JP6220430B2 - 転倒リスク評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バランス能力および移動歩行能力の低下に伴う転倒リスクの評価装置に関する。
一般的に、高齢者は加齢とともに身体機能が低下し、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの「運動器」の疾患および機能不全が生じやすくなる。日本整形外科学会、日本運動器リハビリテーション学会、日本臨床整形外科医学の3学会は、「運動機能低下を来す疾患患者で、高齢化によりバランス能力および移動能力の低下が生じ、閉じこもりや転倒リスクが高まった状態」を「運動器不安定症(MusculoskeletalAmbulation Disability Symptom Complex:MADS)」という疾患名で示している。
これまでの研究において、運動器不安定症群は歩行能力の低下を主体とする病態であることが明らかにされている。それは歩行・移動能力が低下してしまうと、歩行中の転倒、およびそれによって生じる骨折などを招きやすくなる。そのため、転倒・骨折を避けるために閉じこもりがちとなり、日常生活での障害を伴う「運動器不安定症」となるためである。高齢化社会は今後も益々進んでいくことから、歩行・移動能力の低下の早期発見と、その人に最適な転倒予防・改善運動プログラムが求められている。
従来、運動器不安定症の評価指標の一つとして「TUG(Timed Up & Go Test)」がある。TUGは肘掛のついた椅子にゆったりと腰かけた状態から立ち上がり、3mを最大速度で歩き、折り返してから再び深く着座するまでの所要時間により、主に転倒リスクを評価するものである。
TUGテストは検査者間の信頼性が高く、易転倒性との関連性が極めて高いことから、高齢者の身体機能評価方法として広く用いられている。しかし、TUGテストにより身体機能評価を行うには、3m以上の広い空間が必要となる。このため、例えば診察室あるいは被験者である高齢者宅などで、TUGテストは行えない、という問題がある。また、高齢者によってはTUGテストを行うこと自体が、転倒・骨折を招くというリスクもある。このため、TUGテストに代わる転倒リスクの評価方法が求められており、これまでにいくつかの評価方法および評価技術が提案されている。
下記特許文献1には、被験者の下肢力を測定するため、載せ台に載せられた被験者の体重を測定し、載せ台上で被験者が第1の姿勢から第2の姿勢へ移行した場合の載せ台に対する荷重の最大ピーク後に現れるピークと最小ピークとに基づいて、被験者の下肢筋力を測定し、被験者の体重と、測定された被験者の下肢筋力とに基づいて、被験者の下肢筋力の評価値を算出する技術が開示されている。
また、特許文献2には、段差上に設けられた荷重検出部に、被験者が登攀したときの荷重の時間的変化から筋力パラメータを演算し、制御部により筋力パラメータに対する下肢筋力の評価項目について予め定められたマップを用いて、被験者の下肢筋力を評価する技術が開示されている。
特開2008−92979号公報 特開2014−28129号公報
加齢に伴う歩行能力の低下による転倒リスクは、日常生活状態に近い条件で評価することが好ましい。しかし、特許文献1が開示する技術は、被験者がしゃがみ姿勢から立ち姿勢へ移行した場合の荷重のピークに基づいて、下肢筋力を評価するものであり、歩行能力の低下に伴う転倒リスクとの関連性が希薄である。また、TUGテストとの関連についても考慮されていない。
特許文献2が開示する技術は、被験者が段差上へ登攀したときの荷重の時間的変化に基づいて、被験者の下肢筋力を評価するものであり、好ましい段差は10cmから40cmとなっている。しかし被験者によっては、10cmの段差を越えることが難しく、かつ、そのこと自体が転倒を招いてしまう、というリスクもある。一方で10cmから40cmの段差が越えられなくても転倒リスクが少なく、日常生活が自立できている高齢者も少なからずいる。
さらに特許文献1、特許文献2ともに荷重の時間的変化から下肢筋力を測定により歩行能力を評価している。しかし歩行能力は、下肢筋力だけでなく、バランス、易転倒性といった日常生活機能を含めて評価できれば、より信頼性の高い評価を得ることができる。
