JP2003507540A - 酸性基含有重合体を反応性求核基含有オーバーベース化組成物で縮合することににより得られる金属含有分散剤重合体 - Google Patents

酸性基含有重合体を反応性求核基含有オーバーベース化組成物で縮合することににより得られる金属含有分散剤重合体

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JP2003507540A JP2001518761A JP2001518761A JP2003507540A JP 2003507540 A JP2003507540 A JP 2003507540A JP 2001518761 A JP2001518761 A JP 2001518761A JP 2001518761 A JP2001518761 A JP 2001518761A JP 2003507540 A JP2003507540 A JP 2003507540A
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Abstract

(57)【要約】 以下を含有する金属含有重合体組成物が開示されている:以下の(A)および(B)を反応させることにより調製した金属オーバーベース化イミドまたはエステル官能基重合体:(A)以下の(A1)、(A2)または(A3)を含有する重合体:(A1)酸官能基重合体またはエステル官能基重合体;(A2)カルボキシ含有インターポリマーの酸性混合エステル−酸;または(A3)ラクトンを含有するエステル官能基重合体;および(B)金属オーバーベース化組成物であって、該金属オーバーベース化組成物は、以下の(B1)、(B2)または(B3)を含有する反応性塩基官能基を含む:(B1)金属オーバーベース化アミン;(B2)金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カルボン酸;または(B3)金属オーバーベース化分散剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、新世代の分散剤−粘度改良剤としての有用性を有する新規重合体組
成物の開発に関する。オーバーベース化組成物は、過剰の炭酸金属塩を有し、そ
の理由で、塩基性組成物であると考えられている。オーバーベース化組成物は、
この過剰な塩基度を有するので、それらは、オーバーベース化アミン、オーバー
ベース化酸またはオーバーベース化分散剤であり、酸官能基を有する組成物と反
応できる。
【0002】 (発明の背景) 米国再発行特許第26,433号(LeSuer、1968年8月6日)は、
置換コハク酸アシル化脂肪族ポリアミンの油溶性金属塩およびそれらの調製方法
に関する。これらの塩は、約20℃〜約250℃の範囲内の温度で以下の(A)
、(B)および(C)を反応させる工程を包含する方法により、調製される:(
A)約2当量のコハク酸化合物であって、このコハク酸化合物は、炭化水素置換
コハク酸および炭化水素置換無水コハク酸からなるクラスから選択され、ここで
、この炭化水素置換基は、少なくとも約50個の脂肪族炭素原子を有する;(B
)約1当量の塩基性金属反応物であって、この塩基性金属反応物は、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、鉛、カドミウムおよび亜鉛の酸化物、水酸化物、カーボ
ネートおよび低級アルコラート、およびアルカリ金属水酸化物と無機金属塩(こ
れは、アルカリ土類金属、鉛、カドミウム、亜鉛、ニッケルおよびコバルトのハ
ロゲン化物およびニトレートからなるクラスから選択される)との組合せからな
る種類から選択される;および(C)1当量〜約5当量のアミンであって、この
アミンは、アルキレンポリアミンおよびヒドロキシアルキル置換アルキレンポリ
アミンからなるクラスから選択される。通常の場合、約1〜約2当量のアミンが
使用される。
【0003】 米国再発行特許第27,582号(Kahnら、1973年2月6日)は、オ
イル組成物用のオーバーベース化界面活性剤分散剤に関し、これは、アミド、イ
ミドまたはエステル(これは、40個〜250個の炭素原子を含む高分子量モノ
カルボン酸またはポリカルボン酸と少なくとも1個のアミノ基または水酸基を有
する有機窒素含有化合物(これには、アルキレンポリアミン、ヒドロキシアルキ
ルアミンおよびN−ヒドロキシアルキルモルホリンが挙げられる)とから誘導さ
れる)の存在下にて、金属塩基(例えば、水酸化バリウムまたは水酸化カルシウ
ム)と酸性ガス(例えば、CO2、H2SまたはSO2)とを反応させることによ
り、調製される。有用な組成物は、これらの反応生成物を燃料および潤滑剤に配
合することにより、調製される。
【0004】 米国特許第3,189,543号(Criddle、1965年6月15日)
は、潤滑グリース組成物に関し、さらに特定すると、カルシウムベースのグリー
スの収率を改善する試薬の使用に関し、それにより、グリース組成物の収率は、
油溶性ポリグリコールポリマーをその中に取り込むことにより高められ、このグ
リース組成物は、12−ヒドロキシステアリン酸(またはその等価物)のカルシ
ウム石鹸、該12−ヒドロキシステアリン酸のカルシウム石鹸の各モルに対して
2モル〜5モルの量の酢酸カルシウム、水酸化カルシウムとして表わされる過剰
な塩基、およびそのグリース組成物に改良された稠度を与えるのに十分な量の炭
酸カルシウムを含有し、この炭酸カルシウムは、尿素と水酸化カルシウムとを反
応させることにより、得られる。
【0005】 米国特許第3,271,310号(LeSuer、1966年9月6日)は、
新規化学組成物およびそれを含有する炭化水素組成物に関する。さらに特定する
と、この参考文献は、界面活性剤および錆防止剤として有用な新規種類の化学組
成物に関する。さらになお特定すると、この参考文献は、炭化水素置換コハク酸
の金属塩に関する。これらの金属塩組成物の炭化水素置換コハク酸化合物は、無
水マレイン酸またはマレイン酸と高分子量オレフィンまたは塩素化炭化水素また
は他の高分子量炭化水素(これは、活性極性置換基、すなわち、無水マレイン酸
またはその酸との反応に関して、その炭化水素分子を活性化できる置換基を含有
する)との反応から、容易に得ることができる。該反応は、例えば、約100℃
〜約200℃の範囲内の温度で、等量の無水マレイン酸および炭化水素を加熱す
ることを包含する。得られた生成物は、炭化水素置換無水コハク酸である。この
無水コハク酸は、水または蒸気で処理することにより、対応する酸に加水分解さ
れ得る。この炭化水素置換コハク酸は、本発明の目的のために、好ましい。
【0006】 米国特許第3,496,105号(LeSuer、1970年2月17日)は
、酸性物質のアニオンと塩基性金属含有有機錯体とを反応させて、それにより、
これらのアニオンをこの金属含有錯体に取り込む方法に関する。無機酸のアニオ
ンは、塩基性炭酸化第II族金属含有錯体と反応でき、これらのアニオンは、そ
の反応生成物に取り込まれる。これらの生成物は、潤滑油および液状炭化水素燃
料用の添加剤としてだけでなく、引き続いた化学反応用の中間体として有用であ
る。
【0007】 米国特許第3,714,042号(Greenough、1973年1月30
日)は、塩基性スルホン酸金属錯体、スルホン酸塩−カルボン酸塩錯体およびカ
ルボン酸塩錯体を高分子量カルボン酸またはその誘導体で処理すること、および
該処理により得られる生成物に関する。それはまた、これらの塩基性金属錯体を
含有する潤滑組成物の発泡傾向を少なくすることに関する。
【0008】 米国特許第4,171,273号(Waldbilligら、1979年10
月16日)は、エチレンおよびα−オレフィンの共重合体のスクシネートおよび
スクシンイミド誘導体に関し、これらは、その少量を潤滑油(特に、石油ベース
の自動車用潤滑油)に添加するとき、剪断安定性なVIの改良、流動点降下およ
び分散性を示す多官能基添加剤として効果的である。溶媒中に約5〜30重量%
のこれらの共重合体誘導体を含有する添加剤濃縮物は、この添加剤の最終潤滑油
ブレンドへの導入を促進する。これらの多官能性添加剤は、遊離ラジカル開始剤
の存在下にて、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピ
レン共重合体)と無水マレイン酸とを反応させることにより、調製され得る。こ
の無水物は、次いで、脂肪アルコールと反応されて、このコハク酸エステルを調
製する。任意の非エステル化カルボン酸または無水物基は、次いで、ポリアミン
との反応により、スクシンイミドに転化される。
【0009】 米国特許第4,248,718号(Vaughan、1981年2月3日)は
、通常のオーバーベース化添加剤と比較して、非常に灰分含量が低い潤滑油組成
物用オーバーベース化分散剤に関し、このオーバーベース化分散剤は、反応を起
こすのに適当な温度で、溶媒中において、以下の成分を配合することにより、調
製できる:(a)少なくとも1種の無灰窒素含有化合物であって、この化合物は
、アンモニア、アンモニウム塩、ならびに炭素、水素および窒素だけを含有しか
つ少なくとも1個の−NH−基を有する有機化合物から選択される;(b)塩基
的に反応する金属化合物;(c)成分(b)用の少なくとも1種の懸濁剤;なら
びに(d)カルコゲン化合物であって、この化合物は、二酸化炭素、二硫化炭素
、オキシ硫化炭素または二酸化イオウおよびそれらの混合物から選択される。本
発明により調製した組成物が比較的に低い灰分含量を有することを保証するため
に、反応物(a)、(b)、(c)および(d)の比は、その最終生成物のアル
カリ度値の約1/3〜約3/4がこれらの反応物の無灰(ashless)部分
から誘導されるようにしなければならない。
【0010】 米国特許第4,489,194号(Hayashi、1984年12月18日
)は、必要に応じて、塩素または窒素の存在下にて、以下の(A)と(B)とを
反応させることにより製造したヒドロカルビル置換カルボン酸アシル化剤に関す
る:(A)1種以上のα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸試薬であって、こ
の試薬は、そのカルボキシルベース基を除いて、2個〜約20個の炭素原子を含
有する;および(B)30個より多い炭素原子を有する1種以上の高分子量オレ
フィン性重合体であって、これは、以下からなる群から選択される: (i)C2〜8モノ−1−オレフィンとC12〜C30モノオレフィンとのインター
ポリマー; (ii)(a)C2〜8モノ−1−オレフィンのホモポリマーおよび/またはイ
ンターポリマーと(b)C12〜C30モノオレフィンのホモポリマーおよび/また
はインターポリマーとの混合物;および (iii)(i)または(ii)の塩素化アナログまたは臭素化アナログ。
【0011】 米国特許第5,262,075号(Chungら、1993年11月16日)
は、以下の(i)(b)でグラフト化した(i)(a)エチレン−α−オレフィ
ンコポリマーを以下の(ii)でさらに反応させた反応生成物を含有する油性組
成物用の多官能性粘度指数改良剤添加物に関する:(i)(a)エチレン−α−
オレフィン共重合体;(i)(b)カルボン酸物質;(ii)少なくとも1種の
ポリアミン、ポリオール、ポリオールと一緒の約C30〜C400ヒドロカルビル置
換カルボン酸成分、またはポリアミンと一緒の該カルボン酸成分であって、ここ
で、共重合体(i)(a)は、分子内不均質共重合体を含有し、この共重合体は
、メチレン単位の少なくとも1個の結晶化セグメントおよび少なくとも1個の低
結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体セグメントを含み、そしてここで、該
共重合体は、2未満の
【0012】
【数1】 比および1.8未満の
【0013】
【数2】 比の少なくとも1つにより特徴付けられる分子量分布を有する。
【0014】 米国特許第5,534,169号(Vinci、1996年7月9日)は、比
較的に滑り易い構成要素間の摩擦を小さくする方法を含み、この方法は、これら
の滑り易い構成要素の滑り易い係合面に、潤滑量のカルボン酸の少なくとも1種
のニュートン性または非ニュートン性金属オーバーベース化塩を塗布する工程を
包含し、ここで、この金属は、リチウム、カルシウム、ナトリウム、バリウム、
マグネシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択され、そしてこのカル
ボン酸は、約8個〜約50個の炭素原子を含む少なくとも1種の直鎖状不飽和炭
化水素基を含有する。考えられるこの種の滑り易い部品の型には、平ベアリング
、回転ベアリング、親ネジおよびナット、ギア、油圧系、ならびに空気式装置が
挙げられる。
【0015】 米国特許第5,556,569号(Huang、1996年9月17日)は、
少なくとも1個のヒドロカルビル基および極性基を有する有機化合物に関し、こ
れは、少なくとも1つの窒素、酸素またはイオウ原子を含み、酸性水素原子を含
まず、そして、加水分解するとこのような有機化合物に酸性水素原子を提供する
官能基を含まず、金属塩基および低分子量酸で処理することによりオーバーベー
ス化されて、有用な潤滑添加剤を提供できる。
【0016】 米国特許第5,562,864号(Salomonら、1996年10月8日
)は、主要量の潤滑粘性のあるオイルおよび以下の(A)および(B)および(
C−1)または(C−2)のいずれかを含有する潤滑油組成物を開示している: (A)少なくとも約1重量%の少なくとも1種のカルボン酸誘導体組成物であ
って、この組成物は、以下の(A−1)と(A−2)とを反応させることにより
、生成される: (A−1)少なくとも1種の置換コハク酸アシル化剤であって、このアシル化
剤は、この置換基中に、少なくとも約50個の炭素原子を含有する; (A−2)アシル化剤(A−1)1当量あたり、約0.5当量から約2モルま
での少なくとも1種のアミン化合物であって、このアミン化合物は、その構造内
に、少なくとも1個のHN<基が存在することにより、特徴付けられる;および (B)この潤滑油組成物100グラムあたり少なくとも約0.002当量のア
ルカリ金属を提供するのに十分な量のカルボン酸またはカルボン酸と有機スルホ
ン酸との混合物のアルカリ金属オーバーベース化塩であって、但し、このアルカ
リ金属塩がヒドロカルビル置換カルボン酸およびヒドロカルビル置換スルホン酸
のオーバーベース化アルカリ金属塩の混合物を含有するとき、このカルボン酸は
、この混合物の酸当量の50%より多くを含む;および (C−1)酸性有機化合物の少なくとも1種のマグネシウムオーバーベース化
塩であって、但し、この潤滑組成物は、酸性有機化合物のカルシウムオーバーベ
ース化塩を含まない;または (C−2)酸性有機化合物の少なくとも1種のカルシウムオーバーベース化塩
であって、但し、この潤滑組成物は、酸性有機化合物のマグネシウムオーバーベ
ース化塩を含まない。
【0017】 米国特許第5,681,799号(Songら、1997年10月28日)は
、油溶性潤滑油添加剤に関し、この添加剤は、300〜20,000の数平均分
子量の少なくとも1種の末端不飽和エチレン/α−オレフィン/ジエンインター
ポリマーを含有し、このインターポリマーは、モノ−またはジカルボン酸生成部
分(好ましくは、ジカルボン酸または無水物部分)で置換されており、ここで、
この末端不飽和は、末端エテニリデン不飽和を含有する。本発明のモノ−および
ジカルボン酸または無水物置換インターポリマーは、それ自体、潤滑油への添加
剤として有用であり、また、求核試薬(例えば、アミン、アルコール、アミノア
ルコールおよび反応性金属化合物)と反応されて、潤滑油添加剤(例えば、分散
剤)として有用な生成物を形成できる。
【0018】 (発明の要旨) 以下の(A)および(B)を反応させることにより調製した金属オーバーベー
ス化イミドまたはエステル官能性重合体を含有する金属含有重合体組成物が開示
されている: (A)以下の(A1)、(A2)または(A3)を含有する重合体: (A1)酸官能性重合体またはエステル官能性重合体であって、該酸官能性重
合体またはエステル官能性重合体は、酸官能性またはエステル官能性を結合また
はグラフト化したポリオレフィンを含有し、該ポリオレフィンは、少なくとも5
00の数平均分子量を有する; (A2)カルボキシ含有インターポリマーの酸性混合エステル−酸であって、
該インターポリマーは、約0.05〜約2の換算比粘度を有し、そして少なくと
も2種のモノマーから誘導され、該モノマーの一方は、低分子量脂肪族オレフィ
ン、スチレンまたは置換スチレンであり、ここで、該置換基は、1個から18個
までの炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、そして該モノマーの他方は
、α,β−不飽和脂肪族酸、その無水物またはエステルであり、該エステルは、
該エステルのカルボキシ基に由来の以下の2つのペンダント極性基の各々の少な
くとも1つが、その重合体構造内に存在することにより、特徴付けられる: (a)エステル基内に、少なくとも8個の脂肪族炭素原子を有する、比較的高
分子量のカルボン酸エステル基、必要に応じて、 (b)エステル基内に、7個以下の脂肪族炭素原子を有する、比較的低分子量
のカルボン酸エステル基であって、ここで、(a):(b)のモル比は、(1〜
20):1である;または (A3)ラクトンを含有するエステル官能性重合体であって、該ラクトンは、
ヒドロカルビル置換された1種またはそれ以上のヒドロキシ芳香族化合物;カル
ボキシ置換カルボニル化合物またはその原料;およびカルボキシ置換カルボニル
化合物以外のカルボニル化合物またはその原料の反応生成物を含有する;および (B)金属オーバーベース化組成物であって、該金属オーバーベース化組成物
は、以下の(B1)、(B2)または(B3)を含有する反応性塩基官能性を含
む: (B1)金属オーバーベース化アミンであって、ここで、該反応性塩基官能性
は、第一級または第二級アミノ基である; (B2)金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カルボン酸であって、ここで、
該反応性塩基官能性は、水酸基である;または (B3)金属オーバーベース化分散剤であって、ここで、該反応性塩基官能性
は、第一級または第二級アミノ基である。
【0019】 (発明の詳細な説明) この金属含有重合体組成物は、重合体(A)と金属オーバーベース化組成物(
B)とを反応させることにより、調製される。
【0020】 ((A)重合体) 成分(A)を含有するものとして、数種の異なる重合体が想定される。第一重
合体(A1)は、酸官能性重合体またはエステル官能性重合体であり、第二重合
体(A2)は、カルボキシ含有インターポリマーの酸性混合エステル−酸であり
、そして第三重合体(A3)は、ラクトンを含有するエステル官能性重合体であ
る。
【0021】 ((A1)酸官能性重合体またはエステル官能性重合体) 酸官能性重合体(A1)は、酸官能性を結合またはグラフト化したポリオレフ
ィンを含有し、該ポリオレフィンは、少なくとも500の数平均分子量を有する
。酸官能性重合体としての成分(A1)は、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸
とを反応させることにより(例えば、ポリオレフィンと無水マレイン酸との反応
)、調製される:
【0022】
【化4】 酸官能性重合体(A1)について、その酸官能性は、無水マレイン酸またはマ
レイン酸から誘導したカルボン酸官能性である。
【0023】 酸官能性重合体(A1)はまた、置換コハク酸アシル化剤とも呼ばれる。「置
換基」、「アシル化剤」および「置換コハク酸アシル化剤」との用語は、それら
の通常の意味を与えるためにある。例えば、置換基は、反応の結果として分子内
の他の原子または基で置き換えた原子または原子基である。アシル化剤または置
換コハク酸アシル化剤との用語は、その化合物それ自体を意味し、このアシル化
剤または置換コハク酸アシル化剤を形成するのに使用された未反応反応物を含ま
ない。
【0024】 エステル官能性重合体(A1)は、エステル官能性を有するポリオレフィンで
ある。このエステル官能性は、このポリオレフィンとエステルとの反応のために
、またはこの酸官能性重合体のエステル化により、存在している。エステル官能
性重合体としての成分(A1)は、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸エステル
とを反応させることにより、調製される;例えば、ポリオレフィンと、無水マレ
イン酸、マレイン酸またはフマル酸のエステルとの反応であって、ここで、R20 は、それぞれ独立して、1個〜18個の炭素原子を含有する脂肪族基である。
【0025】
【化5】 この酸官能性重合体からエステル官能性重合体(A1)を形成することもまた
、可能である。
【0026】
【化6】 エステル官能性重合体(A1)の他の例は、エステル官能性を結合またはグラ
フト化したポリオレフィンを含有する。エステル官能性重合体としての成分(A
1)は、ポリオレフィンと次式のエステルとを反応させることにより、調製でき
る:
【0027】
【化7】 ここで、R29およびR28の各々および各R25は、独立して、水素または1個〜7
個の炭素原子を含有する脂肪族基であり、R27は、1個〜4個の炭素原子を含有
するアルキレン基であり、そしてqは、0または1である。特に好ましいエステ
ルは、水素としてのR29およびメチルとしての一方のR25および水素としての他
方のR25、メチルとしてのR28を有し、そしてqは、0である。それにより、次
式の化合物が得られる:
【0028】
【化8】 これは、グリオキシル酸メチルエステルメチルヘミアセタール(GMHA)とし
て公知である。それは、DSM Fine Chemicalsにより販売され
ている。エステル官能性重合体(A1)を調製するための反応は、以下で示す:
【0029】
【化9】 GMHAとの反応を起こすために、このポリオレフィン中には不飽和が存在して
いることが必要である。
【0030】 本明細書および添付の請求の範囲で使用する「ヒドロカルビル」および「炭化
水素ベースの」との用語は、本発明の文脈内で、分子の残部に直接結合した炭素
原子を有しそして主として炭化水素的な性質を有する基を示す。このような基に
は、以下が包含される: (1)炭化水素基、すなわち、脂肪族基(例えば、アルキルまたはアルケニル
)、脂環式基(例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル)、芳香族基、
脂肪族置換された芳香族基および脂環式置換された芳香族基、芳香族置換された
脂肪族基および芳香族置換された脂環式基などだけでなく、環状基。ここで、こ
の環は、分子の他の部分により、完成されている(すなわち、いずれか2個の指
示された置換基は、一緒になって、脂環式基を形成し得る)。このような基は、
当業者に公知である。例には、メチル、エチル、オクチル、デシル、オクタデシ
ル、シクロヘキシル、フェニルなどが包含される; (2)置換された炭化水素基、すなわち、これらの基は、非炭化水素置換基を
含有する。この非炭化水素置換基は、本発明の文脈内では、主として、基の炭化
水素的性質を変えない。適当な置換基は、当業者に知られている。例には、ハロ
、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、アシルなどがある; (3)ヘテロ基、すなわち、本発明の文脈内では、主として、炭化水素的性質
を有しながら、鎖または環の中に存在する炭素以外の原子を有するが、その他は
炭素原子で構成されている基である。適当なヘテロ原子は当業者に明らかであり
、例えば、窒素、酸素およびイオウを包含する。
【0031】 一般に、このヒドロカルビル基では、各10個の炭素原子に対し、約3個以下
の置換基またはヘテロ原子が存在し、好ましくは、1個以下の置換基が存在し、
そして最も好ましくはまたはヘテロ原子が存在する。
【0032】 「アルキルベース基」、「アリールベース基」などのような用語は、アルキル
基、アリール基などに関する上記の用語と類似した意味を有する。
【0033】 このアシル化剤と反応して(A1)を形成するポリオレフィンは、エラストマ
ーポリオレフィン(ここで、そのオレフィンは、4個までの炭素原子を含有する
)、α−オレフィン重合体(ここで、そのオレフィンは、6個〜24個の炭素原
子を含有する)、ランダムブロック共重合体(これは、モノビニル芳香族/ジエ
ン共重合体、またはモノビニル芳香族/ジエン共重合体を含有する水素化ランダ
ムブロック共重合体、または星形重合体を含む)を含む。
