JP2003509559A - 生分解性熱可塑性成形材料 - Google Patents

生分解性熱可塑性成形材料

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JP2003509559A JP2001523683A JP2001523683A JP2003509559A JP 2003509559 A JP2003509559 A JP 2003509559A JP 2001523683 A JP2001523683 A JP 2001523683A JP 2001523683 A JP2001523683 A JP 2001523683A JP 2003509559 A JP2003509559 A JP 2003509559A
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acid
copolyester
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acids
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グルートケ シュテファン
メーラー クリストフ
ヴィット ウーヴェ
基義 山本
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/02Ingredients treated with inorganic substances
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、a)少なくとも1種の生分解性熱可塑性コポリエステル、およびb)熱可塑性成形材料の総量に対して、少なくとも1種の疎水化フィロシリケート 0.01〜15質量%を含有する生分解性熱可塑性成形材料に関する。本発明はさらに、成形体材料の製法および該成形体材料から製造される成形体、フィルムおよび繊維にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、 a)少なくとも1種の生分解性熱可塑性コポリエステル、および b)熱可塑性成形材料の総量に対して、少なくとも1種の疎水化フィロシリケー
ト0.01〜15質量% を含有する生分解性熱可塑性成形材料、成形材料の製法および成形材料から製造
される成形品、フィルムおよび繊維に関する。
【0002】 生分解性を有する、すなわち固有の論証可能な時間だけ環境に曝露した際に分
解される、ポリマーがこれまで知られていた。この分解は一般的に加水分解およ
び/または酸化であるが、主としてバクテリア、イースト、真菌および藻類など
の微生物の作用によるものである。Y. TokibaおよびT. Suzuki(Nature, Vol.,
270, p. 76〜78, 1977)は、脂肪族ポリエステル、例えばコハク酸と脂肪族ジオ
ールとをベースとするポリエステルの酵素分解について記載している。
【0003】 この種の生分解性ポリマーの欠点は、その機械的特性または性能特性が一般的
に不十分な点である。実際、多くの場合にこの特性は正反対に変化する傾向があ
る。例えば、ポリアミドは容易かつ安価に製造でき、ある場合には優れた機械特
性および性能特性を示すが、生分解性は緩慢でしかない。これに対し、脂肪族ポ
リエステルは一般的に良好な生分解性を示すが、多くの場合、加工が困難である
【0004】 文献では、ポリエステルを化学的に修飾することによりこのジレンマの解消を
試みている。例えば、WO9213019には、主に芳香族ジカルボン酸と脂肪
族ジオールとをベースとするコポリエステルが開示されている。これらは、その
生分解性を向上させるために、5−スルホイソフタル酸の金属塩または短鎖エー
テルジオール部分を2.5モル%まで含有する。
【0005】 EP−A565235は、[−NH−C(O)O−]基(“ウレタン単位”)を
組み込むことにより修飾した脂肪族コポリエステルを記載している。しかし、こ
れらのコポリエステルは、脂肪族コポリエステルよりも緩慢な生分解性しか示さ
ない。
【0006】 Witt等(International Workshop of the Royal Institute of Technology, S
tockholm, Sweden, April 21〜23, 1994でのポスターに関する印刷物)は、1,
3−プロパンジオール、テレフタル酸エステルおよびアジピン酸またはセバシン
酸をベースとする生分解性コポリエステルを記載している。
【0007】 これらのコポリエステルの欠点は、それらから製造される成形品、特にフィル
ムが、十分な機械特性を有さないことである。
【0008】 以前に出願されたドイツ特許第P4440858.7号(O.Z.0050/4
5364)は、スルホネート基を含有しかつエステル形成可能な少なくとも3種
の基を5モル%までの量で有する化合物から成るコポリエステルを推奨している
。これらの成分の使用により特性を制御改善できるが、適用の際にそれぞれ好適
な指定の混合使用書が作成される必要がある。
【0009】 DE−A−19547636は、これらの問題点を解決するための別の手法を
記載しており、天然フィラーを高率で充填することによって生分解性および機械
特性さらに加工性を取得した生分解性ポリマーから製造される、熱可塑性成形材
料を開示している。使用される生分解性ポリマーは、もっぱらアミド含量の高い
(50質量%以上)ポリエステルアミドである。機械特性の改善は、木粉、場合
によりカオリンをフィラーとして使用することにより実現され、引張弾性率の測
定により認識される。引張弾性率の顕著な向上を達成するには40〜50質量%
のフィラーレベルが必要であるが、このような高レベルのフィラーは他の機械的
特性を損ない、例えば脆化を招き、低い溶融流れの結果として加工性も損なわれ
る。さらに、高フィラーレベルは一方で所望の生分解性を改善すると同時に、こ
のような成形材料から製造される成形品の作動寿命を不所望に短縮してしまい、
実際にはこの種の成形品を使用することは困難である。
【0010】 ポリマーの物理化学的性質は、粘土鉱物を添加することにより向上する(H. K
. G. Theng in "Information and Properties of Clay-Polymer Complexes", El
sevier, Amsterdam, 1979参照)。例えばDE−A−3808623、Journal o
f Material Science, 1996, 31, p. 3389〜3396、およびDE−1982147
7.4から公知であるように、フィロシリケートの添加が、ポリアミド、ポリス
チレンおよびポリケトンなどのポリマーの剛性を向上させる。しかし、破断点伸
びが低くなることから分かるように、得られる材料の靭性を低下させる。
【0011】 本発明の課題は、コポリエステルをベースとし、高い生分解性、特に酵素分解
性を示しかつ改善された機械特性および性能特性を有し、広範な使用分野で利用
できる成形材料を提供することである。特に、多くの使用分野に重要な特性、例
えば降伏応力および加工性は、剛性および生分解性などの他の特性に悪影響を与
えることなく改善されるべきである。
【0012】 この課題は、意外にも、熱可塑性成形材料の総量に対して、疎水化フィロシリ
ケート0.01〜15質量%を含有する生分解性熱可塑性コポリエステルをベー
スとする成形材料により解決されることが見出された。このような成形材料は、
その使用に際し、成形材料から製造された成形品の特に剛性、生分解性および作
動寿命などの他の重要な特性に悪影響を及ぼすことなく、引張弾性率および加工
特性を著しく向上させる。この新規材料に関する引張弾性率の増加は、特に、フ
ィルム製品の材料として使用するのに有利である。新規成形材料は、さらに、従
来のフィラーを含むコポリマーをベースとする成形材料と異なり、より優れた加
工性を有しかつ射出成形への使用に好適である。
【0013】 本発明は、従って、最初に定義した生分解性熱可塑性成形材料を提供する。