そこで、本発明の課題は、下肢筋力、バランス、歩行能力、易転倒性といった日常生活との関連性が高い生活機能を含め、被験者の転倒リスクを簡便に評価できる評価方法およびその評価装置を提供することにある。また、その評価により得られた結果に基づいて自立的に日常生活を送るための転倒予防・改善運動プログラムを提示することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、検者が片方の足で所定の時間内にタップした片足タッピングの回数を電気信号として出力する手段を備えたマットと、被験者が椅子に座って片方の足で所定の時間内に足関節底背屈した回数を電気信号として出力する手段を備えた足関節底背屈測定器と、前記マット及び前記足関節底背屈測定器とを接続する測定器と、前記測定器からのデータを表示する入出力装置とを備えた転倒リスク評価装置において、前記測定器は、前記片足タッピング回数を検出し記憶する測定データ記憶部1と、前記測定データ記憶部1に記憶されている前記片足タッピング回数とTUGテスト値との相関関係式から前記タッピング回数をTUGテスト値に変換するデータ変換部と、前記変換された変換TUGテスト値から前記被験者の転倒リスクを評価する評価部と、座位片足タッピング回数を検出し記憶する測定データ記憶部2と、前記足関節底背屈の回数を記憶する測定データ記憶部3と、前記測定データ記憶部1と、前記測定データ記憶部2と、前記測定データ記憶部3とに記憶されているデータとから、転倒リスクと下肢支持力及び/又は体幹機能、あるいは足関節について転倒リスクの改善を促す運動プログラムを提示する運動プログラム作成部とを備えたことを特徴とする転倒リスク評価装置である。
請求項2に記載の発明は、前記足関節底背屈測定器は、短手方向の中心線上に配置された回転軸受部の回転軸を挟んで上下する長方形の底板と、前記底板の上面である片足を載置する載置台と、前記底板の下面に設けられ、前記底板の長手方向の下面端部が着離床することでオンオフするスイッチとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の転倒リスク評価装置、である。
上述したように本発明によれば、下肢筋力、バランス、歩行能力、易転倒性といった日常生活との関連性が高い機能を含め、被験者の転倒リスクを簡便に評価できる評価装置を提供することができる。また、その評価により得られた結果に基づいて自立的に日常生活を送るための転倒予防・改善運動プログラムを提示することができる
本発明の一実施の形態に従う転倒リスク評価装置のブロック図である。 本発明の一実施の形態に従う転倒リスク評価装置で、被験者が片足でタップを行う動作(OLT:片足タッピング)を説明する図である。 本発明の一実施の形態に従う転倒リスク評価装置で、被験者が座位で片足でタップを行う動作(Sit OLT:座位片足タッピング)を説明する図である。 本発明の一実施の形態に従う片足タップを検知するマットからの信号を測定する測定器の構成を示した図である。 本発明の一実施の形態に従う片足タッピング回数を検知するマットの構成を示した図である。 本発明の一実施の形態に従う、被験者が足首を背屈する動作(DPT:足関節底背屈テスト)を検知する測定器の斜視図である。 本発明の一実施の形態に従う、被験者が足首を背屈する動作(DPT:足関節底背屈テスト)を検知する測定器の側面図とスイッチ部の拡大図である。 本発明の一実施の形態において、転倒リスクを評価するためのフローチャート(1)である。 本発明の一実施の形態において、転倒リスクを評価するためのフローチャート(2)である。 本発明の一実施の形態における片足タッピング(OLT)テストのフローチャートである。 本発明の一実施の形態における座位片足タッピング(Sit OLT)テストのフローチャートである。 本発明の一実施の形態における足関節底背屈テスト(DPT)のフローチャートである。 転倒リスクの評価値としてのTUGと片足タップの回数との関係性を示した図である。 本発明の転倒リスク評価結果レポートの一実施例である 本発明の転倒リスク評価結果レポートの一実施例である。 足関節、下肢引上げ力、両下肢支持力、体幹機能のそれぞれの課題に対するエクササイズの対応を示した図である。 足関節に問題がある場合のエクササイズと、下肢支持力に問題がある場合のエクササイズを示した図である。 下肢引上げ力の問題がある場合のエクササイズと、体幹機能向上のためのエクササイズを示した図である。 足関節に問題がある場合のエクササイズを実施している様子を示した図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は本発明の一実施の形態に従う転倒リスク評価装置のブロック図である。