【0034】 これらのエラストマーポリオレフィンには、ポリエチレンエラストマー、ポリ
プロピレンエラストマー、エチレン/プロピレンエラストマー(これは、通例、
エチレン/プロピレンゴム(EPR)として知られている)およびエチレン/プ
ロピレン/ジエンエラストマー(EPDM)がある。
【0035】 これらのポリエチレンおよびポリプロピレンエラストマーは、以下で表わされ
、ここで、Gは、ポリエチレンに対しては水素であり、そしてポリプロピレンに
対しては−CH3である。
【0036】
【化10】 このポリオレフィンは、20,000と500,000の間、しばしば、約2
0,000〜約300,000の数平均分子量(Mn)を有する。重合性炭化水
素重合体の分子量は、文献に記載の周知方法を用いて、測定される。分子量を測
定する方法の例には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ま
た、サイズ排除クロマトグラフィーとして知られている)および蒸気相浸透法(
VPO)がある。これらの方法および他の方法は、以下を含めた非常に多くの文
献に記述されている: P.J.Flory,「Principles of Polymer Ch
emistry」、Cornell University Press(19
53)、第VII章、266〜316ページ;および 「Macromolecules,an Introduction to
Polymer Science」、F.A.Bovey and F.H.W
inslow著、Academic Press(1979)、296〜312
ページ W.W.Yau,J.J.Kirkland and D.D.Bly,「M
odem Size Exclusion Liquid Chromatog
raphy」、John Wiley and Sons,New York,
1979。
【0037】 重合体の分子量と相互補完的な測定値には、メルトインデックス(ASTM
D−1238)がある。メルトインデックスの高い重合体は、低い分子量を有し
、逆の場合も同じである。本発明の結合またはグラフト重合体は、好ましくは、
20dg/分まで、さらに好ましくは、0.1〜10dg/分のメルトインデッ
クスを有する。
【0038】 これらの文献の内容は、分子量の測定に関する本明細書中で含まれる関連した
開示について、本明細書中で参考として援用されている。
【0039】 重合体の分子量が所望値よりも高いとき、当該技術分野で公知の技術により、
低下され得る。このような技術には、マスチケーター、ボールミル、ロールミル
、押出機などを使用する重合体の機械的な剪断が挙げられる。酸化的または熱的
な剪断または分解技術もまた、有用であり、公知である。重合体を剪断する多数
の手順の詳細は、米国特許第5,348,673号で示されており、その内容は
、このことに関して、本明細書中で関連した開示について参考として援用されて
いる。
【0040】 このエチレン/プロピレンエラストマーは、同じまたは異なるモル量のエチレ
ンおよびプロピレンを混合することにより、次いで、この混合物を共重合して以
下の共重合体を形成することにより、製造される:
【0041】
【化11】 このエチレン/プロピレンエラストマーは、このエラストマー中のモノマーエ
チレンおよびプロピレン単位のモル量に基づいて、他のモノマーから誘導した重
合体単位を、少量(すなわち、約10%まで)で含有し得る。このような他のモ
ノマーの例には、少なくとも4個の炭素原子を有する重合可能モノオレフィン(
例えば、1−ブテン、1−ペンテン、2−ブテン、3−ヘキサン、4−メチル−
1−ペンテン、1−デセン、1−ノネン、2−メチル−プロペンおよび1−ドデ
セン)が挙げられる。それらには、また、ポリエン、すなわち、2個またはそれ
以上のオレフィン性結合を有するもの、共役ポリエン(例えば、ブタジエン、イ
ソプレン、ピペリレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエンなど)が
挙げられる。さらに、非共役重合体(例えば、3,3−ジメチル−1,4−ヘキ
サジエン、ジシクロペンタジエンなど)であり得る。大ていの場合、このような
他のモノマーは、好ましくは、4個〜約10個の炭素原子を含有するが、それら
は、25個程度に多い炭素原子を含有し得る。
【0042】 このエチレン/プロピレンエラストマーは、約2〜98重量%のエチレンから
誘導され、その残りは、プロピレンである。約20%〜約70%(モル)の重合
したプロピレン、約30%〜約80%の重合したエチレン、および約10%まで
の他の重合したオレフィンを含有するエラストマーもまた、有用である。
【0043】 このエチレン/プロピレン/ジエンエラストマーは、多数の原料を有する。例
えば、Ortholeum(登録商標)2052(DuPont Compan
yから販売されている製品)は、約57:43のエチレン:プロピレン重量比を
有しかつ1,4−ヘキサジエンモノマーから誘導した基を4〜5重量%で含有す
るターポリマーである。他の市販のオレフィン/ジエン共重合体は、エチリデン
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン、4−ビニルシクロ
ヘキサンおよび多数の他のこのような物質を有するエチレン−プロピレン共重合
体を含み、容易に入手できる。オレフィン−ジエン共重合体およびそれらの調製
方法は、以下の米国特許を含めて多数の特許に記述されている:第3,291,
780号;第3,300,459号;第3,598,738号;第4,026,
809号;第4,032,700号;第4,156,061号;第3,320,
019号;第4,357,250号。
【0044】 本明細書中で得られるα−オレフィン重合体は、典型的には、−40℃で15
0,000未満の粘度を有する液体である。このα−オレフィン重合体を調製す
るのに使用されるα−オレフィンモノマーは、式R12CH=CH2で記述される
。R12基は、6個〜16個の炭素原子を含有するヒドロカルビル残基である。特
に、6個の炭素原子を含有するα−オレフィンは、好ましくは、最も簡単な炭化
水素種(例えば、1−ヘキセン)である。それゆえ、この特に望ましいα−オレ
フィンモノマーは、第二反応性ビニル基(例えば、1,4−ヘキサジエン)を含
有しない。さらに、このα−オレフィンモノマー内の任意の追加の不飽和はまた
、できるだけ少なくするか、またはなくすことが望ましい。
【0045】 それゆえ、全体的には、本発明で好ましい種は、その分子の末端に単一のビニ
ル基(オレフィン)を含有するα−オレフィン(モノ−α−オレフィン)である
。本明細書中で使用され得るα−オレフィンの具体例には、1−ヘキセン、1−
ヘプタン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデ
セン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−ヘプタデセンおよび1−オクタデセンがある。また、少量の非ビニルオ
レフィンも、有用である。それゆえ、2−メチル−1−ペンテンCH3CH2CH 2 C(CH3)=CH2のような物質は、本発明において有用である。代表的には
、非ビニルオレフィンは、その全オレフィン充填量の約10重量%より多い量、
好ましくは、5重量%より多い量で存在すべきではない。好ましくは、このポリ
オレフィンは、非ビニルオレフィンを含有しない。
【0046】 その1および2炭素位置から離れてこのオレフィンモノマーにある分枝もまた
、本発明の範囲内である。分枝α−オレフィンは、望ましくないものの、10重
量%未満、好ましくは、5重量%未満で含有され得る。分枝α−オレフィンには
、3−メチル−1−ペンテンが挙げられる。
【0047】 α−オレフィンの混合物は、特に有用である。特に、ノルマルα−オレフィン
の混合物(オクテンおよびドデセン;ヘプテンおよびノネン;ヘキセンおよびデ
セン;およびオクテンおよびテトラデセン)は、本明細書中で使用するとき、有
用である。ノルマルオクテン、ドデセンおよびヘキサデセンのような三元混合物
が、使用され得る。さらに望ましいα−オレフィンの三元混合物は、ノルマルオ
クテン、ドデセンおよびテトラデセンを含有する。
【0048】 2種のα−オレフィンの二元混合物を使用する場合、これらは、典型的には、
この各α−オレフィンが、5重量%〜95重量%、好ましくは、10重量%〜9
0重量%で存在する。三元混合物を使用する場合、この各α−オレフィンは、約
5重量%〜約90重量%、好ましくは、約10重量%〜約70重量%の各モノマ
ーを使用する。
【0049】 使用する触媒は、第二級または第三級有機ハロゲン化物を含む第一の触媒系、
およびルイス酸触媒を使用する第二の系である。
【0050】 この第三級有機ハロゲン化物は、式R131415CXを有し、ここで、Xは、
ハロゲンであり、そしてR13、R14およびR15は、ヒドロカルビル基である。ハ
ロゲンとしてのXの値は、典型的に使用されるハロゲン原子(例えば、フッ素、
塩素、臭素またはヨウ素)のいずれかであり得る。好ましくは、Xは、塩素また
は臭素であり、最も好ましくは、塩素である。
【0051】 R13からR15は、同一または異なり得、好ましくは、同一であり、最も好まし
くは、アルキルである。この第三級ハロゲン化アルキル中の炭素原子の総数は、
4〜12個の炭素原子であるのが好ましい。好ましい第三級有機ハロゲン化物は
、塩化t−ブチルおよび塩化t−アミルであり、そして好ましい第二級有機ハロ
ゲン化物は、塩化第二級ブチルである。
【0052】 このルイス酸触媒は、このα−オレフィン重合体を得る所望の反応を触媒する
任意の物質であって、これは、さらに、第二の分子またはイオンに由来の2個の
電子と共有結合を形成することにより、他の分子またはイオンと化合できる分子
またはイオンとして、記述される。このα−オレフィン重合体を調製する際に有
用なルイス酸触媒の具体例には、三フッ化ホウ素、ハロゲン化アルミニウム(例
えば、塩化アルミニウム、一塩化二臭化アルミニウム、臭化アルミニウムおよび
一臭化二塩化アルミニウム)が挙げられる。
【0053】 このα−オレフィン重合体を調製する際には、典型的には、非プロトン性溶媒
が使用される。この溶媒は、通常、20℃で液状の物質である。この溶媒はまた
、好ましくは、ハロゲン化炭化水素である。代表的に、この溶媒は塩化メチレン
である。他の溶媒には、モノブロモモノクロロメタン、臭化メチレン、1,2−
ジクロロエタン、1,1−ジブロモシクロプロパン、1,1−ジクロロシクロプ
ロパン、シス−1,2−ジクロロシクロプロパン、トランス−1,2−ジクロロ
シクロプロパン、シス−1,2−ジブロモシクロプロパンおよびトランス−1,
2−ジブロモシクロプロパンが含まれる。
【0054】 本明細書中で使用される溶媒は、好ましくは、一般的なジクロロ化合物(例え
ば、二塩化エチレンまたは塩化メチレン)である。
【0055】 さらに他の特徴には、この重合反応を活性化量のプロトン性化合物の存在下に
て行なうことである。プロトン性化合物としては、ニトロメタンおよびハロゲン
化芳香族化合物(例えば、ジクロロベンゼン)だけでなく、炭化水素溶媒も使用
できる。典型的には、このプロトン性化合物は、水である。このプロトン性化合
物の活性化量は、典型的には、この触媒系の1重量%未満、好ましくは、0.0
001重量%〜0.1重量%である。「活性化量」との用語は、全体的な重合反
応を促進する量を意味し、重合反応を実質的に遅くしたり触媒系を不活性化する
ような量ではない。
【0056】 典型的には、得られるα−オレフィン重合体の数平均分子量は、2,000〜
100,000(Mn)である。
【0057】 このモノビニル芳香族/ジエン共重合体を含有するランダムブロック共重合体
は、2種のモノマーの同時共重合を含む。一方のモノマーは、共役ジエンであり
、そして他方のモノマーは、モノビニル芳香族化合物である。形成されるランダ
ムブロック共重合体は、二重結合を含有し、次いで、その不飽和の一部または実
質的に全部を除去するために、水素化され得る。エステル官能性重合体(A1)
の形成では、GMHAとの反応が起こり得るように、そのポリオレフィン中には
、不飽和が存在することが必要である。
【0058】 ビニル置換芳香族化合物の例には、スチレン、α−メチルスチレン、オルト−
メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、パラ−第三級
ブチルスチレンが挙げられ、スチレンが好ましい。共役ジエンの例には、ピペリ
レン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン、イソプレンおよ
び1,3−ブタジエンが挙げられ、イソプレンおよび1,3−ブタジエンは、特
に好ましい。このような共役ジエンの混合物は、有用である。
【0059】 これらのランダムブロック共重合体のビニル置換芳香族モノマー含量は、約2
0重量%〜約70重量%の範囲、好ましくは、約40重量%〜約60重量%の範
囲である。それゆえ、これらの共重合体の脂肪族共役ジエンモノマー含量は、約
30重量%〜約80重量%の範囲、好ましくは、約40重量%〜約60重量%の
範囲である。
【0060】 以下では、異なる型のランダムブロック共重合体を述べる。
【0061】 I.ランダム共重合体:そのコモノマーがその重合体鎖においてランダムまた
はほぼランダムに配列されたものであって、相当な量のいずれかのモノマーのブ
ロックホモポリマーセグメントを有しない。ランダム共重合体の一般的な重合体
構造は、以下により表わすことができる:
【0062】
【化12】 ここで、Sは、ビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン)を意味し、そしてD
は、共役ジエンモノマー(例えば、1,3−ブタジエンまたはイソプレン)を意
味する。このようなランダム共重合体は、遊離ラジカル共重合により、容易に製
造され得る。
【0063】 このジエンモノマーは、この重合体の主要骨格またはその上のペンダントのい
ずれかにおいて、ある種のオレフィン性不飽和を導入するものの、それらのオレ
フィン性部位は、水素化により実質的に除かれ得ることが分かる。
【0064】 II.規則的な直鎖状ブロック共重合体:1種類のモノマーのホモポリマーの
比較的に長い鎖の少数が、他種のモノマーのホモポリマーの比較的に長い鎖の少
数と交互に接合しているもの。正規(すなわち、規則的な)ブロック共重合体は
、通常、各モノマーの比較的に大きいホモポリマーブロックを、1個〜約3個、
好ましくは、1個または2個だけ有する。それゆえ、スチレンまたは他のビニル
芳香族モノマーSと共役ジエンDとの直鎖状の規則的なジブロック共重合体は、
ホモポリマーDの大ブロックに結合したホモポリマーSの大ブロックにより表わ
される一般構造を有する:
【0065】
【化13】 モノマーSおよびモノマーDのブロックは、必ずしも同じサイズまたは分子量で
はない。以前のとおり、ジエンモノマーDによりこの共重合体に導入された初期
オレフィン性不飽和は、水素化により、実質的に除去されることが分かる。水素
化ポリ(スチレン−b−イソプレン)を含有する直鎖状のジブロック共重合体は
、Shell Chemical Companyにより、「Shellvis 40、50および90」の商品名で、販売されている。
【0066】 類似の様式で、規則的なトリブロック共重合体は、いずれかの2種のモノマー
から構成されたホモポリマーの3個の比較的に大きい主要ブロックまたはセグメ
ントを有することが分かる;すなわち、以下のとおりである:
【0067】
【化14】 これらの直鎖状の規則的なブロック共重合体には、第三モノマーAもまた、取り
込まれ得る。この場合、このホモポリマーセグメントを互いに関していかにして
取り込むかに依存して、数種の構造が可能である。例えば、モノマーS、Dおよ
びAの直鎖状のトリブロック共重合体は、いくつかの異なる構造で表わすことが
できる:
【0068】
【化15】 III.直鎖状ランダムブロック共重合体:1種類のモノマーのホモポリマー
の比較的に多い数の比較的に短いセグメントが、他のモノマー種のホモポリマー
の比較的に多い数の短いセグメントと交互になっているもの。
【0069】 本発明のランダムブロック共重合体は、直鎖状であり得、または部分的にまた
は高度に分枝され得る。直鎖状ランダムブロック重合体(これは、本発明の最も
好ましいブロック重合体である)中のホモポリマーセグメントの相対的な配置は
、以下により表わされ得る:
【0070】
【化16】 ここで、Dは、共役ジエンモノマーを表わし、そしてAは、ビニル芳香族モノマ
ーを表わす。直鎖状ランダムブロック重合体中の各種のモノマーの個々のホモポ
リマーセグメントの配列は、交互である。
【0071】 IV.直鎖状のテーパードランダムブロック共重合体: 直鎖状のランダムブロック共重合体の構成の特別な種類には、直鎖状テーパー
ドランダムブロック構造がある。この配置では、その重合体骨格の主要部分は、
ランダムブロックタイプであり、その分子の1末端には、1種類のホモポリマー
の大きなブロックが位置している。この種の重合体の合成は、直鎖状のランダム
ブロック共重合体を調製し、次いで、その重合の終了近くに、1種類のモノマー
をさらに多く添加して、成長している直鎖状重合体鎖の末端において、追加した
重合体が、一連のさらに大きなホモポリマーブロックを形成するようにすること
により、通常行われる。この目的には、他の種類のモノマーも使用可能であるも
のの、長いテーパードホモポリマーブロックを得るには、通常、ビニル置換芳香
族モノマーが選択される。
【0072】 SSSSSSSSSSSSSSSSSS−DD−SSSSS−DDD−SSS
−DDD−SS−DDDD 直鎖状のテーパードランダムブロック共重合体は、潤滑剤調合物に通常使用す
る希釈剤中での著しく異なる溶解性、ならびに同じモノマーから製造した類似の
分子量の単純なランダムブロック共重合体と比較して、高温での優れた増粘力、
高せん断条件下での良好な高温粘性、および改良された低温粘度特性を有し得る
【0073】 一般に、これらのブロック共重合体は、酸化安定性の理由で、平均分子内に存
在する炭素−炭素共有結合の全数を基準にして、約5%以下、好ましくは、約0
.5%以下の残留オレフィン性不飽和を含有することが好ましい。このような不
飽和は、当業者に周知の多くの方法(例えば、赤外、NMRなど)により、測定
され得る。最も好ましくは、これらの共重合体は、上記分析技術で決定する場合
に検出できる不飽和を含有しない。
【0074】 これらのランダムブロック共重合体は、代表的に約5,000〜約1,000
,000の範囲;好ましくは、約30,000〜約300,000の範囲の数平
均分子量を有する。これらの共重合体の重量平均分子量は、一般に、約50,0
00〜約500,000の範囲;好ましくは、約30,000〜約300,00
0の範囲である。
【0075】 重合生成物として最初に得られる不飽和ブロック重合体を水素化すると、さら
に酸化的および熱的に安定な重合体が生成する。還元は、典型的には、細かく分
割したまたは担持したニッケル触媒を用いて、この重合工程の一部として、行わ
れる。他の遷移金属もまた、この変形を行うのに用いられ得る。水素化は、通常
、最初の重合体のオレフィン性不飽和のおよそ94〜96%還元する程度まで行
われる。このことは、このジエンモノマーを組み込む様式が、室温または低温で
の水素化重合体の最終的な物理的特性および溶解特性に影響を与える重要なパラ
メータとなることを意味している。以下の図は、1,4−シス様式および1,2
−様式の両方で組み込んだジエンを示す。1,4−シス配置の水素化により、こ
の重合体中で、直鎖状のポリエチレンセグメントが生成し、一般的に溶解度が低
下し、そして低温で会合する傾向がある非常に結晶性の部位を導入し、潜在的に
、望ましくない融解に付随した熱転移を導入する。
【0076】
【化17】 対照的に、このジエンの1,2−重合により導入されたオレフィンの水素化によ
り、ペンダントアルキル基が生じ、これは、溶解性を高め、そのジエンセグメン
トの結晶性を低下させ、そして会合に向かう傾向を実質的に少なくする。ジエン
モノマーの取り込みの1,4−および1,2−モードのバランスを制御する性能
は、潤滑油組成物中で粘度改良剤として使用するために、この水素化ブロック重
合体の全体的な特性を最適化するためにある。
【0077】 イソプレンは、1,3−ブタジエンと類似の様式で(すなわち、1,4−シス
または3,4−重合により)、ブロック重合体に合体する。1,3−ブタジエン
と同様に、主に、シス−1,4−の合体は、非極性のパラフィン性溶媒が通常で
あるが、促進剤(例えば、テトラヒドロフラン)は、3,4−重合を好む。この
場合もやはり、特性のバランスは、少量の電子リッチ促進剤を使用して、開始お
よび重合を速め、そして最終水素化重合体の性質および特性に影響を与えること
により、達成され得る。イソプレンを使うと、常に、そのポリイソプレンブロッ
クには、脂肪族置換基が存在しているので、その水素化の際に、結晶性ポリエチ
レンセグメントが形成される可能性がなくなる。
【0078】
【化18】 次いで、ブロック共重合体の物理的特性および溶解特性は、使用するモノマー
および調製方法の両方に依存していることが分かる。重合体溶液の形態学的な特
性は、同様に、重合体の微細構造に依存している。形態学とは、規定セットの条
件下での重合体の実際の立体配座を意味しており、そして構造、重合体の濃度、
温度、および溶媒や他の試薬の別の影響に依存している。多くの種類のブロック
重合体は、多大な分子間結合挙動を示し、ここで、同種のホモポリマーのブロッ
クまたはセグメントは、集塊し得る。この意味で、これらのブロック重合体は、
ある種の表面活性特性を示し、ここで、それらは、古典的な界面活性剤により形
成されたものと同様に、ミセルを形成する。この特性を支持するものとして、ブ
ロック重合体がコロイド状分散体を安定化する性能を有することを明らかにした
研究がある。
【0079】 一般に、ポリスチレン−ブロック−ポリイソプレン水素化ジブロック共重合体
は、2個の比較的大きいセグメントを有し、これらは、類似の組成および分子量
のランダムブロック重合体よりもずっと大きい程度まで、会合されている。典型
的には、100℃で流し込み可能にするためには、このジブロック共重合体の濃
縮物は、約6重量%以下を含み得、また、このランダムブロック共重合体は、約
8重量%未満以下を含み得る。
【0080】 一般に、これらのブロック共重合体は、酸化安定性の理由で、平均分子内に存
在する炭素−炭素共有結合の全数を基準にして、約5%以下、好ましくは、約0
.5%以下の残留オレフィン性不飽和を含有することが好ましい。このような不
飽和は、当業者に周知の多くの方法(例えば、赤外、NMRなど)により、測定
され得る。最も好ましくは、これらの共重合体は、上記分析技術で決定される場
合に検出できる不飽和を含有しない。
【0081】 市販のランダムブロック共重合体の例には、BASF製の種々のGlisso
viscalブロック共重合体が挙げられる。2種の特に好ましい共重合体には
、Glissoviscal(登録商標)SGHおよびGlissovisca
l(登録商標)CE−5260がある。
【0082】 星形重合体とは、核および重合体アームから構成される重合体である。一般的
な核には、ポリアルケニル化合物、通常、少なくとも2個の非共役アルケニル基
(通常、電子求引性基(例えば、芳香核)に結合した基)を有する化合物が挙げ
られる。この重合体アームは、しばしば、共役ジエンおよびモノアルケニルアレ
ーンのホモポリマーおよび共重合体およびそれらの混合物である。
【0083】 それゆえ、この重合体は、その重合体状アームが外側に伸長したポリ(ポリア
ルケニルカップリング剤)核を含有する。この星形重合体は、通常、その炭素−
炭素共有結合の少なくとも80%飽和であるように、多くの場合、少なくとも9
0%、さらに好ましくは、少なくとも95%が飽和であるように、水素化されて
いる。
【0084】 この核を構成するポリビニル化合物は、ポリアルケニルアレーン(例えば、ジ
ビニルベンゼンおよびポリビニル脂肪族化合物)により、例示される。
【0085】 この重合体アームを構成するジエンは、ブタジエン、イソプレンなどにより、
例示される。モノアルケニル化合物には、例えば、スチレンおよびそれらのアル
キル化誘導体が挙げられる。
【0086】 星形重合体は、当該技術分野で周知である。このような物質およびそれらの調
製方法は、以下の米国特許を含めた非常に多くの文献および特許に記述されてお
り、その内容は、ここに含まれる関連した開示について、本明細書中で参考とし
て援用されている:米国特許第4,116,917号;米国特許第4,141,
