JP2003507049A - Dnaの同時単離及び定量化 - Google Patents

Dnaの同時単離及び定量化

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、媒体中の他の物質から、定義された量のDNA標的物質を単離する方法を提供する。本方法は、既知量の、シリカ磁性粒子のような、DNA標的物質を可逆的に結合するための定義できる能力を有するシリカ含有固形支持体と、その粒子の結合能力より多いDNA標的物質とを使用して実施することができる。本発明の方法は、媒体と粒子の混合物内にシリカ磁性粒子とDNA標的物質との複合体を形成する工程、及び外部磁力によって混合物から複合体を分離する工程を包含する。そして、その複合体からDNA標的物質を溶離することができる。その溶離されたDNA標的物質の量は、校正モデルに基づいて決定することができる。本発明の方法は、既知量の範囲内であるDNA標的物質の単離を可能にする。本発明の方法は、増幅、ショートタンデムリピート(STR)分析、DNA配列決定のような、さらに続く処理の前の精製生体試料を定量化する工程を排除する。DNA標的物質の試料は、液状血液又は紙のような液状又は固形媒体から得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、媒体中の他の物質から、定義された量のDNA標的物質を単離し、
さらに処理又は分析するために適量の単離DNA標的物質を生成する方法に関す
る。本発明は、詳細には、シリカ又はシリカ誘導体を含む磁気応答性粒子のよう
な、定義できる量のDNA標的物質を可逆的に結合可能なシリカ含有固形支持体
を用いて、定義された量のDNA標的物質を単離する方法に関する。
【0002】 発明の背景 特定媒体中に存在するDNA標的物質の試験に関わる多くの分析法は、そのD
NA標的物質が媒体中の他の物質から単離され、媒体から単離後に定量化される
場合にのみ効を奏する。法医学的試料(例えば、犯行現場から収集された体液、
容疑者から収集された血液又は頬側細胞等)中の他の成分からDNA標的物質を
単離することは、試料中に存在する他の成分が該DNA標的物質の分析を妨害し
ないことを保証するために重要である。不幸にも、法医学的試料は、非常に小さ
いか或いはひどく分解されていることが多く、その試料から単離されたDNA標
的物質の定量化は時間がかかり、かつ困難である。さらに、所定量の血液中に存
在する白血球の量は個体間でばらつきがあり、単離されるDNAの量のばらつき
をさらに増大させる。
【0003】 親子鑑定及び犯罪現場に存在する生体試料の識別用の手段としてのDNAタイ
ピングの出現とともに、少量のゲノムDNAを単離かつ定量するための信頼でき
る方法を開発することが必要になった。米国では、このようなシステムを開発す
る必要性は、ヒトゲノムDNAの13個のショートタンデムリピート(“STR”
)座からの分析結果のデータベースについての連邦捜査局設立に由来している。
これら結果は、混合DNA索引システム(combined DNA Index System)(“CO
DIS”)と呼ばれる集中化データベースに入れられている。STR分析システ
ムは、増幅反応の使用に基づいており、極少量の、ナノグラムより少ない量でさ
え分析可能にする。しかし、増幅は、増幅すべきDNAの量が定義された範囲内
であり、かつ増幅反応を阻害或いは妨害しうる混入物からDNAが実質的に単離
されている場合にのみ、うまく機能する。従って、STR座を増幅かつ分析する
前に、標的DNAを精製かつ定量化して、増幅アーチファクトを観察するという
危険を低減しなければならない。定量化は、DNA配列決定のような他の処理で
も重要である。
【0004】 遺伝的同定タイピング用途でゲノムDNAを単離及び定量するために現在使用
されている手順は時間がかかり、かつあまりにとりとめがなく、自動化に適用で
きない。例えば、通常以下の手順を利用して、CODIS座のようなSTR座の
増幅及び分析用にゲノムDNAを単離及び定量している。第1に、種々の装置及
び量を用いて個体から血液又は頬側スワブを得る。第2に、これら試料を処理し
て不定な純度と統合性のDNAを単離する。第3に、適量を使用してアーチファ
クトを回避できるように、このDNAを下流手順用に定量化する。第4に、分析
すべき各STR座に特異的なプライマーを含む反応でDNAを増幅する。最後に
、増幅生成物を遺伝子型同定用のゲル又はキャピラリー電気泳動システムで分析
する。全13個のCODIS座を共増幅かつ分析する用途で設計された市販システ
ムについては、GenePrint(登録商標)PowerPlexTM1.1及びGenePrint(登録商標) P
owerPlexTM1.2システムを参照せよ(Promega Corporation,Madison,Wisconsin)
【0005】 白血球は、血液中のDNAの主要ソースである。血液の白血球含量には、個体
間の可変性又は該試料が得られた時点の個体の健康に基づく所定個体由来の試料
の可変性のため、かなりの可変性がある。頬側スワブ試料中にも同様の可変性が
存在し、使用するスワブのタイプの可変性、及び試料処理前の試料の貯蔵条件に
よって複合されている。
【0006】 ポリメラーゼ連鎖反応による増幅について、上記DNAタイピング分析用のゲ
ノムDNA増幅の文脈内でも以外でも、鋳型が少なすぎるとバンド強度が低くな
り、或いは結果としてバンド増幅が起こらない。過剰なDNA鋳型は、しばしば
過剰増幅に帰する。過剰増幅は、過剰な数のアーチファクトピーク及びスタッタ
(stutter)バンド--主要な対立遺伝子ピークの真下の小さいピークとして定義さ
れる--によってわかる。また、高発生率のバックグラウンド活性及び多重の異な
った色のバンドを分離できないこととして定義される“プルアップ(pull-up)”
もありうる。過剰のアーチファクトが存在する場合は、より少量のDNAの再増
幅が必要かもしれない。スタッタバンドは、過剰のDNAが存在し、かつPCR
増幅生成物の分離にキャピラリー電気泳動法を使用する場合に特に顕著である。
また、配列決定におけるように、全長増幅生成物の生産は、多すぎる鋳型DNA
が存在するときに阻害されうる。換言すれば、PCR増幅において、過剰の鋳型
DNAは、部分増幅断片の存在と、完全増幅生成物の低量をもたらす。
【0007】 さらに具体的には、法医学的用途でPCR又は他の増幅法を用いてDNAを増
幅する場合、単一反応でDNAがあまりに多く増幅されると、その試料は過剰増
幅され、かつ予測バンドのシグナル強度が検出器の所望範囲外に減少する傾向に
ある。伝統的には、これら困難はDNAの精製後にDNAを定量化することによ
って最小化されるが、付加的な工程、時間及び費用を必要とする。遺伝的同一性
試験では、利用する分析システムで推奨される以上のDNAが存在すると、解釈
不能の結果を招き;このことが、特に法医学的分析の場合の非常に限定された試
料を浪費しうる。
【0008】 核酸の正確な定量化を必要とする別のDNA処理は配列決定である。DNAの
配列決定は、媒体中に存在する配列決定反応を妨害しうる他の物質から単離され
た標的DNAの試料について行うと最善である。配列決定反応の開始前に標的D
NAの試料を定量することも必要である。例えば、DNA配列決定の分野では、
配列決定反応におけるDNA鋳型の量はかなり狭い範囲内でなければならない。
例えば、プラスミドDNAを使用する場合、BigDyeTM Chemistry(Perkin Elmer
Biosystems)による自動化配列決定を用いるときは150〜300ngのDNAが推奨
される。同一の配列決定システムで配列決定鋳型としてPCR生成物を使用する
ときは、40〜80ngのDNAが推奨される。鋳型があまり多すぎると、短い配列読
み長さ、乏しい分解能又は高いエラー率という結果になる。鋳型が少なすぎると
、最適な配列解読にはシグナル強度が弱すぎる。
【0009】 プラスミドDNAは、通常、配列決定反応用DNAのソースである。1個体群
の細菌培養内のプラスミドDNA含量には、細胞当たりのプラスミドコピー数の
可変性、用いる増殖培地の可変性、及び細胞集団の濃度のような因子によるかな
りの可変性がある。 現在、試料中のDNA標的物質を定量化するのに種々の方法が使用されている
。このような方法の1つは、分光光度的定量である。この方法では、そのDNA
標的物質の最大吸収に対応する波長で、未知濃度の試料の吸光度数が読み取られ
る。例えば、260ナノメーター(nm)(“A260”)における吸光度を用いて溶液
中のDNA濃度が決定され、280nm(“A280”)における吸光度を用いて溶液中
のタンパク質濃度が決定される。260nmにおける吸光度数1は、二本鎖DNAで
は1ミリリットル当たり約50マイクログラム(50μg)(μg/ml)に対応し、一本
鎖DNA及びRNAでは40μg/mlに対応し、一本鎖オリゴヌクレオチドでは約20
μg/mlに対応する。260nmと280nmの表示度数の比(“A260/A280”)は、ある
標的核酸が、280nmで吸収するタンパク質及び他のいずれの物質からも単離され
ている程度の評価を与える。純粋な核酸調製品は少なくとも約1.8のA260/A280 値を有する。分光光度法の限界は、低量の核酸を検出かつ定量化するのに使用す
るには感度が十分でないことである。試料中の核酸濃度がミリリットル当たり約
500ナノグラム(ng/ml)未満の場合、又は試料が紫外線を吸収若しくはクエンチ
する他の物質で汚染されている場合、不正確な結果が得られる。
【0010】 単離後DNAを定量化する別の方法は、臭化エチジウム、SyberGreen(Molecu
lar Dynamics,Sunnyvale,CA)又はPicoGreen(Molecular Probes,Eugene,OR)の
ような挿入染料を使用することである。正確に分光光度的に測定するにはDNA
が十分でない場合に、よく染料が使用される。臭化エチジウムの蛍光量は、紫外
線源で可視化される場合、DNAの総質量に比例する。従って、既知量のDNA
と未知濃度の試料の既知量との標準曲線をアガロースゲル中で分析操作し、次い
でゲルを臭化エチジウムで染色し、かつUV光で見ることができる。このタイプ
のゲルは収量ゲルと呼ばれる。試料中のDNAの量は、試料の蛍光を標準物質の
蛍光と比較することによって評価できる。同様に、この方法はDNA挿入染料を
有する溶液中で実施できる。約25pg/ml程度の低濃度のDNAは、PicoGreenで検
出しうる。溶液中のDNAを定量化するための収量ゲル法又は染料使用の限界は
、別のDNA試料と比較した収量の視覚的、分光光度的又は蛍光定量的な近似値
を必要とすることである。この方法で得られる結果は可変性が高く、かつDNA
試料中の混入成分が原因でエラーが生じやすい。
【0011】 単離後の低量のヒトゲノムDNAの定量化のために少なくとも2つの市販キッ
トが入手可能である。これは、Life Technologies,Inc.(Gaithersburg,MD)製
のACESTM 2.0ヒトDNA定量化プローブプラスシステムと、PE Applied Biosyst
ems(Foster City,CA)製のQuantiblot(登録商標)ヒトDNA定量化キットであ
る。これらキットは、通常ヒトDNAで遺伝的同一性試験を行う研究室で使用さ
れる。Quantiblot(登録商標)システムは、単離DNA試料に対する霊長類特有の
ビオチン化オリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションに基づいてい
る。検出は、比色分析又は化学発光法のどちらでもよく;いずれの検出法も0.15
〜10ngのヒトDNAを定量化できる。しかし、試験は2時間までかかる。さらに
、化学発光法はX線フィルム及び加工能力を必要とし、かつ霊長類由来のDNA
に対してのみ使用できる。ACESTMシステムは、同様のシステムであり、DNA試
料の膜への結合及びヒト特異的DNAプローブへのハイブリダイゼーションと蛍
光による可視化が必要である。このシステムは0.04〜40ngのヒトDNAを定量化
できる。これら両システムは、挿入染料の限界と同一の限界を有し;すなわち、
これら方法は、別のDNA試料と比較したその収量の視覚的な近似値を必要とす
る。
【0012】 本分野では、過剰のDNA標的物質を含有する試料から、定義された量のDN
A標的物質を除去できる方法が要望されている。この定義されたDNA量は、引
き続き、解釈可能な結果を得るには過剰DNAの存在が有害である技法で使用で
きる。このような技法としては、限定するものではないが、PCR増幅、STR
分析、DNA配列決定及び遺伝的同一性試験が挙げられる。 さらに、現存する定量化システムは、容易には自動化できず、かつDNA調製
品中に残存する混入物に対して感受性であることが多い。分析してデータベース
化すべく計画されている試料数が膨大なため、低処理能力ニーズを犠牲にせずに
、従来のSTRベースの工程を連結する高処理能力プロセスが望ましい。精製プ
ロセスでDNAを定量化する、試料からDNAを単離するシステムは、1つのプ
ロセス工程を排除し、かつ技術的に重大な進歩だろう。従来の定量化法よりもア
ーチファクトに対して低感受性なプロセスも望ましいだろう。
【0013】 発明の概要 本発明は、定義された条件下、媒体からDNA標的物質を固相に吸着させ、該
生体物質の定義された量を第2溶液中に移行させる。本方法に従って第2溶液中
に移行された標的DNAは、別個の定量化工程なしで、配列決定用の鋳型又は増
幅反応用の鋳型として使用できる。この技法は、下流プロセシング又は分析前に
