JP2003510249A - ヒトエラスチンおよび他の繊維状タンパク質から誘導される自己アライニング型ペプチド - Google Patents
ヒトエラスチンおよび他の繊維状タンパク質から誘導される自己アライニング型ペプチドInfo
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Abstract
Description
年8月7日出願の米国特許出願番号08/911,364号の部分継続出願である。
アライニング型ペプチドに関する。該ペプチドは、例えば、ヒトへの移植のため
の生体適合性材料として、または弾性材料のために有用である。
な生体適合性には達していない。理想的な材料は、適切な構造支持を提供するで
あろうし、免疫原性応答またはトロンボゲン形成応答を引き起こさないという意
味において生体適合性であろうし、置換された組織の物理的性質を模倣するであ
ろうし、正常細胞の浸潤および増殖に対して親和的な環境を提供するであろう。
得ることも時々あるけれども、この手法は、適切なドナー組織の入手は限られて
いるという点を含めて、いくつかの制限を有する。ダクロン、テフロン(Gortex
)およびポリウレタンなどの合成材料、ならびに金属(例えば、ステンレススチ
ールおよびチタン)が軟組織のプロテーゼのためにしばしば使用される。該材料
は強度、耐久性および柔軟性の必要条件を満たし得るけれども、これらは異物で
あるので長期間の使用について最大限に生体適合性であるというわけにはいかな
い。
の天然物質を被覆することであった。別の方法は、動物性組織調製物由来の生物
材料を使用することであった。例えば、動物性皮膚調製物を用いて熱傷を覆った
り、加工された動物血管を用いてヒトの血管置換の可能性を提供してきた。
ついて、非生物プロテーゼを被覆するために可溶性の形態でも、生物由来のプロ
テーゼを製造するために固体の形態でも、かなりの注目を浴びている。エラスチ
ンはプロテーゼとしての使用に適し得る構造特性を有し、細胞浸潤のための生体
適合性で非トロンボゲン形成性の表面を提供する。エラスチンはそれが見出され
る組織(例えば、大きな血管、弾性靭帯、肺実質、および皮膚など)に対して伸
張性および弾性収縮力という特性を付与する、耐久性のある、極めて安定した、
高度に不溶性の細胞外マトリックスタンパク質である。
することができないので、動物の動脈が主要なエラスチン供給源であった。動脈
のエラスチンは高度に不溶性のマトリックスであることから、不溶性のタンパク
質を酸またはアルカリで処理し、α-エラスチンおよびκ-エラスチンなどの加水
分解物を生成することによって、可溶性のエラスチン由来の物質を製造する。こ
れらはサイズがまちまちのペプチドの比較的に不明確な混合物である。
物プロテーゼ材料を、通常は化学的架橋剤による固定によって、被覆してきた。
例えば、米国特許第4,960,423号(Smith)は、動物エラスチン由来の水溶性ペプチ
ドで被覆された合成血管プロテーゼに関する。
ドおよび別の結合組織タンパク質(例えば、フィブリン)を含んでなる組成物に
関する。該可溶化エラスチンペプチドは10,000より大きな分子量を有する。
しのテトラペプチド単位またはペンタペプチド単位を含むポリペプチドを含んで
なるエラストマー複合材料に関する。該単位は、トロポエラスチン分子中に繰り
返して観察される単位、Val-Pro-Gly-Val-Gly(VPGVG)およびVal-Pro-Gly-Gly(VP
GG)、から誘導される。該ポリペプチドは一連のβターンを含んで成り、βコイ
ル構造を有すると提唱されている。該ポリペプチドは複合材料に弾性を付与する
が、構造的強度または構造的完全性をほとんど示さない。上記の人工コア繊維が
これら後者の特性を複合材料に付与する。
光化学反応で生体適合性物質を固体生物材料の表面へ化学的に結合させることに
より、固体生物材料の生体適合性を改良する方法に関する。
られている。該材料には、ゲル様材料を作製するためにコラーゲン、フィブリン
、フィブロネクチンおよびラミニンなどの他のタンパク質とともに凝集させた可
溶性の動物エラスチン、およびヒトエラスチンの短い疎水性配列(例えば、PGVGV
A)から誘導された重合物質が含まれる。いくつかの場合においては、該合成ペプ
チドはリジン残基を含む短いアラニンに富む配列も含み、これによりエラスチン
様ペプチド同士の架橋またはコラーゲンなどの他のタンパク質への架橋が可能と
なる。エラスチンとコラーゲンは双方ともリジンから誘導された架橋を含む。例
えば、米国特許5,223,420号(Rabaud)は、エラスチンと少なくとも1種の他のタ
ンパク質(例えば、フィブリン)を含む付加生成物を含んでなるエラスチンベー
スの生成物に関する。
り返し単位のエラストマー成分およびアミノ酸残基を含み得る架橋成分を含んで
なる人工エラストマーコポリマーに関する。繰り返し単位はエラスチンに由来す
る。米国特許第4,132,746号(Urry)は、合成された不溶性の架橋ポリペンタペプ
チドに関する。該ペンタペプチドは、トロポエラスチン中に存在するVPGVGペプ
チドである。このペプチドから誘導される他の物質については、米国特許第4,50
0,700号、米国特許第4,870,055号、米国特許第5,250,516号(全てUrry)も参照さ
れたい。上記特許に記載されているポリペプチドは、一連のβターンを含んで成
り、βコイル構造を有すると提唱されている。
エラスチンとコラーゲンのマトリックスを残して、外側の物質が取り除かれた。
例えば、米国特許第4,776,853号(Klement)は、適当なドナー組織から移植可能な
生物材料を調製するための方法に関する。
み入れる。
たものである。しかし、これらの材料は完全に満足できるというものではなく、
適切な機械的特性を有し、かつ有害な作用を及ぼさずに血液、組織液および細胞
と接触させて使用し得るプロテーゼが依然として必要とされている。
る材料を提供することである。本発明の別の目的は、ヒトへの移植に適したプロ
テーゼを提供することである。
3個含み、かつ天然に存在する繊維状タンパク質ではないポリペプチドを提供す
る。一つの実施形態によれば、前記ポリペプチドは本質的に図1Bに示したアミ
ノ酸配列の一部分からなる。別の実施形態によれば、前記ポリペプチドは本質的
に動物エラスチンのアミノ酸配列の一部分からなる。さらに別の実施形態によれ
ば、前記ポリペプチドは本質的にランプリン(lamprin)のアミノ酸配列の一部分
からなる。別の実施形態によれば、前記ポリペプチドは本質的にクモの絹タンパ
ク質のアミノ酸配列の一部分からなる。
に示したアミノ酸配列の一部分からなる。別の実施形態によれば、本発明は、動
物性材料の表面が本質的に図1Bに示したアミノ酸配列の一部分からなるポリペ
プチドで被覆されている、動物性材料を含むプロテーゼを提供する。別の実施形
態によれば、本発明は、合成材料の表面が本質的に図1Bに示したアミノ酸配列
の一部分からなるポリペプチドで被覆されている、合成材料を含むプロテーゼを
提供する。さらに別の実施形態によれば、本発明は、金属の表面が本質的に図1
Bに示したアミノ酸配列の一部分からなるポリペプチドで被覆されている、金属
を含むプロテーゼを提供する。
プチドを含む化粧材料を提供する。
在する繊維状タンパク質ではないポリペプチドを含む弾性材料および高い引張強
さの材料を提供する。
に図1Bに示したアミノ酸配列の一部分からなるポリペプチド、(B) βシート/
βターン構造を少なくとも3個含む、本質的に動物エラスチンのアミノ酸配列の
一部分からなるポリペプチド、(C) βシート/βターン構造を少なくとも3個含
む、本質的にランプリンのアミノ酸配列の一部分からなるポリペプチド、および
(D) βシート/βターン構造を少なくとも3個含む、本質的にクモの絹タンパク