転倒リスク評価装置1は、転倒リスクの評価を受ける被験者が片足を載せ、その上でタップするマット10、足関節の動きを評価するための足関節底背屈測定器100、マット10又は足関節底背屈測定器100、これらと信号ケーブル11により接続され、被験者が片足タッピング回数や足関節底背屈回数をカウントし、その値を記憶する等の機能を備えた測定器20、測定器20と接続し転倒リスクの評価結果を表示するディスプレイ31と、被験者の氏名等の入力を行うキーボード32を備えた入出力装置30とから構成される。なお、片足タッピングとは、着床した足部が離床して再び着床することを言い、これを1回と数える。片足タッピングでは、支持は脚のみとして他の部位での支持はしない。一方、身体各部位の姿勢などの規制はしない状態で行うものである。
図2は被験者がマット10上でタップを行う動作を示した図である。片足タップは、片方の足を支持足(軸足)とし、マットをタップする他方の足をマット10上に載せる。そして、所定の時間(測定時間)内に、被験者に可能な範囲で片足タップを行ってもらい、そのタップの回数(タッピング回数)をカウントする。ここでマット10は、被験者が段差と感じられない薄いもの、より具体的にはシートと呼べる程度の薄いものであることが好ましい。日常生活において実際に歩く状態に近い状態で評価することが、被験者の日常生活機能を正しく評価することになるからである。
このような片足でマットをタップすることを本発明では片足タッピング(One Leg Tapping)と称するが、片足タッピングは、他方の足が軸足として被験者の体を支持している。このため、所定の時間内に片足で何回タップできたかは、被験者の軸足の支持力を含めた身体能力全体の評価となる。片足タッピングは、従来技術のように被験者の下肢力から歩行能力を推定するのとは異なり、日常生活における歩行能力に近い条件から転倒リスクを評価するところに特徴がある。
図3は被験者が椅子に座って片足でマット10上でタップを行う座位片足タッピング(Sit One Leg Tapping:Sit OLT)の動作を示した図である。片足タッピングにより転倒リスクが高いと判断された場合、その原因を見極めるには、支え足の要素をなくした座位片足タッピング(Sit OLT)を行うことが好ましい。座位片足タップは椅子に座り、片方の足をマット10上に載せる。そして、所定の時間(測定時間)内に、被験者に可能な範囲で片足タップを行ってもらい、そのタップの回数(タッピング回数)をカウントする。座位片足タッピングにより、下肢の引き上げ能力を判定することができる。
片足タッピングにより転倒リスクが高いと判断された場合、その原因として足関節に問題がある場合がある。足関節に問題があるか否かを判断するには、足首を前後に背屈させる足関節底背屈テスト(Dorsi Planter Test:DPT)を行うことが好ましい。足関節底背屈テストに用いる足関節底背屈測定器100について、図6、図7において詳述する。
図4は本発明の一実施の形態に従う片足タップを検知するマット10又は足関節底背屈測定器100からの電気信号を測定する測定器20の構成を示した図である。マット10や足関節底背屈測定器100からの電気信号は、検出部211で検出され、検出部211からデータ処理部214に送られ、データ処理部214において、被験者名、体重、身長、日時、右足、左足ごとのタッピング回数、足関節底背屈回数、過去の履歴等と紐づけられる。また、片足タッピング回数は、データ処理部214が備えるTUGテスト値への変換手段(TUGテスト値とタッピング回数の相関関係式により変換)により、TUG変換値に変換される。被験者と紐づけられ片足タッピング回数、座位片足タッピング回数、足関節底背屈回数、TUG変換値等は、測定データ記憶部215に記憶される。また、データ処理部214は、TUG変換値に基づいて被験者の転倒リスクを評価する評価部を含むことは好ましい。運動プログラム作成部216は、得られた評価結果に基づいて被験者に最適な転倒予防・改善運動プログラムを作成する。