847号;米国特許第4,346,193号;米国特許第4,358,565号
;および米国特許第4,409,120号。
【0087】 星形重合体は、例えば、Shell Chemical Co.から販売され
ているShellvis 200として、市販されている。
【0088】 (A1)を形成するために、このポリオレフィンは、この不飽和カルボン酸と
反応される。典型的には、この不飽和カルボン酸は、アクリル酸、フマル酸、無
水マレイン酸などである。無水マレイン酸は、好ましい不飽和カルボン酸である
。一般に、この反応は、遊離ラジカル開始剤の存在下にて、約120℃〜約20
0℃の温度で、このポリオレフィンおよび不飽和カルボン酸を加熱する工程を包
含する。これらのポリオレフィンの混合物だけでなく、不飽和モノ−およびポリ
カルボン酸の混合物もまた、使用できる。あるいは、不飽和ポリオレフィンが存
在しているとき、(A1)を形成する反応は、熱的に(200℃まで)または塩
素ガスの存在下にて、行われ得る。
【0089】 このポリオレフィンと不飽和カルボン酸との反応では、このカルボン酸は、酸
官能性重合体(A1)中に、0.001〜約5%で存在している。
【0090】 他の代替物では、不飽和ポリオレフィンは、グリオキシル反応物(例えば、G
MHAまたはグリオキシル酸)と反応できる。
【0091】 以下の実施例は、(A1)の調製を説明している。他に指示がなければ、これ
らの実施例および本明細書中の他の部分、ならびに添付の請求の範囲において、
全ての部およびパーセントは、重量基準である。
【0092】 (実施例(A1)−1) テトラクロロエチレン(3リットル)をシリカゲルカラムに通し、窒素を散布
し、次いで、窒素下にて、25℃で、乾燥反応フラスコに添加する。攪拌を開始
し、そして飽和モノマー溶液が得られるまで、このテトラクロロエチレン液体表
面下で、1秒あたり100mlの速度で、気体状エチレンおよびプロピレンの等
モル混合物を導入し、気体出口チューブを通って、過剰の気体を逃す。この飽和
モノマー溶液に、注射器によって、軟質ゴム製キャップで密封した反応器の開口
部を通って、アルミニウムトリイソブチルの1.6モル濃度のシクロヘキサン溶
液8ml(0.0128モル)および三塩化バナジル0.94ml(0.010
モル)を、順に、別々かつ急速に添加する。このテトラクロロエチレン溶液は、
くすんだ透明な琥珀色となり、1分後、その温度は、約40℃まで上昇する。3
5〜40℃で攪拌した反応混合物に、1秒あたり100mlの速度で、0.5時
間にわたって、気体状エチレンおよびプロピレンの等モル混合物を導入する。こ
の反応混合物に、n−ブタノール5mlを添加し、その重合体を、ゴム状の膨潤
固形物として分離し、それを、過剰な溶媒がないように絞り、新鮮なn−ブタノ
ールで数回洗浄し、そして乾燥する。それにより得た共重合体は、20モルパー
セントのプロピレン含量および250,000の数平均分子量を有する。
【0093】 この共重合体の一部を、1%(この共重合体の重量基準)の無水マレイン酸と
混合し、この混合物を、3時間にわたって、200℃まで加熱して、酸官能性重
合体を形成する。
【0094】 (実施例(A1)−2) アルミニウムトリイソブチル30g(0.15モル)および1−デセン84g
(0.6モル)のテトラクロロエチレン200ml溶液を、還流状態で、窒素雰
囲気下にて、2時間加熱して、アルミニウムトリデシルを形成する。この溶液を
室温まで冷却し、そしてテトラクロロエチレン1800mlとブレンドし、75
モルパーセントのプロピレンを含有するエチレン−プロピレン気体混合物で前飽
和する(presaturated)。このエチレン−プロピレン気体混合物(
75モル%のプロピレン)を、1秒あたり37.5mlの速度で、このテトラク
ロロエチレン溶液に供給する。激しく攪拌しつつ、29〜41℃で、2分間にわ
たって、この反応混合物に、塩化バナジル4.35g(0.025モル)のテト
ラクロロエチレン100ml溶液を添加しつつ、エチレンおよびプロピレンの導
入を継続する。この触媒は、透明な紫色の溶液を形成し、この気体供給物の急速
な吸収を開始する。その後、41〜48℃で、9分間にわたって、この反応混合
物に、1,4−ヘキサジエンの3.6モル濃度のテトラクロロエチレン溶液30
ml(0.108モル)を添加する。エチレンおよびプロピレンの供給を継続し
、38〜40℃で、2時間にわたって、この反応混合物に、1,4−ヘキサジエ
ン3.6モル濃度溶液53.4ml(0.192モル)をさらに添加する。次い
で、この反応混合物に、n−ブタノール6.1mlを添加すると、その共重合体
の沈殿物が生じる。この沈殿物を、ブレンダー中にて、アセトンでスラリーにし
、次いで、ゴム製ミルにおいて、50℃で、乾燥する。この生成物(97g)は
、柔軟なゴム状の三元共重合体であり、これは、42モル%のプロピレン含量、
8.9のヨウ素価に対応する1.2モル%のジエン含量、およびその差として、
56.8モル%のエチレン含量を有する。この三元共重合体は、約2.1の換算
比粘度(RSV)を有し、これは、125,000の数平均分子量に対応してい
る。
【0095】 この共重合体500gの溶液をジフェニルオキシド2000gと混合し、この
混合物1830gを、230℃で、4時間にわたって、無水マレイン酸(41g
)と混合し、次いで、200℃および1mm水銀で加熱して、揮発性成分を除去
し、残留物383gを得る。
【0096】 (実施例(A1)−3) 以下の反応物から、実施例(A1)−2の手順と基本的に同じ手順により、生
成物を得る:実施例(A1)−2の共重合体および無水マレイン酸(この共重合
体の10重量%)。
【0097】 (実施例(A1)−4) 使用する無水マレイン酸がその共重合体の5重量%であること以外は、実施例
(A1)−2の手順を基本的に繰り返す。
【0098】 (実施例(A1)−5) 使用する無水マレイン酸がその共重合体の4.4重量%であること以外は、実
施例(A1)−2の手順を基本的に繰り返す。
【0099】 (実施例(A1)−6) 水素緩和(moderated)VOCl3/セスキ塩化アルミニウム触媒を
使用するチーグラー−ナッタ法により製造したエチレン−プロピレン共重合体の
9重量%溶液1ガロン(3000g)(この共重合体は、溶媒である100ニュ
ートラルオイル中にて、約54重量%のエチレンおよび46重量%のプロピレン
を含有し、60,000のMnを有する)を、窒素ブランケット下にて、180
℃まで加熱する。これに、攪拌しつつ、無水マレイン酸11.25g(この共重
合体の0.4重量%)および2,5−ジメチル−ヘキサ−3−イン−2,5−ビ
ス−tert−ブチルペルオキシド2.7gを添加する。その温度を180℃で
維持して5時間後、それらの内容物に、2時間にわたって、窒素を散布して、未
反応無水マレイン酸を全て除去する。
【0100】 (実施例(A1)−7) 12リットルの4ッ口フラスコに、希釈油5950部を添加する。これらの内
容物を160℃まで加熱し攪拌して、エチレン−プロピレン共重合体(これは、
Mitsui Opheus 1010 OCPとして、同定されている)の4
分の1インチの塊をゆっくりと添加する。この共重合体を、1050部が導入さ
れるまで、3時間にわたって、この熱いオイルに添加する。一旦、この重合体が
溶解すると、その温度を130℃まで低下し、そして無水マレイン酸15.3部
(0.32当量)を添加する。これに続いて、1時間にわたって、トルエン20
部中の過安息香酸t−ブチル15.3部を添加する。これらの内容物を、この温
度で、2時間維持する。次いで、1時間あたり2.5立方フィートで窒素を吹き
付けつつ、これらの内容物から、160℃まで揮発性溶媒を取り除いて、0.2
2重量%の無水マレイン酸を含有する生成物を得る。
【0101】 (実施例(A1)−8) 100ガロン(397リットル)の反応器に、機械攪拌システム、モノマーレ
ザバおよび供給口、温度計、冷却器、冷却ジャケットおよびN2雰囲気を備え付
ける。このモノマー供給レザバに、69kgの1−オクテン、69kgの1−ド
デセンおよび1.1kgのtert−ブチルクロリドからなる溶液を充填する。
全充填物の約0.25重量%で、水が存在している。攪拌した反応器に、89k
gの乾燥塩化メチレンおよび3.45kgの無水AlCl3を充填する。このA
lCl3スラリーを10℃まで冷却し、それから、3.5時間にわたって、この
モノマー供給口を経由して、この反応器へと、そのコモノマー/t−ブチルクロ
リド溶液の滴下を開始する。その重合温度は、15℃〜20℃の間で維持する。
このコモノマー/t−ブチルクロリドの充填が完了した後、この重合混合物を、
15℃〜20℃で、さらに1.5時間攪拌する。
【0102】 この重合混合物を、攪拌しつつ、室温まで暖める。攪拌しつつ、室温で、その
生成物混合物に28%NaOH水溶液を添加することにより、このAlCl3
媒を中和する。触媒を中和した後、その水相および有機相を分離する。この有機
相から、150℃で、溶媒を取り除き、そして濾過して、収率92%の液状1−
オレフィン共重合体(これは、100℃で、240cStの体積粘性率を有する
)を得る。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリイソブチレン標準)
により、共重合体のMn=4850、Mw=18800が示される。20重量%
の共重合体を100N鉱油で処理すると、100℃で、12.6cStの動粘度
が得られる。
【0103】 この共重合体の一部を、1.5%(この共重合体の重量基準)の無水マレイン
酸と混合し、この混合物を、3時間にわたって、200℃まで加熱して、酸官能
性重合体を形成する。
【0104】 (実施例(A1)−9) 5リットルの反応器に、攪拌機、添加漏斗、温度計、冷却器および冷却浴を備
え付ける。1−オクテン1000g(8.93モル)、1−ドデセン1000g
(5.95モル)およびtert−アミルクロリド40.0g(0.375モル
)の溶液を調製し、この添加漏斗に充填する。この反応器に、1000mlの乾
燥塩化メチレンおよび50.0gの無水AlCl3を充填する。この重合手順の
初めから終わりまで、N2雰囲気を維持する。攪拌したAlCl3スラリーを5℃
まで冷却し、それから、1.25時間にわたって、この反応器へと、そのコモノ
マー/t−ブチルクロリド溶液の滴下を開始し継続する。その重合温度は、5℃
〜10℃の間で維持する。このコモノマー/t−ブチルクロリドの充填が完了し
た後、この重合混合物を、5℃〜10℃で、さらに1.5時間攪拌する。
【0105】 この重合混合物を、攪拌しつつ、室温まで暖める。水/MeOH溶液を滴下す
ることにより、この触媒を中和する。次いで、その生成物をNa2SO4で乾燥し
、濾過し、その溶媒を除去して、収率90%の液状1−オレフィン共重合体(こ
れは、100℃で、250cStの体積粘性率を有する)を得る。ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(ポリイソブチレン標準)により、Mn=4000
、Mw=5000が示される。20重量%のこの共重合体を鉱油で処理すると、
100℃で、13.1cStの動粘度が得られる。
【0106】 この共重合体の一部を、1.8%(この共重合体の重量基準)の無水マレイン
酸と混合し、この混合物を、3.5時間にわたって、190℃まで加熱して、酸
官能性重合体を形成する。
【0107】 (実施例(A1)−10) 5リットルの反応容器に、実施例(A1)−9と同じ装置を備え付ける。1−
オクテン500g(4.46モル)、1−ドデセン500g(2.98モル)お
よびtert−ブチルクロリド17.2g(0.186モル)の溶液を調製し、
この添加漏斗に充填する。この反応容器に、500mlの乾燥塩化メチレンおよ
び24.8g(0.186モル)の無水AlCl3を充填する。この重合の初め
から終わりまで、N2雰囲気を維持する。攪拌したAlCl3スラリーを15℃ま
で冷却し、それから、この反応器へと、そのコモノマー/t−ブチルクロリド溶
液の滴下を開始し2時間にわたって継続する。その重合温度は、15℃〜20℃
の間で維持する。このコモノマー/t−ブチルクロリドの充填が完了した後、こ
の重合体混合物を、15℃〜20℃で、さらに1.5時間攪拌する。
【0108】 この重合体混合物を、攪拌しつつ、室温まで暖める。化学量論的に過剰な量の
2O/MeOH溶液(この触媒の濃度に基づいて)を滴下することにより、こ
の触媒を不活性化する。次いで、中和した重合体溶液を乾燥してH2Oを除き、
濾過し、その溶媒を蒸発させて、収率90%の液状オレフィン共重合体(これは
、100℃で、197cStの体積粘性率を有する)を得る。ポリイソブチレン
標準を使用するGPC分析により、Mn=4000、Mw=16000が示され
る。20重量%のこの共重合体生成物を100N鉱油中で処理すると、12.0
cStの動粘度が得られる。
【0109】 この共重合体の一部を、2.5%(この共重合体の重量基準)の無水マレイン
酸と混合し、この混合物を、3時間にわたって、205℃まで加熱して、酸官能
性重合体を形成する。
【0110】 (実施例(A1)−11) 2リットルの反応容器に、実施例(A1)−9と同じ装置を備え付ける。1−
オクテン200g(1.786モル)、1−ドデセン200g(1.190モル
)、1−ヘキサデセン200g(0.893モル)およびtertブチルクロリ
ド9.0g(0.097モル)の溶液を調製し、この添加漏斗に充填する。この
反応容器に、300mlの乾燥塩化メチレンおよび12.9gの無水AlCl3
を充填する。この重合の初めから終わりまで、N2雰囲気を維持する。攪拌した
AlCl3スラリーを15℃まで冷却し、それから、冷却されたAlCl3触媒ス
ラリーへと、そのターモノマー/t−ブチルクロリド溶液の滴下を開始し、2時
間にわたって継続する。その重合温度は、15℃〜20℃の間で維持する。この
ターモノマー/t−ブチルクロリドの充填が完了した後、この重合混合物を、1
5℃〜20℃で、さらに1.5時間攪拌する。
【0111】 この重合体混合物を、攪拌しつつ、室温まで暖める。この反応器に化学量論的
にわずかに過剰な量のメタノールを滴下することにより、この触媒を不活性化す
る。中和した重合体溶液から溶媒を真空除去し、次いで、濾過して、収率86%
の液状1−オレフィンを得る。ポリイソブチレン標準を使用するパーミエーショ
ンクロマトグラフィー分析により、この三元共重合体系に対して、Mn=360
0、Mw=12000が示される。
【0112】 この共重合体の一部を、2.5%(この共重合体の重量基準)の無水マレイン
酸と混合し、この混合物を、3時間にわたって、205℃まで加熱して、酸官能
性重合体を形成する。
【0113】 (実施例(A1)−12) 攪拌機、N2入口および温度計を備え付けた反応器に、100N鉱油(Pet
ro−Canada)5950部を充填し、続いて、窒素下にて、160℃まで
加熱する。加熱したオイルに、1050部のエチレン−プロピレン−ジエン共重
合体(これは、約51モル%のエチレン基および2モル%のエチリデンノルボル
ナジエン基、7300個の分子量単位あたり約1個の炭素−炭素二重結合を有す
る)を添加する。この添加は、N2を吹き込みつつ、160℃で維持しつつ、3
時間にわたって達成される。次いで、これらの内容物を、N2を吹き込みつつ、
12時間維持して、重合体溶液を得る。第二反応器に、この重合体溶液2800
部を添加する。これらの内容物を110℃まで加熱し、そして11.2部のメチ
ルグリオキシレート(gloxylate)メチルヘミアセタール、1.96部
のメタンスルホン酸および2滴のシリコーン消泡剤を添加する。これらの内容物
を、0.75時間にわたって、145℃まで加熱し、そしてこの温度で6時間維
持する。これらの内容物を、145℃で、12〜15ミリメートル水銀で、スト
リッピングして、エステル官能性重合体(A1)を得る。 (A2)酸性混合エステル−酸インターポリマー カルボキシ含有インターポリマーの酸性混合エステル−酸(ここで、該インタ
ーポリマーは、約0.05〜約2の換算比粘度を有する)は、少なくとも2種の
モノマーから誘導される。一方のモノマーは、低分子量の脂肪族オレフィン、ス
チレンまたは置換スチレンであり、ここで、該置換基は、1個から18個までの
炭素原子を含有するヒドロカルビル基である。他方のモノマーは、α,β−不飽
和脂肪族族酸、その無水物またはエステルであり、該混合酸エステルは、滴定可
能な酸性度を含有し、以下の(a)のエステルのカルボキシ基に由来のペンダン
ト極性基が、その重合体構造内に存在することにより、特徴付けられる: (a)比較的高分子量のカルボン酸エステル基であって、エステル基内に、少
なくとも8個の脂肪族炭素原子を有する、カルボン酸エステル基。
【0114】 好ましい実施形態では、また、以下の(b)が存在している: (b)比較的低分子量のカルボン酸エステル基であって、エステル基内に、7
個以下の脂肪族炭素原子を有し、(a):(b)のモル比は、(1〜20):1
である。
【0115】 この酸性混合エステル−酸の好ましい要素は、このエステルに関して、このエ
ステルが混合エステル(すなわち、特に、上で述べた割合で、高分子量エステル
基および低分子量エステル基の両方が共に存在しているもの)である。他の必須
要素は、このエステル−酸が、滴定可能な酸性度を含むこと、すなわち、これら
の酸性基の全てがエステル化されている訳ではなく、一部の酸基が存在している
ことである。
【0116】 このエステル基の大きさに関して、エステル基は、次式: −C(O)(OR) により表わされること、およびエステル基中の炭素原子数は、カルボニル基の炭
素原子と、エステル基、すなわち(OR)基の炭素原子とを合わせた合計である
ことが指摘されている。
【0117】 便宜上、高分子量エステル基(a)と低分子量エステル基(b)との相対的な
割合は、(1〜20):1、好ましくは、(2〜10):1、最も好ましくは、
(2.5〜5);1のモル比によって表わされる。
【0118】 成分(A2)では、0.05〜約2の換算比粘度を有するインターポリマーが
考慮されるものの、好ましいインターポリマーは、約0.3〜約1の換算比粘度
を有するものである。大ていの場合、約0.5〜約1の換算比粘度を有するイン
ターポリマーは、特に好ましい。
【0119】 有用性の見地からだけでなく、商業上の理由および経済的な理由から、高分子
量エステル基が8個〜24個の脂肪族炭素原子を有し、低分子量エステル基が3
個〜5個の炭素原子を有する混合エステル酸が好ましい。高分子量カルボン酸エ
ステル基、すなわち、エステル基(すなわち、−(O)(OR))の(OR)基
の具体例には、ヘプトキシ、イソオクトキシ、デコキシ、ドデコキシ、トリデコ
キシ、ペンタデコキシ、オクタデコキシ、エイコソキシ、トリコソキシ、テトラ
コソキシ、ヘプタコソキシ、トリアコントキシ、ヘントリアコントキシ、テトラ
コントキシなどが包含される。低分子量基の具体例には、メトキシ、エトキシ、
n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチル
オキシ、イソブチルオキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘ
キシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、キシロペンチルオキシ、2−メチル−1
−ブチルオキシ、2,3−ジメチル−1−ブチルオキシなどが包含される。大て
いの場合には、適当なサイズのアルコキシ基は、好ましい高分子量エステル基お
よび低分子量エステル基を含有する。
【0120】 このカルボキシ含有インターポリマーには、主として、α,β−不飽和酸また
はその無水物(例えば、無水マレイン酸または無水イタコン酸)と、オレフィン
(芳香族または脂肪族)(例えば、エチレン、プロピレン、スチレンまたはイソ
ブテンとのインターポリマーが挙げられる。スチレン−無水マレイン酸インター
ポリマーは、特に有用である。これらは、等モル量のスチレンおよび無水マレイ
ン酸を、1種またはそれ以上の他のインターポリマー化可能なコモノマーと共に
または該コモノマーなしで、重合させることにより、得られる。スチレンの代わ
りに、脂肪族オレフィン(例えば、エチレン、プロピレンまたはイソブテン)を
用いてもよい。無水マレイン酸に代えて、アクリル酸またはメタクリル酸または
それらのエステルを用いてもよい。このようなインターポリマーは、当該技術分
野で周知であり、ここで詳細に記述する必要はない。インターポリマー化可能な
コモノマーが考慮される場合、それは、比較的少量割合で、すなわち、スチレン
または無水マレイン酸のいずれか1モルあたり、約0.3モルより少ない量、通
常、約0.15モルより少ない量で、存在するべきである。スチレンおよび無水
マレイン酸をインターポリマー化する種々の方法は、当該技術分野で周知であり
、ここで詳細に論じる必要はない。このインターポリマー化可能なコモノマーに
は、例示として、ビニルモノマー(例えば、アクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、塩化ビニル、イソブテンなど)が挙げられる。
【0121】 このカルボキシ含有インターポリマーのエステル−酸は、最も好都合には、ま
ず、このカルボキシ含有インターポリマーを、比較的高分子量のアルコールおよ
び比較的低分子量のアルコールでエステル化して、このインターポリマーの少な
くとも約50%であって約98%以下のカルボキシ基をエステル基に転化するこ
とにより、調製される。この方法では、1種より多い高分子量アルコールまたは
低分子量アルコールを用いてもよい。また、市販のアルコール混合物(例えば、
いわゆるオキソアルコール;これは、例えば、8個〜約24個の炭素原子を有す
るアルコール混合物から構成される)もまた、使用できる。特に有用なクラスの
アルコールには、市販のアルコールまたはアルコール混合物があり、これには、
オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルア
ルコール、ペンタデシルアルコール、エイコシルアルコールおよびオクタデシル
アルコールが包含される。この方法で有用な他のアルコールの例には、エステル
化の際に、上で例示のエステル基を生じるアルコールがある。
【0122】 エステル化の程度は、先に指摘のように、インターポリマーのカルボキシ基の
エステル基への転換比率が約50%〜約98%の範囲であり得る。好ましい実施
形態では、このエステル化の程度は、約70%〜約85%の範囲である。
【0123】 このエステル化は、エステル化を行なうのに典型的な条件下にて、このカルボ
キシ含有インターポリマーおよびアルコールを単に加熱することにより、達成で
きる。このような条件には、通常、例えば、少なくとも約80℃の温度、好まし
くは、約150℃〜約300℃の温度(但し、この温度は、この反応混合物の分
解点以下である)、および反応の進行につれたエステル化での水の除去が含まれ
る。このような条件には、必要に応じて、エステル化を促進するための過剰のア
ルコール反応物の使用、溶媒または希釈剤(例えば、鉱油、トルエン、ベンゼン
、キシレンなど)およびエステル化触媒(例えば、トルエンスルホン酸、硫酸、
塩酸、リン酸など)の使用が含まれる。これらの条件およびそれらの変更は、当
該技術分野で周知である。
【0124】 エステル化を行なう特に望ましい方法には、まず、このカルボキシ含有インタ
ーポリマーと比較的高分子量のアルコールとを反応させること、次いで、部分的
にエステル化したインターポリマーと比較的低分子量のアルコールとを反応させ
ることが包含される。この方法の別方法には、この比較的高分子量のアルコール
を用いてエステル化を開始することが包含され、このようなエステル化が完結す
る前に、混合エステル化を達成するために、この反応塊に、この比較的低分子量
のアルコールが導入される。いずれにしても、2段階エステル化方法によって、
このカルボキシ含有インターポリマーは、まず、そのカルボキシ基の約50%〜
約75%をエステル基に転化するために、この比較的高分子量のアルコールでエ
ステル化され、次いで、この比較的低分子量のアルコールでエステル化されて、
最終的に所望程度のエステル化が達成され、その結果、格別に有益な粘度特性を
有する生成物が得られることが発見された。
【0125】 以下の実施例は、本発明の(A2)の調製を説明する。他に指示がなければ、
全ての部およびパーセントは、重量基準である。
【0126】 (実施例(A2)−1) スチレン(16.3重量部)および無水マレイン酸(12.9部)のベンゼン
−トルエン溶液(270部;ベンゼン:トルエンの重量比は、66.5:33.
