JP2003503642A - 閉じられた油圧循環系で逆転動作する内接歯車機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明の課題は、両回転方向に運転することができ、閉じられた装置内に設けることができ、さらに詳しくは圧力レンジの位置が変わる内接歯車機械を提供することである。この課題は、外側に歯が形成されたピニオンと、該ピニオンと噛合する歯が内側に形成された中空大歯車と、ハウジングと、前記ピニオンと前記中空大歯車との間に形成された三日月状空間に設けられるフィリングとを備え、前記フィリングは２つの同じような形状を有するフィリング部材を有し、前記ハウジングに支持されるストップピンが設けられており、該ストップピンに対して前記フィリング部材がフェース面で支持され、前記ハウジングは、２つの圧力連通部および漏れ出口を有し、前記フィリング部材は、前記ピニオンの中心点と前記中空大歯車の中心点とを結ぶ平面に対して対称に配置され、前記２つの圧力連通部は、軸線方向に見て前記対称軸線の両側に設けられていることによって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は内接歯車機械、特に内接歯車ポンプに関するものである。そのような
機械は多くの文献、たとえば独国第 41 04 397 号公開公報から公知である。

【０００２】

【従来の技術】

国際特許出願第 WO 95/12070 号明細書には、縦方向に分割されたフィリング
部材を有する内接歯車機械が開示されている。

【０００３】 上述したタイプの機械が逆転動作で運転され、圧力レンジが変わるときにいつ
も問題が生じる。たとえば、このように適用したいと考えられるものはたくさん
あり、これら適用対象において内接歯車ポンプを時計方向および反時計方向の両
方向で作動させることが望まれている。これらのものにおいて現在までのところ
、そのようなポンプが閉じられた装置内で運転されるとき、その問題を解決でき
る解決策はまだ見つかっていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

本発明の課題は、両回転方向に運転することができ、閉じられた装置内に設け
ることができ、さらに詳しくは圧力レンジの位置が変わる内接歯車機械を提供す
ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この問題は、請求項１の特徴によって解決される。

【０００６】

【発明の実施の形態】

以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００７】 図１に示す内接歯車ポンプは主たる要素として、外歯を有するピニオン１と、
内歯を有する中空大歯車２と、２つのフィリング部材３，４からなるフィリング
と、ストップピン５と、ハウジング６とを備えているものである。

【０００８】 ピニオン１は中空大歯車２に対して偏心して設けられている。ピニオン１の中
心点Ｍ１および中空大歯車２の中心点Ｍ２を参照されたい。これら２つの中心点
Ｍ１，Ｍ２を通る線を一点鎖線で示す直線で示している。これは左右対称の平面
を示すものである。これについての意味は以下でさらに説明する。

【０００９】 ピニオン１と中空大歯車２との間の三日月状空間にはフィリング部材が設けら
れている。このフィリング／ライニングは、２つのフィリング部材３，４を有す
るものである。ストッパ５はある遊び量をもってハウジング６内に支持されてい
る。図に示すように、ストッパ５は２つの支持面５．１，５．２を有している。
２つのフィリング部材３，４のフェース面は、支持面５．１，５．２で支持され
ている。

【００１０】 さらにこれら２つのフィリング部材３，４は、それ自身公知の方法で縦方向に
分割されている。それゆえ、これらフィリング部材３，４はそれぞれ、内側部３
．１，３．２、内側部４．１，４．２から構成されている。しかしながら、これ
らフィリング部材３，４は１つの部材で構成することもできる。

【００１１】 ハウジング６には、圧力連通部６．１，６．２が設けられている。これら２つ
の圧力連通部６．１，６．２は、対称軸線７の両側に位置するように設けられて
いる。さらに、ハウジング６には漏れ出口６．３が設けられている。この場合、
この漏れ出口６．３は対称面７上に正確に配置されている。

【００１２】 また、重要な点は以下の特徴である。２つのフィリング部材３，４が対称面７
に対して対称になるように、それらフィリング部材の配置がなされている。さら
に、対称面７がストップピン５を通過するとともに、このストップピン５を互い
に対称となる２つの部材に分割するように配置されている。図から対称面７は、
２つの支持面５．１，５．２から形成されたストップピン５の先端を通過するこ
とがわかる。