質のアミノ酸配列の一部分からなるポリペプチド、からなる群より選択されるポ
リペプチドを2以上含む材料(2以上の該ポリペプチドは同一でも異なっていて
もよい)を提供する。
βシート/βターン構造を少なくとも3個含む二次構造を有するポリペプチドを
提供し、その際、(A) βシート/βターン構造のそれぞれは3個〜約7個のアミ
ノ酸残基を含み、かつ(B) 前記ポリペプチドは天然に存在する繊維状タンパク質
ではない。
イン、(ii) βシート/βターン構造を少なくとも3個および架橋に関与するア
ミノ酸残基を少なくとも1個含み、かつ天然に存在するタンパク質ではない第2
のドメイン、および(iii) これらのドメイン間に位置するメチオニン残基、を含
むポリペプチドを発現させ、(b) 該細胞を回収し、(c) 該細胞を、該ポリペプチ
ド中のメチオニン残基のそれぞれの存在位置で該ポリペプチドを切断するCNBrを
用いて処理する、ことを含んでなるポリペプチドの生産方法を提供する。
メイン、(ii) βシート/βターン構造を少なくとも3個および架橋に関与する
アミノ酸残基を少なくとも1個含み、かつ天然に存在するタンパク質ではない第
2のドメイン(ここで、該第2のドメインのN-末端はプロリン残基を含む)、お
よび(iii) これらのドメイン間に位置して、該プロリン残基とペプチド結合を形
成しているアスパラギン酸残基、を含むポリペプチドを発現させ、(b) 該細胞を
回収し、(c) 該細胞を、アスパラギン酸−プロリンペプチド結合のそれぞれの存
在位置で該ポリペプチドを切断する弱酸を用いて処理する、ことを含んでなるポ
リペプチドの生産方法を提供する。
明から自明であるか、あるいは本発明の実施により習得されるだろう。これらの
目的および効果は、特許請求の範囲に列挙した本発明を用いて実現することが可
能である。
られたユニークなポリペプチドに関する。下記の説明においては典型的な親タン
パク質としてヒトエラスチンを言及することが多いけれども、他の天然に存在す
る繊維状タンパク質を模して作られたポリペプチドを本発明に包含され、ヒトエ
ラスチンを模して作られたポリペプチドについて記載された方法と同様に作製し
、かつ使用し得る。
作られた元のタンパク質を意味する。例えば、ヒトエラスチンを模して作られた
ポリペプチドはヒトトロポエラスチンのアミノ酸配列の一部分を含んでなる。「
天然に存在する繊維状タンパク質」とは、天然に見出される任意の繊維状タンパ
ク質であり、この場合、「繊維状タンパク質」という用語は当技術分野における
慣例的な意味を有する。従って、繊維状タンパク質とは、マトリックス中に長い
繊維またはシートを形成するように配置されたポリペプチド鎖からなるタンパク
質である。Lehninger, BIOCHEMISTRY 60 (1975)を参照されたい。繊維状タンパ
ク質の例としては、限定されるものではないが、エラスチン、ランプリンおよび
クモの絹タンパク質が挙げられる。Robsonら, J. Biol. Chem. 268: 1440-47 (1
993)(参照によりその全体を本明細書に組み入れる)には、追加のタンパク質(
これらのタンパク質を模して本発明のポリペプチドを作ることができる)が開示
されている。
絹タンパク質およびランプリン)についてのアミノ酸配列情報が入手可能である
。二次構造および三次構造の分析とともに、この情報はそれらの機械的特性、特
に不溶性繊維へのそれらのアセンブリ(集合)についてのメカニズムに関する一
般的理論をもたらした。
成される。細胞から分泌される際に、トロポエラスチンはデスモシンと呼ばれる
共有結合性の架橋の形成により枝分かれしたポリマー網状構造へと集合する(Me
chamら, CELL BIOLOGY OF EXTRACELLULAR MATRIX, 第2版, New York, 1991)。
デスモシン架橋はリシルオキシダーゼの作用により酵素的に生成される。各デス
モシンはそれぞれ4個のリジン残基(関係するポリペプチド鎖の各々から2残基ず
つ)の側鎖を組み込んでいる。エラスチンの弾性特性の根底にある原理には議論
の余地を残すが、この珍しい特性は該タンパク質の強力な疎水性によるものであ
るという点では意見が一致している。
る(Indikら, Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 84:5680-84 1986)。架橋ドメイン
はアラニン(A)が豊富であり、架橋形成に関与することになっているリジン(K)は
KAAKおよびKAAAKスペーシング中に存在する。これらの架橋領域を分離している
ドメインは強力に疎水性である特性を有し、多くの縦列反復型ペンタペプチドお
よびヘキサペプチド配列を含む。ヒトエラスチンにおいて、これらの内で最も際
立った配列は、エキソン24中で7回繰り返される配列PGVGVAである(Indikら、前
掲)。
。すなわち、それらはβターンが介在するβシートを含む。同様のβシート/β
ターン構造も、他の自己凝集性のポリマーマトリックスタンパク質の構造に寄与
する。そのようなタンパク質の例としては、クモ絹、ランプリンおよび蚕卵殻が
挙げられ、これら全てが高い引張り強さを有する安定した繊維またはマトリック
スを形成する。これらの構造が該タンパク質の自己集合する能力にとって重要で
あると提案されている(Robsonら、前掲)。
合を指令するという証拠が存在する。トロポエラスチンおよびエラスチンの可溶
化断片(すなわち、κ-エラスチンおよびα-エラスチン)、ならびに疎水性反復
配列に対応する合成ペプチドは全て、コアセルベーション(ポリペプチド鎖間の
疎水性相互作用がオリゴマー繊維状構造の形成をもたらす過程)を受けることが
できる。この自己凝集はランダムではなく、すなわち、疎水性ドメインが繊維状
弾性マトリックスへの架橋のためのトロポエラスチンモノマーのアライメントを
促進する(Robsonら、前掲;Bressanら, J. Ultrastr. & Mol. Struct. Res. 94:
209-26, 1986)。
る架橋ドメインおよび疎水性ドメインからなる。架橋ドメインは主としてKAAKお
よびKAAAK配列中のリジン(K)およびアラニン(A)残基から成り、ここで、リジン
残基はリシルオキシダーゼによる酸化的脱アミノ化反応とそれに続く共有結合性
デスモシン架橋の形成に適したコンフォメーションで存在している(Indikら、前
掲)。疎水性ドメインはβシート/βターン構造を取っていると思われる疎水性
のペンタペプチドおよびヘキサペプチド配列中に豊富である(Tamburroら, ADVAN
CES IN LIFE SCIENCES, 115-27, 1990)。これらの疎水性領域は、エラスチンの
物理的特性である伸張性および弾性収縮力にとって、ならびにトロポエラスチン
(エラスチンのモノマー前駆体)が自己凝集して繊維構造をとる能力にとって重
要であると思われる(Robsonら、前掲;Tamburroら、前掲)。安定した微小繊維
状マトリックスへ自己凝集および自己アライニングし得る他のタンパク質(例え
ば、昆虫の卵殻コリオンタンパク質、クモ糸絹、およびヤツメウナギ軟骨組織由
来のランプリンなど)は全て、βシート/βターン構造を有する疎水性の反復ペ
プチドの類似した領域を有する(Hamodrakasら, Int. J. Biol. Macromol. 11:30
7-13, 1989; Simmonsら, Science 271: 84-87, 1996; Robsonら, 前掲)。
クモの絹タンパク質およびランプリン)を模して作られており、また、繊維形成
の第一段階である自己アライメントに必要なアミノ酸残基の数および種類を含む
。便宜上、本発明の各ポリペプチドを最小機能単位(minimal functional unit)