5である)を調製し、この溶液を、窒素雰囲気下にて86℃で8時間にわたり、
触媒溶液(これは、70%過酸化ベンゾイル(0.42部)を類似のベンゼン−
トルエン混合物(2.7部)に溶解させることにより、調製した)に接触させる
ことにより、スチレン−無水マレイン酸インターポリマーを得る。得られた生成
物は、溶媒混合物中のインターポリマーの濃厚スラリーである。この溶媒混合物
を、150℃で、次いで150℃/200mm.Hgで留去しつつ、このスラリ
ーに鉱油(141部)を加える。このストリッピングした鉱油−インターポリマ
ースラリー(このインターポリマーは、0.72の換算比粘度を有する)209
部に、トルエン(25.2部)、n−ブチルアルコール(4.8部)、12個〜
18個の炭素原子を有する第一級アルコールから本質的になる市販のアルコール
(56.6部)および8個〜10個の炭素原子を有する第一級アルコールからな
る市販のアルコール(10部)を加え、得られた混合物に、96%硫酸(2.3
部)を加える。この混合物を、次いで、150℃〜160℃で20時間加熱し、
その後、水を留去する。追加量の硫酸(0.18部)と共に追加量のn−ブチル
アルコール(3部)を加え、この重合体のカルボキシ基の95%がエステル化さ
れるまで、このエステル化を続ける。
【0127】 (実施例(A2)−2) 2段階でエステル化を行ない、第1段階は、8個〜18個の炭素原子を有する
市販のアルコールによるスチレン−マレイン酸インターポリマーのエステル化で
あり、第2段階は、n−ブチルアルコールによるこのインターポリマーの引き続
くエステル化であること以外は、実施例(A2)−1の方法に従う。
【0128】 (実施例(A2)−3) まず、スチレン−マレイン酸インターポリマーを、このインターポリマーのカ
ルボキシル基の70%がエステル基に転化されるまで、8個〜18個の炭素原子
を有する市販のアルコールでエステル化し、その後、このインターポリマーのカ
ルボキシル基の95%がエステル基に転化されるまで、まだ未反応の市販のアル
コールおよびn−ブチルアルコールを用いて、このエステル化を続けること以外
は、実施例(A2)−1の方法に従う。
【0129】 (実施例(A2)−4) スチレンおよび無水マレイン酸のインターポリマー(0.86カルボキシル当
量)(スチレンおよび無水マレイン酸の等モル混合物から調製し、0.69の換
算比粘度を有する)を、鉱油と混合してスラリーを形成し、次いで、カルボキシ
ル基の約70%がエステル基に転化するまで、触媒量の硫酸の存在下にて150
〜160℃で、市販のアルコール混合物(0.77モル;8個〜18個の炭素原
子を有する第一級アルコールから構成される)を用いてエステル化する。この部
分エステル化したインターポリマーを、次いで、インターポリマーのカルボキシ
ル基の95%が混合エステル基に転化するまで、n−ブチルアルコール(0.3
1モル)で、さらにエステル化する。
【0130】 (実施例(A2)−5) 0.13の換算比粘度を有するスチレン−無水マレイン酸インターポリマーを
調製する。このインターポリマーは、トルエン中にて、22.7%溶液として存
在している。1リットルフラスコに、このインターポリマー228部とトルエン
80部中のC12〜18アルコール54部とを充填する。これらの内容物を100℃
まで加熱し、そして10分間にわたって、C8〜10アルコール29部およびメタ
ンスルホン酸2.7部を添加する。これらの内容物を、120℃で、12時間還
流し、次いで、145℃で、揮発性物質を取り除いて、酸性混合エステル−酸イ
ンターポリマー(これは、90%エステル化されている)を得る。
【0131】 (A3)ラクトン 本発明で有用性を有するものとして、2種のラクトンを想定している。第一の
ラクトンは、ヒドロキシ芳香族化合物、カルボキシ置換カルボニル化合物または
それらの原料、およびカルボキシ置換カルボニル化合物以外のカルボニル化合物
またはそれらの原料の反応生成物である。第二のラクトンは、同じヒドロキシ芳
香族化合物および同じカルボキシ置換カルボニル化合物の反応生成物である。第
二のラクトンは、第二カルボニル化合物として、ホルムアルデヒドを使用しない
。これらの反応物の第一成分は、ヒドロキシ芳香族化合物であり、このヒドロキ
シ芳香族化合物の単位の少なくとも一部は、ヒドロカルビル置換されている。
【0132】 このヒドロキシ芳香族化合物の芳香族基は、単一の芳香核(例えば、ベンゼン
核、ピリジン核、チオフェン核、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン核な
ど)、または多核芳香族部分であり得る。このような多核部分は、縮合タイプで
あり得る;すなわち、ここで、この芳香族基を構成する一対の芳香核は、2点を
共有しており、これらは、ナフタレン、アントラセン、アザナフタレンなどに見
いだされる。多核芳香族部分はまた、少なくとも2個の核(単核または多核のい
ずれか)が互いに架橋結合を介して結合している結合タイプであり得る。このよ
うな架橋結合は、以下からなる群から選択できる:芳香核間の炭素−炭素単一結
合、エーテル結合、ケト結合、スルフィド結合、2個〜6個のイオウ原子を有す
るポリスルフィド結合、スルフィニル結合、スルホニル結合、メチレン結合、ア
ルキレン結合、ジ(低級アルキル)メチレン結合、低級アルキレンエーテル結合
、アルキレンケト結合、低級アルキレンイオウ結合、2個〜6個の炭素原子を有
する低級アルキレンポリスルフィド結合、アミノ結合、ポリアミノ結合、および
このような二価架橋結合の混合物。ある場合には、芳香核間の芳香族基にて、1
個より多い架橋結合が存在し得る。例えば、フルオレン核は、メチレン結合およ
び共有結合の両方に結合した2個のベンゼン核を有する。このような核は、3個
の核を有すると考えられるが、その2個だけが芳香族である。通常、この芳香族
基は、芳香核それ自体では、炭素原子だけを含有するが、他の非芳香族性置換基
(例えば、特に、短鎖アルキル置換基)もまた、存在し得る。それゆえ、メチル
基、エチル基、プロピル基およびt−ブチル基は、例えば、このような基が、た
とえここで述べた他の構造にて明白に表わされていなくても、この芳香族基上に
存在し得る。
【0133】 この第一反応物は、ヒドロキシ芳香族化合物であり、フェノールと呼ぶことが
できる。しかしながら、「フェノール」との用語を本明細書中で使用するとき、
この用語は、その文脈に依存して、フェノールの芳香族基をベンゼンに限定する
必要がないことが理解されるが、ベンゼンは、好ましい芳香族基であり得る。さ
らに、この用語は、その文脈に依存して、その広範な意味では、例えば、置換フ
ェノール類、ヒドロキシナフタレン類などを包含することが理解される。それゆ
え、「フェノール」との芳香族基は、単核または多核であって置換されていても
よく、他のタイプの芳香族基も同様に包含し得る。
【0134】 価格、有用性、性能などのような理由のために、この芳香族基は、通常、ベン
ゼン核、低級アルキレンで架橋したベンゼン核、またはナフタレン核である。最
も好ましくは、この芳香族基は、ベンゼン核である。
【0135】 この第一反応物は、ヒドロキシ芳香族化合物、すなわち、少なくとも1個の水
酸基が芳香環に直接結合した化合物である。芳香族基1個あたりの水酸基の数は
、1個から、このヒドロカルビル置換芳香族部分が、アルデヒドとの縮合(以下
で詳細に記述する)による後の反応に適当な、少なくとも1個の位置、好ましく
は、少なくとも2個の位置(その少なくとも一部は、好ましくは、水酸基に隣接
している(オルト位置である))を依然として保持しつつ、適合できるこのよう
な基の最大数までで、変わる。それゆえ、この反応物の分子のほとんどは、少な
くとも2個の置換されていない位置を有する。適当な物質には、ヒドロカルビル
置換カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、およびピロガロールおよびフ
ロログルシノールが挙げられる。最も一般的には、各芳香核は、しかしながら、
1個の水酸基を有し、好ましい場合には、ヒドロカルビル置換フェノールを使用
するとき、この物質は、1個のベンゼン核および1個の水酸基を含有する。もち
ろん、この芳香族反応物分子の小断片は、ヒドロキシル置換基を含有しない場合
がある。例えば、不純物として、少量の非ヒドロキシ物質が存在し得る。しかし
ながら、この出発物質が機能性であり、典型的には、1分子あたり、少なくとも
1個の水酸基を含有する限り、このことは、本発明の精神を無効にするものでは
ない。
【0136】 このヒドロキシ芳香族反応物は、同様に、その単位の少なくとも一部がヒドロ
カルビルで置換されているという点に特徴がある。典型的には、これらの分子の
ほとんどまたは全部は、その生成物分子に所望の炭化水素溶解性を与えるように
、ヒドロカルビルで置換されている。このヒドロキシ芳香族化合物が、架橋した
環状単位を含有するなら、このような単位の実質的に全ては、ヒドロキシル置換
およびヒドロカルビル置換されている;すなわち、架橋基によって他の環状単位
に連結された各環状単位は、少なくとも1個のヒドロキシル置換基および少なく
とも1個のヒドロカルビル置換基を有する。
【0137】 好ましくは、このヒドロカルビル基は、アルキル基である。典型的には、この
アルキル基は、8個〜400個の炭素原子、好ましくは、12個〜100個の炭
素原子を含有する。別の方法で表現すると、このアルキル基は、150〜200
0の数平均分子量、好ましくは、200〜1200の数平均分子量を有し得る。
【0138】 好ましい1実施形態では、少なくとも1個のヒドロカルビル基は、ポリブテン
から誘導される。他の好ましい実施形態では、このヒドロカルビル基は、ポリプ
ロピレンから誘導される。さらに好ましい実施形態では、このヒドロカルビル置
換基は、プロピレンテトラマーである。
【0139】 さらに他の実施形態では、このアルキルフェノール成分は、アルキルフェノー
ルの混合物であり、ここで、その一部の分子は、4個〜8個の炭素原子のアルキ
ル置換基(例えば、第三級アルキル(例えば、t−ブチル)基)を含有し、その
一部の分子は、8個〜400個の炭素原子のアルキル置換基を含有する。
【0140】 この芳香族基中の各芳香核に対し、1個より多いこのようなヒドロカルビル基
は存在し得るが、通常、2個または3個以上のこのようなヒドロカルビル基は、
存在しない。
【0141】 第一反応物(A3)の芳香族部分へのヒドロカルビル基の結合は、当業者に周
知の多くの方法により、行われる。特に適当な1方法には、フリーデル−クラフ
ツ反応があり、ここで、オレフィン(例えば、オレフィン結合を含有する重合体
)、またはそれらのハロゲン化したアナログまたはハロゲン化水素化したアナロ
グが、ルイス酸触媒の存在下にて、フェノールと反応される。このような反応を
行う方法および条件は、当業者に周知である。
【0142】 このヒドロカルビル置換ヒドロキシ芳香族化合物の例示的な具体例には、炭化
水素置換フェノール、ナフトール、2,2’−ジヒドロキシビフェノール、4,
4−ジヒドロキシビフェニル、3−ヒドロキシアントラセン、1,2,10−ア
ントラセントリオール、およびレゾルシノール;2−t−ブチルフェノール、4
−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、オクチルフェノ
ール、クレゾール、プロピレンテトラマー置換フェノール、プロピレンオリゴマ
ー(MW=300〜800)置換フェノール、ポリブテン(Mn=約1000)
置換フェノール、上で例示したフェノールに対応する置換ナフトール、メチレン
−ビス−フェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、お
よび炭化水素置換ビス−フェノール(ここで、この炭化水素置換基は、少なくと
も8個から400個までの炭素原子を有し、例えば、オクチル、ドデシル、オレ
イル、ポリブテニルなどである)、上記の化合物のいずれかのスルフィド結合ア
ナログおよびポリスルフィド結合アナログ、上記のヒドロキシ芳香族化合物のい
ずれかのアルコキシル化誘導体などが包含される。
【0143】 成分(A3)の第一ラクトンは、上記の置換ヒドロキシ芳香族化合物と、2種
類のカルボニル化合物のそれぞれとの反応生成物である。本明細書中で用いる「
カルボニル化合物」との表現は、アルデヒドおよびケトンを包含する。第一のカ
ルボニル化合物成分は、カルボキシ置換カルボニル化合物である。この物質は、
典型的な実施形態では、次式により表わされる:
【0144】
【化19】 ここで、各R29およびR28は、独立して、水素、または1個〜7個の炭素原子を
含有する脂肪族基であり、R27は、1個〜4個の炭素原子を含有するアルキレン
基であり、そしてqは、0または1である。この第一カルボニル成分は、エステ
ル官能性重合体(A1)を調製する際のエステルとして、上で開示されている。
29が水素であるとき、一方のR25は、メチルであり、そして他方のR25は、水
素であり、R28は、メチルであり、そしてqは、0であり、生じた構造は、グリ
オキシル酸メチルエステルメチルヘミアセタール(GMHA)である。
【0145】 R28がアルキル基のとき(すなわち、この化合物は、エステル−アルデヒドで
ある)、好ましくは、低級アルキル基、最も好ましくは、エチルまたはメチルで
ある。R29がHのとき(これは、好ましい)、上記物質のアルデヒド部分は、水
和されていてもよく、その水和物により、このカルボキシル置換アルデヒドの原
料が提供される。例えば、グリオキシル酸は、次式を有する水和物として、容易
に入手できる: (HO)2CH−COOH 水和水だけでなく、この縮合反応により生成するいずれの水も、好ましくは、こ
の反応の過程で除去される。
【0146】 製造の点から見ると、GMHAは、以下のようにしてグリオキシル酸を製造す
る商業的な方法において、グリオキシル酸の前駆体である:
【0147】
【化20】 このカルボキシル置換カルボニル化合物として適当な物質の例には、グリオキ
シル酸および他のω−オキソアルカン酸、ケトアルカン酸(例えば、ピルビン酸
、レブリン酸、ケト吉草酸およびケト酪酸)が包含される。他のカルボキシル置
換基には、エステル(例えば、アセト酢酸エチル)、アミド、ハロゲン化アシル
、および塩が挙げられる。
【0148】 本発明における第二のクラスのカルボニル化合物反応物には、このカルボキシ
ル置換カルボニル化合物以外のクラスのカルボニル化合物がある。適当な化合物
は、一般式、RC(O)R’を有し、ここで、RおよびR’は、上記のように、
それぞれ独立して、水素またはヒドロカルビル基であるが、Rは、この化合物と
このヒドロキシ芳香族化合物との縮合反応(下記)を妨害しない他の官能基(カ
ルボキシル基以外の)を含んでいてもよい。この化合物は、好ましくは、1個〜
12個の炭素原子を含有する。適当なアルデヒドには、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒ
ド、バレルアルデヒド、カプロアルデヒド、ベンズアルデヒド、およびより高級
なアルデヒドが挙げられる。他のアルデヒドには、ジアルデヒドが挙げられるが
、モノアルデヒドは、一般に、好ましい。最も好ましいアルデヒドは、ホルムア
ルデヒドであり、これは、溶液として供給され得るが、さらに一般的には、パラ
ホルムアルデヒドのような重合体形状で用いられる。パラホルムアルデヒドは、
アルデヒドの反応性等価物またはその原料と考えられ得る。他の反応性等価物に
は、アルデヒドの水和物または環状トリマーが挙げられる。適当なケトンには、
アセトン、ブタノン、および他のケトン(ここで、好ましくは、そのヒドロカル
ビルの1個は、メチルである)が挙げられる。各クラスのカルボニル化合物の1
個より多い種は、使用できる。例えば、ホルムアルデヒド、グリオキサールおよ
びグリオキシル酸を含む付加物が、包含される。
【0149】 成分(A3)の第一ラクトンは、一般に、重合体種またはオリゴマー種であり
、これは、上で命名した3種の成分を、縮合条件下にて反応させることにより、
調製される。このヒドロキシ芳香族成分およびアルデヒド成分(両者を合わせて
)は、一般に、およそ1:1の芳香族:アルデヒドの組成の縮合物を提供するモ
ル比で反応されるが、望ましいなら、この比から逸脱した値を使用してもよい。
典型的には、このヒドロキシ芳香族化合物:カルボキシル置換アルデヒド:他の
アルデヒドの比は、2:(0.1〜1.5):(1.9〜0.5)である。好ま
しくは、この比は、2:(0.8〜1.1):(1.2〜0.9)である。この
反応混合物に供給する物質の量は、通常、およそ、これらの比であるが、所望の
モノマー比の反応生成物を得るために、ある成分または他の成分の反応性が高い
かまたは低いことを補填するように、修正を行う必要がある場合がある。このよ
うな修正は、当業者に明らかである。
【0150】 これらの成分の縮合反応を行う条件は、周知の縮合条件である。例えば、適当
な反応器にて、必要に応じて、塩基性触媒、または好ましくは、酸性触媒および
不活性溶媒と共に、必要量の反応物を配合し、縮合水を除去しつつ、加熱しても
よい。この反応温度は、この出発物質の溶媒および反応性に依存して、室温から
250℃の温度までであり得、その温度が使用される。典型的には、蒸留による
水を容易に除去できるように、100〜200℃の温度が使用され、好ましくは
、120〜180℃である。この反応は、予想される量の縮合水が除去されるま
で、典型的には、30分間〜24時間、さらに一般的には、2〜8時間にわたっ
て、継続される。この反応生成物は、通常の方法により、単離できる。
【0151】 最初に形成された生成物は、このカルボキシル置換カルボニル化合物(ここで
、このカルボキシル基は、開環構造または非環式構造である)の縮合により誘導
したモノマーに隣接するヒドロキシ芳香族モノマーを含有すると推測されている
。特に、このカルボキシル基が酸の形状のとき、この初期物質は、一般に、必要
に応じて、さらに加熱して、閉じたラクトン構造、すなわち、環状構造に転化さ
れる。得られた生成物は、典型的には、以下の構造を含む分子を、少なくとも一
部含有する:
【0152】
【化21】 ここで、例示の目的上、このヒドロカルビル置換ヒドロキシ芳香族部分は、ヒド
ロカルビル置換フェノールから誘導され、このカルボキシル置換アルデヒド部分
は、グリオキシル酸から誘導され、そして他のアルデヒド部分は、ホルムアルデ
ヒドから誘導される。上記構造では、R19は、8個〜400個の炭素原子を含有
するヒドロカルビル基である。好ましい実施形態では、この組成物の分子の少な
くとも一部は、上で例示した構造の一方または両方を含有する。上記構造では、
その右側に示した−CH2−基は、通常、他のフェノール部分と連結され、それ
は、さらに同様に、架橋基で置換し得る。または、この基は、架橋官能性を有し
ない(それゆえ、この分子を停止させる)フェノール部分と連結し得る。上記構
造の左側に示した未連結の結合部位は、他の架橋基に連結し得る。他方、この部
位は、水素原子、ヒドロカルビル基または他の非架橋基に結合することにより、
この分子を停止させ得る。上記構造は、全ての架橋基が、必ず水酸基またはラク
トン基の酸素原子に対してオルトに位置することを示唆する意図はない。反応条
件に依存して、ある分子は、その鎖内に、ヒドロキシメチル末端基(ホルムアル
デヒドから誘導した)またはエーテル結合を含有することも、可能である。好ま
しい物質は、上で例示の構造と類似の構造を有する、実質的に交互のオリゴマー
である。「実質的に交互の」とは、このフェノール部分が、カルボニル誘導部分
(それが、カルボキシ置換タイプであろうと、非置換タイプであろうと)と交互
に位置することを意味する。異なるタイプのカルボニル誘導部分は、その相対的
な反応性および反応条件に依存して、規則的に交互であるか、またはランダム配
列であり得る(いずれの場合も、フェノール性モノマーにより、分離されている
)。
【0153】 生成するモノマーの鎖長は、使用するモノマーの相対割合のような反応条件に
依存する。適当な縮合生成物の最小鎖長には、2個のヒドロキシ芳香族単位が含
まれ、その最大鎖長は、うまく定義されず、オイル媒体での適当な溶解性を考慮
することにより、決定される。典型的には、この生成物の鎖は、3個〜20個の
ヒドロキシ芳香族単位、好ましくは、4個〜10個のこのような単位、さらに好
ましくは、5個〜8個のこのような単位を含有する。
【0154】 第二ラクトンは、第一ラクトンで上で既に開示したように、このヒドロキシ芳
香族化合物およびカルボキシ置換カルボニル化合物の反応生成物である。
【0155】 この第2タイプのカップリングしたラクトン構造は、通常、この芳香族化合物
2モルとグリオキシル酸反応物1モルとの縮合により、生成される。反応物の例
証的な例として、ヒドロカルビルフェノールおよびGMHAを使用して、この反
応は、以下の等式により表わすことができる:
【0156】
【化22】 ここで、R19は、上で定義したように、ヒドロカルビル基である。しかしながら
、特に、この芳香族化合物とグリオキシル酸反応物のモル比が2:1よりもグリ
オキシル酸に富んだ反応混合物(すなわち、この芳香族化合物とグリオキシル酸
反応物のモル比が2:1未満である反応混合物)を使用する方法では、1個より
多いラクトン構造を含む組成物(すなわち、オーバーカップリング(overc
oupled)組成物)が存在し得る。複数のラクトン官能性を含むオーバーカ
ップリング組成物の例証的な例は、次式により表わされ得る:
【0157】
【化23】 ここで、Rは、ヒドロカルビル基であり、そしてGMHAは、具体的には、グリ
オキシル酸反応物として使用される。
【0158】 以下の実施例は、成分(A3)の縮合生成物の調製を説明している。
【0159】 (実施例(A3)−1) 12Lのフラスコに、1400gのストック希釈油と共に、4400g(4.