指示検出部212は、被験者がタップを開始したことを検出し、測定データ記憶部215に記憶されている被験者に関係するデータを読み出し、電源・制御部217は電源の供給と測定時間の制御や被験者が軸足とタップする足との交換タイミングや終了を知らせる等の制御を行う。
出力部213は、片足のタッピング回数、座位片足タッピングの回数、足関節底背屈回数やその合計値、TUG変換値の出力を制御する。出力制御部213からの出力データは、入出力装置30に送られるとともに表示部218にも送られる。
図5は本発明の一実施の形態に従うタッピング回数を検出するマット10の構成を示した図である。マット10は、上ゴム板110、下ゴム板110−1、それらの内側に上導電層111、下導電層111−1があり、上導電層111と下導電層111−1との間の両端部に絶縁層112挟持される構成となっている。このような絶縁層112の構成により上ゴム板110が被験者により踏まれ加圧されると、上導電層111と下導電層111−1とが接触し、タップが行われたとしてカウントされる。ここで、本実施の形態においては、タッピング回数を検出する検出器としてマットスイッチを用いたが、これに代えて静電容量形圧力センサーや、ピエゾフィルムを用いた圧電式センサーマットを用いることはより好ましい。
図6は足関節底背屈測定器100の斜視図である。足関節底背屈測定器100は、底板107、底板107の短手方向に沿って、その中心線に配置される回転軸受部104、片足を載せ足首を底背屈させることで中心軸を挟んでシーソーにように上下する足載置台101、足載置台101が上下した回数をカウントするスイッチ102、スイッチ102の接点105(図7参照)からの信号を伝達する信号線11を含んで構成されている。なお、足載置台101が上下したときの底板107との衝撃を弱めるために底板107、足載置台101の長手方向端部にはクッション106がそれぞれ突合するように設けられている。
図7は足関節底背屈測定器100の側面図と、その中心部の拡大図である。足載置台101に載せた足首が底背屈されることにより回転軸受部104を起点として足載置台101が回転軸受部104を支点としてシーソーのように上下動する。かかる足載置台の上下動に伴い、足載置台101の下面に設置されているスイッチ102の接点105により、足関節による底背屈回数がカウントされる。
図8は本発明の一実施の形態である転倒リスクを判定するフローチャートを示した図である。被験者は先ず、片足タッピング(OLT)テストを行う(S10)。なお、OLTテストについては、フローチャートは図10において詳述する。
OLTテストの結果、一分間に60回以上片足タップができ(S11)、かつ70回未満の場合は「良い」との判定、70回以上の場合は「とても良い」と判定される(S13)。OLTテストが60回未満で45回以上の場合は、転倒リスクについて「注意が必要」と判定され、また45回未満の場合は「危険」と反転される(S12)。
OLTテストが終了した被験者は座位片足タッピング(Sit OLT)テストを行い(S20)、続いて足関節底背屈テスト(DPT)を行う(S30)。座位片足タッピング(Sit OLT)テストと、足関節底背屈テスト(DPT)については、図11、図12において詳述する。
先に実施した片足タッピング(OLT)テストにおいて、左右のタッピング回数の差の絶対値が6%以上でなければステップ50、ステップ60、ステップ70に進み、絶対値が6%以上であればステップ41に進む(40)。なお、左右のタッピング回数の差の割合(%)とは、分母を左右のタッピング回数の合計とし、分子を左足の回数から右足の回数を引いた値を分子とし、これに100を掛けた値である。
ステップ40において、片足タッピング(OLT)の左右差が6%以上であって、座位片足タッピング(Sit OLT)の左足の回数から右足の回数を引いた値が負(−)の場合はステップ42に進む。
ステップ42において、座位片足タッピング(Sit OLT)の左の回数から右の回数を引いた値が負の合は、ステップ50、ステップ60、ステップ70に進み、ゼロ(0)以上の場合は右足の支持力が弱いと判定されステップ43に進む。
ステップ43において、足関節底背屈(DPT)の左右差が6%以上の場合はステップ44に進み(S43)、6%未満の場合は右下肢支持力、体幹に問題があると判定される(S43,S46)。ステップ44において、左足の足関節底背屈(DPT)の回数が右足の足関節底背屈(DPT)の回数より多ければ、右足関節に問題があると判定される(S45)。また、右足の足関節底背屈(DPT)の回数が左足の足関節底背屈(DPT)の回数より多ければ右下肢支持力、体幹に問題があると判定される(S46)。