つまりMFUと呼ぶ。本発明のMFUの二次構造は少なくとも3つのβシート/βター
ン構造を有する。
である。本発明のβシート構造は典型的にはいくつかのアミノ酸残基、例えば、
3〜約7個のアミノ酸残基、好ましくは約5〜約7個のアミノ酸残基、および、
特に5〜7個のアミノ酸残基を含んでなる。βシート構造のアミノ酸残基は疎水
性の側鎖を有していてもよい。本発明のβターン構造は典型的には2個のアミノ
酸残基(しばしばGGまたはPG)によって開始され、また、更なるアミノ酸残基を
含んでもよい。例えば、本発明のβターン構造は約2〜約4個のアミノ酸残基、
好ましくは2〜4個のアミノ酸残基、特に4個のアミノ酸残基を含み得る。
けたリボンはペプチドを表す。リボンの6箇所の真っ直ぐな部分はβシート構造
を表し、リボンの5箇所の曲がった部分はβターン構造を表す。白丸はβシート
に対して下向きの疎水性の側鎖を表し、黒丸はβシートに対して上向きの疎水性
の側鎖を表す。これらの疎水性の側鎖は、アラニン、バリン、イソロイシン、ロ
イシン、チロシンおよびフェニルアラニンなどのアミノ酸残基上に存在する。長
方形は、βターン構造を安定化させる水素結合を表す。Robsonら, 前掲; Lehni
nger, 前掲 133-35頁も参照されたい。
ク質と同様に自己アライニングする。例えば、MFUの疎水性配列は、親タンパク
質の疎水性配列と同様にアライメントする。MFUの二次構造を考慮した場合、こ
のことはMFUのβシート同士が互いに整列(アライメント)することを意味する
。このアライメントは親タンパク質の場合と同様に起こり、βシートが「レゴ(l
ego)」型モチーフで重なり合う。Robsonら、前掲を参照されたい。エラスチン由
来のMFUでは、アライメントがMFU同士の架橋を可能にする様式でのリジン残基の
アライメントをもたらす。
すなわち、アミノ酸配列)および少なくとも3個のβシート/βターン構造を含
む二次構造を有するポリペプチドであって、そのポリペプチドが天然の繊維状タ
ンパク質ではないポリペプチドを提供する。好ましくは、各βシート/βターン
構造は3〜約7個のアミノ酸残基を含んでなる。該ポリペプチドは対応する親タ
ンパク質を同定するのに十分な長さである。この点に関しては、少なくとも約1
0アミノ酸残基の長さで十分であると思われる。該ポリペプチドはより長くても
よく、例えば、親タンパク質全体の長さまでとすることができる。
1次構造が1以上のアミノ酸残基の付加、置換および/または欠失によって修飾
されている場合も本発明の一部として意図される。該ポリペプチドは少なくとも
3個のβシート/βターン構造を含んでなる二次構造を有し、本明細書中で記載
する自己アライメント特性を示す。行なわれ得る修飾の数に制限はないけれども
、1〜約20個の、とりわけ1〜約10個の、特に1〜約5個のアミノ酸残基の付加、置
換および/または欠失を含む修飾を、該ポリペプチドの上記特性を維持しながら
行なうことができると考えられる。
ては、以下の変化が挙げられる:アラニンからセリンへ;アルギニンからリジン
へ;アスパラギンからグルタミンまたはヒスチジンへ;アスパラギン酸からグル
タミン酸へ;システインからセリンへ;グルタミンからアスパラギンへ;グルタ
ミン酸からアスパラギン酸へ;グリシンからプロリンへ;ヒスチジンからアスパ
ラギンまたはグルタミンへ;イソロイシンからロイシンまたはバリンへ;ロイシ
ンからバリンまたはイソロイシンへ;リジンからアルギニン、グルタミンまたは
グルタミン酸へ;メチオニンからロイシンまたはイソロイシンへ;フェニルアラ
ニンからチロシン、ロイシンまたはメチオニンへ;セリンからトレオニンへ;ト
レオニンからセリンへ;トリプトファンからチロシンへ;チロシンからトリプト
ファンまたはフェニルアラニンへ;バリンからイソロイシンまたはロイシンへ。
のアミノ酸残基とβターンを開始する他のアミノ酸との置換を含み得る。例えば
、1以上のプロリンもしくはグリシン残基をそれぞれグリシンもしくはプロリン
残基と置換してもよく、またはセリン残基と置換してもよい。さらに、またはあ
るいは、修飾(例えば、1以上のアミノ酸残基の付加、欠失または置換)は、β
シート構造中のアミノ酸残基へ行われ得る。例えば、疎水性の側鎖を有するアミ
ノ酸残基は、疎水性の側鎖を有するまたは類似した性質の側鎖を有する異なるア
ミノ酸残基と置換し得る。典型的な置換には、アラニン、バリン、イソロイシン
、ロイシン、チロシンおよびフェニルアラニンの間での置換が挙げられる。
造を妨害しない任意の数の付加、置換および欠失(例えば、前述したような付加
、欠失、および保存的アミノ酸置換)が行われ得る。また、リジン残基は架橋に
関与する任意の他のアミノ酸残基と置換し得る。係るアミノ酸残基には、酸性ま
たは塩基性残基(例えば、アルギニン、アスパラギン酸およびグルタミン酸)が
挙げられる。
列の一部分の変異体であるポリペプチドが提供される。そのようなポリペプチド
のアミノ酸配列は、図1Bに示されるアミノ酸配列が、1〜約10個のアミノ酸
残基、例えば、1〜約5個のアミノ酸残基の付加、欠失、または置換によって修
飾される図1Bに示すアミノ酸配列の一部分に相当する。そのようなポリペプチ
ドは、少なくとも3個のβシート/βターン構造を含む二次構造を有し、本明細
書中で記載する自己アライメントの特性を示す。本発明の別の実施形態にしたが
って、そのアミノ酸配列が図4Cに示すアミノ酸配列の変異体であるポリペプチ
ドが提供される。そのようなポリペプチドのアミノ酸配列は、図4Cに示される
アミノ酸配列が、1〜約10個のアミノ酸残基、例えば、1〜約5個のアミノ酸
残基の付加、欠失、または置換によって修飾される図4Cに示すアミノ酸配列の
一部分に相当する。そのようなポリペプチドは、少なくとも3個のβシート/β
ターン構造を含む二次構造を有し、本明細書中で記載する自己アライメントの特
性を示す。そのアミノ酸配列が図5A〜5Cに示すアミノ酸配列の変異体である
ポリペプチドもまた本発明に包含される。そのようなポリペプチドのアミノ酸配
列は図5A、5Bまたは5Cに示すアミノ酸配列の一部分を含み、その場合に、
図に示されるアミノ酸配列は、1〜約10個のアミノ酸残基、例えば、1〜約5
個のアミノ酸残基の付加、欠失、または置換によって修飾される。そのようなポ
リペプチドは、少なくとも3個のβシート/βターン構造を含む二次構造を有し
、本明細書中で記載する自己アライメントの特性を示す。
が、他のタンパク質由来のペプチドも本発明に包含される。例えば、任意の他の
繊維形成タンパク質由来のペプチド(例えば、クモの絹タンパク質およびランプ
リン)は、本発明の一部として意図される。これらのMFUはエラスチンを模して
作られたMFUについて本明細書中で記載のように取得することができる。さらに
、様々な親タンパク質由来のMFUの混合物(例えば、ランプリンおよびエラスチ
ンを模して作られたMFU)を一緒に用いて、様々な材料を作製することができる
。
、多数の架橋ドメインおよび疎水性ドメインが交互に存在する。疎水性ドメイン
はそれぞれ多数のβシート/βターン形成配列を含むと考えられる。これらのド
メインは恐らくエラスチンのMFUを表す。これらの内の1つ(別の実験で使用さ
れる)を、括弧で示し、MFU−1と呼ぶ(下記実施例1参照)。図1Bはヒトエラ
スチンのアミノ酸配列を示す。下線を引いたアミノ酸残基(残基374-499)はMFU
−1を含む。ヒトエラスチンを模して作られた他のMFUは、アミノ酸残基19-160、
188-367および607-717をそれぞれ含んでなるポリペプチドを含む。MFU−3のア
ミノ酸配列(図5A)は、最初の5個のアミノ酸残基を含まないMFU−1のアミノ
酸配列に対応する。MFU−4のアミノ酸配列(図5B)は、最初の4個のアミノ
酸残基を含まないMFU−1のアミノ酸配列に対応する。