【0014】 好適な新規成形材料は、以下のものを有利に含有する; −コポリエステル99.99〜30質量%、 −疎水化フィロシリケート0.01〜15質量%、 −他のフィラー、特に繊維フィラー0〜50質量%、および −助剤0〜5質量%。
【0015】 本発明の目的のために、コポリエステルは、そのポリマー骨格中にエステル結
合を有し、ポリマー分子全体を総合して考えた場合に、少なくとも2種の反復単
位を有するポリマーであり、有利には; −ヒドロキシカルボン酸成分およびそれに加えて少なくとも1種の別のヒドロキ
シカルボン酸成分または少なくとも1種の別の共重合可能な成分を含有するポリ
エステル、 −ポリマーに組み込まれ、ジカルボン酸成分、ジオール成分および所望であれば
少なくとも1種の別の前記成分と共重合可能な成分を含有するポリエステル(こ
こでジカルボン酸成分は、少なくとも2種の異なるジカルボン酸を含有し、かつ
/またはジオール成分は、少なくとも2種の異なるジオールを含有し、かつ/ま
たは別の成分を付随して使用する)、または −ホモ−およびコポリエステルから成る群より選択される少なくとも2種の異な
るポリエステルから製造される混合物 である。
【0016】 コポリエステルを製造するための出発材料は、酸自体、そのエステル形成誘導
体または酸とそのエステル形成誘導体との混合物である。コポリエステルは、よ
り少量のトリ−およびポリオール成分、ジアミン成分および/またはアミノアル
コール成分を含有する。
【0017】 本発明において、熱可塑性コポリエステルとは、熱および/または機械的エネ
ルギーを受けても実質的に分解されずに軟化または溶融するコポリエステルであ
る。軟化および溶融時の分解を測定するには、分子量の低下を調べるのが好適で
ある。有利に、新規成形材料は、20%を越えない、有利には15%を越えない
、特に有利には10%を越えない分子量低下を伴って、軟化または溶融できる。
本発明で分解性という用語は、有利に微生物による分解性を意味する。
【0018】 本発明に好適なヒドロキシカルボン酸成分は、環状エステルまたはラクトンの
形で使用できるα−、β−、γ−、δ−またはε−ヒドロキシカルボン酸、特に
乳酸、グリコール酸またはε−ヒドロキシカルボン酸であり、特にβ−プロピオ
ラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンおよび特にε−カプロラク
トンであり、また、前記カルボン酸のダイマーおよびオリゴマー、特にグリコリ
ドおよびジラクチドである。
【0019】 生分解性熱可塑性コポリエステルの例は、脂肪族コポリエステルである。これ
には、少なくとも2種の脂肪族ヒドロキシカルボン酸またはラクトンのコポリマ
ーおよび種々のヒドロキシカルボン酸またはラクトンあるいはこれらの混合物の
ブロックコポリマーが含まれる。
【0020】 脂肪族コポリエステルには、乳酸と他のモノマーとをベースとするコポリマー
またはブロックコポリマーが含まれる。直鎖ポリラクチドを汎用するが、分枝し
た乳酸ポリマーも使用できる。使用できるブランチング剤は、多官能性の酸また
はアルコールである。乳酸またはそのC〜C−エステルまたはこれらの混合
物、あるいは少なくとも1種の脂肪族C〜C10−ジカルボン酸および3〜5
個のヒドロキシル基を有する少なくとも1種のC〜C10−アルカノールから
実質的に製造可能なポリラクチドも使用できる。
【0021】 生分解性熱可塑性コポリエステルの他の例は、3−ヒドロキシブタン酸または
その4−ヒドロキシブタン酸および/または3−ヒドロキシ吉草酸との混合物で
あり、特に、最後に名前を挙げた酸を30質量%まで、有利には20質量%まで
で有するコポリエステルである。ポリヒドロキシブタン酸のコポリマーも微生物
法で製造できる。種々のバクテリアおよび真菌から出発して製造する方法は、Na
chr. Chem. Tech. Lab. 39, 1112〜1124(1991)およびWO96/09402に
例えば記載されている。
【0022】 これらの脂肪族コポリエステル中に存在する他の単位は、ジオールおよび/ま
たはイソシアネートである。脂肪族コポリエステルは、さらに、3−または多−
官能性化合物、例えばエポキシド、酸またはトリオールに由来する単位を含有す
る。後者の単位は、脂肪族コポリエステル中に単独で存在するかまたは2個以上
で存在し、またはジオールおよび/またはイソシアネートと一緒に存在する。
【0023】 脂肪族コポリエステルの製法は、当業者に公知である。脂肪族コポリエステル
は一般的に10000〜100000g/molのモル質量(平均値)を有する
【0024】 有利な態様において、使用するヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸、D−
、L−、またはD,L−乳酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、これらの環状誘導体
、例えばグリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、D−、またはL−
ジラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、またはそのオリゴマーまたはポリマー、例えば3−ポリヒド
ロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリラクチド(例えばEcoPLA(R) 、Cargill社製)、または3−ポリヒドロキシ酪酸とポリヒドロキシ吉草酸から
成る混合物(後者は、Zaneca社製、Biopol(R)から入手)であり、部分
芳香族ポリエステルを製造するには、特にそれらの低分子量の環状誘導体が有利
である。
【0025】 有利なコポリエステルは、有利には、少なくとも1種のジカルボン酸またはエ
ステル形成誘導体またはそれらの混合物(成分A)、少なくとも1種のジオール
成分(成分B)および、所望であれば、トリ−およびポリオール、ジ−およびポ
リアミン、アミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、トリ
−およびポリカルボン酸、ビスオキサゾリンおよびイソシアネート(成分C)を
含有する。
【0026】 有利なコポリエステルには、成分AおよびB、および所望であれば1種以上の
他の成分Cから成る群より選択される少なくとも3種の成分を含有するコポリエ
ステルが含まれ、ここで成分Aは、少なくとも1種のジカルボン酸またはエステ
ル形成誘導体またはそれらの混合物を含み、成分Bは、少なくとも1種のジオー
ル成分を含有し、成分Cは、トリ−およびポリオール、ジ−およびポリアミン、
アミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸トリ−およびポリ
カルボン酸、ビスオキサゾリンおよびイソシアネートを含有する。
【0027】 脂肪族または脂環式ジカルボン酸またはそれらの混合物および脂肪族または脂
環式ジオールまたはそれらの混合物から形成される脂肪族コポリエステルは、ラ
ンダムコポリマーまたはブロックコポリマーの形が好適である。
【0028】 好適な脂肪族ジカルボン酸は、一般的に2〜10個の炭素原子、有利には4〜
6個の炭素原子を含有する。これらは直鎖または分枝鎖である。本発明の目的の
ために使用される脂環式ジカルボン酸は一般的に7〜10個の炭素原子、特に8
個の炭素原子を有する。しかし、原則的により多数の炭素原子を有する、例えば
30個までの炭素原子を有するジカルボン酸を使用することもできる。
【0029】 これらの例は:マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン
酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、および2,5−ノルボルナンジカルボン酸であり、中でも有利にはアジピ
ン酸である。
【0030】 可能な脂肪族コポリエステルの例は、WO94/14870に記載されるもの
であり、特にコハク酸、その誘導体または他の脂肪酸および、場合によりジエス