ステップ40において、片足タッピング(OLT)の左右差が6%以上であって、片足タッピングの左回数から右回数を引いた値がゼロ(0)以上である場合は、座位片足タッピング(Sit OLT)の左足のタッピング回数から右足のタッピング回数を引いた値がゼロ(0)以下であるかどうか判定し(S47)、ゼロ(0)以下である場合はステップ48に進み左足の支持力が弱いと判定され、そうでなければステップ50、ステップ60、ステップ70へと進む。
ステップ48において、足関節底背屈(DPT)の左右差が6%以上の場合はステップ49に進み(S49)、6%未満の場合は左下肢支持力、体幹に問題があると判定される(S50)。ステップ49において、左足の足関節底背屈(DPT)の回数が右足の足関節底背屈(DPT)の回数より少なければ、左足関節に問題があると判定される(S51)。左足の足関節底背屈(DPT)の回数が右足の足関節底背屈(DPT)の回数より多ければ左下肢支持力、体幹に問題があると判定される(S50)。
図9に示すフローチャートのステップ40において、片足タッピング(OLT)の左右差が6%未満であって、片足タッピング(OLT)の左右の合計値から、座位片足タッピング(Sit OLT)の左右合計値を引いた値が、−4以上であって、片足タッピングの合計値が60以上の場合は良いと判定される(S50、S50−1、S51)。そうでない場合は、片足タッピング(OLT)の左右の合計値から、座位片足タッピング(Sit OLT)の左右合計値を引いた値が、−19以上であれば、両下肢支持力がやや弱いと判定される(S52)。−20以下であれば両下肢支持力が弱いと判定される(S54)。
ステップ40において、片足タッピング(OLT)の左右差が6%未満であって、座位片足タッピング(Sit OLT)の値が50以上で、片足タッピングの合計値が60以上であれば良いと判定される(S60−1、S60、S61)。そうでは無い場合、座位片足タッピング(Sit OLT)の値が41以上であれば下肢引上力がやや弱いと判定される(S62、S63)。そうで無い場合、座位片足タッピング(Sit OLT)の値が31以上であれば下肢引上力が弱いと判定され(S64、S65)、31未満であれば下肢引上力がとても弱いと判定される(S64、S66)。
ステップ40において、足関節底背屈テスト(DPT)の片足の回数が25以上で、片足タッピングの回数が60以上であれば良いと判定される(S70−1、S70、S71)。足関節底背屈テスト(DPT)の片足の回数が18以上であれば足関節やや動きが悪いと判定される(S72、S73)。片足の回数が18未満であれば足関節動きが悪いと判定される(S74)。
図10は片足タッピング(OLT)のフローチャートである。片足タッピングにおけるタップは、左右いずれかの足を軸足とし、他方の足底が着床から離床し再度着床して1回と数える。その際、軸足による支持のみとし、上肢や他の身体部位にて支持はしない。また、軸足がマット上を移動しても、計測できればタップしたものとしてカウントする。
上記の条件で片足タッピングの測定を行うが、先ず、測定器20の電源をオンにし(S100)、被験者のナンバーを入力し(S101)、片足タップをスタートさせる(S102)。スタートとともに10秒のカウントダウンを開始し、10秒経過まで片足(左足)タップを繰り返す(S103)。10秒経過で左足タップの測定を終了し(S104)、左足のタップ回数を記録する(S105)。
ここで、タップの測定時間を10秒としたのは、これより短い時間だとタップ能力の高い被験者と低い被験者との差が明瞭にでない。また、これより長い時間になると被験者に疲労が出るためである。
左足のタップ回数の記録が終了したら、右足をマット10上に置き、同様に片足(右足)タップをスタートする(S106、S107)。スタートともに10秒のカウントダウンを開始し、10秒経過まで片足(右足)タップを繰り返し、10秒経過で右足タップの測定を終了し(S108、S109)、右足のタッピング回数を記録した後(S110)、左右の合計タッピング回数を記録する(S111)。