列(図1B)の一部を含んでなり、その二次構造に少なくとも3個のβシート/
βターン構造を有する。これらは、架橋に関与し得るアミノ酸残基(例えば、リ
ジン残基)を含んでもよい。本発明の1実施形態においては、MFUはデスモシン型
結合を形成するような様式で架橋に関与し得る2個のアミノ酸残基を含んでなる
。例えば、MFUはKAAKまたはKAAAKアミノ酸配列を含んでもよい。
は本質的に図1Bに示すアミノ酸配列の一部からなる。用語「Aは本質的にBか
らなる」とは本明細書中で、AがBと、場合によりA−B物質の特性に実質的に
影響を与えない他の成分と、を含んでなることを意味する。例えば、本質的に図
1Bに示すアミノ酸配列の一部からなるポリペプチドとは、図1Bに示すアミノ酸
配列の一部を含んでなり、該ポリペプチドの特性に実質的な変化を与えない他の
アミノ酸残基を含みうるポリペプチドを意味する。すなわち、該ポリペプチドは
、少なくとも3個のβシート/βターン構造を有し、トロポエラスチンペプチド
と同様に自己アライニングするという特性を保持する。
自己アライメントを導いて、MFUは親タンパク質の凝集体の構造を模倣するよう
に自己をアライニングするものと考えられる。例えば、MFUのβシートがアライ
ニングし、そしてエラスチンを模して作られたMFUのリジン残基は、酵素的また
は化学的架橋のためにアライニングし、トロポエラスチンモノマーがエラスチン
タンパク質を形成する方法を模倣して安定したポリマー構造を形成する。
ことができる。例えば、ヒトエラスチンを模して作られたMFUに対するDNAは、ヒ
トエラスチンをコードするDNAから、該DNAの切断および適当な断片の選択、また
は様々な公知の方法によるDNAの合成のいずれかにより直接取得することができ
る。
中に発現させる。この場合、発現させたポリペプチドは、ポリペプチドの溶解性
を高めるドメインと、MFUドメインと、その間に発現されたメチオニン残基を含
んでなる。ポリペプチドの溶解性を高める適当なドメインにはグルタチオン-S-
トランスフェラーゼ(「GST」)が含まれる。本発明において、上記タンパク質
を発現させる細胞は、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞または哺乳動物
細胞でもよい。
することができ、アフィニティークロマトグラフィー工程を用いずに精製するこ
とができる。このために、細胞を慣例的な技法(例えば、遠心分離)に従って回
収し、メチオニンと任意の他の残基との間のペプチド結合を切断するCNBrで細胞
を処理する。それゆえに、CNBr処理はMFUドメイン内のいかなるペプチド結合も
切断しない。なぜならば、MFUドメインはメチオニン残基を全く含まないからで
ある。しかしながら、CNBr処理によって、少なくとも1個のメチオニン残基を含
む全ての他のドメインが分解される。CNBr処理後、MFUドメインを慣例的な方法
(例えば、ゲルろ過またはイオン交換クロマトグラフィー)により回収する。
果的に、MFUドメインを含むがメチオニン残基またはペプチドの可溶性を増大す
るドメインを含まない発現されたポリペプチドが得られる。
めるドメインと、MFUドメインと、その間に位置するアスパラギン酸残基を含ん
でなる組換えポリペプチドを上記のいずれかの細胞中で発現させる。本実施形態
では、MFUドメインのN-末端はプロリン残基を含んでなり、このアスパラギン酸
残基とペプチド結合を形成する。
、アフィニティークロマトグラフィー工程を用いずに精製することができる。こ
のために、細胞を慣例的な技法(例えば、遠心分離)に従って回収し、細胞を弱
酸(例えば、酢酸またはギ酸)で処理する。弱酸は、アスパラギン酸残基とプロ
リン残基との間のペプチド結合を切断する。それゆえに、弱酸による処理によっ
て、MFUドメイン内のいかなるペプチド結合も切断されない。なぜならば、MFUド
メインにおける唯一のアスパラギン酸-プロリンペプチド結合はN-末端に位置す
るからである。しかしながら、弱酸による処理によって少なくとも1個のアスパ
ラギン酸-プロリンペプチド結合を含む全ての他のドメインは分解される。弱酸
による処理後、続いてMFUドメインを慣例の方法(例えば、ゲルろ過またはイオ
ン交換クロマトグラフィー)で回収する。
む場合、本発明のMFUを上記の弱酸プロトコールにしたがって作製することがで
きる。この場合、該ポリペプチドは、ペプチドの溶解性を高めるドメインを含ま
ない。
ヒトエラスチンのより大きなドメイン(最大でトロポエラスチン分子全体を含む
)を含むMFU、をコードするDNA配列を構築し得る。これらのより大きなエラスチ
ン配列は、集合の速度論または機械的特性の観点から利点を提供しうる。例えば
、MFU-2(ヒトエラスチンのエキソン20、21、23、24、21、23および24からなる
)を発現させて精製した。このペプチドのアミノ酸配列を図4Cに示す。MFU-2は
、より低いコアセルベーション温度によって証明されるように、MFU-1と比較し
て自発的に自己凝集する傾向が増大している。以下の実施例6を参照されたい。
MFU-5(図5C)のアミノ酸配列は、1番目のアミノ酸残基を含まないMFU-2のアミノ
酸配列に相当する。
、および温度の単純な操作により、ポリペプチドのコアセルベーションおよび自
己アライメントが開始され、エラスチン様繊維の凝集物を生じる。MFUのコアセ
ルベーションおよび自己アライメントを生じさせる厳密な条件は、操作するMFU
ポリペプチドおよびMFU溶液に左右される。コアセルベーションを生じさせる条
件は当業者に公知であり、当業者は下記の慣例的な実験手順に従ってMFUのコア
セルベーションおよび自己アライメントを導くことができる。
チンのMFU-1のコアセルベーション(自己凝集)を示す。該ペプチドをリン酸緩
衝生理食塩水(pH7.4、1.5M NaClおよび0.3mM CaCl2含有)中に0.25mg/mlの濃度で
溶解し、溶液の温度を一定の速度で上昇させた。コアセルベーションは53℃で生
じ、溶液の濁度の上昇によって示される。下記実施例4に示すデータは、MFUが
非ヒトエラスチンと集合する能力を示す。
ラスチンと同じ様式で自己集合する能力である。例えば、エラスチンを模して作
られたポリペプチドの場合、MFUは、βシート構造がアライニングするように自
らをアライニングし、MFUペプチド同士の架橋を可能にする。この自己アライメ
ントおよび自己凝集の過程は、繊維形成における第1段階であると考えられる。
酵素的架橋後、該繊維は、天然のエラスチンポリマーと類似する化学的特性およ
び構造的特性を有する物質にすることができる。このMFU物質を用いて、血管置
換のためのチューブおよび他の用途(例えば、外傷または熱傷の治療)のための
シートのようなヒトエラスチン様プロテーゼを構築することができる。あるいは
、該MFUを他のタンパク質(例えば、コラーゲン)と一緒に凝集させて、身体に
おける天然の構造材料と類似するプロテーゼ材料を提供できる。
を受けやすく、プロテーゼは永久的で、生きた、組織置換物となり得る。このヒ
ト様MFU材料は、これまでプロテーゼのために推薦されてきた他のエラスチン含
有材料(例えば、Urryの特許に記載された化学的に合成されたエラスチン配列か
ら作製したポリマーおよび上記の他のタンパク質と一緒に凝集させた非ヒトエラ
スチンの加水分解物から作製した材料)よりも生体適合性が高い。
物に比して明らかな利点を提供する。例えば、以前使用された可溶化されたエラ
スチン断片とは対照的に、MFUは一定の組成を有する単一ペプチドである。MFUは
親タンパク質よりもかなり小さく、構造もより単純である。それゆえに、量的に
も産生または発現させやすく、溶解状態で扱いやすく、さらに実験的および実際
的な目的において操作しやすい。他のエラスチン調製物と同様に、MFUはトロン