テル、例えばグルタル酸、ブタンジール、またはジオールとエチレングリコール
、プロパンジオールまたはヘキサンジオールとの混合物から製造される脂肪族コ
ポリエステルである。
【0031】 この種の脂肪族コポリエステルは一般的にモル質量(平均値)10000〜1
00000g/molを有する。
【0032】 脂肪族コポリエステルは、他のモノマーを含有するランダムまたはブロックコ
ポリエステルである。他のモノマーの割合は一般的に10質量%までである。有
利なコモノマーはヒドロキシカルボン酸またはラクトン、またはそれらの混合物
である。
【0033】 脂肪族コポリエステルを製造するにあたり、もちろん2種以上のコモノマーお
よび/または他の単位、例えばエポキシドまたは多官能性脂肪酸または芳香族酸
、または多官能性アルコールから成る混合物を使用してもよい。
【0034】 有利な芳香族ジカルボン酸は、一般的に8〜12個の炭素原子、有利には8個
の炭素原子を有する。好適な酸の例は、ナフタレンジカルボン酸、例えば2,6
−ナフタレンジカルボン酸および1,5−ナフタレンジカルボン酸、および特に
ベンゼンジカルボン酸、例えばテレフタル酸、フタル酸、およびイソフタル酸、
有利にはテレフタル酸およびイソフタル酸である。テレフタル酸は特に有利であ
る。
【0035】 以下に使用可能な前記ジカルボン酸のエステル形成誘導体を特記する:ジ−C 〜C−アルキルエステル、例えばジメチル、ジエチル、ジ−n−プロピル、
ジイソプロピル、ジ−n−ブチル、ジイソブチル、ジ−t−ブチル、ジ−n−ペ
ンチル、ジイソペンチルまたはジ−n−ヘキシルエステルである。これらのジカ
ルボン酸の無水物も使用できる。
【0036】 ここに示すジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体は、単独でまたはそれ
らの2種以上から成る混合物として使用できる。
【0037】 可能なジオール成分(成分B)は、芳香族ジオール、例えばナフタレンジオー
ル、特に1,4−、1,6−、1,7−、2,6−および2,7−ジヒドロキシナフ
タレン、有利には1,5−ジヒドロキシナフタレンおよび2,6−ジヒドロキシナ
フタレン、ジヒドロキシベンゼン、例えばピロカテコール、レゾルシノールおよ
びヒドロキノン、特にレゾルシノールおよびヒドロキノンおよびビスフェノール
、特にビスフェノールA、およびビフェニルジオール、特にo,o’−ビフェノ
ールである。有利なジオール成分(成分B)は、脂肪族ジオール、例えば分枝鎖
または直鎖の、炭素原子2〜12個、有利には炭素原子4〜8個を有するアルカ
ンジオール、および炭素原子5〜10個を有するシクロアルカンジオールである
【0038】 好適なアルカンジオールの例は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−
ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロ
パンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールおよび特にエ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび2
,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロ
ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジ
メタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールおよび2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールであ
る。異なるアルカンジオール混合物を使用することも可能である。1,4−ブタ
ンジオールが有利である。
【0039】 前記ジオール成分に代わって、または有利には前記ジオール成分に加えて、エ
ーテル官能性を有するジヒドロキシ化合物、有利にはエーテル官能性を有し、式
I: HO−[(CH−O]−H (I) [式中、 nは、2〜12の整数であり、有利には2、3、4または6であり、 mは、2〜250の整数である]で表されるジヒドロキシ化合物を使用してよい
。エーテル官能性を有しかつ有利に使用されるジヒドロキシ化合物は、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコールおよびポリテトラヒドロフラン(polyTHF)、および特に
有利にはジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはポリエチレング
リコールである。異なる記号n(式I参照)を有する化合物の混合物も好適であ
り、例えばプロピレン単位(n=3)を有するポリエチレングリコールまたはそ
の逆も好適である。これらの化合物は、例えば酸化エチレンと酸化プロピレンを
交互に重合させる等の自体公知の重合法により製造できる。異なる数値nを有す
るポリエチレングリコールをベースとするポリマーが特に有利であり、この際、
単位は主に酸化エチレンから形成されている。ポリエチレングリコールのモル質
量(Mn)は、一般的に、250〜8000g/mol、有利には600〜30
00g/molから選択される。
【0040】 ポリエステルを製造するための有利な態様において使用されるジオール成分(
成分B)の例は、15〜99.8mol%、有利には60〜99.5モル%のジオ
ールと、0.2〜85モル%、有利には0.5〜30モル%のエーテル基を含有す
る前記ジヒドロキシ化合物から成る。
【0041】 気候に応じて、過剰の酸末端基またはOH末端基が必要とされ、過剰の成分A
または成分Bのいずれを使用してもよい。有利な態様において、使用される成分
Aと成分Bとの間のモル比は、0.4:1〜1.5:1であり、有利に0.6:1
〜1.1:1である。
【0042】 有利に、部分芳香族コポリエステルを使用する。これらは有利に、成分Aまた
はB中に、それぞれの成分に対して5〜95モル%、有利には20〜70モル%
の芳香族化合物を含有する。
【0043】 新規成形材料に特に有利なコポリエステルは、従って、成分Aとして少なくと
も1種の脂肪族ジカルボン酸を30〜95モル%および少なくとも1種の芳香族
ジカルボン酸、またはこれらジカルボン酸のエステル形成誘導体、またはジカル
ボン酸とエステル形成誘導体との混合物を5〜70モル%、成分Bとして、有利
にC〜C12−アルカンジオールおよびC〜C10−シクロアルカンジオー
ルおよびその混合物から成る群より選択される少なくとも1種のジオール成分を
含有する。
【0044】 特にフィルム材料の製造に際し、成分Aが、少なくとも1種の芳香族ジカルボ
ン酸またはそのエステル形成誘導体を少なくとも20モル%、特に少なくとも3
0モル%含有するのであれば、機械的特性に有利である。
【0045】 特に有利な態様において、成分Aは脂肪族ジカルボン酸を30〜70モル%、
特に40〜60モル%および芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体
を30〜70モル%、特に40〜60モル%含有する。
【0046】 この種の部分芳香族コポリエステル中の有利な脂肪族ジカルボン酸は、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸およびセバシン酸、特にコハク酸、アジピン酸およびセバシン酸、特に有利に
はアジピン酸である。この種の部分芳香族コポリエステル中の有利な芳香族ジカ
ルボン酸は、ベンゼンジカルボン酸である。
【0047】 新規形成剤量のコポリエステルは、有利に、成分Aとして、 −少なくとも1種の誘導体、特にジアルキルテレフタレート、特に有利にはジメ
チルテレフタレート、またはこれらの混合物を5〜70モル%、有利には20〜
65モル%、特に有利には40〜60モル%含有し、 −マロン酸、コハクおよびアジピン酸から成る群より選択される少なくとも1種