次に、左右の合計タッピング回数をTUGテスト値との相関関係式によりTUG変換値に変換し(S112)、被験者の転倒リスクの評価を作成する(S113)。
図11は座位片足タッピング(Sit OLT)のフローチャートである。座位片足タッピングは、椅子に座ってタップするため、片足タッピングのように左右いずれかの足が軸足となる必要がない。タッピングは他方の足底が着床から離床し再度着床して1回と数える。
上記の条件で座位片足タッピングの測定を行うが、先ず、測定器20の電源をオンにし(S200)、被験者のナンバーを入力し(S202)、座位片足タップをスタートさせる(S203)。スタートともに10秒のカウントダウンを開始し、10秒経過まで座位片足(左足)タップを繰り返す(S203)。10秒経過で左足タップの測定を終了し(S205)、左足のタップ回数を記録する(S206)。
ここで、タップの測定時間を10秒としたのは、これより短い時間だとタップ能力の高い被験者と低い被験者との差が明瞭にでない。また、これより長い時間になると被験者に疲労が出るためである。
左足のタップ回数の記録が終了したら、右足をマット10上に置き、同様に片足(右足)タップをスタートする(S207、S208)。スタートともに10秒のカウントダウンを開始し、10秒経過まで片足(右足)タップを繰り返し、10秒経過で右足タップの測定を終了し(S209)、右足のタッピング回数を記録した後(S210)、左右の合計タッピング回数を記録する(S211)。
図12は足関節底背屈テスト(DPT)のフローチャートである。足関節底背屈テスト(DPT)は、足首の柔軟性をみるテストであり、このテストには足関節底背屈測定器100を用いる。先ず、測定器20の電源をオンにし(S300)、被験者のナンバーを入力し(S301)、足関節底背屈テストをスタートさせる(S302)。スタートともに10秒のカウントダウンを開始し、10秒経過まで足関節底背屈テスト(左足)を繰り返す(S303)。10秒経過で左足の測定を終了し(S304)、左足の回数を記録する(S305)。
ここで、タップの測定時間を10秒としたのは、これより短い時間だとタップ能力の高い被験者と低い被験者との差が明瞭にでない。また、これより長い時間になると被験者に疲労が出るためである。
左足の回数の記録が終了したら、右足を足関節底背屈測定器100上に置き、同様に足関節底背屈テスト(右足)をスタートする(S306、S307)。スタートともに10秒のカウントダウンを開始し、10秒経過まで片足(右足)の底背屈を繰り返し、10秒経過で右足の測定を終了し(S309)、右足の回数を記録した後(S310)、左右の合計回数を記録する(S311)。
被験者として、日常生活が自立している人、及び訪問介護を利用している要介護状態にある67歳から96歳までの男女54名(平均年齢82.5歳)について、片足タッピングの回数を測定し、TUGテスト値との相関関係について調査した。その結果を図13に示す。
図13に示す通り、左右で行った片足タッピングの合計回数とTUGテスト値と間に、有意な相関関係が認められ、相関関係式として、Y=−0.1237×X+16.403が得られた。(YはTUG変換値,Xは第1のタッピング回数と第2のタッピング回数との和、相関係数:r=-0.70,p<0.01)。これらの結果や、転倒既往とTUGテスト値の転倒リスクとの関係から、片足タッピングの左右合計の回数44回が転倒リスクの境界値となり、44回より少ない場合は転倒リスクが高く、45回以上であれば転倒リスクが低いという結果を得ることができた。また、本転倒リスクの評価方法は、従来の転倒リスク評価方法と比較して、より安全でかつTUGテスト値との高い相関関係を示す優れた評価方法であることが確認できた。
以上説明してきた本発明の転倒リスクの評価方法により、被験者92人について転倒リスクの評価を行った。その評価結果レポートの一例を図14、図15に示す。被験者の評価結果レポートは、片足タッピングの左右の回数、座位片足タッピングの左右の回数、そして足関節底背屈テストの左右の回数に基づいて、図8、図9に示す流れにより評価している。また、評価レポートは過去2年間に行われた計9回の結果を時系列のグラフで表し、これまでの経緯を見える化し提示している。