ボゲン形成能を示さず、細胞の浸潤に対して親和的な環境を提供する。さらに、
全体がヒトエラスチン配列からなるので、MFUは免疫原性を示さず、これにより
真に生体適合性である材料を提供する。
ンまたは動物性エラスチンが使用される任意の方法において使用することができ
る。例えば、本発明のヒトエラスチンの可溶性MFUは、動物性のα-エラスチンお
よびκ-エラスチンのような可溶化された(すなわち加水分解された)非ヒトエ
ラスチン調製物を使用するのと同様の方法で、プロテーゼなどの非生物材料の表
面を被覆するために使用できる。MFUを使用してあらゆるプロテーゼを被覆する
ことができる。プロテーゼの例としては、合成材料、動物性材料、および/また
は金属を含むプロテーゼが挙げられる。該プロテーゼは多層のMFUで被覆するこ
とができる。例えば、1層から500層以上のMFU層でプロテーゼを被覆することが
できる。プロテーゼ上に被覆した後で被覆の耐久性を向上させるためにMFUを架
橋させることができる。本明細書中で使用する場合、プロテーゼという用語は、
体内中に移植されるあらゆる材料を包含することを意図する。例えば、血管置換
用材料、心臓弁置換用材料、組織置換用材料(すなわち、組織欠損後に移植され
る「充填」材料)、クロス様材料、ステント、および熱傷または外傷の治癒を促
進させるためのカバーリングとして使用するための材料が挙げられる。
し増殖することができる表面を提供することから、MFUで被覆されたプロテーゼ
は被覆されていないプロテーゼよりも生体適合性である。ヒトエラスチンを模し
て作られたMFUで合成プロテーゼを被覆することにより、血小板の結合および活
性化が有意に阻害される。さらに、MFUで被覆したプロテーゼは、動物由来のエ
ラスチンで被覆されたプロテーゼに比して、ヒト配列を含みそれゆえに免疫原性
が無いという利点を有する。さらに、MFUは、前述の動物由来の産物のように様
々なサイズのペプチドの規定されていない混合物ではなく、規定された均一のペ
プチドを含む。
スチンを使用するように、化粧品中に使用することができる。米国特許第4,179,
333号(Braeumer)、第4,659,740号(Usher)、第4,474,763(Lubowe)、第4,419,288
号(Cioca)、第4,327,078号(Charlet)および第4,963,656号(Mitani)を参照された
い。またこれらの各内容は参照により本明細書にその全体を組み入れる。
骨格とともに使用することができる。動物性エラスチン/コラーゲン材料は、動
物血管から全ての他のタンパク質成分、細胞成分および可溶性成分を抽出し、実
質的に動物性エラスチンおよびコラーゲンからなるチューブとすることにより取
得する。例えば、上記の米国特許第4,776,853号(Klement)を参照されたい。MFU
は、その固有の自己集合および自己アライメント特性のため、動物性脈管調製物
の動物性エラスチンマトリックスと自発的に会合する。それゆえに、動物性エラ
スチンの脈管の全表面を多層のヒトエラスチンMFUで被覆し、酵素的または化学
的架橋により永久的会合を達成することができる。ヒトMFU表面を有する動物性
脈管は、実質的には免疫原性が減少し、被覆していない動物性エラスチンからな
るプロテーゼに対して生体適合性が改善されることとなる。
どの他のタンパク質とともに凝集され、短い反復疎水性エラスチン配列は高分子
量の物質へと重合された。本発明のMFUは本質的にMFUからなるプロテーゼの作製
に使用するための繊維を作製するのと同様な方法で使用することができる。例え
ば、MFUをフィブリンおよび他の短い疎水性エラスチン配列とともに凝集させ、
高分子量の物質へと重合させることができる。
えば、弾性材料において有用である。複数の動物性エラスチンのアミノ酸配列が
知られている(マウス、ラット、ニワトリ、ウシおよびブタを含む)。
する(限定するものではないが、ランプリンおよびクモの絹タンパク質を含む)
。該タンパク質のMFUは、繊維状のポリマー構造へのアライメントを指令する十
分な情報(すなわち、十分なβシート/βターン構造)を含有する。例えば、ラ
ンプリンのアミノ酸配列は知られており、該タンパク質の二次構造は多数のβシ
ート/βターン構造を含むと考えられる(Robsonら、前掲)。本発明に従うラン
プリンを模して作られたMFUは、少なくとも3個のβシート/βターン構造を有
するランプリンのアミノ酸配列の一部分を含み、天然に存在するランプリンタン
パク質ではない。好ましい実施形態において、ランプリンを模して作られたMFU
は本質的にランプリンのアミノ酸配列の一部分からなる。あるいは、ランプリン
を模して作られたMFUは、ランプリンのアミノ酸配列の一部分を含み、この場合
にアミノ酸配列が上記のように1以上の付加、置換および/または欠失により改
変されている。
材料を作製することができる。この材料は、親タンパク質からの高い引張り強さ
、弾性および可塑性といった特別の特性を有し、したがって多数の異なる用途、
例えば、高い引張り強さを必要とするような、パラシュートに使用するコードお
よびロープにおいて適している。
場合、MFUは同一でも異なっていてもよく)、ならびに異なる親タンパク質由来
の2種以上のMFUを含む材料を、包含する。同一または異なる親タンパク質から
のMFUのこのような組合せを選択して、所望の物理的特性を有する産物を作製す
ることができる。例えば、エラスチン由来のMFUとクモの絹タンパク質由来のMFU
の組合せは、エラスチンの高い伸張性およびクモの絹タンパク質の高い引張り強
さを有することとなる。MFUの適切な選択およびそれらの相対量により、特定の
特性を有する材料の製造が可能となる。
FUを含む融合タンパク質、または化学的に互いに結合した2種以上のMFUなどで
ある。例えば、本発明の1実施形態では、動物性エラスチンまたはヒトエラスチ
ンなどのエラスチンを模して作られたMFU、およびランプリンまたはクモの絹タ
ンパク質などの別の繊維状タンパク質を模して作られたMFU、を含むポリペプチ
ドを提供する。このようなポリペプチドは当業者に公知の方法で、例えば、融合
タンパク質を作製するために使用される方法で作製することができる。ランプリ
ン由来の縦列反復配列の両側に隣接するヒトエラスチンのエキソン21および22を
含むMFUを融合タンパク質として発現させた(下記実施例7を参照されたい)。
別の実施形態では、ランプリンまたはクモの絹タンパク質を模して作られたMFU
と化学的に結合させた動物性エラスチンまたはヒトエラスチンを模して作られた
MFUを含む材料が提供される。このような化学的に結合させたポリペプチドは当
業者に公知の方法により作製することができる。同一のまたは異なる親タンパク
質を模して作られたMFUの他の組合せも本発明に包含される。
り、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
のβシート/βターン構造は、該タンパク質の自己アライメントおよび自己集合
において重要な役割を担うと考えられる。これらの構造はMFUの選択において注
目される。
MFUは、ヒトエラスチン遺伝子の4つのエキソン領域、エキソン20(35アミノ酸)
、21(14アミノ酸)、23(19アミノ酸)および24(53アミノ酸)にコードされる(図1
C)。該ペプチドのアミノ酸残基を図1Bに下線を引いて示す。該MFUは、両側
に疎水性ドメインを有する2個の隣接する中央部架橋ドメインを含んでなる。図
1Dは、MFU-1に相当する疎水性ドメインおよび架橋ドメインの模式図である。
リジン残基を含有する架橋ドメイン(αヘリックス構造を取っていると考えられ
る)を円柱で表す。隣接する疎水性ドメインを、疎水性側鎖が突き出している四
