘッド領域１７を覆う中空設計であり、ヘッド領域１７と反対側で、柄１
３からねじネック１６内への移行部にある下部１９によって端面上で閉じられる
円筒形ハウジング１８を形成する。ハウジング１８は、互いに軸方向で離隔され
、その外径が円筒形ハウジング１８の内径に対応する環状ウェブ２１から２４を
備える制御スライド２０を受け取る。連続する環状ウェブの間には、それぞれの
場合で、直径の縮小された制御スライド２０の領域があり、環状ウェブ２１およ
び２２は環状ダクト２５を軸方向に範囲決めし、環状ウェブ２２および２３は環
状空間２６、環状ウェブ２３および２４は環状ダクト２７を範囲決めする。

【００１４】 環状ダクト２５および２７は、半径方向孔２８、２９を介して戻り孔３０に連
結され、戻り孔３０は、張力ねじ１１のヘッド領域１７と反対側にある制御スラ
イド２０の後方端部から始まり、制御スライド２０のスタブ領域３１内で終了し
、スタブ領域は、張力ねじ１１のヘッド領域１７を越えて突出し、その端部領域
内で、作動ドライブとして設けられた磁気アクチュエータのアーマチャ３２を担
持し、磁気アクチュエータのコイル巻型が、アーマチャ３２の中央になる形で位
置合わせされ、詳細には図示しない形でチェーン・ケースのカバーに対して固定
され、図示しないチェーン・ケースは、カムシャフト・タイミング装置６および
クランクシャフトへのそのドライブを受け取る。

【００１５】 戻り孔３０は、環状ウェブ２４内で終了する制御スライド２０のその端部で閉
じられ、閉蓋は、記号的な図では、戻り孔３０内に押し込まれた球３３によって
実現される。スタブ領域３１内で終了する戻り孔３０のその閉じた端部領域内で
、横方向孔３４によって表すように、前記戻り孔は、チェーン・ケース上に出て
、したがって、チェーン・ケースも連結される内燃機関の集油空間上に出る。

【００１６】 本質的に中央戻り孔３０およびその集油空間上への脱出によって画定される前
述の戻り側供給経路は、それに対応して、流入側上で、したがって送り側上で中
央連結孔３５を有し、中央連結孔３５は、張力ねじ１１のネック１６を介して前
記張力ねじの下部１９の領域内に延び、それに隣接して横方向孔３６を有し、横
方向孔３６は、下部１９の表面の方向で走り、柄１３内で走り柄１３内の半径方
向孔３８上に出る長手方向孔３７と交差する。孔３５から３８は、それぞれの場
合で、それらの軸に対して互いに交差する。さらに、孔３５はねじネック１６の
自由端面から出て、一方、孔３６および３７は、下部１９の領域内で柄１３の外
周から、または下部１９の外側から出て（孔開始部）、対応する外部表面に向か
って開いている。孔３８は通路孔として対応するように設計される。孔３８の場
合は、半径方向で外に向かって、重なり合う内部本体７によって形成される密閉
閉蓋があり、孔開始部を形成する孔３６および３７の開放端は、固定フランジ５
内の受け口１４と共に柄１３の重なりの領域内にあり、柄１３を受け口１４内に
はめ込むことにより、下部１９への移行部でねじネック１６によって半径方向に
内に向かって、かつ固定フランジ５によって半径方向に外に向かって範囲決めさ
れる環状隅部領域が十分気密に閉じられる。下部１９によって閉じられるハウジ
ング１８の端面端部領域は、内部本体７内で端面環状ダクト４０上に半径方向に
出る通流孔３９に連結され、環状ダクトは、固定フランジ５への内部本体７の移
行部に位置し、内部本体７と固定フランジ５の間でチェーン・ケースに向かって
出る通流連結部４１を有する。

【００１７】 張力ねじ１１によって形成される円筒形ハウジング１８内には、タイミング装
置側に位置する連結部４２および４３が設けられ、互いに軸方向に離隔され、そ
れぞれの場合で半径方向孔によって形成され、内部本体７内で環状ダクト４４お
よび４５が対応し、それを介して、内部本体と図示しない外部本体と間に位置す
る図示しない作動室が供給を受ける。

【００１８】 図の制御スライド２０の端部位置に関しては、制御スライド２０がばね４６を
介して負荷をかけられ、環状室４５に連結する図示しない作動室が圧力負荷をか
けられる一方、環状室４４に連結する作動室は、集油室に向かって戻りに連結さ
れる。環状空間２６は、それに対応して圧力源に連結され、供給側連結部の一部
として半径方向孔３８と、タイミング側連結部の一部として孔４３との間で連結
を構成する。環状ダクト２５および２７は、孔２８および２９を介して戻り孔３
０に連結することにより、どちらも概ね無圧であるが、対応する動的圧力が、タ
イミング装置側連結部４２に接続された作動室を空にしている途中で短時間に蓄
積する限りではいかなる場合も同じ圧力を受け、流入側であろうと流出側であろ
うと、圧力変動が、制御スライド２０と、制御スライド２０を調整するために必
要な作動力とに引き続き影響しない。これは、制御スライド２０が、図面の左側
に示す位置を外れて、アーマチャ３２を介して、環状ウェブ２２および２３が連
結部４２および４３と重なり合う遮断位置内に移動した場合にも、これを越えて
、環状空間２６が連結部４２と重なり合い、連結部４３が環状ダクト２７に対応
する逆転位置に移動した場合にも当てはまる。