図14において、被験者の片足タッピング(OLT)の左右差は6%以内であるから、ステップ50、ステップ60、ステップ70へと進む。ステップ50における片足タッピング(OLT)の合計値から座位片足タッピング(Sit OLT)の合計値を引いた値は+10であり、片足タッピング(OLT)の合計値は60以上であるから、下肢支持力は良いとなる(S51)。また、座位片足タッピング(Sit OLT)は左右いずれも31回以下であるから、下肢引上力はとても弱いとなる(S66)。また、足関節底背屈テストの回数は、左右いずれも25回であるから足関節やや動きが悪いとなる(S73)。なお、ステップ46、ステップ50に該当しないため、体幹には問題なしと判定される。この結果を示したのが図15である。
図15の下部に示すのが被験者の転倒リスクを改善するための転倒リスク改善運動プログラムである。このプログラムは、図16に示す足関節、下肢引上げ力、両下肢支持力、体幹機能のそれぞれの課題に対するエクササイズに対応するものである。足関節に問題がある場合は、足関節のコントロール性アップエクササイズを行う。
図17は足関節に問題がある場合のエクササイズと、下肢支持力に問題がある場合のエクササイズを示す。また、図18は下肢引上げ力の問題がある場合のエクササイズと、体幹機能向上のためのエクササイズを示す。また、図19には足関節に問題がある場合のエクササイズを実施している様子を示す。
このようにして転倒リスクの評価結果が得られると、その結果に基づいて、被験者が日常生活における諸活動の自立を図るため、被験者にとって最適な転倒予防・改善運動プログラムを提示することができる。
本発明によれば、下肢筋力、バランス、歩行能力、易転倒性といった日常生活との関連性が高い機能を含め、被験者の転倒リスクを簡便に評価できる評価方法およびその装置を提供することにある。また、その評価により得られた結果に基づいて自律的に日常生活を送るための転倒予防・改善運動プログラムを提示可能なシステムを提供することができる。
1 転倒リスク評価装置
10 マット
11 ケーブル
20 測定器
30 入出力装置
100 足関節底背屈測定器
101 足載置台
102 スイッチ
104 回転軸受部
105 接点
106 クッション
107 底板
110 上ゴム板
110−1 下ゴム板
111 上導電層
111−1 下導電層
112 上絶縁層
112−1 下絶縁層
211 検出部
212 指示検出部
213 出力制御部
214 データ処理部
215 測定データ記憶部
216 運動プログラム作成部
217 電源・制御部
218 表示部

Claims (2)

  1. 被験者が片方の足で所定の時間内にタップした片足タッピングの回数を電気信号として出力する手段を備えたマットと、被験者が椅子に座って片方の足で所定の時間内に足関節底背屈した回数を電気信号として出力する手段を備えた足関節底背屈測定器と、前記マット及び前記足関節底背屈測定器とを接続する測定器と、前記測定器からのデータを表示する入出力装置とを備えた転倒リスク評価装置において、
    前記測定器は、前記片足タッピング回数を検出し記憶する測定データ記憶部1と、
    前記測定データ記憶部1に記憶されている前記片足タッピング回数とTUGテスト値との相関関係式から前記タッピング回数をTUGテスト値に変換するデータ変換部と、
    前記変換された変換TUGテスト値から前記被験者の転倒リスクを評価する評価部と、
    座位片足タッピング回数を検出し記憶する測定データ記憶部2と、
    前記足関節底背屈の回数を記憶する測定データ記憶部3と、
    前記測定データ記憶部1と、前記測定データ記憶部2と、前記測定データ記憶部3とに記憶されているデータとから、転倒リスクと下肢支持力及び/又は体幹機能、あるいは足関節について転倒リスクの改善を促す運動プログラムを提示する運動プログラム作成部
    とを備えたことを特徴とする転倒リスク評価装置。
  2. 前記足関節底背屈測定器は、短手方向の中心線上に配置された回転軸受部の回転軸を挟んで上下する長方形の底板と、前記底板の上面である片足を載置する載置台と、前記底板の下面に設けられ、前記底板の長手方向の下面端部が着離床することでオンオフするスイッチとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の転倒リスク評価装置。
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