のジカルボン酸、特にアジピン酸、およびこれらカルボン酸のエステル形成誘導
体、およびその混合物を30〜95モル%、有利には35〜80モル%、特に有
利には40〜60モル%含有する。
【0048】 部分芳香族コポリエステルの製造は自体公知であるかまたは自体公知の方法で
実施されてよい。
【0049】 部分芳香族コポリエステルは、モル質量(Mn)が5000〜50000g/
mol、特に10000〜40000g/molであり、粘度が50〜400g
/ml、特に100〜300g/mlであり(o−ジクロロベンゼン/フェノー
ル中;50/50の質量比、ポリマー濃度0.5質量%、25℃で測定)、融点
が60〜170℃、有利には80〜150℃であるという特徴を有する。
【0050】 本発明の目的のために、部分芳香族コポリエステルには、ポリエステル誘導体
、例えばポリエーテルエステル、ポリエステルアミドおよびポリエーテルエステ
ルアミドが含まれる。好適な生分解性部分芳香族コポリエステルには、非−鎖−
伸長の線状ポリエステルが含まれる(WO92/09654)。有利には鎖−伸
長および/または分枝部分芳香族コポリエステルである。後者は始めに述べた文
献、WO96/15173−15176、21689−21692、25446
、25448またはWO98/12242から公知であり、参照によりここに組
み込まれたものとする。異なる部分芳香族ポリエステル混合物、または部分芳香
族ポリエステルの配合物またはデンプンまたは変性デンプン、セルロースまたは
変性セルロースとのコポリエステルの配合物、乳酸およびポリヒドロキシアルカ
ノエートをベースとするコポリマーまたはブロックコポリマーまたは乳酸以外の
他のヒドロキシカルボン酸をベースとするコポリマーまたはブロックコポリマー
も使用できる。
【0051】 新規組成物のベースであるかまたは、場合により、新規方法で使用されている
ポリエステルは、成分AおよびBに加えて他の成分を含有してよい。
【0052】 新規成形材料は、以下の群から選択される1種以上の成分Cを含有してよい。
【0053】 C1)式IIaまたはIIbの少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸またはラ
クトン:
【0054】
【化1】
【0055】 [式中、 pは、1〜1500の整数であり、 rは、1〜4の整数であり、 Gはフェニレン、−(CH−(qは、1〜5の整数である)、−C(R)
H−および−C(R)HCH(Rは、メチルまたはエチルである)から成る群
より選択される基である] C2)少なくとも1種のアミノC〜C12−アルカノールまたは少なくとも1
種のアミノC〜C10−シクロアルカノールまたはそれらの混合物、 C3)少なくとも1種のジアミノC〜C−アルカン、 C4)少なくとも1種の式IIIの2,2’−ビスオキサゾリン:
【0056】
【化2】
【0057】 [式中、 Rは、単結合、(CH−アルキレン(z=2、3または4、またはフェ
ニレンである)である] C5)天然アミノ酸、モル質量が18000g/molを越えず、炭素原子4〜
6個を有するジカルボン酸と炭素原子4〜10個を有するジアミンを多重合させ
て得られるポリアミド、および式IVaおよびIVbの化合物:
【0058】
【化3】
【0059】 [式中、 sは、1〜1500の整数であり、 tは、1〜4の整数であり、 Tは、フェニレン、−(CH−(nは、1〜12の整数である)、−C(
)H−および−C(R)HCH(Rは、メチルまたはエチルである)
から成る群より選択された基である] および反復単位V:
【0060】
【化4】
【0061】 [式中、 Rは、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、テトラヒ
ドロフリル、または非置換フェニルまたは3個のC〜C−アルキル置換基を
有するフェニルである]を有するポリオキサゾリンから成る群より選択される少
なくとも1種のアミノカルボン酸、 C1)〜C5)から成る混合物を含む群。
【0062】 有利な態様において、使用されるヒドロキシカルボン酸C1)は:グリコール
酸、D−、L−、D,L−乳酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、その環状誘導体、
例えばグリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、D−、L−ジラクチ
ド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、p−ヒドロキシ
安息香酸、またはそのオリゴマーおよびポリマー、例えば3−ポリヒドロキシ酪
酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリラクチド(例えばEcoPLA(R)(Cargil
l社製))、または3−ポリヒドロキシ酪酸とポリヒドロキシ吉草酸との混合物
(後者はZeneca社製のBiopol(R))または、部分芳香族ポリエステルの
製造に特に有利なその低分子量の環状誘導体である。
【0063】 使用するヒドロキシカルボン酸の量の例は、AおよびBの量に対して、0.0
1〜50質量%、有利には0.1〜40質量%である。
【0064】 使用するアミノC〜C12−アルカノールまたはアミノC〜C10−シク
ロアルカノール(成分C2)(および4−アミノメチルシクロヘキサンメタノー
ルも含む)は有利に、アミノC〜C−アルカノール、例えば2−アミノエタ
ノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノ
ールまたは6−アミノヘキサノールまたはC〜C−シクロアルカノール、例
えばアミノシクロペンタノールまたはアミノシクロヘキサノールまたはそれらの
混合物である。
【0065】 有利に使用されるジアミノC〜C−アルカン(成分C3)は、ジアミノC 〜C−アルカン、例えば1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン
または1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン、HMD)を含有す
る。
【0066】 部分芳香族ポリエステルを製造するのに有利な態様において、B、C2および
C3のモル量に対して、ジオール成分Bを0.5〜99.5モル%、有利には70
〜98.0モル%、成分C2を0.5〜99.5モル%、有利には0.5〜50モル
%、C3を0〜50モル%、有利には0〜35モル%含有する。
【0067】 式IIIの2,2’−ジスオキサゾリンC4は、一般的にAngew. Chem. Int. E
dit., Vol. 11, (1972) p.287〜288に記載される方法で製造できる。特に有利な
ビスオキサゾリンでは、Rは単結合、(CH−アルキレン(q=2、3
または4である)、例えばメチレン、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3
−ジイルまたはプロパン−1,2−ジイルまたはフェニレンである。特に有利な
ビスオキサゾリンは、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサ
ゾリニル)メタン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)エタン、1,3−ビス(
2−オキサゾリニル)プロパンおよび1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ブタ
ンおよび特に1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼン、1,2−ビス(2−
オキサゾリニル)ベンゼンおよび1,3−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼン
である。
【0068】 部分芳香族ポリエステルは、例えば、成分B、C2、C3およびC4の総量に
対して、それぞれ成分B70〜98モル%、C2 30モル%まで、C3 0.