単離標的物質を別個に定量化する必要がないので、該方法は時間を節約し、かつ
それ自体自動化に適合する。 本システムは、磁性粒子をベースとする分離によって細胞試料中の他の物質か
らDNA標的物質を単離することを含む。このアプローチは、磁気的分離が、低
処理能力の手動形式又は高処理能力のロボット形式のどちらでも利用できるので
、プロセシングのフレキシビリティーを斟酌する。
【0014】 手短に言えば、一局面では、本発明は、媒体中の他の物質から、定義された量
のDNA標的物質を、(a)前記DNA標的物質を含有する媒体を供給し;(b
)前記DNA標的物質の定義できる量と可逆的に結合可能な所定量(discrete qu
antity)のシリカ磁性粒子を供給し;(c)前記シリカ磁性粒子を前記媒体と混
ぜることによって、前記磁性粒子と前記DNA標的物質との複合体を形成し;(
d)外部磁場の印加によって、前記媒体から前記DNA標的物質を含有する前記
複合体を除去し;かつ(任意に)(e)前記DNA標的物質を溶離して前記DN
A標的物質を複合体から分離することによって単離する方法を含み、それによっ
て、定義された量の前記DNA標的物質が得られる。好ましくは、工程(a)で
供給されるDNAの量は、前記粒子の可逆的な結合能力を超えている。引き続く
用途及び供給されるシリカ磁性粒子の量によって、溶離工程が不要なこともある
【0015】 上記方法は、シリカ磁性粒子以外のシリカ含有固形支持体を用いても行うこと
ができる。他のシリカ含有固形支持体を使用する場合、DNA標的物質を含有す
る複合体は、遠心分離又はろ過のような種々の方法で媒体から除去できる。 本発明の方法の好ましい実施は、以下の工程を含む。DNA標的物質を含有す
る特定タイプの媒体の試料をカオトロピック塩の存在下磁性粒子と混合するが、
ここで前記磁性粒子は、このタイプの媒体由来のDNA標的物質を吸着するため
の既知又は定義できる能力を有する。この試料のタイプが細胞の場合、細胞は溶
解されて溶液中にDNA標的物質を遊離し、そこでそれが粒子と複合体を形成す
る。他の細胞成分を洗い流した後、DNA標的物質は、分離体積で溶離され、そ
の結果、定義されたDNA標的物質濃度の溶液になる。本方法は、限定するもの
ではないが、全血、白血球、精子細胞、頬側細胞、又は細菌細胞を含む種々多様
な異なる試料タイプからDNA標的物質を単離する用途に好適である。好ましい
実施形態では、試料中に存在するDNAの量は、粒子の結合能力を超えている。
このような試料は、限定するものではないが、液体状態、凍結乾燥され、犯罪現
場で発見された物質上で乾燥され、又は固形支持体上に載っている状態(例えば
、スワブ上の頬細胞又はろ紙上の血液細胞)を含む多くの異なる形態のいずれで
も存在することができる。必要ならば、さらなる工程を利用して固形支持体から
細胞を取り除くことができる。この精製されたDNA標的物質は、溶離溶液内に
貯蔵され或いは磁性粒子に付着されたままでよい。このように、必要ならば、D
NA標的物質の複数試料を得、かつ使用することができる。
【0016】 別の局面では、本発明は、好ましい形態のシリカ粒子、すなわちシリカ質オキ
シド被覆磁性粒子を用いて、媒体中の他の物質から、定義された量の標的DNA
物質を単離する方法であり、前記好ましい粒子は、粒子ミリグラム毎に定義でき
る量の標的DNA物質と可逆的に結合可能である。本発明のこの局面は、以下の
工程を含む。標的DNA物質、シリカ質オキシド被覆磁性粒子、及びカオトロピ
ック塩を含有する媒体を含む混合物が形成される。この塩濃度は、標的DNA物
質を粒子に付着させるのに十分である。DNAが混合物中のシリカ質オキシド被
覆磁性粒子に付着されるまで、混合物をインキュベートし、又は混合状態にさせ
ておく。そして、磁力を用いて混合物からシリカ質オキシド被覆磁性粒子を除去
する。粒子を溶離溶液と接触させて、定義された量の標的DNA物質をシリカ質
オキシド被覆磁性粒子から溶離する。
【0017】 さらなる局面では、本発明は、DNA標的物質を含有する媒体から、定義され
た量のDNA標的物質を単離するためのキットである。本キットは、第1容器内
の水溶液中に懸濁された所定量のシリカ質オキシド被覆磁性粒子を含み、ここで
該粒子は特有の試料タイプ用媒体から定義できる量のDNA標的物質と可逆的に
結合する能力を有する。任意に、本キットは本発明の方法に従って、DNA標的
物質を含有する媒体から、定義された量のDNA標的物質を単離するために必要
な他の成分を含んでよい。例えば、本キットは、第2容器内のカオトロピック塩
と第3容器内の洗浄溶液及び使用説明書を含みうる。
【0018】 本発明のさらに別の局面は、関心のある試料タイプ中のDNA標的物質を定量
化するための校正モデルを決定する方法であって、以下を含む方法である:(a
)関心のある試料タイプの所定量を含有する第1媒体を供給する工程;(b)関
心のある試料タイプの異なった所定量を含有する第2媒体を供給する工程;(c
)第1所定量のシリカ磁性粒子を前記第1媒体と混合する工程であって、定義さ
れた量の前記シリカ磁性粒子は前記DNA標的物質と可逆的に結合でき、それに
よって、前記第1媒体から前記シリカ磁性粒子と前記DNA標的物質との第1複
合体を形成する工程;(d)第2の所定量のシリカ磁性粒子を前記第2媒体と混
合する工程であって、前記シリカ磁性粒子は、定義された量の前記DNA標的物
質と可逆的に結合でき、それによって、前記第2媒体から前記シリカ磁性粒子と
前記DNA標的物質との第2複合体を形成する工程;(e)外部磁場の印加によ
って、前記第1媒体から前記第1複合体を、及び前記第2媒体から前記第2複合
体を除去する工程;(f)前記第1複合体及び第2複合体から別々に前記DNA
標的物質を溶離し、前記第1複合体から単離されたDNA標的物質の第1溶離液
、及び前記第2複合体から単離されたDNA標的物質の第2溶離液を生成する工
程;(g)第1溶離液中及び第2溶離液中のDNA標的物質の量を決定する工程
。好ましくは、工程(c)で供給される粒子の第1所定量は、工程(d)で供給
される第2の所定量の粒子と同量である。
【0019】 1つの校正法は、実施例3で説明するように、最少試料サイズ(入手可能なD
NAの最少量)からの標的DNAの精製において、そのDNA標的物質が過剰に
存在し、かつその結果精製される標的DNAも所望の標的範囲であるために必要
な粒子の量を決定する工程を含む。最少試料サイズから要求される粒子の量を決
定した後、より大きい試料サイズからの精製も所望範囲の濃度又は収量の精製標
的DNAを生じるように保証することが重要である。この方法は、一般的に所望
範囲の試料サイズから確実に得ることができるDNAの最大量を決定し、ここで
各試料から得られる標的DNAの量は標的DNAの所望の定量的範囲内にある。
【0020】 別の校正法は、実施例8で説明するように、大過剰のDNA標的物質を含有す
ることがわかっている試料サイズを使用することに依存するので、精製で用いる
粒子の範囲は、得られるDNA標的物質の量を制限する因子であることがわかる
。この方法を使用して、その用途にとって所望の有用性、及びその用途にとって
要求される範囲内の標的DNA量の精製をもたらす精製で用いる粒子の量を与え
る、標的DNAの最高量と最低量との間の関係が作られる。標的物質がDNAの
場合、校正モデルを構成するために生成される各溶離液中に存在する標的物質の
量は、上述したように、好ましくはDNAQuant又はPicoGreen分析で決定される。
【0021】 この発明が有用である種々の適用がある。2つのこのような分野としては、D
NA配列決定、特に自動化DNA配列決定、及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)のような核酸増幅反応を含む遺伝分析が挙げられる。これら各適用では、DN
A標的物質の量は、明確な範囲内で維持されなければならない。遺伝分析として
は、例えば、法医学的又は親子鑑定事例で使用される遺伝的識別、及び臨床研究
所で使用される遺伝分析が挙げられる。このような場合、各増幅反応中のDNA
標的物質の量がほぼ同一であることが有益である。一貫した量は、ゲル分析にお
ける一貫性のバンド強度及び限定されたアーチファクトにつながる。本発明は、
転写媒介増幅のような他の増幅システムと共に使用してもよい。
【0022】 本方法は、好ましいプラクティスでは、複数試料からDNA標的物質を同時に
単離及び定量化することを考慮しているので、容易に自動化に適合できる。例え
ば、本方法を使用して、ある集団の複数個体から採取した血液又は他の組織試料
から、定義された量の標的ゲノムDNAを単離することができる。そして、その
単離かつ定量化されたゲノムDNAのSTR座のような関心のある座を、多くの
公知の遺伝分析法のいずれによっても増幅かつ分析することができる。例えば、
Promega CorporationのGenePrint(登録商標)STR分析システムを参照せよ。直
前に述べたように使用して単離し、定量化し、かつCODIS座のような複数の
STR座を複数反応で(例えば、PromegaのGeneGreen(登録商標)PowerPlexシス
テムを用いて)共増幅する場合、このようなDNAタイピング結果のデータベー
スの情報量は急速に増えるだろう。このようなデータベースにあるデータが増え
るほど、個体の識別、特に法医学的適用にとってデータベースが有用である。
【0023】 本発明の方法で単離されたDNA標的物質は、標準的な分子生物学的方法によ
ってさらに加工又は分析するのに十分に混入物質がない。種々の異なった媒体か
ら種々の異なったDNA標的物質を単離かつ定量化するための本発明の適用につ
いては、以下の本発明の詳細な説明から明らかになるだろう。 以下の詳細な説明及び特許請求の範囲のレビューに基づき、当業者には本発明
の他の特徴、利点及び有用性が明らかになるだろう。
【0024】 発明の詳細な説明 ここで、部分的に以下の用語の定義を参照して、本発明を詳細に説明する。 本明細書で使用する場合、用語「定義された量」は、比較的狭い範囲内の量を
意味する。範囲が未知の場合、詳細な説明で後述するように、特有の試料タイプ
及び粒子タイプに適した範囲(すなわち、定義できる量)を決定しうる。範囲の
変異は、部分的には、校正モデルを作るために利用される定量化法による制限に
原因する。 「試料タイプ」は、DNA標的物質を含有する試料の形態及びソースを意味す
る。種々の試料タイプが含まれ、限定するものではないが、液状血液、紙又はス
ワブのような固形支持体上の乾燥血液、頬側細胞、唾液等が挙げられる。 用語「DNA標的物質」はDNAを指し、限定するものではないが、プラスミ
ドDNA、ゲノムDNA、染色体DNA、制限酵素の消化によって生成されるD
NA断片、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅反応によって生成され
る増幅DNA及び一本鎖DNAが挙げられる。
【0025】 用語「校正モデル」は、特定の反応条件、試料タイプ及び粒子タイプに特有の
1セットのデータを指し、精製によって得られたDNA標的物質の定義された量
に対する粒子及び試料の量の相互関係を明かにする。 用語「シリカ含有固形支持体」は、定義された量のDNA標的物質を可逆的に
結合できるシリカ又はシリカ誘導体を含む固形支持体(シリカ紙又はシリカ膜の
ような)を意味する。シリカは固形支持体上に被覆され又はその中に取り込まれ
ていてもよい。シリカ磁性粒子は、特に好ましいシリカ含有固形支持体である。
詳細な説明は、非常に好ましいシリカ磁性粒子の使用を指向しているが、本発明
は他のシリカ含有固形支持体を利用するプロセスをも予想している。 用語「単離する」及び「から単離された」は、何らかの混入物が標的物質から
除去されることを意味する。
【0026】 本明細書で使用する場合、用語「磁性粒子」は、磁場は持たないが、磁場にさ
らされると磁気双極子を形成する物質、すなわち磁場の存在で磁化されうるが、
磁場がないときはそれ自体磁気的でない物質を指す。この文脈で使用される場合
、用語「磁性」は常磁性又は超常磁性を含む。本明細書で使用する場合、用語「
磁性」は、低いキューリー温度を有する強磁性又はフェリ磁性体のような一時的
な磁性体をも包含するが、このような一時的な磁性体は、このような物質を含有
するシリカ磁性粒子が本発明によって生体物質を単離するために使用される温度
範囲で常磁性であることを条件とする。
【0027】 磁性粒子は、多年、タンパク質又は抗体のようなポリペプチド分子を単離及び
精製するために使用されている。しかし、近年は、磁性粒子及び磁性粒子を使用
する方法は、核酸物質の単離用に開発されている。核酸単離用に設計されたいく
つかの異なるタイプの磁性粒子が文献に記載され、かつそれらタイプの粒子の多
くは市販されている。このような粒子タイプの1つは、好ましくは孔径が調節さ
れた磁気応答性ガラスビーズである。例えば、CPG,Inc.(Lincoln Par,New Jers
ey,U.S.A.)製の磁性多孔性ガラス(MPG)粒子;又は米国特許第4,395,271号
;第4,233,169号;若しくは第4,297,337号(これらは参照によって本明細書に取
り込まれる)に記載されている多孔性磁気ガラス粒子を参照せよ。しかし、核酸
物質は、ガラスにとても密接に結合するので、一度ガラスに結合すると取り除く
のが困難になる傾向がある。従って、磁性ガラス粒子からの溶離効率は、シリカ
のような物質を結合している少量の核酸を含有する粒子からの溶離効率と比較し
て低い傾向にある。直接結合して核酸を単離するために設計された第2タイプの