【００１３】 さらに、ハウジング６にはリセス６．１．１，６．２．１，６．３．１が設け
られている。これらリセスはそれぞれ、圧力連通部６．１，６．２、漏れ出口６
．３と連通している。

【００１４】 図２に示す回路図において、１つは本発明によるポンプ１０である。このポン
プ１０は閉じられた循環装置の一構成要素である。さらに、複動ピストン１１．
１およびシリンダ１１．２を備える油圧装置１１が設けられている。ピストン１
１．１はシリンダ１１．２内において両方向に摺動可能なものである。２つの配
管１２，１３の１つによってシリンダにポンプ１０による圧力媒体が作用する。
ポンプ１０の回転方向によって圧力媒体が配管１２内あるいは配管１３内のいず
れか一方に伝達される。

【００１５】 さらにまた、ポンプ１４、減圧弁１５、配管１６、配管１７、および供給容器
１８が設けられている。

【００１６】 図１に示す内接歯車ポンプにおいては、どうしても漏れが生じる。この漏れの
すべては図１に示す漏れ出口６．３を通って出てくる。漏れ量は、ポンプ１４に
供給されるものとして絶え間なく置換されなければならない。ポンプ１４には供
給容器１８から取り出された圧力媒体（一般にオイル）が供給される。圧力媒体
は配管１６を通ってポンプ１４に移動する。減圧弁１５は、媒体圧力がある上限
値を超えないようにするためのものである。もし、媒体圧力がそのような上限値
を超える場合には、その圧力で減圧弁が開く。これにより、圧力媒体のある量が
配管１７を流れて供給容器１８に再び戻されるようになる。上限値にまで減圧さ
れたオイルは配管１６内を下流側に流れ、ポンプ１０の回転方向に応じて２つの
逆止弁１９，２０のいずれか一方を通過して２本の配管１２，１３のいずれか一
方内に流れ込むとともに、ピストン１１．１の両側のうちいずれか一側に流れ込
むようになっている。

【００１７】 本発明による内接歯車ポンプ１０は、たとえば３００バール（bar）のような
高圧にまで昇圧するものであるのに対して、フィードポンプとして働くポンプ１
４は、たとえば１０バールといった実質的に低い圧力のみを達成できるものであ
ればよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による内接歯車ポンプの断面図である。

【図２】 本発明による内接歯車ポンプを備えた回路図である。

【符号の説明】

１ ピニオン ２ 中空大歯車 ３ フィリング部材 ４ フィリング部材 ５ ストップピン ５．１ フェース面 ５．２ フェース面 ６ ハウジング ６．１ 圧力連通部 ６．２ 圧力連通部 ６．３ 漏れ出口 ７ 平面 Ｍ１ 中心点 Ｍ２ 中心点

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 閉じられた循環系で逆転動作する内接歯車機械であって、 外側に歯が形成されたピニオン（１）と、 前記ピニオン（１）と噛合する歯が内側に形成された中空大歯車（２）と、 ハウジング（６）と、 前記ピニオン（１）と前記中空大歯車（２）との間に形成された三日月状空間
   に設けられるフィリングとを備え、 前記フィリングは２つの同じような形状を有するフィリング部材（３，４）を
   有し、 前記ハウジング（６）に支持されるストップピン（５）が設けられており、該
   ストップピン（５）に対して前記フィリング部材（３，４）がフェース面（５．
   １，５．２）で支持され、 前記ハウジング（６）は、２つの圧力連通部（６．１，６．２）および漏れ出
   口（６．３）を有し、 前記フィリング部材（３，４）は、前記ピニオン（１）の中心点（Ｍ１）と前
   記中空大歯車（２）の中心点（Ｍ２）とを結ぶ平面（７）（対称平面）に対して
   対称に配置され、 前記２つの圧力連通部（６．１，６．２）は、軸線方向に見て前記対称軸線（
   ７）の両側に設けられていることを特徴とする閉じられた循環系で逆転動作する
   内接歯車機械。
2. 【請求項２】 前記漏れ出口（６．３）は、前記対称平面（７）上に少なく
   ともおおよそ配置されていることを特徴とする請求項１に記載の内接歯車機械。
3. 【請求項３】 前記機械は、閉じられた装置の構成要素の１つであることを
   特徴とする請求項１または２に記載の内接歯車機械。