角い平面として表す。これらの疎水性ドメインはそれぞれ、いくつかのβシート
/βターン構造単位を含んでなる。このMFUは、エラスチンの全質量のおよそ1/6
を占めるにすぎず、約10,000ダルトンのサイズを有する。この特定の単位は、隣
接する疎水性エキソンであるエキソン24がPGVGVA配列の7回反復配列(エラスチ
ンのアライメントおよび集合においてある役割を担っている可能性が高い)を含
むという理由で、選択された。この部位における類似した縦列反復配列のドメイ
ンがいくつかの種のエラスチンにおいて見出されるという事実により、ならびに
、この疎水性の反復配列を模倣する合成ペプチドが繊維状構造を形成するように
自己凝集するという証拠により、該ドメインの重要性が支持される。さらに、前
記PGVGVA配列はエラスチン結合性タンパク質と特異的に相互作用する。該配列の
機能のひとつは、トロポエラスチンの未熟な細胞内自己凝集を防ぐことである(H
inekら, J. Cell Biol. 126: 563-73, 1994)。さらに、該トロポエラスチン結合
タンパク質は、可溶化したエラスチン断片(κエラスチン)のin vitroでの自己凝
集を阻害することが示されている(Hinekら, Cell Adhesion & Comm., 2: 1-9, 1
994)。
アライニングする同様の能力を有することが期待され、本発明における好適なMF
Uである。例えば、図1Bに示したヒトエラスチンアミノ酸配列のアミノ酸残基1
9-160、188-367および607-717を含むペプチドは好適なMFUである。
23および24を含む領域をPCRによりクローニングした。5’プライマーはBamHI部
位を含み、メチオニンコドン、およびエキソン20の5’末端に相同な15個の塩基
が後に続いた。メチオニンコドンを後に続く使用のために臭化シアン切断部位と
して挿入した。なぜならば、エラスチン配列中には他のメチオニンが全く存在し
ないからである。3’プライマーはEcoRI部位を含み、終止コドン、およびエキソ
ン24の3’末端に相補的な15個の塩基が後に続いた(図1Cを参照されたい)。
前記PCR産物を、BamHI-EcoRIで消化したpGEX-2tベクター(Pharmacia)へ連結し、
配列を確認した。該連結産物を大腸菌(E. coli)へトランスフェクトした。発現
された融合産物をグルタチオンアフィニティークロマトグラフィーにより単離し
、臭化シアン処理によりGSTタンパク質からエラスチンMFUを切断し、10kDa未満
の切断産物を得た。該切断産物を0.05M酢酸中でBioGel P-30クロマトグラフィー
により精製した(図2)。エラスチンMFU-1は画分1に含まれる。
に対する抗体を用いるウエスタンブロッティングにより、ならびにアミノ酸分析
により、放出されたMFUが同定確認された。特に、図2に示したBioGel P-30クロ
マトグラフィーから得られた画分1について、ウエスタンブロット分析により特
性決定した。PGVGVAに対するモノクローナル抗体を用いたウエスタンブロットを
、CNBr切断前のアフィニティークロマトグラフィー精製産物に対して、および画
分1に対して行なった。さらに、ヒトエラスチンに対するポリクローナル抗体を
用いたウエスタンブロットを画分1に対して行なった。エラスチンポリペプチド
の収量は1〜3mg/Lと推定される。
ミノ酸組成を示す。予想された(予想)組成および実際の(実測)組成を示す。
た大腸菌を放射標識されたバリンおよびグリシンの存在下で培養することにより
作製した。
(繊維形成の第1段階)能力は、溶液の塩分含有量を増大させることおよび温度
(コアセルベーションの開始は53℃で起きる)を上昇させることによって容易に
誘導された(図3)。MFU-1の挙動は、親分子であるトロポエラスチンの温度依
存的自己凝集に類似している。
用 動物をベースとするプロテーゼ材料を被覆するMFU-1の能力を以下のとおり評
価した: 不溶性のエラスチンのマトリックスを臭化シアン抽出法によりニワトリ大動脈
組織から調製した。不溶性非ヒトエラスチンマトリックスを、上記のように調製
した放射標識ヒトMFU-1の存在下で、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)中、37℃で16
時間インキュベートした。続いて、該組織をリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)で広
範に洗浄した。
証された。ニワトリエラスチンのサンプルを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)のみ
の中で、および放射標識されたヒトエラスチンMFU-1(MFU)を含むPBS中でインキ
ュベートした。ヒトMFU-1を用いたインキュベーションの後にエラスチンの自己
蛍光が増大したことにより、ニワトリエラスチンの表面とヒトMFU-1とが会合し
ていることが示された。MFU-1で被覆されたニワトリエラスチンマトリックスは
、マトリックス表面全体に渡って均一な表面自己蛍光の増大を示し、このことに
よりMFU-1によるマトリックスの完全かつ連続的な被覆が示唆された。
計算値を示す:
ニワトリエラスチンマトリックス1mgあたり約1〜3μgのヒトMFU-1が、不溶性の
ニワトリエラスチンマトリックスと強固に会合して維持されると概算された。こ
のMFU-1の量は、概算されたニワトリエラスチンマトリックスの表面積を200倍ま
で覆うのに十分であり、MFU-1がニワトリエラスチンマトリックス上で多層被覆
を形成したことが示唆される。
どの非生物性プロテーゼ材料について評価した。
発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)(Gortex)またはテフロン被覆金属など
の非生物性プロテーゼ材料を可溶性のMFU-1へ曝露することにより、ヒトエラス
チンMFUの表面層でこれらの材料に被覆を生じることが示された。ダクロン、ポ
リウレタン、およびePTFEの被覆の場合、結合したMFUの量は、材料の表面積およ
びMFU-1の概算された断面積を基準として材料を少なくとも20倍で被覆するのに
十分であった。テフロン被覆金属については、表面被覆率は約500倍であると概
算される:
材料上に形成されたら、更なる層はMFUの自己凝集により形成されることを表す。
た(例えば、前掲の米国特許第4,474,851号(Urry)中の)方法で該材料を処理し
てMFUを共有結合的にプロテーゼ材料へ架橋することにより、および、MFUのアミ
ノ基を介してMFU同士を架橋することにより、被覆を永久的なものとし得る。こ
のように、プロテーゼの表面上に永久的なエラスチンマトリックスが提供される
。
プロテーゼをヒトエラスチンMFUで被覆することによって、これらの材料から作
られるプロテーゼが血小板と結合してそれを活性化させるという傾向は低減され
る。例えば、本発明者らは、MFU-1で被覆したePTFE材料が血小板の付着や活性化
を示さないことを実証した。
殖のための表面を提供することを実証した。特に、血管の平滑筋細胞および内皮
細胞がMFU-1で被覆された表面上に付着し、拡散し、そして増殖することを見出し
た。同様の結果が、ヒトエラスチンMFUから作製される材料に関しても期待され
る。
レンなどの非生物性プロテーゼ材料の表面上へMFU-2を曝露し吸着させた。続い
て、血小板の活性化を低減させるために該材料上でMFU-2の被覆を使用すること
の有効性を評価した。MFU-2で処理した表面および処理していない表面を血小板
に富む血漿調製物と一緒に1時間インキュベートした。微粒子の放出によって、
および血小板上でのP-セレクチン発現の増大によって、血小板の活性化を調べた
。結果を以下の表に示す。
を形成し得ることが示される。