5〜30モル%、およびC4 0.5〜30モル%を含有する。別の有利な態様
において、使用するC4の成分の量は、成分AおよびBの総量に対して0.1〜
5質量%、有利には0.2〜4質量%である。
【0069】 天然のアミノカルボン酸は、成分C5として使用され得る。これには、バリン
、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリ
プトファン、リシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グ
ルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、プロリン、セリン、チロシン、アスパラギ
ンおよびグルタミンが含まれる。
【0070】 式IVaおよびIVbの有利なアミノカルボン酸は、sが1〜1000の整数
であり、tが1〜4の整数、有利には1または2であり、Tがフェニレンおよび
−(CH−(nは、1、5または12である)から成る群より選択される
、アミノカルボン酸である。C5は、式Vのポリオキサゾリンであってよく、ま
たは種々のアミノカルボン酸および/またはポリオキサゾリンの混合物であって
もよい。
【0071】 有利な態様において、成分AおよびBの総量に対して、C5を0.01〜50
質量%、有利には0.1〜40質量%含有する。
【0072】 部分芳香族ポリエステルを製造するのに使用される他の成分には、エステル形
成の可能な少なくとも3個の基を含有する化合物が含まれる。
【0073】 これらの化合物は有利に、エステル形成の可能な官能基を3〜10個含有する
。この種の特に有利な化合物は、その分子内にそのような官能基を3〜6個含有
し、特に3〜6個のヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を含有する。
これらの例は: 酒石酸、クエン酸、リンゴ酸; トリオールおよび/またはポリオール、例えばグリセロール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール
、ジトリメチロールプロパン、ソルビトール、エリスリトールおよび1,3,5−
トリヒドロキシベンゼン; ポリエーテルトリオール; トリメシン酸; トリメリト酸、トリメリト酸無水物; ピロメリト酸、ピロメリト酸二無水物およびヒドロキシイソフタル酸である。
【0074】 エステル形成可能な少なくとも3個の基を有する化合物の使用量は、一般的に
、成分Aに対して0.01〜5モル%、有利には0.05〜4モル%である。
【0075】 他の好適な成分Cは、イソシアネートである。脂肪族または芳香族ジイソシア
ネート、または多官能性脂肪族または芳香族イソシアネート(反応性のイソシア
ネート基を2〜6個、有利には2〜4個、特に有利には2または3個含有する)
を使用してよい。使用される有利なジイソシアネートは、トリレン2,4−ジイ
ソシアネート、トリレン2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’−
ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート、ジフェニル
メタン4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、キシ
レンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートである。
【0076】 中でも特に有利であるのは、ジフェニルメタン2,2’−、2,4’−および4
,4’−ジイソシアネートであり、またヘキサメチレンジイソシアネートも有利
である。ヘキサメチレンジイソシアネートは非常に有利である。イソシアネート
、特に後者のイソシアネートは一般的に混合物の形でも使用され得る。
【0077】 3個の反応性イソシアネート基を有する別の可能なイソシアネートは、トリ(
4−イソシアナトフェニル)メタンである。数個の反応性イソシアネート基を有
する別の好適なイソシアナト成分は、ジイソシアナートの多価アルコールまたは
多塩基アミンへの付加反応生成物である。好適な成分の例は、前記ジイソシアネ
ートおよび前記ジオール、エーテル基を含有するジヒドロキシ化合物および前記
トリ−およびポリオールである。数個の反応性イソシアネート基を有する他の好
適なイソシアネートは、ジイソシアネート、特に前記ジイソシアネートの前記ジ
−およびポリアミンへの付加生成物である。数個の反応性イソシアネート基を有
する有利なイソシアネート成分は、ジイソシアネート、有利には脂肪族ジイソシ
アネートのイソシアヌレートおよびビウレット、有利にはイソシアヌレートであ
る。数個の反応性イソシアネート基を有する特に有利なイソシアネートは、アル
キレンジイソシアネートから誘導されるまたはシクロアルキレンジイソシアネー
トから誘導される、炭素原子2〜20個、有利には3〜12個を有するイソシア
ヌレートであり、例えばイソホロンジイソシアネートである。アルキレンジイソ
シアネートは、ここでは、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。特に有利には
n−ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとするイソシアヌレートである。
【0078】 イソシアネート成分の使用量は、付随して使用するのであれば、成分Aおよび
Bの総モル量に対して一般的に0.01〜5モル%、有利には0.05〜4モル%
である。
【0079】 イソシアネート成分は、ウレチオン基を、より少ない量、例えばイソシアネー
ト成分の総量に対して5質量%までの量で、例えばイソシアネート基をキャップ
するために有していてよい。
【0080】 新規成形材料のコポリエステルは、さらにジビニルエーテルを含有する。使用
するジビニルエーテルは、一般的に常用かつ入手可能なジビニルエーテルである
。有利には1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジビニルエーテルまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル
、またはその混合物を使用する。
【0081】 ジビニルエーテルの使用量は、AおよびBの総量に対して、有利に0.01〜
5質量%、特に0.2〜4質量%である。
【0082】 生分解性熱可塑性形成材料は、有利に、熱可塑性成形材料の総量に対して、少
なくとも30質量%、特に有利には少なくとも50質量%、および特に少なくと
も70質量%で、少なくとも1種の生分解性熱可塑性コポリエステルを含有する
【0083】 本発明において、生分解性熱可塑性成形材料は、熱可塑性成形材料の総量に対
して、少なくとも1種の疎水化フィロシリケートを、0.01〜15質量%、有
利には0.1〜10質量%、特に0.5〜8質量%、特に有利に1〜7質量%、お
よび非常に有利に1.5〜6質量%含有する。
【0084】 フィルム材料または繊維材料として使用する場合、生分解性熱可塑性成形材料
は有利に、熱可塑性成形材料の総量に対して、少なくとも1種の疎水化フィロシ
リケートを0.01〜10質量%、特に有利には0.02〜8質量%、特に0.1
〜6質量%含有する。
【0085】 生分解性熱可塑性成形材料の使用に関して、射出成形では、有利に、熱可塑性
成形材料の総量に対して、少なくとも1種の疎水化フィロシリケートを0.01
〜15質量%、特に有利には1〜12質量%、非常に有利には2〜8質量%含有
する。
【0086】 フィロシリケートは、SiO四面体が連続した2次元ネットワーク中で結合
している一般的なシリケートである。アニオンの実験式は、(Si -
である。各層は、その間に存在するカチオンにより相互に連結されている。天
然フィロシリケート中に最もよく存在しているカチオンは、Na、K、Mg、A
lおよび/またはCaである。
【0087】 合成および天然フィロシリケートの例は、モントモリロナイト、スメクタイト
、イライト、セピオライト、パリゴルスカイト、シロウンモ、レクトライト、ア
