JP2003505217A - リハビリ用装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ユーザに、どのような運動を行うべきかを指示し、かつ分析のための運動パフォーマンスデータを収集する対話式の運動用装置。好ましい実施態様においては、この装置は、携帯用であり、療法士への連絡手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 この発明は、外傷性関節傷害または創傷治療の後の患者のリハビリだけでなく
スポーツ物理療法および一般的な運動にも適する運動用装置に関する。より詳し
くは、本発明は選択した運動プログラムのモニターができる情報処理機能を備え
た装置に関する。 耐久力を保持するのに筋肉、骨および関節を運動させなければならにことは周
知である。また、許容し得る重量の応力を受けた骨折は、全く応力を受けない骨
折よりも、より予測どおりに、かつより早く治癒することも知られている。これ
はまた、例えば靭帯やいくつかの種類の軟骨のような結合組織にも当てはまると
信じられている。同様に損傷した手足を動かすことは、関節または筋肉の損傷の
治癒に有益な効果がある。

【０００２】 現在、神経筋系のリハビリは、１対１の治療法によって取り組まれているだけ
であるが、これはお金も時間もかかることがある。現行の治療システムおよび装
置は、療法士の診療所で皮膚感覚器を介して、または平衡感覚の訓練によっての
み固有受容を高めることに関係しており、これはウォブル板（Wobble board）お
よびKATシステムを含み得る。

【０００３】 以前の固有受容は、単なる平衡感覚として考えられていたが、驚くべきことに
本発明の装置は、使用者の手足の位置ならびに角度、および/または使用者の運
動感覚により療法士が使用者の手足の状態をより深く理解できることを示す。こ
れは、固有受容/神経筋のリハビリに関し、患者が所望の度合で向上しているか
、運動プログラムは患者に適しているか、またはその運動プログラムを変更する
べきかどうか、療法士が患者の回復の経過をより理解することを可能にするかも
しれない。同様にこれは運動をする男性および女性と共に働く療法士にも利益を
与え得る。

【０００４】 以前の理学療法の装置および治療システムは、正確に運動が行われていること
、実際患者が運動していることを確かめるために療法士による徹底した管理が必
要であった。先行技術のリハビリ用システムにおいては、療法士は使用者を判断
する際に居合わせる必要があった。通常、患者または運動をする人のどちらであ
ろうと使用者は、装置を使用し運動を行うために診療所の療法士を訪ねる必要が
あった。１人の患者と次の患者の診察の間の時間の浪費のため、この現行のシス
テムは療法士の時間があまり有効に使えないという欠点を有する。

【０００５】 患者がリハビリ治療のため必ず療法士を訪ねる現行のシステムは、大きく、時
には高重量かつ高価で、容易に持ち運びできない装置を必要としたため、改善で
きず、療法士が運動プログラムを監視するために居合わせる必要があると以前は
考えられていた。

【０００６】 本発明は、量的および質的なデータを同化させることによって先行技術の上記
問題点を解決することが可能である。そのデータは、療法士に伝達されて、患者
が運動プログラムを行う進行状況を正確に示していると解釈できる。以前は、療
法士は、運動から収集されたどんなデータも患者が運動プログラムを行う進行状
況を示していると解釈できなかったため、運動が行われているときは必ず居合わ
せていなければならないと考えられていた。意外にもこれは本当でないことが分
かった。

【０００７】 本発明の目的は、上記問題点のいくつかを解決することである。

【０００８】 本発明の目的は、使用者の動作をモニターかつ記録し得る固有受容および/ま
たは神経筋の装置を提供することである。

【０００９】 本発明の目的は、持ち運びできる固有受容および/または神経筋の装置を提供
することである。

【００１０】 本発明によれば、センサを有する薄層板を備え、センサが薄層板上での接触お
よび/または薄層板上の位置、あるいは薄層板に隣接する位置を感知し； さらに接触および/または位置センサーからの出力を処理するプロセッサを備
えた運動用装置が提供される。

【００１１】 位置センサーが用いられる実施形態では、その位置センサーは、たとえ使用者
の手足が薄層板に接触していなくとも薄層板に近接している使用者の手足の位置
を感知可能であることが考えられる。

【００１２】 接触センサーを使用する本発明の実施形態では、接触センサーは圧力、即ち薄
層板にかかる力もまた測定可能であることが好ましい。

【００１３】 薄層板という用語は、使用者の動作に対する対象物として作用するのに適した
実質的に平らないかなる表面も含む。これはマット、敷物等を含むが、これに限
定されるものではない。

【００１４】 適切には本発明の装置は、接触センサーまたは位置センサーあるいはその両方
を含んでいようと、後に使用者や療法士によってダウンロードあるいは点検でき
るように生成された処理済データを保存する記憶データベースも含む。

【００１５】 同様に、本発明の装置は、接触センサーまたは位置センサーあるいはその両方
を含んでいようと、所定の運動プログラムを行うよう使用者に指示するメッセー
ジ伝達装置も含む。

【００１６】 したがって、本発明の装置は多くの異なる追加部品から構成してもよい。単純
な形態の本発明は、接触センサーまたは位置センサーのうちたった１つのセンサ
ーおよびプロセッサからなり得る。しかしながら、本発明はまた、接触センサー
、位置センサー、圧力センサー、プロセッサ、記憶データベースおよびメッセー
ジ伝達装置またはそれらのいずれかの組み合わせを有する装置を含む。

【００１７】 また、本発明によれば、 マットへの接触を感知し、かつマットへの接触位置を検知できる感圧手段を備
えるマットと、感圧手段からの出力を受けるために感圧手段に接続された制御手
段とを有し、 制御手段は、感圧手段からの出力を処理するためのプログラムされた処理手段
と、処理された感圧手段からのデータ出力を保持する記憶手段とをさらに含み、 制御手段は、所定の運動プログラムを実行するよう使用者に指示する手段をさ
らに有する運動装置が提供される。

【００１８】 本発明の好ましい実施形態において、感圧手段はまた、圧力の量、即ちマット
に印加される力を測定することが可能である。本発明の好ましいいくつかの実施
形態において、これは患者の重心を測定するのに有益である。

【００１９】 さらに、本発明によれば、 マットへの接触を感知し、かつマットへの接触位置と圧力すなわちマットに印
加される力とを検知できる感圧手段を備えるマットと、 感圧手段からの出力を受けるために感圧手段に接続された制御手段とを有し、 制御手段は、感圧手段からの出力を処理するためのプログラムされた処理手段
と、処理された感圧手段からのデータ出力を保持する記憶手段とをさらに含み、 制御手段は、所定の運動プログラムを実行するよう使用者に指示する手段をさ
らに有する運動装置が提供される。

【００２０】 本発明は、容易に持ち運べるほど小型にできるため、決まった運動は療法士の
診療所で行う必要はない。療法士という用語は、使用者の運動プログラムまたは
リハビリを監督する全ての人を広く意味し、物理療法士および作業療法士も含ま
れるが、限定されるものではない。