0モル)のポリイソブテニル(Mn=950)置換フェノール(これは、60℃
まで加熱した)、592g(4.0モル)の50%グリオキシル酸水溶液、13
2.0g(4.0モル)のパラホルムアルデヒド、および9.0gのメタンスル
ホン酸(70%水溶液)を充填する。このフラスコに、表面下の窒素注入口、サ
ーモウェルおよび冷却器付きディーン−スタークトラップを備え付ける。その窒
素流量は、1時間あたり、0.2立方フィートである。それらの内容物を、攪拌
しつつ、0.5時間にわたって、120℃まで加熱し、次いで、2時間にわたっ
て、150℃まで加熱し、水を収集しつつ、150℃で4時間保持する。これら
の内容物を、次いで、150℃、50ミリメートル水銀で、2時間ストリッピン
グする。全体で445gの水を得る。追加量の1903gのオイルを添加し、そ
れらの内容物を140℃まで冷却し、次いで、濾過助剤で濾過する。分析値:け
ん化価27.2、GPCのMn=3864、Mw=11135。 (B)金属オーバーベース化組成物 本発明の範囲内で、金属オーバーベース化組成物が使用され、この金属オーバ
ーベース化組成物は、反応性塩基官能性を含む。「反応性塩基官能性」との用語
は、この官能性がオーバーベース化前に存在していた(そのオーバーベース化基
質に結合していた)こと、さらに反応性塩基官能性がオーバーベース化反応に関
係していなかったことを意味する。反応性塩基官能性を含むオーバーベース化組
成物の例には、12−ヒドロキシステアリン酸のオーバーベース化がある。
【0160】
【化24】 この12−ヒドロキシステアリン酸は、水酸化カルシウムおよび二酸化炭素を使
用して、オーバーベース化される。12−ヒドロキシステアリン酸のカルシウム
塩は、炭酸カルシウムと共に形成される。その水酸基は、依然として、このカル
シウム塩内に存在している。この水酸基は、反応性塩基官能性を有する。
【0161】 本発明の範囲内で反応性塩基官能性を有するものとして、3種の異なる金属オ
ーバーベース化組成物が想定される。それらには、以下がある: (B1)金属オーバーベース化アミンであって、ここで、該反応性塩基官能性
は、第一級または第二級アミノ基である; (B2)金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カルボン酸であって、ここで、
該反応性塩基官能性は、水酸基である;および (B3)金属オーバーベース化分散剤であって、ここで、該反応性塩基官能性
は、第一級または第二級アミノ基である。
【0162】 以下は、(B1)、(B2)および(B3)の各々の考察である。
【0163】 この金属オーバーベース化アミンである成分(B1)は、構造R12(B1
(MA)xにより表わされ、ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素
またはヒドロカルビル基、アミノ置換ヒドロカルビル基、ヒドロキシ置換ヒドロ
カルビル基、アルコキシ置換ヒドロカルビル基、またはアミノ基であり、ここで
、該ヒドロカルビル基は、4個〜50個の炭素原子を含有するが、但し、R1
よびR2は、両方共に水素にはならず、B1は、−NHを含有する前記反応性塩基
官能性であり、Mは、金属であり、Aは、カーボネート、スルファイト、スルフ
ェート、チオスルフェート、ホスファイトまたはホスフェートであり、そしてx
は、1.1〜40の整数である。
【0164】 金属オーバーベース化アミン(B1)(ここで、この反応性塩基官能性は、第
一級または第二級アミンである)は、アミンをオーバーベース化することにより
、調製される。アミンには、モノアミンおよびポリアミンが挙げられる。これら
のアミンは、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミンまたは複素環アミ
ンであり得、これには、脂肪族置換の環状脂肪族アミン、脂肪族置換の芳香族ア
ミン、脂肪族置換の複素環アミン、環状脂肪族置換の脂肪族アミン、環状脂肪族
置換の芳香族アミン、環状脂肪族置換の複素環アミン、芳香族置換の脂肪族アミ
ン、芳香族置換の環状脂肪族アミン、芳香族置換複素環置換の脂環式アミンおよ
び複素環置換の芳香族アミンが含まれ、これらのアミンは、飽和または不飽和で
あり得る。これらのアミンはまた、上記の分子に酸性度を与えない限り、非炭化
水素置換基または基を含有し得る。このような非炭化水素置換基または基には、
低級アルコキシ、低級アルキルメルカプト、または−O−や−S−のような中断
基(例えば、−CH2CH2−X−CH2CH2−のような基におけるような(ここ
で、Xは、−O−または−S−である))が挙げられる。例えば、有用なアミン
には、N−C16〜18アルキルプロピレンジアミンがあり、これは、Duomee
TM Oとして市販されている。一般に、このアミンは、式R121により特
徴付けられ得、ここで、B1は、−NHであり、R1およびR2は、それぞれ独立
して、水素または炭化水素基、アミノ置換炭化水素基、ヒドロキシ置換炭化水素
基、アルコキシ置換炭化水素またはアミノ基であり、但し、R1およびR2は、両
方共に水素にはならない。
【0165】 このアミンは、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1本の炭素鎖を
含有するべきである。好ましくは、この成分のヒドロカルビル基は、8個〜50
個の炭素原子、さらに好ましくは、12個〜26個の炭素原子を含有する。従っ
て、適当な基には、アルキル基(例えば、ブチル、ペンチル、ヘキシル)、好ま
しくは、高級アルキル基(例えば、オクチル(2−エチルヘキシルを含めて)、
ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル)、および類似の高級アルキル基(例え
ば、14個、16個、18個、20個、24個、26個またはそれ以上の炭素原
子)が挙げられる。直鎖および分枝基の両方が使用できる。このようなアミンの
殆どは、市販されている。例えば、N−アルキルトリメチレンジアミンは、Du
omeen TTMおよびDuomeen CTMの下で、Akzoから市販されて
いる。これらのアルキル基は、もし望ましいなら、他の官能基で置換できるが、
しかしながら、但し、このような官能基は、上述のように、この化合物に対して
、相当な量の酸性水素特性を与えない。
【0166】 モノアミンには、モノ脂肪族置換アミンおよびジ脂肪族置換アミンが挙げられ
、ここで、この脂肪族基は、飽和または不飽和、および直鎖または分枝鎖であり
得る。それゆえ、これらのモノアミンは、第一級または第二級の脂肪族アミンで
ある。このようなアミンには、例えば、モノ−およびジアルキル置換アミン、モ
ノ−およびジアルケニル置換アミン、および1個以上のN−アルケニル置換基と
1個以上のN−アルキル置換基とを有するアミンが包含される。このようなモノ
アミンの特定の例には、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、アリルアミ
ン、イソブチルアミン、ココアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミン、メチ
ルラウリルアミン、オレイルアミン、N−メチルオクチルアミン、ドデシルアミ
ン、およびオクタデシルアミンが包含される。環状脂肪族で置換された脂肪族ア
ミン、芳香族で置換された脂肪族アミン、および複素環で置換された脂肪族アミ
ンの例には、2−(シクロヘキシル)エチルアミン、ベンジルアミン、フェニル
エチルアミンおよび3−(フリルプロピル)アミンが包含される。
【0167】 環状脂肪族モノアミンは、この環状の環構造内の炭素原子を介して、アミノ窒
素に直接結合した1個の環状脂肪族置換基を有するモノアミンである。環状脂肪
族モノアミンの例には、シクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロ
ヘキセニルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン
などが包含される。脂肪族置換、芳香族置換および複素環置換の環状脂肪族モノ
アミンの例には、プロピル置換シクロヘキシルアミン、フェニル置換シクロペン
チルアミン、およびピラニル置換シクロヘキシルアミンが包含される。
【0168】 芳香族アミンには、その芳香環構造の炭素原子がアミノ窒素に直接結合したモ
ノアミンが挙げられる。この芳香環は、通常、一核性(mononuclear
)の芳香環(すなわち、ベンゼンから誘導した環)であるが、しかし、縮合芳香
環、特にナフタレンから誘導した環が含まれていてもよい。芳香族モノアミンの
例には、置換されたアニリン、ジ(p−メチルフェニル)アミンおよびナフチル
アミンが含まれる。脂肪族で置換した芳香族モノアミン、環状脂肪族で置換した
芳香族モノアミンおよび複素環で置換した芳香族モノアミンの例には、p−エト
キシアニリン、p−ドデシルアニリン、シクロヘキシル置換ナフチルアミンおよ
びチエニル置換アニリンがある。
【0169】 これらの適当な窒素化合物のうちには、これらのポリアミンがある。このポリ
アミンは、脂肪族、環状脂肪族、複素環または芳香族であり得る。これらのポリ
アミンの例には、アルキレンポリアミン、N−アルキル化アルキレンポリアミン
、ヒドロキシ含有ポリアミン、アリールポリアミンおよび複素環ポリアミンが挙
げられる。
【0170】 N−アルキル化アルキレンポリアミンは、次式により表わされる:
【0171】
【化25】 ここで、nは、1から、または2から10まで、または7まで、または5までの
平均値を有し、そして「Alkylene」基は、1個から、または2個から1
0個まで、または6個まで、または4個までの炭素原子を有する。各R3は、独
立して、水素、または30個までの炭素原子を有する脂肪族またはヒドロキシ置
換脂肪族基であるが、但し、少なくとも1個のR3は、30個までの炭素原子を
有する脂肪族基である。それに加えて、繰り返し単位
【0172】
【化26】 内では、nが2以上のとき、R3は、独立して、水素、または30個までの炭素
原子を有する脂肪族またはヒドロキシ置換脂肪族基である。
【0173】 このようなN−アルキル化アルキレンポリアミンは、エチレンポリアミン、ブ
チレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ペンチレンポリアミンなどのような
ポリアミンから調製できる。より高級な同族体および関連した複素環アミン(例
えば、ピペラジンおよびN−アミノアルキル置換ピペラジン)もまた、含まれる
。このようなポリアミンの特定の例には、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、トリス(2−アミノ
エチル)アミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、トリプロピレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ペンタエ
チレンヘキサミンなどがある。
【0174】 2種またはそれ以上の上述のアルキレンアミンの縮合により得られるより高級
な同族体は、2種またはそれ以上の上記ポリアミンの混合物と同様に、有用であ
る。
【0175】 エチレンポリアミン(例えば、上で述べたものの)は有用である。このような
ポリアミンは、「Ethylene Amines」の表題で、Kirk Ot
hmerの「Encyclopedia of Chemical Techn
ology(2版、7巻、22〜37ページ、Interscience Pu
blishers、New York(1965年))に詳細に記述されている
。このようなポリアミンは、最も好都合には、二塩化エチレンとアンモニアとの
反応により、またはエチレンイミンと開環試薬(例えば、水、アンモニアなど)
との反応により、調製される。このような反応の結果、環状縮合生成物(例えば
、上記ピペラジン)を含めたポリアルキレンポリアミンの錯体混合物が生成する
。エチレンポリアミン混合物は有用である。
【0176】 他の有用なタイプのポリアミン混合物には、上記ポリアミン混合物のストリッ
ピングにより、しばしば「ポリアミンボトムス」と呼ばれる残留物を残して得ら
れるものがある。一般に、アルキレンポリアミンボトムスは、約200℃以下で
沸騰する物質を、2重量%より少ない量、通常は1重量%より少ない量で含有す
るものとして、特徴づけられ得る。Dow Chemical Company
(Freeport、Texas)から得られるこのようなエチレンポリアミン
ボトムスの典型的な試料(これは、「E−100」と命名されている)は、15
.6℃で1.0168の比重、33.15重量%の窒素割合、および40℃で1
21センチストークスの粘度を有する。このような試料のガスクロマトグラフィ
ー分析では、これが、約0.93重量%の「ライトエンド」(おそらく、DET
Aである)、0.72重量%のTETA、21.74重量%のテトラエチレンペ
ンタミン、および76.61重量%のペンタエチレンヘキサミンおよびより高級
なポリエチレンアミン類を含有する。これらのアルキレンポリアミンボトムスに
は、環状の縮合生成物(例えば、ピペラジン)、およびジエチレントリアミンや
トリエチレンテトラミンなどのより高級な同族体が包含される。
【0177】 本発明に有用な基質は、アシル化剤(例えば、長鎖モノカルボン酸またはエス
テル(ここで、その鎖長は、典型的には、約12個の炭素原子から約30個の炭
素原子までである))でアシル化することにより、上記ポリアミンから製造され
得る。それに加えて、このアシル化剤は、ヒドロカルビルコハク酸または無水物
またはエステルアシル化剤であり得る。このヒドロカルビルコハク酸または無水
物のうちには、これらのヒドロカルビル基に対して、2つの鎖長が想定され、一
方は、12個〜50個の炭素原子を有する鎖長であり、そして他方は、70個〜
300個の炭素原子を有する鎖長である。
【0178】 特に好ましい実施形態では、この金属オーバーベース化アミンは、以下の構造
により、表わされる: R12(B1)(MA)x ここで、B1は、−NHであり、R2は、水素または(CH23NH2であり、R1 は、10個〜約50個の炭素原子、好ましくは、12個〜26個の炭素原子を含
有する脂肪族基である;またはR4NH(CH23であり、ここで、R4は、10
個〜約50個の炭素原子、好ましくは、12個〜26個の炭素原子を含有する脂
肪族基であり、Mは、金属であり、Aは、カーボネート、スルファイト、スルフ
ェート、チオスルフェート、ホスファイトまたはホスフェートであり、そしてx
は、1.1〜40の値を有する。この金属オーバーベース化アミンは、構造R1
21のアミンから調製され、ここで、R1、R2およびB1は、上で定義したと
おりである。
【0179】 オーバーベース化するために、この実施形態に特に好ましいアミンには、脂肪
族モノアミン、脂肪族ジアミンおよび脂肪族トリアミンが挙げられる。たとえ4
種の異なるアミンが生成できると思われても、これらのアミン置換基のパラメー
タに基づいて、3種の異なるアミンが生成できる。
【0180】 R2が水素であり、そしてR1が脂肪族基であるとき、そのアミン構造は、 C10〜50脂肪族−NH2 であり、これは、脂肪第一級アミンを規定する。脂肪アミンの非網羅的であるが
例証的なリストには、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリ
デシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン
、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミンなどがある。
【0181】 第二のアミンについては、R2が(CH23NH2であり、そしてR1が脂肪族
基であるとき、そのアミン構造は、 C10〜50脂肪族NH(CH23NH2 である。この構造は、N−脂肪族トリメチレンジアミンであり、そしてDuom
eenTM O、DuomeenTM TおよびDuomeenTM Cとして、AK
ZOから入手できる。
【0182】 R2が水素であり、そしてR1がR4NH(CH23であるとき、これは、先の
アミンとは異なる選択であるが、このアミンの構造は、 C10〜50脂肪族NH(CH23NH2 であり、これは、依然として、N−脂肪族トリメチレンジアミンである。異なる
値またはパラメータが同じアミンを生成する必要性は、本開示において、後に理
解できるようになる。
【0183】 第三のアミンについては、R2が(CH23NH2であり、そしてR1がR4NH
(CH23のとき、そのアミン構造は、 C10〜50脂肪族NH(CH23NH(CH23NH2 である。この構造は、N−脂肪族ジプロピレントリアミンであり、そしてTri
meenTM Tとして、AKZOから入手できる。
【0184】 この反応媒体(下記)を含有する最終金属オーバーベース化アミン成分(A)
中のアミンの量は、典型的には、10〜40重量%、好ましくは、15〜30重
量%、さらに好ましくは、20〜30重量%である。
【0185】 上記アミンは、本発明によって、オーバーベース化物質の基質であるか、また
はこの基質となる。従来のオーバーベース化物質は、潤滑分野で周知であり、一
般に、単一相の均一なニュートン系であり、これは、金属およびその金属と反応
する特定の酸性有機化合物の化学量論に従って存在するであろう量よりも過剰な
金属含量により、特徴付けられる。金属オーバーベース化アミン(A)は、上で
詳細に記述したように、その酸性有機化合物の代わりに、窒素原子を含有する非
酸性で非反応性の化合物を使用する点で、従来技術のものとは異なる。
【0186】 過剰な金属量は、通常、金属比で表わされる。「金属比」との用語は、この酸
性有機化合物の当量に対する金属の全当量の比である。中性の金属塩は、金属比
1を有する。正塩中に存在する金属の4.5倍の金属を有する塩は、3.5当量過
剰の金属、すなわち、4.5の金属比を有する。オーバーベース化アミンについ
ては、もちろん、この酸性物質は、使用されない。しかしながら、金属比は、同
様に、その金属の全当量と、この有機化合物中の窒素原子、酸素原子およびイオ
ウ原子のモル数との比であるように、定義できる。本発明のオーバーベース化(
B1)は、典型的には、アミン1モルあたり、1.1〜40当量の金属(金属比
)、好ましくは、アミン1モルあたり、5〜25当量の金属を含有する。R12 NH(MA)xの金属オーバーベース化アミンの式では、xは、その金属比を表
わす。
【0187】 オーバーベース化(B1)の塩基度は、一般に、全塩基価によって表わされる
。全塩基価とは、そのオーバーベース化物質の塩基度の全てを中和するのに必要
な酸(過塩素酸または塩酸)の量である。酸の量は、水酸化カリウムの当量とし
て表わされる。全塩基価は、指示薬としてブロモフェノールブルーを使用して、
1グラムのオーバーベース化物質を0.1N塩酸溶液で滴定することにより、測
定される。本発明のオーバーベース化(B1)は、一般に、少なくとも20、好
ましくは、100、さらに好ましくは、200の全塩基価を有する。オーバーベ
ース化(B1)は、一般に、600まで、好ましくは、500まで、さらに好ま
しくは、400までの全塩基価を有する。オーバーベース化(B1)の当量は、
以下の等式により、決定される:当量重量(equivalent weigh
t)=(56,100/全塩基価)。例えば、200の全塩基価を有するオーバ
ーベース化(B1)は、280.5の当量重量(当量重量=56100/200
)を有する。アミンの当量重量は、そのアミンの分子量をアミン中の窒素原子の
数で割ることにより、決定される。
【0188】 本発明のオーバーベース化物質は、酸性物質(典型的には、無機酸または低級
カルボン酸(例えば、酢酸、好ましくは、二酸化炭素))と、上で詳細に記述し
たアミン、反応媒体、化学量論的に過剰な金属塩基Mおよび促進剤を含有する混
合物とを反応させることにより、調製される。
【0189】 この塩基性金属塩を製造する際に有用な金属化合物Mは、一般に、いずれかの
第1a族または第1b族金属化合物(元素の周期表のCAS型)だけでなく、モ
リブデンおよびタングステンである。この金属化合物の第1a族金属には、アル
カリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)が挙げられる。この