【００１９】 環状ダクト２５および２７にそれぞれ対応する負荷が制御スライド２０にかか
る圧力依存の作動力を妨げることの他に、戻り孔３０によって形成される中央流
出側供給連結部は、比較的大きな流出断面を介しての直接流出を可能にし、この
流出断面のサイズは、カムシャフト・タイミング装置の構造長に実質的に影響が
なく、特に作製が容易でもある。圧力側連結経路内で経路設定された孔は、カム
シャフト上の動作をそのように不要にし、さらに制御スライド２０のために、張
力ねじ１１によって形成されたハウジング１８内に、対応する連結経路を敷設す
ることを可能にし、それによりこれは、内部本体７または受け口１４に対して気
密にはめ込んで挿入することによって、特別な密閉方法をなくすことを可能にす
る、すぐに設置できるユニットを形成する。

【００２０】 全体として、本発明による解決策では、制御スライドおよびそのために必要な
作動力の調整精度に悪影響なく、高圧および大流量を制御することができ、それ
によって、適切な場合は、できるだけ小さい全体寸法を得るために、より小さい
孔およびダクト断面を考慮することもでき、概説した本発明による４／２ウェイ
比例バルブの非常に緻密な設定が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図示しない内燃機関のカムシャフトに連結され、それ自体周知であるため本明
細書では単に示すだけのロータリー・アクチュエータとして設計されるカムシャ
フト・タイミング装置を介した長手方向断面図である。

【図２】 図１の中央領域を表す拡大詳細図である。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カムシャフト（１）のためにクランクシャフトのドライブ内
   に位置し、クランクシャフト（１）に対して中央に置かれて、張力ねじ（１１）
   を介して同軸で固定される、内燃機関のためのカムシャフト・タイミング装置で
   あって、張力ねじ（１１）が、４／２ウェイ比例バルブのバルブ・ハウジング（
   １８）として、中央にあり軸方向に移動可能な制御スライド（２０）のための軸
   方向受け口を形成し、制御スライド（２０）が、作動ドライブを介して負荷をか
   けられうるものであり、バルブ・ハウジング（１８）内で、タイミング装置側に
   位置する２つの軸方向に離隔された連結部（４２、４３）に割り当てられ、これ
   らの連結部が、制御スライド（２０）の作動位置に応じて圧力側供給連結部に接
   続され、圧力側供給連結部が、バルブ・ハウジング（１８）内でクロス連結部（
   ３８）を介して、制御スライド（２０）の環状空間（２６）上に出て、前記環状
   空間が、制御スライド（２０）の２つの環状ウェブ（２２、２３）を介して軸方
   向に範囲決めされ、これらの環状ウェブを介して、タイミング装置側に位置する
   ハウジング連結部（４２、４３）が遮断されることができ、ハウジング連結部（
   ４２または４３）が、タイミング装置側に位置し、各場合で、戻り側供給連結部
   に接続された圧力側に対して遮断され、戻り側供給連結部が、各場合で、互いに
   向きがそれている環状ウェブ（２２、２３）の側に軸方向で続く領域内で、制御
   スライド（２０）内を走る中央戻り孔（３０）とともに連結部を有し、この連結
   部が環状ダクト（２５、２７）を介して走り、環状ダクト（２５、２７）が、制
   御スライド（２０）上で円周方向に設けられ、両側で環状ウェブ（２１、２２お
   よび２３、２４）によって範囲決めされ、かつ戻り孔（３０）に連結され、この
   戻り孔（３０）が、カムシャフト（１）から遠いその端部領域内で集油空間上に
   出ているカムシャフト・タイミング装置。
2. 【請求項２】 戻り孔（３０）への環状ダクト（２５、２７）の連結が、横
   方向孔（２８、２９）を介して行われることを特徴とする、請求項１に記載のカ
   ムシャフト・タイミング装置。
3. 【請求項３】 中央戻り孔（３０）が、制御スライド（２０）のカムシャフ
   ト側端部に対して閉じていることを特徴とする、請求項１または２に記載のカム
   シャフト・タイミング装置。
4. 【請求項４】 制御スライド（２０）のカムシャフト側端部が、環状ダクト
   （２７）を範囲決めする環状ウェブ（２４）によって形成されること、およびこ
   の環状ウェブ（２４）を介して範囲決めされる制御スライド（２０）のハウジン
   グ（１８）の端部領域が漏れ連結部を有することを特徴とする、前記請求項のい
   ずれか一項に記載のカムシャフト・タイミング装置。
5. 【請求項５】 張力ねじ（１１）が、カムシャフト（１）に割り当てられた
   中央油供給孔（４）上に出る圧力側供給連結部として、そのカムシャフト側端部
   領域内で中央連結孔（３５）を有することを特徴とする、前記請求項のいずれか
   一項に記載のカムシャフト・タイミング装置。
6. 【請求項６】 中央連結孔（３５）が、張力ねじ（１１）内で走る孔（３５
   、３６、３８）によって環状空間（２６）に接続されることを特徴とする、請求
   項５に記載のカムシャフト・タイミング装置。
7. 【請求項７】 張力ねじ（１１）内で走る孔（３６、３７）のいくつかが、
   張力ねじ（１１）の外部表面に割り当てられた孔開始部を有すること、および孔
   開始部が、カムシャフト（１）の固定フランジ（５）内で受け口（１４）と重な
   り合うことを特徴とする、請求項６に記載のカムシャフト・タイミング装置。
8. 【請求項８】 張力ねじ（１１）が、少なくとも受け口（１４）の開放端部
   領域に対してはめ込みで支持され、受け口（１４）を閉じることを特徴とする、
   請求項７に記載のカムシャフト・タイミング装置。