【００２１】 同様に装置は、使用者に運動プログラムの指示を伝達する手段および使用者の
動作をモニタかつ記録する手段を有し、この点でもまた療法士の診療所でのみ装
置を使用する必要はない。

【００２２】 療法士の診療所で運動を行うよう限定しないことは、使用者および療法士の両
者にとって大変有益である。

【００２３】 使用者は、度々診療者を訪ねる必要がないためかなりの時間を節約することが
でき、必要な運動プログラムを彼らの日課に容易に組み入れることが可能である
。私生活で必要な運動ができることもまた、幾人かの使用者にとっては有利な配
慮である。したがって療法士が不在の時に、運動をするための使用者のやる気が
実際に向上するかもしれない。これは、装置が年配の患者のリハビリ用である場
合、特にあてはまるかもしれない。

【００２４】 装置からのデータは、運動がなされた後、しばらくして照合され、分析用に療
法士に届けられる、かまたは互いに都合のよいときデータ収集ステーションにダ
ウンロードされ得るため、療法士はまたかなりの時間を節約する。しかしながら
、療法士は運動を行うときに使用者のやる気を近傍でモニターし、運動が所望の
効果をもたらしているかどうか判断可能である。しかしながら、このモニターは
遠隔操作で行うことができ、運動が行われているとき療法士が居合わせる必要は
ない。療法士は、使用者の特別な必要性に適する運動プログラムを使用者が行う
ことを確実にするために装置の所定の運動プログラムを変更可能である。これも
また遠隔操作で行うことができる。

【００２５】 各個人は、特に速度、力および正確さに関して能力の程度に差があるため、同
一の運動プログラムをさまざまな仕方で行うので、療法士にとって１人の使用者
の進行状況を他と比較するのは困難である。例えば、若い運動をする人は、同一
の運動プログラムをより長い時間をかけて行う年配の人より早く運動プログラム
を行うことが可能かもしれない。その結果、療法士は、使用者がある特定の時に
運動をどのようにうまく行うかだけでなく、運動を行う際に以前からどれくらい
進歩しているかなど使用者の進行状況を測定している。本発明は、療法士が使用
者の進行状況をモニタし、それに従って運動プログラムが変更できるように、使
用者の現在および過去の運動データを保存しかつ分析する容易な手段を提供する
。したがって、使用者はより早く回復でき、使用者および療法士の両者は時間も
お金も節約する機会を有する。

【００２６】 以下のような目的に利用するために患者のリハビリの数量的な記録（即ち、数
字で示される）の要求が増えてきている。

【００２７】 例えば、成果の評価や訴訟のために自らの行為を療法士が説明できるようにす
るため 外科医/内科医へのフィードバックのため、例えば、さらなる関与について賛
成または反対の理由づけのため 支払人へのフィードバックのため、例えば、患者が治療に従っている証明を必
要とする保険会社を満足させるため 療法および治験をより深く理解するため、即ち、治療の最適化と結果の発表/
公表 治療および慣行を標準化するため リハビリに関して療法士の先入観を克服するため 療法士へのフィードバックの程度は、情報がどのように用いられるかによって
定められる。最初に、データは、療法士がふつう行っていた冷静な観察の代わり
でなければならない。したがって、療法士は、臨床上の判断を下し、リハビリ用
プログラムを進行させるために十分に濃い情報を持つ必要がある。例えば、療法
士は、患者が手術後のひざで重量に耐え得るかどうかを知ることが必要である。
療法士に提供されるデータは、臨床的観察の代わりとなるだけでなく、どのくら
いの重量がどのくらいの時間、どのくらいの範囲の動きにわたって、特定の動作
/運動を何回繰り返す間にひざを伝わるかについて正確な測定値を提供できるこ
とが提案される。固有受容の完全性の指標もまた、定められた課題を行うときに
誤りの数によって与えられる。このデータは未処理数値記録として利用可能なだ
けでなく、例えば、棒グラフ、柱状グラフ、グラフまたは百分率として、より利
用しやすい方法で示してもよい。これらの提示方式は、メニューで使用者に利用
可能であるべきである。

【００２８】 療法士（および/または使用者/患者）が利用可能な情報の例および情報が示さ
れる適当なレベルは以下のとおりである； 数値 発生回数−本装置が使用された回数、反復運動/動作の回数、片足姿勢の接地回
数、（体重負荷運動における）ステップの回数、運動制限指令の回数 重量/力−立った状態または座った状態で力のプレートセンサーを通して伝わる
重量/力 百分率 数的百分率−関節の動く範囲；繰り返し課題の成果 円グラフ グラフ−手足の動く速さ、即ち応答時間/回数 棒グラフ/柱状グラフ−跳躍運動中の成果、即ち応答時間/回数 棒線図−行われている運動状況を明らかにするため 薄層板、例えばマットは使用者の身体の様々な手足との接触を検知するのに適
するよう設置可能である。使用者は、手足のどちらか一方または他の適当ないか
なる身体部分でもマット上の所望の場所に移動させることが必要な運動プログラ
ムを用いることが好ましい。これらのプログラムは、左右どちらか一方の手また
は足のいずれかを指定してもよい。使用者の片足または両足を薄層板、例えばマ
ット上の所望な箇所に移動させることが必要な運動については、マットは床に設
置されるのが好ましいかもしれない。同様に、使用者の下半身を主に動かすため
に考案された運動についても、薄層板、例えばマットは床に設置されるのが好ま
しいかもしれない。使用者が手をさまざまな目的場所に移動させることが必要で
ある運動の場合、薄層板、例えばマットを卓上または壁面あるいは薄層板、例え
ばマットの上に使用者の手を簡単に置くことが可能な他の垂直面に設置すること
が適切である。同様に、使用者の上半身を主に動かすために考案された運動プロ
グラムについても、薄層板、例えばマットは卓上に設置または垂直に保つのが適
切であろう。薄層板、例えはマットを壁または垂直面に取り付けるのに適した手
段を用いて、薄層板、例えばマットを設置することができる。薄層板、例えばマ
ットは、平坦でない表面上で使用者の平衡感覚および/または動作を試験するた
めに平坦でない表面上で使用されることもあり得ると考えられるので、実質的に
平面に限定する必要はない。通常、薄層板、例えばマットは階段またはウォブル
板で使用してもよい。これは、患者が実質的に平らな表面にいるとき非常に安定
していると感じるが、階段や平坦でない表面にいるときは安定していると感じな
いリハビリ運動には特に重要である。薄層板、例えばマットをしっかりと階段に
取り付けるのに適した設置手段を、確実に使用者がマットを安全に使用するため
に、マットと一緒に使用することが好ましいであろう。