金属塩基の第2a族金属には、アルカリ土類金属(例えば、バリウムおよび好ま
しくは、マグネシウムおよびカルシウム)が挙げられる。一般に、これらの金属
化合物は、金属塩として供給される。この塩のアニオン性部分は、ヒドロキシル
、オキシド、カーボネート、ボレート、ニトレート、他のこのようなアニオンま
たはそれらの混合物である。
【0190】 この塩基性金属塩(MA)の形成を達成するには、酸性物質が使用される。こ
の酸性物質は、この金属塩基と反応して、(MA)を形成する。この酸性物質は
、液体(例えば、酢酸、硝酸、ホスフェートまたは硫酸)であり得る。固相また
は気相中の無機酸性物質(例えば、HCl、SO2、SO3、CO2、H2Sまたは
25)もまた、使用できる。前述の物質の一部は、厳密に言えば、酸ではなく
、水のようなプロトン性物質の存在下で酸となる無水物である。好ましい酸性物
質には、二酸化炭素、二酸化イオウ、三酸化イオウ、五酸化リンまたはそれらの
混合物がある。最も好ましくは、この酸性物質は、二酸化炭素のような気体であ
る。この酸性物質は、AHとして想定でき、また、この金属塩基は、MOHとし
て想定できる。
【0191】 MOH+AH→MA+H2O 典型的には、この金属塩基1当量あたり、約1当量の酸性物質が使用される。
【0192】 x当量の金属塩基MOHおよびx当量の酸性物質AHからx当量の塩基性金属
塩(MA)xを形成する数個の代表的な例は、以下のとおりである。CO2および
SO2が酸性物質として作用する前に、CO2およびSO2は、その反応容器中に
存在している水と反応して、それぞれ、H2CO3およびH2SO3を形成すること
が分かる。また、酸化カルシウムは、この反応容器中に存在している水と反応し
て、水酸化カルシウムを形成することが分かる。
【0193】 1当量 1当量 1当量 MOH +AH →(MA) NaOH +1/2H2CO3 →1/2Na2CO3 LiOH +1/2H2SO3 →1/2Li2SO3 1/2Ca(OH)2 +1/2H2CO3 →CaCO3 1/2CaO +1/2H2CO3 →CaCO3 NaOH +1/3H3PO4 →1/3Na3PO4 1/2Ca(OH)2 +1/3H3PO4 →1/6Ca3(PO42 x当量のMOHとx当量のAHとの反応において、1当量のアミンR12NH
が存在しているとき、この反応は、 R12NH+xMOH+xAH→R12NH(MA)x である。酸性物質の混合物もまた、使用できる。これにより、R12NH(MA
x中において、カーボネート、スルファイト、スルフェート、チオスルフェー
ト、ホスファイトまたはホスフェートだけでなくそれらの混合物のAが生じる。
好ましくは、Aは、カーボネートである。
【0194】 促進剤は、この塩基性金属組成物への金属の配合を促進するために使用する化
学物質である。この促進剤は、全く多様であり、引用した特許により立証される
ように、当該技術分野で周知である。適当な促進剤の特に広範な論述は、米国特
許第2,777,874号、第2,695,910号、および第2,616,9
04号に見いだされる。これらには、アルコール性促進剤およびフェノール性促
進剤(これは、好ましい)が挙げられる。このアルコール性促進剤には、1個〜
約12個の炭素原子を有するアルカノール(例えば、メタノール、エタノール、
アミルアルコール、オクタノール、イソプロパノール、およびそれらの混合物な
ど)が挙げられる。フェノール性促進剤には、種々のヒドロキシ置換ベンゼンお
よびナフタレンが挙げられる。特に有用な種類のフェノールには、米国特許第2
,777,874号に挙げたタイプのアルキル化フェノール(例えば、ヘプチル
フェノール、オクチルフェノール、およびノニルフェノール)がある。種々の促
進剤の混合物は、時には、用いられる。
【0195】 上記オーバーベース化反応が行われる反応媒体は、このアミン用の少なくとも
1種の不活性有機溶媒(鉱油、ナフサ、トルエン、キシレンなど)を含有する。
好ましくは、この媒体は、鉱油のようなオイルである;あるいは、それは、揮発
性有機溶媒であり得る。揮発性有機溶媒の使用は、この溶媒を取り除いて代替溶
媒で置き換えるかまたは残留している固形物を単離する目的であるとき、望まれ
得る。この反応媒体の量は、このオーバーベース化物質を調製する工程中で他の
成分の作動可能溶液または分散体を提供するのに適当な量であるべきである。典
型的には、この反応媒体は、その全組成の15〜60重量%、好ましくは、25
〜50重量%、より好ましくは、30〜40重量%を占める。
【0196】 しかしながら、この反応媒体は、上記金属塩基の溶解性塩を形成しない物質で
あるべきである。オーバーベース化反応に関与できるように、この金属塩基に対
して溶解性の尺度を提供する機能は、この金属塩基と塩を形成できる触媒量の有
機物質を使用することにより、達成される。そのようにして形成される塩は、こ
の反応媒体に可溶であるべきである。この有機物質は、酸性物質(例えば、カル
ボン酸、スルホン酸、リン酸、好ましくは、アルキル置換コハク酸もしくは無水
物、またはアルキルフェノール)であり得る。この有機物質(例えば、この酸性
物質)の量は、「触媒量」として記述され、これは、この金属をアミンと会合し
て組成物に取り込ませるのに十分に比較的少ない量という意味である。この量は
、この酸性物質それ自体がオーバーベース化工程の主要または重要な基質として
働き始める程には多くない。これらの適当な量は、典型的には、その全組成の0
.01〜5重量%、好ましくは、0.5〜2重量%である。他の様式で表わすと
、この酸性有機物質の量は、典型的には、酸素、窒素またはイオウを含有するア
ミン(これは、オーバーベース化される)の0.05〜25重量%である。好ま
しくは、この酸性有機物質の量は、このアミンの15重量%まで、好ましくは、
9重量%まで、さらに好ましくは、6重量%まで、例えば、2〜6重量%である
【0197】 酸の塩基性塩を製造する方法を具体的に記述している特許には、米国特許第2
,501,731号;第2,616,905号;第2,616,911号;第2
,616,925号;第2,777,874号;第3,256,186号;第3
,384,585号;第3,365,396号;第3,320,162号;第3
,318,809号;第3,488,284号;および第3,629,109号
が挙げられる。この点に関する開示だけでなく、特定の適当な塩基性金属塩の開
示について、これらの特許に対する参照がなされる。これらの教示は、もちろん
、これらの参考文献で記述された酸に代えて、本発明のアミンを使用するのに適
当なように改良しなければならない。
【0198】 要約すると、本発明のアミンの塩基性塩は、このアミン、反応媒体、金属塩基
および塩形成有機物質の混合物を調製することにより、そして適当な量の低分子
量酸性物質(すなわち、好ましくは、6個以下の炭素原子を含有するもの)をそ
れに添加することにより、調製される。液状または固形酸性物質は、通常の手段
により、攪拌混合物に添加できる;気体状酸性物質は、その気体を攪拌反応混合
物に通す(この気体をバブリングする)ことにより、添加できる。この気体添加
温度は、重要ではない;100℃〜150℃の範囲の温度が極めて適当であるこ
とが分かっている。この反応は、単一の工程または漸進的に行うことができる。
【0199】 一旦、オーバーベース化アミンが得られると、それは、望ましいように、さら
に処理または反応できる。カーボネートオーバーベース化アミンR12(B1
(MA)x(ここで、Aは、カーボネート(すなわち、二酸化炭素との反応によ
り調製したもの)である)は、二酸化イオウ源と反応されて、スルファイトオー
バーベース化物質(ここで、Aは、スルファイトである)を提供できる。この反
応の過程で、この二酸化炭素の一部または全部は、二酸化イオウで置き換えられ
る。他の変形では、スルファイトオーバーベース化物質(これは、SO2を直接
付加するか、またはCO2をSO2で置き換えるか、いずれかにより、調製される
)は、イオウ源とさらに反応されて、チオスルフェートオーバーベース化物質(
ここで、Aは、チオスルフェートである)を提供できる。適当なイオウ源には、
元素イオウ、ハロゲン化イオウ、イオウまたは酸化イオウと硫化水素との組合せ
、硫化リン、および種々の硫化有機化合物が挙げられる。ハロゲン化イオウには
、一塩化イオウおよび二塩化イオウが挙げられる。硫化リンには、五硫化リン、
47、P43、およびP23が挙げられる。硫化有機化合物には、2,2’−
ジチオジイソブチルアルデヒド、ジベルジルスルフィド、ジキシリルスルフィド
、ジセチルスルフィド、ジパラフィンワックススルフィドおよびポリスルフィド
、および分解ワックス発煙スルフィド(cracked wax oleum
sulfides)、硫化油、および硫化脂肪酸が挙げられる。さらに他のイオ
ウ源、およびそれらの調製方法は、ヨーロッパ公報0586258を参照するこ
とにより、見出すことができる。従来の酸基質のカーボネートオーバーベース化
塩をスルファイトオーバーベース化物質に転化することは、米国特許第5,25
0,204号で、詳細に開示されている。従来の酸基質のスルファイトオーバー
ベース化塩をチオスルフェートオーバーベース化物質に転化することに関するさ
らに詳細な説明は、ヨーロッパ公報0586258を参照することにより、得る
ことができる。
【0200】 本明細書中で使用する「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」
との用語は、当業者に周知の通常の意味で用いられる。特定すると、この用語は
、分子の残部に直接結合した炭素原子を有する基であって主として炭化水素的な
性質を有する基を意味する。ヒドロカルビル基の例には、以下が包含される: (1)炭化水素置換基、すなわち、脂肪族置換基(例えば、アルキルまたはア
ルケニル)、脂環式置換基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、お
よび芳香族置換された芳香族置換基、脂肪族置換された芳香族置換基および脂環
式置換された芳香族置換基、ならびに、環が分子の他の部分により完成されてい
る環状置換基(例えば、2個の置換基が一緒になって、脂環式基を形成する); (2)置換された炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素基を含有する置換基
。この非炭化水素基は、本発明の文脈では、主として炭化水素である置換基を変
化させない(例えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アル
コキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、スルホキシ); (3)ヘテロ置換基、すなわち、本発明の文脈内では、主として炭化水素的性
質を有しながら、環または鎖の中に炭素以外の原子を有するが、その他は炭素原
子で構成されている置換基である。ヘテロ原子には、イオウ、酸素、窒素が挙げ
られ、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルのような置換基を包含す
る。一般に、このヒドロカルビル基中の10個の炭素原子ごとに、約2個以下の
非炭化水素置換基、好ましくは、1個以下の非炭化水素置換基が存在する。典型
的には、このヒドロカルビル基には、このような非炭化水素置換基は存在しない
【0201】 「ヒドロカルビル」との用語はまた、ヒドロカルビレン、すなわち、複数の末
端に非炭化水素官能基を有する基を含むと解釈される。
【0202】 先に述べたように、たとえ4種の異なるアミンが生成できると思われても、特
に好ましいアミンのアミン置換基のパラメータに基づいて、3種の異なる型のア
ミンが生成できる。さらに、異なる値を選択することにより、同じ2種のアミン
、すなわち、N−脂肪族トリメチレンジアミンが生成する。しかしながら、(M
A)x部分を要因の1つとして含めることにより、すなわち、ジアミン(その窒
素原子は、(MA)x部分と会合または整列している)について、5種の異なる
オーバーベース化アミンが生成できることは、容易に決定できる。
【0203】 例えば、構造R12(B1)(MA)xでは、R2が水素であり、そしてR1が脂
肪族基であるとき、このオーバーベース化アミン構造は、 C10〜50脂肪族−NH2(MA)x である。これは、オーバーベース化第一級脂肪アミンであり、ここで、そのオー
バーベース化部分(MA)xは、この第一級アミン(存在する唯一のアミン)と
整列している。
【0204】 R2が(CH23NH2でありR1が脂肪族基である構造R12(B1)(MA) x では、このオーバーベース化アミン構造は、
【0205】
【化27】 であり、ここで、オーバーベース化部分(MA)xは、この第二級アミンと整列
している。
【0206】 R2が水素でありR1がR4NH(CH23である(ここで、R4は脂肪族基であ
る)構造R12(B1)(MA)xでは、このオーバーベース化アミン構造は、
【0207】
【化28】 であり、ここで、オーバーベース化部分(MA)xは、この第一級アミンと整列
している。
【0208】 R2が(CH23NH2でありR1がR4NH(CH23NH2である(ここで、
4は脂肪族基である)構造R12(B1)(MA)xでは、このオーバーベース
化アミン構造は、
【0209】
【化29】 であり、ここで、オーバーベース化部分(MA)xは、この第二級アミンと整列
している。
【0210】 最後に、このアミン中に少なくとも2個の窒素原子が存在しているとき、この
金属は、キレート化と同様に、これらの窒素原子のいずれか2個と整列され得る
【0211】 (金属オーバーベース化アミン(B1)の調製) (実施例(B1)−1) 2Lフラスコに、タロジアミノプロパン(tallowdiaminopro
pane)175部、鉱油150部、ポリイソブチレン置換無水コハク酸30部
およびプロピレンテトラマー置換フェノール27部を充填する。この混合物を5
0〜60℃まで加熱し、そして攪拌しながら、水酸化リチウム一水和物42部を
添加する。この混合物に、28L/時間(1.0std.ft3/時間)で、2
時間にわたって、120〜130℃で(その発熱反応により、この温度は、17
0〜180℃に上昇する)、二酸化炭素を吹き込む。赤外分析により、Li2
3の形成が明らかとなる。水酸化リチウム一水和物42部の第二充填物を添加
し、その混合物を、上記のようにして炭酸化し、続いて、水酸化リチウム42部
の第三充填物を添加し、そして炭酸化する。得られた粘稠なオイルに、ヘキサン
希釈剤を添加し、この混合物を遠心分離し、そして濾過助剤で濾過し、次いで、
減圧ストリッピングして、淡褐色のオイル350部を得る。
【0212】 (実施例(B1)−2) 1Lフラスコに、タロジアミノプロパン175部、鉱油150部、メチレンカ
ップリングしたヘプチルフェノールのカルシウム塩20部、ポリイソブチレン置
換無水コハク酸20部、混合したイソブチルアルコールおよびアミルアルコール
(1:1)50部およびメタノール12部を充填する。この混合物に、攪拌しな
がら、塩化カルシウム2部および水8部を溶解させる;この混合物に、攪拌しな
がら、水酸化カルシウム37部を添加する。この混合物を50℃まで加熱し、そ
の反応混合物に、その温度を約50〜60℃で維持しつつ、28L/時間(1.
0std.ft3/時間)で、2時間にわたって、二酸化炭素を吹き込む。2時
間後、赤外分析により、炭酸カルシウムの形成が明らかとなる。追加の水酸化カ
ルシウム18部を添加し、炭酸化をさらに2.5時間継続する。次いで、この混
合物を、150℃で、窒素パージし、その溶媒を蒸留により除去し、続いて、0
.5時間にわたって、減圧ストリッピングする。この混合物を、濾過助剤を使用
して濾過すると、緑色のオイル生成物360部が得られる。
【0213】 (実施例(B1)−3) 2Lフラスコに、タロジアミノプロパン50部、メチレンカップリングしたヘ
プチルフェノールのカルシウム塩209部およびイソオクチルアルコール92部
を充填する。これらの内容物を攪拌し、45℃まで加熱し、そして0.25時間
保持する。メチルアルコール70部、塩化カルシウム1部および酸化カルシウム
46部を添加する。これらの内容物に、その表面下で、1時間あたり0.5立方
フィートで、1時間にわたって吹き込む。次いで、これらの内容物を、その表面
下で窒素を吹き込みつつ、120℃までストリッピングし、次いで、20ミリメ
ートル水銀まで減圧ストリッピングする。これらの内容物を、濾過助剤を使用し
て濾過する。硫酸カルシウム灰分の分析%は、23.5であり、ブロモフェノー
ルブルーに対する全塩基価は、238である。式R12NH(MA)xでは、M
は、カルシウムであり、Aは、カーボネートであり、そしてxは、3である。
【0214】 (実施例(B1)−4) 12Lフラスコに、N−オレイル−1,3−ジアミノプロパン700部(2.
0モル)、ポリイソブチレン置換無水コハク酸150部(0.22モル)、プロ
ピレンテトラマー置換フェノール150部(0.54モル)および鉱油800部
を充填する。この混合物を50℃まで加熱し、そして水酸化ナトリウム280部
を添加する。この温度を135〜140℃まで上げ、この混合物に、1時間あた
り1.75立方フィートで、5〜6時間にわたって、二酸化炭素を吹き込む。デ
ィーン−スタークトラップで水を集めると、26部が得られる。これらの内容物
を100℃まで冷却し、水酸化ナトリウムの第二増分(320部)を添加し、そ
れらの内容物を、上記のようにして、炭酸化する。第三増分(320部)および
第四増分(280部)を添加し、これらの増分の両方を、上記のようにして、炭
酸化する。このディーン−スタークトラップにて、全体で215部が得られる。
これらの内容物を、水がさらに得られなくなるまで、150℃および20ミリメ
ートル水銀まで、0.5時間ストリッピングする。これらの内容物を、120〜
130℃で、濾過助剤で濾過すると、淡褐色の生成物2675部が得られる。分
析値:ナトリウム%は、22である;灰分%は、49である;窒素%は、1.5
8である。式R12NH(MA)xでは、Mは、ナトリウムであり、Aは、カー
ボネートであり、そしてxは、15である。
【0215】 (実施例(B1)−5) 転化率が低いことを除いて、実施例(B1)−4を基本的に繰り返す。式R1
2NH(MA)xでは、Mは、ナトリウムであり、Aは、カーボネートであり、
そしてxは、5である。
【0216】 (実施例(B1)−6) 2リットルフラスコに、実施例(B1)−4の生成物1029部(7.0当量
)を充填する。これらの内容物を140℃まで加熱し、そのIRでの880cm -1 における炭酸ナトリウムのバンドの消失が観察されるまで、その表面下で、1
時間あたり0.5立方フィートで、5時間にわたって、SO2を吹き込む。次い
で、その表面下で、1時間にわたって、窒素を吹き込む。これらの内容物を濾過
して、生成物を得、これは、9.6のナトリウム%および8.0のイオウ%を有
する。式R12NH(MA)xでは、Mは、ナトリウムであり、Aは、スルファ
イトであり、そしてxは、5.0である。
【0217】 (実施例(B1)−7) 1リットルフラスコに、実施例(B1)−6の生成物400部(1.0当量)
を充填する。20分間にわたって、イオウ26部(0.8当量)を添加する。濃
厚なチオスルフェートオイルが形成される。トルエン200mlを添加し、これ
らの内容物を還流状態まで加熱して、1時間保持する。これらの内容物を濾過し
て、生成物を得、これは、8.9のナトリウム%および12.9のイオウ%を有
する。式R12NH(MA)xでは、Mは、ナトリウムであり、Aは、チオスル
フェートであり、そしてxは、5.0である。
【0218】 (実施例(B1)−8) 2リットルフラスコに、実施例(B1)−4の生成物1700部(15.7当
量)および希釈油340部を充填する。これらの内容物を100℃まで加熱し、
そのIRでの880cm-1における炭酸ナトリウムの消失が観察されるまで、そ
の表面下で、1時間あたり1.5立方フィートで、100〜120℃で、10時
間にわたって、SO2を吹き込む。次いで、これらの内容物を、その表面下で、
1時間あたり1立方フィートで、1時間にわたって、窒素パージする。これらの
内容物を濾過して、生成物を得、これは、14.3のナトリウム%および11.