磁気応答性粒子は、より小さい強磁性粒子で包埋され、かつガラスで被覆された
アガロースで構成される粒子である。例えば米国特許第5,395,498号を参照せよ
【0028】 用語「シリカ磁性粒子」は、シリカゲル、シリカ質オキシド、ガラス若しくは
珪藻土のような固形シリカ、又は上記の2種以上の混合物を指す。ここで使用す
る場合、用語「シリカゲル」は、クロマトグラフィーグレードシリカゲル、多く
の異なるソースから商業的に入手可能な物質を指す。シリカゲルは、最も一般的
には、シリケート、例えばケイ酸ナトリウムを含有する溶液を酸性にして10又
は11未満のpHにしてからその酸性化溶液をゲルにすることによって調製され
る。例えば、化学技術のKirk-Othmer百科事典、第6巻、第4版、Mary Howe-Gra
nt,ed.,Jhon Wiley&Sons,pub.,1993,pp.773-775のシリカ調製の議論を参照せよ
。用語「シリカ磁性粒子」は、本明細書で使用する場合、好ましくはシリカ磁性
粒子1ミリグラム当たり定義できる量のDNA標的物質を結合する能力を有する
上述の特性を持つ粒子を指す。本発明で使用するシリカ磁性粒子は、好ましくは
さらにシリカゲルマトリックス中に取り込まれた強磁性体を含む。
【0029】 DNA標的物質を単離かつ定量化するこの発明の方法は、定義できる量のDN
A標的物質を可逆的に結合可能ないずれのシリカ被覆固体材料を使用しても実施
できる。しかしながら、本発明の方法は、好ましくは、参照によって本明細書に
取り込まれるPCT公開番号WO98/31840で開示されているシリカ質オキシド(sil
iceous-oxide)被覆シリカ磁性粒子(「SOCM粒子」)を使用して実施される
。本発明は、好ましくは以下の物理的特性を有するシリカ磁性粒子を用いて実施
される。 この発明の方法で用いるシリカ磁性粒子は、多くの異なるいずれのサイズでも
よい。用いるタイプの粒子を校正して、試料タイプに対するそのDNA結合能力
を決定する。より小さいシリカ磁性粒子は、吸着のためにより大きい表面積(1
質量単位基準当たり)を与えるが、より小さい粒子は、より大きい粒子に比し、
このような粒子中に取り込むことのできる磁性体の量に限界がある。本発明で用
いる多孔性シリカ磁性粒子の中間粒径は、好ましくは約1〜25ミクロン、さら
に好ましくは約3〜15ミクロンである。粒度分布も変えることができる。しか
し、比較的狭い粒度分布が好ましい。粒度分布は、好ましくは粒子の約80質量
%が中間粒径あたりの10ミクロン範囲以内であり、さらに好ましくは8ミクロ
ン範囲以内、最も好ましくは6ミクロン範囲以内であるような粒度分布である。
【0030】 本発明の磁性粒子は、多孔性又は非多孔性でよい。磁性粒子が多孔性の場合、
孔は、好ましくは標的核酸物質を固相粒子の内部に収容し、かつ該孔の内面上の
官能基又はシリカに結合するのに十分な大きさにサイズ範囲が調節されている。
磁性粒子が多孔性シリカ磁性粒子の場合、窒素BET法で測定される各シリカ磁
性粒子の総孔容積は、好ましくは粒子質量の少なくとも約0.2ml/gである。本発
明のpH依存性イオン交換マトリックスの成分としての使用に特に好まれる多孔
性シリカ磁性粒子の総孔容積は、窒素BET法で測定される場合、好ましくは該
孔容積の少なくとも約50%が直径600Å以上の孔内に包含される。非常に好ま
しい多孔性シリカ磁性粒子は、以下の特性を有する:約5.0〜8.5ミクロンの平均
粒径、約18〜55ミクロン/gmのBET表面積、及び約7ppmFe23未満の酸
浸出抵抗性。このような粒子は、Promega Corporationから多孔性MagneSilTM
子として入手可能である。
【0031】 用語「非多孔性」は、本明細書では本発明で用いるシリカ磁性粒子を指すため
に使用し、それらが仮に何らかの孔を有するとしても、直前で述べた多孔性シリ
カ磁性粒子よりもずっと小さい孔を有する。具体的には、「非多孔性」磁性粒子
の孔は、小さすぎてDNA標的物質を収容できない。非多孔性粒子は、同径の多
孔性粒子に比し、表面積も小さく、かついずれの所定DNA標的物質を吸着する
能力も少ない。この相違の結果として、同グラム質量の粒子を使用して同一媒体
からDNA標的物質を単離する場合、多孔性粒子は、非多孔性粒子よりも多量の
DNA標的物質を結合かつ遊離する大きい能力を有する。しかし、非多孔性粒子
を用いて単離されたDNA標的物質は、含有混入物が少ない傾向にある。非常に
好ましい非多孔性シリカ磁性粒子は、以下の特性を有する:約14.5ミクロンの平
均粒径、約3ミクロン/gmのBET表面積、及び約2ppmFe23未満の酸浸出抵
抗性。このような粒子は、Promega Corporationから非多孔性MagneSilTM粒子と
して入手可能である。 少なくとも2種の市販シリカ磁性粒子は、本発明の使用に特に好ましく、PerS
eptive Biosystems製のBioMag(登録商標)Magnetic Particles、及びPromega Cor
porationから入手可能な多孔性及び非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子である。
【0032】 「複合体」は、DNA標的物質が付着されたシリカ磁性粒子又は他のシリカ含
有固形支持体を指す。DNA標的物質の少なくとも一部は、適切な条件下で該シ
リカ磁性粒子から遊離(すなわち、可逆的に結合)されうる。遊離されるDNA
標的物質の正確な割合は、所定セットの反応条件に対して相対的に一貫している
限り重要でない。 用語「カオトロピック塩」は、本明細書で使用する場合、水溶液中に十分高濃
度で存在するとき、その中に存在するタンパク質を変性し、かつ核酸に第2構造
を失わせる特有イオンの塩を意味する。カオトロピックイオンは、液体の水中に
存在する水素−結合網目構造を破壊し、それによってタンパク質を変性させ、ま
た核酸をその正しく折りたたまれた又は構造化された対応物よりも熱力学的に安
定にするので、これら効果を有すると考えられる。カオトロピックイオンとして
は、グアニジウム、ヨーダイド、パークロレート、及びトリクロロアセテートが
挙げられる。カオトロピック塩としては、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニ
ジン(グアニジンイソチオシアネートと呼ばれることもある)、ヨウ化ナトリウ
ム、過塩素酸ナトリウム、及びトリクロロ酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0033】 DNA標的物質の同時単離及び定量化の方法は、以下のように実施できる。第
1工程は、特定試料タイプから得られると予想されるDNA標的物質の量を、所
定量の粒子を用いて決定するために使用する校正モデルを構築することである。
通常セットの物理的特性を有するいずれの所定セットの磁性粒子も、同一条件下
、粒子1ミリグラム当たりのDNA標的物質吸着のための定義された能力を有す
る。具体的には、所定セットの反応条件(シリカ磁性粒子の量を含む)では、使
用する粒子の量の結合能力を超えてDNAが過剰に存在するときに、同一量のD
NA標的物質が特定試料タイプから得られる。従って、校正モデルを構築する工
程は、所定セットの反応条件、試料タイプ及び粒子タイプに対して1回しか行う
必要がない。 校正モデルが構築された後、そのDNA標的物質は、校正モデルを得るために
使用したのと同一タイプの媒体から同一溶液条件下、かつ同一タイプの粒子を用
いて単離される。
【0034】 単離すべきDNA標的物質が細胞中に存在する場合、好ましくは、細胞を溶解
緩衝液の存在下で破壊し、DNA標的物質をその溶解緩衝液中に遊離する。DN
A標的物質が細胞内に包含される核酸標的物質である場合、好ましくは、シリカ
磁性粒子と核酸が混合されたときにシリカ磁性粒子への核酸の吸着を促進しなが
ら、溶液中に存在するタンパク質と他の物質を核酸から分離する溶解溶液中に細
胞を溶解する。この標的物質が付着された粒子は、磁場によって他の細胞物質か
ら分離し、その粒子を洗浄することができる。そして、所定量の水又は他の溶離
溶液中に核酸標的物質を溶離し、定義された量のDNA標的物質が得られる。
【0035】 代表的な校正モデルを得るために、実際の試料分析は、校正モデルを開発する
ために用いた同一反応条件下で行うべきである。これら条件としては以下が挙げ
られる:試料タイプ、粒子タイプ、磁性粒子と組み合わせた溶液条件、いずれか
の洗浄溶液の組成物を含む洗浄手順、いずれかの溶離溶液の組成物、及び種々の
方法工程が実行される温度。反応条件は、実験によって最適化できる。しかし、
本方法の目的にとっては、最適化よりも反応条件の一貫性が重要である。
【0036】 校正モデルは、以下のように得られる。溶解緩衝液を試料細胞に添加し、DN
A標的物質が自由にシリカ磁性粒子と複合するようにDNA標的物質を遊離する
。分析すべき種々の既知又は測定された量の試料タイプに、所定量(既知、かつ
好ましくは一定)量のシリカ磁性粒子が添加される。磁性粒子を試料に添加する
前、添加するとき、又はその後に溶解緩衝液を添加してよい。液状全血では、溶
解緩衝液は、シリカ被覆磁性粒子の前、又はそれと一緒に試料に添加される。好
ましくは、溶解緩衝液は、シリカ被覆磁性粒子と一緒に試料に添加される。粒子
とDNA標的物質の複合体が形成される条件下で、シリカ磁性粒子は溶解細胞と
混合される。
【0037】 DNA標的物質とシリカ磁性粒子との複合体が、磁場の存在下でそのライセー
ト溶液から分離されると、ライセート溶液は除去され、捨てられる。残存してい
る複合体は、好ましくは少なくとも1回洗浄され、付加混入物を除去する。洗浄
工程が含まれる場合、最後の洗浄工程後、既知量の溶離溶液を複合体に添加し、
かつ磁場内で該溶離溶液から粒子を分離することによって、DNA標的物質が複
合体から溶離される。好ましくは、溶離溶液は水である。そして、その溶離され
たDNA標的物質を含有する溶液の既知量を、さらに分析、例えば増幅、ゲル上
の電気泳動又は公知の方法による定量化することができる。定量化の結果に基づ
き、溶離溶液中の単離されたDNA標的物質の総量を決定することができる。こ
のデータは、特定試料タイプの種々の量の試料について粒子に可逆的に結合され
るDNA標的物質の量に関する情報を提供する。
【0038】 いずれかの所定試料の媒体の付加量を、所定量の粒子に添加すると、それから
単離されるDNA標的物質の量は、粒子が飽和点に達するまで増加する。飽和点
に接近すると、得られるDNA標的物質の量は、さらに試料が供給されても有意
には増加しないだろう。DNA標的物質が、粒子の結合能力を超えて存在する場
合、過剰試料及び過剰DNA標的物質は、容易に洗い流されるだろう。好ましく
は、DNA標的物質は、粒子の結合能力を超えて存在する。このように、同一条
件下、かつDNAが粒子の結合能力を超えて存在するという条件で、同量の粒子
は、試料サイズとは関係なく、ある試料タイプからほぼ同量のDNAを単離かつ
遊離するだろう。 低い試料濃度では、DNA濃度が結合能力をわずかに超えるような非常に少な
い調節された量の粒子を添加すると有益である。種々の粒子の結合能力は変わる
が、特定の粒子タイプ、試料タイプ及び反応条件については1度決定すればよい
(例えば、実施例7で述べるような試験によって)。特定試料から単離されるD
NAの量を調節するので、過剰増幅シグナルを回避できる。
【0039】 実施例1は、校正モデルの決定方法について述べる。実施例1は、液状ヒト血
液由来のDNAを可逆的に結合する非多孔性シリカ磁性粒子(500μg又は700μg
のどちらかの量)の飽和点又は能力を示す。実施例1は、血液が4倍に増えても
単離DNAは4倍よりもずっと少ない増加であることを示している。実施例1と
同様に、実施例3は、どのようにして、校正モデルが、ずっと大きい試料サイズ
(200μl〜1mlの全血)で得られるかを示している。実施例3では、DNAは粒
子の可逆的結合能力を明らかに大きく超えている。従って、飽和点には既に達し
ており、飽和点を超える量を使用すれば、広範囲の試料量にわたって収量はかな
り一貫している。これらDNA試料は、分光光度法で定量するのに十分に濃縮さ
れる。A260/A280データは、本発明の方法による高い試料純度を示している。
実施例1及び3におけるような校正モデルは、プロセス条件を一定に保ち、かつ
試料及び粒子の量を調節可能に変化させることによって、比較的狭い範囲のDN
A標的物質を単離できることを示している。
【0040】 STRのようなゲノムタイピング分析の目的では、分析に使用できる範囲内の
量である限り、単離されるDNA標的物質の正確な量は重要でない。この範囲は
、利用するシステムによって決まる。例えば、PromegaのGenePrint(登録商標)Po
werPlexTM1.1システムを使用する増幅は、アッセイ毎に約0.5〜5ngのDNAを
用いて実施して、過剰増幅を避け、かつ容易にゲノタイプされる(genotyped)試
料を得るべきである。従って、校正モデルを、利用するシステムで使用できる範
囲と比較することによって、使用可能量のDNA標的物質を単離するのに必要な
試料及び粒子の量は、関心のある試料から該DNA標的物質を単離する前に決定
できる。 試料を分析用に置くシステムの製造業者の使用説明書及びプロトコルに基づき
、所望の試料範囲を決定することができる。従って、所望量のDNA標的物質を
得るために、校正モデルを利用して、粒子の量、試料の量、及び全単離DNA標
的物質の適切量又はフラクションのような適宜のパラメータを決定できる。