メス石、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、バイデライト、タ
ルク、ノントロナイト、ステベンサイト(stevensite)、ベントナイト、ウンモ
、バーミキュライト、フルオロバーミキュライト、ハロイサイトおよびウンモの
フッ素含有合成系である。
【0088】 本発明の目的において、疎水化フィロシリケートとは、層間の距離を広げ、ポ
リマーの極性と同様の極性を獲得するように疎水化剤と反応させたフィロシリケ
ートである。鉱物の格子の破壊−開口部(breaking-open)を拡大するこのよう
な層間距離の拡大および/または極性の変化は、層間剥離と呼ばれる。層間剥離
後のこの種のシリケートの層厚さ(鉱物層+疎水化剤)は、一般的に5〜100
Å、有利には5〜50Åおよび特に有利には8〜20Åである。疎水化は、通常
、新規形成剤量の製造前に実施される。
【0089】 次いで、例えば疎水化フィロシリケートとコポリエステルとの配合等の混合に
より層が分離され、形成材料中の層間距離は少なくとも30Å、特に少なくとも
40Åとなる。新規生分解性熱可塑性成形材料の別の製法は、コポリエステルを
構成する成分の少なくとも数種および/またはコポリエステルを構成する成分量
の少なくとも一部をコポリマー化する場合に、疎水化フィロシリケートが存在で
きるようにするための方法である。
【0090】 成形材料において、疎水化フィロシリケート層間の距離は有利に5〜200Å
であり、特に35〜150Åであり、特に有利には45〜100Åである。
【0091】 好適な有機疎水化剤は、オキソニウム、アンモニウム、ホスホニウムまたはス
ルホニウムイオンに由来し、これらは1種以上の有機基を有していてよい。少な
くとも1種の有機基、特に1個または2個の有機基は、12個を上回る炭素原子
を有する炭化水素から成る群より選択される。
【0092】 これらの有機疎水化剤は、フィロシリケートのカチオンを置換する。所望の層
間距離および極性は、使用する有機基の種類により確立され、フィロシリケート
が組み込まれる各モノマーまたはポリマーの種類に依存する。
【0093】 金属イオンの完全なまたは部分的な交換が見られ、有利には完全な交換が行わ
れる。交換可能な金属イオンの量は、一般的にフィロシリケート100gあたり
のミリ当量(meq)で表され、イオン交換能と呼ばれる。
【0094】 疎水化の前に、フィロシリケートは少なくとも50meq/100g、特に少
なくとも60meq/100g、特に有利に80〜130meq/100gのイ
オン交換能を有するのが有利である。
【0095】 好適な疎水化剤の例は、式VIおよび/またはVI’のものである:
【0096】
【化5】
【0097】 式中、 R、R、R、Rは、相互に独立して、水素または直鎖または分枝鎖の、
飽和または不飽和の、炭素原子を1〜40個有する、有利には炭素原子を1〜2
0個有する炭化水素基であり、または RおよびRは、Qと一緒になった、炭素原子を5〜10個有する非芳香族ヘ
テロ環基であり、 R、RおよびRは、Qと一緒になった、炭素原子を5〜10個有するヘテ
ロ芳香族基であり、ここで所望であれば、炭化水素基はヒドロキシル、アルコキ
シおよびアリールから独立して選択される1、2または3個の置換基を有してい
てよく、 Qは、リンまたは窒素であり、 Tは、酸素または硫黄であり、および
【0098】
【化6】
【0099】 は、アニオンまたはアニオン等価体である。
【0100】 好適なアニオン:
【0101】
【化7】
【0102】 は、ブレンステッド酸、特に鉱酸に由来し、有利にアニオンはハライド、例えば
塩化物、臭化物、フッ化物またはヨウ化物であり、またスルフェート、ヒドロジ
ェンスルフェート、スルホネート、(ジ)ヒドロジェンホスフェート、ホスフェ
ート、ホスホネート、ホスファイトおよびカルボキシレートおよび特にアセテー
トである。
【0103】 好適なイオンの例は、炭素原子を10〜40個有する1個の炭化水素基を含有
し、かつ水素、C〜C−アルキルおよびC〜C−ヒドロキシアルキルか
ら成る群より独立して選択される3個の基を有するアンモニウムイオンである。
【0104】 有利なアルキルアンモニウムイオンの例は、ラウリルアンモニウム、ミリスチ
ルアンモニウム、パルミチルアンモニウム、ステアリルアンモニウム、ピリジニ
ウム、オクタデシルアンモニウム、モノメチルオクタデシルアンモニウム、ジメ
チルオクタデシルアンモニウムおよびステアリルビスヒドロキシエチルメチルア
ンモニウムイオンであり、有利な化合物の例は、ステアリルビスヒドロキシエチ
ルメチルアンモニウムジメチルスルフェートである。
【0105】 好適なホスホニウムイオンの例は、 ジコシルトリメチルホスホニウム、ヘキサトリアコンチルトリシクロヘキシルホ
スホニウム、オクタデシルトリエチルホスホニウム、ジコシルトリイソブチルホ
スホニウム、メチルトリノニルホスホニウム、エチルトリヘキサデシルホスホニ
ウム、ジメチルジデシルホスホニウム、ジエチルジオクタデシルホスホニウム、
オクタデシルジエチルアリルホスホニウム、トリオクチルビニルベンジルホスホ
ニウム、ジオクチルデシルエチルヒドロキシエチルホスホニウム、ドコシルジエ
チルジクロロベンジルホスホニウム、オクチルノニルデシルプロパルギルホスホ
ニウム、トリイソブチルペルフルオロデシルホスホニウム、エイコシルトリヒド
ロキシメチルホスホニウム、トリアコンチルトリスシアノエチルホスホニウムお
よびビス(トリオクチル)エチレンジホスホニウムである。
【0106】 他の好適な疎水化剤は、特に、WO93/4118、WO93/4117、E
P−A−398551およびDE−A3632865に記載されている。
【0107】 疎水化フィロシリケートに特に好適な疎水化剤は、トリアルキルアンモニウム
塩およびテトラアルキルアンモニウム塩である。
【0108】 出発材料として使用されるフィロシリケートは、一般的に懸濁液の形で疎水化
される。有利な懸濁媒質は、所望であればアルコール、特に炭素原子を1〜3個
有する低アルコールと混合された水である。疎水化フィロシリケートは一般的に
水よりも炭化水素に相溶性であるので、ヘプタン等の炭化水素を水性媒質と一緒
に使用するのが有利である。
【0109】 好適な懸濁媒質の他の例は、ケトンおよび炭化水素である。有利には、一般的
に水混和性溶剤である。疎水化剤をフィロシリケートに添加する際、イオン交換
が起こり、その結果フィロシリケートは一般的により疎水性となり、溶液から析
出する。イオン交換の副生成物として得られる金属塩は有利に水溶性であり、従
って疎水化フィロシリケートは例えば濾過により結晶固体として単離できる。
【0110】 イオン交換は、実質的に反応温度に無関係である。温度は有利に媒質の結晶点
を上回りかつ沸点を下回る。水性の系の場合、0〜100℃、有利には室温(約
20℃)〜80℃である。
【0111】 疎水化後、フィロシリケートの層間距離は5〜100Å、有利には5〜50Å
、特に8〜20Åである。層間距離とは、通常、上部層の下方境界から下部層の
上方境界までの距離である。薄層の長さは一般的に2000Å、有利には150
0Åまでである。
【0112】 疎水化フィロシリケートに加えて、生分解性コポリエステルは添加物を含有し
てよく、添加物は生分解性コポリエステルの溶融物へ、例えば重合法の一工程毎
にまたは連続して組み込まれてよい。添加物の例は、安定剤、中和剤、潤滑剤、
剥離剤、ブロッキング防止剤、成核剤、染料、特に蛍光染料およびフィラーであ
る。
【0113】 生分解性コポリエステルに対して、成形材料へ70質量%までの添加物を添加
してよい。利用上の特質に合わせて、成形材料は、添加物を0.1〜50質量%
、1〜30質量%含有する。好適な添加物の例は、特に疎水化されていないフィ
ラーであり、例えばカーボンブラック、リグニン粉末、酸化鉄、粘土鉱物、鉱石
、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムおよび二酸化チタン、更に助
剤、例えば安定剤、例えばトコフェロール(ビタミンE)、有機リン化合物、モ