【００２９】 薄層板、例えばマットはまた、使用者が運動を行う異なる織地の表面を有する
。これは、薄層板、例えばマットが異なる運動プログラムに対して異なる織地の
表面を有する場合もあるし、同一の運動プログラムに対して異なる織地の表面か
ら構成される場合もあるだろう。

【００３０】 同様に、薄層板、例えばマットを、なめらかな表面上で用いてもよい。例えば
、薄層板、例えばマットを運動用飛び跳ね器具（exercise bouncer）上で使用し
てもよい。 薄層板、例えばマットはいかなる大きさまたは形状であってもよいが、装置を容
易に運ぶためには、縦横およそ１〜２ｍが好ましいだろうと考えられる。例えば
縦横１ｍのより小さな薄層板、例えばマットは上半身の運動用、例えば縦横３ｍ
の薄層板、例えばマットは、主に下半身向けの運動用に使用され得る。薄層板、
例えばマットは、通常主に上半身向けの運動用に縦１ｍ、横２ｍ、主に下半身向
けの運動用には縦２.５ｍ、横１.５ｍであってもよい。特別なマットが、特定の
運動プログラム用に限定される必要はなく、１つのマットが使用者の上半身およ
び下半身の両方向けの運動に使用され得ると考えられている。本発明のいくつか
の実施形態において、薄層板、例えばマットは、それらを使用しないときは容易
に巻いたり折りたたむことが可能であるため、楽に保管することができる。

【００３１】 本発明の薄層板、例えばマットは、共に装置を構成するいくつかの部品から形
成してもよい。特に接触、位置および/または圧力センサーは変更可能で、必ず
しも所定の数のそのようなセンサーが必要というわけではない。適切には本発明
の装置が部品から組み立てられる好ましい実施形態において、例えばセンサーの
ような部品は、装置の組み立てを楽にするために容易かつすばやく取り付けるこ
とが可能である。このように、運動プログラムに用いられるセンサーの数は容易
に変更可能である。本発明の特別な実施形態において、装置の部品は無線手段に
よって伝達し合ってもよい。したがって、本発明を構成している部品は物理的に
相互に接続されている必要はない。

【００３２】 薄層板、例えばマットは、適当ないかなる素材から形成されてもよい。通常、
薄層板、例えばマットは伸縮自在な素材または織物である。マットは三次元の織
物であってもよく、それによって、感圧手段は互いに垂直な２列の細長い金属片
を含み、圧力がマットに印加されたとき２列の金属片は、圧力が加えられた点で
互いに接触することによって、マット上の圧力がどこで生じるたかを示す。

【００３３】 本発明の別の実施形態は、使用者が衝撃を加える的となる一続きの個々の空気
ポケットを有するマットを含んでもよい。空気ポケットに圧力が印加されると、
空気は押されバルブを通り、それによって装置の制御手段はどの空気ポケットが
いつ衝撃を受けたかを記録できる。

【００３４】 このような抵抗型の接触感知手段は廉価かつすぐに利用可能であるが、これら
の型の接触感知手段は、耐久性のない弱い可動部を含むという欠点を有する。

【００３５】 適切には、本発明の薄層板、例えばマットは接触を検知する静電容量を用いる
接触感知手段を使用してもよい。静電容量感知マットは、１枚の板を使用し、身
体または手足の存在を感知する。装置は可動部を含まないため、丈夫である。ま
た、可動部を含まないため、感知部分は非常に可撓性がある。電子機器が、分離
パッドでの静電容量の変化を検波するパッドはいかなる形状または大きさであっ
てもよい。別々の回路を、各パッドに用いてもよいが、いくつかのパッドが用い
られるならば、パッドからの信号を多重通信にすることが可能である。静電容量
マットは同じ場所に全てのパッドを備えてもよいし、あるいは、いくつかの異な
るパッドを用い、異なる形状のマットを形成するようまとめられるように分けて
備えてもよい。

【００３６】 静電容量感知マットの感知パッドはそれぞれ、処理装置がマットを構成するの
に用いられた各パッドを識別できるように識別電子部品を有してもよい。したが
って、パッドを正確な所定の順に設置すると、正確なデータ処理が行なわれる。
このように、処理装置は、運動が正確に行われたか否か、認識可能である。

【００３７】 所望の運動プログラムが正確に行われるために、パッドが特別の形状のマット
を形成するように特別な仕方で配置されることが必要条件かもしれない。そのよ
うな指示は、運動が行われる前に、使用者または療法士に伝達されるべきだろう
。薄層板、例えばマットを構成するセンサーは、互いにおよびケーブル、ワイヤ
ー等によって互いにまたはセンサーと物理的に接続される必要がないような無線
手段による処理装置と伝達し合ってもよい。

【００３８】 足のサイズのパッド用のような、このような静電容量センサーの使用は新しい
。以前は小さな静電容量センサーしか用いられておらず、静電容量センサーは、
電子干渉が起こり得るため、小さくなければならないと以前は考えられていた。
本発明は今や、運動プログラムを行っているときのように、マットの使用者がマ
ットの表面を動き回っているときでも、電子干渉なしで正確に接触を検知するた
めに大きい静電容量センサーを用いることが可能であることを示した。本発明は
また、感知板の周囲でスクリーンを使用すれば、さらに電子干渉が減少され、静
電容量センサーを、実行できる運動のために大きな接触センサーとして用いるこ
とに成功できることを見出した。

【００３９】 本発明のマットはまた、接触の有無のみならずマットの種々な箇所に加えられ
た圧力の量を測定してもよい。これは、とりわけ運動プログラムが使用者を助け
ているかどうか療法士が判断するために有益な情報を療法士に提供するだろう。

【００４０】 マットに印加された圧力を測定する手段は、このような目的に適したいかなる
手段であってもよく、圧力および力を測定すると知られているいくつかの異なる
方法が現在存在する。たいていの場合、力の読み取りを、所定の断面積で行うこ
とによって、圧力を記録している。

【００４１】 臨床的な環境における圧力の測定は通常、患者の負荷耐久力を測定するのに必
要である。

【００４２】 適した手段の１つは、マットの面積を覆うのに適した形状で、対向する第１お
よび第２の壁を有する可撓性かつ流動性の区画を有するものである。可撓性かつ
流動性の区画は、第１および第２の壁を離して保持する内部要素を持たずに、よ
り小さい流動体充満区画に分割できるであろう。区画はまた、前記区画および感
圧装置との間に流動的な伝達をもたらす手段を有してもよい。区画に圧力がかか
ると、例えば、足をマットにのせると、区画中の流動体は、感圧装置の方へ流さ
れ、この感圧装置が力を測定し、この力が換算されてマット上の力が得られる。

【００４３】 他の方法は、接触、感知マット内に力/応力感知機械装置を組み込むことであ
る。力感知手段は、Steadlands International Marketing Ltd.、Northumberlan
d, UK.社により提供されるような力感知抵抗器（FSR）という形態をとってもよ
い。FSRは、席層状２つのポリマーシートからなる。１枚のシートを、互いに入
り込んだ電極で多かれ少なかれ被覆する。抵抗を測定することによって、力を記
録することが可能である。センサーは、最初の２０秒で負荷の測定値を算出し、
次いでこれらの読み取り値の平均が算出される。