【0041】 本発明の方法で単離かつ定量化されるDNA標的物質は、培養中の真核若しく
は原核細胞又は組織、動物及び植物を含む多細胞生物から採取され若しくは得ら
れる細胞;血液、リンパ液、尿、糞便、若しくは精液のような体液;胎仔若しく
は胎児;食品;化粧品;又は他のいずれのソースの細胞からも得ることができる
。ある種のDNAは、オルガネラ、ウイルス、ファージ、プラスミド、ウイロイ
ド又は細胞を感染させる同様のものから本発明によって単離される。細胞は溶解
され、通常そのライセートは当業者に周知の種々の方法で処理されてDNAの水
溶液を得、それに本発明の分離又は単離方法が適用される。このような溶液中の
DNAは、通常タンパク質、RNAs又は他のタイプの成分のような他の成分と
共に見出される。
【0042】 DNA標的物質は、ろ紙のような固形支持体上の試料由来でよい。固形支持体
上の試料の少なくとも一部分をカオトロピック塩含有溶液に入れることによって
、DNA標的物質を固形支持体から取り除くことができる(実施例4〜5参照)
。固形支持体からのDNA標的物質の除去を容易にするため、溶液の温度は、好
ましくは約60℃〜100℃の範囲、最も好ましくは約90℃〜100℃の範囲である。好
ましくは、カオトロピック塩溶液はpH緩衝液をも含む。
【0043】 このような物質のソースの性質と関係なく、本発明で単離されるDNA標的物
質は、該DNA標的物質と他の種を含む媒体中に供給される。DNA標的物質は
、シリカ磁性粒子に付着するのに利用できる形態の媒体中に存在しなければなら
ない。DNA標的物質が細胞内に包含される場合、細胞壁又は細胞膜が、その物
質を粒子に付着させなくしうる。このような細胞が溶解又は十分に破壊されて、
その中に包含されるDNA標的物質を周囲溶液中に遊離させたとしても、その溶
液中の細胞デブリは標的物質のシリカ磁性粒子への付着を妨害しうる。従って、
本発明の方法によって単離すべき標的物質が細胞内に包含される場合、好ましく
は、まずその細胞を溶解又は破壊することで処理してライセートを生成し、さら
に好ましくは媒体中に存在すると該標的物質のシリカ磁性粒子への付着を妨害し
うる細胞デブリのライセートを清澄化する(例えば、遠心分離又は真空ろ過によ
って)ことによってさらに処理する。
【0044】 細胞を溶解又は破壊して細胞内に包含されるDNA物質を遊離する多種の公知
方法のいずれも、本発明の用途で細胞から媒体を生成するための使用に適する。
細胞からDNA物質を遊離するために選択される方法は、その物質を含有する細
胞の性質によって決まるだろう。例えば、真菌類細胞又は植物細胞のような比較
的硬い細胞壁を有する細胞に、その中に包含される核酸物質を遊離させるために
は、強力なプロテアーゼやホモジナイザーによる機械的剪断又は超音波処理器を
用いた音波による破壊のような厳しい処置を使用する必要があるかもしれない。
対照的に、大腸菌又は動物の血液細胞のような脂質二重層膜を有する細胞からは
、単にこのような細胞を水溶液に懸濁させ、その溶液に洗浄剤を添加することに
よって容易にDNA物質を遊離させることができる。
【0045】 上述したように、一旦DNA物質が溶解又は破壊された細胞から遊離されると
、そのDNA物質のシリカ磁性粒子への付着を妨害しそうな細胞デブリは、多種
の公知技術又は技術の組合せによって除去できる。好ましくは、溶解又は破壊さ
れた細胞の溶液を遠心分離して粒状細胞デブリを除去する。任意に、その上清に
、さらに他の物質の沈殿物を形成させる第2の溶液を添加して、その結果生じた
溶液から遠心分離によって沈殿物を除去することによって、上清をさらに処理す
ることができる。
【0046】 関心のあるDNA物質が当初は大腸菌細胞内に包含されていたプラスミドDN
Aの場合、このDNA物質は、好ましくは水酸化ナトリウム溶液のようなアルカ
リ性溶液を添加してライセートを生成することで細菌から遊離される。好ましく
は、その結果生じる上清に、酸性緩衝液のような中和する溶液が添加され、さら
に妨害する可能性のある物質の沈殿を形成する。こうして形成された沈殿は、好
ましくは遠心分離又はろ過によって除去される。清澄化ライセートの残りの上清
は、関心のあるDNA物質を含有する媒体である。
【0047】 この発明の方法の第1工程で提供される媒体は、直接細胞から遊離された核酸
物質を含有する必要はない。核酸物質は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)で生成
された増幅DNA生成物のように、増幅反応の生成物でありうる。核酸物質は、
制限酵素でDNAを消化することによって生成されたDNAの断片の形態でもあ
りうる。媒体は、融解され或いは酵素的に消化された電気泳動ゲルと核酸物質の
混合物の形態でもよい。生物学的標的を周囲細胞成分から遊離させると、DNA
標的物質は自由にシリカ磁性粒子に結合する。
【0048】 シリカ磁性粒子とDNA標的物質の複合体は、複合体形成を促すように設計さ
れた条件下、DNA標的物質を含有する媒体に粒子をさらすことによって形成さ
れる。複合体は、好ましくはシリカ磁性粒子、媒体、及びカオトロピック塩の混
合物の形で生成される。 本発明のこのプラクティスで形成される混合物中のカオトロピックイオンの濃
度は、好ましくは約0.1M〜7.0Mであるが、さらに好ましくは約0.8M〜4.5Mで
ある。混合物中のカオトロピックイオンの濃度は、混合物中のシリカ磁性粒子に
DNA標的物質を付着させるのに十分でなければならないが、標的物質を可逆的
に変性し、分解し、又は該混合物から沈殿させるほど高くなくてよい。染色体D
NAのような二本鎖DNAの大きい分子は、0.5〜2モルのカオトロピック塩濃
度で安定であるが、約2モルを超えるカオトロピック塩濃度からは沈殿すること
が知られている。例えば、Piotr Chomczynskiに発行された米国特許第5,346,994
号、カラム2、56〜63行を参照せよ。対照的に、プラスミドDNA、染色体DN
Aの制限酵素若しくはPCR断片、又は一本鎖DNAのようなDNAの小分子は
、2〜5モルのカオトロピック塩濃度で分解せずに溶液中に残存する。 本発明で用いるいずれのカオトロピック塩についても、塩の濃度は、その塩が
本発明の実施で使用されるいずれの溶液中においても、該溶液が本発明の実施で
さらされるすべての条件下で該溶液におけるその塩の溶解度未満にとどまること
が望ましい。
【0049】 本方法のプラクティスでは、媒体と試料の混合物は、少なくともいくらかのD
NA標的物質がシリカ磁性粒子に付着して複合体を形成するまでインキュベート
される。このインキュベーション工程は、少なくとも0℃、好ましくは少なくと
も4℃、さらに好ましくは少なくとも20℃の温度で、インキュベーション温度
が67℃を超えないことを条件として行われる。インキュベーション工程は、シ
リカ磁性粒子がその可逆的に核酸物質を結合する能力を失い始める温度未満の温
度で行わなければならない。インキュベーション工程は、最も好ましくは、ほぼ
室温で(すなわち、約25℃で)行われる。 DNA標的物質が、細胞内に包含されるときは、その細胞をカオトロピック塩
含有溶解溶液に溶解して、その同一溶液で細胞溶解と複合体形成を達成すること
が望ましい。
【0050】 カオトロピック塩に加え、溶解溶液は、CHAPS[3-[3-コラミドプロピルジメ
チルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート]又はTriton X-100(Sigma,St.Louis,
MO)のような双極性又は非イオン性洗浄剤を含んでよい。好ましくは、溶解溶液
は、DNAを構造的に損なわれないように維持するためpH緩衝液を含有し、p
Hを約7.0に安定させる。溶解溶液は、EDTAのような二価カチオンキレート
剤を含んでもよい。この溶解溶液は、DNA標的物質を固形支持体から取り除く
ためににも有用である。 複合体形成後、この複合体は、磁場によって混合物から除去される。本発明の
方法によって、最初の除去工程後に、磁場に加え、他形式の外力を使用してDN
A標的物質を単離することもできる。好適な付加形式の外力としては、限定する
ものではないが、重力ろ過、真空ろ過及び遠心分離が挙げられる。
【0051】 多種の公知手段のいずれを用いても、媒体から複合体を除去するのに使用され
る外部磁場を適切に媒体内に発生させることができる。例えば、粒子含有溶液の
容器の外面に磁石を置き、粒子をその溶液の中を通って移動させ、かつ磁石に隣
接する容器の内面に集めることができる。粒子が磁石によって発生される磁場に
よって容器内に保持されるように、磁石を容器の外面の適所に保持し、その間に
溶液を容器からデカントして捨てる。そして、その容器に第2溶液を添加し、か
つ磁石を除去して、粒子が第2溶液中に移動するようにできる。代わりに、磁化
できるプローブを溶液中に挿入し、プローブを磁化して、溶液に浸漬されたプロ
ーブの末端上に粒子が沈積するようにもできる。そして、磁化された状態でプロ
ーブはその溶液から除去され、第2溶液中に浸漬され、かつ磁場を中断して第2
溶液中に粒子を進ませることができる。シリカ磁性粒子を溶液から分離するのに
十分ないずれの磁力源も、本発明の核酸単離法で使用するのに適する。磁気分離
装置は商業的に入手可能である。例えば、MagneSphere(登録商標)Technology Ma
gnetic Separation Stand又はPolyATract(登録商標)Series 9600TM Multi-Magne
t、両方ともPromega Corporationから入手可能;MagneTight Separation Stand
(Novagen,Madison,WI);又はDynal Magnetic Particle Concentrator(Dynal,
Oslo,Norway)を参照せよ。磁力は、好ましくはPromega Corporation製のMagneS
phere(登録商標)Technology Magnetic Separation Stands(カタログ番号Z5331
〜3、又はZ5341〜3)の1つのような磁気分離スタンドの形態で供給される。
【0052】 本発明は、種々多様な試料タイプから関心のあるDNA標的物質を単離するた
めの便利かつ効率的な手段を提供する。簡単に上述した磁力を用いて媒体から粒
子を除去する、本発明の好ましい局面は、DNA標的物質が可逆的に他のシリカ
物質に結合される従来の単離方法を超える有意な利点を提供する。具体的には、
本方法の磁気的除去工程は、従来のシリカ結合及び溶離単離法で必要とされる真
空ろ過又は遠心分離工程の代わりをする。従って、本方法は特に自動化に適用で
きる。
【0053】 本発明の方法の好ましい局面において、媒体から除去された複合体は、洗浄溶
液内ですすぐことによって、少なくとも1回洗浄される。洗浄は、関心のあるD
NA標的物質以外のいずれをも含む付加混入物を除去する。本方法のこの好まし
い付加工程で用いられる洗浄溶液は、好ましくはシリカ磁性粒子から混入物を除
去可能な溶液を含む。洗浄溶液は、好ましくは塩及び溶媒、好ましくはアルコー
ルを含む。アルコールは、洗浄溶液のエバポレーションを容易にする。この最後
の好ましい形態の洗浄溶液のアルコール濃度は、好ましくは少なくとも30容量
%、さらに好ましくは少なくとも40容量%、最も好ましくは少なくとも50容
量%である。そのように使用されるアルコールは、好ましくはエタノール若しく
はイソプロパノール又はそれらの混合物、さらに好ましくはエタノールである。
塩は、好ましくは緩衝液の形態、最も好ましくはアセテート緩衝液の形態である
。洗浄溶液中の塩濃度は十分高く、洗浄工程の際にシリカ磁性粒子から核酸物質
が溶離されないことを保証する。
【0054】 好ましくは、媒体から除去した後、複合体を洗浄溶液中に再懸濁させることに
よって複合体を洗浄する。好ましくは、第1洗浄後、複合体を洗浄溶液から除去
し、少なくとももう1回洗浄し、最も好ましくは各洗浄工程で新鮮な洗浄溶液を
用いて3回以上洗浄する。 定義できる量のDNA標的物質は、複合体の形で利用できる。いくつかの分析
又は分子生物学的処理手順において、少量の磁性粒子はその処理を害し又は有意
には妨害しない。従って、適切な処理では、最初にシリカ磁性粒子からDNA標
的物質を分離することなく複合体を直接処理してよい。 しかしながら、好ましくは、さらに処理する前にシリカ磁性粒子からDNA標
的物質が溶離される。これは、複合体を溶離溶液にさらすことによって達成でき
る。溶離効率(又は粒子から除去されるべく結合されるDNA標的物質の割合)
は、所定セットの反応条件、粒子タイプ及び試料タイプについて相対的に一貫し
た割合で溶離する限り重要でない。定義された量のDNA標的物質が一貫して粒
子に吸着し、かつ溶離できる限り、定量化は遂行されうる。
【0055】 溶離溶液は、好ましくは低イオン強度の水溶液、さらに好ましくは水又は核酸
物質が安定かつ実質的に無傷であるpHあたりの低イオン強度緩衝液である。T
E緩衝液(すなわち、10mM トリス−HCl、1mM エチレンジアミン−四酢酸(
EDTA)、pH8.0)以下のイオン強度のいずれの水溶液も、本方法の溶離工
程での使用に適するが、溶離溶液は、好ましくは約6.5〜8.5のpHに緩衝され、
さらに好ましくは約7.0〜8.0のpHに緩衝される。TE緩衝液及び蒸留水又は脱
イオン水は、本発明の用途に特に好ましい溶離溶液である。上述の好ましい形態
の低イオン強度の溶離溶液は、核酸物質を粒子から確実に遊離させる。当業者に
は、この発明の方法で使用するのに好適な他の溶離溶液が容易にわかるだろう。