ノ−、ジ−およびポリフェノール、ヒドロキノン、ジアリールアミン、およびチ
オエーテルである。中和剤の例はタルクである。炭化水素、脂肪族アルコール、
多価カルボン酸、多価カルボン酸の金属塩、例えばステアリン酸カルシウムまた
はステアリン酸亜鉛、またはモンタンワックスをベースとする潤滑剤および鋳型
−剥離剤は、添加剤として存在してもよい。これらの安定剤等は、Kunststoff-H
andbuch, Vol. 3/1, Carl Hanser Verlag, Munich, 1992, p. 24〜28に詳細され
る。
【0114】 新規成形材料はさらに繊維フィラーを含有してよい。
【0115】 有利な繊維フィラーはガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維およびチタン酸カ
リウム繊維、および特に有利にはガラス繊維、特にEガラスである。これらは購
買入手可能なチョップトガラスまたはチョップトロービングである。
【0116】 熱可塑性物質との混和性を向上させるために、繊維フィラーをサイズ剤で予め
処理しておいてよい。好適なサイズ剤は、例えばシラン、(ポリ)ウレタンまた
はエポキシ官能性を有する有機化合物に由来する。シランサイズ剤の中でも、ア
ミノシランサイズ剤が有利である。シラン化合物、(ポリ)ウレタン化合物およ
び/またはエポキシ化合物をサイジング材料として使用することもできる。好適
なサイジング材料は、多官能性化合物、例えば(ポリ)ウレタン官能性またはエ
ポキシ官能性を有するアミノシランに由来してもよい。好適なシランサイズ剤は
、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシランおよびグリシ
ジル置換基を含有する相当のシランである。
【0117】 表面−被覆のために一般的に使用されるシラン化合物の量は、繊維フィラーに
対して、0.05〜5質量%、有利には0.5〜1.5質量%および特に有利には
0.8〜1質量%である。
【0118】 潤滑剤の例は、エルクアミドである。使用され得る顔料の例は、カーボンブラ
ックおよび酸化チタンである。ルチルおよびアナターゼを工業的に使用し、所望
であればこれらは金属酸化物、例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、亜鉛酸化
物またはシロキサンで被覆されていてよい。本発明の目的のために、カーボンブ
ラックは、微晶質、微粒子カーボンブラックである(Kunststofflexikon, 7th E
dn., 1980)。好適なカーボンブラックの例は、ファーネスブラック、アセチレ
ンブラック、ガスブラックであり、また熱を作用させて製造するサーマルブラッ
クである。粒度は有利に0.01〜0.1μmであり、表面積は10〜10 /g(BET/ASTM D 3037)であり、DMP吸収は10〜10 ml/100gである(ASTM D 2414)である。
【0119】 新規成形材料を製造するために、疎水化フィロシリケート、特に前記の方法で
疎水化されたフィロシリケートを、次いでコポリエステルと懸濁液中でまたは固
体として混合しかつ/または均質化する。混合および/または均質化に好適な方
法は当業者に公知であり、混練、攪拌および押出加工を含む。有利な態様におい
て、新規成形材料は、少なくとも1種のコポリエステルを少なくとも1種の疎水
化シリケートと、押出加工等の公知の方法で、有利に130〜260℃および特
に有利に140〜220℃で混合および/または均質化することにより製造され
得る。この混合および/または均質化はコンパウンディングと称される。所望で
あれば、疎水化フィロシリケート、特に前記の方法で疎水化されたフィロシリケ
ートを、コポリエステルを構成する成分の少なくとも数種および/またはその少
なくとも一部と懸濁液中でまたは固体として混合および/または均質化して疎水
化フィロシリケートを含有するコポリエステル、有利には、疎水化フィロシリケ
ートを含有する成形材料を形成する。成分の共重合を、疎水化フィロシリケート
の存在下に常法で実施してもよい。時には少なくとも部分的な共重合により、疎
水化フィロシリケートの存在下で、コポリエステルを構成する成分を特に有利な
特性を有する成形材料にすることが可能である。
【0120】 新規形成材料の適当な製法は、構成成分を有利に220〜260℃で、混練機
、バンバリーミキサー、一軸スクリュー押出機、有利には2軸スクリュー押出機
等の常用の混合装置中で、混合および/均質化するものである。非常に均質な成
形材料を得るために、強力で徹底した混合が必要である。成分を混合する順序は
変動可能であり、2種または所望であれば3種の成分を予め混合するか、または
全ての成分を一緒に混合してよく、この際、成分は固体としてまたは懸濁液中で
均質化されてよい。
【0121】 本発明は、前記のような成形材料の製法を提供するものであり、この方法では
、少なくとも1種のコポリエステルおよび少なくとも1種の疎水化フィロシリケ
ート、ならびに所望であれば他の添加物を混合し、少なくともコポリエステルの
軟化または溶融下に均質化する。
【0122】 本発明は、前記の成形材料の製法をも提供し、この方法では、少なくともコポ
リエステル構成成分の一部、有利には成分B、および所望であれば少なくとも添
加物の一部を、疎水化フィロシリケートと混合しかつ/または均質化し、残りの
成分と必要であれば少なくとも同量の更なる添加物とを添加し、得られた混合物
を反応させて、フィロシリケートを含有するコポリエステルを形成する。
【0123】 新規成形材料は、押出加工および/または射出成形等の公知の方法で更に加工
されてよい。新規成形材料は通常、利用される更なる方法に合致する、常用の添
加物を含有する。この種の添加物は当業者に公知である。
【0124】 新規成形材料から製造されるフィルムは、少なくとも同等の引裂抵抗、より優
れた降伏応力および改善されているかまたは同等の破断点伸びを示す。フィロシ
リケートの添加という発明は、フィルムの堆肥化に殆ど影響を及ぼさない。作動
寿命も短縮しない。
【0125】 新規成形材料は、射出成形可能な未充填の成形材料と異なる。引裂抵抗の著し
い減少なしに、降伏応力の増加および弾性の増加が認められる。堆肥化に対する
悪影響はない。
【0126】 新規形成材料から得られる押出物、フィルムおよび繊維は新規であり、従って
本明細書の課題の1つである。
【0127】 実施例により本発明をより詳細に説明する。
【0128】 実施例 I. コポリエステルと疎水化フィロシリケートとの混合による成形材料の製造
(コンパウンディング) Ia コポリエステルを、窒素雰囲気下に撹拌装置中で製造した。1,4−ブタ
ンジオール4700g、アジピン酸7000gおよびテトラブチルオルトチタネ
ート(TBOT)10gを反応容器中で230〜240℃で反応させた。いった
ん、反応中に形成された水の大部分を留去し、ジメチルテレフタレート7620
g、1,4−ブタンジオール3900gおよびTBOT10gを添加し、混合物
を180℃に加熱した。この方法の間に、エステル交換反応で形成されたメタノ
ールを留去した。混合物を2時間の間で230℃に加熱し、リン酸2gを添加し
、反応容器を1時間排気して圧力約1mbarとした。250℃で約1mbar
で2時間、縮合を実施し、過剰の1,4−ブタンジオールを留去した。
【0129】 Ib 前記のようにして製造されたコポリエステルを、Werner&Pfle
idererZSK25二軸スクリュー押出機中160℃で、(実施例E1〜E
3)ステアリルビスヒドロキシエチルメチルアンモニウムジメチルスルフェート
により、または(比較例CE2〜CE5)タルクにより疎水化されたモントモリ
ロナイト(Southern Clay Products社製Cloisite 30 A)を、表に示す量で配合
し、得られた成形材料をペレット化した。
【0130】 II. コポリエステル成分を疎水化フィロシリケートの存在下で重縮合するこ
とによる成形材料の製造(成形材料のその場での製造) 窒素雰囲気下に撹拌装置中で成形材料を製造した。ステアリルビスヒドロキシ