【００４４】 ただ１回限りの測定についての１つの選択肢は、即ち１回限りの測定は、Fuji
（圧力（R））により提供されるような圧力表示フィルムを用いることである。
フィルムは、色によって圧力の分布を記録する、即ち色がきつくなるほど、圧力
が強い。フィルムは使い捨てであり、マットの裏面に取り付けてもよい。色の基
準は臨床医に提供してもよい。療法士は、患者にマットの２つのタイル上に立ち
、普通に両足に同量の負荷がかかるよう立つことを要求する。一旦患者がタイル
から離れると、療法士は、治療対象および治療対象外の手足の記録された圧力を
見ることによって比較可能である。運動の機構は性質的なもので、これは、療法
士が負荷を判断するために患者が療法士の手に支えられて立つことが要求されて
いる現行の診療法に対する改善である。

【００４５】 特別な運動プログラムのためにそうするよう指示された場合、使用者がマット
に触れる、特定の目標として働くしるしをマットにつけることが好ましい。これ
は、単にマット上の一連のラベルあるいはしるしのついた格子であってもよい。
マット上の格子は、大きさが異なっていてもよくそのため、広範囲の運動プログ
ラムに適しているだろう。通常、異なる大きさの格子を１つのマット上で使用す
るとき、各格子を容易に視覚的に識別できるように着色コード化が可能である。
通常、格子の間隔は、使用者の手または足が目標領域に実質的に置けるほど所望
の目標を十分の大きさにできるものとする。

【００４６】 他のしるしは、マットの表面上の簡単な輪郭、数字、文字または絵であっても
よい。

【００４７】 本発明のいくつかの実施形態において、感圧マットは必ずしもマットに直接つ
けられたしるしを有するわけではなく、感圧マット上に設置される目標カバーと
共に使用してもよい。目標のカバーは、マットの全てまたは一部を覆うさやのよ
うなものであってもよく、使用者のための目標としてはたらくしるしを有するの
はこの目標カバーである。

【００４８】 通常、格子の間隔は、使用者の手または足あるいは身体の他の部分が目標領域
に実質的に置けるほど所望の目標を十分の大きさにできるものとする。

【００４９】 本発明のいくつかの実施形態において、マットはその表面に発光体を含んでも
よく、この場合、発光体自身が、特定の光が点火されたときに使用者の手または
足を配置するべき対象物である。発光体は、マットの表面に圧力をかけている使
用者の体の接触から保護されるのが適切である。本発明のこの実施形態において
、発光体は、表面が依然として平坦であるようにマットまたは目標カバーの実質
的に平坦な表面内に含まれるのもまた好ましい。実質的に平坦な表面を有するこ
とは、表面から発光体が突出した場合は、発光体につまずくかもしれないため使
用者がマットの上を歩く場合、重要である。

【００５０】 通常、制御手段は、収集されたデータを後にダウンロードできるようにデータ
を収集かつ保存できる。収集されたデータのダウンロードは、診療所または他の
場所のどちらかで療法士が行うかあるいは使用者がデータをダウンロードし、分
析用に療法士に届けてもよい。適当な手段を用いて、収集されたデータを電話、
例えば電子メールまたは無線で療法士に送付することが可能である。収集された
データは、療法士が必要なときにデータを分析できるように療法士の近くの収集
ステーションまたは診療所に送付することも可能である。

【００５１】 装置の所定の運動プログラムは、療法士によって予め装置にプログラムされて
もよい。使用者が運動プログラムを行うためにどんな運動プログラムを装置に組
み込むか限定はされてない。療法士は、使用者にとってやりがいはあるが、使用
者の能力の範囲内である運動プログラムを選択することが好ましい。運動プログ
ラムは、格子または四角の区画がマット上に表示されている場合は、例えば、左
足を格子Hにまたは右手を四角５に動かす単純な指令から完全に成り立っている
。指令は、使用者に跳ぶ、跳ねる、打つ、蹴る、走るまたは押すよう要求する指
令を含む様々な指令がいくつあってもよい。

【００５２】 使用者が本発明を用いて行う一般的な運動は片足の姿勢であってもよい。これ
は比較的静的な筋運動であり、固有受容の能力を試験かつ向上させるためにリハ
ビリの早い段階で広く使用されている。使用者はマット上の特定の位置に立ち、
怪我をした足で立っているように治療対象外の足を持ち上げることが要求される
かもしれない。マットは使用者がどのくらいの間その姿勢を維持できるかまたは
使用者が所定の時間で何回接地するか記録する。

【００５３】 本発明を用いて利用してよい別の一般的な運動はランジ（lunge）である。ラ
ンジは広く用いられる運動であり、開始位置の近傍の簡単な前方ランジから身体
と対角線に交差する困難な長いランジまで変化する。各ランジは同一の開始位置
から行われ、この開始位置は運動が進行する前に戻しておくべきである。

【００５４】 本発明を用いて行われ得るさらなる運動は、様々なホッピングパターンである
。おそらくリハビリの後半の段階で使用されるであろうが、マットは患者が飛び
移るための的を提供してもよい。この運動は、方向を素早く変更するため、一般
的な機敏さ、応答時間および平衡感覚の乱れを反映する。装置は、どこで、何回
、どのように誤りが生じるか、いかに早くパターンを完了させることできるか記
録可能である。

【００５５】 本発明のマット上で行われ得るさらなる運動は、前方および側方ランジ、コウ
ノトリ姿勢、ロンバーグ（Romberg）試験、摂動訓練（perturbation training）
のサイドステップ、筋肉緊張訓練およびストレッチ訓練ならびにランニングをも
含むが、これらに限定されるわけではない。

【００５６】 使用者がどんな動作を要求されているかという指示または指令を適当ないかな
る手段で使用者に伝達可能である。使用者に指示または指令を伝達する手段は、
無線通信であってもよくこの場合、必ずしも制御ユニットに取り付けられる必要
はない。これは、使用者が運動プログラムを行いながら見ることが可能なテレビ
画面または液晶デジタル画面上の指示によってでもよい。画面上のディスプレイ
は、いかなる適当な手段を用いてもよいが、通常、何の指示であるかという成文
指示または図形表示であり得る。また、指示を他の視覚手段によって使用者に伝
達してもよい。例えば、場合に応じて電源が入ったり切れたりする発光体に移動
するよう、マット内に発光体が使用されている場合。さらに装置は、マットに光
を投射する手段を含んでもよく、使用者はマット上の光の投射地点に移動しなけ
ればならない。しかしながら、指示は、簡単な音声手段、即ち音声テープまたは
デジタル化された音声を用いてもよい。本発明の最も簡潔な実施形態において、
運動プログラムを行うための使用者への指示は、一枚の紙に書かれていてもよい
。一旦装置が使用者に運動を開始するよう指示すると、例えば、これは、制御ユ
ニットに電源が入り、運動を監視し記録する準備ができたことを示す。適切には
、使用者は紙に書かれた書面どおりに運動を行ってもよい。