本方法の溶離工程で複合体から溶離されたDNA標的物質は、好ましくはシリカ
磁性粒子から分離される。
【0056】 本発明の方法によって溶離されたDNA標的物質は、さらに単離せずに、分析
又はさらなる分子生物学的手順による処理に適する。溶離DNAは、例えば、配
列決定、制限酵素分析、又は核酸プローブハイブリダイゼーションによって分析
できる。従って、本発明の方法は、例えば、病気の診断;病原体の同定;食品、
化粧品、血液若しくは血液産物、又は病原体によるコンタミネーションによる他
の産物の検査;法医学鑑定;親子鑑定;及び胎児若しくは胎仔の性識別のための
DNAの分析に基づく方法の一部として適用できる。好ましくは、溶離ゲノムD
NAは、DNAタイピングプロセスで分析される。例えば、精製したらすぐに、
そのDNAは、従来の増幅及びDNAタイピングシステムで使用できる。PowerP
lexTM 1.1及びPowerPlexTM 2.1システム(Promega)は、ツーチューブ増幅シス
テムにおける13個のコアCODIS座プラス性識別座、アメロゲニン、低スタ
ッタペンタヌクレオチド反復座Penta Eの増幅を与える。これら2つのシステム
は、試料混乱を保護するために共通の3座を有する。
【0057】 本発明の方法で得られた溶離DNAは、さらに多くの方法、例えば、配列決定
、転写、酵素反応で処理できる。溶離DNA由来の制限酵素断片は、ベクターに
結合して、クローニング又は発現に適した宿主に形質転換することができる。溶
離DNAのセグメントは、標的核酸セグメントを増幅するための技術的に公知の
種々の方法のいずれによっても増幅することができる。溶離DNAがプラスミド
又は他のタイプの自己複製DNAであるならば、それは、そのDNAに基づく遺
伝子のクローニング又は発現に適した宿主に形質転換することができ、その形質
転換された宿主内で発現できる。
【0058】 本発明の方法を実施するために必要な成分は、既知量のDNA標的物質を媒体
から単離するためのキット内に配置されうる。最低でも、このようなキットは以
下を含むべきである:第1容器内の水溶液中に懸濁された所定量のシリカ質オキ
シド被覆磁性粒子であって、これら粒子はある試料タイプ用の媒体から、定義で
きる量のDNA標的物質を可逆的に結合する能力を有する。好ましくは、キット
はカオトロピック塩をも含む。粒子は、カオトロピック塩を有する溶液中に懸濁
されてよい。好ましくは、キットは洗浄溶液をも含む。 液状血液及び血痕(約5μl〜10mLの血液)のために好適なキットは、以下
の成分を含むことができる:溶解緩衝液、洗浄緩衝液、シリカ磁性粒子、及び任
意に溶離溶液及び/又は磁気スタンド。好ましくは、溶解溶液は洗浄溶液を兼ね
る。高処理能力システムは、上掲の成分に加えて96−ウェルプレートを含むこ
とができる。 プラスミド精製用に好適なキットは以下を含んでよい:細胞再懸濁溶液、溶解
溶液、中和溶液、シリカ磁性粒子、洗浄溶液、及び溶離溶液。
【0059】 以下の非限定的な実施例は、本発明の種々の実施形態を教示する。実施例、そ
の他本明細書及び特許請求の範囲において、体積、pH及び濃度は、特に言及し
しない限り、室温におけるものである。以下の各実施例では、最良の形態のシリ
カ磁性粒子、すなわち多孔性及び非多孔性MagneSilTM粒子のみを使用した。しか
し、本発明の技術の当業者は、本開示の教示を利用して、その使用について以下
の実施例で示される本発明の方法の局面で説明されている多孔性及び非多孔性Ma
gneSilTM粒子以外のシリカ磁性粒子の形態を選択かつ使用できるだろう。
【0060】 実施例 以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明の種々の局面を説
明するために提供される。 実施例1 非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を用いた血液からのDNA単離 この実施例では、異なる量の非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子(Promega Co
rp.)を使用して、可変サイズのヒト血液試料からDNAを単離した。血液は、
EDTA被覆バキュテナ(vacutainer)チューブ内に集め、使用するまで(2週間
以下)4℃で貯蔵した。表1に示されるように、6μl〜25μlの可変量の液状
血液を1.5mlのコニカルチューブに入れた。そして、93μlの溶解緩衝液(4.5
Mグアニジンチオシアネート、1%Triton X-100、CHAPS[3-[3-コラミドプロ
ピルジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート]、10mM EDTA、10m
M トリスpH7.3、pH6.8〜7.0に調整される)を含有する100μlの溶液、及び1
00μg/μlの非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を含有する5μl又は7μlの水
を添加した。その溶液を簡単にボルテックスした。それからチューブを室温で5
分間インキュベートし、簡単にボルテックスし、磁気スタンド(Promega)上に
置いて溶液から粒子を分離した。溶液を慎重に除去し、100μlの洗浄溶液(100m
M NaCl、25%エタノール、25%イソプロピルアルコール)を添加した。チュ
ーブを磁気スタンドから離し、簡単にボルテックスし、磁気スタンドに戻した。
洗浄溶液を除去し、さらに2回洗浄を繰返し、全部で3回洗浄した。最終洗浄液
を除去後、粒子を室温で5分間空気乾燥させた。チューブを磁気スタンドから離
し、100μlの水を添加してチューブを簡単にボルテックスした。チューブを60
℃で5分間置き、簡単にボルテックスしてから磁気スタンド上に置いた。このD
NA溶液を0.5mlのコニカルチューブ内に移して貯蔵した。
【0061】 表1は、500又は700μgの非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を用いて6〜2
5μlの液状血液から得られたDNAの全量を示す。DNA濃度は、PicoGreen
DNA染料を製造業者(Molecular Probes,Eugene,OR)の推奨どおりに使用して
決定した。使用した両方のMagneSilTM磁性粒子量は、近似的に飽和キネティクス
を実証した。500μg量は飽和に近づき、700μg量は飽和よりわずかに少なかった
。単離されたDNAの量の変化は、血液、特に体積10〜25μlの血液の体積
範囲の変化より極めて少なかった。
【0062】 表1 溶離されたDNA 血液の体積 500μg 700μg (μl) 粒子 粒子 6 68 78 6 60 69 8 74 66 8 79 91 10 85 106 10 84 106 15 87 121 15 79 119 20 124 123 20 96 118 25 96 146 25 110 170
【0063】 実施例2 単離DNAの分析 この実施例では、実施例1で調製したDNAを用いて、8個のショートタンデ
ムリピート(STR)座に存在する対立遺伝子の同定のために分析した。実施例
1で述べたように、700μgの非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子(Promega)を
用いて血液試料から精製されたDNAの1μl試料を、製造業者の使用説明書に
従ってPromegaのGenePrint(登録商標)PowerPlexTM 1.1システム(Promega #DC6
091)を用いて増幅した。このシステムによるアッセイ毎に用いるDNAは0.5〜
5ngが推奨され、最も好ましい量は1ngのDNAである。 GenePrint(登録商標)PowerPlexTM 1.1システムの技術マニュアルに記載されて
いるとおりに、1μlの増幅生成物を変性ポリアクリルアミドゲル上に装填し、
電気泳動させた。ゲルをFMBIO(登録商標) II 蛍光スキャナー(Hitachi,South S
an Francsco,CA)でスキャンした。それぞれ観察された対立遺伝子についてピー
ク高さを決定し、規準化した。データ点は、各試料について15個の対立遺伝子
の平均を示し、1に設定した10μlの血液試料から調製されたDNAから産生
された混合対立遺伝子に対する高さである。下表2に、これらデータ点及標準偏
差をまとめた。ピーク高さは、約2倍までしか変化せず、10〜25μlの血液
の試料からはほとんど同一だった。データは、全試料が容易にゲノタイプされた
ことを示している。
【0064】 表2 DNAが調製された 平均規準化溶液 血液の量 ピーク高さ 標準偏差 1 6μl 0.52 0.15 2 8μl 0.70 0.12 3 10μl 1.0 0.11 4 15μl 1.04 0.23 5 20μl 1.01 0.26 6 25μl 1.17 0.21
【0065】 実施例3 非多孔性シリカ磁性粒子及びグアニジンチオシアネート この実施例では、ヒト全血からゲノムDNAを精製した。血液は、前日にED
TA被覆バキュテナ内で引いてから4℃で貯蔵した。すべての精製は、三通りで
行い、全工程及びインキュベーションは、特に言及しない限り部屋の温度及び圧
力で行った。血液ライセートの磁気清澄化及びゲノムDNAの精製は、Promega
のWizardTMゲノムDNA精製キット(A1620)の溶液及びグアニジンチオシアネ
ートを用いる非多孔性シリカ磁性粒子を使用した。 1ml、800μl、600μl、400μl、及び200μlの血液を、3.0mlのWizardゲノム
細胞溶解溶液を含有する別個の15mlチューブに入れ、混合し、10分間インキ
ュベートした。そして、チューブを800Xgで10分間遠心分離した。溶液を除
去すると、白血球(wbc)ペレットがチューブ底に残った。 wbcペレットをボルテックスして1.0mlの核酸溶解溶液を添加した。それか
らチューブをボルテックスし、1時間37℃でインキュベートした。そして、33
0μlのWizardTMゲノムタンパク質沈殿溶液を添加し、チューブをボルテックスし
、800Xgで10分間遠心分離した。チューブから溶液を取り除き、100μl(100
mg/ml)の非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を含有する無菌チューブに移し、
その溶液をボルテックスした。
【0066】 2mlの5Mグアニジンチオシアネート(GTC)添加し、チューブを混ぜてか
ら2分間インキュベートした。チューブを磁気ラック上に5分間置いた。粒子か
ら分離された溶液を除去して捨てた。5mlのSV全RNAカラム洗浄液(Promeg
a,Z3100)を添加し、チューブを5秒間ボルテックスし、再びチューブを磁気ラ
ック上に2分間置いた。粒子から分離された溶液を除去して捨てた。洗浄を繰り
返した。最後の洗浄は、5.0mlの80%エタノールを用いて行った。チューブを
5秒間ボルテックスし、2分間磁気ラック上に置いた。粒子から分離された溶液
を除去して捨てた。80%エタノール洗浄を2回繰返し、全部で3回洗浄した。
チューブを60分間磁気ラック内で空気乾燥した。磁気ラックから取り除いた後
、粒子上のDNAを400μlのWizardTMゲノム再生溶液中で5分間溶離した。チュ
ーブを再び磁気ラック上に5分間置き、DNA含有溶液を無菌チューブに移した
。 PicoGreen分析により製造業者の使用説明書に従って分光光度分析(DNAは
試料緩衝液中1:2に希釈された)により、またDNAQuant分析により製造業
者の使用説明書に従ってDNA精製結果を得、下表3にまとめた。結果は、図1
にも示される。レーン1〜5は、それぞれ100、80、60、40及び20ngのPromegaゲ
ノムDNA標準部分#6304Aに対応する。レーン6及びそれより上は10μlの試
料で充填された。
【0067】 表3血液 A260 A280 A260/280 収量,μg PicoGreen DNA ゲル上の (μl) (μg) Quant(μg) レーン 200 0.0643 0.0287 2.2371 2.57 1.3 1.9 20 200 0.0646 0.0285 2.2632 2.58 1.3 1.8 19 200 0.0620 0.0273 2.2702 2.48 1.1 1.8 18 400 0.0898 0.0423 2.1213 3.59 2.0 2.6 17 400 0.0875 0.0415 2.1088 3.50 1.9 2.6 16 400 0.0889 0.0418 2.1242 3.55 1.8 2.6 15 600 0.0769 0.0355 2.1653 3.07 1.6 1.8 14 600 0.0752 0.0335 2.2423 3.00 1.5 1.9 13 600 0.0748 0.0337 2.2175 2.99 1.5 2.2 12 800 0.0950 0.0447 2.1255 3.80 1.6 2.2 11 800 0.0823 0.0373 2.2047 3.29 1.9 2.4 10 800 0.0868 0.0403 2.1536 3.47 2.0 2.6 9 1.0ml 0.0739 0.0330 2.2353 2.95 1.9 2.3 8 1.0ml 0.0686 0.0304 2.2557 2.74 1.5 2.0 7 1.0ml 0.0747 0.0338 2.2047 2.98 1.7 2.4 6
【0068】 分光光度分析によると、平均収量は3.11μgだった。最低値は2.48つまり平均
の79.8%だった。最高値は3.8つまり平均の122.3%だった。さらに図1に示され