エチルメチルアンモニウムジメチルスルフェートで疎水化したモントモリロナイ
ト(Southern Clay Products社製Cloisite 30 A)1100g(=6%)を、1,
4−ブタンジオール4700g中で80℃で反応容器中で膨潤させた。アジピン
酸7000gおよびテトラブチルオルトチタネート(TBOT)10gを添加し
、230〜240℃で反応させた。いったん、反応中に形成された水の大部分を
留去し、ジメチルテレフタレート7620g、1,4−ブタンジオール4700
gおよびTBOT10gを添加し、反応物を180℃まで加熱した、この方法の
間に、エステル交換反応で形成されたメタノールを留去した。混合物を2時間で
230℃まで加熱し、リン酸2gを添加し、反応容器を1時間排気して圧力約1
mbarとした。250℃で約1mbarで2時間縮合を実施し、過剰の1,4
−ブタンジオールを留去した。
【0131】 III. 射出成形による成形体 IIIa I.およびII.のようにして製造された成形材料を160℃で溶融し
、射出成形した。機械特性試験および生分解性の測定の結果を表1に示す。生分
解性は以下のようにして測定した:測量した試験片を密封可能なコンテナ中の遮
光した堆肥中に包埋した。コンテナを密封し、8週間、または12週間56℃で
貯蔵した。試験片を掘り起こし、堆肥を水で洗い流し、試験片を真空中で約30
℃で16時間乾燥し、再測量した。
【0132】 IIIb 比較のために、Iaに記載されるようにして製造された未配合のコポ
リエステルと、常用のフィラー(チョーク)をフィラーレベルが15、30、4
5および60質量%になるように配合しかつIaで記載されるようにして製造さ
れたコポリエステルとを使用して射出成形実験を実施した。試験成形材料に損傷
を与えることなく成形体から剥離することができなかったので、ISO527に
対応できる試験成形体は得られなかった。
【0133】 IV. フィルムの製造 IVa I.およびII.のようにして得られた成形材料を160℃で溶融し、一
般的な方法で加工して、厚さが100μmのフィルム製造物を得た。機械試験お
よび生分解性測定の結果を表2に示す。作動寿命は以下のように測定された:細
かく刻んだにんじん、ジャガイモ、キャベツ、ニンニク、胡椒、タマネギ、りん
ご、バナナ、なし、オレンジ、キウイフルーツおよびレモンの有機廃棄物混合物
のモデル50gを、100μmのフィルムで製造した8×2cmの寸法の袋に導
入し、各袋を溶着密封した。フィルム中に亀裂または孔が最初に形成された連結
箇所を測定した。
【0134】 IVb 比較実験として、Iaに記載されるようにして製造した未配合のコポリ
エステルと、常用のフィラー(チョーク)をフィラーレベルが0〜60質量%に
なるように配合しかつIaに記載されるようにして製造したコポリエステルとか
ら、前記のようなフィルム製造物を製造した(比較例CE1〜CE5)。機械特
性試験および生分解性測定の結果を表2に示す。
【0135】 表1:射出成形体の生分解性
【0136】
【表1】
【0137】 1)疎水化フィロシリケート Cloisite 30A(Southern Clay Prod
ucts) 2)成形体灰化後の測定 3)ISO527−2 4)ISO527−2 5)ISO1133eU 6)それぞれ2個の射出成形体の平均 n.d. 未測定 表2:フィルムの機械特性および生分解性
【0138】
【表2】
【0139】 1)疎水化フィロシリケート Cloisite 30A(Southern Clay Prod
ucts) 2)フィラー:チョーク 3)DINの測定 n.d. 未測定
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウーヴェ ヴィット ドイツ連邦共和国 ムッターシュタット ガルテンシュトラーセ 33ツェー (72)発明者 山本 基義 ドイツ連邦共和国 マンハイム タンホイ ザーリング 83−85 (72)発明者 ガブリエル スクーピン ドイツ連邦共和国 シュパイアー ツェッ ペリンシュトラーセ 9 Fターム(参考) 4F071 AA43 AB26 AH19 BB05 BB06 BC01 4J002 CF011 CF181 CK031 CL081 DJ006

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)少なくとも1種の生分解性熱可塑性コポリエステル、お
    よび b)熱可塑性成形材料の総量に対して、少なくとも1種の疎水化フィロシリケー
    ト0.01〜15質量% を含有することを特徴とする、生分解性熱可塑性成形材料。
  2. 【請求項2】 成形材料中の疎水化フィロシリケートの層間距離が5〜20
    0Åである、請求項1に記載の成形材料。
  3. 【請求項3】 疎水化前に、フィロシリケートが、100gあたり少なくと
    も50ミリ当量の陽イオン−交換能を示す、請求項1または2に記載の成形材料
  4. 【請求項4】 疎水化フィロシリケート中で、金属イオンが、少なくとも1
    種の有機基を有する有機陽イオンまたは無機陽イオンに、少なくとも部分的に交
    換されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の成形材料。
  5. 【請求項5】 コポリエステルが、成分AおよびB、および場合により1つ
    以上の別の成分Cから成る群より選択される少なくとも3種の成分を含有し、こ
    こで、成分Aが少なくとも1種のジカルボン酸またはエステル形成誘導体または
    それらの混合物を含み、成分Bが、少なくとも1種のジオール成分を含み、成分
    Cが、トリ−およびポリオール、ジ−およびポリアミン、アミノアルコール、ヒ
    ドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、トリ−およびポリカルボン酸、ビスオ
    キサゾリンおよびイソシアネートを含む、請求項1から4までのいずれか1項に
    記載の成形材料。
  6. 【請求項6】 コポリエステルが、A成分として、少なくとも1種の脂肪族
    ジカルボン酸を30〜95モル%および少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸ま
    たはそれらジカルボン酸のエステル形成誘導体、またはジカルボン酸とそのエス
    テル形成誘導体との混合物を5〜70モル%、ならびに、B成分として、C
    12−アルカンジオールおよびC〜C10−シクロアルカンジオールおよび
    それらの混合物から成る群より選択される少なくとも1種のジオール成分を含有
    する、請求項5に記載の成形材料。
  7. 【請求項7】 他の添加物の含量が、コポリエステル含量に対して、0.1
    〜70質量%である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の成形材料。
  8. 【請求項8】 少なくとも1種のコポリエステルと少なくとも1種の疎水化
    フィロシリケートとを混合し、少なくともコポリエステルを軟化または溶融して
    均質化する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の成形材料の製法。
  9. 【請求項9】 コポリエステルを構成する成分の少なくとも一部を疎水化フ
    ィロシリケートと混合しかつ/または均質化し、残りの成分を添加し、このよう
    にして得られた混合物を反応させて、フィロシリケートを含有するコポリエステ
    ルを製造する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の成形材料の製法。
  10. 【請求項10】 請求項1から9までのいずれか1項に記載の成形材料から
    得られる成形品、フィルムまたは繊維。
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