8のイオウ%および15のxを有する。
【0219】 上で引用した各文献は、本明細書中で参考として援用されている。実施例を除
いて、他に明らかに指示がなければ、物質の量、反応条件、分子量、炭素原子数
などを特定している本記述の全ての数値量は、「約」という用語により修飾され
ることが理解される。他に指示がなければ、ここで示す各化学物質または組成物
は、その異性体、副生成物、誘導体、および市販等級に存在すると通常考えられ
ているような他の物質を含有し得る、市販等級の物質であると解釈されるべきで
ある。しかしながら、各化学成分の量は、他に指示がなければ、市販の物質に通
例存在し得る溶媒または希釈油を除いて、提示されている。本明細書中で使用す
る「〜から本質的になる」との表現は、問題の組成物の基本的で新規な特性に著
しく影響を与えない物質が含まれることを許容する。
【0220】 この金属オーバーベース化カルボン酸である成分(B2)は、構造R17(B2
)COOM(MA)yで表わされ、ここで、R17は、10個〜50個の炭素原子
を含有する脂肪族基であり、B2は、−OHを含む反応性塩基性官能基であり、
Mは、金属であり、Aは、カーボネート、スルファイト、スルフェート、チオス
ルフェート、ホスファイトまたはホスフェートであり、そしてyは、1.1〜1
0の整数である。この金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カルボン酸(B2)
は、ヒドロキシ置換基を含有するカルボン酸をオーバーベース化することにより
、調製される。
【0221】 このカルボン酸では、R17は、脂肪族基であり、そしてR17(B2)は、ヒド
ロキシ置換脂肪族基であり、これは、23個までの炭素原子、好ましくは、21
個までの炭素原子、最も好ましくは、11〜17個の炭素原子を含有する。この
脂肪族基は、アルキルまたはアルケニルであり得る。このカルボン酸は、モノヒ
ドロキシ置換モノカルボン酸である。好ましいモノヒドロキシ置換モノカルボン
酸には、10−ヒドロキシドデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒド
ロキシテトラデカン酸、16−ヒドロキシパルミチン酸、6−ヒドロキシステア
リン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、14−ヒドロキシステアリン酸、16
−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸および14−ヒドロキシ−11−エイ
コサン酸がある。最も好ましいモノヒドロキシ置換モノカルボン酸は、12−ヒ
ドロキシステアリン酸である。
【0222】 その炭酸化温度を別にすれば、第一または第二カルボン酸のいずれかのオーバ
ーベース化手順は、上記アミンのオーバーベース化と類似している。オーバーベ
ース化アミンについて、その炭酸化温度は、100〜150℃の範囲である。カ
ルボン酸オーバーベース化について、その炭酸化温度は、40〜150℃の範囲
である。このカルボン酸オーバーベース化には、また、過剰な金属、酸性物質、
促進剤および反応媒体が関与している。このカルボン酸について、使用する金属
は、ナトリウムまたはカルシウムであり、そしてオーバーベース化に好ましい金
属は、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムのいずれかの形態でのカルシウム
である。
【0223】 (金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カルボン酸(B2)の調製) (実施例(B2)−1) 5リットルフラスコに、12−ヒドロキシステアリン酸300部(1当量)お
よびキシレン1500部を添加する。これらの内容物を50℃まで加熱し、攪拌
し、そして水10部に溶解した塩化カルシウム2部と水酸化カルシウム44部(
1.2当量)とを添加する。その温度を95〜100℃まで上げ、そして2.5
時間保持する。この温度を65℃まで下げ、そしてメチルアルコール120部を
添加し、続いて、酸化カルシウム50部(1.8当量)を添加する。これらの内
容物を、フェノールフタレインに対する直接塩基価が10になるまで、その表面
下で、1時間あたり0.55立方フィートで、二酸化炭素ガスで炭酸化する。こ
の手順を、酸化カルシウム50部の第二増分を使って繰り返し、続いて、直接塩
基価10まで炭酸化する。酸化カルシウム56部の第三増分を添加し、今ここで
、これらの内容物を、直接塩基価0まで炭酸化する。これらの内容物を、減圧下
にて、120℃までストリッピングし、次いで、濾過助剤を使用して濾過する。
CaSO4灰分の%は、29.3であり、その全塩基価は、243である。
【0224】 この金属オーバーベース化分散剤である成分(B3)は、構造R18(B3)(
MA)zにより表わされ、ここで、R18は、以下の構造のヒドロカルビル基であ
る:
【0225】
【化30】 ここで、R6は、40個〜約500個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基で
あり、B3は、以下を含有する反応性塩基性官能基である:
【0226】
【化31】 ここで、xは、1〜8の整数であり、そしてR10は、水素、または1個〜2個の
炭素原子を含有するアルキル基であり、Mは、金属であり、Aは、カーボネート
、スルファイト、スルフェート、チオスルフェート、ホスファイトまたはホスフ
ェートであり、そしてzは、1.1〜30の整数である。この分散剤は、カルボ
ン酸アシル化剤と窒素含有化合物とを反応させることにより調製したスクシンイ
ミド分散剤である。
【0227】 スクシンイミド分散剤用の出発物質は、ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化
剤である。本発明では、2種の異なるスクシンイミド分散剤が想定される。これ
らのスクシンイミド分散剤は、ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤とアミン
との反応生成物である。形成されるスクシンイミド分散剤は、使用するヒドロカ
ルビル置換コハク酸アシル化の種類に依存する。2種類のヒドロカルビル置換コ
ハク酸アシル化剤は、I型およびII型として想定される。I型コハク酸アシル
化剤は、次式を有する:
【0228】
【化32】 上式では、R6は、40個〜500個の炭素原子、好ましくは、50個〜300
個の炭素原子を有するヒドロカルビルベースの置換基である。I型ヒドロカルビ
ル置換コハク酸アシル化剤は、1モルのオレフィン重合体またはそれらの塩素化
類似物と1モルの不飽和カルボン酸またはそれらの誘導体(例えば、フマル酸、
マレイン酸または無水マレイン酸)とを反応させることにより、調製される。
【0229】 II型ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤(以下、II型コハク酸アシル
化剤)は、1モルより多い不飽和カルボン酸またはその誘導体が1モルのオレフ
ィン重合体またはそれらの塩素化類似物と反応されるように、多価コハク酸エス
テル化ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤として特徴づけられる。
【0230】 これらのオレフィン性重合体が誘導されるオレフィン性モノマー(これは、最
終的には、R6となる)は、40個〜500個の炭素原子、好ましくは、50個
〜約300個の炭素原子を有する。
【0231】 上で述べたように、I型アシル化剤中に存在する炭化水素ベースの置換基R6
は、オレフィン重合体またはそれらの塩素化類似物から誘導される。このオレフ
ィン重合体が誘導されるオレフィンモノマーは、重合可能なオレフィンであり、
1個またはそれ以上のエチレン性不飽和基を有することにより特徴づけられるモ
ノマーである。これらは、モノオレフィン性モノマー(例えば、エチレン、プロ
ピレン、ブテン−1、イソブテンおよびオクテン−1)またはポリオレフィン性
モノマー(通常、ジオレフィン性モノマー(例えば、ブタジエン−1,3および
イソプレン))であり得る。通常、これらのモノマーは、末端オレフィン(すな
わち、以下の基: >C=CH2 が存在することにより特徴づけられるオレフィン)である。
【0232】 しかしながら、ある種の内部オレフィン(これらは、時には、中間オレフィン
(medial olefins)と呼ばれている)もまた、モノマーとして有
用であり得る。このようなオレフィンモノマーが用いられるとき、それらは、通
常、末端オレフィンと組み合わせて使用され、インターポリマーであるオレフィ
ン重合体を生成する。このヒドロカルビルベースの置換基はまた、芳香族基(特
に、フェニル基および低級アルキル置換および/または低級アルコキシ置換フェ
ニル基(例えば、パラ(第三級ブチル)フェニル基))および脂環式基(例えば
、重合可能な環状オレフィンまたは脂環式置換した重合可能な環状オレフィンか
ら得られるもの)を含有し得るものの、これらの炭化水素置換基は、通常、この
ような基を含有しない。それにもかかわらず、1,3−ジエンとスチレンとの両
方(例えば、ブタジエン−1,3およびスチレンまたはパラ(第三級ブチル)ス
チレン)のようなインターポリマーから誘導したオレフィン重合体は、この一般
規則の例外である。
【0233】 一般に、これらのオレフィン重合体は、約2個〜約16個の炭素原子を有する
末端ヒドロカルビルオレフィンのホモポリマーまたはインターポリマーである。
さらに典型的なクラスのオレフィン重合体は、2個〜6個の炭素原子、特に、2
個〜4個の炭素原子を有する末端オレフィンのホモポリマーおよびインターポリ
マーからなる群から選択される。
【0234】 本発明において使用されるアシル化剤の炭化水素ベース置換基が誘導されるオ
レフィン重合体を調製するために使用され得る末端オレフィンモノマーおよび中
間オレフィンモノマーの特定の例には、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ブ
テン−2、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、ノネン−1、デセン−1、ペンテン−2、プロピレンテトラマー、ジイソ
ブチレン、イソブチレントリマー、ブタジエン−1,2、ブタジエン−1,3、
ペンタジエン−1,2、ペンタジエン−1,3、イソプレン、ヘキサジエン−1
,5、2−クロロブタジエン−1,3、2−メチルヘプテン−1、3−シクロヘ
キシルブテン−1、3,3−ジメチルペンテン−1、スチレン、ジビニルベンゼ
ン、酢酸ビニル、アリルアルコール、1−メチル酢酸ビニル、アクリロニトリル
、アクリル酸エチル、エチルビニルエーテル、およびメチルビニルケトンが包含
される。これらのうち、純粋なヒドロカルビルモノマーは、さらに典型的であり
、末端オレフィンモノマーは、特に典型的である。
【0235】 しばしば、これらのオレフィン重合体は、ポリ(イソブテン)類である。これ
らのポリイソブテンポリマーは、ルイス酸触媒(例えば、塩化アルミニウムまた
は三フッ化ホウ素)の存在下にて、C4精製流(これは、約35重量%〜約75
重量%のブテン含量、および約30重量%〜約60重量%のイソブテン含量を有
する)の重合により得られ得る。これらポリ(イソブテン)類は、主として(す
なわち、全繰り返し単位の80%より多い量で)、次式の配置のイソブテン繰り
返し単位を含有する:
【0236】
【化33】 このヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤は、R7により表わされ、約40
個から、しばしば、約50個から、約500個まで、時には、約300個までの
炭素原子を有するヒドロカルビル基、アルキル基またはアルケニル基を含む。米
国特許第4,234,435号の内容は、多価コハク酸エステル化ヒドロカルビ
ル置換コハク酸アシル化剤およびそれから調製した分散剤の調製の手順の開示に
ついて、本明細書中で参考として援用されている。
【0237】 このII型コハク酸アシル化剤は、上で引用した特許に示すように、無水マレ
イン酸、マレイン酸またはフマル酸と上記オレフィン重合体との反応により製造
できる。一般に、この反応には、単に、これらの2種の反応物を、約150℃〜
約200℃の温度で加熱することが関与している。これらの重合体オレフィンの
混合物、ならびにこれらの不飽和モノ−およびポリカルボン酸の混合物もまた、
使用できる。
【0238】 他の実施形態では、II型コハク酸アシル化剤は、置換基およびコハク酸基か
らなり、ここで、この置換基は、少なくとも約1200のMn値および少なくと
も約1.5のMw/Mn比により特徴づけられるポリアルケンから誘導され、こ
こで、該アシル化剤は、その構造内に、各当量重量の置換基に対して、平均して
、少なくとも約1.3個のコハク酸基が存在することにより、特徴づけられる。
【0239】 このII型置換コハク酸アシル化剤は、その構造内に、2個の基または部分が
存在することにより、特徴づけることができる。第一の基または部分は、以下、
便宜上、「置換基」R8と呼び、ポリアルケンから誘導される。この置換基が誘
導されるポリアルケンは、少なくとも1200、さらに一般的には、約1500
〜約5000のMn(数平均分子量)値、および少なくとも約1.5、さらに一
般的には、約1.5〜約6のMw/Mn値により、特徴づけられる。略語Mwは
、重量平均分子量を表わす。このポリブテンの数平均分子量および重量平均分子
量は、蒸気相浸透法(VPO)、膜浸透法およびゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)の周知方法により、測定できる。これらの方法は、当業者
に周知であり、本明細書中で記述する必要はない。
【0240】 第二の基または部分は、本明細書中では、「コハク酸基」と呼ばれる。このコ
ハク酸基は、以下の構造により特徴づけられる基である:
【0241】
【化34】 ここで、XおよびX’は、同一または異なるが、但し、XおよびX’の少なくと
も1個は、II型置換コハク酸アシル化剤が、カルボン酸アシル化剤として機能
できるような基である。すなわち、XおよびX’の少なくとも1個は、この置換
アシル化剤が、アミドまたはアミン塩を形成できるか、そうでなければ、通常の
カルボン酸アシル化剤として機能できるような基でなければならない。エステル
交換反応およびアミド交換反応は、本発明の目的上、通常のアシル化反応と考え
られる。
【0242】 それゆえ、Xおよび/またはX’は、通常、−OH、−O−ヒドロカルビル、
−O−M+であり、ここで、M+は、1当量の金属、アンモニウムカチオンまたは
アミンカチオン、−NH2、−Cl、−Brを表わし、またXおよびX’は、一
緒になって、無水物を形成するような−O−であり得る。上の基のいずれでもな
いX基またはX’基を特に同定することは、その存在によって残りの基がアシル
化反応に関与するのが妨げられない限り、重要ではない。しかしながら、好まし
くは、XおよびX’は、それぞれ、このコハク酸基の両方のカルボキシル官能性
(すなわち、−C(O)Xおよび−C(O)X’の両方)がアシル化反応に関与
できるような基である。
【0243】 式VIIIの基における以下の不完全な原子価の1個は、この置換基中の炭素
原子と共に炭素−炭素結合を形成する:
【0244】
【化35】 他のこのような不完全な原子価は、同一または異なる置換基との類似の結合によ
って満たされ得るものの、このような原子価のこの1個を除いて全ては、通常、
水素(すなわち、−H)により、満たされる。
【0245】 II型コハク酸アシル化剤は、置換基R7の各当量重量に対して、その構造内
に、1.3個のコハク酸基(すなわち、式VIIIに対応する基)が存在するこ
とにより、特徴づけられる。本発明の目的上、置換基R7の当量重量数は、この
置換コハク酸アシル化剤中に存在する置換基の全重量を、置換基が誘導されるポ
リアルケンのMn値で割ることにより得られる商に相当する数値であると考えら
れる。それゆえ、II型コハク酸アシル化剤が、置換基の全重量40,000、
およびその置換基が誘導されるポリアルケンのMn値2000により特徴づけら
れるなら、II型置換コハク酸アシル化剤は、置換基の全当量重量20(40,
000/2000=20)により特徴づけられる。従って、特定のII型コハク
酸アシル化剤はまた、本発明の新規コハク酸アシル化剤の必要条件の1つを満た
すために、その構造内に少なくとも26個のコハク酸基が存在することにより、
特徴づけられなければならない。
【0246】 II型コハク酸アシル化剤の他の必要条件は、置換基R7が、少なくとも約1.
5のMw/Mn値により特徴づけられるポリアルケンから誘導されねばならない
ことである。
【0247】 上で述べたMn値およびMw値を有するポリアルケンは、当該技術分野で公知
であり、従来の方法に従って調製できる。例えば、これらポリアルケン(特に、
ポリブテン)のいくつかは、市販されている。
【0248】 好ましい1実施形態では、このコハク酸基は、通常、次式に相当する:
【0249】
【化36】 ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、−OH、−Cl、−O−低級アル
キルからなる群から選択され、そしてこれらが一緒になったとき、RおよびR’
は−O−である。後者の場合には、このコハク酸基は、無水コハク酸基である。
特定のII型コハク酸アシル化剤中の全てのコハク酸基は、同一である必要はな
いが、それらは、同一であり得る。好ましくは、このコハク酸基は、次式に相当
し、また(X(A))化合物と(X(B))化合物との混合物に相当する:
【0250】
【化37】 コハク酸基が同一または異なるII型置換コハク酸アシル化剤を得ることは、通
常の当該技術の範囲内であり、従来の方法により行なうことができる。この従来
方法には、例えば、置換コハク酸アシル化剤自体を処理すること(例えば、この
無水物を、遊離の酸に加水分解すること、またはこの遊離の酸を、塩化チオニル
で酸塩化物に転化すること)、および/または適当なマレイン酸反応物またはフ
マル酸反応物を選択することがある。
【0251】 先に述べたように、置換基の各当量に対するコハク酸基の最小数は、1.3で
ある。その最大数は、一般に、6を越えない。好ましくは、この最小数は、置換
基の各当量に対して、約1.4個のコハク酸基、通常、1.4個〜約6個のコハク
酸基である。この最小数に基づく範囲は、置換基1当量あたり、少なくとも1.
5個から約3.5個のコハク酸基であり、さらに特定すると、約1.5個〜約2.
5個のコハク酸基である。
【0252】 前述のことから、II型コハク酸アシル化剤は、記号R7(R9yにより表わ
すことができ、ここで、R7は、1当量の置換基を表わし、R9は、上記式(VI
II)、式(IX)または式(X)に相当する1個のコハク酸基を表わし、そし
てyは、1.3に等しいかまたはそれより大きい数である。本発明のより好まし
い実施形態は、例えば、本明細書中の他のいずれかで述べるように、R7および
9を、それぞれ、さらに好ましい置換基またはコハク酸基を表わすようにさせ
、そしてyの値を上で述べたようにすることにより、同様に表わすことができる
【0253】 その好ましい点が置換基の各当量に対するコハク酸基の数および種類に由来す
るような好ましい置換コハク酸基に加えて、さらに別の好ましい点は、この置換
基が誘導されるポリアルケンの種類や特性に基づいている。
【0254】 例えば、Mnの値に関して、約800の最小値および約5000の最大値は好
ましく、約1300または1500〜約5000の範囲のMn値もまた好ましい
。さらに好ましいMn値は、約1500〜約2800の範囲にある。最も好まし
い範囲のMn値は、約1500〜約2400である。ポリブテンでは、Mnに対
する特に好ましい最小値は、約1700であり、特に好ましい範囲のMn値は、
約1700〜約2400である。
【0255】 Mw/Mn比の値に関してもまた、いくつかの好ましい値が存在する。約1.
8の最小Mw/Mn値が好ましく、約1.8から約5.0の範囲の値もまた、好ま
しい。Mw/Mnのさらに好ましい最小値は、約2.0であり、約2.0〜約4.
5の範囲の値もまた、好ましい範囲である。Mw/Mnの特に好ましい最小値は
、約2.5であり、約2.5〜約4.0の範囲の値もまた、特に好ましい。
【0256】 置換基が誘導されるポリアルケンについてさらに議論を進める前に、II型コ
ハク酸アシル化剤のこれらの好ましい特性が、独自のものおよび他に依存したも
のの両方として、理解されるべく意図されていることが、指摘されるべきである
。これらは、例えば、置換基1当量あたり、1.4または1.5というコハク酸基
の好ましい最小値は、MnまたはMw/Mnのさらに好ましい値と結び付いてい
ないという意味で、独立していると見なされる。それらは、例えば、1.4また
は1.5のコハク酸基の好ましい最小値がMnおよび/またはMw/Mnのさら
に好ましい値と組み合わされるとき、この好ましい組合せは、事実上、この成分
のさらに好ましい実施形態を示すという意味で、互いに依存しているとも見なさ
れる。それゆえ、種々のパラメーターは、述べている特定のパラメーターに関し
て、孤立していると見なされるが、さらに好ましい点を確認するために、他のパ
ラメーターと組み合わされ得る。この同じ概念は、好ましい値、範囲、比、反応
物などの記述に関して、逆の意図が明らかに呈示されていないかまたは明らかで
ないなら、本明細書全体に適用するように意図されている。
【0257】 これらの置換基が誘導されるポリアルケンは、上記R6で開示される重合可能
オレフィンモノマーのホモポリマーおよびインターポリマーである。
【0258】 II型置換コハク酸アシル化剤を調製する際に、1種またはそれ以上の上記ポ
リアルケンは、以下の一般式のマレイン酸反応物またはフマル酸反応物からなる
群から選択される1種またはそれ以上の酸性反応物と反応される: X(O)C−CH=CH−C(O)X’ (XI) ここで、XおよびX’は、この上で定義されている。好ましくは、このマレイン
酸反応物およびフマル酸反応物は、次式に相当する1種またはそれ以上の化合物
である: RC(O)−CH=CH−C(O)R’ (XII) ここで、RおよびR’は、本明細書中で先に定義したものと同じである。通常、
このマレイン酸反応物またはフマル酸反応物は、マレイン酸、フマル酸、無水マ
レイン酸、またはこれらの2種またはそれ以上の混合物である。マレイン酸反応
物は、通常、フマル酸反応物より好ましい。なぜなら、前者は容易に入手可能で
あるうえに、一般に、容易にポリアルケン(またはそれらの誘導体)と反応して
、II型コハク酸アシル化剤が調製されるからである。特に好ましい反応物は、
マレイン酸、無水マレイン酸およびそれらの混合物である。入手可能性および反
応の容易さのために、通常、無水マレイン酸が使用される。
【0259】 本発明のI型またはII型アシル化剤を生成するためには、いくつかの公知方
法のいずれかに従って、1種またはそれ以上のポリアルケンおよび1種またはそ
れ以上のマレイン酸反応物またはフマル酸反応物が反応できる。このスクシンイ
ミド分散剤を調製する際には、このヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤は、
(a)アンモニアまたは(b)アミンと反応される。
【0260】 I型またはII型としての置換無水コハク酸は、通常、エチレンアミンまたは
縮合アミンと直接反応されるものの、ある状況では、このアミンとの反応前に、
まず、この無水物を酸に転化するのが望ましい。他の状況では、ある種の他の手
段により、この置換コハク酸を調製し、このような他の手段により調製した酸を
、この方法で使用するのが望ましくあり得る。いずれにしても、この酸または無
水物のいずれかが、本発明で使用され得る。
【0261】 「エチレンアミン」との用語は、一般的な意味では、大部分は、以下の構造に
一致する種類のポリアミンを表わすように、使用される:
【0262】
【化38】 ここで、xは、1〜8の整数であり、そしてR10は、独立して、1個〜2個の炭
素原子を含有するアルキル基または水素である。それゆえ、それには、例えば、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどが挙げられる。このような化
合物は、「Ethylene Amines」の表題で、「Encyclope
dia of Chemical Technology」(Kirk and
Othmer、5巻、898〜905ページ、Interscience P
ublishers、New York(1950))にある程度詳細に論述さ
れている。このような化合物は、最も好都合には、二塩化エチレンとアンモニア
との反応により、調製される。この方法の結果、環状縮合生成物(例えば、ピペ
ラジン)を含めたエチレンアミンのある程度複雑な混合物が生成し、これらの混
合物は、本発明の方法で用途が見出されている。他方、また、純粋なエチレンア
ミンの使用により、極めて適当な生成物を得ることができる。経済性だけでなく
分散剤としての有効性の理由から、特に有用なエチレンアミンには、エチレンア
ミンの混合物があり、これは、「PAM−H」の名称でUnion Carbi
deから製造されており、これは、75%のポリアミンボトム(bottom)
および25%のジエチレントリアミンの混合物である。
【0263】 分散剤特性に関して適当な生成物を生成するためには、この方法において、1
当量の置換無水コハク酸あたり、少なくとも半分の化学当量のエチレンアミンを
使用しなければならず、また、一般に、これらの反応物を当量で使用するのが好
ましいことが注目される。(置換無水コハク酸1当量あたり)2.0化学当量ま
での量は、うまく使用されているが、この量より多い量を使用しても、有利であ
るとは思われない。このエチレンアミン反応物の化学「当量」は、窒素含量に基
づいており、すなわち、1分子あたり4個の窒素を有するものは、1モルあたり
4当量を有する。
【0264】 それに続く反応では、このアミンは、B3NH2であり、B3NH2は、構造:
【0265】
【化39】 のエチレンアミンであることが分かり、ここで、R10およびxは、先に定義した
とおりである。
【0266】 この方法の反応には、水の分離が関与しており、その反応条件は、この水が、
形成されるにつれて除去されるようにされる。おそらく、塩形成に続いて起こる
第一の主要な反応には、半アミドの形成がある:
【0267】
【化40】 続いて、この酸およびアミド官能基の反応により、このスクシンイミドが形成さ
れる。
【0268】
【化41】 この第一の反応は、(置換無水コハク酸を使用するとき)、混合すると自然に
起こると思われるが、第二の反応には、加熱が必要である。約80℃〜約200
℃の範囲内の温度が適当であり、この範囲内では、約100℃〜約160℃の反
応温度を使用するのが好ましい。この工程を行うのに有用な方法は、この反応混
合物に一定のトルエンを添加し、そして共沸蒸留により、この水を除去すること
がある。前に示したように、また、ある程度の塩の形成がある。
【0269】 I型またはII型コハク酸分散剤のいずれかのオーバーベース化手順は、上記
アミンのオーバーベース化と類似している。この分散剤のオーバーベース化もま
た、過剰の金属、酸性物質、促進剤および反応媒体が関与している。この分散剤
については、オーバーベース化に好ましい金属は、ナトリウムである。
【0270】 I型コハク酸アシル化剤を使用するコハク酸分散剤の調製およびその後のオー
バーベース化の特定の例は、以下のとおりである。
【0271】 (実施例(B3)−1) 塩素化ポリイソブチレン(これは、1,050の平均分子量および4.3%の
塩素含量を有する)および無水マレイン酸の反応により、100の酸価および5
60の当量を有するポリイソブテニル無水コハク酸を調製した。このポリイソブ
テニル無水コハク酸1000部および鉱油662部の混合物に、65〜95℃で
、「PAM−H」の商品名でUnion Carbideから入手できるエチレ
ンアミン混合物149部を添加した。次いで、この混合物を150℃まで加熱し
て、この反応で形成された全ての水を蒸留した。この温度で、この混合物に窒素
を通気たせて、水の最後の痕跡を確実に除去した。その残留物を鉱油74重量部
で希釈すると、このオイル溶液は、2.5%の窒素含量を有することが分かった
【0272】 3リットルの4ッ口フラスコに、上で得たI型分散剤1422部(2.5当量
)、ポリプロピレンテトラマー置換フェノール20部および上で同定したポリイ
ソブテニル無水コハク酸50部を添加した。これらの内容物を100℃まで加熱
し、そして水酸化ナトリウムペレット40部(1当量)を添加した。これらの内
容物を、その表面下で、1時間あたり1立方フィートで、45分間にわたって、
炭酸化する。次いで、それぞれ、1時間、1.5時間および1.5時間にわたっ
て、1時間あたり1立方フィートで、炭酸化を継続しつつ、水酸化ナトリウム1