られた第2のポリペプチド(MFU-2)を発現させ、部分的に特性決定を行なった。
該ポリペプチドはMFU-1の縦列2回反復配列を含み、エキソン20、21、23、24、2
1、23および24からなる(図4A、4C)。また該ポリペプチドは疎水性ドメイ
ンを3個と架橋ドメインを2個含む(図4B)。MFU-2は約34℃でコアセルベー
ト形成し、このことにより、MFU-1と比較して自己凝集の傾向が増大することが
示される。自己凝集傾向の増大は疎水性ドメインと架橋ドメインの2回反復に起
因する。
ド配列からなる構築物を発現させた。さらに、ランプリンの縦列反復配列(GGLGY
)6によって両側が挟まれたヒトエラスチンの架橋ドメイン(エキソン21および23
)からなるキメラ構築物を発現させた。
その使用 MFUを使用して、例えば、プロテーゼ材料を製造するのに有用な繊維状マトリ
ックスを作製することができる。このことは、自己凝集プロセス中または自己凝
集後のいずれかに、適当な媒質中への押出しまたは繊維を作製するための他の公
知方法によって達成することができる。ヒトトロポエラスチンにより形成される
構造と類似する繊維状構造へのMFU-1の自己集合は、コアセルベートの透過型電
子顕微鏡で観察して確認することができる。
ラスチン分子全体までも含む)ヒトエラスチン領域を含むポリペプチドを用いて
本発明に従う繊維を作製することができる。より大きなMFU含有ペプチドは、自
己集合または繊維形成特性の改良を示すか、または優れた機械特性を有する繊維
を産生し得る。
)または化学的(2官能性アルデヒド類または他の架橋剤による)に架橋して安
定化し、天然のエラスチンと類似する材料を作製できる。コアセルベートにより
形成されたMFU-1のポリマーは、Stahmannら, Biopolymers 16: 1307-18 (1977)
中に記載されるカテコール/ペルオキシダーゼ法によるリジン残基側鎖の化学的
架橋により安定化させた。該方法によりポリマーを安定化することができること
から、自己凝集(コアセルベーション)プロセスが架橋のために適切にリジン残
基をアライニングさせることが確認される。
することにより、天然の構造材料により近い形で模倣することができる。
はチューブに形成するかまたは織ることができる。該ヒト様材料は、これまでに
プロテーゼとして提案されてきた他のエラスチン含有材料と比較して優れた生体
適合性を有する。
例えば、実施例3および実施例6)、電子顕微鏡で観察されたように、コアセル
ベーション温度で16時間のインキュベーション後に自発的に不溶性の繊維状構造
を形成した。より低い温度でコアセルベーションするばかりでなく(実施例6で
示したように)、MFU-2はMFU-1と比較してよりコンパクトな、より良い形状の、
かつより良いアライメントの繊維を形成すると思われた。このことは、2個の疎
水性ドメイン(MFU-1)と比較したとき、3個の疎水性ドメイン(MFU-2)を有するペ
プチドに元来備わっている、自己アライメントの機会に関する予測された改良と
一致していた。
化させた後に、MFU-1およびMFU-2から形成した繊維状構造は、たとえ温度をコア
セルベーション温度よりも低くした場合においても、溶液状に再度溶解すること
はなかった。しかしながら、2%ドデシル硫酸ナトリウムおよび4M尿素を含有
する溶液中では再度可溶化する場合があり、その際の溶液はモノマー形態のMFU
ばかりでなくダイマー、トリマーおよびより高次のオリゴマー形態のMFUも含有
していた。
せた後に、MFU-1およびMFU-2から形成した繊維状構造を、さらに酵素的(例えば
、リシルオキシダーゼによる)または化学的(2官能性アルデヒド類または他の
架橋剤による)に架橋して安定化することができる。具体的には、コアセルベー
ションにより形成されたMFU-1およびMFU-2の不溶性ポリマーは、例えば、Stahma
nnら(Biopolymers 16, 1307-18, 1977)中に記載のカテコール/ペルオキシダー
ゼ法によるリジン残基側鎖の化学的架橋により安定化された。コアセルベーショ
ンにより形成されたMFU-1およびMFU-2の不溶性ポリマーはさらに、Shahら(BBA 1
159, 311-318, 1992)により記載されたように、1mM硫酸銅の存在下で酸化剤とし
て2mM以下のピロロキノリンキノン(PQQ)を使用してリジン残基側鎖の化学的架橋
により安定化された。PQQにより生成される架橋には、デスモシンおよびイソデ
スモシンが含まれ、これら2つは最も豊富なリジンから誘導された共有結合性架
橋である。前記方法によりMFUポリマーを安定化させることができ、そして特に
ポリマー中にデスモシンおよびイソデスモシンを生成することができることから
、自己凝集(コアセルベーション)のプロセスは架橋のために適切にリジン残基
をアライニングすることが確認された。
より形成されたMFU-2の不溶性ポリマーを、膜構造体へと形成させた。該膜の機
械的試験によって、これらは天然の不溶性エラスチンと同様の機械的特性を有す
ることが示された。そのような機械的特性には、ブレークポイントまでの伸張性
、ヤング係数、および最小ヒステリシスによる伸張後の収縮力(反跳)が含まれ
る。
ソン20、21、23および24を含む領域をPCRによりクローニングした。同様に、ヒ
トエラスチンのエキソン20、21、23、24、21、23および24を含む構築物も慣例的
なPCR技法により作製した。5’プライマーはBamHI部位を含み、メチオニンコド
ンおよびエキソン20の5’末端に相同な15塩基が後に続いた。エラスチン配列中
には他にメチオニンが存在しないことから、臭化シアン切断部位として後で使用
するためにメチオニンコドンを挿入した。3’プライマーはEcoRI部位を含み、終
止コドンおよびエキソン24の3’末端と相補的な15塩基が後に続く(図1Cを参照
されたい)。該PCR産物をBamHI-EcoRIで消化したpGEX-2tベクター(Pharmacia)中
へ連結し、配列を確認した。該連結産物を大腸菌中へトランスフェクトした。
1%フェノールを含有する70%ギ酸中に懸濁し、50mg/mlの臭化シアン(CNBr)を添加
し、そして該懸濁液を20℃で一晩インキュベートした。次に該溶液を蒸留水に対
して透析し、あらゆる不溶性の物質を遠心分離により除去した。可溶性物質を凍
結乾燥し、50mM酢酸中で再び溶解し、そして、20mM酢酸ナトリウムバッファー(p
H5.25)で平衡化したSephadex G-25カラム(Pharmacia)を通過させ、10mM酢酸で溶
出した。
.25)を含むSP-Sepharoseカラム(Pharmacia)を通過させ、0mMから開始され500mM
で終了する数段階のNaCl勾配により溶出した。エラスチンペプチド(例えば、MF
U-1またはMFU-2)を含む画分を回収し、上記のようにSephadex G-25カラムによる
クロマトグラフィーで脱塩し、凍結乾燥した。ペプチドの純度をアミノ酸分析お
よび質量分析により評価した。典型的な収量は、醗酵培養液1リットル当たり50
〜60mgであった。
にとって明らかなものであろう。従って、本発明の改変および変形が添付の特許
請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にあるならば、本発明はそれらを包含
する。
物中において使用したドメインの位置は括弧に入れた領域で示される。 図1Bはヒトエラスチンのアミノ酸配列を示し、シグナルペプチドは含まない
。下線を引いたアミノ酸残基はMFU-1と呼ばれる本発明のポリペプチドを含む。 図1CはMFU-1を発現させるために使用されるGST融合構築物を示す。 図1Dは実施例1に記載した発現エキソンに対応する疎水性ドメインおよび架