るPicoGreen分析によると、平均収量は1.6μgだった。最低値は1.1つまり平均の
33%であり、最高値は2.0つまり平均から20%だった。従って、全試料は平均の3
3%以内だった。DNAQuantアッセイによれば、最低値は1.8であり、最高値は2
.6だった。A260/A280値は、所望範囲の1.7〜1.9より高く、残留混入物の存在を
反映しているかもしれない。
【0069】 実施例4 血液が染みたS&S903紙からのDNA単離 この実施例では、実施例1で述べたような溶解溶液を用いた以下の手順が、S
&S903紙(Schleicher&Schuell)上で乾燥された血液からDNAを遊離させる
ことを示した。引き続き非多孔性シリカ磁性粒子を用いて遊離DNAを精製した
。14mm2〜100mm2の範囲のサイズで、かつそれぞれ5μl〜50μlの血液を含有す
るS&S903紙上のヒト血痕を切り抜いて1.5mlのコニカルチューブの底に置いた
。実施例1で述べた溶解緩衝液100μlを50mm2以下のS&S903紙を含有するチュ
ーブに添加し、100mm2のS&S903紙には200μlの溶解緩衝液を添加した。そし
て、チューブを95℃で30分間置いた。チューブを熱源から離し、無菌ピペット先
端部で紙を除去した。ピペット先端部でチューブの側面に対して紙を押しつける
ことによって、紙から過剰の液体を除去した。そして、700μgの非多孔性MagneS
ilTMシリカ磁性粒子を含有する7μlの水を添加し、チューブを緩やかにボルテ
ックスして混ぜた。DNA精製手順の残りは、実施例1に記載のとおりに行った
【0070】 各血痕から精製された1μlのDNAを、実施例2で述べたようにGeneGreen(
登録商標)PowerPlexTM 1.1システムで増幅した。1μlの増幅生成物を変性ゲル
上に充填し、GeneGreen(登録商標)PowerPlexTM 1.1システム技術マニュアルの記
載どおりに電気泳動させた。ゲルをFMBIO(登録商標) II 蛍光スキャナー(Hitac
hi,South San Francsco,CA)でスキャンした。それぞれ観察された対立遺伝子に
ついてピーク高さを決定し、規準化した。下表4にリストされるデータ点は、各
試料について15個の対立遺伝子の平均及びその標準偏差を表し、高さは1に設
定した10μlの血液試料から調製されたDNAから産生された混合対立遺伝子
に対する高さである。各試料について規準化された平均ピーク高さはすべて5%
以内であり、DNAが5、10、25、又は50μlのどの血痕から単離されたかには
関係なく、増幅は均一であることを示している。
【0071】 表4 DNAが調製された 平均規準化溶液 血液の量 ピーク高さ 標準偏差 1 5μl 1.05 0.15 2 10μl 1.0 0 3 25μl 1.05 0.14 4 50μl 0.95 0.12
【0072】 下表5は、各試料内のピーク高さ間の標準偏差をリストする。偏差は、一貫し
て16〜20%であり、試料サイズには関係なく大小の対立遺伝子が均一に増幅され
ることを示している。 表5 DNAが調製された溶液 血液の量 標準偏差 1 5μl 0.16 2 10μl 0.16 3 25μl 0.21 4 50μl 0.17
【0073】 実施例5 血液が染みたFTATM紙からのDNA単離 この実施例では、実施例1で述べた溶解緩衝液を用いて、FTATM紙(Life Tech
nologies,Inc.Gaithersburg,MD)に付着されたDNAを紙から遊離させたことを
示す。引き続き非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を用いて遊離DNAを精製し
、かつSTR分析に使用した。 ヒト血液が染みている指示サイズのFTATM紙(113mm2、57mm2、及び28mm2)を
、実施例2で述べた溶解緩衝液100μl中、95℃で30分間加熱した。紙及び溶液を
フィルターなしで回転バスケット内に置き(Millipore,Bedford,MA)、マイクロ
遠心機内で2分間14,000rpmで遠心分離した。チューブに、7μlの水中の700μg
の非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を添加し、簡単にボルテックスし、室温で
5分間インキュベートした。チューブを簡単にボルテックスしてから磁気スタン
ド(Promega Corp.)上に置き、粒子を溶液から分離して溶液を除去した。100μ
lの洗浄緩衝液(実施例1に記載されている)で粒子を3回洗浄した。粒子を室
温で5分間空気乾燥した。そして、粒子を有するチューブに100μlの水を添加し
、チューブを60℃で5分間インキュベートした。チューブを簡単にボルテックス
してから室温で磁気スタンド内に置き、DNA溶液を除去して4℃で貯蔵した。
実施例2で述べたように、1μlの各溶液をGeneGreen(登録商標)PowerPlexTM 1.
1システムで増幅し、増幅生成物を変性ゲル上に流し、FMBIO(登録商標) II 蛍光
スキャナーでゲル分析した。ピーク高さを規準化し、それらを下表6に示した。
この実施例では、データは、上記手順で使用する非多孔性MagneSilTM粒子の量が
一定に保たれる場合、異なる量の血痕がついたFTATM紙からほぼ等量のDNAが
精製されたことを示している。
【0074】 表6 規準化ピーク高さ 座 対立遺伝子 113mm2 57mm2 28mm2 CSF1PO 12 0.80 1.07 1.00 CSF1PO 10 0.99 1.28 1.00 TPOX 10 0.55 1.09 1.00 TPOX 8 0.62 0.92 1.00 TH01 9 0.64 1.35 1.00 TH01 6 0.58 1.26 1.00 vWA 17 0.61 1.05 1.00 vWA 16 0.72 1.11 1.00 D16S539 14 0.66 1.19 1.00 D16S539 11 0.75 1.42 1.00 D7S820 13 0.54 1.15 1.00 D7S820 12 0.42 1.11 1.00 D13S317 12 1.45 1.78 1.00 D13S317 8 1.17 1.86 1.00 D5S818 12 1.06 1.51 1.00
【0075】 実施例6 DNA精製時の血液年齢を変える この実施例では、血液が0〜131日の期間貯蔵された場合の本発明の手順で単
離されたDNAの質を比較する。血液が貯蔵されると、経時的に、DNAは変動
する程度に劣化することが当業者には知られている。ヒト血液をEDTA被覆バ
キュテナチューブ内に集め、4℃で貯蔵した。血液収集後0、22、29、及び131
日で、実施例1で詳述したように、非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を用いて
10μlの血液からDNAを精製した。実施例2で述べたように、1μlの各精製D
NA溶液をGeneGreen(登録商標)PowerPlexTM 1.1システムで増幅した(各試料は
三通りで分析される)。実施例2で述べたように、増幅されたDNAを変性ポリ
アクリルアミドゲル上に流し、ピーク高さをFMBIO(登録商標)スキャナーで決定
し、かつ0日の値に規準化した。下表7は、得られた平均規準化ピーク高さ及び
標準偏差を示す。
【0076】 表7 血液を引き出した 規準化後の日数 平均ピーク高さ 標準偏差 0 1.00 0 22 0.97 0.1 29 0.98 0.08 131 0.98 0.24
【0077】 規準化平均ピーク高さは、全試料について最小変化を有しており、この定量精
製手順に適するDNAは、4カ月までの間貯蔵された血液から得られたことを示
している。131日の試料は、基本的に同一の平均ピーク高さを有するが、小さい
対立遺伝子は平均よりいくぶん高く、大きい対立遺伝子は平均より低かった。こ
のことは、血液を引出し、かつ貯蔵してから131日で調製された試料を使用した
場合に、より大きい標準偏差が観察されることによって示されている。しかし、
全試料は、容易にゲノタイプされ、かつピーク高さは許容範囲内だった。 興味深いことに、実施例6は、DNAのサイズが結合及び溶離量に有意には影
響しなかったことを示している。従って、より古い試料は分解しやすく、ひいて
はDNAのサイズを小さくするという試料年齢に基づいて、最初の校正モデルを
調整することなく、信頼できる結果を得ることができる。
【0078】 実施例7 MagneSilTMシリカ磁性粒子で単離されたゲノムDNAの直接的なS TR分析での使用 この実施例は、STR分析で使用するためにMagneSilTMシリカ磁性粒子からD
NAを溶離する必要があるかどうかを決定するために設計された。 6つの685ngアリコートのヒトゲノムDNA K562(Promega Corp.)を、1.5ml
のコニカルチューブ内の50μlGTC溶解緩衝液(6Mグアニジンチオシアネー
ト、10mM EDTA、10mM トリスpH6.0、1%CHAPS、1%Triton X-100
)中に入れた。平行実験では、50μlアリコートのヒト全血を100μlGTC溶解
緩衝液を有する1.5mlのコニカルチューブ内に入れた。シリカ磁性粒子の量を減
少させながら(2.5、0.5、0.1、0.02、0.004、0.0008μg)各試料に添加した。
以下のように試料を処理した。1.5mlのコニカルチューブ内に400μlのGTC溶
解緩衝液、50μlの多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子(100mg/ml)及び200μlの
全血を入れた。チューブを約15秒間ボルテックスした。チューブを室温で10分間
インキュベートし、5分後簡単にボルテックスした。チューブを磁気スタンド上
に置いて粒子を捕捉した。粒子から分離された上清を除去し、650μlの洗浄緩衝
液を添加し(25%イソプロパノール、25%エタノール、100mM NaCl、10mMト
リス、pH8.0)、チューブを簡単にボルテックスした。これを2回繰返し全部
で3回洗浄した。そして、最後の洗浄液を除去し、粒子を20μlの洗浄緩衝液中
に再懸濁させた。各単離の1μlを取り出し、増幅チューブの底に入れ、10分間
空気乾燥した。これら試料をSTR分析で使用し、製造業者の使用説明書及び実
施例2の記載どおりのGeneGreen(登録商標)PowerPlexTM 1.1システムを用いたS
TR分析における1ngのK562と比較した。その結果のゲルは図2に示されている
。“L”と表示されるレーンは対立遺伝子ラダーに対応する。
【0079】 表8 STR反応における試料 粒子の量 ゲル上のレーン K562 DNA(1ng) 0(正の対照) 1 K562 DNA 2.5 2 K562 DNA 0.5 3 K562 DNA 0.1 4 K562 DNA 0.02 5 K562 DNA 0.004 6 K562 DNA 0.0008 7 血液 2.5 8 血液 0.5 9 血液 0.1 10 血液 0.2 11 血液 0.004 12 血液 0.0008 13
【0080】 MagneSilTM粒子の量を減少させて単離した試料と、1ngのK561 DNAとの比
較により、極端に少量のゲノムDNAが単離されたこと;粒子に結合したDNA
はSTR反応で直接使用できること;及び上述のSTRアッセイにおけるバンド
強度によって決定される1ngのK562 DNAにほぼ等価なDNAを捕捉するため
に必要な粒子の量は、K562 DNAについては約0.1μg、また全血については約0
.5μgであることがわかる。
【0081】 実施例8−多孔性及び非多孔性シリカ磁性粒子による捕捉で単離されたDNA の配列決定 この実施例は、粒子の最大DNA結合能力より多いDNAを含有する調製細菌
ライセートに添加する多孔性及び非多孔性シリカ被覆磁性粒子の量を限定するこ
とによって、自動化配列決定での使用に好適なDNA量が確実に単離されたこと
を示す。この手順は、DNA調製における混入物の存在によって偏りうる、分光
光度分析又は他の定量分析でDNAの濃度及び量を決定する必要性を排除した。 pGEM3Zf(+)プラスミド(Promega Corp.,Madison,WI)で形質転換されたDH5α細
菌細胞(Life Technologies,Inc.,Gaithersburg,MD)を、ベックマン2ml BioBl
ock(140504)の各ウェル内に1ml、一晩中成長させた。細胞密度は、600nmで約
2〜3ODだった。存在する理論量のプラスミドは、300〜700コピー/細胞の範
囲であり、結果として1.8〜4.1μg/ml培養の収量である(Sambrookら,1989,分子
クローニング:研究室マニュアル、第2版、Cold Spring Harabor Laboratory,C
old Spring,NY)。BioBlock内で、細胞を10分間2000 x gで遠心分離してペレッ
ト化した。媒体をダカントし、プレートをペーパータオル上で軽くたたいていず
れの残留液も吸い取らせた。
【0082】 そして、細胞ペレットに75μlの細胞再懸濁緩衝液(Promega,A711T)を添加し
、ピペットを上下してペレットを再懸濁させた。75μlの細胞溶解緩衝液(Prome
ga,A712T)を添加し、ピペットを4回上下して溶液を混ぜた。100μlのWizardTM プラスSV 中和溶液(Promega,A713T)を添加し、ピペットを4回上下して溶液を
混ぜた。 BioBlock内のチューブを2000 x gで10分間遠心分離した。ライセートを各チュ