【００５７】 本発明は、何の運動を行うべきか使用者に指示するほかに、運動が正確になさ
れたかどうか使用者に知らせるための手段を有してもよい。連絡または情報の使
用者への伝達は、適当ないかなる手段、例えばひかりまたは音声を用いてもよい
。

【００５８】 ユーザが運動を正しく行っていたかどうかをユーザにフィードバックさせるた
め、フィードバックシステムは、以下の段階を有してもよい： スタート−運動開始前に正しい中立または開始位置を示すものであるが、さ
らに運動終了時に中立位置を示すようにしてもよい。これは、中立音、例えばブ
ザー、または光、例えば白色光によるべきである。これにより、ユーザは、運動
を毎回正しく開始しているという自信を与えられる。正しい開始位置は、直ちに
慣れたものとなり、リハビリの管理の感覚、みずからによる方向決定の感覚、お
よび所有者たることの感覚を与える。

【００５９】 ヒット/サクセス−予め定められた指示/運動がうまくいったことを示す。こ
れは、肯定的な音、例えばベル、または緑色光によるべきである。これにより、
患者の自信が強化され、うまくいけば動機付けが付与されると期待される。

【００６０】 上達とは、予め定められた指示/運動がうまくいき、前回記録された試みを上
回ったことを示す。これは、連続ベル音、または緑色閃光によることが可能であ
る。これは、ユーザに動機付けを与えるために設計されたものである。

【００６１】 ミス−指示/運動が正しく行われなかったことを示す。これは、否定的な音、
例えば低音ブザー、または赤色光によることが可能である。この後に、再スター
トコマンドおよび正しい中立位置でのスタート指示が続くべきである。この目的
は、有害であるかもしれない不正しい運動を防止し、これにより、ユーザに自信
を与えることである。

【００６２】 警報−これは、運動制限を習得する必要のあるユーザに対して用いられる。例
としては、背部の患者においての正しい姿勢の習得、正しい持ち上げ方の習得、
不均等な体重のかけ方の防止、股関節部置換術後の股関節部脱臼の回避、および
TKR（人工膝関節全置換術）後の伸展のしすぎの回避が挙げられる。目的は、ユ
ーザに、彼らがROM（関節可動域）に接近しつつあることを知らせ、従って有害
であるかもしれない運動を防止することである。このインジケータは、琥珀色光
、低レベルの発信音、または振動であってもよい。これは、再損傷を防止し、治
癒を促進し、かつ患者に管理の感覚および自信を与える。

【００６３】 パフォーマンスレベル−高度に動機付けされたユーザ、例えば競技者や運動愛
好者、および高いレベルの健康状態に達しようと決心したユーザに対して、ヒッ
ト、ミス、および上達を、棒グラフまたはパーセンテージで示すことができる。
活動の繰返し回数をさらに、簡単なカウンタで表示するようにしてもよい。これ
により、動機付けおよび管理の感覚が与えられる。

【００６４】 ユーザへの指示は、光または音の形態であってもよいが、この発明では、コマ
ンド信号がフィードバックインジケータと混同されないように設計されるべきで
ある。

【００６５】 この発明の装置が自宅用である場合、ユーザが療法士のところに行く回数を減
らすため、この発明の装置はさらに、好適には、ユーザが行った運動に関する情
報を療法士に伝達する手段を有する。このようにして、療法士は、ユーザに会う
ことなく、ユーザの進捗をモニタすることができる。装置から理学療法士へこの
情報を伝達する手段は適当なものであればどうのような手段も用いることができ
ると考えられる。これらの手段としては、スマートカードが挙げられる。このス
マートカードにより、運動パフォーマンスデータを装置から収集し、その後、こ
のスマートカードを療法士のところへ持っていったり送ったりすることのできる
。この装置はまた、データを療法士事務所へ送付することができるように、電話
モデムを備えてもよい。これは、このプログラムされた装置それ自体により設定
時間に捕捉されるようにしてもよいし、ユーザまたは療法士が要求するときに捕
捉されるようにしてもよい。

【００６６】 この発明の装置はまた、療法士のクリニックにおいて用いられるようにしても
よいし、療法士の存在下で用いられるようにしてもよく、これにより、療法士は
、以前よりも迅速にまたは以前よりも効率的にユーザをモニタすることができる
かもしれない。

【００６７】 この装置はその内部に、警報システムがプログラムされるようにしてもよい。
この警報システムは、設定回数だけ設定効率で運動が完了されると、ユーザまた
は療法士に情報をダウンロードするように警報を与えるものである。

【００６８】 最も簡単な形態においては、データが印字されて療法士に送られるようにして
もよいし、装置それ自体が療法士のところへ返却されるようにしてもよい。

【００６９】 この発明はさらに、 接触および/または位置センサを有する薄層板と、接触および/または位置セン
サからの出力を処理するプロセッサとを接続する工程を含む運動用装置の製造方
法を提供する。

【００７０】 この発明はさらに、 感圧手段を有するマットを備え、感圧手段がマット上での接触を感知し、かつ
、マット上での接触位置を検出でき； 感圧手段からの出力を受け取るために感圧手段と内部接続された制御手段とを
接続する工程を含み； 制御手段がさらに、感圧手段からの出力を処理するプログラムされた処理手段
と、感圧手段からの処理されたデータ出力を保持するメモリ手段とを含み； 制御手段がさらに、ユーザに、所定の運動プログラムを行うように指示を与え
る手段を有する 運動用装置の製造方法を提供する。

【００７１】 さらに、この発明によれば、 感圧手段を有するマットを備え、感圧手段がマット上での接触を感知し、かつ
、マット上の接触位置を検出でき、マットに印加された圧力または力量を検出で
き； 感圧手段からの出力を受け取るために感圧手段と内部接続された制御手段とを
接続する工程を含み； 制御手段がさらに、感圧手段からの出力を処理するプログラムされた処理手段
と、感圧手段からの処理されたデータ出力を保持するメモリ手段とを含み； 制御手段がさらに、ユーザに、所定の運動プログラムを行うように指示を与え
る手段を有する 運動用装置の製造方法が提供される。

【００７２】 この発明を、下の図面を参照しながら単に例示によりさらに説明する。

【００７３】 図1は、感圧マット(1)が制御ユニット(2)に取り付けられたこの発明の第1の実
施態様を示す。制御ユニット(2)はさらに、所定の運動プログラムの音声指示を
装置のユーザに与えることができるマイクロプロセッサ(3)に接続されている。