20部の3個の増分を添加する。第三の増分の添加前に、希釈油275部を添加
する。次いで、1.5時間にわたって炭酸化しつつ、水酸化ナトリウム100部
を添加する。炭酸化が終わると、希釈油75部を添加する。これらの内容物を、
140℃および20ミリメートル水銀まで真空ストリッピングする。得られた水
の全量は、90部である。これらの内容物を濾過して、31.42%のNa2
4灰分および310の全塩基価を有する生成物を得る。
【0273】 II型コハク酸アシル化剤を使用してコハク酸分散剤を調製し次いでオーバー
ベース化する特定の例は、以下のとおりである。
【0274】 (実施例(B3)−2) ポリイソブテン(Mn=1845;Mw=5325)510部(0.28モル
)および無水マレイン酸59部(0.59モル)の混合物を、110℃まで加熱
する。この混合物を、7時間で、190℃まで加熱し、その間、その表面下で、
気体状塩素43部(0.6モル)を添加する。190℃〜192℃で、3.5時
間にわたって、追加の塩素11部(0.16モル)を添加する。この反応混合物
を、190℃〜193℃で、窒素を吹き込みつつ、10時間加熱することにより
、ストリッピングする。その残留物は、所望のポリイソブテン置換II型無水コ
ハク酸(これは、ASTM方法D−94により測定したケン化当量価87を有す
る)である。
【0275】 鉱油113部および上で調製した置換コハク酸アシル化剤161部(0.25
当量)に、138℃で、1分子当たり約3個〜約10個の窒素原子を有するエチ
レンポリアミンの市販混合物10.2部(0.25当量)を添加することにより
、混合物を調製する。この反応混合物を、2時間で、150℃まで加熱し、そし
て窒素を吹き込むことにより、ストリッピングする。この反応混合物を濾過する
と、所望生成物のオイル溶液として、濾液を得る。
【0276】 実施例(B3)−1の手順に従って、このII型分散剤から、オーバーベース
化生成物を調製する。
【0277】 金属オーバーベース化イミドまたはエステル官能性ポリマーの金属含有ポリマ
ー組成物を調製するために、(A)ポリマーと(B)金属オーバーベース化組成
物(これは、反応性塩基官能基を含む)とを反応させる必要がある。(A)およ
び(B)の反応では、(A)は、酸性成分であり、そして(B)は、塩基性成分
であるが、(A)の全酸官能基が完全に消費されるように、(A)に対して、過
剰当量の(B)が使用される。(A)が(A1)のとき、(A1)のポリオレフ
ィンは、この金属含有ポリマー組成物中にて、0.1〜約10重量%、好ましく
は、0.1〜約5重量%で、存在している。(A)+(B)の反応スキームの簡
単な例は、以下で示すとおりである:
【0278】
【化42】 (実施例1) ((A1)+(B1)) 2リットルの4ッ口フラスコに、実施例(A1)−7の生成物のマレイン化(
maleinated)エチレン−プロピレンコポリマー350部(0.02当
量)および実施例(B1)−4の生成物のナトリウムオーバーベース化アミン1
8部(0.01当量)を添加する。これらの内容物を、140℃まで加熱する。
オイルを287部の量で添加し、これらの内容物を、さらに1時間攪拌する。こ
れらの内容物を、濾過助剤を使用して濾過すると、透明なオイル590部が得ら
れる。分析値:Na2SO4灰分1.46%;全塩基価13.6。
【0279】 (実施例2) ((A1)+(B1)) 2リットルの4ッ口フラスコに、実施例(A1)−7の生成物のマレイン化エ
チレン−プロピレンコポリマー438部(0.025当量)、希釈オイル337
部および実施例(B1)−4の生成物のナトリウムオーバーベース化アミン44
部(0.025当量)を添加する。これらの内容物を160℃まで加熱し、そし
て3時間保持する。そのIRは、1789cm-1で、無水物のピークを示さない
。これらの内容物を、濾過助剤を使用して濾過すると、透明なオイル745部が
得られる。分析値:Na2SO4灰分2.8%;全塩基価25.9。
【0280】 (実施例3) ((A1)+(B2)) 2リットルの4ッ口フラスコに、実施例(A1)−7の生成物のマレイン化エ
チレン−プロピレンコポリマー350部(0.02当量)を添加する。100℃
で、5分間にわたって、実施例(B2)−1の生成物のカルシウムオーバーベー
ス化カルボン酸24部(0.02当量)を添加する。その温度を150〜160
℃まで上げて、3時間保持する。希釈油(100部)を添加し、これらの内容物
を、150℃で、さらに1時間攪拌する。粘度が高いために、これらの内容物は
、濾過しない。分析値:CaSO4灰分1.9%;全塩基価15.7。
【0281】 (実施例4) ((A1)+(B3)) 1リットルの4ッ口フラスコに、実施例(A1)−7の生成物のマレイン化エ
チレン−プロピレンコポリマー525部(0.03当量)および実施例(B3)
−1の生成物のナトリウムオーバーベース化分散剤60部(0.06当量)を添
加する。この混合物を、そのIR中で、140℃で、3時間攪拌する。これらの
内容物に、希釈油100部を添加し、そして150℃で、30分間にわたって、
攪拌を継続する。これらの内容物は、所望生成物であるが、濾過しない。分析値
:Na2SO4灰分2.8%;全塩基価25.6。
【0282】 (実施例5) ((A2)+(B1)) 実施例(A2)−5の生成物の全内容物を、1リットルフラスコに添加し、そ
して100℃まで加熱する。次いで、希釈油150部に溶解した実施例(B1)
−5の生成物51部を添加する。この添加により、150℃まで発熱する。この
添加が完了した後、これらの内容物を、150℃で0.5時間保持し、次いで、
ストリッピングして、全ての揮発性物質を除去する。追加増分の希釈油150部
を添加し、これらの内容物を濾過すると、Na2SO4灰分3.05%および全塩
基価31を有する生成物が得られる。
【0283】 (実施例6) ((A3)+(B1)) 1リットルのフラスコに、実施例(A3)−1の生成物のラクトン187部、
実施例(B1)−3の組成物170部およびトルエン100部を添加する。これ
らの内容物を攪拌し、その温度を上げて還流し、そして還流状態で、4時間保持
する。次いで、これらの内容物を、150℃および25ミリメートル水銀で、真
空ストリッピングする。分析値:硫酸カルシウム灰分11.9%およびブロモフ
ェノールブルーに対する全塩基価123。
【0284】 (実施例7) ((A3)+(B2)) 1リットルのフラスコに、実施例(A3)−1の生成物のラクトン206部、
実施例(B2)−1の生成物のカルシウムオーバーベース化カルボン酸121部
およびトルエン100部を添加する。これらの内容物を攪拌し、そして加熱して
還流し、そして3時間保持する。IRにより、1800cm-1における無水物の
ピークが明らかとなった。実施例(B2)−1の生成物12部をさらに追加し、
これらの内容物を、還流状態で、さらに4時間保持する。そのIRにより、18
15cm-1での弱い無水物ピークおよび1734cm-1でのエステルバンドが明
らかとなった。実施例(B2)−1の生成物12部をさらに追加し、続いて、4
時間還流する。IRのそれ以上の変化はない。これらの内容物を、150℃およ
び25ミリメートル水銀で、真空ストリッピングする。分析値:硫酸カルシウム
灰分18.6%およびブロモフェノールブルーに対する全塩基価128。
【0285】 本発明の効力を確立するために、(A)および(B)を他の成分と共に反応さ
せることにより調製した金属含有ポリマーの本発明の組成物を、共にブレンドし
て、本発明の試験調合物を得る。この本発明の試験調合物を、ベースライン調合
物に対して測定する。このベースライン調合物は、(A)および(B)の反応生
成物を除いて、この試験調合物の全成分を含有する。本発明の試験調合物および
ベースライン調合物の両方は、完全に調合したクランク室オイルであると見なさ
れる。
【0286】 本発明の組成物を含有する調合物を、冷クランキングシミュレーション(CC
S)で評価する。これは、American Society for Tes
ting and Materials(ASTM)が開発した方法であり、A
STM D5293の名称が与えられている。この方法は、中程度に高い剪断速
度粘度計に関し、これは、低温でのエンジンクランキング速度と相関しており、
そのクランキング粘度限界は、SAE J300 Standardで規定され
るように、CCSにより決定される。この調合物は、15W40等級であり、C
CSに対して報告された値は、−15℃で測定されセンチポアズ(cPs)で報
告された粘度である。結果は、表Iで示す。本発明の調合物の粘度が、本発明の
組成物を含有しない調合物の粘度より低いとき、改良は明らかである。
【0287】 本発明の組成物を含有する調合物はまた、the Thermo−Oxida
tion Engine Oil Simulation Test(TEOS
T)で評価する。TEOSTは、Tannas Co.の登録商標である。この
TEOSTは、最初は、非常に熱いターボチャージャー部品と接触しているAP
I SFの品質のエンジンが堆積物を形成する傾向を評価するために、開発され
た。堆積物は、そのロッドおよびフィルターの全堆積物だけでなく、このロッド
およびフィルター上で測定する。これらの結果はまた、表Iで表にしている。こ
の試験における改良は、本発明の調合物の堆積物が、本発明の組成物を含有しな
い調合物に由来の堆積物よりも少ないとき、起こる。
【0288】
【表1】 本発明は、その好ましい実施形態に関連して説明しているものの、それらの種
々の変更は、本明細書を読めば、当業者に明らかなことが理解されるべきである
。従って、本明細書中で開示の発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るこ
れらの変更を含むべく意図されていることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月21日(2002.2.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】 (発明の要旨) 以下の(A)および(B)を反応させることにより調製した金属オーバーベー
ス化イミドまたはエステル官能性重合体を含有する金属含有重合体組成物が開示
されている: (A)以下の(A1)、(A2)または(A3)を含有する重合体: (A1)酸官能性重合体またはエステル官能性重合体であって、該酸官能性重
合体またはエステル官能性重合体は、酸官能性またはエステル官能性を結合また
はグラフト化したポリオレフィンを含有し、該ポリオレフィンは、少なくとも5
00の数平均分子量を有する; (A2)カルボキシ含有インターポリマーの酸性混合エステル−酸であって、
該インターポリマーは、約0.05〜約2の換算比粘度を有し、そして少なくと
も2種のモノマーから誘導され、該モノマーの一方は、低分子量脂肪族オレフィ
ン、スチレンまたは置換スチレンであり、ここで、該置換基は、1個から18個
までの炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、そして該モノマーの他方は
、α,β−不飽和脂肪族酸、その無水物またはエステルであり、該エステルは、
該エステルのカルボキシ基に由来の以下の2つのペンダント極性基の各々の少な
くとも1つが、その重合体構造内に存在することにより、特徴付けられる: (a)エステル基内に、少なくとも8個の脂肪族炭素原子を有する、カルボン
酸エステル基、必要に応じて、 (b)エステル基内に、7個以下の脂肪族炭素原子を有する、カルボン酸エス
テル基であって、ここで、(a):(b)のモル比は、(1〜20):1である
;または (A3)ラクトンを含有するエステル官能性重合体であって、該ラクトンは、
ヒドロカルビル置換された1種またはそれ以上のヒドロキシ芳香族化合物;カル
ボキシ置換カルボニル化合物またはその原料;およびカルボキシ置換カルボニル
化合物以外のカルボニル化合物またはその原料の反応生成物を含有する;および (B)金属オーバーベース化組成物であって、該金属オーバーベース化組成物
は、以下の(B1)、(B2)または(B3)を含有する反応性塩基官能性を含
む: (B1)金属オーバーベース化アミンであって、ここで、該反応性塩基官能性
は、第一級または第二級アミノ基である; (B2)金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カルボン酸であって、ここで、
該反応性塩基官能性は、水酸基である;または (B3)金属オーバーベース化分散剤であって、ここで、該反応性塩基官能性
は、第一級または第二級アミノ基である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0220
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0220】 この金属オーバーベース化カルボン酸である成分(B2)は、構造R17(B2
)COOM(MA)yで表わされ、ここで、R17は、10個〜50個の炭素原子
を含有する脂肪族基であり、B2は、−OHを含む反応性塩基性官能基であり、
Mは、金属であり、Aは、カーボネート、スルファイト、スルフェート、チオス
ルフェート、ホスファイトまたはホスフェートであり、そしてyは、1.1〜1
0の値を有する。この金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カルボン酸(B2)
は、ヒドロキシ置換基を含有するカルボン酸をオーバーベース化することにより
、調製される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0225
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0225】 この金属オーバーベース化分散剤である成分(B3)は、構造R18(B3)(
MA)zにより表わされ、ここで、R18は、以下の構造のヒドロカルビル基であ
る:
【化30】 ここで、R6は、40個〜約500個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基で
あり、B3は、以下を含有する反応性塩基性官能基である:
【化31】 ここで、xは、1〜8の整数であり、そしてR10は、水素、または1個〜2個の
炭素原子を含有するアルキル基であり、Mは、金属であり、Aは、カーボネート
、スルファイト、スルフェート、チオスルフェート、ホスファイトまたはホスフ
ェートであり、そしてzは、1.1〜30の値を有する。この分散剤は、カルボ
ン酸アシル化剤と窒素含有化合物とを反応させることにより調製したスクシンイ
ミド分散剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ファン, ナイ ケイ. アメリカ合衆国 オハイオ 44143, ハ イランド ハイツ, ストラートヘブン ドライブ 5488 (72)発明者 レインジ, リチャード エム. アメリカ合衆国 オハイオ 44123, ユ ークリッド, イースト 207ティーエイ チ ストリート 155 Fターム(参考) 4J031 AA12 AA13 AA36 AA38 AA57 AB01 AC05 AC09 AD01 AF30

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(A)および(B)を反応させることにより調製した
    金属オーバーベース化イミドまたはエステル官能基重合体を含有する、金属含有
    重合体組成物: (A)以下の(A1)、(A2)または(A3)を含有する重合体: (A1)酸官能基重合体またはエステル官能基重合体であって、該酸官能基重
    合体またはエステル官能基重合体は、酸官能基またはエステル官能基を結合また
    はグラフト化したポリオレフィンを含有し、該ポリオレフィンは、少なくとも5
    00の数平均分子量を有する、酸官能基重合体またはエステル官能基重合体; (A2)カルボキシ含有インターポリマーの酸性混合エステル−酸であって、
    該インターポリマーは、約0.05〜約2の換算比粘度を有し、そして少なくと
    も2種のモノマーから誘導されており、該モノマーの一方は、低分子量脂肪族オ
    レフィン、スチレンまたは置換スチレンであり、ここで、該置換基は、1個から
    18個までの炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり、そして該モノマーの
    他方は、α,β−不飽和脂肪族酸、その無水物またはエステルであり、該エステ
    ルは、該エステルのカルボキシ基に由来の以下の(a)および(b)のペンダン
    ト極性基が、その重合体構造内の存在により、特徴付けられる: (a)エステル基内に、少なくとも8個の脂肪族炭素原子を有する、カルボン
    酸エステル基、および必要に応じて、 (b)エステル基内に、7個以下の脂肪族炭素原子を有する、カルボン酸エス
    テル基であって、ここで、(a):(b)のモル比は、(1〜20):1である
    、カルボン酸エステル;または (A3)ラクトンを含有するエステル官能基重合体であって、該ラクトンは、
    1種またはそれ以上のヒドロキシ芳香族化合物の反応生成物であり、カルボキシ
    置換カルボニル化合物またはその供給源;およびカルボキシ置換カルボニル化合
    物以外のカルボニル化合物またはその供給源を含有し、該ヒドロキシ芳香族化合
    物の単位の殆どは、ヒドロカルビル置換されているが、但し、もし、該ヒドロキ
    シ芳香族化合物が、架橋環単位を含有するなら、このような単位の実質的に全て
    は、ヒドロキシル置換およびヒドロカルビル置換されている、エステル官能基重
    合体;ならびに (B)金属オーバーベース化組成物であって、該金属オーバーベース化組成物
    は、以下の(B1)、(B2)または(B3)を含有する反応性塩基官能基を含
    む: (B1)金属オーバーベース化アミンであって、ここで、該反応性塩基官能基
    は、第一級または第二級アミノ基である、金属オーバーベース化アミン; (B2)金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カルボン酸であって、ここで、
    該反応性塩基官能基は、水酸基である、金属オーバーベース化ヒドロキシ置換カ
    ルボン酸;または (B3)金属オーバーベース化分散剤であって、ここで、該反応性塩基官能基
    は、第一級または第二級アミノ基である、 金属含有重合体組成物。
  2. 【請求項2】 (A1)内の前記酸官能基が、カルボン酸官能基である、請
    求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 (A1)内の前記ポリオレフィンが、0.001〜約5重量
    %のカルボン酸官能基を含有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (A1)の前記ポリオレフィンが、0.1〜約10重量%で
    、前記金属含有重合体組成物中で存在している、請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 (A1)の前記ポリオレフィンが、0.1〜約5重量%で、
    前記金属含有重合体組成物中で存在している、請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記ポリオレフィンの前記数平均分子量(Mn)が、20,
    000〜500,000である、請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 (A1)内の前記ポリオレフィンが、エラストマーポリオレ
    フィンであり、ここで、該オレフィンが、モノオレフィンであり、そして4個ま
    での炭素原子を含有する、請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記エラストマーポリオレフィンが、ポリエチレンエラスト
    マー、ポリプロピレンエラストマーまたはエチレン/プロピレンエラストマーを
    含有する、請求項6に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記エラストマーポリオレフィンが、エチレン/プロピレン
    エラストマーである、請求項6に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 (A1)内の前記ポリオレフィンが、α−オレフィン共重
    合体であり、ここで、該α−オレフィンが、6個〜24個の炭素原子を含有する
    、請求項1に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記ポリオレフィンが、ランダムブロック共重合体であり
    、該ランダムブロック共重合体が、モノビニル芳香族/ジエン共重合体または水
    素化モノビニル芳香族/ジエン共重合体を含有する、請求項1に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記ランダムブロック共重合体が、水素化モノビニル芳香
    族/ジエン共重合体である、請求項11に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記ランダムブロック共重合体の数平均分子量が、1,0
    00,000以下である、請求項12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記ランダムブロック共重合体が、30〜80重量%のジ
    エンおよび20〜70重量%のモノビニル芳香族化合物を有する、請求項12に
    記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記ジエンが、イソプレンまたはブタジエンであり、ここ
    で、前記モノビニル置換芳香族が、スチレンまたはアルキル置換スチレンであり
    、ここで、該アルキル基が、1個から4個までの炭素原子を含有し、ここで、前
    記ランダムブロック共重合体の水素化が、その最初のオレフィン性不飽和の少な
    くとも94%を除去する、請求項14に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記酸官能基重合体(A1)内で、前記結合またはグラフ
    ト化官能基が、無水マレイン酸またはマレイン酸から誘導される、請求項1に記
    載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記結合またはグラフト化エステル官能基重合体(A1)
    が、ポリオレフィンと次式のエステルとを反応させることにより調製され、 【化1】 ここで、R29およびR28および各R25の各々が、独立して、水素、または1個〜
    7個の炭素原子を含有する脂肪族基であり、R27が、1個〜4個の炭素原子を含
    有するアルキレン基であり、そしてqが、0または1である、請求項1に記載の
    組成物。
  18. 【請求項18】 R29が、水素であり、一方のR25が、メチルであり、かつ
    他方のR25が、水素であり、R28が、メチルであり、そしてqが、0である、請
    求項17に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 (a):(b)のモル比が、(1〜10)−1である、請
    求項1に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 (A2)内の前記インターポリマーが、約0.1〜約1の
    換算比粘度を有するスチレン−無水マレイン酸インターポリマーである、請求項
    1に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 (A2)内の前記カルボン酸エステル基(a)が、8個〜
    24個の脂肪族炭素原子を有し、そして前記カルボン酸エステル基(b)が、3
    個〜5個の炭素原子を有する、請求項1に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 (A2)内の前記カルボキシ含有インターポリマーが、1
    モル割合のスチレン、1モル割合の無水マレイン酸および0.3モル割合未満の
    ビニルモノマーのターポリマーである、請求項1に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 (A2)内の前記低分子量脂肪族オレフィンが、エチレン
    、プロピレンまたはイソブチレンからなる群から選択される、請求項1に記載の
    組成物。
  24. 【請求項24】 前記ラクトン(A3)が、以下の構造を含む分子を含有し
    、 【化2】 ここで、各R19が、独立して、8個〜400個の炭素原子を含有するヒドロカル
    ビル基であり、そしてfが、0または1である、請求項1に記載の組成物。
  25. 【請求項25】 (B1)内の前記金属オーバーベース化アミンが、構造R 12(B1)(MA)xにより表わされ、ここで、R1およびR2が、それぞれ独立
    して、水素またはヒドロカルビル基、アミノ置換ヒドロカルビル基、ヒドロキシ
    置換ヒドロカルビル基、アルコキシ置換ヒドロカルビル基またはアミノ基であり
    、ここで、該ヒドロカルビル基が、4個〜50個の炭素原子を含有するが、但し
    、R1およびR2が、両方共に水素にはならず、B1が、−NHを含有する前記反
    応性塩基官能基であり、Mが、金属であり、Aが、カーボネート、スルファイト
    、スルフェート、チオスルフェート、ホスファイトまたはホスフェートであり、
    そしてxが、1.1〜40の値を有する、請求項1に記載の組成物。
  26. 【請求項26】 (B2)内の前記金属オーバーベース化カルボン酸が、構
    造(B2)R17COOM(MA)yにより表わされ、ここで、R17が、10個〜5
    0個の炭素原子を含有する脂肪族基であり、B2が、−OHを含有する前記反応
    性塩基官能基であり、Mが、金属であり、Aが、カーボネート、スルファイト、
    スルフェート、チオスルフェート、ホスファイトまたはホスフェートであり、そ
    してyが、1.1〜10の値を有する、請求項1に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 (B3)内の前記金属オーバーベース化分散剤が、構造R 18 (B3)(MA)zにより表わされ、ここで、R18が、以下の構造のヒドロカル
    ビル基であり、 【化3】 ここで、R6が、40個〜約500個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基で
    あり、B3が、−(CH2CH2NH)xHを含有する前記反応性塩基官能基であり
    、ここで、xが、1〜8の整数であり、そしてR10が、水素、または1個〜2個
    の炭素原子を含有するアルキル基であり、Mが、金属であり、Aが、カーボネー
    ト、スルファイト、スルフェート、チオスルフェート、ホスファイトまたはホス
    フェートであり、そしてzが、1.1〜30の値を有する、請求項1に記載の組
    成物。
  28. 【請求項28】 R2が、水素、または構造(CH23NH2のアミノ置換ヒ
    ドロカルビル基であり、R1が、10個〜約50個の炭素原子を含有する脂肪族
    基、構造R4NH(CH23のアミノ置換ヒドロカルビル基であり、ここで、R4 が、10個〜約50個の炭素原子を含有する脂肪族基であるが、但し、R1がR4 NH(CH23のとき、R2が、(CH23NH2ではない、請求項25に記載の
    組成物。
  29. 【請求項29】 R1が、12個〜26個の炭素原子を含有する、請求項2
    8に記載の組成物。
  30. 【請求項30】 R4が、12個〜26個の炭素原子を含有する、請求項2
    8に記載の組成物。
  31. 【請求項31】 R17が、23個までの炭素原子を含有する脂肪族基である
    、請求項26に記載の組成物。
  32. 【請求項32】 R17が、11個〜17個の炭素原子を含有する脂肪族基で
    ある、請求項26に記載の組成物。
  33. 【請求項33】 前記ヒドロカルビル基R6が、ポリアルケンから誘導され
    る置換基であり、該ポリアルケンが、500〜約5000のMn値および約1.
    5〜約4のMw/Mn値により特徴付けられる、請求項27に記載の組成物。
  34. 【請求項34】 前記ヒドロカルビル基R6が、50個〜300個の炭素原
    子を含有する、請求項27に記載の組成物。
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