橋ドメインの模式図である。 図1Eはβシート/βターン構造を有するペプチドの概略図である。
からMFU-1を放出させた後における切断産物の0.05M酢酸中のBioGel P-30による
クロマトグラフィーを示す。MFU-1は画分1に含まれる。
融合構築物を示す。 図4BはMFU-2の疎水性ドメインおよび架橋ドメインの模式図である。 図4CはMFU-2のアミノ酸配列を示す。
を示す。
Claims (25)
- 【請求項1】 βシート/βターン構造を少なくとも3個および架橋に関与
するアミノ酸残基を少なくとも1個含む、図1Bに示したアミノ酸配列の一部分
からなるアミノ酸配列を含み、かつ天然に存在する繊維状タンパク質ではない、
ポリペプチドを含んでなる化粧材料。 - 【請求項2】 前記ポリペプチドが、図1Bのアミノ酸残基374-499、図1
Bのアミノ酸残基19-160、図1Bのアミノ酸残基188-367、および図1Bのアミ
ノ酸残基607-717からなるアミノ酸配列の群より選択されるアミノ酸配列を含む
、請求項1に記載の化粧材料。 - 【請求項3】 前記ポリペプチドのアミノ酸配列が、本質的に、図1Bのア
ミノ酸残基374-499、図1Bのアミノ酸残基19-160、図1Bのアミノ酸残基188-3
67、および図1Bのアミノ酸残基607-717からなる群より選択されるアミノ酸配
列からなる、請求項2に記載の化粧材料。 - 【請求項4】 図1Bに示したアミノ酸配列の前記部分が1個〜約10個のア
ミノ酸残基の付加、欠失または置換により修飾されている、請求項1に記載の化
粧材料。 - 【請求項5】 前記ポリペプチドが図1Bに示したアミノ酸配列の一部分の
縦列反復配列を含む、請求項1に記載の化粧材料。 - 【請求項6】 前記ポリペプチドが図4C、図5A、図5Bおよび図5Cに
示したアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項5に
記載の化粧材料。 - 【請求項7】 前記ポリペプチドのアミノ酸配列が、本質的に、図4C、図
5A、図5Bおよび図5Cに示したアミノ酸配列からなる群より選択されるアミ
ノ酸配列からなる、請求項5に記載の化粧材料。 - 【請求項8】 前記ポリペプチドが図4C、図5A、図5Bおよび図5Cに
示したアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、該配列が1
個〜約10個のアミノ酸残基の付加、欠失または置換により修飾されている、請求
項5に記載の化粧材料。 - 【請求項9】 βシート/βターン構造を少なくとも3個および架橋に関与
するアミノ酸残基を少なくとも1個含む、図1Bに示したアミノ酸配列の一部分
からなるアミノ酸配列を含み、かつ天然に存在する繊維状タンパク質ではない、
ポリペプチド。 - 【請求項10】 図1Bに示したアミノ酸配列の前記部分が1個〜約10個の
アミノ酸残基の付加、欠失または置換により修飾されている、請求項9に記載の
ポリペプチド。 - 【請求項11】 図1Bのアミノ酸残基374-499、図5Aに示した配列、図
5Bに示した配列、および図5Cに示した配列からなる配列の群より選択される
アミノ酸配列を含む、請求項9に記載のポリペプチド。 - 【請求項12】 本質的に、図1Bのアミノ酸残基374-499、図5Aに示し
た配列、図5Bに示した配列、および図5Cに示した配列からなる配列の群より
選択されるアミノ酸配列からなる、請求項9に記載のポリペプチド。 - 【請求項13】 図1Bのアミノ酸残基374-499、図5Aに示した配列、図
5Bに示した配列、および図5Cに示した配列からなる配列の群より選択される
アミノ酸配列を含み、該配列が1個〜約10個のアミノ酸残基の付加、欠失または
置換により修飾されている、請求項9に記載のポリペプチド。 - 【請求項14】 βシート/βターン構造を少なくとも3個および架橋に関
与するアミノ酸残基を少なくとも1個含む、図1Bに示したアミノ酸配列の一部
分からなるアミノ酸配列を含み、かつ天然に存在する繊維状タンパク質ではない
、ポリペプチドを含んでなるプロテーゼ。 - 【請求項15】 図1Bに示したアミノ酸配列の前記部分が1個〜約10個の
アミノ酸残基の付加、欠失または置換により修飾されている、請求項14に記載
のプロテーゼ。 - 【請求項16】 前記ポリペプチドが図1Bのアミノ酸残基374-499、図5
Aに示した配列、図5Bに示した配列、および図5Cに示した配列からなる配列
の群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項14に記載のプロテーゼ。 - 【請求項17】 前記ポリペプチドが、本質的に、図1Bのアミノ酸残基37
4-499、図5Aに示した配列、図5Bに示した配列、および図5Cに示した配列
からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列からなる、請求項16に記載のプ
ロテーゼ。 - 【請求項18】 前記ポリペプチドが図1Bのアミノ酸残基374-499、図5
Aに示した配列、図5Bに示した配列、および図5Cに示した配列からなる配列
の群より選択されるアミノ酸配列を含み、該配列が1個〜約10個のアミノ酸残基
の付加、欠失または置換により修飾されている、請求項14に記載のプロテーゼ
。 - 【請求項19】 血管置換用のプロテーゼ、心臓弁置換用のプロテーゼ、組
織置換用のプロテーゼ、熱傷を覆うためのプロテーゼ、外傷を覆うためのプロテ
ーゼ、およびステントからなる群より選択される、請求項14に記載のプロテー
ゼ。 - 【請求項20】 前記プロテーゼが動物性材料、合成材料および金属からな
る群より選択される材料を含み、該材料の表面が前記ポリペプチドで被覆されて
いる、請求項14に記載のプロテーゼ。 - 【請求項21】 前記ポリペプチドが図1Bのアミノ酸残基374-499、図5
Aに示した配列、図5Bに示した配列、および図5Cに示した配列からなる配列
の群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項20に記載のプロテーゼ。 - 【請求項22】 (a) 細胞内で、(i) ポリペプチドの溶解性を高める第1の
ドメイン、(ii) βシート/βターン構造を少なくとも3個および架橋に関与す
るアミノ酸残基を少なくとも1個含み、かつ天然に存在するタンパク質ではない
第2のドメイン、および(iii) これらのドメイン間に位置するメチオニン残基、
を含むポリペプチドを発現させ、(b) 次いで該細胞を回収し、(c) 該細胞を、該
ポリペプチド中のメチオニン残基のそれぞれの存在位置で該ポリペプチドを切断
するCNBrを用いて処理する、ことを含んでなるポリペプチドの生産方法。 - 【請求項23】 アフィニティークロマトグラフィー工程を含まない、請求
項22に記載の方法。 - 【請求項24】 (a) 細胞内で、(i) ポリペプチドの溶解性を高める第1の
ドメイン、(ii) βシート/βターン構造を少なくとも3個および架橋に関与す
るアミノ酸残基を少なくとも1個含み、かつ天然に存在するタンパク質ではない
第2のドメイン(ここで、該第2のドメインのN-末端はプロリン残基を含む)、
および(iii) これらのドメイン間に位置して、該プロリン残基とペプチド結合を
形成しているアスパラギン酸残基、を含むポリペプチドを発現させ、(b) 該細胞
を回収し、(c) 該細胞を、アスパラギン酸−プロリンペプチド結合のそれぞれの
存在位置で該ポリペプチドを切断する弱酸を用いて処理する、ことを含んでなる
ポリペプチドの生産方法。 - 【請求項25】 アフィニティークロマトグラフィー工程を含まない、請求
項24に記載の方法。
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