【００７４】 図2は、この発明の第2の実施態様に従って用いられる感圧マット(21)を示す。
マット(1)は、その上面にターゲット格子を有する。

【００７５】 図3は、感圧マット(4)が静電容量感知マットである、この発明に従って用いら
れる感圧マット(4)を示す。マットの上面近くに配置された、各格子スペースに
つき1個のセンサ(図示せず)が、格子スペース近くのユーザの身体部分または四
肢と、センサの、ユーザの身体部分または四肢とは反対側に配置されたアースス
クリーン間の静電容量を測定することができる。

【００７６】 簡単にするためには、この静電容量感知マットは、ユーザが特定の格子上に存
在するかどうかを検出することができるよう、静電容量の変化を測定しさえすれ
ばよいと考えられる。しかしながら、静電容量の感知を、より高性能化し、実際
の静電容量値を測定できるようにすることが可能である。静電容量値は、四肢ま
たは対象が静電容量感知マットに対してどのくらいの近さにあるかを示すのに用
いることができる。

【００７７】 図4〜8は、図3に示すマットの1個の格子部分の種々の層を示しており、これら
の図については以下の実施態様においてさらに説明する 図9に示すマットの2個のインターロッキングポーションは、円筒形胴部に固定
された目違いジョイントを介してインターロックし、これにより、このジョイン
トにおいて回転および運動が可能となる。従って、これらのインターロッキング
ポーションを接続し易くなると共に、マットを厳密に水平にしておく必要がなく
なる。内部回路が、インターロッキングポーションのコネクターパートの中心点
に、可撓性を持った導電性ストリップを介して接続されており、従って、データ
の送信を行うことなく、ジョイントにおいて運動を行うことができるようになっ
ている。

【００７８】 図10は、フィンガージョイント機構により互いにロックする、この発明のマッ
トの2個のインターロッキングポーションを示す。導電性要素が、フィンガージ
ョイントのうち1個の外側に設けられている。この導電要素が、隣接するインタ
ーロッキングポーションのジョイントのうち1個の第2のポーション中に差し込ま
れるようにしてもよい。インターロッキングポーション間の接触角度は、これら
のポーション間での情報の伝達を維持しながら、ジョイントにおいて回転および
運動を完全に行うことができる範囲内での２70度にしてもよい。

【００７９】 図11は、スナップ嵌めボールおよびいんろう継手により互いにジョイントする
、この発明に従ったマットの2個のインターロッキングポーションを示す。これ
ら2個のポーションは、簡単にぽんと互いに嵌合してリンクを形成する。このジ
ョイントはその表面に適当な伝導体が塗布されており、従って、データおよび電
力の電気的伝達が可能となっている。このジョイントは、ボールおよびいんろう
継手のジョイントであるので、データの伝達を助けつつ意外性のある運動を行う
。

【００８０】 この発明の製造法および使用法の例を以下に記載する。

【００８１】 実施例1 この運動用装置は、2列の平行な金属製ストリップを有する3D感圧マットを備
えており、各列のストリップは、上面および下面に沿って互いにほぼ垂直に延び
ている。圧力がマットに印加されると、これらの金属製ストリップ間が接触し、
マット上のどの位置に接触が生じたのかが制御ユニットに示される。マット表面
上での接触間の位置および時間の間隔がモニタされる。マットは床に配置され、
ユーザはマイクロホンで音声により、マット上の種々の位置に左足または右足を
置くことにより特定の運動をするように指示を与えられる。格子は、約1.5 m×1
.5 mであり、2色でコードされた格子を有する。青色の直線による格子により、
各辺の長さが15 cmの正方形が構成されており、これらの正方形は、赤色の破線
による格子により4個に等分に分割されている。青色格子は、正方形の中央に青
色の数字により1から100まで標識されている。制御装置は、ユーザに、種々の位
置に左足または右足を動かすように音声マイクロプロセッサで指示を与えるよう
にプログラムされている。この情報は、制御手段内に収集され記憶される。運動
プログラム実施の後、収集されたデータは、モデムを介して電話により療法士の
クリニックにある中央データ収集ステーションに送信され、従って、療法士がこ
のデータを後で分析する。療法士は従って、患者によるコンプライアンス、およ
びプログラムされた運動を行う際の正確さおよび速さをモニタすることができる
。このように、療法士は、ユーザのモニタにおいてかなりの時間を節約できるば
かりでなく、運動を行う利点をもモニタすることができる。

【００８２】 実施例2 この運動用装置は、ドアに掛けるゴム製感圧マットを備えている。このマット
は、マットに付いている軽量プラスチック製クリップでドアに吊り下げられ、ド
アの上部に掛けられる。ドアは、マットを適所にしっかりと保持するため締めら
れる。このマットの感圧手段は、2列の平行な金属製ストリップからなり、各列
のストリップは、上面および下面に沿って互いにほぼ垂直に延びている。圧力が
マットに印加されると、互いに平行に延びたこれらの金属製ストリップが接触し
、そして、この感圧装置に取り付けられた制御ユニットが、マットにいつ圧力が
印加されたのか、マットのどの位置に印加されたのかについてのデータを収集す
ることができる。マットは、約1 m×1 mであり、マットの外側面に直径15 cmの
様々な色の円が設けられている。感圧手段は制御ユニットに接続され、この制御
ユニットはそれ自体、カラーTVにこのTVのエアリアルソケット(aerial socket)
を介して接続される。ユーザがマットの隣に位置するとき、TVは、ユーザの視界
内に配置される。制御ユニットがユーザに指示を伝達し、このとき、TVスクリー
ンが、療法士により予めプログラムされた所定の運動プログラムに従い、ユーザ
が手を持っていくように指示される特定の色の円を表示する。ユーザのコンプラ
イアンス、および運動プログラムをユーザが行うときの正確さおよび速さがモニ
タされる。このデータが制御ユニットにより収集され、そして、療法士がモデム
を介して電話により中央データ収集ステーションへダウンロードするまで記憶さ
れている。

【００８３】 実施例3 ユーザがターゲット位置に左肘を持っていくように要求されることを除いて同
様である。

【００８４】 実施例4 図3に示すように、4×3（4個のパッド×3個のパッド）で配置され、番号付け
された12個のパッドからなるマット上で運動を行う。各パッドは、300 mm×300
mmであり、ラップトップ型パソコン(PC)に接続される個々の電子機器を有する。
この電子機器は、個々のパッドとの接触がいつ行われたのかを検出することがで
きる。

【００８５】 ソフトウエアLabview v5.1を用いてこのPCにより、患者/療法士インターフェ
イスおよびデータ分析を行う。

【００８６】 パッドは、多数の層で構成されている。第1の層(図4)は、中央に配置された17
0 mm×170 mmの正方形のセンサと、このセンサを取り囲んでいるがそれに触れて
はいない205 mm×205 mmのスクリーン(6)とを備えている。このスクリーン(6)は
、第3の層(図6)のアーススクリーンに接続されており、例えば他のセンサからの
電気的干渉を防止するよう働く。