ーブから除去し、96ウェルプレートの適宜のウェル内に置いた。 使用前に振って、MagneSilTMシリカ被覆磁性粒子(多孔性及び非多孔性)を再
懸濁させた。下表9にリストしたように、希釈粒子の各タイプの量を変えながら
添加してウェルを分離し、緩やかに混ぜ、室温で10分間インキュベートした。プ
レートを磁石上に置き、溶液を清澄化した(約10秒)。できるだけ少しの粒子だ
けを除去するように慎重に各ウェルからライセートを除去して捨てた。プレート
を磁石から離し、40μlの80%エタノールを各ウェルに添加した。
【0083】 ピペットを上下して粒子を再懸濁させた。プレートを再び磁石上に置き、清澄
化ライセートを除去した。洗浄を繰り返した。2回目の洗浄液を除去した後、プ
レートを磁石上に10分間放置した。この後いずれの液体もウェルの底に排出した
ら、それをピペッタで取り除いた。そして10μlのナノピュア水ピュアを各ウェ
ルに添加し、ピペットを上下して混ぜた。プレートを磁石上に置いて清澄化し、
上清を無菌プレートに移した。 さらに処理することなく、以下に記載するような順及び逆プラスミド−特異的
プライマー(Promega Corp.,Madison,WI)を用い、ABI 377機で、Big-DyeTM Cem
istryにより、製造業者の使用説明書(ABI)に従って試料全体を配列決定した。
シグナル強度及び精度は変化しているが、全試料を800塩基まで配列決定できた
。下表9に精度を示し、下表10にシグナル強度を示した。 順 5'GTTTTCCCAGTCACGAC3'[配列番号:1] 逆 5'CAGGAAACAGCTATGAC3'[配列番号:2]
【0084】 表9 試料調製品中の 精度(%)粒子の量(ng) 500塩基 600塩基 700塩基 800塩基 1000(多孔性) 100 100 100 98 500 〃 100 100 99 97 250 〃 100 100 99 98 125 〃 100 99 97 99 63 〃 100 100 98 96 1000(非多孔性) 100 100 99 97 500 〃 100 100 98 95 250 〃 99 99 96 93 125 〃 75 0 0 0 63 〃 97 94 90 0
【0085】 表10 試料 試料調製品中の 相対的なシグナル強度 粒子の量(ng) 1 1000(多孔性) 100 2 500 53 3 250 43 4 125 65 5 63 27 6 1000(非多孔性) 39 7 500 36 8 250 18 9 125 8 10 63 15
【0086】 結果は、新しいプラスミドタイプ、粒子タイプ、又は試料タイプを初めて使用
するときには、種々の量の粒子を用いて校正モデルを決定する必要性を示してい
る。上表9の結果から、非多孔性粒子は、等量の多孔性粒子よりも結合能力が低
いことが明白である。このことは、十分量のDNAが同時的単離/定量化工程後
のDNA配列決定反応に与えられることを保証するだろう。このタイプのプラス
ミドを用いたその後の全反応では、その使用される条件下で、定義された量の粒
子によって精製可能な量がわかるので、もはや校正は必要ないだろう。
【0087】 実施例9 製造業者のプロトコルに従って使用した場合と、細胞溶解緩衝液及 びシリカ磁性粒子分離プロトコルで使用した場合のFTA(登録商標)紙上の血液試
料の比較 FTA(登録商標)紙(Life Technologies,Inc.,Gaithersburg,MD)は、血痕を貯
蔵する便利な手段である。しかし、FTA(登録商標)紙上にあるDNAを分析する
場合、いくつかの技術的困難がある。FTA(登録商標)紙の高い結合能力のため、
また以前に公知の方法ではこのろ紙からDNAを容易には分離できないため、紙
の非常に小さいパンチ(punches)を用いて、増幅反応におけるDNAのひどい過
剰を回避しなければならない。さらに、FTA(登録商標)紙の能力は、所定量の液
体に対するものである。従って、高低の白血球数を有する血液又は過剰量の血液
で装填された試料は、矛盾した結果を与えるだろう。製造業者に推奨される精製
プロセスは、増幅反応で直接ろ紙を使用する前に、20〜30分かかる5回の洗浄工
程に加え、さらに60℃で20分の乾燥手順を必要とする。この手順は、DNAを増
幅するたびに繰り返さなければならない。
【0088】 この実施例では、FTA(登録商標)紙からの、この紙の製造業者が推奨するプロ
トコルによるDNA単離と、非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子によるFTA(登録
商標)紙からのDNA単離との比較が為される。100μlも血液に相当するFTA(登
録商標)紙上の113mm2のヒト血痕を製造業者のプロトコルに従って精製した。1m
mのパンチを作り、そのパンチを半分に分けた(0.5mm2又は4μlの血液に相当)
。実施例2で述べたように、そのパンチをGeneGreen(登録商標)PowerPlexTM 1.1
システムを用い、製造業者のプロトコル(Promega Corp.,#DC6090)に従って増
幅し、変性ポリアクリルアミドゲル上に流した。
【0089】 代わりに、57mm2のFTA(登録商標)血痕を、200μlの溶解緩衝液中95℃で30分間
加熱し、その溶液と紙を回転バスケット内に置き、2分間遠心分離して溶液を紙
から分離した。そして、700μgの非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を含有する
7μlの水を添加し、その溶液を5分間室温でインキュベートした。チューブを
磁気スタンド上に置くことによって、上清から粒子を分離した。上清を除去して
捨てた。実施例1に記載の洗浄緩衝液で粒子を3回洗浄してから、室温で5分間
空気乾燥した。そして100μlの水を添加し、試料を60℃で5分間インキュベート
した。粒子を磁気スタンド上で分離し、DNAを含有する溶液を集めて無菌チュ
ーブに移した。実施例2に述べたように、1μl(約0.6mm2FTA(登録商標)パンチ
又は約5μlの血液に相当)をGeneGreen(登録商標)PowerPlexTM 1.1DNAシス
テムで増幅し、変性ポリアクリルアミドゲル上に流した。
【0090】 アクリルアミドゲル上で観察された増幅生成物のスキャンを分析し、それぞれ
ピーク高さを平均ピーク高さで除して規格値を得た。各座で2つの対立遺伝子の
ピーク高さを平均した。結果を下表11にまとめた。結果は、製造業者のプロト
コルに従って使用したFTA(登録商標)試料は、STR増幅反応でアンバランスな
ピークを与えたことを示している。大きい対立遺伝子は増幅が不十分であり、よ
り小さい対立遺伝子は過剰増幅された。上述したようにシリカ磁性粒子を用いて
FTA(登録商標)ろ紙からDNAを除去すると、STR増幅反応用途に妥当な量の
DNAを与え、かつ異なるサイズの対立遺伝子の優先的な増幅は観察されなかっ
た。
【0091】 表11 規準化ピーク高さ FTA シリカ磁性 座 精製 精製 CSF1PO 0.59 0.90 TPOX 0.95 1.11 TH01 1.01 1.10 vWA 1.45 0.89
【0092】 実施例10 多孔性シリカ磁性粒子及び全血:試料サイズを増加しながら粒子 の量を限定する この実施例では、後述するプロトコルで、100mg/mlの濃度の一定量(7μl)
の多孔性シリカ磁性粒子を用いて、三通りの100、200、及び300μlのヒト全血か
らDNAを単離した。溶離されたDNAをUVスペクトル、アガロースゲル電気
泳動、及びPicoGreenアッセイ(Molecular Probes,Eugene,OR)で測定した。 7μlのよく混合した多孔性シリカ磁性粒子(100mg/ml)を9本の2mlネジ式
キャップコニカルチューブにピペットで入れた。そして、100μl、200μl及び30
0μlのヒト全血の三通りの試料をそれぞれ3本のチューブに添加した。チューブ
を20秒間ボルテックスしてから室温で10分間インキュベートし、この間に1回ボ
ルテックスして混ぜ合わせた。試料を再び混合し、磁気ラック上に置いた。5分
間室温で磁性粒子を上清から分離させた。上清を除去して捨てた。そして、400
μlの塩洗浄溶液を添加し、ボルテックスしてチューブの中身を混ぜた。チュー
ブを磁気スタンド上に置くことによって、上清を粒子から分離し、上清を除去し
て捨てた。洗浄を2回繰り返して全部で3回洗浄した。
【0093】 そして、400μlのアルコール洗浄液を添加し、ボルテックスによってチューブ
の中身を混ぜた。チューブを磁気スタンド上に置き、上清を除去して捨てた。ア
ルコール洗浄を2回繰返し、全部で3回洗浄した。最後の上清の除去後、チュー
ブを開放して室温で10分間空気乾燥した。それから粒子を50μlのTE(10mMト
リス、1mMEDTA、pH7.3)と混ぜた。チューブを混合し、5℃で一晩中置
いた。磁気スタンド上で粒子を上清から分離し、溶離されたDNAを含有する上
清を無菌チューブに移した。粒子を再び50μlのTEと混ぜ、混合し、かつ65℃
で10分間置いた。磁気スタンド上で粒子を上清から分離し、上清をプールして10
0μlの混合DNA溶離液量にした。 そして、70μlの溶液を280μlのTEと混ぜることによって、溶液中のDNA
濃度をUVスペクトルで測定し、TEで有害な信号が消されているUV分光光度
計で、260nm及び280nmにおける吸収を測定した。結果を下表12にリストした。
【0094】 表12 試料 血液 OD260:280 濃度(μl/ml) 収量(μg) ゲル上のレーン 1 100μl 1.55 0.020 2.0 6 2 〃 1.54 0.033 3.3 7 3 〃 1.65 0.030 3.0 8 4 200μl 1.63 0.037 3.7 9 5 〃 1.50 0.028 2.8 10 6 〃 1.49 0.038 3.8 11 7 300μl 1.53 0.032 3.2 12 8 〃 1.57 0.031 3.1 13 9 〃 1.58 0.040 4.0 14
【0095】 10μlの各試料をPromega G304AゲノムDNA標準(それぞれ200、100及び500n
gの量のレーン2〜4)及びラムダHind IIIマーカーG171A(レーン1)と一緒に
1%アガロースゲル上に流した。ゲルを臭化エチジウムで染色し、試料レーンを
UV光下、視覚的に標準と比較した。その結果のゲルは、図3に示される。試料
1は150ngの全収量を含み、試料6は800ngの全収量を含み、かつ残りの試料は、
約250ngの全収量を含むようだった。これは、UV分光光度計データが、約4か
ら10の因子によって誤って上昇されていることを示している。これは、低いOD26
0:280比によって示されるように、残留アルコール又はタンパク質コンタミネー
ションが原因だろう。 製造業者の指示に従ってPicoGreenアッセイを行った。結果を下表15にまと
めた。ゲル写真及びPicoGreenデータから、9試料は約250ng〜959ngの全収量の
範囲だった。試料6は異常値のようであり、おそらくこの試料中のDNAの不均
等な再水和の結果だろう。
【0096】 表13 試料 原料# Corr# 濃度 収量(ng) 10μl #1 94 57 1.25 250.8 #2 120 83 1.83 365.2 #3 107 70 1.54 308 #4 153 116 2.55 510.4 #5 117 80 1.76 352 #6 255 218 4.80 (959.2) #7 117 80 1.76 352 #8 100 63 1.39 277.2 #9 126 89 1.96 391.6
【0097】 PicoGreen定量化データによると、平均収量は418ngだった。最低点は250.8ng
つまり平均の60%だった。最高点は959ng(#6−おそらく異常点)つまり平均
の229%だった。平均の計算でこの点を無視すると、平均は350ngであり、最低点
は250ngつまり平均の71%であり、最高点は510ngつまり平均の145%である。 上述したように、特定の好ましい実施形態を特に参照して、この発明を詳細に
説明した。特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲を逸脱することな
く、変形及び修正が達成できることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ゲル電気泳動法で分画され、かつ臭化エチジウムで染色されたゲノムDNA試
料の写真を示しており、ゲノムDNAの試料は、実施例3で述べられるように、
異なった所定量のヒト全血から、非多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を用いて単
離された。
【図2】 実施例7で述べられるように、可変量のMagneSilTMシリカ磁性粒子の存在下で
STR座を増幅後、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分画後のK562組織
培養細胞から単離されたヒトゲノムDNA及びDNAの増幅されたSTR座の蛍
光検出によって生成されたレーザー印刷画像のコピーである。
【図3】 ゲル電気泳動法で分画され、かつ臭化エチジウムで染色されたゲノムDNA試
料の写真を示しており、ゲノムDNAの試料は、実施例10で述べられるように