【００８７】 第2の層(図5)は、センサと同じ大きさでかつセンサの真下に位置するガードプ
レート(8)を有する。

【００８８】 言及した第3の層(図6)は、センサ(5)およびガードプレート(８)よりも大きく
かつ205 mm×205mmのアーススクリーン(7)を有する。これは、例えば床方向から
センサへ電気的に干渉されるのを防止するよう働く。

【００８９】 第4の層(図7)は、厚さ1.5 mmのビニル製床カバーの裏打ち層である。

【００９０】 キャラコシート(綿織物)で構成された上部層(図8)が、電極の摩耗を防止する
ために、かつアイロンでつけられるインクジェットフィルムにより固定されたタ
ーゲット番号のための固定具となるために、上部層に貼り付けられている。

【００９１】 上述の層は、身体部分または四肢がキャパシタを完成するようにし、かつ、セ
ンサがガードプレートとユーザの身体部分間の電気的差異を検出するように、静
電容量コンタクトセンサを構成する。静電容量センサは従って、ユーザの接触の
有無を検出することができる。この発明の高性能化された実施態様においては、
静電容量センサは、検出された静電容量の読み取り値を与えることができる。

【００９２】 センサを取り囲むスクリーンは、電子的干渉に対してセンサを保護し、かつ、
ユーザが特定のパッドに近接しているにすぎない場合、すなわちユーザが隣接し
たパッド上に立っているかこのパッドの上を移動しているにすぎない場合、この
ガードプレートとユーザの身体間の静電容量をセンサが測定しないよう働く。

【００９３】 層は、接着剤で貼り合わせる。

【００９４】 運動ファイルまたはコンピュータプログラムは、テキストファイルであり、PC
にロードされる。この例のコンピュータプログラムは脚用運動プログラムである
。

【００９５】 プログラムは、ベーススクエアが存在するのかを尋ねることにより、ユーザが
片足を動かすのか両足を動かすのかを尋ねるように設定されている。これは、運
動中、患者がその健康な足を動かすことのないスクエアである。両足を動かす場
合、ベーススクエアは存在せず、「0」が入力される。マットプログラム動作は
、マット番号の後に単一文字を加えることにより変更することができ、例えば「
b」は、マットがベーススクエアであることを表わし、運動ファイルの1行目での
み有効あり、「c」は、次のターゲットが表示される前にマットに患者が正しく
移動しなければならないことを表わす。

【００９６】 右足は健康であって運動を必要とせず左足の運動を行う患者のためのランジ運
動では、プログラムを、次のように動かしてもよいかもしれない。 運動ファイル 患者の動作 11b ベーススクエア(スクエア11)に右足を置く 10c 左足をスクエア10に置く 5 左足をスクエア5に移動し、次いでスクエア10に戻す 10c 左足をスクエア4に移動し、次いでスクエア10に戻す このソフトウエアの特徴としては： 1) 右足をベーススクエアに載せたりそれから下ろしたりする 動作は無視され、患者の動作とはみなされない。従って、ベーススクエア上に偶
然に足が跳ね上がることが、ターゲットを変わることはない。

【００９７】 2) スクエア10から離れようとする試みはただ1回だけ許される。従って、患
者が次のスクエア（例えばスクエア4または8）にランジしそこねた場合、この失
敗が運動データログに記録され、ターゲットスクエアがスクエア10に変わる。

【００９８】 3) スクエア10へ戻る帰還運動は、完全に正しく行われなくてはならず、左足
がスクエア10だけに載るまでターゲットは変わらない。

【００９９】 スクエア10に到達しそこね、その結果、誤ったスクエアに偶然着地してしまっ
たり次のスクエアから戻る途中でマットの上に足を引きずってしまったりする試
みは、やはりログに記録される。

【０１００】 結果 結果のファイルネームは、ソフトウエアプログラムにより選択されるものであ
る。これは、運動ネームであり、後に番号が続き、「txt」で終わる。従って、
「ランジ017.txt」には、ランジ運動が行われた17回目に言及する結果が含まれ
る。ファイルは、ほぼあらゆるワードプロセッサで読み取ることができる。

【０１０１】 典型的なランジ結果ファイルは、この例に見られるようなものである： 開始日：2000年1月26日 開始時間：14:33:22 運動：ランジ ターゲット:10 ヒット:10 正しい ターゲット:06 ヒット:10 0.935 秒 正しい ターゲット:10 ヒット:10 0.566 秒 正しい ターゲット:07 ヒット:07 0.926 秒 正しい ターゲット:10 ヒット:10 0.516 秒 正しい ターゲット:09 ヒット:09 1.182 秒 正しい ターゲット:10 ヒット:10 0.515 秒 正しい ターゲット:05 ヒット:06 1.399 秒 ターゲット:10 ヒット:10 1.028 秒 正しい ターゲット:02 ヒット:06 1.233 秒 正しい ターゲット:10 ヒット:10 0.830 秒 正しい ターゲット:03 ヒット:03 07 1.289 秒 ターゲット:10 ヒット:10 0.921 秒 正しい ターゲット:01 ヒット:06 3.493 秒 ターゲット:10 ヒット:10 4.063 秒 正しい ターゲット:08 ヒット:07 2.765 秒 ターゲット:10 ヒット:02 5.300 秒 ヒット:06 10 6.322 秒 ヒット:10 2.000 秒 正しい ターゲット:04 ヒット:07 1.842 秒 ターゲット:10 ヒット:06 1.388 秒 ヒット:10 3.592 秒 正しい 実施例5 飛び跳ね運動 実施例4のマットおよび装置を用いて飛び跳ね運動を行う。これらの運動を用
いていずれかの脚の運動を行うことができる。しかしながら、運動ファイルは、
療法士が勧める方向へ患者が飛び跳ねる回数が増えるように変更する必要がある
かもしれない。 患者の動作 運動ファイル （ベーススクエアなし） 0 右足を開始スクエア(スクエア1)に置く 1c スクエア6への飛び跳ね 6c スクエア７への飛び跳ね 7c スクエア10への飛び跳ね 10c など など このソフトウエアの特徴としては： 1) 患者により行われる過剰な飛び跳ね回数に係わらず、全ての飛び跳ね動作
が正しく行われる必要がある。

【０１０２】 2) 同じスクエア上での例えば平衡を取り戻すために飛び跳ねが検出される
が、ターゲットの変更は行われない。

【０１０３】 3) スクエアからスクエアへの足運びは、隣接していない2個のスクエアでの
接触が検出された場合に限って見つけられる。両方の接触は、結果ファイルに記
載され記録される。

【０１０４】 実施例4と類似した結果が得られる。

【０１０５】 実施例6 平衡運動のために、実施例4に記載されているようなマットを用いた。この例
での平衡運動ファイルの目的は、患者の右足の安定性および強度を試験すること
である。原則的には、マット上に立ち、別の方向を向くことにより、同じ運動で
左足を試験することができる。 患者の動作 運動ファイル ユーザは、両眼を閉じ、 7b ベーススクエア(スクエア1)に片足で立つ。 6c ユーザが他方の足を下ろしたりベーススクエア 0t から足を離したりするまでの時間が計られる。 2c これを何度か繰り返す。 6c 0t など 特徴としては： 1) 患者または療法士がいったんコンピュータを始動させると、全てのコマン
ドがマットを介して行われる。

【０１０６】 2) 計時平衡の難しい点は、患者が、マットの上を移動したり姿勢を整えたり
しながら片足で立っているかもしれないということである。従って、単にいつ片
足がマットに触れたのかを検出することには意味がない。

【０１０７】 3) マットタイムは以下のように始動される。患者は、右足をベーススクエア
(スクエア1)に載せ、左足はスクエア6には置かない。右足を動かすことなく、左
足をスクエア6に乗せる。患者が左足を持ち上げると直ぐに、ソフトウエアが平
衡継続時間を計時し始める。足を下ろしたりベーススクエアから離れたり(踏み
外して落ちたり)すると直ぐにタイマが止まる。

【０１０８】 4) 任意には、患者は、平衡運動を繰り返す準備ができた時点で、始動シーケ
ンスが始まるようにスクエア2へ足を持っていくことができる。これは、患者が
運動を繰り返す前に気を取り直すことができるため、望ましいことであるかもし
れない。

【０１０９】 5) 患者は、始動シーケンスを始め次いで中止したいと思った場合、他のいず
れかのスクエアに触れるか、単にマットから離れて歩く。

【０１１０】 典型的な結果は、この例に見られるようなものである： 開始日：2000年1月26日 開始時間：14:51:54 運動: スタンス ヒット: 09 ヒット: 07 ヒット: 06 07 ヒット: 05 07 0.303 秒 ヒット: 05 ヒット: ヒット: 06 ヒット: 06 07 ヒット: 07 ヒット: 06 07 ヒット: 07 ヒット: 05 07 8.224 秒 ヒット: 07 ヒット: 06 07 ヒット: 07 ヒット: 4.112 秒 ヒット: 06 ヒット: 07 09 ヒット: 06 07 ヒット: 07 ヒット: 9.724 秒 ヒット: 11 ヒット: 07 ヒット: 06 07 ヒット: 07 ヒット: 07 ヒット: 07 10 2.631 秒 ヒット: 07 ヒット: 07 10 ヒット: 07 ヒット: 06 07 ヒット: 07 ヒット: 06 07 0.403 秒 ヒット: 07 運動終了 終了時間：14:54:49 着地数：６ 継続時間：0分25.4秒 平衡運動にはターゲットが存在せず、患者が平衡をとっているときの時
間が記録されるだけである。結果ファイルは、着地数および、合計平衡継続時間
で終わる。所望であればさらに詳細な統計表を加えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の第1の実施態様に従った装置を示す。

【図２】 この発明の第2の実施態様に従ったマットを示す。

【図３】 この発明の第3の実施態様に従った静電容量感知マットを示す。

【図４】 図３に示したマットのパッドの第1の層を示す。

【図５】 第1の層の下に配置される、図3に示したマットのパッドの第2の層を示す。

【図６】 第2の層の下に配置される、図3に示したマットのパッドの第3の層を示す。

【図７】 第3の層の下に配置される、図3に示したマットのパッドの第4の層を示す。

【図８】 第1の層の上に配置される、図3に示したマットのパッドの上部層を示す。

【図９】 この発明の1つの実施態様に従ったマットの2個のインターロッキングポーショ
ンの斜視図を示す。

【図１０】 この発明の他の実施態様に従ったマットの2個のインターロッキングポーショ
ンの斜視図を示す。

【図１１】 この発明の他の実施態様に従ったマットの2個のインターロッキングポーショ
ンの斜視図を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ， ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ， ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，Ｌ Ｃ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ， ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，Ｔ Ｊ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 パウンダー，ネイル，マルコム イギリス、ヨーク ワイオー19 ６エーゼ ット、ウェルドレイク、ザ クランブルッ クス 28 (72)発明者 ウェブ，ジュリアン，アンソニー イギリス、ニア タッドキャスター エル エス24 ８イーエヌ、コルトン、コルトン レーン、スティートン ホール ファー ム コテージズ １

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 センサを有する薄層板を備え、センサが薄層板上での接触、
   および/または薄層板上の、または薄層板に隣接した位置を感知し； さらに、接触および/または位置センサからの出力を処理するプロセッ
   サを備えた運動用装置。
2. 【請求項２】 圧力センサをさらに備えた請求項１に記載の運動用装置。
3. 【請求項３】 接触センサが、圧力センサを兼ねた請求項１に記載の運動用
   装置。
4. 【請求項４】 メモリデータベースをさらに備えた請求項１〜３のいずれか
   １つに記載の運動用装置。
5. 【請求項５】 ユーザに指示を与えるためのメッセージ伝達装置をさらに備
   えた請求項１〜４のいずれか１つに記載の運動用装置。
6. 【請求項６】 圧力センサが、薄層板に加えられた力または圧力を測定でき
   る請求項２または３に記載の運動用装置。
7. 【請求項７】 マットが1個またはそれより多い標識付きターゲット位置を
   備えた先行する請求項のいずれかに記載の運動用装置。
8. 【請求項８】 標識付きターゲット位置が格子により確認される請求項７に
   記載の運動用装置。
9. 【請求項９】 接触センサが、静電容量接触センサである請求項１に記載の
   運動用装置。
10. 【請求項１０】 静電容量接触センサが、漂遊電気要素からセンサを保護す
    るために上記センサ要素の周囲に部分的にスクリーンを有する請求項９に記載の
    運動用装置。
11. 【請求項１１】 メモリデータベースが、スマートカードに記憶されてなる
    請求項４に記載の運動用装置。
12. 【請求項１２】 メッセージ伝達装置により伝達される情報が、スマートカ
    ードに記憶される請求項５に記載の運動用装置。
13. 【請求項１３】 データを運動用装置からデータ収集ユニットへ送信するた
    めにモデムをさらに備えた請求項５に記載の運動用装置。
14. 【請求項１４】 運動用装置が携帯用である先行する請求項に記載の運動用
    装置。
15. 【請求項１５】 ユーザに指示を与えるためのメッセージ伝達装置が、TVま
    たはLCDスクリーン、または一組の光である請求項５に記載の運動用装置。
16. 【請求項１６】 薄層板が、マットである請求項１〜６のいずれかに記載の
    運動用装置。
17. 【請求項１７】 接触および/または位置センサを有する薄層板と、接触お
    よび/または位置センサからの出力を処理するプロセッサとを接続する工程を含
    む運動用装置を製造する方法。