、ヒト全血から、多孔性MagneSilTMシリカ磁性粒子を用いて単離された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ビットナー レックス エム アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53012 セダーバーグ バーチ ストリー ト ウェスト53 ノース598 (72)発明者 コラー スーザン シー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53593 ヴェローナ ウェストリッジ パ ークウェイ 101 アパートメント 4 (72)発明者 スミス クレイグ イー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53575 オレゴン オータム ウッズ レ ーン 969 (72)発明者 ケファート ダニエル ディー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53527 コテージ グローヴ ヴィスタ ドライヴ 112 (72)発明者 エイケンバーグ スティーブン ジェイ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53572 マウント ホレブ ペリー セン ター ロード 1117 Fターム(参考) 2G045 BB10 BB14 BB48 BB50 BB51 BB60 DA13 FB05 4B024 AA11 AA20 CA01 CA03 HA14 HA19 4B063 QA01 QA18 QQ02 QQ43 QQ48 QR54 QR83 QS25

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定義された量のDNA標的物質を、媒体中の他の物質から単
    離する方法であって、以下の工程、 a.前記DNA標的物質を含有する媒体を供給する工程、 b.定義できる量の前記DNA標的物質と可逆的に結合可能な所定量のシリカ
    含有固形支持体を供給する工程、 c.前記シリカ含有固形支持体と前記媒体とを混合するすることによって、前
    記シリカ含有固形支持体と前記DNA標的物質との複合体を形成する工程、 d.前記DNA標的物質を有する前記複合体を前記媒体から除去する工程、及
    び e.前記複合体から前記DNA標的物質を分離し、それによって、定義された
    量の前記DNA標的物質を得る工程、 を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 定義された量のDNA標的物質を、媒体中の他の物質から単
    離する方法であって、以下の工程、 a.前記DNA標的物質を含有する媒体を供給する工程、 b.定義できる量の前記DNA標的物質と可逆的に結合可能な所定量のシリカ
    磁性粒子を供給する工程、 c.前記シリカ磁性粒子と前記媒体とを混合するすることによって、前記シリ
    カ磁性粒子と前記DNA標的物質との複合体を形成する工程、 d.外部磁場の印加によって、前記DNA標的物質を有する前記複合体を前記
    媒体から除去する工程、及び e.前記DNA標的物質を溶離することによって、前記複合体から前記標的物
    質を分離し、それによって、定義された量の前記DNA標的物質を得る工程、 を特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)で供給される前記DNA標的物質の量が、前記粒
    子の結合能力を超えている、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記シリカ磁性粒子が多孔性である、請求項2に記載の方法
  5. 【請求項5】 前記シリカ磁性粒子が非多孔性である、請求項2に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記シリカ磁性粒子がシリカ質オキシド被覆磁性粒子である
    、請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記媒体がカオトロピック塩を含有する、請求項2に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記カオトロピック塩がグアニジンチオシアネートを含む、
    請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 工程(a)で供給される前記DNA標的物質がポリメラーゼ
    連鎖反応の生成物である、請求項2に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記DNA標的物質がゲノムDNAである、請求項2に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 前記DNA標的物質がプラスミドDNAである、請求項2
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 さらにDNAタイピングプロセスで、前記溶離されたゲノ
    ムDNAを分析する工程を含む請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記媒体がDNA標的物質を含有する固形支持体であり、
    かつ工程(c)の前に、前記固形支持体を、カオトロピック塩を含む混合物と混
    合することによって、前記DNA標的物質を前記固形支持体から分離する、請求
    項2に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記固形支持体が紙である、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記混合物を約60℃〜約100℃の温度に加熱する、請求
    項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】 さらに、前記溶離されたDNA標的物質の少なくとも一部
    分を配列決定する工程を含む、請求項2に記載の方法。
  17. 【請求項17】 さらに、前記複合体から前記DNA標的物質を溶離する前
    に、前記媒体からの除去後、前記複合体を洗浄する工程を含む、請求項2に記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 前記複合体が、アルコール及び塩を含む洗浄溶液によって
    洗浄される、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 工程(e)で溶離される前記DNA標的物質を、水で溶離
    する、請求項2に記載の方法。
  20. 【請求項20】 定義された量のDNA標的物質を、媒体中の他の物質から
    単離する方法であって、以下の工程、 a.前記DNA標的物質を含有する媒体を供給する工程、 b.粒子1ミリグラム当たり定義できる量の前記DNA標的物質と可逆的に結
    合する能力を有する所定量のシリカ磁性粒子を供給する工程、 c.前記媒体、前記シリカ磁性粒子、及びカオトロピック塩を含む混合物であ
    って、前記混合物中の前記カオトロピック塩濃度が、前記DNA標的物質を前記
    粒子に付着させるのに十分である前記混合物を形成する工程、 d.前記DNA標的物質の少なくともいくらかが前記シリカ磁性粒子に付着さ
    れるまで、前記混合物をインキュベートする工程、 e.外部磁力によって、前記混合物から、前記シリカ磁性粒子と、前記付着さ
    れたDNA標的物質とを除去する工程、及び f.前記粒子を溶離溶液にさらすことによって、前記シリカ磁性粒子から前記
    DNA標的物質を溶離する工程、 を特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 工程(a)で供給されるDNA標的物質の量が、前記粒子
    の結合能力を超えている、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記DNA標的物質がゲノムDNAである、請求項20に
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記DNA標的物質がプラスミドDNAである、請求項2
    0に記載の方法。
  24. 【請求項24】 さらに、前記溶離されたDNA標的物質の少なくとも一部
    分を配列決定する工程を含む、請求項20に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記カオトロピック塩がグアニジンチオシアネートを含む
    、請求項20に記載の方法。
  26. 【請求項26】 工程(c)で形成される前記混合物中の前記カオトロピッ
    ク塩の濃度が約0.1M〜7Mである、請求項20に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記シリカ磁性粒子が多孔性である、請求項20に記載の
    方法。
  28. 【請求項28】 前記シリカ磁性粒子が非多孔性である、請求項20に記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 さらに、前記粒子から前記DNA標的物質を溶離する前に
    、前記媒体からの除去後、前記シリカ磁性粒子を洗浄する工程を含む、請求項2
    0に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記粒子が、アルコール及び塩を含む洗浄溶液によって洗
    浄される、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記溶離溶液が水である、請求項20に記載の方法。
  32. 【請求項32】 媒体から、定義された量のDNA標的物質を単離するため
    のキットであって、 第1容器内の水溶液中に懸濁された所定量のシリカ磁性粒子であって、ある試
    料タイプ用の媒体から、定義できる量の前記DNA標的物質と可逆的に結合する
    能力を有する粒子を含むキット。
  33. 【請求項33】 前記試料タイプが液状血液である、請求項32に記載のキ
    ット。
  34. 【請求項34】 前記試料タイプが固形支持体上の血液である、請求項32
    に記載のキット。
  35. 【請求項35】 さらに、カオトロピック塩を含む、請求項32に記載のキ
    ット。
  36. 【請求項36】 前記シリカ磁性粒子が、前記カオトロピック塩を有する溶
    液中に懸濁されている、請求項32に記載のキット。
  37. 【請求項37】 さらに、洗浄溶液を含む、請求項35に記載のキット。
  38. 【請求項38】 関心のある試料タイプ中のDNA標的物質を定量するため
    の校正モデルを決定する方法であって、以下の工程、 a.所定量の前記関心のある試料タイプを含む第1媒体を供給する工程、 b.異なる所定量の前記関心のある試料タイプを含む第2媒体を供給する工程
    、 c.定義された量の前記DNA標的物質と可逆的に結合可能な所定量のシリカ
    磁性粒子を、前記第1媒体と混合し、それによって前記第1媒体から、前記シリ
    カ磁性粒子と前記DNA標的物質との第1複合体を形成する工程、 d.定義された量の前記DNA標的物質と可逆的に結合可能な所定量の、シリ
    カ磁性粒子を、前記第2媒体と混合し、それによって前記第2媒体から、前記シ
    リカ磁性粒子と前記DNA標的物質との第2複合体を形成する工程、 e.外部磁場の印加によって、前記第1媒体から前記第1複合体を、及び前記
    第2媒体から前記第2複合体を除去する工程、 f.前記第1複合体及び前記第2複合体から、別々に前記DNA標的物質を溶
    離し、前記第1複合体から単離されたDNA標的物質の第1溶離液と、前記第2
    複合体から単離されたDNA標的物質の第2溶離液を生成する工程、及び g.前記第1溶離液及び前記第2溶離液中のDNA標的物質の量を決定する工
    程、 を特徴とする方法。
  39. 【請求項39】 工程(c)で供給される粒子の前記所定量が、工程(d)
    で供給される粒子の前記所定量と同一量である、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 固形支持体からDNA標的物質を単離する方法であって、
    前記DNA標的物質を含有する前記固形支持体を、約60℃〜約100℃の温度で
    、カオトロピック塩溶液と接触させることによって、前記固形支持体から前記D
    NA標的物質の少なくとも一部分を単離する工程を含む方法。
  41. 【請求項41】 前記固形支持体が紙である、請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記カオトロピック塩溶液が、カオトロピック塩と、pH
    緩衝液を含む、請求項40に記載の方法。
  43. 【請求項43】 さらに、以下の工程、 所定量のシリカ磁性粒子を前記単離されたDNA標的物質に添加して複合体を
    形成する工程、 外部磁場の印加によって、前記DNA標的物質を有する前記複合体を前記溶液
    から除去する工程、及び 前記DNA標的物質を溶離することによって、前記複合体から前記DNA標的
    物質を分離する工程によって、定義された量のDNA標的物質を単離する工程を
    含み、これによって、定義された量の前記DNA標的物質を得る請求項40に記
    載の方法。
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